JP2010012413A - リン酸含有水の処理装置及びリン酸含有水の処理方法 - Google Patents

リン酸含有水の処理装置及びリン酸含有水の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、被処理水中のリン酸の回収率を向上させると共に、リン酸カルシウムを含む汚泥の含水率を低下させることができるリン酸含有水の処理装置及び処理方法を提供するにある。
【解決手段】本発明は、リン酸を含有する被処理水とカルシウム剤とを反応させて、リン酸カルシウムを生成する反応槽10と、反応槽10で生成したリン酸カルシウムと処理水とを分離する沈殿槽12とを備えるリン酸含有水の処理装置1であって、反応槽10は、前記被処理水をpH4〜6の条件下で反応させる第1反応部14と、第1反応部14で処理したリン酸カルシウムを含む被処理水をpH9超の条件下で反応させる第2反応部16と、第2反応部16で処理したリン酸カルシウムを含む被処理水をpH9以下の条件下で反応させる第3反応部18とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体製造工場や液晶パネル工場等で排出されるリン酸含有水の処理装置及び処理方法に関する。
従来、半導体製造工場や液晶パネル工場等で排出されるリン酸含有水を消石灰や塩化カルシウム等のカルシウム剤と反応させて、リン酸カルシウムを生成し、生成したリン酸カルシウムを鉄塩(塩化鉄、硫酸鉄)やアルミニウム塩(硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム)などの無機凝集剤及び高分子凝集剤を用いて、凝集沈殿させて処理する方法がある。上記方法では、リン酸含有水とカルシウム剤とをpH=9〜11程度で反応させるため、下式のごとく、生成するリン酸カルシウムは、Ca(PO、Ca10(PO(OH)等の形態となる。このようにCa(PO、Ca10(PO(OH)を生成させることで、処理水中のリン酸イオン濃度は低くなるが、脱水後の沈殿汚泥(Ca(PO、Ca10(PO(OH))の含水率は高くなることが知られている。特に、Ca(POの含水率が高い。
3Ca2+ + 2PO 3− → Ca(PO
10Ca2+ + 6PO 3− + 2OH → Ca10(PO(OH)
また、リン酸含有水と塩化カルシウムとをpH4.5〜7で反応させ、下式のごとく、リン酸カルシウムを結晶状のCaHPOとして生成させる処理方法もある(例えば、特許文献1参照)。このようにCaHPOを生成させることで、脱水後の沈殿汚泥(CaHPO)の含水率は低くなるが、処理水中のリン酸イオン濃度は比較的高くなることが知られている。
Ca2+ + HPO 2− → CaHPO
また、生成するCaHPO、Ca(PO等のリン酸カルシウムは比較的微細な粒子であり、沈殿性が良くないため、実用的には無機凝集剤や高分子凝集剤を併用することで、粒子を粗大化させ、沈殿性を改善して処理水と分離する。この場合、汚泥が無機凝集剤(鉄塩、アルミニウム塩)由来の金属や高分子凝集剤由来の有機物等多くの不純物を含むため、高純度なリン酸の製造用として回収再利用することが困難となる。
また、例えば、特許文献2には、濃厚リン酸含有処理排水を、pH5〜7の条件で水酸化カルシウムと反応させてCaHPOを生成し、これを不溶性物として分離する第1の工程と、この第1の工程の一次処理液をpH9〜11の条件で水酸化カルシウムと反応させて生成した不溶性物を分離する第2の工程と、この第2の工程で分離した不溶性物を前記第1の工程で処理する前記濃厚リン酸含有排水に溶解させる第3の工程とを有する濃厚リン酸含有水処理方法が提案されている。特許文献2の方法により、回収再利用可能なCaHPOを含む汚泥が得られる。
特開昭53−107151号公報 特開平9−253658号公報
しかし、上記これらの方法では、被処理水中のリン酸の回収率、リン酸カルシウムを含む沈殿汚泥の含水率の点で十分ではなく、改善する必要がある。
