JP2010008174A - 光透過性フィルムの欠陥検出装置及び光透過性フィルムの切断装置 - Google Patents

光透過性フィルムの欠陥検出装置及び光透過性フィルムの切断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光透過性フィルムの欠陥の検出率及び検査効率を向上すると共に、欠陥の誤検出を抑制することができる光透過性フィルムの欠陥検出装置を提供する。
【解決手段】光透過性フィルムAの欠陥検出装置は、欠陥候補検出部20、提示手段21、選択手段22、及び欠陥特定手段23を備える。欠陥候補検出部20は、検査対象である光透過性フィルムAを撮像し、得られた画像から光透過性フィルムAの欠陥候補を検出する。提示手段21は前記欠陥候補検出部20で検出された欠陥候補を提示する。選択手段22は前記提示された欠陥候補が欠陥か否かの選択を求める。欠陥特定手段23は、前記選択手段22で欠陥と選択された欠陥候補を欠陥と特定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学用途、建築用途、車載用途などの用途において、反射防止、飛散防止、熱線防止(遮断)、断熱、防汚、耐久性(保護)などの目的で使用される光透過性フィルム(光透過性を有するフィルム)の欠陥を検出するための装置に関する。
光学用途、建築用途、車載用途等に用いられる上記のような光透過性フィルムとしては、例えば、ベースフィルムに、光の反射特性や吸収特性を制御するための光特性制御膜などの1又は複数のコーティング層を積層して形成したものが挙げられる。このような光透過性フィルムは、例えばプラズマディスプレイや液晶ディスプレイなどのディスプレイの表面に反射防止フィルターとして使用される。
このような光透過性フィルムには、製造過程において、コーティング層の形成時に層内に異物が入り込んで生じる欠陥(核有り欠陥)や、コーティング層に厚みのばらつきが生じ、これにより周囲の色目とは微妙に違う部分が生じる欠陥(核無し欠陥)などの欠陥が生じる。この光透過性フィルムの欠陥の検出は、従来、人間の目視により行われていた。
しかし、目視による欠陥の検出は、検査をする人間に大きな負担を強い、また人間が長時間集中して正確に欠陥の検出を行うことは困難であるため、欠陥の見逃しも生じやすくなる。特に、核無し欠陥は目視では見逃しやすく、90%程度もの不良を見逃してしまうこともある。
そこで従来、特許文献1に開示されているように、ガイドロールの表面に位置する光透過性フィルムに対して照明を行い、その反射光の撮像結果に基づいて画像処理などの演算処理により欠陥を検出する欠陥検出装置が提案されている。この場合、欠陥の見逃し率を低減すると共に、欠陥検査の効率も向上する。
このような欠陥検査の結果は、例えば検査後の光透過性フィルムから欠陥のない製品、或いは欠陥の少ない製品を切り出すために利用され、或いは欠陥を含む製品にユーザーの便宜のために欠陥の位置を特定する情報を添付するために利用される。
しかしながら、欠陥検出装置による欠陥検査を高精度で行おうとすると、本来ならば許容されるような軽微な膜厚むら等が欠陥として誤検出されてしまうことがある。このような誤検出が生じると、光透過性フィルムを利用する際、実際には利用可能な部分が除去されて廃棄されることになり、資源の有効利用の阻害や製造コストの上昇等の問題を招いてしまう。
特開2006−208196号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、光透過性フィルムの欠陥の検出率及び検査効率を向上すると共に、欠陥の誤検出を抑制することができる光透過性フィルムの欠陥検出装置、並びにこの欠陥検出装置を備える光透過性フィルムの切断装置を提供することを課題とする。
本発明に係る光透過性フィルムAの欠陥検出装置は、欠陥候補検出部20、提示手段21、選択手段22、及び欠陥特定手段23を備える。欠陥候補検出部20は、検査対象である光透過性フィルムAを撮像し、得られた画像から光透過性フィルムAの欠陥候補を検出する。提示手段21は前記欠陥候補検出部20で検出された欠陥候補を提示する。選択手段22は前記提示された欠陥候補が欠陥か否かの選択を求める。欠陥特定手段23は、前記選択手段22で欠陥と選択された欠陥候補を欠陥と特定する。
このため、欠陥候補検出部20で欠陥候補が検出された後、この欠陥候補が提示手段21で提示され、この欠陥候補が欠陥であるか否かの確認が可能となる。そして確認の結果、欠陥と判断された欠陥候補について、作業者が選択手段22で欠陥と選択すると、この欠陥候補が欠陥特定手段23により欠陥と特定される。
前記提示手段21は、欠陥候補の画像を提示するものであることが好ましい。この場合、撮像部1で撮像された画像を欠陥の確認に利用することができ、作業者は欠陥候補の画像を確認することで、この欠陥候補が欠陥であるか否かを確認することができる。
また、前記選択手段22が、欠陥、正常、保留のうちのいずれか一の選択を求めるものであることが好ましい。この場合、欠陥検出装置が前記選択手段22で保留と選択された欠陥候補を提示する再提示手段24と、この再提示手段24で提示された欠陥候補が欠陥か否かの選択を求める再選択手段25とを具備することが好ましい。更に、前記欠陥特定手段23が、前記選択手段22で欠陥と選択された欠陥候補と共に、前記再選択手段25で欠陥と選択された欠陥候補を、欠陥と特定するものであることが好ましい。
