JP6028478B2 - 着色剤、着色組成物、カラーフィルタ及び表示素子 - Google Patents
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Description
したがって、本発明の課題は、着色剤として染料を用いた場合に、良好な電圧保持率、高いコントラスト及び高い耐熱性を両立できる着色層を形成することのできる着色組成物を提供すること、及び該着色組成物に適用可能な着色剤を提供することにある。また、本発明の課題は、上記着色組成物から形成された着色層を備えてなるカラーフィルタ、及び当該カラーフィルタを具備する表示素子を提供することにある。
(A)下記式(1)で表される染料を含む着色剤、
(B)バインダー樹脂、及び
(C)架橋剤
を含有することを特徴とする着色組成物を提供するものである。
X-は、アニオンを表す。;
aは、当該化合物が電気的に中性となるように定まる整数である。;
mは、0〜5の整数を表す。但し、mが2以上の整数である場合、複数のR5は、同一であっても異なっていてもよい。;
R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、−R6又は炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基(該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、−R6、−OH、−OR6、−SO3 -、−SO3H、−SO3M、−CO2H、−CO2R6、−SO3R6、−SO2NH2、−SO2NHR8、−SO2NR8R9、−SO2−O−N=CR7R10、−SO2NHNHR7、−SO2SR7又は−SO2NHSO2R11で置換されていてもよい)を表す。;
R5は、それぞれ独立に、−SO3 -、−SO3H、−SO3M、−CO2H、−CO2R6、−SO3R6、−SO2NHR8、−SO2NR8R9、−SO2−O−N=CR7R10、−SO2NHNHR7、−SO2SR7又は−SO2NHSO2R11を表す。;
R6は、1価の飽和炭化水素基(該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−CO−又は−NR7−で置き換っていてもよい)を表す。;
R7は、1価の炭化水素基(該炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子又は−R11で置換されていてもよく、該炭化水素基は、−O−又は−CO−で連結されていてもよい)を表す。;
R8及びR9は、それぞれ独立に、1価の飽和脂肪族炭化水素基(該飽和脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、−OH、ハロゲン原子、−Q、−CH=CH2又は−CH=CHR6で置換されていてもよく、該飽和脂肪族炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、−NH−又は−NR6−で置き換っていてもよい)を表す。;
R10は、水素原子、1価の炭化水素基(該炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子又は−R11で置換されていてもよく、該炭化水素基は、−O−又は−CO−で連結されていてもよい)又は−R11を表す。;
R11は、置換基を有しても良い1価の炭化水素基を表す。;
Qは、炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基又は炭素数3〜10の1価の複素環基(該芳香族炭化水素基及び該複素環基に含まれる1個以上の水素原子は、−R6、−OR6及び−CH=CHR6よりなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されており、該芳香族炭化水素基及び該複素環基に含まれる残余の水素原子は、−OH、−NO2、−CH=CH2又はハロゲン原子で置換されていてもよい)を表す。;
Mは、ナトリウム原子又はカリウム原子を表す。
但し、当該化合物は、下記の(i)〜(vi)のうちの1以上の要件を満たす。
(i)R1〜R4のうち1以上が、−SO2−O−N=CR7R10、−SO2NHNHR7、−SO2SR7及び−SO2NHSO2R11よりなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有する芳香族炭化水素基である。
(ii)R1〜R4のうち1以上が、−SO2NHR8及び−SO2NR8R9よりなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有する芳香族炭化水素基である。但し、R8、R9で表わされる1価の飽和脂肪族炭化水素基は、炭素数が11以上である。
(iii)R1〜R4のうち1以上が、−R6であるか、又は−R6、−OR6、−CO2R6及び−SO3R6よりなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有する芳香族炭化水素基である。但し、R6で表わされる1価の飽和炭化水素基は、炭素数が11以上である。
(iv)m個あるR5のうち1以上が、−SO2−O−N=CR7R10、−SO2NHNHR7、−SO2SR7又は−SO2NHSO2R11である。
(v)m個あるR5のうち1以上が、−SO2NHR8又は−SO2NR8R9である。但し、R8、R9で表わされる1価の飽和脂肪族炭化水素基は、炭素数が11以上である。
(vi)m個あるR5のうち1以上が、−CO2R6又は−SO3R6である。但し、R6で表わされる1価の飽和炭化水素基は、炭素数が11以上である。〕
着色組成物
以下、本発明の着色組成物の構成成分について説明する。
本発明の着色組成物は、(A)着色剤として上記式(1)で表される染料(以下、「染料(a1)」という。)を含有する。
