JP2010152159A - 着色感光性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高コントラストな塗膜及びカラーフィルタを得ることができる着色感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】着色剤(A)、バインダー樹脂(B)、光重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)及び溶剤(E)を含み、着色剤(A)が、式(I)で表される化合物及びその塩からなる群から選択される少なくとも一種を含有する着色剤である着色感光性樹脂組成物。
Figure 2010152159

【選択図】なし

Description

本発明は、液晶表示素子に用いられるカラーフィルタを構成する着色画像の形成に好適な着色感光性樹脂組成物及び該着色感光性樹脂組成物を用いたカラーフィルタに関する。
カラーフィルタにおいて、その高精細化、高明度化、高コントラスト化が望まれている。
最近のカラーフィルタの赤色画素を形成する着色感光性樹脂組成物では、赤色顔料の補色用着色剤として黄色顔料を含むことによって、その赤色画素の分光特性を調整している。例えば、特許文献1には、赤色顔料と、補色用黄色顔料としてC.Iピグメントイエロー150とを含む赤色感光性樹脂組成物からなる赤色画素が記載されている。
特開2007−133131号公報
従来の着色感光性樹脂組成物では、得られる塗膜及びカラーフィルタのコントラストが必ずしも十分満足できるものではない場合があった。
そこで本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、補色用黄色顔料としてC.Iピグメントイエロー150を用いることなく、式(I)で表される化合物及びその塩からなる群から選択される少なくとも一種を含有する着色感光性樹脂組成物によれば、得られる塗膜及びカラーフィルタのコントラストを向上させることができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、着色剤(A)、バインダー樹脂(B)、光重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)及び溶剤(E)を含み、着色剤(A)が、式(I)で表される化合物及びその塩からなる群から選択される少なくとも一種を含有する着色剤である着色感光性樹脂組成物である。
Figure 2010152159
〔式(I)中、Aは、カルボキシル基、スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を1個又は2個有するフェニル基、或いはスルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を1〜3個有するナフチル基を表す。
1は、水素原子、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基又はシアノ基を表す。
2及びR3は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6飽和脂肪族炭化水素基を表す。
4〜R7は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1-10飽和脂肪族炭化水素基、ハロゲン化C1-10飽和脂肪族炭化水素基、C1-8アルコキシル基、カルボキシル基、スルホ基、スルファモイル基又はN−置換スルファモイル基を表す。〕
また本発明は、前記N−置換スルファモイル基が、−SO2NHR8基であり、R8は、C1-10飽和脂肪族炭化水素基、C1-8アルコキシル基が置換しているC1-10飽和脂肪族炭化水素基、C6-20アリール基、C7-20アラルキル基、又はC2-10アシル基を表す上記着色感光性樹脂組成物である。
また本発明は、Aが、1つのN−置換スルファモイル基を有するフェニル基である上記着色感光性樹脂組成物である。
また本発明は、R2が、メチル基である上記着色感光性樹脂組成物である。
また本発明は、R3が、C2-4飽和脂肪族炭化水素基である上記着色感光性樹脂組成物である。
また本発明は、着色剤(A)が、さらに式(I)で表される化合物及びその塩からなる群から選択される少なくとも一種とは異なる着色剤を含む着色剤である上記着色感光性樹脂組成物である。
また本発明は、式(I)で表される化合物及びその塩からなる群から選択される少なくとも一種とは異なる着色剤がC.I.ピグメント Red 177及びC.I.ピグメント Red 254からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記着色感光性樹脂組成物である。
また本発明は、式(I)で表される化合物及びその塩からなる群から選択される少なくとも一種とは異なる着色剤がC.I.ピグメント グリーン58である上記着色感光性樹脂組成物である。
また本発明は、上記着色感光性樹脂組成物を用いて形成される塗膜である。
また本発明は、上記塗膜を含むカラーフィルタである。
また本発明は、フォトリソグラフ法によって形成される上記塗膜である。
本発明の着色感光性樹脂組成物によれば、高コントラストな塗膜及びカラーフィルタを得ることができる。
本発明の着色感光性組成物は、着色剤(A)を含み、着色剤(A)は、式(I)で表される化合物(以下「化合物(I)」という場合がある)及びその塩からなる群から選択される少なくとも一種を含有する。
Figure 2010152159
〔式(I)中、Aは、カルボキシル基、スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を1個又は2個有するフェニル基、或いはスルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を1〜3個有するナフチル基を表す。
1は、水素原子、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基又はシアノ基を表す。
2及びR3は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6飽和脂肪族炭化水素基を表す。
4〜R7は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1-10飽和脂肪族炭化水素基、ハロゲン化C1-10飽和脂肪族炭化水素基、C1-8アルコキシル基、カルボキシル基、スルホ基、スルファモイル基又はN−置換スルファモイル基を表す。〕
なお本明細書において、Ca-bとは、炭素数がa以上、b以下であることを意味する。
以下では、式(I)について詳細に説明する。
Aのフェニル基はカルボキシル基、スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を2種以上有していてもよく、Aのナフチル基は、スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を2種以上有していてもよい。Aのフェニル基又はナフチル基としては、スルホ基及びN−置換スルファモイル基の一方又は両方を有するものが挙げられ、スルホ基のみ、又はN−置換スルファモイル基のみを有するものが好ましい。N−置換スルファモイル基が存在すれば、化合物(I)は、水溶性及び油溶性の両方に優れ、液晶表示装置分野の色素としての有用性が高まる。Aが、1つのN−置換スルファモイル基を有するフェニル基又は2つのN−置換スルファモイル基を有するナフチル基であることが好ましく、1つのN−置換スルファモイル基を有するフェニル基であることが特に好ましい。
