JP2009297892A - 移動体搭載用のロボット及びこれを搭載した移動体 - Google Patents

移動体搭載用のロボット及びこれを搭載した移動体 Download PDF

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邦夫 森沢
Masaru Morise
勝 森瀬
Takaaki Tokura
隆明 戸倉
Yota Mizuno
陽太 水野
Michiko Ukai
美智子 鵜飼
Shogo Matsumoto
章吾 松本
Masafumi Kato
雅史 加藤
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Abstract

【課題】運転者を含めた全ての乗員が移動体内で快適に過ごすことができる移動体用のロボットを提供する。
【解決手段】移動体或いは乗員から受ける諸条件を認識する認識部12と、この認識部12により認識された前記諸条件に対応するための思考を行う思考部14と、前記移動体に沿って所定位置に移動するための移動部16と、思考部14による結果に基づき必要な動作を実行する動作部18とを含む、移動体搭載用のロボットにおいて、思考部14にはロボット自らが行動するための自律思考部が設定され、該自律思考部は前記認識部12が認識した前記諸条件に基づき前記移動部16及び動作部18を駆動させて自律制御を実行し、前記自律制御には、前記移動体から受ける該移動体の挙動に対して移動状態或いは停止状態のロボットの体勢を安定に保持できるように移動部16及び動作部18を駆動制御する自己保持モードを含み、自律性を備えて乗員に種々のサービスを提供する移動体用のロボット10である。
【選択図】図1

Description

本発明は自動車、船舶、旅客列車、旅客機等の移動体に搭載されるロボットに関し、特にロボットが自律性を有しており自己が置かれている状況に対応しつつ、自己の判断により或いは乗員の指示に従って、必要な動作を実行する移動体搭載用のロボットに関する。
なお、本明細書で言う移動体搭載用のロボットとは、移動体との関わりにおいて、移動体或いは乗員から受ける諸条件に対応して好ましい動作(サービス)を実行するロボットを意味し、移動体専用であるもの又は移動体に固定されたロボットに限るものではない。例えば、移動体から離れた場所では他の用途に用いられているが、移動体内に持ち込んだときには移動体或いは乗員から受ける諸条件に対応してサービスを提供するようなロボットもここで言う移動体搭載用のロボットに含まれる。
近年、例えば自動車(以下、単に車両と称す)内における環境が快適なものとなるように多くの提案がなされている。例えば特許文献1では、運転環境が快適なものとなるように、運転者とコミュニケーションを取るエージェント装置の技術が開示されている。この技術では、擬人化されたエージェントが画面上に出現して、運転者に種々の情報を伝達する。このエージェントは運転者の応答や反応を学習して容姿、服装を変化させ、その運転者固有のエージェントとなり運転環境が快適となるようにしている。
特開平11−272640号公報
しかしながら、前記エージェント装置を含め従来提案されていた装置は固定された画面内に表れる映像であるため娯楽(アミューズメント)性を与え、運転環境を快適とするには限界があった。また、乗員の内で特に運転者の環境を改善することが主眼に置かれているので、後部座席に座った乗員に対する快適さの改善には配慮されていないという問題がある。
また、従来において提案されているオーディオ若しくはナビゲーションシステム等の車両用の装置は、ある条件下で乗員に対して一方的に所定のサービスを提供する形態で実現されおり、必要に応じて乗員とコミュニケーションを取りながらサービスを提供する形態で実現されていないので乗員に与える快適さにも限界があった。
また、最近においては種々の実体を有するロボットが提案されている。このようなロボットは室内用のペット或いは作業補助等を主な目的として提案されている。しかし、周囲の状況が刻々と変化する車両内の状況に対応しつつ、さらに乗員が満足するようなサービスを提供できるロボットについては未だ満足できるような提案はなされていない。さらに、車両用のロボットについては、車両内のスペースは限られているので効率的に配置するという点についても配慮しておくことが必要である。
したがって、本発明の主な目的は、運転者を含めた全ての乗員が車内で快適に過ごすことができる移動体搭載用のロボットを提供することである。
上記目的は請求項1に記載される如く、移動体或いは乗員から受ける諸条件を認識する認識手段と、該認識手段により認識された前記諸条件に対応するための思考を行う思考手段と、前記移動体に沿って所定位置に移動するための移動・制動手段と、前記思考手段による結果に基づき必要な動作を実行する動作手段とを含む、移動体搭載用のロボットにおいて、前記思考手段にはロボット自らが行動するための自律思考部が設定され、該自律思考部は前記認識手段が認識した前記諸条件に基づき前記移動・制動手段及び動作手段を駆動させて自律制御を実行し、前記自律制御には、前記移動体から受ける該移動体の挙動に対して移動状態或いは停止状態のロボットの体勢を安定に保持できるように前記移動・制動手段及び動作手段を駆動制御する自己保持モードを含む、移動体搭載用のロボットにより達成される。
請求項1記載の発明では、このような移動体搭載用のロボットが移動体に搭載されていると、運転者等の乗員が必要により指示を行ったときばかりでなく、ロボットは前記思考手段の結果に基づいて、乗員に対して好ましい動作(サービス)を実行する。よって、乗員は移動体内で快適且つ安全に過ごすことができる。
なお、移動・制動手段によりロボットは車両等の移動体に沿って移動するが、この移動・制動手段はレール等を予め移動体の内・外に敷設しておくことにより所定範囲を移動する形態としてもよいし、また、ロボット自体が歩行機能を備え、移動範囲を限定されない形態としてもよい。
歩行機能としては、ロボットの足に相当する部分を設け、例えば吸着手段を付加して車両に接触しながら移動できるようにしてもよい。吸着手段としては駆動用の電源を用いて電磁石やエアを吸引するサクション装置等を採用できる。そして、この吸着手段をロボットの足部に相当する部分に装着し、交互にON/OFFさせながら歩行することで車両回りを移動できる構成とすることができる。
またここで、移動体或いは乗員から受ける諸条件には移動体或いは乗員から受ける広範囲な情報や指示等が含まれる。移動体から受ける諸条件には例えばドアの開閉、イグニッションスイッチのON/OFF、スロットル開度、操舵角、加速度、減速度、上下方向の加速度、ヨーレイト等の移動体自体に関するもの他、移動体が走行しているときにナビゲーション装置から提供される位置情報や、移動体にある物品の位置や車両周辺の視覚・聴覚情報等が含まれる。また、乗員から受ける諸条件には、例えば乗員からの指示の他、登録した運転者との確認情報、運転者の癖や運転履歴、乗員の人数、乗員の着座位置、世話を要する乗員に関する情報等が含まれる。
また、請求項1に記載されるように、前記思考手段にはロボット自らが行動するための自律思考部が設定され、該自律思考部は前記認識手段が認識した前記諸条件に基づき前記移動・制動手段及び動作手段を駆動させて自律制御を実行する、構成を採用することにより以下のような作用効果が得られる。
請求項1記載の発明では、思考手段内に自律思考部を設定することで、運転者等の補助或いは指示を受けること無くロボット自らが自律制御して移動体搭載ロボットとして必要な行動及び乗員にとって好ましいサービスを提供する行動を取ることができる。ロボットが自ら必要な行動を取るので、乗員は移動体が移動中でもロボットの保護に関して配慮する必要が無くなる。また、移動体内で乗員が欲するような好ましいサービスをロボットが実行するので、乗員は移動体内で快適かつ安心して過ごすことができる。
前記認識手段は前記諸条件を認識するのに役立つ各種センサ、装置或いはこれらで検出された情報(出力信号)に所定の処理を施す制御回路等により構成される。例えば、認識手段側で所定の閾値を設けノイズを除去して思考手段側に認識情報(認識手段からの出力信号)を供給するようにしてもよいし、思考手段側からの指示信号を受けたときに所定の認識情報を供給するようにしてもよい。
また、前記思考手段は本ロボットの中央制御部に相当する。この思考手段はCPU等で構成され移動体搭載用のロボットとして機能するための必要な多種のプログラムが予め設定されており、これらのプログラムに基づいた思考(処理)を実行する。前述した自律思考部はこのプログラムの一部として設定されている。
また、請求項1に記載される如く、前記自律制御には、移動体から受ける該移動体の挙動に対して移動状態或いは停止状態のロボットの体勢を安定に保持できるように前記移動・制動手段及び動作手段を駆動制御する自己保持モードを含む、構成とすることにより以下の作用効果を得ることができる。
請求項1記載の発明では、自律制御に自己保持モードを有するので、ロボットは移動体の挙動に対応して必要な安定体勢を取り、移動体内や乗員に衝突等することが抑制される。移動体に搭載されるロボットは通常のロボットとは異なり、車両が発進、走行、停止することにより発生する加速度、減速度、上下加速度、ヨーレイト等の車両挙動(外乱)を受けることになるが、本ロボットはこのように自己保持機能を有し、運転者等の乗員による補助或いは指示が無くても、自らがこれら外乱に対して必要な行動を取るので、乗員がロボットに対して配慮する必要がない。
ここでの移動体の挙動は移動体から受ける前記諸条件に含まれ、前記認識手段を介して思考手段へ供給され、所定のプログラムに従って本自律制御の自己保持モードによる制御に用いられる。
ここで、請求項2に記載される如く、請求項1に記載の移動体搭載用のロボットにおいて、当該ロボットが前記移動体を構成する部品に対して着脱可能であるとともに、当該ロボットが、上部半身と歩行機能を有する下部半身とにより形成され、前記上部半身が前記部品に対して着脱可能に形成されている、こととすることができる。
請求項2の発明では、必要によりロボットを移動体内で移動し、また移動体外へ持ち出すことができ、本来、歩行機能を有するロボットの一部を固定状態にして安定化し、移動体用のロボットとして活用できる。
さらに、請求項3に記載される如く、請求項2に記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記部品は、移動体を構成するシート、コンソール、インストルメントパネル、ドア又は天井部である、こととすることができる。
請求項3の発明では、移動体を構成する既存の部品を利用するのでロボットを安定的に配置することができる。特に、コンソール、インストルメントパネル又は天井部にロボットを配置した場合には、乗員からの視認が容易であるのでコミュニケーションを取ることが容易となる。また、シートにロボットを配置した場合には乗員に最も近い位置となるので、さらにコミュニケーションを取ることが容易となる。
また、請求項4に記載される如く、請求項3に記載の移動体搭載用のロボットにおいて、当該ロボットは、前記思考手段による結果に基づいてシートに付加された機能を実行する、構成とすることができる。
この請求項4に記載の移動体搭載用のロボットで、前記シートに付加された機能として、シートベルトを緊締すること、シート内に設けた加熱冷却手段を駆動して温度調整すること、シート内に設けた血圧測定手段を駆動して乗員の血圧を測定すること、シート内に設けた脈拍測定手段を駆動して乗員の心拍数を測定すること、シートを回転させること、シートを前後に移動させること、シートを傾斜させること等がある。
請求項4の発明では、好ましい付加機能を有したシートがロボットであるので、例えばチャイルドシート等を別途準備することなく、自律制御により子供を安全に保持できる。さらに、子供に限らず大人に対しても安全で、体調にまで配慮するロボットになる。
また、請求項5に記載される如く、請求項1から4のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記認識手段が認識した前記諸条件から前記移動体が示す前記移動体の挙動を予想して自己保持モードによる動作を実行する、構成とすることができる。
請求項5記載の発明では、車両発進時のシフト位置等から移動体の前進或いは後進が認識され、ロボットは自己の体勢に影響を与える移動体の挙動に備えることになる。よって、ロボットの体勢保持が容易となる。
さらに、請求項6に記載される如く、請求項1から5のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、乗員による運転操作の情報をロボットに通知し該操作情報より車の挙動を予想して自己保持モードによる動作を実行する、こととすることが好ましい。
加えて、請求項7に記載される如く、請求項1から6のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記移動体内外の人、物、車載機に関する情報や該移動体全般に関する車両情報、又は前記移動体周辺の環境情報に基づいて、該ロボットの移動経路、又は待機位置を決定することとすることが好ましい。
さらに、請求項8に記載される如く、請求項1から7のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、乗員位置・シートのヘッドレスト形状に基づいて該ロボットの移動経路を決定することとすることが好ましい。
また、請求項9に記載される如く、請求項1から8のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、本体に携帯電話を収納可能な凹部を備えていることとすることが好ましい。
また、請求項10に記載される如く、請求項1から9のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記自己保持モードによる制御は、衝撃方向に対抗するように実行する制動制御とすることができる。
請求項10記載の発明では、ロボットは自己に対する外乱となる加速度G等に対して、逆慣性の制動制御を行い対抗する。よって、外乱により車内で後退移動等することなく安定に自己の体勢を保持できる。
なお、外乱が所定の閾値以上であり危険である場合に備えて、ロボットがエアバック機能等をさらに含んでいる構成としてもよい。
また、請求項11に記載される如く、請求項1から9のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記自律制御は、前記認識手段が認識した前記諸条件に基づき当該ロボットが移動体及び乗員に関して必要な行動を取る自発行動モードをさらに含む、構成とすることが好ましい。
請求項11記載の発明では、ロボットの前記自律制御にさらに自発行動モードを含むので、ロボットが思考した結果、必要であると判断した事項については自らが行動を起こすことになる。よって、乗員は逐次、ロボットに指示を与えることなく移動体内で快適、安全に過ごすことができる。この自発行動モードでは移動体内外の人、物、装置等に関する情報や上記移動体全般に関する車両情報が認識され、その制御に用いられる。これらの情報は、移動体或いは乗員から受ける前記諸条件に含まれる。これらの情報は認識手段を介して思考手段に供給され、所定のプログラムに従って本自律制御の自発行動モードが実行される。
例えば、ロボットが居た場所に乗員が乗り込んできたときには、自ら移動・制動手段を駆動させて邪魔とならない場所に移動すること、運転者が居眠りをした場合には注意をすること、駐車中には周辺を監視して不審者が接近したときには警報を発すること等をこの自発行動モードに含めることができる。この自発行動モードに含める項目とするか否かは、ロボットに求める機能に応じて定める。例えばさらに、本ロボットにガスセンサ等で構成した臭覚手段を設けて、移動体内の雰囲気ガスを検出できるようにしておき、アルコールが検出された際には、運転者に飲酒運転をしないように注意を喚起すること、さらに雰囲気中のアルコール濃度が所定値を越えている場合には移動体の運転ができないようにロックする等を自発行動モードに含めてもよい。そして、これらについては、思考手段内のプログラムに設定すればよい。
また、請求項12に記載される如く、請求項11記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記自発行動モードによる行動には、乗員登録、夜間監視、移動体内における落下物監視、移動体走行時の監視アシスト、移動体への乗降時の監視アシスト、乗員救助、移動体内の清掃、ゴミの回収及び窓拭き、から選択される少なくとも1つを含む、ものとすることができる。
請求項12記載の発明では、乗員にとって特に好ましい監視、救助等のサービスをロボットが自発的に提供するので、乗員は移動体内で快適、安全に過ごすことができ、さらに駐車中の移動体についても安心できる。
また、請求項13に記載される如く、請求項12記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記乗員救助は、前記自発行動モードに基づき指示がなくとも当該ロボットが実行する、構成とすることができる。
請求項13記載の発明では、移動体の衝突時等の事故時には乗員からの要求(指示)が無くても、前記自発行動モードに基づいてロボットが自発的に乗員救助を実行する。よって、移動体内の乗員をより確実に保護することができる。
また、請求項14に記載される如く、請求項13記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記自発行動モードでは、前記認識手段が前記移動体の事故を認識したことに基づき、当該ロボットが生存空間を確保するように行動する、構成とすることもできる。
請求項14記載の発明では、移動体の衝突時等にロボットが自発行動モードで生存空間を確保する。よって、ロボットが生存空間を確保して自身のダメージを最小限に止め、乗員救助を実行することが可能となる。ロボットはこの生存空間を乗員が車両から脱出する空間として用いる場合もある。
さらに、前述したように本ロボットが歩行機能を有した形態で実現されていた場合には、まず生存空間を確保できる場所に移動するようにし、これが無理であるときには自ら生存空間を形成するように行動してもよい。
また、請求項15に記載される如く、請求項11記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記自発行動モードは、前記乗員の行動から予想して実行される、ように設定してもよい。
請求項15記載の発明では、乗員の行動は適宜、認識手段により認識され思考手段に供給されるので、思考手段は過去に蓄積されたデータから所定の乗員の行動に引続いて生じる事態を予想できる。よって、ロボットは乗員が必要とするときに、最適なサービスを指示されることなく提供できる。このようにロボットは自発行動モードで必要となる行動を先取りする形で実行するので、乗員は移動体内で快適に過ごすことができる。なお、上記データは新たな認識をしたときに順次更新されるように設定されていることが望ましい。
また、請求項16に記載される如く、請求項1から9のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記思考手段は乗員の命令に応じて前記移動・制動手段及び動作手段を駆動させる、構成とすることができる。
請求項16記載の発明では、乗員からの指示は認識手段により認識され、思考手段がその命令に応じるように移動・制動手段及び動作手段を駆動させる。よって、乗員とコミュニケーションを取りながら、乗員の欲するサービスを提供できるので、乗員は移動体内で快適に過ごすことができる。このように乗員からの指示に応じてロボットが行動を取る際にも、前述した自律制御を実行していることが望ましい。
また、請求項17に記載の如く、請求項16記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記乗員の命令には物品運搬が含まれ、物品運搬動作では運搬する物品の内容物を保持するために傾斜させて運搬する制御動作を含む、構成とするこができる。
請求項17記載の発明では、ロボットが乗員の命令に応じ、移動体内で物品運搬する際に、その物品がカップに入った飲料等の流動性あるものときには、カップを外乱に対抗する方向に傾けて運搬する。よって、中味飲料をこぼすこと無く運搬できる。
すなわち、前記思考手段が乗員の命令に応じて前記移動・制動手段及び動作手段を駆動させるので、前記ロボットは物品運搬中、移動体の走行状態に応じて運搬動作の制御状態を変更できる。よって、ロボットは移動体の走行状態に応じて乗員が所望する物品を適切に運搬できる。
また、請求項18に記載される如く、請求項1から17のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記認識手段は前記諸条件を認識するため少なくとも視覚手段及び/又は聴覚手段を含む、構成とすることが好ましい。
請求項18記載の発明では、ロボットにより移動体内の状況や移動体周辺の状況を視覚的或いは聴覚的に認識され、その情報は思考手段に供給される。思考手段は移動体周りの画像或いは音に基づいて種々の判断を行うことができる。よって、例えば、ロボットは移動体前方の道路状態について判断したり、移動体の周辺を監視したり、乗員から要求された物品を検索したり等することが可能となる。
さらに、前述した自発行動モードで乗員の車両の乗車降車時に周辺を監視するよう設定を行っているときには、ロボットが乗員の動作、ドアの開閉を認識し、適切なサービスを提供できる。
さらに、本ロボットが前述したように臭覚手段も備えると、飲酒や火災等の臭気を発生させる変化も認識できるようになるので、乗員に対してより適切なサービスを提供できるようになる。
また、請求項19に記載される如く、請求項1から18のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記移動・制動手段は移動体周りに敷設されたレールに沿って、当該ロボットを移動させる、構成とすることができる。
請求項19記載の発明で、移動体周りに敷設されたレールとすることでロボットの位置と体勢を安定化させることができる。このレールは例えば移動体の天井部、ドアの枠部、コンソール部、インストルメントパネル部等に敷設することができる。
ロボットを使用しないときには、トランク、エンジンルーム等の空間内に収容する形態を採用することもできる。この場合にはこれら空間からロボットが出現できるように、延長のレールを敷設する。また、レールは移動体内に限らず移動体外に設ける構成を採用してともよい。この構成では、特に移動体外の状況を監視させたいときやトランク内の物品を取り出させるので便利である。なお、本移動体搭載用のロボットの移動・制動手段は特にレールを含むものに限定されるものではない。すなわち、前述のようにロボットが歩行機能を備えるときにはレールは不要であり、ロボット本体が移動・制動手段としての足を備えた形態である。
また、請求項20に記載される如く、請求項1から19のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、当該ロボットは外部入力装置との接続用のインターフェース部を備えた、構成とすることが好ましい。