この場合、提示手段21で提示された欠陥候補が欠陥であるか否か判別できない場合に、作業者は選択手段22で保留と選択すると、この欠陥候補が再提示手段24で再度提示され、作業者は前記欠陥候補が欠陥であるか否かを再確認することができる。そして、この再確認の結果、欠陥と判断された欠陥候補について、作業者が再選択手段25で欠陥と選択すると、この欠陥候補が、選択手段22で欠陥と選択された欠陥候補と共に、欠陥特定手段23により欠陥と特定される。
前記再提示手段24は、光透過性フィルムA上の欠陥候補が存在する部分を提示するものであることが好ましい。この場合、作業者は光透過性フィルムA上の再提示手段24で提示された位置で、実際に光透過性フィルムAの外観を確認することで、この欠陥候補が欠陥であるか否かを確認することができる。
本発明に係る光透過性フィルムAの切断装置は、前記のような欠陥検出装置と、前記欠陥検出装置で特定された欠陥の位置に基づいて光透過性フィルムAの切断位置を決定する制御手段26と、前記制御手段26の指令を受けて光透過性フィルムAを切断する切断部27とを具備することを特徴とする。
このため、欠陥検出装置により得られた正確な欠陥の位置の情報に基づいて切断部27で光透過性フィルムAを切断して製品を得ることができる。
本発明では、欠陥候補検出部で検出された欠陥候補を再確認することで、欠陥候補の見逃し率を低減しつつ、欠陥でない部分を欠陥の誤検出を抑制することができ、高精度な欠陥検出が可能となり、また過って欠陥と検出された部分が廃棄されることを防止して省資源化に寄与することができる。更に、欠陥候補の確認時には、提示された欠陥候補のみを確認すれば良く、光透過性フィルム全体を確認するような労力が不要となって、欠陥を確認する作業者の負担が軽減すると共に欠陥の検出効率が向上する。
このようにして特定された欠陥の位置を、特に光透過性フィルムの切断位置の決定に利用することで、光透過性フィルムから欠陥のない製品や、欠陥の数が少ない製品を得ることが可能となり、このとき誤って欠陥と検出された部分が切り落とされて廃棄されることを防止して省資源化に寄与することができる。また、上記のように欠陥検出時の作業者の労力が軽減されると共に欠陥の検出効率が向上することから、この欠陥の検出工程を含む光透過性フィルムAの切断工程での作業者の労力が軽減されると共に工程全体の効率が向上する。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明に係る欠陥検出装置は、光学用途、建築用途、車載用途などの用途において、反射防止、飛散防止、熱線防止(遮断)、断熱、防汚、耐久性向上(保護)などの目的で使用される光透過性フィルム(光透過性を有するフィルム)Aの欠陥を検出するために用いられる。この光透過性フィルムAとしては、例えばポリエチレンテレフタレート製フィルム等のポリエステルフィルムなどのような無色透明なベースフィルム8に、光の反射特性や吸収特性の制御、或いはその他の用途のためのコーティング層9を積層して設けたものが挙げられる。ベースフィルム8にはコーティング層9は一層のみが設けられるほか、複数層のコーティング層9が積層して設けられる。このような光透過性フィルムAとしては、例えば液晶ディスプレイなどのディスプレイの反射防止フィルム(ARフィルム)や、自動車用暗視フィルム、その他の一般的な光学制御フィルムが挙げられるが、これらに限定されない。
この光透過性フィルムAの作製時には、コーティング層9の形成時に層内に異物が入り込んで入り込んで生じる欠陥(核有り欠陥)や、コーティング層9の形成時に下層のベースフィルム8や他のコーティング層9の表面におけるコンタミネーション(コンタミ)や異物の付着によるハジキ等によってコーティング剤の塗布不均一が生じてコーティング層9に膜厚むらが生じる欠陥(核無し欠陥)等の、種々の欠陥が生じることがある。本発明に係る欠陥検出装置は、前記のような種々の欠陥を検出するために好適に用いられる。
本実施形態に係る欠陥検出装置は、図1に示すように、欠陥候補検出部20、提示手段21、選択手段22、再提示手段24及び再選択手段25を備える。
まず、光透過性フィルムAの欠陥候補を検出する欠陥候補検出部20について説明する。図2に示される欠陥候補検出部20は、特にベースフィルム8にコーティング層9としてUV吸収膜と光反射防止膜とが積層して形成されたUV吸収性反射防止フィルムの欠陥検査に好適に用いられる。
この欠陥候補検出部20は、搬送手段5、撮像部1、観察用補助部材2、照明手段6、検出手段28などを備える。
搬送手段5は長尺帯状(シート状)の光透過性フィルムAを一定の速度で連続的に搬送するために設けられる。搬送手段5は、例えば光透過性フィルムAをロール状に巻き付けた繰り出しドラム12と、ドラム12を回転駆動させて光透過性フィルムAを順次繰り出すためのモータなどの駆動手段13と、欠陥検出後の光透過性フィルムAを巻き取るための巻き取りドラム14とで構成される。
この搬送手段5によって搬送される光透過性フィルムAの経路に沿って、複数の撮像部1が順次設けられる。本実施形態では、光透過性フィルムAの経路に沿って、第一撮像部1aから第六撮像部1fまでの六種の撮像部1が順次設けられている。撮像部1としては、例えば、CCDカメラなどで形成され、光透過性フィルムAの外観を全幅にわたって撮像するラインカメラなどが用いられる。
