JP2010036107A - 下水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストでリン回収率のよい下水処理方法を提供する。
【解決手段】リンおよびアルミニウムを少なくとも含む汚泥の焼却灰に、強酸性溶液又は強アルカリ性溶液を加えてリンおよびアルミニウムを溶解させ、該溶液から不溶性成分を除去して抽出液を回収し、得られた抽出液をリンと反応して不溶性の化合物をつくる化学薬品を添加してリン化合物を析出させた後、固液分離して分離液を回収し、下水を最初沈殿池11に流入させて下水から固形物を分離する最初沈殿工程と、汚濁物質を生物反応槽12で活性汚泥処理する生物反応工程と、活性汚泥を最終沈殿池13で沈降分離する最終沈殿工程と、最初沈殿池11及び/又は最終沈殿池13から排出される下水汚泥を脱水装置14で脱水処理する脱水工程とを含む活性汚泥プロセスのいずれかの工程に、前記分離液を添加する。
【選択図】図1

Description

本発明は、活性汚泥法を用いた下水処理方法に関する。
近年、リン資源の枯渇が懸念されており、リン回収技術が注目されている。下水はリンを含むため、活性汚泥法などの下水処理によって排出される下水汚泥には、リンが含まれている。そこで、下水汚泥等のようなリン含有汚泥の焼却灰からリンを回収する技術は、リン資源の回収と焼却灰の有効利用の観点から有望視されている。
焼却灰からリンを回収する方法としては、焼却灰中のリンを、硫酸、塩酸、硝酸等の強酸性溶液(例えば、下記特許文献1,2)や、苛性ソーダ水溶液等のような強アルカリ性溶液(例えば、下記特許文献3〜5)を用いて抽出した後、消石灰のような化学薬品を加えて不溶性のリン化合物(リン酸カルシウムなど)を形成し、その後の固液分離によってリン化合物を回収する方法が知られている。
また、下水には、アルミニウムも比較的多量に含まれているので、例えば、下記特許文献6では、下水汚泥の焼却灰に、苛性ソーダ水溶液等のような強アルカリ性溶液を加えてリン酸成分及びアルミニウム成分を抽出し、その後、消石灰などを添加して不溶性のリン化合物を析出させ、固液分離を経てリン化合物を回収し、アルミニウム成分をアルミン酸ナトリウムとして回収することが開示されている。
特開平10−101332号公報 特開平2001−130903号公報 特開2007−246360号公報 特開2007−246361号公報 特開2007−261878号公報 特開2004−203641号公報
下水処理においては、処理水中のリン濃度をより低減することが求められることがある。そこで、下水処理工程において、凝集剤を使用し、下水に溶解している水溶性のリン(リン酸イオンなど)を、不溶性のリン化合物として析出させ、処理水のリン濃度を低減する試みが行われている。また、リン回収量を増加させるためには、下水汚泥に含まれるリンだけでなく、下水処理水に含まれるリンも回収することが望ましい。
しかしながら、下水処理において、凝集剤の使用量を増加させると運転コストが嵩むので、経済的でなかった。
また、特許文献6には、焼却灰からアルミン酸ナトリウムを回収し、回収したアルミン酸ナトリウムは凝集剤としても使用できることが記載されているが、その具体的な使用例は何ら示されていない。
したがって、本発明の目的は、低コストでリン回収率の高い下水処理方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の下水処理方法は、リンおよびアルミニウムを少なくとも含む汚泥の焼却灰に、強酸性溶液又は強アルカリ性溶液を加えてリンおよびアルミニウムを溶解させ、該溶液から不溶性成分を除去して抽出液を回収し、得られた抽出液にリンと反応して不溶性の化合物をつくる化学薬品を添加してリン化合物を析出させた後、固液分離して分離液を回収し、前記焼却灰の元の汚泥を得た下水処理装置及び/又は別の下水処理装置における、下水を最初沈殿池に流入させて下水から固形物を分離する最初沈殿工程と、汚濁物質を生物反応槽で活性汚泥処理する生物反応工程と、活性汚泥を最終沈殿池で沈降分離する最終沈殿工程と、最初沈殿池及び/又は最終沈殿池から排出される下水汚泥を脱水処理する脱水工程とを含む活性汚泥プロセスのいずれかの工程に、前記分離液を添加することを特徴とする。