そこで、本発明の目的は、被処理水中のリン酸の回収率を向上させると共に、リン酸カルシウムを含む汚泥の含水率を低下させることができるリン酸含有水の処理装置及び処理方法を提供するにある。
本発明は、リン酸を含有する被処理水とカルシウム剤とを反応させて、リン酸カルシウムを生成する反応槽と、前記反応槽で生成したリン酸カルシウムと処理水とを分離する分離槽とを備えるリン酸含有水の処理装置であって、前記反応槽は、前記被処理水をpH4〜6の条件下で反応させる第1反応部と、前記第1反応部で処理したリン酸カルシウムを含む被処理水をpH9超の条件下で反応させる第2反応部と、前記第2反応部で処理したリン酸カルシウムを含む被処理水をpH9以下の条件下で反応させる第3反応部とを有する。
また、前記リン酸含有水の処理装置において、前記第1反応部では、前記被処理水をpH4.5〜5.5の条件下で反応させ、前記第2反応部では、前記被処理水をpH9.5〜10.5の条件下で反応させ、前記第3反応部では、前記被処理水をpH8〜9の条件下で反応させることが好ましい。
また、前記リン酸含有水の処理装置において、前記第1反応部では、前記被処理水をpH5の条件下で反応させ、前記第2反応部では、前記被処理水をpH10の条件下で反応させ、前記第3反応部では、前記被処理水をpH8の条件下で反応させることが好ましい。
また、前記リン酸含有水の処理装置において、前記第1反応部で生成するリン酸カルシウムはCaHPOの形態であり、前記第2反応部で生成するリン酸カルシウムはCa(POの形態であり、前記第3反応部では、前記第2反応部までで生成するリン酸カルシウムの一部をCa10(PO(OH)の形態に変換することが好ましい。
また、本発明は、リン酸を含有する被処理水とカルシウム剤とを反応させて、リン酸カルシウムを生成するリン酸カルシウム生成工程と、前記生成したリン酸カルシウムと処理水とを分離する分離工程とを備えるリン酸含有水の処理方法であって、前記リン酸カルシウム生成工程は、前記被処理水をpH4〜6の条件下で反応させる第1工程と、前記第1工程で処理したリン酸カルシウムを含む被処理水をpH9超の条件下で反応させる第2工程と、前記第2工程で処理したリン酸カルシウムを含む被処理水をpH9以下の条件で反応させる第3工程とを有する。
また、前記リン酸含有水の処理方法において、前記第1工程で生成するリン酸カルシウムはCaHPOの形態であり、前記第2工程で生成するリン酸カルシウムはCa(POの形態であり、前記第3工程では、前記第2工程までで生成するリン酸カルシウムの一部をCa10(PO(OH)の形態に変換することが好ましい。
本発明によれば、被処理水中のリン酸の回収率を向上させると共に、リン酸カルシウムを含む汚泥の含水率を低下させることができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係るリン酸含有水の処理装置1の構成の一例を示す模式図である。図1に示すように、リン酸含有水の処理装置1は、反応槽10と、沈殿槽12と、配管とを備える。反応槽10は、主にリン酸を含有する被処理水をカルシウム剤と反応させて、リン酸カルシウムを生成するものであって、第1反応部14と、第2反応部16と、第3反応部18とを備える。第1反応部14の被処理水流入口(不図示)には、第1流入ライン20が接続されており、第1反応部14のカルシウム剤流入口(不図示)には、カルシウム剤流入ライン22が接続されている。第1反応部14の被処理水排出口(不図示)と第2反応部16の被処理水流入口(不図示)とは、第2流入ライン24により接続されている。第2反応部16のカルシウム流入口(不図示)には、カルシウム剤流入ライン26が接続されている。第2反応部16の被処理水排出口(不図示)と第3反応部18の被処理水流入口(不図示)とは、第3流入ライン28により接続されている。第3反応部18のpH調整剤流入口(不図示)には、pH調整剤流入ライン30が接続されている。第3反応部18の被処理水排出口(不図示)と沈殿槽12の被処理水流入口(不図示)とは、第4流入ライン32により接続されている。沈殿槽12の処理水排出口(不図示)には、処理水排出ライン34が接続されており、沈殿槽12の汚泥排出口(不図示)には、汚泥排出ライン36が接続されている。
