JP2010024852A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料噴射機構から燃料タンクへの還流を可能にする内燃機関の燃料供給装置において、還流通路の流通状態の切替えの際に燃料供給不足を抑制する内燃機関の燃料供給装置を提供する。
【解決手段】内燃機関からの燃料要求量Qdが切替燃料要求量Qd2となった場合に低燃圧状態から高燃圧状態への切替と燃料ポンプの駆動電圧の昇圧とを実行するに際して、燃料ポンプの駆動電圧の昇圧を実行してから、待機期間Δt経過後に高燃圧状態への切替を実行する。
【選択図】図5
【解決手段】内燃機関からの燃料要求量Qdが切替燃料要求量Qd2となった場合に低燃圧状態から高燃圧状態への切替と燃料ポンプの駆動電圧の昇圧とを実行するに際して、燃料ポンプの駆動電圧の昇圧を実行してから、待機期間Δt経過後に高燃圧状態への切替を実行する。
【選択図】図5
Description
本発明は、内燃機関に燃料を供給する内燃機関の燃料供給装置に関する。
内燃機関に適用される燃料供給装置は、燃料タンクに貯留された燃料を燃料ポンプによりデリバリパイプへ圧送して、そのデリバリパイプに接続されたインジェクタから噴射させることにより同インジェクタに対応する気筒へ燃料を供給している。このような燃料供給装置としては、燃料ポンプからデリバリパイプに圧送される燃料の一部がプレッシャレギュレータを介して燃料タンクに還流されることにより同デリバリパイプ内における燃料の圧力(燃料噴射圧)が所定の圧力に規定されるものが知られている。この種の燃料供給装置においては、こうした燃料噴射圧の調圧によりインジェクタの単位時間における燃料噴射量などが規定されるようになっている。(例えば、特許文献1)
また、上述したような燃料供給装置においては、インジェクタの開弁時間の長さによって燃料噴射量を制御しているが、インジェクタの最大開弁時間はエンジン2回転にかかる時間、すなわち機関回転速度によって制限される。そのため、開弁時間の延長には自ずと限界があり、開弁時間の延長のみでは燃料噴射量を大幅に増加することが困難である。そこで、こうした燃料噴射量の要請に応じるべく、上述する燃料供給装置では従来から燃料噴射圧の可変制御が行われており、インジェクタの開弁時間が制限された場合であっても燃料噴射圧を増加させることにより燃料噴射量の大幅な増加が図られている。例えば、特許文献2及び3に記載されるように、内燃機関からの要求値である燃料要求量や内燃機関の機関回転速度などに応じて燃料噴射圧を切替える切替バルブを設け、この切替バルブの開閉制御により燃料噴射圧を低燃圧状態と高燃圧状態との間で切替える。これにより、機関回転速度によってインジェクタの開弁時間に制限がある場合であっても、燃料噴射量の大幅な増加が可能となる。
特開2005−233134号公報
実開昭62−105343号公報
実開平5−19533号公報
また、上述したような燃料供給装置においては、インジェクタの開弁時間の長さによって燃料噴射量を制御しているが、インジェクタの最大開弁時間はエンジン2回転にかかる時間、すなわち機関回転速度によって制限される。そのため、開弁時間の延長には自ずと限界があり、開弁時間の延長のみでは燃料噴射量を大幅に増加することが困難である。そこで、こうした燃料噴射量の要請に応じるべく、上述する燃料供給装置では従来から燃料噴射圧の可変制御が行われており、インジェクタの開弁時間が制限された場合であっても燃料噴射圧を増加させることにより燃料噴射量の大幅な増加が図られている。例えば、特許文献2及び3に記載されるように、内燃機関からの要求値である燃料要求量や内燃機関の機関回転速度などに応じて燃料噴射圧を切替える切替バルブを設け、この切替バルブの開閉制御により燃料噴射圧を低燃圧状態と高燃圧状態との間で切替える。これにより、機関回転速度によってインジェクタの開弁時間に制限がある場合であっても、燃料噴射量の大幅な増加が可能となる。
ところで、上記燃料噴射圧の可変制御を行う燃料供給装置では、一般に低燃圧状態から高燃圧状態へ移行するときに燃料ポンプへの吐出圧力の増加指令と切替バルブへの切替指令とが燃料要求量等の機関運転状態に基づいて同時に出力されている。図6は、こうした切替バルブの切替期間における燃料ポンプの吐出量の推移を経時的に例示したタイミングチャートである。
図6に示されるように、低燃圧状態下において内燃機関からの燃料要求量が徐々に増加すると、その燃料要求量が所定値を超えたことを条件として、低燃圧状態から高燃圧状態へ移行すべく、切替バルブへの切替指令と燃料ポンプへの吐出圧力の増加指令とが同時に出力される。この際、燃料の流通系が低圧用の流通系から高圧用の流通系に切替えられるために、燃料ポンプからの燃料の流通状態が定常的な高燃圧状態になるまでには、燃料の流通状態を強制的に変更すべく、燃料ポンプに対する負荷が過渡的に一旦急増してしまう。こうした過渡的な期間では、燃料ポンプに対する吐出圧力の増加指令に応じて吐出圧力が増加されはするものの、上述する負荷の急増が発生するために、デリバリパイプへの供給量である吐出量が定常的な高燃圧状態における吐出量よりも一旦急激に減少してしまう。こうした過渡的な期間は、燃料の流動形態が定常的になるまでの短い期間であるものの、内燃機関の燃料噴射時間や燃料噴射の周期に比べれば十分に長い期間である。そのため
、図6における斜線で示されるように、燃料ポンプからの吐出量が燃料要求量を下回る状態では、デリバリパイプにおける燃圧の維持が困難となり、ひいては燃圧が一定であることを前提として所定の燃料噴射時間で噴射される実際の燃料噴射量とその要求値との間に誤差を発生させてしまう。
