JP2009293455A - 噴射異常検出方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧力制御弁12が閉ループで制御されている状態にあって(S100)、圧力制御弁12の目標通電電流Iβと、圧力制御弁12の実際の通電電流であるPCV指示電流Iαが、それぞれ所定の手順によって求められ(S450、S500)、PCV指示電流Iαにより圧力制御弁12への通電が行われると共に、(Iβ−Iα)>Cとなる場合には、無噴射か、又は、噴射量が本来の量よりも低下した異常噴射が生じているとされる(S550、S600)一方、(Iβ−Iα)<Dとなる場合には、噴射量が本来の量よりも増加した異常噴射が生じているとされるようになっている(S650、S700)。
【選択図】図3
Description
ところで、かかる燃料噴射制御装置においては、燃料噴射弁から余剰燃料を燃料タンクへ戻すための戻り燃料通路が設けられるが、燃料噴射弁の噴射動作を阻害しないようにするため、戻り燃料通路には圧力保持弁が設けられて燃料噴射弁から見た戻り燃料通路側の圧力が所定圧以上に保持されるようになっている(例えば、特許文献2等参照)。
一方、上述のように噴射量が本来の量よりも低下した状態で燃料噴射が行われる現象は、圧力保持弁の故障だけではなく、燃料噴射弁において構成部品の破損等を原因とする機械的な故障が生じた場合にも同様に起こり得ることであるが、燃料噴射弁の故障の場合、この他、無噴射状態や、噴射量が本来の量よりも増加した状態となることもあり、いずれにしても、それを確実に検出する術がないのが現状である。
燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介して内燃機関へ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、前記高圧ポンプの下流側に圧力制御弁が設けられ、当該圧力制御弁の駆動制御によりレール圧制御可能としてなり、前記燃料噴射弁からの戻り燃料通路内に圧力保持弁が設けられてなるコモンレール式燃料噴射制御装置における噴射異常検出方法であって、
前記圧力制御弁が、実レール圧と内燃機関の動作状態に基づいて定められる目標レール圧との差に応じて所定のレール圧・電流特性から求められる通電電流に対して、当該圧力制御弁の燃料通過量に応じた補正が施された電流値で、実レール圧と目標レール圧が一致するように閉ループ制御による通電駆動状態にある場合に、
前記電流補正における補正量の変化、又は、前記電流補正後の電流値の変化によって燃料噴射の異常を検出可能としてなるものである。
また、上記本発明の目的を達成するため、本発明に係るコモンレール式燃料噴射制御装置は、
燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介して内燃機関へ高圧燃料の噴射を可能としてなり、前記高圧ポンプの下流側に圧力制御弁が、前記燃料噴射弁からの戻り燃料通路内に圧力保持弁が、それぞれ設けられ、電子制御ユニットにより前記圧力制御弁が駆動制御されてレール圧制御を可能としてなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
前記圧力制御弁が、実レール圧と内燃機関の動作状態に基づいて定められる目標レール圧との差に応じて所定のレール圧・電流特性から求められる通電電流に対して、当該圧力制御弁の燃料通過量に応じた補正が施された電流値で、実レール圧と目標レール圧が一致するように閉ループ制御による通電駆動状態にある場合に、
前記電流補正における補正量の変化、又は、前記電流補正後の電流値の変化によって燃料噴射の異常検出を可能に構成されてなるものである。
また、従来と異なり、そのような噴射異常をドライバに警報、報知することができ、ドライバビリティの向上に寄与することができるという効果を奏するものである。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における噴射異常検出方法が適用されるコモンレール式燃料噴射制御装置の構成例について、図1を参照しつつ説明する。
この図1に示されたコモンレール式燃料噴射制御装置Sは、燃料を貯蔵する燃料タンク1と、燃料タンク1の燃料を高圧ポンプ装置50へ供給する低圧フィードポンプ2と、高圧燃料の圧送を行う高圧ポンプ装置50と、この高圧ポンプ装置50により圧送された高圧燃料を蓄えるコモンレール10と、このコモンレール10から供給された高圧燃料を図示されないディーゼルエンジンの気筒へ噴射供給する複数の燃料噴射弁13と、燃料噴射制御処理や後述する噴射異常検出処理などが実行される電子制御ユニット(図1においては「ECU」と表記)40を主たる構成要素として構成されたものとなっている。
