JP2002001880A - 導電性プラスチック成形品およびその製造方法 - Google Patents

導電性プラスチック成形品およびその製造方法

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JP2002001880A
JP2002001880A JP2000185291A JP2000185291A JP2002001880A JP 2002001880 A JP2002001880 A JP 2002001880A JP 2000185291 A JP2000185291 A JP 2000185291A JP 2000185291 A JP2000185291 A JP 2000185291A JP 2002001880 A JP2002001880 A JP 2002001880A
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conductive
soluble
plastic molded
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layer
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Toshihiro Yamamoto
敏博 山本
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Inoac Corp
Original Assignee
Inoue MTP KK
Inoac Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性プラスチック成形品の再生処理時に金
属材料およびプラスチック材料の分離が容易で、高い効
率で各材料を個別に回収し得る導電性プラスチック成形
品およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 導電性プラスチック成形品を構成するプ
ラスチック成形品12の所要面に、水または各種溶媒に
溶解し得る可溶性物質からなる可溶性プライマ層14を
形成し、この可溶性プライマ層14上に所定の導電性を
付与する導電層18を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、導電性プラスチ
ック成形品およびその製造方法に関し、更に詳細には、
リサイクル時に該成形品を構成する金属材料およびプラ
スチック材料を容易に分離可能として、材料毎の再生を
容易化し得るプラスチック成形品と、該成形品の製造方
法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンピュータやワードプロセッサ、その
他マイクロコンピュータを制御用素子として内蔵したシ
ーケンサ等の各種電子機器は、外部から機器内に侵入す
る電磁波等の外乱を受けて誤作動する可能性のあること
が知られている。また、これらの電子機器は、稼働時に
機器筐体外部へ電磁波を輻射して有害なノイズ源となる
ことも多い。この種の電磁波による干渉(EMI)や、よ
り周波数の低い電波による干渉(RFI)から前記電子機
器を保護したり、該機器から外部へ電磁波が漏出するの
を防止したりする目的で、所謂電磁シールド(遮蔽)が機
器筐体に一般に施される。
【0003】前記シールドとしては、軽量で高い意匠性
を発揮し得るプラスチック製の電子機器筐体の全面また
は内面に、乾式メッキや湿式メッキにより金属メッキ層
を電析させたり、或いは導電性フィラーを含有する導電
性塗料を塗布したりした導電層の形成が一般に実施され
ている。これらのシールドにより、前述の如く外部から
の電磁波を遮蔽して機器内への侵入を防止し、また内部
からの電磁波の漏出を有効に防止することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで2001年4
月には「家電リサイクル法」が施行される予定であり、
各種産業廃棄物の効率的な処理および地球資源の有効活
用との観点から、あらゆる工業製品の再生、殊に物質的
再生(マテリアルリサイクル)を効率的に行なう方法が模
索されている。前記電子機器筐体に代表されるプラスチ
ック部材のマテリアルリサイクルには、これを粉砕を施
した後に加熱により溶融させ、これを各種製品に再生す
る方法が一般的に採用されている。しかし、このマテリ
アルリサイクルでは、前記プラスチック製の電子機器筐
体に密着的に形成されている前記導電層(金属成分)の物
理的な分離が困難であるため、溶融時および再利用の成
形時に樹脂中に該導電層形成物が夾雑物として介在し、
得られた製品の機械強度等の物性を低下させて実効的な
再生を妨げるばかりか、該金属の有効な回収も不可能と
なる重大な欠点が指摘される。
【0005】そこで他の再生法として、予め導電層を形
成している金属を酸等の化学薬剤で溶解除去した後に、
前記プラスチック部材を粉砕する方法が考えられるが、
この場合導電層の溶解に多大な時間を要し、また該溶解
液の排水処理が必要となる等、再生コストが増大して生
産性が低下してしまう。また金属の回収に際して、更に
化学的または電気化学的な還元処理を施す必要がある。
なおガス化溶融炉や高炉による処理の場合、プラスチッ
クは熱源や還元用の化学成分として有効利用でき、かつ
金属も回収することが可能であるが、前記導電層は約1
〜3μmの微小な厚さしか有しないため、全体として物
質の再生率を充分に高く設定できない欠点を有する。
【0006】
【発明の目的】この発明は、導電性プラスチック成形品
の廃棄品から、構成材料を物質的に回収する際に顕在化
する前記問題に鑑み、これを好適に解決するべく提案さ
れたものであって、再生処理時に金属材料およびプラス
