JP2010012777A - 透湿性防水布帛およびその製造方法 - Google Patents

透湿性防水布帛およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
透湿性を大きく低下させることなく、堅牢性、特には耐光性、耐色移行性、および耐摩耗性に優れた図柄を有する透湿性防水布帛を提供する。
【解決手段】
繊維基材の一方の面に、透湿性防水層、顔料を含む紫外線硬化型樹脂からなる図柄層、および透明または半透明の透湿性保護層が順に積層されてなる透湿性防水布帛であって、図柄の占有面積率が1〜70%であり、透湿性防水布帛のJIS L−1099 A−1法(塩化カルシウム法)による透湿度が2,500g/m・24時間以上であるか、または、JIS L−1099 B−1法(酢酸カリウム法)による透湿度が4,500g/m・24時間以上であり、透湿性防水布帛のJIS L−1092 B法(高水圧法)による耐水圧が40kPa以上であることを特徴とする、透湿性防水布帛。
【選択図】 なし

Description

本発明は、透湿性防水層の表面に堅牢な図柄を有する透湿性防水布帛、およびその製造方法に関する。
従来、衣料分野において、透湿性と防水性を併せ持つ透湿性防水布帛が広く使用されている。透湿性防水布帛は、身体からの発汗による水蒸気を衣服外へ放出する一方で、雨水が衣服内に侵入するのを防ぐ機能を有しているため、例えば、運動に伴う発汗量が比較的多いスポーツ用の衣料や、アウトドア衣料、防寒衣料等の素材として多用されており、特にスキー、アスレチック、登山分野では必要不可欠な素材となっている。
このような透湿性防水布帛として、例えば特許文献1には、繊維基材にポリウレタン樹脂溶液を塗布し、次いで、湿式凝固させることにより、微多孔質膜を形成してなるコーティング布帛が記載されている。また、特許文献2には、繊維基材に、水膨潤性の高分子材料を主成分とする無孔質膜を貼り合わせて得られるラミネート布帛が記載されている。
また近年では、消費者のファッションに対する要望が厳しくなり、透湿性防水布帛に対しても、風合いが柔らかく、軽いものが求められるようになってきている。そのため、透湿性防水布帛を用いて縫製したスキーウェアやウィンドブレーカー、コート、カッパなどの衣服において、裏地を使用せず、樹脂層面を直接衣服の内側として使用するケースも増えてきている。
さらに、従来の透湿性防水布帛が有する樹脂層の表面は単色の平坦な面であることが一般的であったが、樹脂層面を直接衣服の内側として使用するケースが増えてきているのに伴い、樹脂層面に対しても見栄え感に優れた意匠表現が求められるようになってきている。
また、印刷分野では、近年、コンピュータ上で描いた情報図柄を、インクジェットプリンタにより繊細かつ多彩に、しかも短時間で印刷する技術が普及してきている。このインクジェット方式による印刷を、樹脂層面に対する意匠性の付与に応用することが試みられているが、紙面への印刷とは異なり、樹脂層面への印刷は容易でないのが現状である。
例えば特許文献3には、繊維基材上に隠蔽層を形成し、さらにその上に易染層を形成した後、該易染層上に染料インクを用いてインクジェット印刷により描画し、次いで描画された図柄上に透明または半透明の保護層を形成する方法が記載されている。しかしながら、この方法では、着色剤として染料を用いるため、耐光性が十分でなく、インクジェット印刷で得られた繊細かつ多彩な図柄を長時間保持できないという問題があった。さらに、表面同士が擦れ合う環境で使用すると、染料が表面の保護層に移行し、接触した相手を汚染するという問題があった。
このような問題に対し、着色剤として、染料に比べ粒径の大きい顔料を用いることが考えられる。顔料インクをインクジェット印刷に採用することにより、耐光性および耐色移行性に優れた図柄を形成することができる。しかしながら、かかる布帛をスポーツ衣料用途などに使用した場合、特に溶剤系の顔料インクを用いた場合には、屈曲や摩耗を受けた部分の樹脂や図柄が脱落するという問題があった。
そこでさらに、従来の顔料インクに代わり、紫外線硬化型の顔料インクを用いる方法が提案されている。例えば特許文献4には、高分子弾性体層上に紫外線硬化型顔料インクを用いて図柄を形成し、紫外線を照射してインクを硬化させた後に、水系高分子弾性体を塗布する、皮革様シート状物の製造方法が記載されている。この方法によれば、耐光性、耐色移行性、および耐摩耗性の全てに優れた図柄を皮革様シート状物の表面に形成することができる。しかしながら、この方法を透湿性防水布帛に応用した場合、透湿性が大きく低下し、目的とする効果が得られないという問題があった。
特開昭55−80583号公報 特開平7−9631号公報 特開平11−158782号公報 特開2008−55686号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、透湿性を大きく低下させることなく、堅牢性、特には耐光性、耐色移行性、および耐摩耗性に優れた図柄を有する透湿性防水布帛、およびその製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、以下に示す透湿性防水布帛およびその製造方法を提供する。
1)繊維基材の一方の面に、透湿性防水層、顔料を含む紫外線硬化型樹脂からなる図柄層、および透明または半透明の透湿性保護層が順に積層されてなる透湿性防水布帛であって、
図柄の占有面積率が1〜70%であり、
透湿性防水布帛のJIS L−1099 A−1法(塩化カルシウム法)による透湿度が2,500g/m・24時間以上であるか、または、JIS L−1099 B−1法(酢酸カリウム法)による透湿度が4,500g/m・24時間以上であり、
透湿性防水布帛のJIS L−1092 B法(高水圧法)による耐水圧が40kPa以上であることを特徴とする、
透湿性防水布帛。
2)透湿性防水層がポリウレタン樹脂からなる微多孔質膜であるか、または、透湿性樹脂からなる無孔質膜であることを特徴とする、1)に記載の透湿性防水布帛。
3)透湿性保護層の400〜700nmの波長領域における平均透過率が、50〜100%であることを特徴とする、1)または2)に記載の透湿性防水布帛。
4)透湿性保護層が無機微粒子および/または有機微粒子を含んでなることを特徴とする、1)〜3)のいずれかに記載の透湿性防水布帛。
5)透湿性防水層と図柄層の間に透湿性中間層を有することを特徴とする、1)〜4)のいずれかに記載の透湿性防水布帛。
6)1)に記載の透湿性防水布帛を製造する方法であって、繊維基材の一方の面に透湿性防水層を積層する工程、透湿性防水層の表面に図柄層を積層する工程、および、図柄層の表面に透湿性保護層を積層する工程、をこの順で含んでなることを特徴とする、透湿性防水布帛の製造方法。
7)1)に記載の透湿性防水布帛を製造する方法であって、透湿性防水層を形成する工程、透湿性防水層の表面に図柄層を積層する工程、図柄層の表面に透湿性保護層を積層する工程、および、前記3工程により得られる積層体を、繊維基材の一方の面に、透湿性防水層と繊維基材とが接するように積層する工程、を含んでなることを特徴とする、透湿性防水布帛の製造方法。
8)図柄層の積層が、顔料を含む紫外線硬化型樹脂をインクジェット法により柄状に塗布した後、紫外線を照射して硬化させることによって行われることを特徴とする、6)または7)に記載の透湿性防水布帛の製造方法。
本発明によれば、透湿性を大きく低下させることなく、堅牢性、特には耐光性、耐色移行性、および耐摩耗性に優れた図柄を有する透湿性防水布帛、およびその製造方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の透湿性防水布帛は、繊維基材の一方の面に、透湿性防水層、顔料を含む紫外線硬化型樹脂からなる図柄層、および透明または半透明の透湿性保護層が順に積層されてなる透湿性防水布帛である。
