JP2010004053A - 露光用2ステージレーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】MOPO方式の高安定性、高出力効率、細い線幅である利点を活かしつつ、空間コヒーレンスを低くした半導体露光用2ステージレーザ装置を提供する。
【解決手段】発振段レーザ50と、発振段レーザで発振されたレーザ光を入力してそのレーザ光を増幅して出力する増幅段レーザ60とからなり、前記発振段レーザ、増幅段レーザ共にレーザガスが充填されたチャンバーを備えている露光用2ステージレーザ装置において、発振段レーザ50として発振レーザ光に発散を有するものが用いられ、前記増幅段レーザ60は入力側ミラー1と出力側ミラー2とからなるファブリペローエタロン型共振器を備え、該共振器を安定共振器とした構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、露光用2ステージレーザ装置に関し、特に、空間コヒーレンスが低い半導体露光装置用に適した2ステージレーザ装置に関するものである。
従来から、高出力を得るために、発振段レーザと、この発振段レーザから放出されるレーザ光を増幅する増幅段とからなる2ステージレーザ装置が知られている。ダブルチャンバーレーザシステムには、MOPA(Master Oscillator Power Amplifier )とMOPO(Master Oscillator Power Oscillator)の2つの方式が知られている。前者は、増幅段に共振器を用いない方式、後者は増幅段に不安定共振器を用いる方式である。このMOPA方式とMOPO方式には次の特徴と課題がある。
MOPA
(ア)空間コヒーレンスが低い。すなわち、ビーム横断方向のシェア量(ピンホール間隔)を同じとした場合に、干渉縞のビジビリティーが低い(利点)。なお、シェア量、ビジビリティーについては、後で説明する。
(イ)チャンバー間の同期励起タイミング変動に対して出力変動が敏感で、エネルギ安定性が低い(欠点)
(ウ)MOPO方式と比較して低出力効率であり、発振段レーザからのレーザ(seed)エネルギがMOPO方式よりも必要(欠点)
(エ)発振段レーザからのレーザパルスの後半部はラウンドトリップが多くなるためスペクトル線幅が狭く、この後半部の裾部分(tail)が増幅できないため、スペクトル線幅が太い(欠点)
MOPO
(ア)空間コヒーレンスが高い。すなわち、ビーム横断方向のシェア量(ピンホール間隔)を同じとした場合に、干渉縞のビジビリティーが高い(欠点)
(イ)チャンバー間の同期励起タイミング変動に対して出力変動が鈍感で、エネルギ安定性が高い(利点)
(ウ)MOPA方式と比較して高出力効率であり、発振段レーザからのレーザ(seed)エネルギがMOPA方式よりも小さくてよい(利点)
(エ)発振段レーザからのレーザパルスの後半部はラウンドトリップが多くなるためスペクトル線幅が狭く、この後半部の裾部分(tail)が増幅できるため、スペクトル線幅が細い(利点)
上記のように、MOPA方式とMOPO方式の比較すると、(ア)の空間コヒーレンスの点を除くと、MOPO方式の方が利点が多く、空間コヒーレンスを低くする方策が得られれば、エキシマレーザやF2 レーザ等の半導体露光装置用の光源としてMOPO方式がより適していることになる。
ところで、従来、MOPO方式においては上記のように不安定共振器が用いられており、その点に問題があることが分かった。以下に、その問題を詳細に説明する。
なお、以下の説明で、発振段レーザとは、狭帯域化発振段レーザのことを指す。MOPA方式とMOPO方式は、基本的に、最低1台の発振段レーザと1台の増幅段又は増幅段レーザによって構成されている。増幅段レーザに共振器が設置されていない場合、ここでは増幅段と呼び、増幅段では光の共振がない。増幅段レーザに共振器が設置されている場合をMOPO方式と呼ぶ。増幅段に共振器が設置されている場合、増幅段は増幅段レーザ
として機能し、光の共振がある。したがって、増幅段と増幅段レーザを比較した場合、励起エネルギが等しいときには、増幅段レーザの方が増幅段より高効率な増幅が可能となる。
従来、エキシマレーザのMOPOシステムの増幅段レーザに、入力側ミラーの中心にseed光導入穴が設けられた凹面鏡、出力側ミラーに凸面鏡を用いた不安定共振器が使われている。不安定共振器のこのような凹面鏡と凸面鏡配置は、望遠光学系を構成し、幾何光学的な拡大倍率(拡大率)を有する。不安定共振器の光学倍率は20倍程度あり、MOPOシステムにおいて効率的に高出力、高コヒーレンスレーザ光を得ることが目的であり、従来の主要使用目的は、理化学研究用の光源としてであった。
半導体露光装置用光源として、増幅段レーザに不安定共振器を用いるものが特許文献1に提案されている。ここで不安定共振器の光学拡大率を10倍程度まで下げているが、空間コヒーレンスの低コヒーレンス化は十分でないと本発明者等の実験から推測される。
すなわち、従来のMOPOシステムでは、seed光の効率的な増幅を目的としていたために、不安定共振器が用いられていた。増幅段レーザ内に不安定共振器の凸面鏡を設けてseed光を増幅段レーザ利得領域全体に広げて注入し、seed光の効率的な増幅を実現していた。
特許第2820103号公報
望月仁他2名共訳「レーザの基礎と応用」pp.30〜33(昭和61年1月20日、丸善(株)発行) Sov. J. Quantum Electron.16(5),May 1986,pp.707-709
露光機用レーザ装置においては、レーザ光プロファイル断面での面内低可干渉性(空間コヒーレンス)が非常に重要な仕様としてある。ビームプロファイル内の一定距離(シェア量)Aにある部分的ビームプロファイルの干渉性を比較してこの空間コヒーレンス特性(可干渉性)が評価される。このAという距離は、ステッパー等の半導体露光装置の照明系の明るさムラを解消するためのフライアイレンズのレンズ間距離等によって決まる値である。そして、そのシェア量Aの2点の空間コヒーレンスの干渉性は以下の式で定義されるビジビリティー(可視度)で評価される。
ビジビリティー=(最大フリンジ強度Imax −最小フリンジ強度Imin
÷(最大フリンジ強度Imax +最小フリンジ強度Imin
・・・(1)
ここで、フリンジ強度とは2点からの光を干渉させたときの干渉縞の強度である。図71に、所定のシェア量にある2点からの光の干渉縞とその最大フリンジ強度Imax 、最小フリンジ強度Imin を模式的に示す。図72には、レーザ部分を追記した所定のシェア量にある2点からの光の干渉縞とその最大フリンジ強度Imax 、最小フリンジ強度Imin を模式的に示す。この図72は、ヤングの干渉計によるレーザ光源の空間的コヒーレンスを評価するための光学配置図と所定のシェア量(=ピンホール間の距離)にある2点からの光の干渉縞とその最大フリンジ強度Imax 、最小フリンジ強度Imin を模式的に示す。一般的に、空間コヒーレンスは、測定点であるピンホールの位置から見た光源の大きさと光
源の強度分布によって決まる。
本発明者等の実験において、狭帯域化レーザのビジビリティー測定結果と、その狭帯域化レーザを発振段レーザとし、不安定共振器増幅段レーザで増幅した場合の測定結果とを図73に示す。半導体露光装置からシェア量A以上でビジビリティーVt以下の条件を満足することが要求されている。そして、通常、狭帯域化レーザ単体のビジビリティーはこの要求を満足している。しかし、この実験で、増幅段レーザに5倍の拡大率の不安定共振器を用いた場合、ビジビリティーVt以下となるシェア量はBまで拡大してしまった。B≒5×Aであり、所望のビジビリティーVt以下となるシェア量が不安定共振器の拡大率分増加したことになる。この理由は、図71へレーザ部分を追記した図72の配置図において、レーザ光源とピンホールの間に、凹面ミラーと凸面ミラーで組み合わせたビーム拡大光学系が配置された状態で空間的コヒーレンスを評価したことになる。この場合、ピンホールから見たときの光源の大きさは、ビームの拡大率分だけ小さくなる。したがって、同じビジビリティーVt以下となるシェア量は拡大率分だけ大きくなる。
本発明者等は、増幅段レーザに不安定共振器を用いた場合、シェア量がその不安定共振器の倍率相当分拡大することに着目し、入力側ミラー、出力側ミラー共平面鏡を用いて光学拡大率1倍とした安定共振器を用いてMOPOシステムを構成して実験を行った。その結果、発振段レーザ単体すなわちseed光と同等のシェア量Aをこの共振器を用いたMOPOシステムで達成できることが分かった(図73)。すなわち、本発明者等は、MOPOシステムの増幅段レーザに不安定共振器を用いると、不安定共振器の光学拡大率分シェア量が拡大することを発見し、これを防止することが安定共振器を用いることによって可能なことを見い出した。後記するように、この点が本発明の1つの基礎である。
ここで、別の角度から、空間コヒーレンス及び不安定共振器を用いた場合にシェア量が拡大することに関する説明を行う。
図74に、発振段レーザから放出されるレーザ光の断面(ビームプロファイル)を示す。ビームプロファイル内の距離A1離れたレーザ光P1、P2’、及び、距離A2離れたレーザ光P1、P2間の可干渉性を検討する。図75に示すように、近い距離A1にあるレーザ光P1、P2’の波の位相は揃っているか略等しい位相にある。しかし、互いの距離が離れていくに従い、波長は同じであっても少し波の位相がずれているために、比較的離れた距離A2にあるレーザ光P1、P2は空間的に干渉し難くなる。すなわち、ピンホール間の距離が離れていると干渉縞のビジビリティーは小さくなる。
従来技術では、増幅段レーザ共振器が不安定共振器であった。不安定共振器は、図78(a)に示すように、入力側凹面鏡と出力側凸面鏡からなるもので、seed光の断面を幾何光学的に拡大するタイプの共振器であるので、増幅段レーザも発振段レーザも略同じサイズの励起断面サイズ(放電断面サイズ)の場合、発振段レーザからのseed光は、図76に示すように、全体のビーム断面から半径A3の一部のビーム部分が切り出されることになる。その切り出し断面内において、レーザ光P1とP3の距離は近づく程干渉縞のビジビリティーは高くなる。A3の距離ではビジビリティーが低くても、A4の距離になると、干渉縞のビジビリティーが高くなり、コヒーレンスが高くなる。
上記のように、従来の増幅段レーザ共振器は拡大系であったため、高コヒーレンスを維持したままレーザ光を拡大したことになる。その結果、増幅後のレーザ光P3が高コヒーレンスの特性を維持したまま、図77に示すように、P3’の位置へ広がり、発振段レーザではA5の距離でコヒーレンスの仕様を満たしていても、増幅後では、不安定共振器によるseed光のビームの拡大によって、その距離A5を超えた距離A6においても高い干渉性を維持しているので、低コヒーレンスの仕様を満たさないということが問題として
生じる。
図78に、不安定共振器を用いた増幅段レーザの図76と図77で説明したseed光の広がりの様子を示す。入力側凹面鏡の位置Z1におけるレーザ光断面(図78(b))は図76に相当し、出力側凸面鏡の位置Z2におけるレーザ光断面(図78(c))は図77に相当する。従来技術では、増幅段レーザ共振器が不安定共振器であった。不安定共振器は、図81(a)に示すように、入力側シリンドリカル型の凹面鏡と出力側シリンドリカル凸面鏡からなるのもで、seed光の断面を幾何学的に縦方向に拡大するタイプの共振器の場合に関して説明する。発振段レーザからのseed光は、図79に示すように、seed光注入される断面において、レーザ光P1とP3の距離A3(シェア量)におけるビジビリティーは、図80に示す不安定共振器によって拡大された増幅段のビーム断面図においては、同じP1とP3の距離A3(シェア量)でビジビリティーを計測すると高くなる。発振段と同等のビジビリティーの場合のレーザ光P1とP3’の距離A4は、不安定共振器の拡大率分だけ長くなる。すなわち、空間的コヒーレンスが高くなることを意味している。
以上説明したように、従来のMOPO方式をとる露光用2ステージレーザ装置においては、増幅段レーザに不安定共振器を用いていたため、空間コヒーレンスが不安定共振器でseed光のビームが拡大される倍率の割合で、空間的な可干渉距離が長く、半導体露光装置用光源としては満足できるものではなかった。
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、MOPO方式の高安定性、高出力効率、細い線幅である利点を活かしつつ、空間コヒーレンスを低くした半導体露光装置用に適した2ステージレーザ装置を提供することである。
上記目的を達成する本発明の露光用2ステージレーザ装置は、発振段レーザと、発振段レーザで発振されたレーザ光を入力してそのレーザ光を増幅して出力する増幅段レーザとからなり、発振段レーザ、増幅段レーザ共にレーザガスが充填されたチャンバーを備えている露光用2ステージレーザ装置において、
発振段レーザとして発振レーザ光に発散を有するものが用いられ、増幅段レーザはファブリペローエタロン型共振器を備え、前記共振器は安定共振器を構成していることを特徴とするものである。
この場合に、共振器は、発振段レーザで発振されたレーザ光が入力される入力側ミラーと、増幅されたレーザ光が出力される出力側ミラーとからなり、入力側ミラーは、発振段レーザで発振されたレーザ光を共振器中に導入する領域外に全反射ミラーコーティングを有する全反射ミラーからなり、出力側ミラーは平面の部分反射ミラーからなることが望ましい。
また、入力側ミラーの基板の略中心部に、発振段レーザで発振されたレーザ光を共振器中に導入する形状の孔又はスリットが設けられているものとしてもよい。
また、入力側ミラーの基板を透明基板で構成し、その透明基板の表面の略中心部の発振段レーザで発振されたレーザ光を共振器中に導入する形状の領域又はその形状を含むスリット領域以外の周辺部に全反射ミラーコーティングが施されているものとしてもよい。
また、発振段レーザで発振されたレーザ光を、入力側ミラーの周辺又は全反射ミラーコーティングが施されていない周辺部から共振器中に導入するように構成されているものとしてもよい。
あるいは、共振器は、発振段レーザで発振されたレーザ光が入力される入力側ミラーと、増幅されたレーザ光が出力される出力側ミラーとからなり、入力側ミラーは部分反射ミラーからなり、出力側ミラーは平面の部分反射ミラーからなるものであってもよい。
また、発振段レーザで発振されたレーザ光を、入力側ミラーの周辺から共振器中に導入するように構成されているものとしてもよい。
また、発振段レーザの共振器の出力側ミラーと増幅段レーザの入力側ミラーとが同一基板の両側の面に形成されているように構成してもよい。
また、入力側ミラーは、平面ミラー、凹面鏡、あるいは、円筒凹面鏡から構成することができる。
あるいは、共振器は、発振段レーザで発振されたレーザ光が入力され、かつ、増幅されたレーザ光が出力される出力側ミラーと、リア側ミラーとからなり、出力側ミラーの基板を透明基板で構成し、増幅されたレーザ光が出力される領域が部分反射性を有するように構成されており、リア側ミラーは平面の全反射ミラーからなるものであってもよい。
また、共振器は、発振段レーザで発振されたレーザ光が入力され、かつ、増幅されたレーザ光が出力される出力側ミラーと、直角プリズムとからなり、出力側ミラーの基板を透明基板で構成し、増幅されたレーザ光が出力される領域が部分反射性を有するように構成されており、直角プリズムは入射光を全て反射する全反射直角プリズムからなるものであってもよい。
また、発振段レーザで発振されたレーザ光を、出力側ミラーの周辺又は部分反射性を有さない周辺部から共振器中に導入するように構成されているものとしてもよい。
また、出力側ミラーが部分反射ミラーであってもよい。
この場合に、発振段レーザで発振されたレーザ光を、出力側ミラーの周辺から共振器中に導入するように構成されているものとしてもよい。
また、出力側ミラーは、平面ミラー、凹面鏡、あるいは、円筒凹面鏡から構成することができる。
また、本発明の以上の露光用2ステージレーザ装置において、共振器は、発振段レーザで発振されたレーザ光が入力される入力側ミラーを部分反射鏡とし、入力側ミラーと出力側ミラーで構成し、その部分反射鏡を透過させて発振段レーザの出力光を共振噐へ入力するものであり、共振器の光軸と発振段レーザの光軸とを略一致させるようにしてもよい。
また、共振器は、全反射型リア側ミラーと出力側ミラーで構成し、リア側ミラーとリア側のレーザウインドの間であって、かつ、共振噐の光軸上にビームスプリッタを配置し、発振段レーザで発振されたレーザ光をそのビームスプリッタへ入射させ、そこから反射されるレーザ光の光軸を共振器の光軸と略一致させるようにしてもよい。
また、共振器は、全反射型リア側ミラーと出力側ミラーで構成し、そのリア側ミラーとフロント側のレーザウインドの間であって、かつ、共振噐の光軸上にビームスプリッタを配置し、発振段レーザで発振されたレーザ光をそのビームスプリッタへ入射させ、そこから反射されるレーザ光の光軸を共振器の光軸と略一致させるようにしてもよい。
また、共振器は、全反射型リア側ミラーと出力側ミラーで構成し、その共振器の外部であって、かつ、共振噐の光軸上に発振段レーザで発振されたレーザ光が入力されるビームスプリッタを配置し、発振段レーザで発振されたレーザ光をそのビームスプリッタへ入射させ、そこから反射されるレーザ光の光軸を共振器の光軸と略一致させて、かつ、出力側ミラーを透過させてレーザ光を入力するようにしてもよい。
また、発振段レーザのフロントミラーを部分反射鏡とし、発振段レーザで発振されたレーザ光が入力される共振器の入力側ミラーと共有化するようにしてもよい。
さらにまた、本発明の以上の露光用2ステージレーザ装置において、発振段レーザで発振され増幅段レーザに入力されるレーザ光の光軸と、増幅段レーザの共振器の光軸とが角度をなすように設定されているものとしてもよい。
さらに、増幅段レーザの共振器長の略2倍の長さが発振段レーザのスペクトル線幅に対応する時間的コヒーレント長よりも長くなるように設定されているものとしてもよい。
また、発振段レーザと増幅段レーザとの間に、発振段レーザで発振されたレーザ光のビーム形状を圧縮する機能と、発振段レーザで発振されたレーザ光の発散を拡大する機能の少なくとも一方を有する変換光学系を備えているようにしてもよい。
また、増幅段レーザに入力されるレーザ光の発散が次の条件を満足することが望ましい。
θh ≧Tan-1[{(Ha −Hs )/2}・(1/L)/(P・c/L)]
=Tan-1{(Ha −Hs )/(2・P・c)}
・・・(2)
θv ≧Tan-1[{(Va −Vs )/2}・(1/L)/(P・c/L)]
=Tan-1{(Va −Vs )/(2・P・c)}
・・・(3)
ここで、θv 、θh はそれぞれ増幅段レーザに入力されるレーザ光の垂直方向、水平方向の発散角、P:実効パルス幅、c:光速、L:共振器長、Vs 、Hs :増幅段レーザに入力されるレーザ光の垂直方向、水平方向のビーム径、Va 、Ha :出力光の垂直方向、水平方向のビーム径である。
本発明のもう1つの露光用2ステージレーザ装置は、発振段レーザと、発振段レーザで発振されたレーザ光を入力してそのレーザ光を増幅して出力する増幅段レーザとからなり、発振段レーザ、増幅段レーザ共にレーザガスが充填されたチャンバーに放電電極を備えている露光用2ステージレーザ装置において、
前記発振段レーザの出力光は発散角を有するものであり、前記増幅段レーザは、前記発振段レーザ出力光の入力と増幅されたレーザ光の出力とを兼ねる部分反射ミラーと、該部分反射ミラーを経て入力されたレーザ光を反射させて前記増幅段レーザの放電電極の放電空間を透過させる第1の全反射ミラーと、前記増幅段レーザの第1の全反射ミラーにより前記放電空間を透過した光を前記放電電極の放電空間に再び透過させ、かつ、該部分反射ミラー位置へ戻す複数の全反射ミラーとを備えたリング型共振器を備え、該部分反射ミラーおよび前記複数の全反射ミラーは平面からなることを特徴とするものである。
この場合、前記増幅段レーザの該リング型共振器の光路は前記増幅段レーザの放電電極の放電方向と直交する平面内にあることが望ましい。
また、前記第1の全反射ミラーは、該部分反射ミラーを経て入力されたレーザ光を反射させて前記増幅段レーザの放電電極の長手方向に対して傾けて前記放電空間を透過させる全反射ミラーであり、前記複数の全反射ミラーは前記増幅段レーザの第1の全反射ミラーにより前記放電空間を透過した光を前記放電電極の長手方向に沿って放電空間に再び透過させ、かつ、該部分反射ミラー位置へ戻す複数の全反射ミラーであることが望ましい。
また、前記発振段レーザは、狭帯域レーザであることが望ましい。
また、発振段レーザと増幅段レーザとの間に、発振段レーザで発振されたレーザ光のビーム形状を圧縮する機能を有する変換光学系を備えているように構成してもよい。
また、リング型共振器の光路長が発振段レーザのスペクトル線幅に対応する時間的コヒーレント長よりも長くなるように設定されていることが望ましい。
本発明のさらにもう1つの露光用2ステージレーザ装置は、発振段レーザと、発振段レーザで発振されたレーザ光を入力してそのレーザ光を増幅して出力する増幅段レーザとからなり、発振段レーザ、増幅段レーザ共にレーザガスが充填されたチャンバーを備えている露光用2ステージレーザ装置において、
