JP2012194200A - カラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタ及びカラー液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
Description
したがって、本発明の課題は、従来の顔料分散型の着色組成物を越える、緑色画素の高輝度化と高色純度化を実現し得る、カラーフィルタ用着色組成物を提供することにある。さらに本発明の課題は、当該着色組成物を用いて形成された緑色画素を備えるカラーフィルタ、及び当該カラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子を提供することにある。
(A)下記式(1)で表される化合物、該化合物から形成される二量体及びそれらの塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種(以下、これらを総称して「特定黄色染料」とも称する。)と、C.I.ピグメントグリーン58を含む着色剤、
(B)酸価が85〜300mgKOH/gであるバインダー樹脂、並びに
(C)多官能性単量体
を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物を提供するものである。
Zは、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルバモイル基、スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を1個若しくは2個有するフェニル基、又はハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルバモイル基、スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を1〜3個有するナフチル基を表す。
R1は、水素原子、直鎖状、分岐状若しくは環状である炭素数1〜10の炭化水素基、カルボキシル基又はトリフルオロメチル基を表す。
R2は、水素原子、直鎖状、分岐状若しくは環状である炭素数1〜10の炭化水素基、シアノ基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基又はアミノ基を表す。
R3は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状若しくは環状の飽和炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20の複素環基、シアノ基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素数7〜30のアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の脂肪族スルホニル基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリールスルホニル基を表す。]
しがたって、本発明の着色組成物は、カラー液晶表示素子用カラーフィルタ、固体撮像素子の色分解用カラーフィルタ、有機EL表示素子用カラーフィルタを始めとする各種のカラーフィルタの作製に極めて好適に使用することができる。
カラーフィルタ用着色組成物
以下、本発明のカラーフィルタ用着色組成物(以下、単に「着色組成物」と称する。)の構成成分について説明する。
本発明の着色組成物は、(A)着色剤として、C.I.ピグメントグリーン58と、特定黄色染料、即ち上記式(1)で表される化合物、該化合物から形成される二量体及びそれらの塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有することを特徴とする。C.I.ピグメントグリーン58は、臭素化塩素化亜鉛フタロシアニンである。
Zにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子、臭素原子、塩素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜16の飽和炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数2〜15のアシル基を表す(ただし、R4及びR5が、同時に水素原子であることはない)。
R4及びR5における、炭素数1〜16の飽和炭化水素基としては、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよい。飽和炭化水素基の炭素数には置換基の炭素数は含まれず、その数は、通常、1〜16、好ましくは6〜10である。飽和炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、メチルブチル基(1,1,3,3−テトラメチルブチル基など)、メチルヘキシル基(1,5−ジメチルヘキシル基など)、エチルヘキシル基(2−エチルヘキシル基など)、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基(2−メチルシクロヘキシル基など)及びシクロヘキシルアルキル基などが挙げられる。飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜8のアルコキシ基又はカルボキシル基で置換されていてもよい。置換基を有する飽和炭化水素基としては、プロポキシプロピル基(3−(イソプロポキシ)プロピル基など)、2−カルボキシエチル基、3−カルボキシプロピル基及び4−カルボキシブチル基などが挙げられる。
R4及びR5における炭素数7〜20のアラルキル基のアルキル部分は、直鎖状又は分岐状のいずれでもよい。アラルキル基の炭素数は、通常、7〜20、好ましくは7〜10である。アラルキルとしては、ベンジル基、フェニルエチル基(2−フェニルエチル基、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル基など)、フェニルエチレン基(2−フェニルエチレン基など)、フェニルプロピル基(1−メチル−3−フェニルプロピル基など)及びフェニルブチル基(3−アミノ−1−フェニルブチル基など)などのフェニルアルキル基が挙げられる。