第一撮像部1aは、光透過性フィルムAの一面A1側で反射した可視光域の正反射光を受光して撮像する。この第一撮像部1aは、光透過性フィルムAの一面A1に向けて可視光域の光を照射する第一照明手段6aと組み合わせて設けられており、第一照明手段6aから照射され、光透過性フィルムAで正反射した光が、第一撮像部1aで受光される。尚、第一撮像部1aには、特定波長域の可視光のみを通過させる波長フィルターを設けることで、特定波長域の可視光のみを受光するようにしても良い。第一照明手段6aから光透過性フィルムAに照射される光の入射角と、光透過性フィルムAで反射して第一撮像部1aで受光される光の反射角とは同一であり、例えばこの角度をそれぞれ45°とする。
この第一撮像部1aと組み合わせて用いられる第一照明手段6aは、光透過性フィルムAに一面A1側から可視光域の光を照射するために設けられる。第一照明手段6aは、三波長蛍光灯などの照明具10で構成される。またこの第一照明手段6aは、図3に示されるように前記照明具10と特定波長域の光のみ透過させる色調フィルター11との組み合わせで構成されても良い。
第二撮像部1bは、光透過性フィルムAの一面A1側で反射した可視光域の非正反射光を受光して撮像する。この第二撮像部1bは、光透過性フィルムAの一面A1に向けて光を照射する上記第一照明手段6aと組み合わせて設けられており、第一照明手段6aから照射され、光透過性フィルムAで非正反射(乱反射)した光が、第二撮像部1bで受光される。この第二撮像部1bには、特定波長域の可視光のみを通過させる波長フィルターを設けることで、特定波長域の可視光のみを受光するようにしても良い。第一照明手段6aから光透過性フィルムAに照射される光の入射角と、光透過性フィルムAで反射して第一撮像部1aで受光される光の反射角とはそれぞれ異なり、例えば前記入射角を45°、反射角を90°とする。
第三撮像部1cは、光透過性フィルムAの一面A1側で反射したUV域の正反射光を受光して撮像する。この第三撮像部1cは、光透過性フィルムAの一面A1に向けて光を照射する第二照明手段6bと組み合わせて設けられており、第二照明手段6bから照射され、光透過性フィルムAで正反射した光が、第三撮像部1cで受光される。この第三撮像部1cには、例えばUV域の光のみを通過させる波長フィルターを設けることによって、UV域の光のみを受光させることができる。第二照明手段6bから光透過性フィルムAに照射される光の入射角と、光透過性フィルムAで反射して第三撮像部1cで受光される光の反射角とは同一であり、例えばこれらの角度をそれぞれ45°とする。
この第三撮像部1cと組み合わせて用いられる第二照明手段6bは、光透過性フィルムAに一面A1側からUV域の光を照射するために設けられる。第二照明手段6bは、例えばUVランプなどの照明具10で構成される。
第四撮像部1dは、光透過性フィルムAの一面A1側で反射したUV域の非正反射光を受光して撮像する。この第四撮像部1dは、光透過性フィルムAの一面A1に向けてUV域の光を照射する上記第二照明手段6bと組み合わせて設けられており、第二照明手段6bから照射され、光透過性フィルムAで非正反射(乱反射)した光が、第三撮像部1cで受光される。この第四撮像部1dには、例えばUV域の光のみを通過させる波長フィルターを設けることによって、UV域の光のみを受光させることができる。第二照明手段6bから光透過性フィルムAに照射される光の入射角と、光透過性フィルムAで反射して第四撮像部1dで受光される光の反射角とはそれぞれ異なり、例えば前記入射角を45°、反射角を90°とする。
第五撮像部1eは、光透過性フィルムAの一面A1側で反射したレーザ光の正反射光を受光して撮像する。この第五撮像部1eは、光透過性フィルムAの一面A1に向けて光を照射する第三照明手段6cと組み合わせて設けられており、第三照明手段6cから照射され、光透過性フィルムAで正反射した光が、第五撮像部1eで受光される。第三照明手段6cから光透過性フィルムAに照射される光の入射角と、光透過性フィルムAで反射して第五撮像部1eで受光される光の反射角とは同一であり、例えばこれらの角度をそれぞれ45°とする。
この第五撮像部1eと組み合わせて用いられる第三照明手段6cは、光透過性フィルムAに一面A1側からレーザ光を照射するために設けられる。第三照明手段6cは、適宜のレーザ発振器を備える照明具10等で構成される。
第六撮像部1fは、光透過性フィルムAを透過した可視光の透過光を受光して撮像する。この第六撮像部1fは、光透過性フィルムAの他面A2に向けて光を照射する第四照明手段6dと組み合わせて設けられており、第四照明手段6dから照射され、光透過性フィルムAを他面A2側から一面A1側へ透過した光が、第六撮像部1fで受光される。この第六撮像部1fには、特定波長域の光のみを通過させる波長フィルターを設けることで、特定波長域の光のみを受光するようにしても良い。
この第六撮像部1fと組み合わせて用いられる第四照明手段6dは、光透過性フィルムAに他面A2側から光を照射するために設けられる。第四照明手段6dは、三波長蛍光灯等の適宜の照明具10で構成される。また、前記照明具10と特定波長域の光を透過させる色調フィルター11との組み合わせで構成されても良い。
