JP2005155421A - 内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高圧燃料供給系に設けられる調圧弁の異物排出を効果的に行うことのできる内燃機関の燃料噴射装置を提供する。
【解決手段】燃料噴射装置は、燃焼室内に対して燃料を直接噴射供給する高圧燃料供給系13を備えている。この高圧燃料供給系13のデリバリパイプ20には、同デリバリパイプ20内の燃圧を調圧するためのリリーフ弁34が設けられている。このリリーフ弁34は、ECU40により任意に開閉駆動可能な弁で構成されている。このECU40は、リリーフ弁34での異物の噛み込みを検知しときには、リリーフ弁34を制御してこれを開弁させるとともに、そのリリーフ弁34に作用する燃圧を上昇させるよう高圧ポンプ21を制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】燃料噴射装置は、燃焼室内に対して燃料を直接噴射供給する高圧燃料供給系13を備えている。この高圧燃料供給系13のデリバリパイプ20には、同デリバリパイプ20内の燃圧を調圧するためのリリーフ弁34が設けられている。このリリーフ弁34は、ECU40により任意に開閉駆動可能な弁で構成されている。このECU40は、リリーフ弁34での異物の噛み込みを検知しときには、リリーフ弁34を制御してこれを開弁させるとともに、そのリリーフ弁34に作用する燃圧を上昇させるよう高圧ポンプ21を制御する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、高圧ポンプにより燃料を加圧して燃料配管内に蓄圧し、同燃料配管の燃料を燃焼室内に対して直接噴射供給する高圧燃料供給系に設けられ、該高圧燃料供給系の燃料を低圧燃料通路側に排出して調圧する調圧弁を備えた内燃機関の燃料噴射装置に関する。
従来、この種の燃料噴射装置は、燃料を蓄圧するデリバリパイプと、そのデリバリパイプに連なるインジェクタとを高圧燃料供給系に備え、そのインジェクタから燃焼室に対して燃料を直接噴射する。そして、このデリバリパイプは、リリーフ弁を有するリリーフ通路を介して低圧燃料通路と接続されており、そのデリバリパイプ内の燃圧が過度に高くなり所定圧を超えると、リリーフ弁が開弁して高圧燃料を低圧燃料通路側へ排出し、デリバリパイプにおける燃圧が適当な値に調圧されるようになっている。
ところで、上記リリーフ弁においては、その調圧時の開弁に伴い異物(例えば、燃料中に含まれる金属粉)が噛み込まれることがあり、それによりリリーフ弁が不完全な閉弁状態となることがある。そして、リリーフ弁がこのような不完全な閉弁状態にあると、デリバリパイプ内の燃料が低圧燃料通路側に漏れ出してしまい、デリバリパイプ内の燃圧の保持に影響を与えてしまう。
このため、リリーフ弁に異物が噛み込まれた場合にはその異物を排出する必要があり、その異物を排出する方法として例えば特許文献1のような方法が提案されている。この特許文献1の燃料噴射装置では、リリーフ弁として燃圧に応じて開弁するものが使用されている。そして、機関停止中にリリーフ弁における異物の噛み込みの有無を、例えばデリバリパイプ内における燃圧の変化に基づき検知しておき、機関自動停止条件が成立したときに異物の噛み込みが検知されている場合には異物の排出を行うようにしている。詳しくは、高圧燃料ポンプにおける燃料の圧送量を最大に設定し、同高圧燃料ポンプからデリバリパイプに燃料を圧送する。そして、デリバリパイプ内の燃圧を昇圧することでリリーフ弁をその燃圧により開弁させ、燃料と共に異物を低圧燃料通路側に排出するようにしている。
特開2002−256943号公報
ところが、特許文献1も含め、燃圧に応じて開弁するリリーフ弁が採用された燃料噴射装置では、リリーフ弁における燃料排出に伴いデリバリパイプ内の燃圧が低下してしまうためリリーフ弁を大きく開弁することが困難である。すなわち、デリバリパイプ内の燃圧を昇圧することでリリーフ弁を開弁し、その開弁したリリーフ弁を介して燃料を排出することはできるものの、その燃料の排出に伴うデリバリパイプ内の燃圧低下によりリリーフ弁が短時間で閉弁してしまう。すなわち、僅かな開度差をもって調圧弁が開弁及び閉弁動作を繰り返す現象が生じてしまう。このため、リリーフ弁を全開にする等、リリーフ弁を十分に開弁することが困難であり、リリーフ弁における異物排出についてもこれを効果的に行うことができないという問題があった。
また、高圧燃料供給系には、リリーフ弁以外にも各種調圧弁が設けられることもあるが、これら他の調圧弁を採用した場合でも同様の問題が生じ得る。
本発明は、こうした実情に鑑みなされたものであり、高圧燃料供給系に設けられる調圧弁の異物排出を効果的に行うことのできる内燃機関の燃料噴射装置を提供することにある。
本発明は、こうした実情に鑑みなされたものであり、高圧燃料供給系に設けられる調圧弁の異物排出を効果的に行うことのできる内燃機関の燃料噴射装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、高圧ポンプにより燃料を加圧して燃料配管内に蓄圧し、同燃料配管の燃料を燃焼室内に対して直接噴射供給する高圧燃料供給系に設けられ、該高圧燃料供給系の燃料を低圧燃料通路側に排出して調圧する調圧弁を備えた内燃機関の燃料噴射装置において、前記調圧弁を任意にその開閉が駆動制御可能な弁として構成するとともに、前記調圧弁における異物の噛み込みの有無を検知する噛み込み検知手段と、前記噛み込み検知手段により異物の噛み込みが検知され、かつ、前記高圧燃料供給系による燃料の噴射供給が休止されているときに、前記調圧弁を開弁駆動するとともに該調圧弁に作用する燃圧が上昇するよう前記高圧燃料供給系を制御する制御手段とを備えることをその要旨とする。