高圧ポンプ5は、低圧フィードポンプ2によって圧送され、燃料吸入弁6を介して加圧室5aに導入された低圧燃料を、プランジャ7によって加圧し、燃料吐出弁9及び高圧燃料通路37を介してコモンレール10に圧送するようになっているものである。
本発明の実施の形態における高圧ポンプ5は、燃料タンク1から低圧燃料通路18a、18bを介して高圧ポンプ5内へ送られる低圧燃料が、一旦、カム室16内に流入せしめられ、そこからさらに低圧燃料通路18cを介して加圧室5aへ導入されるよう構成されたものとなっている。
かかる圧力調整弁14は、その前後の差圧、すなわち、低圧燃料通路18a〜18cやカム室16内の圧力と、圧力調整弁14よりも燃料タンク1側の燃料還流路30a内の圧力との差が、所定値を超えた際に開弁状態となるオーバーフローバルブを用いたものとなっている。
このため、低圧フィードポンプ2によって低圧燃料が圧送されている状態においては、低圧燃料流路18a〜18c及びカム室16内の圧力が、燃料還流路30a内の圧力に対して所定の差圧分だけ大きく維持されることとなる。
このコモンレール10には、レール圧センサ21及び圧力制御弁(高圧制御電磁弁)12が取り付けられている。
燃料噴射弁13は、公知の電磁制御式のものやピエゾ式のものが用いられており、電子制御ユニット40によりその駆動制御が行われて、図示されない内燃機関の気筒内へ高圧燃料が噴射されるようになっている。なお、燃料噴射弁13からの戻り燃料は、圧力保持弁15と燃料還流路30c(戻り燃料通路)を介して燃料タンク1へ戻されるようになっている。
この圧力保持弁15が故障した場合、燃料噴射弁13にいわゆるピエゾインジェクタが用いられた構成にあっては、ピエゾインジェクタに必要な背圧が維持できなくなり、燃料噴射の異常、すなわち、具体的には、無噴射状態となる、或いは、噴射量が本来の量よりも低下することとなる。
一方、燃料噴射弁13を構成する特に機械部品が故障したような機械的故障が発生した場合は、ピエゾインジェクタか、従来の電磁制御式か否かに関わらず、燃料噴射の異常として、無噴射状態、噴射量が本来の量よりも減少する、又は、噴射量が本来の量よりも増加するのいずれかが生ずる可能性がある。
本発明の実施の形態においては、後述するように電子制御ユニット40において実行される噴射異常検出処理によって上述のようないずれの噴射異常も検出できるようになっている。
かかる電子制御ユニット40には、先に述べたようにレール圧センサ21の検出信号が入力される他、エンジン回転数やアクセル開度などの各種の検出信号が、図示されないエンジンの動作制御や燃料噴射制御に供するために入力されるようになっている。
本発明の実施の形態においては、流量制御弁8と圧力制御弁12とによってレール圧の制御が行われるようになっている。
圧力制御弁12によるレール圧制御は、コモンレール10からの高圧燃料の放出量を調節し、レール圧を直接的に制御できる一方、流量制御弁8によるレール圧制御は、高圧ポンプ5の加圧室5aへの低圧燃料の供給量を調節し、それによってコモンレール10への高圧燃料の圧送量を調節し、レール圧を制御するものである。
流量制御弁8によって調節され、加圧室5aに供給される低圧燃料の流量は、高圧ポンプ5の回転数に応じて規定されているため、加圧室5a内で高圧化される高圧燃料は、高圧ポンプ5の回転数に応じて定量的にコモンレール10に圧送されるものとなっている。
そして、圧力制御弁12の開度が、レール圧センサ21によって検出された実レール圧に基づいて電子制御ユニット40によりフィードバック制御され、所定量の高圧燃料がコモンレール10から放出されることによって、実レール圧が目標レール圧に調整されるようになっている。
かかる第3の制御モードにおいて、圧力制御弁12は全閉状態とされ、コモンレール10からの圧力制御弁12を介しての高圧燃料の放出は行われないため、この圧力制御弁12によるレール圧制御は実質的に行われない。
この第3の制御モードでは、加圧室5aに供給される低圧燃料の流量を制御することにより、コモンレール10に圧送される高圧燃料の流量が調節されるため、必要なときに必要な量の高圧燃料がコモンレール10へ圧送できるので、駆動トルクを必要以上に増大させることなく、燃費の効率化が図られるものとなっている。
かかる第3の制御モードは、流量制御弁8の弁開度を変えてからレール圧が変動するまでに時間差が生ずるため、レール圧を急速に減圧した場合等におけるレール圧制御の応答性は、先の第2の制御モードよりも低いものとなっている。
すなわち、第1の制御モードにおいては、流量制御弁8及び圧力制御弁12が共に閉ループで制御され、コモンレール10に圧送される高圧燃料の流量とコモンレール10からの高圧燃料の放出量がバランスよく調節されて、レール圧制御の負担が分散できるものとなっている。