下水には、リンが比較的多量に含まれており、その内の一部は不溶化しているため、最初沈殿工程で汚泥と一緒に除去されることになるが、溶解したリンの一部は余剰汚泥に含まれて最終沈殿工程で汚泥と一緒に除去され、残りの部分は除去されずに従来は排出されていた。
一方、汚泥の焼却灰からリン化合物を析出させ、固液分離して得られる分離液には、アルミニウムイオンが多量に溶解している。このアルミニウムイオンは、中性付近のpH領域では、リン酸イオンと結合して不溶性のリン酸アルミニウムを生成する。また、アルミニウムイオンは、汚泥脱水時の凝集剤としても機能し、脱水効率を高めることができる。
本発明は、上記分離液中に含まれるアルミニウムイオンを有効利用するためになされたもので、例えば活性汚泥プロセスの生物反応工程等で添加した場合には、下水処理水中に溶解しているリンを不溶化して析出させ、排水中のリン濃度を更に低減させることが可能となる。また、活性汚泥プロセスの脱水工程で添加した場合には、汚泥の凝集剤として機能するため、脱水効率を高めてより減量化することができる。
本発明の下水処理方法は、前記分離液を、前記焼却灰の元の汚泥を得た下水処理装置の活性汚泥プロセスのいずれかの工程に添加することにより、前記分離液中のアルミニウムの少なくとも一部を循環利用することが好ましい。前記分離液を、前記焼却灰の元の汚泥を得た下水処理装置の活性汚泥プロセスのいずれかの工程に添加することにより、該分離液中のアルミニウムが再度汚泥中に含有されて分離され、この汚泥から得た焼却灰からリン及びアルミニウムを回収することにより、アルミニウムを循環利用することができるので、アルミニウム化合物を外部から添加しなくても、活性汚泥プロセスでの処理効率を良好にでき、経済的に優れる。
本発明の下水処理方法は、前記分離液を、前記最初沈殿工程及び/又は前記生物反応工程で添加することが好ましい。前記分離液を、前記最初沈殿工程及び/又は前記生物反応工程で添加すると、分離液中に含まれるアルミニウムが、結果的に生物反応槽に導入されるので、生物反応工程において、処理液中に溶解しているリンがアルミニウムと反応して不溶化して分離される。その結果、排水中に含まれるリン濃度を低減させることができると共に、リンの回収率も高めることができる。
本発明の下水処理方法は、前記分離液を、前記最初沈殿工程における最初沈殿池へ下水を導入する手前で、下水中に添加することが好ましい。この態様によれば、最初沈殿池に、下水と分離液とが混合された状態で供給されるので、分離液中に含まれるアルミニウムの凝集作用により、最初沈殿池における汚泥の除去効率が向上し、後段の活性汚泥プロセスにかかる負荷を低減でき、下水処理をより効率よく実施できる。
本発明の下水処理方法は、最初沈殿池及び/又は最終沈殿池から排出される汚泥に、前記分離液を添加して汚泥の脱水処理を行うことが好ましい。この態様によれば、アルミニウムの凝集作用により脱水効率が向上し、下水汚泥の減量化を図ることができる。
本発明の下水処理方法は、前記分離液の一部を、汚泥の焼却灰に添加することが好ましい。この態様によれば、リンおよびアルミニウムを溶解工程で使用する薬剤の使用量を低減でき、また、分離液中のアルミニウムを濃縮することができる。
本発明によれば、焼却灰からリンを抽出した抽出液から、リンを回収して得られる分離液を再利用するので、従来は、廃棄していた上記分離液を有効活用して廃液処理コストを削減でき、下水処理水中に溶解しているリンを不溶化して析出させ、排水中のリン濃度を更に低減させると共に、リン回収率を高めることができる。
本発明の下水処理方法の第一の実施形態について、図1を用いて説明する。
