JP2009538137A - ダイズの病害耐性量的形質遺伝子座を同定する方法およびその組成物 - Google Patents

ダイズの病害耐性量的形質遺伝子座を同定する方法およびその組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は植物育種と遺伝学の分野のものであり、特にグリシン(Glycine)属に関する。より具体的には、本発明は病害耐性のための1つ以上の量的形質遺伝子座(quantitative trait locus)を含んでいるダイズ植物をスクリーニングする方法、そのような遺伝子座を有しているダイズの種、およびそのような遺伝子座を有しているダイズの育種とスクリーニングの方法に関する。本発明はさらに、育種プラグラムでの外来性の遺伝資源の使用に関する。
【選択図】 なし

Description

関連出願に対してのクロスレファレンス
本出願は2006年5月25日出願の米国仮特許出願第60/808,430号についての優先権の利益を主張する。
配列表の組み入れ
配列表は"pa_53527.txt"の名称のファイル中に含まれ(このファイルは65,000バイト(MS-ウィンドウズ(登録商標)で計測)で、2007年5月22日に作成されたものである)、本明細書と共に提出したディスケットにコンピューターで読み出し可能な形態で収められており、本明細書中に参照により組み入れる。
発明の分野
本発明は植物の育種および病害耐性の分野のものである。より具体的には、本発明は病害耐性に関連する量的形質遺伝子座(quantitative trait locus)を含んでいるグリシン(Glycine)属から植物をスクリーニングする方法、および病害耐性のダイズ属植物を育種するための方法に関する。そのような病害は真菌、ウイルス、細菌、または無脊椎動物が原因でありうる。本発明はさらに、真菌性の病原体であるファコスポラ・パチリジ(Phakopsora pachyrhizi)に対する耐性のための育種プログラムにおける、病害耐性を付与する量的形質遺伝子座(QTL)を含んでいる登録遺伝資源(accession germplasm)の、優良な遺伝資源中への遺伝子移入(introgression)のための使用に関する。
ダイズ(グリシン・マックス(L.)メリル;Glycine max (L.) Merril)は主要な経済作物の1つで、植物油とタンパク質の主要なソースとして世界中で栽培されている(Sinclair and Backman, Compendium of Soybean Diseases, 3rd Ed. APS Press, St. Paul, MN, p. 106. (1989))。低コレステロールで高線維の常食の需要は伸び続けており、そのことも健康食品としてのダイズの重要性を増大させている。
米国では、ダイズの収穫量は病害によって毎年減少している。1ヘクタールあたりの収穫量が高いことは農家の利益率には極めて重要であり、特にダイズ価格が低いときは重要である。ダイズの病害によって生ずる経済的な損失は農村経済にとって、および都市部の関連産業の経済にとって重要である。これらの損失の影響はやがて世界中のダイズ市場に及ぶ。米国及びオンタリオ州における病害による損失の推定値は年毎に、及び病害により異なる。1999年から2002年までのダイズ収穫量の損失の推定値は、米国で800万メートルトンから1000万メートルトン、オンタリオ州で90,000から166,000メートルトンであった(Wratherら, Online. Plant Health Progress doi:10:1094/PHP-2003-0325-01-RV)。
アジア型ダイズサビ病(Asian Soybean Rust、以後ASRと呼ぶ)は東半球および西半球で報告されている。東半球では、ASRはオーストラリア、中国、インド、日本、台湾、及びタイで報告されている。西半球では、ASRはブラジル、コロンビア、コスタリカ、及びプエルトリコで観察されている。ASRは壊滅的な病害となりうるもので、台湾のいくつかの農場で報告されているように70から80%の収穫量の損失が生じている。感染のひどい植物では莢の数が少なく、質の悪い小さな種子となる(Frederickら, Mycology 92: 217-227 (2002))。ASRは米国では1994年にハワイで初めて観察された。ASRはその後2004年秋に、おそらく熱帯低気圧の活動の結果として米国本土にもたらされた。モデルでの予測ではASRは米国南東部にわたり広く拡散していることが示され、この分布はその後の野外及び実験室での観察によって確認されている。
2種類の真菌、ファコスポラ・パチリジ(Phakopsora pachyrhuzi)とファコスポラ・メイボミアエ(Phakopsora meibomiae)アーサー(Arthur)アーサーがASRの原因である。他のサビ菌類とは異なり、P.パチリジおよびP.メイボミアエは非常に広範囲の植物種に感染する。P.パチリジは本来的にマメ科植物の17属の31種に感染し、制御された条件下では他の26属の60種に感染する。P.メイボミアエは本来的にマメ科植物の19属の42種に感染し、さらに他の12属の18種に人為的に感染している。19属の24種の植物はこれらの双方の種についての宿主である(Frederickら, Mycology 92: 217-227 (2002))。
ASR耐性のダイズ植物が同定されている。独立に優性遺伝する、P.パチリジ耐性のための4種の品種特異的QTLは、ここでは、ASR耐性遺伝子座1、ASR耐性遺伝子座2、ASR耐性遺伝子座3、およびASR耐性遺伝子座4と呼ぶが、それらは、それぞれPI 200492、PI 230970、PI 462312(Ankur)、およびPI 459025B中で同定されている。これらの系統及び他の7つの系統は、ASR耐性を示すQTLを含んでいるのではないかと考えられる。PI 239871AおよびPI 239871B(G. ソジャ(soja))、PI 230971およびPI 459024B、ならびにTaita Kaoohnsiung-5、Tainung-4、およびWayneは、台湾のAsian Vegetable Research and Development Centerで、9品種を同定するための示差基準(differentials)として用いられてきた。その優性品種は3つ以上の上記示差基準と適合可能であったが、そのことはいくつかの品種が既に耐性のための既知遺伝子および予想(suspected)遺伝子に対する複数の病原性因子を有していることを示している。耐性はオーストラリアの野生型のグリシン・エスエスピー(Glycine ssp.)でも生じている。感染率低減(rate-reducing)耐性も認められている。しかし、このタイプの耐性を評価することは困難である。なぜならサビ病の発生率はダイズの発育と成熟に依存しているからである(Sinclairら編, Soybean rust workshop. College of Agricultural, Consumer, and Environmental Sciences. Natl. Soybean Res. Lab. Publ. 1 (1996))。
ASRに対する耐性を与えるQTLを潜在的に含んでいる可能性のある植物を評価することは時間がかかり、また大量の生物学的封じ込め空間が必要となりうる。P.パチリジの培養には承認された生物学的封じ込めのフードを用いる必要がある。さらに、ASR耐性試験用の植物の生育に用いられる温室および生育室は、その生物の偶然の放出、特にその生物が未だ観察されていないような地域での放出を防ぐように構築しなければならない。P.パチリジの培養物が異なれば病原性因子も異なる可能性がある。そのうちに、P.パチリジの新しい株が米国内に入ってくる可能性がある。従って、ASRに対する耐性をダイズに付与するために設計される育種プログラムは全てP.パチリジの集団内の変化に迅速に応答することのできるものである必要があろう。また、他の地理学的位置で用いられるダイズ作物の育種は、その地域の農業従事者に好まれる農学的特徴を提供することに加えて、その地域に害を及ぼしている特定の株に対しての耐性を選択する必要があろう。従って、ASRに耐性の遺伝資源をスクリーニングするための、迅速で、時間及び費用効果の高い、高スループットな方法には強いニーズがある。この方法は迅速性と効率性を提供するのみならず、最低限の空間で行うことができ、その結果、多数のサンプルを一度にスクリーニングすることのできるものでなければならない。
本発明は病害に対する耐性を得るためのQTLを含んでいるダイズ植物のスクリーニングと選択のための方法を提供する。
本発明の要旨
本発明は、病害耐性、免疫性、または感受性についてダイズ植物をアッセイするための方法を提供し、該方法は:(a)ダイズ植物から植物組織を分離し;(b)該組織を培地中で培養し;(c)該組織を植物病原体に暴露させ;(d)該組織を、病原体によって生じる病害に対する耐性、免疫性、または感受性について評価することを含んでいる。さらに、その病原体に対する植物の応答は次のステップで評価することができる:(e)該植物から核酸(DNAおよび/もしくはRNA)を単離し;(f)前記耐性、免疫性、または感受性と関連している量的形質遺伝子座に関する1種以上の分子マーカーの存在について該核酸(DNA、RNA、および/もしくはcDNA)をアッセイし;および(g)育種プログラムに用いるための該植物を選択することを含んでいる。植物のある特定の病原体に対する耐性、免疫性、または感受性の決定は当業者に自明である。植物組織は、葉、維管束組織、花、莢、根、茎、種子、もしくはそれらの一部分、または該組織から単離された細胞であることができる。前記組織の植物病原体への暴露は、(a)該病原体を組織に直接的に塗布すること;(b)培養培地中に該病原体を含有させること;(c)該病原体で効果的に汚染されかつ該組織の接種に資する作用物質を含有させること、からなる群から選択された手段によって行われる。植物病原体は、真菌、ウイルス、細菌、または無脊椎動物であることができる。植物病原体の暴露は、病原体巨大分子、細胞、組織、全生物(whole organism)、またはそれらの組み合わせの形態であることができ、該植物病原体、およびその部分は、該物質が宿主組織において免疫応答を媒介する限り、生存していても死んでいても良い。本発明に関連する病原体巨大分子としては、限定はされないが、毒素、細胞壁もしくは細胞膜、抗原、および多糖類が含まれる。
本発明はさらに、真菌病原体に対する病害耐性を付与するQTLを含んでおり、該真菌病原体は、ファコプソラ・パチリジ(Phakopsora pachyrhizi)、ファコプソラ・メイボミアエ(Phakopsora meibomiae)(アジア型ダイズサビ病)、コレトトリクム・トルンカツム(Colletotrichum truncatum)、コレトトリクム・デマチウム変種トルンカツム(Colletotrichum dematium var. truncatum)、グロメレラ・グリシンス(Glomerella glycines)(ダイズ炭疽病)、フィトフトラ・ソジャエ(Phytophthora sojae)(フィトフトラ根及び茎腐れ病)、スクレロチニア・スクレロチオルム(Sclerotinia sclerotiorum)(スクレロチニア茎腐れ病)、フサリウム・ソラニ f エスピー・グリシンス(Fusarium solani f. sp. Glycines)(突然死症候群)、フサリウム・エスピーピー(Fusarium spp.)(根腐れ病)、マクロフォミア・ファセオリナ(Macrophomina phaseolina)(炭腐病)、セプトリア・グリシンス(Septoria glycines)、(褐紋病)、ピシウム・アファニデルマーツム(Pythium aphanidermatum)、ピシウム・デバルヤナム(Pythium debaryanum)、ピシウム・イレグラレ(Pythium irregulare)、ピシウム・ウルチマム(Pythium ultimum)、ピシウム・ミリオタイラム(Pythium myriotylum)、ピシウム・トルロサム(Pythium torulosum)(ピシウム種子腐敗病)、ディアポルテ・ファゼオロラム変種ソジャエ(Diaporthe phaseolorum var. sojae)(鞘黒点病)、フォモプシス・ロンギコラ(Phomopsis longicola)(茎黒点病)、フォモプシス・エスピーピー(Phomopsis spp.)(フォモプシス種子腐敗病)、ペロノスポラ・マンシュリカ(Peronospora manshurica)(べと病)、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)(リゾクトニア根及び茎腐れ病、リゾクトニア葉腐病)、フィラロフォラ・グレガタ(Phialophora gregata)(落葉病)、ディアポルテ・ファゼオロラム変種カウリボラ(Diaporthe phaseolorum var. caulivora)(枝枯れ病)、セルコスポラ・キクチイ(Cercospora kikuchii)(種子紫斑病)、アルテルナリア・エスピー(Alternaria sp.)(褐色輪紋病)、セルコスポラ・ソジナ(Cercospora sojina)(斑点病)、スクレロチウム・ロルフシイ(Sclerotium rolfsii)(白絹病)、アルコオラ・ニグラ(Arkoola nigra)(黒葉枯れ病)、チエラビオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola)、(黒紋羽病)、コアネフォラ・インフンジブリフェラ(Choanephora infundibulifera)、コアネフォラ・トリスポラ(Choanephora trispora)(コアネフォラ葉枯れ病)、レプトスファエルリナ・トリフォリイ(Leptosphaerulina trifolii)(レプトスファエルリナ斑点病)、マイコレプトディスカス・テレストリス(Mycoleptodiscus terrestris)(マイコレプトディスカス根腐れ病)、ネオコスモスポラ・バシンフェクタ(Neocosmospora vasinfecta)(ネオコスモスポラ茎腐れ病)、フィロスチクタ・ソジコラ(Phyllosticta sojicola)(フィロスチクタ斑点病)、ピレノカエタ・グリシンス(Pyrenochaeta glycines)(ピレノカエタ斑点病)、シリンドロクラジウム・クロタラリアエ(Cylindrocladium crotalariae)(黒根腐れ病)、ダクツリオカエタ・グリシンス(Dactuliochaeta glycines)(赤斑病)、スパセロマ・グリシンス(Spaceloma glycines)(赤かび病)、ステンフィリウム・ボトリオサム(Stemphylium botryosum)(ステンフィリウム斑点病)、コリネスポラ・カッシイコラ(Corynespora cassiicola)(褐色輪紋病)、ネマトスポラ・コリリイ(Nematospora coryli)(子実汚斑病)、およびフィマトトリキュム・オムニボラム(Phymatotrichum omnivorum)(綿根腐れ病)からなる群から選択される。
本発明はさらに、ウイルス病原体に対する病害耐性を付与するQTLを含んでおり、該ウイルス病原体は、アルファモウイルス(アルファルファモザイクウイルス、AMV)、コモウイルス(ビーンポッドモットルウイルス、BPMV)、ポティウイルス(インゲン黄斑モザイクウイルス、BYMV)、ブロモウイルス(ササゲクロロヒックモットルウイルス、CCMV)、ベゴモウイルス(ヤエナリ黄斑モザイクウイルス、MYMV)、ポティウイルス(ピーナツモットルウイルス、PeMoV)、ポティウイルス(ピーナツ斑葉ウイルス、PStV)、ククモウイルス(ピーナツスタントウイルス、PSV)、カウリモウイルス(ダイズクロロティックモットルウイルス、SbCMV)、ベゴモウイルス(ダイズ縮葉ウイルス、SCLV)、ルテオウイルス(ダイズわい化ウイルス、SbDV)、ポティウイルス(ダイズモザイクウイルス、SMV)、ネポウイルス(ダイズサベアスタントウイルス(soybean severe stunt virus)、SSSV)、およびネポウイルス(タバコ輪紋ウイルス、TRSV)からなる群から選択されたものである。
本発明はさらに、細菌病原体に対する病害耐性を付与するQTLを含んでおり、該細菌病原体は、バシルス・サブチリス(Bacillus subtilis)(バシルス種子腐敗病)、シュードモナス・サバストノイ・パソバー・グリシネア(Pseudomonas savastonoi pv. glycinea)(斑点病)、シュードモナス・シリンガエ亜種シリンガエ(Pseudomonas syringae subsp. syringae)(縮葉病)、キサントモナス・アクソノポディス・パソバー・グリシンス(Xanthomonas axonopodis pv. glycines)、(葉焼病)、クルトバクテリウム・フラクムファシエンス・パソバー・フラクムファシエンス(Curtobacterium flaccumfaciens pv. flaccumfaciens)、(黄斑病)、クルトバクテリウム・フラクムファシエンス・パソバー・フラクムファシエンス(Curtobacterium flaccumfaciens pv. flaccumfaciens)、ラルストニア・ソラナセアルム(Ralstonia solanacearum)、(青枯れ病)、およびシュードモナス・シリンガエ・パソバー・タバチ(Pseudomonas syringae pv. tabaci)(葉焼病)からなる群から選択される。
本発明はさらに、無脊椎動物病原体に対する病害耐性を付与するQTLを含んでおり、該無脊椎動物病原体は、アフィス・グリシンス(Aphis glycines)(ダイズアブラムシ)、ヘテロデラ・グリシンス(Heterodera glycines)(ダイズシストネマトーダ)、メロイドギネ・アレナリア(Meloidogyne arenaria)、メロイドギネ・ハプラ(Meloidogyne hapla)、メロイドギネ・インコグニタ(Meloidogyne incognita)、メロイドギネ・ジャバニカ(Meloidogyne javanica)(根こぶネマトーダ)、ホプロライムス・コルムブス(Hoplolaimus Columbus)、ホプロライムス・ガレアツス(Hoplolaimus galeatus)、ホプロライムス・マグニスチルス(Hoplolaimus magnistylus)(ランスネマトーダ)、プラチレンクス・エスピーピー(Pratylenchus spp.)(レジョンネマトーダ)、プラチレンクス・プロジェクツス(Paratylenchus projectus)、パラチレンクス・テヌイカウダツス(Paratylenchus tenuicaudatus)(ピンネマトーダ)、ロチレンクルス・レニホルミス(Rotylenchulus reniformis)(レニフォームネマトーダ)、クリコネメラ・オルナタ(Criconemella ornata)(リングネマトーダ)、ヘミシクリオフォラ・エスピーピー(Hemicycliophora spp.)(シースネマトーダ)、ヘリコチレンクス・エスピーピー(Heliocotylenchus spp.)(スピラルネマトーダ)、ベロノライヌス・グラシリス(Belonolainus gracilis)、ベロノライヌス・ロンギカウダツス(Belonolainus longicaudatus)(スティングネマトーダ)、クイニスルシウス・アクツス(Quinisulcius acutus)、チレコリンクス・エスピーピー(Tylenchorhynchus spp.)(スタントネマトーダ)、およびパラトリコドルス・ミノル(Paratrichodorus minor)(スタビールートネマトーダ)からなる群から選択される。
本発明はまた、ファコプソラ・パチリジ(Phakopsora pachyrhizi)、ファコスポラ・メイボミアエ(Phakopsora meibomiae)(アジア型ダイズサビ病)、コレトトリクム・トルンカツム(Colletotrichum truncatum)、コレトトリクム・デマチウム変種トルンカツム(Colletotrichum dematium var. truncatum)、グロメレラ・グリシンス(Glomerella glycines)(ダイズ炭疽病)、フィトフトラ・ソジャエ(Phytophthora sojae)(フィトフトラ根及び茎腐れ病)、スクレロチニア・スクレロチオルム(Sclerotinia sclerotiorum)(スクレロチニア茎腐れ病)、フサリウム・ソラニ f エスピー・グリシンス(Fusarium solani f. sp. glycines)(突然死症候群)、フサリウム・エスピーピー(Fusarium spp.)(フサリウム根腐れ病)、マクロフォミア・ファセオリナ(Macrophomina phaseolina)(炭腐病)、セプトリア・グリシンス(Septoria glycines)、(褐紋病)、ピシウム・アファニデルマーツム(Pythium aphanidermatum)、ピシウム・デバルヤナム(Pythium debaryanum)、ピシウム・イレグラレ(Pythium irregulare)、ピシウム・ウルチマム(Pythium ultimum)、ピシウム・ミリオタイラム(Pythium myriotylum)、ピシウム・トルロサム(Pythium torulosum)(ピシウム種子腐敗病)、ディアポルテ・ファゼオロラム変種ソジャエ(Diaporthe phaseolorum var. sojae)(鞘黒点病)、フォモプシス・ロンギコラ(Phomopsis longicola)(茎黒点病)、フォモプシス・エスピーピー(Phomopsis spp.)(フォモプシス種子腐敗病)、ペロノスポラ・マンシュリカ(Peronospora manshurica)(べと病)、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)(リゾクトニア根及び茎腐れ病、リゾクトニア葉腐病)、フィラロフォラ・グレガタ(Phialophora gregata)(落葉病)、ディアポルテ・ファゼオロラム変種カウリボラ(Diaporthe phaseolorum var. caulivora)(枝枯れ病)、セルコスポラ・キクチイ(Cercospora kikuchii)(種子紫斑病)、アルテルナリア・エスピー(Alternaria sp.)