JP2004140265A - 狭帯域化レーザ装置 - Google Patents

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Toru Suzuki
鈴木 徹
Osamu Wakabayashi
若林 理
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Abstract

【課題】所定値以上のビーム幅を有し、かつスペクトル線幅の狭いレーザ光を発振することが可能な狭帯域化レーザ装置を提供する。
【解決手段】波長を狭帯域化した出射レーザ光(21C)を発振する狭帯域化レーザ装置において、出射レーザ光(21C)の光特性をモニタリングするモニタモジュール(37)を備え、フロントミラー(16)とモニタモジュール(37)との間に出射レーザ光(21C)のビーム幅を拡大するビームエキスパンダ(35)を設け、前記ビームエキスパンダ(35)が、複数のプリズム(39,40)、複数のレンズ(43,44)、複数の曲面鏡(45,46)、又はプリズム(39)及びミラー(41,42)を組み合わせて構成されていることを特徴とする狭帯域化レーザ装置。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、狭帯域化レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、波長を狭帯域化したレーザ装置が知られている(例えば特許文献1参照)。図10は、従来技術に係るエキシマレーザ装置の平面構成図を表しており、以下図10に基づいて従来技術を説明する。
図10において、エキシマレーザ装置11は、フッ素を含むレーザガスを封入したレーザチャンバ12を備えている。レーザチャンバ12の前後部には、レーザ光21を透過するウィンドウ17,19が付設されている。
【0003】
レーザチャンバ12の前後方には、レーザ光21のビーム幅を制限するフロント及びリアのスリット26,27が、それぞれ設置されている。また、レーザチャンバ12の前後方には、レーザ光21を部分反射するフロントミラー16と、レーザ光21の波長を狭帯域化する狭帯域化光学素子からなる狭帯域化ユニット30とが、それぞれ配置されている。
尚、以下の説明において、ビーム幅とは、エキシマレーザ装置11を平面視した場合(図10における上下方向)の幅を指すものとする。
【0004】
レーザチャンバ12の内部には、一対の主放電電極14,15が、レーザチャンバ12と長手方向を略同一にして、図10中紙面と垂直方向に対向して設置されている。この主放電電極14,15間に、図示しない高圧電源から高電圧パルスを印加し、パルス状の主放電を起こすことにより、レーザガスを励起して励起レーザ光21Aを発生させる。
発生した励起レーザ光21Aは、レーザチャンバ12後方(図10中左方)に配置された狭帯域化ユニット30に入射する。
【0005】
狭帯域化ユニット30は、励起レーザ光21Aのビーム幅を拡大させる拡大ユニット36と、間隔Gで精密な溝が設けられたグレーティング33とからなっている。ここでグレーティング33は、反射型グレーティングである。励起レーザ光21Aは、拡大ユニット36によってビーム幅を拡大され、狭帯域化レーザ光21Bとなって、グレーティング33に入射する。
狭帯域化レーザ光21Bは、グレーティング33によって波長に応じて回折され、回折光は、角度分散する。このとき、所望の波長範囲の回折光がレーザ共振器内で増幅されるように、グレーティング33の角度を決定する。
このようにして、発振波長のスペクトル線幅を所定の中心波長の近辺のみに制限してレーザ発振させることを、狭帯域化と言う。
【0006】
狭帯域化されたレーザ光21は、光路を逆向きに通り、フロントミラー16に達する。フロントミラー16は、レーザ光21の一部を反射し、一部を透過する。従って、レーザ光21の一部はフロントミラー16とグレーティング33との間で反射を繰り返し、その間に主放電電極14,15間の励起領域で増幅される。一方、フロントミラー16を透過した成分は、出射レーザ光21Cとなって、エキシマレーザ装置11の前方に出射する。
【0007】
エキシマレーザ装置11の前方には、モニタモジュール37が設置されている。出射レーザ光21Cの一部は、ビームスプリッタ22で反射され、光モニタ38に入射してその光特性を測定される。
【0008】
