JP2008164116A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】防振装置のコンパクト化が達成されつつ、平衡室の容積が十分に確保されることにより、所期の防振効果が安定して得られる、新規な構造の流体封入式防振装置を提供する。
【解決手段】スリーブ部材18の軸方向他方の開口部が第二の取付部材14で流体密に覆蓋されることにより、受圧室78がスリーブ部材18と本体ゴム弾性体16の内側に形成されている一方、第一の取付部材12に外フランジ状部24が設けられており、本体ゴム弾性体16と一体形成された可撓性ゴム膜42が、本体ゴム弾性体16およびスリーブ部材18を全体に亘って覆うようにして外フランジ状部24からスリーブ部材18の軸方向他方の開口縁部まで軸方向に延びる筒状体とされており、可撓性ゴム膜42の開口部がスリーブ部材18の軸方向他方の外周縁部で流体密に覆蓋されることによって、受圧室78に対してスリーブ部材18と本体ゴム弾性体16を挟んだ外周側に亘って平衡室80が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、内部に封入された非圧縮性流体の流動作用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式防振装置に係り、特に、非圧縮性流体が封入された受圧室と平衡室をオリフィス通路を通じて相互に連通せしめた流体封入式防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振連結体や防振支持体の一種として、内部に封入された非圧縮性流体の共振作用等の流動作用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式の防振装置が知られている。この流体封入式防振装置は、第一の取付部材と筒状の第二の取付部材が該第二の取付部材の軸方向一方の開口部側において本体ゴム弾性体で連結されていると共に、第二の取付部材の軸方向他方の開口部側に可撓性膜が配設されて、本体ゴム弾性体と可撓性膜の間に非圧縮性流体が封入された流体室を備えている。また、第二の取付部材に支持されたオリフィス部材で流体室が仕切られて、流体室におけるオリフィス部材を挟んだ両側に壁部の一部が本体ゴム弾性体で構成された受圧室と壁部の一部が可撓性膜で構成された平衡室が形成され、それら受圧室と平衡室が、オリフィス部材に形成されたオリフィス通路を通じて相互に連通された構造を呈している。このような構造によれば、振動入力に伴い受圧室と平衡室の間に相対的な圧力変動の差が生じて、オリフィス通路を通じての流体の流動量が確保されることとなり、かかる流体の共振作用等の流動作用に基づいて防振効果が得られることから、例えば、自動車用のエンジンマウントやボデーマウント、デフマウントの他サスペンションメンバマウント等への適用が検討されている。
ところで、上述の従来構造の流体封入式防振装置では、一般に、可撓性膜が、第一及び第二の取付部材を備えた本体ゴム弾性体の加硫成形品と別体形成されて、可撓性膜の外周部分に設けられた固定部材が加硫成形品における第二の取付部材の軸方向他方の開口部が嵌合固定されることで、可撓性膜が第二の取付部材に固定的に支持されるようになっている。そのため、部品点数や製造工程の増加に伴い、製造の複雑化やコスト上昇が避けられ難い問題があった。
そこで、特許文献1(特開平09−257090号公報)には、上述の問題に対処するための一つの方策としての流体封入式防振装置が示されている。かかる流体封入式防振装置では、本体ゴム弾性体における第一の取付部材が固着された側と反対の端部にスリーブ部材(オリフィス形成筒)が配されて、スリーブ部材の軸方向一方の端部に一体形成された外フランジ状部に本体ゴム弾性体が固着されている。また、本体ゴム弾性体と一体形成された可撓性膜が、本体ゴム弾性体の外側を覆うように軸方向に延びて、可撓性膜の外周部分に固着された連結材がスリーブ部材の外フランジ状部に重ね合わせられている。更に、有底筒形状を有する第二の取付部材にスリーブ部材が嵌め込まれて、スリーブ部材の軸方向他方の開口部が第二の取付部材の底部で覆蓋されていると共に、第二の取付部材の開口端部に形成されたかしめ部に対してスリーブ部材の外フランジ状部と可撓性膜の連結材が嵌め込まれて、かしめ部にかしめ加工が施されている。それによって、スリーブ部材の内周側に受圧室が形成されていると共に、スリーブ部材の外周側にオリフィス通路が形成されており、更に本体ゴム弾性体の外周側に平衡室が形成された構造とされている。このような構造によれば、可撓性膜が本体ゴム弾性体と一体形成されていることによって、部品点数の増加や組み付けの煩雑化が抑えられることとなり、低コスト化が図られ得る。加えて、平衡室が本体ゴム弾性体の外周側に設けられていることから、防振装置の軸方向寸法が抑えられて、コンパクト化が図られ得ると共に、低重心化に基づき、特に支持荷重が軸方向に入力される装着下にあっての装着状態の安定性が向上される。
ところが、特許文献1に示される流体封入式防振装置においては、平衡室が本体ゴム弾性体の外周側に形成されると、平衡室の軸方向寸法や軸直角方向寸法が本体ゴム弾性体のばね特性のチューニング等により制限され易くなって、平衡室の容積が十分に確保され難い場合があった。しかも、平衡室の容積が小さいと、本体ゴム弾性体の弾性変形による容積変化等に起因する悪影響(多少の圧力変動)を平衡室が受けて、防振性能への悪影響が懸念されるおそれがあったのである。
特開平09−257090号公報
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであり、その解決課題とするところは、防振装置のコンパクト化が達成されつつ、平衡室の容積が十分に確保されることにより、所期の防振効果が安定して得られる、新規な構造の流体封入式防振装置を提供することにある。
以下、前述の課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
すなわち、本発明の特徴とするところは、第一の取付部材がスリーブ部材の軸方向一方の開口部側に離隔配置されて、それら第一の取付部材とスリーブ部材が本体ゴム弾性体で連結されていると共に、スリーブ部材の軸方向他方の開口部側に第二の取付部材が配設されて軸方向他方の開口部が流体密に覆蓋され、壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成された受圧室と壁部の一部が可撓性ゴム膜で構成された平衡室が形成されて、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体が封入されていると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通せしめるオリフィス通路が形成されている流体封入式防振装置において、スリーブ部材の軸方向他方の開口部が第二の取付部材で流体密に覆蓋されることにより、受圧室がスリーブ部材と本体ゴム弾性体の内側に形成されている一方、第一の取付部材に外フランジ状部が設けられており、本体ゴム弾性体と一体形成された可撓性ゴム膜が、本体ゴム弾性体およびスリーブ部材を全体に亘って覆うようにして外フランジ状部からスリーブ部材の軸方向他方の開口縁部まで軸方向に延びる筒状体とされており、可撓性ゴム膜の開口部がスリーブ部材の軸方向他方の外周縁部で流体密に覆蓋されることによって、受圧室に対してスリーブ部材と本体ゴム弾性体を挟んだ外周側に亘って平衡室が形成されている流体封入式防振装置にある。