請求項1に記載の発明は、高圧ポンプにより燃料を加圧して燃料配管内に蓄圧し、同燃料配管の燃料を燃焼室内に対して直接噴射供給する高圧燃料供給系に設けられ、該高圧燃料供給系の燃料を低圧燃料通路側に排出して調圧する調圧弁を備えた内燃機関の燃料噴射装置において、前記調圧弁を任意にその開閉が駆動制御可能な弁として構成するとともに、前記調圧弁における異物の噛み込みの有無を検知する噛み込み検知手段と、前記噛み込み検知手段により異物の噛み込みが検知され、かつ、前記高圧燃料供給系による燃料の噴射供給が休止されているときに、前記調圧弁を開弁駆動するとともに該調圧弁に作用する燃圧が上昇するよう前記高圧燃料供給系を制御する制御手段とを備えることをその要旨とする。
上記構成によれば、任意にその開閉が駆動制御可能な弁で調圧弁が構成され、噛み込み検知手段により異物噛み込みが検知され、かつ、前記高圧燃料供給系による燃料の噴射が休止されているときに、制御手段によりその調圧弁が開弁駆動されるとともに、その調圧弁に作用する燃圧が上昇するように高圧燃料供給系が制御されるようにした。これにより、調圧弁については、昇圧してその燃圧により開弁される従来技術と異なり、直接的に制御して開弁させることが可能となり、ひいては調圧弁を全開させることも可能となる。そして、この調圧弁に作用する燃圧を上昇させて燃料を排出するが、燃料の排出による燃圧低下で調圧弁が開弁及び閉弁動作を繰り返すような現象が生じることもなく、調圧弁の開弁具合が好適に維持された状態で燃料の排出が行われる。従って、調圧弁に作用する燃圧がそのまま燃料の排出として反映され、それに伴う異物の排出を効果的に行うことができる。
なお、上記調圧弁としては、例えば請求項2に記載のような燃料配管内の燃圧を調節すべく該燃料配管に配設されるリリーフ弁が挙げられる。この場合、そのリリーフ弁を上述した任意にその開閉が駆動制御可能な弁(例えば、電磁弁)で構成することで、上記のごとく異物排出を効果的に行うことができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記燃焼室に空気を供給する吸気系に対して燃料を噴射供給するよう構成され、前記高圧燃料供給系と切り換えられて、もしくは組み合わされて燃料の供給を行う低圧燃料供給系を更に備え、前記制御手段は、前記噛み込み検知手段により噛み込みが検知され、かつ前記低圧燃料供給系のみによる燃料供給が実行されているときに、前記調圧弁を開弁駆動するとともに該調圧弁に作用する燃圧が上昇するよう前記高圧燃料供給系を制御することをその要旨とする。
従来の燃料噴射装置(例えば、上記特許文献1の燃料噴射装置)では、異物の噛み込みが検知された場合、機関停止直前や機関停止直後といった状況下においてのみリリーフ弁が開弁されて異物の排出が行われており、それ以外の時期に異物排出処理を実行することは、高圧燃料供給系の燃料噴射に影響を与えて内燃機関の燃焼上好ましくないため制限されていた。すなわち、異物排出の実行頻度が十分に確保されていないという実情があった。
ところで、近年、高圧燃料供給系に加えて低圧燃料供給系をも備えた、いわゆるダブルインジェクション式の燃料噴射装置が採用されており、このような燃料噴射装置の高圧燃料供給系にも同様に調圧弁が設けられている。そして、この種の燃料噴射装置では、両燃料供給系を切り換えて、若しくは組み合わせて燃料を供給する運転領域がある。すなわち、高圧燃料供給系が使用されず、低圧燃料供給系のみで燃料の供給が行われる運転領域が存在する。
そこで、請求項3に記載の発明によれば、このようなダブルインジェクション式の燃料噴射装置において、その高圧燃料供給系が備える調圧弁での異物の噛み込みが検知され、かつ、低圧燃料供給系のみによる燃料の噴射供給が行われている場合に、制御手段によって調圧弁が開弁駆動されるとともに、該調圧弁に作用する燃圧が上昇するよう前記高圧燃料供給系が制御される。すなわち、燃料の噴射が低圧燃料供給系のみで行われ、高圧燃料供給系が使用されていないというダブルインジェクション式の燃料噴射装置特有の条件が成立した場合に調圧弁が開弁されて燃料が排出される。このため、機関停止直前、或いは機関始動直後といった極めて特殊な状況下に限らず、低圧燃料供給系を使用した機関運転中にも、燃焼上何ら問題なく異物の排出を行うことが可能となり、異物排出処理の実行頻度を十分に確保することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記噛み込み検知手段は、前記高圧燃料供給系による燃料噴射が休止している際の前記燃料配管内の燃圧の変化に基づいて前記調圧弁における異物の噛み込みの有無を判断する。
高圧燃料供給系が休止している場合、調圧弁に異物が噛み込まれた状態では高圧燃料供給系から上記低圧燃料通路側への燃料の漏れが発生するため燃圧が大きく低下する。このため、その燃圧の変化に基づいて異物噛み込みの有無を判断することで、的確に異物の噛み込みを検知することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記高圧ポンプは、前記燃料配管に圧送される燃料を調量する調量弁を備えており、前記噛み込み検知手段は、その調量される圧送量に基づき異物噛み込みの有無を判断する。
調圧弁に異物が噛み込まれた場合、高圧ポンプでは、調量弁が制御されてその異物の噛み込みによる調圧弁からの燃料の漏れを補うだけの燃料を圧送することになる。すなわち、高圧ポンプの圧送量には、調圧弁の異物噛み込みによる燃料の漏れによる影響が反映される。このため、高圧ポンプの圧送量に基づき異物の噛み込みの有無を検出することで、的確に異物の噛み込みの有無を検知することができる。