増幅段レーザはファブリペローエタロン型共振器を備え、前記共振器は安定共振器を構成していて、発振段レーザで発振され増幅段レーザに入力されるレーザ光の光軸と、増幅段レーザの共振器の光軸とが角度をなすように設定されていることを特徴とするものである。
本発明のさらにもう1つの露光用2ステージレーザ装置は、発振段レーザと、発振段レーザで発振されたレーザ光を入力してそのレーザ光を増幅して出力する増幅段レーザとからなり、発振段レーザ、増幅段レーザ共にレーザガスが充填されたチャンバーを備えている露光用2ステージレーザ装置において、
増幅段レーザはファブリペローエタロン型共振器を備え、前記共振器は安定共振器を構成していて、増幅段レーザの共振器長の略2倍の長さが発振段レーザのスペクトル線幅に対応する時間的コヒーレント長よりも長くなるように設定されていることを特徴とするものである。
本発明のさらにもう1つの露光用2ステージレーザ装置は、発振段レーザと、発振段レーザで発振されたレーザ光を入力してそのレーザ光を増幅して出力する増幅段レーザとからなり、発振段レーザ、増幅段レーザ共にレーザガスが充填されたチャンバーを備えている露光用2ステージレーザ装置において、
増幅段レーザはファブリペローエタロン型共振器を備え、前記共振器は安定共振器を構成していて、発振段レーザで発振され増幅段レーザに入力されるレーザ光の光軸と、増幅段レーザの共振器の光軸とが角度をなすように設定されており、かつ、増幅段レーザの共振器長の略2倍の長さが発振段レーザのスペクトル線幅に対応する時間的コヒーレント長よりも長くなるように設定されていることを特徴とするものである。
本発明のさらにもう1つの露光用2ステージレーザ装置は、発振段レーザと、発振段レーザで発振されたレーザ光を入力してそのレーザ光を増幅して出力する増幅段レーザとからなり、発振段レーザ、増幅段レーザ共にレーザガスが充填されたチャンバーを備えている露光用2ステージレーザ装置において、
前記増幅段レーザはリア側ミラーと出力側ミラーからなる共振器を備え、前記リア側ミラー及び出力側ミラーの反射面は平面で構成され、前記リア側ミラー及び前記出力側ミラーの法線が、発振段レーザで発振され増幅段レーザに入力されるレーザ光の光軸に対して角度をなすように、かつ、相互に角度をなすように設定され、発振段レーザで発振された
レーザ光が両方のミラー間の距離がより長い側から前記共振器内に入力されることを特徴とするものである。
この場合に、発振段レーザで発振されたレーザ光が最初に入射するリア側ミラー又は出力側ミラーにおいて反射されたレーザ光が、両方のミラー間の距離がより短い側に反射されるように共振器を配置することが望ましい。
また、リア側ミラーと出力側ミラーが相互に0.01mrad〜0.2mradの範囲の角度をなすように設定されていることが望ましい。
また、この場合も、増幅段レーザの共振器長の略2倍の長さが発振段レーザのスペクトル線幅に対応する時間的コヒーレント長よりも長くなるように設定されていることが望ましい。
なお、以上の露光用2ステージレーザ装置において、発振段レーザで発振されたレーザ光を、共振器の側面の何れかの位置から共振器中に導入するように構成することもできる。
以上の本発明の露光用2ステージレーザ装置において、共振器を構成する各ミラーは、その各ミラーを共振器の光軸方向に対して略垂直方向に移動させることが可能なミラーホルダによって保持されているものとしてもよい。
また、以上の本発明の露光用2ステージレーザ装置は、発振段レーザに発振したレーザ光を狭帯域化する狭帯域化手段を備え、例えば、KrFエキシマレーザ装置、ArFエキシマレーザ装置、フッ素分子(F2 )レーザ装置として構成することができる。
あるいは、発振段レーザに発振したレーザ光の中1本の発振ラインを選択する波長選択手段を備えるフッ素分子(F2 )レーザ装置として構成することができる。
あるいは、増幅段レーザの出力側に出力されるレーザ光の中1本の発振ラインを選択する波長選択手段を設けたフッ素分子(F2 )レーザ装置として構成することができる。
本発明の露光用2ステージレーザ装置によると、発振段レーザとして発振レーザ光に発散を有するものが用いられ、増幅段レーザはファブリペローエタロン型共振器を備え、その共振器は安定共振器を構成しているので、あるいは、発振段レーザとして発振レーザ光に発散を有するものが用いられ、増幅段レーザは、入出力用の部分反射ミラーと、該部分反射ミラーを経て入力されたレーザ光を反射させて該部分反射鏡位置へ戻す複数の全反射ミラーとを備えたリング型共振器を備え、その部分反射ミラー及び複数の全反射ミラーは平面からなるので、MOPO方式の利点である、チャンバー間の同期励起タイミング変動に対して出力変動が鈍感で、エネルギ安定性が高く、高出力効率であり、発振段レーザからのレーザ(seed)エネルギが小さくてよく、発振段レーザからのレーザパルスの後半部はラウンドトリップが多くなるためスペクトル線幅が狭く、この後半部の裾部分(tail)を増幅できるため、線幅が細い特長に加えて、MOPA方式の利点である、空間コヒーレンスが低い、すなわち、ビーム横断方向のシェア量(ピンホール間隔)を同じとした場合、干渉縞のビジビリティーが低く空間的な可干渉性が低い特長を備える。
ここで、発振段レーザで発振され増幅段レーザに入力されるレーザ光の光軸と、増幅段レーザの共振器の光軸とが角度をなすように設定すれば、さらに空間的な可干渉性が低い特長を備える。
また、増幅段レーザの共振器長の略2倍の長さが発振段レーザのスペクトル線幅に対応する時間的コヒーレント長よりも長くなるように設定すれば、あるいは、リング型共振器の光路長が発振段レーザのスペクトル線幅に対応する時間的コヒーレント長よりも長くなるように設定すれば、増幅段レーザから出力されるレーザ光のビームプロファイル上に発生する干渉縞パターンを抑制することができる。したがって、ビームプロファイルの対称性を維持し、変動を抑制することができる。そのため、露光装置のマスクへの照明の均一性を維持することができ、特に、半導体露光装置用に適した2ステージレーザ装置が得られる。
なお、発振段レーザとして発振レーザ光に発散を有するものを使用することに限定されずに、発振段レーザで発振され増幅段レーザに入力されるレーザ光の光軸と、増幅段レーザの共振器の光軸とが角度をなすように設定することにより、MOPO方式の上記利点に加えて、空間的な可干渉性が低く、同様に半導体露光装置用に適した2ステージレーザ装置が得られる。
さらに、リア側ミラー及び出力側ミラーの反射面は平面で構成され、リア側ミラー及び出力側ミラーの法線が、発振段レーザで発振され増幅段レーザに入力されるレーザ光の光軸に対して角度をなすように、かつ、相互に角度をなすように設定され、発振段レーザで発振されたレーザ光が両方のミラー間の距離がより長い側から共振器内に入力されるように構成することにより、上記の増幅段レーザに入力されるレーザ光の光軸を増幅段レーザの共振器の光軸と角度をなすように設定する場合の利点に加えて、レーザ出力の増大、パルス幅の伸長、増幅段レーザに入力されるレーザ光の注入の自由度の確保、発振段レーザのピーク強度の低下を図ることが可能になり、半導体露光装置用により適した2ステージレーザ装置が得られる。
本発明の露光用2ステージレーザ装置の基本構成の概略を示す図である。 本発明においてseed光に要求される発散を定義するための図である。 増幅段レーザに用いる共振器のミラー構成の1例を示す図である。 増幅段レーザに用いる共振器のミラー構成の別の例を示す図である。 増幅段レーザに用いる共振器のミラー構成の別の例を示す図である。 増幅段レーザに用いる共振器のミラー構成の別の例を示す図である。 増幅段レーザに用いる共振器のミラー構成の別の例を示す図である。 増幅段レーザに用いる共振器のミラー構成の別の例を示す図である。 発振段レーザと増幅段レーザの間に介在させる変換光学系を説明するための図である。 変換光学系の1例を示す図である。 変換光学系の別の例を示す図である。 さらに別の変換光学系を用いた本発明の露光用2ステージレーザ装置を説明するための図である。 本発明の基本構成を備えた露光用2ステージレーザ装置の1つの構成例の全体構成図である。 図13の露光用2ステージレーザ装置の具体的な1つの実施例の要部を示す図である。 図14の構成の場合の低コヒーレンスのシェア量とビジビリティーの関係を示す図である。 増幅段レーザの入力側ミラーの1つの変形例を備えた露光用2ステージレーザ装置を説明するための図である。 増幅段レーザに用いる共振器の入力側ミラーの別の変形例を示す図である。 増幅段レーザに用いる共振器の入力側ミラーの別の変形例を示す図である。 増幅段レーザの入力側ミラーの別の変形例を備えた露光用2ステージレーザ装置を説明するための図である。 増幅段レーザの共振器の光軸とseed光の光軸とが角度をなすときの動作原理を説明するための図である。 増幅段レーザの入力側ミラーのさらに別の変形例を備えた露光用2ステージレーザ装置を説明するための図である。 図19の例において使用し得る入力側ミラーの変形例を示す図である。 図20の例において使用し得る入力側ミラーの変形例を示す図である。 図21の例において使用し得る入力側ミラーの変形例を示す図である。 本発明の露光用2ステージレーザ装置の別の実施例の要部を示す図である。 図25に示す露光用2ステージレーザ装置を構成する増幅段レーザを示す図である。 ミラーホルダーの構成例を示す図である。 本発明の露光用2ステージレーザ装置の別の実施例の要部を示す図である。 本発明の露光用2ステージレーザ装置の増幅段レーザの別の構成例を示す図である。 図29に示す増幅段レーザに使用する共振器のミラー構成例を示す図である。 増幅段レーザの共振器の入力側ミラーと出力側ミラーを非平行に配置する露光用2ステージレーザ装置の例の図16と同様の図である。 所定の回数増幅段レーザの共振器中を往復して有効にレーザ出力として取り出し可能であるための条件を考えるための図である。 所定の回数増幅段レーザの共振器中を往復して有効にレーザ出力として取り出し可能であるための条件を考えるための別の図である。 所定の回数増幅段レーザの共振器中を往復して有効にレーザ出力として取り出し可能であるための条件を考えるためのさらに別の図である。 放電領域を逸脱せずに有効に出力側ミラーからレーザ出力として有効に取り出すために必要な入力側ミラー(リア側ミラー)位置におけるseed光の注入位置と角度との関係を算出するための図である。 図31の例において入力側ミラーのエッジを放電領域の端部と合致させた場合のチャンバーと反対側から見た図である。 入力側ミラーと出力側ミラーを平行配置、入力側ミラーのエッジを放電領域の端部と合致させた場合の有効に取り出し可能な領域の例を示す図である。 入力側ミラーを傾けた場合の有効に取り出し可能な領域の例を示す図である。 入力側ミラーと出力側ミラーを平行より非平行とした方がより高いレーザ出力が得られパルス幅が伸長することを説明するための図である。 増幅段レーザの共振器を構成する2枚の平面ミラーを非平行で構成する場合に傾き角度の関係を検討するための図である。 適正な傾きを得るための範囲を模式的に示す図である。 本発明の露光用2ステージレーザ装置の図25の場合と同様にseed光を入射させる場合の別の構成例を示す図である。 図31の例において使用し得る入力側ミラーの変形例を示す図である。 図43の入力側ミラーを用いときの図31に対応する構成を示す図である。 図42の例において使用し得る出力側ミラーの変形例を示す図である。 図45の出力側ミラーを用いときの図42に対応する構成を示す図である。 本発明の露光用2ステージレーザ装置の図21の場合と同様にseed光を入射させる場合の別の構成例を示す図である。 seed光を増幅段レーザの共振器内のレーザ出射側と反対側からseed光を注入する1実施例を示す上面図である。 seed光を増幅段レーザの共振器内のレーザ出射側と反対側からseed光を注入する別の実施例を示す上面図である。 CaF2 のP偏光に対する反射特性を示す図である。 seed光を増幅段レーザの共振器内のレーザ出射側と反対側からseed光を注入する別の実施例を示す上面図とその場合のウィンドー部材の構成を示す図である。 seed光を増幅段レーザの共振器内のレーザ出射側と反対側からseed光を注入するさらに別の実施例を示す上面図とその場合のプリズムの構成を示す図である。 seed光を増幅段レーザの出力側ミラーとチャンバーの間から注入する図48に対応する実施例を示す上面図である。 seed光を増幅段レーザの出力側ミラーとチャンバーの間から注入する図49に対応する実施例を示す上面図である。 seed光を増幅段レーザの出力側ミラーとチャンバーの間から注入する図51に対応する実施例を示す上面図とその場合のウィンドー部材の構成を示す図である。 seed光を増幅段レーザの出力側ミラーとチャンバーの間から注入する図52に対応する実施例を示す上面図である。 増幅段レーザのレーザチャンバー内に直接seed光を導く1実施例を示す上面図である。 増幅段レーザのレーザチャンバー内に直接seed光を導く別の実施例を示す上面図である。 増幅段レーザへ裏面注入方式でseed光を導く実施例を示す上面図である。 入力側ミラー(リアミラーの反射率)と注入同期後のレーザ出力の関係を示す図である。 入力ミラーの裏面からseed光を入力側ミラーに注入した場合のseed光の注入角度θinと位置Xinに関して有効可能な領域を示す1例の図である。 増幅段レーザの共振器の中のビームスプリッタを介してseed光を増幅段レーザ内へ導入する方式の実施例の上面図である。 増幅段レーザの共振器の中のビームスプリッタを介してseed光を増幅段レーザ内へ導入する方式の別の実施例の上面図である。 ビームスプリッタにより出力側ミラーを透過させてseed光を増幅段レーザ内へ注入する実施例を示す上面図である。 本発明の露光用2ステージレーザ装置の別の実施例の要部を示す図である。 本発明の露光用2ステージレーザ装置のさらに別の実施例の要部を示す図である。 増幅段レーザにリング型の共振器を用いる本発明の露光用2ステージレーザ装置の1実施例の概略構成を示す図である。 増幅段レーザにリング型の共振器を用いる本発明の露光用2ステージレーザ装置の別の実施例の概略構成を示す図である。 露光用2ステージレーザ装置において、干渉縞パターン発生の原理を説明するための図である。 増幅段レーザの共振器長Lの2倍の長さと干渉縞パターンのビジビリティーとの関係を示す図である。 所定のシェア量にある2点からの光の干渉縞とその最大フリンジ強度、最小フリンジ強度を模式的に示す図である。 レーザ部分を追記した図71と同様の図である。 狭帯域化レーザのビジビリティー測定結果と、それを不安定共振器増幅段レーザで増幅した場合のビジビリティー測定結果と、安定共振器増幅段レーザで増幅した場合のビジビリティー測定結果とを示す図である。 発振段レーザから放出されるレーザ光の断面(ビームプロファイル)を示す図である。 ビームプロファイル内の異なる距離離れたレーザ光間の可干渉性を検討するための図である。 発振段レーザからのseed光から一部のビーム部分を切り出す様子を示す図である。 従来の増幅段レーザ共振器でレーザ光を拡大した場合に増幅後のレーザ光が高コヒーレンスの特性を維持したまま広がる様子を示す図である。 不安定共振器を用いた増幅段レーザの図76と図77で説明したseed光の広がりの様子をさらに示す図である。 図76と同様の図である。 図77と同様の図である。 不安定共振器を用いた増幅段レーザの図79と図80で説明したseed光の広がりの様子をさらに示す図である。
まず、本発明の露光用2ステージレーザ装置の原理を説明する。
図73を参照にして説明したように、発振段レーザと、その発振段レーザから発振されたレーザ光(seed光)を入力して増幅する増幅段であって入力側ミラーと出力側ミラーとからなる共振器を備えた増幅段レーザとからなるMOPOシステムにおいて、増幅段レーザの共振器を安定共振器で構成することにより、発振段レーザと同等の空間コヒーレンスの低コヒーレンス化が達成できることが分かった。
まず、本発明の露光用2ステージレーザ装置の基本構成の概略を図1に示す。本発明の露光用2ステージレーザ装置は、上記のように、MOPOシステムであり、発振段レーザ(MO:Master Oscillator )50と、発振段レーザ50で発振されたseed光を入力して増幅してレーザ光を出力する増幅段レーザ(PO:Power Oscillator)60とからなる。そして、増幅段レーザ60は入力側ミラー(リア側ミラー)1と出力側ミラー(フロント側ミラー)2とからなるファブリペローエタロン型共振器を備えており、その間にレーザガスが充填されたチャンバー3が配置されている。さらには、チャンバー3内のレーザガスを励起して利得領域を形成する放電電極等を備えている。
また、発振段レーザ50は、典型的には、例えば拡大プリズムとグレーティング(回折格子)によって構成されてなる狭帯域化モジュール51内の光学素子が兼ねるリア側ミラーとフロントミラー52とで構成されるレーザ共振器内にレーザガスが充填されたチャンバー53を備え、チャンバー53内のレーザガスを励起して利得領域を形成する放電電極等を備えて構成される。
また、発振段レーザ50と増幅段レーザ60の間には、必須のものではないが、発振段レーザ50から増幅段レーザ60へ入力(入射)するseed光のビーム断面積を縮小し
たり、発振段レーザ50からのseed光の発散角を変換する変換光学系70が配置されて構成される。
ここで、上記のように、本発明のレーザシステムにおいては、増幅段レーザ60の入力側ミラー1と出力側ミラー2とからなる共振器を安定共振器で構成することにより、発振段レーザと同等の空間コヒーレンスの低コヒーレンス化を達成するものである。
レーザにおける安定共振器としては、凹面鏡の曲率半径を正、凸面鏡の曲率半径を負と定義し、入力側ミラー(リア側ミラー)1の曲率半径をR1 、出力側ミラー2の曲率半径をR2 、ミラー間隔(共振器長)をLとするとき、
0≦(1−L/R1 )(1−L/R2 )≦1 ・・・(a)
を満足する共振器である。
このような安定共振器は、発振段レーザ50に用いる共振器と同じような多モードを持つものであり、そのため、このような安定共振器を増幅段レーザ60に用いることにより、発振段レーザ50と同等の空間コヒーレンスの低コヒーレンス化が達成できるものと考えられる。
ただし、このような安定共振器を増幅段レーザ60に用いるだけでは、安定共振器から増幅レーザ光が出力するときseed光は安定共振器内で幾何光学的な拡大をしないので、増幅段レーザ60におけるレーザガスの利得領域をseed光で埋めて効率的な増幅を行わせることはできない。
そこで、本発明においては、発振段レーザ50から発振されたseed光として発散(divergence)を有するものを用いて、このseed光の発散を利用して、安定共振器内で複数回反射する間にその発散するseed光がレーザガスの利得領域を埋めるようにして、高効率で増幅を行わせる。
ここで、半導体露光装置用光源に用いるフッ素分子(F2 )レーザ、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ等のガスレーザは、多モード発振をしており、一般に発振レーザ光はある程度発散するものであり、このようなガスレーザを発振段レーザ50として用いると、増幅段レーザ60に入力するseed光は発散を持つことになる。ただし、後記のように、そのseed光の発散角は光学系を介して制御可能であり、増幅段レーザ60に入力するseed光の発散角は所望の範囲に制御される。
そこで、seed光に要求される最低限の発散は、増幅段レーザ60内でのパルス幅に依存して以下のように定義できる。
図2(a)に垂直断面図、図2(b)に水平断面図を示すように、増幅段レーザ60の共振器を入力側ミラー1と出力側ミラー2で構成し、その間にレーザガスが充填されたチャンバー3が配置され、チャンバー3内のレーザガスは、この例の場合、上部電極4と下部電極5との間の放電により励起され利得領域を形成する。そして、入力側ミラー1と出力側ミラー2の間にはアパーチャ(開口部)6が配置され、このアパーチャにより出力レーザ光のビームサイズが決まる。
入力側ミラー1側から入力するseed光パルス幅持続時間内で複数回、増幅段レーザ60の共振器内で反射して、利得領域(放電領域)を発散を持つseed光で埋めることが可能である。よって、増幅段レーザ60内での実効パルス幅Pのseed光へは、以下の式で規定される垂直方向、水平方向の発散角θv 、θh が要求される。ただし、ここで、P:実効パルス幅、c:光速、L:共振器長、Vs 、Hs :seed光の垂直方向、水
平方向ビーム径、Va 、Ha :増幅光の垂直方向、水平方向ビーム径、である。ただし、ビーム径は強度がピーク強度の1/e2 の位置でのビーム径とする。
θh ≧Tan-1[{(Ha −Hs )/2}・(1/L)/(P・c/L)]
=Tan-1{(Ha −Hs )/(2・P・c)}
・・・(2)
θv ≧Tan-1[{(Va −Vs )/2}・(1/L)/(P・c/L)]
=Tan-1{(Va −Vs )/(2・P・c)}
・・・(3)
ここで、θv 、θh はそれぞれ増幅段レーザに入力されるレーザ光の垂直方向、水平方向の発散角、P:実効パルス幅、c:光速、L:共振器長、Vs 、Hs :増幅段レーザに入力されるレーザ光の垂直方向、水平方向のビーム径、Va 、Ha :出力光の垂直方向、水平方向のビーム径である。