1.繊維基材
本発明に用いられる繊維基材の形態としては、例えば、織物、編物、不織布などの布帛を挙げることができる。なかでも、表面の平坦性、厚みの均一性、緻密性の点から織物が好ましい。表面が平坦でほぼ均一な厚みを有し、しかも、緻密な構造の織物は、コーティング法(後述する)によって透湿性防水層を積層する場合、樹脂が繊維基材内部に深く浸透して風合いが硬くなったり、樹脂が繊維基材の他方の面にまで漏れ出したり(裏漏れという)することがなく、従って、均一性に優れた樹脂皮膜を形成することができる。特に、織物を構成する糸条がフィラメント糸であると、表面の平坦化に有利である。また、基材を構成する繊維素材は特に限定されるものでなく、例えば、綿、麻、羊毛、絹等の天然繊維、レーヨン等の再生繊維、アセテート等の半合成繊維、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリル等の合成繊維などを挙げることができ、これらが2種以上組み合わされていてもよい。なかでも、繊維物性全般に優れた合成繊維が好ましく、染料による移行昇華の発生がないポリアミドがより好ましい。
繊維基材には、必要に応じて、染色をはじめ、撥水加工、帯電防止加工、難燃加工、カレンダー加工などが施されていてもよい。
なかでも、撥水加工を施しておくと、防水性を向上させることができるため好ましい。このとき用いられる撥水剤としては、例えば、パラフィン系撥水剤、シリコーン系撥水剤、フッ素系撥水剤等などを挙げることができる。なかでも、透湿性防水層との接着強度を落とさず、かつ高い撥水性を付与することができるという点で、フッ素系撥水剤が好ましい。撥水加工は、パディング法、スプレー法などの常法に従い施すことができる。
さらに、カレンダー加工を施すことにより、コーティング法によって透湿性防水層を積層する場合にあっては、樹脂が繊維基材内部に深く浸透するのを抑制し、風合いの硬化や、樹脂の裏漏れを防止することができるため好ましい。また、ラミネート法(後述する)によって透湿性防水層を積層する場合にあっては、繊維基材の表面が平坦化し、接着強度を向上させることができるため好ましい。
2.透湿性防水層
本発明の透湿性防水布帛は、前記繊維基材の一方の面に、第1の樹脂皮膜層として、透湿性防水層が積層されたものである。
樹脂皮膜に透湿性を付与するには、皮膜に多数の微細孔を形成して微多孔質膜とするか、または透湿性を有する樹脂を用いて無孔質膜とすることにより達成される。透湿性と防水性のバランスの点では、微多孔質膜が好ましく用いられる。
2.1.微多孔質膜
2.1.1.原料・物性等
微多孔質膜とは、例えば、径0.0004μmの水蒸気は透過し、径100μm以上の水滴は透過しない程度の径の微細孔を多数有し、透湿性と防水性を併せ持つ樹脂皮膜である。
本発明において、微多孔質膜はポリウレタン樹脂を原料として形成される。微多孔質膜を形成するには種々の方法があり、方法によっては(例えば、発泡剤を用いる方法など)ポリウレタン樹脂以外の使用も可能であるが、本発明においては、湿式凝固法または乾式多孔成形法(後述する)が好ましく採用される。これらの方法が適用可能な樹脂となると、専らポリウレタン樹脂に限定され、なかでも、微多孔質膜を形成しやすいという理由から、ポリエステル系ポリウレタン樹脂またはポリエーテルエステル系ポリウレタン樹脂が好ましく用いられる。
ポリウレタン樹脂をそれ単独で無孔質膜としたときの100%伸長応力は、0.5〜20MPaであることが好ましく、0.5〜5MPaであることがより好ましい。100%伸長応力が0.5MPa未満であると、得られる微多孔質膜の耐久性(堅牢性)、特には、洗濯など物理的外力に対する耐久性が不十分となる虞がある。100%伸長応力が20MPaを超えると、得られる微多孔質膜が硬く、透湿性防水布帛の風合いや衣服とした際の着心地が悪くなる虞がある。100%伸長応力は、後述の実施例に記載の方法により求めることができる。
微多孔質膜は、その物性に影響を及ぼさない範囲内で、ポリウレタン樹脂以外の成分を含んでいてもよい。このような任意成分としては、例えば、着色用の顔料、透湿性の向上や表面のタッチを改善する目的で添加される無機/有機微粒子、皮膜強度を向上させる架橋剤、湿式成膜助剤である界面活性剤などを挙げることができる。
微多孔質膜を着色する場合には、顔料を添加することにより達成される。このとき、微多孔質膜の色(色相、明度および彩度)は、その上に積層される図柄層の色が明確に認識できる色であることが求められる。繊維基材の色が図柄層の色を明確に認識できる色である場合、必ずしも、微多孔質膜を着色する必要はない。
微多孔質膜の厚みは、2〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましい。厚みが2μm未満であると、微多孔質膜ならびに透湿性防水布帛の耐摩耗性や防水性が不十分となる虞がある。厚みが100μmを超えると、微多孔質膜ならびに透湿性防水布帛の透湿性が不十分となったり、風合いや衣服とした際の着心地が悪くなったりする虞がある。繊維基材の表面には凹凸が存在するため、ポリウレタン樹脂液を直接塗布するコーティング法の場合、得られる微多孔質膜の厚みは部分的に異なるが、凡そ2〜100μmの範囲内であればよい。
2.1.2.繊維基材の一方の面に微多孔質膜を積層する方法
繊維基材の一方の面に微多孔質膜を積層する方法として、好ましくは、(1)ポリウレタン樹脂を水と相溶性のある極性有機溶剤に溶解させてなる樹脂液を、繊維基材の一方の面に塗布した後、水中に浸漬して凝固させる方法(湿式凝固法という。コーティング法による)、(2)ポリウレタン樹脂を水と相溶性のない非極性有機溶剤に溶解させ、さらに水を加えて均一化させてなる樹脂液(油中水型乳濁液)を、繊維基材の一方の面に塗布した後、水の蒸発を妨げながら非極性有機溶剤を選択的に蒸発させて凝固させるか、または、前記樹脂液を離型性基材の離型面に塗布した後、前記同様に凝固させて得られる微多孔質膜を、接着剤を介して、繊維基材の一方の面と貼り合わせる方法(乾式多孔成形法という。コーティング法またはラミネート法による)を挙げることができる。なかでも、孔の形状を制御し易いという点で(1)の湿式凝固法がより好ましい。
ここで、繊維基材に樹脂層を積層する方法の分類であるコーティング法とラミネート法について説明する。コーティング法とは、樹脂液を繊維基材に直接塗布し、繊維基材上で成膜する方法であるのに対し、ラミネート法とは、樹脂があらかじめ成膜されている場合に採用される方法で、樹脂皮膜と繊維基材とを、接着剤を介して、または、介することなく、貼り合わせる方法である。樹脂が熱圧着性を有する場合には、接着剤の使用を必ずしも要さないが、樹脂が熱圧着性を有さない場合には、接着剤の使用が必要となる。前記の乾式多孔成形法に用いられるポリウレタン樹脂は熱圧着性を有さないため、接着剤の使用が必要となるのである。
以下、より好ましい方法である(1)の湿式凝固法について説明する。
(1)湿式凝固法
微多孔質膜の製造に用いられる樹脂液は、前記ポリウレタン樹脂を、水と相溶性のある極性有機溶剤に、全液量に対し好ましくは10〜40重量%、より好ましくは15〜40重量%の濃度で溶解させてなるものである。濃度が10重量%未満であると、得られる微多孔質膜の強度が低下し、十分な防水性が得られない虞がある。濃度が40重量%を超えると、得られる微多孔質膜の空隙率が小さく、十分な透湿性が得られない虞がある。
このとき、樹脂液の粘度は、3,000〜100,000cpsであることが好ましく、8,000〜15,000cpsであることがより好ましい。粘度が3,000cps未満であると、樹脂液が繊維基材内部に深く浸透して風合いが硬くなったり、樹脂液が繊維基材の他方の面にまで漏れ出したりする虞がある。粘度が100,000cpsを超えると、塗布時にスジや気泡が発生し易く、樹脂皮膜の品位が低下して、十分な透湿性や防水性が得られない虞がある。