ちなみに、上記圧送量に基づいて異物の噛み込みの有無を検知する具体的な態様としては、例えば、請求項6に記載のように、燃料配管の燃圧目標値に対応する目標圧送量と実圧送量との乖離度合に基づいてこれを検知することが挙げられる。すなわち、上記のごとく、実圧送量は、調圧弁の異物噛み込みによる燃料の漏れが反映された値であるため、その実圧送量と目標圧送量との乖離度合に基づいて異物噛み込みを検知することにより、その精度を高めることができるようになる。
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記高圧燃料供給系は、少なくとも前記内燃機関の低負荷運転時に燃料を噴射供給するよう制御されるものであって、前記噛み込み検知手段は、その低負荷運転時に異物噛み込みの有無を判断する。
高圧ポンプが燃料配管に圧送する燃料の量は、低負荷運転時に比べて高負荷運転時の方が多い。このため、調圧弁に異物が噛み込まれて燃料の漏れがある場合、その漏れ量の圧送量に占める割合は高負荷運転時に比べて低負荷運転時の方が大きくなる。従って、低負荷運転時の圧送量に基づいて異物噛み込みの有無を検知することで、より細かな燃料の漏れ、すなわち、より細かな異物の噛み込み状態まで判断可能となり、その検知の精度を向上させることができる。
以下、本発明を具体化した一実施の形態について図1〜図5を参照して説明する。なお、本実施の形態では内燃機関として4気筒ガソリンエンジンに使用される燃料噴射装置について説明する。
図1に示すように、燃料噴射装置は、吸気系としての吸気ポート10に燃料を噴射して混合気として燃焼室12内に燃料を噴射供給する低圧燃料供給系11と、直接燃焼室12内に燃料を噴射供給する高圧燃料供給系13とを備えている。低圧燃料供給系11及び高圧燃料供給系13は、燃料タンク14から燃料ポンプ15により圧送される燃料の通路となる低圧燃料通路16を共用する構成となっている。
低圧燃料供給系11は、低圧燃料通路16に接続されたデリバリパイプ17に連なる4つのインジェクタ18から吸気ポート10に対して燃料を噴射供給する。
高圧燃料供給系13は、燃料ポンプ15によって送り出される燃料を加圧して燃料配管としてのデリバリパイプ20に燃料を圧送する高圧ポンプ21を備えている。高圧ポンプ21は、エキゾーストカムシャフト22に取り付けられたカム23の回転に基づいてシリンダ24内で往復動するプランジャ25と、シリンダ24及びプランジャ25によって区画される加圧室26とを備えている。加圧室26は、低圧燃料通路16を介して燃料ポンプ15に接続されている。また、燃料タンク14内の低圧燃料通路の途中にはプレッシャレギュレータ27及びフィルタ28が設けられている。
高圧燃料供給系13は、燃料ポンプ15によって送り出される燃料を加圧して燃料配管としてのデリバリパイプ20に燃料を圧送する高圧ポンプ21を備えている。高圧ポンプ21は、エキゾーストカムシャフト22に取り付けられたカム23の回転に基づいてシリンダ24内で往復動するプランジャ25と、シリンダ24及びプランジャ25によって区画される加圧室26とを備えている。加圧室26は、低圧燃料通路16を介して燃料ポンプ15に接続されている。また、燃料タンク14内の低圧燃料通路の途中にはプレッシャレギュレータ27及びフィルタ28が設けられている。
一方、加圧室26は逆止弁29を備えた高圧燃料通路30を介してデリバリパイプ20に接続されており、このデリバリパイプ20には4つのインジェクタ31が設けられている。そして、デリバリパイプ20内で蓄圧された高圧燃料は各インジェクタ31から各燃焼室12内へ直接噴射されるようになっている。さらに、デリバリパイプ20には同パイプ内における高圧燃料の燃料圧力(以下、燃圧という)を検出するための燃圧センサ32が設けられており、デリバリパイプ20における燃圧が後述するECU40に対して入力される。
また、デリバリパイプ20は、リリーフ通路33を介して燃料タンク14と接続されており、このリリーフ通路33のデリバリパイプ20側の端部には調圧弁としてのリリーフ弁34が設けられている。リリーフ弁34は、いわゆる電磁弁からなり、電磁ソレノイド35への印加電圧が制御されることにより任意にその開閉動作が制御されるようになっている。そして、その開弁に伴いデリバリパイプ20内の高圧燃料が燃料タンク14へ排出され、デリバリパイプ20内の燃圧は適当な燃圧で維持される。
高圧ポンプ21には、低圧燃料通路16と加圧室26との間を連通・遮断する調量弁としての電磁スピル弁36が設けられている。この電磁スピル弁36は電磁ソレノイド37を備え、ECU40によりその電磁ソレノイド37への印加電圧が制御されることにより開閉動作する。すなわち、電磁ソレノイド37に対する通電が停止されている場合には、電磁スピル弁36がコイルスプリング38の付勢力によって開き、低圧燃料通路16と加圧室26とを連通する。この状態で、加圧室26の容積が大きくなる方向にプランジャ25が移動するとき(吸入行程中)には、燃料ポンプ15から送り出された燃料が低圧燃料通路16から加圧室26内に吸入される。
また、加圧室26の容積が収縮する方向にプランジャ25が移動するとき(圧送行程中)には、電磁ソレノイド37に対する通電により電磁スピル弁36がコイルスプリング38の付勢力に抗して閉弁される。その結果、低圧燃料通路16と加圧室26との間が遮断され、加圧室26内の高圧燃料が逆止弁29を開弁させることにより、該高圧燃料は高圧燃料通路30を介してデリバリパイプ20内へ圧送されるようになる。