例えば、Vs =10mm、Va =16mm、L=1000mmで、実効パルス幅(実際に増幅段レーザ60内に注入されるレーザパルス幅)P=10nsの場合、1mrad≦θv 、また、Hs =1mm、Ha =3mm、L=1000mmで、実効パルス幅P=10nsの場合、0.3mrad≦θh の発散を持つseed光が必要となる。
ところで、上記の検討では、増幅段レーザ60の共振器の入力側ミラー1、出力側ミラー2共に平面鏡で構成するものとしたが、seed光の発散を利用して利得領域を埋めるためには、出力側ミラー2は最初に反射するミラーであるので平面鏡(R2 =∞)であることが必要である。これに対して、入力側ミラー1は、平面鏡のみならず、上記式(a)を満足する範囲、すなわち、L≦R1 を満たす範囲の曲率半径の凹面鏡であってもよい。
上記式(2)と(3)を満たす場合には、図2(a)、(b)に示す通り、発振段レーザ50からの狭帯域化レーザ光が増幅段レーザ60内でその発散効果によりその利得領域(放電領域)を満たす。発振段レーザ50からのレーザ光で満たされた領域は、発振段レーザ50のスペクトル特性を引き継いで誘導放出が行われるので、増幅段レーザ60は、発振段レーザ50と同様の特性を有する狭帯域レーザスペクトルで発振する。
ここで、図3〜図8に増幅段レーザ60に用いる共振器のミラー構成のいくつかの例を示す。これら各図において、(a1)は入力側ミラー1の入力側から見た正面図、(a2)は縦断面図、(a2’)は横断面図、(a3)は裏面図であり、(b1)は出力側ミラー2の入力側から見た正面図、(b2)は断面図である。なお、(a2)に付された矢印はseed光の入力方向、(b2)に付された矢印は出力レーザ光の出力方向を示す。
図3の例は、入力側ミラー1は平面基板で構成し、その中心部にseed光を導入する円形孔7を設け、その平面基板の裏面(出力側)に高反射率(全反射)のミラーコーティング8を施し、表面(入力側)に反射防止コーティング9を施すか何らコーティングを施さず、出力側ミラー2は平面基板で構成し、その平面基板の表面(入力側)に部分反射ミラーコーティング10を施し、裏面(出力側)に反射防止コーティング11を施して構成している。
なお、入力側ミラー1の基板のseed光入力側の面にウェッジを付けて(入射光に対して垂直ではない傾いた面にして)seed光がその面で反射して発振段レーザ50で戻らないようにしてもよい。以下の例でも同じ。また、出力側ミラー2の平面基板にウェッジを付けて反射防止コーティング面からの微弱な裏面反射が共振器内へ戻らないようにしてもよい。以下の例でも同じ。
図4の例は、入力側ミラー1は平面基板で構成し、その中心部にseed光を導入する縦長の孔7’を設け、その平面基板の裏面(出力側)に高反射率のミラーコーティング8を施し、表面(入力側)に反射防止コーティング9を施すか何らコーティングを施さず、出力側ミラー2は平面基板で構成し、その平面基板の表面(入力側)に部分反射のミラーコーティング10を施し、裏面(出力側)に反射防止コーティング9を施して構成している。この例の縦長の孔7’は、発振段レーザ50からのseed光、あるいは、発振段レーザ50と増幅段レーザ60との間に介される変換光学系70で変形されたseed光の入力側ミラー1の断面形状に略等しい形状と寸法の孔である。
図5の例は、入力側ミラー1は透明の平面基板で構成し、その平面基板の裏面(出力側)に、中心部の縦長の領域7”を除いて高反射率のミラーコーティング8を施し、その表面(入力側)と裏面の縦長の領域7”に反射防止コーティング9を施すか何らコーティングを施さず、出力側ミラー2は平面基板で構成し、その平面基板の表面(入力側)に部分反射のミラーコーティング10を施し、裏面(出力側)に反射防止コーティング11を施して構成している。この例は、seed光導入用の孔7’を基板に設ける(図4)の代わりに、高反射率のミラーコーティング8に孔7”を設ける例である。
図6の例は、入力側ミラー1は図3の場合と同様に構成し、出力側ミラー2の部分反射ミラーコーティング10に変形を加えたものであり、出力側ミラー2は平面基板で構成し、その平面基板の表面(入力側)に中心部では比較的反射率の低い部分反射のミラーコーティング10’を施し、その周辺の部分反射のミラーコーティング10は相対的に高い反射率のミラーコーティングとした例である。この例において、比較的反射率の低い部分反射のミラーコーティング10’を施す部分は、入力側ミラー1の円形孔7から導入されたseed光が入力側ミラー1と出力側ミラー2の間で反射を繰り返さないで直接入射する部分であり、利得領域をseed光が通過する距離が短い分増幅されたレーザ光は弱いので、この部分の反射率を比較的低くしている。
一般に、出力側ミラー2に施される部分反射のミラーコーティングは、レーザ出力が最大となるような最適な反射率が存在する。出力側ミラー2の部分反射ミラーコーティング10の反射率を最適な反射率とすると、良好なレーザ出力効率を得ることはできる。しかし、上記したように、seed光が利得を得る距離の関係で、出力ビーム形状の中心部のエネルギが小さくなり、レーザ光断面(放電方向)の出力分布は不均一になる。
本例における出力側ミラー2のコーティングは、このような出力分布ができるだけ均一になるように出力側ミラー2の中心部におけるミラーコーティング10’とその周辺部におけるミラーコーティング10とで反射率を変えたものである。両コーティング共レーザ出力が最大となる最適な反射率にはならないことが多く、レーザ出力効率の点では多少不利となる。しかしながら、出力されるレーザビーム断面の出力分布は良好となる。
ここで、上記した例では、出力側ミラー2の中心部におけるミラーコーティング10’の反射率に比較して、その周辺部におけるミラーコーティング10の反射率が高くなるように設定されているが、これに限るものではない。
上記した最大レーザ出力が得られないときの反射率は、当然ながら上記最適反射率より大きいか若しくは小さい。すなわち、上記した最大レーザ出力より小さい所定のレーザ出力が得られるときのミラーコーティングの反射率は複数存在する。よって、上記した例において、出力側ミラー2の中心部におけるミラーコーティング10’の反射率に比較して、その周辺部におけるミラーコーティング10の反射率が低くなるように設定しても、上記の例と同等の効果を得られる場合もある。
図7、図8の例は、入力側ミラー1、出力側ミラー2は図4の場合と同様である。ただし、入力側ミラー1の基板の裏面(出力側)の面形状を平面でなく円筒凹面にした例であり、図7の場合はその円筒凹面の母線が垂直方向(縦長の孔7’の長手方向)を向いており、図8の場合はその円筒凹面の母線が水平方向(縦長の孔7’の長手方向に垂直な方向)を向いている例である。ただし、何れの例の場合も、その円筒凹面の曲率半径は、前記のL≦R1 の条件を満足するように設定されている。
図3〜図8は増幅段レーザ60に用いる共振器のミラー構成の例であり、これらに限定されるものではなく、それらの組み合わせや変形も当然ある。例えば、入力側ミラー1の高反射率のミラーコーティング8を施す面を球面凹面としてもよい。
また、入力側ミラー1の出力側表面全域に部分反射のミラーコーティングを施してもよい。この場合、図3の例のような円形孔7や、図5の例のような反射防止コーティング9を施した孔7”を設ける必要がなく、製作が容易である。ただし、seed光の一部が入射時に反射されて増幅段レーザ60に注入されないので、seed光の利用効率は低くなる。
次に、発振段レーザ50と増幅段レーザ60の間に配置される変換光学系70について説明する。上記したように、この変換光学系70は必要に応じて介在させるものであり、主として2つの機能の何れかあるいは両方を行うものである。
一般に、増幅段レーザ60に入力するseed光のエネルギ密度が小さすぎる場合は、増幅段レーザ60で十分な増幅度を得ることが困難となる。そのような場合には、図9に示すように、変換光学系70を介在させてseed光のビーム径を縮小してエネルギ密度を増大させてから増幅段レーザ60に入力するようにすることが望ましい。
このようなseed光のビーム径縮小光学系としては、図10に示すようなビーム径縮小プリズム71、72を用いる光学系がある。この場合、プリズム71、72は三角屈折プリズムからなり、入射側の平面に垂直に入力光を入射させると、入射側の平面を略垂直に透過し、射出側の斜面で屈折して紙面内の断面が縮小する。したがって、このようなプリズム71、72を複数、望ましくは偶数個用いることにより、1次元方向(縦方向あるいは横方向)又は2次元方向(縦方向及び横方向)のseed光のビーム径を縮小させてエネルギ密度を増大させることができる。
また、seed光のビーム径縮小光学系としては、図11(a)、(b)に示すような望遠光学系を用いた光学系を用いてもよい。図11(a)の場合は、焦点距離のより長い正レンズ73と焦点距離がそれより短い正レンズ74とを共焦点で配置してなる光学系であり、焦点距離の比分ビーム径が縮小される。また、図11(b)の場合は、焦点距離のより長い正レンズ75と焦点距離がそれより短い負レンズ76とを同様に共焦点で配置してなる光学系であり、この場合も焦点距離の比(絶対値)分ビーム径が縮小される。
変換光学系70の1つの機能は、上記のようなseed光のビーム径を縮小してエネルギ密度を増大させることであるが、もう1つの機能は、発振段レーザ50から出力されたseed光の発散が前記の式(2)、(3)の関係を満足しない場合に、増幅段レーザ60に入力するseed光の発散角θv 、θh を式(2)、(3)を満足するように拡大することである。そのような目的、すなわち、seed光の発散角θv 、θh の微調が必要な場合は、図11(a)、(b)に示すような望遠光学系を用いて、正レンズ73、74間の距離、正レンズ75、負レンズ76間の距離を調節することにより実現できる。
ところで、半導体露光装置用光源に用いるフッ素分子(F2 )レーザ、KrFエキシマ
レーザ、ArFエキシマレーザ等のガスレーザは、放電電極54、55間の放電によりレーザガスを励起して利得領域を形成しているため、発振段レーザ50からのseed光の断面形状は縦に細長い形状をしている(放電電極54、55が上下に配置されているため)。seed光の断面が縦に細長い形状の場合、水平方向の発散は前記の式(2)の関係を満足しやすいが、垂直方向の発散は小さくなり、前記の式(3)の関係を満足しないことがある。そのような場合は、図12(a)に示すように、発振段レーザ50と増幅段レーザ60の間に介在させる変換光学系70として、図12(b)に三面図を示すような母線が水平方向にある円筒凹面78を持ち、垂直方向にのみ負の屈折力を持ち、垂直方向に発散作用をし、水平方向には屈折力を持たない負シリンドリカルレンズ77を用いる。このような変換光学系70を介在させることにより、増幅段レーザ60に入力するseed光の垂直方向、水平方向の発散角θv 、θh が共に前記の式(2)、(3)の関係を満足するようにすることができる。
次に、以上のような本発明の基本構成を備えた露光用2ステージレーザ装置の1つの構成例を図13の全体構成図を参照にして説明する。
本発明に基づくMOPOシステムがフッ素分子(F2 )レーザ装置のとき、発振段レーザ50、増幅段レーザ60共にそれぞれのチャンバー53、3は、フッ素(F2 )ガスと、ヘリウム(He)やネオン(Ne)等からなるバッファーガスとからなるレーザガスが充填される。このMOPOシステムがKrFエキシマレーザ装置のときには、発振段レーザ50、増幅段レーザ60共にそれぞれのチャンバー53、3は、クリプトン(Kr)ガス、フッ素(F2 )ガスと、ヘリウム(He)やネオン(Ne)等からなるバッファーガスとからなるレーザガスが充填され、このMOPOシステムがArFエキシマレーザ装置のときには、発振段レーザ50、増幅段レーザ60共にそれぞれのチャンバー53、3は、アルゴン(Ar)ガス、フッ素(F2 )ガスと、ヘリウム(He)やネオン(Ne)等からなるバッファーガスとからなるレーザガスが充填される。発振段レーザ50、増幅段レーザ60共に、レーザチャンバー53、3は内部にそれぞれ一対の放電電極54と55、4と5からなる放電部を有している。これら放電部は紙面と平行方向に上下に設置されている一対のカソード電極55、5、アノード電極54、4からなる。これらの一対の電極54と55、4と5にそれぞれ電源56、16から高電圧パルスが印加されることにより、これら電極間で放電が発生する。
発振段レーザ50と増幅段レーザ60共にチャンバー53、3内に設置された一対の電極54と55、4と5の光軸延長上両端に、CaF2 等のレーザ発振光に対して透過性がある材料によって作られたウィンドー部材57、17がそれぞれ設置されている。ここでは、両ウィンドー部材57、17のチャンバー53、3内とは反対側の露出面は互いに平行に、そして、レーザ光に対して反射損失を低減するためにブリュースタ角で設置されている。また、レーザ光のP偏光成分が水平方向になるよう、ウィンドー部材57、17は設置されている。
また、図13には図示されていないクロスフローファンがチャンバー53、3内に設置されており、レーザガスをチャンバー53、3内で循環させ、放電部にレーザガスを送り込んでいる。また、発振段レーザ50、増幅段レーザ60共に、チャンバー53、3へF2 ガス、バッファーガスを供給するF2 ガス供給系、バッファーガス供給系、及び、チャンバー53、3内のレーザガスを排気するガス排気系が本装置に備わっている。図13では、これらをまとめて、ガス供給排気用制御バルブ58、及び、ガス供給排気用制御バルブ18として図示してある。なお、KrFレーザ装置、ArFレーザ装置の場合は、各々Krガス供給系、Arガス供給系も備える。チャンバー53、3内ガス圧力はそれぞれ圧力センサーP1、P2によってモニタされ、それらガス圧力情報はユーティリティコントローラ81へ送られる。そして、ユーティリティコントローラ81がガス供給配給制御バ
ルブ58、18を制御し、発振段チャンバー53並びに増幅段チャンバー3内ガス組成、ガス圧力がそれぞれ制御される。
レーザ出力はガス温度によって変化する。そのために、ガス温調制御が行われている。ガス温度は、それぞれのチャンバー53、3に設置された温度センサーT1、T2によってモニタされ、それら温度信号はユーティリティコントローラ81へ送られる。そして、ユーティリティコントローラ81は、それぞれ冷却水流量制御バルブ59、19によって冷却水流量を制御する。その結果、チャンバー53、3内のそれぞれ熱交換器34、44の排熱量がそれぞれ制御され、そして温度が制御される。
発振段レーザ50は、拡大プリズムとグレーティング(回折格子)によって構成された狭帯域化モジュール(LNM)51を有し、この狭帯域化モジュール51内の光学素子とフロントミラー52とでレーザ共振器を構成している。又は、図示していないが、拡大プリズム、グレーティングの代わりに、エタロンと全反射ミラーを用いた狭帯域化モジュールを用いてもよい。
発振段レーザ50、増幅段レーザ60から放出されたレーザ光の一部は、図示されていないビームスプリッタによって分岐され、それぞれモニターモジュール35、45に導光される。モニターモジュール35、45はそれぞれ発振段レーザ50、増幅段レーザ60の出力、線幅そして中心波長等のレーザ光特性をモニタする。図13では、発振段レーザ50と増幅段レーザ60の両方にモニターモジュール35、45が設置されているが、どちらか一方のみの設置でもよい。
モニターモジュール35、45からの中心波長の信号は、波長コントローラ82に送られる。そして、波長コントローラ82は、ドライバ83により狭帯域化モジュール51内の光学素子を駆動させて波長を選択して、発振段レーザ50の中心波長が所望の波長になるよう波長制御する。なお、上記した波長制御を、増幅段レーザ60から放出されるレーザ光の一部が導光されるモニターモジュール45からの波長情報に基き、発振段レーザ50から放出されるレーザ光の波長が所定の波長となるように、波長コントローラ82からドライバ83に指令を出して行うことも可能である。
モニターモジュール35、45からのレーザ出力信号は、エネルギコントローラ84へ送られる。そして、同期コントローラ85を経由し、印加電圧が制御され、発振段レーザ50、増幅段レーザ60のエネルギが所望の値になるよう制御される。モニターモジュール45の出力信号を図の(1)のようにエネルギコントローラ84に送ってもよいが、(1)の代りに、露光装置100側に図示されていない出力モニターを設け、そこでの出力を(2)のようにエネルギコントローラ84に送ってもよい。
発振段レーザ50からのレーザ光(seedレーザ光)はモニターモジュール35を通過した後、反射ミラー等を含むビームステアリングユニット86を通過し、変換光学系70を通過した後、増幅段レーザ60へ導かれ、注入される。変換光学系70は所定の発散角で発振段レーザ光(seed光)が増幅段レーザ60へ注入されるよう、発振段レーザ50の発散角を所定の値に制御する前記のような機構を有している。本発明のMOPO方式では、小入力でも増幅できるように、増幅段レーザ60には、入力側ミラー(リア側ミラー)1と出力側ミラー(フロント側ミラー)2とで構成された安定型共振器が採用される。入力側ミラー1には孔7(図3)が開いており、この孔7を通過したレーザが図13の矢印のように反射し、また、注入されたseedレーザ光を拡大し、放電部を有効に通過し、レーザ光のパワーが増大する。そして、出力側ミラー2よりレーザが出射される。
入力側ミラー1の孔7は空間的に開いているのではなく、孔部のみ反射防止コーティン
グが施されたミラー基板を用いてもよい(図5)。
発振段レーザ50、増幅段レーザ60の各々一対の放電電極54と55、4と5には、それぞれ、充電器31/スイッチ32/MPC(磁気パルス圧縮回路)33によって構成された電源56、そして、充電器41/スイッチ42/MPC(磁気パルス圧縮回路)43によって構成された電源16より、高電圧パルスが印加され、上記電極54と55、4と5間で放電が生じる。この放電により、それぞれレーザチャンバー53、3内に充填されたレーザガスが励起される。
それぞれの電源56、16において、充電器31、41によりコンデンサが充電される。コンデンサに充電されたエネルギは、スイッチ32、42がON状態になると、電圧パルスとして磁気パルス圧縮回路33、43に転送され、パルス圧縮され、上記した一対の電極54と55、4と5に印加される。図示を省略したが、電源56、16は昇圧トランスをさらに備え、電圧パルスを昇圧する場合もある。
スイッチ32、42のON、OFFは、同期コントローラ85からの動作指令(トリガ信号)によってなされる。
同期コントローラ85は、発振段レーザ50から放出されるレーザ光が増幅段レーザ60に注入されるタイミングで、増幅段レーザ60において放電が発生するように、充電器31/スイッチ32/MPC(磁気パルス圧縮回路)33によって構成された電源56、そして、充電器41/スイッチ42/MPC(磁気パルス圧縮回路)43によって構成された電源16にトリガ信号を送出する。発振段レーザ50、増幅段レーザ60の放電のタイミングがずれると、発振段レーザ50から放出されるレーザ光は効率良く増幅されない。同期コントローラ85は、それぞれ放電検出器36、46からの発振段レーザ50及び増幅段レーザ60の放電開始の情報、そして、エネルギコントローラ84からのレーザ出力情報を得、発振段レーザ50の電源56に送出するトリガ信号と増幅段レーザ60の電源16に送出するトリガ信号との間の遅延時間を設定する。
ユーティリティコントローラ81、エネルギコントローラ84、そして、波長コントローラ82はメインコントローラ80と接続されている。また、メインコントローラ80は露光装置100と接続している。メインコントローラ80は露光装置100から指令に従い、各コントローラ81、84、82に制御分担を振り分け、その指令によって各コントローラ81、84、82は分担する制御を行う。
また、発振段レーザ50から放出されたレーザ光は、増幅段レーザ60の放電領域を通過するように、ミラー2枚からなるビームステアリングユニット86によってアライメントされる。ビームステアリングユニット86を構成する2枚のミラーは、ドライバ87により駆動されて角度制御され、発振段レーザ50から放出されるレーザ光の進行方向を制御する。
このビームステアリングユニット86の具体的な制御は、次のようになる。例えば、発振段レーザ50から放出されたレーザ光の進行方向が、増幅段レーザ60の放電領域を通過するようにアライメントされていないとする。その場合、発振段レーザ50から放出されたレーザ光の一部若しくは全てが、例えば増幅段レーザ60の放電電極4、5によって遮光されたり、所望でない方向に反射されたりして、増幅段レーザ60からレーザ光が放出されなかったり、レーザパワーが所望の値より小さくなる。そこで、増幅段レーザ60から放出されるレーザ光の出力をモニタモジュール45でモニタしながら、この出力が最大となるようにビームステアリングユニット86を制御する。すなわち、図13においては、モニタモジュール45でモニタされた結果が波長コントローラ82に送られる。波長