R4及びR5における炭素数2〜15のアシル基は、非置換であってもよく、脂肪族炭化水素基、アルコキシ基又はカルボキシル基などの置換基を有していてもよい。アシル基の炭素数は、置換基の炭素数を全て含み、その数は、通常、2〜15、好ましくは6〜10である。アシル基としては、例えばアセチル基、ベンゾイル基、メトキシベンゾイル基(p−メトキシベンゾイル基など)、カルボキシアセチル基、2−カルボキシプロピオニル基、3−カルボキシプロピオニル基、2−カルボキシブチリル基、3−カルボキシブチリル基及び4−カルボキシブチリル基などが挙げられる。
R1における炭素数1〜10の炭化水素基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。その炭素数は、好ましくは2〜8、より好ましくは2〜4である。炭化水素基としては、飽和炭化水素基であることが好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基などが挙げられる。
R6及びR7は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の飽和炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数2〜10のアシル基を表す。
R6及びR7の飽和炭化水素基、アリール基、アラルキル基及びアシル基の説明及び具体例は、前述のR4及びR5と同じである。ただし、アシル基はハロゲン原子を有していてもよい。ハロゲン原子を有しているアシル基としては、例えば、ブロモベンゾイル基(p−ブロモベンゾイル基など)などが挙げられる。
R2におけるアミノ基としては、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、脂肪族スルホニルアミノ基、あるいは、アリールスルホニルアミノ基などが挙げられ、それぞれさらに置換基を有していてもよい。
R3におけるアリール基の炭素数は置換基の炭素数を含み、その数は、通常、6〜30であり、好ましくは6〜20であり、より好ましくは6〜16である。アリール基の具体例としては、フェニル基などが挙げられ、また置換アリール基としては、4−ニトロフェニル基、2−ニトロフェニル基、2−クロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−メトキシフェニル基及び2−メトキシカルボニル−4−ニトロフェニル基などが挙げられる。
R3におけるアラルキル基としては、直鎖状又は分岐状のいずれでもよく、アラルキル基の炭素数は置換基の炭素数が含まれず、その数は、好ましくは7〜10である。アラルキルの具体例としては、ベンジル基、フェニルプロピル基及びフェニルブチル基などのフェニルアルキル基が挙げられ、また置換アラルキル基の具体例としては、1−メチル−3−フェニルプロピル基、3−アミノ−1−フェニルブチル基などが挙げられる。
R3におけるN−置換カルバモイル基としては、R2について上述したN−置換カルバモイル基と同じである。
R3におけるアルキルオキシカルボニル基としては、非置換でも置換基を有していてもよく、環状であってもよい。アルキルオキシカルボニル基の炭素数としては、通常、2〜20であり、好ましくは2〜16であり、さらに好ましくは2〜10である。アルキルオキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基及びブトキシカルボニル基などが挙げられる。
R3におけるアシル基としては、脂肪族カルボニル基であってもアリールカルボニル基であってもよく、飽和又は不飽和のいずれでもよく、環状であってもよく、更に置換基を有していてもよい。アシル基の炭素数は置換基の炭素数を全て含み、その数は、通常、2〜20であり、好ましくは2〜15であり、さらに好ましくは2〜10である。アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基などが挙げられる。
R3における脂肪族スルホニル基は、飽和であっても不飽和であってもよく、環状であってもよい。脂肪族スルホニル基の炭素数は置換基の炭素数を含み、その数としては、通常、1〜30であり、好ましくは1〜20であり、さらに好ましくは1〜16である。脂肪族スルホニル基としては、メタンスルホニル基、ブタンスルホニル基、メトキシメタンスルホニル基、メトキシエタンスルホニル基及びエトキシエタンスルホニル基などが挙げられる。
R3におけるアリールスルホニル基としては、置換基を有していてもよく、アリールスルホニル基の炭素数は置換基の炭素数を含み、その数としては、通常、6〜30であり、好ましくは6〜20であり、さらに好ましくは6〜18である。アリールスルホニル基としては、ベンゼンスルホニル及びトルエンスルホニル基などが挙げられる。
本発明における式(1)で表わされる好適な化合物の具体例を下記の表1〜6に示すが、本発明の化合物はこれらに限定されるものではない。
2価の炭素数6〜14芳香族炭化水素基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ニトロ基、スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基などが挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子が好ましい。
炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基等が挙げられ、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、炭素数1〜2のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
炭素数1〜8のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基及びヘキシルオキシ基等が挙げられ、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜2のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