チック材料の分離が容易で、高い効率で各材料を個別に
回収し得る導電性プラスチック成形品およびその製造方
法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を克服し、所期
の目的を達成するため本発明の導電性プラスチック成形
品は、電気的に不導体なプラスチック原料から所要形状
に成形したプラスチック成形品であって、このプラスチ
ック成形品の所要面に、水または各種溶媒に溶解し得る
可溶性物質および所定の導電性を付与する導電性フィラ
ーの混合物からなる導電層を形成したことを特徴とす
る。
【0008】同じく前記課題を克服し、所期の目的を達
成するため本願の別の発明に係る導電性プラスチック成
形品は、電気的に不導体なプラスチック原料から所要形
状に成形したプラスチック成形品と、前記プラスチック
成形品の所要面に形成され、水または各種溶媒に溶解し
得る可溶性物質からなる可溶性プライマ層と、前記可溶
性プライマ層の層上に形成され、所定の導電性を付与す
る導電層とからなることを特徴とする。
【0009】前記課題を克服し、所期の目的を達成する
ため本願の更に別の発明に係る導電性プラスチック成形
品の製造方法は、電気的に不導体なプラスチック原料か
ら所要形状のプラスチック成形品を成形し、このプラス
チック成形品の導電化すべき所要面に、水または各種有
機溶媒に溶解し得る可溶性物質および所定の導電性を付
与する導電性フィラーの混合物を付与し、これを乾燥さ
せることで導電層を形成するようにしたことを特徴とす
る。
【0010】同じく前記課題を克服し、所期の目的を達
成するため本願に更に別の発明に係る導電性プラスチッ
ク成形品の製造方法は、電気的に不導体なプラスチック
原料から所要形状のプラスチック成形品を成形し、この
プラスチック成形品の導電化すべき所要面に、水または
各種有機溶媒に溶解し得る可溶性プライマ層を形成し、
次いで前記可溶性プライマ層に所定の導電性を付与する
導電層を形成するようにしたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る導電性プラス
チック成形品およびその製造方法につき、好適な実施例
を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【0012】本発明の好適な実施例に係る導電性プラス
チック成形品10は、図1および図2に示す如く、例え
ばノートパソコン用筐体等に好適に利用が可能な各種熱
可塑性樹脂等からなるプラスチック成形品12と、この
プラスチック成形品12の所要の導電化予定面を被覆す
る可溶性プライマ層14と、この可溶性プライマ層14
に形成される導電層18とから構成される。また前記導
電層18に高い析出性や密着性が要求される場合には、
前記可溶性プライマ層14および導電層18の間に第2
プライマ層16が形成される(後述)。
【0013】また本発明の好適な実施例に係る導電性プ
ラスチック成形品の製造方法は、図3に示す如く、前処
理工程S1、導電化工程S2および最終工程S3に大き
く分かれる。そして前処理工程S1は、プラスチック原
料より所要形状のプラスチック成形品12を成形する成
形段階S11と、このプラスチック成形品12の所要の
導電化予定面にスプレー塗布等の手段により可溶性物質
を付与・乾燥させて可溶性プライマ層14を形成する可
溶性プライマ層付与段階S12とからなる。
【0014】前記成形段階S11は、所要形状のプラス
チック成形品12を作製する工程であり、一般的に公知
の射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、プレス
成形またはトランスファー成形その他の成形方法の何れ
も採用可能であり、適宜好適に選択される。殊に本発明
の場合は、量産性が高く、かつ筐体などの高い成形精度
を要求される成形に対応可能である射出成形が好適であ
る。
【0015】前記プラスチック成形品12としては、前
述の如く電子機器用筐体としての精密成形性および所要
面に施される導電層18等との密着性を備えると共に、
再利用処理の溶融時に物性低下を余り起こさない各種熱
可塑性樹脂が好適に使用可能である。例えばABS樹
脂、PC樹脂、PPO樹脂、PP樹脂、PS樹脂、PE
I樹脂、PPS樹脂、PET樹脂、PBT樹脂、PES
樹脂、PA樹脂等およびPC/ABS樹脂等のポリマー
アロイが挙げられる。またポリプロピレン樹脂またはポ
リアセタール樹脂等の塗料に対して密着性が低いもの
を、プラスチック成形品12の原料として採用した場合
でも、シリコーンまたはラテックス等からなる適切な第
2プライマ層16を付与したり、火炎またはプラズマ等
を利用した表面活性化方法を採用することで良好な密着
性を確保し得ることも可能である。なお再利用の形態と
して、例えば廃棄物粉砕後にフィラーとして利用するの
であれば、前述の熱可塑性樹脂だけでなく各種熱硬化性
樹脂も採用可能である。
【0016】また前記プラスチック成形品12に対し
て、該成形品12の機械的強度向上のために補強フィラ
ーを所要量混合するようにしてもよい。前記補強フィラ
ーとしては、各種有機フィラーや、炭素繊維、ガラス繊
維、酸化珪素、タルク、クレー、アルミナ、水酸化アル
ミニウム、酸化マグネシウムまたは硫酸バリウムの無機
フィラーが挙げられる。
【0017】前記可溶性プライマ層付与段階S12は、
所要形状に成形されたプラスチック成形体12の所要面
に、有機溶剤、アルカリ水溶液または温水等の各溶媒に
溶解する可溶性物質を付与し、乾燥・硬化させる段階で
ある。この可溶性物質の付与については、採用される可
溶性物質の粘度といった諸物性に最も効率的な方法で行
なわれる。
【0018】前記可溶性物質としては、有機溶剤、アル
カリ水溶液または温水等の再利用処理時に利用可能な各
