JP2012047615A - フィルムの検査装置、検査方法及び製造方法 - Google Patents

フィルムの検査装置、検査方法及び製造方法 Download PDF

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和史 石丸
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Abstract

【課題】光透過性フィルムに発生する塗布ムラ欠点を高精度に検査できる検査装置を提供する。
【解決手段】特定波長の単色光を照射する光照射手段と、前記光照射手段からの光に由来する光を反射する光反射手段と、光反射手段で反射された光に由来する光を受光する受光手段と、受光手段で受光した光量の変化を検出する検出手段とを備えた、光透過性フィルムの検査装置、とすることにより、光透過性フィルムに発生する欠点を高精度に検出することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学用途など、特にある特定の波長の光を選択的に吸収する光透過性フィルム(光透過性を有するフィルム)に発生する塗布ムラ欠点などの欠点を検出するための装置、及び前記光透過性フィルムに発生する前記欠点を検出する検査方法、及び前記検査方法を用いたフィルムの製造方法に関する。
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイに用いられているフィルムには、波長選択吸収フィルムがある。光透過性フィルム、たとえば波長選択吸収フィルムは、基材フィルム1bに特定の波長の光を吸収する材料をコーティングする。図2に示すように、光透過性フィルムの1種である波長選択吸収フィルム1に光を透過させた場合、その光の波長特性は、図3に示すようにある特定の波長が少ない光となる。また、この光の吸収量は、波長選択吸収機能を有するコーティング層1aの厚みにより変化し、厚いほど光の吸収量は増加し、透過光は少なくなる。このように、光透過性フィルム1により、光透過性フィルム1を透過した光の波長特性を制御している。
この光透過性フィルム1は、連続的に搬送される基材フィルム1bにコーティング層1aを塗布することによって形成される。このコーティング層1aを塗布する際に、基材フィルム1bの厚み変動や塗工機の条件によって、コーティング層1aの一部の厚みが異なる塗布ムラ欠点が発生する場合がある。この塗布ムラ欠点は、一度発生すると光透過性フィルム1の長手方向に対し連続的に発生し、スジ状の外観欠点となるため、この塗布ムラ欠点は管理する必要がある。
これに対し、塗布ムラ欠点を検査するための一般的な方法として、光透過性フィルムの一面から光を照射し、光透過性フィルムを透過した光の光量差を目視により確認する方法がある。これは、塗布ムラ欠点の厚みがコーティング層1aの厚みに比べて厚い場合は透過光量が減少し、薄い場合は透過光量が増加するため、この透過光量の違いにより、塗布ムラ欠点を検出することができる。
しかし、コーティング層1aの塗布ムラ欠点部と通常部の厚みの変化量が非常に小さくなった場合、塗布ムラ欠点を目視で検出することは困難である。例えば、数μmのコーティング層1aの厚みに対し、塗布ムラ欠点部の厚みの変化量は500nm程度であり、その時に、光透過性フィルムに光を照射した際の透過光量差は、1%以下である。また、目視での検査は、検査員の疲労が激しく、欠点の見落としが発生する場合があり、さらに光透過性フィルムの生産速度の高速化対応が困難である。
この問題を解決するために、特許文献1の方法がある。特許文献1の方法を、図4を参照して説明する。特許文献1の方法は、走行している磁気記録媒体31の片側表面から、波長が600nmないし700nmのレーザ光をHe−Neレーザ32から照射し、ガルバノミラー式スキャナ33を用いて、磁気記録媒体31の幅方向に拡張し、磁気記録媒体31を透過する透過光を光ファイバ集光系34と光センサ35で検出することによって、磁気記録媒体31の塗布ムラ欠点を検査することを特徴としている。この方法では、検査対象である磁気記録媒体31の600nm以下の波長の光をほとんど通さないという波長特性を考慮し、600nm以上の波長のレーザを使用することによって、磁気記録媒体31に発生した塗布ムラ欠点と通常部の透過光量差を増加させ、検出感度を向上させることができる。さらに、検査の自動化により、検査における省人化、高速化ができる。
