JP2009293085A - ポリオレフィン系樹脂又はポリアセタール系樹脂を基材とするめっき物 - Google Patents
ポリオレフィン系樹脂又はポリアセタール系樹脂を基材とするめっき物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009293085A JP2009293085A JP2008148205A JP2008148205A JP2009293085A JP 2009293085 A JP2009293085 A JP 2009293085A JP 2008148205 A JP2008148205 A JP 2008148205A JP 2008148205 A JP2008148205 A JP 2008148205A JP 2009293085 A JP2009293085 A JP 2009293085A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fine particles
- polyolefin
- polymer fine
- polymer
- coating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Abstract
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂又はポリアセタール系樹脂基材上に、還元性高分子微粒子及びオレフィン系ポリマーを含む下地塗料を塗布して塗膜層を形成するか、又は、前記基材上に、導電性高分子微粒子及びオレフィン系ポリマーを含む下地塗料を塗布し、該導電性高分子微粒子を脱ドープ処理して塗膜層を形成し、そして該塗膜層に無電解めっき液から金属膜を化学めっきすることにより製造されるめっき物であって、
前記オレフィン系ポリマーは、塩素化ポリオレフィン又はポリオレフィン/不飽和ジカルボン酸無水物共重合体であり、前記下地塗料中における前記還元性高分子微粒子又は前記導電性高分子微粒子と前記オレフィン系ポリマーの質量比は、3:20ないし3:150の範囲であることを特徴とするめっき物。
【選択図】なし
Description
また、ポリアセタール系樹脂基材を用いる場合は、「無電解めっき 基礎と応用」(日刊工業新聞社 2002年4月30日 初版6刷発行 p141 6.1[3])(非特許文献1)に記載されるように、クロム酸を用いるエッチングでは、ポリアセタール系樹脂基材が分解・破壊されてしまうため、リン酸若しくは塩酸、硫酸で加熱しながらエッチング処理するという方法が提言されており、また、特表2007−521363号公報(特許文献2)に記載されるように、ポリアセタール系樹脂基材とめっき金属との高い密着性を可能とするために、あらかじめポリアセタール系樹脂基材中に酸可溶性粒子を添加しておき、酸エッチング処理を行った際、前記酸可溶性粒子が溶解してポリアセタール系樹脂基材表面に、投錨効果によりめっき金属との高い密着性を可能とする凹凸を形成するという方法が提言されている。
性に優れ、且つ密着性に優れる金属めっき膜が形成されためっき物であって、煩雑なエッチング処理等を行うことなく、簡易な無電解めっき法により製造することができるめっき物の提供を課題とする。
更に、無電解めっき処理を行う前に、ポリオレフィン系樹脂又はポリアセタール系樹脂基材上に、塩素化ポリオレフィン又はポリオレフィン/不飽和ジカルボン酸無水物共重合体を含むプライマー層を形成し、この上に還元性高分子微粒子と塩素化ポリオレフィン、ポリオレフィン/不飽和ジカルボン酸無水物共重合体又はカルボン酸基含有樹脂とを含み、前記高分子微粒子と前記有機ポリマーの質量比が特定の範囲内となる下地塗料を塗布して塗膜層を形成するか、又は、該プライマー層上に導電性高分子微粒子と前記有機ポリマーとを含み、前記高分子微粒子と前記有機ポリマーの質量比が特定の範囲内となる下地塗料を塗布して塗膜層を形成した後に、アルカリ処理等により、脱ドープして塗膜層中の高分子微粒子を還元性とすれば、薄くて平滑性に優れ、且つ密着性に優れる金属めっき膜が形成されためっき物が得られることを見出し、
本発明を完成させた。
(1)ポリオレフィン系樹脂又はポリアセタール系樹脂基材上に、還元性高分子微粒子及びオレフィン系ポリマーを含む下地塗料を塗布して塗膜層を形成するか、又は、前記基材上に、導電性高分子微粒子及びオレフィン系ポリマーを含む下地塗料を塗布し、該導電性高分子微粒子を脱ドープ処理して塗膜層を形成し、そして該塗膜層に無電解めっき液から金属膜を化学めっきすることにより製造されるめっき物であって、
前記オレフィン系ポリマーは、塩素化ポリオレフィン又はポリオレフィン/不飽和ジカルボン酸無水物共重合体であり、前記下地塗料中における前記還元性高分子微粒子又は前記導電性高分子微粒子と前記オレフィン系ポリマーの質量比は、3:20ないし3:150の範囲であることを特徴とするめっき物、
(2)ポリオレフィン系樹脂又はポリアセタール系樹脂基材上にプライマー層を形成し、
この上に還元性高分子微粒子及び有機ポリマーを含む下地塗料を塗布して塗膜層を形成するか、又は、該プライマー層上に導電性高分子微粒子及び有機ポリマーを含む下地塗料を塗布し、該導電性高分子微粒子を脱ドープ処理して塗膜層を形成し、そして該塗膜層に無電解めっき液から金属膜を化学めっきすることにより製造されるめっき物であって、
前記プライマー層は、塩素化ポリオレフィン又はポリオレフィン/不飽和ジカルボン酸無水物共重合体を含み、前記有機ポリマーは、塩素化ポリオレフィン、ポリオレフィン/不飽和ジカルボン酸無水物共重合体又はカルボン酸基含有樹脂であり、前記下地塗料中における前記還元性高分子微粒子又は前記導電性高分子微粒子と前記有機ポリマーの質量比は、3:20ないし3:150の範囲であることを特徴とするめっき物、
に関するものである。
これにより、強酸等の薬品に対して不安定であるポリオレフィン系樹脂又はポリアセタール系樹脂等においても、薄くて平滑性に優れ、且つ密着性に優れる金属めっき膜が形成されためっき物を得ることができる。
また、塗膜層の表面近くにおいては還元性高分子微粒子の存在比が高くなるため、表面上における触媒金属の吸着量が増加することになるが、これにより、形成する金属めっき膜は、比較的薄い塗膜層においても露出部(ムラ)がない均一なものとすることができる。
また、塗膜層の上側半分中に高分子微粒子の存在比が高くなる、例えば、60%以上の粒子が上側半分中に存在する構造は、還元性高分子微粒子又は導電性高分子微粒子とオレフィン系ポリマー又は有機ポリマー(バインダー)を含む塗料を基材上に塗布した後の乾燥温度と時間を工夫するだけで容易に達成することができる。
