JP5255341B2 - 光透過性フィルムの欠陥検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光学用途、建築用途、車載用途などの用途において、反射防止、飛散防止、熱線防止(遮断)、断熱、防汚、耐久性(保護)などの目的で使用される光透過性フィルム(光透過性を有するフィルム)の欠陥を検出するための装置に関する。
光学用途、建築用途、車載用途等に用いられる上記のような光透過性フィルムAとしては、例えば、ベースフィルム8に、光の反射特性や吸収特性の制御等のためのコーティング層9を積層して形成することで波長透過特性等が調整された反射防止フィルムが挙げられる。このような光透過性フィルムAは、例えばプラズマディスプレイや液晶ディスプレイなどのディスプレイの表面に反射防止フィルターとして使用される。
このようなコーティング層9を備える光透過性フィルムAの欠陥を検出するにあたっては、ベースフィルム8とコーティング層9との間に異物が入り込んで生じる欠陥(核有り欠陥)については目視でも検出し得る。しかしながら、図3に示すようにコーティング層9に厚みのばらつきが生じ、これにより周囲の色目とは微妙に違う部分が生じる欠陥(核無し欠陥)については、目視による検出がきわめて困難であり、目視検査では90%ほどの不良を見逃してしまうこともある。
そこで従来、特許文献1に開示されているように、ガイドローラ等の観察用補助部材の表面に位置する光透過性フィルムに対して、この光透過性フィルムに形成された膜に照明をあて、その反射光を撮像することで欠陥を検出することが提案されている。この場合、核有り欠陥だけでなく核無し欠陥も検出されるようになる。
しかし、反射光の検出による欠陥検出の場合には、観察用補助部材での反射光が大きいと欠陥による光透過性フィルムからの反射光の変化が明りょうに現れず、欠陥検出精度が悪くなるという問題がある。このため、照明からの照射光量を下げることで観察用補助部材からの反射光を低減することも行われているが、この場合は光透過性フィルムからの反射光量も低減するため、高い検出精度が得られにくいという問題がある。
特開2006−208196号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、欠陥検出を高精度で行うことができる光透過性フィルムの欠陥検出装置を提供することを課題とする。
本発明に係る光透過性フィルムAの欠陥検出装置は、光透過性フィルムAの裏面側に配される観察用補助部材2、前記光透過性フィルムAに表面側から光を照射する照明手段6、前記照明手段6から照射され、光透過性フィルムAで反射された特定波長域の光を受光して撮像する撮像部1、及び前記撮像部1による撮像で得られた画像から光透過性フィルムAの欠陥を検出する検出手段3を具備する。前記観察用補助部材2の表面を前記特定波長域の光を吸収するように有色化するとともに、前記光透過性フィルムAの裏面と前記観察用補助部材2との間に空気を排除して充填材4を介在させ、さらに観察用補助部材2の表面を、表面粗度について中心線平均粗さ(Ra)が0.4μm以上であり、十点平均粗さ(Rz)が20μm未満であり、且つ最大高さ(Rmax)が40μm未満であるように粗面化することによって、前記観察用補助部材2に、この観察用補助部材2での前記特定波長域の光の反射率を低減する反射率低減化処理が施されている。
このため、撮像部1で受光される特定波長域の光における、観察用補助部材2からの反射光の割合が低減し、光透過性フィルムAの欠陥に起因する反射光の強度変化が明りょうになる。このため、照明手段6から照射される光の光量を増大させつつ観察用補強部材からの反射光を低減することができ、撮像部1で撮像された画像における、コーティング層9の厚みのばらつきの欠陥(核無し欠陥)に起因して生じる反射光の強度変化が明りょうとなるようにして、欠陥の検出精度を向上することができる。
また、観察用補助部材2の表面の色を、上記特定波長域の光を吸収するように適宜の色に有色化することで、観察用補助部材2からの特定波長の反射光を低減することができる。