(褐色輪紋病)、セルコスポラ・ソジナ(Cercospora sojina)(斑点病)、スクレロチウム・ロルフシイ(Sclerotium rolfsii)(白絹病)、アルコオラ・ニグラ(Arkoola nigra)(黒葉枯れ病)、チエラビオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola)、(黒紋羽病)、コアネフォラ・インフンジブリフェラ(Choanephora infundibulifera)、コアネフォラ・トリスポラ(Choanephora trispora)(コアネフォラ葉枯れ病)、レプトスファエルリナ・トリフォリイ(Leptosphaerulina trifolii)(レプトスファエルリナ斑点病)、マイコレプトディスカス・テレストリス(Mycoleptodiscus terrestris)(マイコレプトディスカス根腐れ病)、ネオコスモスポラ・バシンフェクタ(Neocosmospora vasinfecta)(ネオコスモスポラ茎腐れ病)、フィロスチクタ・ソジコラ(Phyllosticta sojicola)(フィロスチクタ斑点病)、ピレノカエタ・グリシンス(Pyrenochaeta glycines)(ピレノカエタ斑点病)、シリンドロクラジウム・クロタラリアエ(Cylindrocladium crotalariae)(黒根腐れ病)、ダクツリオカエタ・グリシンス(Dactuliochaeta glycines)(赤斑病)、スパセロマ・グリシンス(Spaceloma glycines)(赤かび病)、ステンフィリウム・ボトリオサム(Stemphylium botryosum)(ステンフィリウム斑点病)、コリネスポラ・カッシイコラ(Corynespora cassiicola)(褐色輪紋病)、ネマトスポラ・コリリイ(Nematospora coryli)(子実汚斑病)、フィマトトリキュム・オムニボラム(Phymatotrichum omnivorum)(綿根腐れ病)、アルファモウイルス(アルファルファモザイクウイルス(Alfafa mosaic virus)、AMV)、コモウイルス(ビーンポッドモットルウイルス、BPMV)、ポティウイルス(インゲン黄斑モザイクウイルス、BYMV)、ブロモウイルス(ササゲクロロティックモットルウイルス、CCMV)、ベゴモウイルス(ヤエナリ黄斑モザイクウイルス、MYMV)、ポティウイルス(ピーナツモットルウイルス、PeMoV)、ポティウイルス(ピーナツ斑葉ウイルス、PStV)、ククモウイルス(ピーナツスタントウイルス、PSV)、カウリモウイルス(ダイズクロロティックモットルウイルス、SbCMV)、ベゴモウイルス(ダイズ縮葉ウイルス、SCLV)、ルテオウイルス(ダイズわい化ウイルス、SbDV)、ポティウイルス(ダイズモザイクウイルス、SMV)、ネポウイルス(ダイズサベアスタントウイルス(soybean severe stunt virus)、SSSV)、ネポウイルス(タバコ輪紋ウイルス、TRSV)、バシルス・サブチリス(Bacillus subtilis)(バシルス種子腐敗病)、シュードモナス・サバストノイ・パソバー・グリシネア(Pseudomonas savastonoi pv. glycinea)(斑点病)、シュードモナス・シリンガエ亜種シリンガエ(Pseudomonas syringae subsp. syringae)(縮葉病)、キサントモナス・アクソノポディス・パソバー・グリシンス(Xanthomonas axonopodis pv. glycines)、(葉焼病)、クルトバクテリウム・フラクムファシエンス・パソバー・フラクムファシエンス(Curtobacterium flaccumfaciens pv. flaccumfaciens)、(黄斑病)、クルトバクテリウム・フラクムファシエンス・パソバー・フラクムファシエンス(Curtobacterium flaccumfaciens pv. flaccumfaciens)、ラルストニア・ソラナセアルム(Ralstonia solanacearum)、(青枯れ病)、シュードモナス・シリンガエ・パソバー・タバチ(Pseudomonas syringae pv. tabaci)(葉焼病)、アフィス・グリシンス(Aphis glycines)(ダイズアブラムシ)、ヘテロデラ・グリシンス(Heterodera glycines)(ダイズシストネマトーダ)、メロイドギネ・アレナリア(Meloidogyne arenaria)、メロイドギネ・ハプラ(Meloidogyne hapla)、メロイドギネ・インコグニタ(Meloidogyne incognita)、メロイドギネ・ジャバニカ(Meloidogyne javanica)(根こぶネマトーダ)、ホプロライムス・コルムブス(Hoplolaimus Columbus)、ホプロライムス・ガレアツス(Hoplolaimus galeatus)、ホプロライムス・マグニスチルス(Hoplolaimus magnistylus)(ランスネマトーダ)、プラチレンクス・エスピーピー(Pratylenchus spp.)(レジョンネマトーダ)、パラチレンクス・プロジェクツス(Paratylenchus projectus)、パラチレンクス・テヌイカウダツス(Paratylenchus tenuicaudatus)(ピンネマトーダ)、ロチレンクルス・レニホルミス(Rotylenchulus reniformis)(レニフォームネマトーダ)、クリコネメラ・オルナタ(Criconemella ornata)(リングネマトーダ)、ヘミシクリオフォラ・エスピーピー(Hemicycliophora spp.)(シースネマトーダ)、ヘリコチレンクス・エスピーピー(Heliocotylenchus spp.)(スピラルネマトーダ)、ベロノライヌス・グラシリス(Belonolainus gracilis)、ベロノライヌス・ロンギカウダツス(Belonolainus longicaudatus)(スティングネマトーダ)、クイニスルシウス・アクツス(Quinisulcius acutus)、チレコリンクス・エスピーピー(Tylenchorhynchus spp.)(スタントネマトーダ(Stunt nematode))、およびパラトリコドルス・ミノル(Paratrichodorus minor)(スタビールートネマトーダ)に耐性の、選択されたダイズ組織および植物を提供する。
本発明はさらに、ダイズ(グリシン;Glycine)属のメンバー、より具体的にはグリシン・アレナリア(Glycine arenaria)、グリシン・アルギレア(Glycine argyrea)、グリシン・カネスセンス(Glycine canescens)、グリシン・クランデスチン(Glycine clandestine)、グリシン・クルバタ(Glycine curvata)、グリシン・シルトロバ(Glycine cyrtoloba)、グリシン・ファルカテ(Glycine falcate)、グリシン・ラチフォリア(Glycine latifolia)、グリシン・ラトロベアナ(Glycine latrobeana)、グリシン・マックス(Glycine max)、グリシン・ミクロフィラ(Glycine microphylla)、グリシン・ペスカドレンシス(Glycine pescadrensis)、グリシン・ピンダニカ(Glycine pindanica)、グリシン・ルビギノーサ(Glycine rubiginosa)、グリシン・ソジャ(Glycine soja)、グリシン・エスピー(Glycine sp.)、グリシン・ステノフィタ(Glycine stenophita)、グリシン・タバシナ(Glycine tabacina)、およびグリシン・トメンテラ(Glycine tomentella)からなる群から選択された植物を提供する。
本発明はさらに、選択方法に用いられる培地を提供し、該培地は、未処理の水、蒸留水、または脱イオン水を含んでいる。この培地には、病原体や植物組織を維持するために必要などのような成分でも、それらの成分がQTLによって付与される耐性の発現を妨害しないものである限りは、含有させることができる。
本発明はさらに、前記方法を用いて選択されたダイズ植物を提供する。
本発明はさらにQTLを提供し、該QTLは、フィトフトラ(Phytophthora)(根腐れ病)感染耐性遺伝子座、フサリウム・ソラニ f エスピー・グリシンス(Fusarium solani f. sp. glycines)(突然死症候群)耐性遺伝子座、セルコスポラ・ソジナ(Cercospora sojina)(斑点病)耐性遺伝子座、フィラロフォラ・グレガタ(Phialophora gegata)(落葉病)耐性遺伝子座、スクレロチニア(Sclerotinia)(茎腐れ病)耐性遺伝子座、ASR耐性遺伝子座1、ASR耐性遺伝子座2、ASR耐性遺伝子座3、ASR耐性遺伝子座4、ASR耐性遺伝子座5、ASR耐性遺伝子座6、ASR耐性遺伝子座7、ASR耐性遺伝子座8、ASR耐性遺伝子座9、ASR耐性遺伝子座10、ASR耐性遺伝子座11、ASR耐性遺伝子座12、およびASR耐性遺伝子座13からなる群から選択される。
本発明はさらに、真菌病害耐性QTLの1つ以上を含んでいる選択された植物を提供し、そのようなQTLとしては、ASR耐性遺伝子座1、ASR耐性遺伝子座2、ASR耐性遺伝子座3、ASR耐性遺伝子座4、ASR耐性遺伝子座5、ASR耐性遺伝子座6、ASR耐性遺伝子座7、ASR耐性遺伝子座8、ASR耐性遺伝子座9、ASR耐性遺伝子座10、ASR耐性遺伝子座11、ASR耐性遺伝子座12、およびASR耐性遺伝子座13が含まれる。
本発明はさらに、ASR耐性遺伝子座1についての1種以上の一塩基多型(SNP)マーカー遺伝子座を提供する。前記SNPマーカーは、NS0093250、NS0119710、NS0103004、NS0099454、NS0102630、NS0102915、NS0102913、NS0123728、NS0129943、NS0102168、NS0092723、NS0098177、NS0127343、およびNS0101121からなる群から選択される。ASR耐性遺伝子座3についての1種以上のSNPマーカー遺伝子座も提供される。前記SNPマーカーは、NS0099746、NS0123747、NS0126598、NS0128378、NS0096829、NS0125408、NS0098902、NS0099529、NS0097798、NS0137477、NS0095322、NS0136101、およびNS0098982からなる群から選択される。ASR耐性遺伝子座5、ASR耐性遺伝子座6、ASR耐性遺伝子座7、ASR耐性遺伝子座8、およびASR耐性遺伝子座9についての例示的なSNPマーカー遺伝子座NS0103033が提供される。ASR耐性遺伝子座10、ASR耐性遺伝子座11、ASR耐性遺伝子座12、およびASR耐性遺伝子座13についての別の例示的なSNPマーカー遺伝子座NS0124935が提供される。さらに、前記マーカー分子から10センチモルガン以内の位置にある1種以上のマーカーを、ASR耐性遺伝子座の選択と遺伝子移入のために用いることができる。
本発明はさらに、ダイズ中のASR耐性の選択と遺伝子移入の方法を提供する。この方法は、(a)複数のダイズ植物から核酸を単離し;(b)該単離核酸中のASR耐性遺伝子座1〜13と関連する1種以上のマーカー分子の存在を検出し、その際、該マーカー分子は配列番号67〜99、およびこれらのマーカー分子から10センチモルガン以内に位置するマーカー分子のいずれか1つからなる群から選択され;(c)該1種以上のマーカー分子を含んでいるダイズ植物を選択することによってASR耐性ダイズ植物を選択することを含んでいる。
本発明はさらに、該方法を用いて選択されたダイズ植物を提供する。
本発明の詳細な説明
本発明はダイズ植物を真菌病害に対する耐性、免疫性、または感受性についてスクリーニングする方法を提供する。好ましい1実施形態においては、植物はグリシン(Glycine)属から選択される。野生型多年生のダイズはグリシン亜属に属し、広範な遺伝的多様性を有している。栽培されているダイズ(グリシン・マックス(L.)メリル(Glycine max(L.) Merr.))およびその野生型の一年生の原種(グリシン・ソジャ(Glycine soja)(Sieb. and Zucc.))は、ソジャ亜属に属し、2n=40個の染色体を有し、交配可能で、通常は活発な稔性のF1ハイブリッドを生産し、類似のゲノムを保持している。栽培されているグリシン種と野生型多年生グリシン種との間の交配は可能であり、それが成功するか否かは登録系統(Accession)間で変化しうる。複数の調査によれば、数種の野生型多年生グリシン属登録系統は、褐斑病、ダイズサビ病、根腐れ病、黄斑モザイクウイルス、およびうどんこ病に対する耐性を保持することが示されている。世界中の遺伝資源のコレクション中には、100,000種以上のグリシン・マックス登録系統、おそらく10,000種未満のグリシン・ソジャ登録系統、約3,500種の多年生グリシン種の登録系統が存在する。正確な数は不明である。主要なグリシンコレクションは、オーストラリア、ブラジル、中国、ドイツ、インド、インドネシア、日本、ロシア、韓国、および米国に存在する。より小さな、しかし重要な他の多くのコレクションはアジアおよびヨーロッパにわたって存在している。コレクション間でどのくらいの数の登録系統が重複しているのかは不明である。USDA Soybean Germplasm Collectionは最も大きなコレクションのうちの1つであり、アジア以外では最大である(Vermaら編, Soybean:Genetics Molecular Biology and Biotechnology (1996))。このコレクションには現在20,765種の登録系統が含まれ、19種のコレクションからなり、グリシン・マックスの18,680種の登録系統およびグリシン・ソジャの1,166種の登録系統、ならびに多年生のグリシン種が含まれている。
好ましい1実施形態においては、ダイズ植物は、病害耐性、免疫性、または感受性についてアッセイされるが、該アッセイは:(a)ダイズ植物から植物組織を分離し;(b)該組織を培地中で培養し;(c)該組織を植物病原体に暴露させ;および(d)該組織を、該病原体によって生じる病害に対する耐性、免疫性、または感受性について評価することを含んでいる。さらに、病原体に対する植物の応答は次のステップで評価することができる:(e)該植物から核酸を単離し;(f)前記耐性、免疫性、または感受性と関連している量的形質遺伝子座に関する1種以上の分子マーカーの存在について該核酸をアッセイし;(g)育種プログラムに用いるための該植物を選択することを含んでいる。植物のある特定の病原体に対する耐性、免疫性、または感受性の決定は当業者に自明である。植物組織は、葉、維管束組織、花、莢、根、茎、種子、もしくはそれらの一部分、または該組織から単離された細胞であることができる。前記組織の植物病原体への暴露は、(a)該病原体を組織に直接的に塗布すること;(b)培養培地中に該病原体を含有させること;(c)該病原体で効果的に汚染されかつ該組織の接種に資する作用物質を含有させること、からなる群から選択された手段によって行われる。植物病原体は、真菌、ウイルス、細菌、または無脊椎動物であることができる。植物病原体の暴露は、病原体巨大分子、細胞、組織、全生物、またはそれらの組み合わせの形態で行うことができ、該植物病原体、およびその部分は、該物質が宿主組織において免疫応答を媒介する限り、生存していても死んでいても良い。本発明に関連する病原体巨大分子としては、限定はされないが、毒素、細胞壁もしくは細胞膜、抗原、および多糖類が含まれる。
好ましい1実施形態においては、葉の組織は、子葉、単葉、三つ葉、および前出葉を含むことができる。ダイズの葉には4つのタイプがあり、それらは:1)単純な子葉または種子葉の第1ペア、2)単純な一次葉(単葉としても知られている)、3)三小葉(trifoliate foliage leaves)、および4)前出葉(葉に似た、植物の部分である)である。単葉は子葉の上方の最初の節に生ずる。その他の葉は全て三つ葉で、単葉の後に最初に現れる第1のペアは第1の三つ葉であり、その後、第2の三つ葉の出現、およびその後の第3の三つ葉の出現が続く(H.R.BoermaとJ.E.Specht編, Soybean Monograph, 第3版, Am. Soc. Agron., Madison, WI(2004))。
好ましい1実施形態においては、本発明は、ダイズ植物の真菌病害に対する耐性、免疫性、または感受性についてアッセイ可能にする。真菌が原因となるダイズの病害としては、限定はされないが、ファコプソラ・パチリジ(Phakopsora pachyrhizi)、ファコプソラ・メイボミアエ(Phakopsora meibomiae)(アジア型ダイズサビ病)、コレトトリクム・トルンカツム(Colletotrichum truncatum)、コレトトリクム・デマチウム変種トルンカツム(Colletotrichum dematium var. truncatum)、グロメレラ・グリシンス(Glomerella glycines)(ダイズ炭疽病)、フィトフトラ・ソジャエ(Phytophthora sojae)(フィトフトラ根及び茎腐れ病)、スクレロチニア・スクレロチオルム(Sclerotinia sclerotiorum)(スクレロチニア茎腐れ病)、フサリウム・ソラニ f エスピー・グリシンス(Fusarium solani f. sp. Glycines)(突然死症候群)、フサリウム・エスピーピー(Fusarium spp.)(根腐れ病)、マクロフォミア・ファセオリナ(Macrophomina phaseolina)(炭腐病)、セプトリア・グリシンス(Septoria glycines)、(褐紋病)、ピシウム・アファニデルマーツム(Pythium aphanidermatum)、ピシウム・デバルヤナム(Pythium debaryanum)、ピシウム・イレグラレ(Pythium irregulare)、ピシウム・ウルチマム(Pythium ultimum)、ピシウム・ミリオタイラム(Pythium myriotylum)、ピシウム・トルロサム(Pythium torulosum)(ピシウム種子腐敗病)、ディアポルテ・ファゼオロラム変種ソジャエ(Diaporthe phaseolorum var. sojae)(鞘黒点病)、フォモプシス・ロンギコラ(Phomopsis longicola)(茎黒点病)、フォモプシス・エスピーピー(Phomopsis spp.)(フォモプシス種子腐敗病)、ペロノスポラ・マンシュリカ(Peronospora manshurica)(べと病)、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)(リゾクトニア根及び茎腐れ病、リゾクトニア葉腐病)、フィラロフォラ・グレガタ(Phialophora gregata)(落葉病)、ディアポルテ・ファゼオロラム変種カウリボラ(Diaporthe phaseolorum var. caulivora)(枝枯れ病)、セルコスポラ・キクチイ(Cercospora kikuchii)(種子紫斑病)、アルテルナリア・エスピー(Alternaria sp.)(褐色輪紋病)、セルコスポラ・ソジナ(Cercospora sojina)(斑点病)、スクレロチウム・ロルフシイ(Sclerotium rolfsii)(白絹病)、アルコオラ・ニグラ(Arkoola nigra)(黒葉枯れ病)、チエラビオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola)、(黒紋羽病)、コアネフォラ・インフンジブリフェラ(Choanephora infundibulifera)、コアネフォラ・トリスポラ(Choanephora trispora)(コアネフォラ葉枯れ病)、レプトスファエルリナ・トリフォリイ(Leptosphaerulina trifolii)(レプトスファエルリナ斑点病)、マイコレプトディスカス・テレストリス(Mycoleptodiscus terrestris)(マイコレプトディスカス根腐れ病)、ネオコスモスポラ・バシンフェクタ(Neocosmospora vasinfecta)(ネオコスモスポラ茎腐れ病)、フィロスチクタ・ソジコラ(Phyllosticta sojicola)(フィロスチクタ斑点病)、ピレノカエタ・グリシンス(Pyrenochaeta glycines)(ピレノカエタ斑点病)、シリンドロクラジウム・クロタラリアエ(Cylindrocladium crotalariae)(黒根腐れ病)、ダクツリオカエタ・グリシンス(Dactuliochaeta glycines)(赤斑病)、スパセロマ・グリシンス(Spaceloma glycines)(赤かび病)、ステンフィリウム・ボトリオサム(Stemphylium botryosum)(ステンフィリウム斑点病)、コリネスポラ・カッシイコラ(Corynespora cassiicola)(褐色輪紋病)、ネマトスポラ・コリリイ(Nematospora coryli)(子実汚斑病)、およびフィマトトリキュム・オムニボラム(Phymatotrichum omnivorum)(綿根腐れ病)が挙げられる。
好ましい1実施形態においては、本発明は、ダイズ植物のウイルス病害に対する耐性、免疫性、または感受性についてアッセイ可能にする。ウイルスが原因となるダイズの病害としては、限定はされないが、アルファモウイルス(アルファルファモザイクウイルス、AMV)、コモウイルス(ビーンポッドモットルウイルス、BPMV)、ポティウイルス(インゲン黄斑モザイクウイルス、BYMV)、ブロモウイルス(ササゲクロロヒックモットルウイルス、CCMV)、ベゴモウイルス(ヤエナリ黄斑モザイクウイルス、MYMV)、ポティウイルス(ピーナツモットルウイルス、PeMoV)、ポティウイルス(ピーナツ斑葉ウイルス、PStV)、ククモウイルス(ピーナツスタントウイルス、PSV)、カウリモウイルス(ダイズクロロティックモットルウイルス、SbCMV)、ベゴモウイルス(ダイズ縮葉ウイルス、SCLV)、ルテオウイルス(ダイズわい化ウイルス、SbDV)、ポティウイルス(ダイズモザイクウイルス、SMV)、ネポウイルス(ダイズサベアスタントウイルス(soybean severe stunt virus)、SSSV)、およびネポウイルス(タバコ輪紋ウイルス、TRSV)が挙げられる。
好ましい1実施形態においては、本発明は、ダイズ植物の細菌病害に対する耐性、免疫性、または感受性についてアッセイ可能にする。細菌が原因となるダイズの病害としては、限定はされないが、バシルス・サブチリス(Bacillus subtilis)(バシルス種子腐敗病)、シュードモナス・サバストノイ・パソバー・グリシネア(Pseudomonas savastonoi pv. glycinea)(斑点病)、シュードモナス・シリンガエ亜種シリンガエ(Pseudomonas syringae subsp. syringae)(縮葉病)、キサントモナス・アクソノポディス・パソバー・グリシンス(Xanthomonas axonopodis pv. glycines)、(葉焼病)、クルトバクテリウム・フラクムファシエンス・パソバー・フラクムファシエンス(Curtobacterium flaccumfaciens pv. flaccumfaciens)、(黄斑病)、クルトバクテリウム・フラクムファシエンス・パソバー・フラクムファシエンス(Curtobacterium flaccumfaciens pv. flaccumfaciens)、ラルストニア・ソラナセアルム(Ralstonia solanacearum)、(青枯れ病)、およびシュードモナス・シリンガエ・パソバー・タバチ(Pseudomonas syringae pv. tabaci)(葉焼病)が挙げられる。
好ましい1実施形態においては、本発明は、ダイズ植物の害虫病害に対する耐性、免疫性、または感受性についてアッセイ可能にする。害虫が原因となるダイズの病害としては、限定はされないが、アフィス・グリシンス(Aphis glycines)(ダイズアブラムシ)、ヘテロデラ・グリシンス(Heterodera glycines)(ダイズシストネマトーダ)、メロイドギネ・アレナリア(Meloidogyne arenaria)、メロイドギネ・ハプラ(Meloidogyne hapla)、メロイドギネ・インコグニタ(Meloidogyne incognita)、メロイドギネ・ジャバニカ(Meloidogyne javanica)(根こぶネマトーダ)、ホプロライムス・コルムブス(Hoplolaimus Columbus)、ホプロライムス・ガレアツス(Hoplolaimus galeatus)、ホプロライムス・マグニスチルス(Hoplolaimus magnistylus)(ランスネマトーダ)、プラチレンクス・エスピーピー(Pratylenchus spp.)(レジョンネマトーダ)、プラチレンクス・プロジェクツス(Paratylenchus projectus)、パラチレンクス・テヌイカウダツス(Paratylenchus tenuicaudatus)(ピンネマトーダ)、ロチレンクルス・レニホルミス(Rotylenchulus reniformis)(レニフォームネマトーダ)、クリコネメラ・オルナタ(Criconemella ornata)(リングネマトーダ)、ヘミシクリオフォラ・エスピーピー(Hemicycliophora spp.)(シースネマトーダ)、ヘリコチレンクス・エスピーピー(Heliocotylenchus spp.)(スピラルネマトーダ)、ベロノライヌス・グラシリス(Belonolainus gracilis)、ベロノライヌス・ロンギカウダツス(Belonolainus longicaudatus)(スティングネマトーダ)、クイニスルシウス・アクツス(Quinisulcius acutus)、チレコリンクス・エスピーピー(Tylenchorhynchus spp.)(スタントネマトーダ)、およびパラトリコドルス・ミノル(Paratrichodorus minor)(スタビールートネマトーダ)が挙げられる。
本発明はさらに、ダイズに病害耐性のためのQTLの選択と遺伝子移入の方法を提供し、該方法は:(a)複数のダイズ植物から核酸を単離し;(b)該単離核酸中の病害耐性QTLと関連する1種以上のマーカー分子の存在を検出し;および(c)該1種以上のマーカー分子を含んでいるダイズ植物を選択することによって病害耐性ダイズ植物を選択する、ことを含んでいる。
