JP2009299030A - アゾ化合物又はその塩 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶媒に対する溶解性に優れる新規なアゾ化合物又はその塩を提供する。
【解決手段】式(I)で表されるアゾ化合物又はその塩。
Figure 2009299030

〔式(I)中、Aは、ハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、ニトロ基、スルホン基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を2個以上有するフェニル基、或いは、ハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、ニトロ基、スルホン基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を1個以上有するナフチル基を表す。
は、水素原子、C1−12脂肪族炭化水素基、C7−20アラルキル基、又はC6−20アリール基を表す。
は、C1-5脂肪族炭化水素基、又はトリフルオロメチル基を表す。〕
【選択図】なし

Description

本発明は、染料として有用なアゾ化合物又はその塩に関するものである。
染料は、液晶表示パネル、エレクトロルミネッセンス、プラズマディスプレイパネルなどのディスプレイ装置に使用される、カラーフィルタの着色剤として用いられている。染料としては、たとえば特許文献1に、式(d−1)で表されるアゾ化合物が記載されている。
Figure 2009299030
特開2006−124634号
しかしながら、従来の化合物は、溶媒に対する溶解性が十分ではない場合があった。
本発明者らが、アゾ化合物又はその塩の溶媒に対する溶解性を更に改良すべく鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち、本発明は、以下を提供する。
1.式(I)で表されるアゾ化合物又はその塩。
Figure 2009299030
〔式(I)中、Aは、ハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、ニトロ基、スルホン基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を2個以上有するフェニル基、或いは、ハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、ニトロ基、スルホン基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を1個以上有するナフチル基を表す。
は、水素原子、C1−12脂肪族炭化水素基、C7−20アラルキル基、又はC6−20アリール基を表す。
は、C1−5脂肪族炭化水素基、又はトリフルオロメチル基を表す。〕
2.式(I)中、Aが、少なくとも1個のN−置換スルファモイル基を有する前1項記載のアゾ化合物又はその塩。
3.前記N−置換スルファモイル基が、−SONHR基であり、Rは、C1−12脂肪族炭化水素基(C1−12脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、アルコキシル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよく、C1−12脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−で置換されていてもよい。)、C6−20アリール基、C7−20アラルキル基、又はC2−10アシル基を表す前1又は2項記載のアゾ化合物又はその塩。
なお式(I)で表されるアゾ化合物又はその塩を、以下では「アゾ化合物(I)」と略称することがある。他の化学式で表される化合物又はその塩も、同様に略称することがある。
本発明のアゾ化合物又はその塩は、溶媒に対する高い溶解性を示す。
本発明のアゾ化合物又はその塩は、式(I)で表されるように、Aで表される芳香環部が2個以上の置換基を有するフェニル基、或いは、1個以上の置換基を有するナフチル基であることを特徴とする。
式(I)で表されるピリドン環の部分には、エノール型のほか、ケト型も含まれる。このような構造により、本発明のアゾ化合物又はその塩は、溶媒に対する高い溶解性を示す。また本発明のアゾ化合物又はその塩は、その好ましい態様において、耐光性にも優れており、透過光を利用した色表示にも極めて適している。
本発明は、式(I)で表されるアゾ化合物又はその塩に関する。
Figure 2009299030
〔式(I)中、Aは、ハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、ニトロ基、スルホン基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を2個以上有するフェニル基、或いは、ハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、ニトロ基、スルホン基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を1個以上有するナフチル基を表す。
は、水素原子、C1−12脂肪族炭化水素基、C7−20アラルキル基、又はC6−20アリール基を表す。
は、C1−5脂肪族炭化水素基、又はトリフルオロメチル基を表す。
式(I)で表される化合物又はその塩は、2つが任意の位置で結合して二量体を形成していてもよい。〕
本発明のアゾ化合物又はその塩は、スルホン基、スルファニル基、N−置換スルファモイル基を有することにより、水溶性及び油溶性を兼ね備えることができる。油溶性を向上させるために、式(I)中、Aが、1つ以上のN−置換スルファモイル基を有することが好ましい。