種溶媒に溶解し、前記プラスチック成形体12との密着
性に優れると共に、造膜性を有する高分子化合物が好ま
しい。例えばアルカリ水溶液に容易に溶解し得るアルカ
リ可溶性エッチングレジスト、各種有機溶剤に容易に溶
解し得る溶剤剥離型エッチングレジスト或いは温水に容
易に溶解し得る部分けん化型または完全けん化型ポリビ
ニルアルコール(PVA)が挙げられる。前記エッチング
レジストとしては、プリント印刷回路や半導体部品の加
工工程でよく使用されるエッチングレジストが採用可能
である。これらの可溶性物質には、後述する導電層形成
のために、予め無電解メッキ反応の触媒、無電解メッキ
反応の触媒を吸着する極性官能基を含む物質、または無
電解メッキにより付与する金属よりも電気化学的に卑で
あって、置換反応により付与すべき金属の核を生成する
金属粉を含有させるようにしてもよい。これら各物質を
前記可溶性プライマ層14に含有させても、該可溶性プ
ライマ層14の可溶性は損なわれるものではないので、
廃棄後の物質回収には影響を与えない。
【0019】前記プラスチック成形品12の所要面への
付与および廃棄時の除去は、対応した溶媒に溶解させる
ことで行なわれる。このため前記可溶性プライマ層14
の厚さとしては、0.1〜100μm程度が好適であ
り、5〜20μm程度が一層好ましい。これより薄すぎ
ると導電層18の密着性を充分に確保し得ず、また厚す
ぎると廃棄時の剥離が困難になると共に、無駄な製造コ
ストが必要となる。
【0020】前記可溶性プライマ層14は、基本的には
本実施例に係る導電性プラスチック成形品の廃棄時に、
金属部材とプラスチック部材とを容易に分離させるもの
であるが、何れも高分子であることが一般的であるの
で、図4に示す如く、各種導電性フィラーを含有させて
導電層18としての役割を持たせてもよい。この場合、
以後の各層の形成は不要となる。前記導電性フィラーと
しては、炭素材料、金属粉、金属繊維、導電性セラミッ
クスまたはチタン酸カリウムウィスカー表面に炭素また
は金属等を蒸着した複合材料等が好適に利用可能であ
る。前記炭素材料としては、グラファイト粉、カーボン
ブラックまたは炭素繊維が、前記金属粉または金属繊維
としては、アルミニウム、銅、ニッケル、銀、金、白
金、パラジウム、黄銅または銀被覆銅が、前記導電性セ
ラミックスとしては、インジウム・スズ酸化物または窒
化チタン等が夫々挙げられる。
【0021】また前記可溶性プライマ層14には、後述
する導電化工程S2の方法によっては各種物質が所定量
含有させられる(詳細は〔0023〕以降で記載する)。
【0022】前処理工程S1に続いて行なわれる導電化
工程S2は、前記プラスチック成形品12に形成された
可溶性プライマ層14上に、導電層18を形成する工程
である。前記導電層18を形成する方法は、無電解メ
ッキの如き湿式メッキ、導電性塗料または金属の化
学的、物理的蒸着等の乾式メッキ等、の所定の導電性を
付与するものであれば、何れのものであっても採用可能
であるので、以下に、、の3つの方法を個別に説
明する。
【0023】 湿式メッキにより導電層を形成する場
合:(図3の参照)一般にプラスチックなどの不導体上
に湿式メッキにより導電層18を形成するための導電化
工程S2は、大きく第2プライマ層付与段階S211
と、導電化前処理段階S212と、導電化段階S213
とに分けられ、該導電化前処理段階S212の違いによ
り次の(1)〜(3)に記載した3つの方法が挙げられる。
また前記第2プライマ層付与段階と211は必須ではな
く、前記導電層18の析出性および密着性を向上させる
ために適宜実施される。 (1)不導体の導電化予定面に化学的粗化等を施した後、
無電解メッキ反応の触媒となる貴金属微粒子を該導電化
処理面に吸着させ、次いで適宜選択される無電解メッキ
浴に浸漬して所定厚さの無電解メッキ金属等からなる導
電層18を形成する方法。 (2)不導体の導電化予定面に無電解メッキを析出させる
能力を持つ物質を塗料に含有させる等して付与した後、
適宜必要とされる前処理を行ない、次いで(1)と同様に
適宜選択される無電解メッキ浴に浸漬して所定厚さの無
電解メッキ金属等からなる導電層18を形成する方法。
ここで無電解メッキを析出させる能力を持つ物質とは、
(A)無電解メッキ反応触媒となる貴金属微粒子またはこ
の貴金属微粒子を表面に付着させた微粒子、(B)貴金属
イオンを吸着する能力に優れた物質または(C)無電解メ
ッキにより付与する金属よりも電気化学的に卑であっ
て、置換反応により付与すべき金属の核を生成する金属
粉等が挙げられる。これら(A)〜(C)の各物質は、前記
導電層18が形成される下層、すなわち可溶性プライマ
層14または第2プライマ層16内に予め所定量含有さ
れることで付与される。 (3)不導体の導電化予定面に必要に応じて化学的または
物理的粗化等の前処理を行なった後、電解メッキにより
導電層18を形成する方法。例えば、クロム酸−硫酸混
合液等により化学的粗化を行なった後、ズズ−パラジウ
ムコロイドを高濃度に吸着させて薄い金属膜を形成した
上に金属塩を含有する電解メッキ液中で電析を行なう
(D-POPシステム;荏原エージライト製)等が挙げられ
る。また、このズズ−パラジウムコロイド系以外の物質
として、有機パラジウムコロイドまたは有機パラジウム
錯体を用いる方法、導電性高分子溶液またはコロイドを
用いる方法或いはカーボンブラックまたはグラファイト
粉の分散液を用いる方法も挙げられる。
【0024】以下に前記導電化工程S2の各段階を以下
に説明する。前述の異なった導電化前処理段階S212
については、その方法毎に説明する。
【0025】第2プライマ層付与段階S211は、前記
可溶性プライマ層14上に第2プライマとしての高分子
化合物を、水またはキシレン等の有機溶剤等の所定の溶