また、別の方法として特許文献2の方法がある。特許文献2の方法を、図5を参照して説明する。特許文献2の方法は、多孔質ポリエチレンフィルム42にアラミドとアルミナからなる塗膜43が塗布された樹脂塗布フィルム41に発生する塗布欠点を、樹脂塗布フィルム41の片側に配設された光源44から発光強度のピーク波長が385〜415nmの範囲にある検査光を照射し、その樹脂塗布フィルム41での反射光をCCDカメラ45で観測してその出力差を検出することで、塗布欠点部分を検出することを特徴としている。この方法では、多孔質ポリエチレンフィルム42とアラミドとアルミナからなる塗膜43の反射率の差が大きくなる波長の光のみを選択的に用いることで、CCDカメラ45で受光される光の塗布欠点発生時のS/N比を増加させ、検出感度を向上することができる。
特開平3−214423号公報 特開2009−133725号公報
しかしながら、特許文献1の方法を連続的に搬送される光透過性フィルム1に発生する塗布ムラ欠点検査に適用した場合、レーザを使用していることにより、設置や調整が非常に困難となる。つまり、光透過性フィルム1の幅方向の検出感度を均一とするためには、レーザを光透過性フィルム1の幅方向に対して均一に照射しなければならず、そのためには、レーザを幅方向に照射するためのガルバノミラー式スキャナの高精度な制御と振動のない場所への安定した設置が必要となる。さらに、光透過性フィルム1を透過させ、検出感度を向上させるためには高出力のレーザが必要となる。高出力のレーザを使用する場合、作業者の作業範囲スペースへの設置ができず、装置の設置場所が限定されるという課題も有していた。
また、特許文献2の方法では、塗布ムラ欠点と通常部の反射率に差が生じている場合は塗布ムラ欠点の検出は可能である。例えば、光透過性フィルム1において、コーティング層1aが完全に抜けているもの、また、塗布ムラ部の傾斜が大きく、光透過性フィルム1での反射光の角度を大きく変えるものについては、検出が可能である。
しかし、数μmのコーティング層1aの厚みに対し、塗布ムラ欠点部の厚みの変化量が500nm程度である場合、塗布ムラ欠点と通常部の反射率に差がなく、さらに塗布ムラ欠点部の傾斜角も0.02°程度と微小であるため、塗布欠点の検出が困難であるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、光透過性フィルムの表面を高精度に検査できる検査装置、検査方法、及び該検査方法を用いたフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下である。
(1) 特定波長の単色光を照射する光照射手段と、
前記光照射手段からの光に由来する光を反射する光反射手段と、
前記光反射手段で反射された光に由来する光を受光する受光手段と、
前記受光手段で受光した光量の変化を検出する検出手段とを備えた、光透過性フィルムの検査装置。
(2) 特定波長の透過率が20%以下の光透過性フィルムの検査装置であって、
前記フィルムの一面(以下、この面を面Aという)側に、前記特定波長の単色光を、前記フィルムの面Aに対して照射する光照射手段と、
前記フィルムの他面(以下、この面を面Bという)側に、前記フィルムを透過した光を反射する光反射手段と、
前記面A側に、前記光反射手段で反射して、前記フィルムを透過した光を受光する受光手段と、
前記受光手段で受光した光量の変化を検出して、前記フィルム表面を検査する検出手段とを備えた、光透過性フィルムの検査装置。
(3) 前記光照射手段は、照射する単色光の波長の半値幅が20nm以内であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の光透過性フィルムの検査装置。
(4) 前記光反射手段と前記面Bの距離は、1mm以上100mm以下であることを特徴とする前記(2)に記載の光透過性フィルムの検査装置。
(5) 前記光照射手段と前記受光手段が為す角度は、5度〜45度のいずれかであることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の光透過性フィルムの検査装置。
(6) 特定波長の透過率が20%以下の光透過性フィルムの検査方法であって、
前記特定波長の単色光を、前記フィルムの一面(以下、この面を面Aという)に照射する工程1、
前記フィルムを透過した工程1にて照射された光を、前記フィルムの他面(以下、この面を面Bという)側から反射する工程2、
前記フィルムを透過した工程2で反射された光を、面A側で受光する工程3、