次に、本実施形態に係るリン酸を含有する被処理水(以下、リン酸含有水と呼ぶ場合がある)の処理方法及び処理装置1の動作について説明する。ここで、リン酸含有水は、例えば、半導体製造工場や液晶パネル工場等の産業排水として排出されるものである。まず、第1流入ライン20から第1反応部14へリン酸含有水を供給すると共に、カルシウム剤流入ライン22から第1反応部14へカルシウム剤を供給する。第1反応部14では、リン酸含有水をpH4〜6の条件下でカルシウム剤と反応させて、リン酸カルシウムを生成させる。リン酸含有水をpH4〜6の条件下で反応させると、下記反応式に示す反応により、CaHPOを主成分とするリン酸カルシウムが生成する。
Ca2+ + HPO → CaHPO
第1反応部14では、CaHPOを生成するために、被処理水をpH4〜6の条件下で反応させればよいが、被処理水をpH4.5〜5.5の条件下で反応させることが好ましく、被処理水をpH5の条件下で反応させることがより好ましい。被処理水をpH4.5未満の条件下で反応させると、生成するCaHPOの水に対する溶解度が高くなり、被処理水中へのリン酸イオン濃度が増加するため、後段の第2反応部16等で生成するCa(POの生成量が多くなり、汚液含水率が高くなる場合がある。また、処理水をpH5.5超の条件下で反応させると、CaHPOを生成させることが困難となる。CaHPOを生成させることにより、後段の沈殿槽12で得られる沈殿汚泥の沈降濃縮性を高め、純度の高いリン酸カルシウムの沈殿汚泥を得ることが可能となり、また、脱水後の沈殿汚泥の含水率を低下させることも可能となる。
ここで、第1反応部14に供給するカルシウム剤は、水酸化カルシウム(消石灰)、塩化カルシウム、その他カルシウム剤として従来公知のもの全てを使用することができる。第1反応部14に供給されるリン酸含有水は、主に強酸性であるため、pHを4〜6に調整するためにはアルカリ剤を使用する。但し、カルシウム剤として水酸化カルシウムを使用すれば、pH調整のためのアルカリ剤としても機能するため、別途アルカリ剤を供給する必要はない(なお、別途アルカリ剤を供給してもよい)。また、塩化カルシウムをカルシウム剤として使用する場合等は、カルシウム剤とともにpH調整剤として、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)、水酸化カルシウム等のアルカリ剤を第1反応部14に供給する必要がある。
第1反応部14に供給されるリン酸含有水の流量、リン酸濃度が一定であれば、所定量のカルシウム剤を供給することにより、pHを4〜6に調整することができるが、第1反応部14にpHセンサを設置して、第1反応部14のリン酸含有水のpHを管理しながら、カルシウム剤の供給量を調節することが好ましい。
第1反応部14で処理したCaHPOを含む被処理水を第2流入ライン24から第2反応部16へ供給する。また、カルシウム剤流入ライン26から第2反応部16へカルシウム剤を供給する。被処理水には、まだリン酸が残っており、該被処理水をpH9を超える条件下でカルシウム剤と反応させて、リン酸カルシウムを生成させる。pH9を超える条件で反応させると、下記反応式に示す反応により、Ca(POのリン酸カルシウムが生成する。なお、第1反応部14から流入してくる被処理水に、カルシウムイオンが十分に残留していれば、pH調整だけで(カルシウム剤を供給しなくても)よい。
3Ca2+ + 2HPO → Ca(PO