モニタモジュール37を出射した出射レーザ光21Cは、伝送ミラー52,52を介して、ステッパ等の露光機25に入射する。露光機25は、図示しないビーム整形器を備えており、出射レーザ光21Cを、例えば略正方形のビームに整形して、レチクルと呼ばれるマスクに照射する。そして、レチクルのパターンをレンズを介してウェハに投影することにより、ウェハの露光を行なっている。
【0009】
図11に、狭帯域化ユニット30の詳細図を示す。
拡大ユニット36の拡大率をMとすると、拡大ユニット36に入射する、拡大前の励起レーザ光21Aの増幅ビーム幅d(即ちスリット26,27の幅)と、拡大されてグレーティング33に入射する、狭帯域化レーザ光21Bの狭帯域化ビーム幅Dとの間には、次の数式1に示す関係がある。
D=M・d …………(1)
【0010】
拡大ユニット36によって拡大された狭帯域化レーザ光21Bは、所定の入射角αでグレーティング33に入射する。グレーティング33は、回折によって、次の数式2で定められる中心波長λ、及びその近辺の波長のみを、入射と同一方向逆向きに反射する。
m・λ=2・G・sin(α) ………… (2)
数式2において、mは回折次数であり、正の整数である。また、Gはグレーティング33の溝間隔である。
【0011】
また、グレーティング33への入射角αの微小変化dαと、グレーティング33で回折される狭帯域化レーザ光21Bのスペクトル線幅の微小変化dλとの間には、次の数式3で示す関係がある。
dλ/dα=2・G・cos(α) ………… (3)
【0012】
また、グレーティング33への入射角αの微小変化dαと、励起レーザ光21Aの拡大ユニット36への入射角の微小変化dθとの間には、次の数式4に示すような関係がある。
dθ=M・dα ………… (4)
【0013】
従って、数式3及び数式4より、次の数式5に示すような関係が導かれる。
dλ/dθ={2・G・cos(α)}/M ………… (5)
数式5に表されたdλ/dθを、角度分散と呼び、拡大ユニット36へ入射する励起レーザ光21Aの入射角θの変化に対する、スペクトル線幅の変化度合いを示す。この角度分散dλ/dθを小さくすることにより、発振波長のスペクトル線幅を小さくすることができる。
【0014】
【特許文献1】
特許2531788号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来技術には、次に述べるような問題がある。
数式5に示すように、角度分散dλ/dθを小さくするためには、拡大ユニット36の拡大率Mを大きくする必要がある。即ち、狭帯域化レーザ光21Bの狭帯域化ビーム幅Dを大きくするか、励起レーザ光21Aの増幅ビーム幅dを小さくするかである。
【0016】
ところが、狭帯域化ビーム幅Dを大きくすると、狭帯域化レーザ光21Bが入射するグレーティング33の長さを、長くする必要がある。グレーティング33は、非常に精密な光学素子であり、溝の間隔Gを正確に保ったまま、長いグレーティング33を製作することは、非常に困難である。
また、グレーティング33の長さが長くなるほど、温度変化等の外乱の影響を受けやすく、グレーティング33が歪んで溝の間隔Gが変化したりして、スペクトル線幅が広くなってしまうようなことがある。
【0017】
一方、従来技術においては、フロントミラー16から出射する出射レーザ光21Cの出射ビーム幅と、増幅ビーム幅dとが略一致している。従って、増幅ビーム幅dを小さくすると、出射ビーム幅も狭くなる。その結果、出射レーザ光21Cのエネルギー密度が大きくなり、伝送ミラー52やビームスプリッタ22、さらには光特性を測定するための光モニタ38が損傷を受けることがある。
【0018】
また、ビーム幅が狭い状態で、出射レーザ光21Cが露光機25に入射すると、露光機25内部のビーム整形器の、ビーム幅の拡大率を大きくする必要がある。その結果、ビーム整形器が複雑な構成となるため、露光機25側の設計上の制約などから負担が大きく、エキシマレーザ装置11から出射する出射レーザ光21Cのビーム幅を、所定の許容範囲に収めるように露光機25から要求されることがある。
このように、増幅ビーム幅dを小さくすると、出射レーザ光21Cのビーム幅が小さくなり、種々の問題を引き起こす。
【0019】
本発明は、上記の問題に着目してなされたものであり、所定値以上のビーム幅を有し、かつスペクトル線幅の狭いレーザ光を発振することが可能な狭帯域化レーザ装置を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、本発明は、
本発明に係る狭帯域化レーザ装置は、
励起領域よりも出射側に、出射レーザ光のビーム幅を拡大するビームエキスパンダを設けている。
これにより、狭帯域化性能を低下させることなく、ビーム幅の広い出射レーザ光を得ることができる。