工程3で受光した光量の変化を検出して、前記フィルムの表面を検査する工程4とを有することを特徴とする、光透過性フィルムの検査方法。
(7) 前記(6)に記載の光透過性フィルムの検査方法を有することを特徴とする光透過性フィルムの製造方法。
本発明の検査装置及び検査方法では、特定波長の光を吸収する光透過性フィルムに発生する欠点を、高感度に検出することができる。特に、本発明は、特定波長の光を吸収する材料をコーティングした光透過性フィルムに発生する数百nmの微小な塗布ムラ欠点を、高感度に検出するための検査装置及び検査方法として有用である。
本発明の実施の形態の一例を示す概略図である。 光透過性フィルムでの光の透過を示す図である。 光透過性フィルムでの光の波長特性を示す図である。 特許文献1の発明の概略図である。 特許文献2の発明の概略図である。 塗布ムラ欠点部での光の波長特性を示す図である。 特定の波長の光を用いた場合の塗布ムラ欠点部での光の波長特性を示す図である。 本発明の実施の形態の一例を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における光透過性フィルムの検査装置の図を示すものである。
図1において、1は被検査体である光透過性フィルム、2は受光手段、3は光照射手段、4は光反射手段、5は検出手段、6は塗布ムラなどの欠点である。
光透過性フィルム1としては、特定波長の透過率が20%以下である光透過性フィルムであることが重要である。特定波長の透過率を20%以下とすることで、後述する光照射手段3から該特定波長の光を照射した際に、塗布ムラなどの欠点による透過光の光量変化が顕著となるために、特定波長の透過率が20%以下である光透過性フィルムを用いることが重要である。
特定波長の透過率が20%以下である光透過性フィルムとしては、基材フィルムに対して特定波長の光を吸収する材料をコーティングすることで、特定波長の透過率が20%以下である光透過性フィルムとすることが好ましい。
なお、透過率が20%以下である特定波長としては、後述する受光手段2の感度特性が可視光領域で高くなっていることから、好ましくは波長380〜780nmの可視光領域のいずれかの特定波長であることが好ましい。
なお、特定波長の透過率が20%以下である光透過性フィルムとしては、波長380〜780nmの範囲における該特定波長以外の波長の透過率が70%以上であることが、後述する光照射手段3から該特定波長の単色光を照射した場合に、全波長の光を照射した場合と比較して、塗布ムラなどの欠点の検出感度のS/N比がより高くなるために好ましい。
なお、光透過性フィルムの各波長における透過率は、大塚電子株式会社製の分光光度計(型式「MCPD−3700」)により求めることができる。
また、光透過性フィルム1の組成や構成は特に限定されないが、図2に示すように、基材フィルム1bに特定波長の光を吸収するコーティング層1aを積層したフィルムが光透過性フィルムとして好適に使用される。
そして、基材フィルム1bは、特に限定されないものの、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルムなどのような無色透明なフィルムが好適に用いられる。
コーティング層1aは、特定波長の光を吸収する材料であることが好ましく、例えば紫外線をカットする紫外線吸収剤や、赤外線をカットする赤外線吸収剤を含有した層が好適に用いられる。
このような基材フィルム上にコーティング層を有する光透過性フィルム1としては、例えば液晶ディスプレイなどに使用する近赤外遮蔽フィルム(NIRフィルム)や、自動車用暗視フィルム、その他の一般的な光学制御フィルムが挙げられるが、これに限定されない。
本発明の装置は光照射手段3を有する。好ましくは光照射手段3は、光透過性フィルム1の一面(面A)側に配置され、光透過性フィルム1の面Aに対して光を照射する。
光照射手段3は、特定波長の単色光を照射することが重要である。そして、光透過性フィルム1において透過率が20%以下である特定波長の光と同じ特定波長の単色光を照射することが好ましい。
特定波長の単色光を照射する光照射手段としては、単一波長の光を照射するLEDや蛍光灯、ランプ前面にバンドパスフィルターを配設したハロゲンやメタルハライド照明を伝送ロッドや光ファイバから照射するものなどを用いることができる。また、光照射手段3の光照射部の形状は、後述する受光手段2の受光範囲が線状の形態が好適であるため、それにあわせて線状にすることが好ましく、受光手段2の視野幅方向と光照射手段3の長手方向が平行になるように光照射手段3を配置することが好ましい。