高分子微粒子(ポリピロール)はイオン化される、即ち、パラジウムによりドーピングされた状態となり、結果として導電性を発現する。
本発明は、ポリオレフィン系樹脂又はポリアセタール系樹脂基材上に、還元性高分子微粒子及びオレフィン系ポリマーを含む下地塗料を塗布して塗膜層を形成するか、又は、前記基材上に、導電性高分子微粒子及びオレフィン系ポリマーを含む下地塗料を塗布し、該導電性高分子微粒子を脱ドープ処理して塗膜層を形成し、そして該塗膜層に無電解めっき液から金属膜を化学めっきすることにより製造されるめっき物であって、
前記オレフィン系ポリマーは、塩素化ポリオレフィン又はポリオレフィン/不飽和ジカルボン酸無水物共重合体であり、前記下地塗料中における前記還元性高分子微粒子又は前記導電性高分子微粒子と前記オレフィン系ポリマーの質量比は、3:20ないし3:150の範囲であることを特徴とするめっき物に関する。
また、本発明に使用する基材は、コロナ処理、プラズマ処理等の公知の処理を行ってもよい。
また、還元性高分子微粒子としては、0.005S/cm以下の導電率を有する高分子微粒子が好ましい。
還元性高分子微粒子は、π−共役二重結合を有するモノマーから合成して使用する事ができるが、市販で入手できる還元性高分子微粒子を使用することもできる。
微粒子としては、導電性を有するπ−共役二重結合を有する高分子であれば特に限定されないが、例えば、ポリアセチレン、ポリアセン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン及びそれらの各種誘導体が挙げられ、好ましくは、ポリピロールが挙げられる。
導電性高分子微粒子は、π−共役二重結合を有するモノマーから合成して使用する事ができるが、市販で入手できる導電性高分子微粒子を使用することもできる。
上記塩素化ポリオレフィンとしては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化プロピレン等が挙げられる。ポリオレフィン/不飽和ジカルボン酸無水物共重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリブタジエン、ポリスチレン等のポリオレフィンと無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸無水物との共重合体が挙げられる。
前記質量比において、3:20よりもオレフィン系ポリマーの比率が低くなる場合には、塗膜層と基材間の密着性が弱くなり、結果として、剥離強度が低下し、3:150よりもオレフィン系ポリマーの比率が高くなる場合には、金属めっきの析出が悪くなり、結果として、めっき析出性及び表面の平滑性が低下する。
塩素原子の量が5質量%未満となると、金属めっき膜と塗膜層間の密着性を高く保てない場合があり、また、40質量%を超えると、基材と塗膜層間の密着性を高く保てない場合がある。
前記オレフィン系ポリマーとして、ポリオレフィン/不飽和ジカルボン酸無水物共重合体を使用する場合は、前記ポリオレフィン/不飽和ジカルボン酸無水物共重合体の固形分に対するジカルボン酸無水物の量を0.1ないし10質量%の範囲とするのが好ましい。
ジカルボン酸無水物の量が0.1質量%未満となると、金属めっき膜と塗膜層間の密着性を高く保てない場合があり、また、10質量%を超えると、基材と塗膜層間の密着性を高く保てない場合がある。
前記下地塗料に含み得る溶媒としては、前記オレフィン系ポリマーを溶解することができるものであれば特に限定されないが、基材を大きく溶解するものは好ましくない。但し、基材を大きく溶解する溶媒であっても、他の低溶解性の溶媒と混合することにより、溶解性を低下させて使用することが可能である。
前記下地塗料に含み得る溶媒としては、例えば、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類、トルエン等の芳香族溶媒、メチルエチルケトン等のケトン類、シクロヘキサン等の環状飽和炭化水素類、n−オクタン等の鎖状飽和炭化水素類、メタノール、エタノール、n−オクタノール等の鎖状飽和アルコール類、安息香酸メチル等の芳香族エステル類、ジエチルエーテル等の脂肪族エーテル類及びこれらの混合物等が挙げられる。
尚、導電性又は還元性の高分子微粒子として、予め有機溶媒に分散された分散液を使用する場合は、分散液に使用されている有機溶媒を下地塗料の溶媒の一部又は全部として使用することができる。
乾燥条件も特に限定されず、室温、又は加熱条件下で行うことができる。
加熱を行う場合の温度は、基材のTgより低い温度で行うことが好ましい。
具体的な方法としては、例えば、30ないし60℃の低い温度で長時間かけて乾燥したり、30ないし60℃の低い温度から徐々に温度を上げて乾燥することにより達成することができる。
2段階以上の異なった温度で乾燥する場合は、例えば、有機溶媒としてトルエンを使用した場合、40℃で10分間乾燥後、60℃で10分間乾燥し、その後80℃で10分間乾燥することにより塗膜層の上側半分の中に微粒子のうち60%以上の粒子が存在する構成とすることができる。
塗膜層の厚さを薄くし過ぎると、塗膜層を均一に形成することが困難となる場合があるため、塗膜層の厚さは0.5μm以上とするのが好ましい。また、塗膜層の膜厚を厚くしても、例えば、100μmを超えても塗膜強度を維持することは可能であるものの、塗膜層を厚くし過ぎると、バインダー(オレフィン系ポリマー、有機ポリマー)の種類や配合割合等によっては、塗膜強度が低下する場合があるため、塗膜層の厚さは100μm以下とするのが好ましい。
脱ドープ処理としては、還元剤、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム等の水素化ホウ素化合物、ジメチルアミンボラン、ジエチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン、トリエチルアミンボラン等のアルキルアミンボラン、及び、ヒドラジン等を含む溶液で処理して還元する方法、又は、アルカリ性溶液で処理する方法が挙げられる。
導電性高分子微粒子を用いて形成された層は、緩和な条件下で短時間のアルカリ処理により脱ドープを達成することが可能である。
例えば、1M 水酸化ナトリウム水溶液中で、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃の温度で、1ないし30分間、好ましくは3ないし10分間処理される。
上記の脱ドープ処理により、導電性の高分子微粒子を用いて形成された塗膜層中の高分子微粒子は還元されて、還元性高分子微粒子となる。
即ち、前記基材を塩化パラジウム等の触媒金属を付着させるための触媒液に浸漬した後
、水洗等を行い、無電解めっき浴に浸漬することによりめっき物を得ることができる。