N−置換スルファモイル基として、−SO2NH(R4)R5基が好ましい。R4、R5は、上記と同じ意味を表す。
R’’3、R8及びXの炭素数1〜12のアルキレン基には、例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、メチルブチレン基(1,1,3,3−テトラメチルブチレン基など)、メチルヘキシレン基(1−メチルヘキシレン基、1,5−ジメチルヘキシレン基など)及びエチルヘキシレン基(2−エチルヘキシレン基など)などが例示できる。好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基である。Xの−R8−(O−R8)m−として好ましくはR8はアルキレン基、mは1〜4であり、より好ましくはR8はエチレン基で、mは2である。具体的には式(1−14)〜式(1−17)で表される化合物などが挙げられる。
C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36。
C.I.アシッドグリーン25等のアントラキノン系染料;
C.I.ソルベントイエロー33、C.I.アシッドイエロー3、C.I.ディスパースイエロー64等のキノリン系染料;
C.I.アシッドイエロー1、C.I.アシッドオレンジ3、C.I.ディスパースイエロー42等のニトロ系染料。
本発明における(B)バインダー樹脂としては、酸価が85〜300mgKOH/gである限り特に限定されるものではない。酸価が85mgKOH/g未満であると、特定黄色染料の熱安定性が低下し、一方300mgKOH/gを超えると、アルカリ現像時に特定黄色染料が溶出し易くなる。本発明において、酸価を発現する酸性官能基としては、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、イミド酸基(−CO−NH−CO−)、スルホ基、スルフィノ基、スルフェノ基等を挙げることができ、中でも、後述する溶媒への溶解性の点から、カルボキシル基が好ましい。
本発明において、(B)バインダー樹脂の含有量は、(A)着色剤100質量部に対して、通常、10〜1,000質量部、好ましくは20〜500質量部である。
本発明における(C)多官能性単量体は、2個以上の重合性不飽和結合を有する単量体であり、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートであることが好ましい。このような化合物としては、例えば、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレートと多官能イソシアネートを反応させて得られる多官能ウレタン(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレートと酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
本発明における(C)多官能性単量体の含有量は、(B)バインダー樹脂100質量部に対して、通常、5〜500質量部、好ましくは20〜300質量部である。
本発明の着色組成物には、光重合開始剤を含有せしめることにより、着色組成物に感放射線性を付与することもできる。ここでいう「放射線」は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を含むものを意味する。
本発明に用いる(D)光重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線の露光により、上記(C)多官能性単量体の重合を開始しうる活性種を発生する化合物である。
光重合開始剤としては、チオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物の群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
本発明において、(D)光重合開始剤の含有量は、(C)多官能性単量体100質量部に対して、0.01〜120質量部が好ましく、特に1〜100質量部が好ましい。この場合、光重合開始剤の含有量が少なすぎると、露光による硬化が不十分となるおそれがあり、一方多すぎると、形成された着色層が現像時に基板から脱落しやすくなる傾向がある。
本発明の着色組成物は、必要に応じて、種々の添加剤を含有することもできる。
添加剤としては、例えば、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリ(フロオロアルキルアクリレート)類等の高分子化合物;フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤;ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤、マロン酸、アジピン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、メサコン酸等の残渣改善剤等を挙げることができる。
本発明の着色組成物は、通常、溶媒を配合して液状組成物として調製される。本発明における溶媒としては、着色組成物を構成する上記(A)〜(C)成分や任意的に加えられる他の成分を分散又は溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
メチルエチルケトン、メチルn−アミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;
プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート等のジアセテート類;
乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等のアルコキシカルボン酸エステル類;
酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシル等の(シクロ)アルキルエステル類
等を挙げることができる。
本発明における溶媒の含有量は、得られる着色組成物の塗布性、安定性等の観点から、当該組成物の溶媒を除いた各成分の合計濃度が、通常、5〜50質量%となる量であり、10〜40質量%となる量が好ましい。