、図6における斜線で示されるように、燃料ポンプからの吐出量が燃料要求量を下回る状態では、デリバリパイプにおける燃圧の維持が困難となり、ひいては燃圧が一定であることを前提として所定の燃料噴射時間で噴射される実際の燃料噴射量とその要求値との間に誤差を発生させてしまう。
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料噴射機構から燃料タンクへの還流を可能にする内燃機関の燃料供給装置において、還流通路の流通状態の切替えの際に燃料供給不足を抑制する内燃機関の燃料供給装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、燃料噴射機構へ供給する燃料の吐出圧力を変更可能にする燃料ポンプと、前記燃料噴射機構の余剰燃料を燃料タンクへ還流する還流通路の流通の許可と禁止とを切替える切替弁とを備え、前記燃料ポンプが第1の吐出圧力で稼動している場合に前記還流通路の流通を禁止し、前記燃料ポンプが前記第1の吐出圧力よりも高い第2の吐出圧力で稼動している場合に前記還流通路の流通を許可する内燃機関の燃料供給装置であって、前記燃料ポンプの稼動状態を前記第1の吐出圧力から前記第2の吐出圧力へ変更する際には、前記燃料ポンプの吐出圧力を前記第1の吐出圧力から昇圧して所定時間を経過した後に前記還流通路の流通を許可することを要旨とする。
請求項1に記載の発明は、燃料噴射機構へ供給する燃料の吐出圧力を変更可能にする燃料ポンプと、前記燃料噴射機構の余剰燃料を燃料タンクへ還流する還流通路の流通の許可と禁止とを切替える切替弁とを備え、前記燃料ポンプが第1の吐出圧力で稼動している場合に前記還流通路の流通を禁止し、前記燃料ポンプが前記第1の吐出圧力よりも高い第2の吐出圧力で稼動している場合に前記還流通路の流通を許可する内燃機関の燃料供給装置であって、前記燃料ポンプの稼動状態を前記第1の吐出圧力から前記第2の吐出圧力へ変更する際には、前記燃料ポンプの吐出圧力を前記第1の吐出圧力から昇圧して所定時間を経過した後に前記還流通路の流通を許可することを要旨とする。
こうした構成において還流通路の禁止状態から還流通路の許可状態へ移行する時、燃料ポンプからの燃料の流動形態は、還流通路の還流が禁止された定常的な非還流状態から還流通路の還流が許可された還流状態への切替えを強いられる。そのため、定常的な還流状態が実現されるまでの間に、こうした流動形態の強制的な切替えによって燃料ポンプに対する負荷が一旦急激に増加してしまう。この発明によれば、還流通路の禁止状態から還流通路の許可状態への移行するに先立って、まずは燃料ポンプに対する負荷が同じ状態の下で燃料ポンプの吐出圧力が第1の吐出圧力よりも高くなることから、燃料ポンプに対する負荷が一旦急増する前に、予め燃料ポンプの吐出量を増加させておくことができる。また、こうした吐出量の増加期間が所定時間に設定されるため、上述する負荷の急増期間が極端に長い場合であれ、吐出量を予め増加させておくことができる。その結果、還流通路の流通状態の切替えの際に燃料ポンプに対する過渡的な負荷の急増が発生しても、燃料供給不足を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、前記燃料ポンプの稼動状態を前記第1の吐出圧力から前記第2の吐出圧力へ変更する際には、前記燃料ポンプの吐出圧力を前記第1の吐出圧力から前記第2の吐出圧力へ昇圧して前記所定時間を経過した後に前記還流通路の流通を許可することを要旨とする。
この発明によれば、還流通路の流通状態を切替えるに先立って燃料ポンプの吐出圧力が第2の吐出圧力へ昇圧されるため、燃料の流動形態が定常的な還流状態になるまでの期間を短縮することができ、第2の吐出圧力に即した吐出量を短時間で実現することができる。また、こうした還流通路における流通状態を円滑に切替える上で、燃料ポンプの取るべき吐出圧力を第1の吐出圧力と第2の吐出圧力とに限定することができる。それゆえ、燃料ポンプの吐出圧力を連続的に変更する構成に比べて、燃料ポンプの吐出圧力を変更するための構成を簡便にすることができる。
請求項3に記載の発明は、前記燃料噴射機構における燃圧が第1の燃圧以上になると開弁する低圧レギュレータを介して前記燃料噴射機構に接続されて前記燃料噴射機構の余剰燃料を前記燃料タンクへ戻す低圧リターン通路と、前記燃料噴射機構における燃圧が前記第1の燃圧よりも高い第2の燃圧以上になると開弁する高圧レギュレータを介して前記燃
料噴射機構に接続されて前記燃料噴射機構内の余剰燃料を前記燃料タンクへ戻す前記還流通路である高圧リターン通路とを備え、前記切替弁は、前記低圧リターン通路を開放することにより前記高圧リターン通路の流通を禁止し、前記低圧リターン通路を閉鎖することにより前記高圧リターン通路の流通を許可することを要旨とする。
料噴射機構に接続されて前記燃料噴射機構内の余剰燃料を前記燃料タンクへ戻す前記還流通路である高圧リターン通路とを備え、前記切替弁は、前記低圧リターン通路を開放することにより前記高圧リターン通路の流通を禁止し、前記低圧リターン通路を閉鎖することにより前記高圧リターン通路の流通を許可することを要旨とする。