好ましい、具体的な触媒液としては、0.05%塩化パラジウム−0.005%塩酸水溶液(pH3)が挙げられる。
処理温度は、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃であり、処理時間は、0.1ないし20分、好ましくは、1ないし10分である。
上記の操作により、塗膜中の還元性高分子微粒子は、結果的に、導電性高分子微粒子となる。
めっき液としては、通常、無電解めっきに使用されるめっき液であれば、特に限定されない。
即ち、無電解めっきに使用できる金属、銅、金、銀、ニッケル等、全て適用することができるが、銅が好ましい。
無電解銅めっき浴の具体例としては、例えば、ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)社製)等が挙げられる。
処理温度は、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃であり、処理時間は、1ないし30分、好ましくは、5ないし15分である。
得られためっき物は、使用した基材のTgより低い温度において、数時間以上、例えば、2時間以上養生するのが好ましい。
上記の方法により、煩雑なエッチング処理等を行うことなく、薄くて平滑性に優れ、且つ密着性に優れる金属めっき膜が形成されためっき物を製造することができる。
尚、上記めっき物は、基材(ポリオレフィン系樹脂又はポリアセタール系樹脂)、塗膜層(導電性高分子微粒子+オレフィン系ポリマー)及び金属めっき膜から構成される3層構造となる(例えば、図2参照。)。
前記プライマー層は、塩素化ポリオレフィン又はポリオレフィン/不飽和ジカルボン酸無水物共重合体を含み、前記有機ポリマーは、塩素化ポリオレフィン、ポリオレフィン/不飽和ジカルボン酸無水物共重合体又はカルボン酸基含有樹脂であり、前記下地塗料中における前記還元性高分子微粒子又は前記導電性高分子微粒子と前記有機ポリマーの質量比は、3:20ないし3:150の範囲であることを特徴とするめっき物にも関する。
上記塩素化ポリオレフィンとしては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化プロピレン等が挙げられる。ポリオレフィン/不飽和ジカルボン酸無水物共重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリブタジエン、ポリスチレン等のポリオレフィンと無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸無水物との共重合体が挙げられる。
塩素原子の量が5質量%未満となると、塗膜層とプライマー層間の密着性を高く保てない場合があり、また、40質量%を超えると、基材とプライマー層間の密着性を高く保てない場合がある。
ジカルボン酸無水物の量が0.1質量%未満となると、塗膜層とプライマー層間の密着性を高く保てない場合があり、また、10質量%を超えると、基材とプライマー層間の密着性を高く保てない場合がある。
前記プライマー塗料に含み得る溶媒としては、前記塩素化ポリオレフィン又はポリオレフィン/不飽和ジカルボン酸無水物共重合体を溶解することができるものであれば特に限定されないが、基材を大きく溶解するものは好ましくない。但し、基材を大きく溶解する溶媒であっても、他の低溶解性の溶媒と混合することにより、溶解性を低下させて使用することが可能である。
前記プライマー塗料に含み得る溶媒としては、例えば、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類、トルエン等の芳香族溶媒、メチルエチルケトン等のケトン類、シクロヘキサン等の環状飽和炭化水素類、n−オクタン等の鎖状飽和炭化水素類、メタノール、エタノール、n−オクタノール等の鎖状飽和アルコール類、安息香酸メチル等の芳香族エステル類、ジエチルエーテル等の脂肪族エーテル類及びこれらの混合物等が挙げられる。
乾燥条件も特に限定されず、室温、又は加熱条件下で行うことができる。
加熱を行う場合の温度は、基材のTgより低い温度で行うことが好ましい。
厚さが0.1μm未満であると塗膜層との高い密着性が保てない場合があり、厚さが50μmを超えると、充分な乾燥ができずに粘性が残り、基材と塗膜層に対する密着性が劣る場合がある。
共重合体又はカルボン酸基含有樹脂である。
上記塩素化ポリオレフィンとしては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化プロピレン等が挙げられる。ポリオレフィン/不飽和ジカルボン酸無水物共重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリブタジエン、ポリスチレン等のポリオレフィンと無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸無水物との共重合体が挙げられる。カルボン酸基含有樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、スチレン、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル等のオレフィン系モノマーと、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボン酸基を有するモノマーとのコポリマー、又は、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボン酸基を有するモノマーのホモポリマー等が挙げられる。
前記質量比において、3:20よりも有機ポリマーの比率が低くなる場合には、塗膜層とプライマー層間の密着性が弱くなり、結果として、剥離強度が低下し、3:150よりも有機ポリマーの比率が高くなる場合には、金属めっきの析出が悪くなり、結果として、めっき析出性及び表面の平滑性が低下する。
塗膜層の厚さを薄くし過ぎると、塗膜層を均一に形成することが困難となる場合があるため、塗膜層の厚さは0.5μm以上とするのが好ましい。また、塗膜層の膜厚を厚くしても、例えば、100μmを超えても塗膜強度を維持することは可能であるものの、塗膜層を厚くし過ぎると、バインダー(オレフィン系ポリマー、有機ポリマー)の種類や配合割合等によっては、塗膜強度が低下する場合があるため、塗膜層の厚さは100μm以下とするのが好ましい。
尚、上記めっき物は、基材(ポリオレフィン系樹脂又はポリアセタール系樹脂)、プライマー層、塗膜層(導電性高分子微粒子+有機ポリマー)及び金属めっき膜から構成される4層構造となる(例えば、図3参照。)。
