JP2007054485A - 医薬品又は検体用収納容器、及び医薬品又は検体収納容器用透明ラベル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 医薬品又は検体を入れる透明な容器本体2の外面に、レーザーによって発色する透明ラベル4が装着されている医薬品又は検体用収納容器。この透明ラベル4は、容器本体2の回りに巻き付けられ、接着剤42を介して容器本体2に接着されている。
【選択図】 図1
Description
プレフィルドシリンジは、予め医薬品が封入された注射器である。
アンプルは、医薬品が封入され、使用に際して一部分を分断して開口部を形成することで医薬品を取り出すことができる容器である。
バイアルビンは、医薬品が封入され、使用に際して注射針などを刺して医薬品を吸い出すことができる容器である。
真空採血管は、血管に連通する注射針を貫通させることにより、血液を吸い出すことができる容器である。
ところで、医薬品又は検体用収納容器には、収納した医薬品又は検体の種類、各種コード、目盛りなどの所望の表示が表される。これらの表示は、容器の外面に直接インクジェットプリンタなどによって印刷することも可能であるが、微細な表示を印刷することが困難である。従って、従来、医薬品又は検体用収納容器に表示を施す場合には、微細な表示を高精度に表すことができるレーザー彫刻(レーザー光線を照射し、熱的・化学的な反応を利用して、容器外面に文字や図形を彫り込む方法)が一般に用いられている。
そこで、本発明の第1の手段は、医薬品又は検体を入れる透明な容器本体の外面に、レーザーによって発色する透明ラベルが装着されている医薬品又は検体用収納容器を提供する。
また、透明ラベルは、レーザー光による表示が表されない部分に於いて、透明であるため、例えば、透明ラベルが容器本体の周囲全体に装着されている場合であっても、透明ラベルを介して医薬品などを外部から視認することができる領域を広く確保できる。
また、医薬品又は検体用収納容器に装着された透明ラベルは、所望の表示が表されない部分に於いて透明であるため、医薬品などを外部から視認することができる領域を広く確保することができる。
(第1実施形態)
図1に於いて、11は、円筒状の胴部21内に血液を入れる収納部22が形成された一方側開口型の透明な容器本体2と、この開口部に嵌着され且つ注射針などを貫通可能なゴム製の栓体3と、を備える真空採血管を示し、この容器本体2の外面には、レーザー光の照射によって発色しうる透明ラベル4が装着されている。
容器本体2の材質は、収納部22内を容器本体2を介して外部から明瞭に視認できる程度の透明性を有するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリスチレン系、ポリカーボネート系などの1種単独、又は2種以上の混合物などの透明な合成樹脂を用いることができ、好ましくは、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系の樹脂が用いられる。
容器本体2を構成する樹脂組成物には、添加剤の溶出による血液への混入を防止する点から、可塑剤、安定剤、充填材、着色剤、滑剤などの添加剤が実質的に含まれていない、又はこれら添加剤の添加量が少量とされている。
この容器本体2の開口部に栓体3が嵌着されることで、容器本体2内の収納部22は、真空状に保たれている。
透明ラベル4は、透明なラベル基材41と、該基材41の裏面に設けられた接着剤又は粘着剤からなる接着層42と、を備え、前記ラベル基材41は、レーザー光の照射によって発色する発色層を兼ねている。
発色剤としては、レーザー照射前は透明であって、例えばレーザー照射後に発色剤自身又は発色剤の作用によって樹脂成分が変色するものが好ましく用いられる。このような発色剤としては、例えば、レーザー光の照射によって化学反応して発色する発色剤、炭化することで発色する発色剤、発泡することで発色する発色剤などが挙げられる。
化学反応で発色する発色剤としては、ロイコ染料などの発色染料と顕色剤との混合物や、発熱によって有色に変化する銅、鉄などの金属酸化物などが挙げられる。