請求項20記載の発明では、ロボットは外部入力装置から入力指示を受け移動体内で所定の行動を実行する。この外部入力装置には、ノートパソコン等他、移動体内に配置されているマイク、ナビゲーション装置等も含まれる。外部入力装置がノートパソコンの場合には、キーボードを介してロボットに指示を出し、所定の行動を実行させることができる。また、インターフェース部をICカード用のスロットとして形成してもよく、ノートパソコン等で所定の命令をICカードに書き込んでおき、このICカードをスロットに差し込むことでロボットに命令を与えるように構成してもよい。
さらに、外部入力装置が入力機能のみでなく出力機能も備える場合、ロボットが指示命令に対する回答を外部装置に出力するような構成とすることができる。
また、請求項21に記載される如く、請求項20記載の移動体搭載用のロボットにおいて、当該ロボットが通信機能を備え、前記外部入力装置により遠隔操作される、構成としてもよい。
請求項21記載の発明では、外部入力装置が通信機能を備えた携帯電話、PAD等である場合には、車両外からロボットに指示して所定の仕事、例えばロボットに車内の忘れ物を探す等の命令指示を行って実行させることができる。また、車両事故が発生した際には遠隔操作でレスキューセンタから指示を与えて、ロボットに救助活動を実行させること等も可能となる。
さらに、ロボットが車外の指示者等へ携帯電話を用いて電話を掛け指示に対して音声で回答する、指示者が通信機能を備えパソコンから指示を出している場合にはロボットが車内の画像を送信して指示者のパソコンのディスプレイ上でその作業をチェックする、等の形態を採用できる。また、ロボットがインターネットに定期的にアクセスしてE−メールで車内の状況を定期報告する等の形態を採用することもできる。
先に説明したように、本ロボットは歩行機能を備えた形態で実現されることがある。このようなロボットは移動体とは分離、独立している。よって、ロボットを移動体の外に持ち出される場合も想定される。このように、ロボットが移動体外に持ち出されたときでも通信機能を備えていれば、離れた所にある移動体の状態をロボットが認識することが可能となる。そのために、移動体側にも通信機能を設けロボットと交信可能な状態を設定し、移動体側で得た情報をロボットが把握できるようにしておくことが、より好ましい実施形態を実現できる。
また、前記認識手段及び思考手段は、ロボット側だけに設けるといった形態だけでなく、移動体側にその一部或いは機能が重複する部分が設定される形態を採用することもできる。ロボットが乗員に対するサービスとして、前述したような種々の動作を実行できる構成であればよい。
移動体側に認識手段及び思考手段を設けることで、ロボットと移動体とが交信するので、ロボットが不在である移動体についても監視等を確実に行うことができる。また、乗員によりロボットが移動体に持込まれる際には、ロボットが移動体に近付くことを互いに確認できる。
また、請求項22に記載の如く、請求項20記載の移動体搭載用のロボットにおいて、当該ロボット本体は通信装置と接続可能とされている、構成とすることができる。
請求項22記載の発明では、ロボットが通信機能を備えていなくとも携帯電話等の通信装置を接続することで外部から遠隔指示が可能となる。
また、請求項23に記載される如く、請求項1から9のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記移動体にはディスプレイ装置が配設されており、当該ロボットは前記ディスプレイ装置上に表示された画像と協調して動作を行うように設定されている、構成としてもよい。
請求項23記載の発明では、ロボットはディスプレイ装置上に表示されたキャラクタ画像と共にダンスを行う等の画像との協調により乗員に娯楽を提供できる。ディスプレイ装置上に表示されたキャラクタ画像とロボットとの外観を同一に形成しておき、ディスプレイ装置の背後からロボットが出現する構成とすればより印象的な演出を行うことができる。このようなロボットは特に子供が乗員に含まれる場合に採用すると、長時間の走行でも飽きることなく移動体内で過ごすことができるので好ましい。
前述した請求項1から23に記載された移動体搭載用のロボットは、移動・制動手段を有する構成であるが、本発明の範疇となるロボットはこのような形態に限定するものではない。移動・制動手段を有さない移動体搭載用のロボットであっても上記目的を達成できる。
すなわち、請求項24に記載されるごとく、移動体或いは乗員から受ける諸条件を認識する認識手段と、該認識手段により認識された前記諸条件に対応するための思考を行う思考手段と、前記思考手段による結果に基づき必要な動作を実行する動作手段とを含み、前記乗員と間で双方向のコミュニケーションを取りながら動作する移動体搭載用のロボットにおいて、前記思考手段にはロボット自らが行動するための自律思考部が設定され、該自律思考部は前記認識手段が認識した前記諸条件に基づき前記動作手段を駆動させて自律制御を実行し、前記自律制御には、前記移動体から受ける該移動体の挙動に対して移動中或いは停止中のロボットの体勢を安定に保持できるように前記動作手段を駆動制御する自己保持モードを含む、ことを特徴とする移動体搭載用のロボットによっても達成される。
請求項24記載の発明では、移動体内の所定位置に設定されたロボットが乗員と間で双方向のコミュニケーションを取りながら動作(サービス)する。よって、乗員は移動体内で快適且つ安全に過ごすことができる。
本ロボットは、移動体内の所定位置に配置される形態で実現されるが、移動体内に、この所定位置を複数設定しておくことで、後部座席にいる乗員へもロボットがサービスを提供できる。
また、このロボットは上記移動体内で用いることのみを目的に構成されている必要はなく、例えば乗員の自宅でのアミューズメント用のペットロボット或いは作業補助として用いる補助ロボット自体、或いはこれらが分離可能である場合にはその一部を前記所定位置に配置する形態としてもよい。
請求項24記載の発明によっても、移動体内で乗員が欲するような好ましいサービスをロボットが実行するので、乗員は移動体内で快適かつ安心して過ごすことができる。
なお、本ロボットの思考手段及び認識手段は、前述の請求項1から請求項23に記載した発明と同様に構成することができる。
なお、請求項21の説明で記載したと同様に、前記認識手段及び思考手段は、ロボット側だけに設けるといった形態だけでなく、移動体側にその一部が設定される形態としてもよい。乗員のサービスのためロボットが種々の動作を実質的に実行できる構成であればよい。
ここで、請求項25に記載される如く、請求項24に記載の移動体搭載用のロボットにおいて、当該ロボットが前記移動体を構成する部品に対して着脱可能であるとともに、当該ロボットが、上部半身と歩行機能を有する下部半身とにより形成され、前記上部半身が前記部品に対して着脱可能に形成されている、こととすることができる。
請求項25の発明では、必要によりロボットを移動体内で移動し、また移動体外へ持ち出すことができ、本来、歩行機能を有するロボットの一部を固定状態にして安定化し、移動体用のロボットとして活用できる。
さらに、請求項26に記載される如く、請求項25に記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記部品は、移動体を構成するシート、コンソール、インストルメントパネル、ドア又は天井部である、こととすることができる。
請求項26の発明では、移動体を構成する既存の部品を利用するのでロボットを安定的に配置することができる。特に、コンソール、インストルメントパネル又は天井部にロボットを配置した場合には、乗員からの視認が容易であるのでコミュニケーションを取ることが容易となる。また、シートにロボットを配置した場合には乗員に最も近い位置となるので、さらにコミュニケーションを取ることが容易となる。
また、請求項27に記載される如く、請求項26に記載の移動体搭載用のロボットにおいて、当該ロボットは、前記思考手段による結果に基づいてシートに付加された機能を実行する、構成とすることができる。
この請求項27に記載の移動体搭載用のロボットで、前記シートに付加された機能として、シートベルトを緊締すること、シート内に設けた加熱冷却手段を駆動して温度調整すること、シート内に設けた血圧測定手段を駆動して乗員の血圧を測定すること、シート内に設けた脈拍測定手段を駆動して乗員の心拍数を測定すること、シートを回転させること、シートを前後に移動させること、シートを傾斜させること等がある。
請求項27の発明では、好ましい付加機能を有したシートがロボットであるので、例えばチャイルドシート等を別途準備することなく、自律制御により子供を安全に保持できる。さらに、子供に限らず大人に対しても安全で、体調にまで配慮するロボットになる。
また、請求項28に記載される如く、請求項24から27のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記認識手段が認識した前記諸条件から前記移動体が示す前記移動体の挙動を予想して自己保持モードによる動作を実行する、構成とすることがより好ましい。
さらに、請求項29に記載される如く、請求項24から28のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、乗員による運転操作の情報をロボットに通知し該操作情報より車の挙動を予想して自己保持モードによる動作を実行する、こととすることが好ましい。
加えて、請求項30に記載される如く、請求項24から29のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記移動体内外の人、物、車載機に関する情報や該移動体全般に関する車両情報、又は前記移動体周辺の環境情報に基づいて、該ロボットの移動経路、又は待機位置を決定することとすることが好ましい。
さらに、請求項31に記載される如く、請求項24から30のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、乗員位置・シートのヘッドレスト形状に基づいて該ロボットの移動経路を決定することとすることが好ましい。
また、請求項32に記載される如く、請求項24から31のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、本体に携帯電話を収納可能な凹部を備えていることとすることが好ましい。
また、請求項33に記載される如く、請求項24から32のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記自律制御は、前記認識手段が認識した前記諸条件に基づき当該ロボットが乗員に関して必要な行動を取る自発行動モードをさらに含む、構成とすることがより好ましい。
また、請求項34に記載される如く、請求項33記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記自発行動モードによる行動には、乗員登録、夜間監視、移動体内における落下物監視、移動体走行時の監視アシスト、移動体への乗降時の監視アシスト、移動体内の清掃、ゴミの回収及び窓拭き、から選択される少なくとも1つを含む、ことが好ましい。
また、請求項35に記載される如く、請求項33記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記自発行動モードは、前記乗員の行動から予想して実行される、構成としておくことが好ましい。
また、請求項36に記載される如く、請求項24から32のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記思考手段は乗員の命令に応じて前記動作手段を駆動させる、構成が好ましい。
また、請求項37に記載される如く、請求項24から36のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記認識手段は前記諸条件を認識するため少なくとも視覚手段及び/又は聴覚手段を含む、構成が好ましい。
また、請求項38に記載される如く、請求項24から37のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、当該ロボットは外部入力装置との接続用のインターフェース部を備えた、構成が好ましい。
また、請求項39に記載される如く、請求項38記載の移動体搭載用のロボットにおいて、当該ロボットが通信機能を備え、前記外部入力装置により遠隔操作される、構成が好ましい。
また、請求項40に記載される如く、請求項38記載の移動体搭載用のロボットにおいて、当該ロボットは通信装置と接続可能とされている、構成が好ましい。
すなわち、請求項24〜40に記載される発明でも、ロボットは自己保持モードと自発行動モードを含む構成で自律制御しており、請求項1〜23に記載した発明と同様に、移動体の挙動に対応しつつ乗員とコミュニケーションを取りながら必要なサービスを提供することができる。
また、請求項41に記載される如く、請求項38記載の移動体搭載用のロボットにおいて、当該ロボットは、前記移動体側に設けた通信装置と交信するための通信機能を備え、移動体側から得る情報を前記自律制御に用いる、構成とすることが好ましい。
請求項41記載の発明では、移動体側にも通信機能が設けられロボットと交信可能な状態であるので移動体側で得た情報をロボットが把握できる、よって、行動範囲が限られた移動体搭載用のロボットでも不足する情報を補完して前記自律制御に利用することができる。
さらに、本発明の範疇には請求項42に記載される如く、請求項1から41のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットを搭載した移動体も含む。
このような移動体は、乗員が移動体内で快適に過ごすことができ、さらに移動体を離れた後においてロボットに監視作業等を実行させることがでるので、極めてユーザフレンドリな移動体として提供できる。
以上詳述したところから明らかなように、請求項1記載の発明によれば、運転者等の乗員が必要により指示を行ったときばかりでなく、ロボットは前記思考手段の結果に基づいて、乗員に対して好ましいサービスを実行する。よって、乗員は車両内で快適且つ安全に過ごすことができる。
また、請求項1記載の発明によれば、思考手段内に自律思考部を設定したので、運転者等の補助或いは指示を受けること無くロボット自らが自律制御して車載ロボットとして必要な行動及び乗員にとって好ましいサービスを提供する行動を取る。よって、乗員は車両が移動中でもロボットの保護に関して配慮する必要が無く、また車両内で最低限必要なことはロボットが自発的に実行してくれるので、乗員は車両内で快適かつ安心して過ごすことができる。
また、請求項1記載の発明によれば、自律制御に自己保持モードを有するので、ロボットは車両挙動に対応して必要な安定体勢を取り、車両内や乗員に衝突等することが抑制される。
また、請求項5記載の発明によれば、ロボットは車両発進時のシフト位置等から車両挙動を予め認識するので、自己の体勢に影響を与える車両挙動に備えることができる。
また、請求項10記載の発明によれば、ロボットは自己に対する外乱となる加速度G等の外乱で後退移動等することなく安定に自己の体勢を保持できる。
また、請求項11記載の発明によれば、ロボットの前記自律制御にさらに自発行動モードを含むので、乗員は逐次、ロボットに指示を与えることなく車両内で快適、安全に過ごすことができる。
また、請求項12記載の発明によれば、乗員にとって特に好ましい監視、救助等のサービスをロボットが自発的に提供するので、乗員は車両内で快適、安全に過ごすことができ、さらに駐車中の車両についても安心できる。
また、請求項13記載の発明によれば、車両の衝突時等の事故時には乗員からの指示が無くても、前記自発行動モードに基づいてロボットが自発的に乗員救助を実行する。よって、車両内の乗員をより確実に保護することができる。
また、請求項14記載の発明によれば、車両の衝突時等にロボットが自発行動モードで生存空間を確保する。よって、ロボットが生存空間を確保して自身のダメージを最小限に止め、乗員救助を実行することが可能となる。
また、請求項15記載の発明によれば、思考手段が過去に蓄積されたデータから所定の乗員の行動に引続いて生じる事態を予想するので、ロボットは乗員が必要とするときに迅速なサービスを提供できる。
また、請求項16記載の発明によれば、ロボットが乗員からの指示に応じ、コミュニケーションを取りながらサービスを提供できるので、乗員は車内で快適に過ごすことができる。
また、請求項17記載の発明によれば、ロボットが飲料等の流動性があるものを運搬する際には、飲料が入ったカップを外乱に対抗する方向に傾けて運搬するので中味飲料をこぼすこと無く運搬できる。
また、請求項18記載の発明によれば、ロボットが車両前方の道路状態について判断したり、車両の周辺を監視したり、乗員から要求された物品を検索したり等することが可能となる。
また、請求項19記載の発明によれば、車両周りに敷設されたレールとすることでロボットの位置と体勢を安定化させることができる。
また、請求項20記載の発明によれば、ロボットに対し外部入力装置から入力指示をして車両内で所定の行動を実行させることができる。
また、請求項21記載の発明によれば、車両外からロボットに指示して所定の仕事の命令指示を行って実行させることができる。また、車両事故が発生した際には遠隔操作でレスキューセンタから指示を与えて、ロボットに救助活動を実行させること等も可能となる。
また、請求項22記載の発明によれば、ロボットが通信機能を備えていなくとも携帯電話を装着することで外部から遠隔指示が可能となる。
また、請求項23記載の発明によれば、ロボットはディスプレイ装置上に表示されたキャラクタ画像との協調により乗員に娯楽を提供できる。
また、請求項24記載の発明によれば、移動体内の所定位置に設定されたロボットが乗員と間で双方向のコミュニケーションを取りながら動作(サービス)する。よって、乗員は移動体内で快適且つ安全に過ごすことができる。
また、請求項24記載の発明によれば、移動体内で乗員が欲するような好ましいサービスをロボットが実行するので、乗員は移動体内で快適かつ安心して過ごすことができる。
また、請求項24〜41に記載される発明によれば、ロボットは自己保持モードと自発行動モードを含む構成で自律制御しており、請求項1〜23に記載した発明と同様に、移動体の挙動に対応しつつ乗員とコミュニケーションを取りながら必要なサービスを提供することができる。
また、請求項41に記載される発明によれば、移動体側にも通信機能が設けられロボットと交信可能な状態であるので移動体側で得た情報をロボットが把握できる、
また、請求項2及び請求項25に記載の発明によれば、必要によりロボットを移動体内で移動し、また移動体外へ持ち出すことができる。
また、請求項2及び請求項25に記載の発明よれば、本来、歩行機能を有するロボットの一部を固定状態にして安定化し、移動体用のロボットとして活用できる。
また、請求項3及び請求項26に記載の発明よれば、移動体を構成する既存の部品を利用するのでロボットを安定的に配置することができる。特に、コンソール、インストルメントパネル又は天井部にロボットを配置した場合には、乗員からの視認が容易であるのでコミュニケーションを取ることが容易となる。また、シートにロボットを配置した場合には乗員に最も近い位置となるので、さらにコミュニケーションを取ることが容易となる。
また、請求項4及び請求項27に記載の発明によれば、好ましい付加機能を有したシートがロボットであるので、例えばチャイルドシート等を別途準備することなく、自律制御により子供を安全に保持できる。さらに、子供に限らず大人に対しても安全で、体調にまで配慮するロボットになる。
また、請求項42記載の発明によれば、乗員が車内で快適且つ安全に過ごすことができ、さらに車両を離れた後においてロボットに監視作業等を実行させることがでるので、極めてユーザフレンドリな車両として提供できる。
CRSの概略構成を機能ブロックで示す図である。 ステーションワゴンタイプの車両にCRSを搭載した第1実施例について示す図である。 第1実施例のCRSの各部構成として採用できる具体的な要素をブロックで示す図である。 第1実施例でCRSが自律制御を行いながら種々の動作を実行する際の基本フローチャートである。 第1実施例でCRSが自律制御を行いながら種々の動作を実行する際の基本フローチャートである。 第1実施例でCRSが自律制御を行いながら種々の動作を実行する際の基本フローチャートである。 第1実施例でCRSが自律制御を行いながら種々の動作を実行する際の基本フローチャートである。 第1実施例でCRSが自律制御を行いながら種々の動作を実行する際の基本フローチャートである。 第1実施例でCRSが自律制御を行いながら種々の動作を実行する際の基本フローチャートである。 第2実施例でCRSが実行する運搬動作の詳細を示すフローチャートである。 第2実施例でCRSが実行する運搬動作の詳細を示すフローチャートである。 第2実施例でCRSが実行する運搬動作の詳細を示すフローチャートである。 第2実施例でCRSが実行する運搬動作の詳細を示すフローチャートである。 第2実施例でCRSが実行する運搬動作の詳細を示すフローチャートである。 第3実施例でCRSが実行する監視動作の詳細を示すフローチャートである。 第3実施例でCRSが実行する監視動作の詳細を示すフローチャートである。 第3実施例でCRSが実行する監視動作の詳細を示すフローチャートである。 第4実施例でCRSが実行する夜間監視動作の詳細を示すフローチャートである。 第5実施例でCRSが実行する娯楽動作例を示したフローチャートである。 第5実施例でCRSが実行する娯楽動作例を示したフローチャートである。 第5実施例でCRSが実行する娯楽動作例を示したフローチャートである。 第6実施例でCRSが車両衝突時に実行する動作例を示したフローチャートである。 第6実施例でCRSが車両衝突時に実行する動作例を示したフローチャートである。 第7実施例でCRSが車両横転時に実行する動作例を示したフローチャートである。 第7実施例でCRSが車両横転時に実行する動作例を示したフローチャートである。 第8実施例でCRSが車両水没時に実行する動作例を示したフローチャートである。 第8実施例でCRSが車両水没時に実行する動作例を示したフローチャートである。 第9実施例でCRSが車両清掃時に実行する動作1を示したフローチャートである。 第9実施例でCRSが車両清掃時に実行する動作2を示したフローチャートである。 第9実施例でCRSが車両清掃時に実行する動作3を示したフローチャートである。 図2に示したCRSをコンパチブルタイプの車両に車載する変形例について示す図である。 CRSが携帯電話内蔵型で形成された例について示す図である。 インストルメントパネから飛び出す様に構成して、よりアミューズメント機能を高めたCRSの例について示す図である。 第10実施例の歩行機能を有するCRSについて示した図である。 第10実施例でCRSが自律制御を行いながら種々の動作を実行する際のフローチャートである。 第10実施例でCRSが自律制御を行いながら種々の動作を実行する際のフローチャートである。 第10実施例でCRSが自律制御を行いながら種々の動作を実行する際のフローチャートである。 第10実施例でCRSが自律制御を行いながら種々の動作を実行する際のフローチャートである。 第11実施例の車両に対して着脱自在であるCRSについて示す図である。 第12実施例の、車両に対して着脱自在である第1のCRSと、シート形状に構成された第2のCRSについて示す図である。 第12実施例でCRSが自律制御を行いながら種々の動作を実行する際のフローチャートである。 第12実施例でCRSが自律制御を行いながら種々の動作を実行する際のフローチャートである。 第13実施例のシートと一体に形成されたCRSについて示す図である。 第13実施例でCRSが自律制御を行いながら種々の動作を実行する際のフローチャートである。 第13実施例でCRSが自律制御を行いながら種々の動作を実行する際のフローチャートである。