Aのうち、スルホン基を有するフェニル基の具体例として、スルホン基のみを有するもの、例えば、1つのスルホン基を有するフェニル基(2−、3−又は4−スルホフェニル基)、2つのスルホン基を有するフェニル基(2,4−ジスルホフェニル基など);スルホン基と1種の他の置換基を有するもの、例えば、メチル−スルホフェニル基(4−メチル−2−スルホフェニル基、4−メチル−3−スルホフェニル基、2−メチル−3−スルホフェニル基、2−メチル−5−スルホフェニル基、2−メチル−4−スルホフェニル基、3−メチル−4−スルホフェニル基など)、ジメチル−スルホフェニル基(4,6−ジメチル−2−スルホフェニル基、2,4−ジメチル−6−スルホフェニル基など)、メトキシ−スルホフェニル基(4−メトキシ−2−スルホフェニル基、4−メトキシ−3−スルホフェニル基、2−メトキシ−3−スルホフェニル基、2−メトキシ−4−スルホフェニル基など)、ヒドロキシ−スルホフェニル基(2−ヒドロキシ−3−スルホフェニル基、2−ヒドロキシ−4−スルホフェニル基、2−ヒドロキシ−5−スルホフェニル基など);及びスルホン基と2種以上の他の置換基を有するもの、例えば、ヒドロキシ−ニトロ−スルホフェニル基(2−ヒドロキシ−3−ニトロ−5−スルホフェニル基など)などが挙げられる。これらの中でも水溶性の観点から、スルホン基とメチル基を有するフェニル基が好ましく、2−メチル−4−スルホフェニル基及び3−メチル−4−スルホフェニル基がより好ましい。
スルホン基を有するナフチル基Aの具体例として、1つのスルホン基を有するナフチル基(5−、6−、7−又は8−スルホ−2−ナフチル基、4−、5−、6−又は7−スルホ−1−ナフチル基など)、2つのスルホフェニル基を有するナフチル基(6,8−、4,8−、5,7−又は3,6−ジスルホ−2−ナフチル基、3,6−又は4,6−ジスルホ−1−ナフチル基など)、及び3つのスルホン基を有するナフチル基(3,6,8−又は4,6,8−トリスルホ−2−ナフチル基など)などが挙げられる。スルホン基と1種の他の置換基を有するもの、例えば、メチル−スルホナフチル基(4−メチル−2−スルホナフチル基、4−メチル−3−スルホナフチル基、2−メチル−3−スルホナフチル基、2−メチル−5−スルホナフチル基など)、ジメチル−スルホナフチル基(4,6−ジメチル−2−スルホナフチル基、2,4−ジメチル−6−スルホナフチル基など)、メトキシ−スルホナフチル基(4−メトキシ−2−スルホナフチル基、4−メトキシ−3−スルホナフチル基、2−メトキシ−3−スルホナフチル基、2−メトキシ−4−スルホナフチル基など)、ヒドロキシ−スルホナフチル基(2−ヒドロキシ−3−スルホナフチル基、2−ヒドロキシ−4−スルホナフチル基、2−ヒドロキシ−5−スルホナフチル基など);及びスルホン基と2種以上の他の置換基を有するもの、例えば、ヒドロキシ−ニトロ−スルホナフチル基(2−ヒドロキシ−3−ニトロ−5−スルホフェニル基など)などが挙げられる。これらの中でも、2つのスルホフェニル基を有するナフチル基(ジスルホナフチル基とも言う)が好ましく、ジスルホ−2−ナフチル基がより好ましく、6,8−ジスルホ−2−ナフチル基がさらに好ましい。
スルファモイル基又はN−置換スルファモイル基を有するフェニル又はナフチル基の例としては、スルホン基を有するフェニル又はナフチル基の例で、スルホン基をスルファモイル基又はN−置換スルファモイル基で置換したものが挙げられる。N−置換スルファモイル基としては、例えば、N−一置換スルファモイル基が挙げられ、式−SONHRで表すことができる。Rは、C1−12脂肪族炭化水素基(このC1−12脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、アルコキシル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよく、C1−12脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−で置換されていてもよい。)、C6−20アリール基、C7−20アラルキル基又はC2−10アシル基を表す。
の脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよい。脂肪族炭化水素基の炭素数には置換基の炭素数は含まれず、その数は、通常、1〜12、好ましくは6〜11である。Rの脂肪族炭化水素基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、メチルブチル基(1,1,3,3−テトラメチルブチル基など)、メチルヘキシル基(1−メチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基など)、エチルヘキシル基(2−エチルヘキシル基など)、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基(2−メチルシクロヘキシル基など)、シクロヘキシルアルキル基などで置換されていてもよい。脂肪族炭化水素基としては、アルコキシプロピル基(3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基など)、テトラヒドロフラニルアルキル基(2−テトラヒドロフラニルメチル基など)、グリシジル基、ヒドロキシプロピル基(2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基など)などが例示できる。
のアリール基は、無置換であってもよく、脂肪族炭化水素基又はヒドロキシル基などの置換基を有していてもよい。前記アリール基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて数えられ、通常、6〜20、好ましくは6〜10である。これらアリール基としては、例えばフェニル基、ヒドロキシフェニル基(4−ヒドロキシフェニル基など)、トリフルオロメチルフェニル基(4−トリフルオロメチルフェニル基など)などの置換又は無置換フェニル基などが挙げられる。
のアラルキル基のアルキル部分は、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよい。アラルキル基の炭素数は、通常、7〜20、好ましくは7〜10である。このアラルキルとしては、ベンジル基、フェニルプロピル基(1−メチル−3−フェニルプロピル基など)、フェニルブチル基(3−アミノ−1−フェニルブチル基など)などのフェニルアルキル基が代表的である。