本発明の装置は、光照射手段からの光に由来する光を反射する光反射手段4を有する。好ましくは光反射手段4は、光透過性フィルム1に対して、受光手段2や光照射手段3と反対(面B)側に配設される。そして光反射手段4は、光照射手段3から照射され、光透過性フィルム1を透過した光を反射するように配設されている。
ここで光反射手段4において反射された光は、光反射手段4の前方に対して均一に分布することが、光透過性フィルム1の幅方向にわたって、均一な検査が可能となるため好ましい。
また、光反射手段4を白色とすることにより、光照射手段3の照射波長に関わらず、光反射手段4での光の吸収量が少なくなり、光反射手段4における反射された光の光量を増加できるため好ましい。
なお、前記白色とは、可視光線の全波長領域の光を90%以上反射することで白色を実現しているものであり、例えば光反射手段4として、東レ株式会社製白色フィルム「型式:E60V」等を用いることができる。
さらに、光反射手段4と光透過性フィルム1の面Bとの距離は、短くなるほど光量のロスが少なくなるため100mm以下とすることが好ましい。しかし、光反射手段4と光透過性フィルム1の面Bとの距離が短くなり両者が接触すると、光透過性フィルムにキズが発生するため、光反射手段4と光透過性フィルム1の面Bとの距離は1mm以上100mm以下とすることが好ましく、より好ましくは1mm以上10mm以下とした態様である。
本発明の装置は、光反射手段で反射された光に由来する光を受光する受光手段を有する。受光手段2は、光透過性フィルム1に対して光照射手段3と同じ面A側に配設され、光照射手段3から照射されて光透過性フィルムを透過して、光反射手段4によって反射されて光透過性フィルムを再び透過した光を受光するように配設されている。受光手段は、光反射手段によって反射されて光透過性フィルムを透過した光を受光するように配置されることが好ましいのであり、光照射手段3から照射され光透過性フィルム1で反射された正反射光を受光することは好ましくない。
さらに、受光手段2と光照射手段3との為す角度を、5度〜45度のいずれかの角度とすることにより、光反射手段4からの反射光を高感度に受光できるため、好ましい。
なお、受光手段と光照射手段との為す角度とは、受光手段の受光する光の光軸(受光軸)(光反射手段によって反射されて受光手段によって受光される光の光軸)と光照射手段の照射する光の光軸とで形成される角度であり、かつ受光手段の受光点(受光軸と受光手段との交点)、前記2つの光軸の交点、光照射手段の照射点(光照射手段の照射する光の光軸と光照射手段との交点)の3点で形成される三角形の内角に該当する角度を意味する。受光手段と光照射手段との為す角度とは、例えば図8のθで示される角である。
受光手段2は、受光素子が1次元に配列されたラインセンサカメラや、受光素子を2次元に配列したエリアセンサカメラを用いることができ、受光手段2の視野幅方向が、光照射手段3の長手方向と平行になるように配設されている。受光手段2は、モノクロやカラーのカメラを用いることができる。コーティング層1aの光量差を捉える場合はモノクロカメラでもよく、コーティング層1aの波長特性を捉える場合はカラーカメラを用いることができる。
なお、受光手段2が受光する光とは、光反射手段4によって反射された光に由来する光であることが重要であり、光反射手段4によって散乱反射された光に由来する光と正反射された光に由来する光を同時に受光してもよく、その検査目的に応じて適宜選択して受光手段2を設置することができる。
また本発明の検査装置は、受光手段が受光した光量の変化を検出することで、光透過性フィルム(披検査体)表面を検査する検出手段を有する。つまり受光手段2の出力信号は、検出手段5に接続されている。受光手段2からは、受光手段2が受光した光量に応じたアナログまたはデジタル信号が出力され、アナログ信号が出力される場合は、検出手段5内でデジタル信号に変換される。検出手段5はデジタル信号を検出して画像処理し、画像処理結果に基づいて光透過性フィルム1の表面(コーティング層1a等)の欠点を検出する。
具体的には、2ライン以上のデジタル信号の値を各画素で足し合わせ、画素間のデジタル信号の値のバラツキが大きい場合は、光透過性フィルム1の表面(コーティング層1a等)での光量にムラがあると判断し、光透過性フィルム1の表面に塗布ムラなどの欠点があると判定する。