媒に溶解させ、ディッピング、スプレー塗布、刷毛塗り
またはナイフコート等の手段により付与し、乾燥・硬化
させて第2プライマ層16を形成する段階であり、前述
の如く、導電層18の析出性および密着性を向上させる
ために実施される。従って、本第2プライマ層付与段階
S211は必須のものではない。
【0026】前記第2プライマ層16を形成する高分子
化合物としては、導電層18の形成と前記可溶性プライ
マ層14とに悪影響を与えずに形成できるものが適宜選
択される。例えば前記可溶性プライマ層14が有機溶媒
に溶解する物質からなる場合、該プライマ層14を膨潤
させる恐れのない水系ラテックスが、PVAの如き水溶
性高分子の場合には、極性の小さいトルエン等の有機溶
媒を溶媒とする高分子化合物が好適である。前者の水系
ラテックスとしては、高分子の水分散体であり、かつ該
高分子の骨格中に親水基または親水性セグメントを含有
して水中にあって所定の分散安定性を有するウレタンの
如き合成樹脂ラテックスが好適に挙げられる。また後者
の高分子化合物としては、トルエンまたはキシレン等の
極性の小さい有機溶媒に容易に溶けて濃度調整が可能で
あり、無電解メッキ用の触媒を吸着し易いシリコーン樹
脂またはシアノアクリレート樹脂の如き湿気硬化性樹脂
が好適である。また前述したように、前記第2プライマ
層16内に、前記(A)無電解メッキ反応触媒となる貴金
属微粒子またはこの貴金属微粒子を表面に付着させた微
粒子、(B)貴金属イオンを吸着する能力に優れた物質ま
たは(C)無電解メッキにより付与する金属よりも電気化
学的に卑であって、置換反応により付与すべき金属の核
を生成する金属粉、等を含有させるようにしてもよい。
なお後述の導電化前処理段階S212において各種粗化
を施される場合には、化学的粗化の容易な塗料、例えば
ABSをトルエンに溶解させて塗布・乾燥させたもの等
が好適に使用される。
【0027】(1)の場合 導電化前処理段階S212:導電層18の下地となる可
溶性プライマ層14または第2プライマ層16に対し
て、所定の物理的粗化または化学的粗化を施し、次いで
無電解メッキに対して触媒活性を発現する所望の金属微
粒子を含む触媒を吸着させる。 導電化段階S213:適宜に選択される無電解メッキ用
金属のメッキ浴に浸漬させて、前記触媒上に所定厚さの
無電解メッキ用金属からなる導電層18を析出させる。
【0028】(2)は、無電解メッキを析出させる能力を
持つ物質(A)、(B)、(C)に分けて個別に述べる。また
導電化段階S213については、前述の(1)と同じであ
るので、詳細な記載を省略する。 (A)導電化前処理段階S212:無電解メッキに対して
触媒活性を発現する所望の金属微粒子またはこの微粒子
を表面に付着させた粒子が露出するように、前記可溶性
プライマ層14または第2プライマ層16に対して酸ま
たはアルカリ等のエッチング剤による化学的粗化を施
す。導電化段階S213:導電層18を析出させる。 (B)導電化前処理段階S212:(1)および(A)で述べ
た触媒としての微粒子が露出するように、前記可溶性プ
ライマ層14または第2プライマ層16に対して酸また
はアルカリ等のエッチング剤による化学的粗化を施す。
次いで無電解メッキに対して触媒活性を発現する所望の
金属微粒子触媒を含有する触媒槽に浸漬させて、触媒と
しての微粒子を吸着させる。導電化段階S213:導電
層18を析出させる。 (C)導電化前処理段階S212:無電解メッキにより付
与する金属よりも電気化学的に卑であって、置換反応に
より該無電解メッキ金属の核を生成する金属粉を所定量
含有させた可溶性プライマ層14または第2プライマ層
16表面に、前記ブラスチック成形体12をイオン化し
た該無電解メッキ金属を含有する水溶液に浸漬させるこ
とで、該無電解メッキ金属の核を生成させる。導電化段
階S213:導電層18を析出させる。
【0029】(3)の場合 導電化前処理段階S212:導電層18の下地となる可
溶性プライマ層14または第2プライマ層16に対し
て、所定の物理的粗化または化学的粗化を施す。次いで
パラジウム−ズズコロイド、有機パラジウム、導電性高
分子または炭素材料コロイド等の導電性物質を吸着させ
る。なお、この段階で必要に応じて前記導電性物質によ
り薄い導電層を形成してもよい。 導電化段階S213:前記導電性物質により導電化され
た所要面を電極を当接させることで負極とし、正極に可
溶性または不溶性電極をして、これらに通電させて電解
メッキにより導電層18を形成する。
【0030】前記(1)並びに(2)の(A)および(B)の各
方法において、無電解メッキに対して触媒活性を発現す
る微粒子とは、例えば金、銀、ルテニウム、ロジウム、
パラジウム、イリジウム、オスミウムまたは白金等の貴
金属である。また貴金属微粒子を非メッキ面に吸着させ
る方法として以下の(a)〜(d)に記載される4つの方法
が挙げられる。 (a)塩化スズおよび塩化パラジウムの2種類の溶液に順
に浸漬して、該スズによりパラジウムを還元して触媒と
しての金属パラジウムを表面に付与する方法。 (b)スズとパラジウムの錯塩化物コロイド液に浸漬し
て、錯塩化物を吸着後水洗を施して該スズによりパラジ
ウムを金属に還元し、硫酸等で該スズの酸化物を除去す
ることで、表面に残留した該パラジウムを触媒とする方
法。 (c)塩化パラジウム溶液に浸漬した後、還元剤液に浸漬
させ、金属に還元されたパラジウムを触媒とする方法。 (d)各種の触媒貴金属塩溶液中に界面活性剤を添加し、
撹絆しながら還元剤を添加することで得られる触媒貴金
属コロイド液に浸漬する方法。この場合、前記コロイド
液は、触媒貴金属の化合物の水溶性の塩を溶解し、界面
活性剤を加えて激しく撹拌しながら、還元剤を添加する
ことで得られる。界面活性剤には様々なものがあるが、
陰イオン性または陽イオン性界面活性剤が好適であり、
