JP2005052972A - 紫外線赤外線遮蔽フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外線、赤外線の遮蔽性に優れ、可視光域における透明性に優れ、各種の加工適性に優れ、かつ製造上高価になることなく、廃棄処理における問題も生じることのない紫外線赤外線遮蔽フィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の紫外線赤外線遮蔽フィルム1は、ポリオレフィン系軟質フィルムの基材2上に、少なくとも紫外線赤外線遮蔽層3を設け、該基材の引張弾性率が5000kg/cm2以下である構成とした。また、前記の基材2と紫外線赤外線遮蔽層3との間に、プライマー層4を設けた構成とし、基材2と紫外線赤外線遮蔽層3との密着性が向上する。さらに、前記の基材2が、2層以上の共押出しフィルムである構成とし、基材の引裂き強度や耐熱性等が高まり、耐久性が向上する。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の紫外線赤外線遮蔽フィルム1は、ポリオレフィン系軟質フィルムの基材2上に、少なくとも紫外線赤外線遮蔽層3を設け、該基材の引張弾性率が5000kg/cm2以下である構成とした。また、前記の基材2と紫外線赤外線遮蔽層3との間に、プライマー層4を設けた構成とし、基材2と紫外線赤外線遮蔽層3との密着性が向上する。さらに、前記の基材2が、2層以上の共押出しフィルムである構成とし、基材の引裂き強度や耐熱性等が高まり、耐久性が向上する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線、赤外線の遮蔽性に優れ、可視光域のおける透明性に優れ、各種の加工適性を有する紫外線赤外線遮蔽フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、包装分野、衣料分野等における紫外線赤外線遮蔽フィルムとして、透明PET上にアルミニウム、銀又は金等の金属薄膜を蒸着若しくはスパッタリングにより形成し、赤外線反射フィルムとして、窓ガラスに貼着したり(特許文献1、特許文献2参照)、透明PET上に赤外線吸収層及び蛍光増白剤を含有し、410nm以下の透過率が10%以下である紫外線吸収層を有するフィルム(特許文献3参照)等が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開昭57−59748号公報
【特許文献2】
特開昭57−59749号公報
【特許文献3】
特開2002−225195号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許文献1、2では、金属薄膜を蒸着若しくはスパッタリングにより形成するには、蒸着やスパッタリングの装置が高価であり、金属薄膜の形成は真空下で設けるという特殊な条件が必要であり、また特許文献3でも透明基材にPETを使用しているが、基材自体の剛性が高く、各種の形状に成形する際の加工適性に劣るという問題がある。
尚、上記の製造上の高コスト、加工適性から、軟質であり透明なポリ塩化ビニル系フィルムを基材に使用するものが挙げられるが、使用後に廃棄する場合、焼却すると有害な塩素系ガスが発生する。また、焼却炉において塩素ガス除去用の装置は高価であり、さらに焼却処理に際し、有害な塩素含有有機化合物が副生する可能性があり、大きな社会的は問題となっている。
【0005】
したがって、本発明は上記従来技術の問題点を解決し、紫外線、赤外線の遮蔽性に優れ、可視光域における透明性に優れ、各種の加工適性に優れ、かつ製造上高価になることなく、廃棄処理における問題も生じることのない紫外線赤外線遮蔽フィルムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の紫外線赤外線遮蔽フィルムは、請求項1として、ポリオレフィン系軟質フィルムの基材上に、少なくとも紫外線赤外線遮蔽層を設け、該基材の引張弾性率が5000kg/cm2以下である構成とした。これにより、紫外線、赤外線の遮蔽性に優れ、可視光域における透明性に優れ、各種の加工適性に優れ、かつ製造上高価になることなく、廃棄処理における問題も生じない。
また、請求項2として、前記の基材と紫外線赤外線遮蔽層との間に、プライマー層を設けた構成とした。これにより、基材と紫外線赤外線遮蔽層との密着性が向上する。
請求項3として、前記の基材が、2層以上の共押出しフィルムである構成とした。これにより、基材の引裂き強度や耐熱性等が高まり、耐久性が向上する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を使用して説明する。
図1は、本発明である紫外線赤外線遮蔽フィルムの一つの実施形態であり、基材2上にプライマー層4、紫外線赤外線遮蔽層3が順に設けられている。図示した紫外線赤外線遮蔽フィルム1は、基材2と紫外線赤外線遮蔽層3との間にプライマー層4を設けているが、基材の表面が予め、コロナ放電処理等の易接着処理がされていれば、プライマー層を設ける必要がない。
また、図示した形態に限らず、基材の反対面に裏面層を設けたり、紫外線赤外線遮蔽フィルムの一方の面、あるいは両面の最表面に帯電防止層を設けたり、必要に応じて、層を追加して設けることができる。
【0008】
以下、本発明の紫外線赤外線遮蔽フィルムを構成する各層について詳細に説明する。
(基材)
本発明の紫外線赤外線遮蔽フィルムを構成する基材2は、ポリオレフィン系軟質フィルムであり、ポリオレフィン系樹脂の単層フィルムでも、あるいはポリオレフィン系樹脂の2層以上からなる積層フィルムであってもよい。
軟質ポリオレフィン系樹脂としては、密度が0.9以下である低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン(エチレンとα−オレフィンとの共重合体)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アルキルアクリレート共重合体、エチレン−アルキルメタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、アイオノマー樹脂、プロピレン系エラストマー材料等が挙げられ、その単体あるいはそれらの混合物を用いることができる。