また、充填材4で上記特定波長域の光を吸収することで、観察用補助部材2からの特定波長の反射光を低減することができ、更に、撮像部1による撮像時に充填材4により光透過性フィルムAを観察用補助部材2の表面に密着させ、光透過性フィルムAの観察用補助部材2側の他面A2と観察用補助部材2との間の空気を排除して、光透過性フィルムAの観察用補助部材2側の他面A2からの反射光を抑えることができ、欠陥の検出時に不要な反射光の混在を減少して欠陥の検出精度を高くすることができる。
この場合、粗面化によって観察用補助部材2からの反射光が散乱することで、撮像部1で検出される観察用補助部材2からの広範な波長域の光の反射光が低減し、種々の特定波長域の反射光の低減が可能となる。
本発明では、撮像部1での撮像結果における観察用補助部材2からの反射光の影響を低減し、光透過性フィルムAの欠陥検出を高精度で行うことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1に示される本実施形態に係る欠陥検出装置は、光学用途、建築用途、車載用途などの用途において、反射防止、飛散防止、熱線防止(遮断)、断熱、防汚、耐久性向上(保護)などの目的で使用される光透過性フィルムA(光透過性を有するフィルム)Aの欠陥を検出するために用いられる。この光透過性フィルムAとしては、例えばポリエチレンテレフタレート製フィルム等のポリエステルフィルムなどのような無色透明なベースフィルム8に、光の反射特性や吸収特性を制御するためのコーティング層9を積層して設けたものが挙げられる。例えばコーティング層9として光反射性被膜が設けられる場合には光透過性フィルムAとして光反射性フィルムが形成され、コーティング層9としてUV吸収剤等を含有するUV吸収性被膜が設けられる場合には光透過性フィルムAとしてUV吸収性フィルムが形成される。このような光透過性フィルムAとしては、例えば液晶ディスプレイなどのディスプレイの反射防止フィルム(ARフィルム)や、自動車用暗視フィルム、その他の一般的な光学制御フィルムが挙げられるが、これに限定されない。
この光透過性フィルムAの作製時には、コーティング層9を形成するために塗布されるコーティング剤がゲル化し、このゲル化物が光透過性フィルムAの一面A1に異物として付着して欠陥が生じたり、ベースフィルム8の表面におけるコンタミネーション(コンタミ)や異物の付着によるハジキ等によってコーティング剤の塗布不均一が生じて欠陥が生じることがある。本実施形態に係る欠陥検出装置は、前記のような欠陥を検出するために好適に用いられる。
欠陥検出装置は、図1に示すように、搬送手段5、撮像部1、観察用補助部材2、照明手段6、検出手段3などを備える。
搬送手段5は長尺帯状(シート状)の光透過性フィルムAを一定の速度で連続的に搬送するために設けられる。搬送手段5は、例えば光透過性フィルムAをロール状に巻き付けた繰り出しドラム12と、ドラム12を回転駆動させて光透過性フィルムAを順次繰り出すためのモータなどの駆動手段13と、欠陥検出後の光透過性フィルムAを巻き取るための巻き取りドラム14とで構成される。
照明手段6は光透過性フィルムAに一面A1側から光を照射するために設けられる。
撮像部1は、光透過性フィルムAの一面A1(表面)側からの、照明手段6から照射された光の反射光を受光して撮像するために設けられる。撮像部1として、例えば、CCDカメラなどで形成され、光透過性フィルムAの外観を全幅にわたって撮像するラインカメラなどが用いられる。また、この撮像部1としては、照明手段6から照射された光が光透過性フィルムAで正反射した正反射光を受光するものや、光透過性フィルムAで乱反射した乱反射光を受光するものなど、適宜のものが設けられる。
検出手段3は撮像部1によって得られた画像から光透過性フィルムAの欠陥を検出するために設けられる。検出手段3は例えばディスプレイを備えた汎用の電子計算機などで構成される。検出手段3は、例えば一般的に広く行われている画像処理により、撮像部1で得られた画像に演算処理を施したり、人が目視で確認したりすることにより、光透過性フィルムAの欠陥を分析して検出することができるものが用いられる。
