JP4468571B2 - 浄水処理システム及び浄水処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は浄水処理システム及び浄水処理方法に関し、更に詳細には主成分がアルミニウム化合物から成る凝集剤を原水に注入し、凝集処理を施して飲料用水等を供給する浄水システム及び浄水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
河川等から取水した原水から飲料等に供給する上水を得る上水用水処理場(以下、浄水場と称することがある)では、その水処理工程で水処理凝集剤(以下、単に凝集剤と称することがある)が用いられている。かかる凝集剤としては、アルミニウム化合物を主成分とする凝集剤が汎用されている。
従来、この凝集剤は、新たな凝集剤が使用されていたが、凝集剤の浄水場外からの搬入が必要であり、且つ薬剤費の面でもコスト高となっていた。
更に、近年、環境問題がクローズアップされてきており、凝集剤の使い捨てが問題となりつつある。このため、凝集剤を回収して再使用する浄水処理システムが検討されており、例えば、特開平10―34198号公報には、図2に示す浄水処理方法が提案されている。
図2に示す浄水処理方法では、河川等から取水した原水を混和池100でアルミニウム化合物を主成分とする凝集剤を注入し、フロック形成池102で縣濁質をフロック化した後、沈殿池103で縣濁質を沈殿してスラリー状の沈殿スラッジとすると共に、上澄液を急速濾過池115に送る。急速濾過池115で濾過されされた濾過水は、滅菌槽116で塩素滅菌されて上水として供給する。
一方、沈殿池103で沈殿したスラリー状の沈殿スラッジは、汚泥沈殿槽104で重力沈降させて濃縮した第1段濃縮汚泥とした後、更に遠心分離機106によって脱水処理を施して更に濃縮した第2段濃縮汚泥を得た。この汚泥濃縮槽104及び遠心分離機106で分離された水は混和池100に戻される。
【0003】
遠心分離機106で脱水処理を施した第2段濃縮汚泥は、酸処理槽108に投入し、濃硫酸を注入して攪拌しつつ、第2段濃縮汚泥中のアルミニウム化合物を硫酸アルミニウムとする。硫酸アルミニウムを含む溶液は、遠心分離機110によって脱水処理して再生凝集剤貯留槽112に貯留し、再生凝集剤として再度混和池100に注入する。一方、遠心分離機110で脱水処理された酸性の残渣汚泥は、苛性ソーダを注入して中和して汚泥貯留槽114に貯留した後、加圧脱水機118によって脱水処理し脱水ケーキとする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図2に示す浄水処理方法によれば、原水に注入した凝集剤を再生して再度凝集剤として注入でき、凝集剤の使い捨て等の問題が解消し得る可能性がある。
しかし、沈殿池103で沈殿するスラリー状の沈殿スラッジ中には、主成分としてのアルミニウム化合物の他に、マンガン化合物も高濃度に含有されている。原水中に含まれている天然由来のマンガン化合物がスラッジに濃縮されるためである。かかるマンガン化合物は、酸処理槽108で硫酸と反応して溶解し、遠心脱水機110で分離された硫酸アルミニウムを主成分とする溶液中にも含有される。このため、かかる溶液を用いる再生凝集剤中にもマンガン化合物が含有される。この再生凝集剤中のマンガン化合物濃度は、当初は低濃度であるものの、アルミニウム化合物に伴なって回収され循環されるため、再生凝集剤中のマンガン化合物が次第に蓄積される。
一方、マンガンは人体に有害な金属であるため、マンガンが高濃度で含有された凝集剤は、浄水場の水処理凝集剤として使用できない。
したがって、図2に示す浄水処理方法では、再生凝集剤中のマンガン量を常に測定し監視することを要し、再生凝集剤中のマンガン量が規定未満となるように定期的にパージすることが必要となる。
【0005】
この様に、再生凝集剤中のマンガン量を常に監視することを要する浄水処理方法は実用的ではない。
しかしながら、従来から行われてきた沈殿池103で沈殿したスラリー状の沈殿スラッジを加圧脱水機118等で直接脱水処理する場合に比較し、図2に示す浄水処理方法では、加圧脱水機118での脱水処理効率を大幅に向上させることができ、浄水場から廃棄する廃棄汚泥量を減少できる。
そこで、本発明の課題は、原水を浄化する際に発生したスラリー状の沈殿スラッジの脱水処理効率等を向上でき、浄水場から廃棄する廃棄汚泥量を減少できると共に、再生凝集剤中に回収されるマンガンを可及的に減少し得る浄水処理システム及び浄水処理方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決すべく検討したところ、マンガン化合物を含有する沈殿スラッジに硫酸を加えてアルミニウム化合物を溶解した後、この硫酸水溶液に飽和水溶液のpHが約7〜11を呈する弱塩基性の無機化合物を加えてpH4〜6とし再びアルミニウム化合物を析出させことによって、マンガン化合物が高濃度で存在する沈殿スラッジからマンガン含有量が極めて少ない硫酸アルミニウムを主成分とする凝集剤を得ることができることを知った。このため、図2に示す浄水システムにおいて、再生凝集剤貯留槽112に貯留されている硫酸アルミニウム含有の溶液に、飽和水溶液のpHが約7〜11を呈する弱塩基性の無機化合物を加えてpH4〜6としてアルミニウム化合物を析出し、この析出したアルミニウム化合物を再生凝集剤として再使用することを試みた。