この実施形態では、下水を活性汚泥プロセスにより処理する下水処理工程10と、下水処理工程で排出された下水汚泥を焼却して焼却灰を得る汚泥焼却工程20と、焼却灰からリンおよびアルミニウムを抽出してアルミニウムイオン含有溶液を回収する回収工程30と、からなり、回収工程30で得られたアルミニウムイオン含有溶液を、焼却灰の元の汚泥を得た下水処理装置15の生物反応槽12に返送する。以下、各工程について、下水処理工程10から順に説明する。
[下水処理工程]
この下水処理装置15は、最初沈殿池11と、生物反応槽12と、最終沈殿池13と、脱水装置14とを備えている。
下水処理工程10では、まず、下水を最初沈殿池11に流入させ、下水中の固形物を沈降させて、固形物を分離させる(最初沈殿工程)。最初沈殿池11の底部にたまった汚泥(初沈汚泥)は、引き抜かれて脱水装置14に送られる。また、上澄液は、生物反応槽12に送られる。
生物反応槽12では、槽内に存在する微生物の作用によって活性汚泥処理がなされて有機物や窒素成分などが除去される(生物反応工程)。生物反応槽12としては、槽内に微生物を含む活性汚泥が滞留し、微生物の作用によって下水の活性汚泥処理ができる処理槽であれば特に限定はない。生物反応槽12で処理した後の活性汚泥は最終沈殿池13に送られる。また、生物反応槽12には、後述する固液分離槽35から回収アルミニウム溶液が、間欠的または連続的に送液される。
最終沈殿池13では、生物反応槽12から送液された活性汚泥を沈降分離する(最終沈殿工程)。そして、最終沈殿池13の底部に溜まった活性汚泥は、引き抜かれて生物反応槽12に返送され、一部は余剰汚泥として脱水装置14に送られる。なお、上澄液は、処理水として系外に排水される。
脱水装置14では、最初沈殿池11から引き抜かれた初沈汚泥と、最終沈殿池13から引き抜かれた余剰汚泥とを混合(以下、初沈汚泥と余剰汚泥とを合せて「下水汚泥」と記す)し、スクリュープレス、ベルトプレス等で脱水処理して脱水ケーキを得る。脱水ケーキは、乾燥後、焼却炉21に送られて次工程である汚泥焼却工程20に供される。
[汚泥焼却工程]
汚泥焼却工程20では、脱水ケーキを焼却炉21で燃焼し、サイクロン22で焼却灰を回収した後、回収した焼却灰を灰ホッパ23に貯留する。焼却炉21で発生した排ガスは、酸化物除去等の適切な処理の後に大気に放出される。そして、灰ホッパ23から焼却灰が抽出槽32に送られて、次工程である回収工程30に供される。
[回収工程]
回収工程30では、まず、抽出槽32に、焼却灰と、反応液調整槽31内に貯留された強酸性溶液又は強アルカリ性溶液を導入し、焼却灰中のリンおよびアルミニウムを、強酸性溶液又は強アルカリ性溶液中に溶解させる。
強酸性溶液としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等が挙げられる。強アルカリ性溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
強酸性溶液を用いてリンを溶解させる場合においては、焼却灰に強酸性溶液を加えて、pH2以下にして処理することが好ましい。また、50〜75℃の温度条件下で処理すると、焼却灰からのリン溶出に要する時間を短縮できるので好ましい。
強アルカリ性溶液を用いてリンを溶解させる場合においては、焼却灰に強アルカリ性溶液を加えて、pH14程度にして処理することが好ましい。この場合においても50〜75℃の温度条件下で処理すると、焼却灰からのリン溶出に要する時間を短縮できるので好ましい。
多くの場合、下水汚泥焼却灰のリン含有量は7〜10%で、アルミニウムの含有量も同程度であって、抽出液中のリン、アルミニウム濃度は1%前後である。
次に、リンが溶解した溶液と不溶性成分との混合液(以下、「混合液」と記す)を固液分離槽33に送液し、ここで固液分離して混合液から不溶性成分を除去して抽出液を回収する。固液分離方法としては、特に限定はなく、従来公知の方法が採用でき、ろ過法、遠心分離法等が好ましく採用される。