のアシル基は、無置換であってもよく、脂肪族炭化水素基、アルコキシル基などの置換基が結合していてもよい。アシル基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて数えられ、その数は、通常、2〜10、好ましくは6〜10である。前記アシル基は、例えば、アセチル基、ベンゾイル基、メトキシベンゾイル基(p−メトキシベンゾイル基など)などである。
前記Rは、油溶性をより一層高める観点から、例えば、メチルブチル基(1,1,3,3−テトラメチルブチル基など)、メチルへキシル基(1,5−ジメチルへキシル基など)、エチルへキシル基(2−エチルヘキシル基など)、メチルシクロへキシル基(2−メチルシクロヘキシル基など)、フェニルプロピル基(1−メチル−3−フェニルプロピル基など)、フェニルブチル基(3−アミノ−1−フェニルブチル基など)、アルコキシプロピル基(3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基など)などの枝分かれ炭素を有する脂肪族炭化水素基、又はアラルキル基が好ましい。
は水素原子、C1−12脂肪族炭化水素基、C7−20アラルキル基、又はC6−20アリール基を表す。
の脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよい。脂肪族炭化水素基の炭素数には置換基の炭素数を全て含み、その数は、通常、1〜12、好ましくは2〜11である。Rの脂肪族炭化水素基には、例えば、n−オクチル基、メチルヘキシル基(1,5−ジメチルヘキシル基など)、エチルヘキシル基(2−エチルヘキシル基など)、シクロオクチル基、メチルシクロヘキシル基(2、2−ジメチルシクロヘキシル基など)、シクロヘキシルアルキル基などが含まれる。Rの脂肪族炭化水素基は、C1-8アルコキシル基などの置換基で置換されていてもよい。この置換脂肪族炭化水素基としては、アルコキシプロピル基(3−(2’−エチルヘキシルオキシ)プロピル基など)などが例示できる。Rの脂肪族炭化水素基は、末端がカルボキシル基で置換されていてもよい。この置換脂肪族炭化水素基としては、8−(カルボキシ)オクチル基などが例示できる。
のアラルキル基のアルキル部分は、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよい。アラルキル基の炭素数は、通常、7〜20、好ましくは7〜10である。このアラルキルとしては、例えば、ベンジル基、フェニルブチル基(3−アミノ−1−フェニルブチル基など)などのフェニルアルキル基などが挙げられる。
のアリール基は、無置換であってもよく、脂肪族炭化水素基又はカルボキシル基などの置換基を有していてもよい。前記アリール基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて数えられ、通常、6〜20、好ましくは6〜10である。これらアリール基としては、例えば、フェニル基、カルボキシフェニル基(2−カルボキシフェニル基など)、トリフルオロメチルフェニル基(4−トリフルオロメチルフェニル基など)などの無置換又は置換フェニル基などが挙げられる。
は、C1−5脂肪族炭化水素基、又はトリフルオロメチル基を表す。分光濃度と色相の観点からは、メチル基が好ましい。
なお本明細書中、Ca−bとは、炭素数がa以上、b以下であることを意味する。
アゾ化合物(I)を2種以上併用すると、その1種を単独で用いる場合よりも、油溶性が大きい。そのため油溶性の観点から、液晶表示装置の色素として、アゾ化合物(I)の2種以上の組合せを用いることも好ましい態様である。油溶性が向上する組合せの例として、2つのN−置換スルファモイル基を有するアゾ化合物(ジスルファモイル)と、1つのスルホン基及び1つのN−置換スルファモイル基を有するアゾ化合物(モノスルファモイル)との組合せが挙げられる。
また、モノスルファモイルはジスルファモイルと比較して、溶媒に対する溶解性の観点から特に好ましい。
油溶性を高める観点からは、Rに上述の例から比較的嵩高い基を選択することが好ましい。嵩高い基を選択することで、アゾ色素のスタッキング相互作用を低減でき、油溶性を高めることができる。また嵩高い基を選択することで、アゾ基を保護でき、耐光性を高めることができる。前記の嵩高いRとしては、2−エチルヘキシル基などの枝分かれ脂肪族炭化水素基(特に3級脂肪族炭化水素基)、トリフルオロメチル基などの2個以上(特に3個以上)のハロゲン原子が結合した脂肪族炭化水素基などが例示できる。
アゾ化合物(I)又はその塩は、2つが任意の位置で結合して二量体を形成していてもよい。二量体としては、式(I−A)で表される化合物及び式(I−B)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2009299030
(式(I−A)及び式(I−B)中、R、R及びAは、上記と同じ意味を表す。
R’はRと、R’はRと、A’はAと、それぞれ同じ意味を表す。
R’’及びZは、それぞれ独立に、C1−12アルキレン基を表す。
及びAは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価のC6−14芳香族炭化水素基を表す。)
2価のC6−14芳香族炭化水素基としては、フェニレン基及びナフチレン基等が挙げられ、フェニレン基が好ましい。
2価のC6−14芳香族炭化水素基の置換基としては、ハロゲン原子、C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基、ニトロ基、スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基などが挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子が好ましい。
1-8アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基等が挙げられ、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、炭素数1〜2のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