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色組成物から形成された緑色画素を備えるものである。
カラーフィルタを製造する方法としては、第一に次の方法が挙げられる。まず、基板の表面上に、必要に応じて、画素を形成する部分を区画するように遮光層(ブラックマトリックス)を形成する。次いで、この基板上に、例えば、本発明の着色感放射線性組成物の液状組成物を塗布したのち、プレベークを行って溶剤を蒸発させ、塗膜を形成する。次いで、この塗膜にフォトマスクを介して露光したのち、アルカリ現像液を用いて現像して、塗膜の未露光部を溶解除去する。その後、ポストベークすることにより、緑色の画素パターンが所定の配列で配置された画素アレイを形成する。
次いで、赤色又は青色の各着色感放射線性組成物の液状組成物を用い、上記と同様にして、各液状組成物の塗布、プレベーク、露光、現像及びポストベークを行って、赤色の画素アレイ及び青色の画素アレイを同一基板上に順次形成する。これにより、赤色、緑色及び青色の三原色の画素アレイが基板上に配置されたカラーフィルタが得られる。但し、本発明においては、各色の画素を形成する順序は、上記のものに限定されない。
また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。
プレベークは、通常、減圧乾燥と加熱乾燥を組み合わせて行われる。減圧乾燥は、通常50〜200Passに到達するまで行う。また、加熱乾燥の条件は、通常70〜110℃で1〜10分程度である。
塗布厚さは、乾燥後の膜厚として、通常、0.1〜10μm、好ましくは0.2〜8.0μm、特に好ましくは0.2〜6.0μmである。
放射線の露光量は、一般的には10〜10,000J/m2が好ましい。
上記アルカリ現像液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ現像後は、通常、水洗する。
現像処理法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。現像条件は、常温で5〜300秒が好ましい。
ポストベークの条件は、通常180〜280℃で10〜60分程度である。
このようにして形成された画素の膜厚は、通常0.5〜5.0μm、好ましくは1.0〜3.0μmである。
次いで、赤色又は青色の各着色組成物の液状組成物を用い、上記と同様にして、赤色の画素パターンおよび青色の画素パターンを同一基板上に順次形成する。これにより、赤色、緑色および青色の三原色の画素パターンが基板上に配置されたカラーフィルタが得られる。但し、本発明においては、各色の画素を形成する順序は、上記のものに限定されない。
なお、上記隔壁は、遮光機能のみならず、区画内に吐出された各色の着色組成物が混色しないための機能も果たしているため、上記した第一の方法で使用されるブラックマトリックスに比べ、膜厚が厚い。したがって、隔壁は、通常、黒色感放射線性組成物を用いて形成される。
カラーフィルタを形成する際に使用される基板や放射線の光源、また、プレベークやポストベークの方法や条件は、上記した第一の方法と同様である。このようにして、インクジェット方式により形成された画素の膜厚は、隔壁の高さと同程度である。
このようにして得られる本発明のカラーフィルタは、諸特性に優れるため、カラー液晶表素子、カラー撮像管素子、有機EL表示素子等に極めて有用である。
本発明のカラー液晶表示素子は、本発明のカラーフィルタを具備するものである。
本発明のカラー液晶表示素子は、適宜の構造をとることができる。例えば、カラーフィルタを、薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板とは別の基板上に形成して、駆動用基板とカラーフィルタを形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造をとることができ、さらに薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板の表面上にカラーフィルタを形成した基板と、ITO(錫をドープした酸化インジュウム)電極を形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造をとることもできる。後者の構造は、開口率を格段に向上させることができ、明るく高精細な液晶表示素子が得られるという利点を有する。
合成例1
(アゾ色素中間体(a)の合成)
調製例1
着色剤としてC.I.ピグメントグリーン58を15質量部、分散剤としてBYK−LPN21116(ビックケミー(BYK)社製)12.5質量部(固形分濃度=40質量%)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート72.5質量部を用いて、ビーズミルにより処理して、顔料分散液(A−1)を調製した。
着色剤としてC.I.ピグメントイエロー150を15質量部、分散剤としてBYK−LPN21116(ビックケミー(BYK)社製)12.5質量部(固形分濃度=40質量%)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート72.5質量部を用いて、ビーズミルにより処理して、顔料分散液(A−2)を調製した。
着色剤としてC.I.ピグメントグリーン36を15質量部、分散剤としてBYK−LPN21116(ビックケミー(BYK)社製)12.5質量部(固形分濃度=40質量%)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート72.5質量部を用いて、ビーズミルにより処理して、顔料分散液(A−3)を調製した。
調製例4
着色剤として上記合成例1で得られた特定黄色染料を10質量部と、溶媒としてシクロヘキサンノン90質量部を混合し、染料溶液Aを調製した。
合成例2