例えば石けん、高級アルコール硫酸ナトリウム、アルキ
ルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル硫酸ナトリウム等、ラウリルトリメ
チルアンモニウムクロライドまたはアルキルベンジルジ
メチルアンモニウムクロライド等が使用される。
【0031】前記触媒金属の微粒子は、連続膜として形
成される必要はなく、前記可溶性プライマ層14または
第2プライマ層16に吸着していればよい。また前記触
媒金属の微粒子が、ある程度の濃度以上に吸着されてい
ない場合には、無電解メッキ金属による導電層18は形
成されず、極度に過剰な場合には、下地となる前記プラ
イマ層14または第2プライマ層16と、該導電層18
との密着が弱くなるので留意が必要である。
【0032】湿式メッキによる導電化段階S213は、
導電性に優れる前述のメッキ用金属を無電解メッキに
て、前記触媒金属に付与するものである。前記プラスチ
ック成形品12に付与された導電層18の使用環境下の
耐食性の程度如何によっては、必要に応じて引続き他種
類の金属の無電解メッキまたは電解メッキを施こす第2
導電化段階S214を行なってもよい。ここでメッキで
施される導電層18厚さとしては1〜5μm程度が好適
であり、これ以上厚くなると製造時間およびコストが増
大してしまう。
【0033】前記導電化段階S213で採用される無電
解メッキ用金属としては、メッキ浴の管理が比較的容易
で、工業的に広く利用されている無電解銅または無電解
ニッケル−リン合金等が好適である。その他の無電解メ
ッキ用金属としては、無電解銅・ニッケル・リン合金、
無電解ニッケル・ホウ素合金、無電解コバルト・リン合
金、無電解金、無電解銀または無電解パラジウム等が挙
げられる。また電解メッキを採用する場合、電解メッキ
金属としては工業的に広く利用されている銅またはニッ
ケルが好適である。その他の電解メッキ用金属として
は、マンガン、亜鉛、鉄、スズ、クロム、金、銀、パラ
ジウム、鉛またはニッケル・マンガン合金等の合金が挙
げられる。
【0034】なお必要に応じて、前記導電化段階S21
3に引き続き、更に厚い導電層18を形成したり、使用
環境下での耐食性を付与するために無電解メッキまたは
電解メッキを施す第2導電化段階S214が行なわれ
る。本第2導電化段階S214についての一例を挙げれ
ば、第1の導電層には導電性に優れる銅を使用し、第2
の導電層には耐蝕性に優れるニッケル・リン合金を使用
すれば、導電性および耐蝕性の双方に優れる導電層18
を形成し得る。本第2導電化段階S214で好適に使用
される無電解用メッキ金属および電解メッキ用金属は、
前述の〔0033〕に記載の各金属に準じる。
【0035】これら各段階を経て製造される一般的な導
電性プラスチック成形品10は、前記可溶性プライマ層
14上に、前記プラスチック成形品12に対して良好な
密着性を発現させる第2プライマ層16および導電層1
8が形成される構成となる(図2参照)。
【0036】 導電性塗料により導電層を形成する場
合:(図3の参照) 導電性塗料により導電層18を形成する導電化工程S2
は、大きく第2プライマ層付与段階S221と、導電化
段階S222とに分けられ、該第2プライマ層付与段階
S221のある・ないにより、次の(1)または(2)の記
載される2つの方法に分けられる。 (1)前記可溶性プライマ層14に、導電化段階S222
により直接的に各種導電性フィラーを含有する塗料とし
ての高分子化合物、すなわち導電性塗料を付与する方
法。 (2)前記可溶性プライマ層14上に、先ず第2プライマ
層付与段階S221により導電性塗料の密着性等を向上
させ得る第2プライマ層16を形成し、この上に導電化
段階S222により導電性塗料を付与する方法。
【0037】本方法により製造される導電性プラスチッ
ク成形品20は、図5に示す如く、前記可溶性プライマ
層14上に導電性を付与する導電性フィラーを高分子化
合物中に分散させた導電性塗料からなる導電層18が形
成されたものである。ここに前記導電層18の析出性お
よび密着性や、得られる耐食性や電導性等によって、適
宜選択的に第2プライマ層付与段階S221や、第2導
電化段階S223が施される。この第2プライマ層付与
段階S221および第2導電化段階S223の詳細は、
前述の「 無電解メッキにより導電層を形成する場
合」と同じであるので説明は省略する。なお、前記第2
導電化段階S223を行なう場合には、第2の導電層の
析出性および密着性をより高めるために、導電性塗料か
ら形成された、所謂第1の導電層を酸またはアルカリ溶
液に浸漬したり、サンディング等の物理的処理を行なっ
たりすることで、導電性フィラーを該第1の導電層の表
面に突出させるようにしてもよい。
【0038】前述した(1)および(2)の方法の違いは、
第2プライマ層16のみであり、導電性塗料の付与によ
る導電層18の形成は同じであるので、以下にその内容
を説明する。
【0039】導電性塗料による導電化段階S222は、
導電性を付与する導電性フィラーを塗料としての高分子
化合物中に分散させた導電性塗料を、導電化予定面にス
プレー塗布または刷毛塗り等の方法により付与すること
で実施される。付与された導電層18は、乾燥により前
記導電化予定面に固着するものである。ここで導電性塗
料で施される導電層18厚さとしては20〜100μm
程度が好適であり、薄すぎると充分な導電性が得られ
ず、厚くなると製造時間およびコストが増大してしま
う。
【0040】前記導電性フィラーとしては、〔002
0〕で前述した導電性フィラーと同様のものが好適に使
用される。また前記導電性フィラーを含有させる塗料と
しての高分子化合物としては、水または有機溶媒に可溶
な前記可溶性プライマ層14の溶解除去時に同時に溶解
しないよう、水または有機溶媒への溶解性が少ないもの