【0009】
上記の2層以上からなる積層フィルムは、例えばポリプロピレン樹脂/エチレン−酢酸ビニル共重合体/ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂/エチレン−酢酸ビニル共重合体/ポリエチレン樹脂のような3層のものや、ポリエチレン樹脂/ポリプロピレン樹脂の2層のものが挙げらる。
この2層以上からなる積層フィルムの製造方法は、多層インフレーション成形法、多層Tダイ法等の共押出し方法や、インラインラミネートション法、ドライラミネーション法、サンドイッチラミネーション法等のラミネーション成形法が挙げられる。
上記の中でも、共押出し方法による2層以上からなる積層フィルムが、実用上、基材の引裂き強度や耐熱性等が高まり、耐久性が良好であり、また入手しやすく、好ましい。
このような基材は、単層フィルムでは10〜500μmの厚さ、積層フィルムでは各層の厚さが2〜400μm程度であり、全体の厚さが10〜500μmである。
【0010】
本発明の紫外線赤外線遮蔽フィルムのポリオレフィン系軟質フィルム基材は、その物性として、基材の引張弾性率が5000kg/cm2以下である。本発明で規定する引張弾性率は、JIS K7113で規定した方法に従って、測定したものである。
基材の引張弾性率が5000kg/cm2より大きいと、フィルム基材としての柔軟性に欠け、剛性が強くなり、各種の形状に成形する際の加工適性に劣ってしまう。
上記の各種形状に成形する加工として、具体的には、例えば、熱溶接(ヒートシール)加工、超音波によるウェルダー加工、高周波誘導溶接加工等が挙げられる。
尚、基材の引張弾性率の上限は5000kg/cm2であるが、実用上その引張弾性率の下限値は1000kg/cm2程度である。引張弾性率が1000kg/cm2未満になると、基材の腰がなくなり、実用上の強度、剛性が低すぎて、問題になる。
尚、ポリオレフィン系軟質フィルム基材は、紫外線赤外線遮蔽層を形成する面に、コロナ放電処理、プラズマ処理等の表面処理を施したものを使用すれば、プライマー層を形成する必要がない。
【0011】
(紫外線赤外線遮蔽層)
本発明において使用する紫外線赤外線遮蔽層3は、紫外線吸収剤と赤外線吸収剤とバインダーを主成分に構成し、その他必要に応じて添加剤、溶媒を加えて、従来公知の印刷方法、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、活版印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷等により、基材上に乾燥時1〜20g/m2程度になる厚さで形成することができる。
【0012】
上記の紫外線吸収剤は、有機化合物として、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シュウ酸アニリド系、シアノアクリレート系、サリシレート系、インドール系等が挙げられる。また、無機化合物の紫外線吸収剤として、例えば、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化セリウム等の金属、遷移金属、アルカリ土類金属等の金属酸化物や金属添加(ドープ)した金属酸化物の微粉末が挙げられる。
【0013】
金属微粒子の紫外線吸収剤では、その粒子の形状は塊状、球状、楕円体状、針状等、何でもよく、また金属添加酸化金属粒子に添加されている金属は、酸化物であっても構わないし、複数であっても構わない。これらの粒子は単独で含有しても、2種類以上同時に含有しても構わない。このような金属微粒子を紫外線吸収剤として使用する場合、その一次粒子は通常0.5μm以下、好ましくは0.1μm以下である。一次粒子が0.5μmを超える場合には、可視光線に対する透明性が低下する傾向がある。
【0014】
また、赤外線吸収剤としては、赤外領域に吸収を持つ有機色素が挙げられ、例えばポリメチレン系(シアニン、ピリリウム、スクワリリウム、クロコニウム、アズレニウムなど)、フタロシアニン系、ジチオール金属錯塩系、ナフトキノン系、アントラキノン系、インドールフェノール系、アゾ系、トリアリルメタン系、イモニウム系、ジイモニウム系の化合物等が使用できる。無機化合物の赤外線吸収剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫、硫化亜鉛等の金属酸化物が挙げられるが、酸化錫、アンチモンド−プ酸化錫(ATO)、錫ド−プ酸化インジウム(ITO)が透明性、赤外線吸収性の点で特に好ましい。
また、可視光領域において吸収が少なく、かつ透明な金属酸化物含有の皮膜を形成するためには、その一次粒子が0.5μm以下、好ましくは0.1μm以下の超微粒子の粉末にする必要がある。
【0015】
紫外線赤外線遮蔽層のバインダーとなる樹脂としては、可視光線に対して実質的に透明である樹脂が好ましく用いられる。そのような樹脂としては、例えば、ポリエチレン系〔ポリエチレン(PE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)〕、ポリプロピレン(PP)、ビニル系〔ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリビニルホルマール(PVF)〕、ポリスチレン系〔ポリスチレン(PS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS)、ABS〕、アクリル系〔ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリイソブチルメタクリレート、MMA−スチレン共重合体〕、ポリカーボネート(PC)、セルロース系〔エチルセルロース(EC)、酢酸セルロース(CA)、プロピルセルロース(CP)、酢酸・酪酸セルロース(CAB)、硝酸セルロース(CN)、フッ素系〔ポリクロロフルオロエチレン(PCTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体(FEP)、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)〕、ウレタン系(PU)、ナイロン系〔タイプ6、タイプ66、タイプ610、タイプ11〕、ポリエステル系〔ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。