還元性高分子微粒子は、有機溶媒と水とアニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤とを混合撹拌してなるO/W型の乳化液中に、π−共役二重結合を有するモノマーを添加し、該モノマーを酸化重合することにより製造することができる。
−フェニル−3−エチルピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−ブチルピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−n−プロポキシピロール、3−n−ブトキシピロール、3−フェニルピロール、3−トルイルピロール、3−ナフチルピロール、3−フェノキシピロール、3−メチルフェノキシピロール、3−アミノピロール、3−ジメチルアミノピロール、3−ジエチルアミノピロール、3−ジフェニルアミノピロール、3−メチルフェニルアミノピロール及び3−フェニルナフチルアミノピロール等のピロール誘導体、アニリン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、o−メトキシアニリン、m−メトキシアニリン、p−メトキシアニリン、o−エトキシアニリン、m−エトキシアニリン、p−エトキシアニリン、o−メチルアニリン、m−メチルアニリン及びp−メチルアニリン等のアニリン誘導体、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−n−ブチルチオフェン、3−n−ペンチルチオフェン、3−n−ヘキシルチオフェン、3−n−ヘプチルチオフェン、3−n−オクチルチオフェン、3−n−ノニルチオフェン、3−n−デシルチオフェン、3−n−ウンデシルチオフェン、3−n−ドデシルチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−ナフトキシチオフェン及び3,4−エチレンジオキシチオフェン等のチオフェン誘導体が挙げられ、好ましくは、ピロール、アニリン、チオフェン及び3,4−エチレンジオキシチオフェン等が挙げられ、より好ましくはピロールが挙げられる。
疎水性末端を複数有するアニオン系界面活性剤の中でも、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム(疎水性末端4つ)、スルホコハク酸ジ−2−エチルオクチルナトリウム(疎水性末端4つ)および分岐鎖型アルキルベンゼンスルホン酸塩(疎水性末端2つ)が好適に使用できる。
なかでも、芳香族系の有機溶媒であるトルエンやキシレンは、O/W型エマルションの安定性およびπ−共役二重結合を有するモノマーとの親和性の観点から好ましい。両性溶媒でもπ−共役二重結合を有するモノマーの重合を行うことはできるが、生成した還元性高分子微粒子を回収する際の有機相と水相との分離が困難になる。
(a)アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、有機溶媒および水を混合攪拌し乳化液を調製する工程、
(b)π−共役二重結合を有するモノマーを乳化液中に分散させる工程、
(c)モノマーを酸化重合させる工程、
(d)有機相を分液しポリマー微粒子を回収する工程。
ポリマー微粒子は球形の微粒子となるが、その平均粒径は、10〜100nmとするのが好ましい。
上記のように平均粒径の小さな微粒子にすることで、微粒子の表面積が極めて大きくなり、同一質量の微粒子でも、より多くの触媒金属を吸着できるようになり、それにより塗膜層の薄膜化が可能となる。
得られたポリマー微粒子の導電率は0.01S/cm未満であり、好ましくは、0.005S/cm以下である。
使用する導電性高分子微粒子は、例えば、有機溶媒と水とアニオン系界面活性剤とを混合撹拌してなるO/W型の乳化液中に、π−共役二重結合を有するモノマーを添加し、該モノマーを酸化重合することにより製造することができる。
反応系中での酸化剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対して0.1mol以上、0.8mol以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜0.6molである。0.1mol未満ではモノマーの重合度が低下し、導電性高分子微粒子を分液回収することが困難になり、一方、0.8mol以上では凝集して導電性高分子微粒子の粒径が大きくなり、分散安定性が悪化する。
(a)アニオン系界面活性剤、有機溶媒および水を混合攪拌し乳化液を調製する工程、
(b)π−共役二重結合を有するモノマーを乳化液中に分散させる工程、
(c)モノマーを酸化重合しアニオン系界面活性剤にポリマー微粒子を接触吸着させる工程、
(d)有機相を分液し導電性高分子微粒子を回収する工程。
ましくは20℃以下である。重合温度が25℃を越えると副反応が起こるので好ましくない。
ポリマー微粒子は球形の微粒子となるが、その平均粒径は、10〜100nmとするのが好ましい。
上記のように平均粒径の小さな微粒子にすることで、微粒子の表面積が極めて大きくなり、同一質量の微粒子でも、脱ドープ処理して還元性とした際に、より多くの触媒金属を吸着できるようになり、それにより塗膜層の薄膜化が可能となる。
製造例1:導電性ポリピロール微粒子(分散液)の調製
スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム1.5mmolをトルエン50mLに溶解し、さらにイオン交換水100mLを加え20℃に保持しつつ乳化するまで攪拌した。得られた乳化液にピロールモノマー21.2mmolを加え、30分攪拌し、次いで0.2M過硫酸アンモニウム水溶液50mL(0.4mol相当)を少量ずつ滴下し、4時間反応を行った。反応終了後、有機層を回収し、イオン交換水で数回洗浄して、トルエン中に分散した導電性粒子分散液を得て、トルエンにて導電性微粒子の固形分濃度0.6%に調整した。
製造例1で調製した導電性ポリピロール微粒子(分散液)の量、オレフィン系ポリマー又は有機ポリマー(バインダー1ないし5(それぞれA1ないしA5に対応する))の量及び種類並びに溶媒の量及び種類を表3の記載の通りに添加混合することにより、実施例1ないし7及び比較例1ないし11に使用した下地塗料を調製した。
尚、プライマー塗料としては、バインダー1ないし4(それぞれA1ないしA4に対応する)を使用した。
尚、表3に記載のバインダーA1ないしA5の詳細を表1に纏めた。
<プライマー層の形成>
ポリプロピレン樹脂(PP)基材(ポリプロピレン樹脂:厚さ0.5cm、幅×長さ5cm×5cmの樹脂プレート)をバインダー2(プライマー塗料)にディッピングし、120℃の熱風で10分間乾燥させることによりプライマー層を形成した。
<塗膜層の形成>