が使用され、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエ
ステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコー
ン樹脂、スチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂また
はアクリル樹脂或いはこれら各樹脂の混合物等の塗料と
して利用可能な高分子化合物が好適に採用可能である。
【0041】 乾式メッキにより導電層を形成する場
合:(図3の参照) 蒸着の如き乾式メッキにより導電層18を形成する場
合、導電化工程S2は大きく第2プライマ層付与段階S
231と、導電化段階S232とに分けられ、前述の
「導電性塗料により導電層を形成する場合」と同様に
第2プライマ層付与段階S231のある・ないにより、
次の(1)または(2)の記載される2つの方法に分けられ
る。 (1)前記可溶性プライマ層14に直接的に、導電化段階
S232でアルミニウムの如き金属を蒸着等の手段によ
り導電層18を形成する方法。 (2)前記可溶性プライマ層14上に、第2プライマ層付
与段階S231を施して乾式メッキによる導電層18の
密着性等を向上させ得る第2プライマ層16を形成し、
この上に導電化段階S232で導電層18を形成する方
法。
【0042】また記導電層18の耐食性や電導性によっ
ては、前記導電化段階S232に引き続いて適宜選択的
に第2導電化段階S233が施される。前記第2プライ
マ層付与段階S231および第2導電化段階S223の
詳細は、前述の「 無電解メッキにより導電層を形成
する場合」と同じであるので説明は省略する。
【0043】乾式メッキによる前記導電化段階S232
としては、Chemical Vapor Doposition(CVD:化学気
相蒸着)またはPhysical Vapor Deposition(物理気相蒸
着)が挙げられる。前記CVDは気体原料から化学反応
を経て導電層を形成するものであり、またPVDは物理
的プロセスを経ること導電層を得るもので、真空蒸着ま
たはスバッタ蒸着等が挙げられる。一般的な化学気相蒸
着法を例として述べれば、触媒等の蒸着補助物質を前記
可溶性プライマ層14上に塗布して、所定の反応管内に
載置する。そして前記反応管内に蒸着させる金属を含有
する原料ガス(アルミニウム蒸着の場合、アルキルアル
ミニウム等)を流入させる。次いで流入せた原料ガス
を、加熱、プラズマまたは光等のエネルギー源を用いる
ことで励起させて蒸着反応を進行させる。この際、前記
原料ガス中に様々な反応活性物質を含有させてもよい。
この際の使用金属としては、銅、ニッケル、コバルト、
アルミニウム、チタン、金またはパラジウム等が好適で
ある。
【0044】前記第2プライマ層16を形成する第2プ
ライマとしては、蒸着用プライマとして知られているも
ので、前述した導電層18を形成する各種蒸着金属に対
して密着性を示す極性官能基等を含む高分子化合物が主
成分となっている各種高分子化合物が好適に使用され
る。
【0045】ここまでに施された前処理工程S1および
導電化工程S2により、前記プラスチック成形品12か
ら、所望の電磁波シールド性を有すると共に、廃棄時の
再生処理が容易な導電性プラスチック成形品を得ること
ができる。最終的に施される工程S3では、前記導電性
プラスチック成形品は、水洗および乾燥、加工並びに検
査が行なわれる。
【0046】
【実験例】以下に実施例に係る導電性プラスチック成形
品の製造方法および得られた導電性プラスチック成形品
の実験例を示す。以下各実験例に記載された原料を用い
て、ノートパソコン用筐体形状の導電性プラスチック成
形品を作製した。そして得られた前記導電性プラスチッ
ク成形品に対して以下の各試験を行なった。 密着性:導電層を湿式メッキまたは乾式メッキにより
形成した場合には、JIS H 8504に規定される
「めっきの密着性試験」における「テープ試験方法」に
したがって評価した。すなわち、導電層表面を貫通する
刻み目により区切られた一辺2mmの正方形25個に対
して、所定の処理を施した後に剥離していない箇所を数
えた。また導電層を導電性塗料により形成した場合に
は、JIS K5400「塗料一般試験方法」における
付着性のうち、「碁盤目テープ法」にしたがって評価し
た。刻み目の間隔は2mmとし、該導電層を貫通する刻
み目により区切られた一辺2mmの正方形25個に対し
て剥離していない箇所を数えた。 EMIシールド性:KEC法準拠のシールド効果測定
治具に、各実験で作製した筐体から150×150mm
角の試験片を切り出して取り付け、トラッキングジェネ
レータを備えるスペクトラムアナライザ(商品名 856
0A;ヒューレット・パッカード製)により300KHz
〜1GHzの周波数帯域で入射波の強度に対する透過波
の強度の減衰比をシールド効果として、電界波および磁
界波のシールド特性を夫々測定した。シールド効果とそ
の品質との対照表を下記の表1として載せる。 廃棄後の再生率:導電層の種類等により異なるので、
各実験例中に記載しているが、基本的に処理前重量と、
処理後(再生成形品)重量とから再生(リサイクル)率を重
量%で計算した。
【0047】(実験例1) 湿式メッキにより導電層を形
成した場合 ・前処理工程S1:成形工程S11として、プラスチッ
ク成形品の原料として、補強繊維として炭素短繊維10
wt%を含有するPC/ASA材料(商品名 FA420
CA;三菱レイヨン製)を使用し、射出成形により寸法2
10×260×20で厚さが1.2mmの上方に開口し
た箱形形状のプラスチック成形品を得た。可溶性プライ
マ層付与段階S12として、前記プラスチック成形品の
内側面だけにアルカリ溶液に可溶するエッチングレジス
