JP2010023295A - 立体模様形成用の熱収縮性フィルム、熱収縮性筒状ラベル、及び熱収縮性フィルムの立体模様形成方法 - Google Patents

立体模様形成用の熱収縮性フィルム、熱収縮性筒状ラベル、及び熱収縮性フィルムの立体模様形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、レーザー照射によって視認可能な表示を印刷することができ、更に、この表示を立体的に形成できる立体模様形成用の熱収縮性フィルムを提供することを課題とする。
【解決手段】 立体模様形成用の熱収縮性フィルムは、熱収縮性を有するベースフィルム2と、前記ベースフィルム2の裏面に積層され且つレーザー照射によって発色する発色層3と、前記発色層3の裏面に積層されたホットメルト樹脂層5と、を有する。この発色層3とホットメルト樹脂層5の間には、背景印刷層4が積層されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、立体的な模様を形成できる熱収縮性フィルム、及び該フィルムを筒状に形成した熱収縮性筒状ラベルなどに関する。
熱収縮性筒状ラベルは、熱収縮によって容器などに装着可能な包装資材の1種である。
従来、熱収縮によって立体的な模様を形成できる熱収縮性筒状ラベルが知られている(特許文献1)。
かかる熱収縮性筒状ラベルは、装飾的に優れているだけでなく、表示情報を触覚をもって視覚障害者に伝えることができるので好ましい。
具体的には、特許文献1には、熱収縮性フィルムの片面に紫外線硬化型インキを用いて任意の図柄を印刷し、この印刷面を外側にして熱収縮性フィルムを円筒状として容器に被せ、加熱収縮させて容器に密着させると共に、前記図柄を凸状の立体模様とした立体模様シュリンクラベルが開示されている。
この立体模様シュリンクラベルは、紫外線硬化型インキの塗布されたフィルム部分が収縮し難くなる一方で、紫外線硬化型インキの塗布されていないフィルム部分が熱収縮する結果、紫外線硬化型インキの塗布された部分(図柄部分)が凸状となって浮かび上がる。
しかしながら、特許文献1の熱収縮性筒状ラベルは、紫外線硬化型インキを用いているため、予めデザインが決まっている表示(例えば、商品名、商品に関する図柄、製造販売者名など)を印刷することには適していても、状況に応じて個々に変化し得るオンデマンド的な表示(例えば、製造年月日、賞味期限、懸賞キャンペーンを行っている場合の懸賞応募IDなど)を印刷することは困難である。
このようなオンデマンド的な表示は、例えば、レーザー印刷によって簡易に行うことができる。特許文献2には、レーザーマーキング可能な記録材が開示されており、該記録材は、表面保護層(プラスチックフィルム)と表面保護層の裏面に積層されたレーザー発色性印刷インキ皮膜層とを有する。該記録材は、表面保護層側からレーザーを照射することにより、発色して視認可能な表示が表れる。
しかしながら、特許文献2には、レーザー照射によって立体的な模様を形成することについては一切開示又は示唆されていない。
特開平9−330030号公報 特開2007−55110号公報
本発明の第1の課題は、レーザー照射によって視認可能な表示を印刷でき、更に、この表示部分を立体化できる立体模様形成用の熱収縮性フィルム、及びこれを用いた熱収縮性筒状ラベルを提供することである。
本発明の第2の課題は、レーザー照射によって立体的な模様を形成できる熱収縮性フィルムの立体模様形成方法を提供することである。
本発明の立体模様形成用の熱収縮性フィルムは、熱収縮性を有するベースフィルムと、前記ベースフィルムに積層され且つレーザー照射によって発色する発色層と、前記発色層に積層されたホットメルト樹脂層と、を有することを特徴とする。
上記熱収縮性フィルムは、ベースフィルムの表面側からレーザーを照射することにより、発色層が発色して、視認可能な表示が印刷される。また、レーザー照射によってホットメルト樹脂層が盛り上がり、且つ、熱収縮性フィルムを熱収縮させることによって、ベースフィルムの表面においてレーザー照射部分(つまり、前記表示に対応した部分)が凸状に突出する。従って、本発明の熱収縮性フィルムは、視認可能な表示を簡易に立体化することができる。
本発明の好ましい熱収縮性フィルムは、前記ホットメルト樹脂層が、ベースポリマー及び粘着付与剤を含有し、前記粘着付与剤の軟化点が95℃以上である。
上記好ましい熱収縮性フィルムは、ロール状に巻き取るなどしても、ホットメルト樹脂層を介してブロッキングが生じ難い。
本発明の他の好ましい熱収縮性フィルムは、前記ホットメルト樹脂層の120℃での粘度が5,000〜10,000mPa・sである。
ホットメルト樹脂層の形成方法の1つとして、例えば、ホットメルト樹脂を加熱溶融させてベースフィルムに塗工する方法がある。
上記他の好ましい熱収縮性フィルムは、ホットメルト樹脂層の120℃での粘度が5,000〜10,000mPa・sであるため、ホットメルト樹脂を120℃前後に加熱溶融することにより、ベースフィルムに良好に塗工できる。また、120℃前後のホットメルト樹脂をベースフィルムに塗工したときに、該ベースフィルムは、殆ど熱収縮することはない。
本発明の他の好ましい熱収縮性フィルムは、前記発色層とホットメルト樹脂層の間に、背景印刷層が積層されている。