【0021】
また本発明に係る狭帯域化レーザ装置は、
前記ビームエキスパンダの設置位置が、フロントミラーよりも出射側である。フロントミラーの共振器内部側に置くのに比べ、ビームエキスパンダに入射する出射レーザ光のエネルギー密度が低くなるため、ビームエキスパンダの損傷が少ない。また、共振器外に置かれることになるので、レーザ光の損失も小さい。
【0022】
また本発明に係る狭帯域化レーザ装置は、
出射レーザ光の光特性をモニタリングするモニタモジュールを備え、
前記ビームエキスパンダの設置位置が、フロントミラーとモニタモジュールとの間である。
これにより、ビーム幅を広げてエネルギー密度が小さくなった後のレーザ光がモニタモジュールに入射するので、モニタモジュールの損傷が小さい。
【0023】
また本発明に係る狭帯域化レーザ装置は、
前記ビームエキスパンダが、複数のプリズムを組み合わせて構成されている。
これにより、コンパクトな構成で、拡大率を大きくすることができる。
【0024】
また本発明に係る狭帯域化レーザ装置は、
前記ビームエキスパンダが、複数のレンズを組み合わせて構成されている。
これにより、拡大前の出射レーザ光の光軸と、拡大後の拡大レーザ光の光軸とを、略一致させるのが容易である。
【0025】
また本発明に係る狭帯域化レーザ装置は、
前記ビームエキスパンダが、複数の曲面鏡を組み合わせて構成されている。
これにより、ビームを拡大する際の損失が小さい。
【0026】
また本発明に係る狭帯域化レーザ装置は、
前記ビームエキスパンダが、複数のプリズムを組み合わせて構成され、
プリズムの1つが出射レーザ光の一部をサンプリングするビームスプリッタを兼用している。
これにより、部品点数が低減する。
【0027】
また本発明に係る狭帯域化レーザ装置は、
前記ビームエキスパンダが、プリズムとミラーとを組み合わせて構成されている。
これにより、ミラーの位置や枚数を適宜変更することにより、光軸を変えることも可能である。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながら、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
図1は、実施形態に係るエキシマレーザ装置11の平面構成図を示している。図1において、エキシマレーザ装置11は、フッ素を含むレーザガスを封入したレーザチャンバ12を備えている。
【0029】
レーザチャンバ12の前後方には、それぞれフロント及びリアのキャビティ板48,49が、互いに略平行に対向して設置されている。キャビティ板48,49とレーザチャンバ12との間は、ベローズ47,47によって、それぞれ封止されている。キャビティ板48,49同士は、例えば3本のキャビティロッド50によって、その相対位置を固定されている。キャビティロッド50は、インバー等の熱膨張率が非常に低い材質からなっている。
【0030】
フロントキャビティ板48の前部には、フロントミラー16が固定され、リアキャビティ板49の後部には、後述する狭帯域化光学素子を囲繞する狭帯域化ボックス31が、固定されている。
【0031】
レーザチャンバ12の前後部には、レーザ光21を透過するウィンドウ17,19が付設されている。また、レーザチャンバ12の前後方には、レーザ光21のビーム幅を制限するフロント及びリアのスリット26,27が、それぞれ設置されている。
尚、以下の説明において、ビーム幅とは、エキシマレーザ装置11を平面視した場合(図1における上下方向)の幅を指すものとする。
【0032】
レーザチャンバ12の所定位置には、一対の主放電電極14,15が、レーザチャンバ12と長手方向を同一にして、互いに平行に設置されている。この主放電電極14,15間の励起領域に、図示しない高圧電源から高電圧パルスを印加し、パルス状の主放電を起こすことによってレーザガスを励起して励起レーザ光21Aを発生させる。
発生した励起レーザ光21Aは、レーザチャンバ12後方(図1中左方)に配置された、狭帯域化ボックス31の内部に入射する。
【0033】
狭帯域化ボックス31の内部には、例えば4個のプリズム32からなる拡大ユニット36と、間隔Gで精密な溝が設けられたグレーティング33とからなる、狭帯域化ユニット30が設置されている。励起レーザ光21Aは、拡大ユニット36によってビーム幅を拡大され、狭帯域化レーザ光21Bとなって、グレーティング33に入射し、前述したように波長を狭帯域化される。
【0034】