R11における1価の炭化水素基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ニトロ基等を挙げられる。置換基の位置及び数は任意であり、置換基を2以上有する場合、当該置換基は同一でも異なっていてもよい。なお、炭化水素基に置換可能なハロゲン原子及び炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、前述と同様のものを挙げることができる。
また、R10としては、脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が更に好ましく、R11としては、芳香族炭化水素基が好ましく、炭素数6〜10のアリール基がより好ましい。
Mは、ナトリウム原子又はカリウム原子である。
(i)R1〜R4のうち1以上が、−SO2−O−N=CR7R10、−SO2NHNHR7、−SO2SR7及び−SO2NHSO2R11よりなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有する芳香族炭化水素基である。
(ii)R1〜R4のうち1以上が、−SO2NHR8及び−SO2NR8R9よりなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有する芳香族炭化水素基である。但し、R8、R9で表わされる1価の飽和脂肪族炭化水素基は、炭素数が11以上である。
(iii)R1〜R4のうち1以上が、−R6であるか、又は−R6、−OR6、−CO2R6及び−SO3R6よりなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有する芳香族炭化水素基である。但し、R6で表わされる1価の飽和炭化水素基は、炭素数が11以上である。
(iv)m個あるR5のうち1以上が、−SO2−O−N=CR7R10、−SO2NHNHR7、−SO2SR7又は−SO2NHSO2R11である。
(v)m個あるR5のうち1以上が、−SO2NHR8又は−SO2NR8R9である。但し、R8、R9で表わされる1価の飽和脂肪族炭化水素基は、炭素数が11以上である。
(vi)m個あるR5のうち1以上が、−CO2R6又は−SO3R6である。但し、R6で表わされる1価の飽和炭化水素基は、炭素数が11以上である。
また、染料(1a)が、要件(i)〜(v)のうちの1以上を満たす場合には、要件(vi)の−CO2R6、−SO3R6においてR6で表わされる1価の飽和炭化水素基は、炭素数が11以上であることを必ずしも要しない。
この場合において、R6で表わされる1価の飽和炭化水素基は、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が更に好ましい。
また、染料(1a)が、要件(i)〜(iv)及び(vi)のうちの1以上を満たす場合、要件(v)の−SO2NHR8、−SO2NR8R9におけるR8、R9で表わされる1価の飽和脂肪族炭化水素基は、炭素数が11以上であることを必ずしも要しない。
この場合において、R8、R9で表わされる1価の飽和脂肪族炭化水素基は、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基が更に好ましい
R1〜R5及びmは、それぞれ前記式(1)におけるR1〜R5及びmと同義である。但し、R1〜R4のうちの1つが−SO3 -で置換された芳香族炭化水素基であるか、又はm個あるR5のうちの1つが−SO3 -である。〕
X-、R1〜R5及びmは、は、それぞれ前記式(1)におけるX-、R1〜R5及びmと同義である。但し、R1〜R4のうち1以上が置換基を有する炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基である場合、該芳香族炭化水素基は置換基として−SO3 -以外の置換基を有しており、かつR5は−SO3 -でない。〕
R1a〜R4aは、それぞれ独立に、水素原子、−R6又は炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基(該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、−R6、−OH、−OR6、−SO3H、−SO3M、−CO2H、−CO2R6、−SO3R6、−SO2NH2、−SO2NHR8、−SO2NR8R9、−SO2−O−N=CR7R10、−SO2NHNHR7、−SO2SR7又は−SO2NHSO2R11で置換されていてもよい)を表す。;
R5aは、それぞれ独立に、−SO3H、−SO3M、−CO2H、−CO2R6、−SO3R6、−SO2NHR8、−SO2NR8R9、−SO2−O−N=CR7R10、−SO2NHNHR7、−SO2SR7又は−SO2NHSO2R11を表す。;
R6は、1価の飽和炭化水素基(該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−CO−又は−NR7−で置き換っていてもよい)を表す。;
R7は、1価の炭化水素基(該炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子又は−R11で置換されていてもよく、該炭化水素基は、−O−又は−CO−で連結されていてもよい)を表す。;
R8及びR9は、それぞれ独立に、1価の飽和脂肪族炭化水素基(該飽和脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、−OH、ハロゲン原子、−Q、−CH=CH2又は−CH=CHR6で置換されていてもよく、該飽和脂肪族炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、−NH−又は−NR6−で置き換っていてもよい)を表す。;