上記他の好ましい熱収縮性フィルムは、発色層とホットメルト樹脂層の間に背景印刷層が積層されているので、この背景印刷層とのコントラストにより、レーザー照射によって印刷された視認可能な表示を、より鮮明に視認できる。
本発明の別の局面によれば熱収縮性筒状ラベルを提供する。
本発明の熱収縮性筒状ラベルは、前記ベースフィルムの熱収縮方向が周方向となるように、前記熱収縮性フィルムが筒状に形成されている。
また、本発明の別の局面によれば熱収縮性フィルムの立体模様形成方法を提供する。
本発明の立体模様形成方法は、熱収縮性を有するベースフィルムとベースフィルムの裏面側に積層されたホットメルト樹脂層とを有する熱収縮性フィルムの表面側から、レーザー照射を行う照射工程と、熱収縮性フィルムを被装着体に装着し、加熱することによって熱収縮させる収縮工程と、を有する。
上記立体模様形成方法によれば、熱収縮性フィルムの表面の一部(レーザー照射部分)が、凸状に突出する。よって、本発明の立体模様形成方法によれば、立体模様を容易に形成できる。
本発明の好ましい立体模様形成方法は、前記照射工程の後に、前記収縮工程が行われ、前記収縮工程において、レーザー照射部分に対応した熱収縮性フィルムの裏面が前記被装着体の表面に接触するように、前記熱収縮性フィルムを熱収縮させる。
上記好ましい立体模様形成方法は、レーザー照射部分に対応した熱収縮性フィルムの裏面が前記被装着体の表面に接触するように、レーザ熱収縮性フィルムを熱収縮させることによって、レーザー照射部分におけるホットメルト樹脂層の盛り上がり度合いが増す。よって、好ましい立体模様形成方法によれば、より大きく凸状に突出した立体模様を形成できる。
本発明の熱収縮性フィルム及び熱収縮性筒状ラベルは、視認可能で且つ立体的な表示を形成することができる。
また、本発明の立体模様形成方法によれば、レーザー照射及び熱収縮を行うことによって、熱収縮性フィルムの表面に立体模様を形成できる。
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
なお、各図において、各層の厚みなどは、実際のものと異なっていることに留意されたい。
<熱収縮性フィルム>
図1に於いて、1は、上から順に、熱収縮性のベースフィルム2と、レーザー照射によって発色する発色層3と、所定の色彩がベタ状に印刷された背景印刷層4と、ホットメルト樹脂を主成分とするホットメルト樹脂層5と、を有する熱収縮性フィルムを示す。
熱収縮性フィルム1は、長尺状でもよいし、所定形状(例えば、平面視長方形状)に裁断されていてもよい。なお、長尺状とは、長さ寸法が幅寸法よりも十分に大きい形状を意味する。その長さ寸法は、通常、幅寸法の5倍以上であり、好ましくは10倍以上である。長尺状の熱収縮性フィルム1は、保管・運搬時に、ロール状に巻き取られ、使用時に、所定長さに切断される。
上記発色層3は、ベースフィルム2の裏面に積層されている。発色層3は、ベースフィルム2の裏面全体にベタ状に積層されていてもよい。又は、発色層3は、ベースフィルム2の裏面の一部の領域に積層されていてもよい。
背景印刷層4は、少なくとも発色層3の裏面を覆うように、ベースフィルム2の裏面側に積層されている。発色層3がベースフィルム2の一部の領域に積層されている場合、背景印刷層4は、発色層3の裏面のみに対応して積層されていてもよいし、又は、発色層3の裏面を含むベースフィルム2の裏面全体若しくは発色層3の裏面を含むベースフィルム2の裏面の一部の領域に積層されていてもよい。
ホットメルト樹脂層5は、少なくとも発色層3の裏面に重なるように、ベースフィルム2の裏面側に積層されている。発色層3がベースフィルム2の一部の領域に積層されている場合、ホットメルト樹脂層5は、発色層3の裏面のみに対応して積層されていてもよいし、又は、発色層3の裏面を含むベースフィルム2(厳密には、背景印刷層4)の裏面全体若しくは発色層3の裏面を含むベースフィルム2の裏面の一部の領域に積層されていてもよい。
なお、ベースフィルム2には、意匠印刷層(図示せず)が積層されていてもよい。意匠印刷層とは、予めデザインが決まっている表示(例えば、商品名、商品に関する図柄、製造販売者名など)を印刷した層である。意匠印刷層は、通常のインキのほか、紫外線硬化型インキなどを用いて公知の印刷法によって積層できる。
意匠印刷層は、ベースフィルム2の表面又は/及び裏面に積層できるが、好ましくは、ベースフィルム2の裏面に積層されていることが好ましい。
意匠印刷層は、ベースフィルム2の略全体に積層されていてもよいし、又は、ベースフィルム2の一部の領域に積層されていてもよい。
意匠印刷層がベースフィルム2の裏面の略全体に設けられる場合、ベースフィルム2の裏面に発色層3を積層した後、該発色層3の裏面を含むベースフィルム2の裏面略全体に、意匠印刷層を積層することが好ましい。
また、意匠印刷層がベースフィルム2の裏面の一部の領域に設けられる場合、ベースフィルム2の裏面のうち、意匠印刷層を有しない領域に、上記発色層3を積層することが好ましい。
また、上記熱収縮性フィルム1は、本発明の効果を損なわなければ、上記各層以外に他の機能層を有していてもよい。
(ベースフィルムについて)
ベースフィルムは、その面内の少なくとも一方向に熱収縮性を有していれば、特に限定されない。