以下、さらに図面に基づいて、移動体として車両を例として本発明を具体的に説明するが、その前に図1に基づき本発明の車載用ロボット(以下、CRSとする)の基本構成とその機能について概略を説明する。
図1はCRS10の概略構成を機能ブロックで示す図である。CRS10は車両から或いは乗員から受ける諸条件(以下、車両乗員情報20という)を認識する認識部12を有する。この認識部12は車両乗員情報20を認識するためのCRS10本体側に設けた各種センサ並びに車両側に取付けた各種センサ及びナビゲーション装置等を含み、さらにはこれらセンサ等で認識された車両乗員情報20に所定の処理を施すCPU等の処理装置により具現化することができる。ここで使用される上記センサとしては、例えばCRS10が車両の何処に位置しているのを検出する自己位置検出センサ、音を検出する聴覚センサ、CRS10が接触したものを検出する触覚センサ、周辺の状態を視覚的に捉えるCCD装置、車両内の雰囲気を検出するガスセンサ等がある。さらに、CRS10は車両に搭載されることから、例えば車両走行により生じる加速度、減速度、上下方向の加速度、ヨーレイト等を検出するセンサ、イグニッション(I/G)スイッチの状態、操舵角、スロットル開度を検出するセンサ等の他、車両情報を検出するための多種類のセンサも含まれる。なお、車両状態は前記車両乗員情報20に含まれる。
CRS10の認識部12をどのようなセンサを用いて構成するかについては、CRS10に期待する機能を考慮して適宜選定すればよい。また、認識部12により認識される車両乗員情報20には、使用者に関する各種情報も含む。例えば、使用者登録情報等のデータ記録が必要なものについては、認識部12に記憶部を設けてこれを保存し、逐次更新するようにしてもよい。また、これら使用者に関するデータは、後述する思考部14が種々の判断をする際の基準となるので、思考部14内に格納し、逐次データの更新ができるよに構成しておくことが好ましい。
認識部12で認識された車両乗員情報20は思考部14に供給されるが、使用したセンサの検出ノイズを除去する等の処理を施してから車両乗員情報20を思考部14側に供給することが好ましい。また、思考部14からの要求があった車両乗員情報20について供給するようにしてもよい。
CRS10の思考部14は前記認識部12によって認識された車両乗員情報20に基づいて、移動部16及び動作部18を駆動させる。思考部14はCRS10の中央処理部に相当するものであり、認識部12から供給される車両乗員情報20に基づいて移動部16及び動作部18を駆動させるための多種のプログラムを備えている。
このプログラムには車両内で運転者を含めた乗員に対し行う種々のサービスに関するもの、車両の安全を保持するための監視に関するもの、さらに車両が衝突等に遭遇したときの緊急時対応に関するもの、車両内の清掃に関するもの、CRS10及び車両が通信機能を備え相互に交信する場合にはその交信に関するもの等、CRS10が実行する動作を規定するものが多数含まれる。
上記思考部14は、例えばデータ処理及び上記各部12、16、18の制御を行うCPU(中央処理装置)と、このCPUにデータバスや制御バス等のバスラインで接続されたROM、RAM、タイマ等を備えた構成で具現化できる。ROMにはCPUで制御を行うための各種データやプログラムが予め格納され、RAMにはCPUが用いるワーキングメモリ等が格納される。
上記移動部16は、車両周りにCRS10本体を移動させる手段である。CRS10を移動させる範囲により、例えば車両の天井部、ドア周り部、センターコンソール部等に適宜レールを敷設し、移動用モータを駆動する構成で具現化される。この移動用モータは制動用の電磁ブレーキ或いは回生制動でブレーキを掛けるように構成できる。但し、この移動部16はレールのように車両に固定された部材に沿ってCRS10を移動可能とするものに限るものではない。前述したようにCRS10自体が吸着手段等を有して移動範囲の限定なく移動できる自律歩行の形態を採用することも可能である。
また、上記動作部18はCRS10が所定の動作、例えば車内の物を取る(捕獲)するとか、動かす、操作する等のロボットとして具体的な動作を実行する手段である。この動作手段18は、例えば微小モータを関節に内蔵させたマニュピレータ等により具現化される。
なお、CRS10が車両の運転状態或いは周辺を監視する等の動作を実行する場合には、思考部14は前記認識部14に含むCCD装置、聴覚センサ等を機能させる。
さらに、このCRS10の全体的な外形について説明すると、例えば擬人化された人型のキャラクタ或いはペット型のキャラクタとすることができる。このように構成した場合には、乗員が触れることが出来る具体的な存在であり乗員へのインパクトは画面で表示されていた従来の装置より大幅に改善される。このように実存するキャラクタとしてCRS10を実現したときには、例えばこのキャラクタ内に前記思考部14に相当するCPUを配置する他、目、鼻、耳に対応するセンサを認識部12として配置し、さらにマニュピレータによる腕を配置して動作部18とする。また、キャラクタの表皮は乗員の安全確保等のため、衝撃吸収性の樹脂で形成する。そして、例えば車両の所定の位置に敷設したレールに沿ってこのキャラクタが車内を移動するような構成としてCRS10を実現できる。
ところで、本発明の特徴の1つとして本CRS10は自律動作を行う自律制御機能を備えている。この自律制御では、CRS10が上記車両乗員情報20に基づいて自ら思考し、必要な行動を取るものである。
本発明のCRS10は車両に搭載されることから車両が発進し、走行する際には加速度、減速度、上下方向の加速度、ヨーレイト等を受けるので、乗員による補助或いは指示を待つことなく自ら判断して必要な行動を取ることが必要である。よって、この自律制御ではCRS10が車両内で自己の体勢を安定に保持できるような基本的機能(自己保持モード)を備える。
また、この自律制御にはCRS10が車両に搭載され、その環境に対応するという観点から、乗員にとって好ましい行動を自発的に取る機能(自発行動モード)も有することが好ましい。この自発行動モードでは、例えば、車両に乗員が乗り込んできたときに邪魔にならない位置に移動するとか、車両がスピードオーバである場合には警告を発するようにするとか、駐車中の車両に近付く不審者があるときには警告音を発する、車両が衝突した場合には乗員保護のための救助行動を行う、さらには車内のゴミを拾ってゴミ箱に捨てる、曇ったウインドウを拭くなどの清掃行動等があり、CRS10は乗員の指示を待つことなく適切な行動を取る。そのために、前記思考手段14内に自律思考部SELを備えている。このような自律思考部SELによる判断も例えばCPUとROM内に予め設定したプログラムとに基づいて実現される。なお、自律制御に含まれる自発行動モードの設定項目についてはCRS10に期待する機能により使用者が適宜定めればよい。但し、乗員登録、夜間監視、落下物監視、車両走行時の監視アシスト、車両乗降時の監視アシスト、乗員救助及び清掃等の動作について、車両の使用者がCRS10に対し、適宜指示することは煩瑣であるし、基本的に必要な事項であるので自発行動モードの項目に予め設定しておくことが望ましい。
また、CRS10の上記自律制御の内で上記自己保持モードは基本的な機能であるが、上記自発行動モードについては運転者等の指示を受けてから実行するように思考手段14内に設定してもよい。勿論、自己保持モード及び自発行動モードを含む自律制御自体を運転者等の指示を受けてから実行するように設定してもよい。
さらに、CRS10はインターフェース(I/F)17を介して外部側の入・出力装置19と接続される。入・出力装置19としては車内に設けたマイク及びスピーカを挙げることができるが、これに限らず車両本体側に据え付けらけられているタッチパネルの他、可搬性あるノートパソコン、情報携帯端末(PAD)、携帯電話等がこれに含まれる。例えば、乗員の緊急時に、これらの装置を介して、レスキューセンタ等からCRS10へ指示入力を行い、CRS10がこれに応答する行動を取るように構成しておくことも可能である。また、例えば、マイク、ノートパソコンのキ−ボードを介してCRS10へ指示入力し、この指示に対してCRS10は指示に沿った動作を行う、或いは指示に応答してスピーカ、ノートパソコン上の画面に所定の出力を行うように構成しておくことも可能である。通信機能を有した携帯電話等を用いた場合には車外からCRS10への指示を行い、所定の動作を行わせることができ、その実行状況をCRS10から出力される音声で確認するような構成とすることもできる。さらに、CRS10が通信機能を予め備えている構成としてもよい。
さらに、車両側にも通信機能を設けCRS10と交信できる状態を設定しておくことが好ましい。上記のようにCRS10が自律制御を行うために、認識部12が認識した諸条件を基に思考部14が思考処理を行っている。CRS10及び車両が通信機能を有し、CRS10が車両側の情報を利用できるようになれば、CRS10が自律制御を実行するために、認識部12及び思考部14の全てをCRS10の本体側に設ける必要がなくなる。
すなわち、車両側に認識部12及び思考部14の一部を設け、その情報をCRS10が利用して前記自律制御を実行できる。また、認識部12及び思考部14の一部がCRS10及び車両の双方に重複して設定された状態では、CRS10及び車両の思考部が相互に交信し、その結果に基づいてCRS10が最適な行動を取るというより好ましい形態も実現できる。
特に、CRS10が歩行機能も備えた形態で場合には、車両から独立した存在である。よって、CRS10が車両外に持ち出される場合も想定される。このような場合には、通信機能を備えたCRS10が離れた場所に駐車された車両の状態を監視したり、CRS10が車両に接近したときにドアロックの解除等がなされるようにすれば乗員へよりレベルの高いサービスを提供できる。
上記のように本発明のCRS10は、自律制御機能を備えているので、乗員に意識させることなく、好適なサービスを提供できると共に、乗員からの指示に応じたサービスも提供する。よって、運転者を含めた乗員は車内で快適に過ごすことができる。
以下さらに、図面に基づき本発明の実施例を説明する。
図2から図9は本発明の第1実施例について示す。本第1実施例はCRSにより実行される、車両の使用開始から使用者の登録、車両発進に備えた自律制御動作、車両の走行中で制御動作、車両停止後の制御動作等を広く例示したものである。なお、繰返しとなるが、以下で示すCRS動作は多種のセンサ等を含み車両乗員情報20を認識するCRSの認識部12と、この認識部12から供給される信号に基づいて思考するCRSの思考部14とによりCRS本体の動作を制御することで実行されるものである。
図2は、ステーションワゴンタイプの車両1にCRS100を搭載した第1実施例について示している。車両1の天井にはCRS100が移動するためのレール2が敷設されている。
このCRS100は、頭部102とこの頭部102に作動自在に接続された左右の腕104、106を備えた擬人的な外観(本体)を有している。CRS100の頭部102は接続アーム110を介して、レール2に移動自在に配設されている。レール2側にはスライダ108が接続され、その内部にはレール2に沿って移動するための移動用モータ(図示せず)と接続アーム110を回動させる回動用モータ(図示せず)が配設されている。よって、CRS100本体はレール2に沿って車両1内を前後に移動し、またスライダ108を中心として接続アーム110が回動することでその長さ範囲内をさらに移動することができる。さらに。この接続アーム110を伸縮駆動可能な部材で構成してもよい。
また、頭部102はヘッド回動部109を介して接続アーム110に接続されている。ヘッド回動部108内には図示せぬモータを配設しており、CRS100本体をその下部において左右両方向に回動させ、また傾斜させること、及び所望の位置で停止させることができる。よって、CRS100本体が移動する際には、レール2に沿ってスライダ108が移動し、接続アーム110がスライダ108を中心に回転し、最後にヘッド回動部109を駆動して正面合わせを行うように駆動することで、車内の任意位置に移動させることができる。なお、CRS100は運搬する物品の質量を計量するための計量部を備えている。この計量部は頭部102、スライダ108或いはヘッド回動部109のいずれかに配設される。
頭部102には、例えば、臭覚センサとしてガスセンサを用いた鼻111、視覚センサとしてCCDを用いた目112と聴覚センサとしてマイクロフォンを用いた耳114、さらにスピーカを用いた口113が形成され、さらに車両の状態を検出する加速度、減速度、ヨーレイト、上下加速度、IGのON/OFF等を検出する各種センサ、さらには座標系を認識するジャイロ或いは3軸加速度センサについてもその内部に配置されている。この車両挙動を検出する種々のセンサは、従来の車両本体側に配置されているので、通信機能を付加した車両本体側から検出信号を取得する構成とすることも可能である。しかし、本実施例のように、CRS100内にセンサ機能を集約することで、車両本体側の設備の軽減を図ることができる。
また、CRS100の左右の腕104、106の先端には物体を把持するハンド104HA、106HAが形成されている。このハンド104HA、106HAには物を所定圧で捉えるため、感圧導電性ゴムマトリックス等で形成する触覚センサを備えている。
頭部102には、前述した中央処理部として図示せぬCPUが配設され、前記複数のセンサにより認識(検出)される車両乗員情報(CRS100が車両或いは乗員から受ける諸条件)に基づいて、スライダ108、ヘッド回動部109及び接続アーム110を駆動させて所定位置まで移動し、必要な動作を実行する。なお、前方監視等の動作の場合には、スライダ108によりCRS100が所定位置に移動し、目(CCD)112、耳(マイクロフォン)114が必要な方向に向くようにヘッド回動部109を回動させてから監視を実行する。
前述したようにCRS100は自律制御機能を有している。その内の基本的機能である自己保持モードを実行するときには、特に加速度、減速度、ヨーレイト、上下加速度、操舵角等を検出するセンサからの信号に基づいて、CRS100は自己の体勢が安定となるように行動する。例えば左右の腕104、106を天井に伸ばして揺れを防ぐようにしてもよいし、移動用及び動作用のモータを強く制動しロック状態としてもよいし、アーム110、ヘッド回動部108及び腕104、106を協働的に駆動させCRS100本体のバランスが取れるような姿勢となるように設定してもよい。
図3は本第1実施例のCRS100の各部構成として採用できる具体的な要素をブロックで示す図である。図3のCRS認識部12、CRS思考部14等は図1と対応しており、同一構成部には同一の符号を付している。
CRS認識部12には車両乗員情報を得るための種々のセンサ、装置が接続される。CRS認識部12は必要に応じてその情報を処理或いは記憶しつつCRS思考部14に供給する。
CRS認識部12には使用者登録記憶部21を含み、登録されている使用者であるか否か等についての認識情報をCRS思考部14へ提供することが好ましい。車両使用者を登録するシステムを採用するときには、その使用者登録情報も車両乗員情報の1つとなる。使用者登録システムの機能は、認識部12に設定してもよく、この場合にはCCD、マイク、キーボード等から使用者の容姿や音声、パスワード、使用者番号等の識別を行い使用者を特定する。認識部12は使用者が未登録である場合には登録を促す。
CRS思考部14では使用者登録記憶部21からの使用者登録情報に基づき、所定の乗員データ40を内部に蓄積し逐次更新する。必要の都度、動作指示履歴及び運転履歴等を呼び出してCRS100の動作制御に用いる。なお、この乗員データ40には、車両内で娯楽等を提供して世話をする必要がある子供等の乗員に関する挙動等についてのデータを含めることができる。
また、CRS認識部12には自己位置認識部22を含み、車両の位置を認識できる様にしておくことが好ましい。この自己位置情報はナビゲーション装置からの情報を認識するナビ情報認識部23から供給できる。ナビ情報認識部23では車両が走行している道路が間もなくカーブとなる等の道路インフラ情報を認識でき、また自己位置情報で車両の自己位置を確認できる。CRS100の安定動作を確保するため等の情報としてCRS思考部14へ提供すると、前述した自律制御を規定する自律プログラム33の実行に利用される。
また、CRS認識部12にはCRS100自身の充電状態を検出する充電検出部24を含むことが好ましい。充電検出部24により検出された充電情報はCRS思考部14へ提供される。CRS思考部14側にはCRS100が常時駆動可能となるように効率的な節電、充電プログラム38が準備されている。この充電プログラム38は、使用者の指示が無くともCRS100が最適な充電状態であるようにするとの観点から自律プログラム33の一部或いはこれに連動させて起動させるようにしておくことが好ましい。なお、CRS100本体内に緊急対応用のバッテリを設けておくとさらに好ましい。
また、CRS認識部12は外部状況センサ処理部25を含む。CCD及びマイクロフォン等のセンサにより、車両内外の環境を認識するための処理部である。これらセンサにより検出された信号は、車両間距離、路面状態、危険物接近、信号等が接近した等の交通インフラに関する車外の情報や車内での運転者の居眠り情報等の認識情報である。この認識情報がCRS思考部14へ提供されると、自律プログラム33を始めとして、動作パターンプログラム31、動作補正プログラム32、対話プログラム35、フェールセーフプログラム36、学習プログラム37、音声制御プログラム39等が適宜実行される。例えばCRS100が、音声で車両間距離が短いことを注意したり、居眠りしている運転者に音声で注意を喚起し、それでも起きない場合には腕104、106を駆動させて揺り起こす等の動作も実行する。
また、CRS認識部12は、車両の各操作のスイッチ(SW)、操作レバー、ドアノブ、装備品、さらにシートベルトSW等について認識する車両インターフェース位置形状・操作方法認識部26を含んでいることが好ましい。車両インターフェース位置形状・操作方法認識部26からの情報もCRS思考部14へ提供され、前述した認識情報と同様にCRS100の動作制御に供される。
また、CRS認識部12は、車内の物品位置、その形状、音声による品名確認記憶、CCD画像処理の情報等を認識し、記憶している物品検出記憶部27を含むことが好ましい。CRS100が乗員の指示により物品の運搬を実行する際等に、この物品検出記憶部27からの情報が用いられる。
また、CRS認識部12は、乗員の位置、移動有無、乗員数、配置、シート荷重、音声、登録有無について認識する乗員状態認識部28を含んでいることが好ましい。これらの情報もCRS思考部14へ提供され、前述した認識情報と同様にCRS100の動作制御に供される。
さらに、CRS認識部12は、車両制御の各種システム、例えば車両挙動制御装置、ABS、電子制御サスペンション装置からのヨーレイト、加速度G、減速度G、路面状態上下Gの検出信号、また車両監視システムを設けた場合の前後CCDからの信号や、ATからのシフト位置、変速信号、変速特性や、エンジンのイグニッションのON/OFF、操舵角、スロットル開度、さらにナビゲーション装置からのルート設定に関する情報等を取得する車両制御システム信号部29を含むことが好ましい。これらの情報もCRS思考部14へ提供され、前述したと同様にCRS100の動作制御に供される。
なお、前記ヨーレイト、加速度G、減速度G等を検出するセンサはCRS100側に設けてもよいし、車両側に設けたものを用いてもよい。さらに、特に電源を駆動エネルギーのひとつとする車両については、この車両制御システム信号部29でハイブリッド(HV)、燃料電池(FC)の機能状態に関する情報等を取得するように設定してもよい。
さらに、CRS認識部12は車両の状態を診断するダイアグノーシス装置からの検出信号を取得するダイアグ信号部30を含むことが好ましい。各機能部の温度、雑音、軌跡作動監視CCD情報がCRS思考部14へ提供されるとダイアグノーシスプログラム36が実行され不良箇所の有無の確認を行い、例えばCRS100が音声で不良箇所の指摘を行い、必要な場合は停車を促すようにすることもできる。さらに、CRS100が車両のナビゲーション画面にアクセスできるようにしておき、この画面上に警告を文字表示できるようにしてもよい。
以下さらに、上記のような構成を有する第1実施例のCRS100が実行する動作(サービス)をフローチャートに基づいて説明する。このフローチャートは、車両の発進前準備段階、走行中、停車等の一連の流れの中で、CRS100が自律制御を実行しながら取る基本的な動作について示す。
これらのフロチャートは、前述したように各種センサ及び車両内の装置や各部信号からCRS認識部12が認識した車両乗員情報に基づきCRS思考部14がCRS100の身体(本体)をなす頭部102、腕114,116等を機能させて実行する。
なお、このフローチャートで示す例は、車両の使用が開始されてから常にCRS100が自律制御状態である場合の例について示している。
図4から図9はCRS100が自律制御を行いながら種々の動作(サービス)を実行する際の基本的なフローチャートを示している。まず、図4のステップ101(以下、ステップを単にSで示す場合がある)で動作開始信号が受信されることで、自律制御が開始される。動作開始信号としては、例えば、初めて車両のドアが開錠されたとき等のセンサ信号を用いる。このようにすれば、メーカから車両が納品されたときには、自律制御が実行されている状態となる。
上記動作開始信号が受信されると(S101)、自律制御が開始される(S103)。このステップ103の自律制御では前述したように、自己保持モードと自発行動モードが実行されている。
自己保持モードでは、CRS100は例えば次のような動作を取るように設定されている。CRS100が車両中央コンソールボックス上部に位置し待機状態であるとき、車両のギアの変更による変速ショックに依る突然の外乱や、加速度Gの変化による外乱に対して変速信号を事前に認識して、対G逆慣性の制動制御で対応する。この制動動作ではスライダ108やヘッド回動部109の電磁ブレーキ等を駆動させ、CRS100のヘッド回動部109や腕114,116を傾斜させる等の体勢を取る。同様に、車速、前後加速度G、旋回G(ヨーレイト)、上下加速度G等を検出することで車両挙動による外乱に対して、体勢制御を実行する。さらに、CRS100に備えた目112(以下、CCD112)による路面検出や、電子制御サスペンション装置からの走行安定信号に基づき体勢制御を実行するように設定することも可能である。この自己保持モードはCRS100の体勢に影響を与えるような車両挙動(外乱)に対して実行される制御である。車両挙動は多様であるので、自己保持モードが実行される状況は種々存在する。自己保持モードの制御が実行される具体的な状況は後に示すフローチャートでより明らかとなる。