Ca(POは、CaHPOより水に対する溶解度が小さい。第1反応部14で生成したCaHPOは水に対する溶解度が高いため、被処理水中のリン酸イオン濃度は比較的高いが、第2反応部16で、Ca(POを生成させることにより、酸化カルシウムの水に対する溶解度を小さくし、被処理水中のリン酸イオン濃度を低下させることができる。すなわち、リン酸(リン酸カルシウムとして回収)の回収率を増加させることができる。なお、第2反応部16で生成したCa(POは、第1反応部14で生成したCaHPOを核として、その周囲に付着しているものと予想される。また、第1反応部14で生成したCaHPOは結晶状で比較的微細な粒径の生成物であるが、第2反応部16で生成したCa(POは、非結晶で比較的大きい粒径の生成物である。したがって、得られるリン酸カルシウムは、比較的粒径の大きいCa(POがCaHPOの周囲に付着したもので、その粒径は大きいものとなる。リン酸カルシウムの粒径が小さいと、例えば、最終的に回収したリン酸カルシウムを脱水機等により脱水しようとしても、ろ室内でのケーキの形成が悪く、ろ布を通過して漏出したり、回復困難なろ布の目詰まりを発生させる問題等が生じるが、本実施形態では、上記のような問題を解消することができる。
第2反応部16では、Ca(POを生成するために、被処理水をpH9超の条件下で反応させればよいが、被処理水をpH9.5〜10.5の条件下で反応させることが好ましく、被処理水をpH10の条件下で反応させることがより好ましい。被処理水をpH9.5以下の条件下で反応させると、Ca(POを十分に生成させることが困難となり、リン酸の回収率が低下する場合がある。また、被処理水をpH10.5超の条件下で反応させても、Ca(POの生成量にはほとんど影響しない。そのため、被処理水のpH10.5超にすると、後段の第3反応部18において、pH調整剤の使用量が多くなり、処理コストが高くなる場合がある。
ここで、第2反応部16に供給するカルシウム剤は、上記と同様のものを使用することができる。第2反応部16では、pH4〜6の被処理水をpH9超の条件となるように調整するため、アルカリ剤を供給する必要がある。但し、カルシウム剤として、水酸化カルシウムを使用すれば、pH調整のためのアルカリ剤としても機能するため、別途アルカリ剤を添加する必要はない(なお、別途アルカリ剤を供給してもよい)。また、塩化カルシウムをカルシウム剤として使用する場合等は、カルシウム剤とともにpH調整剤として、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)、水酸化カルシウム等のアルカリ剤を第2反応部16に供給する必要がある。
また、第2反応部16に所定量のカルシウム剤を供給し、pHを9超に調整してもよいが、上記同様に、第2反応部16にpHセンサを設置して、第2反応部16の被処理水のpHを管理しながら、カルシウム剤の供給量を調節することが好ましい。
第2反応部16までで処理されたリン酸カルシウムを含む被処理水を第3流入ライン28から第3反応部18へ供給する。また、pH調整剤流入ライン30から第3反応部18へpH調整剤として、塩酸、硫酸、硝酸等の酸剤を供給する。第3反応部18では、第2反応部16までで処理されたリン酸カルシウムを含む被処理水をpH9以下の条件下で反応させて、リン酸カルシウム(主にCa(PO)の一部をCa10(PO(OH)(水酸化アパタイト)に変換する。なお、第3反応部18にもカルシウム剤を供給してもよいが、第2反応部16から流入してくる被処理水に、カルシウムイオンが十分に残留していれば、pH調整だけで(カルシウム剤を供給しなくても)、水酸化アパタイトへの変換が起きる。
3Ca(PO + Ca2+ + 2OH → Ca10(PO(OH)
Ca(POは、Ca10(PO(OH)及びCaHPOより沈殿汚泥の沈降濃縮性が低く、脱水後の沈殿汚泥の含水率が高い。上記でも説明したように、第2反応部16で生成したリン酸カルシウムには、Ca(POが含まれている。そのため、本実施形態では、第2反応部16までで処理されたリン酸カルシウムを含む被処理水をpH9以下の条件で反応させて、リン酸カルシウム(主にCa(PO)の一部をCa10(PO(OH)に変換することにより、最終的に得られるリン酸カルシウムの沈殿汚泥の沈降濃縮性を高くし、含水率を低くすることができる。