尚、第四照明手段6dの近傍に黒色板を配置すると共に、第六撮像部1fによる撮像方向が前記黒色板の配置位置に向かうようにしても良い。この場合、撮像部1で受光される光に外乱要因が混入することが抑制され、より正確な欠陥検知が可能となる。
観察用補助部材2は第一撮像部1a及び第二撮像部1bによる撮像時に光透過性フィルムAの他面A2(裏面)側に配置される。この観察用補助部材2が撮像時に光透過性フィルムAを支持することで、光透過性フィルムAにおける皺の発生が防止され、また第一撮像部1a及び第二撮像部1bと光透過性フィルムAとの間の位置決めがなされてピントずれの発生が防止される。観察用補助部材2は光透過性フィルムAの上記他面A2に接触しながら回転するロールで構成される。
この上記観察用補助部材2には、第一撮像部1a及び第二撮像部1bで受光される光(ここでは可視光)と同一の波長の光の反射率を低減する反射率低減化処理が施されていることが好ましい。この場合、撮像部1で受光される光における、観察用補助部材2からの反射光の割合が低減し、光透過性フィルムAの欠陥に起因する特定波長の反射光の強度変化が明りょうになる。またこの場合、照明手段6から照射される光の光量を増大させつつ観察用補助部材2からの反射光を低減することができ、撮像部1で撮像された画像における、コーティング層9の欠陥に起因して生じる反射光の強度変化が明りょうとなるようにして、欠陥の検出精度を向上することができる。
反射率低減化処理としては、例えば観察用補助部材2の表面を粗面化する粗面化処理が挙げられる。この場合、粗面化によって観察用補助部材2からの反射光が散乱することで、撮像部1で検出される観察用補助部材2からの反射光が低減する。このように観察用補助部材2の表面を粗面化すると、広範な波長域の光の反射光が低減する。粗面化の方法としては、研磨、サンドブラスト処理等の適宜のものが選択される。粗面化処理後の観察用補助部材2の表面粗度は、光の反射率が充分に低減されるように適宜調整されるが、特に中心線平均粗さ(Ra;JIS B0601:1982)が0.4μm以上であれば、観察用補助部材2からの反射光が充分に低減される。但し、観察用補助部材2の表面の凹凸の高低差が大きくなりすぎると、撮像部1により前記凹凸が検知されたり、前記凹凸により光透過性フィルムAにキズがついたりするおそれがあり、このような不具合を防止するためには、観察用補助部材2の表面の十点平均粗さ(Rz;JIS B0601:1982)が20μm未満であり、且つ最大高さ(Rmax;JIS B0601:1982)が40μm未満であることが望ましい。
観察用補助部材2に上記粗面化処理が施される場合には、欠陥検出装置に、光透過性フィルムAと観察用補助部材2との間の空気を排除して光透過性フィルムAと観察用補助部材2との間に充填材4を介在させる充填手段を設けることが好ましい。
充填手段としては、光透過性フィルムAの他面A2と観察用補助部材2との間に充填材4として液体を充填する液体充填手段7が挙げられる。図3に示される液体充填手段7は、光透過性フィルムAの他面A2と観察用補助部材2との間に液体を介在させることで、光透過性フィルムAと観察用補助部材2とを密着させるために設けられる。前記液体としては、光透過性フィルムAと観察用補助部材2との間に容易に充填され、且つ光透過性フィルムAの最終品質に影響を与えない適宜の液体が使用される。このような液体としては、例えば水(純水)、メチルエチルケトンなどの揮発性溶剤、エッセンシャルオイルなどの油脂系液体等が挙げられる。
この液体充填手段7はロールで構成される観察用補助部材2と貯留容器15とで構成される。液体は貯留容器15に貯留され、この貯留容器15内の液体に観察用補助部材2の一部(下部)が浸漬している。
このように構成される液体充填手段7では、観察用補助部材2が回転すると、それに伴って観察用補助部材2の表面に液体が供給され、更にこの観察用補助部材2が回転することで液体が光透過性フィルムAと観察用補助部材2との間に充填されて、この光透過性フィルムAと観察用補助部材2とが液体を介して密着する。このため、光透過性フィルムAと観察用補助部材2との間への空気の侵入が抑制され、両者の間に隙間が生じることが抑制される。
このように光透過性フィルムAと観察用補助部材2との間に液体等の充填材4を充填して光透過性フィルムAの観察用補助部材2側の他面A2と観察用補助部材2との間の空気を排除すると、光透過性フィルムAの観察用補助部材2側の他面A2からの反射光を抑えることができる。つまり、図5(a)に示すように、光透過性フィルムAの他面A2と観察用補助部材2の外面との隙間Sに液体等の充填材4が介在せずに空気が存在している場合は、光透過性フィルムAの一面A1で反射する光L3と、光透過性フィルムAを通過して他面A2で反射する光L4とが生じ、これらの光L3、L4が混在して互いに干渉し合いながら撮像部1に入射するために、欠陥の検出精度が低くなるおそれがある。一方、図5(b)に示すように、光透過性フィルムAの他面A2と観察用補助部材2の外面との隙間の空気を排除して液体等の充填材4を介在している場合は、光透過性フィルムAを通過した光L4は液体の方に進んで観察用補助部材2に吸収されることになって光透過性フィルムAの他面A2で反射する光がほとんど生じない。従って、光透過性フィルムAの一面A1で反射する光L3が干渉されることなく撮像部1に入射し、欠陥の検出精度が高くなる。