観察用補助部材2は撮像部1による撮像時に光透過性フィルムAの他面A2(裏面)側に配置される。この観察用補助部材2が撮像時に光透過性フィルムAを支持することで、光透過性フィルムAにおける皺の発生が防止され、また撮像部1と光透過性フィルムAとの間の位置決めがなされてピントずれの発生が防止される。観察用補助部材2は光透過性フィルムAの上記他面A2に接触しながら回転するローラで構成される。
このような本実施形態に係る欠陥検査装置を用いた光透過性フィルムAの欠陥の検出工程について説明する。
まず、駆動手段13で繰り出しドラム12を回転駆動することで、ドラム12にロール状に巻かれた光透過性フィルムAが順次繰り出され、一定の速度で巻き取りドラム14にまで搬送される。この繰り出しドラム12と巻き取りドラム14との間で、光透過性フィルムAが観察用補助部材2の表面(外面)に接触しながら搬送される。光透過性フィルムAの搬送速度は撮像部1や搬送手段5の能力などに応じて適宜設定されるが、例えば、5〜3000m/分とすることができる。
このようにして搬送されている光透過性フィルムAにおけるコーティング層9が形成されている一面A1に対して照明手段6で光を照射し、光透過性フィルムAからの反射光を撮像部1で受光して撮像する。
次に、撮像部1で撮像した光透過性フィルムAの一面A1の画像を検出手段3に取り込んでその画像に基づいて欠陥を検出する。このとき光透過性フィルムAを全長にわたって搬送することにより、光透過性フィルムAの全体の欠陥を検出することができる。
このような欠陥検査装置において、撮像部1は特定波長域の光を受光して検出する。
撮像部1で特定波長域の光を受光して検出するためには、例えば照明手段6として前記特定波長域の光のみを照射するものが用いられ、或いは撮像部1として前記特定波長域の光のみを感知するものが用いられる。
特定波長域の光のみを照射する照明手段6としては、例えば図1に示されるような三波長蛍光灯などの照明具6aと色調フィルター6bとを組み合わせて構成される照明手段6、赤色などの特定波長の光を照射する有色照明灯で構成される照明手段6などが挙げられる。また、特定波長域が広範な可視光領域である場合には、照明手段6として無色照明灯(白色照明灯)などが使用される。また特定波長域がUV域である場合には紫外線ランプ等で構成される照明手段6が使用され、赤外域である場合には赤外線ランプ等で構成される照明手段6が使用される。このように特定波長域の光のみを照射する照明手段6が設けられる場合には、撮像部1として少なくとも前記特定波長域を含む波長域の光を感知するものが設けられる。
また、特定波長域の光のみを感知する撮像部1としては、例えば特定波長域の光のみを通過させる波長フィルターを備えた撮像部1や、受光した光に含まれる特定波長域の光の分光強度を検出可能な撮像部1等が挙げられる。また、特定波長域が広範な可視光領域である場合には、撮像部1として前記可視光域全域を感知するものが設けられても良い。このように特定波長域の光のみを感知する撮像部1が設けられる場合には、照明手段6として少なくとも前記特定波長域を含む波長域の光を照射するものが設けられる。
撮像部1の撮像画像から欠陥を検出するにあたり、膜厚むらの欠陥は、例えば撮像画像における干渉模様を検出することで検出される。膜厚むらによる干渉模様は、図3に示すように、コーティング層9の表面側での反射光L1とコーティング層9の裏面側での反射光L2との間で光路差が生じて干渉し、ある波長の光が強め合うと共に他の波長の光が弱め合う際、膜厚の違いが生じるとそれに応じて異なる波長の光が強め合うことにより生じる。干渉模様を検出する場合には、例えば高解像度の撮像部1を用い、この撮像部1で特定波長域として広範な可視光域の光を受光する。また、干渉により強めあう特定の単色光に基づいて欠陥検知を行う場合には、撮像部1で特定波長域として単色光に対応する狭い波長域の光を受光しても良い。