ベースフィルムは、80℃に加熱した際の一方向(主たる熱収縮方向)における熱収縮率が30%以上のフィルムが好ましく、さらに、同40%以上のフィルムがより好ましく、同50%以上のフィルムが特に好ましい。なお、ベースフィルムは、他方向にも熱収縮し得るフィルムでもよい。なお、他方向とは、ベースフィルムの面内において、前記一方向と直交する方向をいう。この場合、そのベースフィルムは、80℃に加熱した際の他方向における熱収縮率が1〜15%のフィルムが好ましく、さらに、同1〜10%のフィルムがより好ましい。
ここで、上記80℃に加熱した際の熱収縮率とは、加熱前のフィルムの長さ(元の長さ)と、フィルムを80℃の温水中に10秒間浸漬した後のフィルムの長さ(浸漬後の長さ)の割合であり、下記式(1)に代入して求められる。
式(1):熱収縮率(%)=[{(一方向(又は他方向)の元の長さ)−(一方向(又は他方向)の浸漬後の長さ)}/(一方向(又は他方向)の元の長さ)]×100。
上記ベースフィルムの材質は、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂から選ばれる1種、又は2種以上の混合物などからなる合成樹脂製フィルムが挙げられる。また、ベースフィルムは、熱収縮性を有する2種以上のフィルムが積層された積層フィルムや、熱収縮性を有するフィルムに他の層が積層された積層フィルムなどを用いることもできる。
ベースフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることが好ましい。ポリエチレンテレフタレートフィルムは、比較的収縮応力が高いので、熱収縮させたときに、顕著な立体模様を形成できる。
また、ベースフィルムは、透明性に優れたフィルムを用いることが好ましい。該ベースフィルムは、全光線透過率が70%以上であるフィルムが好ましく、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。ただし、全光線透過率は、JIS K7105(プラスチックの光学的特性試験方法)に準拠した測定法によって測定される値をいう。
ベースフィルムの厚みは、特に限定されないが、一般に、20μm〜100μmであり、好ましくは30μm〜80μmである。
(発色層について)
発色層は、レーザー照射によって発色し得るものであれば、従来公知の構成を採用できる。例えば、発色層は、レーザー照射によって発色する発色剤と、該発色剤を固定するバインダーと、を含み、必要に応じて、各種の添加剤を含む。
発色剤には、レーザー照射によってそれ自身が発色する剤、レーザー照射によってその周囲に存するバインダー樹脂などを発色(例えば、炭化によって黒色に変化)させる剤、などが含まれる。
発色剤としては、顔料、染料、無機材料等などを使用することができる。具体的には、発色剤としては、黄色酸化鉄、無機鉛化合物、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、水銀、コバルト、銅、ビスマス、ニッケル等の金属化合物、真珠光沢顔料、珪素化合物、雲母類、カオリン類、珪砂、硅藻土、タルク、酸化アンチモン・酸化スズ、酸化チタン被覆雲母類などが挙げられる。また、特開2007−55110号公報に記載された顔料、染料、無機材料を用いることもできる。これら発色剤は、1種単独で、又は2種以上併用できる。
バインダーとしては、例えば、ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体などのオレフィン系樹脂及びこれを酸で変性した酸変性オレフィン樹脂;酢酸ビニル系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;塩化ビニル系樹脂;スチレン系樹脂;カーボネート系樹脂;ポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂を使用することができる。また、バインダーとしては、光硬化型樹脂、二液反応型樹脂などを使用することもできる。
添加剤としては、顕色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、難燃剤などを使用できる。添加剤は、発色剤の発色を損ねない範囲で添加される。
発色層中の発色剤の含有量は、従来公知の範囲内に調整でき、通常、1質量%〜50質量%程度である。
発色層の厚みは、特に限定されず、通常、0.5μm〜50μmであり、好ましくは1μm〜30μmである。
発色層の形成方法は、バインダーの材質などに応じて適宜選定される。好ましくは、発色剤、バインダー及び添加剤を溶媒に溶解させ、この溶液をベースフィルムに塗布乾燥する方法(溶液塗布法)により、発色層を形成することができる。
上記発色層は、レーザー照射によって、発色剤が炭化・熱変色などを起こし、所定の色彩を発色する。
レーザー光線としては、YAGレーザー光線(イットリウム・アルミニウム・ガーネットレーザー光線。波長=1,064nm)や、YVOレーザー光線(イットリウム・バナデートレーザー光線。波長=1,064nm)などを使用できる。これらのレーザー光線は、ベースフィルムを透過するので、ベースフィルムを損傷することなく発色剤を発色させることができる。
(背景印刷層について)
背景印刷層は、発色層の色彩を際立たせるなどの目的で設けられている。なお、ベースフィルムに意匠印刷層が設けられている場合には、背景印刷層は、該意匠印刷層の表示も際立たせる。