特に、観察用補助部材2に粗面化処理が施されている場合には、光透過性フィルムAと観察用補助部材2との間に空気が介在して隙間が生じやすいが、このような場合に液体充填手段が設けられていると、観察用補助部材2からの反射光を低減しつつ、光透過性フィルムAの他面A2からの反射光も低減し、高い欠陥検出精度が発揮される。
勿論、観察用補助部材2に粗面化処理以外の反射率低減化処理が施される場合であっても、欠陥検出装置に充填手段が設けられても良く、また、観察用補助部材2に反射率低減化処理が施されていない場合にも欠陥検出装置に充填手段が設けられても良い。
また、上記のような充填手段が設けられる場合には、反射率低減化処理として、この充填手段によって、光透過性フィルムAの他面A2と前記観察用補助部材2との間の空気を排除して有色の充填材4を介在させる有色充填処理が施されても良い。この充填手段は、有色な充填材4として、顔料等が配合されることで黒色などの有色に着色された液体を使用する液体充填手段7であっても良い。この場合、充填材4を有色化することで、観察用補助部材2まで到達する光の量を低減し、その結果、観察用補助部材2からの反射光が低減する。特に充填材4が黒色に有色化される場合には、広範な可視領域の反射光が低減される。また、撮像部1で特定波長域の単色光を検出する場合には、充填材4を前記単色光の反対色(例えば単色光が赤色の場合には青色)に有色化するなど、検出する光の色を強調する色に有色化しても良く、この場合、撮像部1で検出される前記単色光等が強調されて、欠陥検出精度が更に向上する。
また、反射率低減化処理としては、観察用補助部材2の表面を有色化する有色化処理も挙げられる。このような有色化処理としては、観察用補助部材2の表面を黒色等の有色の材料で形成したり、観察用補助部材2の表面に塗料を塗装することで黒色等に有色化することが挙げられる。この場合も、観察用補助部材2からの反射光が低減する。特に観察用補助部材2の表面が黒色に有色化される場合には、広範な可視領域の反射光が低減される。また、撮像部1で特定波長域の光を検出する場合には、観察用補助部材2の表面を前記特定波長域の光の色の反対色(例えば特定波長域の光の色が赤色の場合には青色)に有色化するなど、検出する光の色を強調する色に有色化しても良く、この場合、撮像部1で検出される前記特定波長域の光の色が強調されて、欠陥検出精度が更に向上する。
上記のような反射率低減化処理は、一種類のみが施されても良く、また複数種の反射率低減化処理が組み合わされても良い。
尚、本実施形態では、第三撮像部1c及び第四撮像部1dによる撮像時には光透過性フィルムAの他面A2(裏面)側に観察用補助部材2が配置されていないが、このような観察用補助部材2を設けても良く、またこの観察用補助部材2に、第三撮像部1c及び第四撮像部1dで受光される光(ここではUV域の光)と同一の波長の光の反射率を低減する反射率低減化処理が施されていても良い。
このような欠陥候補検出部20を用いた光透過性フィルムAの欠陥候補の検出工程について説明する。
まず、駆動手段13で繰り出しドラム12を回転駆動することで、ドラム12にロール状に巻かれた光透過性フィルムAが順次繰り出され、一定の速度で巻き取りドラム14にまで搬送される。この繰り出しドラム12と巻き取りドラム14との間で、光透過性フィルムAが観察用補助部材2の表面(外面)に接触しながら搬送される。光透過性フィルムAの搬送速度は撮像部1や搬送手段5の能力などに応じて適宜設定されるが、例えば、5〜3000m/分とすることができる。
このようにして搬送している光透過性フィルムAに、各照明手段6から光を照射し、各撮像部1により順次光透過性フィルムAを撮像する。このとき光透過性フィルムAを全長にわたって搬送することにより、光透過性フィルムAの全体の欠陥候補を検出することができる。
この欠陥検査において、第一撮像部1aによる撮像画像からは、光透過性フィルムA内の異物による欠陥や、コーティング層の膜厚むらによる欠陥の候補が検出される。膜厚むらは、干渉模様を検出することで検出される。膜厚むらによる干渉模様は、図4に示すように、コーティング層9の表面側での反射光L1とコーティング層9の裏面側での反射光L2との間で光路差が生じて干渉し、ある波長の光が強め合うと共に他の波長の光が弱め合う際、膜厚の違いが生じるとそれに応じて異なる波長の光が強め合うことにより生じる。また、第一撮像部1aの解像度を低減するなどして、反射光の強度を検出することにより、膜厚むらを検出しても良い。この場合、光透過性フィルムAにおける反射防止膜の膜厚むらにより反射光の強度変化が生じた場合に、この反射光の強度変化を第一撮像部1aにより検出して、欠陥を検出することができる。尚、前記のような干渉模様を検出する撮像部1と反射光の強度を検出する撮像部1とが併設されていても良い。
また、第二撮像部1bによる撮像画像からは、光透過性フィルムAにおける汚れ、スジ、異物混入等の欠陥の候補を検出することができる。このような欠陥による反射光の反射角の乱れが、第二撮像部1bで検出される光の強度の変化として検出される。
第三撮像部1cによる撮像画像からは、主として光透過性フィルムAにおけるUV吸収膜の膜厚むらの欠陥の候補が検出される。すなわち、光透過性フィルムAにおけるUV吸収膜の膜厚むらが生じることでUV吸収性にむらが生じた結果、反射光の強度変化が生じた場合に、この反射光の強度変化を第三撮像部1cにより検出して、欠陥を検出することができる。