コントローラ82は、モニタモジュール45から受け取ったレーザビームの出力結果に基づき、その出力が最大となるようにドライバ87に指令して、ビームステアリングユニット86を駆動制御して、発振段レーザ50から放出されるレーザ光の進行方向を制御する。
このような構成の露光用2ステージレーザ装置の具体的な1つの実施例の要部を図14に示す。図14はその要部の上面図(a)と側面図(b)であり、発振段レーザ50、増幅段レーザ60として波長193nmのArFエキシマレーザを用い、増幅段レーザ60の共振器は、図3の平面の入力側ミラー1と平面の出力側ミラー2とからなるもの用いている。発振段レーザ50からのseed光は2枚のミラーからなるビームステアリングユニット86を用いて増幅段レーザ60の共振器の孔7が開いた入力側ミラー1へ注入される。入力側ミラー1の反射面(チャンバー3側の面)には全反射コーティングが施されている。そして、出力側ミラー2は部分反射ミラーである。ここで、孔7の直径は約2mm(=Vs =Hs )、また、増幅段レーザ60の放電サイズはHa =16mm、Va =3mm、そして、共振器長Lは約1mである。また、発振段レーザ50の実効注入パルス幅P=20nsである。
この構成にて、図15に示すような低コヒーレンスのデータ(シェア量とビジビリティーの関係)が得られた。ただし、図15中には、本実施例(本発明共振器)の場合の図73と同様の図の他、発振段レーザ50(オシレータ)からのシェア量とビジビリティーの関係、従来の不安定共振器を用いた場合のシェア量とビジビリティーの関係を示してある。
上記条件では、水平方向の発散角θh は、0.05mrad<θh 、垂直方向の発散角θv は、1.2mrad<θv の条件を満たす必要がある。上記実施例の発振段レーザ50の水平方向の発散角θh は1mrad、垂直方向の発散角θv は3mradであり、前記の条件式(2)、(3)を満たしている。そのため、この実施例では、変換光学系70は省いてある。
この結果から、従来の不安定共振器MOPOを用いたレーザシステムと同等の線幅、エネルギ安定性を持ちながら、従来のMOPAを用いたレーザシステムと同等の低コヒーレンスを実現することができることが分かった。
ところで、発振段レーザ50からのseed光の増幅段レーザ60の共振器への導入方法には、以上の図3〜図8のように、入力側ミラー1の中心部にseed光を導入する孔7、7’を設けたり、入力側ミラー1にコーテングする高反射率ミラーコーティング8の中心部に孔7”を設ける方法、あるいは、入力側ミラー1の出力側表面全域に部分反射のミラーコーティングを施す方法等があるが、それ以外の変形例を以下に示す。
図16はその1例の要部を示す図であり、その(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は増幅段レーザ60の入力側ミラー1をそのチャンバー3側から見た図である。この例では、増幅段レーザ60の入力側ミラー1を2枚の高反射率(全反射)の矩形の平面ミラー11 、12 を同一面で並列させ、そのエッジ間に隙間21を形成して構成する例であり、増幅段レーザ60の放電電極4、5によって形成される放電領域22の幅よりその隙間21の間隔が狭くなるように2枚の平面ミラー11 、12 を配置している。すなわち、2枚の平面ミラー11 、12 で間にスリット21を形成して、その間からseed光23を導入する。2枚の平面ミラー11 、12 の高反射率ミラー面は同一平面内にあるようにしているため、2枚の平面ミラー11 、12 の機能としては、スリットを持つ1枚ミラーと同じである。この例は、図4の入力側ミラー1と同じ機能を2枚の高反射率のミラー11 、12 によって実現している。このような構成によっても、従来の不安定共振器を用いた
MOPOと同等の線幅、エネルギ安定性、そして、従来のMOPAを用いたレーザシステムと同等の低コヒーレンスを実現することができる。
図16の例では、入力側ミラー1を2枚の高反射率(全反射)の矩形の平面ミラー11 、12 を同一面で並列させ、そのエッジ間に隙間21を形成して構成したが、入力側ミラー1を図5の構成における中心部の縦長の領域7”を、図16の例における隙間21と同等のスリット状に変形してもよい。その例を図17、図18に示す。
図17、図18において、(a)は入力側ミラー1の出力側(チャンバー3側)から見た正面図、(b)は縦断面図である。また、(c)、(d)は、入力側ミラー1と放電領域22との位置関係を示す図であり、かつ、入力側ミラー1の出力側から見た図である。
図17、図18の例は、入力側ミラー1をCaF2 等の紫外光透過平面基板で構成し、その平面基板の出力側面(図17(a))に、中心部のスリット状領域並びに周縁部を除いて高反射率(全反射)のミラーコーティング8を施し、入力側面及び出力側面の中心部のスリット状領域21並びに周縁部に反射防止コーティング9を施したものである。図17は、平面基板の形状が矩形状であり、図18は、平面基板の形状が円形状である例である。
図16に用いられる入力側ミラー1(図16(c))は、蒸着時のミラー保持のため、ミラー端面(周縁部)までのコーティングは困難である。そして、CaF2 等の基板端部を精度良く直角な面に加工することは容易ではない。通常、製作時に端部に欠けが生じてしまう。そして、端部まで端部欠けなく高反射率(全反射)コーティング8がなされないと、反射率の低い端部がロスの原因となり、発振効率が落ちる。
これに対して、図17、図18のような入力側ミラー1を、図16(a)、(b)で示すレーザ装置に用いれば、高反射率(全反射)コーティング8の端部処理が容易になり、seed光23と増幅段レーザ60内での増幅レーザ光との境界部まで高反射率コーティング8を施すことが可能となる。
図17、図18に示す入力側ミラー1の大きさは、図17(c)、(d)、及び図18(c)、(d)に示すように、反射防止コーティング9を施した中心部のスリット状領域21の長手方向の長さが、増幅段レーザ60の放電電極4、5によって形成される放電領域22の長手方向の長さより長くなる大きさであることが望ましい。
すなわち、入力側ミラー1はレーザチャンバー3の外部に設置されているため、放電電極4、5間の距離がより大きくなるように変更する場合でも、反射防止コーティング9を施した中心部のスリット状領域21の長手方向の大きさの範囲内であれば、レーザチャンバー3からのレーザ光は、入力側ミラー1からはみ出すことがない。
ここで、図17(c)、図18(c)は、反射防止コーティング9を施した中心部のスリット状領域21の長手方向が、増幅段レーザ60の放電電極4、5によって形成される放電領域22の長手方向と略一致する場合を示す。また、図17(d)、図18(d)は、反射防止コーティング9を施した中心部のスリット状領域21の長手方向が、増幅段レーザ60の放電電極4、5によって形成される放電領域22の長手方向と略直交する場合を示す。
なお、図17、図18に示す入力側ミラー1において、平面基板の入力側面及び出力側面の中心部のスリット状領域21並びに周縁部には反射防止コーティング9を施さなくてもよい。このような構成にすることにより、コーティング(高反射率(全反射)のミラー
コーティング8)を施す部分が2箇所ですみ、かつ、反射防止コーティング9がないため、コーティングの劣化がない分入力側ミラー1のレーザ光に対する耐久性を向上させることができる。
また、図16に示すレーザ装置の例では、全反射ミラー1(図16(c)、図17、図18)及び部分反射ミラー2は平面ミラーとしたが、これに限定されることはなく、両ミラー1、2が安定共振器を構成すればよい。
図19は、もう1つの例の要部を示す図16と同様の図である。この例では、増幅段レーザ60の入力側ミラー1を1枚の高反射率(全反射)で孔のない平面ミラーで構成する例であり、その1枚の入力側ミラー1は発振段レーザ50からのseed光に対して水平方向に偏心して配置されて、入力側ミラー1のエッジが増幅段レーザ60の放電電極4、5によって形成される放電領域22内又は放電領域22近傍に位置するように配置されている。そのエッジに接するようにその外側からseed光23を導入する。この配置においては、増幅段レーザ60から出力されるレーザ光プロファイルに穴が生じる(ビーム中央部に光強度の弱いところができる)ことを防止することができる。なお、入力側ミラー1と出力側ミラー2の光軸に対してseed光23の光軸をわずかに傾けてseed光が放電領域を満たすようにしてもよい。
本発明者等は、実験を行った結果、特に、入力側ミラー1と出力側ミラー2の光軸Dに対してseed光23の光軸Cをわずかに傾けてseed光が放電領域を満たすように注入することにより、さらに低コヒーレンス化が可能となり、効率良く増幅段レーザ60において増幅発振されることを発見した。
この理由は、以下のように考えられる。図20に、入力側ミラー1と出力側ミラー2の光軸Dに対してseed光23の光軸Cがわずかに傾くように構成して、増幅段レーザ60の放電領域22の端部からseed光23を入射させた場合の増幅段レーザ60の動作原理図を示す。ここで、図20(a)は、増幅段レーザ60の共振器の上面図、図20(b)は、増幅段レーザ60の共振器の側面図を示す。
図20(a)の上面図に示すように、発振段レーザ50(図19参照)から出力される狭帯域化されたseed23光は、入力側ミラー(全反射ミラー)1の端部を通過し、放電領域22の側面から増幅段レーザ60に注入される。このseed光23は、その光軸Cが増幅段レーザ60の共振器の光軸Dに対してわずかに傾いた角度α(例えば、約0.5mrad)に設定された状態で入射し、放電領域22において増幅され、出力側ミラー(部分反射ミラー)2に入射する。出力側ミラー2に入射した増幅されたレーザ光の一部は、出力側ミラー2を透過してレーザ光K1として出力される。また、出力側ミラー2に入射した増幅されたレーザ光の一部は出力側ミラー2によって反射される。
この反射光は、再び放電領域22を通過して増幅され、入力側ミラー1に入射後反射され、再び放電領域22に戻され増幅される。そして、増幅されたレーザ光は出力側ミラー2に入射し、一部は透過してレーザ光K2として出力され、一部は放電領域の方へ反射される。このような共振を繰り返すことにより増幅段レーザ60の出力としてレーザ光K3が出力される。ここで、出力側ミラー2へのseed光23の入射角、入力側ミラー1及び出力側ミラー2への増幅光の入射角及び反射角は、増幅段レーザ60の共振器の光軸Dに対して角度αとなる。なお、図20(a)には、出力レーザ光K1〜K3の強度分布も模式的に示してある。
このようにして、seed光23は、図20(a)の上面図に示すように、出力側ミラー(部分反射ミラー)2と入力側ミラー(全反射ミラー)1との間をジグザグに多重反射
する。この状態は、出力側ミラー2に複数の点光源(S1、S2及びS3)を設けたと同等の効果を生む。空間的コヒーレンスは、光源の大きさが大きくなると低くなることから、入力側ミラー1と出力側ミラー2の光軸Dに対してseed光23の光軸Cがわずかに傾くように構成すると、結果的に増幅段レーザ60において、空間的コヒーレンスの低いレーザ光の増幅発振が可能となったと推測される。
なお、図20に示す増幅段レーザ60の共振器では、出力されるレーザ光K1、K2及びK3の出射位置が相互にずれているため(図20の例では、水平方向に所定間隔でずれる。その所定間隔の例としては、約1mm)、出射側ミラー2から出力されるレーザ光のプロファイル(エネルギ分布)がトップハット(矩形波状の分布)に近くなる。そのため、レーザ光面内のエネルギ密度がガウシアンビームの場合よりも低くなる。その結果、増幅段レーザ60の共振器内光学素子(例えば、ウインドー部材17、入力側ミラー1及び出力側ミラー2)、及び、増幅段レーザ60から出力されたレーザ光を整形するための光学素子(露光用2ステージレーザ装置と露光装置を接続するビームデリバリーユニット内に設置されている全反射ミラー、ビームエキスパンダ等)に与えるダメージを低減することができる。
なお、seed光23の光軸Cに対する増幅段レーザ60の共振器の光軸Dの傾き角度α(rad)としては、増幅段レーザ60の共振器長をLとするとき、
0.0005≦2αL≦0.0015 ・・・(4)
の関係を満足することが望ましい。以下の、他の形態の場合も同じ。
また、詳細説明は後述するが、増幅段レーザ60の共振器による光路差(レーザ光K1とK2の間あるいはK2とK3の間の光路差)を、発振段レーザ50から出力される狭帯域化されたseed光23のスペクトル線幅に対応する時間的コヒーレント長よりも長くすることにより、K1、K2及びK3のレーザ光は互いに干渉せず、増幅段レーザ60から出力されたレーザ光のビームプロファイル上に干渉縞が発生しなくなる。そのため、出力されたレーザ光のビームプロファイルの対称性は向上し、その変動も抑制することができる。これにより、露光装置でのマスク及び露光対象(例えばウエハ)上での均一照明が可能となる。
さらに、上記のように増幅用レーザ60の共振器の光軸Dに対してseed光23の光軸Cをわずかに傾くようにして、seed光23を放電領域22に注入することにより、seed光23の発散角が小さくても、増幅段レーザ60の放電領域22内をseed光23又はその増幅光で満たすことが可能となる。これにより、増幅共振による増幅段レーザ60の発振が可能となる。
本実施例では、入力側ミラー1及び出力側ミラー2は平面ミラーとしたが、これに限定されることはなく、両ミラーが安定共振器を構成すればよい。例えば、入力側ミラー1又は出力側ミラー2を円筒凹面鏡にすることによってさらなる空間的コヒーレンスの低減が可能となる。すなわち、円筒凹面鏡の母線方向と放電方向の中心軸が略一致するように円筒凹面鏡を配置すると、共振モードが増えるため、放電方向に対して垂直な方向に対してさらなる空間コヒーレンスの低減が可能となる。
図21は、さらにもう1つの例の要部を示す図16と同様の図である。この例では、増幅段レーザ60の入力側ミラー1を1枚の高反射率(全反射)で孔のない平面ミラーで構成する例であり、その1枚の入力側ミラー1は発振段レーザ50からのseed光に対して垂直方向に、図の場合は上方へ偏心して配置されている。そして、その偏心配置された入力側ミラー1の偏心方向とは反対側のエッジに接するようにその外側からseed光23を導入する。この配置においては、増幅段レーザ60から出力されるレーザ光プロファ
イルに穴が生じる(ビーム中央部に光強度の弱いところができる)ことを防止することができる。なお、入力側ミラー1と出力側ミラー2の光軸に対してseed光23の光軸をわずかに傾けてseed光が放電領域を満たすようにしてもよい。前記したように、このように構成することにより、さらに低コヒーレンス化が可能となり、効率良く増幅段レーザ60において増幅発振される。
図19、図21の例では、入力側ミラー1を高反射率(全反射)で孔のない平面ミラー1枚で構成したが、それぞれ図22、図23、図24のチャンバー3側から見た図(a)と断面図(b)に示すように、CaF2 等の紫外光透過平面基板の出力側面のseed光入射領域には反射防止コーティング9を施し、残りの領域には高反射率(全反射)のミラーコーティング8を施してそれぞれの入力側ミラー1を実現するようにしてもよい。すなわち、図16〜図21に用いられる入力側ミラー1は、蒸着時のミラー保持のため、ミラー端面までのコーティングは困難である。そして、CaF2 等の基板端部を精度良く直角な面に加工することは容易ではない。通常、製作時に端部に欠けが生じてしまう。そして、端部まで端部欠けなく高反射率(全反射)コーティング8がなされないと、反射率の低い端部がロスの原因となり、発振効率が落ちる。図22、図23、図24のような入力側ミラー1を用いれば、高反射率(全反射)コーティング8の端部処理が容易になり、seed光23と増幅段レーザ60内での増幅レーザ光との境界部まで高反射率コーティング8を施すことが可能となる。
ここで、図23の(c)及び(d)は、図19若しくは図21に示す2ステージレーザ装置に適用した場合の入力側ミラー1と放電領域22との位置関係を示す図であり、入力側ミラー1の出力側(seed光23の入力側)から見た図である。ここで、図23(c)は、高反射率(全反射)のミラーコーティング8を施した領域のミラー周縁部側ではない側の端部の方向が、増幅段レーザ60の放電電極4、5によって形成される放電領域22の長手方向と略一致する場合を示す。また、図23(d)は、高反射率(全反射)のミラーコーティング8を施した領域のミラー周縁部側ではない側の端部の方向が、増幅段レーザ60の放電電極4、5によって形成される放電領域22の長手方向と略直交する場合を示す。図23(c)及び(d)では、放電領域22に対して、入力側ミラー1の高反射率(全反射)のミラーコーティング8を施した領域が交わる領域Xと入力側ミラー1の反射防止コーティング9を施した領域が交わる領域Yの面積割合は少なくとも、X<Yであることが望ましい。この理由は、X>Yの場合、増幅段レーザ60の発振光が発振段レーザ50に戻るため、発振段レーザ50の光学素子(特にフロントミラー52)に損傷を与え、さらに、発振段レーザ50のフロントミラー52から出力されるレーザ出力(seed光23の出力)の低下を招くためである。
図22、図23、図24に示す入力側ミラー1の大きさは、例えば図23(c)、(d)に示すように、高反射率(全反射)のミラーコーティング8を施した領域のミラー周縁部側ではない側の端部の長さが、増幅段レーザ60の放電電極4、5によって形成される放電領域22の長手方向の長さより長くなる大きさであることが望ましい。
すなわち、入力側ミラー1はレーザチャンバー3の外部に設置されているため、放電電極4、5間の距離がより大きくなるように変更する場合でも、高反射率(全反射)のミラーコーティング8及び反射防止コーティング9を施した領域のミラー周縁部側ではない側の端部の長さの範囲内であれば、レーザチャンバー3からのレーザ光は、入力側ミラー1からはみ出すことがない。
なお、図22、図23、図24に示す入力側ミラー1において、平面基板の高反射率(全反射)のミラーコーティング8以外の部分は反射防止コーティング9を施さなくてもよい。このような構成にすることにより、コーティング(高反射率(全反射)のミラーコー
ティング8)を施す部分が1箇所ですみ、かつ、反射防止コーティング9がないため、コーティングの劣化がない分入力側ミラー1のレーザ光に対する耐久性を向上させることができる。
前記した2ステージレーザ装置の構成例は、発振段レーザ50からのseed光23が増幅段レーザ60に注入される際、増幅段レーザ60の共振器を構成するミラーの一方のミラー(入力側ミラー1)からseed光23が注入され、他方のミラー(出力側ミラー2)からseed光23が増幅されたレーザ光が出力されるものであった。以下の実施例では、発振段レーザ50からのseed光23が注入されるミラーとseed光23が増幅されたレーザ光が出力されるミラーとが兼用されている場合の構成について説明する。
図25に、出力側ミラー2から発振段レーザ50からのseed光23を入射させる場合の構成例を示す。図25は、発振段レーザ50と増幅段レーザ60の側面図である。狭帯域化モジュール51を有する狭帯域化発振段レーザ50からのseed光23は、2個の45度直角プリズム101及び102により順に反射され、増幅段レーザ60の共振器を構成する一方のミラーである出射側ミラー(部分反射ミラー)2に入射する。出射側ミラー2の入射面においてseed光23はわずかに反射されるものの、大部分は出射側ミラー2を透過して増幅段レーザ60へ注入される。注入された前記seed光23は、増幅段レーザ60の放電電極4、5によって形成される放電領域22を通過し、増幅段レーザ60の共振器を構成する他方のミラーであるリア側ミラー(全反射ミラー)111によって反射され、再び放電領域22を通過後、出力側ミラー2より出力される。
本構成においても、先に説明した通り、前記式(2)と(3)を満たすような発散を有するseed光23を増幅段レーザ60へ注入するようにしてもよい。さらには、リア側ミラー111と出力側ミラー2の光軸Dに対してseed光23の光軸Cをわずかに傾けてseed光が放電領域を満たすように注入することにより、さらに低コヒーレンス化が可能となり、効率良く増幅段レーザ60において増幅発振される。
図26に、図25の構成例において、リア側ミラー111と出力側ミラー2の光軸Dに対してseed光23の光軸Cがわずかに傾くように構成して、増幅段レーザ60の放電領域22の端部からseed光23を入射させた場合の増幅段レーザ60を示す。ここで、図26(a)は、増幅段レーザ60の共振器の上面図、図26(b)は、増幅段レーザ60の共振器の側面図を示す。
図26(a)の上面図に示すように、発振段レーザ50から出力される狭帯域化されたseed23光は2個の45度直角プリズム101及び102により順に反射され(図25参照)、増幅段レーザ60の共振器を構成する一方のミラーである出射側ミラー2に入射する。出射側ミラー2の入射面においてseed光23はわずかに反射されるものの(図に破線で示す。)、大部分は出射側ミラー2を透過する。透過したseed光23は放電領域22の側面から増幅段レーザ60に注入される。