しかしながら、沈殿スラッジから回収して再生した硫酸アルミニウムを主成分とする再生凝集剤の凝集効果は、市販の凝集剤に比較して劣ることが判明した。
【0007】
このため、本発明者等は、沈殿スラッジから回収して再生した硫酸アルミニウムを主成分とする再生凝集剤が、市販の凝集剤に比較して劣る原因について検討したところ、沈殿スラッジには、鉄化合物も高濃度に含有されているが、先に検討した回収方法では、沈殿スラッジ中のマンガン化合物の除去と同時に鉄化合物も除去されていることが判った。
一方、鉄は人体に無害な金属であり、鉄イオンは凝集効果を奏するため、原水に注入される再生凝集剤の凝集効果を向上させるべく、再生凝集剤中に鉄を残存させることは可能である。
この様な知見に基づいて本発明者等は、更に検討を重ねた結果、鉄化合物及びマンガン化合物を含有する沈殿スラッジに硫酸を加えてアルミニウム化合物を溶解した後、この硫酸水溶液に苛性ソーダを添加し、アルミニウム水和物を析出せしめることによって、マンガンを除去しつつ鉄を残留させることができること、及び沈殿スラッジから回収して再生した塩化アルミニウムを主成分とする再生凝集剤でも、市販の塩化アルミニウムを主成分とする水処理凝集剤と同程度の凝集効果を呈し得ることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち、本発明は、主成分がアルミニウム化合物から成る凝集剤を原水に注入し、凝集処理を施して飲料用水等を供給する浄水システムにおいて、該原水を浄化する際に発生したスラリー状の沈殿スラッジに塩酸又は硫酸を注入し、前記沈殿スラッジ中のアルミニウム化合物を溶解した溶液と濃縮汚泥とに分離する溶解分離処理手段と、前記溶解分離処理手段で分離された溶液にpH13以上の強アルカリ性を呈するアルカリ化合物を注入し、前記溶液をpH4.5〜6.5に調整することによってアルミニウム水和物を主成分とする析出物を析出し、前記析出物と溶液とに分離するアルカリ反応分離手段と、前記アルカリ反応分離手段で分離されたアルミニウム水和物を主成分とする析出物を原料に用いて塩化アルミニウム又は硫酸アルミニウムを主成分とする凝集剤を再生する凝集剤再生手段と、前記凝集剤生成手段で再生した凝集剤を、前記原水に注入して凝集処理を施す再生凝集剤の注入手段と、前記溶解分離処理手段で分離された濃縮汚泥と、前記アルカリ反応分離手段で分離された溶液とに中和処理を施すと共に、脱水処理を施す中和脱水処理手段とを具備することを特徴とする浄水処理システムにある。
【0009】
また、本発明は、主成分がアルミニウム化合物から成る凝集剤を原水に注入し、凝集処理を施して飲料用水等に供給する浄水を得る際に、該原水を浄化する際に発生したスラリー状の沈殿スラッジに塩酸又は硫酸を注入し、前記沈殿スラッジ中のアルミニウム化合物を溶解した溶液と濃縮汚泥とに分離する溶解分離処理を施し、前記溶解分離処理で分離した溶液にpH13以上の強アルカリ性を呈するアルカリ化合物を注入し前記溶液をpH4.5〜6.5に調整して析出したアルミニウム水和物を主成分とする析出物を、溶液と分離するアルカリ反応分離処理を施した後、前記アルカリ反応分離処理で分離したアルミニウム水和物を主成分とする析出物を原料に用いて得た、塩化アルミニウム又は硫酸アルミニウムを主成分とする再生凝集剤を、前記原水に注入して凝集処理を施すと共に、前記溶解分離処理で分離された濃縮汚泥と、前記アルカリ反応分離処理で分離した溶液とを中和処理した後、脱水処理を施すことを特徴とする浄水処理方法でもある。
【0010】
かかる本発明において、スラリー状の沈殿スラッジを濃縮スラッジと水とに沈降分離し、分離した水を原水に戻すと共に、前記濃縮スラッジを溶解分離処理手段に供給する沈降分離処理手段を設けることによって、溶解分離処理手段以降の各処理手段での処理量を減少できる。
また、沈降分離処理手段で分離された濃縮スラッジの一部に直接脱水処理を施す濃縮スラッジの脱水処理手段を設けることによって、大雨等によって原水が著しく濁り、濃縮スラッジ量が著しく多量に発生した場合であっても、濃縮スラッジの一部を直接脱水処理することによって、凝集剤の回収工程の負荷量を一定とすることができ、安定した品質の再生凝集剤を回収できる。
【0011】
本発明によれば、原水を浄化する際に発生したスラリー状の沈殿スラッジから回収した再生凝集剤は、含有されるマンガン化合物を可及的に少なくできると共に、鉄含有量も多くできる。このため、再生凝集剤を繰り返し使用しても、再生凝集剤中にマンガン化合物が次第に蓄積することを防止でき、再生凝集剤の呈する凝集性も市販の水処理凝集剤と同程度以上である。