本発明の病害耐性QTLは、優良なグリシン・マックス系統に導入することができる。「優良な系統」とは、優れた農業的能力についての育種と選択を行った結果得られた系統のいずれかである。優良な系統の例としては、農家またはダイズ育種家が商業的に入手可能な系統、例えば、HARTZTM品種H4994、HARTZTM品種H5218、HARTZTM品種H5350、HARTZTM品種H5545、HARTZTM品種H5050、HARTZTM品種H5454、HARTZTM品種H5233、HARTZTM品種H5488、HARTZTM品種HLA572、HARTZTM品種H6200、HARTZTM品種H6104、HARTZTM品種H6255、HARTZTM品種H6586、HARTZTM品種H6191、HARTZTM品種H7440、HARTZTM品種H4452 Roundup ReadyTM 、HARTZTM品種H4994 Roundup ReadyTM、HARTZTM品種H4988 Roundup ReadyTM、HARTZTM品種H5000 Roundup ReadyTM、HARTZTM品種H5147 Roundup ReadyTM、HARTZTM品種H5247 Roundup ReadyTM、HARTZTM品種H5350 Roundup ReadyTM、HARTZTM品種H5545 Roundup ReadyTM、HARTZTM品種H5855 Roundup ReadyTM、HARTZTM品種H5088 Roundup ReadyTM、HARTZTM品種H5164 Roundup ReadyTM、HARTZTM品種H5361 Roundup ReadyTM、HARTZTM品種H5566 Roundup ReadyTM、HARTZTM品種H5181 Roundup ReadyTM、HARTZTM品種H5889 Roundup ReadyTM、HARTZTM品種H5999 Roundup ReadyTM、HARTZTM品種H6013 Roundup ReadyTM、HARTZTM品種H6255 Roundup ReadyTM、HARTZTM品種H6454 Roundup ReadyTM、HARTZTM品種H6686 Roundup ReadyTM、HARTZTM品種H7152 Roundup ReadyTM、HARTZTM品種H7550 Roundup ReadyTM、HARTZTM品種H8001 Roundup ReadyTM(HARTZ SEED、Stuttgart、Arkansas、USA); A0868、AG0202、AG0401、AG0803、AG0901、A1553、A1900、AG1502、AG1702、AG1901、A1923、A2069、AG2101、AG2201、AG2205、A2247、AG2301、A2304、A2396、AG2401、AG2501、A2506、A2553、AG2701、AG2702、AG2703、A2704、A2833、A2869、AG2901、AG2902、AG2905、AG3001、AG3002、AG3101、A3204、A3237、A3244、AG3301、AG3302、AG3006、AG3203、A3404、A3469、AG3502、AG3503、AG3505、AG3305、AG3602、AG3802、AG3905、AG3906、AG4102、AG4201、AG4403、AG4502、AG4603、AG4801、AG4902、AG4903、AG5301、AG5501、AG5605、AG5903、AG5905、A3559、AG3601、AG3701、AG3704、AG3750、A3834、AG3901、A3904、A4045、AG4301、A4341、AG4401、AG4404、AG4501、AG4503、AG4601、AG4602、A4604、AG4702、AG4703、AG4901、A4922、AG5401、A5547、AG5602、AG5702、A5704、AG5801、AG5901、A5944、A5959、AG6101、AJW2600C0R、FPG26932、QR4459およびQP4544(Asgrow Seeds、Des Moines、Iowa、USA); DKB26-52、DKB28-51、DKB32-52、DKB08-51、DKB09-53、DKB10-52、DKB18-51、DKB26-53、DKB29-51、DKB42-51、DKB35-51 DKB34-51、DKB36-52、DKB37-51、DKB38-52、DKB46-51、DKB54-52およびDeKalb品種CX445(DeKalb、Illinois、USA);91B91、92B24、92B37、92B63、92B71、92B74、92B75、92B91、93B01、93B11、93B26、93B34、93B35、93B41、93B45、93B51、93B53、93B66、93B81、93B82、93B84、94B01、94B32、94B53、94M80 RR、94M50 RR、95B71、95B95、95M81 RR、95M50 RR、95M30 RR、9306、9294、93M50、93M93、94B73、94B74、94M41、94M70、94M90、95B32、95B42、95B43および9344(Pioneer Hi-bred International、Johnston、Iowa、USA);SSC-251RR、SSC-273CNRR、AGRA 5429RR、SSC-314RR、SSC-315RR、SSC-311STS、SSC-320RR、AGRA5432RR、SSC-345RR、SSC-356RR、SSC-366、SSC-373RRおよびAGRA5537CNRR(Schlessman Seed Company、Milan、Ohio、USA);39-E9、44-R4、44-R5、47-G7、49-P9、52-Q2、53-K3、56-J6、58-V8、ARX A48104、ARX B48104、ARX B55104およびGP530(Armor Beans、Fisher、Arkansas、USA);HT322STS、HT3596STS、L0332、L0717、L1309CN、L1817、L1913CN、L1984、L2303CN、L2495、L2509CN、L2719CN、L3997CN、L4317CN、RC1303、RC1620、RC1799、RC1802、RC1900、RC1919、RC2020、RC2300、RC2389、RC2424、RC2462、RC2500、RC2504、RC2525、RC2702、RC2964、RC3212、RC3335、RC3354、RC3422、RC3624、RC3636、RC3732、RC3838、RC3864、RC3939、RC3942、RC3964、RC4013、RC4104、RC4233、RC4432、RC4444、RC4464、RC4842、RC4848、RC4992、RC5003、RC5222、RC5332、RC5454、RC5555、RC5892、RC5972、RC6767、RC7402、RT0032、RT0041、RT0065、RT0073、RT0079、RT0255、RT0269、RT0273、RT0312、RT0374、RT0396、RT0476、RT0574、RT0583、RT0662、RT0669、RT0676、RT0684、RT0755、RT0874、RT0907、RT0929、RT0994、RT0995、RT1004、RT1183、RT1199、RT1234、RT1399、RT1413、RT1535、RT1606、RT1741、RT1789、RT1992、RT2000、RT2041、RT2089、RT2092、RT2112、RT2127、RT2200、RT2292、RT2341、RT2430、RT2440、RT2512、RT2544、RT2629、RT2678、RT2732、RT2800、RT2802、RT2822、RT2898、RT2963、RT3176、RT3200、RT3253、RT3432、RT3595、RT3836、RT4098、RX2540、RX2944、RX3444およびTS466RR(Croplan Genetics、Clinton、Kentucky、USA);4340RR、4630RR、4840RR、4860RR、4960RR、4970RR、5260RR、5460RR、5555RR、5630RRおよび5702RR(Delta Grow、England、Arkansas、USA);DK3964RR、DK3968RR、DK4461RR、DK4763RR、DK4868RR、DK4967RR、DK5161RR、DK5366RR、DK5465RR、DK55T6、DK5668RR、DK5767RR、DK5967RR、DKXTJ446、DKXTJ448、DKXTJ541、DKXTJ542、DKXTJ543、DKXTJ546、DKXTJ548、DKXTJ549、DKXTJ54J9、DKXTJ54X9、DKXTJ554、DKXTJ555、DKXTJ55J5およびDKXTJ5K57(Delta King Seed Company、McCrory、Arkansas、USA);DP 3861RR、DP 4331 RR、DP 4546RR、DP 4724 RR、DP 4933 RR、DP 5414RR、DP 5634 RR、DP 5915 RR、DPX 3950RR、DPX 4891RR、DPX 5808RR (Delta & Pine Land Company、Lubbock、Texas、USA);DG31T31、DG32C38、DG3362NRR、DG3390NRR、DG33A37、DG33B52、DG3443NRR、DG3463NRR、DG3481NRR、DG3484NRR、DG3535NRR、DG3562NRR、DG3583NRR、DG35B40、DG35D33、DG36M49、DG37N43、DG38K57、DG38T47、SX04334、SX04453(Dyna-gro系統、UAP-MidSouth、Cordova、Tennessee、USA);8374RR CYSTX、8390 NNRR、8416RR、8492NRRおよび8499NRR(Excel Brand、Camp Point、Illinois、USA);4922RR、5033RR、5225RRおよび5663RR(FFR Seed、Southhaven、Mississippi、USA);3624RR/N、3824RR/N、4212RR/N、4612RR/N、5012RR/N、5212RR/Nおよび5412RR/STS/N(Garst Seed Company、Slater、Iowa、USA);471、4R451、4R485、4R495、4RS421および5R531(Gateway Seed Company、Nashville、Illinois、USA);H-3606RR、H-3945RR、H-4368RR、H-4749RR、H-5053RRおよびH-5492RR(Golden Harvest Seeds、Inc.、Pekin、Illinois、USA);HBK 5324、HBK 5524、HBK R4023、HBK R4623、HBK R4724、HBK R4820、HBK R4924、HBK R4945CX、HBK R5620およびHBK R5624(Hornbeck Seed Co.Inc.、DeWitt、Arkansas、USA);341 RR/SCN、343 RR/SCN、346 RR/SCN、349 RR、355 RR/SCN、363 RR/SCN、373 RR、375 RR、379 RR/SCN、379+RR/SCN、380 RR/SCN、380+RR/SCN、381 RR/SCN、389 RR/SCN、389+RR/SCN、393 RR/SCN、393+RR/SCN、398 RR、402 RR/SCN、404 RR、424 RR、434 RR/SCNおよび442 RR/SCN(Kruger Seed Company、Dike、Iowa、USA);3566、3715、3875、3944、4010および4106(Lewis Hybrids、Inc.、Ursa、Illinois、USA);C3999NRR(LG Seeds、Elmwood、Illinois、USA);Atlanta 543、Austin RR、Cleveland VIIRR、Dallas RR、Denver RRSTS、Everest RR、Grant 3RR、Olympus RR、Phoenix IIIRR、Rocky RR、Rushmore 553RRおよびWashington IXRR(Merschman Seed Inc.、West Point、Iowa、USA); RT 3304N、RT 3603N、RT 3644N、RT 3712N、RT 3804N、RT 3883N、RT 3991N、RT 4044N、RT 4114N、RT 4124N、RT 4201N、RT 4334N、RT 4402N、RT 4480N、RT 4503N、RT 4683N、RT 4993N、RT 5043N、RT 5204、RT 5553N、RT 5773、RT4731NおよびRTS 4824N(MFA Inc.、Columbia、Missouri、USA);9A373NRR、9A375XRR、9A385NRS、9A402NRR、9A455NRR、9A485XRRおよび9B445NRS(Midland Genetics Group L.L.C.、Ottawa、Kansas、USA);3605nRR、3805nRR、3903nRR、3905nRR、4305nRR、4404nRR、4705nRR、4805nRR、4904nRR、4905nRR、5504nRRおよび5505nRR(Midwest Premium Genetics、Concordia、Missouri、USA);S37-N4、S39-K6、S40-R9、S42-P7、S43-B1、S49-Q9、S50-N3、S52-U3およびS56-D7(Syngenta Seeds、Henderson、Kentucky、USA);NT-3707 RR、NT-3737 RR/SCN、NT-3737+RR/SCN、NT-3737sc RR/SCN、NT-3777+RR、NT-3787 RR/SCN、NT-3828 RR、NT-3839 RR、NT-3909 RR/SCN/STS、NT-3909+RR/SCN/ST、NT-3909sc RR/SCN/S、NT-3919 RR、NT-3922 RR/SCN、NT-3929 RR/SCN、NT-3999 RR/SCN、NT-3999+RR/SCN、NT-3999sc RR/SCN、NT-4040 RR/SCN、NT-4040+RR/SCN、NT-4044 RR/SCN、NT-4122 RR/SCN、NT-4414 RR/SCN/STS、NT-4646 RR/SCNおよびNT-4747 RR/SCN(NuTech Seed Co.、Ames、Iowa、USA);PB-3494NRR、PB-3732RR、PB-3894NRR、PB-3921NRR、PB-4023NRR、PB-4394NRR、PB-4483NRRおよびPB-5083NRR(Prairie Brand Seed Co.、Story City、Iowa、USA);3900RR、4401RR、4703RR、4860RR、4910、4949RR、5250RR、5404RR、5503RR、5660RR、5703RR、5770、5822RR、PGY 4304RR、PGY 4604RR、PGY 4804RR、PGY 5622RRおよびPGY 5714RR(Progeny Ag Products、Wynne、Arkansas、USA);R3595RCX、R3684Rcn、R3814RR、R4095Rcn、R4385RcnおよびR4695Rcn(Renze Hybrids Inc.、Carroll、Iowa、USA);S3532-4、S3600-4、S3832-4、S3932-4、S3942-4、S4102-4、S4542-4およびS4842-4(Stine Seed Co.、Adel、Iowa、USA);374RR、398RRS(Taylor Seed Farms Inc.、White Cloud、Kansas、USA);USG 5002T、USG 510nRR、USG 5601T、USG 7440nRR、USG 7443nRR、USG 7473nRR、USG 7482nRR、USG 7484nRR、USG 7499nRR、USG 7504nRR、USG 7514nRR、USG 7523nRR、USG 7553nRSおよびUSG 7563nRR(UniSouth Genetics Inc.、Nashville、Tennessee、USA);V38N5RS、V39N4RR、V42N3RR、V48N5RR、V284RR、V28N5RR、V315RR、V35N4RR、V36N5RR、V37N3RR、V40N3RR、V47N3RR、およびV562NRR(Royster-Clark Inc.、Washington C.H.、Ohio、USA);RR2383N、2525NA、RR2335N、RR2354N、RR2355N、RR2362、RR2385N、RR2392N、RR2392NA、RR2393N、RR2432N、RR2432NA、RR2445N、RR2474N、RR2484N、RR2495NおよびRR2525N(Willcross Seed、King City Seed、King City、Missouri、USA);1493RR、1991NRR、2217RR、2301NRR、2319RR、2321NRR、2341NRR、2531NRR、2541NRR、2574RR、2659RR、2663RR、2665NRR、2671NRR、2678RR、2685RR、2765NRR、2782NRR、2788NRR、2791NRR、3410RR、3411NRR、3419NRR、3421NRR、3425NRR、3453NRR、3461NRR、3470CRR、3471NRR、3473NRR、3475RR、3479NRR、3491NRR、3499NRR、WX134、WX137、WX177、およびWX300(Wilken Seeds、Pontiac、Illinois、USA)が挙げられる。優良な植物はある優良な系統からの代表的な植物である。
本発明の病害耐性QTLはまた、特に除草剤耐性、収穫量増大、昆虫抑制、真菌病害耐性、ウイルス病害耐性、ネマトーダ耐性、細菌病害耐性、マイコプラズマ病害耐性、油産生の改変、高油産生、高タンパク質産生、発芽および種子の生育制御、動物およびヒト栄養素の増強、低ラフィノース、環境ストレス耐性、消化性の増大、産業用酵素、医薬用タンパク質、ペプチド、および小分子の増大、プロセシング形質の改善、フレーバーの改善、窒素固定、ハイブリッド種子生産、アレルゲン性の低減、バイオポリマー、バイオ燃料のための1種以上の遺伝子を含んでいる優良なグリシン・マックス(Glycine max)トランスジェニック植物に導入してもよい。これらの農業的な形質は植物バイオテクノロジーの方法によってグリシン・マックス中にトランスジーンとして提供することができる。
さらに、本発明のダイズ植物はあらゆる成熟した群の特徴を示しうると理解される。選択したダイズ植物からの花粉は凍結保存することができ、真菌病害耐性遺伝子座を通常は天然に交配しない系統中に遺伝子移入させるために、他の成熟群からの優良系統との交配に用いることができる。花粉の凍結保存技術については当業界ではよく知られている(Tyagiら, Cryo Letters, 24: 119-124 (2003), Liangら, Acta Botanica Sinica, 35: 733-738 (1993), およびHondaら, Euphytica 126: 315-320 (2002))。
QTLの病害耐性付与効果は、親の遺伝子型によって、およびその病害耐性効果が測定される環境条件によって異なりうる。本明細書に記載の方法を使用して、植物の集団からまたは親の遺伝子型のコレクションから、病害遺伝子座を含んでいる場合に親の遺伝子型と比較して病害耐性が増強されているものを選択することは、植物育種の分野の当業者の技術の範囲内であり、過度の実験は不要である。ここで、植物の病害は、真菌、ウイルス、細菌、または無脊椎動物によって起こりうる。
グリシン(Glycine)の分子遺伝子地図は多数報告されている(Mansurら, Crop Sci. 36:1327-1336 (1996), Shoemakerら, Genetics 144:329-338(1996), Shoemakerら, Crop Science 32:1091-1098 (1992), Shoemakerら, Crop Science 35:436-446 (1995), Tinleyら, J. Cell Biochem. Suppl. 14E:291 (1990), Creganら, Crop Science 39:1464-1490 (1999))。グリシン・マックス(Glycine max)、グリシン・ソジャ(Glycine soja)、およびグリシン・マックスxグリシン・ソジャは連鎖群を共有している(Shoemakerら, Genetics 144:329-338(1996))。本明細書では、連鎖群に関しては、グリシン・マックスのG;C2;J;およびNは、グリシン・マックスの遺伝子地図のG;C2;J;およびN連鎖群に対応する連鎖群を指す(Mansurら、Crop Science. 36: 1327-1336 (1996)、Creganら、Crop Science 39:1464-1490 (1999)、およびSoybase、Agricultural Research Service、United States Department of Agriculture)。
当然のことながら、QTLのアレルは多数の遺伝子またはその他の遺伝因子を、隣接したゲノム領域内または連鎖群内(ハプロタイプなど)においてさえ含むことができる。従って、本明細書では、QTLのアレルは2個以上の遺伝子または遺伝因子を包含することができ、それらの個々の遺伝子または遺伝子成分の各々もアレル変異を示すことができ、また各遺伝子または遺伝因子は、対象となる量的形質に表現型としての影響を及ぼすことができる。本発明の1実施形態においては、QTLのアレルは、アレル変異を示すこともできる1つ以上の遺伝子または他の遺伝因子を含んでいる。従って「QTLのアレル」という用語を用いることは、2個以上の遺伝子または他の遺伝因子を含んでいるQTLを排除することを意図していない。具体的には、本発明の「QTLのアレル」はハプロタイプウインドウ内のハプロタイプを示すことができ、その際、表現型は病害耐性であることができる。ハプロタイプウインドウは、1種以上の多型マーカーのセットにより定義し、追跡することができ、その際、多型は家系による同一性を示している。そのウインドウ内のハプロタイプは、各マーカーでのアレルの固有のフィンガープリントによって定義することができる。本明細書で用いているアレルとは、染色体上の所与の遺伝子座を示す遺伝子の、いくつかの代替的な形態のうちの1つである。染色体上の所与の遺伝子座に存在するアレルの全てが同一である場合には、その植物はその遺伝子座においてホモ接合である。染色体上の所与の遺伝子座に存在するアレルが異なる場合は、その植物は該遺伝子座でヘテロ接合である。
本発明の植物は育種プログラムの一部であるかまたはそのプログラムから作製されたものであることができる。育種方法の選択は、植物の繁殖様式、改良しようとしている形質の遺伝率、および商業用に用いられる栽培品種のタイプ(例えば、F1ハイブリッド栽培品種、純系栽培品種など)に左右される。栽培品種とは、栽培を通じて意図的に作出または選択され、維持された植物の品種(race or variety)である。
本発明の植物を育種するために選択された非限定的なアプローチを下記に記載する。育種プログラムは任意の交配子孫のマーカー補助選択(MAS)を用いて増強することができる。さらに市販のまたは市販されていない任意の栽培品種を育種プログラムで用いることができると理解される。通常は例えば、出芽力(emergence vigor)、生長力、ストレス耐性、病害耐性、分枝、開花時期、結実、種子サイズ、種子密度、耐倒伏性、および脱粒性などの要素によって選択する。
高度に遺伝性の形質については、単一の位置で評価された、優れた個別の植物を選択することが有効であるが、遺伝性の低い形質については関連植物のファミリーの反復評価から得られた平均値に基づいて選択すべきである。よく知られる選択方法は、一般に、系統選択、改変系統選択、集団選択、および循環選択が挙げられる。好ましい1実施形態においては、戻し交配または循環育種プログラムが行われる。
遺伝の複雑性は育種方法の選択に影響を及ぼす。戻し交配育種法は1種または2〜3種の、高遺伝性である好ましい遺伝子を所望の栽培品種中に移入するために用いることができる。このアプローチは病害耐性の栽培品種の育種に広く用いられている。多数の遺伝子によって制御される遺伝形質を量的に改良するために種々の循環選択技術が用いられている。自家受粉作物での循環選択の使用は、受粉の容易性、各受粉イベントからのハイブリッドの成功頻度、および成功を収めた各交配からのハイブリッド子孫の数に依存する。