本発明に用いられる極性有機溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N−メチルピロリドンなどを挙げることができる。これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。なかでも、ポリウレタン樹脂の溶解性に優れるとともに、水との親和性に優れ、水中に浸漬してポリウレタン樹脂を凝固させる工程において、水との速やかな置換が期待できるという理由により、N,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
前記の通り、樹脂液は他の成分を含んでいてもよい。
かかる樹脂液を繊維基材の一方の面に塗布する。塗布方法としては、ナイフコーティングが好ましく採用される。より具体的には、フローティングナイフコーティング、ロールオンナイフコーティングなどを挙げることができる。
樹脂液の塗布量は、乾燥重量として、2〜100g/mであることが好ましく、5〜50g/mであることがより好ましい。塗布量をこの範囲に設定することにより、好ましくは2〜100μm、より好ましくは5〜50μmの厚みを有する微多孔質膜となる。
次いで、樹脂液を塗布した繊維基材を水中に浸漬する。この過程で、樹脂液に含まれる極性有機溶剤が水と置き換わって、多数の微細孔を有する皮膜が形成される。なお、凝固液は水のみでよく、他の成分の存在を要しないが、実際の製造においては、樹脂液が連続して水中を通過することにより、水には極性有機溶剤が次第に蓄積していく。本発明では、このような水浴中における極性有機溶剤の存在を排除するものではない。
凝固液である水の温度は、0〜70℃であることが好ましく、10〜50℃であることがより好ましい。温度が70℃を超えると、ポリウレタン樹脂の凝固が不均一となり、透湿性や防水性などの性能がバラつく虞がある。
浸漬時間は、30秒間〜10分間であることが好ましく、1〜5分間であることがより好ましい。浸漬時間が30秒間未満であると、ポリウレタン樹脂の凝固が不完全となり、十分な透湿性や防水性が得られない虞がある。浸漬時間が10分間を超えると、生産性が低下する虞がある。
次いで、30〜80℃の温水中で3〜15分間洗浄して、残留する極性有機溶剤を除去した後、50〜150℃で1〜10分間熱処理して乾燥する。かくして、繊維基材と微多孔質膜との積層体を得ることができる。
2.2.無孔質膜
2.2.1.原料・物性等
次に、透湿性防水層の他の態様である無孔質膜について説明する。無孔質膜では、分子間の結合が弱い非晶質部分に水蒸気が入り込んでいくことにより透湿性が発揮される。また、無孔質であるため高い防水性を有する。
無孔質膜の形成に用いられる透湿性樹脂としては、例えば、透湿性ポリウレタン樹脂、透湿性ポリアミド樹脂、透湿性ポリエステル樹脂などを挙げることができる。より具体的には、透湿性ポリウレタン樹脂としては、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系のポリウレタン樹脂や、アミノ酸等と共重合した各系のポリウレタン樹脂などを挙げることができ、透湿性ポリアミド樹脂としては、ポリエーテルブロックアミド共重合体を有するポリアミド樹脂などを挙げることができ、透湿性ポリエステル樹脂としては、ブロック共重合体を有するポリエステル樹脂などを挙げることができる。なかでも、耐摩耗性、弾性回復性、柔軟性、透湿性などの点から透湿性ポリウレタン樹脂が好ましく用いられ、透湿性の点からポリエーテル系ポリウレタン樹脂がより好ましく用いられる。
透湿性樹脂をそれ単独で無孔質膜としたときの100%伸長応力は、微多孔質膜の原料であるポリウレタン樹脂の場合と同様である。
無孔質膜は、その物性に影響を及ぼさない範囲内で、透湿性樹脂以外の成分を含んでいてもよい。このような任意成分としては、例えば、着色用の顔料、透湿性の向上や表面のタッチを改善する目的で添加される無機/有機微粒子、皮膜強度を向上させる架橋剤、酸化防止剤などを挙げることができる。
無孔質膜の厚みは、樹脂自体が有する透湿性によって異なるが、3〜40μmであることが好ましく、5〜20μmであることがより好ましい。厚みが3μm未満であると、耐久性(堅牢性)、特には、洗濯など物理的外力に対する耐久性が不十分となる虞がある。厚みが40μmを超えると、無孔質膜ならびに透湿性防水布帛の透湿性が不十分となったり、風合いや衣服とした際の着心地が悪くなったりする虞がある。繊維基材の表面には凹凸が存在するため、樹脂液を直接塗布するコーティング法の場合、得られる無孔質膜の厚みは部分的に異なるが、凡そ3〜40μmの範囲内であればよい。
2.2.2.繊維基材の一方の面に無孔質膜を積層する方法
繊維基材の一方の面に無孔質膜を積層する方法として、好ましくは、(1)透湿性樹脂を溶媒(有機溶剤または水)に溶解または分散させてなる樹脂液を、繊維基材の一方の面に塗布した後、溶媒を蒸発させて固化させるか、または、前記樹脂液を離型性基材の離型面に塗布した後、前記同様に固化させて得られる無孔質膜を、接着剤を介して、または、介することなく、繊維基材の一方の面と貼り合わせる方法(乾式固化法という。コーティング法またはラミネート法による。後者を特に、フィルムラミネート法という場合がある)、(2)熱可塑性を有する透湿性樹脂をTダイやダイコータにより溶融押し出した後、成膜することにより得られる無孔質膜を、接着剤を介して、繊維基材の一方の面と貼り合わせるか、または、前記樹脂をTダイやダイコータにより溶融押し出した後、成膜すると同時に繊維基材の一方の面に熱圧着する方法(溶融押し出し法という。いずれもラミネート法による。後者を特に、溶融押し出しラミネート法という)を挙げることができる。なかでも、樹脂の選択により無孔質膜の物性を調整できるという点で、(1)の乾式固化法がより好ましい。
以下、より好ましい方法である(1)の乾式固化法について説明する。
(1)乾式固化法
(1a)コーティング法
無孔質膜の製造に用いられる樹脂液は、前記透湿性樹脂を、溶媒(有機溶剤または水)に溶解または分散させてなるものである。このとき、樹脂液の粘度は、3,000〜100,000cpsであることが好ましく、5,000〜50,000cpsであることがより好ましい。粘度が3,000cps未満であると、樹脂液が繊維基材内部に深く浸透して風合いが硬くなったり、樹脂液が繊維基材の他方の面にまで漏れ出したりする虞がある。裏漏れが発生すると、ロール(加工装置)を汚すという不具合にも発展しかねない。粘度が100,000cpsを超えると、塗布時にスジや気泡が発生し易く、樹脂皮膜の品位が低下して、十分な透湿性や防水性が得られない虞がある。樹脂液の粘度が、前記範囲となるように、樹脂液中の溶媒の量(すなわち、透湿性樹脂の濃度)を調整する。
本発明に用いられる有機溶剤としては、例えば、トルエン、ベンゼン、ヘキサン、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルエチルケトン、酢酸エチルなどを挙げることができる。これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。これら有機溶剤は、使用する透湿性樹脂との相溶性、加工時の乾燥性、あるいは安全性や経済性の点から適宜選択すればよい。
前記の通り、樹脂液は他の成分を含んでいてもよい。
かかる樹脂液を繊維基材の一方の面に塗布する。塗布方法は微多孔質膜の製造における(1)湿式凝固法の場合と同様である。
樹脂液の塗布量は、乾燥重量として、3〜50g/mであることが好ましく、5〜20g/mであることがより好ましい。塗布量をこの範囲に設定することにより、好ましくは3〜40μm、より好ましくは5〜20μmの厚みを有する無孔質膜となる。