このseed光23は、その光軸Cが増幅段レーザ60の共振器の光軸Dに対して、わずかに傾いた角度αに設定された状態で入射し、放電領域22において増幅され、リア側ミラー111に入射し、全反射する。この反射光は、再び放電領域22を通過して増幅され、増幅されたレーザ光の一部は出射側ミラー(部分反射ミラー)2を透過して、レーザ光K1として出力される。増幅されたレーザ光の残りは出射側ミラー2により反射されて放電領域22に戻され増幅される。
そして、再びリア側ミラー111に入射し、全反射する。この反射光は再び放電領域22を通過して増幅され、増幅されたレーザ光の一部は出射側ミラー(部分反射ミラー)2
を透過して、レーザ光K2として出力される。増幅されたレーザ光の残りは出射側ミラー2により反射されて放電領域22に戻され増幅される。このような共振を繰り返すことにより増幅段レーザ60の出力としてレーザ光K3が出力される。
ここで、出力側ミラー2へのseed光23の入射角、リア側ミラー111及び出力側ミラー2への増幅光の入射角及び反射角は、増幅段レーザ60の共振器の光軸Dに対して角度αとなる。このようにして、seed光23は、図26(a)の上面図に示すように、出力側ミラー(部分反射ミラー)2とリア側ミラー(全反射ミラー)111との間をジグザグに多重反射する。このようにして、図20の動作原理図を用いて説明したときと同様の原理で空間的コヒーレンスの低減を実現できる。なお、出力側ミラー(部分反射ミラー)2の反射率は、例えば30%である。この場合、seed光23の増幅段レーザ60への入射効率は70%となる。
この方式の利点は、増幅段レーザ60の共振器を構成するリア側ミラー111及び出力側ミラー2に、図17、図18、図22、図23、図24に示すような部分的なコーティングを施す必要なく、全面に均一にコーティングした状態で使用できる。このため、ミラーの製作が簡単で安価となり、コーティングの品質が高く耐久性が向上する。また、出力側ミラー(部分反射ミラー)2の反射率が高く、seed光23の注入効率が悪くなる場合は、注入部の部分にコーティングを施さないようにしもよい。
本実施例では、リア側ミラー111及び出力側ミラー2は平面ミラーとしたが、これに限定されることはなく、両ミラーが安定共振器を構成すればよい。例えば、リア側ミラー111又は出力側ミラー2を円筒凹面鏡にすることによってさらなる空間的コヒーレンスの低減が可能となる。すなわち、円筒凹面鏡の母線方向と放電方向の中心軸が略一致するように円筒凹面鏡を配置すると、共振モードが増えるため、放電方向に対して垂直な方向に対してさらなる空間コヒーレンスの低減が可能となる。
また、増幅段レーザ60の共振器内部におけるレーザ光のエネルギは、増幅後出力側ミラー2より出力されるレーザ光のエネルギよりも高くなる。そのため、リア側ミラー111及び出力側ミラー2のレーザ光に対する耐久性が問題となる。そこで、この課題を解決すために、これらミラーの使用部分を定期的に移動させて使用することによって、耐久性を大幅に向上させることができる。そのための構成例を図27に示す。
図26(a)の矢印E及びF方向から見たリア側ミラー111、出力側ミラー2をそれぞれ保持するミラーホルダを図27に示す。図27(a)は、リア側ミラー111側(図26(a)のE側)から見た移動ステージ付きミラーホルダ210を示す。また、図27(b)は、出力側ミラー2側(図26(a)のF側)から見た移動ステージ付きミラーホルダ211を示す。これらの移動ステージ付きミラーホルダ210及び211は、増幅段レーザ60の共振器を固定するための図示しないプレートに固定されている。
ここで、リア側ミラー111を保持するミラーホルダ210について説明する。リア側ミラー111はミラーホルダ部206に固定されており、このミラーホルダ部206は、ミラーホルダガイド204及び205を介して、ミラーホルダステージプレート203に移動可能に固定されている。ミラーホルダ部206は、ミラーホルダガイド204及び205によって光軸が変化せずに水平方向(図27(a)に示す矢印方向)に対して移動可能となっている。
ミラーホルダガイド204及び205が設けられている側と直角をなす側のミラーホルダステージプレート203の一端部には、雌ねじ部が設けられたスクリュー固定用プレート202が設けられている。この雌ねじ部に雄ねじ部を有するノブ付きスクリュー201
が保持される。ノブ付きスクリュー201の先端部にはボール212が固定されている。このボール212がミラーホルダ部206の側面部と接触するように、ノブ付きスクリュー201がねじ込まれる。
一方、ミラーホルダガイド204及び205が設けられている側と直角をなす側のミラーホルダステージプレート203の他端部には、バネ固定部材208が設けられている。このバネ固定部材208にバネ209の一端が固定されている。また、バネ209の他端部がミラーホルダ部206に設けられた突起部207に挿入されている。バネ209は、その弾性力がミラーホルダ部206が前記ノブ付きスクリュー201の先端部に固定されたボール212に押しつけられるように作用するように、構成設置されている。なお、ミラーホルダ部206に設けられた突起部207は、ノブ付きスクリュー201と略同軸上の位置に設けられる。
このような構成において、ノブ付スクリュー201を回転させることにより、リア側ミラー111を、光軸が変化しないように水平移動させることができる。出射側ミラー2を保持するミラーホルダ211の構成も、ミラーホルダー210と同様である。
ここで、このミラーホルダ210、211のノブ付スクリュー201が増幅段レーザ60の同じ側面に位置し、それらのメインテナンス側が同じ方向に位置するようにするために、ミラーホルダ210とミラーホルダ211の構成は、図27のXX軸を通る紙面に垂直な面に対して面対称になるように構成することが望ましい。
図27に示す例の場合、出力レーザ光213は、ミラーホルダ210及びミラーホルダ211を用いてリア側ミラー111、出力側ミラー2を移動させることにより、同じミラー111、2をそれぞれ3回使用することができ、ミラーの寿命を3倍伸ばすことが可能となる。この例では、ミラーホルダ部206が一方向のみ移動する例を示したが、これに限定されることなく、2軸のステージ上にミラーホルダ部206を設置するようにしてもよい。また、この例では、リア側ミラー111、出力側ミラー2の光軸調整時に必要なミラーの傾き調整機構の図示は省略したが、ミラーホルダ206に設置するようにしてもよい。
次に、発振段レーザ50からのseed光23が注入されるミラーとseed光23が増幅されたレーザ光が出力されるミラーとが兼用されている場合のもう1つの実施例について、図28を用いて説明する。
図28に示す増幅段レーザ60は、図26に示した増幅段レーザ60に換えて、図25に示す2ステージレーザ装置の増幅段レーザ60として用いられるものである。図26に示した増幅段レーザ60との構成上の相違点は、図26の増幅段レーザ60に設置されている共振器のリア側ミラー(全反射ミラー)111の代わりに、全反射直角プリズム(ルーフプリズム)103を用いて光を折り返す光学素子を使用した場合の例を示すものであり、その他の構成要素は、図26に示すものと同様である。
すなわち、図28は、図25の構成例において、全反射直角プリズム103と出力側ミラー2の光軸Dに対してseed光23の光軸Cがわずかに傾くように構成して、増幅段レーザ60の放電領域22の端部からseed光23を入射させた場合の増幅段レーザ60を示すものである。ここで、図28(a)は、増幅段レーザ60の共振器の上面図、図28(b)は、増幅段レーザ60の共振器の側面図を示す。
したがって、本構成においても、全反射直角プリズム103と出力側ミラー2の光軸Dに対してseed光23の光軸Cをわずかに傾けてseed光が放電領域を満たすように
注入しているので、先に説明した通り、さらに低コヒーレンス化が可能となり、効率良く増幅段レーザ60において増幅発振される。
図28(a)の上面図に示すように、発振段レーザ50から出力される狭帯域化されたseed光23は2個の45度直角プリズム101及び102により順に反射され(図25参照)、増幅段レーザ60の共振器を構成する一方の光学素子である出力側(部分反射ミラー)2に入射する。出射側ミラー2の入射面においてseed光23はわずかに反射されるものの(図に破線で示す。)、大部分は出射側ミラー2を透過する。透過したseed光23は放電領域22の側面から増幅段レーザ60に注入される。
このseed光23は、その光軸Cが増幅段レーザ60の共振器の光軸Dに対してわずかに傾いた角度αに設定された状態で入射し、放電領域22において増幅され、全反射直角プリズム103の面1031 及び面1032 でフレネルの全反射(臨界角以上の入射角での反射)によって全反射される。
ここで、本実施例は以下の点で、図26の実施例と作用が異なる。すなわち、この全反射直角プリズム103は入射したレーザ光を面1031 及び面1032 で2回全反射するので、出力されるレーザ光は入射方向と反対方向へ反転する。この反転したレーザ光が再び放電領域22を通過することにより増幅される。増幅されたレーザ光の一部は出射側ミラー(部分反射ミラー)2を透過して、レーザ光K1として出力される。増幅されたレーザ光の残りの光は出射側ミラー2により反射されて放電領域22に戻され増幅される。
そして、再び全反射直角プリズム103に入射し、全反射する。この全反射されたレーザ光は再び反転して、再度放電領域22を通過して増幅され、増幅されたレーザ光の一部は出射側ミラー(部分反射ミラー)2を透過して、レーザ光K2として出力される。増幅されたレーザ光の残りは出射側ミラー2により反射されて放電領域22に戻され増幅される。このような共振を繰り返すことにより増幅段レーザ60の出力としてレーザ光K3が出力される。
ここで、出力側ミラー2へのseed光23の入射角、全反射直角プリズム103及び出力側ミラー2への増幅光の入射角及び反射角はαとなる。このようにして、seed光23は、図28(a)の上面図に示すように、出力側ミラー(部分反射ミラー2)と全反射直角プリズム103との間をジグザグに多重反射する。このようにして、図20の動作原理図を用いて説明したときと同様の原理で、空間的コヒーレンスの低減を実現できる。
図28で説明した実施例においては、図26で説明した先の実施例と同等の効果に加え、さらに以下の効果が得られる。本実施例では、全反射直角プリズム103によってレーザ光は反転して折り返される。そのため、放電領域22である増幅ゲインの縦方向(放電方向)の増幅強度分布に不均一が発生した場合においても、放電領域22の上部領域と下部領域を共に通過するので、出力されるレーザ光は縦方向に対して対称性及び安定性が改善される。
具体的例としては、レーザの発振繰り返し数が高くなると(例えば、3000〜4000Hz)では、放電電極4、5間の放電により音響波による定在波が発生し、縦方向(放電方向)に増幅ゲイン分布及び屈折率の不均一が発生する。これに対し、全反射直角プリズム103によってレーザ光を反転して再び増幅させることにより、増幅後のレーザ光の均一性、対称性、安定性を維持することが可能となる。また、この反転によってさらなる低コヒーレンス化が可能となる。なお、このような効果を得るには、全反射直角プリズム103の反射面1031 と1032 の稜線(屋根面の稜線)は、放電方向に対して略垂直な方向に向ける必要がある(図28(b)参照)。
この実施例において、全反射直角プリズム103の入射面に反射防止膜コートを施してもよいし、付けなくてもよい。ただし、この全反射直角プリズム103の入射面は、増幅共振器及びseed光の光軸Cに対して寄生発振を抑制するために、出力側ミラー2の反射面に対して傾ける必要がある。
以上の2ステージレーザ装置の構成例は、発振段レーザ50からのseed光23が増幅段レーザ60に注入される際、増幅段レーザ60の共振器を構成するミラーの一方のミラー(入力側ミラー1)からseed光23が注入され、他方のミラー(出力側ミラー2)からseed光23が増幅されたレーザ光が出力されるものであった。また、発振段レーザ50からのseed光23が注入されるミラーとseed光23が増幅されたレーザ光が出力されるミラーとが兼用されているものであった。これらの構成例は、何れの場合も、seed光23が増幅段レーザ60の共振器を構成するミラーの一方のミラーに入射して透過後、直ぐに放電領域22を通過するものであった。
図29、図30を用いて、以下に説明する実施例では、増幅段レーザ60の共振器を構成するミラーの一方のミラー(入力側ミラー1)からseed光23が注入され、他方のミラー(出力側ミラー2)からseed光23が増幅されたレーザ光が出力される例の変形例である。すなわち、seed光23が増幅段レーザ60の入力側ミラー1に入射して透過後、放電領域22以外の領域を通過して、出力側ミラー2に到達して反射後、その反射光が放電領域22を通過する例である。
この実施例は、放電領域22からみれば、発振段レーザ50からのseed光23が注入されるミラーとseed光23が増幅されたレーザ光が出力されるミラーとが兼用されている場合と同様となる。すなわち、seed光23は放電領域22の出力側から入射し、増幅され、出力される。
図29に増幅段レーザ60の構成例を示す。ここで、図29(a)は、増幅段レーザ60の共振器の上面図、図29(b)は、増幅段レーザ60の共振器の側面図を示す。
本実施例における入力側ミラー1の構成は、図30(a)の図29(a)の矢印E方向から見た図に示す通り、図22、図23、図24に示す入力側ミラー1と同様の構成である。すなわち、CaF2 等の紫外光透過平面基板のseed光23入射領域には反射防止コーティング9を施し、残りの領域には高反射率(全反射)のミラーコーティング8を施す。
一方、出力側ミラー2の構成は、図30(b)の図29(a)の矢印F方向から見た図に示す通りであり、CaF2 等の紫外光透過平面基板のseed光23入射領域には高反射率(全反射)のミラーコーティング8を施し、残りの領域には部分反射のミラーコーティング10を施す。
図29において、発振段レーザ50(図19若しくは図21参照)から出力されたseed光23は、入力側ミラー1の透過部(反射防止コーティング9を施した領域)から入射し透過して、増幅段レーザ60の放電領域22ではない領域を透過し、出力側ミラー2の全反射部(高反射率(全反射)のミラーコーティング8を施した領域)に入射して、放電領域22へ全反射される。
ここで、図29に示す増幅段レーザ60においては、共振器の光軸Dに対してseed光23の光軸Cを角度αだけわずかに傾くように構成されている。
したがって、本構成においても、共振器の光軸Dに対してseed光23の光軸Cをわずかに傾けてseed光が放電領域を満たすように注入しているので、先に説明した通り、さらに低コヒーレンス化が可能となり、効率良く増幅段レーザ60において増幅発振される。
出力側ミラー2の全反射部に入射して、放電領域22へ全反射されたseed光23は、放電領域22を通過して増幅され、入力側ミラー1の全反射部(高反射率(全反射)のミラーコーティング8を施した領域)に入射し、全反射する。
この反射光は、再び放電領域22を通過して増幅され、出力側ミラー2の部分反射部(部分反射のミラーコーティング10を施した領域)に入射する。出力側ミラー2の部分反射部に入射した増幅されたレーザ光の一部は、出力側ミラー2を透過して、レーザ光K1として出力される。また、残りの光は反射されて放電領域22に戻される。
この放電領域22に戻された反射光は、再び放電領域22を通過して増幅される。そして、入力側ミラー1の全反射部に入射し、全反射する。この反射光は再び放電領域22を通過して増幅される。そして、増幅されたレーザ光は出力側ミラー2の部分反射部ミラー2に入射する。出力側ミラー2の部分反射部に入射した増幅されたレーザ光の一部は、出力側ミラー2を透過して、レーザ光K2として出力される。また、残りの光は反射されて放電領域22に戻される。このような共振を繰り返すことにより増幅段レーザの出力としてT3が出力される。
ここで、出力側ミラー2へのseed光23の入射角、入力側ミラー1及び出力側ミラー2への増幅光の入射角及び反射角は、増幅段レーザ60の共振器の光軸Dに対して角度αとなる。
このようにして、seed光23は、図29(a)の上面図に示すように、出力側ミラー2と入力側ミラー1との間をジグザグに多重反射する。
この実施例の利点は、seed光23を効率良く注入することができる点にある。図30(a)に、図29(a)の矢印E方向から見た入力側ミラー1と放電領域及びseed光23の位置関係を示す。また、図30(b)に、図29(a)の矢印F方向から見た出力側ミラー2と放電領域及びseed光23の位置関係を示す。
この実施例では、seed光23は入力側ミラー1の透過部から増幅段レーザ60の放電領域22からやや離れた位置から入射する。ここで、E方向(図29(a)参照)から見たとき、放電領域22は入力側ミラー1の全反射部と重なり、放電領域22の端部と全反射部の端部とが略一致する配置となっている(図30(a))。また、F方向(図29(a)参照)から見たとき、出力側ミラー2の全反射部と部分反射部との境界線と放電領域22の端部とが略一致し、放電領域22は部分反射部と重なるように配置されている(図30(b))。
また、入力側ミラー1の透過部と出力側ミラー2の部分反射部にコーティング10をしない場合は、以下の3つの利点がある。すなわち、
(1)両ミラー1、2は共通化が可能となる。
(2)両ミラー1、2の製作も容易となる。
(3)出力側ミラー2の部分反射部に部分反射膜(コーティング10)がないために、コーティングの劣化がない分耐久性が向上する(部分反射のミラーコーティング10がな
くとも、フレネル反射により部分反射ミラーとなる。)。
なお、図20の例や図29の例のように、入力側ミラー1からseed光23を、共振器の光軸Dに対してseed光23の光軸Cが角度αだけわずかに傾くように注入する場合にも、高反射率(全反射)のミラーコーティング8を施した入力側ミラー1の代わりに、図28の構成において用いた全反射直角プリズム(ルーフプリズム)103を用いるようにしてもよい。
ところで、図20、図26、図29の例のように、増幅段レーザ60の共振器を構成する平面の入力側ミラー1あるいはリア側ミラー111と平面の出力側ミラー2の光軸Dに対して、seed光23の光軸Cがわずかに傾くように構成して、増幅段レーザ60の放電領域22の端部からseed光23を入射させる場合に、例えば出力側ミラー2に対して、入力側ミラー1あるいはリア側ミラー111を適切に傾けることにより、低コヒーレンスの特性を維持したまま、レーザシステムとしてより効率的な運転が可能であることを見出した。この点を以下に説明する。
まず、seed光23の注入条件の自由度について検討してみる。例えば、典型的に、図19の配置と類似する図31の配置において、増幅段レーザ60の入力側ミラー(又は、リア側ミラー)1と出力側ミラー2との距離を共振器長としてこれをLとする。また、増幅に効く実効的な放電領域22の幅を、図19(a)の断面においてはWx mm、(b)の断面においてはWy mmとする。
ここで、seed光23の入力側ミラー1位置での位置と角度に着目し、所定の回数増幅段レーザ60の共振器(入力側ミラー1と出力側ミラー2)中を往復して有効にレーザ出力として取り出し可能であるための条件を考える。例えば図32に増幅段レーザ60の共振器と放電領域22の放電方向と垂直な方向(x方向)の模式的な断面図に示すように、seed光23が入力側ミラー(リア側ミラー)1の高反射率コートが施されている部分に入射してしまう場合は、どんな角度を持っていようとも入力側ミラー(リア側ミラー)1で反射されてしまう。したがって、レーザ出力として有効に取り出すことは不可能となる。
次に、入力側ミラー(リア側ミラー)1のエッジ部に近接した位置から入射する場合を考える。このとき、入射する角度が浅すぎる(出力側ミラー2に垂直に近い角度)と、図33に示すように、seed光23は放電領域22に入ることができず、また、共振器を往復したときに入力側ミラー(リア側ミラー)1の高反射率ミラーコーティング領域に入射することができず、系から逃げてしまう。
逆に、入射角度がきつすぎる(出力側ミラー2に斜めに入射)場合は、図34に示すように、seed光23は出力側ミラー2で反射された後、放電領域22から逸脱してしまい、有効にレーザ出力となって取り出すことができない。
このような観点に立って考えると、seed光23が所定の回数増幅段レーザ60の共振器中を往復して、出力レーザ光として有効に出力されるための入力側ミラー(リア側ミラー)1での、seed光23の位置と角度とに必要とされる条件が算出される。
例えば図35に示すように、放電領域22中心を通り放電電極に沿う方向にz軸、放電方向と垂直な方向にx軸を設定し、入力側ミラー(リア側ミラー)1位置に原点を定め、x軸に関しては、図の上方を+とし、seed光23及びミラー1、2の角度に関しては反時計方向を+とし、ミラーの法線がz軸方向に向く場合には0とする。このときのseed光23の入力側ミラー(リア側ミラー)1位置での注入位置と角度をそれぞれXin、
θinとして、共振器長をL、入力側ミラー(リア側ミラー)1の傾き角度をθ' 、出力側ミラー2の傾き角度を0とすると、n往復(入力側ミラー(リア側ミラー)1位置)、若しくは、n+0.5往復(出力側ミラー2位置)目におけるseed光23の位置Xn 、Xn+0.5 は、