波長を狭帯域化された励起レーザ光21Aは、光路を逆向きに通り、フロントミラー16に達する。フロントミラー16は、励起レーザ光21Aの一部を反射し、一部を透過する。従って、励起レーザ光21Aの一部はフロントミラー16とグレーティング33との間で反射を繰り返し、その間に主放電電極14,15間で増幅される。一方、フロントミラー16を透過した励起レーザ光21Aの成分は、出射レーザ光21Cとして、エキシマレーザ装置11の前方に出射する。
【0035】
フロントミラー16の前方には、ビームエキスパンダ35が設置されている。ビームエキスパンダ35は、ビーム幅を広げる光学系であり、詳細については後述する。ビーム幅を広げられた拡大レーザ光21Dは、モニタモジュール37に入射する。拡大レーザ光21Dの一部は、ビームスプリッタ22で反射され、光モニタ38に入射してその光特性を測定される。
ビームスプリッタ22を透過した拡大レーザ光21Dは、シャッタ51を通過し、伝達ミラー52を介してステッパ等の露光機25に入射する。
【0036】
図2〜図9に、ビームエキスパンダ35の構成例を示す。
図2は、2枚のプリズム39,40によって、ビームエキスパンダ35を構成した例である。図2において、2枚のプリズムの入射面39A,40Aにはコーティングを施さず(これを、ノーコートと言う)、出射面39B,40Bには、無反射(AR)コーティングを施している。
【0037】
図2に示すように、出射レーザ光21Cは、第1プリズム39の入射面39Aに、ブリュースタ角θBで入射する。そして、ビーム幅を広げられ、第1プリズム39の出射面39Bから、略垂直に(出射角が約0度で)出射する。
そして、第2プリズム40の入射面40Aにブリュースタ角θBで入射し、ビーム幅をさらに広げられて、第2プリズム40の出射面39Bから、略垂直に出射する。これにより、第2プリズム40の出射面39Bから出射する拡大レーザ光21Dの方向は、第1プリズム39の入射面39Aに入射した際の出射レーザ光21Cの方向と、略平行になっている。
【0038】
これにより、コンパクトな構成で、拡大率を大きくすることができる。さらには、プリズムへの入射角をブリュースタ角θBとすることにより、入射時の損失がほぼゼロとなり、損失の少ないビームエキスパンダ35を得ることができる。また、プリズム39,40の分散方向が、互いにキャンセルし合うような配置となっているので、出射レーザ光21Cによってプリズム39,40が熱せられても、光軸の変動方向が互いにキャンセルし合って、光軸変動が小さくなる。
【0039】
図3に、凹レンズ43と凸レンズ44とを用いて、ビームエキスパンダ35を構成した例を示す。凹レンズ43及び凸レンズ44の入射面43A,44A及び出射面43A,43Bには、すべて無反射コーティングが施されている。尚、凹レンズ43及び凸レンズ44は、球面レンズでもよいが、出射レーザ光21Cを、ビーム幅方向のみにおいて拡大/縮小するシリンドリカルレンズでもよい。
【0040】
凹レンズ43の入射面43Aに略垂直に(入射角が約0度で)入射した出射レーザ光21Cは、そのビーム幅方向に拡散される。凸レンズ44と凹レンズ43とは、焦点を略一致させて配置されているので、拡散された出射レーザ光21Cは、凸レンズ44によって平行光に整形され、拡大レーザ光21Dとなる。このとき、凹レンズ43の焦点距離をf1、凸レンズ44の焦点距離をf2とすると、拡大率は、(−f2/f1)で表される。
【0041】
図4に、凸面鏡45及び凹面鏡46を用いて、ビームエキスパンダ35を構成した例を示す。凸面鏡45及び凹面鏡46の反射面45C,46Cは、いずれも無反射コーティングを施されている。凸面鏡45の反射面45Cに入射した出射レーザ光21Cは、ビーム幅を拡散される。そして、凹面鏡46の反射面46Cに反射して平行光に整形され、拡大レーザ光21Dとなる。
【0042】
このとき、凸面鏡45及び凹面鏡46としては、球面ミラー又は1方向にのみ球面のシリンドリカルミラーを用いてもよいが、より平行度を向上させるためには、球面収差がなくなる非球面ミラーを用いるのがよい。
【0043】
図5に、2個のプリズム39,40を用いてビームエキスパンダ35を構成するとともに、第1のプリズム39に、ビームスプリッタ22の役割を兼用させる場合の構成例を示す。
図5において、第1、第2プリズム39,40の入射面39A,40Aは、いずれもノーコートであり、第1、第2プリズム39,40の出射面39B,40Bには、いずれも無反射コーティングを施してある。
【0044】