背景印刷層は、発色層の裏面を含むベースフィルムの裏面側に、所定色のインキをベタ状に印刷することにより積層される。この印刷は、グラビア印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、オフセット印刷などの従来公知の印刷法で行うことができる。
背景印刷層の色は、発色剤の色彩などに応じて適宜設定できるが、通常、白色又は銀色であり、好ましくは白色である。
背景印刷層の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.2〜3μm程度が好ましい。
(ホットメルト樹脂層について)
ホットメルト樹脂層は、ホットメルト樹脂を塗工し、これを硬化させることにより形成されている。ホットメルト樹脂は、加熱溶融によって塗工できる樹脂組成物である。ホットメルト樹脂は、ベースポリマー及び粘着付与剤を含み、必要に応じて、ワックス、安定剤、改質剤などを含む。
ベースポリマーとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、エチレン−アクリル酸系樹脂、エチレン−メタクリル酸系樹脂などのオレフィン系樹脂;スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン−ブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)などの熱可塑性エラストマー;ポリエステル;ポリアミドなどが挙げられる。ベースポリマーは、1種単独で又は2種以上併用できる。ベースポリマーとしては、好ましくは、エチレン−酢酸ビニル系樹脂が用いられる。
粘着付与剤(タッキファイヤー)としては、例えば、ロジン、重合ロジン、水添ロジン及びそれらの誘導体、樹脂酸ダイマーなどのロジン系樹脂;テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、テルペン−フェノール樹脂などのテルペン系樹脂;脂肪族系、芳香族系、脂環族系などの石油樹脂;フェノール樹脂などが挙げられる。粘着付与剤は、1種単独で又は2種以上併用できる。粘着付与剤は、好ましくは、軟化点が95℃以上であるものが好ましく、軟化点100℃以上がより好ましく、軟化点110℃〜125℃のものが特に好ましい。軟化点が95℃以上の粘着付与剤を含むホットメルト樹脂層は、ロール状に巻き取ったときに、ブロッキング(ブロッキングとは、ホットメルト樹脂層を介して2つの部材が付着することをいう)を生じ難いからである。また、上記熱収縮性フィルムを用いて熱収縮性筒状ラベルを形成したときには、ホットメルト樹脂層が、被装着体の表面に接することがあるが、軟化点が95℃以上の粘着付与剤を含むホットメルト樹脂層は、被装着体に対してもブロッキングを生じ難い。
ただし、前記軟化点は、R&B法(リングアンドボール法)によって測定される値である。
上記ホットメルト樹脂層は、上記ホットメルト樹脂を所定温度に加熱して溶融させ、これをベースフィルムに略均一に塗工し、常温に下げて固化させることによって形成できる。
ホットメルト樹脂を塗工するときの塗工温度は、110℃〜130℃が好ましい。該塗工温度であれば、熱収縮性のベースフィルムが実質的に熱収縮しないからである。
上記ホットメルト樹脂は、120℃での粘度が5,000〜10,000mPa・sであるものが好ましく、同粘度が6,000〜8,000mPa・sであるものがより好ましく、同粘度が6,500〜7,500mPa・sであるものが特に好ましい。
このようなホットメルト樹脂は、上記塗工温度(110℃〜130℃)で良好な粘度を示す。
ただし、前記粘度は、ブルックフィールド粘度計によって測定された値である。
上記ホットメルト樹脂層の厚みは、特に限定されないが、例えば、10〜30μm程度、好ましくは15〜25μm程度であり、より好ましくは15〜20μmである。ホットメルト樹脂層が厚すぎると、ブロッキングを生じやすくなり、一方、薄すぎると、良好な立体模様を形成できない場合がある。
(熱収縮性フィルムの効果及び用途)
上記熱収縮性フィルムは、各種の被装着体に装着して使用される。
上記熱収縮性フィルムは、ベースフィルムの表面側から、所望の表示を描くようにしてレーザー光線を照射する。レーザー光線を照射することによって、発色層の発色剤が炭化などを生じて発色する。この発色によって、熱収縮性フィルムの表面に、視認可能な表示が印刷される。
また、レーザー照射を行うと、その照射部分のホットメルト樹脂層が溶融する。その後、溶融したホットメルト樹脂層が再び固化する過程で、その部分が厚肉状に盛り上がる。
さらに、熱収縮性フィルムを加熱して、ベースフィルムを熱収縮させると、ベースフィルムに追従してホットメルト樹脂層も縮むので(つまり、ホットメルト樹脂層の厚みが若干増す)、大きく凸状に突出した立体模様を形成できる。
従って、本発明の熱収縮性フィルムは、視認可能な表示を印刷でき、且つ、該表示を立体化して立体模様を形成できる。
なお、立体模様の形成方法については、別欄に、より具体的に説明する。
上記熱収縮性フィルムは、各種の用途に使用できる。
熱収縮性フィルムの代表的な用途は、包装資材である。例えば、上記熱収縮性フィルムを筒状に形成することにより、熱収縮性筒状ラベルを提供できる。
以下、本発明の熱収縮性筒状ラベルを具体的に詳述する。
<熱収縮性筒状ラベル>
本発明の熱収縮性筒状ラベルは、熱収縮性フィルムの主たる熱収縮方向が筒状ラベルの周方向となるように、熱収縮性フィルムを筒状に形成してなる。