また、自発行動モードは乗員の指示を受けることなくCRS100が自発的に行う行動である。例えば運転者のわき見等がCCD112で認識されると、音声等の警告を発する。また、乗員が座席を移動することを検出すると、移動することが危険であると判断した場合には警告を発する等である。
上記自己保持モードと自発行動モードとは、CRS思考部14が実行する基本的な制御である。その制御内容は上記に掲げた例に限るものではない。CRS100が車両挙動による外乱を受けたときに自己の体勢を安定保持するために実行されるのが自己保持モードであり、車両に関して使用者の指示を待つまでもなく実行することが好ましい動作(サービス)を行うのが自発行動モードである。以下順に説明するステップ105以降においても、これら自己保持モードと自発行動モードが機能状態にあり、CRS思考部14内に設定した自律プログラム32より逐次実行される。
なお、自己保持モードと自発行動モードは背反するものではない。自己保持モードと自発行動モードとが共に実行される場合や、いずれか一方が実行される場合もある。
上記のように自律制御が開始されCRS100側の準備が完了した状態で、車両の実際の使用に際して、運転者の認識・確認が実行される(S105)。キーレスエントリ、ドアの開閉信号等により、このCRS100の動作が準備に入り運転者の認識が行われる。このステップ105では、運転者本人か、登録者か、その他の者が認識される。初めての運転者には登録を促す。なお、CRS100が自律制御を実行中であれば、車両への接近者をすべて認識するように設定しておいてもよい。
次のステップ107では、過去の運転データを読込み運転者の運転技量、嗜好等を参照し、エンジン制御、AT変速制御定数等を設定する。このような準備を行っておくことで、車両走行時においてCRS100が乗員に対して実行するサービスを円滑化できる。
次に、乗員が1人のみか、複数かの判断がなされる(S109)。1人すなわち、運転者のみであればステップ111で初期定位置が確認される。複数である場合には、参照番号1で示すサブフロー(複数人処理フロー)での処理が実行され、この処理後は初期定位置が確認される(S111)。
図5は上記複数人処理のフローチャートである。先ず、乗車定員が一杯か、否かの判断がなされ(S201)、一杯でなければステップ205に進む。ステップ205では、各乗員の車両外部の位置が確認され、どのドアから車両に乗り込んだかを認識する。このとき、CRS100は乗員の着座位置を判断或いは予想して空席に移動する。この複数人処理では、CCD112を用いて乗員の認識を行っている。
上記ステップ201で乗車定員が一杯であると判断されると、ステップ203でCRS100が車内での居場所を乗員に音声等で伝える。乗員が希望する場合があるときには希望席近くに移動する。また、ステップ203で、CRS100が乗員全員に近くに居ることを拒否された場合には、所定の安全位置へ移動する。例えば、車両中央コンソールボックスの上部位置、或いは後方荷室位置等がCRS100の安全位置として予め設定されている。
上記ステップ203及びステップ205の処理が終了すると、乗員の確定と未登録者への登録を促す(S207)。これにより、複数人処理を終了して図4のメインフローに戻り、複数の乗員について初期所定位置の認識がされる(S111)。本実施例の場合、上記ステップ111までのフローは、CRS100が自発行動モードとして実行したものであり、CRS思考部14により制御されている。
次のステップ113では運転者がイグニッショ(I/G)をONするのを待ち、I/GがONされないとき(S115)には、運転者が何をしているかを把握する。CRS100のCCD112により、運転者がCD、ナビゲーション装置、エアコン等の操作をしている、或いは携帯電話を掛けている等が認識される。一方、I/GがONされると、走行時の動作制御準備に入る(S117)。この準備では、車両が走る、曲る、止まるの各特性に応じた最適な自己保持モードで制御が実行されるように、CRS100の位置、体勢の準備や外乱認識のために使用するセンサや装置の状態等のチェック等が行われる。
続くステップ119では、シフト操作によるシフト位置判別がなされ、前進レンジか、後進レンジかの判断がされる。前進レンジであると判断されると、次に「乗員の指示による動作なしか」の判断がされる(S121)。このステップ121では、乗員がCRS100に対して何か指示(サービス要求)をしていないかの確認をする。この要求指示があった場合には、乗員の指示に応じた指示動作、例えばカップに入った飲料を後部座席から運転席に運搬する等の動作を行う(S125)。このステップ125では、自己保持モードの下で指示動作を実行している。すなわち、CRS思考部14は自己保持モードでCRS100本体がN―Dシフトショックによる車両の揺れに対応できるように、前方発進により発生する加速度Gに対してアクセル開度に応じた逆慣性制御で備える制御を実行している。この逆慣性制御動作では、スライダ108やヘッド回動部109のブレーキ等を強めに駆動させると共に、CRS100のヘッド回動部109や腕114,116を傾斜させる等を行って、カップ内の飲料がこぼれない様にしながら自己の体勢を取る。ステップ125の処理が終了するとステップ127の処理に入る。
ステップ121で、乗員の指示による動作なしの場合には、このステップ123でCRS100が前方監視のために車両中央前方に移動すると共に、ステップ125の場合と同様に自己保持モードでN―Dシフトショックによる車両の揺れに対応できるように、前方発進により発生する加速度Gに対してアクセル開度に応じた逆慣性制御で備える。なお、このステップ123で、CRS100が前方監視のために車両中央前方に移動する動作は自発行動モードに基づく。CRS100が特に指示がない場合でも運転者と共に前方を監視することで、車両の安全性が向上する。なお、CRS100は乗員からの指示に応じ、以後のフロー中であってもその指示を実行するようになっている。その際にも上記自己保持モードを実行しつつ乗員の要求に応じる動作を行うように設定されている。
次に、ステップ119まで戻り後進レンジであると判断されると、参照番号で示す3のサブフロー(後進処理フロー)での処理へ進む。この後進処理フローでの処理が終了すると、図4のメインフローのステップ127での処理に入る。
上記後進処理フローは図6に示されている。この後進処理フローでも前述した前進レンジの場合と同様に後進する車両に対する処理が実行される。「乗員の指示による動作なしか」の判断がされる(S211)。この指示があった場合には、乗員の指示に応じた指示動作を行う(S215)。CRS思考部14は自己保持モードでCRS100本体がN−Rシフトショックによる車両の揺れに対応できるように、後方発進により発生する加減速Gに対してアクセル開度に応じた逆慣性制御を前方発進の場合と同様に実行する。このステップ215の処理が終了すると、図4で示すメインフローのステップ127へ戻る。
ステップ211で、乗員の指示による動作なしとされた場合には、CRS100が後方監視のために車両後方に移動すると共に、ステップ215の場合と同様に自己保持モードでN−Rシフトショックによる車両の揺れに対応できるように、後方発進により発生する加減速Gに対してアクセル開度に応じた逆慣性制御で備える(S213)。なお、このステップ213で、CRS100が後方監視のために車両後方に移動する動作も自発行動モードに基づく。CRS100は指示がない場合にも運転者が確認し難い後方を監視することで、車両の安全確認を実行する。このステップ213の処理が終了すると、図4で示すメインフローのステップ127での処理に入る。
図4のステップ127では、実際に発進した車両のアクセル開度が検出され、前進又は後進時に車両発進により発生する加速後Gに対応するように、CRS100が自己保持モードでの制御を実行する。続いて、図7に示す「乗員の指示による動作なしか」の判断がされる(S129)。前記ステップ121では発進前の乗員からの指示であるが、このステップ129では走行中において乗員がCRS100に対して何か指示(サービス要求)をしていないかの判断をする。ステップ129で指示ありと判断されると、参照番号6のサブフロー(指示動作処理フロー)の処理に入る。ステップ129で指示ありと判断されるとメインフローのステップ131の処理に入る。
上記指示動作処理フローは図9に示される。図9に例示されるように、この指示動作処理フローでは乗員により指示された動作内容が運搬動作か、或いは監視動作であるかをステップ221、223の順で判断し、それぞれのフローチャ−トに基づく処理が実行される。乗員により指示された動作処理が完了すると、再度、図7で示す指示確認の状態(S129)に戻り、メインフローによる処理が継続される。なお、図9で示した運搬動作及び監視動作について後述の実施例で詳細に示すこととし、ここでは省略する。なお、乗員がCRS100に指示する動作は上記運搬、監視動作に限るものではない。
図7に示すメインフローに戻り、ステップ131以後で実行される処理を引続き説明する。ステップ131では、CRS100の充電状態(SOC)が所定値であるかのチェックが実行される。ここでの処理は前記自発行動モードによる。このようにCRS100が充電状態をチェックすることで、運転者は適宜CRS100の充電状態をチェックすることも無く、CRS100のからのサービスを期待できる。よって、走行中において、指示した動作がCRS100の充電不足であるために実行されないといった事態が回避される。
ステップ131で充電不足が確認されると、ステップ135でCRS100に予め設定した、充電手段を用いてCRS100への充電が実行される。ここでCRS100が用いることができる充電手段について説明すると、CRS100が車両に搭載されることから、例えば車両の振動エネルギーを用いる変換発電や、エンジン熱、車内外の温度差等の熱エネルギーを用いる変換発電や、FC(燃料電池)発電、HV(ハイブリッド)での回生制動を用いた発電等が好ましい。CRS100を駆動するためのバッテリはCRS100の身体内に収納してもよいし、車両内の所定位置に配置しておきケーブルを介してCRS100側へ電源を供給するようにしてもよい。ケーブルを介してCRS100側へ電源を供給する構成を採用すると、充電を実行しながら(S135)、CRS100は乗員へのサービスを継続できるようなる。さらに、CRS100を駆動するために太陽電池を用いてもよい。太陽電池は車両天井の上面に配置すればよい。なお、CRS100は本体内に緊急時用の予備バッテリを備えている。
ステップ131でSOCが設定値以上である場合、ステップ135の処理が終了した場合はステップ133に進み、車両が停止状態であるか、否かの判断がされている。車両は停止状態ではなく、走行中であると判断されるとステップ129に戻り、同様の処理が繰返される。一方、ステップ133で車両は停止状態であると判断されると、IGがOFF状態であるか、否かの判断が実行される(S137)。このステップ137でOFF状態ではない、すなわちIGがON状態であると、判断されるとステップ139で再発進に備え、図4に示したステップ117に戻って処理を継続する。一方、ステップ137でIGがOFF状態であると判断されると、車内に乗員がいるか、否かの判断がされる(S141)。このステップ141で乗員はいないとの判断がされると、図4に示したステップ105に戻る。一方、ステップ141で、乗員はいるとの判断がされると、自律制御で待ち(S143)、乗員が車外へ出る動作をしているかを判断する(S145)。このステップ145で、乗員が車外へ出る動作をしているとの判断をすると、ステップ147で予め設定した挨拶内容を音声で「…へ行きますね?気を付けて」等を口(スピーカ)113から発する。
上記ステップ145で、乗員が車外へ出る動作をしていない場合、及びステップ147の処理を終了した場合は、図8に示すステップ149で乗員からさらに何か指示があるかを確認し、指示が無い場合には図7の前記ステップ141に戻り、処理を繰返す。一方、乗員から指示があった場合には、その指示に応じた指示動作を行い(S151)、運転者が車外に出たか、否かの判断を行う(S153)。
ステップ153で運転者が車外に出ていないと判断された場合には図7の前記ステップ141に戻り、処理を繰返す。ステップ153で運転者が車外に出たと判断された場合には、ステップ115で例えば「気を付けて」、「また明日」、「おやすみなさい」等の挨拶をCRS100が行い、これと共に運転者に対し降車時の確認項目を列挙して確認を促す。さらに、CRS100は運転者が車両に持ち込んだ物品や窓の閉め忘れがないか等の確認を促す。このとき合わせて、CRS100は車外を監視して安全を確認する。この動作は自発行動モードに基づくものである。最後に、CRS100は所定位置に戻り待機する(S157)。この状態でもCRS100は自律制御を実行しており、例えば夜間では盗難防止のため監視を継続する。このステップ157の状態は、先に図4で説明したステップ105で説明した自律制御が実行され、運転者がドアを開けるのを待つ状態と同様である。すなわち、本基本フローに基づく処理は終了し、次に運転者が車両のドアを開錠することにより、前述した処理が同様に実行される。
前述した第1実施例では、車両の使用開始と共に、CRS100の自律制御が当初から立ち上げられ、常に実行されている例を示したが、これに限らず、運転者が車両を使用開始する毎に、CRS100が自律制御を実行するか、否かの確認を行い。運転者の自律制御の実行指示に基づいて前述したと同様の自律制御を実行するようにしてもよい。このように構成した場合には、車両に運転者が乗り込んだときの確認、乗員乗員確認等、図4に示した処理はCRS思考部14に初期実行プログラムとして別途設定して、自動的に実行されるようにしてもよい。なお、自律制御の実行指示を待つ状態のCRS100は、CRS100本体を保護するために電磁ブレーキ等を機能させて、原則としてメカロック状態とする。ただし、乗員の保護の観点から、目112、耳114による周辺認識は実行状態にしておき、車両衝突時等の緊急事態には警告を発する等を行うように設定しておくことが好ましい。
次に本発明の第2実施例についてい説明する。本第2実施例は前記第1実施例で説明を省略した乗員からの指示により、CRSが車両走行中に物品を運搬する際の制御動作について示す。なお、CRSの基本構成は第1実施例のCRS100と同様であるので重複した説明は省略し、本第2実施理でも前記第1実施例と同一符号を用いて説明を行う。後述する第3実施例以下の実施例についても同様とする。
図10から図14は、第2実施例の運搬動作のフローチャートである。CRS100は、車両が停止しているか、走行中であるかを問わず、乗員の指示に応じて車内の物品を運搬するサービスを実行する。第1実施例の図4で示した基本フローにおいては、CRS100が停車中の車内において乗員の指示に応じて車内の物品を運搬するサービスを実行し、車両発進のときには発進時の加速度G等を考慮した自己保持モードを実行しつつ、物品を運搬することについて説明している。本第2実施例で示す図10から図14のフローチャートは、車両内で最も多くなると推定される運搬の実行形態として、車両走行中においてCRS100が実行する運搬動作処理を示している。
図10で、物品の運搬動作制御フローによる処理は乗員の指示に基づき実行され、所定の動作準備(S301)がされてから、登録者であるか、否かが確認される(S303)。登録者でなければ、CRS100は物品運搬の指示を出した乗員と音声認識による対話等を行い、その物品(以下、対象物品とする)とその位置を確認する(S307)。さらに、その対象物品を登録する処理を終了して、CCDによる検索を行う(S309)。
なお、上記のように新たな物品に関して登録しておくことで、次回同様な指示が出たときにCRS100は迅速に対応できる。この登録データは車内の物品位置リスト、物品形状等について詳細に記録しておくことが好ましい。この登録データはCRS思考部14が用いる乗員データ40に含めてもよい。
一方、ステップ303で登録者であるとされると、ステップ305で登録データを検索して登録物の中から登録者が要求している物品を予測する。音声認識による対話等により対象物品とその位置を確認してから、ステップ309でCRS100の目であるCCD112を用いた検索動作を開始する。なお、ステップ305で示すような処理を行うと、前述したように登録者については迅速なサービスが実行される。
上記ステップ309では、CCD112により車内の検索を行い、対象物品の位置を確認し、運搬経路を決定する。先ず、対象物品の位置を確認が済むと、指示者に音声で位置を告げ対象物品の確認を取る。次に、いつ、どこへ運搬するのかについて確認を取る。そして、シートのヘッドレスト形状、乗員の位置等を確認して凡その運搬経路を決定する。
そして、ステップ311でCRS100は対象物品に向けた移動行動を開始する。CRS100はシートのヘッドレスト形状、乗員の位置をリアルタイムに確認し、車両天井部に設けたレール2に沿って移動する。その際、運転者の視界を妨げないように移動する。なお。このCRS100の移動・動作制御は、先に図2に基づいて説明したように、CRS思考部14が制御している。
さて、このようにCRS100が対象物品の位置へ向け移動状態であるとき、さらに対象物品を捕獲した以後の運搬のときにも、車両は走行中であり、車両挙動がCRS100に対して外乱となる。この外乱に対しては、前述したようにCRS思考部14が自己保持モードの制御を実行してCRS100本体の体勢を保持しながら対象物品を指示者に運搬する。CRS100が、この自己保持モードに基づいて実際に行う制御動作は複数あるが、ステップ313以下の詳細な説明に伴い明らかにする。また、CRS100の認識部12を構成しているセンサ或いは各種装置についても複数の例が明らかとなる。
再び、図10において、CRS100が対象物品の位置へ向け移動状態のとき、ステップ313では車両の走行による外乱なしか、定常走行中か、が判断される。このステップ313で走行外乱なし及び定常走行中であると判断されると、CRS100の動作に影響を与える外乱がないので、CRS100は自己保持モードの制御を実行するとなく移動を継続する。よって、CRS100が対象物品のある所定位置まで移動して、指示者に音声による確認後、物品を腕104、106のハンド104HA、106HAで捕獲して、運搬を開始する(S315)。
一方、上記ステップ313で、走行外乱あり或いは定常走行中でないと判断されると、さらにステップ317で走行レンジのシフト操作ありか、否かが判断される。ステップ317で走行レンジのシフト操作ありとの判断がされると、ステップ319の処理に入る。ステップ319では、走行レンジシフト操作時のCRS100の制動制御が自己保持モードに基づき実行される。CRS100はシフト信号を検出し、シフトショックによる車両揺れに対して所定制動力を持って備える。ここでの制動は先に説明した逆慣性制御と同様であり、スライダ108の制動を高める等により実行される。
なお、乗員の保護及びCRS100保護の観点から、外乱に対して所定の閾値をCRS思考部14に設定しておくことが好ましい。この閾値以上の外乱があるときには、CRS100はシフト操作終了まで停止する制御を実行する。ステップ319による制御が終了すると、前記ステップ315の処理に入り、対象物品を捕獲して運搬する動作を開始する。
前記ステップ317で、走行レンジのシフト操作なしとの判断がされると、参照番号12で示すサブフロー(シフトなし走行フロー)での処理に入る。このシフトなし走行フローの処理は図11に示される。
図11のシフトなし走行フローの処理では、先ずステップ331で車両が加速中であるか、否かが判断される。ステップ331で加速中であると判断されるとステップ333の制御が実行される。ステップ333では車両からのアクセル開度信号に応じた加速度Gを予測して、移動中のCRS100の制動力を適性に補正する。次のステップ335でCRS100の移動方向と車両の加速方向とが一致しているか、否かが判断される。CRS100の移動方向と車両の加速方向とが一致していると判断されると、自己保持モードに基づく駆動力アップ制御が実行され(S337)、CRS100が加速度Gに負けて後退しないように制動力アップの制御がなされる。このステップ337での制御が実行されると、図10に示した運搬動作のメインフローの前記ステップ315での処理に入り、対象物品を捕獲して運搬する動作を開始する。
また、ステップ335でCRS100の移動方向と車両の加速方向とが一致していない判断されると、CRS100が急速に移動しないように制御する(S339)。例えば、CRS100が車両後方に移動中であるとき、後席に向け加速されないように制動制御を実行する。このステップ339での制御が実行されると、図10に示した運搬動作のメインフローの前記ステップ315での処理に入り、対象物品を捕獲して運搬する動作を開始する。
さらに、図11の前記ステップ331で、車両が加速中ではないとの判断がされると、参照番号20で示す第2のサブフロー(加速なしフロー)の処理に入る。この加速なしフローは図12に示される。
図12の加速なしフローでは、まずステップ341で車両がコーナリング(旋回)状態にあるか、否かが判断される。車両がコーナリング(旋回)状態にあると判断されると、車速とステアリングの操舵角、操舵速度などの運転者の操作をリアルタイムで演算して旋回G(ヨーレイト)を予測する(S343)。本CRS100が搭載された車両が、車両挙動制御システムを採用している場合には、目標ヨーレイト信号を入手して用いてもよい。そして、CRS100は車両の移動方向に対応して制動か、駆動かを判断して制御を実行する。また、低摩擦(μ)路等では車両挙動制御によって生じる車両挙動に協調したヨーレイト特性で移動補正の制御を実行する。このステップ343での制御が実行されると、図10に示した運搬動作のメインフローの前記ステップ315での処理に入り、対象物品を捕獲して運搬する動作を開始する。
前記ステップ341で車両がコーナリング状態ではないと判断されると、車両が制動中であるか、否かの判断がされる(S345)。このステップ345で制動中ではないとの判断がされると、CRS100の移動について特に制御の必要がないので、図10に示した運搬動作のメインフローの前記ステップ315での処理に入り、対象物品を捕獲して運搬する動作を開始する。
一方、ステップ345で制動中であると判断されると、エンジンブレーキとサービスブレーキどちらの制動であるかが確認される(S347)。そして、エンジンブレーキであればステップ349で、サービスブレーキであればステップ351での制御が実行される。
ステップ349では、CRS100は車両のパワーオフ(OFF)時でのエンジンブレーキによるシフトダウンでの所定ギア段の減速度Gを推定し、制動側又は駆動側への移動補正の制御を行う。移動方向に対応して、制動か又は駆動かを判断して制御する。ただし、所定以上のピークGが検出されたときには停止制御とする。このステップ349での制御が実行されると、図10に示した運搬動作のメインフローの前記ステップ315での処理に入り、対象物品を捕獲して運搬する動作を開始する。