【0016】
さらに、これらの樹脂は、水性塗料用のエマルジョンにすることができる。水性塗料用のエマルジョンとしては、例えば酢酸ビニル(ホモ)エマルジョン、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合樹脂エマルジョン、酢酸ビニル−エチレン共重合樹脂エマルジョン(EVAエマルジョン)、酢酸ビニル−ビニルバーサテートン共重合樹脂エマルジョン、酢酸ビニル−ポリビニルアルコール共重合樹脂エマルジョン、アクリルエマルジョン、アクリルシリコンエマルジョン、スチレン−アクリル共重合樹脂エマルジョン、ポリスチレンエマルジョン、ウレタンエマルジョン、エポキシ−アクリルディスパージョン、SBRラテックス等を挙げることができる。
【0017】
また、バインダー樹脂自体が、紫外線吸収性、赤外線吸収性を有していてもよい。紫外線吸収官能基を有する樹脂としては、例えば、チヌビンのような紫外線吸収剤を樹脂に化学的に結合した樹脂であることができる。そのような樹脂の例としては、例えばエマルジョンチヌビン(チバガイギー社製)等を挙げることができる。
また、紫外線赤外線遮蔽フィルムとして、蛍光増白性や蛍光性を付加して、高付加価値を付与させることも可能である。その蛍光増白剤としては、有機溶剤に溶解するものでも、水溶性のものでも良く、例えば、スチルベンゼン系、ジアミノジフェニル系、オキサゾール系、イミダゾール系、チアゾール系、クマリン系、ナフタルイミド系、チオフェン系等の公知の蛍光増白剤が使用できる。
【0018】
また、蛍光性を付加させる蛍光材料として、例えば硫化亜鉛、ハロ燐酸カルシウム、クロロ燐酸ストロンチウム、アルミン酸塩類、イットリウム酸塩類、ゲルマン酸塩類、バナジン酸塩類、ケイ酸塩類、タングステン酸塩類等の公知の蛍光材料が使用できる。
紫外線赤外線遮蔽層は、上記に説明したような紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、バインダー樹脂と、必要に応じてワックス類、蛍光増白剤、蛍光材料等の添加剤と、溶媒を加えて、塗工液を作製する。但し、紫外線赤外線遮蔽層の塗工液は、要求させる紫外線遮蔽性と赤外線遮蔽性に応じて、さらに塗工適性を考慮して、紫外線赤外線遮蔽層の形成樹脂100質量部に対して、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、それぞれ各10〜150質量部程度を含有させるが、必要に応じて適宜調整する。
【0019】
(プライマー層)
本発明の紫外線赤外線遮蔽フィルムは、基材と紫外線赤外線遮蔽層との間にプライマー層4を設け、両者の接着性を向上させることができる。プライマー層は、アクリル樹脂、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂や、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アルキルアクリレート共重合体、アイオノマー樹脂、プロピレン系エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の樹脂を溶媒に溶解した塗工液を、公知の方法で塗布、乾燥して形成することができる。
【0020】
また、プライマー層に、プライマー層表面のタック性(粘着性)を低下させ、ブロッキングが起きず安定的に生産出来て取扱いも容易とするために疎水性シリカを添加しても良い。その疎水性シリカとしては、公知の物を使用すれば良く、通常、粒径は0.1〜1μm程度、より好ましくは0.2〜0.5μmであり、その添加量はプライマー層を形成する樹脂100質量部に対して1〜10質量部程度であるが、必要に応じて適宜調整する。
プライマー層の厚みは、通常、乾燥状態で0.1〜10g/m2程度である。また、プライマー層の形成方法は特に限定は無いが、通常は、上記の樹脂、疎水性シリカ等の添加剤と溶媒から構成する塗工液を用意して、グラビア印刷、ロールコート等の公知の印刷又は塗工手段により形成する。
【0021】
以上のような構成で、本発明の紫外線赤外線遮蔽フィルムを提供できるが、ポリオレフィン系軟質フィルム基材上に、少なくとも紫外線赤外線遮蔽層を設けた構成で、該基材の引張弾性率が5000kg/cm2以下であり、さらに最終形態としての積層フィルムにおいて、可視光域における透過率が、JIS A5759に規定された方法で測定したもので、70%以上であることが望ましく、それにより、優れた透明性を有するものとなり、包装分野、衣料分野等における保護フィルムに代表されるようなものとして利用することができる。
また、本発明の紫外線赤外線遮蔽フィルムは、最終形態としての積層フィルムで、JIS A5759に規定された方法で測定した紫外線透過率が20%以下で、またJIS A5759に規定された方法で測定した赤外線透過率が60%以下であることが望ましく、これにより紫外線及び赤外線の遮蔽性に優れたものとなり、屋外用途に代表されるような様々な分野で利用価値が高くなる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。なお、文中に部または%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
(実施例1)