ここで、樹脂液の塗布量は、樹脂液中の透湿性樹脂の濃度、塗布時の厚みにより調整することができる。ただし、塗布時の厚みが大きすぎると、気泡など品位面での不具合が生じる虞があり、さらには乾燥に多大な熱量が必要となり、エネルギー効率の面でも好ましくない。逆に、塗布時の厚みが小さすぎると、繊維基材表面の凹凸の影響を受け易くなり、均一性に優れた無孔質膜を安定して形成することが困難となる虞がある。
このように、均一性に優れた無孔質膜を安定して形成するには、樹脂液の粘度、透湿性樹脂の濃度、塗布厚みの調整が重要である。
次いで、樹脂液を塗布した繊維基材を熱処理する。熱処理は、樹脂液中の溶媒を蒸発させ、樹脂を乾燥、固化させるとともに、熱処理によって架橋反応を起こす架橋剤を用いる場合にあっては、反応を促進するために行われる。熱処理温度は、70〜150℃であることが好ましく、100〜120℃であることがより好ましい。また、熱処理時間は、30秒間〜5分間であることが好ましく、30秒間〜2分間であることがより好ましい。熱処理温度や時間が下限未満であると、固化が不十分となって皮膜強度が低下する虞がある。熱処理温度や時間が上限を超えると、繊維基材自体の風合いが硬くなる虞がある。なお、熱処理は、温度条件を適宜変更して段階的に複数回行ってもよい。
かくして、繊維基材と無孔質膜との積層体を得ることができる。
(1b)ラミネート法
本発明に用いられる離型性基材は特に限定されるものでなく、例えば、透湿性樹脂に対して離型性を有する樹脂(例えば、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂など。以下、離型剤という)そのものからなるフィルム、離型剤からなる離型層を、紙、布帛、フィルムなどの基材に積層した離型紙、離型布、離型フィルムなどを挙げることができる。なかでも、離型性の点から、ポリプロピレン樹脂フィルム、または、ポリプロピレン樹脂からなる離型層を紙やポリエステル樹脂フィルムに積層した離型紙や離型フィルムが好ましい。
かかる離型性基材の離型面に、(1a)コーティング法の場合と同様の樹脂液を塗布する。塗布方法としては、コンマコーティングが好ましく採用される。
次いで、樹脂液を塗布した離型性基材を、(1a)コーティング法の場合と同様にして熱処理する。
かくして、離型性基材と無孔質膜との積層体が得られる。この離型性基材と積層状態にある無孔質膜を、繊維基材の一方の面に接着剤を介して貼り合わせる。
無孔質膜と繊維基材との貼り合わせに用いられる接着剤は、水系、有機溶剤系、ホットメルト型など特に限定されるものでなく、その成分も、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂など特に限定されない。透湿性防水布帛として高度な透湿性を得るには、透湿性を有する接着剤を用いることが好ましい。
無孔質膜と繊維基材との接着は、透湿性を有する接着剤を用いる場合には全面接着であっても構わないが、透湿性を有さない接着剤を用いる場合や、透湿性を有する接着剤を用いる場合にあっても、ドット状、ライン状、メッシュ状などの非全面接着(部分接着)とすることが好ましい。接着剤の塗布方法は、接着剤の種類により選定する必要がある。水系または有機溶剤系の接着剤を用いる場合には、ナイフコーティング(フローティングナイフコーティング、ロールオンナイフコーティングなど)、ロール転写コーティング、カーテンスプレーコーティング、グラビアコーティングなどが好ましく採用され、特に非全面接着とする場合にはグラビアコーティングが好ましく採用される。ホットメルト型の接着剤を用いる場合には、ロール転写コーティング、カーテンスプレーコーティング、グラビアコーティングなどが好ましく採用され、特に非全面接着とする場合には、カーテンスプレーコーティング、グラビアコーティングが好ましく採用される。
水系または有機溶剤系の接着剤を用いる場合には、接着剤を塗布した後、接着剤を乾燥させた後に重ね合わせて圧着させ、しかる後に、熱処理により接着させるドライラミネーション法が好ましく採用される。また、ホットメルト接着剤を用いる場合には、加熱溶融した接着剤を塗布した後、接着剤が流動性を有する状態のうちに重ね合わせ、しかる後に、冷却して接着剤を固化させる方法が好ましく採用される。
接着剤は、無孔質膜、繊維基材のどちらに塗布しても構わない。ただし、繊維基材側に塗布する場合、接着剤の粘度が低いと、接着剤が繊維基材内部に深く浸透して風合いが硬くなったり、接着剤が繊維基材の他方の面にまで漏れ出したりする虞がある。裏漏れが発生すると、ロール(加工装置)に繊維基材が巻き付くという不具合や、繊維基材同士が接着するという不具合にも発展しかねない。そのため、接着剤を繊維基材側に塗布する場合は、接着剤の粘度調整が重要であり、好ましくは3,000〜100,000cps、より好ましくは5,000〜50,000cpの範囲に調整する。
接着剤の塗布量は、乾燥重量として、0.1〜10g/mであることが好ましく、3〜10g/mであることがより好ましい。塗布量が0.1g/m未満であると、接着強度が不十分となる。また、塗布量が10g/mを超えると、透湿性防水布帛の透湿性が不十分となったり、風合いや衣服とした際の着心地が悪くなったりする虞がある。
かくして、離型性基材と無孔質膜と繊維基材との積層体が得られる。この積層体から離型性基材を剥離することにより、繊維基材と無孔質膜との積層体を得ることができる。なお、離型性基材は、無孔質膜を繊維基材と貼り合わせる前に剥離しても構わない。
3.図柄層
3.1.原料・物性等
本発明の透湿性防水布帛は、前記の透湿性防水層の表面に、顔料を含む紫外線硬化型樹脂からなる図柄層が積層されたものである。ここで、「透湿性防水層の表面」とは、繊維基材と接していない側の一方の面をさすものとする。
紫外線硬化型樹脂は、一般に、モノマー、オリゴマー、光重合開始剤と、必要に応じて添加される任意成分から構成される。紫外線が照射されることにより、光重合開始剤がラジカルになり、これがモノマー、オリゴマーの重合性二重結合を活性化して、次々に鎖状に結合してポリマーへと転換する。モノマーやオリゴマーとしては、一般に、アクリル系のものが用いられ、最終的にアクリル樹脂となる。
本発明において、図柄層の形成に用いられる紫外線硬化型樹脂は、着色剤として顔料を含んでなり、これを透湿性防水層の表面に柄状に塗布することにより、図柄を形成することができる。着色剤として、粒径の大きい顔料を用いるため、耐光性および耐色移行性に優れた図柄となる。また、紫外線硬化型樹脂は着色剤を含んだ状態で三次元架橋してポリマーを形成するため、耐摩耗性に優れた図柄となる。
なお、塗布方法がインクジェット印刷である場合、顔料を含む紫外線硬化型樹脂は、紫外線硬化型顔料インクとも呼ばれる。前記の通り、紫外線硬化型顔料インクは、液体のモノマーやオリゴマーが顔料の分散媒となるため、有機溶剤をほとんど含まない。この点において、分散媒として有機溶剤や水を大量に含む通常の顔料インクとは性質を異にする。
任意成分としては、例えば、光重合開始剤の開始反応を促進させるための増感剤、分散剤、熱安定剤、酸化防止剤、防腐剤、消泡剤、浸透剤、難燃剤などを挙げることができる。
図柄は特に限定されるものでなく、ランダムな点、線、丸形、三角形、四角形、点線などを単独または組み合わせた幾何学模様、文字、デザイン画、キャラクター柄などであることができる。
ここで、全表面積に対して図柄が占める面積の割合(以下、占有面積率)は、1〜70%であることが求められ、さらには1〜40%であることが好ましい。占有面積率が1%未満であると、視覚効果などの意匠性に優れた図柄を形成することが困難となる虞がある。占有面積率が70%を超えると、透湿性防水布帛の透湿性が大きく低下する虞がある。