本発明の熱収縮性筒状ラベルは、容器などの被装着体に装着される前から筒状に形成されている態様でもよいし、被装着体に装着された際に筒状に形成される態様(この態様は、巻付けラベルとも呼ばれる)でもよい。
該熱収縮性筒状ラベルの形成においては、上述した熱収縮性フィルムを用いることができる。
好ましい1つの実施形態において、熱収縮性筒状ラベルは、ベースフィルムの裏面の一部の領域に発色層が積層され且つ該発色層の裏面のみに対応してホットメルト樹脂層が積層されている熱収縮性フィルムを用いて形成される。
具体的には、この熱収縮性筒状ラベル10は、図2及び図3に示すように、所定長さに切断した熱収縮性フィルム1の一側端部11の表面に熱収縮性フィルム1の他側端部12の裏面を重ね合わせ、この重ね合わせ部を所定幅接着することにより、筒状に形成されている。なお、熱収縮性フィルム1の主たる熱収縮方向が熱収縮性筒状ラベル10の周方向となるように、熱収縮性フィルム1を筒状に形成する。
上記所定幅接着した部分は、通常、センターシール部13と呼ばれ、内側に位置する熱収縮性フィルム1の一側端部11と外側に位置する熱収縮性フィルム1の他側端部12が接着された部分である。このセンターシール部13は、熱収縮性筒状ラベル10の上縁から下縁に帯状に設けられる。
熱収縮性フィルム1の一側端部11の縁部は、熱収縮性フィルム1の他側端部12に接着されておらず、該縁部は、センターシール部13から延出されている(この延出部分を、延出部14という)。前記延出部14の表面側には、外側に位置する熱収縮性フィルム1の他側端部12が非接着状態で重なっている。
この延出部14の延出長さは、特に限定されない。もっとも、延出部14の延出長さが短すぎると、ホットメルト樹脂層5を延出部14によって十分に被覆できず、一方、この延出長さが長すぎると、熱収縮性筒状ラベル10を被装着体に装着した際に延出部14が折れ曲がるなどの不都合を生じる。このような観点から、延出部14の延出長さは、10mm〜30mmが好ましく、さらに、10mm〜20mmがより好ましく、7mm〜15mmが特に好ましい。
熱収縮性フィルム1は、ベースフィルム2と、ベースフィルム2の裏面に積層された発色層3及び意匠印刷層6と、前記発色層3及び意匠印刷層6の裏面に積層された背景印刷層4と、前記発色層3の裏面に対応して前記背景印刷層4の裏面に積層されたホットメルト樹脂層5と、を有する。ベースフィルム2、発色層3、意匠印刷層6、背景印刷層4及びホットメルト樹脂層5の材質や形成方法などは、上述したので省略する。
発色層3は、ベースフィルム2の裏面の一部の領域に積層され、この発色層3が積層された領域を除くベースフィルム2の裏面に意匠印刷層6が積層されている。
この発色層3及びこれに対応して設けられたホットメルト樹脂層5は、延出部14が重なる領域に積層されている。
発色層3及びホットメルト樹脂層5は、センターシール部13の縁13aから延出部14の縁14aまでの領域に設けられいる。従って、ホットメルト樹脂層5の裏面は、延出部14で覆われている。
本実施形態の熱収縮性筒状ラベル10は、延出部14で覆われる領域内にホットメルト樹脂層5が設けられている。よって、該熱収縮性筒状ラベル10を容器などの被装着体に熱収縮装着したときに、ホットメルト樹脂層5が被装着体に直接接触することがなく、ブロッキングを完全に防止できる。
上記発色層3及びホットメルト樹脂層5は、延出部14が重なる領域に設けられていれば、その幅長さ(熱収縮性筒状ラベル10の周方向に相当する長さ)や上下長さ(熱収縮性筒状ラベル10の上下方向に相当する長さ)は特に限定されない。発色層3及びホットメルト樹脂層5の幅長さ及び上下長さは、発色層3に表す表示内容を考慮して、適宜設定される。例えば、発色層3及びホットメルト樹脂層5は、熱収縮性筒状ラベル10の上縁から下縁に帯状に設けられていてもよいし、又は、熱収縮性筒状ラベル10の上下方向中途部に設けられていてもよい。図示した例では、発色層3及びホットメルト樹脂層5は、延出部14が重なる領域であって、熱収縮性筒状ラベル10の中央部に設けられている。
なお、本発明の熱収縮性筒状ラベルは、上記好ましい実施形態で示したものに限られず、適宜設計変更できる。
例えば、図4に示すように、発色層3及びこれに対応して設けられたホットメルト樹脂層5が、延出部14で覆われていない領域に積層されていてもよい。特に図示しないが、ホットメルト樹脂層が、熱収縮性筒状ラベルの裏面略全体に積層されていてもよい(この場合、発色層は、熱収縮性フィルムの一部の領域に積層されていてもよいし、又は、熱収縮性フィルムの略全体に積層されていてもよい)。
上記熱収縮性筒状ラベルは、被装着体に外嵌装着した後、熱収縮温度(80℃〜100℃)に加熱することによって、被装着体に熱収縮装着される。
被装着体は、特に限定されず、飲料容器、カップ型飲食物容器、医薬品容器、化粧品容器などの各種容器、乾電池などが挙げられる。
上記熱収縮性筒状ラベルにレーザー照射を行うこと及び熱収縮性筒状ラベルを被装着体に熱収縮装着することにより、視認可能で且つ立体化された表示を形成することができる。熱収縮性筒状ラベルの立体模様の形成方法については、次に詳述する。
<熱収縮性フィルムの立体模様形成方法>
熱収縮性フィルムの立体模様形成方法について説明する。