プライマー層が形成されたPP基材を製造例2で調製した下地塗料(組成は表3の実施例1に記載)にディッピングし、120℃の熱風で10分間乾燥することにより、塗膜層を形成した。
<無電解めっき法によるめっき物の製造>
上記で製造した塗膜層が形成されたPP基材を、1M水酸化ナトリウム水溶液中に、35℃で5分間浸漬後、洗浄水で洗浄することにより、導電性高分子微粒子を還元性とした。
次に、上記処理がなされた基材を、0.02%塩化パラジウム−0.01%塩酸水溶液中に35℃で5分間浸漬後、洗浄水で水洗した。次に、該基材を無電解銅めっき浴 ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)製)に浸漬して、35℃で10分間浸漬し銅めっきを施し、洗浄水で水洗した後、水分を乾燥させて実施例1のめっき物を製造した。
表3に実施例2ないし5として記載されたプライマー塗料及び下地塗料をそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、実施例2ないし5のめっき物を製造した。
ポリプロピレン樹脂(PP)基材に代えて、ポリアセタール樹脂(POM)基材(ポリアセタール樹脂:厚さ0.5cm、幅×長さ5cm×5cmの樹脂プレート)を使用し、且つ表3に実施例6として記載されたプライマー塗料及び下地塗料を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、実施例6のめっき物を製造した。
<塗膜層の形成>
ポリプロピレン樹脂(PP)基材(ポリプロピレン樹脂:厚さ0.5cm、幅×長さ5cm×5cmの樹脂プレート)を、製造例2で調製した下地塗料(組成は表3の実施例7に記載)にディッピングし、120℃の熱風で10分間乾燥することにより、塗膜層を形成した。
<無電解めっき法によるめっき物の製造>
上記で製造した塗膜層が形成されたPP基材を、1M水酸化ナトリウム水溶液中に、35℃で5分間浸漬後、洗浄水で洗浄することにより、導電性高分子微粒子を還元性とした。
次に、上記処理がなされた基材を、0.02%塩化パラジウム−0.01%塩酸水溶液中に35℃で5分間浸漬後、洗浄水で水洗した。次に、該基材を無電解銅めっき浴 ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)製)に浸漬して、35℃で10分間浸漬し銅めっきを施し、洗浄水で水洗した後、水分を乾燥させて実施例7のめっき物を製造した。
表3に比較例1として記載されたプライマー塗料及び下地塗料を用いた以外は、実施例7と同様の操作を行うことにより、比較例1のめっき物を製造した。
表3に比較例2ないし5として記載されたプライマー塗料及び下地塗料をそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、比較例2ないし5のめっき物を製造した。
ポリプロピレン樹脂(PP)基材に代えて、ポリアセタール樹脂(POM)基材(ポリアセタール樹脂:厚さ0.5cm、幅×長さ5cm×5cmの樹脂プレート)を使用し、且つ表3に比較例6として記載されたプライマー塗料及び下地塗料を用いた以外は、実施例7と同様の操作を行うことにより、比較例6のめっき物を製造した。
表3に比較例7ないし9として記載されたプライマー塗料及び下地塗料をそれぞれ用いた以外は、実施例7と同様の操作を行うことにより、比較例7ないし9のめっき物を製造した。
表3に比較例10として記載されたプライマー塗料及び下地塗料を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、比較例10のめっき物を製造した。
基材:ポリプロピレン樹脂(PP)基材(粒子径1μmの炭酸カルシウムを5%含有する、厚さ0.5cm、幅×長さ5cm×5cmの樹脂プレート)を以下の(1)ないし(6)の工程に付すことにより比較例11のめっき物を製造した。
(1)脱脂工程:ホウ酸ナトリウム30g/L、リン酸ナトリウム20g/L、ノニオン系界面活性剤2g/Lからなる水溶液中(50℃)に、基材を5分間浸漬した後、洗浄水で洗浄した。
(2)エッチング工程:濃硫酸390g/Lからなる水溶液中(75℃)に基材を7分間浸漬後、洗浄水で洗浄した。
(3)中和工程:濃硫酸50cc/Lの水溶液中(室温)に基材を1分間浸漬後、洗浄水
で洗浄した。
(4)キャタリスト:塩化パラジウム0.3g/L、塩化第一錫10g/L、濃硫酸200cc/Lからなる水溶液中(室温)に基材を3分間浸漬後、洗浄水で洗浄した。
(5)アクセレーター:濃硫酸75cc/Lの水溶液(40℃)に、基材を3分間浸漬後、洗浄水で洗浄した。
(6)無電解めっき:硫酸銅10g/L、ロシェル塩40g/L、ホルムアルデヒド10g/L、水酸化ナトリウム9g/L、チオ尿素5g/Lからなる水溶液(25℃)に基材を10分間浸漬後、洗浄水で洗浄した。
ポリプロピレン樹脂(PP)基材に代えてポリアセタール樹脂(POM)基材(粒子径1μmの炭酸カルシウムを5%含有する、厚さ0.5cm、幅×長さ5cm×5cmの樹脂プレート)を用いた以外は、比較例11と同様の操作を行うことにより、比較例12のめっき物を製造した。
上記で製造した実施例1ないし7、比較例1ないし12のめっき物において、各種の評価試験を行いその結果を表3に纏めた。
尚、評価項目及びその評価方法・評価基準は表2に記載した通りである。
また、表中*2は層剥離が基材−塗膜層間で生じたこと、*3は層剥離がプライマー層−塗膜層間で生じたこと及び*4は層剥離が基材−プライマー層間で生じたことを示す。
1)4層構造のめっき物について
官能基としてハロゲン原子又はカルボン酸無水物を有するオレフィン系ポリマーを含むプライマー塗料及びポリピロールと官能基としてハロゲン原子、カルボン酸無水物、カルボン酸の何れか1種を有する有機ポリマーとを特定の質量比(3:20ないし3:150)で含む下地塗料を用いて製造した実施例1ないし6のめっき物(4層構造)は、めっき析出性に優れ、薄くても(0.3μm)平滑性に優れ、且つ密着性に優れる(高い剥離強度を有する)金属めっき膜が形成されためっき物であった。
比較例2のめっき物は、ポリピロールとバインダー(有機ポリマー)との質量比が、3:20よりも有機ポリマーの比率が低い3:10であったため、剥離強度において、セロハンテープで若干剥がれる(プライマー層−塗膜層間)という△の評価となった。
比較例3のめっき物は、ポリピロールとバインダー(有機ポリマー)との質量比が、3:150よりも有機ポリマーの比率が高い3:170であったため、めっき析出性において、部分的にめっきが析出していないという△の評価であり、剥離強度において、めっきが部分的にしか析出しなかったため測定不能とした。