第1プリズム39は、出射レーザ光21Cに対して入射角が45度となるように、その入射面39Aが配置されている。これにより、第1プリズム39の入射面39Aに入射した出射レーザ光21Cの一部は、図5中上向きに反射され、光モニタ38に入射する。一方、出射レーザ光21Cのうち、第1プリズム39の入射面39Aを通過した成分は、ビーム幅を広げられ、第1プリズム39の出射面39Bから略垂直に出射する。
【0045】
そして、第2プリズム40の入射面40Aにブリュースタ角θBで入射し、ビーム幅をさらに広げられて、第2プリズム40の出射面40Bから略垂直に出射し、拡大レーザ光21Dとなる。
このように、第1プリズム39がビームスプリッタ22を兼ねているので、部品点数が少なくなる。
【0046】
図6に、プリズム53と反射ミラー54とを用いた、ビームエキスパンダ35の構成例を示す。図6において、プリズム53の入射面53Aにブリュースタ角θBで入射した出射レーザ光21Cは、拡大されて出射面53Bから略垂直に出射する。この出射した出射レーザ光21Cを、反射ミラー54で反射することによって向きを変え、出射レーザ光21Cに対して略平行な、拡大レーザ光21Dを取り出すことができる。
【0047】
また図7においては、反射ミラー54を2枚用いて、拡大レーザ光21Dを取り出している。これにより、出射レーザ光21Cに対して光軸20が略一致した、拡大レーザ光21Dを取り出すことが可能となっている。
【0048】
図8に、2個のプリズム53,55を用いた、ビームエキスパンダ35の構成例を示す。図8において、第1のプリズム53の入射面53Aは、ノーコートとなっており、出射面53Bには、無反射コーティングが施されている。また、第2のプリズム55の入射面55A及び出射面55Bには、無反射コーティングが施されている。
【0049】
第1のプリズム53の入射面53Aに、ブリュースタ角θBで入射した出射レーザ光21Cは、ビーム幅を拡大されて出射面53Bから略垂直に出射する。そして、第2のプリズム55の入射面55Aに、略垂直に入射する。
出射レーザ光21Cは、第2のプリズム55の反射面55D,55Dで内部反射を2回行ない、出射面55Bから略垂直に出射して拡大レーザ光21Dとなる。
【0050】
このとき、出射レーザ光21Cが、第2のプリズム55の反射面55D,55Dで全反射するように、第2のプリズム55の形状及び配置を設定することにより、出射レーザ光21Cの第2のプリズム55内部での損失を、最小限に抑えることができる。
そして、出射レーザ光21Cを第2のプリズム55内部で2回反射させることにより、出射レーザ光21Cに対して光軸20が略一致した、拡大レーザ光21Dを取り出すことが可能となっている。
【0051】
図9に、凸レンズ59,60を2枚用いた、ビームエキスパンダ35の構成例を示す。第1、第2凸レンズ59,60は、その焦点が略一致するように配設されている。図9に示すように、出射レーザ光21Cは、第1の凸レンズ59で集光され、凸レンズ59,60間で焦点を結ぶ。
そして、拡散した出射レーザ光21Cは、第2の凸レンズ60によって平行光に整形され、拡大レーザ光21Dとなる。
【0052】
以上説明したように、本発明によれば、増幅レーザ光21Aをビーム幅の狭い状態で増幅し、これを拡大ユニット36によってビーム幅を広げて狭帯域化レーザ光21Bとして、狭帯域化している。これにより、狭帯域化時の角度分散dλ/dθが小さくなるので、スペクトル線幅の狭いレーザ光21を得ることができる。
【0053】
そして、スペクトル線幅を狭くした出射レーザ光21Cを、ビームエキスパンダ35でビーム幅を広げ、拡大レーザ光21Dとして出射している。これにより、伝送ミラー52や光モニタ38等の光学素子が損傷を受けることが少ない。
また、このような拡大レーザ光21Dを露光に用いる場合に、露光機25の内部でのビーム整形器の拡大率を大きくする必要がなく、露光機25側の負担が減少する。
【0054】
尚、ビームエキスパンダ35の設置場所としては、図1に示したように、フロントミラー16とモニタモジュール37との間のB位置が最適である。これにより、ビームエキスパンダ35が共振器内にあるのに比べ、入射する出射レーザ光21Cのエネルギー密度が小さく、ビームエキスパンダ35を構成する光学素子に負担がかからなくなる。また、モニタモジュール37よりも手前で拡大することにより、モニタモジュール37の光モニタ38にかかる負担が小さくなる。
【0055】
しかしながら、フロントミラー16とフロントウィンドウ17との間のA位置、モニタモジュール37とシャッタ51との間のC位置、或いはシャッタ51の直後のD位置に配置してもよい。さらには、レーザチャンバ12内において、主放電電極14,15間の励起領域と、フロントウィンドウ17との間の、E位置に配置してもよい。