スルホ基を有するフェニル基Aの具体例として、スルホ基のみを有するもの、例えば1つのスルホ基を有するフェニル基(2−、3−又は4−スルホフェニル基)、2つのスルホ基を有するフェニル基(2,4−ジスルホフェニル基など);スルホ基と1種の他の置換基を有するもの、例えばメチル−スルホフェニル基(4−メチル−2−スルホフェニル基、4−メチル−3−スルホフェニル基、2−メチル−3−スルホフェニル基など)、ジメチル−スルホフェニル基(4,6−ジメチル−2−スルホフェニル基など)、メトキシ−スルホフェニル基(4−メトキシ−2−スルホフェニル基、4−メトキシ−3−スルホフェニル基、2−メトキシ−3−スルホフェニル基、2−メトキシ−4−スルホフェニル基など)、ヒドロキシ−スルホフェニル基(2−ヒドロキシ−3−スルホフェニル基、2−ヒドロキシ−4−スルホフェニル基など;及びスルホ基と2種以上の他の置換基を有するもの、例えばヒドロキシ−ニトロ−スルホフェニル基(2−ヒドロキシ−3−ニトロ−5−スルホフェニル基など)などが挙げられる。これらの中でも、1つのスルホ基を有するフェニル基(モノスルホフェニル基とも言う);及びスルホ基とC1-4飽和脂肪族炭化水素基を有するフェニル基が好ましく、3−スルホフェニル基、4−スルホフェニル基及び4−メチル−3−スルホフェニル基がより好ましく、4−スルホフェニル基が特に好ましい。
スルホ基を有するナフチル基Aの具体例として、1つのスルホ基を有するナフチル基(5−、6−、7−又は8−スルホ−2−ナフチル基、4−、5−、6−又は7−スルホ−1−ナフチル基など)、2つのスルホフェニル基を有するナフチル基(6,8−、4,8−、5,7−又は3,6−ジスルホ−2−ナフチル基、3,6−又は4,6−ジスルホ−1−ナフチル基など)、及び3つのスルホ基を有するナフチル基(3,6,8−又は4,6,8−トリスルホ−2−ナフチル基など)などが挙げられる。これらの中でも、2つのスルホフェニル基を有するナフチル基(ジスルホナフチル基とも言う)が好ましく、ジスルホ−2−ナフチル基がより好ましい。
スルファモイル基又はN−置換スルファモイル基を有するフェニル又はナフチル基の例としては、スルホ基を有するフェニル又はナフチル基の例で、スルホ基をスルファモイル基又はN−置換スルファモイル基で置き換えたものが挙げられる。N−置換スルファモイル基としては、例えばN−1置換スルファモイル基が挙げられ、式−SO2NHR8で表すことができる。このR8は、C1-10飽和脂肪族炭化水素基、C1-8アルコキシル基が置換しているC1-10飽和脂肪族炭化水素基、C6-20アリール基、C7-20アラルキル基、又はC2-10アシル基である。
8の飽和脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよい。飽和脂肪族炭化水素基の炭素数には置換基の炭素数は含まれず、その数は、通常、1〜10、好ましくは6〜10である。R8の飽和脂肪族炭化水素基には、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、メチルブチル基(1,1,3,3−テトラメチルブチル基など)、メチルヘキシル基(1−メチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基など)、エチルヘキシル基(2−エチルヘキシル基など)、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基(2−メチルシクロヘキシル基など)、シクロヘキシルアルキル基などが含まれる。R8の飽和脂肪族炭化水素基は、前述した通り、C1-8(好ましくはC1-4)アルコキシル基などの置換基で置換されていてもよい。この置換飽和脂肪族炭化水素基としては、プロポキシプロピル基(3−(イソプロポキシ)プロピル基など)などが例示できる。
8のアリール基は、無置換であってもよく、飽和脂肪族炭化水素基又はヒドロキシル基などの置換基を有していてもよい。前記アリール基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて数えられ、通常、6〜20、好ましくは6〜10である。これらアリール基としては、例えばフェニル基、ヒドロキシフェニル基(4−ヒドロキシフェニル基など)、トリフルオロメチルフェニル基(4−トリフルオロメチルフェニル基など)などの置換又は無置換フェニル基などが挙げられる。
8のアラルキル基のアルキル部分は、直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよい。アラルキル基の炭素数は、通常、7〜20、好ましくは7〜10である。このアラルキルとしては、ベンジル基、フェニルプロピル基(1−メチル−3−フェニルプロピル基など)、フェニルブチル基(3−アミノ−1−フェニルブチル基など)などのフェニルアルキル基が代表的である。
8のアシル基は、無置換であってもよく、飽和脂肪族炭化水素基、アルコキシル基などの置換基が結合していてもよい。アシル基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて数えられ、その数は、通常、2〜10、好ましくは6〜10である。前記アシル基は、例えばアセチル基、ベンゾイル基、メトキシベンゾイル基(p−メトキシベンゾイル基など)などである。
前記R8は、色濃度、油溶性などをより一層高める観点から、さらに限定してもよい。このようなR8には、例えば、メチルブチル基(1,1,3,3−テトラメチルブチル基など)、メチルへキシル基(1,5−ジメチルへキシル基など)、エチルへキシル基(2−エチルヘキシル基など)、メチルシクロへキシル基(2−メチルシクロヘキシル基など)、フェニルプロピル基(1−メチル−3−フェニルプロピル基など)、フェニルブチル基(3−アミノ−1−フェニルブチル基など)などの枝分かれ炭素を有する飽和脂肪族炭化水素基、又はアラルキル基が挙げられる。
Aのフェニル基又はナフチル基は、前記必須の置換基(フェニル基の場合、カルボキシル基、スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基の少なくとも1種、ナフチル基の場合スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基の少なくとも1種)以外にも、他の置換基、例えばC1-4飽和脂肪族炭化水素基(メチル基、エチル基など)、C1-4アルコキシル基(メトキシ基、エトキシ基など)、ヒドロキシル基又はニトロ基を、1種又は2種以上有していてもよい。
2及びR3の飽和脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよい。飽和脂肪族炭化水素基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。その炭素数は、通常、1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1又は2である。飽和脂肪族炭化水素基には、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが含まれる。色濃度及び水溶性の観点から、R2及びR3は、水素原子又は炭素数が4以下(殊に2以下)の飽和脂肪族炭化水素基が好ましい。R2の飽和脂肪族炭化水素基は、色濃度及び入手容易性から、好ましくはメチル基又はエチル基、より好ましくはメチル基である。R3の飽和脂肪族炭化水素基は、色濃度及び入手容易性から、好ましくはC2-4飽和脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはエチル基又はn−ブチル基であり、さらに好ましくはエチル基である。
4〜R7のハロゲン原子としては、好ましくはフッ素、塩素又は臭素原子が挙げられる。
4〜R7の飽和脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよく、その炭素数は、通常、1〜10、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4である。R4〜R7の飽和脂肪族炭化水素基の具体例は、上述のR8の場合と同じである。R4〜R7の飽和脂肪族炭化水素基は、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子により置換されていてもよい。ハロゲン化飽和脂肪族炭化水素基の具体例としては、トリフルオロメチル基などが挙げられる。