R10は、水素原子、1価の炭化水素基(該炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子又は−R11で置換されていてもよく、該炭化水素基は、−O−又は−CO−で連結されていてもよい)又は−R11を表す。;
R11は、置換基を有しても良い1価の炭化水素基を表す。;
Qは、炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基又は炭素数3〜10の1価の複素環基(該芳香族炭化水素基及び該複素環基に含まれる1個以上の水素原子は、−R6、−OR6及び−CH=CHR6よりなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されており、該芳香族炭化水素基及び該複素環基に含まれる残余の水素原子は、−OH、−NO2、−CH=CH2又はハロゲン原子で置換されていてもよい)を表す。;
Mは、ナトリウム原子又はカリウム原子を表す。
nは、0〜4の整数を表す。但し、nが2以上の整数である場合、複数のR5aは、同一であっても異なっていてもよい。;
但し、当該化合物は、下記の(i)〜(vi)のうちの1以上の要件を満たす。
(i)R1a〜R4aのうち1以上が、−SO2−O−N=CR7R10、−SO2NHNHR7、−SO2SR7及び−SO2NHSO2R11よりなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有する芳香族炭化水素基である。
(ii)R1a〜R4aのうち1以上が、−SO2NHR8及び−SO2NR8R9よりなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有する芳香族炭化水素基である。但し、R8、R9で表わされる1価の飽和脂肪族炭化水素基は、炭素数が11以上である。
(iii)R1a〜R4aのうち1以上が、−R6であるか、又は−R6、−OR6、−CO2R6及び−SO3R6よりなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有する芳香族炭化水素基である。但し、R6で表わされる1価の飽和炭化水素基は、炭素数が11以上である。
(iv)n個あるR5aのうち1以上が、−SO2−O−N=CR7R10、−SO2NHNHR7、−SO2SR7又は−SO2NHSO2R11である。
(v)n個あるR5aのうち1以上が、−SO2NHR8又は−SO2NR8R9である。但し、R8、R9で表わされる1価の飽和脂肪族炭化水素基は、炭素数が11以上である。
(vi)n個あるR5aのうち1以上が、−CO2R6又は−SO3R6である。但し、R6で表わされる1価の飽和炭化水素基は、炭素数が11以上である。〕
また、−SO3 -はフェニル基のオルト位又はパラ位にあることが好ましく、オルト位にあることがより好ましい。
本発明において、染料(a1)は、単独又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明における(B)バインダー樹脂としては、特に限定されるものではないが、カルボキシル基、フェノール性水酸基等の酸性官能基を有する樹脂であることが好ましい。中でも、カルボキシル基を有する重合体(以下、「カルボキシル基含有重合体」という。)が好ましく、例えば、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(b1)」という。)と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(b2)」という。)との共重合体を挙げることができる。
これらの不飽和単量体(b1)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドの如きN−位置換マレイミド;
スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、アセナフチレンの如き芳香族ビニル化合物;
ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサンの如き重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー等を挙げることができる。
これらの不飽和単量体(b2)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明において(C)架橋剤とは、2個以上の重合可能な基を有する化合物をいう。重合可能な基としては、例えば、エチレン性不飽和基、オキシラニル基、オキセタニル基、N−アルコキシメチルアミノ基等を挙げることができる。本発明において、(C)架橋剤としては、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、又は2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物が好ましい。
本発明において、(C)架橋剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の着色組成物には、光重合開始剤を含有せしめることができる。これにより、着色組成物に感放射線性を付与することができる。本発明に用いる光重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線の露光により、(C)架橋剤の重合を開始しうる活性種を発生する化合物である。
本発明の着色組成物は、上記(A)〜(C)成分、及び任意的に加えられる他の成分を
含有するものであるが、通常、溶媒を配合して液状組成物として調製される。上記溶媒としては、着色組成物を構成する(A)〜(C)成分や他の成分を分散又は溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、イソブタノール、t−ブタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール等の(シクロ)アルキルアルコール類;