1-8アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基及びヘキシルオキシ基等が挙げられ、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜2のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
N−置換スルファモイル基として、−SO2NHR基が好ましい。Rは、上記と同じ意味を表す。
R’’及びZのC1−12アルキレン基には、例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、メチルブチレン基(1,1,3,3−テトラメチルブチレン基など)、メチルヘキシレン基(1−メチルヘキシレン基、1,5−ジメチルヘキシレン基など)及びエチルヘキシレン基(2−エチルヘキシレン基など)などが例示できる。n−ブチレン基が特に好ましい。
アゾ化合物(I)のうちで、Aがスルホン基を有する場合の好ましい例としては、式(I−1)〜式(I−57)、式(I−208)〜式(I−213)が挙げられる。
Figure 2009299030
Figure 2009299030
Figure 2009299030
Figure 2009299030
式(I)のうちで、N−置換スルファモイル基を有する好ましい例としては、式(I−58)〜式(I−178)、式(I−180)〜式(I−207)が挙げられる。
Figure 2009299030
Figure 2009299030
Figure 2009299030
Figure 2009299030
Figure 2009299030
Figure 2009299030
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Figure 2009299030
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Figure 2009299030
Figure 2009299030
Figure 2009299030
Figure 2009299030
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Figure 2009299030
Figure 2009299030
Figure 2009299030
本発明は、アゾ化合物(I)に限らず、その塩も包含する。塩としては、スルホン酸塩又はカルボン酸塩などが挙げられる。またこれら塩を形成するカチオンは特に限定されないが、溶媒に対する溶解性を考慮すると、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩;アンモニウム塩;及びエタノールアミン塩、アルキルアミン塩のような有機アミン塩などが好ましい。特にアルカリ金属塩(好ましくはナトリウム塩)は、偏光膜基材に含有させる場合に有用である。また有機アミン塩は、硬化性樹脂組成物に含有させる場合に有用であり、さらには非金属塩であるため、絶縁性が重要視される分野でも有用である。
本発明のアゾ化合物は、染料分野でよく知られているように、ジアゾニウム塩とピリドン類とをカップリングすることにより製造できる。例えば、式(a)で表されるアミン類(ジアゾ成分)を、亜硝酸、亜硝酸塩又は亜硝酸エステルによりジアゾ化することによって得られる式(b)で表される化合物を、前記ジアゾニウム塩として使用できる。
Figure 2009299030
(式(a)及び(b)中、Aは式(I)におけるものと同じ意味を表す。
は、無機又は有機アニオンを表す。)
前記の無機又は有機アニオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、次亜塩素酸イオン、CH−COO、Ph−COOなどが挙げられ、好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、CH−COOが挙げられる。
そして式(b)で表されるジアゾニウム塩と、式(c)で表されるピリドン類(カップリング成分)とを、通常、水性溶媒中20〜60℃で反応させることにより、アゾ化合物(I)を製造することができる。
Figure 2009299030
(式(c)中、R及びRは、式(I)におけるものと同じ意味を表す)
スルファモイル基又はN−置換スルファモイル基を有する目的化合物(I)は、スルファモイル基又はN−置換スルファモイル基を有するアミン類(a)を用いることによっても製造してもよく、スルホン基を有するアミン類(a)を用いてカップリング反応を行った後に、スルホン基をスルホンアミド化して製造してもよい。例えば、式(I)においてスルホン基を有する化合物(以下、「アゾスルホン酸(I)」という)を合成しておき、ハロゲン化チオニル化合物によってスルホン基(−SOH)をスルホンハライド化(−SOX;Xはハロゲン原子)してスルホンハライド化合物を得て、次いでアミン(以下「反応性アミン」という場合がある)と反応させることによって、スルホン基をスルホンアミド化して、スルホンアミド化合物(アゾ化合物(I))を得ることができる。
アゾスルホン酸(I)の好ましい例には、式(I−1)〜(I−3)が挙げられ、好ましくは式(I−1)及び(I−2)が挙げられる。ハロゲン化チオニル化合物としては、弗化チオニル、塩化チオニル、臭化チオニル、沃化チオニルなどが挙げられ、好ましくは塩化チオニル、臭化チオニルなどが挙げられ、特に好ましくは塩化チオニルがが挙げられる。ハロゲン化チオニル化合物の使用量は、アゾスルホン酸(I)1モルに対して、例えば、1〜10モル程度である。なお反応系中に水が持ち込まれる場合は、ハロゲン化チオニル化合物を過剰に使用することが好ましい。