また、欠点が塗布ムラ欠点の場合には、光透過性フィルム1の流れ方向に連続的に発生するため、2ライン以上のデジタル信号の値を各画素で足し合わせることにより、塗布ムラ欠点の検出感度は向上し、好ましくは、50ライン以上のデジタル信号の値を足し合わせることにより、光透過性フィルムの変動によるノイズの検出を減少させ、検出性能を向上することができる。
次に、本発明によって光透過性フィルム1を検査する原理について説明する。本発明は、光照射手段3の照射する単色光を、特定波長の透過率が20%以下である光透過性フィルム1における透過率が20%以下である特定波長に一致させ、さらに、光照射手段に由来する単色光を、光透過性フィルム1中を2回以上透過させて、その光を受光することにより、光透過性フィルム1に発生する塗布ムラなどの欠点を高精度に検出することができる。
まず、光照射手段3が照射する単色光の波長を、光透過性フィルム1の透過率が20%以下である特定波長に一致させることにより、塗布ムラ欠点の検出性能を向上させる原理について、図6、7を用いて説明する。図6は全波長の光を用いた場合の塗布ムラ欠点部の光の波長特性を示す図であり、図7は特定の波長の光を用いた場合の塗布ムラ欠点部の光の波長特性を示す図である。
波長λの光の透過率が10%、吸収率が85%、反射率が5%である光透過性フィルム1において、コーティング層1aの厚みが5μmの光透過性フィルム1に、500nm凹んだ塗布ムラ欠点が発生した場合、図6に示すように、波長λの光における透過率は8.5%増加し、透過率が18.5%、吸収率が76.5%、反射率が5%となる。この時、受光手段2において光透過性フィルム1を透過した光から塗布ムラ欠点を検出する場合、波長λ以外の波長の光の光量には差が存在しないため、受光手段2が受光する光量差は1%以下とほぼ変化がなく、塗布ムラ欠点の検出は困難となる。
しかし、光照射手段3として、特定波長の透過率が20%以下の光透過性フィルム1の該特定波長λと一致する波長のみの単色光を照射する光照射手段を用いた場合、図7に示すように、波長λの単色光における塗布ムラ欠点部の透過率の変化のみを捉えることができ、受光手段2で捉えた、通常部と塗布ムラ欠点部の透過光の差は8.5%となり、塗布ムラ欠点の検出性能を大幅に向上することができる。
また、光照射手段3が照射する単色光の波長の半値幅は、狭いほど塗布ムラ欠点部の透過光量差をそのまま受光手段2で受光でき、検出性能が向上するため好ましい。より好ましくは、光照射手段の照射する単色光の波長の半値幅を20nm以内とした態様である。さらに塗布ムラ欠点の検出性能を向上するためには、光照射手段が照射する光の光量を増加することで、受光手段2が受光する光量の通常部と塗布ムラ欠点部との差を顕著とできるため、好ましい。また、光照射手段によって照射される単色光の波長の半値幅が狭くなりすぎると、受光手段で受光する光量が少なくなりすぎて、欠点の有無による透過光の変化量が小さくなりすぎることがあるため、光照射手段の照射する単色光の波長の半値幅は、5nm以上であることが好ましい。
次に、光透過性フィルム1を2回以上透過させることによって、塗布ムラ欠点の検出性能を向上させる原理について説明する。
光透過性フィルム1の透過率が20%以下である特定波長における光の波長λと一致する波長のみの単色光を照射する光照射手段3から照射される光量をQ0、塗布ムラ欠点のない光透過性フィルム1を透過した光の光量をQ1、塗布ムラ欠点の発生した光透過性フィルム1を透過した光の光量をQ2とした場合、塗布ムラ欠点の検出性能を表すS/N比は、
S/N比=Q2/Q1=0.185×Q0/0.1×Q0=1.85
である。ここで、光透過性フィルム1を再度透過させる場合、通常部の場合の光の光量は、0.1×Q1となり、塗布ムラ欠点発生時の光の光量は、0.185×Q2となる。そのため、光透過性フィルム1を再度透過させた場合の塗布ムラ欠点の検出性能を表すS/N比は、
S/N比=0.185×Q2/0.1×Q1
=0.185×0.185×Q0/(0.1×0.1×Q0)
=3.4225
であり、塗布ムラ欠点の検出性能は、光の透過率の二乗で効いてくるため、2回以上光透過性フィルムを透過させることにより、塗布ムラ欠点の検出性能が向上する。このように、光透過性フィルム1を2回以上透過させることにより塗布ムラ欠点の検出性能は向上するが、光透過性フィルム1を透過させる毎に、光透過性フィルムによる光の吸収があるために光量が減少する。そのため、光透過性フィルム1の透過回数を2回とすることにより、塗布ムラ欠点に必要な光量を確保し、塗布ムラ欠点部のS/N比を向上することができるため、好ましい。
(実施の形態2)