本発明の実施の形態における噴射異常検出方法は、特に、レール圧制御が先に説明した第2の制御モードにある場合に行うに適したものであり、図2には、第2の制御モードと、本発明の実施の形態において実行される噴射異常検出処理との概略の関係を機能的に表した機能ブロック図が示されており、以下、同図を参照しつつ、その内容について説明する。
かかる圧力制御弁12の通電電流は、目標レールと実レール圧との差に基づいてPI制御(比例・積分制御)が行われるようになっており、その制御結果として得られたレール圧(以下「PCV指示圧力」と称する)に対応する圧力制御弁12の通電電流が、予め電子制御ユニット40に記憶されている圧力制御弁12の圧力・電流特性に基づいて定められるようになっている(図2参照)。
また、圧力制御弁12の圧力・電流特性は、その通過流量によって異なるものであるが、圧力制御弁12の通電電流の決定に用いられる圧力・電流特性は、予め定められた代表流量に対する圧力・電流特性である。
ここで、圧力制御弁12の代表流量は、任意に選定され得るものである。このように任意に選定できるのは、次述するように実際とのずれが補正されるようになっているからである。
すなわち、まず、エンジン回転数Neと指示噴射量Qとから所定の演算式により圧力制御弁12の燃料通過流量Bが算出されるようになっている(図2参照)。この圧力制御弁12の通過流量Bは、レール圧制御が第2の制御モードでなされている場合にあっては、流量制御弁8が全開とされ高圧ポンプ5は全圧送状態であるため、B=(高圧ポンプ5の吐出量−燃料噴射弁13の噴射量−リターン流量)として演算算出されるものである。
また、燃料噴射弁13の噴射量は、複数設けられた燃料噴射弁13の合計の噴射量であり、これは指示噴射量Qである。ここで、指示噴射量Qは、図示されないエンジンの動作状態に基づいて電子制御ユニット40において実行される所定の演算処理によって演算算出される燃料噴射弁13から噴射されるべき燃料の合計量である。
なお、エンジン回転数Neは、電子制御ユニット40において実行される図示されないエンジン制御において、回転センサ(図示せず)により検出されたエンジン回転に対応した信号に基づいて演算算出されるものである。
ここで、PCV通過流量補正マップは、シミュレーションや実験等の結果にもとづいて設定するのが好適である。なお、「PCV 」は、圧力制御弁12の意味である。
そして、本発明の実施の形態においては、先のPCV指示電流値Iαと上述の目標通電電流Iβを用いて次述する噴射異常検出処理が実行され、噴射異常が検出されるようになっている。
処理が開始されると、最初に、レール圧制御が噴射異常検出を行うに適した所定の制御モードにあるか否かが判定される(図3のステップS100参照)。ここで、所定の制御モードは、具体的には、先に説明した第2の制御モードである。
すなわち、図示されないメインルーチンにおいては、レール圧制御として先に述べた3つの制御モードが選択的に実行されるようになっているが、通常、いずれの制御モードが実行されているかを明らかにするため制御モードに応じてフラグ設定が行われるので、そのフラグを流用し第2の制御モードであるか否かを判定するようにすると好適である。
一方、ステップS100において、レール圧制御が第2の制御モードにあると判定された場合(YESの場合)には、指示噴射量Qが読み込まれることとなる(図3のステップS150参照)。
次いで、指示噴射量Qが零を上回っているか否かが判定され(図3のステップ200参照)、零を上回っていないと判定された場合(NOの場合)には、以下の処理を実行するに適した状態ではないとして一連の処理が一旦終了されることとなる。
次いで、目標レール圧Ps1に対する圧力制御弁12の通電電流が、圧力制御弁12の圧力・電流特性に基づいて求められる。すなわち、電子制御ユニット40には、圧力制御弁12を通過する燃料の代表流量における圧力・電流特性が、入力された目標レール圧に対する圧力制御弁12の通電電流がマップ検索できるようにマップ化されて予め記憶されている。ステップS300においては、この圧力・電流特性のマップ検索により目標レール圧Ps1に対する通電電流値Is1が決定されるようになっている。
次に、PCV指示電流値Iαが読み込まれる(図3のステップS500参照)。ここで、PCV指示電流値Iαは、図2の機能ブロック図で説明したように、圧力制御弁12の実際の動作状態を考慮して定められた圧力制御弁12の実際の通電電流値である。なお、PCV指示電流値Iαの算出過程は、図2において説明したので、ここでの再度の詳細な説明は省略することとする。