なお、高圧ポンプ21における燃料の圧送量の調節は、電磁スピル弁36の閉弁期間DT(正確には燃料圧送期間に対する閉弁期間DTの比、すなわちデューティ比)を制御することにより行われる。すなわち、電磁スピル弁36の閉弁開始時期を早めて閉弁期間DTを長くすると、高圧燃料通路30及びデリバリパイプ20内の燃圧がより高められ、その結果、燃料の圧送量が増加する。反対に、電磁スピル弁36の閉弁期間DTを短くすると燃料の圧送量が減少する。従って、電磁スピル弁36の閉弁期間DTを制御して高圧ポンプ21からの燃料の圧送量を調整することにより、デリバリパイプ20内の燃圧が制御される。
次に、本実施の形態にかかる燃料噴射装置の電気的な構成について説明する。
図2に示すように、燃料噴射装置には、機関運転状態を制御するための電子制御ユニット(以下ECUという)40が設けられており、このECU40は、CPU41、ROM42、RAM43及びバックアップRAM44等を備えている。ROM42は各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されたメモリであり、CPU41はROM42に記憶された各種制御プログラムやマップ等に基づいて各種処理を実行する。なお、本実施の形態では、このECU40により噛み込み検知手段及び制御手段が構成されている。
図2に示すように、燃料噴射装置には、機関運転状態を制御するための電子制御ユニット(以下ECUという)40が設けられており、このECU40は、CPU41、ROM42、RAM43及びバックアップRAM44等を備えている。ROM42は各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されたメモリであり、CPU41はROM42に記憶された各種制御プログラムやマップ等に基づいて各種処理を実行する。なお、本実施の形態では、このECU40により噛み込み検知手段及び制御手段が構成されている。
また、RAM43はCPU41での演算結果や各センサ等から入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM44は機関の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する書き換え可能な不揮発性のメモリからなる。そして、CPU41、ROM42、RAM43及びバックアップRAM44は、バスBを介して互いに接続されるとともに、外部入力回路45及び外部出力回路46と接続されている。
外部入力回路45には、クランクポジションセンサ47、アクセル開度センサ48、バッテリ49及び燃圧センサ32が接続されている。一方、外部出力回路46には、インジェクタ18、インジェクタ31、電磁スピル弁36及びリリーフ弁34が接続されている。
クランクポジションセンサ47は、図示しないクランクシャフトの単位時間当たりにおける回転速度に対応した検出信号を外部入力回路45に出力する。アクセル開度センサ48は、図示しないアクセルペダルに取り付けられ、当該アクセルペダルの踏み込み量に比例した出力電圧を外部入力回路45に出力する。また、バッテリ49からは、その電圧が前記外部入力回路45に入力される。また、燃圧センサ32からは、デリバリパイプ20内の燃圧に応じた出力電圧が前記外部入力回路45に出力されるようになっている。
CPU41は、低圧燃料供給系11及び高圧燃料供給系13を切り換えて、もしくは、組み合わせて燃料の噴射供給を行う。本実施の形態では、例えば低負荷運転時には高圧燃料供給系13による燃料噴射が行われるようになっている(以下、この運転領域を運転領域Q1という)。また、中負荷運転時では低圧燃料供給系11が選択されて燃料の噴射が行われる(以下、この運転領域を運転領域Q2という)。さらに、高負荷運転時では低圧燃料供給系11とともに高圧燃料供給系13が用いられる(以下、この運転領域を運転領域Q3という)。ちなみに、この運転領域Q3では、高圧燃料供給系13から噴射された燃料が気化する際の吸熱作用を利用して燃焼室12内の温度を低下させ、より多くの空気を燃焼室12内に吸入することで出力の向上を図るようにしている。なお、運転領域の区分は上記Q1〜Q3に限らない。
次に、リリーフ弁34の異物噛み込みの有無を検知する処理態様について図4に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップS100においてCPU41は、機関停止状態にあるか否かを判断する。なお、機関停止状態にあると判断するまでステップS100を繰り返す。そして、機関が停止していると判断した場合にはステップS101に移行する。そして、ステップS101においてCPU41は、その際のデリバリパイプ20内の燃圧P1をバックアップRAM44に記憶する。
ステップS100においてCPU41は、機関停止状態にあるか否かを判断する。なお、機関停止状態にあると判断するまでステップS100を繰り返す。そして、機関が停止していると判断した場合にはステップS101に移行する。そして、ステップS101においてCPU41は、その際のデリバリパイプ20内の燃圧P1をバックアップRAM44に記憶する。
次に、ステップS102においてCPU41は、上記ステップS100で機関停止状態にあると判断してからの経過時間Tcが予め設定した所定時間Tx(例えば、10秒間)以上になったか否かを判断する。なお、このステップS102の処理は所定時間Txが経過するまで繰り返し行われる。
そして、ステップS102において、経過時間Tcが予め設定した所定時間Tx以上になったと判断すると、ステップS103においてCPU41は、燃圧センサ32からの出力電圧に基づいてその経過時間Tcの時点におけるデリバリパイプ20内の燃圧P2をバックアップRAM44に記憶し、ステップS104に移行する。