また、光透過性フィルムAが特定の光反射特性や光吸収特性を有している場合には、第一撮像部1aの解像度を低減するなどして、反射光の強度を検出することにより、膜厚むらを検出しても良い。この場合、光透過性フィルムAにおける反射防止膜の膜厚むらにより反射光の強度変化が生じた場合に、この反射光の強度変化を第一撮像部1aにより検出して、欠陥を検出することができる。この場合、撮像部1は光透過性フィルムAに要求されている光反射特性や光吸収特性等に応じて設定された特定波長域の光を受光して反射光の強度変化を検出する。すなわち、光透過性フィルムAが光反射性フィルムである場合には、撮像部1で可視光を受光して検出する。この場合、撮像部1では全ての可視光域の光を検出するものであっても良く、また可視光域のうちの特定波長の光を検出するものであっても良い。また、光透過性フィルムAがUV吸収性である場合には、撮像部1で紫外線域の光を、赤外線吸収性である場合には撮像部1で赤外線域の光を受光して検出する。
本発明では、上記観察用補助部材2に、この観察用補助部材2での上記特定波長域の光の反射率を低減する反射率低減化処理が施されている。このため、撮像部1で受光される特定波長域の光における、観察用補助部材2からの反射光の割合が低減し、光透過性フィルムAの欠陥に起因する反射光の強度変化が明りょうになる。このため、照明具6から照射される光の光量を増大させつつ観察用補強部材2からの反射光を低減することができ、撮像部1で撮像された画像における、コーティング層9の厚みのばらつきの欠陥(核無し欠陥)に起因して生じる反射光の強度変化が明りょうとなるようにして、欠陥の検出精度を向上することができる。
反射率低減化処理としては、例えば観察用補助部材2の表面を粗面化する粗面化処理が挙げられる。この場合、粗面化によって観察用補助部材2からの反射光が散乱することで、撮像部1で検出される観察用補助部材2からの反射光が低減する。このように観察用補助部材2の表面を粗面化すると、広範な波長域の光の反射光が低減するため、種々の特定波長域の反射光の低減が可能である。粗面化の方法としては、研磨、サンドブラスト処理等の適宜のものが選択される。粗面化処理後の観察用補助部材2の表面粗度は、光の反射率が充分に低減されるように適宜調整されるが、特に中心線平均粗さ(Ra;JIS B0601:1982)が0.4μm以上であれば、観察用補助部材2からの反射光が充分に低減される。但し、観察用補助部材2の表面の凹凸の高低差が大きくなりすぎると、撮像部1により前記凹凸が検知されたり、前記凹凸により光透過性フィルムAにキズがついたりするおそれがあり、このような不具合を防止するためには、観察用補助部材2の表面の十点平均粗さ(Rz;JIS B0601:1982)が20μm未満であり、且つ最大高さ(Rmax;JIS B0601:1982)が40μm未満であることが望ましい。
観察用補助部材2に上記粗面化処理が施される場合には、欠陥検出装置に、光透過性フィルムAと観察用補助部材2との間の空気を排除して光透過性フィルムAと観察用補助部材2との間に充填材4を介在させる充填手段を設けることが好ましい。
充填手段としては、光透過性フィルムAの他面A2と観察用補助部材2との間に充填材4として液体を充填する液体充填手段7が挙げられる。本実施形態における液体充填手段7は、光透過性フィルムAの他面A2と観察用補助部材2との間に液体を介在させることで、光透過性フィルムAと観察用補助部材2とを密着させるために設けられる。前記液体としては、光透過性フィルムAと観察用補助部材2との間に容易に充填され、且つ光透過性フィルムAの最終品質に影響を与えない適宜の液体が使用される。このような液体としては、例えば水(純水)、メチルエチルケトンなどの揮発性溶剤、エッセンシャルオイルなどの油脂系液体等が挙げられる。
この液体充填手段7はロールで構成される観察用補助部材2と貯留容器20とで構成される。充填材4である液体は貯留容器20に貯留され、この貯留容器20内の液体に観察用補助部材2の一部(下部)が浸漬している。
このように構成される液体充填手段7では、観察用補助部材2が回転すると、それに伴って観察用補助部材2の表面に液体が供給され、更にこの観察用補助部材2が回転することで液体が光透過性フィルムAと観察用補助部材2との間に充填されて、この光透過性フィルムAと観察用補助部材2とが液体を介して密着する。このため、光透過性フィルムAと観察用補助部材2との間への空気の侵入が抑制され、両者の間に隙間が生じることが抑制される。