基材として、アキレス株式会社製のPOViC−T 厚さ300μmの3層共押出しポリオレフィン系軟質フィルム(ポリプロピレン樹脂/エチレン−酢酸ビニル共重合体/ポリプロピレン樹脂の3層積層フィルムでポリプロピレン樹脂の表面はコロナ処理がされている。)を用い、その基材の片面に、下記組成のプライマー層を、乾燥時1.0g/m2になる割合でグラビアコーティングにより塗布し、形成した。また、そのプライマー層の上に、下記組成の紫外線赤外線遮蔽層を、乾燥時6.0g/m2になる割合でグラビアコーティングにより塗布し、形成して、実施例1の紫外線赤外線遮蔽フィルムを作製した。
尚、上記の3層共押出しポリオレフィン系軟質フィルムの引張弾性率は2200kg/cm2である。
【0023】
(プライマー層用塗工液組成)
ポリエステル樹脂(高松油脂株式会社製、S−252G) 20部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 80部
【0024】
(紫外線赤外線遮蔽層用塗工液組成)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 4.0部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、TINUVIN900)
アンチモンドープ酸化錫(ATO)赤外線吸収剤 16.1部
(石原テクノ製、SNS−10T)
アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製、ダイヤナールBR−115)
ポリエチレンワックス(平均粒径7μm) 0.4部
トルエン 39.2部
メチルエチルケトン 20.1部
【0025】
(実施例2)
基材として、アキレス株式会社製のPOViC−T 厚さ200μmの3層共押出しポリオレフィン系軟質フィルム(ポリプロピレン樹脂/エチレン−酢酸ビニル共重合体/ポリプロピレン樹脂の3層積層フィルムでポリプロピレン樹脂の表面はコロナ処理がされている。)を用い、その基材の片面に、下記組成のプライマー層を、乾燥時0.5g/m2になる割合でグラビアコーティングにより塗布し、形成した。また、そのプライマー層の上に、実施例1で使用した紫外線赤外線遮蔽層用塗工液により、乾燥時6.0g/m2になる割合でグラビアコーティングにより塗布し、形成して、実施例2の紫外線赤外線遮蔽フィルムを作製した。
尚、上記の3層共押出しポリオレフィン系軟質フィルムの引張弾性率は2700kg/cm2である。
【0026】
(プライマー層用塗工液組成)
ポリオレフィン樹脂 10部
(日本製紙ケミカル株式会社製、アウローレン100S)
シリカ 1部
(富士シリシア化学株式会社製、サイリシア456)
メチルシクロヘキサン 89部
【0027】
(比較例1)
紫外線、赤外線遮蔽性と透明性を有するポリエテレンテレフタレート(PET)フィルムベースの帝人(株)製レフテルSHX70の紫外線赤外線遮蔽フィルムを用意し、これを比較例1の紫外線赤外線遮蔽フィルムとした。
尚、上記のこの紫外線赤外線遮蔽フィルム基材の引張弾性率は5000kg/cm2より高いものである。
【0028】
(比較例2)
紫外線、赤外線遮蔽性を有し、可視光線透過率が20%であるポリエテレンテレフタレート(PET)フィルムベースの東レ(株)製ルミクール1015の紫外線赤外線遮蔽フィルムを用意し、これを比較例2の紫外線赤外線遮蔽フィルムとした。
尚、上記のこの紫外線赤外線遮蔽フィルム基材の引張弾性率は5000kg/cm2より高いものである。
【0029】
(比較例3)
紫外線遮蔽性、透明性を有するポリオレフィン系軟質フィルムである、みかど化工(株)製UVソーラー(農POフィルム)の紫外線遮蔽フィルムを用意し、これを比較例3の紫外線遮蔽フィルムとした。
尚、上記のこの紫外線遮蔽フィルム基材の引張弾性率は5000kg/cm2より低いものである。
【0030】
(評価方法)
上記の実施例と比較例の紫外線赤外線遮蔽フィルムに対し、可視光線透過率、紫外線透過率、日射透過率の光学特性をJIS A5759に規定された方法で測定した。
可視光線透過率が70%以上であるものは「○」、可視光線透過率が70%未満であるものが「×」とした。
また、紫外線透過率が20%以下であるものは「○」、紫外線透過率が20%を超えるものは「×」とした。
日射透過率は60%以下であるものは「○」、日射透過率が60%を超えるものは「×」とした。
尚、日射透過率は赤外線透過率に近似しているので、赤外線透過率としてみなして評価した。
また、実施例及び比較例の紫外線赤外線遮蔽フィルム基材の引張弾性率が5000kg/cm2以下であるかどうか、その引張弾性率が5000kg/cm2以下であるものを「○」、その引張弾性率が5000kg/cm2より大きいものを「×」とした。
【0031】
以上の評価結果は、以下の表1の通りである。
【表1】
【0032】
実施例1及び実施例2の紫外線赤外線遮蔽フィルムは、ポリオレフィン系軟質フィルムを基材として使用し、基材の引張弾性率が5000kg/cm2以下であり、また紫外線、赤外線の遮蔽性に優れ、可視光域における透明性に優れるものであった。さらに、ポリオレフィン系軟質フィルムを基材とし、基材の引張弾性率が5000kg/cm2以下であるため、各種の加工適性に優れ、かつ製造上高価になることなく、ポリ塩化ビニル系フィルムの基材の場合等における廃棄処理における問題も生じないものであった。
【0033】
それに対し、比較例1は、ポリエチレンテレフタレートフィルムを基材とし、基材の引張弾性率が5000kg/cm2よりも大きく、基材自体の剛性が高く、各種の形状に成形する際の加工適性に劣るものであった。
また、比較例2は、可視光線透過率が20%であり、透明性に欠けるもので、また比較例1と同様に、基材自体の剛性が高く、各種の形状に成形する際の加工適性に劣るものであった。
比較例3は、ポリオレフィン系軟質フィルムを基材として使用しているが、赤外線(日射)透過率が大きく、赤外線遮蔽性に劣るものであった。
【0034】
【発明の効果】