こうした構成において還流通路の流通状態を切替える時、燃料の流動形態は定常的な低圧リターン通路における流通から高圧リターン通路への流通へ強制的に切替えられる。しかも燃料噴射機構内の燃圧が第2の燃圧に昇圧されるまでは高圧リターン通路が高圧レギュレータにより閉鎖される。そのため、還流通路の流通状態を切替える時には、単なる通路の切替えに加えて、さらに流通先が閉鎖されているために、燃料ポンプに対する負荷が一層に急増してしまう。この発明によれば、還流通路の流通状態を切替えるに先立って、まずは低圧リターン通路の下で燃料ポンプの吐出圧力が第1の吐出圧力よりも高くなることから、燃料ポンプに対する負荷が一旦急増する前に、予め燃料ポンプの吐出量を増加させておくことができる。この結果、還流通路の流通状態を切替える際には、流通先の通路である高圧リターン通路が高圧レギュレータにより閉鎖されている場合であっても、内燃機関への燃料供給不足を抑制することができる。
請求項4に記載の発明は、前記燃料ポンプの吐出圧力を前記第2の吐出圧力にする指令である昇圧指令信号を前記燃料ポンプに出力し、前記昇圧指令信号の出力時から前記所定時間だけ経過した後に、前記切替弁を切替える指令である切替指令信号を前記切替弁に出力することを要旨とする。
この発明によれば、燃料ポンプに対する負荷が過渡的に急増する期間に関して同期間が極度に短い場合であれ、吐出量を予め増加させておくことができる。その結果、還流通路の流通状態を切替える際には、燃料ポンプに対する過渡的な負荷の急増が発生しても、内燃機関への燃料供給不足を抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、前記内燃機関からの燃料要求量が増加する機関運転状態では、前記還流通路の流通を禁止した場合における前記燃料ポンプの吐出量が前記燃料要求量よりも高いときに前記昇圧指令信号を前記燃料ポンプに出力することを要旨とする。
この発明によれば、燃料ポンプを第2の吐出圧力にするタイミング、言い換えれば燃料ポンプの吐出量を予め増加させておくタイミングが燃料要求量に基づいて決定されて、燃料ポンプの吐出量が燃料要求量よりも高い状態からさらに吐出量が増加される。それゆえ、内燃機関からの燃料要求量が増加する機関運転状態であっても、還流通路の流通状態を切替える際には、内燃機関への燃料供給不足を確実に抑制することができる。
以下、本発明にかかる内燃機関の燃料供給装置の一実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。図1はV型の気筒配列を有した8気筒の車載内燃機関に対して燃料を供給する燃料供給装置の概略構成を示したものである。
図1に示されるように、内燃機関にはその左右バンクに対応する一対のデリバリパイプ11R,11Lがそれぞれ設けられている。これらデリバリパイプ11R,11Lには各気筒に対応して4つのインジェクタ12がそれぞれ接続されている。各インジェクタ12は、その内部に配設されたニードル弁(図示略)を開閉動作させることにより、デリバリパイプ11R,11L内の燃料を各気筒に噴射供給する。
燃料タンク13の内部に設けられた燃料ポンプ14は、メイン通路15によって一方のデリバリパイプ11Rの一端に接続されている。この燃料ポンプ14は、DCブラシモー
タ等の直流モータ14aにより駆動される。直流モータ14aは、ドライバ14bを介してバッテリBに接続されるとともに、ドライバ14bからの駆動電圧に基づいて駆動制御される。また、このデリバリパイプ11Rの他端には連通管16を介して他方のデリバリパイプ11Lが接続されており、これらデリバリパイプ11R,11Lが直列に接続されることにより、燃料タンク13からの燃料がデリバリパイプ11Rからデリバリパイプ11Lに供給される。
タ等の直流モータ14aにより駆動される。直流モータ14aは、ドライバ14bを介してバッテリBに接続されるとともに、ドライバ14bからの駆動電圧に基づいて駆動制御される。また、このデリバリパイプ11Rの他端には連通管16を介して他方のデリバリパイプ11Lが接続されており、これらデリバリパイプ11R,11Lが直列に接続されることにより、燃料タンク13からの燃料がデリバリパイプ11Rからデリバリパイプ11Lに供給される。
デリバリパイプ11Lの下流側には、高圧レギュレータ17を介して還流通路である高圧リターン通路18が接続されている。高圧レギュレータ17は、各デリバリパイプ11R,11L内の燃料噴射圧(燃圧)を所定の圧力値である高噴射圧PH(本実施形態では、約400kPa程度:第2の燃圧)に調圧する調圧弁である。高圧レギュレータ17は、燃料ポンプ14から圧送される燃料によってデリバリパイプ11R,11L内の燃圧が上記高噴射圧PH以上になると開弁し、高圧リターン通路18を介して余剰燃料を燃料タンクに還流させることで燃圧を高噴射圧PHに調圧する。
一方、上記メイン通路15の上流側には、燃料タンク13の近傍に位置する部分に低圧レギュレータ19を備えた低圧リターン通路21が接続されている。低圧レギュレータ19は、各デリバリパイプ11R,11L内の燃圧を上記高噴射圧PHよりも低い圧力値である低噴射圧PL(本実施形態では、約284kPa程度:第1の燃圧)に調圧するための調圧弁である。低圧レギュレータ19は、燃料ポンプ14から圧送される燃料によってデリバリパイプ11R,11L内の燃圧が上記低噴射圧PL以上になると開弁して、低圧リターン通路21を介して余剰燃料を燃料タンクに還流させることで燃圧を低噴射圧PLに調圧する。
低圧リターン通路21には燃圧選択手段を構成する燃圧切替弁22が設けられている。燃圧切替弁22は、メイン通路15と低圧リターン通路21との間を連通状態と非連通状態とに切替える弁であり、開弁することにより上記低圧レギュレータ19を開弁可能な状態へ切替え、また閉弁することにより上記高圧レギュレータ17を開弁可能な状態に切替える。