図2に液体充填手段7の他例を示す。この液体充填手段7は表面に上方に開口する充填槽21が設けられた観察用補助部材2の前記充填槽21に充填材4である液体を充填することで構成される。光透過性フィルムAは、前記観察用補助部材2の充填槽21の開口を横切るように搬送される。このとき撮像部1は前記充填槽21の開口に配置された光透過性フィルムAからの反射光を撮像する。このような液体充填手段7では、光透過性フィルムAが撮像される際には光透過性フィルムAと観察用補助部材2との間には充填槽21内の液体が介在し、光透過性フィルムAと観察用補助部材2との間への空気の侵入が抑制されている。
このように光透過性フィルムAと観察用補助部材2との間に液体等の充填材4を充填して光透過性フィルムAの観察用補助部材2側の他面A2と観察用補助部材2との間の空気を排除すると、光透過性フィルムAの観察用補助部材2側の他面A2からの反射光を抑えることができる。つまり、図4(a)に示すように、光透過性フィルムAの他面A2と観察用補助部材2の外面との隙間Sに液体等の充填材4が介在せずに空気が存在している場合は、光透過性フィルムAの一面A1で反射する光L3と、光透過性フィルムAを通過して他面A2で反射する光L4とが生じ、これらの光L3、L4が混在して互いに干渉し合いながら撮像部1に入射するために、欠陥の検出精度が低くなるおそれがある。一方、図4(b)に示すように、光透過性フィルムAの他面A2と観察用補助部材2の外面との隙間の空気を排除して液体等の充填材4を介在している場合は、光透過性フィルムAを通過した光L4は液体の方に進んで観察用補助部材2に吸収されることになって光透過性フィルムAの他面A2で反射する光がほとんど生じない。従って、光透過性フィルムAの一面A1で反射する光L3が干渉されることなく撮像部1に入射し、欠陥の検出精度が高くなる。
特に、観察用補助部材2に粗面化処理が施されている場合には、光透過性フィルムAと観察用補助部材2との間に空気が介在して隙間が生じやすいが、このような場合に液体充填手段7が設けられていると、観察用補助部材2からの反射光を低減しつつ、光透過性フィルムAの他面A2からの反射光も低減し、高い欠陥検出精度が発揮される。
勿論、観察用補助部材2に粗面化処理以外の反射率低減化処理が施される場合であっても、欠陥検出装置に充填手段が設けられても良い。この場合でも、上記の通り光透過性フィルムAの観察用補助部材2側の他面A2からの反射光を抑えることによって、欠陥の検出精度が高くなる。
また、上記のような充填手段が設けられる場合には、反射率低減化処理として、この充填手段によって、光透過性フィルムAの他面と前記観察用補助部材2との間の空気を排除して有色又は無色の充填材4を介在させる充填処理が施されても良い。充填材4としては、顔料等が配合されることで黒色などの有色に着色された液体や、UV吸収剤や赤外線吸収剤等が配合された液体等が挙げられる。この場合、充填材4の色を、上記特定波長域の光を吸収するように適宜の色に有色化したり、充填材4に上記特定波長域の光を吸収する光吸収剤(UV吸収剤、赤外線吸収剤等)を配合したりすることで、観察用補助部材2まで到達する特定波長域の光の量を低減し、その結果、観察用補助部材2からの特定波長の反射光が低減する。特に充填材4が黒色に有色化される場合には、広範な可視領域の反射光が低減され、前記特定波長域が可視光域に含まれる場合に、特定波長域の範囲にかかわらず、反射光が低減される。
また、反射率低減化処理としては、観察用補助部材2の表面を黒色等に有色化する有色化処理も挙げられる。このような有色化処理としては、観察用補助部材2の表面を黒色等の有色の材料で形成したり、観察用補強部材2の表面に塗料を塗装することで黒色等に有色化することが挙げられる。この場合、観察用補助部材2の表面の色を、上記特定波長域の光を吸収するように適宜の色に有色化することで、観察用補助部材2からの特定波長の反射光が低減する。特に観察用補強部材2の表面が黒色に有色化される場合には、広範な可視領域の反射光が低減され、前記特定波長域が可視光域に含まれる場合に、特定波長域の範囲にかかわらず、反射光が低減される。