以上の如き、本発明の紫外線赤外線遮蔽フィルムは、ポリオレフィン系軟質フィルムの基材上に、少なくとも紫外線赤外線遮蔽層を設け、該基材の引張弾性率が5000kg/cm2以下である構成とした。これにより、紫外線、赤外線の遮蔽性に優れ、可視光域における透明性に優れ、各種の加工適性に優れ、かつ製造上高価になることなく、廃棄処理における問題も生じないものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明である紫外線赤外線遮蔽フィルムの一つの実施形態を示す。
【符号の説明】
1 紫外線赤外線遮蔽フィルム
2 基材
3 紫外線赤外線遮蔽層
4 プライマー層
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線、赤外線の遮蔽性に優れ、可視光域のおける透明性に優れ、各種の加工適性を有する紫外線赤外線遮蔽フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、包装分野、衣料分野等における紫外線赤外線遮蔽フィルムとして、透明PET上にアルミニウム、銀又は金等の金属薄膜を蒸着若しくはスパッタリングにより形成し、赤外線反射フィルムとして、窓ガラスに貼着したり(特許文献1、特許文献2参照)、透明PET上に赤外線吸収層及び蛍光増白剤を含有し、410nm以下の透過率が10%以下である紫外線吸収層を有するフィルム(特許文献3参照)等が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開昭57−59748号公報
【特許文献2】
特開昭57−59749号公報
【特許文献3】
特開2002−225195号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許文献1、2では、金属薄膜を蒸着若しくはスパッタリングにより形成するには、蒸着やスパッタリングの装置が高価であり、金属薄膜の形成は真空下で設けるという特殊な条件が必要であり、また特許文献3でも透明基材にPETを使用しているが、基材自体の剛性が高く、各種の形状に成形する際の加工適性に劣るという問題がある。
尚、上記の製造上の高コスト、加工適性から、軟質であり透明なポリ塩化ビニル系フィルムを基材に使用するものが挙げられるが、使用後に廃棄する場合、焼却すると有害な塩素系ガスが発生する。また、焼却炉において塩素ガス除去用の装置は高価であり、さらに焼却処理に際し、有害な塩素含有有機化合物が副生する可能性があり、大きな社会的は問題となっている。
【0005】
したがって、本発明は上記従来技術の問題点を解決し、紫外線、赤外線の遮蔽性に優れ、可視光域における透明性に優れ、各種の加工適性に優れ、かつ製造上高価になることなく、廃棄処理における問題も生じることのない紫外線赤外線遮蔽フィルムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の紫外線赤外線遮蔽フィルムは、請求項1として、ポリオレフィン系軟質フィルムの基材上に、少なくとも紫外線赤外線遮蔽層を設け、該基材の引張弾性率が5000kg/cm2以下である構成とした。これにより、紫外線、赤外線の遮蔽性に優れ、可視光域における透明性に優れ、各種の加工適性に優れ、かつ製造上高価になることなく、廃棄処理における問題も生じない。
また、請求項2として、前記の基材と紫外線赤外線遮蔽層との間に、プライマー層を設けた構成とした。これにより、基材と紫外線赤外線遮蔽層との密着性が向上する。
請求項3として、前記の基材が、2層以上の共押出しフィルムである構成とした。これにより、基材の引裂き強度や耐熱性等が高まり、耐久性が向上する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を使用して説明する。
図1は、本発明である紫外線赤外線遮蔽フィルムの一つの実施形態であり、基材2上にプライマー層4、紫外線赤外線遮蔽層3が順に設けられている。図示した紫外線赤外線遮蔽フィルム1は、基材2と紫外線赤外線遮蔽層3との間にプライマー層4を設けているが、基材の表面が予め、コロナ放電処理等の易接着処理がされていれば、プライマー層を設ける必要がない。
また、図示した形態に限らず、基材の反対面に裏面層を設けたり、紫外線赤外線遮蔽フィルムの一方の面、あるいは両面の最表面に帯電防止層を設けたり、必要に応じて、層を追加して設けることができる。
【0008】
以下、本発明の紫外線赤外線遮蔽フィルムを構成する各層について詳細に説明する。
(基材)
本発明の紫外線赤外線遮蔽フィルムを構成する基材2は、ポリオレフィン系軟質フィルムであり、ポリオレフィン系樹脂の単層フィルムでも、あるいはポリオレフィン系樹脂の2層以上からなる積層フィルムであってもよい。
軟質ポリオレフィン系樹脂としては、密度が0.9以下である低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン(エチレンとα−オレフィンとの共重合体)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アルキルアクリレート共重合体、エチレン−アルキルメタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、アイオノマー樹脂、プロピレン系エラストマー材料等が挙げられ、その単体あるいはそれらの混合物を用いることができる。
【0009】
上記の2層以上からなる積層フィルムは、例えばポリプロピレン樹脂/エチレン−酢酸ビニル共重合体/ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂/エチレン−酢酸ビニル共重合体/ポリエチレン樹脂のような3層のものや、ポリエチレン樹脂/ポリプロピレン樹脂の2層のものが挙げらる。
この2層以上からなる積層フィルムの製造方法は、多層インフレーション成形法、多層Tダイ法等の共押出し方法や、インラインラミネートション法、ドライラミネーション法、サンドイッチラミネーション法等のラミネーション成形法が挙げられる。
上記の中でも、共押出し方法による2層以上からなる積層フィルムが、実用上、基材の引裂き強度や耐熱性等が高まり、耐久性が良好であり、また入手しやすく、好ましい。