【0056】
尚、上記の説明は、エキシマレーザ装置を例にとって行なったが、フッ素分子レーザ装置等、他の狭帯域化レーザ装置においても、同様に応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るエキシマレーザ装置の平面構成図。
【図2】ビームエキスパンダの構成例を示す平面図。
【図3】ビームエキスパンダの構成例を示す平面図。
【図4】ビームエキスパンダの構成例を示す平面図。
【図5】ビームエキスパンダの構成例を示す平面図。
【図6】ビームエキスパンダの構成例を示す平面図。
【図7】ビームエキスパンダの構成例を示す平面図。
【図8】ビームエキスパンダの構成例を示す平面図。
【図9】ビームエキスパンダの構成例を示す平面図。
【図10】従来技術に係るエキシマレーザ装置の平面構成図。
【図11】狭帯域化ユニットの詳細図。
【符号の説明】
11:エキシマレーザ装置、12:レーザチャンバ、13:熱交換器、14:主放電電極、15:主放電電極、16:フロントミラー、17:フロントウィンドウ、18:リアミラー、19:リアウィンドウ、20:レーザ光軸、21:レーザ光、22:ビームスプリッタ、23:高圧電源、24:貫流ファン、25:露光機、26:フロントスリット、27:リアスリット、28:分散プリズム、29:レーザコントローラ、31:狭帯域化ボックス、32:プリズム、33:グレーティング、35:ビームエキスパンダ、36:拡大ユニット、37:モニタモジュール、38:光モニタ、39:第1プリズム、40:第2プリズム、43:凹レンズ、44:凸レンズ、45:凸面鏡、46:凹面鏡、47:ベローズ、48:フロントキャビティ板、49:リアキャビティ板、50:キャビティロッド、51:シャッタ、52:伝送ミラー、53:プリズム、54:反射ミラー、55:プリズム、56:有孔凹面鏡、57:入射孔、58:遮光板、59:第1凸レンズ、60:第2凸レンズ。

Claims (8)

  1. 波長を狭帯域化した出射レーザ光(21C)を発振する狭帯域化レーザ装置において、
    励起領域よりも出射側に、出射レーザ光(21C)のビーム幅を拡大するビームエキスパンダ(35)を設けた
    ことを特徴とする狭帯域化レーザ装置。
  2. 請求項1に記載の狭帯域化レーザ装置において、
    前記ビームエキスパンダ(35)の設置位置が、フロントミラー(16)よりも出射側である
    ことを特徴とする狭帯域化レーザ装置。
  3. 請求項1に記載の狭帯域化レーザ装置において、
    出射レーザ光(21C)の光特性をモニタリングするモニタモジュール(37)を備え、
    前記ビームエキスパンダ(35)の設置位置が、フロントミラー(16)とモニタモジュール(37)との間である
    ことを特徴とする狭帯域化レーザ装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の狭帯域化レーザ装置において、
    前記ビームエキスパンダ(35)が、複数のプリズム(39,40)を組み合わせて構成されている
    ことを特徴とする狭帯域化レーザ装置。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の狭帯域化レーザ装置において、
    前記ビームエキスパンダ(35)が、複数のレンズ(43,44)を組み合わせて構成されている
    ことを特徴とする狭帯域化レーザ装置。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の狭帯域化レーザ装置において、
    前記ビームエキスパンダ(35)が、複数の曲面鏡(45,46)を組み合わせて構成されている
    ことを特徴とする狭帯域化レーザ装置。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の狭帯域化レーザ装置において、
    前記ビームエキスパンダ(35)が、複数のプリズム(39,40)を組み合わせて構成され、
    プリズムの1つが出射レーザ光(21C)の一部をサンプリングするビームスプリッタを兼用している
    ことを特徴とする狭帯域化レーザ装置。
  8. 請求項1〜3のいずれかに記載の狭帯域化レーザ装置において、
    前記ビームエキスパンダ(35)が、プリズム(53)とミラー(54)とを組み合わせて構成されている
    ことを特徴とする狭帯域化レーザ装置。
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