Xn =Xin+2n・L・θin+2n(n−1)・L・θ' ・・・(5)
Xn+0.5 =Xin+(2n+1)・L・θin+2n2 ・L・θ'
・・・(6)
と表記できる。
この結果より、放電領域22を逸脱せずに有効に出力側ミラー2からレーザ出力として有効に取り出すために必要な入力側ミラー(リア側ミラー)1位置におけるseed光23の注入位置と角度との関係が、着眼する往復回数に応じて算出できる。
典型的な条件として、入力側ミラー1がseed光23に対して水平方向(x軸方向)に偏心して配置される例(図31)において、共振器長L=1m、放電幅Wx =2.5mm、入力側ミラー1と出力側ミラー2は平行配置、入力側ミラー1のエッジを放電領域22の端部と合致させた場合(図36)の6往復を考えると、図37で示された多角形の領域内の条件であれば、有効に取り出し可能となる。注入するseed光23のサイズや広がり角等にも依存するが、傾向としては、この多角形領域の面積が増加することが望ましい。
図37は、入力側ミラー1と出力側ミラー2が平行配置の場合であったが、入力側ミラー1を+0.04mradだけ傾けた場合の、同じく有効に取り出し可能な領域を求めると、図38のようになる。図38から明らかなように、入力側ミラー1をわずかに傾けることで、有効に取り出し可能な領域が増加し(seed光23の注入の自由度が高くなり)、さらに、平行配置の場合と同様に低コヒーレンス化が可能となり、レーザシステムとしての出力も向上する。
このときの入力側ミラー1の出力側ミラー2に対して傾ける方向は、入力側ミラー1と出力側ミラー2との距離Lに着眼したときに、一方のミラーを傾けることでミラー間距離が大きくなる側から、発振段レーザ50で発振されたseed光23が入射するような方向に入力側ミラー1が傾くこととなる。
また、増幅段レーザ60の2枚の平面ミラーからなる共振器が平行でなくて一方がわずかに傾いているので、増幅段レーザ60の放電で発生するスペクトル幅がブロードな自然放出光に対してはゲインが小さくなっており、その結果、ブロードバンド比率が2枚のミラーを平行に配置する場合に比べて減少している。そのため、特願2003−130447号に示されているように、所定のブロードバンド比率以下の条件を満たすためには所望の発振段レーザ50のピーク強度が必要となるのであるが、上記のように、共振器を2枚の非平行なミラーで構成することにより、このレベルが格段に小さくなる。
また、共振器内での往復回数に着眼すると、共振器ミラーが平行なときと、適切な傾きを持ったときとでの格差が広がることから、レーザ光のパルス幅が伸長することになる。レーザパルス幅は半導体露光装置の寿命を考えた場合、できるだけ長い方が望ましい。
この点を検討すると、図39(a)に示すように、共振器ミラーが適切な傾きを持ったとき、入力側ミラー1のエッジ部と放電領域22との関係上、seed光23は共振器に対して斜めに入射する。共振器ミラーが平行な図39(b)の場合に対して、適切に一方のミラーを傾けた図39(a)の場合は、増幅段レーザ60の共振器中をより多くの回数往復することが可能であり、そのためより高いレーザ出力が得られ、さらにパルス幅も伸
長する。
なお、入力側ミラー1の高反射率を持つ側の平面と出力側ミラー2の部分反射率を持つ側の平面とが平行であるときに対して、レーザシステム出力が上回る入力側ミラー1の傾き範囲は、0.0mrad〜0.16mradである。もちろん、共振器長や放電幅、さらには、着眼する往復回数が変化すれば、前記の式(5)、(6)からも分かるように、この範囲も変化する。例えば、3往復に着眼すれば、0.0mrad〜0.87mradの範囲であれば、共振器のミラーが平行であるときの出力を上回る。
何れにせよ、上記の範囲は前記の式に基づけば比較的簡単に導出可能であり、その範囲に入るように共振器を構成することで、レーザ出力の増大、パルス幅の伸長、seed光の注入の自由度の確保、発振段レーザのピーク強度の低下を図ることが可能になる。
ここで、見方を変えて、増幅段レーザ60の共振器を構成する2枚の平面ミラーを非平行で構成する場合に、入力側ミラー(リア側ミラー)1と出力側ミラー2をseed光23の光軸C(図20参照)に対してどのように傾ければよいかを検討しておく。
図40に示すように、図35の場合とは異なり、seed光23の進行方向にz軸、放電方向あるいはその放電方向と垂直な方向にx軸を設定し、原点を入力側ミラー(リア側ミラー)1でseed光23が入射する位置に定め、x軸に関しては、図の上方を+とし、反射光及びミラー1、2の角度に関しては時計方向を+とし、ミラー1、2の法線がz軸方向に向く場合には0とする。そして、入力側ミラー(リア側ミラー)1の傾き角度をθR 、出力側ミラー2の傾き角度をθF とする。x軸座標原点にseed光23が傾き角度0で注入される。
各ミラー1、2で反射された後の光の進む角度は、
θNF=2NθF −2(N−1)θR
θNR=2NθF −2NθR
で表される。ここで、サフィックスの“NF”、“NR”はそれぞれ出力側ミラー2、入力側ミラー(リア側ミラー)1でN回目の反射後の光線を表す。
N往復後において、反射点の座標に関しては、
NR=2N2 θF L−2N(N−1)θR
NF=2N(N+1)θF L−2N2 θR
と表記できる。この場合のサフィックスの“NF”、“NR”はそれぞれ出力側ミラー2、入力側ミラー(リア側ミラー)1でN回目の反射点を表す。また、Lは増幅段レーザの共振器長を表す。
ここで、X1R>0を満たさないと、1往復したときに入力側ミラー(リア側ミラー)1で反射されない。これより、
θF >0
を満足する必要がある。
N往復したときに、入力側ミラー(リア側ミラー)1で反射するための条件は、
NR>0
となる。 したがって、
θR <N/(N−1)×θF
以上から、N往復したときに、入力側ミラー(リア側ミラー)1で反射するための条件は、
θF >0
かつ、
θR <N/(N−1)×θF
となる。
さて、平行な場合(θF =θR )に増して実効増幅領域共振回数を増やすためには、1往復したときの入力側ミラー(リア側ミラー)1若しくは出力側ミラー2における位置変分が、共振器往復回数と共に低減されることである。何れのミラーに着眼しても同様の結果が得られるので、ここでは出力側ミラー2に着眼する。
上記条件は、
N+2 F −XN+1 F <XN+1 F −XNF
となる。これより、
θF <θR
が得られる。これと上記出えられた条件を組み合わせることにより、N往復まで出力側ミラー2で反射され、かつ、位置変分が低減されるための条件は、
0<θF <θR <N/(N−1)×θF ・・・(7)
となる。
すなわち、図40において、入力側ミラー(リア側ミラー)1、出力側ミラー2共に時計方向に傾いており、出力側ミラー2の傾き角度がθF のとき、入力側ミラー(リア側ミラー)1の傾き角度θR がθF よりも多少大きいことが必要である。これは、seed光23は、ミラー1、2間の距離がより長く相互に開いている側から注入することと等価である。
典型例として、N=5、θF =0.5mradとすると、
0.5mrad<θR <0.625mrad
となり、入力側ミラー(リア側ミラー)1と出力側ミラー2の間の開き角は、0〜0.125mradの範囲になる。
以上の検討では、位置変分に関しての不等式に絶対値を付けて考えなかったが、絶対値を付けて比較する方がより望ましい。その理由は、絶対値符号がない場合には、光がx軸の負方向にずれる分に関してはいくらでも許容しているからである。
絶対値符号がある状態では、
|XN+2 F −XN+1 F |<|XN+1 F −XNF
から、
θF <θR <(2N+3)/(2N+2)×θF
が導かれ、θF >0の条件と組み合わせることにより、N往復まで出力側ミラー2で反射され、かつ、位置変分の絶対値が低減されるための条件は、
0<θF <θR <(2N+3)/(2N+2)×θF ・・・(8)
となる。
典型例として、N=5、θF =0.5mradとすると、
0.5mrad<θR <0.542mrad
となり、入力側ミラー(リア側ミラー)1と出力側ミラー2の間の開き角は、0〜0.042mradの範囲になる。
何れにしても、入力側ミラー(リア側ミラー)1、出力側ミラー2は共にseed光23の光軸C(図20参照)に対して同じ方向に傾いて配置し、入力側ミラー(リア側ミラー)1の傾き角度θR が出力側ミラー2の傾き角度θF よりも多少大きく傾けられ、se
ed光23をミラー1、2間の距離がより長く相互に開いている側から注入することが必要であることが分かる。そして、両ミラー1、2間の開き角は、0.01mrad〜0.2mradの範囲にあることが望ましい。なお、出力側ミラー2側からseed光23を注入するときは、θR とθF は入れ換わる。
図31は、以上のように、入力側ミラー1、出力側ミラー2が共にseed光23の光軸Cに対して同じ方向に傾いて配置し、入力側ミラー1の傾き角度を出力側ミラー2の傾き角度より多少大きく傾け、seed光23をミラー1、2間の距離がより長く相互に開いている側から注入する例の図16と同様の図である。なお、ここでは説明のため、seed光23が増幅段レーザ60内を1.5往復しかしていないが、実際は往復回数はより多く設定される。また、同じく説明のため、光を1本の線として示してあるが、実際は有限の幅と有限の広がりを持ったビームである。さらに、以下の入力側ミラー(リア側ミラー111)1、出力側ミラー2を傾ける例に関する図においては、説明の都合上、ミラーや光軸の傾けの程度を誇張して図示してある。
この例は、図19と同様に、増幅段レーザ60の入力側ミラー1を1枚の高反射率(全反射)で孔のない平面ミラーで構成する例であり、入力側ミラー1 においては、典型的には、増幅段レーザ60のチャンバー3に近い側の全面に高反射率コートが施されている。また、その裏面は2面間での干渉を防ぐために、典型的には、全面に無反射率コート(反射防止コーティング)がなされるか、又は/及び、適度なウェッジ角を持つように構成されている。また、出力側ミラー2は、典型的には、増幅段レーザ60のチャンバー3に近い側の全面に、当該レーザシステムにおいての最適な反射率をとるような部分反射ミラーコーティング(典型的には、反射率10%〜50%)が施されている。また、その裏面は2面間での干渉を防ぐために、典型的には、全面に無反射率コート(反射防止コーティング)がなされるか、又は/及び、適度なウェッジ角を持つように構成されている。
そして、入力側ミラー1は、発振段レーザ50からのseed光23に対して水平方向(上面図(a)の面内)に偏心し、かつ、その高反射率を持つ側の平面を出力側ミラー2の部分反射率を持つ側の平面とは平行とせず、ここでは、上面図(a)に着眼したときに適正な傾きを持つように配置されて、入力側ミラー1のエッジが増幅段レーザ60の、放電電極4、5によって形成される放電領域22内又は放電領域22近傍に位置するように配置されている。また、その傾きの方向は、入力側ミラー1の高反射率を持つ側の平面と出力側ミラー2の部分反射率を持つ側の平面に着眼したとき、seed光23が導入される入力側ミラー1のエッジ部において、2枚のミラー間の距離が反対側のミラー間の距離よりも長くなる方向に傾けられている。そして、上記したように、式(7)又は(8)を満たすように、seed光23の光軸Cに対して入力側ミラー1の傾き角度を出力側ミラー2の傾き角度より同じ側に多少大きなるように傾けられている。
この配置においては、増幅段レーザ60から出力されるレーザ光プロファイルに穴が生じる(ビーム中央部に光強度の弱いところができる)ことを防止することができる。
なお、ここで適正な傾きβとは、具体的な数値は前記した通りであり、具体的な構成におけるガス圧、印加電圧、seed光23のエネルギといった他の要因を固定して考えた場合のレーザシステム出力が、図41に示すように、入力側ミラー1の高反射率を持つ側の平面と出力側ミラー2の部分反射率を持つ側の平面とが平行であるとき(図20)のレーザシステム出力Sを下回らない範囲G内に設定される。
図42に、増幅段レーザ60の共振器を2枚の非平行なミラーで構成する場合に、図25の場合と同様に、出力側ミラー2から発振段レーザ50からのseed光23を入射させる場合の構成例を示す。図42(a)はその構成の上面図、(b)は側面図、(c)は
増幅段レーザ60の出力側ミラー2をそのチャンバー3側から見た図である。この例では、seed光23が出力側ミラー2のエッジに接するようにその外側から導入する。この場合は、出力側ミラー2から入力しているので、それと反対側のミラーをリア側ミラー111と呼称する。リア側ミラー111においては、典型的には、増幅段レーザ60のチャンバー3に近い側の全面に高反射率コートが施されている。また、その裏面は2面間での干渉を防ぐために、典型的には、全面に無反射率コート(反射防止コーティング)がなされるか、又は/及び、適度なウェッジ角を持つように構成されている。また、出力側ミラー2は、典型的には、増幅段レーザ60のチャンバー3に近い側の全面に、当該レーザシステムにおいての最適な反射率をとるような部分反射ミラーコーティング(典型的には、反射率10%〜50%)が施されている。また、その裏面は2面間での干渉を防ぐために、典型的には、全面に無反射率コート(反射防止コーティング)がなされるか、又は/及び、適度なウェッジ角を持つように構成されている。
この場合に、出力側ミラー2は、発振段レーザ50からのseed光23に対して水平方向(上面図(a)の面内)に偏心し、かつ、その部分反射率を持つ側の平面をリア側ミラー111の高反射率を持つ側の平面とは平行とせず、ここでは、上面図(a)に着眼したときに適正な傾きを持つように配置されて、出力側ミラー2のエッジが増幅段レーザ60の、放電電極4、5によって形成される放電領域22内又は放電領域22近傍に位置するように配置されている。また、その傾きの方向は、出力側ミラー2の部分反射率を持つ側の平面とリア側ミラー111の高反射率を持つ側の平面に着眼したとき、seed光23が導入される出力側ミラー2のエッジ部において、2枚のミラー間の距離が反対側のミラー間の距離よりも長くなる方向に傾けられている。そして、この場合は、seed光23の光軸Cに対して出力側ミラー2の傾き角度がリア側ミラー111の傾き角度より同じ側に多少大きなるように傾けられている(図40の場合とは反対)。
この場合も、適正な傾きβとは、具体的な数値は前記した通りであり、図41に示すように、リア側ミラー111の高反射率を持つ側の平面と出力側ミラー2の部分反射率を持つ側の平面とが平行であるとき(図20)のレーザシステム出力Sを下回らない範囲G内に設定される。そして、その傾きの方向は、出力側ミラー2の部分反射率を持つ側の平面とリア側ミラー111の高反射率を持つ側の平面に着眼したとき、seed光23が導入される出力側ミラー2のエッジ部において、2枚のミラー間の距離が反対側のミラー間の距離よりも長くなる方向に傾けられている。
この配置においては、seed光23が増幅段レーザ60に注入されるときに、初めに高反射率を持つリア側ミラー111を経由するため、seed光23がより小さくてすむ利点がある。ただし、図42(c)に示されるように、seed光23を入力するために出力側ミラー2を偏心させているため、ビームサイズが多少小さくなってしまうという欠点がある。なお、図42では、説明のためseed光23が増幅段レーザ60内を2往復しかしていないが、実際は往復回数はより多く設定される。また、同じく説明のため、光を1本の線として示してあるが、実際は有限の幅と有限の広がりを持ったビームである。
図31の例では、入力側ミラー1を高反射率(全反射)で孔のない平面ミラー1枚で構成したが、図43のチャンバー3側から見た図(a)と断面図(b)に示すように、CaF2 等の紫外光透過平面基板の出力側面のseed光入射領域には反射防止コーティング9を施し、残りの領域には高反射率(全反射)のミラーコーティング8を施して入力側ミラー1を実現するようにしてもよい。すなわち、図31に用いられる入力側ミラー1は、蒸着時のミラー保持のため、ミラー端面までのコーティングは困難である。そして、CaF2 等の基板端部を精度良く直角な面に加工することは容易ではない。通常、製作時に端部に欠けが生じてしまう。そして、端部まで端部欠けなく高反射率(全反射)コーティング8がなされないと、反射率の低い端部がロスの原因となり、発振効率が落ちる。図43
に示したような入力側ミラー1を用いれば、高反射率(全反射)コーティング8の端部処理が容易になり、seed光23と増幅段レーザ60内での増幅レーザ光との境界部まで高反射率コーティング8を施すことが可能となる。また、反射防止コーティング9を施す代わりに何らコーティングなしとしてもよい。この入力側ミラー1を用いときの図31に対応する構成を同様の図である図44に示す。
また、図42の例では、出力側ミラー2を部分反射率を持つで孔のない平面ミラー1枚で構成したが、同様の理由で、図45のチャンバー3側から見た図(a)と断面図(b)に示すように、CaF2 等の紫外光透過平面基板のチャンバー3側の面のseed光入射領域には反射防止コーティング9を施し、残りの領域には部分反射ミラーコーティング10を施して出力側ミラー2を実現するようにしてもよい。この出力側ミラー2を用いときの図42に対応する構成を同様の図である図46に示す。
なお、以上の実施例において、入力側ミラー1、リア側ミラー111、出力側ミラー2に関して、矩形状のものとしていたが、これに限定されず、趣旨を逸脱しない限りは、任意の形状であってもよい。
さらに、増幅段レーザ60の共振器を2枚の非平行なミラーで構成する場合に、図21の場合と同様に、入力側ミラー1をseed光23に対して垂直方向に偏心して配置することもできる。seed光23が導入される入力側ミラー1のエッジ部において、2枚のミラー間の距離が反対側のミラー間の距離よりも長く設定されている限りは、ミラー1、2を傾ける断面は任意の断面であってよい。図47に、増幅段レーザ60の共振器を2枚の非平行なミラーで構成する場合の図21と同様の図を示すが、その側面図(b)に着眼したときに、seed光23の光軸Cに対して、入力側ミラー1と出力側ミラー2を傾ける場合を示す。この場合、seed光23を注入する関係でケラレが発生してしまうので、以上説明したきた上面図に着眼したときに傾ける例に比べると、多少レーザシステムの効率が低下する。
もちろん、この場合にも、ミラー1、2の傾き角度は、入力側ミラー1の高反射率を持つ側の平面と出力側ミラー2の部分反射率を持つ側の平面とが平行であるとき(図20)のレーザシステム出力Sを下回らない範囲G内に設定される。また、ミラー1、2のエッジでなく、コーティングにより注入領域を確保するようにしてもよい(図43〜図46参照)。
さて、以上の本発明の全ての露光用2ステージレーザ装置において、発振段レーザ50から放出されるseed光23は、増幅段レーザ60の共振器を構成する入力側ミラー1側あるいは出力側ミラー2側からその共振器へ導入されていたが、増幅段レーザ60の共振器のミラー1、2間の何れの位置からでもseed光23を増幅段レーザ60のレーザ発振光軸方向に導入することができる。そのような場合は、出力側ミラー2に対向するミラーは入力側ミラーと言えないので、リア側ミラー111と呼ぶことにする。
以下に、リア側ミラー111とチャンバー3の間(共振器の後部)から導入する場合と、出力側ミラー2とチャンバー3の間から導入する場合と、チャンバー3内に直接seed光23を導く場合とに分けて実施例を説明する。なお、以下では、増幅段レーザ60の構造に絞って実施例を説明する。そして、増幅段レーザ60の構造を示す図は、特別の場合を除いて、上部から見た図(上面図)を示す。各図に図示されていないカソードとアノードの放電電極4、5が紙面に垂直方向に配置されており、レーザ放電は紙面に対し垂直に生じているものである。また、これらの実施例では、放電方向(カソード−アノード間)より放電方向に対して垂直な方向においてseed光23の導入の自由度が高いので、この放電方向に対して垂直な方向においてseed光23を導入する実施例を示す。しか
し、seed光23を導入する方向はこの垂直な方向に限ったものではないので、予めことわっておく。
図48は、増幅段レーザ60のレーザ出射側と反対側からseed光23を注入する1実施例を示す上面図である。発振段レーザ50から放出されるseed光23は1枚以上の全反射ミラー121を経て増幅段レーザ60内に注入される。図48では2枚目の全反射ミラー121を経由し、レーザ出射側と反対側のウィンドー部材17を透過して増幅段レーザ60のチャンバー3内へ注入される。注入されたseed光23は放電電極4、5間の放電領域(利得領域)22の側面(紙面の下側)又は放電領域22を通過して出力側ミラー2側のウィンドー部材17を通過して出力側ミラー2に到達する。出力側ミラー2は、一般的に片側の面に部分反射ミラーコーティング10を、そしてその反対側の面に反射防止コーティング9が施してある。出力側ミラー2の部分反射ミラーコーティング10がチャンバー3側又はレーザ出力方向に向いているかは特に限定されないが、図48ではチャンバー3側に施されている。なお、図48にのみ、出力側ミラー2の部分反射ミラーコーティング10と反射防止コーティング9を図示してあるが、以下の実施例でも同様である。