そして、抽出液は、リン酸塩析出槽34に送液され、ここで、消石灰(水酸化カルシウム)等のリンと反応して不溶性のリン化合物を形成しうる化学薬品を添加して、不溶性のリン化合物(リン酸カルシウムなど)を析出させる。なお、固液分離槽33から排出された不溶性成分は、洗浄した後、焼却灰残渣として系外に廃棄される。
次に、リン化合物を析出させた抽出液を固液分離槽35に送液し、ここで固液分離して、不溶性の固形物(リン化合物)を回収し、水洗などの洗浄処理した後、肥料やリン鉱石代替物等に用いられる。
また、分離液(以下、「回収アルミニウム溶液」と記す)には、アルミニウムイオンが多量に溶解している。この回収アルミニウム溶液は、従来は、反応液調整槽31に返送して、焼却灰からリンを溶解するためのアルカリ薬剤又は酸性薬剤の代替として使用することがあったが、本発明では、下水処理工程でも添加する。この実施形態では、回収アルミニウム溶液を生物反応槽12に返送し、一部を反応液調整槽31に返送する。
ここで、下水には、水溶性のリン(リン酸イオン)と、不溶性のリンとが含まれている。水溶性のリン(リン酸イオン)は、ポリ塩化アルミニウム(PAC)などの凝集剤を添加すると、化学反応によって不溶性のリン酸アルミニウムを生成する。その反応式は下式(1)の通りである。
Al3++PO 3− → AlPO ・・・(1)
上記式(1)での反応で注目すべきことは、アルミニウムイオンとリン酸イオンが反応している点であり、汎用的な凝集剤であるPACなどのアルミニウム塩を使わなくても、アルミニウムイオンを生物反応槽12に添加することで上式(1)の反応が進行する。
生物反応槽12は、少なくとも曝気時に槽内の液が攪拌されるので、生物反応槽12に固液分離槽35で固液分離して得られた回収アルミニウム溶液を添加することで、回収アルミニウム溶液が均一に槽内の液と混ざり合い、上式(1)の反応が進行してリン酸アルミニウムが生成される。そして、生成したリン酸アルミニウムは微細な粒子で直ちに活性汚泥のフロックに吸着され、活性汚泥のフロックは最終沈殿池13で沈降することとなる。
すなわち、水中に溶解しているリンは、生物反応槽12にて回収アルミニウム溶液中のアルミニウムイオンと反応して凝集沈殿する。その結果、下水処理工程10において、最終沈殿池13から排出される処理液中のリン濃度を大幅に低減させることができると共に、余剰汚泥中のリン濃度を高めることができるので、回収工程30におけるリンの回収率をより高めることができる。なお、回収アルミニウム溶液の生物反応槽12への送液量は、生物反応槽12内の下水量に比べて極少量であるので、生物反応槽12でのpH調整は一般に不要であるが、下水の水質や運転状況によっては、生物反応槽12に酸又はアルカリを添加してpHを中性付近に調整することが好ましい場合がある。
また、回収アルミニウム溶液は、強酸性又は強アルカリ性の溶液であるので、反応液調整槽31に返送して循環利用することで、リンおよびアルミニウムの溶解に用いる強酸性溶液や強アルカリ性溶液などの薬剤の使用量を低減でき、経済的である。更には、分離液中のアルミニウムイオン濃度を濃縮して高めることができるので、生物反応槽12に添加した際、水溶性のリン成分と効率よく反応してリン化合物として析出し易くなる。
ここで量的な関係も併せて説明すると、通常の下水処理では下水1m当たり約30gの焼却灰が生成し約1.5gのリンが抽出される。また、処理水1m当たりのリン濃度は2g程度である。アルミニウムイオンを添加した場合のリン除去率を80%とすると、除去されるリンの量は約1.6gとなる。つまり、処理水からもリンを回収することができれば、下水からのリン回収は焼却灰のみからの場合に較べて約2倍になる。