3.2.透湿性防水層の表面に図柄層を積層する方法
透湿性防水層の表面に図柄層を積層するには、前記樹脂液(モノマー、オリゴマー、光重合開始剤、および顔料からなる組成物)を透湿性防水層の表面に柄状に塗布した後、紫外線を照射して硬化させることにより達成される。
塗布方法としては、インクジェット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷などを挙げることができる。なかでも、吐出量の微調整により繊細な表現が可能で、しかも多彩な色使いの図柄を、短時間に印刷できる点でインクジェット印刷が好ましく採用される。インクジェット印刷は、図柄設計に対する制限が少なく変更も容易であるため、任意の図柄を選択することができ、前記の幾何学模様などはもちろん、色調にグラデーションを持たせた図柄や、写真などにも対応可能である。
樹脂液を塗布した後、紫外線を照射して樹脂を硬化させる。このとき、紫外線ランプの照射出力は、50〜280W/cmであることが好ましく、80〜200W/cmであることがより好ましい。また、照射時間は、0.1〜20秒間であることが好ましく、0.5〜10秒間であることがより好ましい。照射出力や時間が下限未満であると、樹脂の硬化が十分に進まず、図柄層の強度が低下したり、未反応のモノマーやオリゴマーにより皮膚障害を引き起こしたりする虞がある。照射出力や時間が上限を超えると、紫外線の影響によりベースとなる透湿性防水層の強度低下や変退色を引き起こす虞がある。
かくして、繊維基材と透湿性防水層と図柄層との積層体を得ることができる。
4.透湿性保護層
4.1.原料・物性等
本発明の透湿性防水布帛は、前記の図柄層の表面にさらに、第2の樹脂皮膜層として、透明または半透明の透湿性保護層が積層されたものである。こうして、意匠性や透湿性を損なうことなく図柄層を保護し、堅牢性、特には耐色移行性や耐摩耗性を向上させることができる。また、図柄層がタック感(べたつき感)を有する場合には、これを低減させることもできる。なお、「図柄層の表面に透湿性保護層が積層される」とは、「図柄部分および非図柄部分の表面に透湿性保護層が積層される」という意味に他ならず、「図柄部分の表面にのみ透湿性保護層が積層され、非図柄部分の表面には透湿性保護層が積層されない」という意味ではない。また、「図柄層の表面」とは、透湿性防水層と接していない側の一方の面をさすものとする。
透湿性保護層は、図柄層の全面に積層されていてもよいし、例えば、ドット状、ライン状、メッシュ状など、パターニングされて非全面に、不連続的に積層されていてもよい。非全面に積層される場合、図柄層を保護するという観点から、占有面積率は50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
透湿性保護層は、透湿性樹脂から形成される無孔質膜であり、透湿性樹脂としては、例えば、透湿性ポリウレタン樹脂、透湿性ポリアクリル樹脂、透湿性ポリエステル樹脂などを挙げることができる。なかでも、耐摩耗性、弾性回復性、柔軟性、透湿性などの点から透湿性ポリウレタン樹脂が好ましく用いられ、透湿性の点からポリエーテル系ポリウレタン樹脂がより好ましく用いられる。
透湿性樹脂をそれ単独で無孔質膜としたときの100%伸長応力は、2.透湿性防水層の1つの態様である2.2.無孔質膜の原料である透湿性樹脂、さらには、他の態様である2.1.微多孔質膜の原料であるポリウレタン樹脂の場合と同様である。
透湿性樹脂の線膨潤率は、0〜30%であることが好ましく、0〜15%であることがより好ましい。線膨潤率が30%を超えると、吸水し易く、十分な皮膜強度を維持することができない虞がある。線膨潤率は、後述の実施例に記載の方法により求めることができる。
透湿性保護層は、その物性に影響を及ぼさない範囲内で、透湿性樹脂以外の成分を含んでいてもよい。このような任意成分としては、例えば、着色用の顔料、透湿性の向上や表面のタッチを改善する目的で添加される無機/有機微粒子、皮膜強度を向上させる架橋剤、酸化防止剤、増粘剤、表面の滑りを改善する目的で添加されるシリコーン系添加剤などを挙げることができる。
透湿性保護層を着色する場合には、顔料を添加することにより達成される。ただし、図柄が認識できないまでに透明性を低下させてはならない。透明性の指標として、透湿性保護層の400〜700nmの波長領域(すなわち、可視光領域)における平均透過率は、50〜100%であることが好ましく、70〜100%であることがより好ましい。平均透過率が50%未満であると、図柄を明瞭に認識できない虞がある。
また、透湿性保護層がタック感を有する場合には、無機微粒子または有機微粒子を添加することが好ましい。これにより、タック感を低減させることができる。無機微粒子としては、例えば、酸化ケイ素、酸化チタン、窒化チタン、窒化ホウ素、炭化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、チタン酸カリウム、酸化亜鉛、アルミナ、ホウ酸アルミニウムなどを挙げることができる。また、有機微粒子としては、例えば、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系などの微粒子を挙げることができる。これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
これら微粒子の粒径は、0.5〜10μmであることが好ましく、1〜5μmであることがより好ましい。粒径が0.5μm未満であると、ドライ感が十分に発現されず、タック感を低減させる効果が不十分となる虞がある。粒径が10μmを超えると、ざらつき感が強くなったり、透明性が大きく低下したりする虞がある。さらに、微粒子を含む樹脂液において、微粒子が沈降あるいは凝集することによって分散性が低下し、これを均一に塗布することが困難となる虞がある。
無機微粒子または有機微粒子の添加量は、タック感の低減が認められ、かつ、透湿性保護層の物性(前記平均透過率の条件を含む)に影響を及ぼさない限り、特に限定されない。
また、表面の滑りを良くし、耐摩耗性を向上させるために、シリコーン系の添加剤を添加することもできる。その添加量も、耐摩耗性の向上が認められ、透湿性保護層の物性(前記平均透過率の条件を含む)に影響を及ぼさない限り、特に限定されない。
透湿性保護層は、通常、厚みが1〜10μm程度、より好ましくは1〜5μm程度の非常に薄い無孔質膜である。厚みがあまりにも小さいと、皮膜強度が不十分で、図柄層を保護する効果が不十分となる虞がある。厚みがあまりにも大きいと、透湿性防水布帛の透湿性が不十分となったり、風合いや衣服とした際の着心地が悪くなったりする虞がある。
4.2.図柄層の表面に透湿性保護層を積層する方法
図柄層の表面に透湿性保護層を積層する方法としては、透湿性樹脂を溶媒(有機溶剤または水)に溶解または分散させてなる樹脂液を、図柄層の表面に塗布した後、溶媒を蒸発させて固化させる方法(コーティング法)が、薄膜の均一性に優れるという点で好ましい。
樹脂液の粘度、用いられる有機溶剤は、2.透湿性防水層の1つの態様である2.2.無孔質膜の製造における(1)乾式固化法の場合と同様である。
前記の通り、樹脂液は他の成分を含んでいてもよい。
かかる樹脂液を図柄層の表面に塗布する。塗布方法としては、例えば、ナイフコーティング(フローティングナイフコーティング、ロールオンナイフコーティング、ベットオンナイフコーティングなど)、リバースロールコーティング、スプレーコーティング、グラビアコーティング、ロータリースクリーンコーティングなどを挙げることができる。なかでも、薄膜の均一性に優れるという点で、ナイフコーティングまたはグラビアコーティングが好ましく採用される。