白色フィルム等の光反射手段4が光透過性フィルム1と平行に配置される場合、光照射手段3から照射され、光透過性フィルム1を透過させた光を、光反射手段4の前方に対して均一に散乱反射する必要があり、これにより、受光手段2が受光する光量が減少するため、欠点を検出できない場合がある。
そこで図8のように、白色フィルム等の光反射手段4と光透過性フィルム1とを平行に配設するのではなく、白色フィルム等の光反射手段4と光透過性フィルム1とを傾けて配置して、光照射手段3から照射する光の光軸と光反射手段4の反射面のなす角度と、受光手段2の受光軸と光反射手段4の反射面のなす角度が等しくなるように光反射手段4を配設することにより、受光手段2で受光する光量を増加することができる。つまり、この時の光反射手段4で反射される光は、光反射手段4において散乱反射された光だけでなく正反射される光も多く含むことにより、受光手段2で受光する光量をさらに増加することができるため好ましい。
さらに、図8の実施形態では、光照射手段3から照射され、光透過性フィルム1で反射された光を受光手段2が受光しないように配設されており、これにより、欠点のS/N比を向上することも可能である。
続いて本発明の検査方法について説明する。
本発明の検査方法とは、特定波長の透過率が20%以下の光透過性フィルムの検査方法であって、前記特定波長の単色光を、前記フィルムの一面(以下、この面を面Aという)に照射する工程1、前記フィルムを透過した工程1にて照射された光を、前記フィルムの他面(以下、この面を面Bという)側から反射する工程2、前記フィルムを透過した工程2で反射された光を、面A側で受光する工程3、工程3で受光した光量の変化を検出して、前記フィルムの表面を検査する工程4とを有することを特徴とする。
本発明の検査方法は、特定波長の透過率が20%以下の光透過性フィルム、好ましくは基材フィルムにコーティング層を積層した光透過性フィルムに対して、上記工程1から4をこの順に適用した発明である。
工程1では、光透過性フィルムの透過率が20%以下となる特定波長の単色光を、面A側から照射することが重要であり、工程1にて照射される単色光の波長の半値幅は、20nm以内であることが好ましい。また、工程1にて照射される単色光の波長の半値幅が狭くなると、受光手段で受光する光量が少なくなり、塗布ムラ欠点の有無による透過光の変化量が小さくなるため、工程1にて照射される単色光の波長の半値幅は、5nm以上20nm以下とすることが好ましい。
工程2では、工程1で照射されて光透過性フィルムを透過した光について、面B側から反射することが重要であり、このためには、前述の光反射手段を用いる方法がある。また工程2では、面Bから1mm〜100mm離れた位置で反射することが好ましい。
工程3では、工程2で反射されて光透過性フィルムを透過した光を、面A側で受光することが重要であり、このためには、前述の受光手段を用いる方法がある。なお、工程1において単色光を照射する位置と工程3において受光する位置とのなす角度(工程1で照射する光の光軸と工程3で受光する光の光軸(受光軸)とのなす角度)は、5度〜45度のいずれかであることが好ましい。
工程4では、工程3で受光した光量の変化を検出して、光透過性フィルムの表面を検査することが重要であり、このためには、前述の検出手段を用いる方法がある。
また本発明の光透過性フィルムの製造方法は、光透過性フィルムの製造工程中に、前述の本発明の検査方法を適用することを特徴とする。つまり本発明のフィルムの製造方法の一例は、フィルムを製膜して、コーティング層を形成した直後に、前記工程1から工程4をこの順序で行うものである。本発明の製造方法により得られたフィルムは、製造過程において欠点を高精度に検出できているため、得られたフィルムから欠点箇所を除去することが容易であり、また欠点が検出された時点でフィルムの巻き取りを止めることで、欠点の存在しないフィルムロールとすることもできる。
なお本発明の光透過性フィルムの製造方法では、前述の検査方法をその工程中に有することが重要なのであり、押出工程、キャスト工程、延伸工程、コーティング工程などの他のフィルムの製造工程は、既知の方法を適用することができる。
(実施例1)
図1の配置に従った装置を用いて検査を実施した。被検査対象として、厚み100μmのPETフィルムに波長600nmの光を吸収する材料をコーティングした波長選択吸収フィルム(波長600nmの光の透過率が20%以下のフィルム)を用い、20m/minで波長選択吸収フィルムを走行させた。