回収アルミニウム溶液の添加量は、処理水中のリン濃度に対してアルミニウムがモル比で2倍程度となる添加量が好ましい。これは、処理水1m当たりのリン濃度を2gとすると、約3.5gのアルミニウムを添加することになり、前述のようにアルミニウム濃度が1%の場合、約350mlの溶液を添加すれば良い。ところで、焼却灰濃度10%で抽出した場合、全体の70%程度が回収アルミニウム溶液として得られるので、1回の抽出では下水処理水1m当たり約210mlとなり添加量としては不足する場合がある。そこで、運転初期時は、回収アルミニウム溶液を全て反応液調整槽31に送って繰り返し使用しアルミニウム濃度を高めておき、その一部をアルミニウムの添加量がモル比で2倍程度となるように生物反応槽12に添加することが好ましい。
また、生物反応槽12に添加した回収アルミニウム溶液中のアルミニウムは、下水に溶解しているリンと反応し、余剰汚泥として回収されるので、回収アルミニウム溶液を焼却灰の元の汚泥を得た下水処理装置の生物反応槽12に返送して循環させることで、PACなどの凝集剤を使用する必要がほとんどなく、薬剤の使用量を大幅に削減できる。なお長期運転において、固液分離槽35から得られる回収アルミニウム溶液のアルミニウム濃度が過大となった場合は、適切な量の回収アルミニウム溶液を抜き出して産業廃棄物として処分すればよい。
このように、本発明によれば、PAC等の凝集剤を特に使用しなくても、下水に溶解しているリン成分を回収して、処理水のリン濃度をより低減できるので、低コストで効率よく下水処理することができる。
次に、本発明の下水処理方法の第一の実施形態の変形例について説明する。この実施形態では、固液分離槽35で固液分離して得られた回収アルミニウム溶液を最初沈殿池11に返送する。
最初沈殿池11では、槽内の液がほぼ静置状態に置かれているので、最初沈殿池11に回収アルミニウム溶液を添加しても均一に混ざりにくいが、後段の生物反応槽12に最初沈殿池から送液された際に攪拌されるので、上記と同様の効果が得られる。
本発明の下水処理方法の第二の実施形態について、図2を用いて説明する。
この実施形態では、回収工程30で得られたアルミニウムイオン含有溶液を、焼却灰の元の汚泥を得た下水処理装置15に返送する点では上記第一の実施形態と同じであるが、この実施形態では、回収アルミニウム溶液を、下水処理工程10における最初沈殿池11へ下水を導入する手前で下水中に添加して、下水と回収アルミニウム溶液との混合液を最初沈殿池11に導入する点で、上記第一の実施形態と相違する。
この実施形態によれば、最初沈殿池11に、下水と回収アルミニウム溶液とが混合された状態で供給されるので、回収アルミニウム溶液に含まれるアルミニウムの凝集作用により下水中のリン成分や有機物が凝集するので、最初沈殿池11における汚泥の除去効率が向上(初沈汚泥量が増加)する。このため、下水処理工程10において、後段の生物反応槽12や最終沈殿池13に汚泥濃度の低い下水を供給でき、生物反応槽12での生物反応工程や、最終沈殿池13での最終沈殿工程にかかる負荷を低減できるので、下水を短時間で、より効率よく処理できる。
本発明の下水処理方法の第三の実施形態について、図3を用いて説明する。
この実施形態では、回収工程30で得られたアルミニウムイオン含有溶液を、焼却灰の元の汚泥を得た下水処理装置15に返送する点では上記第一の実施形態と同じであるが、この実施形態では、回収アルミニウム溶液を、下水処理工程10における脱水装置14に返送する点で、上記第一の実施形態と相違する。
この態様によれば、脱水装置14内の下水汚泥に回収アルミニウム溶液を添加することで、アルミニウムイオンの作用によって下水汚泥が凝集し、脱水装置14での脱水効率が向上する。例えば、高分子凝集剤(ポリマー)の種類をノニオン系に変更することで、通常の汚泥脱水に較べて脱水ケーキ含水率で5%程度の低減が可能となる。このため、下水汚泥の含水率を下げることができ、減量化を図ることができ、脱水ケーキの運搬コストを低減できる。更には、汚泥焼却工程20における乾燥エネルギーを低減することができ、経済的である。