このような基材は、単層フィルムでは10〜500μmの厚さ、積層フィルムでは各層の厚さが2〜400μm程度であり、全体の厚さが10〜500μmである。
【0010】
本発明の紫外線赤外線遮蔽フィルムのポリオレフィン系軟質フィルム基材は、その物性として、基材の引張弾性率が5000kg/cm2以下である。本発明で規定する引張弾性率は、JIS K7113で規定した方法に従って、測定したものである。
基材の引張弾性率が5000kg/cm2より大きいと、フィルム基材としての柔軟性に欠け、剛性が強くなり、各種の形状に成形する際の加工適性に劣ってしまう。
上記の各種形状に成形する加工として、具体的には、例えば、熱溶接(ヒートシール)加工、超音波によるウェルダー加工、高周波誘導溶接加工等が挙げられる。
尚、基材の引張弾性率の上限は5000kg/cm2であるが、実用上その引張弾性率の下限値は1000kg/cm2程度である。引張弾性率が1000kg/cm2未満になると、基材の腰がなくなり、実用上の強度、剛性が低すぎて、問題になる。
尚、ポリオレフィン系軟質フィルム基材は、紫外線赤外線遮蔽層を形成する面に、コロナ放電処理、プラズマ処理等の表面処理を施したものを使用すれば、プライマー層を形成する必要がない。
【0011】
(紫外線赤外線遮蔽層)
本発明において使用する紫外線赤外線遮蔽層3は、紫外線吸収剤と赤外線吸収剤とバインダーを主成分に構成し、その他必要に応じて添加剤、溶媒を加えて、従来公知の印刷方法、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、活版印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷等により、基材上に乾燥時1〜20g/m2程度になる厚さで形成することができる。
【0012】
上記の紫外線吸収剤は、有機化合物として、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シュウ酸アニリド系、シアノアクリレート系、サリシレート系、インドール系等が挙げられる。また、無機化合物の紫外線吸収剤として、例えば、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化セリウム等の金属、遷移金属、アルカリ土類金属等の金属酸化物や金属添加(ドープ)した金属酸化物の微粉末が挙げられる。
【0013】
金属微粒子の紫外線吸収剤では、その粒子の形状は塊状、球状、楕円体状、針状等、何でもよく、また金属添加酸化金属粒子に添加されている金属は、酸化物であっても構わないし、複数であっても構わない。これらの粒子は単独で含有しても、2種類以上同時に含有しても構わない。このような金属微粒子を紫外線吸収剤として使用する場合、その一次粒子は通常0.5μm以下、好ましくは0.1μm以下である。一次粒子が0.5μmを超える場合には、可視光線に対する透明性が低下する傾向がある。
【0014】
また、赤外線吸収剤としては、赤外領域に吸収を持つ有機色素が挙げられ、例えばポリメチレン系(シアニン、ピリリウム、スクワリリウム、クロコニウム、アズレニウムなど)、フタロシアニン系、ジチオール金属錯塩系、ナフトキノン系、アントラキノン系、インドールフェノール系、アゾ系、トリアリルメタン系、イモニウム系、ジイモニウム系の化合物等が使用できる。無機化合物の赤外線吸収剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫、硫化亜鉛等の金属酸化物が挙げられるが、酸化錫、アンチモンド−プ酸化錫(ATO)、錫ド−プ酸化インジウム(ITO)が透明性、赤外線吸収性の点で特に好ましい。
また、可視光領域において吸収が少なく、かつ透明な金属酸化物含有の皮膜を形成するためには、その一次粒子が0.5μm以下、好ましくは0.1μm以下の超微粒子の粉末にする必要がある。
【0015】
紫外線赤外線遮蔽層のバインダーとなる樹脂としては、可視光線に対して実質的に透明である樹脂が好ましく用いられる。そのような樹脂としては、例えば、ポリエチレン系〔ポリエチレン(PE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)〕、ポリプロピレン(PP)、ビニル系〔ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリビニルホルマール(PVF)〕、ポリスチレン系〔ポリスチレン(PS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS)、ABS〕、アクリル系〔ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリイソブチルメタクリレート、MMA−スチレン共重合体〕、ポリカーボネート(PC)、セルロース系〔エチルセルロース(EC)、酢酸セルロース(CA)、プロピルセルロース(CP)、酢酸・酪酸セルロース(CAB)、硝酸セルロース(CN)、フッ素系〔ポリクロロフルオロエチレン(PCTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体(FEP)、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)〕、ウレタン系(PU)、ナイロン系〔タイプ6、タイプ66、タイプ610、タイプ11〕、ポリエステル系〔ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。
【0016】
さらに、これらの樹脂は、水性塗料用のエマルジョンにすることができる。水性塗料用のエマルジョンとしては、例えば酢酸ビニル(ホモ)エマルジョン、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合樹脂エマルジョン、酢酸ビニル−エチレン共重合樹脂エマルジョン(EVAエマルジョン)、酢酸ビニル−ビニルバーサテートン共重合樹脂エマルジョン、酢酸ビニル−ポリビニルアルコール共重合樹脂エマルジョン、アクリルエマルジョン、アクリルシリコンエマルジョン、スチレン−アクリル共重合樹脂エマルジョン、ポリスチレンエマルジョン、ウレタンエマルジョン、エポキシ−アクリルディスパージョン、SBRラテックス等を挙げることができる。