しかも、スラリー状の沈殿スラッジからアルミニウム化合物を実質的に除去した後、脱水処理を施しているため、スラリー状の沈殿スラッジを直接脱水処理する場合に比較して、その処理が容易で且つ脱水処理して浄水場から廃棄する廃棄汚泥量の減少を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係る浄水処理システムの一例を図1に示す。図1に示す浄水場では、河川等から取水した原水を混和池1でアルミニウム化合物を主成分とする凝集剤を注入し、フロック形成池2で縣濁質をフロック化した後、沈殿池3で縣濁質を沈殿して沈殿スラッジとすると共に、上澄液を急速濾過池15に送る。急速濾過池15で濾過されされた濾過水は、滅菌槽16で塩素滅菌されて上水として供給する。
一方、沈殿池3で沈殿したスラリー状の沈殿スラッジは、沈降分離手段によって濃縮スラッジとする。この沈降分離手段には、排泥池4、ポンプ5、沈殿槽としての第1シックナ6とから構成される。
かかる沈降分離手段では、沈殿池3から排泥池4に排出されたスラリー状の沈殿スラッジをポンプ5によって第1シックナ6に送液し、重力沈降によって上澄水と第1濃縮汚泥に分離する。この第1シックナ6で分離された上澄水は、混和池1に返送する。
【0013】
一方、第1シックナ6で分離された第1濃縮汚泥には、混和池1に凝集剤として注入された凝集剤等からのアルミニウム化合物が含有されている。このため、第1段濃縮汚泥を溶解分離処理手段に供する。
この溶解分離処理手段は、攪拌機付き酸混合槽7と酸反応槽及び沈殿槽としての第2シックナ8とから構成される。
第1シックナ6から酸混合槽7に送られた第1段濃縮汚泥は、攪拌機によって攪拌されつつ、注入された塩酸又は硫酸と混合された後、第2シックナ8に送液される。
第2シックナ8では、第1段濃縮汚泥中のアルミニウム化合物を塩酸又は硫酸と反応せしめて水溶性とし、水溶性のアルミニウム化合物が溶解された上澄液と、非溶解物から成る汚泥が沈降した第2段濃縮汚泥(以下、強酸汚泥と称することがある)とに分離する。
【0014】
ここで、第1シックナ6から酸混合槽7に送液された第1段濃縮汚泥に注入する塩酸量又は硫酸量は、その量を第1濃縮汚泥に含有されているアルミニウムと当量となるように調整することが好ましい。
また、第2シックナ8で分離された上澄液中のアルミニウム濃度は、Al2O3換算で0.1〜6重量%、特に1〜6重量%となる様に、第1段濃縮汚泥量、水量及び塩酸量又は硫酸量を調整することが好ましい。
ここで、第2シックナ8で分離された上澄液中のアルミニウム濃度が低過ぎると、最終的に得られる再生凝集剤が不安定となって、再生凝集剤の凝集性能が不充分となり易い傾向がある。
他方、第2シックナ8で分離された上澄液中のアルミニウム濃度が高過ぎると、第1段濃縮汚泥と塩酸又は硫酸とから成るスラリーの粘度が高くなって、第2シックナ8での強酸汚泥との分離操作等に支障を来す傾向がある。
尚、第1濃縮汚泥中のアルミニウム化合物と塩酸又は硫酸との反応は、室温〜100℃(好ましくは50〜95℃)の範囲で行うことが好ましい。
【0015】
第2シックナ8分離された上澄液には、第1段濃縮汚泥中に含有されているマンガン化合物や鉄化合物も、アルミニウム化合物と同様に塩酸又は硫酸と反応して溶解されている。このため、かかる上澄液中のマンガン化合物を可及的に除去しつつ、アルミニウム化合物及び鉄化合物を回収すべく、上澄液をアルカリ反応分離手段に供する。このアルカリ反応分離手段には、アルカリ反応槽9と濾過機10とから構成される。
第2シックナ8で分離された上澄液が送液されたアルカリ反応槽9には、上澄液に中和剤としてpH13以上の強アルカリ性を呈するアルカリ化合物を添加し、上澄液をpH4.5〜6.5に調整することによって、マンガン化合物を実質的に析出させることなくアルミニウム水和物(水酸化アルミニウム)及び鉄化合物を析出できる。
この様に、アルカリ反応槽9でpH調整し、アルミニウム水和物が析出した溶液を濾過機10で濾過し、アルミニウム水和物及び鉄化合物が含有されている脱水ケーキと、マンガン化合物が含有されている濾液とに分離する。
ここで、中和剤として用いるpH13以上の強アルカリ性を呈するアルカリ化合物としては、溶液として扱うことのできる苛性ソーダや苛性カリを好ましく用いることができるが、薬剤コストの観点から苛性ソーダが特に好ましい。
尚、濾過機10としては、加圧脱水機を用いることができるが、フィルター濾過機或いは吸引濾過機を用いることができる。
【0016】
かかる中和剤に代えて、重炭酸ソーダ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の弱塩基性のアルカリ化合物を用いると、塩酸溶液又は硫酸溶液中のマンガンのみならず鉄も除去する。