第四撮像部1dによる撮像画像からは、第二撮像部1bと同様に主として光透過性フィルムAにおける汚れ、スジ、異物混入等の欠陥の候補を検出することができる。このような欠陥による反射光の反射角の乱れが、第四撮像部1dで検出される光の強度の変化として検出される。
第五撮像部1eによる撮像画像からは、微小な汚れ、スジ、異物混入等の欠陥の候補が検出される。レーザー光を用いた検出では、ある程度大きな欠陥は検出されにくいが、逆に微小な欠陥は高精度で検出される。
第六撮像部1fによる撮像画像からは、主として光透過性フィルムAにおける異物混入、打痕、ピンホール等の欠陥の候補が検出される。これらの欠陥が生じた結果、透過光の強度変化が生じた場合に、この透過光の強度変化を第六撮像部1fにより検出して、欠陥を検出することができる。これらの欠陥は、反射光の撮像画像からは検出されない場合であっても、透過光の撮像画像から検出される場合がある。
検出手段28は、CPU等で構成される演算制御部40a、メモリやハードディスク等で構成される記憶部41a、キーボード等で構成される入力部42a、ディスプレイ等で構成される表示部43a等を備えるものであり、例えば汎用のパーソナルコンピュータ等で構成される。本実施形態では、欠陥検出装置全体の動作を管理するホストコンピュータ29が検出手段28として機能する。各撮像部1は前記ホストコンピュータ29に接続され、各撮像部1で撮像された画像がホストコンピュータ29に送信される。ホストコンピュータ29は、前記画像に基づいて欠陥候補を検出する。すなわち、ホストコンピュータ29の演算制御部40aは前記画像を記憶部41aに記憶し、この画像に一般的に広く行われている画像処理による演算処理を施して、欠陥候補を検出する。更に演算制御部40aは、複数の全ての撮像部1による撮像画像に基づく欠陥候補の検出結果を総合して、光透過性フィルムAにおける全ての欠陥候補の位置を特定した候補位置情報を生成し、記憶部41aに記憶させる。
次に、上記欠陥候補検出部20で検出された欠陥候補を提示する提示手段21、並びに前記提示された欠陥候補が欠陥か否かの選択を求める選択手段22について説明する。本実施形態では、上記ホストコンピュータ29が、提示手段21及び選択手段22として機能する。
ホストコンピュータ29が提示手段21として機能する際、上記候補位置情報の生成後、ホストコンピュータ29の演算制御部40aが記憶部41aに記憶されている候補位置情報及び撮像画像を参照して、各欠陥候補の位置に対応する撮像画像を記憶部41aから抽出し、前記撮像画像を表示部43aに表示して、この画像を欠陥検査装置を操作或いは管理する作業者に提示する。
作業者は表示部43aに提示されている画像を確認して、前記表示部43aに提示されている欠陥候補が欠陥であるか否かを選択し、その選択結果をホストコンピュータ29の入力部42aに入力する。本実施形態では、入力部42aには「欠陥」、「正常」、「保留」のうちのいずれか一が選択されて入力されるものとする。「欠陥」は作業者が明らかに欠陥であると判断した場合に選択される選択肢であり、「正常」は作業者が明らかに欠陥ではないと判断した場合に選択される選択肢であり、「保留」は作業者が画像からは欠陥であるか否か判断できないと判断した場合に選択される選択肢である。演算制御部40aは前記選択が行われるごとに、順次各欠陥候補の位置に対応する撮像画像を表示部43aに表示することで、全ての欠陥候補についての選択を求める。
前記選択がなされると、演算制御部40aは前記選択結果を、選択の対象である欠陥候補と関連づけて記憶部41aに記憶させる。更に演算制御部40aは、前記選択結果を参照して、光透過性フィルムAにおける「欠陥」と選択された全ての欠陥候補とこの欠陥候補の光透過性フィルムAにおける位置とを関連づけた情報(選択位置情報)を生成し、記憶部41aに記憶させると共に、「保留」と選択された全ての欠陥候補とこの欠陥候補の光透過性フィルムAにおける位置とを関連づけた情報(保留位置情報)を生成し、記憶部41aに記憶させる。
次に、選択手段22で保留と選択された欠陥候補を提示する再提示手段24と、この再提示手段24で提示された欠陥候補が欠陥か否かの選択を求める再選択手段25について説明する。
再提示手段24は、図6に示すように、搬送手段30及び検査エリア35で構成される動作部44や、制御手段34等を備え、前記制御手段34が再選択手段25としても機能する。この再提示手段24は光透過性フィルムA上で欠陥候補が存在する位置を提示する。
搬送手段30は、例えば画像再検査後の光透過性フィルムAをロール状に巻き付ける繰り出しドラム31と、ドラム30を回転駆動させて光透過性フィルムAを順次繰り出すためのモータなどの駆動手段32と、目視再検査後の光透過性フィルムAを巻き取るための巻き取りドラム33とで構成される。
検査エリア35は搬送手段30による光透過性フィルムAの経路に沿って設けられており、光透過性フィルムAにおける目視再検査に供される部位が配置される。検査エリア35は例えば背面板36の表面等で構成され、この背面板36の表面上に重ねて光透過性フィルムAが配置される。この背面板36は目視観察時に欠陥を目立たせるような色(黒色等)に着色されていることが好ましい。また背面板36の表面にゲル状シートを設けるなどして背面板36と光透過性フィルムAとが密着しやすくすることで、欠陥を確認しやくすることも好ましい。また、背面板36に光透過性フィルムAを密着させる場合には、この背面板36の表面の材質が光透過性フィルムAの品質に悪影響を及ぼさないような物性のものが選択されることが好ましい。