樹脂液の塗布量は、乾燥重量として、1〜10g/mであることが好ましく、1〜5g/mであることがより好ましい。塗布量をこの範囲に設定することにより、1〜10μm程度、より好ましくは1〜5μm程度の厚みを有する無孔質膜となる。
次いで、熱処理して樹脂を乾燥、固化させる。熱処理条件は、2.透湿性防水層の1つの態様である2.2.無孔質膜の製造における(1)乾式固化法の場合と同様である。
かくして、繊維基材と透湿性防水層と図柄層と透湿性保護層との積層体を得ることができる。
5.任意の樹脂皮膜層
以上説明したように、本発明の透湿性防水布帛は、繊維基材の一方の面に、透湿性防水層、顔料を含む紫外線硬化型樹脂からなる図柄層、および透明または半透明の透湿性保護層が順に積層されてなることを必須の構成とするものであるが、防水性を向上させる目的で、後述する透湿性の条件を満足する限りにおいて、透湿性防水層と図柄層の間に、第3の樹脂皮膜層として、透湿性中間層を設けたものであってもよい。透湿性防水層、透湿性中間層、図柄層、および透湿性保護層という層構成にすることにより、透湿性防水布帛の防水性を大幅に向上させることができる。
透湿性中間層の条件に関しては、透湿性保護層の場合と概ね同様である。ただし、防水性を向上させるという観点から、透湿性中間層は透湿性防水層の全面に積層されている必要がある。また、透湿性中間層の透明性は特に限定されるものでなく、特に図柄層との組み合わせで意匠性に問題なければ、顔料の添加により着色しても構わない。
6.透湿性防水布帛
本発明の透湿性防水布帛の透湿性は、JIS L−1099 A−1法(塩化カルシウム法)による透湿度が2,500g/m・24時間以上であるか、または、JIS L−1099 B−1法(酢酸カリウム法)による透湿度が4,500g/m・24時間以上であることが求められる。透湿度がこの値に満たないと、衣服とした際に蒸れ感を覚え、快適性が損なわれる虞がある。さらには、A−1法による透湿度が5,000g/m・24時間以上であるか、または、B−1法による透湿度が8,000g/m・24時間以上であることが好ましい。
また、透湿性防水布帛の防水性は、JIS L−1092 B法(高水圧法)による耐水圧が40kPa以上であることが求められ、さらには80kPa以上であることが好ましい。耐水圧が40kPa未満であると、防水性が不十分となる虞がある。
7.透湿性防水布帛の製造方法
以上説明したように、本発明の透湿性防水布帛は、典型的には、繊維基材の一方の面に透湿性防水層を積層する工程、透湿性防水層の表面に図柄層を積層する工程、および、図柄層の表面に透湿性保護層を積層する工程、をこの順で経ることにより製造することができる。前記の通り、透湿性防水層の積層はコーティング法またはラミネート法によって行われ、図柄層の積層は、顔料を含む紫外線硬化型樹脂をインクジェット法、グラビア印刷またはスクリーン印刷により柄状に塗布した後、紫外線を照射して硬化させることによって行われ、透湿性保護層の積層はコーティング法によって行われる。
また、本発明の透湿性防水布帛を製造するにあたっては、あらかじめ、透湿性防水層と図柄層と透湿性保護層との積層体を作成しておき、これを繊維基材の一方の面に積層してもよい。すなわち、透湿性防水層を形成する工程、透湿性防水層の表面に図柄層を積層する工程、図柄層の表面に透湿性保護層を積層する工程、および、前記3工程により得られる積層体を、繊維基材の一方の面に、透湿性防水層と繊維基材とが接するように積層する工程、を経ることにより製造することもできる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
物性値の測定、透湿性防水布帛の評価は以下の方法に従った。
樹脂の物性
(1)100%伸長応力
キャスト法により作成した20μm厚の無孔質膜から、幅25mm、長さ100mmの試験片を切り出し、引張試験機(商品名「オートグラフAG−IS型」、株式会社島津製作所製)につかみ間隔50mmで取り付けた。引張速度150mm/分で伸長し、ストローク距離が50mmとなった時の応力値F(N)を測定し、下記数式により100%伸張応力を算出した。
[数1]
100%伸張応力(MPa)=F/(25×0.020)
(2)線膨張率
キャスト法により作成した50μm厚の無孔質膜から、5cm×5cmの試験片を切り出し、25℃の水中に24時間浸漬した。その後取り出して、一辺の長さを測定し、浸漬前の長さに対する増加率を求めた。
透湿性防水布帛
(3)透湿度
JIS L−1099 A−1法(塩化カルシウム法)、または、JIS L−1099 B−1法(酢酸カリウム法)に従った。
(4)耐水圧
JIS L−1092 B法(高水圧法)に従った。
(5)耐光性
JIS L−0842に従った。変退色の状態を、変退色用グレースケールとの比較により、5段階で級判定した。
(6)耐色移行性
各実施例または比較例で得た透湿性防水布帛の樹脂皮膜面と、図柄層を有しない以外は各実施例または比較例と同様にして得た透湿性防水布帛の樹脂皮膜面を重ね合わせ、0.2kg/cmの荷重を加えて、130℃で90分間放置した。その後の図柄層を有しない透湿性防水布帛の樹脂皮膜面への移行汚染の状態を、JIS L−0801に準拠し、汚染用グレースケールとの比較により、5段階で級判定した。
(7)耐摩耗性
JIS L−0849(摩擦に対する染色堅牢度試験方法)に準拠し、摩擦試験機II形(学振形)を用い、樹脂皮膜面を綿布にて荷重200gで100回往復摩擦した。摩擦後の樹脂皮膜の状態を目視にて観察し、以下の基準に従って評価した。
評価基準
○:損傷がほとんどない。
△:損傷が若干認められるが、使用上、問題ないレベルである。
×:強い損傷が認められる。
(8)耐洗濯性
JIS L−0217 103法に従い、洗濯を10回行った。洗濯後の樹脂皮膜の状態を目視にて観察し、以下の基準に従って評価した。
評価基準
◎:剥離は全くなく、初期品と同等である。
○:剥離はないが、樹脂皮膜が若干削られている。
△〜○:剥離はないが、樹脂皮膜がかなり削られている。
△:樹脂皮膜がかなり削られて、剥離が若干認められる。
×:剥離が全面に認められる。
(9)タック感
樹脂皮膜面を手の平、手の甲、および上腕部の皮膚で触り、以下の基準に従って評価した。
評価基準
◎:タック感がなくドライである
○:タック感がほとんどない。
△:タック感が若干認められる。
×:タック感が認められる。
(10)図柄の明瞭性
図柄を目視にて観察し、以下の基準に従って評価した。
評価基準
◎:図柄を非常に明瞭に認識できる。
○:図柄をやや明瞭に認識できる。
△:明瞭ではないが図柄を認識することはできる。
×:わずかに認識できる。または認識できない。
(11)総合評価
(3)〜(10)を勘案し、以下の基準に従って総合的に評価した。
評価基準
○:透湿性防水布帛として使用できるレベルである。
△:透湿性防水布帛として使用が限定されるレベルである。
×:透湿性防水布帛として使用できないレベルである。
[実施例1]
経糸に78デシテックス/24フィラメントの6ナイロンマルチフィラメント糸、緯糸に78デシテックス/34フィラメントの6ナイロンマルチフィラメント糸を用いて製織された、経糸密度120本/2.54cm、緯糸密度90本/2.54cmの平織物の生機を準備し、常法により精練、染色(ネビー)を行った。
次いで、処方1に示す処方のフッ素系撥水剤水分散液に浸漬し、マングルにて絞り(絞り率:37重量%)、130℃で1分間熱処理して乾燥した後、160℃で1分間熱処理してキュアし、撥水加工を施した。
<処方1>
1)商品名「アサヒガードAG−710」;5.0重量%
(フッ素系撥水剤(水系)、旭硝子株式会社製)
2)商品名「ベッカミン MA」;0.3重量%
(メラミン系架橋剤、DIC株式会社製)
3)商品名「CATALYST 376」;0.03重量%
(有機アミン塩(触媒)、DIC株式会社製)
4)水;94.67重量%