比較例4のめっき物は、プライマー塗料として官能基としてハロゲン原子又はカルボン酸無水物を有さず、代わりにカルボン酸を有するスチレン系ポリマーを含むバインダー1(A1)を使用したため、剥離強度において、セロハンテープで簡単に剥がれる(基材−プライマー層間)という×の評価となった。
比較例5のめっき物は、プライマー塗料として官能基としてハロゲン原子又はカルボン酸無水物を有さず、代わりにヒドロキシル基を有するオレフィン系ポリマーを含むバインダー4(A4)を使用したため、剥離強度において、セロハンテープで若干剥がれる(プライマー層−塗膜層間)という△の評価となった。
比較例10のめっき物は、下地塗料として、官能基としてハロゲン原子、カルボン酸無水物、カルボン酸の何れも有さない有機ポリマーを含むバインダー5(A5)を使用したため、剥離強度において、セロハンテープで簡単に剥がれる(プライマー層−塗膜層間)という×の評価となった。
ポリピロールと官能基としてハロゲン原子又はカルボン酸無水物を有するオレフィン系ポリマーとを特定の質量比(3:20ないし3:150)で含む下地塗料を用いて製造した実施例7のめっき物(3層構造)は、めっき析出性に優れ、薄くても(0.3μm)平滑性に優れ、且つ密着性に優れる(高い剥離強度を有する)金属めっき膜が形成されためっき物であった。
比較例1のめっき物は、下地塗料として、官能基としてハロゲン原子又はカルボン酸無水物を有さず、代わりにカルボン酸を有するスチレン系ポリマーを含むバインダー1(A1)を使用したため、剥離強度において、セロハンテープで簡単に剥がれる(基材−塗膜層間)という×の評価となった。
比較例6のめっき物は、基材としてポリアセタール樹脂(POM)を用い、下地塗料として、官能基としてハロゲン原子又はカルボン酸無水物を有さず、代わりにカルボン酸を有するスチレン系ポリマーを含むバインダー1(A1)を使用したため、剥離強度において、セロハンテープで簡単に剥がれる(基材−塗膜層間)という×の評価となった。
比較例7のめっき物は、下地塗料として、官能基としてハロゲン原子又はカルボン酸無水物を有さず、代わりにヒドロキシル基を有するオレフィン系ポリマーを含むバインダー4(A4)を使用したため、剥離強度において、セロハンテープで簡単に剥がれる(基材−塗膜層間)という×の評価となった。
比較例8のめっき物は、下地塗料において、ポリピロールとバインダー(オレフィン系ポリマー)との質量比が、3:20よりもオレフィン系ポリマーの比率が低い3:10であったため、剥離強度において、セロハンテープで若干剥がれる(基材−塗膜層間)という△の評価となった。
比較例9のめっき物は、下地塗料において、ポリピロールとバインダー(オレフィン系ポリマー)との質量比が、3:150よりもオレフィン系ポリマーの比率が高い3:170であったため、めっき析出性において、部分的にめっきが析出していないという△の評価であり、剥離強度において、めっきが部分的にしか析出しなかったため測定不能とした。
また、エッチング処理を行うことにより製造された比較例11(ポリプロピレン樹脂(PP)基材(粒子径1μmの炭酸カルシウムを5%含有する、厚さ0.5cm、幅×長さ5cm×5cmの樹脂プレート)を用いる)及び比較例12(ポリアセタール樹脂(POM)基材(粒子径1μmの炭酸カルシウムを5%含有する、厚さ0.5cm、幅×長さ5cm×5cmの樹脂プレート)を用いる)のめっき物は、表面粗化により形成された細かな凹凸により、0.3μm程度のめっき厚では、表面の平滑性が得られなかったことを示す(めっき表面平滑性:×)。
2:金属めっき膜
3:酸溶解性無機物
4:塗膜層(導電性高分子微粒子+オレフィン系ポリマー)
5:塗膜層(導電性高分子微粒子+有機ポリマー)
6:プライマー層
Claims (2)
- ポリオレフィン系樹脂又はポリアセタール系樹脂基材上に、還元性高分子微粒子及びオレフィン系ポリマーを含む下地塗料を塗布して塗膜層を形成するか、又は、前記基材上に、導電性高分子微粒子及びオレフィン系ポリマーを含む下地塗料を塗布し、該導電性高分子微粒子を脱ドープ処理して塗膜層を形成し、そして該塗膜層に無電解めっき液から金属膜を化学めっきすることにより製造されるめっき物であって、
前記オレフィン系ポリマーは、塩素化ポリオレフィン又はポリオレフィン/不飽和ジカルボン酸無水物共重合体であり、前記下地塗料中における前記還元性高分子微粒子又は前記導電性高分子微粒子と前記オレフィン系ポリマーの質量比は、3:20ないし3:150の範囲であることを特徴とするめっき物。 - ポリオレフィン系樹脂又はポリアセタール系樹脂基材上にプライマー層を形成し、この上に還元性高分子微粒子及び有機ポリマーを含む下地塗料を塗布して塗膜層を形成するか、又は、該プライマー層上に導電性高分子微粒子及び有機ポリマーを含む下地塗料を塗布し、該導電性高分子微粒子を脱ドープ処理して塗膜層を形成し、そして該塗膜層に無電解めっき液から金属膜を化学めっきすることにより製造されるめっき物であって、
前記プライマー層は、塩素化ポリオレフィン又はポリオレフィン/不飽和ジカルボン酸無水物共重合体を含み、前記有機ポリマーは、塩素化ポリオレフィン、ポリオレフィン/不飽和ジカルボン酸無水物共重合体又はカルボン酸基含有樹脂であり、前記下地塗料中における前記還元性高分子微粒子又は前記導電性高分子微粒子と前記有機ポリマーの質量比は、3:20ないし3:150の範囲であることを特徴とするめっき物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008148205A JP5294000B2 (ja) | 2008-06-05 | 2008-06-05 | ポリオレフィン系樹脂又はポリアセタール系樹脂を基材とするめっき物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008148205A JP5294000B2 (ja) | 2008-06-05 | 2008-06-05 | ポリオレフィン系樹脂又はポリアセタール系樹脂を基材とするめっき物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009293085A true JP2009293085A (ja) | 2009-12-17 |
JP5294000B2 JP5294000B2 (ja) | 2013-09-18 |
Family
ID=41541531
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008148205A Active JP5294000B2 (ja) | 2008-06-05 | 2008-06-05 | ポリオレフィン系樹脂又はポリアセタール系樹脂を基材とするめっき物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5294000B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014132794A1 (ja) * | 2013-02-28 | 2014-09-04 | ナガセケムテックス株式会社 | めっき用プライマー組成物、めっき物の製造方法及びめっき物 |