第3反応部18では、リン酸カルシウムの一部を水酸化アパタイト化させるために、被処理水をpH9以下の条件下で反応させればよいが、被処理水をpH8〜9の条件下で反応させることが好ましく、被処理水をpH8の条件下で反応させることがより好ましい。被処理水をpH9超の条件下で反応させると、リン酸カルシウムの一部を水酸化アパタイト化させることが困難となる場合がある。また、被処理水をpH8未満の条件下で反応させると、リン酸カルシウムの溶解度が高くなり、被処理水中のリン酸イオン濃度が高くなるため、リン酸の回収率が低下する場合がある。
第1反応部14での被処理水の滞留時間は、カルシウム剤との反応によりリン酸カルシウム(CaHPO)を生成するための十分な時間を確保することができれば特に制限されるものではないが、例えば5分〜60分が好ましく、10分〜30分がより好ましい。第2反応部16、第3反応部18それぞれの被処理水の滞留時間も特に制限されるものではないが、例えば5分〜60分が好ましく、10分〜30分がより好ましい。しかし、第2反応部16、第3反応部18は、第1反応部14のように被処理水中の高濃度のリン酸をリン酸カルシウムとして生成させるものではないので、第2反応部16、第3反応部18での被処理水の滞留時間は、第1反応部14での被処理水の滞留時間より短くてもよい。さらに、第2反応部16は、主に第1反応部14で未処理のリン酸をリン酸カルシウムとして生成させるものであるため、第2反応部16の被処理水の滞留時間は、第3反応部18の被処理水の滞留時間より短くてもよい。
次に、第3反応部18までで生成されたリン酸カルシウムを含む被処理水を第4流入ライン32から沈殿槽12へ供給する。そして、沈殿槽12の下部に、最終的に得られるリン酸カルシウムが沈殿汚泥として堆積し、沈殿槽12の上部の上澄水を処理水排出ライン34から取り出す。また、沈殿槽12の下部に堆積した沈殿汚泥を汚泥排出ライン36から取り出す。本実施形態では沈殿槽12により、処理水と汚泥とを分離させたが、ろ過膜を用いた膜分離等であってもよい。
以上のように、本実施形態では、まず、第1反応部14で、被処理水をpH4〜6の条件下でカルシウム剤と反応させることにより、CaHPOを生成させる。第1反応部14で生成したCaHPOは、最終的に得られるリン酸カルシウムの核となるものである。CaHPOは、沈殿汚泥の沈降濃縮性が高く、脱水後の沈殿汚泥の含水率も低いため、最初にCaHPOを生成させることにより、最終的に得られるリン酸カルシウムの汚泥の沈降濃縮性を向上させ、脱水後の含水率を低下させることが可能となる。次に、第2反応部16で、被処理水をpH9超の条件下でカルシウム剤と反応させることにより、Ca(POを生成させる。Ca(POは水に対する溶解度が低いため、被処理水中のリン酸イオンの濃度が増加することを抑制し、リン酸の回収率を高くすることができる。また、第3反応部18で、被処理水をpH9以下の条件下で反応させることにより、第2反応部16までで得られるリン酸カルシウムの一部をCa10(PO(OH)に変換する。第2反応部16でCa(POを生成させているため、沈殿汚泥の沈降濃縮性が低下し、脱水後の含水率が高くなるが、第3反応部18でCa10(PO(OH)を生成させることにより、汚泥の沈降濃縮性を高くし、脱水後の含水率を低下させることができる。なお、汚泥の含水率が75%から66%になると、乾燥に必要な蒸気、ガス、電気等のエネルギは75%含水率の乾燥に必要なエネルギの2/3でよく、沈殿汚泥の含水率が75%から60%になると、乾燥に必要なエネルギは75%含水率の乾燥に必要なエネルギの1/2でよく、沈殿汚泥の含水率が75%から50%になると、乾燥に必要なエネルギは75%含水率の乾燥に必要なエネルギの1/3でよい。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1においては、図1に示したものと同様の装置を用い、第1反応部では、被処理水をpH5で反応させ、第2反応部では、被処理水をpH10で反応させ、第3反応部では、被処理水をpH7で反応させて、試験を行った。カルシウム剤は、消石灰(被処理水中のリン酸濃度10000mg/Lに対して消石灰を12000mg/L供給)を用いた。第3反応部で使用する酸剤は、5%塩酸を用いた。その他の試験条件は、下記に示した。試験後の処理水のSS濃度、リン酸濃度、リーフテスター(小型フィルタープレス脱水機)で脱水した後のリン酸カルシウムを含む沈殿汚泥の含水率を表1にまとめた。
<被処理水>
被処理水流量:100L/hr
被処理水中のリン酸濃度:1000mgPO/L
被処理水:pH2(NaOHで調整)
<試験装置サイズ>
沈殿槽:360mmφ (LV=1m/h)
第1反応部、第2反応部、第3反応部:各20L
(実施例2〜7)
実施例2〜7においては、第1反応部でのpHを4〜6、第2反応部でのpHを9.5〜11、第3反応部のpHを8〜9としたこと以外は実施例1と同様の条件で試験を行った。試験後の処理水のSS濃度、リン酸濃度、リーフテスター(小型フィルタープレス脱水機)で脱水した後のリン酸カルシウムを含む沈殿汚泥の含水率を表1にまとめた。
(比較例1〜3)
比較例1〜3においては、第1反応部でのpHを4〜6とし、第2反応部及び第3反応部を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様の条件で試験を行った。試験後の処理水のSS濃度、リン酸濃度、リーフテスター(小型フィルタープレス脱水機)で脱水した後のリン酸カルシウムを含む沈殿汚泥の含水率を表2にまとめた。
(比較例4,5)
比較例4,5においては、第1反応部でのpHを5、第2反応部でのpHを8,10とし、第3反応部を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様の条件で試験を行った。試験後の処理水のSS濃度、リン酸濃度、リーフテスター(小型フィルタープレス脱水機)で脱水した後のリン酸カルシウムを含む沈殿汚泥の含水率を表2にまとめた。
(比較例6)
比較例6においては、第1反応部でのpHを5、第2反応部でのpHを8、第3反応部でのpHを10としたこと以外は、実施例1と同様の条件で試験を行った。試験後の処理水のSS濃度、リン酸濃度、リーフテスター(小型フィルタープレス脱水機)で脱水した後のリン酸カルシウムを含む沈殿汚泥の含水率を表2にまとめた。
(比較例7)
図2は、比較例7,8で使用したリン酸含有水の処理装置の構成を示す模式図である。図2に示すように、比較例7,8で使用したリン酸含有水の処理装置2は、図1に示す第2反応部16を無機凝集剤により凝集処理する第1凝集槽38(容積20L)に置き換え、図1に示すカルシウム剤流入ライン26を無機凝集剤の流路となる無機凝集剤流入ライン40に置き換え、図1に示す第3反応部18を高分子凝集剤により凝集処理する第2凝集槽42(容積20L)に置き換え、図1に示すpH調整剤流入ライン30を高分子凝集剤の流路となる高分子凝集剤流入ライン44に置き換え、第1反応部14及び第1凝集槽38にpH調整剤を流入させるpH調整剤流入ライン46を備えるものである。そして、第1反応部14でのpHを5とし、第1凝集槽38でのpHを10とし、第2凝集槽42でのpHを10とし、37%塩化鉄(1000mg/L)の無機凝集剤、OA−23(5mg/L、オルガノ株式会社製)の高分子凝集剤を用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で試験を行った。試験後の処理水のSS濃度、リン酸濃度、リーフテスター(小型フィルタープレス脱水機)で脱水した後のリン酸カルシウムを含む沈殿汚泥の含水率を表3にまとめた。
第1反応部しか使用していない比較例1〜3では、処理水のSS濃度、リン酸濃度共に高く、リン酸の回収率は悪かった。第2反応部まで使用した比較例4では、処理水のSS濃度は若干高く、また、沈殿汚泥の含水率も高かった。比較例5では、リン酸の回収率は良いが、沈殿汚泥の含水率は変わらずに高かった。第3反応部まで使用し、pHを段階的に上昇させた比較例6では、リン酸の回収率は良かったが、沈殿汚泥の含水率は高かった。これに対し、第1反応部でのpHを4〜6とし、第2反応部でのpHを9超とし、第3反応部でのpHを9以下とした実施例1〜7では、リン酸の回収率も良く、沈殿汚泥の含水率も低かった。特に、第1反応部でのpHを5、第2反応部でのpHを10、第3反応部でのpH8とした実施例2では、沈殿汚泥の含水率が最も低かった。
本実施形態に係るリン酸含有水の処理装置の構成の一例を示す模式図である。 比較例7,8で使用したリン酸含有水の処理装置の構成を示す模式図である。
符号の説明
1,2 リン酸含有水の処理装置、10 反応槽、12 沈殿槽、14 第1反応部、16 第2反応部、18 第3反応部、20 第1流入ライン、22,26 カルシウム剤流入ライン、24 第2流入ライン、28 第3流入ライン、30 pH調整剤流入ライン、32 第4流入ライン、34 処理水排出ライン、36 汚泥排出ライン、38 第1凝集槽、40 無機凝集剤流入ライン、42 第2凝集槽、44 高分子凝集剤流入ライン、46 pH調整剤流入ライン。

Claims (6)

  1. リン酸を含有する被処理水とカルシウム剤とを反応させて、リン酸カルシウムを生成する反応槽と、前記反応槽で生成したリン酸カルシウムと処理水とを分離する分離槽とを備えるリン酸含有水の処理装置であって、
    前記反応槽は、前記被処理水をpH4〜6の条件下で反応させる第1反応部と、前記第1反応部で処理したリン酸カルシウムを含む被処理水をpH9超の条件下で反応させる第2反応部と、前記第2反応部で処理したリン酸カルシウムを含む被処理水をpH9以下の条件で反応させる第3反応部とを有することを特徴とするリン酸含有水の処理装置。
  2. 請求項1記載のリン酸含有水の処理装置であって、前記第1反応部では、前記被処理水をpH4.5〜5.5の条件下で反応させ、前記第2反応部では、前記被処理水をpH9.5〜10.5の条件下で反応させ、前記第3反応部では、前記被処理水をpH8〜9の条件下で反応させることを特徴とするリン酸含有水の処理装置。
  3. 請求項1記載のリン酸含有水の処理装置であって、前記第1反応部では、前記被処理水をpH5の条件下で反応させ、前記第2反応部では、前記被処理水をpH10の条件下で反応させ、前記第3反応部では、前記被処理水をpH8の条件下で反応させることを特徴とするリン酸含有水の処理装置。
  4. 請求項1記載のリン酸含有水の処理装置であって、前記第1反応部で生成するリン酸カルシウムはCaHPOの形態であり、前記第2反応部で生成するリン酸カルシウムはCa(POの形態であり、前記第3反応部では、前記第2反応部までで生成するリン酸カルシウムの一部をCa10(PO(OH)の形態に変換することを特徴とするリン酸含有水の処理装置。
  5. リン酸を含有する被処理水とカルシウム剤とを反応させて、リン酸カルシウムを生成するリン酸カルシウム生成工程と、前記生成したリン酸カルシウムと処理水とを分離する分離工程とを備えるリン酸含有水の処理方法であって、
    前記リン酸カルシウム生成工程は、前記被処理水をpH4〜6の条件下で反応させる第1工程と、前記第1工程で処理したリン酸カルシウムを含む被処理水をpH9超の条件下で反応させる第2工程と、前記第2工程で処理したリン酸カルシウムを含む被処理水をpH9以下の条件で反応させる第3工程とを有することを特徴とするリン酸含有水の処理方法。
  6. 請求項5記載のリン酸含有水の処理方法であって、前記第1工程で生成するリン酸カルシウムはCaHPOの形態であり、前記第2工程で生成するリン酸カルシウムはCa(POの形態であり、前記第3工程では、前記第2工程までで生成するリン酸カルシウムの一部をCa10(PO(OH)の形態に変換することを特徴とするリン酸含有水の処理方法。
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