また、出力側ミラー2は、部分反射ミラーコーティング10と反射防止コーティング9が施されていない光学基板で構成してもよい。例えば、レーザ光の波長が193nmの場合、光学基板の表面反射は4%程度であり、基板表面の表裏の反射を用いると、約8%の反射率を持つ波長193nm用出力ミラーをコーティングなしで実現することが可能である。
この出力側ミラー2の部分反射ミラーコーティング10で反射したseed光23は、レーザ共振器後部に設置してあるリア側ミラー(全反射ミラー)111に向かって反射される。そして、seed光23は共振器を構成するこれら出力側ミラー2とリア側ミラー111の間で多重反射し、最終的には放電領域22がseed光23によって満たされる。
seed光23が放電領域22を満たす過程で、又は、満たした後に増幅段レーザ60の放電領域22に放電が生じると、発振段レーザ50からのseed光23の線幅を引き継いだ高出力狭帯域化レーザ光が増幅段レーザ60より発振する。
図49は、ブリュースタ角に設置されていないレーザ出射側と反対側のウィンドー部材17での表面反射を用いて、増幅段レーザ60内にseed光23を注入する実施例を示す上面図である。狭帯域化発振段レーザ50からのseed光23は1枚以上の全反射ミラー121を経由して共振器のリア側のウィンドー部材17に照射される。照射されたseed光23はこのウィンドー部材17の表面反射でリア側ミラー111へ導かれる。seed光23はリア側ミラー111で反射され出力側ミラー2へ導かれる。そして、共振器を構成する出力側ミラー2とリア側ミラー111の間で多重反射する。
ウィンドー部材17には、通常CaF2 が用いられている。そして、多くの場合、seed光23は偏光はP偏光である。CaF2 のP偏光に対する反射特性は図50に示す通りである。seed光23のウィンドー部材17への入射角度はウィンドー部材17の設置傾斜角度(±5°以内)と略等しいことが望ましい。そのため、ウィンドー部材17の設置角度がブリュースタ角でない場合に、この例の注入方式は有効である。
図51(a)は、レーザ出射側と反対側のウィンドー部材17の一部に高反射率(全反射)コーティング8を施して、増幅段レーザ60内にseed光23を注入する実施例を示す上面図である。ウィンドー部材17がブリュースタ角等でチャンバー3に設置されて
いる場合、図50に示す通り、十分なseed光23の反射が期待できない。この場合には、図51(b)に示すように、レーザ出射側と反対側のウィンドー部材17の一部のseed光23を反射する部位に高反射率(全反射)コーティング8を施してある。その他の領域Jには反射防止コーティングを施すか、又は、コーティングが施されていない。又は、増幅段レーザ光が通過する部位Hにのみ反射防止コーティングを施すか、又は、コーティングが施されていない。そして、その他の部位にseed光23の注入に合わせ高反射率(全反射)コーティング8を施す。
この例では、seed光23はウィンドー部材17の高反射率(全反射)コーティング8の部分で反射され、リア側ミラー111に導かれる。そして、seed光23はリア側ミラー111で反射され出力側ミラー2へ導かれる。そして、共振器を構成する出力側ミラー2とリア側ミラー111の間で多重反射する。
図52(a)は、増幅段レーザ60の共振器内にビームエキスパンダープリズム系(ビーム拡大系)61を設置した場合の、共振器の後部から増幅段レーザ60内にseed光23を注入する実施例を示す上面図である。この例では、増幅段レーザ60のリア側ミラー111に入射するレーザ光と出力側ミラー2に入射するレーザ光のビームを拡大するために、それぞれウィンドー部材17とリア側ミラー111の間、及び、別のウィンドー部材17と出力側ミラー2の間にビームエキスパンダープリズム系61、61が配置されており、それぞれのビームエキスパンダープリズム系61はこの例では2個の三角プリズム62、63から構成されており、三角プリズム62の1面に直角に入射したビームは別の面に比較的大きな入射角で内部から入射して1次元方向にビーム径が拡大されて射出し、そのビーム径が拡大されたビームは別の三角プリズム63の1面に直角に入射し、別の面に比較的大きな入射角で内部から入射して1次元方向にさらにビーム径が拡大されて射出するものである。
この例において、seed光23を1枚以上の全反射ミラー121にてビームエキスパンダープリズム系61へ照射する。seed光23が照射されるプリズム62は、図52(b)に示すように、共振器内で共振するレーザ光が入射する面64の透過領域Kに反射防止コーティングを施すか、又は、コーティングが施されていない。seed光23はその透過領域Kに入射する。このプリズム62の面64の透過領域K外には高反射率(全反射)コーティング8が施してある。図52(b)の実施例では、プリズム62の頂角側に高反射率(全反射)コーティング8が施してあるが、この限りではない。このプリズム62の高反射率(全反射)コーティング8で反射したseed光23は増幅段レーザ60内を通過して出力側ミラー2へ導かれる。そして、共振器を構成する出力側ミラー2とリア側ミラー111の間で多重反射する。
なお、図52(a)の実施例では、チャンバー3に近い方のプリズム62からseed光23がチャンバー3内へ導かれているが、この限りではない。ビームエキスパンダープリズム系61が2個以上プリズムからなる場合は、どのプリズムのどの面を使用してseed光23を増幅段レーザ60内に導いてもよい。
次に、増幅段レーザ60の出力側ミラー2とチャンバー3の間からseed光23を注入する実施例を説明する。
図53は、図48に対応する実施例の上面図である。この例では、増幅段レーザ60の出力側ミラー2とレーザチャンバー3の間からからseed光23をレーザチャンバー3内へ注入する実施例である。seed光23は1枚以上の1枚以上の全反射ミラー121を経て増幅段レーザ60内に注入される。図53では、出力側ミラー2とレーザチャンバー3の間の2枚目の全反射ミラー121を経由し、ウィンドー部材17を透過して増幅段
レーザ60のチャンバー3内へ注入される。注入されたseed光23は放電領域(利得領域)22の側面(紙面の下側)又は放電領域22を通過してリア側ミラー111側のウィンドー部材17を通過して、増幅段レーザ60の共振器のチャンバー3を挟んで出力側ミラーの反対側に設置された全反射ミラーのリア側ミラー111に到達する。そして、そのseed光23はまた出力側ミラー2へ向けて反射され、さらに、そのseed光23は出力側ミラー2の部分反射ミラーコーティング10(図48)で反射され、最終的には出力側ミラー2とリア側ミラー111の間でseed光23の多重反射が実現される。そして、最終的には放電領域22がseed光23によって満たされる。出力側ミラー2は、一般的に片側の面に部分反射ミラーコーティング10を、そしてその反対側の面に反射防止コーティング9が施してある。出力側ミラー2の部分反射ミラーコーティング10がチャンバー3側又はレーザ出力方向に向いているかは特に限定されない(図48の説明参照)。
seed光23が放電領域22を満たす過程で、又は、満たした後に増幅段レーザ60の放電領域22に放電が生じると、発振段レーザ50からのseed光23の線幅を引き継いだ高出力狭帯域化レーザ光が増幅段レーザ60より発振する。
図54は、図49に対応する実施例の上面図である。この例では、発振段レーザ50からのseed光23は1枚以上の全反射ミラー121での反射を経由して出力側ミラー2側のウィンドー部材17に照射される。照射されたseed光23はこのウィンドー部材17の表面反射で出力側ミラー2へ導かれる。seed光23は出力側ミラー2部分反射ミラーコーティング10(図48)で反射され、リア側ミラー111へ導かれる。そして、共振器を構成する出力側ミラー2とリア側ミラー111の間で多重反射する。
この場合も、ウィンドー部材17には、通常CaF2 が用いられている。そして、多くの場合、seed光23は偏光はP偏光である。CaF2 のP偏光に対する反射特性は図50に示す通りである。seed光23のウィンドー部材17への入射角度はウィンドー部材17の設置傾斜角度(±5°以内)と略等しいことが望ましい。そのため、ウィンドー部材17の設置角度がブリュースタ角でない場合に、この例の注入方式は有効である。
図55は、図51に対応する実施例の上面図である。この実施例は、レーザ出射側のウィンドー部材17の一部に高反射率(全反射)コーティング8を施して、増幅段レーザ60内にseed光23を注入する実施例であり、ウィンドー部材17がブリュースタ角等でチャンバー3に設置されている場合、図50に示す通り、十分なseed光23の反射が期待できない。この場合には、図55(b)に示すように、レーザ出射側のウィンドー部材17の一部のseed光23を反射する部位に高反射率(全反射)コーティング8を施してある。その他の領域Jには反射防止コーティングを施すか、又は、コーティングが施されていない。又は、増幅段レーザ光が通過する部位Hにのみ反射防止コーティングを施すか、又は、コーティングが施されていない。そして、その他の部位にseed光23の注入に合わせ高反射率(全反射)コーティング8を施す。
この例では、seed光23はウィンドー部材17の高反射率(全反射)コーティング8の部分で反射され、出力側ミラー2に導かれる。そして、seed光23は出力側ミラー2で反射されリア側ミラー111へ導かれる。そして、共振器を構成する出力側ミラー2とリア側ミラー111の間で多重反射する。
図56は、図52に対応する実施例の上面図である。ただし、この実施例では、増幅段レーザ60の出力側ミラー2に入射するレーザ光のビームを拡大するためにだけウィンドー部材17と出力側ミラー2の間にビームエキスパンダープリズム系61が配置されており、リア側ミラー111側には配置されていない。このビームエキスパンダープリズム系
61はこの例では2個の三角プリズム62、63から構成されており、三角プリズム62の1面に直角に入射したビームは別の面に比較的大きな入射角で内部から入射して1次元方向にビーム径が拡大されて射出し、そのビーム径が拡大されたビームは別の三角プリズム63の1面に直角に入射し、別の面に比較的大きな入射角で内部から入射して1次元方向にさらにビーム径が拡大されて射出するものである。
発振段レーザ50からのseed光23が照射されるプリズム62は、図52(b)のような構成をしている。このプリズム62の高反射率(全反射)コーティング8で反射したseed光23は増幅段レーザ60内を通過してリア側ミラー111へ導かれる。そして、共振器を構成する出力側ミラー2とリア側ミラー111の間で多重反射する。
なお、図56の実施例では、チャンバー3に近い方のプリズム62からseed光23がチャンバー3内へ導かれているが、この限りではない。ビームエキスパンダープリズム系61が2個以上プリズムからなる場合は、どのプリズムのどの面を使用してseed光23を増幅段レーザ60内に導いてもよい。
次に、増幅段レーザ60のレーザチャンバー3内に直接seed光23を導く実施例を説明する。
図57は、増幅段レーザ60のレーザチャンバー3の側面にseed光23を注入するためのseed光注入ウィンドー65を取り付け、seed光23を放電領域22へ注入するようにした実施例の上面図である。seed光注入ウィンドー65の両面には、反射防止コーティングを施してもよいが、必ずしも必要なものではない。seed光23は1枚以上の全反射ミラー121より増幅段レーザ60内に注入される。図57では、チャンバー3内の2枚目の全反射ミラー121を経由して増幅段レーザ6のチャンバー3内の放電領域22へ注入される。注入されたseed光23は放電領域22の側面(紙面の下側)又は放電領域22を通過して、リア側ミラー111側のウィンドー部材17を透過してリア側ミラー111に到達する。このリア側ミラー111で反射したseed光23はレーザ共振器前部に設置してある出力側ミラー2に向かう。そして、seed光23は共振器を構成するこれら出力側ミラー2の部分反射ミラーコーティング10(図48)とリア側ミラー111の間で多重反射し、最終的には放電領域22がseed光23によって満たされる。
seed光23が放電領域22を満たす過程で、又は、満たした後に増幅段レーザ60の放電領域22に放電が生じると、発振段レーザ50からのseed光23の線幅を引き継いだ高出力狭帯域化レーザ光が増幅段レーザ60より発振する。
なお、図57の例では、リア側ミラー111に向かってseed光23が注入されているが、この限りではない。出力側ミラー2へ向かって注入するようにしてもよい。
図58は、チャンバー3内に配置するseed光23を全反射する部材として、全反射ミラー121の代わりに全反射プリズム122を用いた例であり、それ以外は図57の場合と同様であるので、全反射プリズム122についてのみ説明する。全反射プリズム122はコーティングが施されていないCaF2 製のプリズムである。この全反射プリズム122を用いると、全反射ミラー121を用いた場合に生じる高反射率(全反射)ミラーコーティングのレーザガス又はレーザ装置内生成物による劣化がなく、全反射光学素子としての長寿命化が可能となる。
図59は、入力ミラー1に部分反射膜10をコーティングすることにより、入力ミラー1の裏面から入力ミラーを透過させて、seed光23を注入する実施例を示す上面図で
ある。これを以下、裏面注入方式という。狭帯域化発振段レーザ50からのseed光23は1枚以上の全反射ミラー121を経由して増幅段レーザ60の共振器のリア側のミラーである入力ミラー1の裏面に増幅段の共振器の光軸と略一致させて導入、入射される。この入力ミラー1には、部分反射膜10が施されており、seed光23の一部は、増幅段共振器の内部に注入され、残りのseed光23は反射される。そして、共振器を構成する出力側ミラー2と入力側ミラー1の間がseed光23によって満たされる。そして、電極4、5間に高電圧を印加し放電する。この放電により、seed光23は誘導放出により増幅され、かつ、前記共振器により増幅段レーザ60がレーザ発振する。
この方式のメリットは、増幅段レーザ60の光軸とseed光23の光軸が一致しているため、(1)アライメントが容易であること、(2)seed光23の光軸ずれの許容範囲が広くなること、(3)増幅段レーザ共振器内をseed光23で満たすのに、0.5往復でよいので、ASEの発生を抑制できる可能性がある。以上のような裏面注入方式で課題となるのが、入力ミラー1の反射率の最適化である。
図60に、入力側ミラー1(リアミラーの反射率)と注入同期後のレーザ出力の関係を示す。縦軸と横軸は、それぞれ最大出力で規格化したときの相対出力とミラーの反射率を示す。これは、発振段レーザの出力を一定とし、出力ミラー約30%の反射率で入力ミラー1の反射率を変化させたときの同期後の出力である。このグラフから、出力が最大となるミラーの反射率は約90%であり、最大出力の1/2となるミラーの反射率の範囲は約36%から約98%であった。したがって、このような裏面注入方式における入力側ミラーの反射率の最適値は約90%であり、使用可能な入力ミラー1の反射率の範囲は、最適値の出力の約半分とすると、範囲はおおよそ36%から98%となった。
図61は、図35の場合と同一座標軸かつ同一増幅段レーザ条件(共振器長L=1000mm、放電幅Wx =2.5mm、入力側ミラー1と出力ミラーは平行配置で、6往復の場合)とし、入力ミラー1の裏面からseed光23を入力側ミラー1に注入した場合の、seed光23の注入角度θinと位置Xinに関して有効可能な領域を示す。この図における多角形の領域は、図37及び図38で求めた多角形の領域に比べて大きくなった。このことは、図35に示すような斜め入射による注入方式の場合と比較して、図59に示すような裏面注入方式の場合の方が、seed光23の光軸の変動許容幅が広くなる。その結果、レーザの性能(エネルギ安定性、同期許容値等)の安定性が良くなる。
図62及び図63に、増幅段レーザ60の共振器の中のビームスプリッタ112を介してseed光23を増幅段レーザ60内へ導入する方式の実施例の上面図を示す。図62の場合は、全反射膜8をコーティングしたリア側ミラー111とリア側のウィンドー17と間に、部分反射膜10をコーティングしたビームスプリッタ112を配置して、増幅段レーザ60内にseed光23を導入した例である。図63の場合は、フロント側ウィンドー17と出力側ミラー2との間に部分反射膜10をコーティングしたビームスプリッタ112を配置して、増幅段レーザ60内にseed光23を導入した例である。狭帯域化発振段レーザ50からのseed光23は1枚以上の全反射ミラー121を経由して増幅段レーザ60の共振器内に配置されているビームスプリッタ112に導入、照射される。このビームスプリッタ112には、部分反射膜10が施されており、seed光23が一部反射され、増幅段共振器の内部に共振器の光軸と略一致して注入される。残りの透過したseed光23は捨てられる。そして、共振器を構成するリア側ミラー111と入力側ミラー2の間がseed光23によって満たされる。そして、電極4、5間に高電圧を印加し放電する。この放電により、seed光23は誘導放出により増幅し、かつ、その共振器により、増幅段レーザ60がレーザ発振する。この例は、図59の例に比べると、増幅段レーザ60の共振器内にビームスプリッタ112を設置することにより損失を発生するため、出力は小さくなる。ただし、前述したメリット(1)〜(3)は維持可能である
なお、図62及び図63の例のでは、ビームスプリッタ112を介して共振器中にseed光23を導入したが、レーザウィンドー17に部分反射膜をコーティングして、これに上記のビームスプリッタと同様の役割を持たせて、共振器と略同軸となるように導入してもよい。また、ビームスプリッタ112により、まず、放電領域の方向にseed光23を導入したが、リア側ミラー111方向又は出力側ミラー2方向に導入するようにしてもよい。何れの場合も、ミラーから増幅段レーザへ反射する光が増幅される。ただし、この場合、seed光23は、図62及び図63の場合に比べて、seed光23の損失が大きくなるため、発振段レーザ50の出力を高くする必要がある。
図64は、ビームスプリッタ112により出力側ミラー1を透過させてseed光23を注入する実施例を示す上面図である。狭帯域化発振段レーザ50からのseed光23は、1枚以上の全反射ミラー121を経由して増幅段レーザ60の共振器の出力側ミラー2にビームスプリッタ112を介して増幅段の共振器の光軸と略一致させて導入、照射される。このビームスプリッタ112には、部分反射膜10が施されており、seed光23の透過光は捨てられ、反射光は出力側ミラー2に入力される。seed光32の出力側ミラー1の透過光が、増幅段共振器の内部に注入される。残りのseed光23は出力側ミラー1により反射される。そして、共振器を構成する出力側ミラー2とリア側ミラー111の間でseed光23によって満たされる。そして、電極4、5間に高電圧を印加し放電する。この放電により、seed光23は誘導放出により増幅され、かつ、その共振器により増幅段レーザ60がレーザ発振する。この例は、図59の場合より、ビームスプリッタ112及び出力側ミラー2を介して注入効率が悪いため、図59の場合に比べて、seed光の損失が大きくなるため、発振段レーザ50の出力を高くする必要がある。ただし、前述したメリット(1)〜(3)は維持可能である。
ところで、発振段レーザ50からのレーザ光径と増幅段レーザ60からの出力レーザ光径が等しく、変換光学系70を介在させなくともよい場合に、発振段レーザ50のフロントミラー52と増幅段レーザ60の入力側ミラー1とを共有させる構成とすることも可能である。その実施例の概略構成を図65の上面図に示す。この例では、この共有ミラー52−1を発振段レーザ50と増幅段レーザ60が共有するように両者を縦続して接続し、共有ミラー52−1の透明基板の表面を発振段レーザ50のフロントミラー52のための部分反射ミラー面として部分反射ミラーコーティングし、共有ミラー52−1の透明基板の裏面を増幅段レーザ60の入力側ミラー1用に、例えば図5に示したように、seed光導入孔7”を除いた部分に高反射率のミラーコーティングを施して構成すればよい。なお、共有ミラー52−1の透明基板の表面は、発振段レーザ50のための共振器のフロントミラー52のための面形状とし、その裏面は、増幅段レーザ60の入力側ミラー1のための平面あるいは凹面とする。
図66に、裏面注入の変形方式を示す。発振段レーザ50からのレーザ光径と増幅段レーザ60からの出力レーザ光径が略等しく、変換光学系70を介在させなくてもよい場合に、発振段レーザ50のフロントミラー52と増幅段レーザ60の部分反射膜10をコーティングした入力側ミラー52−2を共有させる構成とすることも可能である。なお、部分反射膜10のコーティングは、入力側ミラーの図示した面とは反対側を施してもよい。この例では、部分反射膜10を片面に施した共有ミラー25−2を発振段レーザ50と増幅段レーザ60が共有するように両者を継続して接続する。狭帯域化モジュール51と共有ミラー25−2の部分反射面と共振器として発振段レーザ50が発振し、seed光が共有ミラー25−2の部分反射面から出力されると同時に、共有ミラー25−2と出力側ミラー2からなる発振段レーザ60の共振器内部に直接seed光として入力される。そして、電極4、5間に高電圧を印加し放電する。この放電によりseed光は誘導放出に