ト(商品名 X−87;太陽インキ製造製)を約20μmの
乾燥厚さになるように塗布し、60℃、15分の条件で
強制乾燥させて可溶性プライマ層を形成した。 ・導電化工程S21(S2):第2プライマ層付与段階S
211として、アクリルウレタン樹脂を主成分とし、架
橋剤および金属銀微粒子を表面に担持させた酸化珪素粉
末を配合してなる第2プライマとしての高分子化合物
(商品名 オムニシールド1501J;シプレイ・ファー
イースト製)を約10μmの乾燥厚さになるように塗布
・乾燥して第2プライマ層を形成した。導電化前処理段
階S212として、先ず界面活性剤溶液(商品名 オムニ
シールド1501の標準濃度;シプレイ・ファーイース
ト製)に室温下、2分間の条件で浸漬し、水洗後、塩化
パラジウムを含む水溶液(商品名 オムニシールド157
3;シプレイ・ファーイースト製)に室温下、2分間の条
件で浸漬させて触媒金属層を形成した。導電化段階S2
13として、水洗した後、無電解銅メッキ浴(商品名 オ
ムニシールド1598標準処方;シプレイ・ファーイー
スト製)に温度45℃、60分間の条件で浸漬させて、
導電層としての銅膜を約2μm析出させた。第2導電化
段階S214として、水洗を行ない、塩化パラジウムを
含む水溶液(商品名 オムニシールド1573;シプレイ
・ファーイースト製)に室温下、1分間の条件で浸漬さ
せ、更に水洗を行なった後、無電解ニッケル浴(商品名
オムニシールド1580標準処方;シプレイ・ファーイ
ースト製)に温度35℃、10分間の条件で浸漬させて
導電層としてのニッケル膜を約0.25μm析出させ
た。
【0048】・結果(物性) 密着性:前述の通り、JIS H 8504に規定され
る「テープ試験方法」により評価した。この結果、下記
の表2の如く、粘着テープによるクロスカット面への剥
離試験を行っても剥がれは起こらず、良好な密着性が確
認された。 EMIシールド性:前述の如く、KEC法準拠のシー
ルド効果測定治具により、150×150mm角の試験
片を使用してEMIシールド性を評価した。その結果、
下記の表3に示す如く、100MHz〜1GHzで電子
機器として充分に使用できるシールド効果が確認された
(表1参照)。
【0049】・結果(リサイクル性) 廃棄後の再生率:得られた導電性プラスチック成形品
の導電層が形成された内側に、カッターにより基材であ
るプラスチック成形品に届く深さの傷を1cm刻みで付
けた。そして温度40℃、60分間の条件で3重量%の
水酸化ナトリウム溶液に浸漬させた状態で溶液ごと導電
性プラスチック成形品を揺り動かした。この結果、導電
層は第2プライマ層と共に脱落、細かく分散した状態で
沈殿した。導電層と分離したプラスチック成形品は、洗
浄・粉砕後の再成形が可能であることが確認された。こ
の際のリサイクル率は約96重量%であり、更に沈殿し
た導電層および第2プライマ層からなる残滓は、熱分解
を施し有機分を除去することで金属分の回収も可能であ
った。
【0050】(実験例2) 導電化塗料により導電層を形
成した場合 ・前処理工程S1:成形工程S11として、プラスチッ
ク成形品の原料として、補強繊維として炭素短繊維10
wt%を含有するPC/ASA材料(商品名 FA420
CA;三菱レイヨン製)を使用し、射出成形により寸法2
10×260×20で厚さが1.2mmの上方に開口し
た箱形形状のプラスチック成形品を得た。可溶性プライ
マ層付与段階S12として、前記プラスチック成形品の
内側面だけに溶剤剥離型のエッチングレジスト(商品名
M−85K;太陽インキ製造製)を約20μmの乾燥厚さ
になるように塗布して、温度60℃、30分間の条件で
強制乾燥させて可溶性プライマ層を形成した。 ・導電化工程S22(S2):第2プライマ層付与段階S
221は施さなかった。導電化段階S222として、ポ
リウレタン水分散液(商品名 スーパーフレックス15
0;第一工業製薬製)100重量部と、エポキシ系架橋剤
(商品名 デナコールEX−614B;ナガセ化成製)5重
量部と、電解銅粉(商品名 FCC−115A;福田金属
箔粉製)を60重量部とを混合して導電性塗料を調整し
た。この導電性塗料を前記可溶性プライマ層上に重ね
て、乾燥厚さが50μmになるように塗布し、温度60
℃、1時間の条件で強制乾燥を行なって導電層を形成し
た。第2導電化段階S223は施さなかった。
【0051】・結果(物性) 密着性:JIS K 5400に規定される「碁盤目テ
ープ法」により評価した。この結果、下記の表4の如
く、粘着テープによるクロスカット面への剥離試験を行
っても殆ど剥がれは起こらず、実用に耐える密着性が確
認された。更に第2プライマ層を形成することで改善で
きると思われる。 EMIシールド性:下記の表5に示す如く、前述の実
験例1と同様に、100MHz〜1GHzで電子機器と
して充分に使用できるシールド効果が確認された(表1
参照)。
【0052】・結果(リサイクル性) 廃棄後の再生率:先ず得られた導電性プラスチック成
形品を汎用の粉砕機により約5mm角状物の粉砕し、室
温下、30分間の条件でトリクレン中に浸漬させた状態
で急速攪拌を行なったところ、粉砕物から略全量の導電
層除去が確認された。導電層と分離したプラスチック成
形品粉砕物は、洗浄・乾燥後の射出による再成形が可能
であることが確認された。この際のリサイクル率は約9
2重量%であり、更に沈殿した導電層および第2プライ
マ層からなる残滓は、熱分解を施し有機分を除去するこ
とで金属分の回収も可能であった。
【0053】(実験例3) 乾式メッキにより導電層を形
成した場合 ・前処理工程S1:成形工程S11として、プラスチッ
ク成形品の原料として、補強繊維として炭素短繊維10
wt%を含有するPC/ASA材料(商品名 FA420
CA;三菱レイヨン製)を使用し、射出成形により寸法2