ステップS550において、(Iβ−Iα)>Cではないと判定された場合(NOの場合)は、後述するステップS650の処理へ進むこととなる。
一方、ステップS550において、(Iβ−Iα)>Cであると判定された場合(YESの場合)は、エラー確定、すなわち、噴射異常が発生している状態であるとされ、例えば、警報の発生や異常表示を適宜行い、一連の処理が終了されることとなる(図3のステップS600参照)。
ここで、本発明の実施の形態における”噴射異常”とは、何らかの原因、例えば、圧力保持弁15の故障等により、燃料噴射が行われない状態(無噴射状態)、燃料噴射は行われるが、噴射量が、明らかに燃料噴射の異常が生じていると判断できる程度に本来の量よりも低下する状態、又は、明らかに燃料噴射の異常が生じていると判断できる程度に噴射量が本来の量よりも増加する状態、の3つの状態を含む概念であるが、(Iβ−Iα)>Cの成立によって判定できる噴射異常は、無噴射状態にある場合、又は、噴射量が、明らかに燃料噴射の異常が生じていると判断できる程度に本来の量よりも減少(低下)している場合のいずれかである。
なお、所定閾値Cは、コモンレール式燃料噴射制御装置の具体的な規模等に応じて好適な値が、実験やシミュレーション等に基づいて定められるのが好適である。
まず、何らかの原因により、燃料噴射弁13から燃料噴射が行われない状態、又は、燃料噴射は行われるが、燃料噴射量が、明らかに燃料噴射の異常が生じていると判断できる程度に本来の量よりも低下した状態、すなわち、噴射異常が生じた場合、燃料噴射弁13から本来噴射されるべき燃料が圧力制御弁12へ流入してくるため、圧力制御弁12の通過流量が噴射異常の無い本来の状態における通過流量、すなわち、図2において説明したようにPCV通過流量算出処理により演算算出された通過流量よりも増加し、また、同時に実レール圧が上昇する。
本発明の実施の形態においては、このように噴射異常の際に、PCV指示電流値Iαが目標通電電流値Iβをある程度下回ることに着目し、(Iβ−Iα)>Cが成立する場合には、噴射異常が生じているとしたものである。
そして、(Iβ−Iα)<Dではないと判定された場合(NOの場合)には、燃料噴射の異常は生じていないとして、一連の処理が終了され、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
一方、ステップS650において、(Iβ−Iα)<Dであると判定された場合(YESの場合)は、噴射量が、明らかに燃料噴射の異常が生じていると判断できる程度に増加している状態を意味することから、エラー確定として、例えば、警報の発生や異常表示を適宜行い、一連の処理が終了されることとなる(図3のステップS700参照)。すなわち、(Iβ−Iα)<Dの成立によって判定できる噴射異常は、噴射量が、明らかに燃料噴射の異常が生じていると判断できる程度に本来の量より増加している状態である。
このように、(Iβ−Iα)<Dによって噴射異常を判定することとしたのは、何らかの原因により噴射量が本来の量よりも増加すると、実レール圧が低下するため、レール圧を上げようとフィードバック制御が作用してPCV指示電流値Iαが増加することに着目したものである。
処理が開始されると、指示噴射量Qが読み込まれる(図4のステップS352参照)。この指示噴射量Qの読み込みは、図3のステップS150の処理内容と基本的に同一のものである。
次いで、PCV通過流量Bの算出が行われる(図4のステップS356参照)。かかるPCV通過流量Bは、先に図2で説明したように、B=(高圧ポンプ5の吐出量−燃料噴射弁13の噴射量−リターン流量)として演算算出されるものである。なお、詳細については、既に、図2で説明した通りであるので、ここでの再度の説明は省略することとする。
最後に、上述のように読み込まれた目標レール圧Ps1と演算算出されたPCV通過流量Bにおける基準補正係数KβがPCV通過量補正マップを用いたマップ検索により決定されることとなる(図4のステップS360参照)。このPCV通過量補正マップを用いたマップ検索による基準補正係数Kβの決定については、図2において既に説明した通りであるので、ここでの再度の詳細な説明は省略する。
8…流量制御弁
10…コモンレール
12…圧力制御弁
13…燃料噴射弁
15…圧力保持弁
40…電子制御ユニット
Claims (6)
- 燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介して内燃機関へ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、前記高圧ポンプの下流側に圧力制御弁が設けられ、当該圧力制御弁の駆動制御によりレール圧制御可能としてなり、前記燃料噴射弁からの戻り燃料通路内に圧力保持弁が設けられてなるコモンレール式燃料噴射制御装置における噴射異常検出方法であって、