炭化することで発色する発色剤としては、レーザー光の波長を吸収してその周辺の樹脂成分を炭化する光吸収剤(例えばシアニン系色素、アントラキノン系色素など)などが挙げられ、該炭化による場合には、レーザー光照射部分が黒褐色を呈する。
発泡することで発色する発色剤としては、グラファイトなどのレーザー光の照射によってガス化しうるものなどが挙げられ、該発泡による場合には、レーザー光照射部分が白濁色を呈する。
該ラベル基材41を構成する熱収縮性フィルムは、発色剤を含む上記樹脂組成物を公知の製法で製膜し延伸処理することにより得ることができる。延伸処理は、通常、70〜110℃程度の温度で、縦方向(容器本体2に装着した際、容器本体2の周方向。以下同様)に2.0〜8.0倍、好ましくは3.0〜7.0倍程度延伸することにより行われる。さらに、幅方向(容器本体2に装着した際、容器本体2の縦方向。以下同様)にも、例えば1.5倍以下の低倍率で延伸処理を行ってもよい。得られたフィルムは、一軸延伸フィルム又は主延伸方向と直交する方向に若干延伸された二軸延伸フィルムとなる。
尚、後述するように、透明ラベル4として、予め筒状に成形された筒状態様の熱収縮性のラベルを用いる場合には、その製造上、ラベル基材41の幅方向が容器本体2の周方向となるように、ラベル基材41を筒状成形する。従って、筒状態様のラベル4に用いられるラベル基材41は、幅方向(容器本体2に装着した際、容器本体2の周方向)に上記延伸処理が施される。つまり、巻付態様のラベルと筒状態様のラベルでは、その製造上、用いられるラベル基材の主たる延伸方向(熱収縮方向)が異なる点を除いて、同様のものを用いることができる。
但し、熱収縮率(%)=[{(縦方向(又は幅方向)の元の長さ)−(縦方向(又は幅方向)の浸漬後の長さ)}/(縦方向(又は幅方向)の元の長さ)]×100。
従って、透明ラベル4は、容器本体2の胴部21の周囲全体に装着され、その前端部4cが栓体3の端部に接し、且つ後端部4dがドーム状の底面の一部を覆うように、容器本体2の外面に貼付されている。
本発明によれば、真空採血管11に、レーザー光によって発色する透明ラベル4が装着されているので、該ラベル4を介して、真空採血管11に所望の表示を明確に表すことができる。
また、この透明ラベル4は、レーザー光による所望の表示が表されない部分に於いては透明であるため、これが装着された真空採血管11は、外部から収納部22内を視認できる領域が広く確保されている。
また、透明ラベル4の裏面全体には、接着層42がベタ状に設けられ、更に、該透明ラベル4が、容器本体2に巻付けて装着されるので、熱収縮後の透明ラベル4と容器本体2の胴部21との間に、空気が残存し難い。従って、ガスバリアー性に優れている上、残存空気の存在による透明ラベル4の浮き上がりが生じないので、レーザー装置による表示形成の際、表示の歪みを防止できる。
上記実施形態では、基材ラベル41自体に発色層が設けられているが、例えば、図3(a)に示すように、透明なラベル基材41と、該ラベル基材41の裏面に設けられた透明な発色層43と、該発色層43の裏面に設けられた透明な接着層42と、を有する層構成の透明ラベル4でも良いし、或いは、図3(b)に示すように、透明なラベル基材41と、該ラベル基材の表面に設けられた透明な発色層43と、該発色層43の表面に設けられた透明な保護層44と、ラベル基材41の裏面に設けられた接着層42と、を有する層構成の透明ラベル4でもよい。
この発色層43は、上記発色剤を適当なバインダー樹脂に混合した層からなり、ラベル基材41にコーティングによって塗工する、或いはフィルム状に製膜した後、ラベル基材41にラミネートすることにより設けられる。尚、保護層44は、耐熱性を有する合成樹脂製フィルム又は樹脂コーティング層によって形成することができる。
これら変形例に係る透明ラベル4も、レーザー光の照射によって発色層42を発色させ、所望の表示を明確に表すことができる。
