JP2736521B2 - ロール状フィルムの検査方法及び装置 - Google Patents

ロール状フィルムの検査方法及び装置

Info

Publication number
JP2736521B2
JP2736521B2 JP31352895A JP31352895A JP2736521B2 JP 2736521 B2 JP2736521 B2 JP 2736521B2 JP 31352895 A JP31352895 A JP 31352895A JP 31352895 A JP31352895 A JP 31352895A JP 2736521 B2 JP2736521 B2 JP 2736521B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
roll
film
defect
inspection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP31352895A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09133638A (ja
Inventor
博実 神野
勝彦 青木
浩一 高橋
洋巳 辻
徳彦 舩倉
泰雄 奥村
貞保 太田
雄一 伊藤
束 小野
啓文 八木
雅文 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP31352895A priority Critical patent/JP2736521B2/ja
Publication of JPH09133638A publication Critical patent/JPH09133638A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2736521B2 publication Critical patent/JP2736521B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、巻芯にロール巻き
されたロール状フィルムの検査方法に関し、詳しくは、
巻芯に巻き取られたフィルムの内部に生じた欠陥、例え
ば、旋回じわ、巻芯じわ、黒ブツ、フィッシュアイなど
をイメージセンサーで検出するためのロール状フィルム
の検査方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から巻芯にロール巻きされたロール
状フィルムの品質検査を画像処理技術を用いて自動化す
る試みが行われているが、フィルムを巻芯に巻取る際に
往々発生する巻き始めじわ、巻き終わりじわや紙管のラ
セン(継ぎ目)などと本来の欠陥との区別が困難なた
め、未だ実用化の段階に到っていない。
【0003】他方、ロール状に巻き取る以前のシート状
フィルムに生じている欠陥を検査する画像処理装置とし
ては種々の市販品が存在するが、この装置では当然のこ
とながら検査以降に混入する異物や巻取り中に発生する
皺等を検出することができない。上記の次第で、ロール
状フィルムの品質検査は専ら作業者による目視に頼らざ
るを得ないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】フィルムがロール巻き
されたロール状フィルムをイメージセンサーで検査する
際、検出したい本来の欠陥、例えば旋回じわ、巻芯じ
わ、黒ブツ、フィッシュアイなどの他に、ロール状フィ
ルムの品質上の欠陥ではない巻き始めじわ、巻き終わり
じわ、紙管雲、紙管のラセンなどがあたかも欠陥の如く
検出される。このような品質上の欠陥ではないがイメー
ジセンサーで検出されるものを疑似欠陥と称する。
【0005】疑似欠陥と本来の欠陥を判別するため、通
常、画像処理方法では、特徴パラメーターを識別関数に
よりクラス分けして対象を弁別する。このため、疑似欠
陥と黒ブツなどの欠陥が同じ様なパラメーター値をとる
場合には、両者の識別は容易ではないことはよく知られ
ている。特に、黒ブツは時に直径が1mm以下と小さい
ために疑似欠陥が点状の画像情報を与える場合、特徴パ
ラメーターのみにより両者を弁別することは容易ではな
い。このため、画像処理に頼った検出精度には限りがあ
る。これを補う目的でロール状フィルムの形体的特徴を
有効に利用した光学系を考案し、検出精度を向上させる
欠陥検出方法及び装置の開発が課題とされていた。本発
明はこのような課題を解決することも目的とするもので
ある。
【0006】即ち、本発明の目的は、巻芯にロール巻き
されたロール状フィルムの内部に生じた欠陥を、光学的
手段により疑似欠陥信号を抑制、分離すること(光学的
フィルタリング)と画像処理技術(電子画像的フィルタ
リング)とを組み合わせて、精度良く検査する手段を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るロール状フ
ィルムの検査方法は、ロール状フィルムに対し、その
軸と平行に主光或いは主光及び副光を照射することによ
り、欠陥の信号を強調し、且つ、疑似欠陥の信号を抑制
する光学系を用い、ロール状フィルム内部の欠陥信号を
イメージセンサーに取り込み、得られた画像情報に従っ
て欠陥を検出、評価すること、欠陥と同時に検出され
る疑似欠陥を特徴パラメーターにより分別すること、を
それぞれ特徴とし、また、本発明に係るロール状フィル
ムの検査装置は、ロール状フィルムを一定の位置で回
転させる手段と、該ロール状フィルムの回転軸と平行に
主光或いは主光及び副光を照射する手段と、前記照射手
段により照射された光をイメージセンサーで取り込む手
段と、前記手段により得られた画像情報を、欠陥の信号
を強調し、且つ、疑似欠陥の信号を抑制する光学系を備
えたこと、を特徴とする。
【0008】
【作用】本発明の特徴は、光学的フィルタリング、電子
画像的フィルタリング、検査法を実現するための光学
系、及びロール状フィルムの精密な取り扱いを目的とし
たマテリアルハンドリング系からなる検査システムであ
る。一般に目視検査においては、ワークを散光の下に置
き、人間のパターン認識能力に頼って欠陥を見出し評価
する。
【0009】本発明の光学的フィルタリングは、画像処
理技術の限界に鑑み、先ず、画像取り込みにおける光学
的手段を工夫して、本来の欠陥の光学的応答を強調し、
ロール状フィルムに特有の疑似欠陥の光学的応答の発生
を抑止、抑制する。
【0010】ロール内に照明光を導入するに当たり、欠
陥より有効な光学的応答を獲得し、潜在的疑似欠陥を可
能な限り照射せず、余分な背景光を発生せしめずに有効
な照度を確保するため、指向性を有する光源を採用す
る。
【0011】光源あるいは照明は、ロール状フィルムの
形状からして、その軸に平行に配置した線状光源照明を
採用する。これを主光と呼ぶ。一部の欠陥の応答とロー
ル表面の潜在的疑似欠陥の応答が画像に共存するのを避
けるため、ロール状フィルムの表面に主光の光束とは別
途に調整した光束を当てて、疑似欠陥の応答を欠陥の応
答とは明暗の反対側に転ずる。これを実現するために
は、ロール状フィルムの軸に平行に配置した分散性の照
明を採用する。主光に対比し、この照明の光束を副光と
呼ぶ。
【0012】電子画像的フィルタリングは、光学的フィ
ルタリングを通じて得られた画像に対して、画像処理技
術を適用し、本来の欠陥を検出し、且つ評価するため、
特徴パラメーターを識別関数により、クラス分けする欠
陥弁別法を採用する。検査装置は重量物であるロール状
フィルムを迅速、確実に取り扱い、走査に必要な回転を
与え、光学系を精密に保持、調整する機能を具備させ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】先ず、ロール状フィルム及び検査
対象である欠陥などについて説明する。ロール状フィル
ムは、紙製などの筒を芯にしてフィルムが巻き取られた
ものである。フィルムの長さは1000m或いは500
mなど種々あり、また、幅にも種類がある。これらは規
格により定められている。検査の対象となるフィルムと
しては、透明なラップフィルムが代表的であるがロール
状に巻き取った透明なフィルムであれば、材質、厚み、
用途などを問わず検査対象とすることができる。
【0014】欠陥及び疑似欠陥についてそれぞれの性
状、発生の機序及びロール状フィルム内の位置などにつ
いて説明する。図1に欠陥(皺と異物)の発生位置を示
す。皺は、巻き取りのために走行させたシートフィルム
に発生した弛み或いは皺がそのままロール中に巻き取ら
れたものである。この皺は、ロール中の発生する場所に
よって区別するのが便であり、例えば、発明者らは、巻
芯近くで発生するものを巻芯じわ、巻取機の操作に由来
して、より外側に発生するものを旋回じわと呼んでい
る。
【0015】異物には、フィッシュアイと黒ブツの2種
類があり、フィッシュアイは、製膜時に各種添加剤の分
散バラツキにより、樹脂流路滞留部で発生する半透明の
未熔融樹脂である。そして、黒ブツは、フィルム走行中
に付着するゴミ及び製膜時に樹脂流路部やスクリューフ
ライト部で樹脂の流れが滞ったとき発生するコゲであ
る。これらがそのままロール中に巻き取られたものを異
物と呼んでいる。
【0016】疑似欠陥には、紙管の螺旋、巻き始め皺、
巻き終わり皺、紙管雲と本発明者らが呼ぶものがある。
紙管の螺旋は、フィルムを巻き取る紙管の製造上の理由
で生じるものである。巻き始め皺と巻き終わり皺は、そ
れぞれフィルムの巻き始め端部と巻き終わり端部に生じ
るものである。紙管雲は、巻き取りに際してフィルムに
かかる張力が変化した場合に発生するものであり、フィ
ルムの層間に空気を巻き込んだものである。
【0017】図2に、本発明に係る検査方法のシステム
構成を示す。走査して画像をイメージセンサーに取り込
むために、例えば、回転中のロール状フィルムに主光あ
るいは主光及び副光を疑似欠陥を抑制する方式で照射し
て、その反射光をイメージセンサーに取り込み、シェー
ディング補正、A/D変換を行った上、例えば、二値化
して画像処理を行い、判別と合否の判定を行う。
【0018】検査方法は、対象とする欠陥の光学的応答
を平均的背景に対して、明るい側とする方法(明欠陥
法)と逆に暗い側とする方法(暗欠陥法)に二大別でき
る。1種類の欠陥に対して、二つの検査方法が成立する
場合は、光学的フィルタリング及び電子画像的フィルタ
リングがより容易で、且つ、欠陥検出精度のより高い方
法を選択する。
【0019】次に、明欠陥法について説明する。 明欠陥法の光学的フィルタリング 代表例として、皺の検出方法を述べる。皺の検出系を図
3に示す。この場合、副光は用いない。主光は線状光源
である。線状光源とは、適当な前方指向性を有する点状
光源を線状に並べたもの、即ち光ファイバー照明、LE
D照明などである。
【0020】軸と直角方法(断面方向)の指向性を向上
させるため、全面に円筒レンズを付してもよい。また、
石英ガラスの円筒を積分体とし、スリットから光束を射
出せしめる光源を棒状光源と呼ぶこととする。片側ある
いは両側から1次光源の光を導入するので体積効率が良
く、ロール状フィルムの検査に適する。
【0021】皺は、基本的にはフィルムの畳み込み部分
に空気が巻き込まれた層が複雑に重なり合ったものであ
る。従って、皺に対して、指向性を有する照明を適切な
角度で照射することにより、皺に対応する反射光が生じ
る。この反射光をイメージセンサーで検出することによ
り、皺を評価することができる。皺よりの反射光と背景
光との強度差を際立たせるためには、ロール状フィルム
内に導入する照明光の指向性を高くすることと、皺に対
する入射角を選ぶことが重要である。旋回皺、巻芯皺の
ようにロール状フィルム内の位置(深さ)が紙管に近い
ものでは、主光が紙管より反射し、これが強い背景光と
なるから、特に、皺に対する入射角を大(例えば全反射
条件)とする。
【0022】欠陥に対する入射角の選択は、即ち、光学
的フィルタリングであるが、指向性光源を用いることに
より、ロール状フィルム表面に余分の背景光を生じせし
めないことも光学的フィルタリング効果である。
【0023】明欠陥法の電子画像的フィルタリング 実際の検出系で得られた画像情報を図4に示す。図4及
び図5はそれぞれ旋回皺、巻芯皺の画像例である。白い
部分が皺を表わしている。この画像は疑似欠陥の全く無
い画像なので白い部分の面積の合計で皺の強度を判断す
ることができる。
【0024】図6及び図7は別例で、それぞれ旋回皺、
巻芯皺の画像であるが、皺と同時に疑似欠陥となる紙管
雲、紙管の螺旋、巻き始め皺が検出された画像である。
画像処理技術により、皺と疑似欠陥を区別する方法、即
ち、電子画像的フィルタリングについて詳述する。
【0025】図8は、図6に示した旋回皺の画像を縦方
向に1/4に圧縮した画像である。図6に示すように旋
回皺は非常に大きな画像となる。この画像を処理するに
は時間をかなり要する。このため、画像の横方向はその
ままにして縦方向のみをこの例のように1/4に圧縮し
て画像処理して図8に示す画像とすると便利である。皺
は細長いので縦方向に圧縮してもその特徴は維持されて
いる。
【0026】図9は、皺と同時に検出される疑似欠陥を
模擬図で示したものである。皺は、縦に細長いのでWと
Lの比が小さな値となる。図7に見るように巻き始め皺
は、切れぎれの小さな点となるのでW、L共に小さな値
となる。紙管の螺旋は、斜めに細長い形状となるので、
SとW×Lの比が小さな値となる。紙管雲は横に大きな
形状となるのでWとLの比が大きな値となる。
【0027】サンプルワークのデーターについて、特徴
パラメーターを追求、選択してW、L、S、W/Lなど
を表1の如く設定し得た。この特徴パラメーターの一覧
表を利用すると、皺と疑似欠陥を区別することが可能と
なった。
【0028】実際のロール状フィルムのオンライン欠陥
検査に於いて、疑似欠陥を欠陥として検出している場合
は、適宜特徴パラメーターを変更し、特徴パラメーター
一覧表を修正することにより、疑似欠陥の誤検出を防止
することができた。
【0029】
【表1】
【0030】次に、暗欠陥法について説明する。暗欠陥
法は、ロール状フィルム内の欠陥の応答を、背景に対し
て暗側として欠陥を検出する方法である。代表例とし
て、異物の場合について説明する。ロール状フィルムに
対し、その軸と平行な線状光を照射して紙管面より反射
せしめ、同時にイメージセンサー取込み側近側のロール
状フィルム表面に分散光を重畳せしめることにより巻終
わり皺の情報を抑制する。
【0031】光学系模擬図を図10に示す。まず、疑似
欠陥である巻き終わり皺が存在しないロール状フィルム
表面について考察する。主光(強度Iro)は、ロール
状フィルムに導入され、紙管で散乱的に反射され、ロー
ル状フィルム表面より主光射出(強度Ir)として出て
イメージセンサーに到達する。主光(Iro)の紙管か
らの反射光路上に異物があると、そこで光の吸収、また
は散乱があるため、ロール状フィルム表面から出て、イ
メージセンサーに到達する光強度は、IrよりΔrだけ
減衰し、Idとなる。
【0032】 Id=Ir−Δr・・・・・ Δr=k・Ir ・・・・・ k:異物による減衰率 副光(強度Iso)を重畳するとロール状フィルム表面
の光強度は、主光射出(Ir)と副光反射(Is)の合
成されたものである。それをItとすると It=Is+Ir・・・・・ このItがイメージセンサーに入る光となる。欠陥検出
の目安は、欠陥信号と背景光の信号レベル比である。Δ
rとItの比、すなわち信号レベル比は下記となる。
【0033】 Δr/It=k・Ir/(Is+Ir) =k/(l+Is/Ir)・・・・・ 欠陥は、信号レベル比が大きい程検出しやすい。式よ
り、Irが大きい、またはIsが大きいとき、即ち、主
光射出が副光反射より相対的に強いときにΔr/Itは
大きくなる。即ち、信号レベル比を大きく維持し得る。
【0034】次に、ロール状フィルム表面の巻終わり皺
が存在する部分について考察する。巻き終わり皺は、フ
ィルム巻き終わり部分の一部がロール表面より不規則に
浮いたもので空気の層を挟む。樹脂と空気に屈折率の相
違から、この部分は光束の反射体となる。主光射出は減
少し暗信号となる。即ち、疑似欠陥信号となる。副光は
反射してイメージセンサーの明信号となり、これを相殺
する。即ち、疑似欠陥信号を抑制する。副光は、指向性
を弱くしてあることから副光自体が新しい影を作ること
はない。また、副光は巻物表面で概ね反射してしまうた
め、内部の異物に対しては照明効果を及ぼさないように
することができる。
【0035】巻き終わり皺の部分での主光射出と副光反
射の挙動は、該当の光束のみならず近傍の光束が多重反
射するので計算的解析は困難である。巻き終わり皺の下
のロール状フィルム表面は、関係する光束の反射面であ
る。この反射面と、その上に位置する皺の構造とから成
る系であることから予想されることではあるが、実験的
によりIs/Ir<lの範囲で副光の効果を実現しうる
ことを発見した。即ち副光を重畳せしめることによる信
号レベル比低下は1/2以下に止めることができる。
【0036】副光重畳の具体的方法について述べる。先
ず、主光のみを用い異物の信号レベル比(Δr/Ir)
を最大にならしめる条件を得た後、副光を重畳し、異物
の応答と疑似欠陥抑制効果の双方を見て、副光の強度、
方向などの条件の調整を進める。
【0037】副光重畳の一般的モデルを表示すると図1
1のようになる。即ち、1次的光源およびその光束を受
けて調整し、副光として適切なる光束(2次的光源)に
変換調整する手段からなる。
【0038】2次的光源を発出する光束の中、主光の射
出点であるA点に向かうのは一部である。空間的に許容
されるならば、不要な光束を抑止して背景光の増大を防
いでもよい。上述のように異物の信号レベル比を保持す
るためには、副光は必要にして最小限とすることが原則
である。
【0039】分散性の副光を実現する方法は種々存在す
る。光源としてはロール状フィルムの軸方向に光束条件
が均一なものを選ぶのが自然である。例えば、指向性を
有する各種ライン照明光を分散反射性の反射板に当てる
のも一法である。図13に示すように、光源自体が分散
性である蛍光灯の光束を通常の(分散性でない)反射板
に当て、ロール状フィルムの表面に向ける方法もある。
【0040】フィッシュアイ検出に有効な方法として、
図12に示すように、蛍光灯の光束を分散板である乳白
アクリル板を介してロール表面に導き、副光の光束の角
度分布を調整することにより、巻終わり皺の暗レスポン
スを抑制することができる。1次元イメージセンサーの
出力波形は、図14に示すようになる。主光単独の場合
は、異物信号(aおよびb)と巻き終わり皺信号(c)
が共に暗信号となるが副光を重畳させることにより、欠
陥信号である異物信号(a’およびb’)は、暗信号の
ままで、疑似欠陥信号である巻き終わり皺(c’)は、
明信号に転じるので容易に二値化処理ができる。
【0041】副光の強度を上げ、ロール状フィルム内部
に深く導入するとフィッシュアイなど無色系の信号レベ
ル比より著しく下がる(a→a’)。即ち、応答の消去
されぬ着色異物のみを選択的に検出することができる。
これを、図13の光学系で行ったものが黒ブツの検査系
である。
【0042】図12の異物検出系においては、図14に
見られるように、当然のことながら黒ブツも検出され
る。同一画像を異なったしきい値で二値化するとフィッ
シュアイと黒ブツを区分しうるが、軟質塩化ビニールの
押出機による製膜のように、樹脂のヤケ・コゲが重大関
心事である場合、黒ブツの検出限界については、特に性
能を上げることが求められる。よって、案出したのが図
13に示す光学系を用いた黒ブツの検出系であり、フィ
ッシュアイと黒ブツの間を光学的にフィルタリングによ
り区分する。この際、蛍光灯光源として、棒状光源のハ
ロゲンランプ波長分布に沿うように黄色蛍光灯(蛍光管
内面に蛍光フィルター用の塗布を付す)を用いると、紙
管の各種パターンの信号が抑制され黒ブツの検出限界
(径・色調)を向上せしめ得ることが発見された。
【0043】黒ブツ検出系の1次元イメージセンサーの
出力波形は、図14に示すようになる。主光単独の場合
は、黒ブツ信号(b)と巻き終わり皺信号(c)が共に
暗信号となるが、副光を重畳させることにより、欠陥信
号である黒ブツ信号(b)は暗信号のままで、疑似欠陥
信号である巻き終わり皺(c’)は、明信号に転じるの
で容易に二値化処理ができる。
【0044】暗欠陥法の電子画像的フィルタリング このような光学系を用いて得られた画像の信号極性の相
違を利用して、二値化すれば暗欠陥のみを取り出すこと
ができる。この信号を画像処理装置にて解析すれば、表
1に示すような比較的簡単なパラメータのみで欠陥の認
識、分類を行うことができる。
【0045】検査システム 上述の検査方法を実現するためのマテリアルハンドリン
グを含め統合した検査システムについて述べる。検査シ
ステムは、オンライン・リアルタイムの品質検査を目的
として、製膜・巻取工程の下流に直結して設置する場合
と、ストックポイントの下流などに設置し、出荷前検定
を行うなど、オフライン検査を目的とする場合がある。
本発明のシステムは、いずれにも適合するが、前者のオ
ンライン用途に堪える信頼性を有するものである。
【0046】本システムの具備すべき機能は次のようで
ある。 A: 製膜・巻取りを行われる前工程より連続的に送ら
れてくるロール状フィルム(以下「巻物」ともいう)を
バッチ処理である検査装置本体と整合して取り扱えるこ
と。 B: 多種の巻径、幅、及びフィルム色調の巻物銘柄に
機械的及び光学的に対応できること。 C: 重いワークである巻物(例えば、巻径φ160m
m、幅300mmで6kg)をタクトタイムを確保しつ
つ光学的精度を確保して(ワークは、検査時光学系の一
部となる)取扱いうること。
【0047】検査システムの代表的実施例として軟質塩
化ビニール製ラップフィルム用のシステムを図16、図
17及び図18により説明する。このシステムの設計ベ
ースは次の通りである。 巻物寸法: フィルム巻き長さ500m〜1000m、 巻径(巻物の外形)φ130mm〜φ160mm 幅250mm〜450mm 巻物色調: 黄色・・顔料無添加グレード 緑色・・顔料添加グレード システムの処理速度:約4本/分 検査すべき欠点:皺(巻芯皺、旋回皺)、フィッシュ
アイ、黒ブツの3検査系 検出精度: フィッシュアイ 1mm以上 黒ブツ 0.5mm以上 皺 10m以上 塩化ビニールフィルムの場合には、製膜時に樹脂にコゲ
が発生する傾向があるので、黒ブツの検査は、特に重要
である。
【0048】本システムは、巻径・幅検出装置、巻物分
離装置、検査装置、払出し装置で構成されている。図1
6に検査システムの構成を示す。前工程より搬送されて
きたロール状フィルムは、巻径・幅検出装置で欠陥検査
に先立って巻径及び幅の検出を行い、寸法不適格ワーク
を判別除去する。
【0049】巻物の幅については、検査装置の入口部分
で横方向に光電管を多数配置して、事前に概略寸法を測
定し、検査装置に予め入力された規格品以外であれば、
警報を発して装置を停止させ、精密な検査装置の保護を
行っている。また、幅と同じように検査装置の入口部分
で縦方向に光電管を多数配置して、事前に概略寸法を測
定し、検査装置に予め入力された規格品以外であれば、
警報を発して装置を停止させ、精密な検査装置の保護を
行っている。
【0050】製膜・巻取工程の監視を行うと同時に検査
装置の光学系の保護を行うという重要な機能を持つ。巻
物分離装置は、連続してシステムが受け入れる巻物を1
本ずつ取り上げて検査システムに供給する。
【0051】検査装置は、巻物分離装置より巻物を受け
取り、これを所定の位置まで持ち上げ、チャッキング機