ここで、機関停止後におけるデリバリパイプ20内の燃圧変化を図3に示す。同図に示すように、機関停止後、リリーフ弁34に異物の噛み込みがない場合には燃圧が機関熱の影響を受けて僅かに上昇する。これに対して、リリーフ弁34に異物が噛み込まれている場合にはリリーフ弁34から燃料タンク14側に燃料が漏れ出すため、同図に示すように燃圧が徐々に低下して推移する。このため、燃圧P1と燃圧P2との差(=P1−P2)を算出し、予め設定された所定の判定値Paに比べてその値が大きいか小さいかにより異物噛み込みの有無を判断することが可能である。
このため、ステップS104においてCPU41は、燃圧P1と燃圧P2との差が判定値Paよりも大きいか否かを判断する。そして、燃圧P1と燃圧P2との差が判定値Paよりも大きい場合にはステップS105に移行し、リリーフ弁34に異物噛み込みが生じていると判断して噛み込みフラグをONに設定する。そして、本処理を終了する。一方、燃圧P1と燃圧P2との差が判定値Pa以下である場合にはステップS106に移行し、リリーフ弁34に異物噛み込みが生じていないと判断し、噛み込みフラグをOFFに設定して本処理を終了する。
次に、リリーフ弁34に噛み込まれた異物を排出するための処理態様について図5を参照して説明する。
図5に示すように、ステップS200においてCPU41は、噛み込みフラグがONであるか否かを判断する。そして、噛み込みフラグがONである、すなわち、リリーフ弁34に異物噛み込みが生じている場合にはステップS201に移行する。一方、噛み込みフラグがOFFであり、異物の噛み込みが生じていない場合には処理を一旦終了する。
図5に示すように、ステップS200においてCPU41は、噛み込みフラグがONであるか否かを判断する。そして、噛み込みフラグがONである、すなわち、リリーフ弁34に異物噛み込みが生じている場合にはステップS201に移行する。一方、噛み込みフラグがOFFであり、異物の噛み込みが生じていない場合には処理を一旦終了する。
次に、ステップS201においてCPU41は、機関運転領域を読み込む。詳しくは、CPU41は、外部入力回路45を介してアクセル開度センサ48により検出されるアクセルペダルの踏み込み量等の各種検出信号をRAM43に読み込む。
ステップS202においてCPU41は、読み込んだ運転領域が上記運転領域Q2であるか否か、すなわち、低圧燃料供給系11のみで燃料の噴射供給が行われ、高圧燃料供給系13による燃料の噴射供給が休止しているか否かを判断し、運転領域がQ2である場合にはステップS203に移行する。一方、運転領域が上記運転領域Q2ではなくQ1又はQ3の場合には高圧燃料供給系13が作動していると判断して処理を一旦終了する。
そして、ステップS203においてCPU41は、リリーフ弁34の電磁ソレノイド35に電圧を印加してリリーフ弁34を全開制御する。そして、ステップS204において、電磁スピル弁36の閉弁期間DTを制御して電磁スピル弁36を常に閉弁し(デューティ比100%)、高圧ポンプ21により加圧される燃料の全てをデリバリパイプ20に圧送する。これにより、全開状態のリリーフ弁34から燃料が排出され、それと共に異物も排出される。
そして、CPU41は、一定時間リリーフ弁34を開弁して燃料を排出した後、そのリリーフ弁34を閉弁する。そして、高圧燃料供給系13による次回の燃料噴射に備えるため電磁スピル弁36を制御してデリバリパイプ20内の燃圧を調節して処理を終了する。
本実施の形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)CPU41により任意にその開閉が駆動制御可能な弁(本実施の形態では電磁弁)でリリーフ弁34を構成した。そして、CPU41は、リリーフ弁34における異物の噛み込みを検知し、かつ高圧燃料供給系13が休止しているときにリリーフ弁34を開弁(本実施の形態では全開)させるとともに、高圧ポンプ21における電磁スピル弁36のデューティ比を100%にして圧送する燃料の量を増大させるようにした。これにより、デリバリパイプ20内の燃圧を昇圧させることでリリーフ弁34を開弁させる従来技術と異なり、直接的にリリーフ弁34を制御して開弁させることが可能となる。そして、燃料の排出によるデリバリパイプ20内の燃圧低下でリリーフ弁34が開弁及び閉弁動作を繰り返すようなこともなく、リリーフ弁34の開弁具合を好適に維持した状態で燃料の排出がなされる。従って、リリーフ弁34に作用する燃圧がそのまま燃料の排出として反映され、それに伴い異物の排出を効果的に行うことができる。
(1)CPU41により任意にその開閉が駆動制御可能な弁(本実施の形態では電磁弁)でリリーフ弁34を構成した。そして、CPU41は、リリーフ弁34における異物の噛み込みを検知し、かつ高圧燃料供給系13が休止しているときにリリーフ弁34を開弁(本実施の形態では全開)させるとともに、高圧ポンプ21における電磁スピル弁36のデューティ比を100%にして圧送する燃料の量を増大させるようにした。これにより、デリバリパイプ20内の燃圧を昇圧させることでリリーフ弁34を開弁させる従来技術と異なり、直接的にリリーフ弁34を制御して開弁させることが可能となる。そして、燃料の排出によるデリバリパイプ20内の燃圧低下でリリーフ弁34が開弁及び閉弁動作を繰り返すようなこともなく、リリーフ弁34の開弁具合を好適に維持した状態で燃料の排出がなされる。従って、リリーフ弁34に作用する燃圧がそのまま燃料の排出として反映され、それに伴い異物の排出を効果的に行うことができる。