より増幅され、かつ、その共振器により増幅段レーザ60がレーザ発振する。この場合の共有ミラーの反射率は、図60の範囲であれば有効である。
この方式のメリットを裏面注入方式のメリット(1)〜(3)に追加して以下に示す。発振段レーザ50のフロントミラーと増幅段レーザの入力側ミラーに部分反射膜を施した共有ミラー52−2により共有化しているため、(1)seed光を導入するための光導入系が不用で、そのためコンパクトで安価となる。(2)seed光を損失させることなく増幅段レーザの共振器内部への注入が可能で、このため、発振段レーザの出力は小さく、かつ、コンパクトな発振段レーザでよい。(3)発振段レーザと増幅段レーザの光軸が略一致しているため、光軸調整が容易かつ光軸の安定性がよくなる。
図65及び図66の実施例の効果の違いは、図66の実施例の場合の方が、発振段レーザ50のフロントミラーと増幅段レーザ60の入力側ミラーを片面の部分反射膜を施した共有ミラー52−2により共有化しているため、発振段レーザ50の出力がロスすることなく、増幅段レーザ60の共振器内に全てseed光23が注入されるため、発振段レーザの出力が小出力でよい。このため、発振段レーザ50の小型化及び低コスト化が可能となる。
さて、本発明の以上の露光用2ステージレーザ装置は、発振段レーザと同等の空間コヒーレンスの低コヒーレンス化を達成するために、増幅段レーザにファブリペローエタロン型の安定共振器あるいはその2枚のミラーを相互に若干傾けた共振器を用いるものであり、かつ、増幅段レーザのレーザガスの利得領域をseed光で埋めて効率的な増幅を行わせるために、発振段レーザから発振されたseed光として発散を有するものを用いるものであるが、増幅段レーザに複数の平面ミラーからなるリング型の共振器を用いても、空間コヒーレンスの低コヒーレンス化を達成することができる。
そのようなリング型の共振器を用いる実施例の1つの概略構成を図67の側面図に示す。この例では、発振段レーザ50からのseed光は反射鏡99を経て変換光学系70で所望のビーム幅が縮小され、増幅段レーザ60に入力する。増幅段レーザ60は、入出力用の部分反射ミラー91と、部分反射ミラー91を透過したseed光を反射する全反射ミラー92と、全反射面を2面備え、入射方向に略平行な反対方向に反射させる全反射直角プリズム(ルーフプリズム)93とからなるリング型共振器を備えており、リング型共振器の全ての反射面は平面からなる。そのため、部分反射ミラー91及び全反射ミラー92と全反射直角プリズム93の間に位置するチャンバー3内の利得領域(放電領域)を発散を持つseed光がこのリング型共振器内を回りながら埋めることが可能となり、そこで増幅されたレーザ光は部分反射ミラー91を透過して出力される。
図68はリング型共振器を用いる別の実施例の概略構成の平面図であり、発振段レーザ50からのseed光は反射ミラー99を経て、増幅段レーザ60に入力する。増幅段レーザ60は、入出力用の部分反射ミラー91と、部分反射ミラー91を透過したseed光を順に反射して部分反射ミラー91へ戻す3枚の全反射ミラー92、94、95とからなるリング型共振器を備えており、リング型共振器の全ての反射面は平面からなる。そのため、部分反射ミラー91及び全反射ミラー92と全反射ミラー94及び95の間に位置するチャンバー3内の利得領域(放電領域)を発散を持つseed光がこのリング型共振器内を回りながら埋めることが可能となり、そこで増幅されたレーザ光は部分反射ミラー91を透過して出力される。
ところで、本発明者等は、先に説明してきたMOPO方式の高安定性、高出力効率、細い線幅である利点を活かしつつ、空間コヒーレンスを低くした2ステージレーザ装置において、さらに、以下に示すように増幅段レーザの共振器の光路長を設定することで、より
半導体露光装置用に適した2ステージレーザ装置を提供できることを見出した。
本発明者等は、実験を重ねた結果、増幅段レーザの共振器の光路長によっては、増幅段レーザから出力されたレーザ光のビームプロファイル形状に干渉縞パターンが発生する場合があることを発見した。
この干渉縞パターンの発生により、ビームプロファイル形状の対称性が悪化する。また、発振段レーザ50から出力されるseed光23の中心波長の変化、増幅段レーザ60の共振器長の変化等によって干渉縞パターンが時間経過と共に移動するので、ビームプロファイルの安定性も悪くなる。
露光装置の露光用光源である2ステージレーザ装置から出力されるレーザ光のビームプロファイル形状は、露光装置のマスク均一照明に及ぼす影響が大きく、そのため、露光対象(例えば、ウエハ)上での露光性能に大きな影響を及ぼす。また、この干渉縞パターンの変動によってレーザ光の出力が大きく変動し、レーザ光の出力制御が難しくなっていた。
干渉縞パターンの発生について、図69、図70を用いて説明する。図69は、本発明を適用したMOPO方式の2ステージレーザ装置の概略図と、レーザ光特性とを示す図である。ここで、(a)は、本発明を適用したMOPO方式の2ステージレーザ装置の概略図、(b)は、発振段レーザから出力される狭帯域化されたレーザ光のスペクトルプロファイル、(c)は、増幅段レーザから出力されたレーザ光の断面図(ビームプロファイル形状)を示す。
図69において、例えば、発振段レーザ50から出力される狭帯域化されたレーザ光(seed光23)のスペクトルプロファイルが図69(b)に示すものであったとする。このseed光23を増幅段レーザ60の共振器(例えば、入力側ミラー1と出力側ミラー2とで構成される)内に注入し、増幅共振させる。
ここで、増幅段レーザ60の共振器の構成が安定共振器あるいはその2枚のミラーを相互に若干傾けた共振器で、かつ、入力側(全反射)ミラー1と出力側(部分反射)ミラー2とで構成されている場合、seed光23は、入力側ミラー1を透過後、増幅段レーザ60の放電領域22を通過して増幅される。放電領域22を通過した増幅光は部分反射ミラーである出力側ミラー2に入射し、その一部は、出力側ミラー2を透過して第1のレーザ光K1として出力される。
一方、出力側ミラー2より反射された増幅光は、放電領域22を通過して増幅され、入力側ミラー1に入射する。入力側ミラー1で全反射された増幅光は、放電領域22を通過して増幅され、出力側ミラー2に入射し、その一部は出力側ミラー2を透過して第2のレーザ光K2として出力される。また、残りの増幅光は、出力側ミラー2により増幅領域22へ反射される。増幅段レーザ60の共振器では、このような共振を繰り返す。
前記した第1のレーザ光K1及び第2のレーザ光K2は、両レーザ光の光路差が発振段レーザ50から出力されるseed光23のスペクトル幅に対応する時間的コヒーレント長LC より短い場合に、干渉する。
ここで、レーザ光の時間的コヒーレンス長LC は、レーザ光の波長をλ、スペクトル線幅をΔλとしたとき、式(9)により定義される(参考文献:非特許文献1)。
C =λ2 /Δλ ・・・(9)
ここで、空間的コヒーレンスの評価のときと同様に、図69(a)のB−B断面上の干渉縞性は、ビジビリティーと光路差で評価することができる。この場合の光路差は、レーザ光(seed光)が共振器に入射してからその共振器から出力されるまでに進んだ距離に相当するので、増幅段レーザ60の共振器長Lの略2倍とすることができる。また、ビジビリティーは下記(10)式により求めることができる。
ビジビリティー=(干渉縞パターンの最大フリンジ強度Imax
−干渉縞パターンの最小フリンジ強度Imin
÷(干渉縞パターンの最大フリンジ強度Imax
+干渉縞パターンの最小フリンジ強度Imin
・・・(10)
図70に、増幅段レーザの共振器長Lの2倍と干渉縞パターンのビジビリティーとの関係を示す。図70から明らかなように、増幅段レーザ60の共振器の共振器長の2倍の長さ(第1のレーザ光K1と第2のレーザ光K2との光路差に略一致)が長くなるにつれて増幅段レーザ60から出力されるレーザ光のビームプロファイル上に発生するの干渉縞パターンのビジビリティーが小さくなる。また、発振段レーザ50から出力されるseed光23の時間的コヒーレンス長LC よりも増幅段レーザ60の共振器長Lの略2倍の長さが長くなると、干渉縞パターンはほとんど消えることが明らかになった。
例えば、ArFレーザのMOPO方式の露光装置用2ステージレーザ装置において、発振段レーザ50から出力されるseed光23のスペクトル線幅(半値全幅)がΔλ=0.2pm、波長がλ=193.4nmの場合、時間的コヒーレンス長LC は(9)式からLC =0.186m程度になる。したがって、出力されたレーザ光のビームプロファイルに干渉縞パターンを発生させないためには、増幅段レーザ60の共振器長Lは0.186/2=0.093m以上の長さが必要となる。
図67及び図68に示すような増幅段レーザ60の共振器としてリング型の共振器を用いる場合において、増幅段レーザ60から出力されるレーザ光のビームプロファイル上に干渉縞パターンが発生しないようにするためには、以下のような条件を満たせばよい。
リング型共振器の場合は、リング型共振器の光路長を、発振段レーザ50から出力される狭帯域化されたseed光23のスペクトル線幅に対応する時間的コヒーレント長LC よりも長くすることによって、干渉縞パターン発生を抑制できる。
図67の場合は、seed光23(レーザ光)が部分反射ミラー91に入射後透過して出力される位置から、そのレーザ光が全反射ミラー92、全反射直角プリズム93経由して再び部分反射ミラー91に到達するまでの光路長が、時間的コヒーレント長LC よりも長ければよい。
図68の場合は、seed光23(レーザ光)が部分反射ミラー91に入射後透過して出力される位置から、そのレーザ光が全反射ミラー92、94、95を経由して再び部分反射鏡91に到達するまでの光路長が、時間的コヒーレント長LC よりも長ければよい。
すなわち、図67、図68において、部分反射ミラー91によって分岐されたレーザ光が再び重ね合わせられたときに、それぞれの光の光路長差が発振段レーザから出力されるseed光23のスペクトル線幅に対応する時間的コヒーレント長LC よりも長くすることによって、増幅段レーザ60から出力されるレーザ光のビームプロファイル上に干渉縞パターンが発生するのを抑制することができる。
以上、本発明の露光用2ステージレーザ装置をその原理と実施例に基づいて説明してき
たが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
例えば、本発明の露光用2ステージレーザ装置がフッ素分子(F2 )レーザ装置である場合、発振段レーザ50は、狭帯域化モジュール51の代わりに、レーザ光が入射する側から順番に配置された少なくとも1つの角度分散素子と全反射ミラーとからなるラインセレクトモジュールを備えていてもよい。
すなわち、F2 レーザ装置から出力されるレーザ光には、主な発振波長が2つ(λ1 =157.6299nm,λ2 =157.5233nm:非特許文献2)存在する。両ラインのスペクトル線幅(FWHM)は約1pm程度である。露光装置の露光光学系が反射屈折系(catadioptric system )の場合、前記した程度のスペクトル線幅でも色収差の発生が抑えられる。
よって、この場合は、通常はフリーラン発振時において前記両ラインの中の強度の強いλ1 (=157.6299nm)の発振ラインを、前記したラインセレクトモジュールにより選択する。
なお、このようなラインセレクトモジュールは必ずしも発振段レーザ50に設ける必要はなく、増幅段レーザ60の出力側ミラー2の出力光路中に設けてもよい。
ここで、増幅段レーザ60から出力されるレーザ光のビームプロファイル上に干渉縞パターンが発生するのを抑制する場合は、発振段レーザ50の時間的コヒーレント長LC と比較して、前記したように増幅段レーザ60の共振器長Lを設定する。このとき、時間的コヒーレント長LC を前記(9)式から求める際、発振段レーザ50のスペクトル線幅Δλは以下のようになる。
ここで、露光用2ステージレーザ装置が、発振段レーザ50のリア側にラインセレクトモジュールを備えるF2 レーザ装置である場合、ラインセレクトモジュールで波長λ1 (=157.6299nm)を選択したときのレーザ光(seed光23)の出力とラインセレクトモジュールで波長λ2 (=157.5233nm)を選択したときのレーザ光(seed光23)の出力とを比較すると、波長λ2 のレーザ光の出力は波長λ1 のレーザ光の出力に対して約20%小さいにすぎない。よって、この場合は、波長λ2 をラインセレクトモジュールで選択することも可能である。すなわち、前記スペクトル線幅Δλは、ラインセレクトモジュールで選択された波長λ1 (=157.6299nm)又は波長λ2 (=157.5233nm)の発振ラインのスペクトル線幅である。
また、露光用2ステージレーザ装置が、増幅段レーザ60の出力側ミラー2の外部にラインセレクトモジュールを設けたF2 レーザ装置である場合、スペクトル線幅Δλは、波長λ1 =157.6299nm、波長λ2 =157.5233nmの2つの主な発振ラインの中、強度の強い波長λ1 の発振ラインのスペクトル線幅である。
本発明の露光用2ステージレーザ装置によると、発振段レーザとして発振レーザ光に発散を有するものが用いられ、増幅段レーザはファブリペローエタロン型共振器を備え、その共振器は安定共振器を構成しているので、あるいは、発振段レーザとして発振レーザ光に発散を有するものが用いられ、増幅段レーザは、入出力用の部分反射ミラーと、該部分反射ミラーを経て入力されたレーザ光を反射させて該部分反射鏡位置へ戻す複数の全反射ミラーとを備えたリング型共振器を備え、その部分反射ミラー及び複数の全反射ミラーは平面からなるので、MOPO方式の利点である、チャンバー間の同期励起タイミング変動に対して出力変動が鈍感で、エネルギ安定性が高く、高出力効率であり、発振段レーザからのレーザ(seed)エネルギが小さくてよく、発振段レーザからのレーザパルスの後
半部はラウンドトリップが多くなるためスペクトル線幅が狭く、この後半部の裾部分(tail)を増幅できるため、線幅が細い特長に加えて、MOPA方式の利点である、空間コヒーレンスが低い、すなわち、ビーム横断方向のシェア量(ピンホール間隔)を同じとした場合、干渉縞のビジビリティーが低く空間的な可干渉性が低い特長を備える。
ここで、発振段レーザで発振され増幅段レーザに入力されるレーザ光の光軸と、増幅段レーザの共振器の光軸とが角度をなすように設定すれば、さらに空間的な可干渉性が低い特長を備える。
また、増幅段レーザの共振器長の略2倍の長さが発振段レーザのスペクトル線幅に対応する時間的コヒーレント長よりも長くなるように設定すれば、あるいは、リング型共振器の光路長が発振段レーザのスペクトル線幅に対応する時間的コヒーレント長よりも長くなるように設定すれば、増幅段レーザから出力されるレーザ光のビームプロファイル上に発生する干渉縞パターンを抑制することができる。したがって、ビームプロファイルの対称性を維持し、変動を抑制することができる。そのため、露光装置のマスクへの照明の均一性を維持することができ、特に、半導体露光装置用に適した2ステージレーザ装置が得られる。
なお、発振段レーザとして発振レーザ光に発散を有するものを使用することに限定されずに、発振段レーザで発振され増幅段レーザに入力されるレーザ光の光軸と、増幅段レーザの共振器の光軸とが角度をなすように設定することにより、MOPO方式の上記利点に加えて、空間的な可干渉性が低く、同様に半導体露光装置用に適した2ステージレーザ装置が得られる。
さらに、リア側ミラー及び出力側ミラーの反射面は平面で構成され、リア側ミラー及び出力側ミラーの法線が、発振段レーザで発振され増幅段レーザに入力されるレーザ光の光軸に対して角度をなすように、かつ、相互に角度をなすように設定され、発振段レーザで発振されたレーザ光が両方のミラー間の距離がより長い側から共振器内に入力されるように構成することにより、上記の増幅段レーザに入力されるレーザ光の光軸を増幅段レーザの共振器の光軸と角度をなすように設定する場合の利点に加えて、レーザ出力の増大、パルス幅の伸長、増幅段レーザに入力されるレーザ光の注入の自由度の確保、発振段レーザのピーク強度の低下を図ることが可能になり、半導体露光装置用により適した2ステージレーザ装置が得られる。
1…入力側ミラー(リア側ミラー)
1 、12 …平面ミラー
2…出力側ミラー(フロント側ミラー)
3…チャンバー
4、5…放電電極
6…アパーチャ(開口部)
7…円形孔
7’…縦長の孔
7”…縦長の領域(孔)
8…高反射率(全反射)のミラーコーティング
9…反射防止コーティング
10…部分反射ミラーコーティング
10’…比較的反射率の低い部分反射のミラーコーティング
11…反射防止コーティング
16…電源
17…ウィンドー部材
18…ガス供給排気用制御バルブ
19…冷却水流量制御バルブ
21…隙間(スリット)
22…放電領域
23…seed光
31…充電器
32…スイッチ
33…MPC(磁気パルス圧縮回路)
34…熱交換器
35…モニターモジュール
36…放電検出器
41…充電器
42…スイッチ
43…MPC(磁気パルス圧縮回路)
44…熱交換器
45…モニターモジュール
46…放電検出器
50…発振段レーザ(MO:Master Oscillator )
51…狭帯域化モジュール(リア側ミラー兼用)
52…フロントミラー
52−1…共有ミラー
53…チャンバー
54、55…放電電極
56…電源
57…ウィンドー部材
58…ガス供給排気用制御バルブ
59…冷却水流量制御バルブ
60…増幅段レーザ(PO:Power Oscillator)
61…ビームエキスパンダープリズム系(ビーム拡大系)
62、63…三角プリズム
64…レーザ光が入射する面
65…seed光注入ウィンドー
70…変換光学系
71、72…ビーム径縮小プリズム
73…焦点距離の長い正レンズ
74…焦点距離の短い正レンズ
75…焦点距離の長い正レンズ
76…焦点距離の短い負レンズ
77…負シリンドリカルレンズ
78…円筒凹面
80…メインコントローラ
81…ユーティリティコントローラ
82…波長コントローラ
83…ドライバ
84…エネルギコントローラ
85…同期コントローラ
86…ビームステアリングユニット
87…ドライバ
91…入出力用の部分反射ミラー
92、94、95…全反射ミラー
93…全反射直角プリズム(ルーフプリズム)
99…反射鏡
100…露光装置
101、102…45度直角プリズム
103…全反射直角プリズム(ルーフプリズム)
1031 、1032 …全反射直角プリズム反射面
111…リア側ミラー(全反射ミラー)
121…全反射ミラー
122…全反射プリズム
201…ノブ付きスクリュー
202…スクリュー固定用プレート
203…ミラーホルダステージプレート
204、205…ミラーホルダガイド
206…ミラーホルダ部
207…突起部
208…バネ固定部材
209…バネ
210、211…移動ステージ付きミラーホルダ
212…ボール
213…出力レーザ光
P1、P2…圧力センサー
T1、T2…温度センサー
J…その他の領域
H…増幅段レーザ光が通過する部位
K…透過領域

Claims (5)

  1. 発振段レーザと、発振段レーザで発振されたレーザ光を入力してそのレーザ光を増幅して出力する増幅段レーザとからなり、発振段レーザ、増幅段レーザ共にレーザガスが充填されたチャンバーを備えている露光用2ステージレーザ装置において、
    前記増幅段レーザはリア側ミラーと出力側ミラーからなる共振器を備え、前記リア側ミラー及び出力側ミラーの反射面は平面で構成され、前記リア側ミラー及び前記出力側ミラーの法線が、発振段レーザで発振され増幅段レーザに入力されるレーザ光の光軸に対して角度をなすように、かつ、相互に角度をなすように設定され、発振段レーザで発振されたレーザ光が両方のミラー間の距離がより長い側から前記共振器内に入力されることを特徴とする露光用2ステージレーザ装置。
  2. 発振段レーザで発振されたレーザ光が最初に入射する前記リア側ミラー又は前記出力側ミラーにおいて反射されたレーザ光が、両方のミラー間の距離がより短い側に反射されるように前記共振器が配置されていることを特徴とする請求項1記載の露光用2ステージレーザ装置。
  3. 前記リア側ミラーと出力側ミラーが相互に0.01mrad〜0.2mradの範囲の角度をなすように設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の露光用2ステージレーザ装置。
  4. 増幅段レーザの共振器長の略2倍の長さが発振段レーザのスペクトル線幅に対応する時間的コヒーレント長よりも長くなるように設定されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の露光用2ステージレーザ装置。
  5. 前記共振器を構成する各ミラーは、該各ミラーを共振器の光軸方向に対して略垂直方向に移動させることが可能なミラーホルダによって保持されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の露光用2ステージレーザ装置。
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