育種系統を商業上のターゲット地域を代表する環境で2世代以上にわたって試験し、適切な標準と比較することができる。最良の系統が新しい商業用栽培品種の候補となる。形質が依然として欠けている系統は、さらに選択を行うための新しい集団を作出するための親として用いることができる。
優れた植物を同定するための方法の1つは、他の実験植物および広く生育している標準的な栽培品種と比較してその性能を観察することである。単一の観察で結論を出せない場合には、反復観察によってその遺伝的価値をより良く推定することができる。育種家は2種以上の親の系統を選択して交配させた後、自殖と選択を繰り返し、多数の新しい遺伝的組み合わせを作ることができる。
新しいダイズ栽培品種の開発には、これらのダイズ品種の開発および選択、それらの品種の交配、および優れたハイブリッド交配の選択を必要とする。ハイブリッドの種子は選択された雄性稔性の親間での手交配によって、または雄性不稔性の系を用いて作製することができる。ハイブリッドは、その種子が真にハイブリッドであることを示す単一の特定の遺伝形質、例えば莢の色、花の色、種子の収量、軟毛の色、または除草剤耐性などの形質を用いて選択される。親の系統に関する追加的データ、ならびにハイブリッドの表現型は、特定のハイブリッド交配を用い続けるか否かの育種者の決定に影響を及ぼす。
系統育種法と循環選択育種法とを、育種集団から栽培品種を開発するために用いることができる。育種プログラムは2種以上の栽培品種または種々の広範なソースからの望ましい形質を組み合わせて育種プールに入れ、そこから自殖および所望の表現型の選択によって栽培品種が開発される。新しい栽培品種を評価してどれが商業的潜在を有するか決定することができる。
自家受粉作物の改良には通常は系統育種法が用いられる。好ましい相互補完的な形質を持つ2種の親を交配させてF1を作出する。F2集団はF1のうちの1つまたはいくつかを自殖させることによって作出される。最良のファミリー中の最良の個体を選択する。遺伝率の低い形質についての選択の有効性を改善するために、ファミリーの繰り返し試験をF4世代から開始することができる。同系交配の進んだステージ(すなわちF6およびF7)では、最良の系統、または表現型が類似した系統を混合したものが、新しい栽培品種として発表できるか試験される。
戻し交配育種法は、単純な遺伝様式で高度に遺伝性の形質の遺伝子を所望のホモ接合栽培品種または近交系統(反復親である)中に移入するために用いられている。移入される形質のソースは供与親と呼ばれる。その結果得られた植物は、反復親(例えば、栽培品種)の属性、および供与親から移入された所望の形質を有しているものと予想される。初回の交配後に、供与親の表現型を有している個体を選択し、反復親に対して繰り返し交配させる(戻し交配)。ここで得られた親は反復親(例えば、栽培品種)の属性および供与親から移入された所望の形質を有しているものと予想される。
単粒法(single-seed decent)は、厳密には、隔離した集団のプランティング、植物あたり1種子サンプルの採種、および次世代を植栽するために1種子サンプルを用いることをいう。集団がF2から同系交配の所望レベルに至ったときには、その系統のもととなった植物は、それぞれ異なるF2の個体に帰着する。集団内の植物数はいくらかの種子が発芽し損うか、またはいくらかの植物が種子を1つも産生し損なうために、各世代で減少する。結果的に、世代の進行が完了したときに、集団内で最初にサンプリングしたF2植物の全てが子孫に現れてきているわけではない。
複粒法(multiple-seed procedure)では、ダイズ育種家は通常、集団の各植物個体から1個以上の莢を採取し、それらを併せて脱穀してバルクを生じさせる。そのバルクの一部分を次世代を植栽するために用い、一部を保存する。この方法は改変単粒法またはポッドバルク技法と呼ばれている。
複粒法は収穫時の労力を減らすために用いられてきた。機械で莢を脱穀する方が、単粒法において手で種子を1つずつ取り出すよりもかなり早い。複粒法では、同系交配の各世代で集団の種子を同じ数蒔くことも可能となる。
様々な形質や作物に一般的に用いられるその他の育種方法の記載についてはいくつかの参照書籍のうちの1つ(例えば、Fehr, Principles of Cultivar Development Vol.1, pp.2-3(1987))に見出すことができる。
本発明はまた、本発明の植物の部分をも提供する。植物の部分としては、限定はされないが、種子、胚乳、胚珠、および花粉が含まれる。本発明の特に好ましい1実施形態においては、植物部分は種子である。
本発明の植物またはその部分は培養によって生育させたり、再生させることができる。様々な組織タイプからのグリシン・マックス植物の再生方法、およびグリシン・マックスの組織培養の方法は当業界では既知である(例えば、Widholmら, In Vitro Selection and Culture-induced Variation in Soybean, In Soybean: Genetics, Molecular Biology and Biotechnology, VermaとShoemaker編, CAB International, Wallingford, Oxon, England(1996)を参照)。グリシン・マックスなどの植物の再生技術は、出発物質として様々な組織または細胞タイプを用いることができる。特にグリシン・マックスでは、分裂組織(Carthaら,Can. J. Bot. 59:1671-1679 (1981))、胚軸切片(Cameya ら, Plant Science Letters 21: 289-294 (1981))、および茎節セグメント(Saka ら, Plant Science Letters, 19: 193-201 (1980), Chengら, Plant Science Letters, 19: 91-99 (1980))などの特定の分化した組織種から開始される再生プロセスが開発されている。未熟なグリシン・マックス胚の外植片から生じた体細胞胚からの性的に熟したグリシン・マックスの全植物の再生が報告されている(Ranchら, In Vitro Cellular & Developmental Biology, 21: 653-658(1985))。器官形成および胚形成による、組織培養からの成熟したグリシン・マックス植物の再生も報告されている(Barwaleら, Planta 167: 473-481 (1986), Wrightら, Plant Cell Reports 5: 150-154(1986))。
本発明はまた、スクリーニングによって病害耐性、免疫性、または感受性について選択された病害耐性ダイズ植物を提供する。この選択は、病害耐性に関与するQTLのアレルがさらに病害耐性ダイズに関連する連鎖群上に位置している場合に、QTLの該アレルに遺伝子的に連結しているマーカー分子の存在について、ゲノム核酸を調べることを含んでいる。そのような病害は、真菌、ウイルス、細菌、または無脊椎動物によって生じうるものである。
本発明はまた、アジア型ダイズサビ病に対する耐性を付与するQTLをも提供し、そのようなQTLとしては、ASR耐性遺伝子座 1、ASR耐性遺伝子座 2、ASR耐性遺伝子座 3、ASR耐性遺伝子座 4、ASR耐性遺伝子座 5、ASR耐性遺伝子座 6、ASR耐性遺伝子座 7、ASR耐性遺伝子座 8、ASR耐性遺伝子座 9、ASR耐性遺伝子座 10、ASR耐性遺伝子座 11、ASR耐性遺伝子座 12、およびASR耐性遺伝子座 13が含まれる。P.パチリジ(P. pachyrhizi)に対する耐性のための4種類の優性で独立に遺伝する遺伝子座(本明細書ではASR耐性遺伝子座1〜4で示す)はそれぞれPI 200492、PI 230970、PI 462312 (Ankur)、およびPI 459025BPIで同定されている。本発明では、ASR耐性遺伝子座1はダイズの連鎖群Gに位置している。ARS耐性遺伝子座1の遺伝子移入をモニターするために用いるSNPマーカーは、NS0093250、NS0119710、NS0103004、NS0099454、NS0102630、NS0102915、NS0102913、NS0123728、NS0129943、NS0102168、NS0092723、NS0098177、NS0127343 、およびNS0101121からなる群から選択される。ASR耐性遺伝子座1 SNPマーカーのDNA配列(配列番号67〜80に示している)は、配列番号1〜28に示すプライマーを用いて増幅することができ、配列番号100〜127に示すプローブを用いて検出することができる。本発明では、ASR耐性遺伝子座2は、連鎖群J上の、落葉病(Brown Stem Rod)、ダイズシストネマトーダ(Soybean Cyst Nematode)耐性、および斑点病(Frog Eye Leaf Spot)耐性を含んでいる病害耐性クラスターの近傍もしくはその内部、または連鎖群Nに位置している可能性が最も高い。本発明では、ASR耐性遺伝子座3は連鎖群C2に位置している。ARS耐性遺伝子座3の遺伝子移入をモニターするために用いるSNPマーカーは、NS0099746、NS0123747、NS0126598、NS0128378、NS0096829、NS0125408、NS0098902、NS0099529、NS0097798、NS0137477、NS0095322、NS0136101、NS0098982、NS0103749、NS0118897、NS0119715、およびNS0130920からなる群から選択される。これらのマーカーDNA配列(配列番号81〜97に示している)は、配列番号29〜62に示すプライマーを用いて増幅することができ、配列番号128〜161に示すプローブを用いて検出することができる。本発明では、ASR耐性遺伝子座4はおそらくは、連鎖群N上に位置していると考えられる。
本発明はまた、関連研究で同定された、ASRに対する耐性を付与するハプロタイプをも提供する。これらのゲノム全体を調べた研究によって、ASR耐性に関連する2種のSNPマーカーが第13染色体上の2つの異なるウインドウに位置することが明らかとなった。第1のハプロタイプウインドウでは、ASR耐性遺伝子座5、ASR耐性遺伝子座6、ASR耐性遺伝子座7、ASR耐性遺伝子座8、およびASR耐性遺伝子座9の遺伝子移入をモニターするために用いるSNPマーカーは、NS0103033である。このSNPマーカーのDNA配列(配列番号98に示している)は、配列番号63および64に示すプライマーを用いて増幅することができ、配列番号162および163に示すプローブを用いて検出することができる。第2のハプロタイプウインドウでは、ASR耐性遺伝子座10、ASR耐性遺伝子座11、ASR耐性遺伝子座12、およびASR耐性遺伝子座13の遺伝子移入をモニターするために用いるSNPマーカーはNS0124935である。このSNPマーカーのDNA配列(配列番号99に示している)は、配列番号65および66に示すプライマーを用いて増幅することができ、配列番号164および165に示すプローブを用いて検出することができる。
さらに、前記マーカー分子から10センチモルガン以内に位置する1個以上のマーカーをASR耐性遺伝子座の選択と遺伝子移入に用いることができると理解される。
さらに、本発明は、本発明の作用物質を含んでいる細菌、ウイルス、微生物、昆虫、哺乳類、および植物細胞を提供するものと理解される。
核酸分子またはその断片は、特定の状況下では他の核酸分子と特異的にハイブリダイズすることができる。本明細書では、2種類の核酸分子は、それらが逆並行の二本鎖核酸構造を形成することのできるものであるならば、互いに特異的にハイブリダイズすることができる。一方の核酸分子は他方の核酸分子と、それらが完全に相補的であるならば、「相補的」である。本明細書では、一方の分子の全てのヌクレオチドが他の分子のヌクレオチドと相補的であるならば、それらの分子は「完全な相補性」を示している。2つの分子が少なくとも従来の「低ストリンジェンシー」条件下で互いにアニールしたままであるような程度の十分な安定性で互いにハイブリダイズすることができる場合に、それらの2つの分子は「最小限に相補的」である。同様にして、分子が従来の「高ストリンジェンシー」条件下で互いにアニールしたままであるような程度の十分な安定性で互いにハイブリダイズすることができる場合に、それらは「相補的」である。従来のストリンジェンシー条件については、Sambrookら, 「分子クローニング、実験室マニュアル」"Molecular Cloning, A Laboratory Manual", 第2版, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, New York(1989)、および Haymesら, 「核酸ハイブリダイゼーション、実際的なアプローチ」"Nucleic Acid Hybridization, A Practical Approach", IRL Press, Washington D.C.(1985)に説明されている。従って、完全な相補性からの逸脱は、その逸脱がそれらの分子の二本鎖構造を形成する能力を完全に失わせるものでない限りは許容しうる。核酸分子がプライマーまたはプローブとして資するためには、特定の溶媒および塩濃度を使用する条件下で安定な二本鎖構造を形成できるような十分な配列の相補性を有することのみが必要である。
本明細書では、実質的に相同な配列とは、比較しようとする核酸配列の相補体に対して高ストリンジェンシー条件下で特異的にハイブリダイズする核酸配列である。本発明の核酸プローブおよびプライマーは、ストリンジェントな条件下で標的DNAとハイブリダイズすることができる。「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」という用語は、その条件下でプローブまたはプライマーが特異的に標的配列とハイブリダイズするが、標的でない配列とはハイブリダイズしない、経験的に決定できる条件、と定義される。「ストリンジェントな条件」という用語は、核酸プローブの標的核酸(すなわち、対象とする特定の核酸配列)とのハイブリダイゼーションに関して、Sambrookら, 1989, 9.52-9.55に論じられている特定のハイブリダイゼーション方法によって、機能の面から定義される。Sambrookら, (1989) 9.47-9.52, 9.52-9.55、Kanehisa, Nucl. Acids Res. 12:203-213 (1984)、およびWetmurら, J. Mol. Biol. 31:349-370 (1968)を参照されたい。DNAのハイブリダイゼーションを促進する適切なストリンジェンシー条件としては例えば、約45℃で6.0 x 塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)の後、50℃で2.0 x SSCでの洗浄などが当業者にはよく知られており、これは「分子生物学の今日のプロトコール」"Current Protocols in Molecular Biology", John Wiley & Sons, N.Y., 1989, 6.3.1-6.3.6中に見出すことができる。例えば、洗浄ステップの塩濃度は、50℃で約2.0 x SSCという低ストリンジェンシー〜50℃で約0.2 x SSCの高ストリンジェンシーから選択することができる。さらに洗浄ステップの温度は、室温(約22℃)での低ストリンジェンシー条件から約65℃での高ストリンジェンシー条件まで上げることができる。温度および塩濃度の条件は双方とも変えることができ、あるいは温度か塩濃度のいずれか一方を一定に保ち、もう一方を変えることができる。
例えば、DNAまたはRNAのプローブまたはプライマーを用いるハイブリダイゼーションは、高ストリンジェンシーについては、6 x SSC、0.5% SDS、5 x Denhardt、100μg/mLの非特異的DNA(例えば超音波処理したサケ精子DNA)中65℃で行い、0.5 x SSC、0.5% SDSで65℃で洗浄する。
より低いハイブリダイゼーション温度および/または洗浄温度などのより低いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件は、プローブまたはプライマーの標的配列への結合の特異性が保持される場合には、配列の類似性がより低い関連配列を同定するために用いることができる。従って、本発明のヌクレオチド配列は、DNA、RNA、またはcDNA断片の相補的なストレッチと選択的に二本鎖分子を形成するために用いることができる。ハイブリダイゼーションを介するDNAセグメントの検出は当業者にはよく知られており、そのため、想定する用途に左右され、プローブの標的配列に対しての選択性を様々な程度に達成するための様々なハイブリダイゼーションの条件を用いることが望まれ、選択の方法は所望の結果に左右される。
本発明で使用する作用物質は、天然分子であってもよいし、所望であれば「実質的に精製」してもよい(これは天然の状態で通常は会合している他の実質的に全ての分子から分離された分子をいう)。より好ましくは、実質的に精製された分子は調製物中に存在する主な分子種である。実質的に精製された分子は、天然の混合物中に存在する他の分子(溶媒を除いて)を含まない、60%超、好ましくは75%超、より好ましくは90%超、最も好ましくは95%超の純度であり得る。「実質的に精製された」という用語は自然状態で存在する分子を包含することを意図していない。
本発明の作用物質は好ましくは、核酸が別の核酸分子とハイブリダイゼーションする能力や、タンパク質が抗体と結合する能力(または別の分子とそのような結合について競合する能力)などの構造的属性のいずれかに関して「生物学的に活性」であることが好ましい。あるいは、そのような属性は触媒的なものであってもよく、そのような場合はその作用物質の化学反応または応答を媒介する能力が含まれる。
本発明の作用物質は組換え体であっても良い。本明細書で使用する組換え体という用語は、人為的に操作された核酸分子、又は間接的であるがそれによって生じる任意の作用物質(例えばDNA、ペプチドなど)を意味する。
本発明の作用物質はその作用物質の検出を容易にする試薬で標識することができる(例えば、蛍光標識(Proberら, Science 238:336-340 (1987)、欧州特許144914)、化学標識(米国特許第4,582,789号、米国特許第4,563,417号)、修飾した塩基(欧州特許119448)が挙げられ、これらは全てその全体を参照により本明細書中に組み入れる)。
好ましい1実施形態においては、本発明の核酸は、配列番号67〜配列番号99に示す核酸分子もしくはそれらの相補体、またはそれらのいずれかの断片、の1種以上と、中程度ストリンジェンシー条件下(例えば、約65℃で約2.0xSSC)で特異的にハイブリダイズする。特に好ましい1実施形態においては、本発明の核酸は、配列番号67〜配列番号99に示す核酸分子もしくはそれらの相補体、またはそれらのいずれかの断片、の1種以上と、高ストリンジェンシー条件下で特異的にハイブリダイズする。本発明の1態様においては、本発明の好ましいマーカー核酸分子は、配列番号67〜配列番号99に示す核酸分子もしくはそれらの相補体、またはそれらのいずれかの断片を有する。本発明の別の1態様においては、本発明の好ましいマーカー核酸分子は、配列番号67〜配列番号99に示す核酸分子もしくはそれらの相補体、またはそれらのいずれかの断片と、80%〜100%、または90%〜100%の配列同一性を共有する。本発明のさらに別の1態様においては、本発明の好ましいマーカー核酸分子は、配列番号67〜配列番号99に示す核酸配列もしくはそれらの相補体、またはそれらのいずれかの断片と、95%〜100%の配列同一性を共有する。本発明のより好ましい1態様においては、本発明の好ましいマーカー核酸分子は、配列番号67〜配列番号99に示す核酸配列もしくはそれらの相補体、またはそれらのいずれかの断片と、98%〜100%の配列同一性を共有する。
さらに別の遺伝子マーカーを、本発明のダイズの真菌病害耐性に関与するQTLのアレルを有する植物を選択するために用いることができる。公共のマーカーデータベースの例としては、例えば、Soyabase, Agricultural Research Service, United States Department of Agricultureが挙げられる。
本発明の遺伝子マーカーとしては、「優性」または「共優性(codominant)」のマーカーが含まれる。「共優性マーカー」とは、2つ以上のアレルが存在することを示している(二倍体個体毎に2つ)。「優性マーカー」は単一のアレルのみ存在することを示す。優性マーカー表現型(例えば、DNAの1本のバンド)の存在は、ホモ接合またはヘテロ接合のいずれかで1つのアレルが存在することを示している。優性マーカー表現型が存在しないこと(例えば、あるDNAバンドがない)は、単に「何らかの他の」不明なアレルが存在することの証拠にすぎない。個体が主としてホモ接合体であり、遺伝子座が主として二形性であるような集団の場合には、優性マーカーおよび共優性マーカーはどちらも等しく有益である。集団がよりヘテロ接合体が多く複対立遺伝子的になると、共優性マーカーの方が優性マーカーよりも遺伝子型についてより多くの情報を与えることとなることが多い。
本発明のQTLのアレルと遺伝子的に連結した、または相関したマーカー、例えば単純反復配列マーカー(SSR)、AFLPマーカー、RFLPマーカー、RAPDマーカー、表現型マーカー、SNP、アイソザイムマーカー、マイクロアレイ転写プロフィールなどを用いることができる(Walton, Seed World 22-29 (July、1993)、Burowら、Molecular Dissection of Complex Traits、13-29、Paterson編、CRC Press、New York (1988))。そのようなマーカーを単離する方法は当業界では既知である。例えば、遺伝子座特異的SSRマーカーはゲノムライブラリーをマイクロサテライトリピートについてスクリーニングすること、「陽性の」クローンを配列決定すること、そのリピートにフランキングするプライマーを設計すること、およびそれらのプライマーを用いてゲノムDNAを増幅することによって得ることができる。その結果得られる増幅産物のサイズは、基礎反復ユニットの整数値によって異なりうる。多型を検出するために、PCR産物を放射標識して、変性ポリアクリルアミドゲル上で分離し、オートラジオグラフィーで検出することができる。サイズの差が>4bpの断片も、アガロースゲル上で分解させることができ、従って、放射能を避けることができる。
DNA、RNA、またはcDNAのサンプル中の多型部位の検出は、核酸増幅法の使用によって容易化できる。そのような方法は、多型性部位に及ぶかまたはその部位に対して遠位もしくは近位のいずれかに位置している部位および配列を含んだポリヌクレオチドの濃度を特異的に増加させる。そのようにして増幅された分子はゲル電気泳動またはその他の手段で容易に検出することができる。
そのような増幅を行うための最も好ましい方法はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(Mullisら, Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol. 51:263-273(1986)、欧州特許出願第50,424号、欧州特許第84,796号、欧州特許第258,017号、欧州特許第237,362号、欧州特許第201,184号、米国特許第4,683,202号、米国特許第4,582,788号、米国特許第4,683,194号)であり、二本鎖形態で多型性を定義している近接配列とハイブリダイズすることのできるプライマーのペアを用いる。
PCRのかわりに、別の方法、例えば「リガーゼ連鎖反応法」(LCR)を用いることができる(Barany, Proc. Natl. Acad. Sci. (U.S.A.) 88:189-193 (1991)、その全体を本明細書中に参照により組み入れる)。LCRは特定の標的を指数関数的に増幅するためにオリゴヌクレオチドプローブの2組のペアを用いる。オリゴヌクレオチドのペアの各々の配列は、標的の同一鎖の隣接配列とそのペアとがハイブリダイズすることができるように選択される。そのようなハイブリダイゼーションによって鋳型依存性リガーゼの基質が形成される。PCRの場合と同様に、LCRの結果得られた産物はそれに引き続くサイクルで鋳型となり、所望の配列の指数関数的な増幅が得られる。