また、前記特定波長域がUV域である場合にはUV吸収剤を含有する塗料を観察用補助部材2の表面に塗布することでUV域の反射光を低減し、この特定波長域が赤外域である場合には赤外線吸収剤を含有する塗料を観察用補助部材2の表面に塗布することで赤外域の反射光を低減することもできる。また、特定波長域がUV域や赤外域以外であっても、その特定波長域の光を吸収する光吸収性の材料を含有する塗料を観察用補助部材2の表面に塗布することで、観察用補助部材2の表面からの特定波長の反射光を低減することができる。
また、反射率低減化処理が、光透過性フィルムAに形成されるコーティング層9と同一の組成を有する光特性制御層を観察用補助部材2の表面に形成する処理であっても良い。すなわち、例えば光透過性フィルムAが光反射防止フィルムである場合に、観察用補助部材2の表面に光反射防止膜と同一組成を有する光特性制御層を形成し、光透過性フィルムAがUV吸収性フィルムである場合に、観察用補助部材2の表面にUV吸収性膜と同一組成を有する光特性制御層を形成する。特定波長は、光反射特性が制御された光透過性フィルムAの場合におけるコーティング層9によって反射が抑制されている光の波長域、又は光吸収特性が制御された光透過性フィルムAの場合におけるコーティング層9によって吸収される光の波長域から選択することができるため、前記のように観察用補助部材2に光特性制御層が設けられると、特定波長域の光の反射率を容易に低減することができる。
また、上記観察用補助部材2や充填材4は、撮像部1で受光される特定波長域の光の色を強調させる色に着色されていても良い。例えば撮像部1で赤色の光を受光して欠陥を検出する場合に、観察用補助部材2や充填材4を反対色である青色に着色する。このようにして撮像部1で受光される特定波長域の光の色を強調することで、欠陥検出が更に高精度に為される。
上記のような反射率低減化処理は、一種類のみが施されても良く、また複数種の反射率低減化処理が組み合わされても良い。
このような反射率低減化処理が行われる場合、上記特定波長域として、欠陥検査が可能な光の波長域のなかから、反射率低減化処理後の観察用補助部材2からの反射率が最小値又は極小値をとる特定の波長、或いはこの特定の波長を含む一定の範囲の波長域を選択することが望ましい。例えば光透過性フィルムAとして反射防止フィルムの欠陥検査を行う場合は、可視光全域を欠陥検査に利用することができるが、このうち、反射率低減化処理後の観察用補助部材2からの反射率が最小値又は極小値をとる特定の波長や、この特定の波長を中心とした波長域を選択する。この場合、特に反射率が低減された波長域の光を用いて欠陥検査を行うことで、更に高い検出精度が得られる。
下記のサンプルについての観察用補助部材2としての性能を評価した。
[サンプル]
(サンプル1)
一般構造用圧延鋼材(SS400)の表面に黒色のアルミナ−チタニア溶射膜を形成した。この溶射膜の表面を研磨番手#150と#400でバフ研磨した後、研磨番手#8000でバフ研磨した。この表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.24μm、最大高さ(Rmax)は2.78μm、十点平均粗さ(Rz)は1.82μmである。
(サンプル2)
一般構造用圧延鋼材(SS400)の表面に黒色のアルミナ−チタニア溶射膜を形成した。この溶射膜の表面を研磨番手#150と#400でバフ研磨した後、#320(79μm)の砥粒でサンドブラスト処理した。この表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.92μm、最大高さ(Rmax)は9.66μm、十点平均粗さ(Rz)は7.28μmである。
(サンプル3)
一般構造用圧延鋼材(SS400)の表面に黒色のアルミナ−チタニア溶射膜を形成した。研磨は行わなかった。この表面の中心線平均粗さ(Ra)は5.75μm、最大高さ(Rmax)は48.20μm、十点平均粗さ(Rz)は31.80μmである。
(サンプル4)
一般構造用圧延鋼材(SS400)の表面に黒色のアルミナ−チタニア溶射膜を形成した。この溶射膜の表面を研磨番手#150と#400でバフ研磨した後、研磨番手#8000でバフ研磨し、更に#320(79μm)の砥粒でサンドブラスト処理した。この表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.95μm、最大高さ(Rmax)は9.25μm、十点平均粗さ(Rz)は6.30μmである。