制御手段34は、CPU等で構成される演算制御部40b、メモリやハードディスク等で構成される記憶部41b、キーボード等で構成される入力部42b、ディスプレイ等で構成される表示部43b等を具備し、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどで構成される。この制御手段34は、ホストコンピュータ29とローカルエリアネットワークを介して接続されている。制御手段34にはホストコンピュータ29から上記保留位置情報が送信され、制御手段34の演算制御部40bはこの保留位置情報を記憶部41bに記憶させる。
繰り出しドラム31には、欠陥候補検出部20により欠陥候補が検出された光透過性フィルムAが巻かれる。制御手段34の演算制御部40bは搬送手段30を制御して繰り出しドラム31を回転させ、光透過性フィルムAを搬送する。また前記制御手段34の演算制御部40bは記憶部41bの保留位置情報を参照しながら、光透過性フィルムAの搬送速度等に基づいて搬送手段30による光透過性フィルムAの経路上における「保留」と選択された欠陥候補の位置を監視し、前記「保留」と選択された欠陥候補が検査エリア35上に配置されるごとに搬送手段30を制御して光透過性フィルムAの搬送を停止する。これにより、検査エリア35上に、選択手段22で保留と選択された欠陥候補が配置され、光透過性フィルムA上の欠陥候補が存在する位置が提示される。
作業者は、前記検査エリア35上に配置された光透過性フィルムAの欠陥候補を目視観察や拡大鏡を用いた観察により確認して、この欠陥候補が欠陥であるか否かを選択し、その選択結果を制御手段34の入力部42bに入力する。本実施形態では、入力部42bには「欠陥」、「正常」のうちのいずれか一が選択されて入力されるものとする。「欠陥」は作業者が欠陥であると判断した場合に選択される選択肢であり、「正常」は作業者が欠陥ではないと判断した場合に選択される選択肢である。制御手段34の演算制御部40bは前記選択が行われた後、搬送手段30を制御して光透過性フィルムAの搬送を再開し、また欠陥候補が検査エリア35上に配置されるごとに搬送手段30を制御して光透過性フィルムAの搬送を停止することで、選択手段22において「保留」と選択された全ての欠陥候補についての選択を求める。
前記選択がなされると、ホストコンピュータ29の演算制御部40aは前記選択結果を、選択の対象である欠陥候補と関連づけて記憶部41aに記憶させる。更にこの演算制御部40aは、前記選択結果を参照して、光透過性フィルムAにおける再選択手段25で「欠陥」と選択された全ての欠陥候補とこの欠陥候補の光透過性フィルムAにおける位置とを関連づけた情報(選択位置情報)を生成し、記憶部41aに記憶させると共に、「保留」と選択された全ての欠陥候補とこの欠陥候補の光透過性フィルムAにおける位置とを関連づけた情報(再選択位置情報)を生成し、記憶部41aに記憶させる。この再選択位置情報は、ホストコンピュータ29へ送信され、ホストコンピュータ29の記憶部41aに記憶される。
次に、選択手段22及び再選択手段25で「欠陥」と選択された欠陥候補を欠陥と特定する欠陥特定手段23について説明する。本実施形態ではホストコンピュータ29が欠陥特定手段23として機能する。すなわち、ホストコンピュータ29の演算制御部40aは記憶部41aに記憶されている選択位置情報と再選択位置情報とを総合し、選択手段22及び再選択手段25で「欠陥」と選択された全ての欠陥候補の位置を特定した全欠陥位置情報を生成して、記憶部41aに記憶させる。これにより、「欠陥」と選択された全ての欠陥候補が、欠陥と特定される。ホストコンピュータ29はこの全欠陥位置情報を自動的に、或いは作業者が入力部42aに入力する指令を受けて、表示部43aに出力し、プリンター等の出力手段で印字出力し、或いは他の機器へ送信するなど適宜の手法で出力する。出力された全欠陥位置情報は、製品管理等の種々の用途に利用可能となる。
尚、本実施形態では再提示手段24及び再選択手段25を設けているが、これらを設けることなく、選択手段22で「欠陥」、「正常」のいずれか一が選択されるようにし、欠陥特定手段23では選択手段22で欠陥と選択された欠陥候補のみを欠陥と特定するようにしても良い。
欠陥検査装置によって得られた全欠陥位置情報を利用して、欠陥が特定された光透過性フィルムAを所定寸法に切断する切断装置について説明する。この切断装置は、上記欠陥検出装置と、切断部27と、制御手段26とから構成される。制御手段26は光透過性フィルムAの切断位置を決定し、その結果に基づいて切断部27に指令を送信する。切断部27は制御手段26からの指令を受けて、例えばロール状に巻かれた光透過性フィルムAを繰り出しながら、この光透過性フィルムAを数値制御等により前記決定された切断位置で切断する。
制御手段26は、CPU等で構成される演算制御部40c、メモリやハードディスク等で構成される記憶部41c、キーボード等で構成される入力部42c、ディスプレイ等で構成される表示部43c等を具備し、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどで構成される。この制御手段26は、ホストコンピュータ29とローカルエリアネットワークを介して接続されている。