あるいは、「オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ」(OLA)を用いることができる(Landegrenら, Science 241:1077-1080(1988)、その全体を本明細書中に参照により組み入れる)。OLAプロトコールでは標的の一本鎖の隣接配列にハイブリダイズすることができるように設計された2つのオリゴヌクレオチドを用いる。OLAは、LCRと同様に、点突然変異の検出に特に適している。OLAはLCRとは異なり、標的配列の指数関数的な増幅ではなく、直線状の増幅をもたらす。
結果として得られた「ジ-オリゴヌクレオチド」の配列を有する核酸の存在下での2個(またはそれ以上)のオリゴヌクレオチドのライゲーションに基づき、それによってジ-オリゴヌクレオチドを増幅するスキームは既知であり(Wuら, Genomics 4:560-569、その全体を本明細書中に参照により組み入れる)、本発明の目的に容易に適合させることができる。
その他の核酸増幅方法として既知のもの、例えばアレル特異的オリゴマー、分枝DNA技術、転写をベースとした増幅系、または等温増幅法も、上記多型を増幅し分析するために用いることができる(米国特許第5,130,238号、欧州特許第329,822号、米国特許第5,169,766号、欧州特許第359,789号、Kwohら, Proc. Natl. Acad. Sci. (U.S.A.) 86:1173-1177(1989)、欧州特許第368,906号、Walkerら, Proc. Natl. Acad. Sci. (U.S.A.) 89:392-396(1992)、これらは全てその全体を本明細書中に参照により組み入れる)。
多型は一本鎖高次構造多型(SSCP)分析によっても同定することができる。SSCPは、典型的には150から250ヌクレオチドの長さDNA一本鎖の中の大部分の配列多型を同定することのできる方法である(Elles, Methods in Molecular Medicine: Molecular Diagnosis of Genetic Diseases, Humana Press(1996); Oritaら, Genomics 5:874-879(1989))。変性条件下では、DNA一本鎖はその配列の高次構造に独自に依存した高次構造をとる。この高次構造は通常、一塩基のみが変化する場合でさえ異なる。多くの高次構造はその物理的配置やサイズを電気泳動で十分検出可能な程度に変えることが報告されている。
SNPの重要な属性は多型の部位が単一のヌクレオチドであることである。SNPは他のクラスの多型よりも安定である。SNPの自然突然変異率は約10-9である(Kornberg, DNA Replication, W. H. Freeman & Co., San Francisco(1980))。SNPは配列変異から生じるものであるので、新たな多型はランダムなゲノムまたはcDNA分子を配列決定することによって同定することができる。SNPはまた、欠失、点突然変異、および挿入の結果によっても生じうる。とはいえ、SNPはマーカーとしても利点があるが、それはSNPが独立した起源から生じることはまれなので、家系による同一性の診断を行えることが多いためである。いずれか1つの塩基の変化は、その原因が何であれ、SNPとなりうる。SNPは他のクラスの多型よりも高頻度に起こり、より容易に同定しうる。本発明では、SNPは単一の挿入-欠失(indel)イベントを示すことができ、これは1つ以上の塩基対、または単一のヌクレオチド多型から構成され得る。
SNPは様々な方法のいずれかを用いて特徴付けることができる。そのような方法としては、その部位の直接または間接的な配列の決定、制限酵素の使用(その部位の各アレルが制限酵素切断部位を創出するかまたは破壊している場合)、アレル特異的ハイブリダイゼーションプローブの使用、多型の異なるアレルによってコードされるタンパク質に対して特異的な抗体の使用、またはその他の生化学的解釈などが挙げられる。SNPはチェーンターミネーション法の変法を用いて配列決定することができるが(Sangerら, Proc. Natl. Acad. Sci. (USA) 74:5463-5467(1977))、該方法では放射性同位体の使用は蛍光標識ジデオキシヌクレオチドで置き換えられ、キャピラリーベースの自動化シーケンシングに供される(米国特許第5,332,666号、その全体を本明細書中に参照により組み入れる;米国特許第5,821,058号、その全体を本明細書中に参照により組み入れる)。自動化シーケンサーは、例えば、Applied Biosystems, Foster City, CA(3730xl DNA Analyzer)、Beckman Coulter, Fullerton, CA(CEQTM 8000 Genetic Analysis System)、およびLI-COR, Inc., Lincoln, NE(4300 DNA Analysis System)から市販されている。
SNPを分析するアプローチは2つの群にカテゴリー化することができる。第1の群はプライマー伸長アッセイに基づいたものであり、例えば固相ミニシーケンシングまたはパイロシーケンシングなどがある。固相ミニシーケンシング法では、DNAポリメラーゼが変異ヌクレオチドに直接的に隣接してアニールするプライマーを特異的に伸長させるために用いられる。変異部位のヌクレオチドに対して相補的な単一の標識化ヌクレオシド3リン酸を伸長反応に用いる。変異部位のヌクレオチドを含んでいる配列のみがポリメラーゼによって伸長されることとなる。プライマーアレイは固相支持体に固定化でき、そこでは各プライマーは4つの小さなウェル中に入れられており、各ウェルは、DNA中に存在する4種類のヌクレオシド3リン酸のうちの1種用として用いられる。各試験生物からの鋳型DNAまたはRNAを各ウェルに入れ、プライマーとアニールさせる。次いでそのプライマーはポリメラーゼと標識化ジデオキシヌクレオチド3リン酸を用いて1個のヌクレオチドを伸長する。反応の完了したものは、標識(放射性標識または蛍光標識であることができる)を検出することのできるデバイスを用いて画像化することができる。この方法を用いていくつかの異なるSNPを可視化して検出することができる(Syvanenら, Hum. Mutat. 13:1-10(1999))。パイロシーケンシング法は、DNA鎖を伸長させた際に各dNTPから放出されるピロリン酸(PPi)の間接的生物発光測定アッセイに基づいたものである。クレノーポリメラーゼが媒介する塩基取り込みの後、PPiは放出され、アデノシン5-ホスホ硫酸(APS)と共にATPスルフリラーゼの基質として用いられ、その結果、ATPが形成される。その後、ATPはルシフェラーゼの作用によってルシフェリンをその酸化誘導体へと転換させる。その結果生じる光の出力は付加された塩基の数に最大約4個の塩基まで比例する。この方法の処理能力を可能にするために、過剰のdNTPは開始反応混液中にも存在するアピラーゼで分解され、そのため配列決定操作の間、鋳型にはdNTPのみが付加される(Alderbornら、Genome Res. 10:1249-1258 (2000))。パイロシーケンシング反応を検出し分析するために設計された装置の1例としては、Biotage, Charottesville, VA(PyroMark MD)から市販されているものがある。
より新しいSNP検出法はプライマー伸長アッセイに基づいたGOODアッセイである。GOODアッセイ(Sauerら、Nucleic Acids Res. 28: e100 (2000))は、MALDI-TOF(マトリクス支援レーザー脱離イオン化-飛行時間型)マススペクトロメトリーを用いる、アレル特異的プライマー伸長プロトコールである。SNPを含んでいるDNA領域は、最初にPCR増幅で増幅される。残存しているdNTPはアルカリホスファターゼを用いて破壊する。次いで特異的プライマー、a-S-dNTPおよびa-S-ddNTPの調整済のセット、および新鮮なDNAポリメラーゼをプライマー伸長反応液中で用いてアレル特異的産物を製造する。修飾されていないDNAは5'-ホスホジエステラーゼ消化によって除去し、修飾されている産物はアルキル化してマススペクトル分析における検出感度を上げる。全てのステップは1つのバイアル中で、サンプル量を実用上最小限として行い、精製は必要としない。反応時間を伸ばせば正または負の電荷を与えることができ、それはマススペクトロメトリーを用いて検出される(Sauerら, Nucleic Acids Res. 28: e13 (2000))。GOODアッセイを行う装置は例えば、Bruker Daltonics(Billerica, MA)のautoflex(登録商標)MALDI-TOFシステムが挙げられる。
第2の群は、ヘテロ二重鎖DNA分子の認識に基づいたもので、その群にはオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、Taq-Manアッセイ、分子ビーコン、電気的ドットブロットアッセイ、および変性高速液体クロマトグラフィーが含まれる。オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションはマイクロアレイを用いてまとめて行うことができる(Southern, Trends Genet. 12:110-115(1996))。Taq-Man(登録商標)アッセイ、またはリアルタイムPCRは、二重標識された蛍光性プローブが増幅反応の間にハイブリダイゼーションおよび切断によって特別なPCR産物の蓄積を検出する。Taq-Manアッセイには4種のオリゴヌクレオチドが含まれ、そのうちの2種はPCRプライマーとして働き、検出されるべき多型を包含するPCR産物を生じる。残りの2種はアレル特異的蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)プローブである。FRETプローブは蛍光色素分子とクエンチャー分子が近接した位置に組み入れられており、そのため蛍光色素分子の蛍光が消光される。FRETプローブからのシグナルは、蛍光色素分子がクエンチャーの近傍から放出され、その結果、適切な波長で励起された際に光を放出できるように、FRETオリゴヌクレオチドの分解によって生ずる。このアッセイでは、異なる蛍光レポーター色素を有する2種類のFRETプローブが用いられ、固有の色素が、高い特異性で2つのアレルのうちの一方にのみアニールすることのできるオリゴヌクレオチド中に組み込まれている。有用なレポーター色素としては、6-カルボキシ-4,7,2',7'-テトラクロロフルオレセイン(TET)、2'-クロロ-7'-フェニル-1,4-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(VIC)、および6-カルボキシフルオレセインホスホラミダイト(FAM)が挙げられる。有用なクエンチャーは、6-カルボキシ-N,N,N',N'-テトラメチルローダミン(TAMRA)である。アニールしたFRETプローブは(アニールしていないものはそうはならないが)、TAQ DNAポリメラーゼがアニールされたプローブの5'末端と遭遇すると、該ポリメラーゼによって分解され、その結果、蛍光色素分子が、そのクエンチャーの近傍から放出される。PCR反応の後、2種の蛍光発光物質の各々の蛍光、および陰性対
照の蛍光を蛍光分析で測定する。2種の色素の各々についての蛍光の正規化強度は、サンプル中に開始時から存在する各々のアレルの量に比例し、従って、サンプルの遺伝子型を推論することができる。Taq-Manアッセイ、またはリアルタイムPCRでの蛍光シグナルの検出に用いられる装置の例としては、7500 Real-Time PCR System (Applied Biosystems, Foster City, CA)が挙げられる。
分子ビーコンはステムアンドループ構造を形成しかつ内部に消光される蛍光色素分子を有しているオリゴヌクレオチドプローブである。これらが相補的な標的と結合すると、高次構造遷移を起こし、蛍光を開始させる。これらのプローブは、直鎖状のプローブよりも高い特異性でその標的を認識し、1個のヌクレオチドで互いに異なる標的を容易に区別することができる。この分子のループ部分は、標的核酸に対して相補的なプローブ配列として働く。ステムは、プローブ配列のいずれかの端にある2つの相補的なアーム配列のアニーリングによって形成される。蛍光部分は一方の末端に付着し、非蛍光の消光部分は他方のアームの末端に付着する。このステムハイブリッドは蛍光色素分子とクエンチャーとが互いに近接した位置に保持しているので、蛍光は起こらない。分子ビーコンが標的配列と遭遇すると、ステムハイブリッドよりも強固でより安定なプローブ-標的ハイブリッドが形成される。このプローブは自発的な高次構造の再構築を受け、アーム配列を強制的に引き離し、蛍光色素分子をクエンチャーから分離し、その蛍光色素分子が蛍光するようにする(Bonnetら, 1999)。分子ビーコンの力は、プローブ配列と完全な相補性を有する標的配列とのみハイブリダイズするというその能力にあり、それによって1塩基の差異を検出することができる(Kotaら, Plant Mol. Biol. Rep. 17:363-370(1999)。分子ビーコンによる検出は、例えば、Stratagene(La Jolla, CA)のMx4000 (登録商標) Multiplex Quantitative PCR Systemで行うことができる。
電気的ドットブロットアッセイは、ストレプトアビジン含有のアガロース浸透層で覆われた微小電極のアレイからなる半導体マイクロチップを用いる。ビオチン化したアンプリコンを前記チップにアプライし、正バイアスの直流によって選択パッドに対して電気泳動にかけ、そこでアンプリコンは、浸透層中のストレプトアビジンとの相互作用により、アガロース中に埋め込まれたままとなる。次いで各パッドのDNAを、蛍光標識したアレル特異的オリゴヌクレオチドの混合物とハイブリダイズさせる。次いで単一の塩基対ミスマッチの起こっているプローブは、個々のパッドでアンペア数を上げつつ電荷を逆転させることによって選択的に変性させることができる。そのアレイをデジタルカメラで画像化し、アンペア数を終了まで傾斜させながら蛍光を定量する。蛍光強度は、対象とする領域にわたるピクセルカウント値を平均化することによって求められる(Gillesら, Nature Biotech. 17:365-370(1999))。
ヘテロ二本鎖DNAの認識に基づいた、より新しい方法では変性高速液体クロマトグラフィー(DHPLC)が用いられている。この技術は、高スループットのSNP分析のためにペルティエ冷却の96ウェルオートサンプラーが組み込まれている、高感度で完全に自動化されたアッセイである。この技術はイオン対逆相高速液体クロマトグラフィー法に基づいたものである。このアッセイの中心部分はポリスチレン-ジビニルベンゼン共重合体であり、これは固定相として機能する。移動相は、その後のカラムからのDNAの分離を行うために、イオンペアリング剤、酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)バッファー(これはDNAの固定相への結合を媒介する)、および有機物質であるアセトニトリル(ACN)からなる。CANの線形勾配によってヘテロ二本鎖の存在に基づいて断片を分離する。このようにしてDHPLCは、二本鎖のPCR増幅されたDNA中のミスマッチのヌクレオチド間のヘテロ二本鎖形成を生じさせる突然変異と多型とを同定する。典型的なアッセイでは、配列の変異は、野生型および突然変異型DNAの再アニーリングの間にヘテロ二本鎖およびホモ二本鎖の混合集団を創出する。この混合集団を部分的に変性の起こる温度でDHPLCにより分析すると、ヘテロ二本鎖分子はカラムからホモ二本鎖分子よりも早く溶出され、これはその融点の低下による(Kotaら, Genome 44: 523-528(2001))。SNPをDHPLCで分析するために用いられる装置の1例としては、Transgenomic, Inc.(Omaha, NE)のWAVE(登録商標) HS Systemが挙げられる。
植物遺伝子の発現を高スループットでモニタリングするための、マイクロアレイをベースとした方法を、遺伝マーカーシステムとして用いることができる。この「チップ」をベースとしたアプローチには、植物遺伝子の発現を定量的または定性的に測定するために、遺伝子特異的ハイブリダイゼーションの標的として核酸分子のマイクロアレイを用いることを含んでいる(Schenaら, Science 270:467-470(1995)、その全体を本明細書中に参照により組み入れる;Shalon, Ph.D. Thesis. Stanford University (1996)、その全体を本明細書中に参照により組み入れる)。大きな配列中の全てのヌクレオチドを同時に照会することができる。ハイブリダイゼーションはヌクレオチド配列を効率的に分析するために用いることができる。そのようなマイクロアレイは核酸分子の何らかの組み合わせを用いてプロービングすることができる。プローブとして用いられる核酸分子の特に好ましい組み合わせとしては、既知の組織タイプもしくは既知の生育ステージ、または既知のストレス(環境もしくは人工の)を供した植物、またはそれらの組み合わせからのmRNA分子の集団(例えば、2葉期に水のストレスを与えた葉からのmRNA)が挙げられる。この方法で作成された発現プロフィールはマーカーとして用いることができる。
QTLマッピングの目的にのため、含まれるマーカーは、マッピングの結果生ずる集団についての推論のために、起源について判定できるようなものでなければならない。SNPマーカーはマッピングに理想的であり、それは特定の種の既存の集団内で独立の起源から1つの特定のSNPアレルが由来する可能性が非常に低いことによる。そのようなものとして、SNPマーカーはQTLの遺伝子移入を追跡しかつ支援するのに、特にハプロタイプの場合には、有用である。
さらに別のマーカー分子の遺伝子連鎖は遺伝子マッピングモデルによって確立することができ、そのようなモデルとしては、限定はされないが、LanderとBotstein, Genetics, 121:185-199(1989)で報告されているフランキングマーカーモデル、およびLanderとBotstein, Genetics, 121:185-199(1989)によって報告されている最大尤度に基づいたものでソフトウェアパッケージのMAPMAKER/QTL(LincolnとLander, Mapping Genes Controlling Quantitative Traits Using MAPMAKER/QTL, Whitehead Institute for Biomedical Research, Massachusetts, (1990))で実行されているインターバルマッピングが挙げられる。さらに別のソフトウェアとしては、Qgene, Version 2.23 (1996), Department of Plant Breeding and Biometry, 266 Emerson Hall, Cornell University, Ithaca, NYが挙げられ、そのマニュアルはその全体を本明細書中に参照により組み入れる。Qgeneソフトウェアの使用は特に好ましいアプローチである。
あるマーカーの存在について最尤推定値(MLE)を計算し、それとともに、偽陽性の結果を避けるためにQTLの作用がないものと仮定した場合のMLEも計算する。次いでオッズ比のlog10(LOD)を、LOD=log10(QTLが存在するとしたときのMLE/連結した(linked)QTLがない場合のMLE)として計算する。そのLODスコアは、QTLが存在すると仮定したときに、それが存在しないとしたときに対してどの程度そのデータが生じうるかを実質的に示す。偽陽性を避けるためのLODの閾値は、マーカーの数とゲノムの長さに、所与の信頼性(例えば95%)で依存する。LOD閾値を示しているグラフはLanderとBotstein, Genetics, 121:185-199 (1989)に示されており、さらに、ArusとMoreno-Gonzalez , Plant Breeding, Hayward, Bosemark, Romagosa 編, Chapman & Hall, London, pp. 314-331(1993)で説明されている。
さらに別のモデルも用いることができる。インターバルマッピングに対して多くの改変や代替アプローチが報告されており、それらにはノンパラメトリック法の使用が含まれる(KruglyakとLander, Genetics, 139:1421-1428(1995)、その全体を本明細書中に参照により組み入れる)。重回帰法または重回帰モデルも用いることができ、ここでは形質は多数のマーカーについて回帰される(Jansen, Biometrics in Plant Breed, van Oijen, Jansen 編, Proceedings of the Ninth Meeting of the Eucarpia Section Biometrics in Plant Breeding, The Netherlands, pp. 116-124(1994); WeberとWricke, Advances in Plant Breeding, Blackwell, Berlin, 16(1994))。インターバルマッピングと重回帰分析を組み合わせることにより、表現型を所与のマーカーインターバルの単一の推定QTLに回帰させ、同時に「共因子」として働く多くのマーカーに回帰させる方法が報告されている(JansenとStam, Genetics, 136:1447-1455(1994)、およびZeng, Genetics, 136:1457-1468(1994))。通常は共因子の使用によって推定QTL位置のバイアスとサンプリングエラーが低減し(UtzとMelchinger, Biometrics in Plant Breeding, van Oijen, Jansen編, Proceedings of the Ninth Meeting of the Eucarpia Section Biometrics in Plant Breeding, The Netherlands, pp.195-204 (1994))、それによってQTLマッピングの精度と効率が改善される(Zeng, Genetics, 136:1457-1468(1994))。これらのモデルは複数の環境実験にも拡張して遺伝子型-環境相互作用を分析することができる(Jansenら, Theo. Appl. Genet. 91:33-37(1995))。
適切なマッピング集団の選択は構造をマッピングするために重要である。適切なマッピング集団の選択は用いるマーカーシステムのタイプによって変わる(Tanksleyら, Molecular mapping of plant chromosomes. chromosome structure and function: Impact of new concepts, J.P., Gustafson とR. Appels編, Plenum Press, New York, pp.157-173(1988)、その全体を本明細書中に参照により組み入れる)。マッピング集団に用いられる親のソース(適応型vs外来)について考慮しなければならない。染色体の対合および組換え率は、遠縁交配(適応型vs外来)の場合には大きく妨害(抑制)され、通常は連鎖の距離を大きく減少させる。遠縁交配は、近縁交配(適応型x適応型)での子孫と比較して、比較的大きなアレイの多型を有する分離集団をもたらすことが多い。
F2集団は、ハイブリッド種子が産生された後の自殖の第1世代である。通常は単一のF1植物を自殖させて全ての遺伝子がメンデル(1:2:1)様式で分離した集団が作られる。最大の遺伝子情報は共優性マーカーシステムを用いて完全に分類されたF2集団から得られる(Mather, Measurement of Linkage in Heredity: Methuen and Co., (1938)、その全体を本明細書中に参照により組み入れる)。優性マーカーの場合には、ヘテロ接合体を同定し、それによって完全に分類されたF2集団と同等なものとするために子孫試験(例えばF3、BCF2)を必要とする。しかし、この方法は子孫の試験にかかる費用と時間のゆえに、行えないことが多い。F2の個体の子孫試験はマップ構築に用いられることが多いが、その場合、表現型が一貫して遺伝子型(例えば病害耐性)を反映していないか、または形質発現がQTLによって制御されている。子孫試験の集団(例えば、F3またはBCF2)からの分離データをマップ構築に用いることができる。次いで、マーカー-形質マップ相関(F2, F3)に基づいて子孫の交配にマーカー補助選択を適用することができ、その場合、連鎖群は組換えイベントによって完全には分離していない(すなわち、最大の不均衡)。