一方、ステップ351では、ブレーキ制動力信号から減速度Gを検出し、移動方向に対応して制動か又は駆動かを判断して制御する。ブレーキのON−OFFが所定頻度、時間間隔で繰り返され補正制御が不可能であるときには、移動を中断して、繰り返しによる揺れを回避する。ステップ351の処理が終了すると、ステップ353の処理に入る。
次のステップ353では、サービスブレーキにより車両が低速となっているときにパーキング(P)側へのレンジ切換の有無があったか、否かの判断がされる。車両が完全に停止する前にパーキング側へのレンジ切換があるとラチェットショックが大きくCRS100への外乱となる。よって、CRS100がこれを予測して体勢を整えるためにステップ353が設けられている。なお、この処理を図12のフローチャート上では低速Pシフトの有無と記載している。低速Pシフトへの切換え無しと判断されるとこれ以上の制御は行わず、ステップ351の制御を実行した状態で、参照符号11で示すように図10のステップ315での処理に入り、対象物品を捕獲して運搬する動作を開始する。なお、図12では省略するが坂路等においては完全に車両が停止した後に、Pシフトへ切換えても傾斜の為に、上記と同様の外乱が発生することがある。よって、坂路での停止を考慮し、上記ステップ315による処理に入る前に、ラチェットショックに備えるステップ353と同内容の処理を付加しておいてもよい。
ここで、低速Pシフト有りと判断されると(S353)、ラチェットショックを伴った停止と判断され、CRS100はステップ355でPシフト時にP位置を検出し停止制御を実行する。ステップ353の処理が終了すると、図10に示した運搬動作のメインフローの前記ステップ315での処理に入り、対象物品を捕獲して運搬する動作を開始する。
再度、メインフローを示す図10を参照すると、ステップ315において対象物品が捕獲され、運搬が開始される処理に続いて、次に物品運搬中フローによる処理が続く。
この物品運搬中フローは図13に示される。図13ではCRS100が対象物品を保持しながら移動して指示者まで運搬する移動・動作について示す。上記図12までに示したCRS100が対象物品の位置まで移動する際に実行した制御と同様、外乱に対する種々の制御が実行される。ただし、図13で示すフローは、CRS100が対象物品、例えばカップに入った飲料等を保持し運搬している点で異なっている。
すなわち、図13及び図14に示す物品運搬フローでは、運搬対象物品の質量をCRS100が予め認識し、前後左右、上下のGによる物品の重量増加を考慮して、CRS100の腕104、106及びハンド104HA、106HAにより、対象物品への保持力を向上させる制御を実行する。特にジュース等の流動性の物品を運搬するときには中味がこぼれないように容器を傾斜させ、また、手のひらで飴などを運ぶときには手のひらを傾斜させ、さらに雑誌等の柔軟性あるものを運搬するときには車両挙動に応じて、車内の乗員やシートに接触することが無いような制御がされる。
なお、全体としての運搬動作フローを見ると、先ずCRS100は対象物品の位置まで到達し、次にCRS100は対象物品を捕獲し、指示者まで対象物品を運搬するという行動を実行している。この物品運搬フローに関しては、対象物品を捕獲して保持する点を主に説明を加える。但し、CRS100の物品運搬に関しては、先に説明した対象物品の位置への制御が同様に実行されている。
図13のステップ361で、車両の走行による外乱なしか、及び定常走行中か、否かが判断される。ステップ361で走行外乱なし及び定常走行中であると判断されると、CRS100の運搬動作に影響を与える外乱がないことになるので、特に制御を実行することなく運搬動作を行うことができる。よって、CRS100は対象物品を指示者の位置(所定位置)まで運搬し、物品を捕獲していた腕104、106のハンド104HA、106HAを緩めて物品を指示者に渡して運搬動作を完了し(S363)、このフローチャートによる処理を終了する。
一方、ステップ361で走行外乱あり或いは定常走行中でないと判断されるとステップ365で走行レンジのシフト操作ありか、否かが判断される。ステップ365で走行レンジのシフト操作ありと認識されると、ステップ367の制御が実行される。ステップ367では、走行レンジシフト操作時のCRS100の制動制御が自己保持モードに基づき実行される。CRS100はシフト信号を検出し、シフトショックによる車両揺れに対して所定制動力を持って備える。ここでの制動は、先に説明した逆慣性制御と同様であり、スライダ108の制動を高める等により実行される。また、CRS100は所定以上の外乱量であるときには、シフト操作終了まで停止する場合もある。本ステップ367では、CRS100が対象物品をハンド104HA、106HAで捕獲している点が前述した対象物品位置へのCRS100の移動とは異なる。CRS100は計量部を備えているので、運搬物の質量を予め検出しており、この質量に基づいてシフト時についての記憶データから車体の揺れ等により生じる物品の重量増加を考慮し、ハンド104HA、106HAの保持力をアップする制御を実行する。ステップ367での制御が実行された後は、前記ステップ363による処理に入り、対象物品を指示者の位置まで運搬し、物品を捕獲していた腕104、106のハンド104HA、106HAを緩めて物品を指示者に渡して運搬動作を完了する。
一方、前記ステップ365で走行レンジのシフト操作なし、との判断がされると、さらに加速中であるか、否かが判断される(S369)。ステップ369で加速中であると判断されると、ステップ371でアクセル開度信号に応じた加速度Gを予測して、移動中のCRS100の制動力を適性に補正する。続くステップ373では、CRS100の移動方向と車両の加速方向との一致を考慮しつつ、加速中の駆動変化による加速度G変化、変速ショックに伴う加速度G変化等を各走行状態についてデータに基づいて対応し、対象物品を落下させないようにハンド104HA、106HAの保持力を制御する。このステップ373での制御が実行された後は、前記ステップ363の処理に入り、指示者に対象物品を渡して運搬動作を完了する。
前記ステップ369で、加速中ではないとの判断がされると、車両がコーナリング状態にあるか、否かが判断される(S375)。ここで、車両がコーナリング状態にあると判断されるとステップ377による制御が実行される。ステップ377では車速とステアリングの操舵角をリアルタイムで演算して旋回G(ヨーレイト)を予測する。車両が車両挙動制御システムを採用している場合には、目標ヨーレイト信号を入手して用いてもよい。そして、腕104,106の動作に対応して制御する。対象物品の質量から予測した加速度Gによる本体への負荷を予測し保持力がアップするように制御を実行する。
続くステップ379では、所定値以下の旋回Gであるかの確認がされる。所定値を超えるとステップ381での制御が実行され、所定値以下であればステップ383の制御が実行される。
ステップ381では、旋回Gが許容限度を超え、対象物品の運搬を行うことが困難、或いは危険となる場合の制御である。CRS100は、一時的に移動、運搬の動作を停止する制御に入る。まず、ジュースなど流動物を運搬している場合には容器を旋回Gに対抗するように傾け、こぼれないよう傾斜制御を実行する。さらに大きな旋回Gの場合には、CRS100は近くのフロアに退避する等の行動を取る。
なお、CRS100が車両挙動制御システムや電子制御スロットルへ電気的な指示入力が可能な状態に設定されている場合、安全が確認できるときには、これらにアクセスし旋回G自体を弱める制御を行ってもよい。
他方のステップ383は、旋回Gが所定値以下であるときの対象物品の運搬制御である。CRS100はジュース等の流動性物の場合、容器を旋回Gに応じて腕104,106及びハンド104HA,106HAを傾け、運搬中にこぼれないようにする。例えば、車両が右旋回するときに車両内で左方向に飲料入りカップを運搬中であるときには、旋回Gに対抗するように飲料入りカップを手前(右方向)に傾けて運搬する。また、雑誌など柔軟性のあるものの場合は、左方に反り曲るようになるので、シートや乗員に接触しないように、リアルタイムで周囲の状態を認識して運搬ルートを修正しつつ旋回Gに対抗する制御も実行する。さらに、飴等をハンド104HA、106HA上に乗せて運搬するときには旋回Gに対抗するようにハンド104HA、106HAを傾斜させる。
上記ステップ381、ステップ383の処理が終了すると、前記ステップ363による処理に入り、対象物品を指示者の位置まで運搬して、運搬動作を完了する。
また、前記ステップ375で車両がコーナリング状態ではない、と判断されると参照番号13で示すサブフロー(直進フロー)の処理に入る。この直進フローは図14に示される。
図14のステップ385では、制動中であるか、否かの判断がされる。ステップ385で制動中ではないとの判断がされると、図13の前記ステップ363の処理に入り、対象物品を指示者の位置まで運搬し、指示者に渡して運搬動作を完了する。一方、ステップ385で制動中であると判断されるとステップ387へ進み、エンジンブレーキとサービスブレーキどちらの制動であるかが、確認される。エンジンブレーキであればステップ389での制御が実行され、サービスブレーキであればステップ391での制御が実行される。
ステップ389では、パワーオフ(OFF)時のエンジンブレーキでシフトダウンの所定ギア段に応じた減速度Gを推定し、制動側又は駆動側への移動補正の制御を行う。このエンジンブレーキはギア比による減速であり、シフトダウン時のギア段に応じ減速度Gを予測する。特に、CRS100はLOWレンジへのシフト時にシフト信号を検出すると、流動性物品の運搬時にはフロア−付近に退避する等の制御を実行する。
さらに、CRS100が車両側のトランスミッションを電気的操作できるように設定されている場合には、前車との安全が確保されていることが確認したときに、LOWギア比から一度に変速比を変更するのではなく、HIGHギア比を一定時間維持する様にして段階的に変速比を変更し、ピークGを低減する制御を実行するようにしてもよい。また、CVTを搭載した車両に好適に適用可能であり、変速速度を遅らせてピークGを低減する制御を行ってもよい。
ただし、所定以上のピークGが検出されたときには停止制御とする。このステップ389での制御が実行されると、図13の前記ステップ363の処理に入り、対象物品を指示者の位置まで運搬し、指示者に渡して運搬動作を完了する。
一方、ステップ391では、車両への制動操作の信号或いは制動力から減速度Gを検出或いは予測し、G方向に対して対象物品の運搬が可能か否かを判断する。図14のステップ391ではブレーキ制動力信号から減速度Gを検出する例について示す。CRS100は、運搬している対象物品を指示内容とCCDから認識してジュース等の流動物の場合には減速度Gに応じて傾斜させる。ブレーキON−OFFが所定頻度、時間間隔で繰り返され補正制御が不可能であるときには、減速度Gの変化に応じて傾斜−水平の制御を実行する。所定頻度以上又は長時間収束しないときには、運転者にブレーキのON−OFF操作を緩めるか、スムーズな操作とするように音声で警告してもよい。また、急制動など所定以上の減速度Gを検出したときには、CRS100は運搬動作を中断して、フロアマット上等に退避して、対象物品の落下防止行動を取る。さらに、車内が満員であり、客室側に退避空間が無いときには後部荷室に緊急退避をするように予め、CRS100を設定しておいてもよい。
なお、CRS100が車両のブレーキシステムに電気的に接続され、制動指示が出せるような構成を採用してもよく、前方の安全を確かめられる場合にはピークGの低減のために予めABS作動の閾値を変更して滑らかな停止となるような制御を実行してもよい。
次のステップ393は前述したステップ353と同様な低速Pシフトの有無の判断の処理である。低速Pシフト無しと判断されると外乱がないので、これ以上の制御は行わず、前記ステップ363に進み、対象物品を指示者の位置まで運搬して物品を指示者に渡して運搬動作を完了する。一方、低速Pシフト有りと判断されると、ステップ395でPシフト時にP位置を検出し、保持力アップの制御を実行してから、図13の前記ステップ363の処理に入り、対象物品を指示者の位置まで運搬し、指示者に渡して運搬動作を完了し、本フローチャートによる処理を終了する。なお、本実施例で、例えば旋回時の横G、悪路等での上下Gには、道路情報等からこれらのGを予測して、外乱に対応するように構成してもよい。
次に本発明の第3実施例について説明する。本第3実施例は、車両走行中において乗員からの指示でCRSが実行する監視動作について示す。図15から図17は、第3実施例の監視動作制御のフローチャートである。
図15で、乗員からの指示によりCRS100の監視動作が実行される。指示された監視制御内容に応じて、メインフローとサブフローでの処理を実行する。ここでは、メインフローでチャイルドシートが必要な子供等、世話を必要とする乗員の監視について示し、サブフローで車両前方監視及び車内の落下物監視について示す。図16は参照番号16の(前方監視フロー)を、図17は参照番号17の(落下物監視フロー)をそれぞれ示している。
図15において、指示者(例えば母親等)が子供の監視を指示していることをCRS100が音声対話等により確認すると(S401)、子供の監視処理に入る(S403)。
ステップ403では、CRS100が指示された子供の位置をCCD112で確認する。さらに、CRS100は乗員データから登録者であるかを確認し、その子供の母親等についてのデータも参照する。次のステップ405では、シートベルト装着のスイッチ(SW)がOFFか、否かが確認される。シートベルトが装着されているときには、子供から何か動作要求があるかを確認する(S413)。
ステップ405でシートベルトが装着されていないと判断されると、CRS100はその子供のシート位置まで移動して、母親の声などでシートベルトの装着を促す。子供に拒否された場合はCRS100が腕114、116及びハンド104HA、106HAを動かして、子供にシートベルトを強制的に装着する。又は、CRS100は車両の停止或いは他の乗員による子供へのシートベルト装着を音声により警告する。ここで、CRS100がどのような動作を実行するかは、CRS思考部14に予め設定した動作パターンプログラム31による。
次のステップ409では、子供が所定の座席を離れたか、否かについて確認される。席を離れていないと判断すると、子供から何か動作要求があるか確認する(S413)。
ステップ409で子供が席を離れたと判断すると、CRS100は子供に位置を確認してから、例えば母親の音声により着席を促す(S411)。子供が音声による注意で席に戻らない場合には、CRS100が腕114,116を駆動させて子供を座席へ誘導する。その際、車両が加速、旋回、制動等で子供が横転する可能性がある場合等には、CRS100は子供の衣服をハンド104HA、106HAで掴み保持しつつ子供を着席させる。このときには、前記自己保持モードの制御が実行されている。
さらに、子供から何か動作要求があるかを確認する(S413)。このステップ413で特に動作要求がなければ、CRS100はステップ403に戻り同様の監視動作を繰返す。
ステップ413で、動作要求があると判断されると、CRS100はこれに応じるように動作する(S415)。このステップ415では、子供の行動を詳細に観察する。チャイルドシートに着席させられている子供は、何かしようとするときには、チャイルドシートを外そうとする。そこで、子供が何かするための移動なら、チャイルドシートを外そうとしている時点で、CRS100は移動理由を音声で問い合わせる。また、CRS100は駐車中又は停車中で、親の了解があるときにはシートベルトを外す動作を実行する、或いはおもちゃ等が取りたい等であればその玩具の位置を確認して運搬動作を実行する。物品の運搬動作は先に詳述した通りである。
さらに、CRS100への何か娯楽(アミューズメント)要求があればアイテムを実行する。このステップ415での処理が終了した後は、ステップ401或いは403に戻り同様の監視動作を繰返すようにしても良いし、ステップ415による処理が完了すると本フローチャ−トによる処理を終了するようにしてもよい。なお、CRS100が実行するアミューズメント動作については後に詳細する。さらに、本第3実施例で示す監視動作には車両前方の監視動作が含まれている。以下CRS100が実行する前方監視動作の一例を説明する。CRS100は車両内を移動可能である。このように車内を移動可能なCRS100が監視を行うことで、運転者の死角について監視できる。さらに、CRS100が車両に搭載されているナビゲーション装置からの情報を用いることで、運転者から指示がなくとも適切な監視を実行することもできる。
図16は前方監視フローを示している。図15において指示者が前方の監視を指示していることをCRS100が音声対話等により確認すると(S401)、図16の前方監視フローを実行するための所定の準備に入る(S431)。この準備では、前方監視を実行するために必要なセンサ等の状態が正常に機能しているか等のチェックが含まれる。続くステップ433で、CRS100は運転者の視線を検出し、同時に前方の視界を邪魔しない位置に移動してから障害物の有無を監視する。CRS100はCCD112を用いて前方の画像を認識するほか、ナビゲーションシステム等を用いてインフラからの障害物、対向車等の情報も用いた適切な監視を実行する。CRS100は運転者の視線に合わせて移動し、運転者の死角となる方向の情報を音声で知らせたり、インパネに設置されているCRT等に映像化して知らせる等のサービスを実行する。
さらに、CRS100は運転者が所定時間前方を見ていないと、判断すると(S435)、スピーカ113から音声で警告したり、腕114,116を作動させ運転者の体にさわって覚醒を促す(S437)。さらに、CRS100はナビゲーション装置等からの情報を用いて、交叉点、横断歩道等の危険領域が迫っている場合の警告や、前車が迫って車間距離が所定値以下となったときに障害物があることを警告し、その方向を指し示す等の行動を取る(S441)。
さらに、運転者の動作では危険回避が不可能であるとCRS100が判断したときには、CRS100が車両の操作或いは操作の補助を行うようにしてもよい。この場合に、例えばフローチャートに示すようにCRS100がブレーキ、ハンドル等に腕114,116を延ばして車両操作を代行してもよい(S443)。
さらに、CRS100が車両の各制御を行なう制御部などと通信を行い、各制御部への命令を行うことで車両を操作する構成としてもよい。また、CRS100が電子制御スロットル装置、車両挙動制御装置、電動ステアリング制御装置等の車両側のシステムと電気的に接続され、これらの電子制御ユニット(ECU)にアクセス可能な構成となっている場合には、ブレーキペダル、ハンドル、シフトレバー等を操作して車両の操作を代行するような構成としてもよい。
このステップ443での処理が終了した後は、ステップ401或いは433に戻り同様の監視動作を繰返すようにしても良いし、ステップ443による処理が完了すると本フローチャ−トによる処理を終了するようにしてもよい。
また、上記前方監視動作では車両走行中でのCRS100の動作例を説明したが、CRS100は駐車、車庫入れ時にも運転者の指示に応じて、車両の進行軌跡から逸脱の防止、接近物の有無を監視し、音声で警告する等のサービスを実行する。この際にも、運転者の操作では危険が回避できないと判断すると、前述したと同様に、CRS100が車両の操作を代行する。
なお、上記のような処理が実行された際の運転者に関する種々の情報は、CRS100がCRS思考部14の乗員データとして登録、順次更新しておき、次の監視動作の際に用いるなど以降の制御に用いるデータとして記憶する構成としてもよい。
さらに、図17は第3実施例に含まれる落下物監視フローチャ−トを示している。このフローチャ−トは指示者が車両内で物を落としたと思ったときに、CRS100にその落下物の監視を指示したときに実行される。
図15において指示者が落下物監視を指示していることをCRS100が音声対話等により確認すると(S401)、落下物監視フローを実行するための所定の準備に入る(S451)。この準備で、CRS100は指示者がどのような物品を落としたのか、音声対話等で確認する。CRS100は記憶された所定位置にその物品がないかを確認する(S453)。CRS100が所定位置にその物品があることを確認すると、CRS100は指示者に、落ちていない旨を音声で報告して、本フローチャ−トによる処理を終了する。
このステップ453で、CRS100が記憶した所定位置に物品がないとの判断をすると、乗員が保持していないかを確認する。乗員が保持していることを確認すると、本フローチャ−トによる処理を終了する。
ステップ455で、CRS100は乗員がその物品を保持していないと判断すると、記憶された位置の物品の形状と類似の形状を車内で検索する。発見出来ない場合は、指示者にどの辺りかを音声対話で尋ねる。CRS100が落下物を発見すると、落下物を元の位置に戻すのかを確認する(S459)。
指示者が落下物をそのままにしておくとの指示を出したら、CRS100はその場所を伝達し、本フローチャ−トによる処理を終了する(S463)。指示者が落下物を元に戻すせ、との指示を出したら、近くの乗員に物品の捕獲し当初位置に戻すことを依頼する。乗員が一人、すなわち運転者のみであるである場合、CRS100が物品の捕獲、運搬を実行する。その際、CRS100は車両が定常走行時に運搬動作を実行する。この際の運搬動作は先に詳述した制御で実行される(S461)。このステップ461での処理が終了した後は、ステップ401に戻り同様の監視動作を繰返すようにしてもよいし、ステップ461による処理が完了すると、本フローチャ−トによる処理を終了するようにしてもよい。
なお、上記各ステップ453、455、463での処理の後、終了(END)とした場合ついてもステップ401に戻り同様の監視動作を繰返すものとしてもよい。
前述した第3実施例では、車両の走行中において日常的に生じると想定される子供等の監視、前方監視、落下物監視について関連付けて示した。CRS100が実行する監視動作はこれに限るものではない。また、上記監視動作は各々独立したフローチャ−トにより実行されるように構成してもよい。
さらに、本発明の第4実施例としてCRS100が実行する夜間監視動作について説明する。この監視動作は使用者が車両から離れた以後の夜間監視をCRS100が実行する点で上記実施例とは異なる。また、夜間監視動作は自発行動モード基づくのが好ましいので、ここではCRS100の自発的な夜間監視動作について説明する。
次に、図18はCRS100が夜間監視動作する場合のフローチャートである。本夜間監視の処理は、前述した自発行動モードの1項目として予め設定されている。自発行動モードによりCRS100が実行する様になっていれば、運転者が逐次夜間における監視を指示しなくとも、車両を離れたCRS100が必要な監視動作を実行する。勿論、運転者の指示を受けて夜間監視する様に設定することも可能である。この夜間監視と合わせて前述した図16の前方監視動作も自発行動モードにより実行するように設定すると、運転者等へのサービス向上になる。