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100質量部を仕込んで窒素置換した。80℃に加熱して、同温度で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100質量部、メタクリル酸20質量部、スチレン15質量部、ブチルメタクリレート25質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15質量部、N−フェニルマレイミド25質量部、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)6質量部の混合溶液を1時間かけて滴下し、この温度を保持して2時間重合した。その後、反応溶液の温度を100℃に昇温させ、さらに1時間重合することにより、バインダー樹脂溶液(固形分濃度=33質量%)を得た。得られたバインダー樹脂は、Mw=10,500、Mn=5,500であった。このバインダー樹脂を「バインダー樹脂(B1)」とする。
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100質量部を仕込んで窒素置換した。80℃に加熱して、同温度で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100質量部、メタクリル酸16質量部、スチレン15質量部、ブチルメタクリレート29質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15質量部、N−フェニルマレイミド25質量部、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)6質量部の混合溶液を1時間かけて滴下し、この温度を保持して2時間重合した。その後、反応溶液の温度を100℃に昇温させ、さらに1時間重合することにより、バインダー樹脂溶液(固形分濃度=33質量%)を得た。得られたバインダー樹脂は、Mw=10,300、Mn=5,200であった。このバインダー樹脂を「バインダー樹脂(B2)」とする。
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100質量部を仕込んで窒素置換した。80℃に加熱して、同温度で、シクロヘキサノン100質量部、メタクリル酸40質量部、スチレン15質量部、ブチルメタクリレート10質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10質量部、N−フェニルマレイミド25質量部、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)6質量部の混合溶液を1時間かけて滴下し、この温度を保持して2時間重合した。その後、反応溶液の温度を100℃に昇温させ、さらに1時間重合することにより、バインダー樹脂溶液(固形分濃度=33質量%)を得た。得られたバインダー樹脂は、Mw=11,000、Mn=5,600であった。このバインダー樹脂を「バインダー樹脂(B3)」とする。
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100質量部を仕込んで窒素置換した。80℃に加熱して、同温度で、シクロヘキサノン100質量部、メタクリル酸46質量部、スチレン15質量部、ブチルメタクリレート4質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10質量部、N−フェニルマレイミド25質量部、及び2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)6質量部の混合溶液を1時間かけて滴下し、この温度を保持して2時間重合した。その後、反応溶液の温度を100℃に昇温させ、さらに1時間重合することにより、バインダー樹脂溶液(固形分濃度=33質量%)を得た。得られたバインダー樹脂は、Mw=10,000、Mn=5,100であった。このバインダー樹脂を「バインダー樹脂(B4)」とする。
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100質量部を仕込んで窒素置換した。80℃に加熱して、同温度で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100質量部、メタクリル酸12質量部、スチレン15質量部、ブチルメタクリレート33質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15質量部、N−フェニルマレイミド25質量部、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)6質量部の混合溶液を1時間かけて滴下し、この温度を保持して2時間重合した。その後、反応溶液の温度を100℃に昇温させ、さらに1時間重合することにより、バインダー樹脂溶液(固形分濃度=33質量%)を得た。得られたバインダー樹脂は、Mw=10,700、Mn=5,500であった。このバインダー樹脂を「バインダー樹脂(B5)」とする。
上記各合成例で得たバインダー樹脂の酸価を下記の要領で測定した。表1に測定結果を示す。
バインダー樹脂溶液0.5gを1mgの単位まで精密に秤量し、硝子容器に取り分けた。シクロヘキサノンにより50mLに希釈した後、フェノールフタレインを添加し、0.1Nエタノール性水酸化カリウム水溶液で滴定を行い、ピンク色に着色した点を終点とした。同様に空試験を行なった。バインダー樹脂と空試験の0.1Nエタノール性水酸化カリウム水溶液滴下量から酸価(単位:mgKOH/g)を算出した。
調製例5
顔料分散液(A−1)32.7質量部、上記調製例4で得られた染料溶液Aを21.0質量部、バインダー樹脂としてバインダー樹脂(B1)溶液12.2質量部、多官能性単量体としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート6.0質量部、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名IRGACURE369)1.3質量部、及び溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合して、固形分濃度20質量%の着色組成物(CR1)を調製した。
バインダー樹脂(B1)に代えてバインダー樹脂(B2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、固形分濃度20質量%の着色組成物(CR2)を調製した。