本発明の下水処理方法の第四の実施形態について、図4を用いて説明する。
この実施形態では、回収工程30で得られたアルミニウムイオン含有溶液を、焼却灰の元の汚泥を得た下水処理装置15の生物反応槽12及び脱水装置14に返送すると共に、焼却灰の元の汚泥を得た下水処理装置15とは異なる別の下水処理装置115の生物反応槽112及び脱水装置114に添加する点で、上記第一の実施形態と相違する。
別の下水処理装置115は、最初沈殿池111と、生物反応槽112と、最終沈殿池113と、脱水装置114とを備え、下水処理装置15と基本的には同一の装置構成をなしているが、脱水装置114で排出された脱水ケーキを廃棄する下水処理装置である。
この実施形態では、回収アルミニウム溶液の一部を、焼却灰の元の汚泥を得た下水処理装置15とは異なる別の下水処理装置115に添加するので、固液分離槽35から得られる回収アルミニウム溶液のアルミニウム濃度が過大となった場合であっても、回収アルミニウム溶液を廃棄する必要がない。このため、廃液処理コストを低減できると共に、別の下水処理装置115における下水処理効率を向上できる。なお、図面では、別の下水処理装置115は1個のみ図示しているが、複数個備えていてもよい。
本発明の下水処理方法の第一の実施形態の概略図である。 本発明の下水処理方法の第二の実施形態の概略図である。 本発明の下水処理方法の第三の実施形態の概略図である。 本発明の下水処理方法の第四の実施形態の概略図である。
符号の説明
10:下水処理工程
11,111:最初沈殿池
12,112:生物反応槽
13,113:最終沈殿池
14,114:脱水装置
15,115:下水処理装置
20:汚泥焼却工程
21:焼却炉
22:サイクロン
23:灰ホッパ
30:回収工程
31:反応液調整槽
32:抽出槽
33:固液分離槽
34:リン酸塩析出槽
35:固液分離槽

Claims (6)

  1. リンおよびアルミニウムを少なくとも含む汚泥の焼却灰に、強酸性溶液又は強アルカリ性溶液を加えてリンおよびアルミニウムを溶解させ、該溶液から不溶性成分を除去して抽出液を回収し、得られた抽出液にリンと反応して不溶性の化合物をつくる化学薬品を添加してリン化合物を析出させた後、固液分離して分離液を回収し、
    前記焼却灰の元の汚泥を得た下水処理装置及び/又は別の下水処理装置における、下水を最初沈殿池に流入させて下水から固形物を分離する最初沈殿工程と、汚濁物質を生物反応槽で活性汚泥処理する生物反応工程と、活性汚泥を最終沈殿池で沈降分離する最終沈殿工程と、最初沈殿池及び/又は最終沈殿池から排出される下水汚泥を脱水処理する脱水工程とを含む活性汚泥プロセスのいずれかの工程に、前記分離液を添加することを特徴とする下水処理方法。
  2. 前記分離液を、前記焼却灰の元の汚泥を得た下水処理装置の活性汚泥プロセスのいずれかの工程に添加することにより、前記分離液中のアルミニウムの少なくとも一部を循環利用する、請求項1に記載の下水処理方法。
  3. 前記分離液を、前記最初沈殿工程及び/又は前記生物反応工程で添加する、請求項1又は2に記載の下水処理方法。
  4. 前記分離液を、前記最初沈殿工程における最初沈殿池へ下水を導入する手前で、下水中に添加する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の下水処理方法。
  5. 前記最初沈殿池及び/又は前記最終沈殿池から排出される汚泥に、前記分離液を添加して汚泥の脱水処理を行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の下水処理方法。
  6. 前記分離液の一部を、汚泥の焼却灰に添加する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の下水処理方法。
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