ジアセトンアルコール等のケトアルコール類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート等のアルコキシカルボン酸エステル類;
酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の他のエステル類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド又はラクタム類
等を挙げることができる。
本発明において、溶媒は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。溶媒を混合して使用する場合は、少なくとも(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類と(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類とアルコキシカルボン酸エステル類、乳酸アルキルエステル類と(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類とを混合して使用することが好ましい。
本発明の着色組成物は、必要に応じて、種々の添加剤を含有することもできる。
添加剤としては、例えば、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリ(フロオロアルキルアクリレート)類等の高分子化合物;フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤;ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤;マロン酸、アジピン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、メサコン酸、2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、5−アミノ−1−ペンタノール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、4−アミノ−1,2−ブタンジオール等の残渣改善剤;こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の現像性改善剤等を挙げることができる。
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色組成物を用いて形成された着色層を備えるものである。
また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。
また、上記アルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等の水溶液が好ましい。
現像処理法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。現像条件は、常温で5〜300秒が好ましい。
このようにして形成された画素の膜厚は、通常0.5〜5μm、好ましくは1.0〜3μmである。
カラーフィルタを形成する際に使用される基板や放射線の光源、また、プレベークやポストベークの方法や条件は、上記した第一の方法と同様である。このようにして、インクジェット方式により形成された画素の膜厚は、隔壁の高さと同程度である。
このようにして得られる本発明のカラーフィルタは、輝度及び色純度が極めて高いため、カラー液晶表示素子、カラー撮像管素子、カラーセンサー、有機EL表示素子、電子ペーパー等に極めて有用である。
本発明の表示素子は、本発明のカラーフィルタを具備するものである。表示素子としては、カラー液晶表示素子、有機EL表示素子、電子ペーパー等を挙げることができる。
本発明のカラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子は、透過型でも反射型でもよく、適宜の構造をとることができる。例えば、カラーフィルタを、薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板とは別の基板上に形成して、駆動用基板とカラーフィルタを形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造をとることができ、さらに薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板の表面上にカラーフィルタを形成した基板と、ITO(錫をドープした酸化インジュウム)電極を形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造をとることもできる。後者の構造は、開口率を格段に向上させることができ、明るく高精細な液晶表示素子が得られるという利点を有する。
また、本発明のカラーフィルタを具備する電子ペーパーは、適宜の構造をとることが可能であり、例えば、特開2007−41169号公報に開示されている構造を挙げることができる。
合成例1
攪拌子を入れた100mLのナス型フラスコにクロロホルム25.2g、脱水DMF1.72gを加え、窒素気流下10℃以下に冷却し、塩化チオニル2.27g(1.38mL、19.1mmol)を添加して同温度で30分撹拌した。その後アシッドレッド289を3.5g(5.17mmol)を加え窒素気流下35℃で3時間攪拌した後、塩化チオニルを0.246g(0.149mL、2.07mmol)追添加し、同温度でさらに1.5時間撹拌を続けた。反応混合物を5℃に冷却し、同温度でドデシルアミン3.26g(17.6mmol)、トリエチルアミン5.46g(54.0mmol)を添加して10分撹拌後、40℃にて計15時間撹拌を続けた。反応混合物をロータリーエバポレーターで減圧濃縮後、メタノールを12.3g添加して得られた溶液を液量が約半分になるまで再度濃縮した。次いでメタノール17.8gならびに酢酸1.23gを添加し、得られた混合物を室温で30分撹拌した。その後、前記の混合物を大量の水に滴下して赤色固体を析出させ、吸引ろ過にて濾取し十分に水洗した。得られた固体を少量のジイソプロピルエーテル、次いでヘキサンで十分洗浄後、60℃にて12時間減圧乾燥することにより4.13gの固体を得た(収率97.2%)。MSスペクトルにより、得られた赤色固体は下記式(A1)で表される化合物であることが確認された。この化合物を着色剤(A−1)とする。