スルホンハライド化は、通常、溶媒中で行われる。溶媒としては、例えば、1,4−ジオキサンなどのエーテル類(特に好ましくは環状エーテル類);クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、ジクロロプロパン、塩化アミル、1,2−ジブロモエタンなどのハロゲン化炭化水素類などが使用できる。溶媒の使用量は、アゾスルホン酸(I)1質量部に対して、例えば、3質量部以上(好ましくは5質量部以上)、10質量部以下(好ましくは8質量部以下)程度である。
またスルホンハライド化では、N,N−ジアルキルホルムアミド(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなど)を併用することが好ましい。N,N−ジアルキルホルムアミドを用いる場合、その使用量は、ハロゲン化チオニル化合物1モルに対して、例えば、0.05〜1モル程度である。アゾスルホン酸(I)とN,N−ジアルキルホルムアミドとを溶媒中で予め混合した後、ハロゲン化チオニル化合物を添加すると、発熱を抑制することができる。
スルホンハライド化における反応温度は、例えば、0℃以上、好ましくは30℃以上、70℃以下、好ましくは60℃以下である。反応時間は、例えば、0.5時間以上、好ましくは3時間以上、8時間以下、好ましくは5時間以下程度である。
上記のようにして調製されたスルホンハライド化合物は、単離してから反応性アミンと反応させてもよく、単離することなく反応混合物のままで反応性アミンと反応させてもよい。なお単離する場合には、例えば、反応混合物と水とを混合し、析出した結晶を濾取すればよい。取得したスルホンハライド化合物の結晶は、反応性アミンとの反応前に、必要に応じて水洗及び乾燥してもよい。
前記反応性アミンとしては、例えば、1級アミンが挙げられ、該1級アミンは、式HN−Rで表される(Rは前記と同じ)。
N−Rの具体例には、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、ジメチルヘキシルアミン(1,5−ジメチルヘキシルアミンなど)、テトラメチルブチルアミン(1,1,3,3−テトラメチルブチルアミンなど)、エチルヘキシルアミン(2−エチルヘキシルアミンなど)、アミノフェニルブタン(3−アミノ−1−フェニルブタンなど)、イソプロポキシプロピルアミンなどが含まれる。反応性アミンの使用量は、スルホンハライド化合物1モルに対して、通常、2モル以上、10モル以下、好ましくは7モル以下程度である。
スルホンハライド化合物と反応性アミンの添加順は特に限定されないが、スルホンハライド化合物に反応性アミンを添加(滴下)することが多い。またスルホンハライド化合物と反応性アミンとの反応は、通常、溶媒中で行う。溶媒としては、スルホンハライド化合物を調製するときと同様の溶媒が使用できる。
またスルホンハライド化合物と反応性アミンとの反応は、好ましくは、塩基性触媒の存在下で行われる。塩基性触媒としては、例えば3級アミン(トリエチルアミン、トリエタノールアミンなどの脂肪族3級アミン;ピリジン、メチルピリジンなどの芳香族3級アミン)、及び2級アミン(ジエチルアミン、ピペリジンなどの脂肪族2級アミン)などが挙げられる。これらの中でも、3級アミン、特にトリエチルアミンなどの脂肪族3級アミンが好ましい。塩基性触媒の使用量は、反応性アミン(スルホンハライドと反応させる前記アミン)に対して、通常、1.1モル以上、6モル以下、好ましくは1.1モル以上、5モル以下程度である。
スルホンハライド化合物に反応性アミンと塩基性触媒とを添加する場合、塩基性触媒の添加タイミングは特に限定されず、反応性アミンの添加前及び添加後のどちらであってもよく、反応性アミンと同じタイミングで添加してもよい。また反応性アミンと予め混合してから添加してもよく、反応性アミンとは別に添加してもよい。
スルホンハライド化合物と反応性アミンとの反応温度は、例えば、0℃以上、50℃以下、好ましくは0℃以上、30℃以下である。また反応時間は、通常、1〜5時間程度である。
反応混合物から目的化合物であるスルホンアミド化合物(アゾ化合物(I))を取得する方法は特に限定されず、公知の種々の手法が採用できる。例えば、反応混合物を酸(酢酸)及び水と共に混合し、析出した結晶を濾取することが好ましい。前記酸及び水は、予め酸の水溶液を調製してから用いることが好ましく、反応混合物をこの酸の水溶液に添加することが多い。反応混合物の添加温度は、通常、10℃以上、好ましくは20℃以上、50℃以下、好ましくは30℃以下である。また添加後は、同温度で0.5〜2時間程度攪拌することが好ましい。濾取した結晶は、通常、水などで洗浄され、次いで乾燥される。また必要に応じて、再結晶などの公知の手法によってさらに精製してもよい。
本発明のアゾ化合物又はその塩は、溶媒に対する高い溶解性を示す。溶媒としては、水や有機溶媒が挙げられる。前記の有機溶媒としては、種々のものがあるが、例えば、カルボニル基を有する溶媒が好ましく用いられる。前記のカルボニル基を有する溶媒としては、ピルビン酸エチル、アセト酢酸エチル、ジアセトンアルコールなどが挙げられ、好ましくはジアセトンアルコールが挙げられる。
本発明のアゾ化合物又はその塩は、溶媒に対する高い溶解性を示すので、反射光又は透過光を利用して色表示する、繊維材料、液晶表示装置などに用いることができる。また、本発明のアゾ化合物又はその塩は、吸収スペクトルを測定したときに、400〜450nmの波長域に極大吸収をもつので、黄色染料として用いることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではない。なお実施例及び比較例中の「%」及び「部」は、特記されない限り、質量%及び質量部である。
実施例1
式(a−1)で表されるo−トルイジン−4−スルホン酸 四水和物25.0部に水250部とN−メチルピロリドン50部を加えた後、氷冷下、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7〜8に調節した。以下の操作は氷冷下で行った。亜硝酸ナトリウムを18.4部加えて30分攪拌した。35%塩酸64.8部を少量ずつ加えて褐色溶液とした後、2時間攪拌した。アミド硫酸16.7部を水170部に溶解した水溶液を反応溶液に加えて攪拌し、ジアゾニウム塩を含む懸濁液を得た。
Figure 2009299030