1つの実施形態において、熱収縮性フィルムの立体模様形成方法は、熱収縮性を有するベースフィルムとベースフィルムの裏面側に積層されたホットメルト樹脂層とを有する熱収縮性フィルムの表面側から、レーザー照射を行う工程(照射工程)と、熱収縮性フィルムを被装着体に装着した後、加熱することによって熱収縮性フィルムを熱収縮させる工程(収縮工程)と、を有する。
好ましい1つの実施形態における立体模様形成方法は、熱収縮性を有するベースフィルムとベースフィルムの裏面側に積層されたホットメルト樹脂層とを有する熱収縮性フィルムを筒状に形成した熱収縮性筒状ラベルの表面側から、レーザー照射を行う工程(照射工程)と、該熱収縮性筒状ラベルを被装着体に装着した後、加熱することによって熱収縮性筒状ラベルを熱収縮させる工程(収縮工程)と、を有する。
好ましい他の実施形態における立体模様形成方法は、熱収縮性を有するベースフィルムとベースフィルムの裏面側に積層されたホットメルト樹脂層とを有する熱収縮性フィルムの表面側から、レーザー照射を行う工程(照射工程)と、熱収縮性フィルムを被装着体の周囲に巻き付けて熱収縮性筒状ラベルを形成する工程(筒状加工工程)と、形成された熱収縮性筒状ラベルを加熱することによって熱収縮させる工程(収縮工程)と、を有する。
さらに好ましくは、上記各立体模様形成方法で用いられる熱収縮性フィルムは、ベースフィルムとホットメルト樹脂層の間に、発色層が積層されている。特に好ましくは、上記各立体模様形成方法で用いられる熱収縮性フィルムは、ベースフィルムとホットメルト樹脂層の間に、発色層と該発色層の裏面に背景印刷層が積層されている。
上記各立体模様形成方法において、熱収縮性フィルム(又は熱収縮性筒状ラベル)を熱収縮させる収縮工程は、上記レーザー照射を行う照射工程の前でもよいし、又は、照射工程の後でもよい。
好ましくは、熱収縮性フィルム(又は熱収縮性筒状ラベル)を熱収縮させる収縮工程は、上記レーザー照射を行った後に実施される。
熱収縮性フィルムを筒状に形成した熱収縮性筒状ラベルを例に採って、熱収縮性フィルムの立体模様形成方法を詳細に説明する。
図5に示すように、熱収縮性筒状ラベル10は、熱収縮性フィルム1を筒状に形成したものである。
この熱収縮性筒状ラベル10の表面側から、発色層3に対して、所望の表示を描くようにレーザー光線を照射を行う。
レーザー照射によって印刷される表示は、特に限定されない。
該表示は、商品名や絵柄などの予めデザインが決まっている表示でもよいし、又は、オンデマンド的な表示などでもよい。
オンデマンド的な表示には、例えば、製造年月日、賞味期限、製造コードなどのトレーサビリティに関する表示、懸賞キャンペーンを行っている場合の懸賞応募ID、アタリ又はハズレのような籤などが含まれる。通常、このようなオンデマンド的な表示は、数字、文字、記号などで表される。
また、レーザー光線を複数回に亘って照射してもよい。
例えば、図5は、数字「0」を表すようにレーザー光線を照射する場合を例示している。この場合、数字「0」を描いた1回目のレーザー照射を行い(図5の符号91は、1回目のレーザー照射によって印刷される表示を示す)、その後、この数字「0」の輪郭を僅かにずらし且つ前記数字「0」を象るように2回目のレーザー照射を行う(図5の符号92は、2回目のレーザー照射によって印刷される表示を示す)。この2回目のレーザー照射と同様な方法で、3回以上レーザー照射を行ってもよい。このようにレーザー照射を複数回行うことによって、鮮明な且つ太い表示を表すことができる。
特に、熱収縮性筒状ラベル10にレーザー照射をする場合、前記2回目及びそれ以降のレーザー照射は、1回目のレーザー照射によって印刷される表示を基準にして、熱収縮性筒状ラベル10の周方向Xへずらして行うことが好ましい(図5参照)。熱収縮性筒状ラベル10は、熱収縮によって周方向Xに大きく縮むため、2回目及びそれ以降のレーザー照射によって印刷される表示が、1回目のレーザー照射によって印刷される表示に重なって、全体として、より鮮明な且つ太い表示を形成できるからである。
レーザー光線としては、YAGレーザー光線(波長=1,064nm)や、YVOレーザー光線(波長=1,064nm)などを使用することが好ましい。これらは、ベースフィルムを損傷することなく発色剤を発色させることができる。なお、レーザー光線は、このような機能を有していれば、上記例示のレーザー光線に限られない。
レーザー光線の照射条件は、適宜設定される。
レーザーの周波数は、例えば、20kHz〜100kHz、好ましくは40kHz〜80kHzである。周波数(エネルギー)が小さいとホットメルト樹脂層が十分に溶融せず、他方、周波数が大きいとホットメルト樹脂層が破断する虞がある。
また、レーザーの焦点距離は、例えば、−10mm〜−80mm、好ましくは−20mm〜−60mmである。焦点距離が近すぎると、ホットメルト樹脂層が破断する虞があり、他方、焦点距離が遠すぎると、発色層が明確に発色しない虞がある。
レーザー光線を照射することによって、発色剤が炭化・熱変色などを起こし、所定の色彩を発色する。この発色によって表れた表示は、ベースフィルムを通して視認できる。
発色剤の発色と同時に、発色層の裏面に設けられたホットメルト樹脂層が、レーザー光線(及び発色剤の発熱)によって加熱される。このため、レーザー照射部分に対応したホットメルト樹脂層が溶融する。
レーザー照射後、ホットメルト樹脂層の温度が下がり、溶融したホットメルト樹脂層が再び固化する過程で、前記表示の縁部に対応するホットメルト樹脂層の一部が盛り上がる。