さらに、本発明の透明ラベル4は、その前端部4cが栓体3に接し、且つ後端部4dが底面の一部を覆うように容器本体2に装着されているが、巻付け態様及び筒状態様の透明ラベル4が、容器本体2の胴部21の縦方向中途部分のみに装着されているものでもよい。
また、透明ラベル4は、これら巻付け態様及び筒状態様のように容器本体2の胴部21の周囲を被覆するものに限られず、例えば、図4に示すように、所定形状(例えば矩形状など)に形成され、容器本体2の胴部21の一部分に貼付される態様でもよい。このように容器本体2の一部分に貼付される態様の場合には、ラベル基材41は、非熱収縮のものが用いられる。
尚、巻付け態様の透明ラベル4であっても、容器本体2の縮径部分(例えばドーム状の底面)にまで装着しない場合には、非熱収縮性のものを用いることもできる。
尚、ラベル基材41として、自己伸縮性(ストレッチ性)を有するものを用いて透明ラベル4を構成することもできる。
第2実施形態は、透明ラベルが貼付されたプレフィルドシリンジ(医薬品用収納容器)に関する。
図5に於いて、プレフィルドシリンジ12は、後方に掛止部26が突設され、且つ筒状胴部21の前方閉塞面23に医薬品注出口となる注射針装着部24が形成された合成樹脂製の容器本体2と、容器本体2の後方開口部25に挿入されたプランジャー栓部6と、注射針装着部24に取り付けられたゴム製の栓体3と、容器本体2内の収納部22に封入された医薬品と、を備えている。
容器本体2は、収納する医薬品(注射薬)を透視するため、第1実施形態と同様に、透明な合成樹脂成形品によって形成されている。
さらに、透明ラベル4は、接着層42がベタ状に設けられ、且つ容器本体2の周囲全体に熱収縮装着されるので、残存空気の存在による透明ラベル4の浮き上がりが生じず、レーザー光による表示を良好に形成することができる。
また、透明ラベル4のガスバリア性により、医薬品の劣化を防止できる。
第3実施形態は、透明ラベルが貼付されたアンプル(医薬品用収納容器)に関する。
図6に於いて、アンプル13は、医薬品を封入する収納部22の形成された密閉型の容器本体2と、容器本体2の一部分に形成された切断用の縊れ部27と、容器本体2内の収納部22に封入された医薬品と、を備えている。
容器本体2は、第1実施形態と同様に透明な合成樹脂によって形成されている。
この容器本体2の外面には、第1実施形態で示した透明ラベル4が貼付されている。具体的には、透明ラベル4は、容器本体2の胴部21の周囲全体に装着され、その前端部4cが縊れ部27の近傍に位置し、且つ後端部4dが底面の一部を覆うように、容器本体2の外面に貼付されている。この透明ラベル4は、熱収縮性を有するラベルであって、巻付け態様でも筒状態様でも構わない。
第4実施形態は、透明ラベルが貼付されたバイアルビン(医薬品用収納容器)に関する。
図7に於いて、バイアルビン14は、医薬品を入れる収納部22が形成された上面開口型の容器本体2と、この開口部に嵌着され且つ注射針などを貫通可能なゴム製の栓体3と、この収納部22内に封入された医薬品と、を備えている。
容器本体2は、第1実施形態と同様に、透明な合成樹脂によって形成されている。
この容器本体2の外面には、第1実施形態で示した透明ラベル4が貼付されている。具体的には、透明ラベル4は、容器本体2の胴部21の周囲全体に装着され、その前端部4cが栓体5の端部に接着し、且つ後端部4dが底面の一部を覆うように、容器本体2の外面に貼付されている。
上記第1〜第4実施形態に示す医薬品又は検体用収納容器(医療用収納容器)に於いて、透明ラベル4が貼付される容器本体2は、合成樹脂製のものを例示したが、透明なものであればその材質は特に限定されず、例えば、透明なガラス製のものでもよい。
Claims (2)
- 医薬品又は検体を入れる透明な容器本体の外面に、レーザー光によって発色する透明ラベルが装着されていることを特徴とする医薬品又は検体用収納容器。
- 透明な基材に、レーザー光によって発色する透明な発色層を有することを特徴とする医薬品又は検体収納容器用透明ラベル。
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