組換え近交系(RIL)(遺伝的に関連する系統;通常>F5、F2系統をホモ接合となるまで継続的に自殖することで得られる)をマッピング集団として用いることができる。優性マーカーから得られた情報を、RILを用いることによって最大化しうるが、それは全ての遺伝子座がホモ接合またはほぼホモ接合であるためである。密な連鎖の条件下(すなわち、約<10%組換え)では、RIL集団で評価された優性および共優性のマーカーは、戻し交配の集団内のいずれのマーカーよりも固体当たりより多くの情報を提供する(Reiterら, Proc. Natl. Acad. Sci. (U.S.A.), 89:1477-1482(1992)。しかし、マーカー間の距離が大きくなるにつれて(すなわち、遺伝子座がより独立的となるにつれて)、RIL集団内の情報は共優性マーカーと比較して劇的に減少する。
戻し交配集団(例えば、成功を収めた品種(反復親)および反復親には存在しない形質を有する別の品種(供与親)の交配から得られる)をマッピング集団として用いることができる。反復親への一連の戻し交配はその望ましい形質のほとんどを回復させることができる。このように、反復親とかなり似ている個体からなる集団が作出されるが、各個体は供与親からの様々な量の、またはモザイク状のゲノム領域を有している。戻し交配集団は、反復親中の全ての遺伝子座がホモ接合であり、供与親と反復親とが対照的な多型マーカーアレルを有している場合には、優性マーカーのマッピングに有用でありうる(Reiterら, Proc. Natl. Acad. Sci. (U.S.A.), 89:1477-1481(1992))。共優性または優性マーカーのいずれかを用いて戻し交配集団から得られた情報はF2集団から得られる情報よりも少ないが、それは2つではなく1つの組換え配偶子が植物体ごとにサンプル採取されるからである。しかし、RIL集団では連鎖している遺伝子座間の距離が増大しているので、戻し交配集団は、RILと比較すると、(低いマーカー飽和度で)より情報量が多い。組換えの増加は、密な連鎖の解明には有益なものとなりうるが、マーカー飽和度の低いマップの構築には望ましくないかもしれない。
調査中の形質またはゲノム領域を除いて遺伝子組成がほぼ同一な個体のアレイを作るために、多数の戻し交配によって作出された準同質遺伝子系統(NIL)を、マッピング集団として用いることができる。NILを用いたマッピングでは、多型を示す遺伝子座の一部のみが、選択された領域へマップされるものと考えられる。
バルクセグレガント分析(Bulk segregant analysis(BSA))は、対象とする形質とマーカーとの間の連結(linkage)の迅速な同定のために開発された方法である(Michelmoreら、Proc. Natl. Acad. Sci. (U.S.A.) 88:9828-9832(1991))。BSAでは、単一の交配を起源とする分離集団から2つのバルクDNAサンプルをとる。これらのバルクは、ある特定の形質(特定の病害に対する耐性もしくは感受性)またはゲノム領域について同一であるが、連結していない(unlinked)領域については任意(すなわちヘテロ接合)である個体を含んでいる。標的領域に連結していない領域は、BSAにおいて多数の個体のバルクサンプル間で差異はない。
伝統的なQTLマッピングの代替には、個々のマーカーに対して、ハプロタイプをマッピングすることによってより高い分解能を達成することが含まれる(Fanら, 2006, Genetics)。このアプローチは、多型マーカーによって定義され、マッピング集団中で家系が同一であると仮定される、ハプロタイプとして知られているDNAのブロックを追跡する。この仮定は、より大きな有効サンプルサイズをもたらし、QTLの分解能がより高くなる。表現型と遺伝子型(この場合はハプロタイプである)との間の相関の統計的有意性を決定する方法は、当業界で既知の統計的検定のいずれかによって、必要とされている統計的有意性の許容される任意の閾値で、決定することができる。特定の方法と有意性の閾値の適用は、十分に当業者の技術の範囲内である。
本発明のSNPマーカーは、ASR耐性遺伝子座 1、ASR耐性遺伝子座 2、ASR耐性遺伝子座 3、ASR耐性遺伝子座 4、ASR耐性遺伝子座 5、ASR耐性遺伝子座 6、ASR耐性遺伝子座 7、ASR耐性遺伝子座 8、ASR耐性遺伝子座 9、ASR耐性遺伝子座 10、ASR耐性遺伝子座 11、ASR耐性遺伝子座 12、およびASR耐性遺伝子座 13に関連する連鎖群上にも位置しているQTLのアレルを単離又は実質的に精製するために使用することができる。この領域を横断するクローンの重複シリーズ(クローンコンティグ)の構築は、ASR耐性遺伝子座 1、ASR耐性遺伝子座 2、ASR耐性遺伝子座 3、ASR耐性遺伝子座 4、ASR耐性遺伝子座 5、ASR耐性遺伝子座 6、ASR耐性遺伝子座 7、ASR耐性遺伝子座 8、ASR耐性遺伝子座 9、ASR耐性遺伝子座 10、ASR耐性遺伝子座 11、ASR耐性遺伝子座 12、およびASR耐性遺伝子座 13に関連する連鎖群上に位置している真菌病害耐性QTLのアレルを包含している物理マップの基礎を提供することができる。酵母人工染色体(YAC)クローニングシステムは、染色体ウォーキングとラージサイズのクローニング戦略を容易にしている。本発明のマーカーを利用する配列タグ部位(STS)含量アプローチは、複数の染色体領域を横断するYACクローンの構築のために用いることができる。YACマップの構築へのこのようなSTS含量アプローチは、ASR耐性遺伝子座 1、ASR耐性遺伝子座 2、ASR耐性遺伝子座 3、ASR耐性遺伝子座 4、ASR耐性遺伝子座 5、ASR耐性遺伝子座 6、ASR耐性遺伝子座 7、ASR耐性遺伝子座 8、ASR耐性遺伝子座 9、ASR耐性遺伝子座 10、ASR耐性遺伝子座 11、ASR耐性遺伝子座 12、およびASR耐性遺伝子座 13に関連する連鎖群上にも位置しているQTLのアレルを含む、任意の染色体領域の詳細かつ順序付けられたSTSベースのマップを提供することができる。YACマップは詳細な物理的マップによって補完することができるが、そのYACマップは、BAC、PAC、または70kb〜数百kbのサイズのインサートを含んでいるバクテリオファージP1クローンを用いることによって、その領域にわたって構築される((Cregan, Theor. Appl.Gen. 78:919-928(1999); Sternberg, Proc. Natl. Acad. Sci. 87:103-107(1990); Sternberg, Trends Genet. 8:11-16(1992); Sternbergら, New Biol. 2:151-162(1990); Ioannouら, Nat. Genet. 6:84-89(1994); Shizuyaら, Proc. Natl. Acad. Sci. 89:8794-8797(1992)、これらはその全体を本明細書中に参照により組み入れる)。
クローンの重複セットは、本発明の入手可能なマーカーを使用してBAC、PAC、バクテリオファージP1、またはコスミドライブラリーをスクリーニングすることによって誘導される。さらに、YACマップをBAC、PAC、バクテリオファージP1、またはコスミドコンティグマップへと変換するためにハイブリダイゼーションアプローチを用いることができる。YACの全体およびinter-Alu-PCRの産物、ならびに適切なSTSからのプライマー配列を、BAC、PAC、バクテリオファージP1、またはコスミドライブラリーをスクリーニングするために用いることができる。STS含量情報およびフィンガープリンティングアプローチを用いて、任意の領域について単離されたクローンをコンティグ中にアセンブルすることができる(Sulstonら, Comput. Appl. Biosci. 4:125-132(1988))。
異なる核酸配列に同一のタンパク質またはペプチドをコードさせるのを可能にする遺伝子コードの縮重は、文献で知られている。本発明において、核酸分子が他方の核酸分子と同一のアミノ酸配列をコードするが異なるヌクレオチド配列を含む場合に、該核酸分子は他方の核酸分子の縮重体である。本発明の1態様では、本発明の核酸分子には、量的形質アレルのタンパク質をコードする核酸分子の縮重体である核酸分子が含まれる。
本発明の別の1態様では、本発明の核酸分子には、QTLに関連する1種以上のタンパク質をコードする核酸分子のホモログである核酸分子が含まれる。
外因性の遺伝物質は、DNA植物形質転換ベクターまたはそのような目的で設計された構築物を用いて植物中に移入することができる。特に好ましい外因性物質のサブグループは、本発明の核酸分子を含んでいる。そのようなベクターの設計は通常は当業者の技術の範囲内である(Plant Molecular Biology: A Laboratory Manual, Clark編, Springer, New York(1997)参照)。そのような植物の例としては、限定はされないが、アルファルファ、シロイヌナズナ、オオムギ、アブラナ、ブロッコリー、キャベツ、かんきつ類、綿、ニンニク、オートムギ、ナタネ、タマネギ、キャノーラ、亜麻、トウモロコシ、観賞植物、エンドウマメ、落花生、コショウ、ジャガイモ、イネ、ライムギ、ソルガム、ダイズ、イチゴ、サトウキビ、サトウダイコン、トマト、コムギ、ポプラ、マツ、モミ、ユーカリ、リンゴ、レタス、ヒラマメ、ブドウ、バナナ、茶、芝草、ヒマワリ、アブラヤシ、インゲンマメなどが挙げられる。
構築物またはベクターは、本発明の真菌病害耐性QTLの内因性プロモーターを含むことができる。真菌病害耐性の特性は、同定されたQTLタンパク質を内因性のプロモーターで発現させることによって最も良く達成することができる。あるいはまた、選んだタンパク質またはタンパク質断片を発現させるために異種プロモーターを選択することができる。これらのプロモーターは真菌病害耐性QTLに対応するタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列に機能しうる形で連結させることができる。異種プロモーターは、成熟または開花の時点(真菌病害耐性形質に影響を及ぼすパラメーターに決定的に重要でありうる所望のタンパク質の発現のタイミング)に基づいて選択されたものであることができる。真菌病害耐性QTLの効果的な発現には、同様に、特定の組織タイプ中で発現するプロモーターが必要でありうる。
あるいはまた、それらのプロモーターは他の核酸配列、例えば輸送ペプチド、選択マーカータンパク質、またはアンチセンス配列などをコードするものなど、と機能しうる形で連結させることができる。それらのプロモーターは、ベクターが挿入される細胞タイプに基づいて、または細胞タイプの調節の特徴に基づいて選択することができる。そのような特徴の例としては、転写活性の増強、誘導能、組織特異性、および発育ステージの特異性が挙げられる。植物では、誘導性の、ウイルスのまたは合成の、構成的に活性な、時間的に調節される、および空間的に調節されるプロモーターが報告されている(Poszkowskiら, EMBO J., 3: 2719(1989); Odellら, Nature, 313:810, 1985; Chauら, Science, 244:174-181(1989))。よく用いられる構成的プロモーターとしては、CaMV 35Sプロモーター(Odellら, Nature, 313:810(1985))、強化CaMV 35Sプロモーター、ゴマノハグサモザイクウイルス(Figwort Mosaic Virus)(FMV)プロモーター(Richinsら, Nucleic Acids Res. 20: 8451(1987))、ノパリン合成酵素(nos)プロモーター(Shawら, Nucleic Acids Res. 12: 7831-7846(1984))、およびオクトピン合成酵素(ocs)プロモーターが挙げられる。
有用な誘導性プロモーターとしては、サリチル酸またはポリアクリル酸で誘導されるプロモーター(PR-1; Williamsら, Biotechnology 10:540-543(1992))、安全化剤(safener)の適用で誘導されるプロモーター(置換ベンゼンスルホンアミド除草剤; HersheyとStoner, Plant Mol. Biol. 17:679-690(1991))、熱ショックプロモーター(Ou-Leeら, Proc. Natl. Acad. Sci U.S.A. 83:6815, 1986; Ainleyら, Plant Mol. Biol. 14:949 (1990))、ホウレンソウ硝酸還元酵素の転写可能なポリヌクレオチド配列由来の硝酸誘導性プロモーター(Backら, Plant Mol. Biol. 17: 9 (1991))、ホルモン誘導性プロモーター(Yamaguchi-Shinozakiら, Plant Mol. Biol. 15:905(1990))、およびRuBPカルボキシラーゼの小サブユニットおよびLHCPファミリーと関連する光誘導性プロモーター(Kuhlemeierら, Plant Cell 1:471(1989); Feinbaumら, Mol. Gen. Genet. 226:449-456(1991); Weisshaarら, EMBO J. 10:1777-1786(1991); LamとChua, J. Biol. Chem. 266:17131-17135(1990); Castresanaら, EMBO J. 7:1929-1936(1988); Schulze-Lefertら, EMBO J. 8:651(1989))が挙げられる。
組換えベクター中で特に好ましいプロモーターとしては、ノパリン合成酵素(NOS)プロモーター(Ebertら, 1987)、オクトピン合成酵素(OCS)プロモーター(これはアグロバクテリウム・チュメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)の腫瘍誘導性プラスミド上に保持される)、カリモウイルスプロモーター、例えばカリフラワーモザイクウイルス(CaMV)19Sプロモーター(Lawtonら, 1987)、CaMV 35Sプロモーター(Odellら, 1985)、ゴマノハグサモザイクウイルス35S プロモーター(Walkerら, 1987)、リブロース-1.5-ビスホスフェートカルボキシラーゼの小サブユニット(ssRUBISCO)由来の光誘導性プロモーター、タバコ由来のEIF-4Aプロモーター(Mandelら, Plant Mol. Biol, 29:995-1004(1995))、シロイヌナズナ由来のキチナーゼプロモーター(Samacら, Plant Cell, 3:1063-1072(1991))、ブロッコリー由来のLTP(脂質輸送タンパク質)プロモーター(Pyeeら, Plant J., 7:49-59(1995))、ペチュニアのカルコンイソメラーゼ(Van Tunenら, EMBO J. 7: 1257(1988))、マメのグリシンリッチタンパク質1 (Kellerら, EMBO L., 8:1309-1314(1989))、ジャガイモパタチン(Wenzlerら, Plant Mol. Biol., 12:41-50(1989)、シロイヌナズナのアクチン7プロモーター(GenbankアクセッションU27811.1、GI:1002528、17-APR-1997、およびPCT出願WO0144457A2、その全体を本明細書中に参照により組み入れる)、シロイヌナズナのアクチン8プロモーター(Anら, Plant J. 10:107-121(1996)およびPCT出願WO0144457A2)、シロイヌナズナRubisco小サブユニット4プロモーター(Krebbersら, Plant Mol. Biol. 11:745-759(1988))、アブラナのナピン遺伝子プロモーター(米国特許第5,420,034号、その全体を本明細書中に参照により組み入れる)、シロイヌナズナSuc2プロモーター(Truernitら, Planta 196:564-570(1995))、シロイヌナズナ伸長因子EF-1 αプロモーター(Axelosら, Mol. Gen. Genet. 219:106-112(1989))、およびグリシン・マックス7sα β-コングリシンプロモーターSphas(Doyleら, J. Biol. Chem. 261:9228-9238(1986))が挙げられる。
本発明の構築物はまた、追加の5'非翻訳領域(5'UTR)またはmRNAポリヌクレオチド分子のリーダー、または翻訳の開始に重要な役割を果たしうる遺伝子を含むことができる。いくつかの5'UTRは翻訳エンハンサーとして作用し、また、組換えベクターの部分として組み入れることもできる。例えば、熱ショックタンパク質遺伝子由来の非翻訳5'リーダーポリヌクレオチド分子は植物内での遺伝子発現を増強することが示されている(例えば、米国特許第5,659,122号(その全体を本明細書中に参照により組み入れる)、および米国特許第5,362,865号(その全体を本明細書中に参照により組み入れる)を参照)。このように、組換えベクターは核酸配列の発現を増強するように働く1つ以上の5'非翻訳リーダー配列を含むことが好ましい。そのようなエンハンサー配列は、結果として得られたmRNAの翻訳効率を増大または変化させるために望ましいかもしれない。好ましい5'核酸配列としては、シロイヌナズナアクチン7リーダー(GenbankアクセッションU27811.1、GI:1002528、17-APR-1997、およびPCT出願WO0144457A2、その全体を本明細書中に参照により組み入れる)、シロイヌナズナアクチン8リーダー(Anら, Plant J. 10:107-121(1996)、およびPCT出願WO0144457A2)、シロイヌナズナRubisco 小サブユニット4リーダー(Krebbersら, Plant Mol. Biol. 11:745-759(1988))、アブラナナピン遺伝子リーダー(米国特許第5,420,034号、その全体を本明細書中に参照により組み入れる)、シロイヌナズナSuc2リーダー(Truernitら, Planta 196:564-570(1995))、ペチュニア・ハイブリダ(Petunia hybrida)Hsp70遺伝子リーダー(Winterら, Mol. Gen. Genet. 211:315-319(1988))、シロイヌナズナEPSPS遺伝子リーダー(Kleeら, Mol. Gen. Genet. 210:437-442(1987))、シロイヌナズナ伸長因子EF-1αリーダー(Axelosら, Mol. Gen. Genet. 219:106-112(1989))、およびグリシン・マックス7sα β-コングリシンリーダー(Doyleら, J. Biol. Chem. 261:9228-9238(1986))が挙げられる。これらの付加的な上流の調節ポリヌクレオチド分子は、天然のまたはその構築物上に存在する他のエレメントとは異種のソースに由来することができる。
さらに、構築物には植物遺伝子の3'非翻訳領域(3'UTR)由来の追加の調節ポリヌクレオチド分子を含むことができる。3'UTRまたはターミネーターは典型的には、転写終結シグナル、およびポリアデニル化シグナル(植物ではmRNAの3'末端へのアデニル酸ヌクレオチドの付加を引き起こす機能を有する)を提供する。通常は、ポリアデニル化部位の数百塩基対下流に位置する核酸配列が転写終結に資する。さらに、いくつかの3'UTRは、ジャガイモプロテイナーゼインヒビターII遺伝子3'UTRのように、mRNAの安定性の増大などの追加の特性を提供する(Anら, The Plant Cell 1:115-122(1989))。その他の3'UTRはmRNAの分解を増大させる配列、例えば動物細胞中でmRNAの安定性低下に寄与することが示されている5'-UUAUUUAUU-3'モチーフ(Zubiagaら, Mol. Cell Biol. 15:2219-2230(1995))を提供することができる。これらの追加の下流調節ポリヌクレオチド分子は、天然のまたはその構築物上に存在する他のエレメントとは異種のソースに由来することができる。
好ましい3'UTRまたはターミネーターは、ジャガイモプロテイナーゼインヒビターII遺伝子3'UTR(Anら, The Plant Cell 1:115-122(1989))、エンドウマメRubisco小サブユニットE9 ターミネーター(Coruzziら, EMBO J. 3:1671-1679(1984))、カリフラワーモザイクウイルスウイルス35Sターミネーター、アブラナナピン遺伝子ターミネーター(米国特許第5,420,034号)、グリシン・マックス7sα β-コングリシン遺伝子ターミネーター(Doyleら, J. Biol. Chem. 261:9228-9238(1986))、ファゼオウルス・ブルガリス(Phaseoulus vulgaris)Arc5ターミネーター(Goossensら, Eur. J. Biochem. 225:787-795(1994))、アグロバクテリウム・チュメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)ノパリン合成酵素ターミネーター(Rojiyaaら, 1987, GenbankアクセッションE01312および米国特許出願第US20020192813A1号、その全体を本明細書中に参照により組み入れる)、およびグリシン・マックスADR12遺伝子ターミネーター(Dattaら, Plant Mol. Biol. 21:859-869(1993))が挙げられる。
ベクターまたは構築物は、特定の遺伝子のイントロン由来の調節エレメントをさらに含むことができる。そのようなものの例としては、Adhイントロン1 (Callisら, Genes and Develop. 1:1183-1200(1987)、ショ糖合成酵素イントロン(Vasilら, Plant Physiol. 91:1575-1579(1989)、およびTMVωエレメント(Gallieら, The Plant Cell 1:301-311(1989))が挙げられる。好ましいイントロンは、シロイヌナズナアクチン7イントロン(GenbankアクセッションU27811.1、GI:1002528、17-APR-1997 、およびPCT出願WO200144457A2、その全体を本明細書中に参照により組み入れる)、シロイヌナズナアクチン8イントロン(Anら, Plant J. 10:107-121(1996)、およびPCT出願WO200144457A2)、およびシロイヌナズナ伸長因子EF-1αイントロン(Axelosら, Mol. Gen. Genet. 219:106-112(1989))である。これらのおよび他の調節エレメントを、適切な場合に含めることができる。
ベクターまたは構築物はまた、選択マーカーを含むことができる。選択マーカーは外因性の遺伝物質を含んでいる植物または植物細胞を選択するために用いることができる。そのようなものの例としては、限定はされないが、neo遺伝子(Potrykusら, Mol. Gen. Genet. 199:183-188(1985))(この遺伝子はカナマイシン耐性をコードし、カナマイシン、G418などを用いて選択することができる);bar遺伝子(ビアラホス耐性をコードする);突然変異型EPSP合成酵素遺伝子(Hincheeら, Bio/Technology 6:915-922(1988))(これはグリホサート耐性をコードする);ニトリラーゼ遺伝子(これはブロモキシニルに対する耐性を付与する)(Stalkerら, J. Biol. Chem. 263:6310-6314(1988));突然変異型アセト乳酸合成酵素遺伝子(ALS)(これはイミダゾリノン耐性またはスルホニルウレア耐性を付与する)(例えば、米国特許第6,222,100号、その全体を本明細書中に参照により組み入れる);メトトレキサート耐性DHFR遺伝子(Thilletら, J. Biol. Chem. 263:12500-12508(1988));ジカンバ(Dicamba)耐性(これは例えばシュードモナス・マルトフィリア(Pseudomonas maltophilia)由来のジカンバモノオキシゲナーゼ(DMO)の遺伝子によって付与される)(米国特許出願第20030135879号、その全体を本明細書中に参照により組み入れる)が挙げられる。