合成例1においてドデシルアミンに代えて、メチルエチルオキシムを用いた以外は、合成例1と同様にして着色剤を合成した。MSスペクトルより、得られた固体は下記式(A2)で表される化合物であることが確認された。この化合物を着色剤(A−2)とする。
合成例1においてドデシルアミンに代えて、ベンズヒドラジドを用いた以外は、合成例1と同様にして着色剤を合成した。MSスペクトルより、得られた固体は下記式(A3)で表される化合物であることが確認された。この化合物を着色剤(A−3)とする。
合成例1においてドデシルアミンに代えて、1−ドデカンチオールを用いた以外は、合成例1と同様にして着色剤を合成した。MSスペクトルより、得られた固体は下記式(A4)で表される化合物であることが確認された。この化合物を着色剤(A−4)とする。
合成例1においてドデシルアミンに代えて、p−トルエンスルホンアミドを用いた以外は、合成例1と同様にして着色剤を合成した。MSスペクトルより、得られた固体は下記式(A5)で表される化合物であることが確認された。この化合物を着色剤(A−5)とする。
合成例1においてアシッドレッド289に代えて、アシッドレッド52を用いた以外は、合成例1と同様にして着色剤を合成した。MSスペクトルより、得られた固体は下記式(A6)で表される化合物であることが確認された。この化合物を着色剤(A−6)とする。
特開2010−254964号公報の合成例1の記載に従って、染料の合成を行った。得られた化合物を着色剤(A−7)とする。
合成例1で得られた着色剤(A−1)を秤量し、着色剤濃度が0.1重量%、1重量%及び5重量%となるようにシクロヘキサノンを加えた。これらのサンプルを、ミックスローターを用いて25℃で1時間攪拌し、その後速やかに目視にて溶解状態を確認した。その結果、着色剤(A−1)はシクロヘキサノンに対して、5重量%で完全に溶解することを確認した。
同様にして、着色剤(A−2)〜着色剤(A−7)及びアシッドレッド289について溶解性の評価を行った。着色剤(A−2)〜着色剤(A−6)は、シクロヘキサノンに対して5重量%で完全に溶解した。着色剤(A−7)は1重量%では完全に溶解したが、5重量%では溶解しなかった。さらに、アシッドレッド289は0.1重量%では溶解しなかった。
調製例1
着色剤(A−1)5質量部と、溶媒として乳酸エチル95質量部とを混合し、染料溶液(A−1)を調製した。
調製例1において着色剤(A−1)に代えて、着色剤(A−2)〜着色剤(A−6)を用いた以外は、調製例1と同様にして染料溶液(A−2)〜染料溶液(A−6)を調製した。
調製例1において着色剤(A−1)に代えて、着色剤(A−7)を用いたが、着色剤(A−7)は乳酸エチルに完全には溶解せず、溶け残りが認められた。得られた染料懸濁液を染料溶液(A−7)とする。
調製例1において着色剤(A−1)に代えて、アシッドレッド289を用いたが、アシッドレッド289は乳酸エチルに溶解しなかった。得られた染料懸濁液を染料溶液(A−8)とする。
調製例9
着色剤としてC.I.ピグメントブルー15:6を15質量部、分散剤としてBYK−LPN21116(ビックケミー(BYK)社製)12.5質量部(固形分濃度40質量%)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート72.5質量部を用いて、ビーズミルにより処理して、顔料分散液(A−1)を調製した。
合成例7
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100質量部を仕込んで窒素置換した。80℃に加熱して、同温度で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100質量部、メタクリル酸20質量部、スチレン10質量部、ベンジルメタクリレート5質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート23質量部、N−フェニルマレイミド12質量部、こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)15質量部及び2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)6質量部の混合溶液を1時間かけて滴下し、この温度を保持して2時間重合した。その後、反応溶液の温度を100℃に昇温させ、さらに1時間重合することにより、バインダー樹脂溶液(固形分濃度33質量%)を得た。得られたバインダー樹脂は、Mwが12,200、Mnが6,500であった。このバインダー樹脂を「バインダー樹脂(B1)」とする。
実施例1
顔料分散液(A−1)13.5質量部、染料溶液(A−1)7.2質量部、バインダー樹脂としてバインダー樹脂(B1)溶液9.9質量部、架橋剤として東亞合成株式会社製M−402(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物)15.4質量部、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名IRGACURE369)1.8質量部、界面活性剤としてメガファックF−554(DIC株式会社製)を0.2質量部、及び溶媒として乳酸エチルを混合して、固形分濃度20質量%の着色組成物を調製した。