【0017】
また、バインダー樹脂自体が、紫外線吸収性、赤外線吸収性を有していてもよい。紫外線吸収官能基を有する樹脂としては、例えば、チヌビンのような紫外線吸収剤を樹脂に化学的に結合した樹脂であることができる。そのような樹脂の例としては、例えばエマルジョンチヌビン(チバガイギー社製)等を挙げることができる。
また、紫外線赤外線遮蔽フィルムとして、蛍光増白性や蛍光性を付加して、高付加価値を付与させることも可能である。その蛍光増白剤としては、有機溶剤に溶解するものでも、水溶性のものでも良く、例えば、スチルベンゼン系、ジアミノジフェニル系、オキサゾール系、イミダゾール系、チアゾール系、クマリン系、ナフタルイミド系、チオフェン系等の公知の蛍光増白剤が使用できる。
【0018】
また、蛍光性を付加させる蛍光材料として、例えば硫化亜鉛、ハロ燐酸カルシウム、クロロ燐酸ストロンチウム、アルミン酸塩類、イットリウム酸塩類、ゲルマン酸塩類、バナジン酸塩類、ケイ酸塩類、タングステン酸塩類等の公知の蛍光材料が使用できる。
紫外線赤外線遮蔽層は、上記に説明したような紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、バインダー樹脂と、必要に応じてワックス類、蛍光増白剤、蛍光材料等の添加剤と、溶媒を加えて、塗工液を作製する。但し、紫外線赤外線遮蔽層の塗工液は、要求させる紫外線遮蔽性と赤外線遮蔽性に応じて、さらに塗工適性を考慮して、紫外線赤外線遮蔽層の形成樹脂100質量部に対して、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、それぞれ各10〜150質量部程度を含有させるが、必要に応じて適宜調整する。
【0019】
(プライマー層)
本発明の紫外線赤外線遮蔽フィルムは、基材と紫外線赤外線遮蔽層との間にプライマー層4を設け、両者の接着性を向上させることができる。プライマー層は、アクリル樹脂、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂や、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アルキルアクリレート共重合体、アイオノマー樹脂、プロピレン系エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の樹脂を溶媒に溶解した塗工液を、公知の方法で塗布、乾燥して形成することができる。
【0020】
また、プライマー層に、プライマー層表面のタック性(粘着性)を低下させ、ブロッキングが起きず安定的に生産出来て取扱いも容易とするために疎水性シリカを添加しても良い。その疎水性シリカとしては、公知の物を使用すれば良く、通常、粒径は0.1〜1μm程度、より好ましくは0.2〜0.5μmであり、その添加量はプライマー層を形成する樹脂100質量部に対して1〜10質量部程度であるが、必要に応じて適宜調整する。
プライマー層の厚みは、通常、乾燥状態で0.1〜10g/m2程度である。また、プライマー層の形成方法は特に限定は無いが、通常は、上記の樹脂、疎水性シリカ等の添加剤と溶媒から構成する塗工液を用意して、グラビア印刷、ロールコート等の公知の印刷又は塗工手段により形成する。
【0021】
以上のような構成で、本発明の紫外線赤外線遮蔽フィルムを提供できるが、ポリオレフィン系軟質フィルム基材上に、少なくとも紫外線赤外線遮蔽層を設けた構成で、該基材の引張弾性率が5000kg/cm2以下であり、さらに最終形態としての積層フィルムにおいて、可視光域における透過率が、JIS A5759に規定された方法で測定したもので、70%以上であることが望ましく、それにより、優れた透明性を有するものとなり、包装分野、衣料分野等における保護フィルムに代表されるようなものとして利用することができる。
また、本発明の紫外線赤外線遮蔽フィルムは、最終形態としての積層フィルムで、JIS A5759に規定された方法で測定した紫外線透過率が20%以下で、またJIS A5759に規定された方法で測定した赤外線透過率が60%以下であることが望ましく、これにより紫外線及び赤外線の遮蔽性に優れたものとなり、屋外用途に代表されるような様々な分野で利用価値が高くなる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。なお、文中に部または%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
(実施例1)
基材として、アキレス株式会社製のPOViC−T 厚さ300μmの3層共押出しポリオレフィン系軟質フィルム(ポリプロピレン樹脂/エチレン−酢酸ビニル共重合体/ポリプロピレン樹脂の3層積層フィルムでポリプロピレン樹脂の表面はコロナ処理がされている。)を用い、その基材の片面に、下記組成のプライマー層を、乾燥時1.0g/m2になる割合でグラビアコーティングにより塗布し、形成した。また、そのプライマー層の上に、下記組成の紫外線赤外線遮蔽層を、乾燥時6.0g/m2になる割合でグラビアコーティングにより塗布し、形成して、実施例1の紫外線赤外線遮蔽フィルムを作製した。
尚、上記の3層共押出しポリオレフィン系軟質フィルムの引張弾性率は2200kg/cm2である。
【0023】
(プライマー層用塗工液組成)
ポリエステル樹脂(高松油脂株式会社製、S−252G) 20部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 80部
【0024】
(紫外線赤外線遮蔽層用塗工液組成)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 4.0部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、TINUVIN900)