次いで、銀面ロールを備えたカレンダー加工機を用いて、温度170℃、圧力35Kg/cm、速度25m/分の条件にてカレンダー加工を施した。かかる平織物を繊維基材として用いた。
繊維基材のカレンダー面に、処方2に示す組成のポリウレタン樹脂液を、ナイフコータを用いてベットオン方式により、塗布量(湿潤重量)が100g/m(乾燥重量:20g/m)になるように塗布した後、16℃の水中に1分間浸漬して凝固させ、次いで50℃の温水中に10分間浸漬して洗浄した後、150℃で1分間熱処理して乾燥し、微多孔質膜(透湿性防水層)を積層した。得られた微多孔質膜の厚みは25μmであった。
<処方2>
1)商品名「クリスボン MP−829」;100重量部
(ポリエステル系ポリウレタン樹脂(100%伸長応力:3.43MPa)を20重量%含むN,N−ジメチルホルムアミド溶液、DIC株式会社製)
2)商品名「ティスモーD」;5重量部
(チタン酸カリウムウィスカー(繊維径:0.3〜0.6μm、平均繊維長:15μm)、大塚化学株式会社製)
3)商品名「レザミンX」;2重量部
(イソシアネート系架橋剤、大日精化工業株式会社製)
4)商品名「ダイラックカラーL−1500」;5重量部
(白色顔料、DIC株式会社製)
5)商品名「レザミンCUT−30」;1重量部
(界面活性剤(湿式成膜助剤)、大日精化工業株式会社製)
6)N,N−ジメチルホルムアミド;30重量部
樹脂液の粘度は8,800cpsであった。
次いで、微多孔質膜の表面に、処方3に示す組成の紫外線硬化型顔料インクを、インクジェットプリンタを用いて下記の印写条件にて塗布した後、メタルハライドランプを用いて照射出力120W/cm、照射時間1秒間の条件で紫外線を照射して硬化させ、図柄層を積層した。図柄は、一辺が4mm、幅が0.2mmの格子状で、占有面積率は12%であった。
<処方3>
1)商品名「CN981」;25重量%
(脂肪族ウレタンアクリレート(オリゴマー)、サートマージャパン株式会社製)
2)商品名「SR9003」;69重量%
(プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート(モノマー)、サートマージャパン株式会社製)
3)商品名「イルガキュア184」;5重量%
(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(光重合開始剤)、チバスペシャルティケミカルズ株式会社製)
4)商品名「HOSTAPERM PINK E−02」;1重量%
(キナクリドンレッド(顔料)、クラリアントジャパン株式会社製)
前記原料を混合し、ビーズミル分散機を用いて分散させた後、濾過して不溶物を除去することにより、均質なマゼンタ色の紫外線硬化型顔料インクを調製した。
<印写条件>
イ)ノズル径:70μm
ロ)印加電圧:50V
ハ)パルス幅:20μs
ニ)駆動周波数:1kHz
ホ)解像度:180dpi
ヘ)ヘッド加熱温度:60℃
次いで、図柄層の表面に、処方4に示す組成の透湿性ポリウレタン樹脂液を、ナイフコータを用いてベットオン方式により、塗布量(湿潤重量)が10g/m(乾燥重量:4g/m)となるように塗布した後、70℃で2分間熱処理して予備乾燥し、さらに110℃で2分間熱処理して乾燥し、半透明の透湿性無孔質膜(透湿性保護層)を積層した。得られた無孔質膜の厚みは5μm、400〜700nmの波長領域における平均透過率は85%であった。
かくして、実施例1の透湿性防水布帛を得た。
<処方4>
1)商品名「PERMAX200」;100重量部
(ポリエーテル系ポリウレタン樹脂(100%伸長応力:4.1MPa、線膨潤率:10%)を44重量%含む水分散液、Noveon社製)
2)商品名「サイリシア#350」;3重量部
(多孔質シリカゲル(平均粒径3.9μm)、富士シリシア化学株式会社製)
3)商品名「F7226」;適量
(増粘剤、日華化学株式会社製)
ここで、F7226の配合量を示す適量とは、樹脂液の粘度を8,000cpsに調整するために、必要な量を意味する。
[実施例2]
実施例1と同様の繊維基材のカレンダー面に、実施例1と同様にして微多孔質膜(透湿性防水層)および図柄層を積層した。
次いで、図柄層の表面に、処方5に示す組成の透湿性ポリウレタン樹脂液を、ナイフコータを用いてベットオン方式により、塗布量(湿潤重量)が20g/m(乾燥重量:5g/m)となるように塗布した後、70℃で2分間熱処理して乾燥し、半透明の透湿性無孔質膜(透湿性保護層)を積層した。得られた無孔質膜の厚みは4μm、400〜700nmの波長領域における平均透過率は95%であった。
かくして、実施例2の透湿性防水布帛を得た。
<処方5>
1)商品名「ハイムレンNPU−5」;100重量
(ポリエーテル系ポリウレタン樹脂(100%伸長応力:4.5MPa、線膨潤率:0%)を25重量%含むN,N−ジメチルホルムアミド/イソプロピルアルコール/トルエン溶液、大日精化工業株式会社製)
2)商品名「サイリシア#350」;3重量部
(多孔質シリカゲル(平均粒径:3.9μm)、富士シリシア化学株式会社製)
3)イソプロピルアルコール;10重量部
4)メチルエチルケトン;10重量部
樹脂液の粘度は12,000cpsであった。
[実施例3]
白色顔料を5重量%練り込んだ熱可塑性を有する透湿性ポリウレタン樹脂(商品名「ペルプレンP−20BUX1」(ブロック共重合ポリエステル樹脂(100%伸長応力:2.5MPa)、東洋紡績株式会社製)を、Tダイにより皮膜状に押し出した後、離型性基材(厚み40μmのポリプロピレンフィルム)とニップロールにより圧締して、透湿性無孔質膜(透湿性防水層)を得た。得られた無孔質膜の厚みは20μm、重量は21g/mであった。
次いで、離型性基材と積層状態にある無孔質膜の表面に、処方6に示す組成の接着剤液を、直径400μmのドットが彫刻されたグラビアロール(ドットの占有面積率:30%)を備えたグラビアコータを用いて、塗布量(湿潤重量)が10g/m(乾燥重量:6g/m)となるように塗布した後、70℃で1分間熱処理して乾燥し、次いで実施例1と同様の繊維基材のカレンダー面に重ね合わせ、110℃、5kg/cm、10m/分の条件にて熱圧着処理して貼り合わせた。
<処方6>
1)商品名「クリスボンTA−170」;100重量部
(ウレタン系接着剤、DIC株式会社製)
2)商品名「バーノックDN−950」;12重量部
(イソシアネート系架橋剤、DIC株式会社製)
3)商品名「クリスボン アクセルT」;3重量部
(架橋促進剤、DIC株式会社製)
4)N,N−ジメチルホルムアミド;10重量部
5)トルエン;30重量部
接着剤液の粘度は7,500cpsであった。
離型性基材と無孔質膜と繊維基材との積層体から離型性基材を剥離した後、露出した無孔質膜の表面に、実施例1と同様にして図柄層および無孔質膜(透湿性保護層)を積層した。
かくして、実施例3の透湿性防水布帛を得た。
[実施例4]
離型性基材の離型面に、処方5に示す組成の透湿性ポリウレタン樹脂液を、コンマコータを用いて、塗布量(湿潤重量)が80g/m(乾燥重量:20g/m)になるように塗布した後、70℃で2分間熱処理して乾燥し、透湿性無孔質膜(透湿性防水層)を得た。得られた無孔質膜の厚みは20μmであった。
次いで、離型性基材と積層状態にある無孔質膜を、実施例3と同様にして、接着剤を介して繊維基材のカレンダー面に貼り合わせた。
離型性基材と無孔質膜と繊維基材との積層体から離型性基材を剥離した後、露出した無孔質膜の表面に、実施例1と同様にして図柄層および無孔質膜(透湿性保護層)を積層した。
かくして、実施例4の透湿性防水布帛を得た。
[実施例5]
実施例1と同様の繊維基材のカレンダー面に、実施例1と同様にして微多孔質膜(透湿性防水層)を積層した。