式(c−1)で表される1−ブチル−3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシピリド−2−オン19.3部に水173部とN−メチルピロリドン19部を加えた後、氷冷下、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH8〜9に調節した。
Figure 2009299030
以下の操作は氷冷下で行った。前記ピリドン水溶液を攪拌して無色溶液とした後、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH8〜9に調節しながら、ジアゾニウム塩を含む懸濁液を2時間かけてポンプで滴下した。滴下終了後、さらに2時間攪拌することで暗色溶液を得た。精製塩140部を反応溶液に加えて、5時間攪拌した。濾過して得た黄色固体を減圧下60℃で乾燥し、式(I−36)で表されるアゾ化合物を35.8部(収率91%)得た。
Figure 2009299030
化合物(I−36)の構造は質量分析によって決定した。質量分析装置はJMS−700(日本電子株式会社製)を使用した。
質量分析:イオン化モード=FD+:m/z=460
得られたアゾ化合物(I−36)0.35gをN,N−ジメチルホルムアミドに溶解して体積を250cmとし、そのうちの2cmを水で希釈して体積を100cmとして(濃度:0.028g/L)、分光光度計〔石英セル、セルの長さは1cm〕を用いて吸収スペクトルを測定した。得られた吸収スペクトルを図1に示す。この化合物は、λmax=441nmで吸光度3.1(任意単位)を示した。
実施例2
冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、アゾ化合物(I−36)を5.0部、クロロホルム50部及びN,N−ジメチルホルムアミド2.1部を投入し、攪拌下20℃以下を維持しながら、塩化チオニル3.5部を滴下して加えた。滴下終了後、50℃に昇温し、同温度で5時間維持して反応させ、その後20℃に冷却した。冷却後の反応溶液を、攪拌下20℃以下に維持しながら、2−エチルヘキシルアミン8.0部及びトリエチルアミン15部の混合液を滴下して加えた。その後、同温度で5時間攪拌して反応させた。次いで得られた反応混合物をロータリーエバポレーターで溶媒留去した後、メタノールを少量加えて激しく攪拌した。この混合物を、酢酸29部及びイオン交換水300部の混合液中に攪拌しながら加えて、結晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、イオン交換水でよく洗浄し、60℃で減圧乾燥して、式(I−111)で表されるアゾ化合物5.0部(収率78%)を得た。
Figure 2009299030
化合物(I−111)の構造は質量分析によって決定した。質量分析装置はJMS−700(日本電子株式会社製)を使用した。
質量分析:イオン化モード=FD+:m/z=571
得られたアゾ化合物(I−111)0.35gを乳酸エチルに溶解して体積を250cmとし、そのうちの2cmをイオン交換水で希釈して体積を100cmとして(濃度:0.028g/L)、分光光度計(石英セル、光路長;1cm)を用いて吸収スペクトルを測定した。得られた吸収スペクトルを図2に示す。この化合物は、λmax=434nmで吸光度2.5(任意単位)を示した。
実施例3
式(a−2)で表されるm−トルイジン−4−スルホン酸25.0部に水200部とN−メチルピロリドン50部を加えた後、氷冷下、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7〜8に調節した。以下の操作は氷冷下で行った。亜硝酸ナトリウムを27.6部加えて30分攪拌した。35%塩酸97.3部を少量ずつ加えて褐色溶液とした後、2時間攪拌した。アミド硫酸25.1部を水250部に溶解した水溶液を反応溶液に加えて攪拌し、ジアゾニウム塩を含む懸濁液を得た。
Figure 2009299030
式(c−1)で表される1−ブチル−3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシピリド−2−オン28.9部に水260部とN−メチルピロリドン28.9部を加えた後、氷冷下、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH8〜9に調節した。
Figure 2009299030
以下の操作は氷冷下で行った。前記ピリドン水溶液を攪拌して無色溶液とした後、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH8〜9に調節しながら、ジアゾニウム塩を含む懸濁液を2時間かけてポンプで滴下した。滴下終了後、さらに2時間攪拌することで暗色溶液を得た。精製塩140部を反応溶液に加えて、5時間攪拌した。濾過して得た黄色固体を減圧下60℃で乾燥し、式(I−35)で表されるアゾ化合物を46.7部(収率79%)得た。
Figure 2009299030
化合物(I−35)の構造は質量分析によって決定した。質量分析装置はJMS−700(日本電子株式会社製)を使用した。
質量分析:イオン化モード=FD+:m/z=460
得られたアゾ化合物(I−35)0.35gをN,N−ジメチルホルムアミドに溶解して体積を250cmとし、そのうちの2cmを水で希釈して体積を100cmとして(濃度:0.028g/L)、分光光度計〔石英セル、セルの長さは1cm〕を用いて吸収スペクトルを測定した。得られた吸収スペクトルを図1に示す。この化合物は、λmax=435nmで吸光度3.2(任意単位)を示した。
実施例4
冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、アゾ化合物(I−35)を5.0部、クロロホルム50部及びN,N−ジメチルホルムアミド2.1部を投入し、攪拌下20℃以下を維持しながら、塩化チオニル3.5部を滴下して加えた。滴下終了後、50℃に昇温し、同温度で5時間維持して反応させ、その後20℃に冷却した。冷却後の反応溶液を、攪拌下20℃以下に維持しながら、テトラヒドロフルフリルアミン8.0部及びトリエチルアミン15部の混合液を滴下して加えた。その後、同温度で5時間攪拌して反応させた。次いで得られた反応混合物をロータリーエバポレーターで溶媒留去した後、メタノールを少量加えて激しく攪拌した。この混合物を、酢酸29部及びイオン交換水300部の混合液中に攪拌しながら加えて、結晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、イオン交換水でよく洗浄し、60℃で減圧乾燥して、式(I−151)で表されるアゾ化合物5.7部(収率90%)を得た。
Figure 2009299030
化合物(I−151)の構造は質量分析によって決定した。質量分析装置はJMS−700(日本電子株式会社製)を使用した。
質量分析:イオン化モード=FD+:m/z=543
得られたアゾ化合物(I−151)0.35gを乳酸エチルに溶解して体積を250cmとし、そのうちの2cmをイオン交換水で希釈して体積を100cmとして(濃度:0.028g/L)、分光光度計(石英セル、光路長;1cm)を用いて吸収スペクトルを測定した。得られた吸収スペクトルを図2に示す。この化合物は、λmax=438nmで吸光度2.6(任意単位)を示した。
実施例5
冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、アゾ化合物(I−35)を5部、メトキシシクロペンタン30部及びN,N−ジブチルホルムアミド5.8部を投入し、攪拌下20℃以下を維持しながら、塩化チオニル4部を滴下して加えた。滴下終了後、40℃に昇温し、同温度で5時間維持して反応させ、その後20℃に冷却した。冷却後の反応溶液を、攪拌下20℃以下に維持しながら、1-アミノ−2−プロパノール3.7部及びトリエチルアミン4部の混合液を滴下して加えた。その後、同温度で5時間攪拌して反応させた。次いで得られた反応混合物をロータリーエバポレーターで溶媒留去した後、メタノールを少量加えて激しく攪拌した。この混合物を、酢酸29部及びイオン交換水300部の混合液中に攪拌しながら加えて、結晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、イオン交換水でよく洗浄し、60℃で減圧乾燥して、式(I−184)で表されるアゾ化合物4.2部(収率74%)を得た。
Figure 2009299030
化合物(I−151)の構造は質量分析によって決定した。質量分析装置はJMS−700(日本電子株式会社製)を使用した。
質量分析:イオン化モード=FD+:m/z=517
得られたアゾ化合物(I−184)0.35gを乳酸エチルに溶解して体積を250cm3とし、そのうちの2cm3をイオン交換水で希釈して体積を100cm3として(濃度:0.028g/L)、分光光度計(石英セル、光路長;1cm)を用いて吸収スペクトルを測定した。得られた吸収スペクトルを図2に示す。この化合物は、λmax=432nmで吸光度2.4(任意単位)を示した。
実施例6
冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、アゾ化合物(I−35)を3部、テトラヒドロフラン45部及びN,N−ジメチルホルムアミド1.3部を投入し、攪拌下20℃以下を維持しながら、塩化チオニル2.4部を滴下して加えた。滴下終了後、40℃に昇温し、同温度で5時間維持して反応させ、その後20℃に冷却した。冷却後の反応溶液を、攪拌下20℃以下に維持しながら、エチレンジアミン5.8部及びトリエチルアミン4部の混合液を滴下して加えた。その後、同温度で5時間攪拌して反応させた。次いで得られた反応混合物をロータリーエバポレーターで溶媒留去した後、メタノールを少量加えて激しく攪拌した。この混合物を、酢酸20部及びイオン交換水200部の混合液中に攪拌しながら加えて、結晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、イオン交換水でよく洗浄し、60℃で減圧乾燥して、式(I−204)で表されるアゾ化合物1.5部(収率48%)を得た。
Figure 2009299030
化合物(I−204)の構造は質量分析によって決定した。質量分析装置はJMS−700(日本電子株式会社製)を使用した。
質量分析:イオン化モード=FD+:m/z=860
得られたアゾ化合物(I−204)0.35gを乳酸エチルに溶解して体積を250cm3とし、そのうちの2cm3をイオン交換水で希釈して体積を100cm3として(濃度:0.028g/L)、分光光度計(石英セル、光路長;1cm)を用いて吸収スペクトルを測定した。得られた吸収スペクトルを図2に示す。この化合物は、λmax=430nmで吸光度2.5(任意単位)を示した。
実施例7
式(a−2)で表されるm−トルイジン−4−スルホン酸10.0部に水200部を加えた後、氷冷下、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7〜8に調節した。以下の操作は氷冷下で行った。亜硝酸ナトリウムを11.1部加えて30分攪拌した。35%塩酸39.0部を少量ずつ加えて褐色溶液とした後、2時間攪拌した。アミド硫酸10.1部を水101部に溶解した水溶液を反応溶液に加えて攪拌し、ジアゾニウム塩を含む懸濁液を得た。
Figure 2009299030
式(c−2)で表される1,4−ビス[1−(3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシピリド−2−オン)]―ブタン9.5部に水85部とN−メチルピロリドン10部を加えた後、氷冷下、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH8〜9に調節した。
Figure 2009299030
以下の操作は氷冷下で行った。前記ピリドン水溶液を攪拌して無色溶液とした後、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH8〜9に調節しながら、ジアゾニウム塩を含む懸濁液を2時間かけてポンプで滴下した。滴下終了後、さらに2時間攪拌することで黄色懸濁液を得た。濾過して得た黄色固体を減圧下60℃で乾燥し、式(I−210)で表される化合物を18.6部(収率92.8%)得た。
Figure 2009299030
化合物(I−210)の構造は質量分析によって決定した。質量分析装置はJMS−700(日本電子株式会社製)を使用した。
質量分析:イオン化モード=FD+:m/z=750
得られた化合物(I−210)0.35gをN,N−ジメチルホルムアミドに溶解して体積を250cmとし、そのうちの2cmを水で希釈して体積を100cmとして(濃度:0.028g/L)、分光光度計〔石英セル、セルの長さは1cm〕を用いて吸収スペクトルを測定した。この化合物は、λmax=435nmで吸光度3.1(任意単位)を示した。
実施例8
冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、化合物(I−210)を5.0部、アセトニトリル50部及びN,N−ジメチルホルムアミド1.5部を投入し、攪拌下20℃以下を維持しながら、塩化チオニル3.7部を滴下して加えた。滴下終了後、40℃に昇温し、同温度で2時間維持して反応させ、その後20℃に冷却した。冷却後の反応溶液を氷水150部に攪拌しながら注いだ後、30分攪拌した。析出した黄色結晶を濾別し、水道水でよく洗浄し、60℃で2時間減圧乾燥した。冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコを別途用意し、1−アミノ−2−プロパノール2.0部とN−メチルピロリドン20部とを投入し、攪拌下20℃以下を維持しながら、先に調整した黄色結晶を1時間かけて投入した。黄色固体を投入した後、液温を室温まで昇温してから、反応溶液を30分攪拌した。反応溶液にメタノール40部を加えて攪拌した後、この混合溶液を、酢酸29部及びイオン交換水300部の混合液中に攪拌しながら加えて、結晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、イオン交換水でよく洗浄し、60℃で減圧乾燥して、式(I−198)で表される化合物3.9部(収率69%)を得た。
Figure 2009299030
化合物(I−210)の構造は質量分析によって決定した。質量分析装置はJMS−700(日本電子株式会社製)を使用した。
質量分析:イオン化モード=FD+:m/z=864
得られた化合物(I−198)0.35gを乳酸エチルに溶解して体積を250cmとし、そのうちの2cmをイオン交換水で希釈して体積を100cmとして(濃度:0.028g/L)、分光光度計(石英セル、光路長;1cm)を用いて吸収スペクトルを測定した。この化合物は、λmax=433nmで吸光度2.6(任意単位)を示した。
比較例1
特許文献1に記載の方法で、下記アゾ化合物を合成した。アゾ化合物(d−1)0.35gを乳酸エチルに溶解して体積を250cmとし、そのうちの2cmをイオン交換水で希釈して体積を100cmとして(濃度:0.028g/L)、分光光度計(石英セル、光路長;1cm)を用いて吸収スペクトルを測定した。得られた吸収スペクトルを図2に示す。この化合物は、λmax=425nmで吸光度2.2(任意単位)を示した。
Figure 2009299030
<溶媒への溶解度の評価>
実施例1〜8及び比較例1のアゾ化合物の溶媒に対する溶解度を、以下のようにして求めた:
50mLサンプル管中、各アゾ化合物が、それぞれ1%(W/V)及び3%(W/V)の混合割合となるようにジアセトンアルコールと混合し、密栓後40℃で10分間超音波振とう機で振とうさせた。ついで室温で30分間放置後、濾過し、不溶物の有無を確認した。
1%(W/V)調整の混合溶液にて不溶物があるものを溶解度1%以下とし(×)、1%(W/V)調整の混合溶液にて不溶物がなく、3%(W/V)調整の混合溶液にて不溶物があるものを溶解度1〜3%未満とし(△)、3%(W/V)調整の混合溶液にて不溶物がないものを溶解度3%以上とした(○)。結果を、表1に示す。
Figure 2009299030
表1の結果から、本発明の化合物は溶媒に対する高い溶解性及び高い分光濃度を合せ持つことがわかる。
本発明のアゾ化合物又はその塩は、溶媒に対する高い溶解性を示す。

Claims (4)

  1. 式(I)で表されるアゾ化合物又はその塩。
    Figure 2009299030
    〔式(I)中、Aは、ハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、ニトロ基、スルホン基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を2個以上有するフェニル基、或いは、ハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、ニトロ基、スルホン基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を1個以上有するナフチル基を表す。
    は、水素原子、C1−12脂肪族炭化水素基、C7−20アラルキル基、又はC6−20アリール基を表す。
    は、C1-5脂肪族炭化水素基、又はトリフルオロメチル基を表す。〕
  2. Aが、少なくとも1個のN−置換スルファモイル基を有する請求項1記載のアゾ化合物又はその塩。
  3. 前記N−置換スルファモイル基が、−SONHR基であり、Rが、C1−12脂肪族炭化水素基(C1−12脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、アルコキシル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよく、C1−12脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−で置換されていてもよい。)、C6−20アリール基、C7−20アラルキル基又はC2−10アシル基である請求項1又は2記載のアゾ化合物又はその塩。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載のアゾ化合物又はその塩から形成される二量体。
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