アンチモンドープ酸化錫(ATO)赤外線吸収剤 16.1部
(石原テクノ製、SNS−10T)
アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製、ダイヤナールBR−115)
ポリエチレンワックス(平均粒径7μm) 0.4部
トルエン 39.2部
メチルエチルケトン 20.1部
【0025】
(実施例2)
基材として、アキレス株式会社製のPOViC−T 厚さ200μmの3層共押出しポリオレフィン系軟質フィルム(ポリプロピレン樹脂/エチレン−酢酸ビニル共重合体/ポリプロピレン樹脂の3層積層フィルムでポリプロピレン樹脂の表面はコロナ処理がされている。)を用い、その基材の片面に、下記組成のプライマー層を、乾燥時0.5g/m2になる割合でグラビアコーティングにより塗布し、形成した。また、そのプライマー層の上に、実施例1で使用した紫外線赤外線遮蔽層用塗工液により、乾燥時6.0g/m2になる割合でグラビアコーティングにより塗布し、形成して、実施例2の紫外線赤外線遮蔽フィルムを作製した。
尚、上記の3層共押出しポリオレフィン系軟質フィルムの引張弾性率は2700kg/cm2である。
【0026】
(プライマー層用塗工液組成)
ポリオレフィン樹脂 10部
(日本製紙ケミカル株式会社製、アウローレン100S)
シリカ 1部
(富士シリシア化学株式会社製、サイリシア456)
メチルシクロヘキサン 89部
【0027】
(比較例1)
紫外線、赤外線遮蔽性と透明性を有するポリエテレンテレフタレート(PET)フィルムベースの帝人(株)製レフテルSHX70の紫外線赤外線遮蔽フィルムを用意し、これを比較例1の紫外線赤外線遮蔽フィルムとした。
尚、上記のこの紫外線赤外線遮蔽フィルム基材の引張弾性率は5000kg/cm2より高いものである。
【0028】
(比較例2)
紫外線、赤外線遮蔽性を有し、可視光線透過率が20%であるポリエテレンテレフタレート(PET)フィルムベースの東レ(株)製ルミクール1015の紫外線赤外線遮蔽フィルムを用意し、これを比較例2の紫外線赤外線遮蔽フィルムとした。
尚、上記のこの紫外線赤外線遮蔽フィルム基材の引張弾性率は5000kg/cm2より高いものである。
【0029】
(比較例3)
紫外線遮蔽性、透明性を有するポリオレフィン系軟質フィルムである、みかど化工(株)製UVソーラー(農POフィルム)の紫外線遮蔽フィルムを用意し、これを比較例3の紫外線遮蔽フィルムとした。
尚、上記のこの紫外線遮蔽フィルム基材の引張弾性率は5000kg/cm2より低いものである。
【0030】
(評価方法)
上記の実施例と比較例の紫外線赤外線遮蔽フィルムに対し、可視光線透過率、紫外線透過率、日射透過率の光学特性をJIS A5759に規定された方法で測定した。
可視光線透過率が70%以上であるものは「○」、可視光線透過率が70%未満であるものが「×」とした。
また、紫外線透過率が20%以下であるものは「○」、紫外線透過率が20%を超えるものは「×」とした。
日射透過率は60%以下であるものは「○」、日射透過率が60%を超えるものは「×」とした。
尚、日射透過率は赤外線透過率に近似しているので、赤外線透過率としてみなして評価した。
また、実施例及び比較例の紫外線赤外線遮蔽フィルム基材の引張弾性率が5000kg/cm2以下であるかどうか、その引張弾性率が5000kg/cm2以下であるものを「○」、その引張弾性率が5000kg/cm2より大きいものを「×」とした。
【0031】
以上の評価結果は、以下の表1の通りである。
【表1】
【0032】
実施例1及び実施例2の紫外線赤外線遮蔽フィルムは、ポリオレフィン系軟質フィルムを基材として使用し、基材の引張弾性率が5000kg/cm2以下であり、また紫外線、赤外線の遮蔽性に優れ、可視光域における透明性に優れるものであった。さらに、ポリオレフィン系軟質フィルムを基材とし、基材の引張弾性率が5000kg/cm2以下であるため、各種の加工適性に優れ、かつ製造上高価になることなく、ポリ塩化ビニル系フィルムの基材の場合等における廃棄処理における問題も生じないものであった。
【0033】
それに対し、比較例1は、ポリエチレンテレフタレートフィルムを基材とし、基材の引張弾性率が5000kg/cm2よりも大きく、基材自体の剛性が高く、各種の形状に成形する際の加工適性に劣るものであった。
また、比較例2は、可視光線透過率が20%であり、透明性に欠けるもので、また比較例1と同様に、基材自体の剛性が高く、各種の形状に成形する際の加工適性に劣るものであった。
比較例3は、ポリオレフィン系軟質フィルムを基材として使用しているが、赤外線(日射)透過率が大きく、赤外線遮蔽性に劣るものであった。
【0034】
【発明の効果】
以上の如き、本発明の紫外線赤外線遮蔽フィルムは、ポリオレフィン系軟質フィルムの基材上に、少なくとも紫外線赤外線遮蔽層を設け、該基材の引張弾性率が5000kg/cm2以下である構成とした。これにより、紫外線、赤外線の遮蔽性に優れ、可視光域における透明性に優れ、各種の加工適性に優れ、かつ製造上高価になることなく、廃棄処理における問題も生じないものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明である紫外線赤外線遮蔽フィルムの一つの実施形態を示す。
【符号の説明】
1 紫外線赤外線遮蔽フィルム
2 基材
3 紫外線赤外線遮蔽層
4 プライマー層
Claims (3)
- ポリオレフィン系軟質フィルムの基材上に、少なくとも紫外線赤外線遮蔽層を設けた紫外線赤外線遮蔽フィルムにおいて、該基材の引張弾性率が5000kg/cm2以下であることを特徴とする紫外線赤外線遮蔽フィルム。
- 前記の基材と紫外線赤外線遮蔽層との間に、プライマー層を設けたことを特徴とする請求項1に記載する紫外線赤外線遮蔽フィルム。
- 前記の基材が、2層以上の共押出しフィルムであることを特徴とする請求項1または2に記載する紫外線赤外線遮蔽フィルム。
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