図18に示す夜間監視のフローチャートにおいて、例えば夜、運転者が車両を停車(駐車)して車外に出ようときに実行され、CRS100が所定の夜間監視準備に入る(S421)。この準備では、夜間監視を実行するために必要なセンサ等の状態が正常に機能しているか等のチェックが含まれる。続くステップ423で設定時間帯であるか、否かが確認される。この設定時間は使用者が夜間監視が必要である時間帯として予め設定しておく時間である。CRS100は設定時間帯でないとの判断をすると、指示者に夜間監視が必要かを確認する。指示者が監視不要であるとしたときには自律制御を実行して待機状態となる。
ステップ423で設定時間帯であると判断した場合或いはステップ424で監視を実行する様に指示されると、車内外の監視動作を開始する(S425)。この夜間監視では、車両に接近するものを監視し、特に盗難防止機能をONとする。また、CRS100が暗視CCD等の夜間の画像読取りに適したセンサを備えているときには、これを機能させて登録者か否かの確認を行う。さらに、緊急時には通信ネットワークを用いて、所定のセキュリティーセンタや使用者の携帯電話等にアクセスして緊急事態を連絡する。さらに、CRS思考部14内のプログラムにこのセキュリティーセンタ或いは使用者の携帯電話からの指示を受けて緊急時の最適対処が実行されるような設定となっているときにはCRS100を遠隔操作して盗難に対処できる。
次に、第5実施例としてCRS100が実行する娯楽(アミューズメント)動作について説明する。乗員に子供等が含まれており、車内にいることに飽きないように所定の世話をすることが必要になった際に、CRS100により実行され
るサービスである。図19から図21に第4実施例の娯楽(アミューズメント)動作のフローチャートを示す。
本フローチャートによる処理は、子供等の世話が必要な乗員(以下、本フローチャートでは子供を例にする)が含まれているときに他の乗員(子供の親等)による指示、或いはCRS100の自発行動モードの1項目として予め設定されたプログラムに基づき子供が座席或いはチャイルドシート内でもぞもぞと動き、落ち着かない動作を繰り返した場合等に実行される。
図19で、CRS100は子供が動きたいことを検出する(S501)。この検出方法は子供の動作頻度の増加をチェックすること等により行う。例えば、CCD112により、子供の頭の動きを監視しており1分間に所定回数を越えたとき子供が動こうとしているとの判断をする。また、子供の顔の表情、目の動きや瞬きの回数、さらには耳(マイクロフォン)114で子供が発したグズリ回数等を参照する。その際、CRS100はCRS思考部12のデータべ−スにアクセスする(S503)。ここでのデータベースには、子供の動きの回数や表情から動こうとしているかの判断を行う基準が設定されている。また、子供が示した行動から車両内で子供が何を欲するのかが複数の項目で設定され、子供の欲する行動を予測できるようになっている。このデータベースは多くの子供の行動に基づき、予めCRS思考部14に準備されている。そして、ある子供が車両に乗車すると新規に登録され、その子供について固有のデータベースが追加記憶される。このデータベースは子供が乗車する度毎にデータ更新され、CRS100が次にこの子供の世話をするとき参照できるようになっている。なお、このデータベースはCRS思考部14内の乗員データ40に含まれる。
次に、この子供が何をしたいのかを推測する(S505)。その際にも上記データベースが参照される(S507)。CRS100は世話が必要な子供に向け移動しながら、子供に音声(スピーカ)で話し掛けながら子供の動き、表情をCCD112で逐次認識する。この過程で、協調指数の計算を実行する(S509)。この協調指数は、前記データベースに基づくもので、子供の行動、表情から総合的に算出され、CRS100が子供への対応をどのように実行するかの基準となる。この協調指数もCRS100が子供の世話を実行した際に最新のものに更新される。CRS100はこの協調指数が所定の閾値以上か、否かを判断する(S511)。このステップ511で、協調指数が所定の閾値以上、即ち、CRS100が子供の機嫌が悪く子供との協調が必要であると判断した場合には図21に示す協調フローの処理に入る。一方、協調が必要無い、即ち、子供の機嫌が良くCRS100側から提案を行っても受け入れられるとの判断をすると、図20に示す提案フローの処理に入る。
協調フローは、CRS100が機嫌の悪い子供との協調を図ろうとする処理である。ただし、CRS100が子供とのやり取りで、後に協調できないと判断する場合もある。また、提案フローはCRS100が上記データベースに基づいて子供の欲することを順次探り、最終的に子供を満足させるようにする処理である。上記協調フロー及び提案フローでの処理過程は乗員情報としてデータ記憶され、逐次更新される。
図20で、提案フローでの処理に入ると、CRS100は上記データベースにアクセスして(S561)、データベース上に予め準備されている「後で」、「今は疲れている」、「今はできない」等の回答をして子供(対象)に対し、今は何もしない提案や、相手が求めていることに近い事の提案、或いは相手が求めていることは程遠い提案等をコミュニケーションを取りながら順次行う(S563)。これらの中のいずれかの提案を対象が受け入れると(S565)、その行動過程をデータベースに登録後、その受け入れられた行動をCRS100が実行して(S567)、ステップ501に戻り待機状態に入る。
一方、CRS100の提案を子供が受け入れない場合(S565)、CRS100は所定の行動、例えば踊る、歌う等の動作を一方的に実行し(S569)、CRS100のこの動作を子供が何か受け入れたか、否かを判断する(S571)。
ステップ571で、子供がCRS100の行動を受け入れたと判断されると、その行動過程をデータベースに登録後(S573)、ステップ501に戻り待機状態に入る。
図21で、協調フローの処理に入ると、CRS100は音声、画像等を用いて相手に質問をして(S531)、対象がやりたい事の把握を試みる(S533)。このステップ533で、対象の要求の把握に失敗するとその過程をデータベースに登録し、上記協調指数の更新を行う(S551)。この更新後、再度協調指数が閾値以上であるか、否かの判断を行い(S553)。ステップ553で協調指数が閾値以上であると判断したときには、ステップ531に戻り再度、対象の把握を試みる。一方、協調指数が閾値未満であると判断したときには、前述した提案フローによる処理を開始する。
ステップ533で、CRS100が対象の欲することを把握することに成功すると、データベースにアクセスしてデータを送受信して、(1)対象のやりたい事をどの程度推測できたか、(2)CRS100の「検出・推測キー」と推測結果の相関、さらに(3)協調フローに入った割合の計算等についてデータ記録される(S535)。
つぎに、CRS100は再度、協調指数が閾値以上か、否かを判断する(S537)。このステップ537で協調指数が閾値未満であると判断したときには、前記提案フローによる処理に入る。一方、協調指数が閾値以上であり何らかの協調行動が必要であると判断されるとステップ539の処理に入る。
ステップ539では、把握した対象の要求がCRS100がサポート実行できる条件の範囲内か、否かを判断する。なお、CRS100が相手の要求がサポート範囲内か、否かを、車両の状態及び子供の状態などに基づいて動作を実行できる状態であるかを判断するように、設定しておくことが好ましい。サポートできる範囲内であれば、CRS100はサポートする選択範囲から相手の要求に応じた行動を実行する。CRS100は、例えば○1 物を取りたい、○2 今とは違う景色が見たい、○3 音楽が聞きたい等の相手の要求に応じる行動を取る(S541)。その後、その過程をデータベースに登録して(S543)、待機状態に入る(S501)。
一方、ステップ539でCRS100がサポート範囲外であるとの判断をすると、例えば「ちょっと待って」等と対話をしながら(S545)、対象が待つことができるか、否かを判断する(S547)。対象が待てないとの判断をすると、前記提案フローの処理に入る。待てるとの判断をすると、ステップ537に戻って処理を継続する。
以上説明した第5実施例では、CRS100が乗員の状態を確認できる認識手段と、この認識情報に基づいて思考する思考手段とを備えるので、対象となる乗員等の状況、要求等に応じて、乗員の要求に沿うような行動(この場合は娯楽行動)を取ることができる。なお、上記では子供を例として示したが、対象は子供に限定するものではない。
さらに、以下には第6実施例から第8実施例として、CRS100が実行する事故時におけるCRS100の乗員救助動作の例を示す。CRS100による乗員への救助動作は、乗員による指示を待つことなく、自発的に実行されるのが望ましい。以下に示す実施例はCRS100の自発行動モードに基づいて実行される。
第6実施例はCRS100が実行する車両衝突時の動作例である。図22及び図23に示したフローチャートに基づき説明する。なお、以下のフローチャートで説明する例は、CRS100が通信機能を有し、自ら車両事故の連絡を実行できるように設定されている場合である。さらに、CRS100が事故の際に、その報告を行うと所定の指示を出すレスキューセンタが開設され、このレスキューセンタ等からの指示を受けた場合にCRS100がこの指示に応じて所定の救助行動を実行できるように、CRS思考部14にプログラムが設定されている。
また、衝突時に乗員の保護を実行するためには、CRS100自身が衝突に対応できることが必要である。さらに、衝突時の衝撃でCRS100が乗員に2次的に衝突することも防止する必要がある。よって、本フローチャートで示す例は、CRS100自身がエアバックを備えている。これにより、CRS100による乗員への2次衝突を防止できる。なお、CRS100自身を保護することにもなり、事故後の乗員保護行動を円滑に実行することができる。
本第6実施例では、CRS100は衝突時に乗員の指示を受けず自らを生存できる状態に自己保持の制御を実行しつつ、事故時の乗員救助を実行する。ここでのCRS100の動作は自律制御に基づいて実行されている。また、この例ではCRS100が非常時用の予備電源(バッテリ)を体内に有している。
図22で、車両が衝突状態になった際に、CRS100は監視動作実行中(S601)であれば衝突の可能性ありかを判断し(S603)それ以後の処理に入る。一方、監視動作を行っていないときに、突発での事故であるときには、CRS100は車両内での行動を停止し、自律制御を実行しつつ異常Gの検出等により衝突の状態を判断し、以後の処理を実行する(S615)。
まず、監視動作実行中で衝突の可能性ありとの判断をしてから(S603)、衝突の方向を確認し、さらに相手車両の種類及び体格並びに相対速度から車両が受けたダメージを推定する(S605)。そして、車両の対衝突計算から変形度合を推定し、CRS100が生存できる生存空間の位置、大きさを算出してその位置に移動する(S607)。このようにCRS100が自身生存を確保するように移動することで、ダメージを最小限に止て、以後の乗員救助が実行できるようにする。その際、CRS100は生存空間を乗員の脱出空間として利用できるか、否かについても検討し、記憶しておくことが好ましい。さらに、衝突時のGが所定の閾値以下であるかを判断する(S609)。この衝突Gが所定の閾値以下であれば、その位置でその衝突Gに対してレールに固定制動するような制御を実行する(S611)。衝突Gが所定の閾値を越え危険と判断すれば、レールに固定制動する制御と自己保護のためのエアバックを作動させる(S613)。上述のように、CRS100は車両内で自己保持の制御を完了してから、車両の状態を把握する動作に入る(S621)。
つぎに、CRS100自らの機能損傷をチェックし、電源不良であるなら自己の本体内の予備電源に切り換える。また、CRS100が移動に用いるレール2の損傷についてもチェックする。さらに、CRS100は上記生存空間も含めて乗員の退避ルート(空間)の確保が可能か等についてチェックを行う(S623)。
なお、上記突発での事故で異常Gの検出等により衝突の状態を判断した場合は(S615)、衝突Gを検出し対衝撃制御を実行すると共に、レールに固定制動する制御と自己保護のためのエアバックを作動させる(S617)。そして、衝突Gからその方向と大きさを確認し(S619)、同様に上記ステップ621の車両状態把握処理の処理に入る。
CRS100は、自身のシステムに問題があるか、否かを判断し(S627)、問題があり完全にダメージを受け、作動不能となっているような場合はレスキューセンタに救助信号を発信し(S629)、以後は自律制御で待機する。
一方、自身のシステムに問題がないとの判断をした場合は(S625)、実質的な乗員保護として乗員の脱出空間を確保する等の行動を実行する(S627)。車内のダメージをCCD112により確認し、登録乗員については顔等記憶した形態からその存在の確認を行う。さらに、登録され物品の位置や車両形体と事故後を比較しその差異の大きさから車両が受けたダメージを確認する。
さらに、図23に示すように、CRS100は乗員の全員が動作管理範囲にいるかの確認を実行し(S631)、範囲外の乗員が居たらその乗員の状態を確認し、レスキューセンタへ連絡し、乗員の位置とその状況説明を行う。さらに他の乗員に報告を行い、動作指示を待つ(S635)。
CRS100が乗員の全員が動作管理範囲にあることを確認すると(S631)、障害の有無を音声対話等で各乗員に確認して、レスキューセンタへ連絡し、乗員の位置とその状況説明を行う。CRS100にレスキューシステムがインストールされている場合は、レスキューセンタからの指示に基づきCRS100が救護動作を実行する(S633)。なお、CRS100にレスキューシステムがインストールされていない場合には、双方向通信等を利用し、レスキューセンタからインストールを実行してから救助動作を実行するようにしてもよい。
CRS100は、さらに火災について可能性がないかのチェックを行い(S637)、火災の可能性が無ければ乗員救助を実行する。インストールされている救助動作では乗員の救出が不可能な場合にはレスキューセンタからの指示による遠隔操縦制御に変更し、この指示に基づきCRS100が救助動作、障害の手当てを実行する(S639)。
一方、火災の虞があるとの判断したときには(S637)、乗員に脱出を促す(S641)。CRS100は脱出不可能か、否かを判断して(S643)、脱出が可能であれば、全員の脱出を確認し(S649)、備え付けの消火器等があれば遠隔操作で消化活動を実行する(S651)。CRS100が脱出不可能であるとの判断をした場合には、レスキューセンタからの指示による、遠隔操縦制御に変更し、脱出支援動作を実行する。その際、CRS100は障害となる破損物品の除去動作も実行する。また、さらに車両内に備え付けの消火器があるような場合には、CRS100を遠隔操作して消火器で消化活動を実行させる(S647)。
CRS100は上記一連の救助動作の動作を完了すると、自律制御で待機状態に入る。
第7実施例はCRS100が実行する車両横転時の救助動作例である。図24及び図25に示したフローチャートに基づき説明する。本実施例のフローチャートは前記第6実施例のフローチャートと近似する。よって、相違する動作を主に説明する。
図24及び図25は、車両が横転した時にCRS100が実行する第7実施例の救助動作の例を示すフローチャートである。図24で、車両が横転状態になった際に、CRS100は運転監視動作実行中であれば、衝突の可能性ありかを判断し(S703)それ以後の処理に入る。一方、監視動作を行っていないときに、突発での車両が横転したときには、CRS100は車両内での行動を停止し、自律制御を実行しつつジャイロにより座標系の異常を検出することにより横転の状態を判断し、以後の処理を実行する(S715)。
CRS100は監視動作実行中、急ハンドル旋回時の許容横G以上であるか、脇見等による車線逸脱、路肩突入、ガードレール接触を検出或いは予測して、横転の可能性ありとの判断をする(S703)。次に、CRS100は警告を発し、それまでの動作を中断し、乗員との2次衝突が生じないように移動する。また、CRS100が生存空間を確保する位置に移動してもよい。例えば、剛性が比較的高い中央又は後部のピラーの下部付近等に移動する(S705)。さらに、トランクルーム等まで退避する構成としてもよい。これにより、CRS100が自身のダメージを最小限に留めて生存可能性が高め、事故後の乗員救出或いは通信によるレスキューセンタへの連絡などの適切な行動が取れるようなる。CRS100が確保した生存空間は乗員の脱出空間として利用してもよい。また、センサにて横転過渡状態を確認すると共に、内蔵ジャイロから車両の横転の状態を検出する。その際、横Gから横転Gを判断する(S707)。
さらに、横転時の横転Gが所定の閾値以下であるかを判断する(S709)。このGが所定の閾値以下であれば、車両の状態を把握する。内部ジャイロ等から左・右・逆さ・元の状態に戻ったかについて横転状態を検出する(S711)。横転Gが所定の閾値を越え危険と判断すれば、レールに固定制動する制御と自己保護のためのエアバックを作動させる(S713)。
つぎに、CRS100自らの機能損傷をチェックし、重力方向が変化したために座標系(X,Y,Z)が異なる場合は、重力方向に従って座標系(X,Y,Z)を変更する。さらに、車内の物品の位置をCCD112で確認する。座標変換後の位置とCCDでの実態映像で検証する(S721)。
また、電源不良であるなら自己の本体内の予備電源に切り換える。また、CRS100が移動に用いるレール2の損傷についてもチェックする。さらに、乗員の退避ルートの確保が可能か等についてチェックを行う(S723)。
なお、上記突発での事故で横転状態を判断した場合は(S715)、剛性の比較的高い中央部又は後部のピラー付近の車両中央又は後部に移動する共に、レールに固定制動する制御と自己保護のためのエアバックを作動させる(S717)。そして、横転Gからその方向と大きさを確認し(S719)、同様に上記ステップ711の車両状態把握の処理の実行に入る。
引き続き図25に示すように、CRS100は、自身のシステムに問題があるか、否かを判断し(S625)、問題があり完全にダメージを受け、作動不能となっているような場合はレスキューセンタに救助信号を発信し(S729)、以後は自律制御で待機する。なお、レスキューセンタへの救助信号を発進する装置は耐衝撃性部材で覆い、CRS100本体に内蔵する構成としてもよい。
本第7実施例のステップ725以後の処理は、第6実施例のステップ625以後の処理と同様であるので、これ以降の説明は省略する。
さらに、第8実施例はCRS100が実行する車両水没時の救助動作例である。図26及び図27に示したフローチャートに基づき説明する。
本実施例で示すフローチャートについても、CRS100が通信機能を有し自ら車両事故の連絡を実行できるように設定されている場合である。さらに、CRS100が事故の際に、その報告を行うと所定の指示を出すレスキューセンタが開設され、このレスキューセンタ等からの指示を受けた場合にCRS100がこの指示に応じて所定の救助行動を実行できるように、CRS思考部14にプログラムが設定されている。
また、車両水没時に乗員の保護を実行するためには、CRS100自身が水没に対応できることが必要である。よって、本フローチャートで示す例は、CRS100が自身を保護するエアバックを備えている。すなわち、CRS100は車両水没時に乗員の指示を受けず自らを生存できる状態に駆動制御し、水没時の乗員保護を実行する。ここでのCRS100の動作は、前述した自己保持モードに基づいて実行される点は前述したフローチャートと同様である。
図26で、車両が水没する状態になった際に、CRS100は監視動作実行中(S801)であれば河川、海等への突入の可能性ありかを判断し(S803)それ以後の処理に入る。一方、監視動作を行っていないときに、突発での水没事故であるときには、CRS100は車両内での行動を停止し、自律制御を実行しつつ突入時に衝突G等を検出し、レールへ自己を固定する制動制御を実行して、以後の処理を実行する(S815)。
CRS100は監視動作実行中、急ハンドル旋回、脇見等により車線逸脱したことにより水没の場合、ナビゲーション装置(NAVI)により河川、海への突入の可能性を判断すると共に、3D機能があるNAVIであれば、高度差も確認する(S803)。次に、CRS100は警告を発し、CRS100はそれまでの動作を中断し、自らの生存のために生存空間を確保する。例えば、積載量、乗員位置により重心位置が変化するので、前後輪の軸重により重心位置を確認して車両の中心に対して重心位置と反対側の車内端への移動を試みる(S805)。
さらに、水面への衝突時のGが所定の閾値以下であるかを判断する(S809)。この衝突Gが所定の閾値以下であれば、自己保護のためエアバックを展開する(S811)。Gが所定の閾値を越えてより危険と判断すれば、レールに固定制動する制御とエアバックを展開させる(S813)。さらに、CCD112により水面位置を確認し、内蔵ジャイロ等から実傾斜を検出し、上方への移動を実行する(S821)。つぎに、CRS100自らの機能損傷をチェックする(S823)。
さらに、図27に示すように、電源不良であるなら自己の本体内の予備電源に切り換える。また、CRS100が移動に用いるレール2の損傷についてもチェックする。また、乗員の退避ルートの確保が可能か等についてチェックを行う(S825)。
なお、図26のフローチャートに示す突発事故で車両が水没状態となった場合は(S815)、水に突入した時に衝突Gを検出し対衝撃制御を実行すると共に、レールに固定制動する制御を即実行する。ジャイロにより車体の傾斜を検出し、上方に移動する。ジャイロにより座標系の異常、揺れ検出で突入を判断して(S817)、前記ステップ821の処理を実行する。
さらに図27で、CRS100は自身のシステムに問題があるか、否かを判断し(S827)、問題があり完全にダメージを受け、作動不能となっているような場合は本体の耐衝撃ボックス内に内蔵されたECUからレスキューセンタに救助信号を発信し(S829)、さらに腕104,106として使用していたマニュピレータを外し、車両の窓を割ることが可能であること、さらにエアバックを取り外し浮き輪として使用可能であることのサインを出し、以後は自律制御で待機する。
一方、自身のシステムに問題がないとの判断をした場合は(S827)、車内のダメージをCCD112により確認し、登録乗員については顔等記憶した形態からその存在の確認を行う(S833)。さらに、水面上の窓ガラスをレスキュ工具で割る動作を実行し(S635)、続いて乗員全員が脱出したかの判断をする(S837)。全員が脱出していないときには、さらに反対側の水面上の窓ガラスをレスキュ工具で割る動作を実行する(S839)。CRS100は全員が脱出したことを確認すると待機状態に入る。
さらに、第9実施例としてCRS100が実行する車内清掃動作の例を説明する。図28は清掃動作1として走行中で車内清掃のフローチャート、図29は清掃動作2として窓の曇り及びシート汚れに対する車内清掃のフローチャート、図30は清掃動作3として乗員が降車した後の車内清掃のフローチャートを示している。