構でチャッキングの後、巻物を回転させ、光学的に走査
せしめる。検査終了後、払出し装置に排出する。
【0052】払出し装置は、検査結果を基に、合格品は
ロボットハンドリング用の整列装置へ、不合格品は不良
品ストックコンベアーに搬送する機構となっている。
【0053】次に、検査装置について詳細に説明する。
検査装置は、多種の巻物銘柄に対応するとともに省スペ
ース化、高速化、重量物精密保持・回転の各種機能を具
備する。要部は、巻物昇降機構、巻物保持・回転機構、
照明アセンブリー、カメラより成る。照明、ワーク、カ
メラより成る光学的システムを光学系と呼び、先ず、光
学系に関わる工夫を述べる。
【0054】光学系の概略仕様は次の通りである。 1次元イメージセンサーカメラ 2048bit 6台 主光光源 棒状ライン照明 3式 副光光源 白色、黄色蛍光灯 各1式 反射板・分散板 アルミ、アクリル製 各1式 皺、フィッシュアイ、黒ブツの各検査系毎に、検査ステ
ージを設けると多大なスペースを必要とする。この検査
装置をインライン化するためには、省スペース化を実現
しなければならない。このため、図17に示すような光
学系の配置をとる。
【0055】ロール状フィルムを中心に、主光、副光、
カメラ(1次元イメージセンサー)を機械的干渉と光学
的干渉を考慮して、円周状に配置する。異物および黒ブ
ツ用カメラは、検出限度を高めるため2台併設し、そし
て、皺検出用カメラは、皺の反射応答確保のために、巻
芯皺、旋回皺用をそれぞれ設けた。また、黒ブツの検出
精度を高めるために、専用の検査系を設ける。
【0056】このように配置することにより1ステージ
で、皺、フィッシュアイ、黒ブツの各検査が可能とな
る。各光学系には、ロール状フィルムとの距離、角度を
精密に微調整できる機能を持たせている。銘柄毎の巻径
値を予め入力することにより、巻径変化に対応するよう
照明及びカメラを自動的に移動・固定する。ロール状フ
ィルムの色調が、黄色と緑色とでは、光の透過度がかな
り異なるので、主光の電圧を自動的に変更させ、イメー
ジセンサーの出力が色調が変化しても同じになるように
している。
【0057】ワーク1本のタクトタイムの中、定速回転
時間中に3検査系の画像取り込みをシーケンシャルに行
うことにより高速化を実現する。照明は、常時点灯と
し、光学系の干渉防止対策として、照明それぞれにシャ
ッターを取付け、検査系の照明或いは照明群のシャッタ
ーを順次開けて、画像を取り込む。また、シャッターは
回転方式のシャッターを採用して動作時間を短縮してい
る。
【0058】次に、巻物の取扱いに付いての工夫を述べ
る。図18に装置の模擬図を示す。カメラは位置決め・
保持機構を介して台枠に取りつける。照明部品は、左右
一対の移動可能な台座に位置決め・保持機構を介して取
付け、照明アセンブリーを構成する。ワークを保持・回
転機構にチャッキングする際は、アセンブリーを左右に
分かち、上昇するワークに通路を開く。ワークをチャッ
キング完了後、アセンブリーを閉じる。画像取り込み終
了後、再び左右のアセンブリーを分かち、ワークを保持
・回転機構より外して下ろす。
【0059】定位置にある回転軸に巻物をチャッキング
する際、巻物の芯が回転軸芯と大きな不一致があると紙
管が損傷する。巻物は銘柄により使用する紙管の径(呼
径)を変えないのが一般である。即ち、紙管内径は一定
である。このことを利用して位置合わせを精密に行うた
めの昇降装置制御法は次の通りである。
【0060】チャッキング装置の中央部に投受光の光電
管を取り付け、上昇する巻物の上面でONとなり、紙管
の上面通過でOFFとする。制御ロジックにて、このO
N・OFFの組合せを巻物上昇終点信号とし、エアーシ
リンダー制御回路に入力する。即ち、OFFとなってか
らの一定時間内の上昇で停止させれば、常に紙管のセン
ターでチャッキングできる。このようにすることによ
り、ロール状フィルムの寸法が銘柄によって変化しても
正確にチャッキングできる。
【0061】以上のような機能を検査装置に具備させる
ことにより、ロール状フィルムを迅速、確実に取扱、検
査に必要な光学系を精密に保持、調整する機能を持った
検査装置が実現される。本装置の性能は、インラインの
目視検査と同等であることが実証された。
【0062】
【発明の効果】本発明には以下の効果が認められ、上記
した課題が解決した。 曖昧さの除去、即ち、作業者の熟練度に頼っていた検
査を画像処理で数値化することにより、ロール状フィル
ムの欠陥を定量的に検査できる。 個人差が除かれ、何時でも同じ検査結果が得られ、誤
判定がなくなる。 省力化、自動化が図られる。 作業者が長時間の単純作業から解放され、作業者の疲
労の原因の一つが無くなる。 個別の欠陥の発生状況、動向を把握でき電子化により
品質管理、生産管理ができる。 オンラインによる工程管理ができる。 皺、フィッシュアイ、黒ブツの検査系を一軸の単一検
査ステージにまとめることにより、省スペース化が図れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロール状フィルム内部欠陥及び疑似欠陥の位置
【図2】システム構成図
【図3】皺検出系
【図4】旋回皺画像
【図5】巻芯皺画像
【図6】旋回皺画像
【図7】巻芯皺画像
【図8】旋回皺画像を1/4に圧縮した画像
【図9】皺と疑似欠陥
【図10】異物検出系模擬図
【図11】副光の一般的モデル図
【図12】分散性副光を実現する方法 例2
【図13】分散性副光を実現する方法 例1
【図14】黒ブツ検査系のイメージセンサー出力波形
【図15】異物検査系のイメージセンサー出力波形
【図16】装置概要図
【図17】単1検査ステージの光学系
【図18】光学系の模擬図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 勝彦 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井東圧化学株式会社内 (72)発明者 高橋 浩一 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井東圧化学株式会社内 (72)発明者 辻 洋巳 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井東圧化学株式会社内 (72)発明者 舩倉 徳彦 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井東 圧化学株式会社内 (72)発明者 奥村 泰雄 千葉県習志野市茜浜2丁目8番の1号 東洋エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 太田 貞保 千葉県習志野市茜浜2丁目8番の1号 東洋エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 伊藤 雄一 東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 東洋エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 小野 束 愛知県蒲郡市宮成町13番35号 興和株式 会社 蒲郡工場内 (72)発明者 八木 啓文 愛知県蒲郡市宮成町13番35号 興和株式 会社 蒲郡工場内 (72)発明者 森 雅文 愛知県蒲郡市宮成町13番35号 興和株式 会社 蒲郡工場内 (56)参考文献 実開 昭63−132348(JP,U) 実開 昭62−117560(JP,U) 実開 昭62−189650(JP,U) 実開 昭58−72654(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロール状フィルムに対し、その軸と平行に
    主光或いは主光及び副光を照射することにより、欠陥の
    信号を強調し、且つ、疑似欠陥の信号を抑制する光学系
    を用い、ロール状フィルム内部の欠陥信号をイメージセ
    ンサーに取り込み、得られた画像情報に従って、欠陥を
    検出、評価することを特徴とするロール状フィルムの検
    査方法。
  2. 【請求項2】欠陥と同時に検出される疑似欠陥を特徴パ
    ラメーターにより分別することを特徴とする請求項1に
    記載したロール状フィルムの検査方法。
  3. 【請求項3】ロール状フィルムを一定の位置で回転させ
    る手段と、該ロール状フィルムの回転軸と平行に主光或
    いは主光及び副光を照射する手段と、前記照射手段によ
    り照射された光をイメージセンサーで取り込む手段と、
    前記手段により得られた画像情報を、欠陥の信号を強調
    し、且つ、疑似欠陥の信号を抑制する光学系を備えたこ
    とを特徴とするロール状フィルムの検査装置。
JP31352895A 1995-11-07 1995-11-07 ロール状フィルムの検査方法及び装置 Expired - Lifetime JP2736521B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31352895A JP2736521B2 (ja) 1995-11-07 1995-11-07 ロール状フィルムの検査方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31352895A JP2736521B2 (ja) 1995-11-07 1995-11-07 ロール状フィルムの検査方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09133638A JPH09133638A (ja) 1997-05-20