そして、燃圧切替弁22の開状態では、メイン通路15から低圧リターン通路21に燃料が還流するようになるため、デリバリパイプ11R,11L内の燃圧が上昇して高圧レギュレータ17が開弁する前に、低圧レギュレータ19の開弁により燃圧が低噴射圧PLに調圧されるようになる。一方、燃圧切替弁22の閉状態では、メイン通路15から低圧リターン通路21に燃料が還流しなくなるため、燃料ポンプ14からメイン通路15に供給された燃料の全てが各デリバリパイプ11R,11Lへ圧送されて高圧レギュレータ17の開弁により燃圧が高噴射圧PHに調圧されるようになる。このように本実施形態の燃料供給装置では、燃圧切替弁22が開状態あるいは閉状態に選択されることにより、デリバリパイプ11R,11Lの燃圧が高噴射圧PHである高燃圧状態あるいは低噴射圧である低燃圧状態に選択される。
なお、こうした構成において各デリバリパイプ11R,11Lの燃圧を低燃圧状態から高燃圧状態へ移行する時、燃料ポンプ14からの燃料の流動形態は、低圧リターン通路21を利用した定常的な還流状態から高圧リターン通路18を利用した還流状態への切替えを強いられる。さらに、デリバリパイプ11R,11L内の燃圧が高噴射圧PHになるまでは高圧リターン通路18が高圧レギュレータ17により閉鎖される。そのため、低燃圧状態から高燃圧状態への移行時には、単なるリターン通路の切替えにより燃料ポンプ14に対する負荷が一旦急激に増加し、さらに移行直後において流通先が閉鎖されているために一層に負荷が増加してしまう。その結果、こうした過渡的な期間では、デリバリパイプ11R,11Lへの供給量である燃料ポンプ14の吐出量が、高燃圧状態における定常的
な吐出量よりも一旦急激に減少してしまう。
な吐出量よりも一旦急激に減少してしまう。
次に、上記燃料供給装置に対する各種制御について以下に説明する。上記燃料供給装置に対する各種制御は、車両に搭載された制御装置である電子制御装置41(図1参照)によって実行される。
電子制御装置41は、上記燃料供給装置の各種制御にかかる演算処理を実行する演算部と、各種制御に必要なプログラムやデータ、さらには上記演算部の演算結果が一時的に記憶される記憶部と、外部との間で信号を入出力するための入出力ポートとを備えている。
電子制御装置41の入力ポートには、機関運転状態を検出するための各種センサからの検出信号が入力される。具体的には、燃圧切替弁22からは、同燃圧切替弁22が開状態であるか閉状態であるかを示す検出信号、換言すれば燃圧が高噴射圧PHであるか低噴射圧PLであるかを示す検出信号が入力される。また、クランクシャフト(図示略)の近傍に設けられた回転速度センサ42からは、内燃機関の回転速度NEを示す検出信号が前記入力ポートに入力される。各気筒に連通する吸気通路(図示略)に設けられたエアフロメータ43からは、吸入空気量GAを示す検出信号が入力される。さらに、内燃機関の排気管25において、三元触媒26の上流に設けられた酸素濃度センサ44からは、排気の酸素濃度に示す検出信号が入力される。
一方、電子制御装置41の出力ポートには、インジェクタ12、燃圧切替弁22、ドライバ14bを介して燃料ポンプ14などがそれぞれ電気的に接続されている。電子制御装置41は、上記各センサからの検出信号に基づいて内燃機関の運転状態を把握し、その時々の機関運転状態に応じた燃料噴射制御、燃料ポンプ14及び燃圧切替弁22を利用した燃圧選択制御、さらには燃圧切替弁22の開閉制御である燃圧切替制御などを実行すべく、出力ポートを介して各種指令信号を上記各部へ出力する。
電子制御装置41が実行する燃料噴射制御では、まず理論空燃比を得るための基準燃料噴射量を吸入空気量GA及び回転速度NEに対応付けた燃料噴射量マップを利用して、検出値である吸入空気量GA及び回転速度NEが同燃料噴射量マップに適用されることにより基準燃料噴射量が算出される。また、前回の燃料噴射における燃料噴射量の要求値(燃料噴射量TAU)と、酸素濃度センサ44の検出値である酸素濃度とに基づいて前回の燃料噴射における実空燃比が求められて、この実空燃比と理論空燃比との乖離度合に基づいて燃料噴射量TAUに関わるフィードバック補正量が算出される。そして、これらフィードバック補正量と上記基準燃料噴射量とに基づいて今回の燃料噴射制御における燃料噴射量TAUが算出される。
燃料噴射量TAUが算出されると、電子制御装置41が実行する燃料噴射制御では、クランク角に応じて回転速度センサ42から出力されるパルスが利用されて、回転速度NEに応じた燃料噴射時期が算出される。こうした燃料噴射時期の算出としては、例えば燃料噴射時期が上死点等の基準クランク角に対する進角値として設定されており、最適燃焼を得るための燃料噴射時期を吸入空気量GA及び回転速度NEに対応付けたマップ、いわば噴射時期マップが利用される。そして、吸入空気量GA及び回転速度NEがこの噴射時期マップに適用されることにより燃料噴射時期が算出される。
燃料噴射時期が算出されると、電子制御装置41が実行する燃料噴射制御では、燃圧切替弁22が開状態であるか閉状態であるかを示すフラグに基づいてデリバリパイプ11R,11L内が低燃圧状態であるか高燃圧状態であるかの判断がなされる。そして、その時々の燃圧状態に応じて燃料噴射量TAUに対するインジェクタ12の開弁時間、すなわち燃料噴射時間が算出されて、同燃料噴射時間に応じてインジェクタ12を駆動制御して燃
料供給装置の燃料噴射制御が実行される。
料供給装置の燃料噴射制御が実行される。
一方、上記燃料噴射量TAUが算出されると、電子制御装置41が実行する燃圧選択制御では、単位時間当たりに内燃機関に要求される燃料量である燃料要求量Qdが算出される。燃料要求量Qdの算出に際しては、例えば燃料噴射量TAU及び回転速度NEに燃料要求量Qdを対応付けたマップである燃料要求量マップや所定の演算式が利用されて、上記燃料噴射量TAUと検出値である回転速度NEとが燃料要求量マップや演算式に適用されることにより燃料要求量Qdが算出される。
