JP3270185B2 - 軟質ポリエステル樹脂 - Google Patents
軟質ポリエステル樹脂Info
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Description
される軟質ポリエステル樹脂に関し、さらに詳しくは、
透明性に優れ、弾性に富み、機械的特性に優れ、成形加
工性に優れた軟質ポリエステル樹脂に関するものであ
る。
リエステル樹脂は、透明性に優れ、機械的特性に優れて
いること等から、ボトルやシート等の成形材料用樹脂と
して使用されている。ポリエチレンテレフタレート樹脂
の高い透明性は、樹脂の結晶化度が小さい領域で使用す
ることによる特徴である。しかし、ポリブチレンテレフ
タレートエラストマーのような軟質ポリエステル樹脂で
は、ハードセグメントとして結晶相を用い、ソフトセグ
メントとしてポリエーテルを用いるために不透明な樹脂
となり、透明な軟質ポリエステル樹脂を得ることは困難
であった。そのため、透明性の高い軟質材料としては、
主に軟質塩化ビニル樹脂が使用されていた。
ル樹脂では、経時的な可塑剤のブリードアウトによる塵
埃の付着が発生する等の問題点を有している。また、塩
化ビニル樹脂は、焼却処理において環境問題を有してお
り、軟質塩化ビニル樹脂に代わる透明な軟質材料とし
て、軟質ポリエステル樹脂が期待されていた。そこで、
本発明の目的は、透明な軟質材料として塩化ビニル樹脂
に代わり得る透明性に優れ、弾性に富み、機械的特性に
優れ、成形加工性に優れた軟質ポリエステル樹脂を提供
することである。
な状況に鑑み、軟質ポリエステル樹脂について鋭意検討
した結果、本発明に到達したものである。すなわち、本
発明の軟質ポリエステル樹脂は、イソフタル酸またはそ
のエステル形成誘導体を5〜50モル%含有するジカル
ボン酸成分と、エチレングリコールを主成分とするジオ
ール成分と、樹脂成分中に0.1〜25重量%の炭素数
2以上の繰り返し単位を持つポリエーテルとからなるこ
とを特徴とする
構成するジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフ
タレン−2,6−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸
またはこれらのエステル形成誘導体を主成分とするもの
である。これらの成分は、全酸成分中に80モル%以上
含有することが好ましく、さらに好ましくは90モル%
以上である。これは、これら成分の含有量が80モル%
未満であると、軟質ポリエステル樹脂の機械的特性が低
下するためである。また、本発明においては、アジピン
酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸を本発明の効果
を損なわない範囲内、例えば全酸成分中に20モル%未
満の範囲で共重合させてもよい。
リエステル樹脂に優れた透明性および柔軟性を付与する
点から、ジカルボン酸成分としてイソフタル酸またはそ
のエステル形成誘導体を5〜50モル%含有することが
必要であり、好ましくは10〜40モル%の範囲であ
る。これは、イソフタル酸の含有量が5モル%未満では
得られる軟質ポリエステル樹脂の透明性や柔軟性が劣る
ためであり、逆に50モル%を超えると所定の重合度ま
で重合を進めることが困難となり、成形可能な樹脂を得
ることができないためである。
ジオール成分としては、エチレングリコールを主成分と
するものであり、全ジオール成分中にエチレングリコー
ルが60モル%以上含有されていることが好ましく、さ
らに好ましくは70モル%以上である。これは、エチレ
ングリコールの含有量が50モル%未満であると、重合
時の反応性が低下して所定の重合度の樹脂を得ることが
困難となるためである。また、本発明においては、ネオ
ペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビ
スフェノール化合物またはその誘導体のエチレンオキサ
イド付加物等の他のジオール成分を、本発明の効果を損
なわない範囲内で共重合させることもできる。ここで、
ビスフェノール化合物またはその誘導体のエチレンオキ
サイド付加物としては、次の一般式(1)および(2)
に示される構造を有するものが挙げられる。
およびSO2 を示し、nおよびmは2≦n+m≦6を満
足する整数である。)
およびSO2 を示し、RはC1 〜C5のアルキル基また
はハロゲン基を示し、nおよびmは2≦n+m≦6を満
足する整数、aおよびbは1〜4の整数である。) 中でも、次の一般式(3)に示される構造を有するビス
フェノールAエチレンオキサイド付加物が好ましい。
足する整数である。) さらに、本発明の軟質ポリエステル樹脂は、樹脂成分中
に0.1〜25重量%の範囲で炭素数2以上のポリエー
テルを含有することが必要である。これは、ポリエーテ
ルの含有量が0.1重量%未満では、得られた軟質ポリ
エステル樹脂の柔軟性が十分でなくなるためである。使
用されるポリエーテルとしては、例えば、ポリエチレン
グリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等が
挙げられ、ポリエチレングリコールでは分子量300〜
20000程度もの、ポリオキシテトラメチレングリコ
ールでは分子量300〜4000程度のものが好まし
い。これは、これら分子量が上記範囲未満であると柔軟