さらに、光照射手段として無電極プラズマ光源を用い、その光源ランプ内に600nmの波長を透過する半値幅10nmのフィルタを設置し、走行する波長選択フィルム面から200mm離れた位置の伝送ロッドから600nmの光を照射した。また、光反射手段として、東レ株式会社製白色フィルム「型式:E60V」を用い、走行する波長選択吸収フィルム面から10mm離れた位置に配設し、白色フィルムにより反射された光を、モノクロラインセンサカメラで受光した。この時のラインセンサカメラと走行する波長選択吸収フィルム面との距離は1000mmであり、波長選択吸収フィルム面とラインセンサカメラで受光する光の光軸(受光軸)の角度は90度であり、ラインセンサカメラが受光する光量は、1500lxであった。なお、ラインセンサカメラの受光軸と伝送ロッドから照射する光の光軸とのなす角度は10度である。
その結果、コーティング層の500nmの凹みである塗布ムラ欠点を検出することができた。
(実施例2)
実施例1の方法では、コーティング層の500nmの凹みである塗布ムラ欠点は検出することができたが、300nmの凹みは検出することができなかった。そのため、伝送ロッドから照射される光の光軸と、ラインセンサカメラの受光軸とが、正反射となるように、白色フィルムを配設し、それ以外は実施例1と同様にした。この時のラインセンサカメラが受光する光量は3000lxとなり、300nmの凹みである塗布ムラ欠点を検出することができた。
1 透過性フィルム
1a コーティング層
1b 基材フィルム
2 受光手段
3 光照射手段
4 光反射手段
5 検出手段
6 塗布ムラ欠点
7 入射光
8 透過光
8a 通常時の透過光
8b 塗布ムラ欠点部の透過光
31 磁気記録媒体
32 He-Neレーザ
33 ガルバノミラー式スキャナ
34 光ファイバ集光系
35 光センサ
41 樹脂塗布フィルム
42 多孔質ポリエチレンフィルム
43 アラミドとアルミナからなる塗膜
44 光源
45 CCDカメラ

Claims (7)

  1. 特定波長の単色光を照射する光照射手段と、
    前記光照射手段からの光に由来する光を反射する光反射手段と、
    前記光反射手段で反射された光に由来する光を受光する受光手段と、
    前記受光手段で受光した光量の変化を検出する検出手段とを備えた、光透過性フィルムの検査装置。
  2. 特定波長の透過率が20%以下の光透過性フィルムの検査装置であって、
    前記フィルムの一面(以下、この面を面Aという)側に、前記特定波長の単色光を、前記フィルムの面Aに対して照射する光照射手段と、
    前記フィルムの他面(以下、この面を面Bという)側に、前記フィルムを透過した光を反射する光反射手段と、
    前記面A側に、前記光反射手段で反射して、前記フィルムを透過した光を受光する受光手段と、
    前記受光手段で受光した光量の変化を検出して、前記フィルム表面を検査する検出手段とを備えた、光透過性フィルムの検査装置。
  3. 前記光照射手段は、照射する単色光の波長の半値幅が20nm以内であることを特徴とする請求項1または2に記載の光透過性フィルムの検査装置。
  4. 前記光反射手段と前記面Bの距離は、1mm以上100mm以下であることを特徴とする請求項2に記載の光透過性フィルムの検査装置。
  5. 前記光照射手段と前記受光手段が為す角度は、5度〜45度のいずれかであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光透過性フィルムの検査装置。
  6. 特定波長の透過率が20%以下の光透過性フィルムの検査方法であって、
    前記特定波長の単色光を、前記フィルムの一面(以下、この面を面Aという)に照射する工程1、
    前記フィルムを透過した工程1にて照射された光を、前記フィルムの他面(以下、この面を面Bという)側から反射する工程2、
    前記フィルムを透過した工程2で反射された光を、面A側で受光する工程3、
    工程3で受光した光量の変化を検出して、前記フィルムの表面を検査する工程4とを有することを特徴とする、光透過性フィルムの検査方法。
  7. 請求項6に記載の光透過性フィルムの検査方法を有することを特徴とする光透過性フィルムの製造方法。
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JP2020027066A (ja) * 2018-08-14 2020-02-20 王子ホールディングス株式会社 シート状物の欠陥検査装置及び製造方法

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