こうした燃料要求量Qdが算出されると、電子制御装置41が実行する燃圧選択制御では、燃料ポンプ14の吐出圧力と相関する相関値である駆動電圧が、その燃料要求量Qdに基づいて電子制御装置41により選択される。この駆動電圧の選択に際しては、最も低い吐出圧力に相当する低レベルの電位である低駆動電圧LOと、最も高い吐出圧力に相当する高レベルの電位である高駆動電圧HIと、これらの中間の吐出圧力に相当する中間レベルの電位である中間駆動電圧MIDとの中から、上記燃料要求量Qdに応じて1つの駆動電圧が選択される。そして、燃料要求量Qdが切替燃料要求量Qd2以上である場合には、電子制御装置41により前記高駆動電圧HIが選択されて、燃料要求量Qdが切替燃料要求量Qd2よりも低い場合には前記中間駆動電圧MIDが選択されて、燃料要求量Qdがさらに低い領域では前記低駆動電圧LOが選択される。
なお、燃料ポンプ14から吐出される燃料の吐出量は、こうした駆動電圧と燃料ポンプ14に対する負荷とに応じて変動する。図2は、燃料ポンプ14の吐出量であるポンプ吐出量Qと上記駆動電圧との関係を定常的な低燃圧状態及び高燃圧状態について例示したものである。図2に示されるように、デリバリパイプ11R,11L内が低燃圧状態である場合、低駆動電圧LOで燃料ポンプ14が駆動されると吐出量Q1の燃料が吐出され、中間駆動電圧MIDにて駆動されると吐出量Q1よりも高い吐出量Q2の燃料が吐出され、高駆動電圧HIにて駆動されると吐出量Q2よりも高い吐出量Q4が吐出される。
一方、デリバリパイプ11R,11L内が高燃圧状態である場合には、低圧レギュレータ19と高圧レギュレータ17との差異などにより燃料ポンプ14に対する負荷が低燃圧状態に比べて高くなることから、例えば上記高駆動電圧HIにて燃料ポンプ14が駆動されると、燃料ポンプ14からの吐出量は上記吐出量Q4よりも低い吐出量Q3になる。しかも、低燃圧状態から高燃圧状態への移行時には、上述するように燃料ポンプ14に対する負荷が一旦急激に増加してしまうために、燃料ポンプ14のポンプ吐出量Qは高燃圧状態における定常的な吐出量Q3よりもさらに減少する。
そこで、電子制御装置41が実行する燃圧選択制御では、こうしたポンプ吐出量Qの変動に伴う燃料供給不足を抑えるべく、低燃圧状態から高燃圧状態への移行に際して、燃料要求量Qdが閾値である切替燃料要求量Qd2よりも高いことを条件として燃圧切替制御が実行される。
すなわち、電子制御装置41が実行する燃圧選択制御では、燃料要求量Qdが切替燃料要求量Qd2になると、まずは燃圧切替弁22が開状態であることを条件として燃料ポンプ14の吐出圧力を昇圧する指令である昇圧指令信号が電子制御装置41から燃料ポンプ14に出力されて、この昇圧指令信号の出力時からの経過時間が計時される。その後、この昇圧指令信号の出力時からの経過時間が待機期間Δtだけ経過すると、燃圧切替弁22を閉弁する指令である切替指令信号が電子制御装置41から燃圧切替弁22に出力される。なお、上記切替燃料要求量Qd2とは、定常的な低燃圧状態におけるポンプ吐出量Qに基づいて予め設定された燃料要求量であり、燃料要求量Qdが増加する機関運転状態において低燃圧状態におけるポンプ吐出量Qよりも低い値に設定されている。
これにより、低燃圧状態から高燃圧状態への移行に先立って、まずは高圧リターン通路18の流通を禁止した状態で、すなわち燃料ポンプ14に対する負荷が同じ状態で燃料ポンプ14の吐出圧力が昇圧されて、燃料ポンプ14に対する低負荷状態の高い駆動電圧により高いポンプ吐出量Qが実現される。そして、後続する燃圧切替弁22の閉弁直前、すなわち燃料ポンプ14に対する負荷が一旦急激に増加する直前に、燃料ポンプ14の吐出量を予め増加させておくことができ、後続する過渡的な負荷の急増時においては燃料要求量Qdよりも高いポンプ吐出量Qを実現することができる。
次に、上記燃圧選択制御における制御の流れについて図3及び図5を参照して説明する。図3は燃圧選択制御における制御の流れを示すフローチャートであり、図5は時刻t0から時刻t4にかけて燃料要求量Qdが経時的に増加する場合における燃圧切替弁22の開閉状態、燃圧、及びポンプ吐出量Qの推移の一例を示すタイミングチャートである。なお、上記燃圧選択制御は内燃機関の始動時から繰り返し実行される。
図3に示されるように、電子制御装置41は、機関運転状態に基づいて算出された燃料噴射量TAU及び回転速度NEを燃料要求量マップなどに適用することにより内燃機関からの燃料要求量Qdを取得する(ステップS101)。燃料要求量Qdが所定の燃料要求量Qd1(図5参照)以下である場合には(ステップS102:YES)、電子制御装置41により駆動電圧として低駆動電圧LOが選択される(ステップS103)。また、燃料要求量Qdが所定の燃料要求量Qd1よりも高く、かつ所定の切替燃料要求量Qd2(図5参照)以下であった場合には(ステップS104:YES)、電子制御装置41により駆動電圧として中間駆動電圧MIDが選択される(ステップS104)。そして、上記低駆動電圧LOあるいは中間駆動電圧MIDが選択される場合には、これら低駆動電圧LOあるいは中間駆動電圧MIDが燃料ポンプ14に出力されるとともに、燃圧切替弁22を開弁するための指令信号が燃圧切替弁22に出力されることにより低燃圧状態が選択される(ステップS106)。