(2)CPU41は、上記異物噛み込み検知処理を実行してリリーフ弁34における異物の噛み込みを検知するとともに、低圧燃料供給系11のみで燃料の噴射供給が行われている場合にリリーフ弁34を開弁駆動して燃料を排出するようにした。このため、機関停止直前、或いは機関始動直後といった極めて特殊な状況下に異物の排出が制限されることがなく、低圧燃料供給系11を使用した機関運転中にも、燃焼上何ら問題なくリリーフ弁34の異物排出を行うことが可能となる。従って、異物排出を実行する頻度を十分に確保することができる。
(3)機関停止中のデリバリパイプ20内の燃圧の変化に基づいて異物の噛み込みの有無を判断するようにした。すなわち、リリーフ弁34に異物が噛み込まれている場合には燃料の漏れが発生してデリバリパイプ20内の燃圧が低下するため、これを利用して異物噛み込みの有無を判断するようにした。従って、的確に異物の噛み込みの有無を検知することができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明にかかる燃料噴射装置の第2の実施の形態について図6を参照して説明する。なお、本実施の形態は、第1の実施の形態と異物噛み込みの検知態様が異なり、それ以外は第1の実施の形態と同様であるため、その部分については説明を省略する。
次に、本発明にかかる燃料噴射装置の第2の実施の形態について図6を参照して説明する。なお、本実施の形態は、第1の実施の形態と異物噛み込みの検知態様が異なり、それ以外は第1の実施の形態と同様であるため、その部分については説明を省略する。
図6に示すように、まず、ステップS300においてCPU41は、現在の機関運転領域を読み込む。そして、ステップS301において、その読み込んだ運転領域が上記運転領域Q1又はQ3であるか否かを判断する。ここで、運転領域がQ2、すなわち、低圧燃料供給系11のみで燃料の噴射供給を行っている場合には処理を一旦終了する。一方、運転領域がQ1又はQ3である場合、すなわち、高圧燃料供給系13を用いて燃料の供給を行っている場合にはステップS302に移行する。そして、ステップS302においてCPU41は、現在の高圧ポンプ21による燃料の実圧送量を現在の電磁スピル弁36の閉弁期間DTとして読み込み、RAM43に記憶する。
次に、ステップS303においてCPU41は、目標とする燃圧値(燃圧目標値)に対応して予め設定されている目標閉弁期間DTtをROM42から読み出し、その目標閉弁期間DTtとRAM43に記憶されている上記閉弁期間DTとを比較する。この比較は、閉弁期間DTと目標閉弁期間DTtの乖離度合に基づいてなされ、閉弁期間DTと目標閉弁期間DTtとの差(=DT−DTt)が所定の乖離判定値DTdを超えるか否かを判断することにより行う。すなわち、リリーフ弁34で異物の噛み込みが生じている場合、デリバリパイプ20で燃料の漏れが生じるため、予め設定されている目標閉弁期間DTtでは目標とする燃圧を得られない状態となる。これゆえ、実際の閉弁期間DTにはその燃料の漏れ量が反映されることになり、より多くの燃料を圧送するよう目標閉弁期間DTtよりも閉弁期間DTが長く設定される。従って、閉弁期間DTと目標閉弁期間DTtとの差が乖離判定値DTdを超える場合には異物の噛み込み有りと判断することができる。
そして、ステップS303において、閉弁期間DTと目標閉弁期間DTtとの差が乖離判定値DTdを超える場合には、リリーフ弁34に異物噛み込みが生じていると判断してステップS304に移行し、噛み込みフラグをONに設定して処理を終了する。一方、閉弁期間DTと目標閉弁期間DTtとの差が乖離判定値DTd以下である場合には噛み込みが生じていないと判断して、噛み込みフラグをOFFに設定して処理を終了する。
なお、上記処理により異物噛み込みの有無を検知する場合、高負荷運転時よりも低負荷運転時、すなわち、本実施の形態では運転領域Q3ではなく運転領域Q1のときに判断することが好ましい。これは、高圧ポンプ21によりデリバリパイプ20に圧送される燃料の圧送量は、低負荷運転時の運転領域Q1に比べて高負荷運転時の運転領域Q3の方が多いため、リリーフ弁34に異物が噛み込まれて燃料の漏れがある場合、その燃料の漏れ量が圧送量に占める割合が運転領域Q3に比べて運転領域Q1の方が大きく表れるからである。従って、運転領域Q1での実圧送量、すなわち閉弁期間DTに基づいて異物噛み込みの有無を検知することで、より細かな燃料の漏れ、すなわち、より細かな異物の噛み込み状態まで判断可能となり、その検知の精度を向上させることができる。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果(1)または(2)に加えて以下のような効果を得ることができる。
(4)高圧燃料供給系13により燃料の噴射供給が行われているとき(本実施の形態では、運転領域Q1又はQ3に相当)に、その高圧燃料供給系13に備えられる高圧ポンプ21の電磁スピル弁36の閉弁期間DTに基づき上記態様により異物の噛み込みの有無を検知するようにした。このため、機関停止時といった極めて特殊な状況下に限らず、高圧燃料供給系13が使用された機関運転中にも異物の噛み込みを検知することが可能となる。なお、本実施の形態の場合、機関運転中に異物の噛み込みを検知することができるため、その機関運転中に異物の噛み込みを検知した場合には運転領域がQ2に移行したときに上記異物排出処理を速やかに行うことも可能となる。