4〜R7のアルコキシル基の炭素数は、通常、1〜8、好ましくは1〜4である。このアルコキシル基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、及びtert−ブトキシ基などが挙げられる。
4〜R7のN−置換スルファモイル基としては、式(I)中のAで既に説明したものが挙げられる。
前記R4〜R7は、色濃度、水溶性、油溶性、耐光性などを高める観点から、さらに限定してもよい。例えば水溶性を高める観点からは、R4〜R7としてスルホ基を採用することが望ましい。水溶性を高めることによって、衣料分野の色素として、幅広く用いることができる。さらに色濃度及び水溶性の両方を高めるためには、R4〜R7のうち1つにスルホ基を採用し、残りのR4〜R7には水素原子を採用することが好ましい。但しフェニル基又はナフチル基であるAがスルホ基を有する場合、色濃度を高める観点から、好ましくはR4〜R7が水素原子又はC1-4飽和脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはR4〜R7のうち2つ(特に1つ)がC1-4飽和脂肪族炭化水素基(特にメチル基又はエチル基)で、残りが水素原子であり、さらに好ましくはR4〜R7の全てが水素原子である。
色濃度と油溶性を高める観点からは、R4〜R7のうち1つ又は2つ以上に、トリフルオロメチル基、N−置換スルファモイル基を採用することが好ましい。なお残りのR4〜R7にスルホ基以外の基を選択することで、より一層、油溶性が高まる。
耐光性を高める観点からは、R4〜R7のうち1つ又は2つ以上に、嵩高い基を選択することが好ましい。R4〜R7はいずれも、アゾ基に対してオルト位に位置するので、嵩高い基を採用することで、化合物(I)の耐光性を高めることができる。前記の嵩高いR4〜R7としては、tert−ブチル基などの枝分かれ飽和脂肪族炭化水素基(特に3級飽和脂肪族炭化水素基)、トリフルオロメチル基などの2個以上(特に3個以上)のハロゲン原子が結合した飽和脂肪族炭化水素基、N−置換スルファモイル基などが例示できる。
式(I)のうちで、Aがスルホ基を有する場合の好ましい例としては、式(I−1)〜(I−11)が挙げられる。
Figure 2010152159
Figure 2010152159
Figure 2010152159
式(I)のうちで、AがN−置換スルファモイル基を有する場合の好ましい例としては、式(I−12)〜(I−19)が挙げられる。
Figure 2010152159
Figure 2010152159
化合物(I)の塩としては、スルホン酸塩又はカルボン酸塩などが挙げられる。またこれら塩を形成するカチオンは特に限定されないが、溶媒に対する溶解性を考慮すると、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩;アンモニウム塩;及びエタノールアミン塩、アルキルアミン塩のような有機アミン塩などが好ましい。特にアルカリ金属塩(好ましくはナトリウム塩)は、偏光膜基材に含有させる場合に有用である。また有機アミン塩は、樹脂硬化性化合物に含有させる場合に有用であり、さらには非金属塩であるため、絶縁性が重要視される分野でも有用である。
化合物(I)は、染料分野でよく知られているように、ジアゾニウム塩とピリドン類とをカップリングすることにより製造できる。例えば式(a)で表されるアミン類(ジアゾ成分)を、亜硝酸、亜硝酸塩又は亜硝酸エステルによりジアゾ化することによって得られる式(b)の化合物を、前記ジアゾニウム塩として使用できる(式(a)及び(b)中、A及びR4〜R7は、前記と同じ意味を表す)。
Figure 2010152159
Figure 2010152159
そしてジアゾニウム塩(b)と、式(c)で表されるピリドン類(カップリング成分)とを、通常、水性溶媒中20〜60℃で反応させることにより、化合物(I)を製造することができる(式(c)中、R1〜R3は、前記と同じ意味を表す)。
Figure 2010152159
スルファモイル基又はN−置換スルファモイル基を有する目的化合物は、スルファモイル基又はN−置換スルファモイル基を有する化合物(a)を用いることによっても製造できるが、スルホ基を有する化合物(a)を用いてカップリング反応を行った後に、スルホ基をスルホンアミド化して製造するのが確実である。例えば式(I)においてスルホ基を有する化合物(以下、「アゾスルホン酸(I)」という)を合成しておき、ハロゲン化チオニル化合物によってスルホ基(−SO3H)をスルホンハライド(−SO2X;Xはハロゲン原子)してスルホンハライド化合物を得て、次いでスルホンハライド化合物とアミンとを反応させることによって、スルホ基をスルホンアミド化して、スルホンアミド化合物(化合物(I))を得ることができる。
アゾスルホン酸(I)の好ましい例には、式(I−1)〜(I−11)で表される化合物が挙げられ、特に好ましい例としては、式(I−1)、(I−2)、(I−5)、(I−6)、(I−8)、(I−9)及び(I−11)で表される化合物が挙げられる。ハロゲン化チオニル化合物としては、弗化チオニル、塩化チオニル、臭化チオニル、沃化チオニルなどが挙げられ、好ましくは塩化チオニル、臭化チオニルなどが挙げられ、特に好ましくは塩化チオニルが挙げられる。ハロゲン化チオニルの使用量は、アゾスルホン酸(I)1モルに対して、例えば、1〜10モル程度である。なお反応系中に水が持ち込まれる場合は、ハロゲン化チオニル化合物を過剰に使用することが好ましい。
スルホンハライド化は、通常、溶媒中で行われる。溶媒としては、例えば、1,4−ジオキサンなどのエーテル類(特に好ましくは環状エーテル類);クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、ジクロロプロパン、塩化アミル、1,2−ジブロモエタンなどのハロゲン化炭化水素類などが使用できる。溶媒の使用量は、アゾスルホン酸(I)1質量部に対して、例えば、3質量部以上(好ましくは5質量部以上)、10質量部以下(好ましくは8質量部以下)程度である。
またスルホンハライド化では、N,N−ジアルキルホルムアミド(例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなど)を併用することが好ましい。N,N−ジアルキルホルムアミドを用いる場合、その使用量は、ハロゲン化チオニル化合物1モルに対して、例えば、0.05〜1モル程度である。アゾスルホン酸(I)とN,N−ジアルキルホルムアミドとを溶媒中で予め混合した後、ハロゲン化チオニル化合物を添加すると、発熱を抑制することができる。
スルホンハライド化における反応温度は、例えば、0℃以上(好ましくは30℃以上)、70℃以下(好ましくは60℃以下)である。反応時間は、例えば、0.5時間以上(好ましくは3時間以上)、8時間以下(好ましくは5時間以下)程度である。
上記のようにして調製されたスルホンハライド化合物は、単離してからアミンと反応させてもよく、単離することなく反応混合物のままでアミンと反応させてもよい。なお単離する場合には、例えば、反応混合物と水とを混合し、析出した結晶を濾取すればよい。取得したスルホンハライド化合物の結晶は、アミンとの反応前に、必要に応じて水洗及び乾燥してもよい。なお本明細書では、このアミンを、後述の塩基性触媒と区別するため、以下、反応性アミンという場合がある。
反応性アミンとしては、例えば、1級アミンが挙げられ、この1級アミンは、式H2N−R8で表される(R8は前記と同じ)。H2N−R8の具体例には、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、ジメチルヘキシルアミン(1,5−ジメチルヘキシルアミンなど)、テトラメチルブチルアミン(1,1,3,3−テトラメチルブチルアミンなど)、エチルヘキシルアミン(2−エチルヘキシルアミンなど)、アミノフェニルブタン(3−アミノ−1−フェニルブタンなど)、イソプロポキシプロピルアミンなどが含まれる。反応性アミンの使用量は、スルホンハライド化合物1モルに対して、通常、2モル以上(好ましくは3モル以上)、10モル以下(好ましくは7モル以下)程度である。
スルホンハライド化合物と反応性アミンとの添加順は特に限定されないが、スルホンハライド化合物に反応性アミンを添加(滴下)することが多い。またスルホンハライド化合物と反応性アミンとの反応は、通常、溶媒中で行う。溶媒としては、スルホンハライド化合物を調製するときと同様の溶媒が挙げられる。
またスルホンハライドと反応性アミンとの反応は、好ましくは、塩基性触媒の存在下で行われる。塩基性触媒としては、例えば3級アミン(特にトリエチルアミン、トリエタノールアミンなどの脂肪族3級アミン)、ピリジン、メチルピリジンなどのピリジン塩基等が挙げられる。これらの中でも、3級アミン、特にトリエチルアミンなどの脂肪族3級アミンが好ましい。塩基性触媒の使用量は、反応性アミン(スルホンハライドと反応させる前記アミン)に対して、通常、1.1モル以上、6モル以下(好ましくは5モル以下)程度である。
スルホンハライド化合物に反応性アミンと塩基性触媒とを添加する場合、塩基性触媒の添加タイミングは特に限定されず、反応性アミンの添加前及び添加後のどちらであってもよく、反応性アミンと同じタイミングで添加してもよい。また反応性アミンと予め混合してから添加してもよく、反応性アミンとは別に添加してもよい。
スルホンハライド化合物と反応性アミンの反応温度は、例えば、0℃以上、50℃以下(好ましくは30℃以下)である。また反応時間は、通常、1〜5時間程度である。
反応混合物から目的化合物であるスルホンアミド化合物を取得する方法は特に限定されず、公知の種々の手法が採用できる。例えば、反応混合物を酸(酢酸)及び水と共に混合し、析出した結晶を濾取することが好ましい。前記酸と水は、予め酸の水溶液を調製してから、反応混合物を前記水溶液に添加することが好ましい。反応混合物を添加するときの温度は、通常、10℃以上、好ましくは20℃以上50℃以下、好ましくは30℃以下である。また添加後は、同温度で0.5〜2時間程度攪拌するのが一般的である。濾取した結晶は、通常、水などで洗浄し、次いで乾燥する。また必要に応じて、再結晶などの公知の手法によってさらに精製してもよい。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、化合物(I)の他に、化合物(I)とは異なる着色剤を含む。化合物(I)とは異なる着色剤としては、たとえば、染料や顔料などが挙げられる。単独又は2種以上の着色剤を組み合わせてもよく、その場合、染料のみ、顔料のみでの組み合わせのほか、染料と顔料とを併用してもよい。
前記の染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料、硫化染料、建染染料、ナフトール染料、反応染料、分散染料などが挙げられ、従来カラーフィルタ用途として公知の染料などから選択できる。
染料としては、例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報等に記載の色素が挙げられる。
染料の化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、アリールアゾ系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、シアニン系、ポリメチン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、キノフタロン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、ジオキサジン系、クマリン系、スクアリリウム系、が挙げられ、好ましくはピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、フタロシアニン系、ジオキサジン系、キノフタロン系、キサンテン系が挙げられ、より好ましくはピラゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、フタロシアニン系、キノフタロン系、キサンテン系などが挙げられる。
前記の顔料としては、有機顔料及び無機顔料が挙げられ、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメント(Pigment)に分類されている化合物が挙げられる。
具体的には、例えば、
C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73などのオレンジ色の顔料;
C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265などの赤色顔料;
C.I.ピグメントグリーン7、36、58などの緑色顔料が挙げられる。
中でも赤色画素の場合、C.I.ピグメントレッド177、209、254から選ばれる少なくとも一つの顔料、緑色画素の場合はC.I.ピグメントグリーン36、58から選ばれる少なくとも一つの顔料を含有していることが好ましい。これらの顔料は、単独でも、2種以上を混合して用いてもよい。特に、C.I.ピグメント Red 177、C.I.ピグメント Red 254又はC.I.ピグメント グリーン58であることが好ましい。
前記の顔料のうち有機顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基又は塩基性基が導入された顔料誘導体や顔料分散剤などを用いた表面処理、高分子化合物などによる顔料表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法などによる微粒化処理、又は不純物を除去するための有機溶剤や水などによる洗浄処理、イオン性不純物のイオン交換法などによる除去処理などが施されていてもよい。
前記の顔料分散剤としては、市販の界面活性剤を用いることができ、例えば、シリコーン系、フッ素系、エステル系、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性などの界面活性剤などが挙げられ、それぞれ単独で又は2種以上を組合せて用いられる。前記の界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールジエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類、ポリエチレンイミン類等のほか、商品名でKP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄化学(株)製)、エフトップ(トーケムプロダクツ社製)、メガファック(DIC(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(以上、旭硝子(株)製)、ソルスパース(ゼネカ(株)製)、EFKA(EFKA CHEMICALS社製)、PB821(味の素(株)製)、Disperbyk(ビックケミー社製)などが挙げられる。
顔料分散剤を用いる場合、その使用量は、顔料1質量部あたり、好ましくは1質量部以下であり、より好ましくは0.05質量部以上0.5質量部以下である。顔料分散剤の使用量が前記の範囲にあると、均一な分散状態の顔料分散液が得られる傾向があるため好ましい。
着色剤(A)の含有量は、着色感光性樹脂組成物中の固形分に対して質量分率で、好ましくは5〜60質量%であり、より好ましくは8〜55質量%であり、さらに好ましくは10〜50質量%である。ここで、固形分とは、着色感光性樹脂組成物中の、溶剤をのぞく成分の合計をいう。
着色剤(A)の含有量が前記の範囲にあると、カラーフィルタとしたときの色濃度が十分であり、かつ組成物中にバインダーポリマーを必要量含有させることができるので、機械的強度が十分なパターンを形成することができることから好ましい。
着色剤(A)中の、化合物(I)の含有量は、着色剤(A)に対して1%〜60%であることが好ましい。また、着色剤(A)が顔料を含む場合、顔料の含有量は、着色剤(A)に対して40%〜99%であることが好ましい。
着色剤(A)中の化合物(I)の含有量が前記の範囲にあると、透過スペクトルの最適化が容易である上、高コントラスト、高明度を得るために良好であり、さらに耐熱性、耐薬品性が良好であることから好ましい。
本発明の効果に影響を与えない範囲であれば、他の色素を併用してもよい。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、バインダー樹脂(B)を含む。前記のバインダー樹脂(B)は、好ましくは(メタ)アクリル酸から導かれる構成単位を含有する。ここで、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を表す。前記の(メタ)アクリル酸から導かれる構成単位の含有量は、バインダー樹脂(B)を構成する全構成単位中、モル分率で、好ましくは16モル%以上40モル%以下、より好ましくは18モル%以上38モル%以下である。(メタ)アクリル酸から導かれる構成単位の含有量が前記の範囲にあると、現像時に、非画素部の溶解性が良好であり、かつ、現像後の非画素部に残渣が残りにくい傾向があり、好ましい。
(メタ)アクリル酸から導かれる構成単位以外のバインダー樹脂の構成単位を導く他のモノマーとしては、例えば、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸エステル類、不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類、不飽和カルボン酸グリシジルエステル類、カルボン酸ビニルエステル類、不飽和エーテル類、シアン化ビニル化合物、不飽和アミド類、不飽和イミド類、脂肪族共役ジエン類、重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基又はモノメタクリロイル基を有するマクロモノマー類、式(III)で表される単位及び式(IV)で表される単位などを挙げることができる。
Figure 2010152159
(式(III)及び式(IV)中、R23及びR25は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。R24及びR26は、それぞれ独立に、水素原子又はC1-6アルキル基を表す。)
前記のバインダー樹脂としては、具体的には、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、メタクリル酸/式(III)で表される構成成分(ただし、ここでは、式(III)中、R23はメチル基を表し、R24は水素原子を表す。)/ベンジルメタクリレート共重合体、式(III)で表される構成成分(ただし、ここでは、式(III)中、R23はメチル基を表し、R24は水素原子を表す。)/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/式(IV)で表される構成成分(ただし、ここでは、式(IV)中、R25はメチル基を表し、R26は水素原子を表す。)/スチレン共重合体/トリシクロデカニルメタクリレート共重合体などが好ましい。
本発明で用いられるバインダー樹脂(B)の酸価は、通常、50〜150であり、好ましくは60〜135、特に好ましくは70〜135である。酸価が、前記の範囲にあると、現像液に対する溶解性が向上して未露光部が溶解しやすくなり、また高感度化して現像時に露光部のパターンが残って残膜率が向上する傾向があり、好ましい。ここで酸価はアクリル酸系重合体1gを中和するに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、通常は水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
バインダー樹脂(B)の含有量は、着色感光性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で、通常、7〜65質量%であり、好ましくは13〜60質量%であり、より好ましくは17〜55質量%である。バインダー樹脂(B)の含有量が、前記の範囲にあると、パターンが形成でき、また解像度及び残膜率が向上する傾向にあり好ましい。
式(III)で表される構成成分を有するバインダー樹脂、例えば、メタクリル酸/式(III)で表される構成成分(ただし、ここでは、式(III)中、R23はメチル基を表し、R24は水素原子を表す。)/ベンジルメタクリレート共重合体は、メタクリル酸とベンジルメタクリレートとを重合させて2成分重合体を得て、得られた2成分重合体と式(V)で表される化合物(ただし、ここでは、式(V)中、R27は水素原子を表す。)とを反応させて得ることができる。
Figure 2010152159
メタクリル酸/式(IV)で表される構成成分(ただし、ここでは、式(IV)中、R25はメチル基を表し、R26は水素原子を表す。)/スチレン共重合体/トリシクロデカニルメタクリレート共重合体は、ベンジルメタクリレート、メタクリル酸、トリシクロデカン骨格のモノメタクリレート共重合体に、グリシジルメタクリレートを反応させて得ることができる。
バインダー樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量は、通常5,000〜35,000であり、好ましくは6,000〜30,000であり、特に好ましくは7,000〜28,000である。分子量が前記の範囲にあると、塗膜硬度が向上し、残膜率も高く、未露光部の現像液に対する溶解性が良好で、解像度が向上する傾向にあり、好ましい。
特に式(VI)で表されるバインダー樹脂(B)が、硬化性、現像性の点で好ましい。
Figure 2010152159
共重合は一般に、重合開始剤を用いて、溶媒中で行われる。重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルや2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)のようなアゾ化合物、過酸化ベンゾイルや過酸化−tert−ブチルのような過酸化物などが用いられる。また溶媒は、各モノマーを溶解するものであればよく、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類などが用いられる。反応温度は、重合開始剤の分解温度や溶剤及びモノマーの沸点などを考慮して決定すればよい。なお、このようにして得られる共重合体の側鎖を、重合性基を有する化合物で変成して、感光性のバインダー樹脂(B)とすることもできる。この際、樹脂に重合性基を導入するための触媒を加えてもよい。触媒としては、たとえばトリスジメチルアミノメチルフェノールが挙げられる。また、副反応を防ぐための添加剤を加えてもよい。添加剤としては、たとえばハイドロキノンが挙げられる。
本発明の着色感光性樹脂組成物は光重合性化合物(C)を含む。光重合性化合物(C)は、光を照射されることによって光重合開始剤(D)から発生した活性ラジカル、酸などによって重合しうる化合物であって、例えば、重合性の炭素−炭素不飽和結合を有する化合物などが挙げられる。
前記の光重合性化合物(C)としては、3官能以上の多官能の光重合性化合物であることが好ましい。3官能以上の多官能の光重合性化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートなどが挙げられる。前記の光重合性化合物(C)は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよく、その含有量は着色感光性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で、7〜65質量%であることが好ましく、より好ましくは13〜60質量%であり、さらに好ましくは17〜55質量%である。前記の光重合性化合物(C)の含有量が、前記の範囲にあると、硬化が十分におこり、現像前後での膜厚比率が向上し、パターンにアンダーカットが入りにくくなって密着性が良好になる傾向があることから好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物は光重合開始剤(D)を含む。前記の光重合開始剤(D)としては、アセトフェノン系化合物、活性ラジカル発生剤、酸発生剤などが挙げられる。
前記のアセトフェノン系化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマーなどが挙げられ、好ましくは2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オンなどが挙げられる。
活性ラジカル発生剤は光を照射されることによって活性ラジカルを発生する。前記の活性ラジカル発生剤としては、例えば、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物、オキシム系化合物などが挙げられる。
前記のベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
前記のベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記のチオキサントン系化合物としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
前記のトリアジン系化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記のオキシム系化合物としては、例えば、O−アシルオキシム系化合物が挙げられ、その具体例としては、1−(4−フェニルスルファニル−フェニル)−ブタン−1,2−ジオン 2−オキシム−O−ベンゾアート、1−(4−フェニルスルファニル−フェニル)−オクタン−1,2−ジオン 2−オキシム−O−ベンゾアート、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン 1−O−アセテート、1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−(3,3−ジメチル−2,4−ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン 1−O−アセテート等が挙げられる。
前記の例示以外の活性ラジカル発生剤として、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアントラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物などを用いることもできる。
前記の酸発生剤としては、例えば、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホナート、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホナート、4−アセトキシフェニル・メチル・ベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホナート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホナート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのオニウム塩類や、ニトロベンジルトシレート類、ベンゾイントシレート類などを挙げることができる。
また、前記の活性ラジカル発生剤として上記した化合物の中には、活性ラジカルと同時に酸を発生する化合物もあり、例えば、トリアジン系光重合開始剤は、酸発生剤としても使用される。
光重合開始剤(D)の含有量は、バインダー樹脂(B)及び光重合性化合物(C)の合計量に対して質量分率で、好ましくは0.1〜30質量%であり、より好ましくは1〜20質量%である。光重合開始剤の含有量が、前記の範囲にあると、高感度化して露光時間が短縮され生産性が向上することから好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物には、さらに光重合開始助剤(F)が含まれていてもよい。光重合開始助剤(F)は、通常、光重合開始剤(D)と組み合わせて用いられ、光重合開始剤によって重合が開始された光重合性化合物の重合を促進するために用いられる化合物である。
光重合開始助剤(F)としては、アミン系化合物、アルコキシアントラセン系化合物、チオキサントン系化合物などが挙げられる。
前記のアミン系化合物としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられ、中でも4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
前記のアルコキシアントラセン系化合物としては、例えば、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジブトキシアントラセンなどが挙げられる。
前記のチオキサントン系化合物としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
光重合開始助剤(F)は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、光重合開始助剤(F)としては、市販のものを用いることもでき、市販の光重合開始助剤(F)としては、例えば、商品名「EAB−F」(保土谷化学工業(株)製)などが挙げられる。
本発明の着色感光性樹脂組成物における光重合開始剤(D)及び光重合開始助剤(F)の組合せとしては、例えば、ジエトキシアセトフェノン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマー/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられ、好ましくは2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが挙げられる。
これらの光重合開始助剤(F)を用いる場合、その使用量は、光重合開始剤(D)1モルあたり、好ましくは0.01〜10モル、より好ましくは0.01〜5モルである。
本発明の着色感光性樹脂組成物は溶剤(E)を含む。溶剤(E)としては、例えば、エーテル類、芳香族炭化水素類、上記以外のケトン類、アルコール類、エステル類、アミド類、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
前記のエーテル類としては、例えば、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、アニソール、フェネトール、メチルアニソールなどが挙げられる。
前記の芳香族炭化水素類としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどが挙げられる。
前記のケトン類としては、例えば、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
前記のアルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
前記のエステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
前記のアミド類としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
これらの中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル及び4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンが好ましく、これらを併用することがより好ましい。
さらに前記の溶剤は、単独でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
着色感光性樹脂組成物における溶剤(E)の含有量は、着色感光性樹脂組成物に対して質量分率で、好ましくは70〜95質量%であり、より好ましくは75〜90質量%である。溶剤(E)の含有量が前記の範囲にあると、塗布時の平坦性が良好になり、またカラーフィルタを形成した際に色濃度が不足しないために表示特性が良好となる傾向があるため好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物には、さらに、界面活性剤(G)が含まれていてもよい。界面活性剤(G)としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
前記のシリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合を有する界面活性剤などが挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同29SHPA、同SH30PA、ポリエーテル変性シリコンオイルSH8400(商品名:トーレシリコーン(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越シリコーン製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452、TSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)などが挙げられる。
前記のフッ素系界面活性剤としては、フルオロカーボン鎖を有する界面活性剤などが挙げられる。具体的には、フロラード(商品名)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(商品名)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同R30(DIC(株)製)、エフトップ(商品名)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(新秋田化成(株)製)、サーフロン(商品名)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)、E5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)、BM−1000、BM−1100(いずれも商品名:BM Chemie社製)などが挙げられる。
前記のフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合及びフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤などが挙げられる。具体的には、メガファック(登録商標)R08、同BL20、同F475、同F477、同F443(DIC(株)製)などがあげられる。
これらの界面活性剤は、単独でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
界面活性剤(G)の含有量は、着色感光性樹脂組成物に対し質量分率で、好ましくは0.00001〜0.1質量%であり、より好ましくは0.00005〜0.01質量%である。界面活性剤(G)の含有量が、前記の範囲にあると、平坦性が良好になる傾向があり好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物を用いてカラーフィルタのパターンを形成する方法としては、例えば、本発明の着色感光性樹脂組成物を、基板又は別の樹脂層(例えば、基板の上に先に形成された別の着色感光性樹脂組成物層など)の上に塗布し、溶剤など揮発成分を除去して着色層を形成し、フォトマスクを介して該着色層を露光して、現像する方法とフォトリソ法が要らないインクジェット機器を用いる方法などが挙げられる。
本発明の着色感光性樹脂組成物によれば、明度が優れた塗膜を得ることが可能となる。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、液晶表示素子などの素子上に形成でき、これらをカラー化するのに有用である。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明する。例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、重量%及び重量部である。
合成例1
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート182gを導入し、フラスコ内雰囲気を空気から窒素にした後、100℃に昇温後、ベンジルメタクリレート70.5g(0.40モル)、メタクリル酸43.0g(0.5モル)、トリシクロデカン骨格のモノメタクリレート(日立化成(株)製FA−513M)22.0g(0.10モル)及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート136gからなる混合物に2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3.6gを添加した溶液を滴下し、さらに100℃で撹拌し続けた。次に、フラスコ内雰囲気を窒素から空気にし、グリシジルメタクリレート35.5g[0.25モル、(本反応に用いたメタクリル酸のカルボキシル基に対して50モル%)]、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.9g及びハイドロキノン0.145gをフラスコ内に投入し、110℃で反応を続け、固形分酸価が79mgKOH/gの樹脂溶液B1を得た。GPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は3.0×10であった。
上記の樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量の測定については、GPC法を用いて、以下の条件で行った。
装置 ;HLC−8120GPC(東ソー(株)製)
カラム ;TSK−GELG2000HXL
カラム温度 ;40℃
溶媒 ;THF
流速 ;1.0mL/min
被検液固型分濃度;0.001〜0.01質量%
注入量 ;50μL
検出器 ;RI
校正用標準物質 ;TSK STANDARD POLYSTYRENE
F−40、F−4、F−1、A−2500、A−500
(東ソー(株)製)
実施例1
[着色感光性樹脂組成物1の調製]
(A)着色剤:C.I.ピグメントレッド177 31 部
(A)着色剤:C.I.ピグメントレッド254 58 部
アクリル系顔料分散剤 5 部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 137 部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させ、ついで、
(A)着色剤:式(Ia)で表される化合物 11 部
(B)樹脂:樹脂溶液B1 157 部
(C)光重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬(株)製) 50 部
(D)光重合開始剤:OXE−01
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 15 部
(E)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 289 部
を混合して着色感光性樹脂組成物1を得た。
Figure 2010152159
〔パターンの形成〕
2インチ角のガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)上に、着色感光性樹脂組成物1をスピンコート法で塗布したのち、100℃で3分間プリベークした。冷却後、この着色感光性樹脂組成物を塗布した基板とパターンを有する石英ガラス製フォトマスクとの間隔を100μmとして、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、150mJ/cmの露光量(365nm基準)で光照射した。光照射後、上記塗膜を、非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%を含む水系現像液に23℃で80秒間浸漬現像し、水洗後、オーブン中、220℃で20分間ポストベークを行った。放冷後、得られた硬化パターンの膜厚を、膜厚測定装置(DEKTAK3;日本真空技術(株)製))を用いて測定したところ、2.2μmであった。
〔評価〕
得られたガラス基板上の塗膜について、測色機(OSP−SP−200;オリンパス(株)製)にてC光源を用いてCIEのXYZ表色系におけるxy色度座標(Rx、Ry)を測定し、コントラスト計(色彩色差計BM−5A;トプコン社製)を用いてコントラストを測定した。結果を表1に示す。
比較例1
[比較着色感光性樹脂組成物1の調製]
(A)着色剤:C.I.ピグメントレッド177 46 部
(A)着色剤:C.I.ピグメントレッド254 43 部
アクリル系顔料分散剤 5 部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 137 部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させ、ついで、
(A)着色剤:ゲスト化合物としてメラミンを含有する式(VII)で表される化合物 (通称ピグメントイエロー150) 11 部
Figure 2010152159
(B)樹脂:樹脂溶液B1 157 部
(C)光重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬(株)製) 50 部
(D)光重合開始剤:OXE−01
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 15 部
(E)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 289 部
を混合して比較着色感光性樹脂組成物1を得た。実施例1と同様にして膜厚2.2μmのパターンを形成し、評価した。結果を表1に示す。
Figure 2010152159
表1から明らかなように、化合物(I)を用いた実施例においては、Rx及びRyが同一の場合、高いコントラストが確認された。
実施例2
[着色感光性樹脂組成物2の調製]
(A)着色剤:C.I.ピグメントグリーン58 40 部
アクリル系顔料分散剤 5 部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 137 部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させ、ついで、
(A)着色剤:式(Ia)で表される化合物 24 部
(B)樹脂:樹脂溶液B1 157 部
(C)光重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬(株)製) 50 部
(D)光重合開始剤:OXE−01
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 15 部
(E)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 289 部
を混合して着色感光性樹脂組成物2を得た。実施例1と同様にして膜厚2.2μmのパターンを形成し、評価した。結果を表2に示す。
比較例2
[比較着色感光性樹脂組成物2の調製]
(A)着色剤:C.I.ピグメントグリーン58 40 部
アクリル系顔料分散剤 5 部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 137 部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させ、ついで、
(A)着色剤:ゲスト化合物としてメラミンを含有する式(VII)で表される化合物 (通称ピグメントイエロー150) 30 部
(B)樹脂:樹脂溶液B1 157 部
(C)光重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬(株)製) 50 部
(D)光重合開始剤:OXE−01
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 15 部
(E)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 289 部
を混合して比較着色感光性樹脂組成物2を得た。実施例1と同様にして膜厚2.2μmのパターンを形成し、評価した。結果を表2に示す。
Figure 2010152159
表2から明らかなように、化合物(I)を用いた実施例においては、Rx及びRyが同一の場合、高いコントラストが確認された。
本発明の着色感光性樹脂組成物によれば、高コントラストな塗膜及びカラーフィルタを得ることができる。

Claims (11)

  1. 着色剤(A)、バインダー樹脂(B)、光重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)及び溶剤(E)を含み、着色剤(A)が、式(I)で表される化合物及びその塩からなる群から選択される少なくとも一種を含有する着色剤である着色感光性樹脂組成物。
    Figure 2010152159
    〔式(I)中、Aは、カルボキシル基、スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を1個又は2個有するフェニル基、或いはスルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を1〜3個有するナフチル基を表す。
    1は、水素原子、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基又はシアノ基を表す。
    2及びR3は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6飽和脂肪族炭化水素基を表す。
    4〜R7は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1-10飽和脂肪族炭化水素基、ハロゲン化C1-10飽和脂肪族炭化水素基、C1-8アルコキシル基、カルボキシル基、スルホ基、スルファモイル基又はN−置換スルファモイル基を表す。〕
  2. 前記N−置換スルファモイル基が、−SO2NHR8基であり、R8は、C1-10飽和脂肪族炭化水素基、C1-8アルコキシル基が置換しているC1-10飽和脂肪族炭化水素基、C6-20アリール基、C7-20アラルキル基、又はC2-10アシル基を表す請求項1記載の着色感光性樹脂組成物。
  3. Aが、1つのN−置換スルファモイル基を有するフェニル基である請求項1又は2記載の着色感光性樹脂組成物。
  4. 2が、メチル基である請求項1〜3のいずれか記載の着色感光性樹脂組成物。
  5. 3が、C2-4飽和脂肪族炭化水素基である請求項1〜4のいずれか記載の着色感光性樹脂組成物。
  6. 着色剤(A)が、さらに式(I)で表される化合物及びその塩からなる群から選択される少なくとも一種とは異なる着色剤を含む着色剤である請求項1〜5のいずれか記載の着色感光性樹脂組成物。
  7. 式(I)で表される化合物及びその塩からなる群から選択される少なくとも一種とは異なる着色剤がC.I.ピグメント Red 177及びC.I.ピグメント Red 254からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項6記載の着色感光性樹脂組成物。
  8. 式(I)で表される化合物及びその塩からなる群から選択される少なくとも一種とは異なる着色剤がC.I.ピグメント グリーン58である請求項6記載の着色感光性樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか記載の着色感光性樹脂組成物を用いて形成される塗膜。
  10. 請求項9記載の塗膜を含むカラーフィルタ。
  11. フォトリソグラフ法によって形成される請求項9記載の塗膜。
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