例えば、図5に示されるように、時刻t0では燃料要求量Qdが燃料要求量Qd1よりも小さいため、燃圧切替弁22が開状態である下で燃料ポンプ14が低駆動電圧LOにて駆動されて、メイン通路15に吐出量Q1が吐出される。燃料要求量Qdが増加して時刻t1にて燃料要求量Qd1となると、燃圧切替弁22が開状態である下で燃料ポンプ14の駆動電圧が低駆動電圧LOから中間駆動電圧MIDへと選択変更されて、ポンプ吐出量Qが吐出量Q1から吐出量Q2へと推移する。
一方、上述する燃圧選択制御において燃料要求量Qdが切替燃料要求量Qd2よりも高い場合には(ステップS104:NO)、電子制御装置41により駆動電圧としての高駆動電圧HIが燃料ポンプ14に出力され(ステップS106)。燃圧を切り替えるか否かを決定すべく、燃圧切替制御が実行される。
次に、上記燃圧切替制御における制御の流れについて図4及び図5を参照して説明する。図4は燃圧切替制御における制御の流れを示すフローチャートである。電子制御装置41が実行する燃圧切替制御では、算出された燃料要求量Qdに応じて燃圧を低燃圧状態あるいは高燃圧状態に選択するための燃圧切替弁22の開閉制御が実行される。
図4に示されるように、電子制御装置41が実行する燃圧切替制御では、燃圧切替弁22が開状態であることを条件に(ステップS201:YES)、上記高駆動電圧HIの出力時からの経過時間が所定の待機期間Δt(本実施形態では数百ms程度)になるまで待機する(ステップS202)。この間、低燃圧状態の選択が維持されながら高駆動電圧HIが燃料ポンプ14に出力されることにより、燃料ポンプ14のポンプ吐出量Qが吐出量
Q4まで増大する。そして、高駆動電圧HIの出力時からの経過時間が所定の待機期間Δtだけ経過すると、燃圧切替弁22を開状態から閉状態へ切り替えるべく、燃圧切替弁22に切替指令信号が出力されて、これにより高燃圧状態が選択される(ステップS203)。
Q4まで増大する。そして、高駆動電圧HIの出力時からの経過時間が所定の待機期間Δtだけ経過すると、燃圧切替弁22を開状態から閉状態へ切り替えるべく、燃圧切替弁22に切替指令信号が出力されて、これにより高燃圧状態が選択される(ステップS203)。
上記待機期間Δtとは、高燃圧状態への切替直前にポンプ吐出量Qを十分に高くするための時間であり、例えば低燃圧状態の選択を維持した状態で駆動電圧を中間駆動電圧MIDから高駆動電圧HIへ切り替えたときに、ポンプ吐出量Qが切替燃料要求量Qd2よりも十分に高い吐出量Q4に到達するまでの所要時間である。こうした待機期間Δtを採用することにより、待機期間Δtの間にポンプ吐出量Qを吐出量Q4まで増大させることができるため、待機期間Δtの経過後に燃料ポンプ14に対する負荷が一旦急激に増加しても、燃料要求量Qdよりも高いポンプ吐出量Qを実現することができる。
例えば、図5に示されるように、低燃圧状態の下にある時刻t2にて燃料要求量Qdが切替燃料要求量Qd2となると、まずは燃料ポンプ14の駆動電圧が中間駆動電圧MIDから高駆動電圧HIへと変更される。このとき、高駆動電圧HIに応じた吐出圧力が低燃圧状態の下で加えられることから、ポンプ吐出量Qが吐出量Q2から吐出量Q4へと推移する。続いて、時刻t2から上記待機期間Δtだけ経過した時刻t3にて、燃圧切替弁22が閉弁されることにより、低燃圧状態から高燃圧状態へと切替えられる。この燃料圧力の切替えにより、燃料ポンプ14は高駆動電圧HI及び高燃圧状態の下で駆動されることから、ポンプ吐出量Qは吐出量Q4から吐出量Q3へと推移する。
この際、燃圧切替弁22の閉弁を燃料ポンプ14の駆動電圧の変更時から待機期間Δtだけ遅らせることにより、ポンプ吐出量Qを吐出量Q4とすることができ、待機期間Δtの経過後に燃料ポンプ14への負荷が一旦急増しても、予めポンプ吐出量Qを増量させておくことで燃料供給不足に陥ることを回避することができる。それゆえに、燃料圧力を高燃圧状態に切替えた直後であっても、算出された燃料噴射量TAUを確実に実現することができる。
また、燃料供給不足である場合には、燃料噴射量TAUに対する実際の燃料噴射量は少なくなることから、各気筒内における燃焼状態はリーン状態となる。そのような場合には排気管25の三元触媒26の酸化が促進されるため同三元触媒26の高温化や気筒内における失火などを招いてしまう。しかしながら、上述した燃料供給装置にあっては、所望の燃料噴射量TAUを確実に実現することができることから、燃料供給不足に起因する三元触媒26の高温化、並びに気筒内における失火をも回避することができる。
ちなみに、燃料要求量Qdが切替燃料要求量Qd2よりも高い場合であって燃圧切替弁22が閉状態である場合には(ステップS201:NO)、電子制御装置41により燃圧切替弁22の閉状態が維持されて定常的な高燃圧状態の下で吐出量Q3の燃料が供給される。例えば、図5に示されるように、高燃圧状態の下にある時刻t4では燃料要求量Qdが切替燃料要求量Qd2よりも高いため、燃圧切替弁22の閉状態が維持されて吐出量Q3の燃料が供給され続ける。
以上説明したように、本実施形態における内燃機関の燃料供給装置によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態によれば、燃料要求量Qdに基づいて燃料ポンプ14の駆動電圧の選択変更と燃圧切替弁22による燃圧切替とが実行される際に、燃料ポンプ14の駆動電圧の変更から待機期間Δtだけ経過した後に燃圧切替弁22による燃圧切替を実行した。これにより、同待機期間Δtの分だけ燃料ポンプ14を低燃圧状態の下で駆動させることができ、高燃圧状態を選択する直前にポンプ吐出量Qを吐出量Q4まで増大させることが