また、pH13以上の強アルカリ性を呈するアルカリ化合物を添加した上澄液のpHが4.5未満の場合、第1濃縮汚泥に含有されているアルミニウムの回収率が低下する。一方、アルカリ化合物を添加した上澄液のpHが6.5を越える場合、上澄液中のマンガンを充分に除去することができない。
この様に、化学的挙動が近似しているマンガンと鉄とを分離できる詳細な理由は明確になっていないが、一般的に、浄水場の沈殿池3で縣濁質を沈殿した沈殿スラッジには、河川水をアルミニウム系凝集剤で処理して生成したものであり、沈殿スラッジ中には土壌由来の成分も含有されていること、及び中和剤としてpH13以上の強アルカリ性を呈するアルカリ化合物を用いることにあるものと推察される。
【0017】
濾過機10で脱水された、アルミニウム水和物(水酸化アルミニウム)及び鉄化合物を含み、且つ実質的にマンガンが除去されている脱水ケーキを、凝集剤に再生する凝集剤再生手段に供給する。かかる凝集剤再生手段は、攪拌機付きの反応槽11から構成される。
この反応槽11では、濾過機10で脱水処理した脱水ケーキに水及び塩酸又は硫酸を注入し混合しつつ反応させる。
かかる反応槽11で脱水ケーキと塩酸とを反応させると、主成分が塩化アルミニウムの再生凝集剤を得ることができる。この脱水ケーキと塩酸とを反応させる際に、塩酸をアルミニウムに対して当量未満とすることによって、下記一般式に示すポリ塩化アルミニウム(以下、PACと称することがある)を主成分とする再生凝集剤を得ることができる。
一般式
Al2(OH)nCl(6-n) 但し、0≦n<6
かかる脱水ケーキと塩酸との反応の際に、塩酸に適量の硫酸塩、例えば無水芒硝(硫酸ナトリウム)を添加することによって、凝集効果の優れたPACを主成分とする再生凝集とすることができる。このPACを主成分とする再生凝集剤は、第1シックナ6で濃縮されたアルミニウム含有の第1段濃縮汚泥に硫酸を添加して回収した後、苛性ソーダで中和処理して得た脱水ケーキと塩酸とを反応することによっても得ることができる。脱水ケーキ中に硫酸根が残留しているためである。
また、反応槽11で脱水ケーキと硫酸とを反応させると、主成分が硫酸アルミニウムの再生凝集剤を得ることができる。
【0018】
一方、濾過機10で濾過された濾液と、第2シックナ8で分離された強酸汚泥とは、中和処理と脱水処理とを施す中和脱水処理手段に供される。かかる中和脱水処理手段では、濾過機10で濾過された濾液にはマンガンが溶解しているため、濾液をpH7付近とする中和処理を施すことによって、水和物として析出させて分離する。この濾過機10の濾液の中和処理と、第2シックナ8で分離された強酸汚泥の中和処理とを別々の処理設備で処理してもよいが、同一設備で処理することが処理効率等の観点から好ましい。このため、中和脱水処理手段は、攪拌付き中和槽13と第1加圧脱水機14とから成る。
かかる中和槽13では、濾過機10で濾過された濾液と、第2シックナ8で分離された強酸汚泥とを攪拌しつつ、アルカリとしての苛性ソーダを注入して中和処理を施す。中和処理が施された混合物は、第1加圧脱水機14で濾過し、濾液を混和池1に戻すと共に、脱水ケーキを浄水処理システムから廃棄汚泥として系外にパージする。
かかる廃棄汚泥の発生量は、従来の第1シックナ6で濃縮された第1段濃縮汚泥を直接脱水処理する場合に比較して、その発生量を2〜3割程度減少することができる。
しかも、系外にパージする廃棄汚泥は、植物の発芽障害となるアルミニウム化合物が除去されているため、園芸用土壌等に有効利用できる。この点、従来、系外にパージする廃棄汚泥には、植物の発芽障害となるアルミニウム化合物が大量に含有されており、産業廃棄物として埋設処理されていたことに比較し、その経済的効果も大きい。
【0019】
ところで、反応槽11で得られた再生凝集剤は、アルミニウム成分がAl2O3として10重量%となるように換算した換算理剤中のマンガン含有量を20ppm以下(好ましくは15ppm以下)とすることができ、1ppm以下とすることもできる。このため、再生凝集剤を浄水場で使用することができ、反応槽11で得られた再生凝集剤を混和池1に注入する注入手段に供する。
かかる反応槽11で得られた再生凝集剤は液状であるため、そのまま混和池1に注入できる。
この反応槽11で得られた再生凝集剤中のアルミニウム成分の濃度調整は、反応槽11に注入する水量で調整可能である。
ここで、再生凝集剤中のアルミニウム含有量は、再生凝集剤の凝集効果及び再生凝集液を溶解した溶液の安定性等の観点からは、主成分が硫酸アルミニウムの再生凝集剤の場合は、Al2O3換算で0.5重量%以上とすることが好ましい。
一方、主成分がポリ塩化アルミニウムの再生凝集剤の場合は、保存期間によって異なり、例えば保存期間が1日程度の場合は、Al2O3換算で1重量%以上でよく、保存期間が1週間程度の場合は、Al2O3換算で2重量%程度でよい。更に、主成分がポリ塩化アルミニウムの再生凝集剤を1週間を越えて保存する場合は、3重量%以上とすることが好ましい。
【0020】