次いで、微多孔質膜の表面に、処方5に示す組成の透湿性ポリウレタン樹脂液を、ナイフコータを用いてベットオン方式により、塗布量(湿潤重量)が15g/m(乾燥重量:4g/m)となるように塗布した後、70℃で2分間熱処理して乾燥し、半透明の透湿性無孔質膜(透湿性中間層)を積層した。
次いで、透湿性中間層の表面に、実施例1と同様にして図柄層を積層した。
次いで、図柄層の表面に、実施例2と同様にして(すわなち、処方5に示す組成の透湿性樹脂液を、塗布量(湿潤重量)が20g/m(乾燥重量:5g/m)となるように塗布して)透湿性無孔質膜(透湿性保護層)を積層した。
かくして、実施例5の透湿性防水布帛を得た。
[比較例1]
実施例1と同様の繊維基材のカレンダー面に、実施例1と同様にして微多孔質膜(透湿性防水層)および図柄層を積層した。
次いで、図柄層の表面に、処方7に示す組成の非透湿性ポリウレタン樹脂液を、ナイフコータを用いてベットオン方式により、塗布量(湿潤重量)が20g/m(乾燥重量:5g/m)となるように塗布した後、70℃で2分間熱処理して乾燥し、半透明の非透湿性無孔質膜(非透湿性保護層)を積層した。得られた無孔質膜の厚みは4μm、400〜700nmの波長領域における平均透過率は95%であった。
かくして、比較例1の布帛を得た。
<処方7>
1)商品名「サンプレンLQ−3510」;100重量部
(ポリエステル系ポリウレタン樹脂(100%伸長応力:1.1MPa、線膨潤率:0%)を30重量%含むイソプロピルアルコール/トルエン溶液、三洋化成工業株式会社製)
2)商品名「サイリシア#350」;3重量部
(多孔質シリカゲル(平均粒径3.9μm)、富士シリシア化学株式会社製)
3)イソプロピルアルコール;10重量部
4)メチルエチルケトン;10重量部
樹脂液の粘度は15,000cpsであった。
[比較例2]
実施例1と同様の繊維基材のカレンダー面に、実施例1と同様にして微多孔質膜(透湿性防水層)および図柄層を積層した。
次いで、図柄層の表面に、処方8に示す組成の低透湿性ポリウレタン樹脂液を、ナイフコータを用いてベットオン方式により、塗布量(湿潤重量)が15g/m(乾燥重量:6g/m)となるように塗布した後、70℃で2分間熱処理して予備乾燥し、さらに110℃で2分間熱処理して乾燥し、半透明の低透湿性無孔質膜(低透湿性保護層)を積層した。得られた無孔質膜の厚みは5μm、400〜700nmの波長領域における平均透過率は95%であった。
かくして、比較例2の布帛を得た。
<処方8>
1)商品名「スーパーフレックスE−4800」;100重量部
(エーテル系ポリウレタン樹脂(100%伸長応力:1.6PMa、線膨潤率:0%)を40重量%含む水分散液、第一工業製薬株式会社製)
2)商品名「サイリシア#350」;3重量部
(多孔質シリカゲル(平均粒径3.9μm)、富士シリシア化学株式会社製)
3)商品名「F7226」;適量
(増粘剤、日華化学株式会社製)
ここで、F7226の配合量を示す適量とは、樹脂液の粘度を8,000cpsに調整するために、必要な量を意味する。
[比較例3]
実施例1と同様の繊維基材のカレンダー面に、実施例1と同様にして微多孔質膜(透湿性防水層)および図柄層を積層した。
次いで、図柄層の表面に、処方9に示す組成の透湿性ポリウレタン樹脂液を、ナイフコータを用いてベットオン方式により、塗布量(湿潤重量)が10g/m(乾燥重量:4g/m)となるように塗布した後、70℃で2分間熱処理して予備乾燥し、さらに110℃で2分間熱処理して乾燥し、不透明の透湿性無孔質膜(透湿性保護層)を積層した。得られた無孔質膜の厚みは5μm、400〜700nmの波長領域における平均透過率は30%であった。
かくして、比較例3の布帛を得た。
<処方9>
1)商品名「PERMAX200」;100重量部
(ポリエーテル系ポリウレタン樹脂(100%伸長応力:4.1MPa、線膨潤率:10%)を44重量%含む水分散液、Noveon社製)
2)商品名「ホワイト R−2」;10重量部
(白色顔料、松井色素株式会社製)
3)商品名「F7226」;適量
(増粘剤、日華化学株式会社製)
ここで、F7226の配合量を示す適量とは、樹脂液の粘度を8000cpsに調整するために、必要な量を意味する。
[比較例4]
図柄を、占有面積率が90%の風景画とした以外は、実施例1と同様にして、比較例4の布帛を得た。
[比較例5]
無孔質膜(透湿性保護層)を積層しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例5の布帛を得た。
[評価]
実施例1〜5および比較例1〜5で得た透湿性防水布帛について評価した結果を表1に示す。
実施例1〜5の透湿性防水布帛は、いずれも十分な透湿性と防水性とを兼ね備えるとともに、図柄の堅牢性に優れ、かつ図柄を明瞭に認識できるものであった。
一方、透湿性を有しないポリウレタン樹脂や、透湿性の低いポリウレタン樹脂を用いて保護層を形成した比較例1や比較例2の布帛では、十分な透湿性が得られなかった。
白色顔料の添加により不透明の透湿性保護層を形成した比較例3の布帛では、図柄を明瞭に認識することができなかった。
図柄の占有面積率が90%である比較例4の布帛では、十分な透湿性が得られなかった。
透湿性保護層を有しない比較例5の布帛では、図柄の堅牢性が劣るとともに、タック感が認められるものであった。

Claims (8)

  1. 繊維基材の一方の面に、透湿性防水層、顔料を含む紫外線硬化型樹脂からなる図柄層、および透明または半透明の透湿性保護層が順に積層されてなる透湿性防水布帛であって、
    図柄の占有面積率が1〜70%であり、
    透湿性防水布帛のJIS L−1099 A−1法(塩化カルシウム法)による透湿度が2,500g/m・24時間以上であるか、または、JIS L−1099 B−1法(酢酸カリウム法)による透湿度が4,500g/m・24時間以上であり、
    透湿性防水布帛のJIS L−1092 B法(高水圧法)による耐水圧が40kPa以上であることを特徴とする、
    透湿性防水布帛。
  2. 透湿性防水層がポリウレタン樹脂からなる微多孔質膜であるか、または、透湿性樹脂からなる無孔質膜であることを特徴とする、請求項1に記載の透湿性防水布帛。
  3. 透湿性保護層の400〜700nmの波長領域における平均透過率が、50〜100%であることを特徴とする、請求項1または2に記載の透湿性防水布帛。
  4. 透湿性保護層が無機微粒子および/または有機微粒子を含んでなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の透湿性防水布帛。
  5. 透湿性防水層と図柄層の間に透湿性中間層を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の透湿性防水布帛。
  6. 請求項1に記載の透湿性防水布帛を製造する方法であって、繊維基材の一方の面に透湿性防水層を積層する工程、透湿性防水層の表面に図柄層を積層する工程、および、図柄層の表面に透湿性保護層を積層する工程、をこの順で含んでなることを特徴とする、透湿性防水布帛の製造方法。
  7. 請求項1に記載の透湿性防水布帛を製造する方法であって、透湿性防水層を形成する工程、透湿性防水層の表面に図柄層を積層する工程、図柄層の表面に透湿性保護層を積層する工程、および、前記3工程により得られる積層体を、繊維基材の一方の面に、透湿性防水層と繊維基材とが接するように積層する工程、を含んでなることを特徴とする、透湿性防水布帛の製造方法。
  8. 図柄層の積層が、顔料を含む紫外線硬化型樹脂をインクジェット法により柄状に塗布した後、紫外線を照射して硬化させることによって行われることを特徴とする、請求項6または7に記載の透湿性防水布帛の製造方法。
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