JP2015067624A (ja) * | 2013-09-26 | 2015-04-13 | 株式会社イオックス | 塗料組成物及びその製造方法 |
WO2020184569A1 (ja) * | 2019-03-12 | 2020-09-17 | 出光興産株式会社 | 回路基板及び回路基板の製造方法 |
JP2022099719A (ja) * | 2020-12-23 | 2022-07-05 | 丸長鍍金株式会社 | ポリプロピレン系樹脂組成物、ポリプロピレン系樹脂製の被めっき対象物、金属層付きポリプロピレン系樹脂製品及びその製造方法、ポリプロピレン系樹脂製配線基材及びその製造方法 |
Citations (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0559587A (ja) * | 1991-08-28 | 1993-03-09 | Isuzu Motors Ltd | プラスチツクのメツキ方法 |
JPH08239631A (ja) * | 1995-03-02 | 1996-09-17 | Sekisui Chem Co Ltd | マイクロ波融着用樹脂シート及びマイクロ波融着用樹脂組成物並びにこれらを用いた融着方法 |
JPH09187876A (ja) * | 1996-01-09 | 1997-07-22 | Sekisui Chem Co Ltd | マイクロ波融着用樹脂継手及び融着方法 |
JPH09209162A (ja) * | 1996-02-01 | 1997-08-12 | Fuji Photo Film Co Ltd | 無電解めっき層付きシートの製造方法、感光性シート及び金属パターンの形成方法 |
JPH1018044A (ja) * | 1996-07-04 | 1998-01-20 | Fuji Photo Film Co Ltd | 無電解めっき層形成用シート、無電解めっき層付きシート、感光性シート及び金属パターンの形成方法 |
JPH10511433A (ja) * | 1995-11-29 | 1998-11-04 | ツィッパーリング ケスラー ウント コー (ゲーエムベーハー ウント コー) | 金属化物質の製造方法 |
JP2002001880A (ja) * | 2000-06-20 | 2002-01-08 | Inoac Corp | 導電性プラスチック成形品およびその製造方法 |
JP2004001249A (ja) * | 2002-05-31 | 2004-01-08 | Dainippon Printing Co Ltd | 導電性シートの製造方法および導電性シート |
JP2005052972A (ja) * | 2003-08-01 | 2005-03-03 | Dainippon Printing Co Ltd | 紫外線赤外線遮蔽フィルム |
JP2006117906A (ja) * | 2004-09-24 | 2006-05-11 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 帯電防止塗料、帯電防止膜及び帯電防止フィルム、光学フィルタ、光情報記録媒体 |
JP2006143892A (ja) * | 2004-11-19 | 2006-06-08 | Unitika Ltd | コーティング剤および加工品 |
JP2007521363A (ja) * | 2003-06-20 | 2007-08-02 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | めっき用の改質ポリアセタール |
JP2007270180A (ja) * | 2006-03-30 | 2007-10-18 | Achilles Corp | 還元性ポリマー微粒子を用いるパターン化された金属膜が形成されためっきフィルムの製造法 |
JP2007270179A (ja) * | 2006-03-30 | 2007-10-18 | Achilles Corp | 還元性ポリマー微粒子を用いるパターン化された金属膜が形成されためっきフィルムの製造方法 |
-
2008
- 2008-06-05 JP JP2008148205A patent/JP5294000B2/ja active Active
Patent Citations (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0559587A (ja) * | 1991-08-28 | 1993-03-09 | Isuzu Motors Ltd | プラスチツクのメツキ方法 |
JPH08239631A (ja) * | 1995-03-02 | 1996-09-17 | Sekisui Chem Co Ltd | マイクロ波融着用樹脂シート及びマイクロ波融着用樹脂組成物並びにこれらを用いた融着方法 |
JPH10511433A (ja) * | 1995-11-29 | 1998-11-04 | ツィッパーリング ケスラー ウント コー (ゲーエムベーハー ウント コー) | 金属化物質の製造方法 |
JPH09187876A (ja) * | 1996-01-09 | 1997-07-22 | Sekisui Chem Co Ltd | マイクロ波融着用樹脂継手及び融着方法 |
JPH09209162A (ja) * | 1996-02-01 | 1997-08-12 | Fuji Photo Film Co Ltd | 無電解めっき層付きシートの製造方法、感光性シート及び金属パターンの形成方法 |
JPH1018044A (ja) * | 1996-07-04 | 1998-01-20 | Fuji Photo Film Co Ltd | 無電解めっき層形成用シート、無電解めっき層付きシート、感光性シート及び金属パターンの形成方法 |
JP2002001880A (ja) * | 2000-06-20 | 2002-01-08 | Inoac Corp | 導電性プラスチック成形品およびその製造方法 |
JP2004001249A (ja) * | 2002-05-31 | 2004-01-08 | Dainippon Printing Co Ltd | 導電性シートの製造方法および導電性シート |