このような本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、本体ゴム弾性体およびスリーブ部材の外周側のスペースを利用して、平衡室の容積が大きく確保され得ることに加え、可撓性ゴム膜が本体ゴム弾性体およびスリーブ部材の軸方向と平行に延びるような筒状体とされていることで、平衡室が防振装置本体から軸方向外方や軸直角方向外方に過大に突出することが抑えられて、防振装置のコンパクト化が有利に図られ得る。
しかも、平衡室の壁部が、本体ゴム弾性体や可撓性ゴム膜の他に、スリーブ部材を含んで構成されていることにより、平衡室の壁部において本体ゴム弾性体の占める割合がそれほど大きくなることがなく、それによって、平衡室が本体ゴム弾性体の弾性変形による容積変化等に起因する悪影響を受けることが軽減乃至は回避される。
それ故、装置のコンパクト化が有利に図られつつ、平衡室の容積が十分に確保されることに基づき、受圧室と平衡室の圧力変動の差が有効に生ぜしめられて、オリフィス通路を通じての流体の流動量が十分に確保される結果、該流体の共振作用等の流動作用による防振効果が有利に発揮され得るのである。
また、本発明に係る流体封入式防振装置においては、オリフィス通路がスリーブ部材における軸方向他方の開口部側に形成されている構造が、採用されても良い。かかる構造によれば、オリフィス通路が平衡室の形成領域である本体ゴム弾性体とスリーブ部材の外周側に形成されることがなくなり、従って、平衡室の容積が一層有利に確保され得る。
また、本発明に係る流体封入式防振装置においては、スリーブ部材が軸方向両端に外フランジ状部が一体形成された筒状体からなり、本体ゴム弾性体がスリーブ部材の軸方向一方の外フランジ状部に固着されていると共に、スリーブ部材の軸方向他方の外フランジ状部が一方の外フランジ状部よりも外周側に突出して、他方の外フランジ状部の外周部分に可撓性ゴム膜の開口縁部が固着されている構造が、好適に採用され得る。
このような構造によれば、本体ゴム弾性体がスリーブ部材の軸方向一方の外フランジ状部を利用してスリーブ部材に安定して支持されることとなり、本体ゴム弾性体の弾性変形に基づく防振効果や耐荷重性能が一層有利に発揮され得る。また、可撓性ゴム膜の開口縁部が、一方の外フランジ状部よりも外周側に突出する他方の外フランジ状部の外周部分に固着されるようになっていることから、可撓性ゴム膜と一方の外フランジ状部の間に隙間が設けられ易くなって、可撓性ゴム膜が該外フランジ状部に接触することに起因する可撓性ゴム膜の損傷が有利に抑えられる。
さらに、上述の本発明に係る流体封入式防振装置においては、第二の取付部材が有底円筒形状を有しており、第二の取付部材の開口縁部がスリーブ部材の他方の外フランジ状部の外周部分に重ね合わされている一方、第二の取付部材の底部中央にはオリフィス部材が設けられ、オリフィス部材の外周部分がスリーブ部材の他方の外フランジ状部の内周縁部分に重ね合わされてスリーブ部材の他方の開口部が覆蓋されることによって受圧室が形成されており、更に、オリフィス部材にオリフィス通路が形成されていると共に、スリーブ部材の他方の外フランジ状部には第二の取付部材の内部を平衡室に接続する連通孔が形成されており、受圧室と平衡室が第二の取付部材の内部から連通孔を通じてオリフィス通路によって連通されている構造が、好適に採用され得る。
このような構造によれば、オリフィス部材を挟んで受圧室と反対側の第二の取付部材の内部が、平衡室と接続されていることによって実質的に平衡室の一部として機能する。従って、平衡室の容積が第二の取付部材の内部を利用して一層大きく確保され得る。また、オリフィス通路が、スリーブ部材の他方の外フランジ状部の内周縁部分に重ね合わせられたオリフィス部材に対して形成されていることにより、前述の如きオリフィス通路がスリーブ部材における軸方向他方の開口部側に形成されている構造が、有利に実現され得る。
更にまた、上述の本発明に係る流体封入式防振装置においては、オリフィス部材の外周部分を周方向に延びるようにしてオリフィス通路が形成されていると共に、オリフィス部材の中央部分には可動膜が配設されており、可動膜の一方の面に受圧室の圧力が及ぼされると共に、可動膜の他方の面には、平衡室の圧力が連通孔から第二の取付部材の内部を通じて及ぼされるようにすることで圧力変動吸収機構が構成されている構造が、好適に採用され得る。
このような構造によれば、オリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数域の振動入力時に、オリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の反共振的な作用によりオリフィス通路が実質的に閉塞状態とされるが、受圧室と平衡室を仕切るスリーブ部材の内周壁に設けられた可動膜の弾性変形によって、受圧室の圧力が吸収される。これにより、オリフィス通路の閉塞状態に起因する高動ばね化が抑えられて、目的とする防振効果が有利に発揮され得る。しかも、オリフィス通路がオリフィス部材の可動膜の周りに形成されていることにより、オリフィス通路の周方向長さが有利に確保され得ると共に、オリフィス部材を備えた防振装置のコンパクト化が一層有利に図られ得る。
また、本発明に係る流体封入式防振装置においては、第二の取付部材の開口部の外周縁部には筒状のストッパ部材の一方の開口部が固着されており、ストッパ部材が第二の取付部材から第一の取付部材側に向かって可撓性ゴム膜を外周側に離隔して覆う状態で軸方向に延び出していると共に、ストッパ部材の先端部分が内周側に延びており第一の取付部材の外フランジ状部に対して軸方向外方に離隔して対向位置せしめられる当接部を構成していると共に、それら外フランジ状部と当接部の対向面の少なくとも一方に緩衝ゴムが設けられていることによって、リバウンド方向のストッパ機構が構成されていると共に、可撓性ゴム膜が全体に亘ってストッパ部材で覆われている構造が、採用されても良い。
このような構造によれば、第一の取付部材と第二の取付部材のリバウンド方向における相対的な変位量が抑えられることにより、それらを連結する本体ゴム弾性体の応力が軽減されて、耐久性が向上され得る。しかも、本体ゴム弾性体のリバウンド方向の過大な変形に伴い受圧室の過負圧状態下で生じるおそれのある、キャビテーション気泡も抑えられることから、該気泡の破裂に起因する衝撃的な振動や異音の発生が有利に抑えられる。
特に、可撓性ゴム膜が、リバウンド方向のストッパ機構の一部を構成する筒状のストッパ部材で覆われていることによって、可撓性ゴム膜への異物や他部材等の干渉が防止されて、可撓性ゴム膜の損傷が回避されることから、可撓性ゴム膜を保護する部材を特別に設ける必要がなくなる。それ故、部品点数や製造工程の増加が抑えられて、製造効率の向上や低コスト化が有利に図られ得るのであり、しかも、可撓性ゴム膜の外方に別部材が設けられることに起因する外形寸法の増大が抑えられることから、可撓性ゴム膜の外方に配されるストッパ部材の大型化が避けられることと相俟って、装置のコンパクト化が有利に達成され得るのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について説明する。先ず、図1,2には、本発明の流体封入式防振装置に係る一実施形態としての自動車用エンジンマウント10が示されている。自動車用エンジンマウント10においては、第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付金具14が、スリーブ部材としてのスリーブ金具18を介して本体ゴム弾性体16で連結された構造を呈している。第一の取付金具12がパワーユニット側に取り付けられると共に、第二の取付金具14が車両ボデー側に取り付けられることにより、パワーユニットがボデーに対して防振支持されるようになっている。
なお、図1では、自動車に装着する前のエンジンマウント10の単体での状態が示されているが、本実施形態では、装着状態において、パワーユニットの分担支持荷重がマウント軸方向(図1中、上下)に入力される。従って、マウント装着状態下では、本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づき第一の取付金具12と第二の取付金具14が軸方向で互いに接近する方向に変位する。また、かかる装着状態下、防振すべき主たる振動は、略マウント軸方向に入力されることとなる。以下の説明中、特に断りのない限り、上下方向は、マウント軸方向となる図1中の上下方向をいう。
より詳細には、第一の取付金具12が、小径の略円柱形状乃至は円錐台形状を呈していると共に、その中央部分には上端面に開口する螺子穴20が設けられている。螺子穴20には、固定用ボルト22が螺設されている。また、第一の取付金具12の軸方向中間部分には、軸直角方向に略平坦に広がる円環板形状の外フランジ状部24が一体形成されている。この第一の取付金具12の下方に所定距離を隔ててスリーブ金具18が設けられている。換言すると、スリーブ金具18の軸方向一方(図1中、上)の開口部側に第一の取付金具12が離隔配置されている。
スリーブ金具18は、図3,4にも示されているように、全体として大径の略円筒形状を有していると共に、その軸方向両端には、軸直角方向に略平坦に広がる、外フランジ状部としての上フランジ状部26と下フランジ状部28が一体的に設けられている。スリーブ金具18の軸方向一方(図1,3中、上)の端部に設けられた上フランジ状部26の外径寸法が、スリーブ金具18の軸方向他方(図1,3中、下)の端部に設けられた下フランジ状部28の外径寸法に比して小さくされていることにより、下フランジ状部28が、上フランジ状部26よりも軸直角方向外方に突出している。
本実施形態では、上フランジ状部26の外径寸法が、第一の取付金具12の外フランジ状部24の外径寸法と同じかそれよりも僅かに大きくされていると共に、下フランジ状部28の外径寸法が、外フランジ状部24の外径寸法に比して十分に大きくされている。また、下フランジ状部28の外周部分が、内周部分や径方向中間部分よりも上方に位置せしめられるようにして、上方に突出する環状の段差部を介して屈曲した形状を呈している。更に、下フランジ状部28の径方向中間部分における周上の一箇所には、連通孔30が貫設されている。
このようなスリーブ金具18の上フランジ状部26が形成された一方(図1中、上)の開口部側に第一の取付金具12が離隔配置されて、両金具12,18の中心軸が略同一線上に位置せしめられている。第一の取付金具12とスリーブ金具18の間には、本体ゴム弾性体16が配されている。
本体ゴム弾性体16は、略円錐台形状を有しており、その大径側端面には、下方に開口するすり鉢形状の大径凹所32が設けられている。本体ゴム弾性体16の小径側端面には、第一の取付金具12の外フランジ状部24および外フランジ状部24から軸方向下端部にかけての略全体が埋設された状態で加硫接着されている。また、本体ゴム弾性体16の大径側端部外周面には、スリーブ金具18の内周面や上フランジ状部26の上端面を含む外周面が略全体に亘って加硫接着されている。要するに、本体ゴム弾性体16が、図5,6にも示されているように、第一の取付金具12とスリーブ金具18を備えた一体加硫成形品34として形成されている。これにより、第一の取付金具12とスリーブ金具18が、本体ゴム弾性体16によって相互に弾性的に連結されていると共に、スリーブ金具18の軸方向一方(図1,5中、上)の開口部が本体ゴム弾性体16によって流体密に閉塞されている。
また、スリーブ金具18における軸方向他方の開口端部から下フランジ状部28の径方向中間部分にかけての下端面には、本体ゴム弾性体16と一体形成された薄肉のシールゴム層36が、略一定の断面で軸直角方向に広がるようにして被着形成されている。更に、本体ゴム弾性体16の大径凹所32における周上の二箇所には、凹所32の底面に開口して軸方向に所定の長さで延びるすぐり部38の一対が形成されて、それら一対のすぐり部38,38が軸直角方向一方向(図6中、左右)で対向位置せしめられている。即ち、一対のすぐり部38,38が設けられた軸直角方向一方向の静的ばね定数が、該軸直角方向に直交する方向の静的ばね定数に比して小さくされている。更にまた、第一の取付金具12の外フランジ状部24の上面には、本体ゴム弾性体16と一体形成された緩衝ゴムとしての緩衝ゴム層40が被着形成されている。
ここで、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品34には、可撓性ゴム膜としてのダイヤフラム42が設けられている。ダイヤフラム42は、本体ゴム弾性体16と一体形成された変形容易な薄肉のゴム膜からなり、全体として大径の略円筒形状を有している。ダイヤフラム42において一体加硫成形品34に設けられる基端部分、即ち図5ではダイヤフラム42の軸方向下端部が、第一の取付金具12の外フランジ状部24の外周縁部に被着されたゴム層の外周縁部に形成されており、ダイヤフラム42が、かかるゴム層から軸直角方向に僅かに突出していると共に、第一の取付金具12の上方に向かって湾曲されて、軸方向に延びるように形成されている。要するに、ダイヤフラム42が、第一の取付金具12の外フランジ状部24に接しない大きな径寸法をもって、スリーブ金具18から軸方向外方に離隔する方向に延びている。
また、ダイヤフラム42の突出先端部分には、軸直角方向外方に広がるようにして円環形状の固定金具44が加硫接着等により固着されている。固定金具44の内径寸法が、外フランジ状部24の外径寸法や上フランジ状部26の外径寸法よりも大きくされていると共に、下フランジ状部28の外径寸法よりも小さくされている。固定金具44の外径寸法が、下フランジ状部28の外径寸法と略同じとされている。
特に、ダイヤフラム42の基端部分から突出先端部分に至る軸方向寸法が、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品34における本体ゴム弾性体16およびスリーブ金具18の外周側において、外フランジ状部24の外周縁部から下フランジ状部28の外周部分に至る軸方向寸法と略同じとされている。
なお、図5,6に示されるダイヤフラム42の形態は、ダイヤフラム42が本体ゴム弾性体16の加硫成形型で第一の取付金具12やスリーブ金具18と共に本体ゴム弾性体16と一体形成される際に、成形型の脱型構造を考慮したための中間形態であり、エンジンマウント10として製品化される最終形態では、図1にも示されているように、ダイヤフラム42が、内周面と外周面を反転するように弾性変形せしめられて、外フランジ状部24からスリーブ金具18の下フランジ状部28に向かって軸方向に延びている。
このような第一の取付金具12とスリーブ金具18を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品34に対して、第二の取付金具14が軸方向下側から重ね合わせられるように配設されている。
第二の取付金具14は、図7にも示されているように、大径の浅底円筒形状を有していると共に、その中央部分には固定用ボルト46が一体形成されて下方に向かって突出している。第二の取付金具14の開口周縁部が、上方に向かって次第に径寸法が大きくなる逆テーパ形状の部位を介した段差形状を有している。第二の取付金具14の内径寸法が、スリーブ金具18の下フランジ状部28の外径寸法よりも小さくされている。
また、第二の取付金具14の開口端部には、軸直角方向に突出する略一定の矩形断面で周方向の全周に亘って連続して延びる環状突部48が一体形成されている。更に、第二の取付金具14の環状突部48を含む開口端部の径方向中間部分には、大径リング状のかしめ部50が上方に向かって突設されている。かしめ部50の内径寸法が、ダイヤフラム42の固定金具44の外径寸法やスリーブ金具18の下フランジ状部28の外径寸法よりも僅かに大きくされている。
特に本実施形態では、オリフィス部材としてのオリフィス金具52が、有底円筒形状の第二の取付金具14に収容配置されている。オリフィス金具52は、図8,9にも示されているように、小径且つ厚肉の円板形状を有している。オリフィス金具52の径寸法が、第二の取付金具14の内径寸法に比して十分に小さくされていると共に、スリーブ金具18の下フランジ状部28の内径寸法よりも大きくされている。オリフィス金具52の中央部分には、上端面に開口して下方に所定の深さ寸法で延びる円形状の中央凹所54が凹設されている。中央凹所54の底部には、複数の小孔からなる透孔56が貫設されている。
さらに、オリフィス金具52における中央凹所54の周りの外周部分には、周溝58が形成されている。周溝58は、オリフィス金具52の上端面に開口する略一定の凹状断面で周方向に所定の長さ(本実施形態では一周弱の長さ)で延びている。また、オリフィス金具52の外周縁部と周溝58の間の外周部分には、オリフィス金具52の上端面に開口する浅底環状の嵌合凹所60が設けられている。
更にまた、オリフィス金具52の下端部分には、一対の脚部62,62が下方に向かって突設されている。これら脚部62,62は、オリフィス金具52の中心軸を挟んだ軸直角方向一方向(図9中、左右)に所定距離を隔てて設けられていると共に、略一定の半円状断面で軸方向に延びており、各脚部62の外周部分が、オリフィス金具52の外周縁部よりも軸直角方向内方に位置せしめられている。
このようなオリフィス金具52の嵌合凹所60には、薄肉の円板形状を有する蓋金具64が嵌め込まれている。蓋金具64の径寸法が嵌合凹所60の径寸法よりも僅かに小さくされている。蓋金具64の厚さ寸法が嵌合凹所60の深さ寸法と略同じとされていることによって、蓋金具64が嵌合凹所60に嵌め込まれた状態で、蓋金具64の上端面とオリフィス金具52の外周部分の上端面が略面一とされている。蓋金具64の中央部分には、複数の小孔からなる透孔66が貫設されている。蓋金具64が嵌合凹所60に嵌め込まれていることにより、オリフィス金具52の中央凹所54や周溝58が蓋金具64で覆蓋されている。
また、蓋金具64で覆蓋されるオリフィス金具52の中央凹所54には、可動膜としての弾性ゴム膜68が配設されている。弾性ゴム膜68は、略円板形状を有しており、薄肉のゴム膜からなる。弾性ゴム膜68の径寸法は、中央凹所54の径寸法と略同じとされている。また、弾性ゴム膜68の中央部分と外周部分には、それぞれ軸方向両側に突出する柱状の中央突起70とリング状の外周突起72が一体形成されていることで、弾性ゴム膜68の中央部分と外周部分が、径方向中間部分に比して実質的に厚肉とされている。弾性ゴム膜68の径方向中間部分の厚さ寸法が、オリフィス金具52の中央凹所54の深さ寸法に比して十分に小さくされている一方、中央突起70の高さ寸法と外周突起72の高さ寸法が、互いに略同じとされていると共に、中央凹所54の深さ寸法に比して僅かに大きくされている。かかる弾性ゴム膜68が中央凹所54に嵌め込まれていると共に、中央突起70や外周突起72が、蓋金具64とオリフィス金具52における中央凹所54の底部の間で軸方向に圧縮変形された状態で挟圧配置されている。外周突起72の圧縮変形に伴い弾性ゴム膜68の外周縁部が中央凹所54の周壁部に密着状に重ね合わせられている。それによって、弾性ゴム膜68が、オリフィス金具52と蓋金具64の間の中央凹所54内の空間に収容配置されて、径方向中間部分の弾性変形が許容されつつ、中央部分や外周部分の変位が制限されている。
弾性ゴム膜68が収容配置された蓋金具64およびオリフィス金具52の組付け体が、第二の取付金具14の開口部から入れられて、第二の取付金具14と同心軸上に位置せしめられた状態で、オリフィス金具52の一対の脚部62,62が第二の取付金具14の底部に重ね合わせられている。なお、図面上に明示されていないが、例えば、第二の取付金具14の底部に凹所等が設けられて、脚部62,62の先端部分が凹所に嵌め込まれることで、オリフィス金具52と第二の取付金具14の両中心軸の位置決めがされる。また、脚部62が第二の取付金具14の底部に超音波振動等で溶着されることにより、オリフィス金具52を第二の取付金具14に固定しても良い。
オリフィス金具52が第二の取付金具14に収容されると、第二の取付金具14の中央底部とオリフィス金具52の中央底部の軸方向間におけるオリフィス金具52の一対の脚部62,62の軸直角方向間の空間が、これら両金具14,52の底部や一対の脚部62,62で画設されていることによって、第二の取付金具14の中央部分には、軸直角方向一方向に略一定の矩形断面でトンネル状に延びる連通穴74が形成されている。
また、オリフィス金具52と第二の取付金具14の周壁部が、全周に亘って略一定の距離を隔てて軸直角方向に対向位置せしめられていることに基づき、それらの間を略一定の断面で周方向に連続して延びる環状領域76が形成されている。環状領域76の周上の二箇所が、連通穴74の両端部分と接続されている。
このような弾性ゴム膜68が配設されたオリフィス金具52と第二の取付金具14が、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品34と同心軸上に位置せしめられるようにして、スリーブ金具18の下フランジ状部28の外周部分が、第二の取付金具14のかしめ部50に嵌め込まれて、第二の取付金具14の上端部に重ね合わせられていると共に、下フランジ状部28の外周部分乃至は径方向中間部分が、下フランジ状部28に被着されたシールゴム層36を介して、第二の取付金具14の開口周縁部に軸方向に重ね合わせられている。
さらに、第二の取付金具14の下フランジ状部28の内周縁部分が、シールゴム層36を介して蓋金具64の外周部分およびオリフィス金具52の外周縁部に軸方向に重ね合わせられている。
そこにおいて、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品34において、第一の取付金具12の外フランジ状部24の外周縁部から上方に延びるダイヤフラム42の突出先端部分に設けられた固定金具44が、図5中、該固定金具44の下方に位置する下フランジ状部28の外周部分に向かって変位せしめられて、第二の取付金具14のかしめ部50に嵌め込まれると共に、下フランジ状部28の外周部分に軸方向に重ね合わせられている。
かかる固定金具44の変位に伴い、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品34におけるダイヤフラム42が、その内周面と外周面を反転するように弾性変形して、本体ゴム弾性体16およびスリーブ金具18の軸直角方向外方において、第一の取付金具12の外フランジ状部24の外周縁部とスリーブ金具18の下フランジ状部28の外周部分の軸方向間を軸方向に延びるようにして配されている。
特に、図1,2に示されているように、ダイヤフラム42は、変形していない初期状態において、その内周壁部が第一の取付金具12の外フランジ状部24およびスリーブ金具18の上フランジ状部26よりも径方向外方に位置して、全体として本体ゴム弾性体16およびスリーブ金具18の周壁部よりも径方向外方に膨らみ出した形状とされている。
下フランジ状部28の外周部分乃至は径方向中間部分が、シールゴム層36を介して第二の取付金具14の開口周縁部に軸方向に重ね合わせられると共に、ダイヤフラム42の固定金具44が、下フランジ状部28の外周部分に軸方向に重ね合わせられた形態で、下フランジ状部28の外周部分と固定金具44が第二の取付金具14のかしめ部50に嵌め込まれて、かしめ部50にかしめ加工が施されている。
これにより、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品34と第二の取付金具14が略同心軸上に位置せしめられた形態で互いに固定されている。また、下フランジ状部28の外周部分乃至は径方向中間部分と第二の取付金具14の開口端部の間のシールゴム層36が軸方向に圧縮変形しつつ、下フランジ状部28と第二の取付金具14が軸方向に重ね合わせられていることで、第二の取付金具14の開口部が、下フランジ状部28で流体密に覆蓋されている。
さらに、ダイヤフラム42の固定金具44が、第二の取付金具14のかしめ部50のかしめ固定により、下フランジ状部28の外周部分に流体密に重ね合わせられていることで、ダイヤフラム42の開口部分が下フランジ状部28の外周縁部で流体密に覆蓋されている。ここで、下フランジ状部28がスリーブ金具18の軸方向他方の開口縁部に形成されており、スリーブ金具18の軸方向他方の外周縁部が、下フランジ状部28の外周縁部を含んで構成されていることから、換言すると、ダイヤフラム42の開口部分は、スリーブ金具18の軸方向他方の外周縁部で流体密に覆蓋されている。
また、かしめ部50のかしめ固定力に基づき、オリフィス金具52が、スリーブ金具18と第二の取付金具14の軸方向間に挟圧固定されていると共に、オリフィス金具52および蓋金具64の外周部分と下フランジ状部28の内周縁部分の間のシールゴム層36が軸方向に圧縮変形しつつ、オリフィス金具52および蓋金具64と下フランジ状部28が軸方向に重ね合わせられている。それによって、スリーブ金具18の軸方向他方(図1中、下)の開口部が、オリフィス金具52および蓋金具64、延いてはそれらの金具52,64を組み付けてなる第二の取付金具14で流体密に覆蓋されている。
さらに、本実施形態では、オリフィス金具52と第二の取付金具14の軸直角方向間に形成される環状領域76の内周縁部分が、下フランジ状部28の内周縁部分に流体密に重ね合わせられていると共に、環状領域76の外周縁部分が、下フランジ状部28の径方向中間部分に流体密に重ね合わせられていることによって、環状領域76の開口部分が下フランジ状部28で流体密に覆蓋されている。
従って、スリーブ金具18の内側における本体ゴム弾性体16の大径凹所32とオリフィス金具52の軸方向間の空間が、スリーブ金具18や本体ゴム弾性体16、オリフィス金具52で画設されて、該空間には壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づき圧力変動が生ぜしめられる受圧室78が形成されている。
また、本体ゴム弾性体16とスリーブ金具18が、第一の取付金具12の外フランジ状部24とスリーブ金具18の軸方向他方の開口縁部まで軸方向に延びる筒状体のダイヤフラム42で、全体に亘って流体密に覆われていることにより、それら本体ゴム弾性体16やスリーブ金具18、ダイヤフラム42で画設された空間には、壁部の一部がダイヤフラム42で構成されてダイヤフラム42の弾性変形に基づき容積変化が容易に許容される平衡室80が形成されている。即ち、平衡室80が、本体ゴム弾性体16およびスリーブ金具18を挟んだ受圧室78の外周側の全体に亘って形成されている。
これら受圧室78や平衡室80には、非圧縮性流体が封入されている。封入流体としては、例えば水やアルキレングリコール, ポリアルキレングリコール, シリコーン油等が採用されるが、特に流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果を有効に得るためには、0.1Pa・s以下の低粘性流体を採用することが望ましい。受圧室78や平衡室80への非圧縮性流体の封入は、例えば、第一の取付金具12とスリーブ金具18を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品34に対して、第二の取付金具14およびオリフィス金具52の組み付けを非圧縮性流体中で行うことによって、好適に実現される。
特に本実施形態では、オリフィス金具52と第二の取付金具14の間に形成される連通穴74や環状領域76にも、受圧室78や平衡室80と同様に非圧縮性流体が封入されており、連通穴74の両端部が環状領域76に接続されていると共に、環状領域76の周上の一部が、下フランジ状部28に貫設された連通孔30を通じて平衡室80に接続されている。従って、本実施形態では、これら連通穴74や環状領域76も平衡室80の一部として機能することにより、平衡室80が連通穴74の内部や環状領域76の内部を含んで構成されて、その容積が実質的に大きくされている。
また、第二の取付金具14のかしめ部50のかしめ固定力に基づき、蓋金具64の外周部分が下フランジ状部28の内周縁部分とオリフィス金具52の嵌合凹所60の周縁部分の間で軸方向に挟圧固定されて、オリフィス金具52の周溝58の開口縁部が蓋金具64に流体密に重ね合わせられていることで、周溝58の開口部分が蓋金具64で流体密に覆蓋されている。その結果、スリーブ金具18の軸方向他方(図1中、下)の側の開口端部に重ね合わせられたオリフィス金具52の外周部分を周方向に所定の長さで延びるオリフィス通路82が形成されており、それによって、本実施形態に係るオリフィス通路82がスリーブ金具18における軸方向他方の開口部側に形成されている。オリフィス通路82の周方向一方の端部が蓋金具64に貫設された連通孔84を通じて受圧室78に接続されていると共に、オリフィス通路82の周方向他方の端部がオリフィス金具52の底部に貫設された連通孔86を通じて連通穴74および環状領域76を介して平衡室80に接続されている。これにより、受圧室78と平衡室80が、第二の取付金具14の内部における連通穴74および環状領域76から連通孔30を通じてオリフィス通路82によって相互に連通せしめられて、それら両室78,80間で、オリフィス通路82を通じての流体流動が許容されるようになっている。
本実施形態では、オリフィス通路82を通じて流動せしめられる流体の共振周波数が、該流体の共振作用に基づいてエンジンシェイク等に相当する10Hz前後の低周波数域の振動に対して有効な防振効果(高減衰効果)が発揮されるようにチューニングされている。オリフィス通路82のチューニングは、例えば、受圧室78や平衡室80の各壁ばね剛性、即ちそれら各室78,80を単位容積だけ変化させるのに必要な圧力変化量に対応する本体ゴム弾性体16やダイヤフラム42等の各弾性変形量に基づく特性値を考慮しつつ、オリフィス通路82の通路長さと通路断面積を調節することによって行うことが可能であり、一般に、オリフィス通路82を通じて伝達される圧力変動の位相が変化して略共振状態となる周波数を、当該オリフィス通路82のチューニング周波数として把握することが出来る。
また、オリフィス金具52と蓋金具64の間に配設された弾性ゴム膜68の一方(図1中、上)の面が、蓋金具64の透孔66を通じて受圧室78に臨まされていると共に、弾性ゴム膜68の他方の面が、オリフィス金具52の透孔56を通じて、第二の取付金具14内における連通穴74が形成された部位の平衡室80に臨まされている。これにより、弾性ゴム膜68の一方の面に受圧室78の圧力が及ぼされ、且つ弾性ゴム膜68の他方の面に平衡室80の圧力が及ぼされるようにして圧力変動吸収機構が構成されている。特に本実施形態では、アイドリング振動や低速こもり音等に相当する20〜40Hz程度の中周波数域の振動入力に際して、弾性ゴム膜68の弾性変形による受圧室78の圧力変動吸収効果に基づく防振効果(低動ばね特性に基づく振動絶縁効果)が有効に発揮されるように、弾性ゴム膜68の固有振動数がチューニングされている。
また、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品34や第二の取付金具14、オリフィス金具52の組付け体には、筒状のストッパ部材としてのストッパ金具88が配設されている。ストッパ金具88は大径の円筒形状を有していると共に、下端部に大径リング状のかしめ部90が一体形成されている。また、ストッパ金具88の上端部が内周側に屈曲して、軸直角方向に略平坦に広がる内フランジ状の当接部92として構成されている。特に、ストッパ金具88の内径寸法が、図1,2に示される如きダイヤフラム42の変形しない初期状態の外径寸法に比して大きくされている。また、ストッパ金具88の当接部92の内径寸法が、第一の取付金具12の外フランジ状部24の外径寸法よりも小さくされている。
かかるストッパ金具88が本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品34の上方から軸方向に嵌め込まれて、ストッパ金具88の軸方向他方(図1中、下)の開口端部が、第二の取付金具14においてダイヤフラム42の固定金具44やスリーブ金具18の下フランジ状部28が固定されたかしめ部50よりも外周側の上端部分に軸方向に重ね合わせられていると共に、第二の取付金具14の環状突部48が、ストッパ金具88のかしめ部90に嵌め込まれている。かしめ部90にかしめ加工が施されていることにより、ストッパ金具88が第二の取付金具14に固定されている。
それによって、第一の取付金具12の軸方向上端部がストッパ金具88の当接部92の内周縁部から軸方向外方に突出していると共に、当接部92が第一の取付金具12の外フランジ状部24の上方に所定距離を隔てて配されて、それら当接部92と外フランジ状部24が、外フランジ状部24に被着された緩衝ゴム層40を挟んで軸方向で対向位置せしめられている。従って、マウント10の自動車への装着状態下、第一の取付金具12と第二の取付金具14の少なくとも一方が軸方向で互いに離隔する方向(所謂、リバウンド方向)に変位した際に、外フランジ状部24と当接部92が緩衝ゴム層40を介して互いに打ち当たることによって、第一の取付金具12と第二の取付金具14のリバウンド方向の相対的な変位量が緩衝的に制限されるようになっている。このことからも明らかなように、第一の取付金具12と第二の取付金具14のリバウンド方向のストッパ機構が、外フランジ状部24や当接部92を備えたストッパ金具88、緩衝ゴム層40を含んで構成されている。
ストッパ金具88が本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品34と第二の取付金具14の組付け体に組み付けられた状態では、図1,2に示されている如きダイヤフラム42が変形していない初期状態において、ダイヤフラム42の周壁部とストッパ金具88の筒状部が軸直角方向に所定距離を隔てて対向位置せしめられて、それらの間に隙間が設けられている。更に、ストッパ金具88の当接部92が、ダイヤフラム42の上壁部が固着された第一の取付金具12の外フランジ状部24の上方に位置せしめられていることで、ダイヤフラム42の上壁部と当接部92が軸方向に所定距離を隔てて対向位置せしめられている。更にまた、当接部92の内径寸法が、外フランジ状部24の外径寸法よりも小さくされていることによって、ダイヤフラム42の外周壁の径寸法に比して十分に小さくされている。これにより、当接部92の内周縁部が、外フランジ状部24の外周縁部に固着されたダイヤフラム42の周縁部よりも軸直角方向内方に入り込まされた形態で、ダイヤフラム42の上方に位置せしめられている。
要するに、ストッパ金具88の内側においてダイヤフラム42の弾性変形が許容されつつ、ダイヤフラム42の全体が当接部92を備えたストッパ金具88で覆われている。それによって、ダイヤフラム42がストッパ金具88で外部から保護されて、エンジンオイルや泥水、小石等の異物がダイヤフラム42に接触することが軽減乃至は回避されている。
さらに、第一の取付金具12におけるストッパ金具88の当接部92を挟んで外フランジ状部24の反対側に位置せしめられた上端部分には、軸直角方向に円環形状に広がるようにして、ゴム弾性材からなる蓋部材94が配設されている。この蓋部材94の外径寸法は当接部92の外径寸法よりも大きくされていることで、該当接部92の内径寸法に比して十分に大きくされており、それによって、蓋部材94が当接部92の内周縁部分を上方から覆い隠すように配設されている。これにより、異物が、当接部92の内周縁部からストッパ金具88の内側に侵入され難くされている。
上述の如き構造とされた自動車用エンジンマウント10においては、第一の取付金具12に固設された固定用ボルト22が図示しないパワーユニット側の取付部材に螺着固定されることによって、第一の取付金具12がパワーユニットに取り付けられるようになっている一方、第二の取付金具14に突設された固定用ボルト46が図示しない車両ボデー側の取付部材に螺着固定されることによって、第二の取付金具14が車両ボデーに取り付けられるようになっている。これにより、自動車用エンジンマウント10が、自動車におけるパワーユニットとボデーの間に装着されて、パワーユニットをボデーに対して防振支持せしめることとなる。
特に本実施形態に係るエンジンマウント10では、本体ゴム弾性体16に形成された一対のすぐり部38,38がマウント中心軸を挟んで対向位置せしめられた軸直角方向一方向(図6中、左右)が車両前後方向となり、且つマウント中心軸を通って該軸直角方向一方向に直交する方向(図6中、上下)が車両左右方向となるようにして、自動車に装着されている。その結果、マウント10における車両前後方向と車両左右方向のばね比が大きくされて、車両の乗り心地や操向安定性が向上される。
このような装着状態下の自動車用エンジンマウント10において、走行時に問題となるエンジンシェイク等の低周波数域の振動が入力されると、受圧室78に比較的に大きな圧力変動が生ぜしめられる。この圧力は大きいため、微振幅にチューニングされた弾性ゴム膜68では、受圧室78の圧力を実質的に吸収し得ない。従って、受圧室78と平衡室80の間に生ぜしめられる相対的な圧力変動の差によりオリフィス通路82を通じての流体の流動量が効果的に確保されて、該流体の共振作用等の流動作用に基づいて、エンジンシェイク等の低周波数域の振動に対して有効な防振効果(高減衰効果)が発揮されるのである。
また、停車時に問題となるアイドリング振動や走行時に問題となる低速こもり音等の中周波数域の振動の入力では、受圧室78に対して小さな振幅の圧力変動が惹起されることとなる。その際、当該振動の周波数域がオリフィス通路82のチューニング周波数よりも高いことから、オリフィス通路82が反共振的な作用によって流体流通抵抗が著しく大きくなって、実質的に閉塞状態となる。そこで、当該中周波数域にチューニングされた弾性ゴム膜68の弾性変形に基づいて、受圧室78の圧力変動が吸収されることにより、オリフィス通路82の実質的な閉塞化に起因する著しい高動ばね化が回避されることとなる。それ故、中周波数域の振動に対する良好な防振効果(低動ばね特性に基づく振動絶縁効果)が発揮されるのである。
そこにおいて、本実施形態の自動車用エンジンマウント10では、本体ゴム弾性体16と一体形成されたダイヤフラム42が、本体ゴム弾性体16およびスリーブ金具18を全体に亘って覆うようにして第一の取付金具12の外フランジ状部24からスリーブ金具18の軸方向他方の開口縁部に形成された下フランジ状部28の外周縁部まで軸方向に延びる筒状体とされている。かかるダイヤフラム42の開口部が下フランジ状部28の外周縁部で流体密に覆蓋されることによって、受圧室78に対してスリーブ金具18と本体ゴム弾性体16を挟んだ外周側に亘って平衡室80が形成されている。
これにより、平衡室80の容積が、本体ゴム弾性体16およびスリーブ金具18の外周側の大きなスペースを利用して十分に確保され得る。
しかも、ダイヤフラム42が本体ゴム弾性体16およびスリーブ金具18の軸方向、即ちマウント軸方向と平行に延びるような筒状体とされていることで、平衡室80がマウント本体から軸方向外方や軸直角方向外方に過大に突出することが有利に抑えられる。
また、平衡室80の壁部が、本体ゴム弾性体16の外周部分やダイヤフラム42の他に、スリーブ金具18を含んで構成されていることにより、平衡室80の壁部において本体ゴム弾性体16の占める割合がそれほど大きくされていない。それによって、平衡室80が本体ゴム弾性体16の弾性変形による容積変化等に起因する悪影響を受けることが軽減乃至は回避される。
それ故、本実施形態に係る自動車用エンジンマウント10においては、コンパクト化が有利に図られつつ、平衡室80の容積が十分に確保されることに基づき、受圧室78と平衡室80の圧力変動の差が有効に生ぜしめられて、オリフィス通路82を通じての流体の流動量が十分に確保される結果、該流体の共振作用等の流動作用による防振効果が有利に発揮され得るのである。
特に本実施形態では、受圧室78と平衡室80が、第二の取付金具14の内部に形成された連通穴74や環状領域76から下フランジ状部28の連通孔30を通じてオリフィス通路82によって連通されていることから、平衡室80の容積が連通穴74や環状領域76を利用して一層大きく確保されることとなり、防振効果の更なる向上が図られ得る。
また、ダイヤフラム42の全体がストッパ金具88で覆われていることによって、ダイヤフラム42への異物や他部材等の干渉が防止されて、ダイヤフラム42の損傷が回避されることとなり、ダイヤフラム42の耐久性が有利に向上され得る。特に、このストッパ金具88が、上端部に当接部92を備え、リバウンド方向のストッパ機構の一部として構成されているため、ダイヤフラム42を保護する部材とストッパ部材の両機能を果たしていることから、部品点数の削減や製造工程の短縮化が有利に図られ得る。
特に本実施形態に係るダイヤフラム42が、本体ゴム弾性体16とスリーブ金具18の外周側において第一の取付金具12の外フランジ状部24からスリーブ金具18の軸方向他方の開口縁部まで至る軸方向寸法を備えた大きなものとされており、ここで、かかるダイヤフラム42を外部から保護するための部材を採用し、且つストッパ部材を別途配設するとなると、エンジンマウント10の大型化や構造の複雑化が懸念される。そこにおいて、本実施形態では、上述のようにストッパ機構の一部を構成するストッパ金具88をダイヤフラム42の保護部材としても機能するようにしたことから、構造の簡略化やコンパクト化が有利に図られ得るのである。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、かかる実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様で実施可能であり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
例えば、スリーブ金具18やダイヤフラム42、受圧室78、平衡室80、オリフィス通路82等における形状や大きさ、構造、配置、数等の形態は、要求される防振性能や製作性等に応じて設定変更されるものであり、例示の如きものに限定されない。
具体的に前記実施形態では、平衡室80が本体ゴム弾性体16とスリーブ金具18の外周側を周方向に略一定の断面で延びる環状体とされていたが、例えば本体ゴム弾性体16やスリーブ金具18、ダイヤフラム42の少なくとも一つが周方向に一定の断面で延びない形状とされることにより、平衡室が、周方向に一定の断面で延びない環状体とされたり、周方向に離隔して複数形成されたりしても良い。
また、前記実施形態では、第二の取付金具14が有底円筒形状とされて第二の取付金具14内に収容されたオリフィス金具52に対してオリフィス通路82が形成されていたが、例えば円板形状を有する第二の取付金具をスリーブ金具18の軸方向他方の開口部側から重ね合わせて、受圧室と平衡室を仕切り、かかる第二の取付金具にオリフィス通路を形成しても良い。要するに、オリフィス金具52やオリフィス金具52の内部に配される弾性ゴム膜68は必須の構成要件でない。また、本体ゴム弾性体にオリフィス通路を貫通形成して、受圧室と平衡室を相互に連通させることも可能である。
また、前記実施形態では、第二の取付金具14内に円環形状の環状領域76が形成されていたが、例えばオリフィス金具の脚部は各種形状をしていても良いし、オリフィス金具の外周面上の適当な位置が第二の取付金具の周壁部に延び出していても良いことから、第二の取付金具の内部は、必ずしも円環形状である必要はない。
また、第一の取付金具12と第二の取付金具14のリバウンド方向のストッパ機構は、必須の構成要件でない。
また、前記実施形態では、ストッパ機構の一部を構成する外フランジ状部24が第一の取付金具12と一体形成されると共に、本体ゴム弾性体16と一体形成された緩衝ゴム層40が外フランジ状部24に被着されることによって、それら外フランジ状部24や緩衝ゴム層40が本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品34に一体形成された構造を呈していたが、例えば、緩衝ゴム層を備えたフランジ状部が一体加硫成形品と別体形成されると共に、該一体加硫成形品の第一の取付金具に固定される別体構造が採用されても良い。
加えて、前記実施形態では、本発明を自動車用エンジンマウントに適用したものの具体例について説明したが、本発明は、自動車用ボデーマウントやデフマウント等の他、自動車以外の各種振動体の防振マウントに対して、何れも、適用可能である。
本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウントの縦断面図。 図1のII−II断面図。 同自動車用エンジンマウントの一部を構成するスリーブ金具の縦断面図。 同スリーブ金具の底面図。 同自動車用エンジンマウントの一部を構成する第一の取付金具とスリーブ金具を備えた本体ゴム弾性体の一体加硫成形品の縦断面図であって図6のV−V断面に相当する図。 同本体ゴム弾性体の一体加硫成形品の底面図。 同自動車用エンジンマウントの一部を構成する第二の取付金具の縦断面図。 同自動車用エンジンマウントの一部を構成するオリフィス金具の縦断面図。 同オリフィス金具の平面図。
符号の説明
10:自動車用エンジンマウント、12:第一の取付金具、14:第二の取付金具、16:本体ゴム弾性体、18:スリーブ金具、24:外フランジ状部、42:ダイヤフラム、78:受圧室、80:平衡室、82:オリフィス通路

Claims (6)

  1. 第一の取付部材がスリーブ部材の軸方向一方の開口部側に離隔配置されて、それら第一の取付部材とスリーブ部材が本体ゴム弾性体で連結されていると共に、該スリーブ部材の軸方向他方の開口部側に第二の取付部材が配設されて該軸方向他方の開口部が流体密に覆蓋され、壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成された受圧室と壁部の一部が可撓性ゴム膜で構成された平衡室が形成されて、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体が封入されていると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通せしめるオリフィス通路が形成されている流体封入式防振装置において、
    前記スリーブ部材の軸方向他方の開口部が前記第二の取付部材で流体密に覆蓋されることにより、前記受圧室が該スリーブ部材と前記本体ゴム弾性体の内側に形成されている一方、前記第一の取付部材に外フランジ状部が設けられており、該本体ゴム弾性体と一体形成された前記可撓性ゴム膜が、該本体ゴム弾性体および該スリーブ部材を全体に亘って覆うようにして該外フランジ状部から該スリーブ部材の軸方向他方の開口縁部まで軸方向に延びる筒状体とされており、該可撓性ゴム膜の開口部が該スリーブ部材の軸方向他方の外周縁部で流体密に覆蓋されることによって、該受圧室に対して該スリーブ部材と該本体ゴム弾性体を挟んだ外周側に亘って前記平衡室が形成されていることを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記オリフィス通路が前記スリーブ部材における軸方向他方の開口部側に形成されている請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記スリーブ部材が軸方向両端に外フランジ状部が一体形成された筒状体からなり、前記本体ゴム弾性体が該スリーブ部材の軸方向一方の外フランジ状部に固着されていると共に、該スリーブ部材の軸方向他方の外フランジ状部が該一方の外フランジ状部よりも外周側に突出して、該他方の外フランジ状部の外周部分に前記可撓性ゴム膜の開口縁部が固着されている請求項1又は2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記第二の取付部材が有底円筒形状を有しており、該第二の取付部材の開口縁部が前記スリーブ部材の前記他方の外フランジ状部の外周部分に重ね合わされている一方、該第二の取付部材の底部中央にはオリフィス部材が設けられ、該オリフィス部材の外周部分が該スリーブ部材の該他方の外フランジ状部の内周縁部分に重ね合わされて該スリーブ部材の該他方の開口部が覆蓋されることによって前記受圧室が形成されており、更に、該オリフィス部材に前記オリフィス通路が形成されていると共に、該スリーブ部材の該他方の外フランジ状部には該第二の取付部材の内部を前記平衡室に接続する連通孔が形成されており、該受圧室と該平衡室が該第二の取付部材の内部から該連通孔を通じて該オリフィス通路によって連通されている請求項3に記載の流体封入式防振装置。
  5. 前記オリフィス部材の外周部分を周方向に延びるようにして前記オリフィス通路が形成されていると共に、該オリフィス部材の中央部分には可動膜が配設されており、該可動膜の一方の面に前記受圧室の圧力が及ぼされると共に、該可動膜の他方の面には、前記平衡室の圧力が前記連通孔から前記第二の取付部材の内部を通じて及ぼされるようにすることで圧力変動吸収機構が構成されている請求項4に記載の流体封入式防振装置。
  6. 前記第二の取付部材の開口部の外周縁部には筒状のストッパ部材の一方の開口部が固着されており、該ストッパ部材が該第二の取付部材から前記第一の取付部材側に向かって前記可撓性ゴム膜を外周側に離隔して覆う状態で軸方向に延び出していると共に、該ストッパ部材の先端部分が内周側に延びており前記第一の取付部材の前記外フランジ状部に対して軸方向外方に離隔して対向位置せしめられる当接部を構成していると共に、それら外フランジ状部と当接部の対向面の少なくとも一方に緩衝ゴムが設けられていることによって、リバウンド方向のストッパ機構が構成されていると共に、該可撓性ゴム膜が全体に亘って該ストッパ部材で覆われている請求項1乃至5の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
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