ベクターまたは構築物はまた、スクリーニング可能なマーカーを含むことができる。スクリーニング可能なマーカーは発現をモニターするために用いることができる。スクリーニング可能なマーカーの例としては、β-グルクロニダーゼまたはuidA遺伝子(GUS)(これはその基質として様々な発色基質が知られる酵素をコードする(Jefferson, Plant Mol. Biol, Rep. 5:387-405(1987)、その全体を本明細書中に参照により組み入れる;Jeffersonら, EMBO J. 6:3901-3907(1987)、その全体を本明細書中に参照により組み入れる);植物組織中でアントシアニン色素(赤色)の産生を調節する産物をコードするR遺伝子座の遺伝子(Dellaportaら, Stadler Symposium 11:263-282 (1988)、その全体を本明細書中に参照により組み入れる);β-ラクタマーゼ遺伝子(Sutcliffeら, Proc. Natl. Acad. Sci. (U.S.A.) 75:3737-3741(1978)、その全体を本明細書中に参照により組み入れる)、その基質として様々な発色基質が知られる酵素をコードする遺伝子(例えば、発色性のセファロスポリンであるPADAC);ルシフェラーゼ遺伝子(Owら, Science 234:856-859(1986)、その全体を本明細書中に参照により組み入れる);xylE遺伝子(Zukowskyら, Proc. Natl. Acad. Sci. (U.S.A.) 80:1101-1105(1983)、その全体を本明細書中に参照により組み入れる)(この遺伝子は発色性のカテコールを変換することのできるカテコールジオキシゲナーゼをコードする);α-アミラーゼ遺伝子(Ikatuら, Bio/Technol. 8:241-242(1990)、その全体を本明細書中に参照により組み入れる);チロシナーゼ遺伝子(Katzら, J. Gen. Microbiol. 129:2703-2714(1983)、その全体を本明細書中に参照により組み入れる)(この遺伝子はチロシンをDOPAおよびドーパキノン(これは次にメラニンへと凝縮する)へと酸化することができる酵素をコードする);およびα-ガラクトシダーゼが挙げられる。
植物にトランス遺伝子を導入するための当業界で既知のいかなる技術を、本発明に従って真菌病害に耐性の植物を作製するために用いることができる。植物の形質転換に適した方法には、実質的に、DNAを細胞内に導入することのできるいかなる方法も含まれると考えられ、そのような方法としては、米国特許第5,384,253号に記載のエレクトロポレーション法;米国特許第5,015,580号、第5,550,318号、第5,538,880号、第6,160,208号、第6,399,861号および第6,403,865号に記載の微粒子衝突法;米国特許第5,635,055号、第5,824,877号、第5,591,616号、第5,981,840号および第6,384,301号に記載のアグロバクテリウム媒介形質転換法;ならびに米国特許第5,508,184号に記載の原形質形質転換法などが挙げられる。上記のものなどの技術を応用することによって、実質的にどのような植物種の細胞も安定に形質転換することができ、それらの細胞を生育させてトランスジェニック植物を作ることができる。綿の形質転換に有用な技術については米国特許第5,846.797号、第5,159,135号、第 5,004,863号、および第6,624,344号に開示されている;アブラナ属植物の形質転換のための技術は、例えば、米国特許第5,750,871号中に開示されている;また、ダイズの形質転換のための技術は、例えば、Zhangら(Plant Cell Tissue Organ Cult 56:37-46(1999))および米国特許第6,384,301号中に開示されている。
本発明についてここまでに一般的な説明を行ってきており、そのことは下記の実施例を参照することによってより容易に理解されるが、これらの実施例は説明のために提示するものであり、特に断らない限りは本発明を限定することを意図していない。
(実施例)
ASR耐性遺伝子座を含んでいる準同質遺伝子系統の育種
ダイズの遺伝子連鎖地図の20個の連鎖群にわたって無作為に分布する1400個の一塩基多型(SNP)マーカーを、ASR耐性遺伝子座1に強く連鎖しているSNPマーカーの同定に用いた。準同室遺伝子系統(NIL)からなるダイズ系統のパネルは、Williams 82とASR耐性遺伝子座1の供与親であるPI 200492との交配から作製した。PI 200492の派生系統を、Williams 82とPI 200492間で多型を示したSNPマーカーの同定に用いた。次いでこれらの多型SNPマーカーを、分離戻し交配集団であるL85-2378を用いてASR耐性遺伝子座1の地図上の位置を同定するために用いた。L85-2378は、Williams 82とPI 200492とを交配し、Williams 82の5回の戻し交配サイクルまたは実質的にこれを6回行うことによって得て、Williams 82の望ましい形質の大部分を回復させた。従って、L85-2378は、その反復親であるWilliams 82とほぼ同様な個体からなるものとして創出されたが、個々のNILはそれぞれ供与親であるPI 200492からの様々な量のゲノム領域またはモザイクのゲノム領域を有している。
その集団全体を上記で同定した多型SNPマーカーを用いて遺伝子型を調べた後、温室アッセイを用いてダイズサビ病耐性について評価した。SNPマーカー遺伝子型とダイズサビ病耐性表現型との関連性を評価した。ASR耐性遺伝子座1病害表現型応答と高い連鎖不均衡の見出されたSNPマーカーは、NS0093250、NS0119710、NS0103004、NS0099454、NS0102630、NS0102915、NS0102913、NS0123728、NS0129943、NS0102168、NS0092723、NS0098177、NS0127343、およびNS0101121であり、表1に配列番号67〜80として示している。これらのSNPマーカーは全て、公表されているダイズ遺伝子連鎖地図の連鎖群G上の領域に位置している。表1は、これらのSNPマーカーに対応するPCR増幅プライマーの配列を配列番号1〜28として、プローブの配列を配列番号100〜127として列挙している。2種のSNPマーカーがASR耐性遺伝子座1の陽性遺伝子移入をモニターするのに有用であることが見出され、それらはSNPマーカーNSO102913およびNSO129943に相当し、それぞれ配列番号73および配列番号75に対応する。
Alabamaからのダイズサビ病単離株に対するASR耐性遺伝子座1の有効性は次のF2:3集団でも評価した:AG4403 x PI 200492、AG3302 x PI 200492、AG3201 x PI 200492、AG26932 x PI 200492、AG2402 x PI 200492。これらの各集団で、3:1の分離比が観察され、これは単一の優性遺伝子の遺伝パターンを示している。
ASR耐性遺伝子座1について記載した方法に従って、ASR耐性遺伝子座3の位置を、Williams 82と供与親であるPI 462312との間で交配させ、その後のWilliamsの5回の戻し交配サイクル、または実質的にこれを6回行うことで生じさせたNIL(これはWilliams 82の望ましい形質の大部分が回復された)を用いて調べた。従って、L85-2378は、その反復親であるWilliams 82とほぼ同様な個体からなるものとして創出されたが、個々の準同質遺伝子系統は各々が、供与親であるPI 200492からの様々な量のゲノム領域またはモザイクのゲノム領域を有している。その集団全体を上記で同定した多型SNPマーカーのセットを用いて遺伝子型決定した後、温室アッセイを用いてダイズサビ病耐性について評価した。SNPマーカー遺伝子型とダイズサビ病耐性表現型との関連性を評価した。ASR耐性遺伝子座3と高い連鎖不均衡の見出されたSNPマーカーは、NS0099746、NS0123747、NS0126598、NS0128378、NS0096829、NS0125408、NS0098902、NS0099529、NS0097798、NS0137477、NS0095322、NS0136101、およびNS0098992であり、表1に配列番号81〜93として示している。これらのマーカーは全て、公表されているダイズ遺伝子地図のLG C2に位置している。表1は、これらのSNPマーカーに対応するPCR増幅プライマーの配列を配列番号29〜54に、プローブの配列を配列番号128〜153に示している。ASR耐性遺伝子座3の遺伝子移入をモニターするために用いたマーカーはSNPマーカーNSO 137477に対応し、これは配列番号90として示している。ASR耐性遺伝子座3の推定位置を確認するために、分離F3:4集団を、AVRDC-8とAG4403の交配で得た。AVRDC-8は台湾のAsian Vegetable Research and Development CenterがAnkur(ASR耐性遺伝子座3を含んでいる系統)とPI 230970(ASR耐性遺伝子座2の供与体)を交配させることによって得た系統である。この集団は現在、ASR耐性遺伝子座3の位置を確認するために、SNPマーカーについて遺伝子型決定され、Loxley, ALからのダイズサビ病単離株に対する耐性反応について評価されているところである。
その後、ASR耐性遺伝子座2とASR耐性遺伝子座4のおおよその位置は、ASR耐性遺伝子座2またはASR耐性遺伝子座4のいずれかを含んでいることが知られるPI系統PI 230970、PI 459025B(それぞれASR耐性遺伝子座2とASR耐性遺伝子座4の供与体)、およびいずれかのQTLを含んでいることが文献に報告されているその他の系統、のパネル間の多型の検討に基づいて決定された。この多型性の検討に基づいて、ASR耐性遺伝子座近傍の多型SNPマーカーは全て候補領域である。ASR耐性遺伝子座2については、2箇所の候補領域が同定され、この遺伝子座は、連鎖群J上の、病害耐性クラスターBrown Stem Rod、Soybean Cyst Nematode耐性、およびFrog Eye Leaf Spot内またはその近位、または連鎖群N内に位置している可能性が最も高い。ASR耐性遺伝子座4はおそらく連鎖群N上に位置している。
表1.ASR耐性遺伝子座1およびASR耐性遺伝子座3の同定および選択のためのSNPマーカー
Figure 2009538137
胞子の採取と増殖
ファコプソラ・パチリジ(Phakopsora pachyrhini)からのアジア型ダイズサビ病の夏胞子をMonsanto Loxley Agronomy station(Loxley, AL)で、感染植物から収集した(本明細書ではLoxley株と呼ぶ)。
ダイズ植物の葉の下側に、0.01% Tween-20を含有する水中に懸濁した胞子を噴霧することによって接種した。病変の発生は約7から10日目に拡大せずに肉眼で認められ、感染後12日から14日目には胞子形成が認められた。感染植物から胞子を採取し、Tween 20を0.01%含有する滅菌脱イオン水中に再懸濁した。胞子の濃度は血球計を用いて測定した。
分離した葉のアジア型ダイズサビ病耐性についてのアッセイ
2種類のタイプの葉組織でASR病害表現型について評価した。出芽の7日から10日後の単葉の葉、または出芽の21日から28日後のV3 三つ葉を評価した。土壌からの出芽の約2日後、ダイズ植物は1組の単葉を有しており、それは約5日後には完全に展開し、第1の「本葉」を構成する。出芽の約7日後、三つ葉の葉が出現する(1つの葉柄の末端で3枚の葉を含む)。3セットの葉が順次出芽し、最初の三つ葉はV1ステージと呼ばれ、出芽後10日目に完全に広がる。次の2つのVステージは1週間の間隔で起こる。特に、これらの葉の接種は葉が開きかつ硬化してから、すなわち、新しくも緑でもない葉で行われる。単葉は非常に急速に硬化する傾向があり、出芽の約8〜10日後には硬化するが、V2およびV3の三つ葉は出芽後24〜28日後に至るまで完全には開かないことがある。
3枚の直径3.2 cmのWatmann #1ろ紙を6ウェルの組織培養プレートの6ウェルの各々に置く(ウェルの容積は15.5 mL)。葉を3 cm x 3 cmの小片に切り、Watmannろ紙上に、底部(気孔のある側)を上向けにして置く。約2.0mLの滅菌脱イオン水を6ウェルの組織培養プレートの各ウェルに入れる。ファコプソラ・パチリジ(Phakopsora pchyrhizi)からのアジア型ダイズサビ病夏胞子を、Tween 20を0.01%含有する滅菌脱イオン水中に1mL当たり1X105個の夏胞子の濃度で懸濁する。約50μLの胞子懸濁液をコンプレッサー(Model TC-20, Airbrush Depot, San Diego, CA)を備えたエアブラシ(Model Badger 155 Anthem, Badger Air Brush Co., Franklin Park, IL)を1kg/cm2の設定で用いて葉の断片各々に適用し、湿潤化する。次いでこの6ウェルのプレートをパラフィルムでシールして22℃、光周期を12時間にセットした生育室に置く。プレートは、病害の進行をモニターするためにおよびウェルが乾燥していないことを保証するために2または3日毎にチェックする。必要に応じてウェルに脱イオン水を添加してもとの液量に戻すかまたはインキュベーターの相対湿度を約80%に調整する。病変の発生の初期症状は、接種の約3日から5日後に解剖顕微鏡で明らかになるはずである。胞子形成性病変は接種後9日から14日後には明らかになるはずである。ダイズサビ病重症度スコアの平均は多数回の試行から計算される。サビ病の重症度スコアは1から5の評価尺度を用いる;1-免疫のある状態、2-葉の面積の50%未満にわたって赤色/茶色の病変が認められる、3-葉の面積の50%以上にわたって赤色/茶色の病変が認められる、4-葉の面積の50%未満にわたって褐色の病変が認められる、および5-葉の面積の50%以上にわたって褐色の病斑が認められる。葉の切片はこのアッセイでは最長で2ヶ月まで生存し続けることができる。
アジア型ダイズサビ病に感受性のダイズであるLee 74を用いた実験では、実施した各アッセイで一貫して高レベルの感染が認められた。さらに耐性を有すると推定される遺伝資源を評価する実験では、表2に示すとおり、耐性を感受性アクセッションと区別することができた。アクセッションPI 200487は遅延型サビ病(slow rust)耐性の表現型であることが示された。PI 200487で同定された耐性遺伝子座の優良な遺伝資源への遺伝子移入に用いられるマーカーの同定が行われている。
さらに、単葉および三つ葉の葉組織のASR評価の比較は、種子からデータポイントに至るまでに三つ葉では約45日間かかり、単葉では約23日間かかることを示した。アッセイ時間を半減させることにより、これは分離した葉のアッセイと、病害耐性評価を決定するために要する時間を著しく経済的なものとする。3週間短縮できることによって、植物をより早いタイムスケールで増殖させることができ、感受性植物をより早期に摘み取って野外および温室スペースを節約することができる。
表2.単葉および三つ葉の葉組織を用いて調べた、耐性アクセッションと感受性アクセッションのサビ病スコアの平均;"−"はアッセイを行わなかったことを示す。
Figure 2009538137
ASR耐性遺伝子座1、ASR耐性遺伝子座2、およびASR耐性遺伝子座3の遺伝子移入によるP. パチリジ(P.pachyrizi)への耐性に関する優良交配の試験
ASR耐性遺伝子座1を含んでいる耐性供与親系統PI 200492を用いて、ダイズの種々の優良な系統と交配を行い、ASR耐性遺伝子座1の陽性遺伝子移入をモニターした。耐性を有する親系統アクセッションPI 200492(ASR耐性遺伝子座1)、ならびに既知の耐性アクセッション(PI 230970(ASR耐性遺伝子座2)およびPI 462312(ASR耐性遺伝子座3))と、感受性の優良系統との交配で得られた系統を用いて、Loxley株に対する耐性について葉でアッセイした。調べた全ての系統の耐性スコアを表3に示している。サビ病重症度スコアの平均値は4つの植物からのもので、その各々を4回調べ、異なる4日(10DAI、17DAI、24DAI、32DAI)の時点で評価した。
表3.ASR戻し交配イベントおよび優良系統のサビ病重症度スコアの平均
Figure 2009538137
Figure 2009538137
ASR耐性遺伝子座1を含んでいる系統はLoxley株に対して最も強い耐性を示した。ASR耐性遺伝子座1の遺伝子移入はMASによって確認された。
分離した葉のアッセイを用いた、ダイズアクセッションのASR耐性についての試験
ASR耐性を有することが推定される700アクセッションを、外来起源のASR単離体の混合集団を用いて温室アッセイに基づいて同定した。ASRに対する耐性についての葉のアッセイは、耐性を有することが推定される700のUSDAアクセッションのうちの250サブセットを用いて、実施例3に記載のとおり行った。USDAからのASR感受性の250アクセッションの補足セットを、上記250耐性アクセッションに対して成熟度と地理的な起源とをマッチさせて、葉のアッセイでの比較のために選択した。大部分の耐性アクセッションのサビ病重症度スコアの平均(サビ病重症度スコアの平均は1〜2を示す)を、下記の表4に示している。ダイズの遺伝子連鎖地図の20連鎖群にわたって5センチモルガン毎に分布している1400のSNPマーカーを用いて、耐性アクセッションの持つASR耐性遺伝子座の優良な遺伝資源への遺伝子移入を追跡するのに有用なマーカーを同定する。
表4.ASR耐性アクセッションのサビ病重症度スコアの平均
Figure 2009538137
Figure 2009538137
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さらに、89セットの耐性アクセッションについて、ASR耐性遺伝子座3の近位および遠位に分布したSNPマーカーの遺伝子型を決定した。さらに4種のSNPマーカー(NS0103749、NS0118897、NS0119715、およびNS0130920)が、ASR耐性遺伝子座3に関連していることを見出し、これを表に列挙し、配列番号94〜97に示す。表5はこれらのSNPマーカーに対応するPCR増幅プライマーの配列(配列番号55〜62)、およびプローブの配列(配列番号154〜161)を列挙する。
この情報はASRやその他の病原体耐性遺伝子座の遺伝子移入の優先順位付けに有用な、新規な耐性ソースの同定に用いられる。
表5.ASR耐性遺伝子座3の同定と選択のためのSNPマーカー
Figure 2009538137
真菌病害耐性を付与するQTLを同定するための関連性研究の使用
病害に関連している領域または遺伝子を同定することは耐性品種を開発するための第1ステップである。サビ病耐性のための4つの遺伝子座(ASR耐性遺伝子座1、ASR耐性遺伝子座2、ASR耐性遺伝子座3、ASR耐性遺伝子座4)が既に同定されている。この実施例では、連鎖不均衡およびハプロタイプ関連マッピングをダイズ遺伝資源からのケースコントロールデータサンプルに適用した。
ダイズの492系統(246の耐性-感受性ペア)をサビ病耐性についてスコアを付け、また、797個のSNPを用いてフィンガープリントを行った。病害耐性はファコプソラ・パチリジ(Phakopsora pachyrhizi)の単離株の混合物に対して1〜5でスコア付けし、3未満を耐性、4超を感受性とした。具体的には、ケースコントロール試験、Fisherの直接確率検定、単一マーカーについてのF検定、およびハプロタイプ傾向回帰分析を、ウインドウサイズ3、5、および9の連続SNPについて調べた。複数の試験結果は、2つの別々のハプロタイプウインドウ(本明細書中、真菌病害耐性においてハプロタイプウインドウ1および2と呼ぶ)から2つの有意に関連するSNPマーカーが、第13染色体上(24〜45センチモルガン)に真菌病害に対する耐性を有するものとして見出された。これらのSNPマーカーNS0103033およびNS0124935は、それぞれ、真菌病害耐性ハプロタイプウインドウ1および2に位置している。NS0103033(配列番号98)用のプライマーは配列番号63および64に示しており、プローブは配列番号162および163に示している。NS0124935(配列番号99)用のプライマーは配列番号65および66に示しており、プローブは配列番号164および165に示している。これらのハプロタイプおよび各ハプロタイプのマーカーアレルの各々についての耐性スコアは、表5に示している。各ウインドウは5個のSNPマーカーで表され、各々のアレルはハプロタイプ配列として示されている。ハプロタイプウインドウ1内のNS0103033のアレルとハプロタイプウインドウ2内のNS0124935のアレルは太字で示している。NS0103033については、このSNPは実際には9-bpの挿入・欠失(indel)であり、"Z"は欠失(*********)、"W"は挿入(GAAGTGGAT)を示している。
ハプロタイプウインドウ1および/またはウインドウ2由来の耐性ハプロタイプを含んでいる品種は表6に示している。このマッピングによって、既に規定されているASR耐性遺伝子座に加えて、さらに別のASR病害耐性QTLが同定された。
表5.ASR耐性ハプロタイプウインドウ1および2中の耐性ハプロタイプを含んでいる系統でのスコアリングの要約。耐性スコア0はその系統が耐性であったことを示し、耐性スコア1はその系統が感受性であることを示している。
Figure 2009538137
表6.第13染色体上のASR耐性ウインドウ1および/または2中のハプロタイプを含有する耐性遺伝資源についての病害評価
Figure 2009538137
Figure 2009538137
Figure 2009538137
本発明の原理を説明し記述してきたので、本発明がそのような原理から逸脱することなく配置および詳細を改変しうることは、当業者であれば明らかであろう。本発明者らは、添付の特許請求の範囲の精神と範囲内にある全ての改変について権利を主張する。
本明細書中に引用した刊行物および公表された特許文献の全てを、本明細書中に参照により、個々の刊行物または特許出願が具体的かつ個別に参照によって組み入れられるのと同じ程度に組み入れる。

Claims (26)

  1. ダイズ植物を病害耐性、免疫性、または感受性についてアッセイするための方法であって、
    a. 該ダイズ植物から植物組織を分離し;
    b. 該組織を培地中で培養し;
    c. 該組織を植物病原体に暴露し;および
    d. 該病原体によって生ずる病害に対する耐性、免疫性、または感受性について該組織を評価する、
    ステップを含む、前記方法。
  2. さらに、
    a. 前記植物から核酸を単離し;
    b. 前記耐性、免疫性、または感受性と関連している量的形質遺伝子座に関する1種以上のマーカー分子の存在について該核酸をアッセイし;および
    c. 育種プログラムで用いるための該植物を選択すること、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記組織が葉、維管束組織、花、莢、根、茎、種子、またはそれらの一部分である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記組織の植物病原体への暴露が、(a)該病原体を組織に直接的に塗布すること;(b)該病原体を培養培地中に含有させること;および(c)該病原体で効果的に汚染されかつ該組織の接種に資する作用物質を含有させること、からなる群から選択された手段によって行われる、請求項1に記載の方法。
  5. 前記植物病原体への暴露は病原体巨大分子、細胞、組織、全生物、またはそれらの組み合わせの形態であることができ、該病原体およびその部分は、該物質が宿主組織において免疫応答を媒介する限り、生存していても死んでいてもよい、請求項1に記載の方法。