性付与の効果が少なく、逆に上記範囲を超えると樹脂と
の相溶性が低下し透明性が損なわれるためである。中で
も、耐候性等の点でポリテトラオキシメチレングリコー
ルが好ましい
樹脂の熱安定性や耐候性を向上させるために、安定剤等
の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、
フェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、
フォスファイト系安定剤等が挙げられる。本発明の軟質
ポリエステル樹脂の製造方法としては、公知の直接重合
法やエステル交換法が使用でき、その重合度は特に限定
されるものではないが、固有粘度(フェノールとテトラ
クロロエタンの等重量混合溶液中で25℃で測定)が
0.5以上ものが好ましい。
する。実施例における固有粘度は、フェノールと1,
1,2,2,−テトラクロルエタンを重量比で1:1に
混合した溶媒に溶解させ、ウベローデ型粘度計で25℃
にて測定した。アイゾット衝撃強度は、ASTM−D2
56に準拠し、試験片を2号Bとしてノッチ付きで測定
した。引張弾性率はASTM−D638に準拠して、曲
げ弾性率はASTM−D790に準拠して測定した。ヘ
イズは、押出機で製膜した厚さ150μmのシートをサ
ンプルとして、東京電色社製ヘイズメーターMODEL
TC−H3を用いて測定した。
レングリコール150モル部、ポリオキシテトラメチレ
ングリコール(分子量4000)5重量%を反応容器に
入れ、重合安定剤としてトリメチルフォスフェートを酸
成分に対して100ppm、重合触媒として三酸化アン
チモンを酸成分に対して500ppm添加し、直接重合
法によって重合して軟質ポリエステル樹脂を得た。得ら
れた軟質ポリエステル樹脂を射出成形機を用いて強度試
験用試験片を作製し、アイゾット衝撃強度、引張弾性
率、曲げ弾性率を測定した。その測定結果を樹脂組成、
固有粘度およびヘイズとともに表1に示した。
チレングリコール150モル部、ポリオキシテトラメチ
レングリコール(分子量1000)2重量%を反応容器
に入れ、重合安定剤としてトリメチルフォスフェートを
酸成分に対して200ppm、重合触媒として三酸化ア
ンチモンを酸成分に対して700ppm添加し、直接重
合法によって重合して軟質ポリエステル樹脂を得た。得
られた軟質ポリエステル樹脂を射出成形機を用いて強度
試験用試験片を作製し、アイゾット衝撃強度、引張弾性
率、曲げ弾性率を測定した。その測定結果を樹脂組成、
固有粘度、ヘイズとともに表1に示した。
部、イソフタル酸ジメチル30モル部、エチレングリコ
ール100モル部、ビスフェノールSエチレンオキサイ
ド付加物(n+m=2)40モル部、ポリエチレングリ
コール(分子量2000)10重量%を反応容器に入
れ、エステル交換触媒として酢酸亜鉛を酸成分に対して
300ppm、重合安定剤としてトリメチルフォスフェ
ートを酸成分に対して200ppm、重合触媒として三
酸化アンチモンを酸成分に対して700ppm添加し、
エステル交換法によって重合して軟質ポリエステル樹脂
を得た。得られた軟質ポリエステル樹脂を射出成形機を
用いて強度試験用試験片を作製し、アイゾット衝撃強
度、引張弾性率、曲げ弾性率を測定した。その測定結果
を樹脂組成、固有粘度、ヘイズとともに表1に示した。
チレングリコール150モル部、シクロヘキサンジメタ
ノール30モル部、ポリオキシテトラメチレングリコー
ル(分子量2000)25重量%を反応容器に入れ、重
合安定剤としてトリメチルフォスフェートを酸成分に対
して200ppm、重合触媒として三酸化アンチモンを
酸成分に対して700ppm添加し、直接重合法によっ
て重合して軟質ポリエステル樹脂を得た。得られた軟質
ポリエステル樹脂を射出成形機を用いて強度試験用試験
片を作製し、アイゾット衝撃強度、引張弾性率、曲げ弾
性率を測定した。その測定結果を樹脂組成、固有粘度、
ヘイズとともに表1に示した。
モル部を反応容器に入れ、重合安定剤としてトリメチル
フォスフェートを酸成分に対して200ppm、重合触
媒として三酸化アンチモンを酸成分に対して500pp
m添加し、直接重合法によって重合し、ポリエステル樹
脂を得た。得られたポリエステル樹脂を射出成形機を用
いて強度試験用試験片を作製し、アイゾット衝撃強度、
引張弾性率、曲げ弾性率を測定した。その測定結果を樹
脂組成、固有粘度、ヘイズとともに表1に示した。
チレングリコール100モル部、ポリエチレングリコー
ル(分子量1000)80重量%を反応容器に入れ、重
合安定剤としてトリメチルフォスフェートを酸成分に対
して200ppm、重合触媒として三酸化アンチモンを
酸成分に対して500ppm添加し、直接重合法によっ
て重合を行ったが、成形可能な樹脂を得ることはできな
かった。
レングリコール50モル部、ビスフェノールAエチレン
オキサイド付加物(n+m=2)100モル部、ポリエ
チレングリコール(分子量1000)15重量%を反応
容器に入れ、重合安定剤としてトリメチルフォスフェー
トを酸成分に対して200ppm、重合触媒として三酸
化アンチモンを酸成分に対して500ppm添加し、直
接重合法によって重合を行ったが、成形可能な樹脂を得
ることはできなかった。
チレングリコール100モル部、ポリオキシテトラメチ
レングリコール(分子量2000)15重量%を反応容
器に入れ、重合安定剤としてトリメチルフォスフェート