(4)高圧燃料供給系13により燃料の噴射供給が行われているとき(本実施の形態では、運転領域Q1又はQ3に相当)に、その高圧燃料供給系13に備えられる高圧ポンプ21の電磁スピル弁36の閉弁期間DTに基づき上記態様により異物の噛み込みの有無を検知するようにした。このため、機関停止時といった極めて特殊な状況下に限らず、高圧燃料供給系13が使用された機関運転中にも異物の噛み込みを検知することが可能となる。なお、本実施の形態の場合、機関運転中に異物の噛み込みを検知することができるため、その機関運転中に異物の噛み込みを検知した場合には運転領域がQ2に移行したときに上記異物排出処理を速やかに行うことも可能となる。
(5)電磁スピル弁36の閉弁期間DTに基づいて上記態様により異物の噛み込みの有無を検知するようにした。このため、リリーフ弁34における異物の噛み込みの有無を的確に検知することができる。
(6)また、上述のように低負荷運転時(本実施の形態では運転領域Q1に相当)に閉弁期間DTに基づいて異物噛み込みの有無を検知することで、より細かな燃料の漏れ、すなわち、より細かな異物の噛み込み状態まで判断可能となり、その検知の精度を向上させることができる。
なお、上記各実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記第1の実施の形態では、図5に示すように、ステップS203でリリーフ弁を全開し、ステップS204でデューティ比100%として異物を排出していたが、次のような態様で異物の排出を行ってもよい。例えば、異物噛み込みが検知された後、高圧ポンプ21で燃料を圧送する。そして、その圧送によりデリバリパイプ20内の燃圧が十分に高められるのを待ってからリリーフ弁34を開弁するようにする。これにより、その開弁時にリリーフ弁34から排出される燃料の流勢が高められ、より好適に異物を排出することができる。
・上記第1の実施の形態では、図5に示すように、ステップS203でリリーフ弁を全開し、ステップS204でデューティ比100%として異物を排出していたが、次のような態様で異物の排出を行ってもよい。例えば、異物噛み込みが検知された後、高圧ポンプ21で燃料を圧送する。そして、その圧送によりデリバリパイプ20内の燃圧が十分に高められるのを待ってからリリーフ弁34を開弁するようにする。これにより、その開弁時にリリーフ弁34から排出される燃料の流勢が高められ、より好適に異物を排出することができる。
・上記第1の実施の形態では、異物を排出するにあたって、リリーフ弁34を全開制御するとともに、電磁スピル弁36のデューティ比を一律100%として燃料をデリバリパイプ20に圧送していたが、そのデューティ比を変動させるようにしてもよい。これにより、リリーフ弁34から排出される燃料の流勢に変動が与えられ、異物排出効果の向上を図ることができるとともに、デューティ比100%とする場合に比べて高圧ポンプ21の駆動による駆動損失を抑えることもできる。
・リリーフ弁34を全開制御するのではなく、開けたり閉めたりを繰り返すよう制御してもよい。これによっても、リリーフ弁34から排出される燃料の流勢に変動が与えられ、異物排出効果の向上を図ることができる。また、リリーフ弁34は必ずしも全開制御する必要はなく、その開度は任意である。
・デリバリパイプ20の燃圧低下量に応じて電磁スピル弁36のデューティ比を可変設定するようにしてもよい。例えば、燃圧低下量が大きいほどデューティ比、すなわち閉弁期間DTを長くするようにしてもよい。これにより、異物の噛み込み程度に応じて燃料の圧送量を調節することができ、異物排出の機能を確保しながら、高圧ポンプ21の駆動による駆動損失を抑えることもできる。
・上記各実施の形態において、高圧燃料供給系13の休止中にデリバリパイプ20内の燃圧を一定に保持するために高圧ポンプ21の圧送量をフィードバック制御する場合にあっては、その圧送量が所定量以上になったことをもって異物噛み込み有りと検知することもできる。
・上記第1の実施形態では機関停止時におけるデリバリパイプ20内の燃圧を監視し、その燃圧の低下に応じて異物噛み込みの検知を行っていたが、機関停止時に限らず、単に高圧燃料供給系13の休止中にこれを行うようにしてもよい。すなわち、機関運転中である上記運転領域Q2の際にデリバリパイプ20内の燃圧を監視し、その燃圧の低下に応じて異物噛み込みの検知を行ってもよい。これにより、例えば、運転領域Q2にて異物の噛み込みを検知したときには、同じく運転領域Q2において速やかに上記異物排出処理を行うこともできる。
・上記第1の実施の形態では、調圧弁としてのリリーフ弁34を異物排出の対象としていたが、高圧燃料供給系13を調圧するために設けられるリリーフ弁34以外の調圧弁においても同様にして上記異物排出処理を行うことができる。
・上記第1の実施の形態では、高圧燃料供給系13に加えて低圧燃料供給系11をも備えた、いわゆるダブルインジェクション式の燃料噴射装置についてその具体例を示したが、単に高圧燃料供給系のみを備える燃料噴射装置において本発明を適用してもよい。この場合、異物噛み込みの判断は、上記第1の実施の形態と同じく機関停止時に行うが、その異物の排出は従来と同様に機関停止直前や始動直後といった状況下において行うこととなる。
次に、上記各実施の形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1)高圧ポンプにより燃料を加圧して燃料配管内に蓄圧し、同燃料配管の燃料を燃焼室内に対して直接噴射供給する高圧燃料供給系と、前記燃焼室に空気を供給する吸気系に対して燃料を噴射供給する低圧燃料供給系と、前記高圧燃料供給系に設けられ同高圧燃料供給系の燃料を低圧燃料通路側に排出して調圧する調圧弁と、前記調圧弁での異物の噛み込みの有無を検知する噛み込み検知手段と、前記噛み込み検知手段が噛み込みを検知し、かつ前記高圧燃料供給系による燃料噴射が休止しているときに前記調圧弁が開弁するように前記高圧燃料供給系を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