(サンプル5)
一般構造用圧延鋼材(SS400)の表面に黒色のアルミナ−チタニア溶射膜を形成した。この溶射膜の表面を研磨番手#150と#400でバフ研磨した。この表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.42μm、最大高さ(Rmax)は4.74μm、十点平均粗さ(Rz)は3.16μmである。
(サンプル6)
一般構造用圧延鋼材(SS400)の表面に黒色のアルミナ−チタニア溶射膜を形成した。この溶射膜の表面を研磨番手#280でバフ研磨した。この表面の中心線平均粗さ(Ra)は4.00μm、最大高さ(Rmax)は28.95μm、十点平均粗さ(Rz)は20.45μmである。
(サンプル7)
一般構造用圧延鋼材(SS400)の表面にレイデント処理を施したもの。この表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.42μm、最大高さ(Rmax)は3.70μm、十点平均粗さ(Rz)は2.71μmである。
[評価試験]
(単体反射率)
各サンプルに対して、正面側から可視光を照射し、正面側への反射光を分光光度計で測定した。
(フィルム付き・水充填反射率)
各サンプルの表面に、水を介して光透過性フィルムAを配置した。光透過性フィルムAとしては、ベースフィルム8が厚み150μmのPETフィルムであり、コーティング層9が厚み20μmのシロキサン系反射防止膜であるものを用いた。
この状態で、各サンプルに対して、正面側から可視光を照射し、正面側への反射光を分光光度計で測定した。
上記分光光度計での測定結果に基づいて、可視光域での平均反射率(視感平均反射率)、可視光域での反射率が最小となる光の波長(最小反射波長)、並びに前記最小反射波長における反射率(最小反射率)を導出した。その結果を下記表1に示す。
Figure 0005255341
上記の通り、中心線平均粗さが0.4μm以上であるサンプル2〜7では反射率が良好であった。また、Rz、Rmaxの値が大きいサンプル3,6では、撮像部1により前記凹凸が検知されたり、凹凸により光透過性フィルムAにキズがついたりする恐れがあった。また、表面粗さが同程度であるサンプル5,7を比較すると、両者は共に反射率が良好であるが、特にサンプル7の反射率が良好であり、レイデント処理により反射率が改善されることが確認された。このため、上記サンプルのうちではサンプル2,4,7が、観察用補助部材2の材質として特に好適である。
本発明の実施の形態の一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態の他例を示す一部の概略図である。 光透過性フィルムの構成の一例、及びこの光透過性フィルムに生じる欠陥の様子を示す概略の断面図である。 (a)(b)は充填材の作用を示す拡大した概略図である。
符号の説明
A 光透過性フィルム
1 撮像部
2 観察用補助部材
3 検出手段
4 充填材
6 照明手段

Claims (1)

  1. 光透過性フィルムの裏面側に配される観察用補助部材、
    前記光透過性フィルムに一面側から光を照射する照明手段、
    前記照明手段から照射され、光透過性フィルムの一面側で反射された特定波長域の光を受光して撮像する撮像部、及び
    前記撮像部による撮像で得られた画像から光透過性フィルムの欠陥を検出する検出手段を具備し、
    前記観察用補助部材の表面を前記特定波長域の光を吸収するように有色化するとともに、前記光透過性フィルムの裏面と前記観察用補助部材との間に空気を排除して充填材を介在させ、さらに観察用補助部材の表面を、表面粗度について中心線平均粗さ(Ra)が0.4μm以上であり、十点平均粗さ(Rz)が20μm未満であり、且つ最大高さ(Rmax)が40μm未満であるように粗面化することによって、前記観察用補助部材に、この観察用補助部材での前記特定波長域の光の反射率を低減する反射率低減化処理が施されていることを特徴とする光透過性フィルムの欠陥検出装置。
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