図6は、レーザー照射によってホットメルト樹脂層が盛り上がった状態を示す。
図6において、2はベースフィルムを、3は発色層を、4は背景印刷層を、5はホットメルト樹脂層を、51はホットメルト樹脂層が盛り上がった部分を、それぞれ示す。発色層3の中で網掛けで表された部分31は、レーザー照射によって発色層に表れた表示である。
図6に示すように、レーザー照射によって、ホットメルト樹脂層5のうち、表示31に対応した部分が盛り上がる。この段階では、ベースフィルム2の表面に、明確な凸状は表れにくい。もっとも、ベースフィルム2の材質や厚みなどによっては(ベースフィルム2が比較的軟らかい樹脂から形成されている場合や、ベースフィルム2が比較的薄い場合など)、レーザー照射によってベースフィルム2の表面に凸状が表れる場合もある。
レーザー照射後の熱収縮性筒状ラベルは、被装着体に外嵌して装着された後、熱収縮温度(80℃〜100℃)に加熱される。
ホットメルト樹脂層に含まれる粘着付与剤は、軟化点95℃以上であるので、熱収縮性筒状ラベルを前記熱収縮温度に加熱したときに、ホットメルト樹脂層が被装着体の表面に付着しにくい。
加熱された熱収縮性筒状ラベルは、周方向に大きく収縮する。該収縮に伴ってホットメルト樹脂層も縮む。このため、表示31に対応して盛り上がったホットメルト樹脂層5(図6参照)が、図7に示すように、表示31の中央部へと集まり、ホットメルト樹脂層5の盛り上がり部分51の厚みが若干増す。よって、レーザー照射部分に対応したホットメルト樹脂層が分厚くなり、熱収縮性筒状ラベルの表面に、大きな凸状を形成できる。
熱収縮性筒状ラベルを被装着体に装着する際には、図7に示すように、レーザー照射部分に対応した熱収縮性筒状ラベル10(熱収縮性フィルム1)の裏面1aが被装着体8の表面8aに接するように、熱収縮性筒状ラベル10を被装着体8に装着することが好ましい。熱収縮性筒状ラベル10は、周方向に大きく縮むので、レーザー照射部分に対応した熱収縮性筒状ラベル10の裏面1aが被装着体8の表面8aに接していると、ホットメルト樹脂層5の盛り上がり部分51が、熱収縮性筒状ラベル10の表面側へ押し出される。よって、熱収縮性筒状ラベルの表面に、より大きな凸状を形成できる。
従って、被装着体の表面に凹み部が存在する場合、レーザー照射部分に対応した熱収縮性筒状ラベルの裏面が、被装着体の凹み部に対面しないように(換言すると、被装着体の凸部に対面するように)熱収縮性筒状ラベルを装着することが好ましい。
なお、上記実施形態では、レーザー照射後、熱収縮性筒状ラベルを被装着体に熱収縮装着したが、例えば、熱収縮性筒状ラベルを被装着体に装着後、レーザー照射を行ってもよい。この場合、熱収縮性筒状ラベルを被装着体に装着する前には表示が印刷されていないので、レーザー照射を行う予定領域に対応した熱収縮性筒状ラベル(熱収縮性フィルム)の裏面が、被装着体の表面に接するように、熱収縮性筒状ラベルを被装着体に装着することが好ましい。
また、上記実施形態では、熱収縮性フィルムは、発色層や背景印刷層が積層されているが、本発明の立体模様形成方法においては、発色層や背景印刷層を有しない熱収縮性フィルム(及びこれを筒状にした熱収縮性筒状ラベル)を用いることもできる。発色層が積層されていない場合、レーザー照射によって視認可能な表示は印刷されないが、ホットメルト樹脂層が盛り上がることによって、熱収縮性フィルムの表面に、レーザー照射に対応した立体的な模様を形成することができる。
なお、発色層が設けられている場合又は発色層が設けられていない場合の何れの場合において、ホットメルト樹脂層に発色剤を含有させてもよい。
以下、実施例を示して、本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
(使用した材料)
(1)ベースフィルム:
厚み40μmのポリエステル系フィルム(東洋紡績(株)製)。このフィルムの熱収縮率は、70%である。また、このフィルムを、縦横30cm×10cmに裁断して使用した。
ただし、上記熱収縮率は、下記の方法によって測定した。
上記ポリエステル系フィルムを、縦50mm×横50mmの正方形状に切り取り、このフィルム片を80℃の温水中に10秒間漬けた後に取り出し、浸漬前後の横方向の長さを測り、下記式に代入して算出した。
式:熱収縮率(%)={(横方向の元の長さ−横方向の浸漬後の長さ)/横方向の元の長さ}×100。
(2)ホットメルト樹脂(A):
エチレン−ビニルアルコール共重合体系のホットメルト樹脂(ヘンケルテクノロジーズジャパン社製、商品名「ZM101」)。
このホットメルト樹脂(A)の120℃での粘度は、7,000mPa・sであり、粘着付与剤の軟化点は、120℃である。
ただし、上記ホットメルト樹脂(A)の粘度は、ブルックフィールド粘度計を用いて測定した値であり、粘着付与剤の軟化点は、R&B法(リングアンドボール法)に準じて測定した値である。
(3)ホットメルト樹脂(B):
エチレン−ビニルアルコール共重合体系のホットメルト樹脂(ヘンケルテクノロジーズジャパン社製、商品名「ZM105T」)。
このホットメルト樹脂(B)の120℃での粘度は、8,000mPa・sであり、粘着付与剤の軟化点は、100℃である。
ホットメルト樹脂(B)の粘度及び粘着付与剤の軟化点の測定は、上記ホットメルト樹脂(A)と同じである。
(4)発色剤:
酸化アンチモンドープ酸化スズ(メルク(株)製、商品名「Laizerflair825」)。
(5)印刷インキ:
アクリル系の白色インキ(サカタインクス(株)製)。
(実施例1)
ベースフィルムの裏面全体(縦横30cm×10cmの範囲)に、グラビア印刷法によって、発色剤をベタ状に塗工した後、これを自然乾燥することによって、厚み1.0μmの発色層を形成した。
この発色層の裏面に、グラビア印刷法によって、印刷インキをベタ状に塗工した後、これを自然乾燥することによって、厚み2.0μmの背景印刷層を形成した。
さらに、背景印刷層の裏面に、ホットメルト樹脂(A)をベタ状に塗工した後、これを自然乾燥することによって、厚み20μmのホットメルト樹脂層を形成した。ホットメルト樹脂(A)は、150℃に加熱して溶融させ、アプリケーターを用いて塗工した。
このようにしてベースフィルム、発色層、背景印刷層及びホットメルト樹脂層の4層からなる熱収縮性フィルムを作製した。
この熱収縮性フィルムの一側端部を、他側端部に重ね合わせて接着することにより、直径約3cmの熱収縮性筒状ラベルを作製した。なお、熱収縮性フィルムの一側端部の縁は延出させなかった(延出部を形成しなかった)。
この熱収縮性筒状ラベルの表面側から発色層に向けて、下記の条件にて、レーザー照射を行った。
(レーザー照射条件)
使用機器:YVOレーザーマーカー((株)キーエンス製、商品名「MD−V9900」)。
周波数:40kHz。
焦点距離:−60mm。
レーザー照射後、熱収縮性筒状ラベルを、容器に外嵌した。この際、該レーザーを当てた部分が、容器の凸面に対面するように熱収縮性筒状ラベルを外嵌した。
その後、該熱収縮性筒状ラベルを80℃〜100℃程度に加熱するため、熱収縮性筒状ラベルを、200〜250℃の熱風に曝し、熱収縮性筒状ラベルを熱収縮させた。
装着された熱収縮性筒状ラベルの表面を見ると、レーザー照射した表示(数字)及び凸状が表れていた。また、この表面を手で触ると、表示に対応した明確な凸状を確認できた。
(実施例2)
ホットメルト樹脂(A)に代えて、ホットメルト樹脂(B)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして熱収縮性筒状ラベルを作製した。
該熱収縮性筒状ラベルを、実施例1と同様にして、レーザー照射を行い、容器に装着した。その結果、実施例2の熱収縮性筒状ラベルも実施例1と同様に、表示を視認でき、且つ表示が凸状となっていた。
(実施例3)
発色層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして熱収縮性筒状ラベルを作製した。
該熱収縮性筒状ラベルを、実施例1と同様にして、レーザー照射を行い、容器に装着した。ただし、実施例3では、発色層が設けられていないので、レーザー照射は、熱収縮性筒状ラベルの表面側からホットメルト樹脂層に向けて行った。
その結果、実施例3の熱収縮性筒状ラベルも実施例1と同様に、レーザー照射をした部分に対応して凸状となっていた。
熱収縮性フィルムの1つの実施形態を示す部分拡大断面図。 熱収縮性筒状ラベルの1つの実施形態を示す斜視図。 図2のIII−III線で切断した部分拡大断面図。 熱収縮性筒状ラベルの他の実施形態を示す斜視図。 熱収縮性筒状ラベルにレーザー照射を行った状態を示す斜視図。 レーザー照射後の熱収縮性フィルムを示す部分拡大断面図。 レーザー照射後、さらに熱収縮させた後の熱収縮性フィルムを示す部分拡大断面図。
符号の説明
1…熱収縮性フィルム、10…熱収縮性筒状ラベル、2…ベースフィルム、3…発色層、4…背景印刷層、5…ホットメルト樹脂層、6…意匠印刷層

Claims (7)

  1. 熱収縮性を有するベースフィルムと、前記ベースフィルムに積層され且つレーザー照射によって発色する発色層と、前記発色層に積層されたホットメルト樹脂層と、を有することを特徴とする立体模様形成用の熱収縮性フィルム。
  2. 前記ホットメルト樹脂層が、ベースポリマー及び粘着付与剤を含有し、前記粘着付与剤の軟化点が、95℃以上である請求項1に記載の立体模様形成用の熱収縮性フィルム。
  3. 前記ホットメルト樹脂層の120℃での粘度が、5,000〜10,000mPa・sである請求項1または2に記載の立体模様形成用の熱収縮性フィルム。
  4. 前記発色層とホットメルト樹脂層の間に、背景印刷層が積層されている請求項1〜3のいずれかに記載の立体模様形成用の熱収縮性フィルム。
  5. 前記ベースフィルムの熱収縮方向が周方向となるように、請求項1〜4のいずれかに記載の熱収縮性フィルムを筒状に形成してなる熱収縮性筒状ラベル。
  6. 熱収縮性を有するベースフィルムと前記ベースフィルムの裏面側に積層されたホットメルト樹脂層とを有する熱収縮性フィルムの表面側から、レーザー照射を行う照射工程と、
    熱収縮性フィルムを被装着体に装着し、加熱することによって熱収縮させる収縮工程と、
    を有する熱収縮性フィルムの立体模様形成方法。
  7. 前記照射工程の後に、前記収縮工程が行われ、
    前記収縮工程において、レーザー照射部分に対応した熱収縮性フィルムの裏面が前記被装着体の表面に接触するように、前記熱収縮性フィルムを熱収縮させる請求項6に記載の熱収縮性フィルムの立体模様形成方法。
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