JP2010006339A - パワーユニットの支持構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】アイドリング振動等に対する防振効果を有効に発揮しつつ、パワーユニットの振れ回り振動に対しても有効な防振効果を発揮することの出来る、新規な構造のパワーユニットの支持構造を提供すること。
【解決手段】パワーユニット12における車両後方に配設されるリア側マウント24として、内部に封入された非圧縮性流体の流動作用に基づく振動減衰効果を発揮する流体封入式防振装置25を用い、該非圧縮性流体の流動作用に基づく振動減衰効果が車両前後方向の振動入力に対して発揮されるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車のパワーユニットを車両ボデーに対して防振支持するパワーユニットの支持構造に関し、特に、パワーユニットの振れ回り振動に対して有効な防振効果を発揮し得るパワーユニットの支持構造に関するものである。
良く知られているように、自動車において、エンジンやトランスミッション等を一体的に構成したパワーユニットは、車両ボデーへの振動伝達を軽減するために複数箇所でエンジンマウントを介して車両ボデーに防振支持されている。特にFR(フロントエンジン・リアドライブ)車の縦置きエンジンでは、パワーユニットの前後方向寸法が車幅方向寸法に比して大きく、且つ車両前方に位置するパワーユニット重量が車両後方に位置するトランスミッション重量に比して大きい。それ故、一般に、車両前方の2箇所と車両後方の1箇所の合計3箇所で、パワーユニットが車両ボデーに対してエンジンマウントを介して防振支持されている。
ところで、特に車両前後方向で縦長に配設されたパワーユニットでは、前方に揺動中心をもってパワーユニット後部がみそすり運動状に変位する振れ回り振動の問題が指摘されている。この振れ回り振動は、路面入力やクランキング入力等を起振力としてパワーユニットが振動せしめられる剛体振動であり、パワーユニットの前後方向の重量配分に対応してパワーユニットの前方に比して後方の支持ばね剛性が小さくされていること等による。一般に、10Hz前後の低い周波数域での大振幅振動として発生することから、従来構造のリア側エンジンマウントでは、かかる振れ回り振動に対して十分な防振効果を得ることが困難であった。
そこで、例えば特許文献1には、流体が封入された複数の流体室を連通するオリフィス通路を有する流体封入式防振装置をリア側エンジンマウントとして採用することが提案されている。この特許文献1は、流体封入式防振装置を、流体の流動作用に基づく振動減衰効果が車両左右方向の振動入力に対して発揮されるように配設したパワーユニットの支持構造を開示している。かかる構造に従えば、特にエンジンの始動時や停止時におけるパワーユニットのロール方向の低周波振動(クランク振動)を低減することが出来るとされており、同じく低周波振動である振れ回り振動に対しても有効な防振効果を発揮し得るようにも思える。
しかし、クランク振動よりもやや高い周波数を有するアイドリング振動も、ロール方向の振動であることが知られている。このアイドリング振動に対する防振性能も、自動車において重要視される防振性能なのである。また、オリフィス通路によって発揮される防振効果は、オリフィス通路がチューニングされた比較的に狭い周波数域だけで有効であり、チューニング周波数域よりも高い周波数域の振動に対しては、オリフィス通路が実質的に閉塞状態となって著しい高動ばね化を招き、十分な防振効果が得られなくなることも周知の事実である。
それ故、特許文献1に記載のパワーユニットの支持構造においては、リア側エンジンマウントのオリフィス通路をクランク振動の周波数にチューニングすることが出来、それによって振れ回り振動に対する防振性能の向上も期待できると考えられる。しかしながら、そのようなチューニングをすると、同じロール方向でクランク振動よりやや高周波数域のアイドリング振動が入力された場合には、著しい高動ばね化を招いてしまい、アイドリング振動に対する防振性能が著しく低下してしまうという問題が避けられない。従って、特許文献1に記載の発明は、アイドリング振動に対する防振性能が重要視される現状下、到底、実用性は認められない。
特開平11−190383号公報
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、アイドリング振動等に対する防振効果を有効に発揮しつつ、パワーユニットの振れ回り振動に対しても有効な防振効果を発揮することの出来る、新規な構造のパワーユニットの支持構造を提供することにある。
上述の如き問題に対して、本発明者は、アイドリング振動は車両前後方向の振幅を殆ど有さないのに対して、振れ回り振動は、車両前後方向にも振幅を有することに着目した。即ち、アイドリング振動は、パワーユニットのロールの慣性主軸を中心とした小振幅振動であって、パワーユニットの全体がロールの慣性主軸回りに動くことから車両前後方向の振幅は殆ど有さない。これに対して、振れ回り振動の場合には、前述のとおり、パワーユニットの車両前方が2箇所で支持されていると共にエンジンの重量が大きいことから支持ばね剛性が大きくされて振動振幅が小さいものの、分担荷重が小さくて支持ばね剛性が小さいパワーユニットの車両後方で大きな振動振幅を呈することとなる。要するに、アイドリング振動と振れ回り振動とは、その振動モード(振動態様)が大きく相違することに着目したのであり、特にパワーユニットの車両後方部分における両者の振動振幅が大きく異なることに着目した。即ち、振れ回り振動では、パワーユニットの車両後方が大きく振れ回り、パワーユニットの車両後方の変位が車両前後方向成分を無視できない大きさで有することとなる。例えば、車両の左右方向視を想定すると、振れ回り振動の如き大振幅振動では、車両前後方向に並進運動を伴って車両上下方向に延びる弧状に大きく振動変位することから、車両前後方向にも有効な振幅を有することとなるのである。
このように、本発明者は、アイドリング振動は車両前後方向の振幅を殆ど有さない振動であるのに対して、振れ回り振動は車両前後方向の振幅をも有する振動であるという違いに新たに着目し、本発明を完成するに至ったものである。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
すなわち、本発明の第一の態様は、FR型縦置きエンジン形式の自動車のパワーユニットを車両前方の2箇所と車両後方の1箇所でそれぞれエンジンマウントを介して車両ボデーに対して防振支持するパワーユニットの支持構造において、前記3箇所に配設されるエンジンマウントのうち前記車両後方に配設されるリア側マウントとして、内部に封入された非圧縮性流体の流動作用に基づく振動減衰効果を発揮する流体封入式防振装置を用い、該非圧縮性流体の流動作用に基づく振動減衰効果が車両前後方向の振動入力に対して発揮されるようにしたことを、特徴とする。
本態様に従う構造とされたパワーユニットの支持構造によれば、車両前後方向の振動入力に対して、リア側マウントの非圧縮性流体の流動作用に基づく振動減衰効果が発揮される。そこにおいて、本態様の流体封入式防振装置は、振れ回り振動の周波数域である10Hz前後の振動に対して有効な振動減衰効果が発揮されるように設定される。そして、前述のように、振れ回り振動は、パワーユニットの重心が車両前方に位置することから、車両前方を揺動中心として車両後方が振れ回り慣性主軸回りで円運動をするような、車両前後方向の並進運動を伴う大振幅振動であることから、大きく振れ回るパワーユニットの車両後方を支持するリア側マウントとして用いる流体封入式防振装置の振動減衰効果を、車両前後方向成分の振動入力に対して発揮せしめることによって、振れ回り振動に対する有効な防振効果を発揮することが出来る。
そして、特に本態様においては、流体封入式防振装置の高減衰効果が、車両前後方向の振動入力に対して発揮されることから、振れ回り振動よりも高い略20Hz〜略40Hz程度の周波数域を有するアイドリング振動が入力された場合には、アイドリング振動は車両前後方向成分を殆ど有さない小振幅振動であることから、流体封入式防振装置に著しい高動ばね化を招くことも回避され得る。これにより、本態様に従うパワーユニットの支持構造によれば、アイドリング振動に対する有効な防振効果を発揮しつつ、振れ回り振動の低減を図ることが出来る。
なお、本態様におけるFR型とは、車両前方に配設されたエンジンの駆動力がトランスミッションで増減されて、車両前後方向に延びるプロペラシャフトを通じて後輪に伝達されるフロントエンジン・リアドライブ型の駆動方式をいう。また、縦置きエンジン形式とは、エンジンのクランクシャフトの軸方向が車両前後方向に配設されるものをいう。また、車両前方に配設されるフロントマウントとしては、従来公知のエンジンマウントが適宜に採用可能であり、好適には、従来公知の流体封入式防振装置が用いられる。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係るパワーユニットの支持構造において、前記パワーユニット側および前記車両ボデー側の何れか一方に取り付けられる第一の取付部材と、該パワーユニット側および該車両ボデー側の他方に取り付けられる第二の取付部材とを本体ゴム弾性体で連結すると共に、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて非圧縮流体が封入された複数の流体室を設け、それら複数の流体室を相互に連通する第一のオリフィス通路を設けることによって、該第一のオリフィス通路を通じての非圧縮性流体の流動作用に基づいて振動減衰効果を発揮する第一の流体封入式防振装置を構成し、該第一の流体封入式防振装置を前記リア側エンジンマウントに採用したことを、特徴とする。
本態様によれば、第一の取付部材と第二の取付部材の間に振動が入力された場合には、複数の流体室に相対的な圧力変動が惹起せしめられて、それら流体室を連通するオリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用等に基づいて、有効な振動減衰効果を発揮することが出来る。
本発明の第三の態様は、前記第二の態様に係るパワーユニットの支持構造において、前記第一の流体封入式防振装置において前記流体室の壁部を構成する前記本体ゴム弾性体が、前記パワーユニットの支持状態において前記流体室を挟んだ車両上下方向で対称形状とされていることを、特徴とする。
本態様によれば、振れ回り振動の如き車両前後方向成分を有する振動が入力された場合には、複数の流体室の相対的な容積変化が生ぜしめられて、第一のオリフィス通路を通じての流体流動が生ぜしめられる一方、アイドリング振動の如き車両上下方向の振動が入力された場合には、複数の流体室の相対的な容積変化が低減されることから、アイドリング振動入力時に第一のオリフィス通路内で流体流動が生ぜしめられることも回避され得て、アイドリング振動に対する防振効果をより安定して発揮することが出来る。
本発明の第四の態様は、前記第二又は第三の態様に係るパワーユニットの支持構造において、中実又は中空のロッド形状を有する前記第一の取付部材の外周側に筒形状を有する前記第二の取付部材を所定距離を隔てて配設し、これら第一の取付部材と第二の取付部材とを前記本体ゴム弾性体で連結すると共に、前記流体室を該第二の取付部材の周方向で該第一の取付部材の周りに複数設けて、それら複数の流体室の少なくとも一対を前記第一のオリフィス通路で相互に連通して前記第一の流体封入式防振装置を構成すると共に、該第一のオリフィス通路で相互に連通された流体室が、該第一の取付部材を挟んで車両前後方向で対向するように前記リア側エンジンマウントを配設したことを、特徴とする。
本態様によれば、第一の取付部材と第二の取付部材の間に車両前後方向の振動が入力された場合には、車両前後方向で第一の取付部材を挟んで配設された流体室間に相対的な圧力変動が惹起される。その結果、第一のオリフィス通路に流体流動が生ぜしめられて、有効な高減衰効果を得ることが出来る。これにより、車両前後方向成分を有する振れ回り振動に対する有効な防振効果を発揮することが出来る。
本発明の第五の態様は、前記第二乃至第四の何れか一つの態様に係るパワーユニットの支持構造において、車両上下方向の振動入力時に前記本体ゴム弾性体の弾性変形に基づいて圧力変動が惹起される受圧室と、壁部の一部が可撓性膜で形成されて容積変化が許容される平衡室とを形成して、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体を封入すると共に、該受圧室と該平衡室を相互に連通する第二のオリフィス通路を設けて第二の流体封入式防振装置を構成し、該第二の流体封入式防振装置を前記リア側エンジンマウントに採用したことを、特徴とする。
本態様によれば、車両上下方向の振動が入力された場合には、受圧室と平衡室の相対的な圧力変動が惹起される。その結果、第二のオリフィス通路に流体流動が生ぜしめられて、有効な高減衰効果が発揮される。これにより、車両上下方向の振動であるアイドリング振動に対して、第二のオリフィス通路による高減衰効果を発揮せしめることが出来て、アイドリング振動に対してより優れた防振効果を発揮することが出来る。
本発明の第六の態様は、前記第五の態様に係るパワーユニットの支持構造において、前記リア側エンジンマウントにおいて、前記第一のオリフィス通路で連通される前記複数の流体室と、前記第二のオリフィス通路で連通される前記受圧室および前記平衡室とが、相互に独立して形成されており、これら第一のオリフィス通路および第二のオリフィス通路において、車両前後方向の振動入力時には該第一のオリフィス通路にだけ有効な流体流動が生ぜしめられると共に、車両上下方向の振動入力時には該第二のオリフィス通路にだけ有効な流体流動が生ぜしめられるようになっていることを、特徴とする。
本態様によれば、第一のオリフィス通路による高減衰効果と第二のオリフィス通路による高減衰効果が互いに独立して発揮され得ることから、第一のオリフィス通路のチューニング周波数を振れ回り振動の周波数に設定すると共に、第二のオリフィス通路のチューニング周波数をアイドリング振動の周波数に設定することによって、振れ回り振動とアイドリング振動のそれぞれに対して有効な高減衰効果を互いに独立して安定して発揮することが出来る。
本発明の第七の態様は、前記第六の態様に係るパワーユニットの支持構造において、第一の入力部材を筒状の第二の入力部材の一方の開口部側に離隔配置せしめて該第一の入力部材と該第二の入力部材を連結ゴム弾性体で連結すると共に、該第二の入力部材の他方の開口部側を前記可撓性膜で閉塞させて、それら連結ゴム弾性体と可撓性膜の対向面間に非圧縮性流体の封入領域を画成する一方、該第二の入力部材で支持された仕切部材で該非圧縮性流体の封入領域を二分せしめて、該連結ゴム弾性体で壁部の一部が構成された受圧室と該可撓性膜で壁部の一部が構成された平衡室を形成すると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通する第二のオリフィス通路を形成することにより前記第二の流体封入式防振装置を構成し、該第一の入力部材を前記第一の流体封入式防振装置の前記第一の取付部材に取り付けると共に、該第二の入力部材を前記第一の流体封入式防振装置の前記第二の取付部材に取り付けて前記リア側エンジンマウントを構成したことを、特徴とする。
本態様によれば、第一の流体封入式防振装置における第一の取付部材と第二の取付部材の間に入力された振動を、第二の流体封入式防振装置における第一の入力部材と第二の入力部材の間に安定して伝達することが出来て、第二の流体封入式防振装置における受圧室と平衡室との相対的な圧力変動、延いてはそれによる高減衰効果を安定して発揮することが出来る。これにより、第一の流体封入式防振装置による振れ回り振動に対する高減衰効果と、第二の流体封入式防振装置によるアイドリング振動に対する高減衰効果を、何れも安定して発揮することが出来る。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1に、本発明の第一の実施形態としてのパワーユニットの支持構造10の全体側面図を概略的に示す。パワーユニット12は、FR型自動車用のパワーユニットであり、内燃機関としてのエンジンユニット14とギアボックスとしてのミッションユニット16を含んで構成されて、エンジンユニット14で発生した出力やトルクを、ミッションユニット16の歯車列で車両走行に必要な出力やトルクに調節して出力軸(図示せず)に出力して、該出力軸からプロペラシャフト18を通じて駆動輪としての後輪に回転駆動力を伝達するようになっている。
より詳細には、パワーユニット12は、プロペラシャフト18の延出方向が車両前後方向(図1中、左右方向)となるように車両前後方向で縦長に配設されており、エンジンユニット14は、車両前方(図1中、左方)側に位置せしめられて、図示しないクランクシャフトの軸方向が車両前後方向となる縦置きに配置される。そして、車両の前方側に位置せしめられたエンジンユニット14の左右両側が一対のフロントマウント20を介して車両ボデーに設けられたフレーム22に対して防振支持されていると共に、車両の後方側に位置せしめられたミッションユニット16の左右方向中間部分がリア側マウントとしてのリアマウント24を介してフレーム22に対して防振支持されている。なお、図1においては、理解を容易とするために、リアマウント24を縦断面で示す。これにより、パワーユニット12は、車両前方側の2箇所と車両後方側の1箇所でそれぞれフロントマウント20およびリアマウント24で車両ボデーに対して防振支持されている。
図2乃至図4に、リアマウント24を示す。リアマウント24は、第一の流体封入式防振装置25がブラケット32に組み付けられて構成されている。第一の流体封入式防振装置25は、第一の取付部材としてのインナ軸金具26と第二の取付部材としてのアウタ筒金具28が、互いに径方向に所定距離を隔てて配設されていると共に、それらの間に介装された本体ゴム弾性体30によって連結された構造とされている。そして、リアマウント24は、第一の流体封入式防振装置25のインナ軸金具26がパワーユニット12のミッションユニット16に固定されると共に、アウタ筒金具28がブラケット32を介してフレーム22に固定されることによって、パワーユニット12と車両ボデーの間に介装されるようになっている。かかる装着状態下、パワーユニット12の分担支持荷重がインナ軸金具26およびアウタ筒金具28の軸方向に及ぼされるようになっており、防振すべき主たる振動は、インナ軸金具26およびアウタ筒金具28の軸直角方向に入力されるようになっている。なお、図2および後述する図5および図8においては、パワーユニット12の分担支持荷重が及ぼされた状態を示す。また、以下の説明において、上下方向とは、特に断りのない限り、原則として図2中の上下方向を言うものとする。
インナ軸金具26は、中実のロッド形状を有しており、その軸方向上端部が拡径されていると共に、軸方向下端部には、僅かに縮径されて軸方向に所定寸法に亘って延びる嵌合部34が形成されている。そして、インナ軸金具26は、中央に形成されたボルト孔36を用いてパワーユニット12のミッションユニット16に固定的に取り付けられるようになっている。更に、インナ軸金具26には、一体加硫成形品38が外嵌固定されている。
一体加硫成形品38は、小径円筒形状を有する内側スリーブ40の外周側に、略大径円筒形状を有する中間スリーブ42が径方向外方に離隔して内側スリーブ40の周りを囲む状態で略同軸上に配設されると共に、これら内側スリーブ40と中間スリーブ42の間に本体ゴム弾性体30が介装されて、本体ゴム弾性体30によって弾性的に連結された構造とされている。本体ゴム弾性体30は、厚肉の略円筒形状を有しており、その内周面が内側スリーブ40の外周面に加硫接着されていると共に、その外周面が中間スリーブ42の内周面に加硫接着されている。これにより、本体ゴム弾性体30は、その内外周面に内側スリーブ40と中間スリーブ42がそれぞれ加硫接着された一体加硫成形品38として形成されている。
かかる一体加硫成形品38を構成する本体ゴム弾性体30には、内側スリーブ40を挟んだ径方向一方向(図4中、左右方向)で対向位置せしめられるようにして、一対のポケット部44が形成されている。ポケット部44は、本体ゴム弾性体30の半周よりやや短い領域において、本体ゴム弾性体30の外周面に凹所状に開口せしめられている。更に、本体ゴム弾性体30は、パワーユニット12の分担支持荷重が及ぼされた状態で、後述する流体室52を挟んだ車両上下方向で略対称形状となるようにされている。
そして、本体ゴム弾性体30の外周面に加硫接着される中間スリーブ42は、内側スリーブ40よりもやや大きな軸方向寸法を有する略円筒形状とされており、その軸方向中間部分が所定幅に亘って径方向内方に突出せしめられることによって、径方向外方に開口して周方向に所定寸法に亘って延びる周状凹溝46が形成されている。かかる周状凹溝46の周方向両端部には、中間スリーブ42の厚さ方向に貫通する連通孔48がそれぞれ形成されており、本体ゴム弾性体30のポケット部44は、連通孔48を通じて中間スリーブ42の径方向外方に開口せしめられている。
このような構造とされた一体加硫成形品38に、アウタ筒金具28が外挿されている。アウタ筒金具28は、中間スリーブ42と略等しい軸方向寸法を有する大径の円筒形状とされており、その内周面には、薄肉のシールゴム層50が略全体に亘って被着されている。そして、アウタ筒金具28は、一体加硫成形品38に外挿せしめられた後、八方絞り加工等が施されて小径化されて一体加硫成形品38に外嵌固定されている。
これにより、インナ軸金具26の外周側にアウタ筒金具28が所定距離を隔てて配設されて、これらインナ軸金具26とアウタ筒金具28が本体ゴム弾性体30によって連結されると共に、中間スリーブ42の外周面がシールゴム層50で覆われることによって、ポケット部44によって、壁部の一部が本体ゴム弾性体30で形成されて、内部に非圧縮性流体が封入された一対の流体室52が形成される。かかる一対の流体室52は、アウタ筒金具28の周方向で所定距離を隔ててインナ軸金具26の周りに形成されており、インナ軸金具26の径方向でインナ軸金具26を挟んで対向位置せしめられている。更に、周状凹溝46がシールゴム層50で覆蓋されることによって、周状凹溝46の連通孔48を通じて、一対の流体室52を相互に連通する第一のオリフィス通路としてのオリフィス通路54が形成される。そこにおいて、本実施形態におけるオリフィス通路54は、パワーユニット12の振れ回り振動の周波数、具体的には、略10Hz程度の振動入力に対して、オリフィス通路54を流動せしめられる流体の共振作用に基づく防振効果が発揮されるようにその長さと断面積が設定されている。
なお、非圧縮性流体の封入は、例えば、一体加硫成形品38とアウタ筒金具28の組み付けを、かかる流体中で行うこと等によって行うことが出来る。また、非圧縮性流体としては、水やアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、シリコーン油等が採用され、特に流体の共振作用に基づく防振効果を有効に得るために、粘度が0.1Pa・s以下の低粘性流体が好適に採用される。
このような構造とされた第一の流体封入式防振装置25は、下方に開口する略カップ形状を有するブラケット32に厚入固定されており、ブラケット32の上底部に貫設された貫通孔56から、インナ軸金具26が突出せしめられている。また、ブラケット32には、下端縁部において径方向外方に突出するフランジ状部57にボルト孔58が貫設されており、ブラケット32は、ボルト孔58を用いて車両ボデーのフレーム22に固定されるようになっている。そして、インナ軸金具26が、ボルト等を介してパワーユニット12のミッションユニット16に取り付けられる一方、アウタ筒金具28が、ブラケット32を介してフレーム22に取り付けられることによって、リアマウント24が、パワーユニット12と車両ボデーの間に装着されることとなる。
そして、かかる装着状態下、インナ軸金具26とアウタ筒金具28間に対して、流体室52、52が対向する径方向の振動が入力されると、両流体室52、52間で相対的な内圧変化が生ぜしめられることとなり、かかる内圧変化に基づいて、オリフィス通路54を通じての流体流動が生ぜしめられる。その結果、オリフィス通路54を通じて流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づいて、有効な防振効果が発揮される。
特に本実施形態においては、図1に示したように、流体室52,52がインナ軸金具26を挟んで車両の前後方向で対向するようにパワーユニット12に固定されている。これにより、車両前後方向の振動入力に対して、オリフィス通路54を流れる流体の流動作用に基づく振動減衰効果が有効に発揮されるようになっている。
このような構造とされたパワーユニットの支持構造10においては、パワーユニット12に振れ回り振動が発生すると、パワーユニット12の車両後方に位置せしめられたミッションユニット16に、車両前後方向の並進運動を含む振動が生ぜしめられることによって、リアマウント24に対して、流体室52,52が対向する径方向の振動が入力される。これにより、流体室52,52に相対的な圧力変動が生ぜしめられて、オリフィス通路54を通じて流動せしめられる流体の流動作用に基づく振動減衰効果が発揮される。その結果、パワーユニット12の振れ回り振動が軽減される。
そこにおいて、特に本実施形態におけるパワーユニットの支持構造10においては、リアマウント24の流体室52,52が車両前後方向で対向せしめられている。そして、振れ回り振動よりも高い周波数域を有するアイドリング振動が入力された場合には、アイドリング振動は上下方向振動であることから、インナ軸金具26とアウタ筒金具28が車両上下方向で相対変位せしめられる。従って、流体室52、52の相対的な容積変化が抑えられて、オリフィス通路54における流体流動が殆ど生ぜしめられない。その結果、オリフィス通路54の実質的な閉塞状態に起因する高動ばね化を招くことが回避され得て、アイドリング振動入力時においても優れた振動絶縁効果を得ることが出来る。特に本実施形態においては、本体ゴム弾性体30が流体室52を挟んだ車両上下方向で対称形状とされていることから、アイドリング振動の如き上下方向の振動入力に際する流体室52、52の相対的な容積変化がより有効に抑えられており、車両上下方向の振動入力に対する振動絶縁効果がより有効に発揮されるようになっている。
なお、本発明におけるパワーユニットの支持構造において車両後方に配設されるマウントの具体的な構造は、上述の如き構造に限定されるものではない。以下に、車両後方に配設されるマウントの異なる態様を幾つか示すが、本発明がこれらの態様に限定される趣旨ではないことが、理解されるべきである。また、以下の説明において、前記第一の実施形態と実質的に同様の構造とされた部材および部位については、図中に同一の符号を付することにより、詳細な説明を省略する。
図5乃至図7に、本発明の第二の実施形態としてのパワーユニットの支持機構において車両後方に配設されるリア側マウントとしてのリアマウント60を示す。リアマウント60は、インナ軸金具26に対して、一対の一体加硫成形品62がオリフィス金具64を挟んで外嵌固定された第一の流体封入式防振装置66を含んで構成されている。
一対の一体加硫成形品62、62は互いに同様の構造とされており、小径円筒形状を有する内側スリーブ68の外周側に大径円筒形状を有する中間スリーブ70が径方向外方に離隔して内側スリーブ68の周りを囲む状態で略同軸上に配設されると共に、これら内側スリーブ68と中間スリーブ70の間に部分本体ゴム弾性体72が介装されて、部分本体ゴム弾性体72によって弾性的に連結された構造とされている。部分本体ゴム弾性体72は、略円筒形状とされており、内側スリーブ68を挟んだ径方向一方(図5中、左右方向)で対向位置せしめられるようにして、軸方向一方に開口する凹状のポケット部74,74が一対形成されている。かかる部分本体ゴム弾性体72の内外周面に内側スリーブ68と中間スリーブ70がそれぞれ加硫接着されることによって、一体加硫成形品62が形成されている。
また、オリフィス金具64は、略円筒形状を有しており、その軸方向中間部分が全周に亘って径方向外方に突出せしめられることによって、径方向内方に開口して全周に亘って延びる周状凹溝78が形成されている。かかる周状凹溝78には、径方向で対向してオリフィス金具64の厚さ方向に貫通する連通孔80が形成されている。
そして、一対の一体加硫成形品62の内側スリーブ68でオリフィス金具64を軸方向で挟んだ状態で、一対の内側スリーブ68とオリフィス金具64が、インナ軸金具26の嵌合部34に外嵌固定されている。
さらに、一対の一体加硫成形品62の中間スリーブ70は、軸方向で互いに当接せしめられており、これら中間スリーブ70に対して、アウタ筒金具28が外挿されて、アウタ筒金具28の軸方向両端部が径方向内方にかしめられることによって、中間スリーブ70にアウタ筒金具28が外嵌固定されている。
これにより、インナ軸金具26とアウタ筒金具28が一対の部分本体ゴム弾性体72で連結されており、本実施形態においては、一対の部分本体ゴム弾性体72によって本体ゴム弾性体82が形成されている。なお、本体ゴム弾性体82は、一対の部分本体ゴム弾性体72が重ね合わせ面間で互いに水密に加硫接着されて形成されている。
さらに、一方の一体加硫成形品62に形成されたポケット部74が、他方の一体加硫成形品62に形成されたポケット部74に対して上下方向で対向せしめられており、互いに上下方向で対向せしめられた一対のポケット部74によって、内部に非圧縮性流体が封入された流体室84が形成されている。これにより、本体ゴム弾性体82の内部には、インナ軸金具26を挟んで径方向で対向する一対の流体室84が形成されている。かかる本体ゴム弾性体82は、パワーユニット12の分担支持荷重が及ぼされた状態で、流体室84を挟んで車両上下方向で対称形状となるようにされている。なお、非圧縮性流体の封入は、例えば、一対の一体加硫成形品62とオリフィス金具64、およびインナ軸金具26とアウタ筒金具28の互いの組み付けを、非圧縮性流体中で行うこと等によって行うことが出来る。そして、オリフィス金具64の周状凹溝78がインナ軸金具26で覆蓋されることによって、周状凹溝78の連通孔80を通じて、一対の流体室84を相互に連通する第一のオリフィス通路としてのオリフィス通路86が形成される。かかるオリフィス通路86は、前記第一の実施形態と同様に、パワーユニット12の振れ回り振動の周波数域にチューニングされる。
このような構造とされたリアマウント60は、前記第一の実施形態と同様に、一対の流体室84が車両前後方向でインナ軸金具26を挟んで対向位置するように(図5における左右方向が車両前後方向となるように)、パワーユニット12のミッションユニット16に組み付けられる。
そして、本実施形態におけるリアマウント60によっても、車両前後方向、即ち、流体室84が対向する径方向の振動入力に対してオリフィス通路86を通じての流体流動に基づく振動減衰効果を発揮することが出来ることから、振れ回り振動に対する有効な防振効果を発揮することが出来る。それと共に、アイドリング振動等の上下方向の振動入力に対する流体室84、84の相対的な容積変化が抑えられてオリフィス通路86の実質的な閉塞状態に起因する高動ばね化も回避され得ることから、アイドリング振動等に対しても有効な振動絶縁効果を得ることが出来る。
また、図8に、本発明の第三の実施形態としてのパワーユニットの支持機構において車両後方に配設されるリア側マウントとしてのリアマウント90を示す。リアマウント90は、前記第一の実施形態における第一の流体封入式防振装置25の軸方向下方に、第二の流体封入式防振装置92が組み付けられた構造とされている。
第二の流体封入式防振装置92は、裁頭円錐台形状を有する第一の入力部材としての形状保持金具94と、筒形状を有する第二の入力部材としての筒金具96が連結ゴム弾性体98で連結された構造とされている。筒金具96の軸方向上方には、上方に向かって拡開するテーパ状部99が形成されていると共に、上端縁部には径方向外方に突出するフランジ状部100が形成されている一方、軸方向下端部には、径方向外方に突出する段差部102と、段差部102の外周縁部から軸方向下方に延びる大径のかしめ筒部104が一体形成されている。
そして、筒金具96の上側開口部の上方に離隔して形状保持金具94が同軸上に配設されて、これら筒金具96と形状保持金具94が連結ゴム弾性体98で互いに弾性的に連結されている。連結ゴム弾性体98は、円錐台形状を有するゴム弾性体で形成されており、大径側端面に開口する大径のすり鉢状の開口凹所が形成されている。そして、連結ゴム弾性体98の小径側端部には、形状保持金具94が埋め込まれて加硫接着されている一方、大径側端部外周面に、筒金具96のテーパ状部99の内周面が重ね合わされて加硫接着されている。これにより、連結ゴム弾性体98は、形状保持金具94と筒金具96を備えた一体加硫成形品とされており、筒金具96の軸方向上方の開口部が、連結ゴム弾性体98で流体密に覆蓋されている。また、筒金具96における段差部102よりも上方の内周面には、連結ゴム弾性体98が下方に延び出されることによって形成されたシールゴム層107が被着形成されている。
さらに、筒金具96には、仕切部材としての仕切金具108および可撓性膜としてのダイヤフラム110が組み付けられている。
仕切金具108は、仕切金具本体112と底金具114を含んで構成されている。仕切金具本体112は、薄肉の金属板にプレス加工を施す等して形成された略円板形状の部材であって、径方向外周部分には、軸方向上方に突出して軸方向下方および径方向外方に開口せしめられた周溝116が周方向で所定の長さに亘って連続的に形成されている。また、底金具114は薄肉の略円形平板形状とされており、仕切金具本体112よりやや大きな径寸法を有している。そして、仕切金具本体112に対して底金具114が同一中心軸上で下方から重ね合わされることによって、仕切金具108が形成されている。
一方、ダイヤフラム110は、変形容易な薄肉のゴム弾性膜によって形成されており、ダイヤフラム110の外周縁部には、円環プレート形状の支持金具118が加硫接着されている。
そして、これら仕切金具108とダイヤフラム110が、筒金具96に組み付けられる。具体的には、仕切金具108が筒金具96のかしめ筒部104に下方から挿入されて、底金具114の外周縁部が筒金具96の段差部102に下方から重ね合わされる。更に、ダイヤフラム110がかしめ筒部104に下方から挿入されて、支持金具118が仕切金具108の底金具114に対して下方から重ね合わされる。そして、かかる状態でかしめ筒部104の下端部がかしめられることによって、これら仕切金具108とダイヤフラム110が筒金具96にかしめ固定されている。
これにより、筒金具96の下側開口部がダイヤフラム110で流体密に覆蓋されて、連結ゴム弾性体98とダイヤフラム110の対向面間には、非圧縮性流体が封入された流体封入領域が形成されている。そして、かかる流体封入領域は仕切金具108で上下両側に二分されており、仕切金具108の上方には、壁部の一部が連結ゴム弾性体98で形成されて振動入力時に圧力変動が生ぜしめられる受圧室120が形成される一方、仕切金具108の下方には、壁部の一部がダイヤフラム110で形成されてダイヤフラム110の変形に基づいて容積変化が容易に許容される平衡室122が形成される。
さらに、仕切金具108において、仕切金具本体112に形成された周溝116の下方の開口部が底金具114で覆蓋されると共に、周溝116の径方向外方の開口部がシールゴム層107で覆蓋されることによって、周溝116を用いて周方向に所定長さで延びるトンネル状の流路が形成されている。そして、かかるトンネル状の流路の周方向一方の端部が、仕切金具本体112の周溝116の内周壁部を径方向で貫通する連通孔124を通じて受圧室120に連通せしめられている一方、トンネル状の流路の周方向他方の端部が、底金具114の厚さ方向で貫通する連通孔126を通じて平衡室122に連通せしめられている。これにより、周溝116を用いて、受圧室120と平衡室122を相互に連通する第二のオリフィス通路としてのオリフィス通路128が形成されている。なお、本実施形態では、オリフィス通路128の通路長や断面積を調節して、オリフィス通路128を通じて流動せしめられる流体の共振作用等に基づく高減衰効果が、アイドリング振動に相当する略20Hz〜略40Hzの周波数域の振動入力に対して発揮されるように設定されている。
そして、このような構造とされた第二の流体封入式防振装置92が、前記第一の実施形態における第一の流体封入式防振装置25に対して同一中心軸上で下方に組み付けられる。本実施形態においては、第一の流体封入式防振装置25が、有底円筒形状を有するカバー金具130に圧入されて、カバー金具130の上底部に貫設された貫通孔56からインナ軸金具26が突出せしめられると共に、第二の流体封入式防振装置92がカバー金具130に挿入されて、第二の流体封入式防振装置92のフランジ状部100が第一の流体封入式防振装置25の下方から重ね合わされる。そして、カバー金具130の下端部がかしめられることによって、カバー金具130を介してアウタ筒金具28に対して筒金具96が組み付けられて、これら第一の流体封入式防振装置25と第二の流体封入式防振装置92が同一中心軸上で重ね合わされた状態で互いに組み付けられる。
以上のようにしてリアマウント90が構成されており、リアマウント90は、例えば円筒形状を有するブラケット132に挿入されて溶接等で固定されると共に、ブラケット132の下端縁部において径方向外方に突出するフランジ状部に貫設されたボルト孔58を用いてブラケット132がフレーム22に固定される一方、インナ軸金具26がパワーユニット12に固定されることによって、パワーユニット12と車両ボデーの間に介装されることとなる。なお、本実施形態におけるリアマウント90においても、第一の流体封入式防振装置25の一対の流体室52,52が車両前後方向でインナ軸金具26を挟んで対向位置するようにパワーユニット12に固定される。
ここにおいて、第一の流体封入式防振装置25のインナ軸金具26は第二の流体封入式防振装置92の連結ゴム弾性体98を介して形状保持金具94と当接せしめられており、本実施形態においては、パワーユニット12の分担支持荷重を、第一の流体封入式防振装置25の本体ゴム弾性体30と第二の流体封入式防振装置92の連結ゴム弾性体98で支持することとなる。そして、本体ゴム弾性体30の上下方向の弾性変形が、連結ゴム弾性体98に及ぼされるようになっている。また、前記第一の実施形態と同様に、第一の流体封入式防振装置25の本体ゴム弾性体30は、パワーユニット12の分担支持荷重が及ぼされた状態で、流体室52を挟んだ車両上下方向で略対称形状となるようにされている。
このような構造とされたリアマウント90を用いれば、振れ回り振動の如き車両前後方向の並進運動を伴う振動が入力された場合には、形状保持金具94は殆ど変位せしめられることなく、インナ軸金具26のみが車両前後方向に変位せしめられる。これにより、第二の流体封入式防振装置92に設けられたオリフィス通路128には流体流動は殆ど生ぜしめられることなく、第一の流体封入式防振装置25に設けられたオリフィス通路54のみに流体流動を生ぜしめて、第一の流体封入式防振装置25による振動減衰効果を発揮せしめることが出来る。
一方、アイドリング振動の如き上下方向の振動が入力された場合には、第一の流体封入式防振装置25における本体ゴム弾性体30の上下方向の弾性変形が第二の流体封入式防振装置92の連結ゴム弾性体98に及ぼされて、受圧室120と平衡室122の間に相対的な圧力変動が惹起される。ここにおいて、本体ゴム弾性体30に形成された両流体室52、52は、本体ゴム弾性体30の上下方向の弾性変形では相対的な容積変化が殆ど生ぜしめられないことから、オリフィス通路54には流体流動は殆ど生ぜしめられることなく、オリフィス通路128のみに流体流動を生ぜしめて、第二の流体封入式防振装置92による振動減衰効果を発揮せしめることが出来る。
これにより、本実施形態によれば、アイドリング振動に対して第二の流体封入式防振装置92による高減衰効果を用いることによって、アイドリング振動に対するより有効な防振効果を得ることが出来る。特に本実施形態においては、振れ回り振動に対して高減衰効果を発揮する一対の流体室52、52とそれらを連通するオリフィス通路54が第一の流体封入式防振装置25に設けられる一方、アイドリング振動に対して高減衰効果を発揮する受圧室120および平衡室122とこれらを連通するオリフィス通路128が第二の流体封入式防振装置92に設けられて、互いに独立して形成されている。これにより、振れ回り振動とアイドリング振動に対する防振特性を各別に精度良くチューニングすることが出来て、振れ回り振動およびアイドリング振動の両方に対して有効な高減衰効果を発揮することが出来る。
次に、本発明に従う構造とされたパワーユニットの支持機構による防振効果を確認するために行なった試験の結果を、以下に示す。
先ず、パワーユニットに生じる剛体振動モードを確認するために、図9に示すように、フロントマウントとして流体封入式防振装置を用い、リアマウントとしてソリッドタイプのゴムマウントを用いた従来構造に従うパワーユニットの支持構造を備えた車両140に対して、油圧加振機142を用いて前タイヤ144の設置面から車両ボデーを加振せしめて、周波数を次第に変化させることによって、剛体振動モードを確認した。
図10に、パワーユニットにおける各マウント取付部位での車両上下方向の振動レベルの測定結果を示すと共に、図11に、車両左右方向での振動レベルの測定結果を示す。これらから明らかなように、リアマウントの取付部位において、10Hz付近で剛体共振が発生すること、即ち、振れ回り振動が10Hz付近で発生することが確認された。
次に、本発明に従う構造とされたパワーユニットの支持構造を実施例とすると共に、従来構造に従うパワーユニットの支持構造を比較例として、パワーユニットのリアマウント取付部位における左右方向の振動レベルを測定した結果を図12に、上下方向の振動レベルを測定した結果を図13に示す。なお、本試験においては、実施例として、前記第三の実施形態に従う構造とされたリアマウントを用いた。一方、比較例としては、従来公知のソリッドタイプのゴムマウントを用いた。なお、フロントマウントとしては、実施例および比較例の何れについても、同様の構造を備えた流体封入式防振装置を用いた。
図12から明らかなように、本発明に従う構造とされたパワーユニットの支持構造によれば、振れ回り振動に相当する10Hz付近で、左右方向の振動レベルを大幅に低減出来ることが確認された。更に、図13から明らかなように、本発明に従う構造とされたパワーユニットの支持機構は、上下方向の防振効果についても、従来構造に比してやや良好な結果を示している。これらの結果から、本発明に従う構造とされたパワーユニットの支持構造によれば、上下方向の防振効果を悪化せしめることなしに振れ回り振動を大幅に低減出来ることが確認された。
なお、図14に、振れ回り振動に相当する10Hz付近の振動入力時における、パワーユニットのフロントマウントおよびリアマウント取付部位のそれぞれについて左右方向の振動レベルを測定した結果を示す。なお、図14における縦軸は車両左右方向のマウント取付位置関係を示し、横軸は車両前後方向のマウント取付位置関係を示す。そして、図14中の各円の半径がフロントマウントおよびリアマウントの取付位置における振動レベルを示しており、円の半径が大きい程振動レベルが大きいことを示す。
図14からも、本発明に従う構造とされたパワーユニットの支持構造を用いることによって、従来構造に比してリアマウント取付位置における左右方向の振動レベルを大幅に低減出来ることが確認された。更に、図14から、本発明に従う構造とされたパワーユニットの支持構造を用いれば、フロントマウントとして同じ構造のマウントを用いたにも関わらず、パワーユニットのフロント側についても、左右方向振動を低減出来ることが明らかとなり、パワーユニットの全体的な振動を低減し得ることが確認された。
次に、リアマウントとして、従来構造に従うソリッドタイプのゴムマウントを用いたものを比較例1、車両左右方向の振動入力に対して振動減衰効果が発揮されるようにした流体封入式防振装置を用いたものを比較例2、本発明に従い、車両前後方向の振動入力に対して振動減衰効果が発揮されるようにした流体封入式防振装置を用いたものを実施例として、図15に、振れ回り振動に相当する周波数域における防振効果を測定した結果を示すと共に、図16に、アイドリング振動に相当する周波数域における防振効果を測定した結果を示す。なお、図15および図16に示す振動レベルは、車内フロアに生じる振動レベルを測定したものである。
図15から、振れ回り振動に相当する11Hz付近の振動入力に対しては、本発明の実施例が、比較例2と同等であって、比較例1よりも優れた防振効果を発揮し得ることが認められる。一方、アイドリング振動に相当する40Hz付近の振動入力に対しては、本発明の実施例が、比較例1と同等であって、比較例2よりも優れた防振効果を発揮し得ることが認められる。従って、これら図15及び16に表された結果から、振れ回り振動とアイドリング振動との両方の振動に対する総合的な防振性能を評価すると、比較例1及び比較例2に比して、本発明の実施例のエンジンマウントが優れた防振性能を奏し得ることが理解できる。
以上、本発明の幾つかの実施形態について説明してきたが、本発明は、これら実施形態における具体的な記載によって、何等限定されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様で実施可能であり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
例えば、リア側マウントに用いられる流体封入式防振装置には、従来公知の各構造が適宜に採用可能であって、図17に前記第一の実施形態におけるリアマウント24を例に示すように、本体ゴム弾性体30に、上方に開口する凹状のすぐり部150を設ける等しても良い。このようにすれば、本体ゴム弾性体30に衝撃的な振動が入力された場合には、本体ゴム弾性体30においてすぐり部150が形成されて薄肉とされた部位が屈曲状に弾性変形せしめられることによって、本体ゴム弾性体30の内部応力を有利に分散することが出来て、本体ゴム弾性体30の耐久性を向上することが出来る。
また、前記各実施形態における第一の流体封入式防振装置25、66は、何れも、第一の取付部材として中実のインナ軸金具26が用いられていたが、例えば、第一の取付部材として、筒形状を有する中空の筒金具を用いる等しても良い。
更にまた、本発明に係るパワーユニットの支持構造において、車両前方の2箇所に配設されるエンジンマウントとして従来公知の各種構造のものが採用されることは勿論であり、車両後方の1箇所に配設されるエンジンマウントとしても、前述のとおり流体封入式の各種構造のものが採用可能である。そこにおいて、一つの箇所に装着されるエンジンマウントとして、例えば実質的に独立した或いは完全に独立して並列的に装着された複数のエンジンマウントを採用することも可能である。
また、本発明で採用されるエンジンマウントには、要求される他の支持特性や防振特性等に応じて各種設計変更が許容され得る。具体的に例示すると、第一の取付部材を挟んで車両左右方向で対向位置する一対の流体室とそれら流体室を相互に連通する流体流路を追加形成し、かかる流体流路を通じての流体流動に基づいて車両左右方向の防振特性の向上を図ることも可能であるし、或いは、第一の取付部材を挟んで車両左右方向で対向位置する部分において本体ゴム弾性体の容積を調節するための肉抜凹所や軸方向に貫通するすぐり孔等を形成して車両左右方向のばね剛性を小さく調節すること等も可能である。また、車両前後方向で対向位置せしめられた流体室内において車両上下方向の中間部分を狭窄する狭窄部材を設けて、該狭窄部を通じて流体室内で上下に流動せしめられる流体流動作用に基づいて、車両上下方向の防振効果が発揮されるようにする等しても良い。
更にまた、前記実施形態に例示のエンジンマウント24,60,90の具体的構造についても、製作を容易としたりオリフィスチューニング自由度向上等の何等かの目的で適宜の設計変更が許容される。具体的に例示すると、第一の実施形態のエンジンマウント24において、本体ゴム弾性体の成形容易化とオリフィス長さや断面積の設計自由度の向上等の目的で、本体ゴム弾性体30の外周面に加硫接着された中間スリーブ42とは別体のオリフィス部材を採用して、該オリフィス部材を中間スリーブ42とアウタ筒金具28との間を周方向に延びるようにして組み付けても良い。また、第三の実施形態のエンジンマウント90においては、車両上下方向の入力振動が第一の流体封入式防振装置25の防振特性に悪影響を及ぼすことを回避するために、第一の流体封入式防振装置25と実質的に別体の第二の流体封入式防振装置92を採用していたが、要求特性等に応じて、第一の流体封入式防振装置25の本体ゴム弾性体30によって第二の流体封入式防振装置92の連結ゴム弾性体を構成しても良い。
また、本発明は、防振装置がエンジンユニットの重心よりも鉛直下方に配設される下側支持タイプのエンジン支持機構の他、エンジンユニットの重心位置よりも鉛直上方に防振装置が配設される吊下げタイプのエンジン支持機構にも適用可能である。
さらに、本発明が適用されるパワーユニットにおける燃焼室の配置形態や燃焼機構等のエンジン形式は何等限定されるものではなく、本発明は、例えば直列式(L型)、V型、4気筒や6気筒、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等各種エンジン形式に適用可能である。
本発明の第一の実施形態としてのパワーユニットの支持構造を概略的に示す側面説明図。 同パワーユニットの支持構造に用いられるリア側マウントの縦断面図であり、図4におけるII−II断面に相当する断面図。 同リア側マウントの上面図。 同リア側マウントを構成する流体封入式防振装置の横断面図であって、図2におけるIV−IV断面に相当する断面図。 第二の実施形態としてのリア側マウントを示す縦断面図であって、図7におけるV−V断面に相当する断面図。 同リア側マウントの上面図。 同リア側マウントを構成する流体封入式防振装置の横断面図であって、図5におけるVII−VII断面に相当する断面図。 第三の実施形態としてのリア側マウントを示す縦断面図。 試験方法の説明図。 パワーユニットにおける各マウント取付部位での車両上下方向の振動レベルの測定結果を示すグラフ。 パワーユニットにおける各マウント取付部位での車両左右方向の振動レベルの測定結果を示すグラフ。 パワーユニットのリアマウント取付部位における左右方向の振動レベルの測定結果を示すグラフ。 パワーユニットのリアマウント取付部位における上下方向の振動レベルの測定結果を示すグラフ。 振れ回り振動入力時における左右方向の振動レベルの測定結果を示すグラフ。 振れ回り振動入力時における防振効果の測定結果を示すグラフ。 アイドリング振動入力時における防振効果の測定結果を示すグラフ。 リア側マウントに用いられる流体封入式防振装置の異なる態様を示す縦断面図。
符号の説明
10:パワーユニットの支持構造、12:パワーユニット、14:エンジンユニット、16:ミッションユニット、20:フロントマウント、22:フレーム、24:リアマウント、25:第一の流体封入式防振装置、26:インナ軸金具、28:アウタ筒金具、30:本体ゴム弾性体、52:流体室、54:オリフィス通路

Claims (7)

  1. FR型縦置きエンジン形式の自動車のパワーユニットを車両前方の2箇所と車両後方の1箇所でそれぞれエンジンマウントを介して車両ボデーに対して防振支持するパワーユニットの支持構造において、
    前記3箇所に配設されるエンジンマウントのうち前記車両後方に配設されるリア側マウントとして、内部に封入された非圧縮性流体の流動作用に基づく振動減衰効果を発揮する流体封入式防振装置を用い、該非圧縮性流体の流動作用に基づく振動減衰効果が車両前後方向の振動入力に対して発揮されるようにしたことを特徴とするパワーユニットの支持構造。
  2. 前記パワーユニット側および前記車両ボデー側の何れか一方に取り付けられる第一の取付部材と、該パワーユニット側および該車両ボデー側の他方に取り付けられる第二の取付部材とを本体ゴム弾性体で連結すると共に、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて非圧縮流体が封入された複数の流体室を設け、それら複数の流体室を相互に連通する第一のオリフィス通路を設けることによって、該第一のオリフィス通路を通じての非圧縮性流体の流動作用に基づいて振動減衰効果を発揮する第一の流体封入式防振装置を構成し、該第一の流体封入式防振装置を前記リア側エンジンマウントに採用した請求項1に記載のパワーユニットの支持構造。
  3. 前記第一の流体封入式防振装置において前記流体室の壁部を構成する前記本体ゴム弾性体が、前記パワーユニットの支持状態において前記流体室を挟んだ車両上下方向で対称形状とされている請求項2に記載のパワーユニットの支持構造。
  4. ロッド形状を有する前記第一の取付部材の外周側に筒形状を有する前記第二の取付部材を所定距離を隔てて配設し、これら第一の取付部材と第二の取付部材とを前記本体ゴム弾性体で連結すると共に、前記流体室を該第二の取付部材の周方向で該第一の取付部材の周りに複数設けて、それら複数の流体室の少なくとも一対を前記第一のオリフィス通路で相互に連通して前記第一の流体封入式防振装置を構成すると共に、該第一のオリフィス通路で相互に連通された流体室が、該第一の取付部材を挟んで車両前後方向で対向するように前記リア側エンジンマウントを配設した請求項2又は3に記載のパワーユニットの支持構造。
  5. 車両上下方向の振動入力時に前記本体ゴム弾性体の弾性変形に基づいて圧力変動が惹起される受圧室と、壁部の一部が可撓性膜で形成されて容積変化が許容される平衡室とを形成して、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体を封入すると共に、該受圧室と該平衡室を相互に連通する第二のオリフィス通路を設けて第二の流体封入式防振装置を構成し、該第二の流体封入式防振装置を前記リア側エンジンマウントに採用した請求項2乃至4の何れか一項に記載のパワーユニットの支持構造。
  6. 前記リア側エンジンマウントにおいて、前記第一のオリフィス通路で連通される前記複数の流体室と、前記第二のオリフィス通路で連通される前記受圧室および前記平衡室とが、相互に独立して形成されており、これら第一のオリフィス通路および第二のオリフィス通路において、車両前後方向の振動入力時には該第一のオリフィス通路にだけ有効な流体流動が生ぜしめられると共に、車両上下方向の振動入力時には該第二のオリフィス通路にだけ有効な流体流動が生ぜしめられるようになっている請求項5に記載のパワーユニットの支持構造。
  7. 第一の入力部材を筒状の第二の入力部材の一方の開口部側に離隔配置せしめて該第一の入力部材と該第二の入力部材を連結ゴム弾性体で連結すると共に、該第二の入力部材の他方の開口部側を前記可撓性膜で閉塞させて、それら連結ゴム弾性体と可撓性膜の対向面間に非圧縮性流体の封入領域を画成する一方、該第二の入力部材で支持された仕切部材で該非圧縮性流体の封入領域を二分せしめて、該連結ゴム弾性体で壁部の一部が構成された受圧室と該可撓性膜で壁部の一部が構成された平衡室を形成すると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通する第二のオリフィス通路を形成することにより前記第二の流体封入式防振装置を構成し、該第一の入力部材を前記第一の流体封入式防振装置の前記第一の取付部材に取り付けると共に、該第二の入力部材を前記第一の流体封入式防振装置の前記第二の取付部材に取り付けて前記リア側エンジンマウントを構成した請求項6に記載のパワーユニットの支持構造。
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