前記圧力制御弁が、実レール圧と内燃機関の動作状態に基づいて定められる目標レール圧との差に応じて所定のレール圧・電流特性から求められる通電電流に対して、当該圧力制御弁の燃料通過量に応じた補正が施された電流値で、実レール圧と目標レール圧が一致するように閉ループ制御による通電駆動状態にある場合に、
前記電流補正における補正量の変化、又は、前記電流補正後の電流値の変化によって燃料噴射の異常を検出可能としてなることを特徴とする噴射異常検出方法。 - 圧力制御弁の燃料通過量に応じた補正は、実レール圧と、所定の演算により算出された前記圧力制御弁の燃料通過流量とから、所定の通過流量補正マップを用いたマップ検索により補正係数を求め、当該補正係数を、実レール圧と目標レール圧との差に応じて所定のレール圧・電流特性から求められた通電電流に乗じて行われ、
電流補正における補正量の変化による噴射異常の検出は、前記補正係数と基準補正係数との大小比較により行われ、
前記基準補正係数は、目標レール圧と、前記所定の演算により算出された前記圧力制御弁の燃料通過流量とから、前記所定の通過流量補正マップを用いたマップ検索により求められた補正係数であることを特徴とする請求項1記載の噴射異常検出方法。 - 補正後の電流値の変化による燃料噴射の異常検出は、前記補正後の電流値と目標通電電流との大小比較により行われ、
前記目標通電電流は、目標レール圧に対する圧力制御弁の通電電流を、当該圧力制御弁の所定のレール圧・電流特性に基づいて定め、次いで、当該通電電流に対して所定の補正を施して得られるものであり、
前記所定の補正は、
前記所定の演算式によって算出される前記圧力制御弁の燃料通過流量と、前記目標レール圧とから、所定の通過流量補正マップを用いたマップ検索により求められる補正係数を、前記圧力制御弁の所定のレール圧・電流特性に基づいて定められた通電電流に乗ずることを特徴とする請求項2記載の噴射異常検出方法。 - 燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介して内燃機関へ高圧燃料の噴射を可能としてなり、前記高圧ポンプの下流側に圧力制御弁が、前記燃料噴射弁からの戻り燃料通路内に圧力保持弁が、それぞれ設けられ、電子制御ユニットにより前記圧力制御弁が駆動制御されてレール圧制御を可能としてなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
前記圧力制御弁が、実レール圧と内燃機関の動作状態に基づいて定められる目標レール圧との差に応じて所定のレール圧・電流特性から求められる通電電流に対して、当該圧力制御弁の燃料通過量に応じた補正が施された電流値で、実レール圧と目標レール圧が一致するように閉ループ制御による通電駆動状態にある場合に、
前記電流補正における補正量の変化、又は、前記電流補正後の電流値の変化によって燃料噴射の異常検出を可能に構成されてなることを特徴とするコモンレール式燃料噴射制御装置。 - 電子制御ユニットは、
圧力制御弁の燃料通過量に応じた補正を、実レール圧と、所定の演算により算出された前記圧力制御弁の燃料通過流量とから、所定の通過流量補正マップを用いたマップ検索により補正係数を求め、当該補正係数を、実レール圧と目標レール圧との差に応じて所定のレール圧・電流特性から求められた通電電流に乗じて行い、
電流補正における補正量の変化による噴射異常の検出を、前記補正係数と基準補正係数との大小比較により行い、
目標レール圧と、前記所定の演算により算出された前記圧力制御弁の燃料通過流量とから、前記所定の通過流量補正マップを用いたマップ検索により求められた補正係数を前記基準補正係数とするよう構成されてなることを特徴とする請求項4記載のコモンレール式燃料噴射制御装置。 - 電子制御ユニットは、
補正後の電流値の変化による燃料噴射の異常検出を、前記補正後の電流値と目標通電電流との大小比較により行い、
圧力制御弁の所定のレール圧・電流特性に基づいて、目標レール圧に対する圧力制御弁の通電電流を求め、当該通電電流に対して所定の補正を施して前記目標通電電流を求め、
前記所定の補正を、
所定の演算式によって算出される前記圧力制御弁の燃料通過流量と、前記目標レール圧とから、所定の通過流量補正マップを用いたマップ検索により求められる補正係数を、前記圧力制御弁の所定のレール圧・電流特性に基づいて定められた通電電流に乗じて行うよう構成されてなることを特徴とする請求項5記載のコモンレール式燃料噴射制御装置。
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