できる。そして、燃圧切替弁22による燃圧切替によって、たとえ燃料ポンプ14への負荷が一旦急増してポンプ吐出量Qが一時的に低下しても、予めポンプ吐出量Qを増量させておくことで燃料供給不足に陥ることを抑制することができる。その結果、燃料圧力を高燃圧状態に切替えた直後であっても、算出された燃料噴射量TAUを確実に実現することができ、燃圧切替時における運転性の低下を回避することができる。
(1)上記実施形態によれば、燃料要求量Qdに基づいて燃料ポンプ14の駆動電圧の選択変更と燃圧切替弁22による燃圧切替とが実行される際に、燃料ポンプ14の駆動電圧の変更から待機期間Δtだけ経過した後に燃圧切替弁22による燃圧切替を実行した。これにより、同待機期間Δtの分だけ燃料ポンプ14を低燃圧状態の下で駆動させることができ、高燃圧状態を選択する直前にポンプ吐出量Qを吐出量Q4まで増大させることが
できる。そして、燃圧切替弁22による燃圧切替によって、たとえ燃料ポンプ14への負荷が一旦急増してポンプ吐出量Qが一時的に低下しても、予めポンプ吐出量Qを増量させておくことで燃料供給不足に陥ることを抑制することができる。その結果、燃料圧力を高燃圧状態に切替えた直後であっても、算出された燃料噴射量TAUを確実に実現することができ、燃圧切替時における運転性の低下を回避することができる。
(2)また、上記実施形態によれば、高燃圧状態に切替直後であっても所望の燃料噴射量TAUを確実に実現することができることから、燃料供給不足に起因する三元触媒26の高温化、並びに気筒内における失火をも回避することができる。
(3)上記実施形態では、電子制御装置41は、燃料要求量Qdが切替燃料要求量Qd2を超えてから、ポンプ吐出量Qが確実に吐出量Q4となるための待機期間Δtだけ経過後に燃圧切替弁22を閉弁して高燃圧状態とした。これにより、燃圧切替時には確実に燃料ポンプ14から吐出量Q4が吐出されていることから、燃料供給不足を確実に回避することができる。
(4)上記実施形態では、電子制御装置41は、高燃圧状態を選択する直前に燃料ポンプ14に印加する駆動電圧を高駆動電圧HIまで昇圧した。これにより、高燃圧状態への燃圧切替後に燃料ポンプ14の駆動電圧を変更する必要がなくなり、駆動電圧の変更に起因する供給通路内の不要な圧力変動の発生を回避することができる。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、燃料要求量Qdが切替燃料要求量Qd2を超えたときには、燃料ポンプ14の駆動電圧を高燃圧状態時に印加する高駆動電圧HIまで昇圧した。これに限らず、ポンプ吐出量Qを増大させて燃料供給不足を抑制できるのであれば、例えば駆動電圧を中間駆動電圧MIDと高駆動電圧HIとの間に相当する駆動電圧を過渡時における駆動電圧として採用してもよいし、あるいは高駆動電圧HIよりも高い駆動電圧を過渡時における駆動電圧に採用してもよい。
・上記実施形態では、燃料要求量Qdが切替燃料要求量Qd2を超えたときには、燃料ポンプ14の駆動電圧を高燃圧状態時に印加する高駆動電圧HIまで昇圧した。これに限らず、ポンプ吐出量Qを増大させて燃料供給不足を抑制できるのであれば、例えば駆動電圧を中間駆動電圧MIDと高駆動電圧HIとの間に相当する駆動電圧を過渡時における駆動電圧として採用してもよいし、あるいは高駆動電圧HIよりも高い駆動電圧を過渡時における駆動電圧に採用してもよい。
・上記実施形態の切替燃料要求量Qd2は、低燃圧状態の中間駆動電圧MIDにより得られるポンプ吐出量Q(吐出量Q2)よりも低くなるように設定されているが、この切替燃料要求量Qd2は吐出量Q2と同じ値であってもよい。すなわち、切替燃料要求量Qd2は、低燃圧状態下の高駆動電圧HIにより得られるポンプ吐出量Qよりも十分に低い値であればよく、こうした構成においても上記と同様の効果を得ることができる。
・上記実施形態では、燃料要求量Qdが増加する機関運転状態に対して燃圧切替制御を適用する例を説明したが、上記燃圧切替制御は燃料要求量Qdが略一定となる機関運転状態であっても、低燃圧状態から高燃圧状態への移行がある場合には、予めポンプ吐出量Qを増量させておくことで燃料供給不足を抑制することができる。
・上記実施形態では、燃料要求量Qdに応じて燃料ポンプ14に印加する駆動電圧を低駆動電圧LO、中間駆動電圧MID、高駆動電圧HIの3つの駆動電圧から選択させた。これに限らず、燃料ポンプ14に印加する駆動電圧を変更する上では、燃料要求量Qdに応じて例えば4つあるいは5つの駆動電圧を予め設定しておいてもよいし、燃料要求量Qd毎に駆動電圧を設定するようにしてもよい。
・上記実施形態では、燃料ポンプ14の駆動電圧を変更してから待機期間Δtだけ経過した後に燃圧切替弁22を開閉制御して高燃圧状態へと移行させた。これに限らず、駆動電圧の変更後に燃圧切替を実行する上では、例えば燃料要求量Qdが切替燃料要求量Qd2よりも所定量だけ増加した際に燃圧切替を実行するようにしてもよい。
・上記実施形態では、内燃機関からの燃料要求量Qdを燃料噴射量TAUと回転速度NEとに基づいて算出したが、これに限らず、燃料要求量Qdを得る上では、例えばメイン通路15に流量計などを設けて、その検出値に基づいて燃料要求量Qdを取得してもよい。
・上記実施形態では、デリバリパイプ11R,11Lを連通管16で連結し、デリバリパイプ11R,11Lを直列に接続した。これに限らず、メイン通路15を分岐させて、各デリバリパイプ11R,11Lのそれぞれに接続して、並列に接続するようにしてもよい。なお、この場合には、各デリバリパイプ11R,11Lのそれぞれに高圧レギュレータ17を設けることが望ましい。