JP2736521B2 true JP2736521B2 (ja) 1998-04-02

Family

ID=18042405

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31352895A Expired - Lifetime JP2736521B2 (ja) 1995-11-07 1995-11-07 ロール状フィルムの検査方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2736521B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102013108308A1 (de) * 2013-08-01 2015-02-19 Schott Ag Verfahren und Vorrichtung zur Detektion in Bandrollen aus sprödhartem oder sprödbrechendem, zumindest teiltransparentem Material, sowie deren Verwendung
KR102387459B1 (ko) * 2015-11-20 2022-04-15 삼성전자주식회사 반도체 소자의 패턴 형성 방법
JP6916730B2 (ja) * 2017-12-26 2021-08-11 信越ポリマー株式会社 包装ロール体の製造装置
US20200348242A1 (en) * 2018-03-15 2020-11-05 Toray Industries, Inc. Foreign body inspecting method, inspecting device, film roll, and method of manufacturing film roll
JP7193951B2 (ja) * 2018-08-23 2022-12-21 信越ポリマー株式会社 シートのしわ検査方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09133638A (ja) 1997-05-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3754003B2 (ja) 欠陥検査装置及びその方法
WO2018150607A1 (ja) 外観検査装置、照明装置、撮影照明装置
US4469442A (en) Detecting irregularities in a coating on a substrate
US20230349836A1 (en) Surface inspection device, surface inspection method, and manufacturing method of metal strip
WO2017169242A1 (ja) 欠陥検査装置、及び欠陥検査方法
JP2736521B2 (ja) ロール状フィルムの検査方法及び装置
JP2004219108A (ja) 着色膜の膜厚ムラ検査方法及び装置
JP2012251983A (ja) ラップフィルム皺検査方法及び装置
JP3676092B2 (ja) 表面欠陥検査装置
JPH0453255B2 (ja)
JP2006138830A (ja) 表面欠陥検査装置
JP7317286B2 (ja) トッピングゴムシートのゴム付き不良検出装置
JP2007114125A (ja) 膜厚ムラ検査方法
JP2002365225A (ja) シート材の検査方法及び検査装置
JP6863350B2 (ja) 金属帯表面の検査方法および金属帯表面の検査装置
CN112078237B (zh) 一种具有自动烫印质量检测装置的烫印系统
JPH11326236A (ja) 表面層欠陥検出装置
JP2017150992A (ja) 検査装置及び検査方法
JPH0695077B2 (ja) ガラス壜の底面検査装置
JP2009229173A (ja) 薄膜コート未塗工部検査装置及び方法
JP2008241649A (ja) 缶の内面検査方法
JP2007155468A (ja) 欠点検査方法および欠点検査装置
JP2021107779A (ja) 検査装置および検査方法
JP2006258662A (ja) 表面検査方法
US11921044B2 (en) Inspection arrangement and method for fluorescence-based inspection