  6. 前記病害耐性、免疫性、または感受性は、ファコプソラ・パチリジ(Phakopsora pachyrhizi)、ファコプソラ・メイボミアエ(Phakopsora meibomiae)(アジア型ダイズサビ病)、コレトトリクム・トルンカツム(Colletotrichum truncatum)、コレトトリクム・デマチウム変種トルンカツム(Colletotrichum dematium var. truncatum)、グロメレラ・グリシンス(Glomerella glycines)(ダイズ炭疽病)、フィトフトラ・ソジャエ(Phytophthora sojae)(フィトフトラ根及び茎腐れ病)、スクレロチニア・スクレロチオルム(Sclerotinia sclerotiorum)(スクレロチニア茎腐れ病)、フサリウム・ソラニ f エスピー・グリシンス(Fusarium solani f. sp. glycines)(突然死症候群)、フサリウム・エスピーピー(Fusarium spp.)(フサリウム根腐れ病)、マクロフォミア・ファセオリナ(Macrophomina phaseolina)(炭腐病)、セプトリア・グリシンス(Septoria glycines)、(褐紋病)、ピシウム・アファニデルマーツム(Pythium aphanidermatum)、ピシウム・デバルヤナム(Pythium debaryanum)、ピシウム・イレグラレ(Pythium irregulare)、ピシウム・ウルチマム(Pythium ultimum)、ピシウム・ミリオタイラム(Pythium myriotylum)、ピシウム・トルロサム(Pythium torulosum)(ピシウム種子腐敗病)、ディアポルテ・ファゼオロラム変種ソジャエ(Diaporthe phaseolorum var. sojae)(鞘黒点病)、フォモプシス・ロンギコラ(Phomopsis longicola)(茎黒点病)、フォモプシス・エスピーピー(Phomopsis spp.)(フォモプシス種子腐敗病)、ペロノスポラ・マンシュリカ(Peronospora manshurica)(べと病)、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)(リゾクトニア根及び茎腐れ病、リゾクトニア葉腐病)、フィラロフォラ・グレガタ(Phialophora gregata)(落葉病)、ディアポルテ・ファゼオロラム変種カウリボラ(Diaporthe phaseolorum var. caulivora)(枝枯れ病)、セルコスポラ・キクチイ(Cercospora kikuchii)(種子紫斑病)、アルテルナリア・エスピー(Alternaria sp.)(褐色輪紋病)、セルコスポラ・ソジナ(Cercospora sojina)(斑点病)、スクレロチウム・ロルフシイ(Sclerotium rolfsii)(白絹病)、アルコオラ・ニグラ(Arkoola nigra)(黒葉枯れ病)、チエラビオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola)、(黒紋羽病)、コアネフォラ・インフンジブリフェラ(Choanephora infundibulifera)、コアネフォラ・トリスポラ(Choanephora trispora)(コアネフォラ葉枯れ病)、レプトスファエルリナ・トリフォリイ(Leptosphaerulina trifolii)(レプトスファエルリナ斑点病)、マイコレプトディスカス・テレストリス(Mycoleptodiscus terrestris)(マイコレプトディスカス根腐れ病)、ネオコスモスポラ・バシンフェクタ(Neocosmospora vasinfecta)(ネオコスモスポラ茎腐れ病)、フィロスチクタ・ソジコラ(Phyllosticta sojicola)(フィロスチクタ斑点病)、ピレノカエタ・グリシンス(Pyrenochaeta glycines)(ピレノカエタ斑点病)、シリンドロクラジウム・クロタラリアエ(Cylindrocladium crotalariae)(黒根腐れ病)、ダクツリオカエタ・グリシンス(Dactuliochaeta glycines)(赤斑病)、スパセロマ・グリシンス(Spaceloma glycines)(赤かび病)、ステンフィリウム・ボトリオサム(Stemphylium botryosum)(ステンフィリウム斑点病)、コリネスポラ・カッシイコラ(Corynespora cassiicola)(褐色輪紋病)、ネマトスポラ・コリリイ(Nematospora coryli)(子実汚斑病)、フィマトトリキュム・オムニボラム(Phymatotrichum omnivorum)(綿根腐れ病)、アルファモウイルス(アルファルファモザイクウイルス(Alfafa mosaic virus)、AMV)、コモウイルス(ビーンポッドモットルウイルス、BPMV)、ポティウイルス(インゲン黄斑モザイクウイルス、BYMV)、ブロモウイルス(ササゲクロロティックモットルウイルス、CCMV)、ベゴモウイルス(ヤエナリ黄斑モザイクウイルス、MYMV)、ポティウイルス(ピーナツモットルウイルス、PeMoV)、ポティウイルス(ピーナツ斑葉ウイルス、PStV)、ククモウイルス(ピーナツスタントウイルス、PSV)、カウリモウイルス(ダイズクロロティックモットルウイルス、SbCMV)、ベゴモウイルス(ダイズ縮葉ウイルス、SCLV)、ルテオウイルス(ダイズわい化ウイルス、SbDV)、ポティウイルス(ダイズモザイクウイルス、SMV)、ネポウイルス(ダイズサベアスタントウイルス(soybean severe stunt virus)、SSSV)、ネポウイルス(タバコ輪紋ウイルス、TRSV)、バシルス・サブチリス(Bacillus subtilis)(バシルス種子腐敗病)、シュードモナス・サバストノイ・パソバー・グリシネア(Pseudomonas savastonoi pv. glycinea)(斑点病)、シュードモナス・シリンガエ亜種シリンガエ(Pseudomonas syringae subsp. syringae)(縮葉病)、キサントモナス・アクソノポディス・パソバー・グリシンス(Xanthomonas axonopodis pv. glycines)、(葉焼病)、クルトバクテリウム・フラクムファシエンス・パソバー・フラクムファシエンス(Curtobacterium flaccumfaciens pv. flaccumfaciens)、(黄斑病)、クルトバクテリウム・フラクムファシエンス・パソバー・フラクムファシエンス(Curtobacterium flaccumfaciens pv. flaccumfaciens)、ラルストニア・ソラナセアルム(Ralstonia solanacearum)、(青枯れ病)、シュードモナス・シリンガエ・パソバー・タバチ(Pseudomonas syringae pv. tabaci)(葉焼病)、アフィス・グリシンス(Aphis glycines)(ダイズアブラムシ)、ヘテロデラ・グリシンス(Heterodera glycines)(ダイズシストネマトーダ)、メロイドギネ・アレナリア(Meloidogyne arenaria)、メロイドギネ・ハプラ(Meloidogyne hapla)、メロイドギネ・インコグニタ(Meloidogyne incognita)、メロイドギネ・ジャバニカ(Meloidogyne javanica)(根こぶネマトーダ)、ホプロライムス・コルムブス(Hoplolaimus Columbus)、ホプロライムス・ガレアツス(Hoplolaimus galeatus)、ホプロライムス・マグニスチルス(Hoplolaimus magnistylus)(ランスネマトーダ)、プラチレンクス・エスピーピー(Pratylenchus spp.)(レジョンネマトーダ)、パラチレンクス・プロジェクツス(Paratylenchus projectus)、パラチレンクス・テヌイカウダツス(Paratylenchus tenuicaudatus)(ピンネマトーダ)、ロチレンクルス・レニホルミス(Rotylenchulus reniformis)(レニフォームネマトーダ)、クリコネメラ・オルナタ(Criconemella ornata)(リングネマトーダ)、ヘミシクリオフォラ・エスピーピー(Hemicycliophora spp.)(シースネマトーダ)、ヘリコチレンクス・エスピーピー(Heliocotylenchus spp.)(スピラルネマトーダ)、ベロノライヌス・グラシリス(Belonolainus gracilis)、ベロノライヌス・ロンギカウダツス(Belonolainus longicaudatus)(スティングネマトーダ(Sting nematode))、クイニスルシウス・アクツス(Quinisulcius acutus)、チレコリンクス・エスピーピー(Tylenchorhynchus spp.)(スタントネマトーダ(Stunt nematode))、およびパラトリコドルス・ミノル(Paratrichodorus minor)(スタビールートネマトーダ)からなる群から選択された病原体に対する反応を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記組織は、ファコプソラ・パチリジ(Phakopsora pachyrhizi)、ファコスポラ・メイボミアエ(Phakopsora meibomiae)(アジア型ダイズサビ病)、コレトトリクム・トルンカツム(Colletotrichum truncatum)、コレトトリクム・デマチウム変種トルンカツム(Colletotrichum dematium var. truncatum)、グロメレラ・グリシンス(Glomerella glycines)(ダイズ炭疽病)、フィトフトラ・ソジャエ(Phytophthora sojae)(フィトフトラ根及び茎腐れ病)、スクレロチニア・スクレロチオルム(Sclerotinia sclerotiorum)(スクレロチニア茎腐れ病)、フサリウム・ソラニ f エスピー・グリシンス(Fusarium solani f. sp. glycines)(突然死症候群)、フサリウム・エスピーピー(Fusarium spp.)(フサリウム根腐れ病)、マクロフォミア・ファセオリナ(Macrophomina phaseolina)(炭腐病)、セプトリア・グリシンス(Septoria glycines)、(褐紋病)、ピシウム・アファニデルマーツム(Pythium aphanidermatum)、ピシウム・デバルヤナム(Pythium debaryanum)、ピシウム・イレグラレ(Pythium irregulare)、ピシウム・ウルチマム(Pythium ultimum)、ピシウム・ミリオタイラム(Pythium myriotylum)、ピシウム・トルロサム(Pythium torulosum)(ピシウム種子腐敗病)、ディアポルテ・ファゼオロラム変種ソジャエ(Diaporthe phaseolorum var. sojae)(鞘黒点病)、フォモプシス・ロンギコラ(Phomopsis longicola)(茎黒点病)、フォモプシス・エスピーピー(Phomopsis spp.)(フォモプシス種子腐敗病)、ペロノスポラ・マンシュリカ(Peronospora manshurica)(べと病)、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)(リゾクトニア根及び茎腐れ病、リゾクトニア葉腐病)、フィラロフォラ・グレガタ(Phialophora gregata)(落葉病)、ディアポルテ・ファゼオロラム変種カウリボラ(Diaporthe phaseolorum var. caulivora)(枝枯れ病)、セルコスポラ・キクチイ(Cercospora kikuchii)(種子紫斑病)、アルテルナリア・エスピー(Alternaria sp.)(褐色輪紋病)、セルコスポラ・ソジナ(Cercospora sojina)(斑点病)、スクレロチウム・ロルフシイ(Sclerotium rolfsii)(白絹病)、アルコオラ・ニグラ(Arkoola nigra)(黒葉枯れ病)、チエラビオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola)、(黒紋羽病)、コアネフォラ・インフンジブリフェラ(Choanephora infundibulifera)、コアネフォラ・トリスポラ(Choanephora trispora)(コアネフォラ葉枯れ病)、レプトスファエルリナ・トリフォリイ(Leptosphaerulina trifolii)(レプトスファエルリナ斑点病)、マイコレプトディスカス・テレストリス(Mycoleptodiscus terrestris)(マイコレプトディスカス根腐れ病)、ネオコスモスポラ・バシンフェクタ(Neocosmospora vasinfecta)(ネオコスモスポラ茎腐れ病)、フィロスチクタ・ソジコラ(Phyllosticta sojicola)(フィロスチクタ斑点病)、ピレノカエタ・グリシンス(Pyrenochaeta glycines)(ピレノカエタ斑点病)、シリンドロクラジウム・クロタラリアエ(Cylindrocladium crotalariae)(黒根腐れ病)、ダクツリオカエタ・グリシンス(Dactuliochaeta glycines)(赤斑病)、スパセロマ・グリシンス(Spaceloma glycines)(赤かび病)、ステンフィリウム・ボトリオサム(Stemphylium botryosum)(ステンフィリウム斑点病)、コリネスポラ・カッシイコラ(Corynespora cassiicola)(褐色輪紋病)、ネマトスポラ・コリリイ(Nematospora coryli)(子実汚斑病)、フィマトトリキュム・オムニボラム(Phymatotrichum omnivorum)(綿根腐れ病)、アルファモウイルス(アルファルファモザイクウイルス(Alfafa mosaic virus)、AMV)、コモウイルス(ビーンポッドモットルウイルス、BPMV)、ポティウイルス(インゲン黄斑モザイクウイルス、BYMV)、ブロモウイルス(ササゲクロロティックモットルウイルス、CCMV)、ベゴモウイルス(ヤエナリ黄斑モザイクウイルス、MYMV)、ポティウイルス(ピーナツモットルウイルス、PeMoV)、ポティウイルス(ピーナツ斑葉ウイルス、PStV)、ククモウイルス(ピーナツスタントウイルス、PSV)、カウリモウイルス(ダイズクロロティックモットルウイルス、SbCMV)、ベゴモウイルス(ダイズ縮葉ウイルス、SCLV)、ルテオウイルス(ダイズわい化ウイルス、SbDV)、ポティウイルス(ダイズモザイクウイルス、SMV)、ネポウイルス(ダイズサベアスタントウイルス(soybean severe stunt virus)、SSSV)、ネポウイルス(タバコ輪紋ウイルス、TRSV)、バシルス・サブチリス(Bacillus subtilis)(バシルス種子腐敗病)、シュードモナス・サバストノイ・パソバー・グリシネア(Pseudomonas savastonoi pv. glycinea)(斑点病)、シュードモナス・シリンガエ亜種シリンガエ(Pseudomonas syringae subsp. syringae)(縮葉病)、キサントモナス・アクソノポディス・パソバー・グリシンス(Xanthomonas axonopodis pv. glycines)、(葉焼病)、クルトバクテリウム・フラクムファシエンス・パソバー・フラクムファシエンス(Curtobacterium flaccumfaciens pv. flaccumfaciens)、(黄斑病)、クルトバクテリウム・フラクムファシエンス・パソバー・フラクムファシエンス(Curtobacterium flaccumfaciens pv. flaccumfaciens)、ラルストニア・ソラナセアルム(Ralstonia solanacearum)、(青枯れ病)、シュードモナス・シリンガエ・パソバー・タバチ(Pseudomonas syringae pv. tabaci)(葉焼病)、アフィス・グリシンス(Aphis glycines)(ダイズアブラムシ)、ヘテロデラ・グリシンス(Heterodera glycines)(ダイズシストネマトーダ)、メロイドギネ・アレナリア(Meloidogyne arenaria)、メロイドギネ・ハプラ(Meloidogyne hapla)、メロイドギネ・インコグニタ(Meloidogyne incognita)、メロイドギネ・ジャバニカ(Meloidogyne javanica)(根こぶネマトーダ)、ホプロライムス・コルムブス(Hoplolaimus Columbus)、ホプロライムス・ガレアツス(Hoplolaimus galeatus)、ホプロライムス・マグニスチルス(Hoplolaimus magnistylus)(ランスネマトーダ)、プラチレンクス・エスピーピー(Pratylenchus spp.)(レジョンネマトーダ)、パラチレンクス・プロジェクツス(Paratylenchus projectus)、パラチレンクス・テヌイカウダツス(Paratylenchus tenuicaudatus)(ピンネマトーダ)、ロチレンクルス・レニホルミス(Rotylenchulus reniformis)(レニフォームネマトーダ)、クリコネメラ・オルナタ(Criconemella ornata)(リングネマトーダ)、ヘミシクリオフォラ・エスピーピー(Hemicycliophora spp.)(シースネマトーダ)、ヘリコチレンクス・エスピーピー(Heliocotylenchus spp.)(スピラルネマトーダ)、ベロノライヌス・グラシリス(Belonolainus gracilis)、ベロノライヌス・ロンギカウダツス(Belonolainus longicaudatus)(スティングネマトーダ)、クイニスルシウス・アクツス(Quinisulcius acutus)、チレコリンクス・エスピーピー(Tylenchorhynchus spp.)(スタントネマトーダ(Stunt nematode))、およびパラトリコドルス・ミノル(Paratrichodorus minor)(スタビールートネマトーダ)に対する耐性、免疫性、または感受性について評価される、請求項3に記載の方法。
  8. 前記選択されたダイズ植物が、グリシン・アレナリア(Glycine arenaria)、グリシン・アルギレア(Glycine argyrea)、グリシン・カネスセンス(Glycine canescens)、グリシン・クランデスチン(Glycine clandestine)、グリシン・クルバタ(Glycine curvata)、グリシン・シルトロバ(Glycine cyrtoloba)、グリシン・ファルカテ(Glycine falcate)、グリシン・ラチフォリア(Glycine latifolia)、グリシン・ラトロベアナ(Glycine latrobeana)、グリシン・マックス(Glycine max)、グリシン・ミクロフィラ(Glycine microphylla)、グリシン・ペスカドレンシス(Glycine pescadrensis)、グリシン・ピンダニカ(Glycine pindanica)、グリシン・ルビギノーサ(Glycine rubiginosa)、グリシン・ソジャ(Glycine soja)、グリシン・エスピー(Glycine sp.)、グリシン・ステノフィタ(Glycine stenophita)、グリシン・タバシナ(Glycine tabacina)、およびグリシン・トメンテラ(Glycine tomentella)からなる群から選択されたものである、請求項1に記載の方法。
  9. 前記培地が前記病害耐性量的形質遺伝子座の作用を妨害することなく、感染を保持するために必要な水及び栄養素を含んでいる、請求項1に記載の方法。
  10. 前記病害耐性、免疫性、または感受性が、フィトフトラ(根腐れ病)感染耐性、フサリウム・ソラニ f エスピー・グリシンス(Fusarium solani f. sp. Glycines)(突然死症候群)、セルコスポラ・ソジナ(Cercospora sojina)(斑点病)、フィラロフォラ・グレガタ(Phialophora gegata)(落葉病)、スクレロチニア(茎腐れ病)、およびアジア型ダイズサビ病(ASR)に対する耐性からなる群から選択されたものである、請求項1に記載の方法。
  11. 前記量的形質遺伝子座が、ASR耐性遺伝子座1〜13からなる群から選択されたものである、請求項2に記載の方法。
  12. 前記ダイズ植物が望ましい病害耐性量的形質遺伝子座を含んでいるダイズ植物と優良な系統のダイズ植物との交配からの子孫である、請求項1に記載の方法。
  13. 請求項2に記載の方法を用いて選択されたダイズ植物。
  14. 配列番号67〜99からなる群から選択された、単離されたまたは組換えDNA分子。
  15. ASR耐性ダイズ植物を選択する方法であって、
    a) 複数のダイズ植物から核酸を単離し;
    b) 該単離核酸中のASR耐性遺伝子座1と関連する1種以上のマーカー分子の存在を検出し、その際、該マーカー分子はNS0093250、NS0119710、NS0103004、NS0099454、NS0102630、NS0102915、NS0102913、NS0123728、NS0129943、NS0102168、NS0092723、NS0098177、NS0127343、NS0101121、および該マーカー分子から10センチモルガン以内に位置するマーカー分子のいずれかからなる群から選択され;
    c) 該1種以上のマーカー分子を含んでいるダイズ植物を選択することによってASR耐性のダイズ植物を選択する、
    ステップを含む、前記方法。
  16. ASR耐性ダイズ植物を選択する方法であって、
    a) 複数のダイズ植物から核酸を単離し;
    b) 該単離核酸中のASR耐性遺伝子座3と関連する1種以上のマーカー分子の存在を検出し、その際、該マーカー分子はNS0099746、NS0123747、NS0126598、NS0128378、NS0096829、NS0125408、NS0098902、NS0099529、NS0097798、NS0137477、NS0095322、NS0136101、NS0098982、および該マーカー分子から10センチモルガン以内に位置するマーカー分子のいずれかからなる群から選択され;
    c) 該1種以上のマーカー分子を含んでいるダイズ植物を選択することによってASR耐性のダイズ植物を選択する、
    ステップを含む、前記方法。
  17. ASR耐性ダイズ植物を選択する方法であって、
    a) 複数のダイズ植物から核酸を単離し;
    b) 該単離核酸中のASR耐性遺伝子座5〜9と関連する1種以上のマーカー分子の存在を検出し、その際、該マーカー分子はNS0103033、および該マーカー分子から10センチモルガン以内に位置するマーカー分子のいずれかからなる群から選択され;
    c) 該1種以上のマーカー分子を含んでいるダイズ植物を選択することによってASR耐性のダイズ植物を選択する、
    ステップを含む、前記方法。
  18. ASR耐性ダイズ植物を選択する方法であって、
    a) 複数のダイズ植物から核酸を単離し;
    b) 該単離核酸中の、ASR耐性遺伝子座10〜13と関連する1種以上のマーカー分子の存在を検出し、その際、該マーカー分子はNS0124935、および該マーカー分子から10センチモルガン以内に位置するマーカー分子のいずれかからなる群から選択され;
    c) 該1種以上のマーカー分子を含んでいるダイズ植物を選択することによってASR耐性のダイズ植物を選択する、
    ステップを含む、前記方法。
  19. ASR耐性ダイズ植物を選択する方法であって、
    a) 複数のダイズ植物から核酸を単離し;
    b) 該単離核酸中の、ASR耐性遺伝子座2と関連する1種以上のマーカー分子の存在を検出し、その際、該マーカー分子は連鎖群JまたはNに対応する領域から選択され;
    c) 該1種以上のマーカー分子を含んでいるダイズ植物を選択することによってASR耐性のダイズ植物を選択する、
    ステップを含む、前記方法。
  20. ASR耐性ダイズ植物を選択する方法であって、
    a) 複数のダイズ植物から核酸を単離し;
    b) 該単離核酸中のASR耐性遺伝子座4と関連する1種以上のマーカー分子の存在を検出し、その際、該マーカー分子が連鎖群Nに対応する領域から選択され;
    c) 該1種以上のマーカー分子を含んでいるダイズ植物を選択することによってASR耐性のダイズ植物を選択する、
    ステップを含む、前記方法。
  21. 請求項15〜20のいずれか1項に記載の方法を用いて選択されたASR耐性ダイズ植物。
  22. ASR耐性遺伝子座5〜13からなる群から選択された、少なくとも1つの遺伝子移入されたASR耐性遺伝子座を含んでいるダイズ植物。
  23. 前記遺伝子移入されたASR耐性遺伝子座が、表6に列挙したダイズ登録系統を起源とするものである、請求項22に記載のダイズ植物。
  24. ASR耐性遺伝子座1〜4からなる群から選択された1種以上のASR耐性遺伝子座をさらに含んでいる、請求項22に記載のダイズ植物。
  25. ASR耐性遺伝子座1〜4が表4に列挙したダイズ登録系統を起源とするものである、請求項24に記載のダイズ植物。
  26. 遺伝子移入された量的形質遺伝子座を含んでいるダイズ植物であって、該遺伝子座がダイズ登録系統PI 200487を起源とし、該遺伝子座が遅延型サビ病表現型(slow rust phenotype)を付与するものである、前記ダイズ植物。
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