また、主成分がPACから成る再生凝集剤の場合、PACの塩基度を50%以下とするように、塩酸の添加量を調整することができる。その際に、再生凝集剤の凝集性能等を考慮し塩基度を、15〜50%とすることが好ましい。PACの塩基度が15%未満の再生凝集剤では、凝集効果が低下する傾向にあり、PACの塩基度が50%を越える再生凝集剤を得ようとすると、ゲル化して分解し易くなる傾向にある。
この様に、塩基度が15〜50%程度のPACを主成分とする再生凝集剤は、塩基度が50%を越えるPACを主成分とする市販の凝集剤と同程度以上の凝集効果を奏することができる。
更に、主成分が硫酸アルミニウムの再生凝集剤も、硫酸アルミニウムがAl2O3として10重量%となるように換算した換算凝集剤中に、1000ppm以上(好ましくは3000ppm以上、特に好ましくは5000ppm以上)の鉄が含有されており、市販の硫酸アルミニウムから成る再生凝集剤と同程度以上の凝集効果を奏する。
この様に、再生凝集剤中に含有されている鉄は、再生凝集剤の奏する凝集性能を補っているものと推察される。このため、PACを主成分とする再生凝集剤にも、ポリ塩化アルミニウムがAl2O3として10重量%となるように換算した換算凝集剤中に、1000ppm以上(更に3000ppm以上、特に5000ppm以上)の鉄が含有されていることが好ましい。
尚、シリカも凝集剤の凝集性向上に有効に作用するものと考えられるため、浄水場のスラッジから回収された再生凝集剤中にも、その換算凝集剤中に500〜3000ppm程度のシリカを含有することが好ましい。
【0021】
この様にして回収された再生凝集剤は、浄水場で凝集剤として再使用することができ、再生凝集剤だけでは凝集剤量が不足する場合には、市販の凝集剤を併用してもよい。
ところで、浄水場で発生するスラッジには、スラッジ中の全固形分に対してAl2O3換算で約25重量%程度のアルミニウム化合物が含有されているが、含有されているアルミニウム化合物量のうち、約50%が凝集剤由来のものであり、残りの50%が天然土壌等から由来するものと考えられている。更に、凝集剤由来のアルミニウム化合物は、塩酸、硫酸に溶解する水酸化物の形態で存在しており、他方、天然土壌等から由来するアルミニウム化合物は、主に常温では酸に難溶な酸化物の形態で存在しているものと考えられる。従って、スラッジから回収されるアルミニウムは、主に凝集剤由来のものと推察される。
このため、スラッジ中に含有されているアルミニウム化合物量の約50%を回収して再生凝集剤として再使用することによって、凝集剤を循環使用することができ、凝集剤の浄水場外からの搬入及び凝集剤の使い捨ての問題を解消できる。
【0022】
図1に示す浄水処理システムには、沈降分離処理手段としての第1シックナ6で分離された第1段濃縮汚泥の一部を、直接脱水処理する第1段濃縮汚泥の脱水処理手段としての第2加圧脱水機12が設けられている。
かかる第2加圧脱水機12では、大雨等によって原水が著しく濁り、第1シックナ6で大量の第1段濃縮汚泥が大量に発生した場合であっても、第1段濃縮汚泥の一部を第2加圧脱水機12で直接脱水処理することによって、再生凝集剤の回収工程の負荷量を一定とすることができ、安定した品質の再生凝集剤を回収できる。
この第2加圧脱水機12で分離された水は混和池1に戻され、脱水ケーキは浄水処理システム外にパージされるが、園芸用土壌等に有効利用できる。
【0023】
以上、述べてきた浄水処理システムでは、反応槽11から混和池1に液状の再生凝集剤を注入していたが、反応槽11で得られた再生凝集剤を乾燥し、粉体としてもよい。この様に、粉体の再生凝集剤とすることによって、その保存性を良好とすることができる。
また、図1に示す浄水処理システムでは、沈殿池3で沈殿したスラリー状の沈殿スラッジを、排泥池4、ポンプ5、沈殿槽としての第1シックナ6とから構成される沈降分離手段によって沈降スラッジを濃縮している。しかし、沈殿池4で沈殿する沈殿スラッジの量が少ない場合、或いは小規模の浄水場の場合等では、沈降分離手段を省略して攪拌機付き酸混合槽7と酸反応槽及び沈殿槽としての第2シックナ8とから構成される溶解分離処理手段に、沈殿スラッジを直接供給してもよい。
【0024】
【実施例】
以下、本発明に係る浄水処理システムについて、ビーカスケールで行ったモデル実験で更に詳細に説明する。
比較例1
浄水場Aの沈殿池3で沈殿したスラリー状の沈殿スラッジ(アルミニウム含有率がAl2O3換算で1.3重量%)2950gを、現在の浄水場で広く実施されている状態を再現すべく、No.2濾紙を用いて吸引濾過した。濾紙上に824gの濾過汚泥が残留した。この濾過汚泥の含水率は、水分計にて130℃/90分の条件で測定したところ、84.2重量%であった(固形分は130g)。
【0025】
実施例1
浄水場Aの沈殿池3で沈殿したスラリー状の沈殿スラッジ(アルミニウム含有率がAl2O3換算で1.3重量%)2950gに、96%硫酸112gを添加して95℃で120分間攪拌混合し、沈殿スラッジ中のアルミニウム化合物と硫酸とを反応させた。スラリー状の反応液を、No.2濾紙を用いて吸引濾過し、2212gの濾液aと222.5gの強酸汚泥とに分離した。
得られた濾液aに、20%苛性ソーダ水溶液を攪拌しつつ徐々に加え、最終pHを6.3に調整して水酸化アルミニウムを析出させた。かかる水酸化アルミニウムが析出した溶液をNo.2濾紙を用いて吸引濾過し、水酸化アルミニウムケーキ613g(Al2O3換算で4.3重量%含有)と2029gの濾液bを得た。
更に、水酸化アルミニウムケーキ613gと、96%硫酸79gとを反応させ、主成分が硫酸アルミニウムから成る液状の再生凝集剤693gを得た。
得られた再生凝集剤は、アルミニウム含有量がAl2O3換算で3.8重量%であり、マンガン含有量が3ppm、鉄含有量が3500ppm、シリカ含有量が1300ppmであった。
かかる再生凝集剤に含有されているマンガン、鉄、シリカの含有量について、アルミニウム含有量がAl2O3換算で10重量%となるように換算した換算凝集剤中では、マンガンが8ppm、鉄が9200ppm、シリカが3400ppmであり、浄水処理用の凝集剤として充分に使用可能のものである。
一方、強酸汚泥は強酸性であるため、濾液bと混合した後、20%苛性ソーダ水溶液を加えてpH7に中和し、No.2濾紙を用いて吸引濾過してケーキと濾液cとに分離した。濾紙上に残ったケーキ280gの含水率は、水分計にて130℃/90分の条件で測定したところ、65.0重量%であった(固形分は98g)。濾紙上に残ったケーキは、比較例1の場合に比較して、総重量で66重量%、固形分で25重量%減少している。
尚、濾液cは、浄水場の混和池1に戻すことができるものであった。
【0026】
比較例2
実施例1と同様の方法で得られた濾液a(2310g)に20%苛性ソーダ水溶液を攪拌しつつ徐々に加えてpH7.5とし、水酸化アルミニウムを析出させた。
更に、水酸化アルミニウムが析出した溶液を、No.2濾紙を用いて吸引濾過し、No.2濾紙上にケーキ400gが残った。このケーキ中の水酸化アルミニウム含有量は、Al2O3換算で6.1重量%であった。
更に、水酸化アルミニウム含有ケーキ440gと、96%硫酸80gとを反応させ、主成分が硫酸アルミニウムから成る液状の再生凝集剤522gを得た。
得られた再生凝集剤は、アルミニウム含有量がAl2O3換算で5.1重量%であり、マンガン含有量が2000ppm、鉄含有量が4200ppm、及びシリカ含有量gが1700ppmであった。
また、再生凝集剤に含有されている硫酸アルミニウムがAl2O3として10重量%となるように換算した換算凝集剤中のマンガン、鉄、及びシリカの含有量は、マンガン含有量が3900ppm、鉄含有量が8200ppm、及びシリカ含有量が3300ppmであった。
この様に、換算凝集剤中のマンガン含有量が3900ppmにも達する凝集剤は、浄水場の凝集剤としては使用できないものである。
【0027】
比較例3
実施例1と同様な方法で得られた濾液a(2390g)に20%苛性ソーダ水溶液を攪拌しつつ徐々に加えてpH4.0とし、水酸化アルミニウムを析出させた。
更に、水酸化アルミニウムが析出した溶液を、No.2濾紙を用いて吸引濾過し、No.2濾紙上にケーキ60gが残った。このケーキ中の水酸化アルミニウム含有量は、Al2O3換算で4.2重量%であった。
この時点でのスラッジ中に含有しているアルミニウムに対する回収率が8%に過ぎず、実用性が乏しいため以後の操作を中止した。
【0028】
実施例2
実施例1で用いたと同様の沈殿スラッジ(アルミニウム含有率がAl2O3換算で1.3重量%)2950gに、35%塩酸230gを添加して95℃で120分間攪拌混合し、沈殿スラッジ中のアルミニウム化合物と塩酸とを反応させた。スラリー状の反応液を、No.2濾紙を用いて吸引濾過し、2493gの濾液aと203.0gの強酸汚泥とに分離した。
得られた濾液aに、20%苛性ソーダ水溶液を攪拌しつつ徐々に加え、最終pHを4.8に調整して水酸化アルミニウムを析出させた。かかる水酸化アルミニウムが析出した溶液をNo.2濾紙を用いて吸引濾過し、水酸化アルミニウムケーキ824g(Al2O3換算で3.3重量%含有)と2022gの濾液bを得た。
更に、水酸化アルミニウムケーキ824gと、無水芒硝(硫酸ナトリウム)12g及び35%塩酸とを混合し反応させ、主成分がポリ塩化アルミニウム(PAC)から成る液状の再生凝集剤950gを得た。
得られた再生凝集剤は、アルミニウム含有量がAl2O3換算で2.8重量%であり、マンガン含有量が1ppm未満、鉄含有量が3000ppm、シリカ含有量が1500ppmであった。
かかる再生凝集剤に含有されているマンガン、鉄、シリカがの含有量について、アルミニウム含有量がAl2O3換算で10重量%となるように換算した換算凝集剤中では、マンガンが3.6ppm未満、鉄が10000ppm、シリカが5000ppmであり、浄水処理用の凝集剤として充分に使用可能のものである。
一方、強酸汚泥は強酸性であるため、濾液bと混合した後、20%苛性ソーダ水溶液を加えてpH7に中和し、No.2濾紙を用いて吸引濾過してケーキと濾液cとに分離した。濾紙上に残ったケーキ251gの含水率は、水分計にて130℃/90分の条件で測定したところ、61.0重量%であった(固形分は98g)。濾紙上に残ったケーキは、比較例1の場合に比較して、総重量で70重量%、固形分で25重量%減少している。
尚、濾液cは、浄水場の混和池1に戻すことができるものであった。
【0029】
実施例3
実施例1で用いたと同様の沈殿スラッジ(アルミニウム含有率がAl2O3換算で1.3重量%)2950gを投入したビーカに、96%硫酸112gを添加して25℃で120分間攪拌混合し、沈殿スラッジ中のアルミニウム化合物と硫酸とを反応させた後、このビーカを一昼夜静置し、上澄液と重力沈降させた酸性汚泥とに分離した。
分離した上澄液2041gに、20%苛性ソーダ水溶液を攪拌しつつ徐々に加え、pH5.2として水酸化アルミニウムを析出させた。かかる水酸化アルミニウムが析出した溶液をNo.2濾紙を用いて吸引濾過し、水酸化アルミニウムケーキ321g(Al2O3換算で4.7重量%含有)と2067gの濾液bを得た。
一方、重力沈降させた酸性汚泥1021gは強酸性であるため、濾液bと混合した後、20%苛性ソーダ水溶液を加えてpH7に中和し、No.2濾紙を用いて吸引濾過してケーキと濾液cとに分離した。濾紙上に残ったケーキ469gの含水率は、水分計にて130℃/90分の条件で測定したところ、76.0重量%であった(固形分は113g)。濾紙上に残ったケーキは、比較例1の場合に比較して、総重量で43重量%、固形分で13重量%減少している。
尚、濾液cは、浄水場の混和池1に戻すことができるものであった。
【0030】
実施例4
実施例1で用いたと同様の沈殿スラッジ(アルミニウム含有率がAl2O3換算で1.3重量%)2950gを投入したビーカに、35%塩酸230gを添加して20℃で120分間攪拌混合し、沈殿スラッジ中のアルミニウム化合物と塩酸とを反応させた後、このビーカを一昼夜静置し、上澄液と重力沈降させた酸性汚泥とに分離した。
分離した上澄液2247gに、20%苛性ソーダ水溶液を攪拌しつつ徐々に加え、pH6.0として水酸化アルミニウムを析出させた。かかる水酸化アルミニウムが析出した溶液をNo.2濾紙を用いて吸引濾過し、水酸化アルミニウムケーキ245g(Al2O3換算で6.0重量%含有)と2036gの濾液bを得た。
一方、重力沈降させた酸性汚泥933gは強酸性であるため、濾液bと混合した後、20%苛性ソーダ水溶液を加えてpH7に中和し、No.2濾紙を用いて吸引濾過してケーキと濾液cとに分離した。濾紙上に残ったケーキ410gの含水率は、水分計にて130℃/90分の条件で測定したところ、72.2重量%であった(固形分は114g)。濾紙上に残ったケーキは、比較例1の場合に比較して、総重量で50重量%、固形分で12重量%減少している。
尚、濾液cは、浄水場の混和池1に戻すことができるものであった。
【0031】
比較例4
実施例1で用いたと同様の沈殿スラッジ(アルミニウム含有率がAl2O3換算で1.3重量%)2950gを投入したビーカに、96%硫酸112gを添加して25℃で120分間攪拌混合し、沈殿スラッジ中のアルミニウム化合物と硫酸とを反応させた後、このビーカを一昼夜静置し、上澄液と重力沈降させた酸性汚泥とに分離した。
重力沈降させた酸性汚泥1049gは強酸性であるため、水道水1500gを加えた後、10%石灰スラリーを攪拌しつつ徐々に加えpH7に中和し、No.2濾紙を用いて吸引濾過してケーキと濾液cとに分離した。濾紙上に残ったケーキ643gの含水率は、水分計にて130℃/90分の条件で測定したところ、72.9重量%であった(固形分は174g)。濾紙上に残ったケーキは、比較例1の場合に比較して、総重量では22重量%減少したが、固形分では34重量%増加している。
【0032】
実施例5
実施例1〜4において、重力沈降させた酸性汚泥と濾液bとを混合した後、20%苛性ソーダ水溶液を加えてpH7に中和したスラリー液、比較例1のスラリー状の沈殿スラッジ、及び比較例4において、酸性汚泥に水道水を加えた後、10%石灰スラリーを徐々に加えpH7に中和したスラリー液の各々を、0.37g分取し純水で全量を15mlに希釈した(約40倍に希釈)。
次いで、孔径が0.45μmのメンブランフィルターにて吸引濾過を行い、その濾過時間を比較した。その結果を下記の表1に示す。
【表1】
Figure 0004468571
表1から明らかな様に、実施例1〜4の濾過性は、現在の浄水場で広く実施されている状態を再現した比較例1の濾過性に比較して良好である。
また、比較例4の濾過性は、実施例1〜4の濾過性に遜色ないが、比較例4では、先に説明した様に、濾紙上に残ったケーキの固形分が増加する。
【0033】
実施例6
実施例1の再生凝集剤(主成分が硫酸アルミニウムから成る再生凝集剤)と市販の硫酸アルミニウムから成る凝集剤との凝集能力、及び実施例2の再生凝集剤(主成分がポリ塩化アルミニウムから成る再生凝集剤)と市販のポリ塩化アルミニウムから成る凝集剤の凝集能力について、ジャーテストを行い、その結果を下記表2に示した。
このジャーテストでは、荒川水系の原水(濁度;10.3°、pH;7.4、水温25℃)を用い、再生凝集剤及び市販の凝集剤の原水に対する添加量を、アルミニウム成分の添加量がAl2O3換算で2.0mg/リットル(原水)となるように添加した。
【表2】
Figure 0004468571
表2から明らかな様に、実施例1及び実施例2の再生凝集剤は、いずれも市販の凝集剤と同等以上の凝集効果を呈するものである。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、再生凝集剤中に回収されるマンガンを可及的に減少し得るため、再生凝集剤を循環使用することができる。
しかも、原水を浄化する際に発生したスラリー状の沈殿スラッジの脱水処理効率等を向上でき、浄水処理システムから廃棄すべき汚泥の発生量を、現在の浄水場で広く実施されている処理方法に比較して減少できる。
更に、浄水処理システムから廃棄すべき汚泥中には、植物の発芽障害を引き起こすアルミニウムが極めて少ないため、汚泥を園芸用土壌等として有効活用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る浄水処理システムの一例を説明するための略線図である。
【図2】公知の浄水処理システムの一例を説明するための略線図である。
【符号の説明】
1 混和池
2 フロック形成池
3 沈殿池
4 排泥池
5 ポンプ
6 第1シックナ(沈降分離処理手段)
7 酸混合槽
8 第2シックナ(溶解分離処理手段)
9 アルカリ反応槽(アルカリ反応分離手段)
10 濾過機(アルカリ反応分離手段)
11 反応槽(凝集剤再生手段)
12 第2加圧脱水機
13 中和槽
14 第1加圧脱水機
15 急速濾過池
16 滅菌槽

Claims (6)

  1. 主成分がアルミニウム化合物から成る凝集剤を原水に注入し、凝集処理を施して飲料用水等を供給する浄水システムにおいて、
    該原水を浄化する際に発生したスラリー状の沈殿スラッジに塩酸又は硫酸を注入し、前記沈殿スラッジ中のアルミニウム化合物を溶解した溶液と濃縮汚泥とに分離する溶解分離処理手段と、
    前記溶解分離処理手段で分離された溶液にpH13以上の強アルカリ性を呈するアルカリ化合物を注入し、前記溶液をpH4.5〜6.5に調整することによってアルミニウム水和物を主成分とする析出物を析出し、前記析出物と溶液とに分離するアルカリ反応分離手段と、
    前記アルカリ反応分離手段で分離されたアルミニウム水和物を主成分とする析出物を原料に用いて塩化アルミニウム又は硫酸アルミニウムを主成分とする凝集剤を再生する凝集剤再生手段と、
    前記凝集剤生成手段で再生した凝集剤を、前記原水に注入して凝集処理を施す再生凝集剤の注入手段と、
    前記溶解分離処理手段で分離された濃縮汚泥と、前記アルカリ反応分離手段で分離された溶液とに中和処理を施すと共に、脱水処理を施す中和脱水処理手段とを具備することを特徴とする浄水処理システム。
  2. スラリー状の沈殿スラッジを濃縮スラッジと水とに沈降分離し、分離した水を原水に戻すと共に、前記濃縮スラッジを溶解分離処理手段に供給する沈降分離処理手段が設けられている請求項1記載の浄水処理システム。
  3. 沈降分離処理手段で分離された濃縮スラッジの一部に直接脱水処理を施す濃縮スラッジの脱水処理手段が設けられている請求項2記載の浄水処理システム。
  4. 主成分がアルミニウム化合物から成る凝集剤を原水に注入し、凝集処理を施して飲料用水等に供給する浄水を得る際に、
    該原水を浄化する際に発生したスラリー状の沈殿スラッジに塩酸又は硫酸を注入し、前記沈殿スラッジ中のアルミニウム化合物を溶解した溶液と濃縮汚泥とに分離する溶解分離処理を施し、
    前記溶解分離処理で分離した溶液にpH13以上の強アルカリ性を呈するアルカリ化合物を注入し前記溶液をpH4.5〜6.5に調整して析出したアルミニウム水和物を主成分とする析出物を、溶液と分離するアルカリ反応分離処理を施した後、
    前記アルカリ反応分離処理で分離したアルミニウム水和物を主成分とする析出物を原料に用いて得た、塩化アルミニウム又は硫酸アルミニウムを主成分とする再生凝集剤を、前記原水に注入して凝集処理を施すと共に、
    前記溶解分離処理で分離された濃縮汚泥と、前記アルカリ反応分離処理で分離した溶液とを中和処理した後、脱水処理を施すことを特徴とする浄水処理方法。
  5. スラリー状の沈殿スラッジを濃縮スラッジと水とに沈降分離し、分離した水を原水に戻すと共に、前記濃縮スラッジに溶解分離処理を施す請求項4記載の浄水処理方法。
  6. 沈降分離処理で分離された濃縮スラッジの一部に、直接脱水処理を施す請求項5記載の浄水処理方法。
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