この制御手段26にはホストコンピュータ29から全欠陥位置情報が送信され、この全欠陥位置情報が制御手段26の記憶部41cに記憶される。制御手段26の演算制御部40cはこの全欠陥位置情報を参照して、光透過性フィルムAの切断位置を決定する。
切断位置の決定は適宜の方法で行われる。例えば全欠陥位置情報から導かれる光透過性フィルムAにおける欠陥の分布に基づいて、欠陥の存在しない所定の製品寸法を有する領域(製品領域)を導出し、この製品領域が光透過性フィルムAから切り出されるように切断位置を決定する。
また、切断位置の決定にあたっては、制御手段26の演算制御部40cは前記欠陥の分布に基づいて、欠陥の数が少なくなるような製品領域を導出し、この製品領域が光透過性フィルムAから切り出されるように切断位置を決定しても良い。この場合、例えば帯状の光透過性フィルムAの一端側から順に前記製品領域よりも大きい所定寸法を有する複数の領域(基準領域)を設定し、全欠陥位置情報を参照して各基準領域ごとの欠陥の分布を作成し、この基準領域内における、欠陥の数が少ない製品領域を導出する。
この製品領域の導出にあたっては、例えば演算制御部40cは図7に示すように基準領域内の欠陥の分布37と、製品領域に対応する仮想的なフレーム38とを重ね、この分布37内におけるフレーム38の位置を移動させた際のフレーム38の内側での欠陥の数を検出し、フレーム38の内側の欠陥の数が最も少なくなる領域を、製品領域と決定する。図7中では欠陥の位置は黒点で示されている。
また、このように切断位置が制御手段26で全自動制御で決定されるほか、作業者が選択した位置が切断位置として決定されても良い。この場合、例えば演算制御部40cは、上記基準領域における欠陥の分布37を表示部43cに表示し、作業者が前記欠陥の分布37を観察し、欠陥の数が少なくなると判断した切断位置を選択して入力部42cに入力する。そして制御手段26の演算制御部40cは前記選択された位置を切断位置と決定して、この切断位置で光透過性フィルムAが切断されるように、切断部27を制御するものである。
また、制御手段26の演算制御部40cは、全欠陥位置情報と光透過性フィルムAの切断位置を参照して、帯状の光透過性フィルムAから切り出される各製品ごとに全ての欠陥の位置を特定する製品欠陥位置情報を生成し、この製品欠陥位置情報を記憶部41cに記憶させる。この製品欠陥位置情報は、例えばプリンタ等の出力手段で印字出力され、各製品に添付されるなどして、この製品を使用するユーザーの便宜に供される。
本発明の実施の形態の一例を示すブロック図である。 同上の実施の形態における欠陥候補検出部の一例を示す概略図である。 同上の欠陥候補検出部の他例を示す一部の概略図である。 光透過性フィルムの構成の一例、及びこの光透過性フィルムに生じる欠陥の様子を示す概略の断面図である。 (a)(b)は充填材の作用を示す拡大した概略図である。 同上の実施の形態における提示手段及び選択手段の一例を示す概略図である。 光透過性フィルムの切断位置の決定方法の一例を説明するための説明図である。
符号の説明
A 光透過性フィルム
20 欠陥候補検出部
21 提示手段
22 選択手段
23 欠陥特定手段
24 再提示手段
25 再選択手段
26 制御手段
27 切断部

Claims (5)

  1. 検査対象である光透過性フィルムを撮像し、得られた画像から光透過性フィルムの欠陥候補を検出する欠陥候補検出部と、
    前記欠陥候補検出部で検出された欠陥候補を提示する提示手段と、
    前記提示された欠陥候補が欠陥か否かの選択を求める選択手段と、
    前記選択手段で欠陥と選択された欠陥候補を欠陥と特定する欠陥特定手段とを具備することを特徴とする光透過性フィルムの欠陥検出装置。
  2. 前記提示手段が、欠陥候補の画像を提示するものであることを特徴とする請求項1に記載の光透過性フィルムの欠陥検出装置。
  3. 前記選択手段が、欠陥、正常、保留のうちのいずれか一の選択を求めるものであり、
    前記選択手段で保留と選択された欠陥候補を提示する再提示手段と、この再提示手段で提示された欠陥候補が欠陥か否かの選択を求める再選択手段とを具備し、
    前記欠陥特定手段が、前記選択手段で欠陥と選択された欠陥候補と共に、前記再選択手段で欠陥と選択された欠陥候補を、欠陥と特定するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光透過性フィルムの欠陥検出装置。
  4. 前記再提示手段が、光透過性フィルム上の欠陥候補が存在する位置を提示するものであることを特徴とする請求項3に記載の光透過性フィルムの欠陥検出装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の欠陥検出装置と、前記欠陥検出装置で特定された欠陥の位置に基づいて光透過性フィルムの切断位置を決定する制御手段と、前記制御手段の指令を受けて光透過性フィルムを切断する切断部とを具備することを特徴とする光透過性フィルムの切断装置。
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