・上記実施形態では、1つの電子制御装置41によって内燃機関の燃料供給装置を制御したが、複数の電子制御装置によって具体化してもよい。
・上記実施形態では内燃機関の燃料を特に限定しなかったが、本発明は、ガソリン式の内燃機関、あるいはアルコール燃料とガソリン燃料とが混合された燃料を使用可能なフレキシブルフューエルビークル(FFV:Flexible Fuel Vehicle)用の内燃機関などに適用することができる。
・上記実施形態では内燃機関の燃料を特に限定しなかったが、本発明は、ガソリン式の内燃機関、あるいはアルコール燃料とガソリン燃料とが混合された燃料を使用可能なフレキシブルフューエルビークル(FFV:Flexible Fuel Vehicle)用の内燃機関などに適用することができる。
・上記実施形態の内燃機関では、各気筒への燃料の供給方式を特に限定しなかったが、本発明は、インジェクタ12から各気筒の吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射式やインジェクタ12が気筒内に直接燃料を噴射する筒内噴射式の内燃機関に適用することができる。
・上記実施形態では、2つの気筒配列を有するV型の内燃機関に具体化したが、これに限らず、デリバリパイプが配設されている内燃機関であればよく、例えば、水平対向型の内燃機関や、気筒配列が1つである直列型の内燃機関に具体化しても同様の作用・効果を得ることができる。
B…バッテリ、GA…吸入空気量、HI…高駆動電圧、LO…低駆動電圧、MID…中間駆動電圧、NE…回転速度、PH…高噴射圧、PL…低噴射圧、Q…ポンプ吐出量、Q1,Q2,Q3,Q4…吐出量、Qd,Qd1…燃料要求量、Qd2…切替燃料要求量、t0,t1,t2,t3,t4…時刻、TAU…燃料噴射量、Δt…待機期間、11R,11L…デリバリパイプ、12…インジェクタ、13…燃料タンク、14…燃料ポンプ、
14a…直流モータ、14b…ドライバ、15…メイン配管、16…連通管、17…高圧レギュレータ、18…高圧リターン通路、19…低圧レギュレータ、21…低圧リターン通路、22…燃圧選択弁、25…排気管、26…三元触媒、41…電子制御装置、42…回転速度センサ、43…エアフロメータ、44…酸素濃度センサ。
14a…直流モータ、14b…ドライバ、15…メイン配管、16…連通管、17…高圧レギュレータ、18…高圧リターン通路、19…低圧レギュレータ、21…低圧リターン通路、22…燃圧選択弁、25…排気管、26…三元触媒、41…電子制御装置、42…回転速度センサ、43…エアフロメータ、44…酸素濃度センサ。
Claims (5)
- 燃料噴射機構へ供給する燃料の吐出圧力を変更可能にする燃料ポンプと、
前記燃料噴射機構の余剰燃料を燃料タンクへ還流する還流通路の流通の許可と禁止とを切替える切替弁とを備え、
前記燃料ポンプが第1の吐出圧力で稼動している場合に前記還流通路の流通を禁止し、前記燃料ポンプが前記第1の吐出圧力よりも高い第2の吐出圧力で稼動している場合に前記還流通路の流通を許可する内燃機関の燃料供給装置であって、
前記燃料ポンプの稼動状態を前記第1の吐出圧力から前記第2の吐出圧力へ変更する際には、前記燃料ポンプの吐出圧力を前記第1の吐出圧力から昇圧して所定時間を経過した後に前記還流通路の流通を許可することを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。 - 前記燃料ポンプの稼動状態を前記第1の吐出圧力から前記第2の吐出圧力へ変更する際には、前記燃料ポンプの吐出圧力を前記第1の吐出圧力から前記第2の吐出圧力へ昇圧して前記所定時間を経過した後に前記還流通路の流通を許可する
請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装置。 - 前記燃料噴射機構における燃圧が第1の燃圧以上になると開弁する低圧レギュレータを介して前記燃料噴射機構に接続されて前記燃料噴射機構の余剰燃料を前記燃料タンクへ戻す低圧リターン通路と、
前記燃料噴射機構における燃圧が前記第1の燃圧よりも高い第2の燃圧以上になると開弁する高圧レギュレータを介して前記燃料噴射機構に接続されて前記燃料噴射機構内の余剰燃料を前記燃料タンクへ戻す前記還流通路である高圧リターン通路とを備え、
前記切替弁は、前記低圧リターン通路を開放することにより前記高圧リターン通路の流通を禁止し、前記低圧リターン通路を閉鎖することにより前記高圧リターン通路の流通を許可する
請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料供給装置。 - 前記燃料ポンプの吐出圧力を前記第2の吐出圧力にする指令である昇圧指令信号を前記燃料ポンプに出力し、前記昇圧指令信号の出力時から前記所定時間だけ経過した後に、前記切替弁を切替える指令である切替指令信号を前記切替弁に出力する
請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料供給装置。 - 前記内燃機関からの燃料要求量が増加する機関運転状態では、前記還流通路の流通を禁止した場合における前記燃料ポンプの吐出量が前記燃料要求量よりも高いときに前記昇圧指令信号を前記燃料ポンプに出力する
請求項4に記載の内燃機関の燃料供給装置。
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- 2008-07-15 JP JP2008183871A patent/JP2010024852A/ja active Pending
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