を酸成分に対して200ppm、重合触媒として三酸化
アンチモンを酸成分に対して500ppm添加し、直接
重合法によって重合を行ったが、成形可能な樹脂を得る
ことはできなかった。
チレングリコール150モル部を反応容器に入れ、重合
安定剤としてトリメチルフォスフェートを酸成分に対し
て200ppm、重合触媒として三酸化アンチモンを酸
成分に対して500ppm添加し、直接重合法によって
重合し、ポリエステル樹脂を得た。得られた軟質ポリエ
ステル樹脂を射出成形機を用いて強度試験用試験片を作
製し、アイゾット衝撃強度、引張弾性率、曲げ弾性率を
測定した。その測定結果を樹脂組成、固有粘度、ヘイズ
とともに表1に示した。
モル部、ポリオキシテトラメチレングリコール(分子量
1000)10重量%を反応容器に入れ、重合安定剤と
してトリメチルフォスフェートを酸成分に対して200
ppm、重合触媒として三酸化アンチモンを酸成分に対
して500ppm添加し、直接重合法によって重合し、
ポリエステル樹脂を得た。得られた軟質ポリエステル樹
脂を射出成形機を用いて強度試験用試験片を作製し、ア
イゾット衝撃強度、引張弾性率、曲げ弾性率を測定し
た。その測定結果を樹脂組成、固有粘度、ヘイズととも
に表1に示した。
次の通りである。 TPA :テレフタル酸 IPA :イソフタル酸 NDA :ナフタレン−1,4−ジカルボン酸 EG :エチレングリコール CHMD:シクロヘキサンジメタノール BPSE:ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物 BPAE:ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物 PTMG:ポリオキシテトランメチレングリコール PEG :ポリエチレングリコール
た柔軟性を有するとともに、高い透明性と優れた機械的
特性を示し、成形加工性にも優れたものであり、各種成
形材料用の透明な軟質材料として広く使用することがで
きる。
Claims (2)
- 【請求項1】 イソフタル酸またはそのエステル形成誘
導体を5〜50モル%含有するジカルボン酸成分と、エ
チレングリコールを主成分とするジオール成分と、樹脂
成分中に0.1〜25重量%の炭素数2以上の繰り返し
単位を持つポリエーテルとからなることを特徴とする軟
質ポリエステル樹脂。 - 【請求項2】 ポリエーテルがポリオキシテトラメチレ
ングリコールであることを特徴とする請求項1記載の軟
質ポリエステル樹脂。
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---|---|---|---|
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP08619693A JP3270185B2 (ja) | 1993-04-13 | 1993-04-13 | 軟質ポリエステル樹脂 |
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---|---|---|---|
JP08619693A Expired - Fee Related JP3270185B2 (ja) | 1993-04-13 | 1993-04-13 | 軟質ポリエステル樹脂 |
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---|---|
JP (1) | JP3270185B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20180104303A (ko) | 2016-02-03 | 2018-09-20 | 다이와 세칸 가부시키가이샤 | 폴리에스테르 수지 조성물 |
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CA2215035C (en) * | 1996-02-21 | 2003-07-08 | Mitsui Petrochemical Industries, Ltd. | Polyesters, polyester compositions, polyester laminates and processes for producing biaxially stretched polyester bottles |
US5912307A (en) * | 1996-05-03 | 1999-06-15 | Bp Amoco Corporation | Polyester compositions |
-
1993
- 1993-04-13 JP JP08619693A patent/JP3270185B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR20180104303A (ko) | 2016-02-03 | 2018-09-20 | 다이와 세칸 가부시키가이샤 | 폴리에스테르 수지 조성물 |
US10662285B2 (en) | 2016-02-03 | 2020-05-26 | Daiwa Can Company | Polyester resin composition |
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