バインダー樹脂(B1)に代えてバインダー樹脂(B3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、固形分濃度20質量%の着色組成物(CR3)を調製した。
バインダー樹脂(B1)に代えてバインダー樹脂(B4)を用いた以外は、実施例1と同様にして、固形分濃度20質量%の着色組成物(CR4)を調製した。
顔料分散液(A−1)28.0質量部、顔料分散液(A−2)18.7質量部、バインダー樹脂としてバインダー樹脂(B1)溶液11.4質量部、多官能性単量体としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート5.6質量部、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名IRGACURE369)1.3質量部、及び溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合して、固形分濃度20質量%の着色組成物(CR5)を調製した。
顔料分散液(A−3)31.7質量部、上記調製例4で得られた染料溶液Aを22.4質量部、バインダー樹脂としてバインダー樹脂(B1)溶液12.2質量部、多官能性単量体としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート6.8質量部、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名IRGACURE369)1.3質量部、及び溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合して、固形分濃度20質量%の着色組成物(CR6)を調製した。
バインダー樹脂(B1)に代えてバインダー樹脂(B5)を用いた以外は、実施例1と同様にして、固形分濃度20質量%の着色組成物(CR7)を調製した。
着色組成物(CR1)を、ガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布した後、80℃のホットプレートで10分間プレベークを行って塗膜を形成した。スピンコーターの回転数を変えて同様の操作により、膜厚の異なる3枚の塗膜を形成した。
次いで、これらの基板を室温に冷却したのち、高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介さずに、各塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を2,000J/m2の露光量で露光した。その後、これらの基板に対して、23℃の0.04質量%水酸化カリウム水溶液からなる現像液を現像圧1kgf/cm2(ノズル径1mm)で吐出することにより、90秒間シャワー現像を行った。その後、この基板を超純水で洗浄し、風乾した後、更に230℃のクリーンオーブン内で30分間ポストベークを行うことにより、評価用硬化膜を形成した。
着色組成物(CR1)に代えてそれぞれ着色組成物(CR2)〜(CR7)を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表2に示す。
Claims (4)
- (A)下記式(1)で表される化合物、該化合物から形成される二量体及びそれらの塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種と、C.I.ピグメントグリーン58を含む着色剤、
(B)酸価が85〜300mgKOH/gであるバインダー樹脂、並びに
(C)多官能性単量体
を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
Zは、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルバモイル基、スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を1個若しくは2個有するフェニル基、又はハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルバモイル基、スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を1〜3個有するナフチル基を表す。
R1は、水素原子、直鎖状、分岐状若しくは環状である炭素数1〜10の炭化水素基、カルボキシル基又はトリフルオロメチル基を表す。
R2は、水素原子、直鎖状、分岐状若しくは環状である炭素数1〜10の炭化水素基、シアノ基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基又はアミノ基を表す。
R3は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状若しくは環状の飽和炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20の複素環基、シアノ基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素数7〜30のアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の脂肪族スルホニル基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリールスルホニル基を表す。] - 更に(D)光重合開始剤を含有する、請求項1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- 請求項1又は2に記載のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成された緑色画素を備えてなるカラーフィルタ。
- 請求項3に記載のカラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子。
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