図28に示す処理は、CRS100の自発行動モードの1つとして実行される。車両の走行中でも、CRS100は車内に菓子などが落下したかを監視しており(S901)、落下物があったことを確認すると、その落下前の初期画面と落下後の画面を比較することにより落下物を探索する(S903)。CRS100はその落下物を確認すると捕捉し、乗員にその捨て場所を確認する。CRS100は捨て場所まで落下物を運搬して廃棄する(S905)。
さらに、CRS100はその周辺の乗員の衣服、シートにゴミが付着していないか落下物を発見する場合と同様にチェックし(S909)、ゴミが付着していた場合にはハンド104HA、106HAでゴミを摘み、落下物の場合と同様に処理する。乗員等にゴミが付着していなかった場合及び付着したゴミを処理した後は、自律制御を実行しつつ同様に清掃のための監視を継続する(S901)。
図29には、車両が走行中にガラス窓が曇った場合、シートが汚れていた場合、さらには乗員からの清掃指示が合った場合を含めてCRS100が実行する清掃動作のフローチャ−トが示されている。
図29で、CRS100は車両のガラス窓に曇りが生じていないか監視する(S911)。例えば、CRS100は変化する車外風景と車両と一体に変化する画像(ガラスの汚れ)との面積比較から、透過率に基づいてガラス窓の曇りを検出する。CRS100は、ガラス窓に曇りを検出したときは窓を拭く動作を実行し(S913)、ガラス窓を通して見える動的風景の視界が広がるかチェックしながら(S915)、曇りがなくなるまで窓拭きを実行する。
なお、車両前方の窓が曇った状態にあるときには、運転に支障が出る場合もある。よって、前方の窓拭きが必要なときには、CRS100は窓拭きが必要である旨、運転者に伝えてから運転に邪魔にならないように窓拭き動作を実行するようにプログラム設定してもよいし、運転者に警告を発するようにプログラム設定してもよい。
さらに、CRS100はシートの汚れも検出する。CRS100はシート表面の散乱が所定値以上となっていることを検出すると(S917)、ハンド104HA、106HAを動かして掃く等の動作を実行して、シートの汚れを取る清掃動作を実行する(S919)。例えば、CRS100のハンド104HA、106HAに吸引手段を更に付加してシートの汚れを吸引して除去するようにしてもよい。このシート汚れについても、シート表面の散乱が所定値以下となるまで、繰返される(S917)。なお、散乱の所定値を運転者等が設定できるようにしてもよい。また、ティッシュ箱或いはブランケットなどの比較的大きな物品を検出した場合には、その位置を記憶して運転者に報告するように、又は登録された場所の位置に運搬するように設定しておいてもよい。
上述したシート汚れを除く動作は、CRS100は車両が停車或いは駐車していることを認識しているときに実行するように設定しておくことが望ましい。
さらに、CRS100は乗員の降車時に清掃指示があった場合に(S921)、所定の清掃動作を実行する(S923)。このような指示による清掃動作の場合にもシート表面の散乱が所定値以下となるまで、繰返される(S925)。
乗員による清掃指示が無い場合(S921)やシート表面の散乱が所定値以下となった場合は車両内で自律制御しながら待機する。
さらに、図30には、夜間等で駐車された車両内に乗員は居らず、CRS100が自発行動モードで車内全般の清掃を実行する場合の清掃動作3が示されている。
図30で、CRS100が車内に誰もいないことを確認すると(S931)、雑巾が置いてある所定の場所まで移動して雑巾を持つ(S933)。CRS100は、雑巾で前方、後方及び側面の窓を拭き(S935)、その際、傷や拭いても取れない汚れがないか確認しながら(S937)、視界が広がるまで拭く動作を繰返す(S939)。なお、ステップ937で、CRS100は傷や拭いても取れない汚れがあるときには、その場所を登録しながら(S941)、上記窓拭き動作を繰返す。
CRS100は、窓が綺麗になると、雑巾を所定の場所に返却して(S947)、さらに車室内の清掃を継続する。シートにゴミが散乱していると(S949)、これを回収してゴミ箱へ運搬する(S951)。
さらに、CRS100は飲料ホルダーに空き缶が残っていないか確認し(S953)、空き缶を発見したときにはその場所まで移動して、空き缶を捕捉する。その際、缶の重量が所定値以下であるかを確認する(S955)。前述のステップ953では、空き缶に限らず、ペットボトル、紙パック、或いは他の容器等であったもよい。また、飲料ホルダーに限らず、フロアやシート上を確認するように設定してもよい。
上記ステップ955で、缶の重量が所定値以上であれば飲み残しがあるので、その場所を登録し(S959)、その缶を元の飲料ホルダーに戻しておく。その逆に、缶の重量が所定値以下の場合には飲み残しは無いので、ゴミ箱の位置まで移動してゴミ箱に缶を回収する(S957)。
CRS100は、上記一連の清掃動作が終了すると、所定場所に移動して、自律制御のもと待機状態となる(S965)。そして、運転者が車両に乗車してきた時に、前記シート汚れや飲み残しのある缶の登録場所を報告する。この報告後は、登録場所の記憶を削除する。
以上、複数のフローチャートに基づいてCRS100が車載ロボットとして、運転者を含む乗員の保護救助や娯楽、さらには車内清掃等のサービスを提供することを例示したが、CRS100が実行するサ−ビスはこれらに限るものではない。
また、前述した実施例の記載では、CRS100が実行する基本動作については第1実施例として説明し、物品運搬動作等の個別動作については第2実施例以後で示した。しかし、車載されるCRS100が乗員等に提供するサービスの向上の面からは、これらのフローチャートを相互に関連したものとし、一連のフローチャ−トとして構成することがより望ましい。
さらに、図31から図33にはCRSの他の実施形態が示される。図31はCRS100を車載する上での変形例、図32はCRSが携帯電話内蔵型で形成された例、さらに図33は車両のインストルメントパネから飛び出す様に構成して、よりアミューズメント機能を高めたCRSの例である。
図31では、コンパチブルタイプの車両5にCRS100を搭載した変形例を示している。CRS100は車両の後方トランク6内を待機空間としており、必要なときにトランクと車室側に設けた切欠き部(図示していない)から出現する。図31で示すCRS100の移動はドア等に付設したレールに沿って移動する構成にしてもよいし、アーム110に伸縮嵌合管等を用いてCRS100が車室内を移動できる構成にしてもよい。
図32に示したCRS200は携帯電話内蔵型である。このCRS200は本体に携帯電話250を収納する凹部202を備えている。この凹部202に携帯電話250が嵌め込まれるとCRS200は通信機能を備えるようになる。よって、車両の使用者等が車両外から指示を出してCRS200に所定の動作をさせることができる。また、CRS200がこの指示に応じて行った動作を電話により確認すること等も可能である。なお、CRS200の本体内に通信装置を予め内蔵した構成としてもよい。
図33はアミューズメント機能を高めたCRS300の例である。このCRS300は車両のインストルメントパネル55から飛び出す様に構成して、よりアユーズメント機能を高めている。
テレビ、ナビゲーション情報等を表示するCRT55がインストルメントパネル55に嵌め込まれており、このCRT55の背後にはCRS300が待機(収納)できる空間57が形成されている。CRT55の一端にはヒンジが形成され図示の如く開閉可能であり、CRT55が開くとCRS300が出現する様に構成する。さらに、コンソールボックス53上にはCRS300移動用のレール52が敷設されている。
このような、アユーズメント機能を有するCRS300を動作させるときには、例えば先ず空間57内で待機状態としておいてCRT55上にCRS300と同じ画像56を表示する。つぎに、CRT55を開いて、CRS300を出現させて踊る、歌う等の行動を実行させCRT55上の画像とCRS300を協調させることで車内にいる乗員を楽しませることができる。
以上、図31から図33で説明したCRSについても、前述したCRS100と同様な機能を備えた車載用ロボットとして構成される。よって、このようなロボットが搭載されている車両は従来よりも快適で楽しく、さらに安全性や盗難防止機能も向上したものとなる。
上記で示したCRS100等はキャラクタとして1つの形態に具現化されたものであるが、本発明の想定するCRSはこのような一体的とされたロボットを意図したものではない。本発明のCRSには、例えば、インストルメントパネル内に認識手段12と思考手段14に相当する構成をビルドインすると共に車内空間にキャラクタの3D画像或いはバーチャルリアリティ画像を出現させる装置を準備し、マニュピレータのみが実存して動作を行うような構成も含む。
また、CRS100の各構成が車両周りに分散して存在する状態でもよい。例えばCRS100の頭部は周辺の監視と乗員とのコミュニケーションを主目的に車両天井部に設定され、乗員の指示に応じて物品等を運搬するマニュピレータ等からなる腕のみがレールに沿って移動可能であるような構成を採用してもよいのである。
前述した第1から第9の実施例は、CRSが車両内に設定されており、レール等に沿って所定位置まで移動する形態を主に説明した。しかし、本発明の範疇に入るCRSはこのような形態に限定されるものではない。車両から離れた状態ではアミューズメント用のペットロボット或いは作業を手伝う補助ロボットとして機能し、車両内に持込んだ際には前述した実施例のCRSのように車両内でのサービスを実行するロボットでもよい。このようなロボットは、車両から独立した存在であり移動・制動手段として本体に歩行機能を備えている。また、このようなロボットにワイヤレスの通信機能を設けると共に、車両側にも同様の通信機能を備えると、ロボットは車両から離れていても車両の状態を認識できる形態となる。
次に、図34〜図38に示す第10実施例のCRS400は、自ら歩行することができる歩行機能を有すると共に、ワイヤレス通信機能も備えて車両側の情報を用いながら自律制御を行うロボットである。よって、車両も所定の通信機能を備え、CRS400の自律制御に用いることができる情報を送信可能に設定されている。また、本第10実施例では、CRS400と交信可能な車両側に設けられた一連のシステムを車載システムと称して説明する。
図34は、車両内で助手席に座っている乗員HUBにCRS400が抱っこされた状態が示されている。本実施例のCRS400は、頭部402を有する上部半身401と歩行機能を有する下部半身408とで形成されている。上部半身401は前述した実施例と同様の腕404、406を備えている。
本実施例のCRS400も前述したCRS100と同様に自律制御を行うための構成は備ている。そして、さらに図示は省略するがワイヤレスの通信手段が頭部402内等のCRS400に配設されている。
すなわち、本実施例のCRS400は、先に示した実施例のCRS100と比較して、独立歩行できる機能及び車両と交信できる機能をさらに備えた構成である。なお、図34において参照符号410で示すのは、CRS400専用のシートである。乗員或いはCRS400自身の判断で、CRS400が専用シート410にセッティングされると車両からの外乱に対して安定に保持されるようになる。
図35〜図38に示されるフローチャートを参照して、CRS400による動作の例を説明する。図35において、車外にあったCRS400が運転者ともに車両に接近すると、CRS400は車両が自分の乗るべき車両(登録車)であることを確認する(S1001)。
CRS400は、運転者とともに車内には入ると、車載システムとの協調回線のチェックを行い(S1005)、合わせて車内での位置を検知する(S1007)。
次に、CRS400は車内で専用シート410にセットされたか、否かを検出し(S1009)、専用シート410にセッティングされた場合には参照番号30に示すセッティングフローによる自律制御を行う。サブフローとなるセッティングフローについては、後に図37に基づいて説明する。
CRS400は、専用シート410にセッティングされていないと判断すると(S1009)、乗員により抱っこされているか、否かを検出する(S1011)。このステップ1011で、乗員に抱っこされている場合には、参照番号31に示す抱っこフローによる自律制御を行う。この抱っこフローについても後に図38に基づいて説明する。
CRS400は、専用シート410にセッティングされておらず、さらに乗員に抱っこもされていないと判断すると(S1011)、車内でフリーな状態で自律制御を実行する。例えば、乗員に居場所を問い合わせ、その場所に移動する等の行動を実行する。その際、必要により車両からの外乱に備える姿勢としてお座り等の態勢を取る(S1013)。
さらに、CRS400は車載システムからの情報を得て、車両のシフト位置を検出し、前進するか、後進するかを検知する(S1015)。車両が前進すると判断した場合には、さらに車載システムからアクセルの開度を検知して、発進時の加速度Gを予測し、必要によりシート背もたれに胴体を接近させる等の行動を取り自身を支える(S1017、S1019、S1021)。また、車両が後進すると判断した場合にも、車載システムからアクセルの開度を検知して発進時の加速度Gを予測し、必要によりシートに捉まる等の行動を取り自身を支える(S1023、S1025、S1027)。
なお、CRS400が立った状態であるときのために、車両外乱に対してZMP(ゼロ・モーメント・ポイント)に一致するようなZMP制御などによる歩行制御プログラムを予め設定しておいてもよい。
さらに、図36に続いて示されるように、車両走行中においてCRS400は車両が旋回するときには(S1029)、ヨーレイトセンサによりヨーレイトをリアルタイムに検出し(S1031)、旋回Gに応じて踏ん張る、シートに捉まる等の動作を実行する(S1033)。なお、上記ヨーレイトの検出には、舵角センサを用いることができる。この場合には、舵角センサにより検出した操舵角から予想されるヨーレイトを算出して、旋回Gの発生を予測して制御を開始するようにしてもよい。
続いて、CRS400は、車両が減速したときには(S1035)、減速度Gが所定レベル以上であるか判断する(S1037)。減速度Gが所定レベル以上であるときには、CRS400は前記専用シート410へ退避して自らセッティングするか、或いは乗員に専用シート410にセッティングして欲しい旨を告げる(S1039)。
CRS400は、車両走行中でも前述の自律制御を実行しており、乗員から所定のサービスを求める動作要求があると(S1041)、定常走行中である場合には(S1043)、これに応じて先の実施例で示したと同様に運搬、監視、エンタテイメント等の動作を実行する(S1045)。定常走行中でない場合には(S1043)、定常走行となるまで動作できない旨を乗員に告げる(S1047)。
その後も、CRS400は乗員にサービスできるよう自律制御で待機し、必要に応じて所定の動作を実行する(S1049)。
最後に、車両が駐車したときには、CRS400は乗員と一緒に車両から降ろされたか、否かを判断する(S1051)。CRS400も降車した場合には、車載システムと交信して車外から車両の状態を監視する(S1055)。CRS400が車内に残された場合には、前述したCRS100の場合と同様に監視、清掃等の自発動作を行う(S1053)。
図37は、図35及び図36で示したメインフローに対して、図35でCRS400が専用シート410にセッティングされたときのサブフローを示している。図37では、CRS400は専用シート410に着座した状態のままで、乗員に提供できるサービス、例えば、監視、エンタテイメント等の動作を実行する(S1101)。その後、図36の参照番号32に示したメインフローによる動作が同様に実行される。
図38は、図35でCRS400が乗員に抱っこされているときのサブフローを示している。図38で、CRS400は車両のアクセルがオンとなったことを検知すると(S1151)、アクセル開度信号を検知して発進時の加速Gを予測する(S1153)。その際、CRS400は、乗員の着衣に抱き着く力を増加させ、乗員に対し「しっかり掴んで」等の言葉を発して注意を喚起する(S1155)。
続いて、車両走行中においてCRS400は車両が旋回するときには(S1157)、ヨーレイトセンサによりヨーレイトをリアルタイムに検出し(S1159)、旋回Gに応じて踏ん張る、乗員の着衣に捉まる等の動作を実行し、上半身を旋回Gに対抗させて傾斜させる(S1161)。
さらに、CRS400は、車両が減速したときには(S1163)、減速度Gが所定レベル以上であるか判断する(S1165)。減速度Gが所定レベル以上であるときにも、減速度Gに応じて踏ん張り、乗員の着衣に捉まる等の動作を実行し、上半身を減速度Gに対抗させて傾斜させる(S1167)。その後、図36の参照番号32に示したメインフローによる動作が同様に実行される。
なお、上記第10実施例では、車両から離れたCRS400であっても車両と交信できる例を示している。しかし、このような実施形態に限らず、CRS400が車両内にある場合に限り、車両と交信状態となるように設定してもよい。
さらに、第11実施例として車両に対して着脱自在であるCRSの例を示す。図39で、CRS500は上半身560と、下半身となる歩行キット550に分離可能に構成されている。上半身560は車両のコンソール等にセットされて、車両搭載のロボットとなる。
図39に示すCRS500は、上半身560と歩行キット550をセットしたときには、例えば乗員の自宅においてペットロボット等となる。上半身560を車両内に持込み所定位置にセットすると、上半身560が前述した車載ロボットと同様に機能する。図39で示すCRS560は車両に設けた案内溝565を移動する構成であり、第1から第8実施例として説明したCRS100と同様に自律制御を実行しながら乗員に種々のサービスを提供する。
図40に示す第12実施例は、車両に対して着脱自在である第1のCRS656と、シート形状に構成された第2のCRS600が車両内に併存している例を示す。なお、第1のCRS656は前記第11実施例の場合と同様に、CRS656に歩行キット650をセットすると歩行機能を有したペットロボットであるような構成でもよい。
図40で、第1のCRS656は第2のCRS600(以下、シートロボット600と称す)の所定位置601に着脱可能に配置される。シートロボット600はCCD等を備える頭部604と乗員を両脇から抱えられるように延びた一対の腕状のマニュピレータ602を備えている。
また、シートロボット600は通常のシートと同様にシートベルト606も備えている。そして、シートロボット600の好ましい形態では、付加機能として、シートに着座した乗員に対してシートベルトを緊締する手段、シートを加熱冷却する手段、シートに着座した乗員の血圧を測定する手段、シートに着座した乗員の脈拍を測定する手段、シートに着座した乗員の脳波を測定する手段、シートを回転させる手段、シートを前後に移動させる手段、シートを傾斜させる手段等を備え、乗員の安全確保と共に健康状態についてもチェックする機能を備えている。
このシートロボット600も本発明でいうCRSの一形態であり、外形がシート形状であり移動・制動手段を有していないが、他のCRSと同様に認識部及び思考部を備え、車両内において乗員に好ましいサービスを提供する。このシートロボット600も車両のシートCASに対して着脱可能であり、従来のチャイルドシートに変わるものとして特に有効である。
図41及び図42に示したフローチャートを参照して、上記CRS656とシートロボット600による動作の例を説明する。なお、ここでは、CRS656及びシートロボット600が共に通信機を備え、協調しながらシートロボット600に着座した子供に対してサービスを提供する場合を示す。
図41において、シートロボット600は接近者があると、登録者であるか、否かを確認する(S2001)。登録者である場合には、運転者がCRS656を持参したかチェックし、忘れている場合には取りに行くように注意する。運転者がCRS656を持参した場合には、所定位置601にセッティングすることを促す(S2003)。
シートロボット600が、CRS656が所定位置601にセッティングされたことを確認すると(S2005)、シートロボット600及びCRS656はサポート動作を開始する(S2007)。
シートロボット600は車載システムからの情報を得て、車両のシフト位置を検出し、前進するか、後進するかを検知する(S2009)。車両が前進すると判断した場合には、アクセルがオンされても腕状のマニュピレータ602を緩めたままとする。一方、車両が後進すると判断した場合には(S2009)、アクセルがオンされたことを検知した際には腕状のマニュピレータ602で子供が前方に傾かないように適度に締付ける(S2017)。
なお、その際CRS656は、前述した自律制御で車両からの外乱に対応しつつ、乗員に対して必要なサービスを提供する。以下の説明においても同様である。
さらに、車両走行中においてシートロボット600は車両が旋回するときには(S2019)、ヨーレイトセンサによりヨーレイトをリアルタイムに検出し(S2021)、旋回Gに応じて腕状のマニュピレータ602が子供を適切に保持するように制御する(S2023)。
続いて、シートロボット600は車両が減速したときには(S2025)、減速度Gが所定レベル以上であるか判断し、減速度Gが所定レベル以上であるときには(S2027)、ステップ2023の場合と同様に、減速度Gに応じて腕状のマニュピレータ602が子供を適切に保持するように制御する(S2029)。
さらに、子供からサービス動作の要求があると(S2031)、CRS656は子供の動作をチェックして気分を推定してから、前述したエンタテイメント動作等を実行する(S2035)。
また、上記ステップ2031で、子供からサービス動作の要求がない場合には、図42で示すように、シートロボット600は予め付加されている機能に基づいて、子供の心拍数、体温、脳波等の体調チェックを実行して、子供が車酔いしていなかを確認する(S2037)。
シートロボット600が、子供が車酔いしていると判断すると(S2039)、シートロボット600とCRS656が協調し、例えば運転席のナビゲーション画面に子供の体調が良くない旨の表示を出して運転者に停車を提案し(S2041)、車両が停車するまで子供を癒す動作を繰返す(S2043、S2045)。
また、子供が寝た場合には(S2047)、シートロボット600及びCRS565が協調して、他の乗員の要求に応じ、例えばエンタテイメント等の動作を実行する(S2049)。
さらに、ステップ2051以降は車両が駐車した場合のフロー例を続けて示している。シートロボット600は、子供がシートから降りたいかを問い合わせ(S2051)、子供が降りたいとの態度を示したら、子供をサポートしていた腕状のマニュピレータ602等を緩め、必要によりシートを回転させ、シート高さを下げて、子供が降りられるようにする(S2053、S2055、S2057)。
ステップ2051で、子供が降りたいとの態度を示さない場合は、車両内でシートロボット600及びCRS656が協調して子供の面倒をみる。他の乗員が降車してしまった場合には、シートロボット600及びCRS656は自律制御で、車内温度、エアコン(A/C)等の車内環境を制御すると共に、車両に近付く接近者についても監視する(S2063)。乗員が子供を長期に置き去りにしたような場合には、置き去りは止めるように乗員へ警告する(S2061)。
最後に、乗員が降車する際には(S2067)、シートロボット600はCRS656がシートの所定位置601から外され、乗員と共に車両を出たことを検知すると自律制御で夜間監視等の動作を継続する。(S2069)。また、CRS656がシートの所定位置601に残されたままであることを検知すると、CRS656と協調しながら自律制御で夜間監視等の動作を継続する。
上記第12実施例は、第2のCRSとしてのシートロボット600が、第1のCRS565と協調して乗員にサービスを提供する形態を示したが、勿論、シートロボット600のみを車両内に配置させるだけでも乗員に好ましいサービスを提供できる。さらに、このシートロボット600に歩行機能又は走行機能を付加してもよい。さらに、シートロボット600にベビーカー或いは車椅子としての機能を付加して車外に持ち出すことができるように構成してもよく、その際には前記CRSと協調した動作を行うように設定してもよい。
さらに、第13実施例として車両を構成する部品の一部であるシートがCRSである例を示す。
図43で、CRS710は前席用シートと一体に形成され、CRS720は後席用シートと一体に形成されている。シートのヘッドレストにはCCD、マイク、車内のガス状態を検出するガスセンサ等を備え、CRS710、720の頭部714、724となる。前席用のCRS710及び後席用のCRS720は、前記第12実施例のロボットシートと同様に各々が腕状のマニュピレータ712、722を有している。
本実施例の前席用CRS710及び後席用CRS720も、本発明のCRSの一形態である。CRS710及びCRS720は、車両のシートと一体型であり移動・制動手段を有していないが、他のCRSと同様に認識部及び思考部を備え、車両内において乗員に好ましいサービスを提供する。第1から第8実施例として説明したCRS100と同様に自律制御を実行しながら乗員に種々のサービスを提供する。
図44及び図45に示したフローチャートを参照して、上記前席用CRS710及び後席用CRS720が互いに通信する機能を備え、協調して乗員にサービスを提供する動作例を説明する。
図44において、CRS710、720は車両に接近する者がいると登録者であるか、否かを確認する(S3001)。登録者である場合にはあいさつをする(S3003)。
上記前席用CRS710及び後席用CRS720は、着座した乗員が大人であるか、否かを判断し(S3005)、子供である場合には子供用のサポートシステムを稼動させる(S3009)。この子供用のサポートシステムは前記第12実施例でのロボットシート600が実行した動作と同様であり、ここでの重複した説明は省略する。
運転席のシートとなる前席用CRS710は、着座した乗員が大人である場合に(S3005)、飲酒していないかチェックし(S3011)、ガスセンサ等によりアルコール成分が検出された場合には、車両システムをロックし、警告を発する(S3013)。
ステップ3011で、運転者が飲酒していないと判断すると、前席用CRS710及び後席用CRS720はサポート動作を開始する(S3017)。
前席用CRS710及び後席用CRS720は車載システムからの情報を得て、車両のシフト位置を検出し、前進するか、後進するかを検知する(S3019)。車両が前進すると判断した場合には、アクセルがオンされても腕状のマニュピレータ712、722を緩めたままとする(S3023)。一方、車両が後進すると判断した場合には(S3019)、アクセルがオンされたことを検知した際には腕状のマニュピレータ712、722で乗員が前方に傾かないように適度に締付ける(S3027)。
さらに、図45に示すように、車両走行中において前席用CRS710及び後席用CRS720は車両が旋回するときには(S3029)、ヨーレイトセンサによりヨーレイトをリアルタイムに検出し(S3031)、旋回Gに応じて腕状のマニュピレータ712、722が乗員を適切に保持するように制御する(S3033)。
続いて、前席用CRS710及び後席用CRS720は、車両が減速したときには(S3035)、減速度Gが所定レベル以上であるかを判断し、減速度Gが所定レベル以上であるときには(S3037)、ステップ3033の場合と同様に、減速度Gに応じて腕状のマニュピレータ712、722が乗員を適切に保持するように制御する(S3039)。
また、前席用CRS710は、車載システムからの情報で運転者が暴走行為をしていると認識したときには、車載システムと協調してエンジン出力の低下、エンジンブレーキ制御を行うと共に、運転者に警告を発する(S3043)。
通常運転であると判断されている場合に(S3041)、乗員からサービス動作の要求があると(S3045)、前席用CRS710及び後席用CRS720はその要求をチェック(S3047)する。例えば、乗員の要求が物品の運搬であり、腕状のマニュピレータ712、722が届く範囲にある物品であれば、前席用CRS710及び後席用CRS720を動作させることで物品を捕捉し、運搬する。必要に応じて、腕状のマニュピレータ712、722間での手渡しも行う(S3049)。
さらに、前席用CRS710及び後席用CRS720は、ヘッドレストのCCD等を用いて監視動作を実行する。その際、前席用CRS710及び後席用CRS720は監視エリアを分担し、チェックを行う。特に前席用CRS710は運転者の状態も監視する(S3051)。
最後に、前席用CRS710及び後席用CRS720は乗員が降車すると(S3053)、協調しながら自律制御で夜間監視等の動作を継続する(S3055)。
上記第13実施例は、CRSがシートである場合を示したが、車両を構成する他の物品でもよい。また、前席用CRS710及び後席用CRS720が協調して乗員にサービスを提供する形態を示したが、勿論、前席用CRS710と後席用CRS720が独立して乗員にサービスを提供する形態でもよい。このようなCRSは車両に既存の部品を用いるので車両内にロボットを設けても車室内のスペースを従来と同様に維持できる。
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
なお、特許請求範囲の認識手段はCRS認識部12に、思考手段はCRS思考部14に、移動・制動手段はレール2及びスライダ108に、動作手段は腕114,116及びハンド104HA、106HAに、諸条件は車両乗員情報20にそれぞれ対応している。
1 車両(移動体)
2 レール
10、100 CRS(移動体搭載用のロボット)
12 認識部(認識手段)
14 思考部(思考手段)
16 移動部(移動・制動手段)
18 動作部(動作手段)
102 頭部
104,106 腕
104HA、106HA ハンド
112 目(CCD)
113 口(スピーカ)
114 耳(マイクロフォン)

Claims (42)

  1. 移動体或いは乗員から受ける諸条件を認識する認識手段と、該認識手段により認識された前記諸条件に対応するための思考を行う思考手段と、前記移動体に沿って所定位置に移動するための移動・制動手段と、前記思考手段による結果に基づき必要な動作を実行する動作手段とを含む、移動体搭載用のロボットにおいて、
    前記思考手段にはロボット自らが行動するための自律思考部が設定され、該自律思考部は前記認識手段が認識した前記諸条件に基づき前記移動・制動手段及び動作手段を駆動させて自律制御を実行し、
    前記自律制御には、前記移動体から受ける該移動体の挙動に対して移動状態或いは停止状態のロボットの体勢を安定に保持できるように前記移動・制動手段及び動作手段を駆動制御する自己保持モードを含む、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  2. 請求項1に記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    当該ロボットが前記移動体を構成する部品に対して着脱可能であるとともに、
    当該ロボットが、上部半身と歩行機能を有する下部半身とにより形成され、前記上部半身が前記部品に対して着脱可能に形成されている、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  3. 請求項2に記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    前記部品は、移動体を構成するシート、コンソール、インストルメントパネル、ドア又は天井部である、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  4. 請求項3に記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    当該ロボットは、前記思考手段による結果に基づいてシートに付加された機能を実行する、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    前記認識手段が認識した前記諸条件から前記移動体が示す前記移動体の挙動を予想して自己保持モードによる動作を実行する、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    乗員による運転操作の情報をロボットに通知し該操作情報より車の挙動を予想して自己保持モードによる動作を実行する、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    前記移動体内外の人、物、車載機に関する情報や該移動体全般に関する車両情報、又は前記移動体周辺の環境情報に基づいて、該ロボットの移動経路、又は待機位置を決定することを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    乗員位置・シートのヘッドレスト形状に基づいて該ロボットの移動経路を決定することを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    本体に携帯電話を収納可能な凹部を備えていることを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    前記自己保持モードによる制御は、衝撃方向に対抗するように実行する制動制御である、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  11. 請求項1から9のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    前記自律制御は、前記認識手段が認識した前記諸条件に基づき当該ロボットが移動体及び乗員に関して必要な行動を取る自発行動モードをさらに含む、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  12. 請求項11記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    前記自発行動モードによる行動には、乗員登録、夜間監視、移動体内における落下物監視、移動体走行時の監視アシスト、移動体への乗降時の監視アシスト、乗員救助、移動体内の清掃、ゴミの回収及び窓拭き、から選択される少なくとも1つを含む、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  13. 請求項12記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    前記乗員救助は、前記自発行動モードに基づき指示がなくとも当該ロボットが実行する、ことを特徴とする車載用ロボット。
  14. 請求項13記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    前記自発行動モードでは、前記認識手段が前記移動体の事故を認識したことに基づき、当該ロボットが生存空間を確保するように行動する、ことを特徴とする車載用ロボット。
  15. 請求項11記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    前記自発行動モードは、前記乗員の行動から予想して実行される、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  16. 請求項1から9のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    前記思考手段は乗員の命令に応じて前記移動・制動手段及び動作手段を駆動させる、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  17. 請求項16記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    前記乗員の命令には物品運搬が含まれ、物品運搬動作では運搬する物品の内容物を保持するために傾斜させて運搬する制御動作を含む、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  18. 請求項1から17のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    前記認識手段は前記諸条件を認識するため少なくとも視覚手段及び/又は聴覚手段を含む、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  19. 請求項1から18のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    前記移動・制動手段は移動体周りに敷設されたレールに沿って、当該ロボットを移動させる、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  20. 請求項1から19のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    当該ロボットは外部入力装置との接続用のインターフェース部を備えた、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  21. 請求項20記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    当該ロボットが通信機能を備え、前記外部入力装置により遠隔操作される、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  22. 請求項20記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    当該ロボット本体は通信装置と接続可能とされている、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  23. 請求項1から9のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    前記移動体にはディスプレイ装置が配設されており、当該ロボットは前記ディスプレイ装置上に表示された画像と協調して動作を行うように設定されている、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  24. 移動体或いは乗員から受ける諸条件を認識する認識手段と、該認識手段により認識された前記諸条件に対応するための思考を行う思考手段と、前記思考手段による結果に基づき必要な動作を実行する動作手段とを含み、前記乗員と間で双方向のコミュニケーションを取りながら動作する移動体搭載用のロボットにおいて、
    前記思考手段にはロボット自らが行動するための自律思考部が設定され、該自律思考部は前記認識手段が認識した前記諸条件に基づき前記動作手段を駆動させて自律制御を実行し、前記自律制御には、前記移動体から受ける該移動体の挙動に対して移動中或いは停止中のロボットの体勢を安定に保持できるように前記動作手段を駆動制御する自己保持モードを含む、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  25. 請求項24に記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    当該ロボットが前記移動体を構成する部品に対して着脱可能であるとともに、
    当該ロボットが、上部半身と歩行機能を有する下部半身とにより形成され、前記上部半身が前記部品に対して着脱可能に形成されている、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  26. 請求項25に記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    前記部品は、移動体を構成するシート、コンソール、インストルメントパネル、ドア又は天井部である、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  27. 請求項26に記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    当該ロボットは、前記思考手段による結果に基づいてシートに付加された機能を実行する、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  28. 請求項24から27のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    前記認識手段が認識した前記諸条件から前記移動体が示す前記移動体の挙動を予想して自己保持モードによる動作を実行する、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  29. 請求項24から28のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    乗員による運転操作の情報をロボットに通知し該操作情報より車の挙動を予想して自己保持モードによる動作を実行する、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  30. 請求項24から29のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    前記移動体内外の人、物、車載機に関する情報や該移動体全般に関する車両情報、又は前記移動体周辺の環境情報に基づいて、該ロボットの移動経路、又は待機位置を決定することを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  31. 請求項24から30のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて
    乗員位置・シートのヘッドレスト形状に基づいて該ロボットの移動経路を決定することを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  32. 請求項24から31のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    本体に携帯電話を収納可能な凹部を備えていることを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  33. 請求項24から32のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    前記自律制御は、前記認識手段が認識した前記諸条件に基づき当該ロボットが乗員に関して必要な行動を取る自発行動モードをさらに含む、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  34. 請求項33記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    前記自発行動モードによる行動には、乗員登録、夜間監視、移動体内における落下物監視、移動体走行時の監視アシスト、移動体への乗降時の監視アシスト、移動体内の清掃、ゴミの回収及び窓拭き、から選択される少なくとも1つを含む、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  35. 請求項33記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    前記自発行動モードは、前記乗員の行動から予想して実行される、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  36. 請求項24から32のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    前記思考手段は乗員の命令に応じて前記動作手段を駆動させる、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  37. 請求項24から36のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    前記認識手段は前記諸条件を認識するため少なくとも視覚手段及び/又は聴覚手段を含む、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  38. 請求項24から37のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    当該ロボットは外部入力装置との接続用のインターフェース部を備えた、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  39. 請求項38記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    当該ロボットが通信機能を備え、前記外部入力装置により遠隔操作される、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  40. 請求項38記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    当該ロボットは通信装置と接続可能とされている、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  41. 請求項38記載の移動体搭載用のロボットにおいて、
    当該ロボットは、前記移動体側に設けた通信装置と交信するための通信機能を備え、移動体側から得る情報を前記自律制御に用いる、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  42. 請求項1から41のいずれかに記載の移動体搭載用のロボットを搭載した移動体。
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