(1)高圧ポンプにより燃料を加圧して燃料配管内に蓄圧し、同燃料配管の燃料を燃焼室内に対して直接噴射供給する高圧燃料供給系と、前記燃焼室に空気を供給する吸気系に対して燃料を噴射供給する低圧燃料供給系と、前記高圧燃料供給系に設けられ同高圧燃料供給系の燃料を低圧燃料通路側に排出して調圧する調圧弁と、前記調圧弁での異物の噛み込みの有無を検知する噛み込み検知手段と、前記噛み込み検知手段が噛み込みを検知し、かつ前記高圧燃料供給系による燃料噴射が休止しているときに前記調圧弁が開弁するように前記高圧燃料供給系を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
(2)高圧ポンプにより燃料を加圧して燃料配管内に蓄圧し、同燃料配管の燃料を燃焼室内に対して直接噴射供給する高圧燃料供給系と、前記燃焼室に空気を供給する吸気系に対して燃料を噴射供給する低圧燃料供給系と、前記高圧燃料供給系に設けられ同高圧燃料供給系の燃料を低圧燃料通路側に排出して調圧する調圧弁と、前記調圧弁での異物の噛み込みの有無を前記高圧燃料供給系による燃料噴射が休止しているときに検知する噛み込み検知手段と、前記噛み込み検知手段が噛み込みを検知したときに前記調圧弁が開弁するように前記高圧燃料供給系を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
10…吸気系としての吸気ポート、11…低圧燃料供給系、12…燃焼室、13…高圧燃料供給系、16…低圧燃料通路、20…燃料配管としてのデリバリパイプ、21…高圧ポンプ、33…リリーフ通路、34…調圧弁としてのリリーフ弁、36…調量弁としての電磁スピル弁、40…噛み込み検知手段及び制御手段としてのECU。
Claims (7)
- 高圧ポンプにより燃料を加圧して燃料配管内に蓄圧し、同燃料配管の燃料を燃焼室内に対して直接噴射供給する高圧燃料供給系に設けられ、該高圧燃料供給系の燃料を低圧燃料通路側に排出して調圧する調圧弁を備えた内燃機関の燃料噴射装置において、
前記調圧弁を任意にその開閉が駆動制御可能な弁として構成するとともに、
前記調圧弁における異物の噛み込みの有無を検知する噛み込み検知手段と、
前記噛み込み検知手段により異物の噛み込みが検知され、かつ、前記高圧燃料供給系による燃料の噴射供給が休止されているときに、前記調圧弁を開弁駆動するとともに該調圧弁に作用する燃圧が上昇するよう前記高圧燃料供給系を制御する制御手段とを備える
ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。 - 前記調圧弁は前記燃料配管内の燃圧を調節すべく該燃料配管に配設されたリリーフ弁である
請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射装置。 - 請求項1または2に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、
前記燃焼室に空気を供給する吸気系に対して燃料を噴射供給するよう構成され、前記高圧燃料供給系と切り換えられて、もしくは組み合わされて燃料の供給を行う低圧燃料供給系を更に備え、
前記制御手段は、前記噛み込み検知手段により噛み込みが検知され、かつ前記低圧燃料供給系のみによる燃料供給が実行されているときに、前記調圧弁を開弁駆動するとともに該調圧弁に作用する燃圧が上昇するよう前記高圧燃料供給系を制御する
ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。 - 前記噛み込み検知手段は、前記高圧燃料供給系による燃料の噴射供給が休止している際の前記燃料配管内の燃圧の変化に基づいて前記調圧弁における異物の噛み込みの有無を判断する
請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射装置。 - 前記高圧ポンプは、前記燃料配管に圧送される燃料を調量する調量弁を備えており、前記噛み込み検知手段は、その調量される圧送量に基づき異物噛み込みの有無を判断する
請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射装置。 - 前記噛み込み検知手段は、前記燃料配管の燃圧目標値に対応する目標圧送量と実圧送量との乖離度合に基づいて異物噛み込みの有無を判断する
請求項5に記載の内燃機関の燃料噴射装置。 - 前記高圧燃料供給系は、少なくとも前記内燃機関の低負荷運転時に燃料を噴射供給するよう制御されるものであって、前記噛み込み検知手段は、その低負荷運転時に異物噛み込みの有無を判断する
請求項5又は6に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
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JP2003394407A JP2005155421A (ja) | 2003-11-25 | 2003-11-25 | 内燃機関の燃料噴射装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2003
- 2003-11-25 JP JP2003394407A patent/JP2005155421A/ja active Pending
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