JP2007521363A (ja) * | 2003-06-20 | 2007-08-02 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | めっき用の改質ポリアセタール |
JP2005052972A (ja) * | 2003-08-01 | 2005-03-03 | Dainippon Printing Co Ltd | 紫外線赤外線遮蔽フィルム |
JP2006117906A (ja) * | 2004-09-24 | 2006-05-11 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 帯電防止塗料、帯電防止膜及び帯電防止フィルム、光学フィルタ、光情報記録媒体 |
JP2006143892A (ja) * | 2004-11-19 | 2006-06-08 | Unitika Ltd | コーティング剤および加工品 |
JP2007270180A (ja) * | 2006-03-30 | 2007-10-18 | Achilles Corp | 還元性ポリマー微粒子を用いるパターン化された金属膜が形成されためっきフィルムの製造法 |
JP2007270179A (ja) * | 2006-03-30 | 2007-10-18 | Achilles Corp | 還元性ポリマー微粒子を用いるパターン化された金属膜が形成されためっきフィルムの製造方法 |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014132794A1 (ja) * | 2013-02-28 | 2014-09-04 | ナガセケムテックス株式会社 | めっき用プライマー組成物、めっき物の製造方法及びめっき物 |
JP2015067624A (ja) * | 2013-09-26 | 2015-04-13 | 株式会社イオックス | 塗料組成物及びその製造方法 |
WO2020184569A1 (ja) * | 2019-03-12 | 2020-09-17 | 出光興産株式会社 | 回路基板及び回路基板の製造方法 |
CN113557321A (zh) * | 2019-03-12 | 2021-10-26 | 出光兴产株式会社 | 电路基板及电路基板的制造方法 |
JP2022099719A (ja) * | 2020-12-23 | 2022-07-05 | 丸長鍍金株式会社 | ポリプロピレン系樹脂組成物、ポリプロピレン系樹脂製の被めっき対象物、金属層付きポリプロピレン系樹脂製品及びその製造方法、ポリプロピレン系樹脂製配線基材及びその製造方法 |
JP7313329B2 (ja) | 2020-12-23 | 2023-07-24 | 丸長鍍金株式会社 | ポリプロピレン系樹脂組成物、ポリプロピレン系樹脂製の被めっき対象物、金属層付きポリプロピレン系樹脂製品及びその製造方法、ポリプロピレン系樹脂製配線基材及びその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5294000B2 (ja) | 2013-09-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5327429B2 (ja) | めっき物の製造方法及びそれにより製造されるめっき物 | |
JP5181231B2 (ja) | めっき物及びその製造方法 | |
JP4993074B2 (ja) | 連続的な無電解めっき方法 | |
JP5375023B2 (ja) | パターン化されためっき物の製造方法及びそれに用いる下地塗料 | |
JP2010031318A (ja) | めっき物 | |
TWI438301B (zh) | 成形品之鍍敷物及其製造方法 | |
JP5294000B2 (ja) | ポリオレフィン系樹脂又はポリアセタール系樹脂を基材とするめっき物 | |
JP5465398B2 (ja) | 熱負荷後においても高い密着性を有するめっき物及びその製造方法 | |
JP5570048B2 (ja) | 三次元形状のめっき物の製造方法。 | |
JP6184774B2 (ja) | パターン化された金属膜が形成されためっき物 | |
JP5780635B2 (ja) | めっき物 | |
WO2012026225A1 (ja) | 加飾膜層と金属膜層を備えた樹脂シートの製造方法 | |
JP5310993B2 (ja) | スチレン系樹脂基材へのめっき下地塗料及びこれを用いて製造されるスチレン系樹脂基材のめっき物 | |
JP5332058B2 (ja) | 成形回路部品の製造方法 | |
KR101419968B1 (ko) | 도금물 및 이의 제조방법 | |
JP6522698B2 (ja) | 密着性に優れるめっき物及びその製造方法 | |
JP7181141B2 (ja) | 下地塗料およびめっき物の製造方法 | |
JP5241551B2 (ja) | 電磁波シールド用ガスケット | |
JP6216579B2 (ja) | 密着性に優れるめっき物及びその製造方法 | |
JP2010121180A (ja) | マグネシウム合金を基材とするめっき物 | |
JP5441453B2 (ja) | めっき下地層を形成する下地塗料、それを用いる筐体の製造方法及びそれにより製造される筐体 | |
JP2011224835A (ja) | 熱転写媒体の製造方法 | |
JP2011168814A (ja) | めっき物 | |
JP2011031503A (ja) | 成形品に無電解めっき法によるめっき膜を設けためっき物とその製造方法。 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110527 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20121218 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130116 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130313 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130522 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130529 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5294000 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |