JP2010275531A - 化合物及び該化合物を含む着色感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】式(I)で表される化合物。
(式(I)中、Z1、Z2及びZ3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価のC1-16脂肪族炭化水素基を表す。Z1、Z2及びZ3に含まれる−CH2−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい1価のC1-16脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよいC2-18アシル基を表す。A1及びA2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価のC6−14芳香族炭化水素基を表す。B1及びB2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1価のC6−14芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい1価のC3−14芳香族複素環基を表す。)
【選択図】なし
Description
すなわち、本発明は、以下の発明である。
[1]式(I)で表される化合物。
(式(I)中、Z1、Z2及びZ3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価のC1-16脂肪族炭化水素基を表す。Z1、Z2及びZ3に含まれる−CH2−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい1価のC1-16脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよいC2-18アシル基を表す。
A1及びA2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価のC6−14芳香族炭化水素基を表す。
B1及びB2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1価のC6−14芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい1価のC3−14芳香族複素環基を表す。)
(式(II)中、R3は水素原子又は置換基を有していてもよい1価のC1-16脂肪族炭化水素基を表す。
R4は、置換基を有していてもよい1価のC1-16脂肪族炭化水素基を表す。)
(式(I)中、Z1、Z2及びZ3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価のC1-16脂肪族炭化水素基を表す。Z1、Z2及びZ3に含まれる−CH2−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい1価のC1-16脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよいC2-18アシル基を表す。
A1及びA2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価のC6−14芳香族炭化水素基を表す。
B1及びB2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1価のC6−14芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい1価のC3−14芳香族複素環基を表す。)
2価のC1-16脂肪族炭化水素基としては、C1-16アルカンジイル基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基、ペンタンジイル基、へキサンジイル基、ヘプタンジイル基、オクタンジイル基、デカンジイル基、テトラデカンジイル基及びヘキサデカンジイル基等が挙げられる。
C1-16脂肪族炭化水素基に含まれる−CH2−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。C1-16脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。
Z3は、−C(=C)−を含んでいてもよいC1-8アルカンジイル基であることが好ましく、C1-8アルカンジイル基であることがより好ましく、C4-8アルカンジイル基であることがより好ましい。好ましい基としては、例えば、−(CH2)2−、−(CH2)4−又は−CH2−C(=CH2)−が挙げられる。
1価のC1-16脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、メチルブチル基(1,1,3,3−テトラメチルブチル基など)、メチルヘキシル基(1,5−ジメチルヘキシル基など)、エチルヘキシル基(2−エチルヘキシル基など)、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基(2−メチルシクロヘキシル基など)及びシクロヘキシルアルキル基などが挙げられる。
1価のC1-16脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、C1-8アルコキシ基又はカルボキシ基で置換されていてもよい。C1-8アルコキシ基で置換されたC1-16脂肪族炭化水素基としては、プロポキシプロピル基(3−(イソプロポキシ)プロピル基など)及びアルコキシプロピル基(3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基など)が挙げられる。カルボキシ基で置換されたC1-16脂肪族炭化水素基としては、2−(カルボキシ)エチル基、3−(カルボキシ)プロピル基及び4-(カルボキシ)ブチル基などが挙げられる。
2価のC6−14芳香族炭化水素基としては、フェニレン基及びナフチレン基等が挙げられ、フェニレン基が好ましい。
C6−14芳香族炭化水素基としては、下記に表される基が挙げられる。
C6−14芳香族複素環基としては、下記に表される基が挙げられる。
[Rは、水素原子又はメチル基を表す。]
N−置換アミノ基として、−NHR8基又は−SO2NR8R9基が好ましい。ただし、R8及びR9は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1価のC1-16脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい1価のC3−14芳香族複素環基を表す。1価のC1-16脂肪族炭化水素基及び1価のC3−14芳香族複素環基としては、前記と同様の基が挙げられる。
(式(II)中、R3は水素原子又は置換基を有していてもよい1価のC1-16脂肪族炭化水素基を表す。
R4は、置換基を有していてもよい1価のC1-16脂肪族炭化水素基を表す。)
式(II)で表される基のピリドン環は、ケト型であってもエノール型であってもよい。
R4は、メチル基であることが好ましい。
R31及びR32は、それぞれ独立に、−OR33又はハロゲン原子を表す。R33は、C1-16脂肪族炭化水素基を表す。)
式(I−B)で表される化合物の使用量は、式(I−A)で表される化合物及び式(I−A’)で表される化合物との合計量1モルに対して、例えば、0.5〜3モルであることが好ましく、0.5〜1モルがより好ましい。なお溶媒中に水が含まれる場合、式(I−B)で表される化合物の使用量は、式(I−A)で表される化合物及び式(I−A’)で表される化合物との合計量1モルに対して、0.6〜3モルであることが好ましい。
式(I−B)で表される化合物のR31及びR32が、−OR33である場合には、公知の酸触媒を添加することが好ましい。酸触媒としては、硫酸、パラトルエンスルホン酸などが挙げられる。酸触媒の使用量は、式(I−A)で表される化合物及び式(I−A’)で表される化合物との合計量1モルに対して、例えば、0.01〜2モルであることが好ましい。
式(I−A)で表される化合物及び式(I−A’)で表される化合物と、式(I−B)で表される化合物との反応は、窒素雰囲気下、又はアルゴン雰囲気下で行われることが好ましく、塩化カルシウムなどで乾燥した空気下で反応を行ってもよい。
反応温度は、例えば、0〜150℃が好ましく、より好ましくは10〜130℃である。反応時間は、例えば、1〜25時間が好ましく、より好ましくは3〜15時間である。
上記のようにして得られた反応混合物から目的化合物である化合物(I)を取得する方法は特に限定されず、公知の種々の手法が採用できるが、例えば、反応混合物を有機溶媒で抽出することで精製することができる。例えば、反応混合物と有機溶媒と水とを混合し、化合物(I)を有機相へ溶出させ、分液ロートなどで分取した有機相を溶媒留去することで、化合物(I)を得ることができる。抽出温度は、10〜50℃が好ましく、より好ましくは20〜30℃である。また抽出は、前記の温度で0.5〜4時間攪拌することが好ましい。抽出後の化合物(I)は、アルカリ性水溶液、酸性水溶液などで洗浄され、次いで乾燥される。また必要に応じて、再結晶などの公知の手法によって、さらに精製してもよい。
アルカリ性水溶液としては、公知のアルカリ性物質を水に溶解させたものを用いることができる。アルカリ性水溶液の水素イオン濃度の範囲は、pH=8〜12が好ましく、より好ましくは9〜11である。アルカリ性物質としては特に限定されず、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、アンモニアなどが挙げられる。
酸性水溶液としては、公知の酸性物質を水に溶解させたものを用いることができる。酸性水溶液の水素イオン濃度の範囲は、pH=0〜6が好ましく、より好ましくは1〜5である。酸性物質としては特に限定されず、例えば塩化アンモニウム、シュウ酸、酢酸、塩酸、硫酸などが挙げられる。
X−は、無機又は有機アニオンを表す。)
式(I−C)で表される化合物の無機又は有機アニオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、次亜塩素酸イオン、CH3−COO−、Ph−COO−などが挙げられ、好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、CH3−COO−が挙げられる。
化合物(I)は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
化合物(I)以外の染料としては、カラーインデックス(Colour Index)(The Society of Dyers and Colourists 出版)で、ソルベント(Solvent)、アシッド(Acid)、ベ
ーシック(Basic)、リアクティブ(reactive)、ダイレクト(Direct)、ディスパース(Disperse)、またはバット(Vat)に分類されている化合物等が挙げられる。より具体的
には、以下のようなカラーインデックス(C.I.)番号の染料が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
C.I.ソルベントイエロー25,79,81,82、83,89;
C.I.アシッドイエロー7,23,25,42,65,76;
C.I.リアクティブイエロー2,76,116;
C.I.ダイレクトイエロー4,28,44,86,132;
C.I.ディスパースイエロー54,76;
C.I.ソルベントオレンジ41,54,56,99;
C.I.アシッドオレンジ56,74,95,108,149,162;
C.I.リアクティブオレンジ16;
C.I.ダイレクトオレンジ26;
C.I.ソルベントレッド24,49,90,91,118,119,122,124,125,127,130,132,160,218;
C.I.アシッドレッド73,91,92,97,138,151,211,274,289;
C.I.アシッドバイオレット102;
C.I.ソルベントブルー35,37,38,44,59,64、67,70;
C.I.アシッドブルー40,45,78,80,83,90,100,171,185;
C.I.ベーシックブルー65,140;
C.I.リアクティブブルー15,38;
C.I.ディスパースブルー143;
C.I.ダイレクトブルー86,87;
C.I.ソルベントグリーン1,5;
C.I.アシッドグリーン3,5,9,25,28;
C.I.ベーシックグリーン1;
C.I.バットグリーン1;
C.I.アシッドブラック58,60,107;
C.I.ソルベントブラック27など。
顔料(A−2)としては、顔料分散レジストに通常用いられる有機顔料または無機顔料が挙げられる。無機顔料としては、金属酸化物や金属錯塩のような金属化合物が挙げられ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモンなどの金属の酸化物または複合金属酸化物が挙げられる。
また有機顔料および無機顔料として具体的には、カラーインデックス(Colour Index)(The Society of Dyers and Colourists 出版)で、ピグメント(Pigment)に分類されている化合物が挙げられる。より具体的には、以下のようなカラーインデックス(C.I.
)番号の顔料が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65および71;
C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、215、216、224、242、254、255および、264;
C.I.ピグメントバイオレット14、19、23、29、32、33、36、37および38;
C.I.ピグメントブルー15(15:3、15:4、15:6など)、21、28、60、64および76;
C.I.ピグメントグリーン7、10、15、25、36および47;
C.I.ピグメントブラウン28;
C.I.ピグメントブラック1および7など。
着色剤(A)がさらに化合物(I)以外の染料及び/又は顔料(A−2)を含む場合、着色剤(A)中の化合物(I)の含有量は、3〜80質量%であり、好ましくは3〜70質量%であり、より好ましくは3〜50質量%である。
着色剤(A)中の顔料(A−2)の含有量は、20〜97質量%であり、好ましくは30〜97質量%であり、より好ましくは50〜97質量%である。
前記のアセトフェノン化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマーなどが挙げられ、好ましくは2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オンなどが挙げられる。
前記のケトン類としては、例えば、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
前記のアルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
これらの溶剤は、単独でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記のシリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合を有する界面活性剤などが挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、ポリエーテル変性シリコンオイルSH8400(商品名:東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452、TSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)などが挙げられる。
これらの界面活性剤は、単独でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
この場合の塗膜の膜厚は、特に限定されず、用いる材料、用途等によって適宜調整することができ、0.1〜30μmが好ましく、より好ましくは1〜20μm、さらに好ましくは1〜6μmである。
乾燥時間は、10秒間〜60分間が好ましく、30秒間〜30分間がより好ましい。減圧乾燥を行う場合、50〜150Paの圧力下、20〜25℃の温度範囲で行うことが好ましい。
式(a−1)で表されるo−トルイジン−4−スルホン酸 四水和物25.0部に水250部とN−メチルピロリドン50部とを加えた後、氷冷下、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7〜8に調節した。以下の操作は氷冷下で行った。亜硝酸ナトリウムを18.4部加えて30分攪拌した。35%塩酸64.8部を少量ずつ加えて褐色溶液とした後、2時間攪拌した。アミド硫酸16.7部を水170部に溶解した水溶液を反応溶液に加えて攪拌し、ジアゾニウム塩を含む懸濁液を得た。
質量分析:イオン化モード=FD+:m/z=1004
この化合物は、λmax=435nmで吸光度2.5(任意単位)を示した。
式(a−2)で表されるm−トルイジン−4−スルホン酸25.0部に水200部とN−メチルピロリドン50部を加えた後、氷冷下、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7〜8に調節した。以下の操作は氷冷下で行った。亜硝酸ナトリウムを27.6部加えて30分攪拌した。35%塩酸97.3部を少量ずつ加えて褐色溶液とした後、2時間攪拌した。アミド硫酸25.1部を水250部に溶解した水溶液を反応溶液に加えて攪拌し、ジアゾニウム塩を含む懸濁液を得た。
質量分析:イオン化モード=FD+:m/z=1032
この化合物は、λmax=431nmで吸光度2.3(任意単位)を示した。
式(a−2)で表されるm−トルイジン−4−スルホン酸10.0部に水200部を加えた後、氷冷下、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7〜8に調節した。以下の操作は氷冷下で行った。亜硝酸ナトリウムを11.1部加えて30分攪拌した。35%塩酸39.0部を少量ずつ加えて褐色溶液とした後、2時間攪拌した。アミド硫酸10.1部を水101部に溶解した水溶液を反応溶液に加えて攪拌し、ジアゾニウム塩を含む懸濁液を得た。
質量分析:イオン化モード=FD+:m/z=1200
この化合物は、λmax=431nmで吸光度2.2(任意単位)を示した。
特許文献2に記載の方法で、式(III−4)で表される化合物を合成した。化合物(III−4)0.35gを乳酸エチルに溶解して体積を250cm3とし、そのうちの2cm3をイオン交換水で希釈して体積を100cm3として(濃度:0.028g/L)、分光光度計(石英セル、光路長;1cm)を用いて吸収スペクトルを測定した。この化合物は、λmax=425nmで吸光度2.2(任意単位)を示した。
実施例1〜3、比較例1の化合物の溶媒への溶解度を、以下のようにして求めた。
5%(W/V)調整の混合溶液にて不溶物があるものを溶解度5%未満とし(×)、5%(W/V)調整の混合溶液にて不溶物がなく、10%(W/V)調整の混合溶液にて不溶物があるものを溶解度5〜10%未満とし(△)、10%(W/V)調整の混合溶液にて不溶物がなく、15%(W/V)調整の混合溶液にて不溶物があるものを溶解度5〜10%未満とし(○)、15%(W/V)調整の混合溶液にて不溶物がないものを溶解度15%以上とした(◎)。結果を表22に示す。
還流冷却器、滴下ロートおよび攪拌機を備えた1Lのフラスコ内に窒素を0.02L/分で流して窒素雰囲気とし、3−メトキシ−1−ブタノール200質量部および3−メトキシブチルアセテート100質量部を入れ、撹拌しながら70℃まで加熱した。次いで、メタクリル酸98質量部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート(式(B−1−1)で表される化合物および式(B−1−2)で表される化合物を、モル比で、50:50で混合。)394質量部を、3−メトキシ−1−ブタノール140質量部に溶解して溶液を調製し、該溶解液を、滴下ポンプを用いて4時間かけて、70℃に保温したフラスコ内に滴下した。一方、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)27質量部を3−メトキシブチルアセテート240質量部に溶解した溶液を、別の滴下ポンプを用いて4時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤の溶液の滴下が終了した後、4時間、70℃に保持し、その後室温まで冷却して、固形分44.3質量%、酸価111mg−KOH/gの共重合体(樹脂B1)の溶液を得た。得られた樹脂B1の重量平均分子量Mwは、7500、分子量分布は1.7であった。
装置;K2479((株)島津製作所製)
カラム;SHIMADZU Shim−pack GPC−80M
カラム温度;40℃
溶媒;THF(テトラヒドロフラン)
流速;1.0mL/min
検出器;RI
上記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量及び数平均分子量の比(Mw/Mn)を分子量分布とした。
(I−2)着色剤:実施例1で合成した化合物
(I−5)着色剤:実施例2で合成した化合物
(I−6)着色剤:実施例3で合成した化合物
(III−4)着色剤:比較例1で合成した化合物
(B−1)樹脂:樹脂合成例1で得られた樹脂溶液B1
(B−2)樹脂:HN−123(田岡化学工業社製、平均分子量10700、酸価70mgKOH/g)33.8%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液
(C−1)重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製)の50%プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート溶液
(D−1)光重合開始剤:イルガキュアOXE01(チバ・ジャパン社製)(オキシム化合物)
(G−1)界面活性剤:SH8400(ポリエーテル変性シリコーンオイル;東レ・ダウコーニング(株)製)の1%プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート溶液
(E−1)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(E−2)溶剤:N,N−ジメチルホルムアミド
〔着色感光性樹脂組成物1の調製〕
(I−2) 0.30質量部
(B−1) 1.67質量部
(C−1) 1.48質量部
(D−1) 0.22質量部
(G−1) 0.10質量部
(E−1) 6.23質量部
を混合して着色感光性樹脂組成物1を得た。
(B−2) 40.2質量部
(C−1) 11.6質量部
(D−1) 0.58質量部
(G−1) 1.00質量部
(E−1) 46.6質量部
を混合して樹脂組成物1を得た。
ガラス(#1737;コーニング)上に、上記で得た着色感光性樹脂組成物1をスピンコート法で塗布し、100℃3分間で揮発成分を揮発させた。冷却後、この着色感光性樹脂組成物を塗布したガラス基板に、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、150mJ/cm2の露光量(365nm基準)で光照射した。220℃2時間で焼成して着色感光性樹脂組成物1の塗布膜(膜厚2.2μm)を作成した。
ガラス(#1737;コーニング)上に、上記で得た樹脂組成物1をスピンコート法で塗布し、100℃3分間で揮発成分を揮発させた。冷却後、この無色組成物を塗布したガラス基板に、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、150mJ/cm2の露光量(365nm基準)で光照射した。220℃2時間で焼成して無色組成物の塗布膜(膜厚2.2μm)を作成した。
上記で得られた着色感光性樹脂組成物1の塗布膜及び樹脂組成物1の塗布膜を、70μmの間隔を開けた状態で対向させ、230℃で120分加熱し、樹脂組成物1の塗布膜の加熱前後の色差(ΔEab*)を測色機(OSP−SP−200;OLYMPUS社製)を用いて測定した。その結果、樹脂組成物1の塗布膜の色差(ΔEab*)は2.1であった。
〔移染性評価〕
実施例4の着色剤(I−2)を着色剤(I−5)に変更する以外は、実施例4と同様にして着色感光性樹脂組成物2の塗布膜及び樹脂組成物1の塗布膜を作成し、移染性評価を実施した結果、樹脂組成物1の塗布膜の色差(ΔEab*)は1.9であった。
〔移染性評価〕
実施例4の着色剤(I−2)を着色剤(I−6)に変更する以外は、実施例4と同様にして着色感光性樹脂組成物3の塗布膜及び樹脂組成物1の塗布膜を作成し、移染性評価を実施した結果、樹脂組成物1の塗布膜の色差(ΔEab*)は2.0であった。
〔着色感光性樹脂組成物4の調製〕
(III−4) 0.30質量部
(B−1) 1.67質量部
(C−1) 1.48質量部
(D−1) 0.22質量部
(G−1) 0.10質量部
(E−2) 6.23質量部
を混合して着色感光性樹脂組成物4を得た。
実施例4と同様にして着色感光性樹脂組成物4の塗布膜及び樹脂組成物1の塗布膜を作成し、移染性評価を実施した結果、樹脂組成物1の色差(ΔEab*)は43.2であった。
以下の反応は、窒素雰囲気下で行った。化合物(III−3)31.0部にN−メチルピロリドン93.0部を加えた後、30分攪拌して反応溶液を調整した。室温下、反応溶液を攪拌しながら、アジピン酸クロライド5.5部を滴下した。滴下終了後、さらに8時間攪拌した。反応溶液を水0.3300部の中に注いだ後、酢酸エチル80部を加えて30分攪拌した。分液ロートを用いて有機相を分取した後、さらに水500部、10%炭酸ナトリウム水溶液500部、10%酢酸水溶液500部、及びイオン交換水500部で洗浄した。分取した有機相を溶媒留去して、式(I−19)で表される化合物を2.0部得た。収率85%。
質量分析:イオン化モード=FD+:m/z=1144
化合物(I−6)0.35gを乳酸エチルに溶解して体積を250cm3とし、そのうちの2cm3をイオン交換水で希釈して体積を100cm3として(濃度:0.028g/L)、分光光度計(石英セル、光路長;1cm)を用いて吸収スペクトルを測定した。この化合物は、λmax=431nmで吸光度2.2(任意単位)を示した。
式(a−2)で表されるm−トルイジン−4−スルホン酸75.0部に水1500部を加えた後、氷冷下、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7〜8に調節した。以下の操作は氷冷下で行った。亜硝酸ナトリウムを82.9部加えて30分攪拌した。35%塩酸292.1部を少量ずつ加えて褐色溶液とした後、2時間攪拌した。アミド硫酸75.4部を水754部に溶解した水溶液を反応溶液に加えて攪拌し、ジアゾニウム塩を含む懸濁液を得た。
式(c−3)で表される1−(2−ヒドロキシエチル)−3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシピリド−2−オン77.8部に水700部を加えた後、氷冷下、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH8〜9に調節した。
以下の反応は、窒素雰囲気下で行った。化合物(d−4)54.9部にN−メチルピロリドン183.3部を加えた後、30分攪拌して反応溶液を調整した。室温下、反応溶液を攪拌しながら、2−エチルヘキサン酸クロライド20.8部を滴下した。滴下終了後、反応溶液を100度に昇温し、さらに8時間攪拌した。反応溶液を飽和食塩水274.4部の中に注いだ後、さらに2時間攪拌することで黄色懸濁液を得た。濾過して得た黄色固体を減圧下60℃で乾燥し、式(d−5)で表される化合物を71.6部(収率98%)得た。
冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、化合物(d−5)を71.6部、テトラヒドロフラン215部及びN,N−ジメチルホルムアミド22.3部を投入し、攪拌下20℃以下を維持しながら、塩化チオニル34.1部を滴下して加えた。滴下終了後、40℃に昇温し、同温度で2時間維持して反応させ、その後20℃に冷却した。冷却後の反応溶液を氷水2147部に攪拌しながら注いだ後、30分攪拌した。析出した黄色結晶を濾別し、水道水でよく洗浄し、室温で1時間乾燥した。冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコを別途用意し、1−アミノ−2−プロパノール28.6部とN−メチルピロリドン286部とを投入し、攪拌下20℃以下を維持しながら、先に調整した黄色結晶を1時間かけて投入した。黄色固体を投入した後、液温を室温まで昇温してから、反応溶液を30分攪拌した。反応溶液にメタノール107部を加えて攪拌した後、この混合溶液を、酢酸29部及びイオン交換水300部の混合液中に攪拌しながら加えて、結晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、イオン交換水でよく洗浄し、60℃で減圧乾燥して、式(III−5)で表される化合物60.0部(収率78%)を得た。
質量分析:イオン化モード=FD+:m/z=1260
以下の反応は、窒素雰囲気下で行った。化合物(III−5)11.4部にN−メチルピロリドン34.1部を加えた後、30分攪拌して反応溶液を調整した。室温下、反応溶液を攪拌しながら、セバシン酸クロライド1.0部を滴下した。滴下終了後、さらに8時間攪拌した。反応溶液を水300部の中に注いだ後、酢酸エチル160部を加えて30分攪拌した。分液ロートを用いて有機相を分取した後、さらに水500部、10%炭酸ナトリウム水溶液700部、10%酢酸水溶液700部、及びイオン交換水700部で洗浄した。分取した有機相を溶媒留去して、式(I−21)で表される化合物を10.1部得た。収率82%。
質量分析:イオン化モード=FD+:m/z=1316
実施例7〜9の化合物の溶媒への溶解度を、実施例1と同様にして求めた。結果を表23に示す。
〔移染性評価〕
実施例4の着色剤(I−2)を着色剤(I−6)に変更する以外は、実施例4と同様にして着色感光性樹脂組成物5の塗布膜及び樹脂組成物1の塗布膜を作成し、移染性評価を実施した結果、樹脂組成物1の塗布膜の色差(ΔEab*)は2.0であった。
〔移染性評価〕
実施例4の着色剤(I−2)を着色剤(I−6)に変更する以外は、実施例4と同様にして着色感光性樹脂組成物6の塗布膜及び樹脂組成物1の塗布膜を作成し、移染性評価を実施した結果、樹脂組成物1の塗布膜の色差(ΔEab*)は2.2であった。
〔移染性評価〕
実施例4の着色剤(I−2)を着色剤(I−6)に変更する以外は、実施例4と同様にして着色感光性樹脂組成物7の塗布膜及び樹脂組成物1の塗布膜を作成し、移染性評価を実施した結果、樹脂組成物1の塗布膜の色差(ΔEab*)は2.3であった。
Claims (5)
- 式(I)で表される化合物。
(式(I)中、Z1、Z2及びZ3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価のC1-16脂肪族炭化水素基を表す。Z1、Z2及びZ3に含まれる−CH2−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい1価のC1-16脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよいC2-18アシル基を表す。
A1及びA2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価のC6−14芳香族炭化水素基を表す。
B1及びB2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1価のC6−14芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい1価のC3−14芳香族複素環基を表す。) - 請求項1又は2記載の化合物を含む着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤及び溶剤を含む着色感光性樹脂組成物。
- 請求項3記載の着色感光性樹脂組成物を用いて形成されるパターン。
- 請求項4記載のパターンを含む表示装置。
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