次いで、この基板を室温に冷却したのち、高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介さずに、塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を2,000J/m2の露光量で露光した。このようにして、基板上に青色の評価用硬化膜を形成した。
硬化膜が形成された基板を2枚の偏向板で挟み、背面側から蛍光灯(波長範囲380〜780nm)で照射しつつ前面側の偏向板を回転させ、輝度計LS−100(ミノルタ(株)製)により透過する光強度の最大値と最小値を測定した。そして、各々の硬化膜について、最大値を最小値で除した値をコントラスト比とした。測定結果より、色度座標値y=0.080でのコントラスト比を求めた。評価結果を表1に示す。
硬化膜が形成された基板を、230℃のクリーンオーブン内で1時間ポストベークした。ポストベーク前後の基板について、色差(ΔEab*)を測定した。そして、ΔEab*が3.0未満の場合を「◎」、3.0以上5.0未満の場合を「○」、5.0以上の場合を「×」として評価した。評価結果を表1に示す。
表面にナトリウムイオンの溶出を防止するSiO2膜が形成され、さらにITO(インジウム−酸化錫合金)電極を所定形状に蒸着したソーダガラス基板上に、得られた着色組成物をスピンコートした後、100℃のホットプレートで1分間プレベークを行って、膜厚2.0μmの被膜を形成した。次いで、フォトマスクを介さずに、被膜に700J/m2の露光量で露光した。その後、この基板を23℃の0.04質量%の水酸化カリウム水溶液からなる現像液に1分間浸漬して、現像した後、超純水で洗浄して風乾し、さらに230℃で30分間ポストベークを行い、被膜を硬化させて、永久硬化膜を形成した。次いで、この画素を形成した基板とITO電極を所定形状に蒸着しただけの基板とを、1.8mmのガラスビーズを混合したシール剤で貼り合わせた後、メルク製液晶(MLC6608)を注入して、液晶セルを作製した。次いで、液晶セルを60℃の恒温層に入れて、液晶セルの電圧保持率を液晶電圧保持率測定システム(VHR−1A型、東陽テクニカ社)により測定した。このときの印加電圧は5.5Vの方形波、測定周波数は60Hzとした。ここで電圧保持率とは、(16.7ミリ秒後の液晶セル電位差/0ミリ秒で印加した電圧)により求められる値である。液晶セルの電圧保持率が90%以下であると、液晶セルは16.7ミリ秒の時間、印加電圧を所定レベルに保持できず、十分に液晶を配向させることができないことを意味し、残像等の「焼き付き」を起こすおそれがある。
実施例1において、顔料分散液及び染料溶液の種類及び量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様に着色組成物を調製した。そして、得られた着色組成物について実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表1に示す。
Claims (3)
- 次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)下記式(2)で表される染料を含む着色剤、
(B)バインダー樹脂、及び
(C)架橋剤
を含有することを特徴とする着色組成物。
R1a〜R4aは、それぞれ独立に、水素原子、−R6又は炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基(該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、−R6、−SO2NH2、−SO2NHR8、−SO2NR8R9、−SO2−O−N=CR7R10、−SO2NHNHR7、−SO2SR7又は−SO2NHSO2R11で置換されていてもよい)を表す。;
R5aは、それぞれ独立に、−SO2NHR8、−SO2NR8R9、−SO2−O−N=CR7R10、−SO2NHNHR7、−SO2SR7又は−SO2NHSO2R11を表す。;
R6は、1価の飽和炭化水素基を表す。;
R7は、1価の炭化水素基(該炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子又は−R11で置換されていてもよく、該炭化水素基は、−CO−で連結されていてもよい)を表す。;
R8及びR9は、それぞれ独立に、1価の飽和脂肪族炭化水素基を表す。;
R10は、水素原子又は1価の炭化水素基を表す。;
R11は、置換基を有しても良い1価の炭化水素基を表す。;
nは、0〜4の整数を表す。但し、nが2以上の整数である場合、複数のR5aは、同一であっても異なっていてもよい。;
但し、当該化合物は、下記の(i)、(ii)及び(iv)のうちの1以上の要件を満たす。
(i)R1a〜R4aのうち1以上が、−SO2−O−N=CR7R10、−SO2NHNHR7、−SO2SR7及び−SO2NHSO2R11よりなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有する芳香族炭化水素基である。
(ii)R1a〜R4aのうち1以上が、−SO2NHR8及び−SO2NR8R9よりなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有する芳香族炭化水素基である。但し、R8、R9で表わされる1価の飽和脂肪族炭化水素基は、炭素数が11以上である。
(iv)n個あるR5aのうち1以上が、−SO2−O−N=CR7R10、−SO2NHNHR7、−SO2SR7又は−SO2NHSO2R11である。〕 - 請求項1に記載の着色組成物を用いて形成された着色層を備えてなるカラーフィルタ。
- 請求項2に記載のカラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子。
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