10×260×20で厚さが1.2mmの上方に開口し
た箱形形状のプラスチック成形品を得た。可溶性プライ
マ層付与段階S12として、前記プラスチック成形品の
内側面だけにアルカリ溶液に可溶するエッチングレジス
ト(商品名 X−87;太陽インキ製造製)を約20μmの
乾燥厚さになるように塗布して、温度60℃、30分間
の条件で強制乾燥させて可溶性プライマ層を形成した。 ・導電化工程S23(S2):第2プライマ層付与段階S
231は施さなかった。導電化段階S232として、前
記可溶性プライマ層の外表面全体を覆うように治具に載
置し、アルミニウムを、その厚さが約5μmになるよう
に真空蒸着を行なって導電層を形成した。第2導電化段
階S233は施さなかった。
【0054】・結果(物性) 密着性:JIS H 8504に規定される「テープ試
験方法」により評価した。この結果、下記の表6の如
く、粘着テープによるクロスカット面への剥離試験を行
っても殆ど剥がれは起こらず、実用に耐える密着性が確
認された。更に第2プライマ層を形成することで改善で
きると思われる。 EMIシールド性:下記の表7に示す如く、前述の実
験例1と同様に、100MHz〜1GHzで電子機器と
して充分に使用できるシールド効果が確認された(表1
参照)。
【0055】・結果(リサイクル性) 廃棄後の再生率:先ず得られた導電性プラスチック成
形品を汎用の粉砕機により約5mm角状物の粉砕し、温
度40℃、30分間の条件で3重量%の水酸化ナトリウ
ム溶液に浸漬させた状態で急速攪拌を行なったところ、
粉砕物から略全量の導電層除去が確認された。導電層と
比重差を利用して分離したプラスチック成形品粉砕物
は、洗浄・乾燥後の射出による再成形が可能であること
が確認された。この再生品から所定のJIS試験片を作
製し、引っ張り強度、破断伸びおよびアイゾット衝撃強
度等の各物性値を測定したところ、該物性値の変動は同
プラスチック原料および炭素繊維から成形されるJIS
試験片のそれと比較して±10%以内であり、良好な再
生品であることが確認された。この際のリサイクル率は
約98重量%であり、更に沈殿した導電層および第2プ
ライマ層からなる残滓は、熱分解を施し有機分を除去す
ることで金属分の回収も可能であった。
【0056】(実験例4) 湿式メッキにより導電層を形
成した場合(2) ・前処理工程S1:成形工程S11として、プラスチッ
ク成形品の原料として、補強繊維として炭素短繊維10
wt%を含有するPC/ASA材料(商品名 FA420
CA;三菱レイヨン製)を使用し、射出成形により寸法2
10×260×20で厚さが1.2mmの上方に開口し
た箱形形状のプラスチック成形品を得た。可溶性プライ
マ層付与段階S12として、前記プラスチック成形品の
内側面だけに完全けん化型ポリビニルアルコール(商品
名 ゴーセノールN−300;日本合成化学工業製)を温
度90℃、60分間の条件で撹拌することで得た10%
水溶液を、乾燥厚さ約10μmになるようにスプレー塗
布し、温度80℃、1時間の条件で熱風強制乾燥して可
溶性プライマ層を形成した。 ・導電化工程S21(S2):第2プライマ層付与段階S
211として、無電解メッキ用プライマ(商品名 オムニ
シールド1500J;シプレイ・ファーイースト製)を、
前記可溶性プライマ層上のみに乾燥厚さ5μmになるよ
うに塗布して、温度60℃、45分間の条件で乾燥させ
第2プライマ層を形成した。導電化前処理段階S212
として、先ず界面活性剤溶液(商品名 オムニシールド1
501の標準濃度;シプレイ・ファーイースト製)に室温
下、2分間の条件で浸漬し、水洗後、塩化パラジウムを
含む水溶液(商品名 オムニシールド1573;シプレイ
・ファーイースト製)に室温下、2分間の条件で浸漬さ
せて触媒金属層を形成した。導電化段階S213とし
て、水洗した後、無電解銅メッキ浴(商品名 オムニシー
ルド1598標準処方;シプレイ・ファーイースト製)に
温度45℃、60分間の条件で浸漬させて、導電層とし
ての銅膜を約2μm析出させた。第2導電化段階S21
4として、水洗を行ない、塩化パラジウムを含む水溶液
(商品名 オムニシールド1573;シプレイ・ファーイ
ースト製)に室温下、1分間の条件で浸漬させ、更に水
洗を行なった後、無電解ニッケル浴(商品名 オムニシー
ルド1580標準処方;シプレイ・ファーイースト製)に
温度35℃、10分間の条件で浸漬させて導電層として
のニッケル膜を約0.2μm析出させた。
【0057】・結果(物性) 密着性:JIS H 8504に規定される「テープ試
験方法」により評価した。この結果、下記の表8の如
く、粘着テープによるクロスカット面への剥離試験を行
っても剥がれは起こらず、良好な密着性が確認された。 EMIシールド性:下記の表9に示す如く、前述の実
験例1と同様に、100MHz〜1GHzで電子機器と
して充分に使用できるシールド効果が確認された(表1
参照)。
【0058】・結果(リサイクル性) 廃棄後の再生率:先ず得られた導電性プラスチック成
形品を汎用の粉砕機により約5mm角状物の粉砕し、温
度90℃、30分間の条件で温水に浸漬させた状態で攪
拌を行なったところ、粉砕物から略全量の導電層および
第2プライマ層の脱落・除去が確認された。分離したプ
ラスチック成形品粉砕物は、洗浄・乾燥後の射出による
再成形が可能であることが確認された。この際のリサイ
クル率は約98重量%であり、更に沈殿した導電層およ
び第2プライマ層からなる残滓は、熱分解を施し有機分
を除去することで金属分の回収も可能であった。
【0059】(実験例5) 可溶性プライマ層を兼ねる導
電化塗料により導電層を形成した場合 ・前処理工程S1:成形工程S11として、プラスチッ
ク成形品の原料として、補強繊維として炭素短繊維10
wt%を含有するPC/ASA材料(商品名 FA420
CA;三菱レイヨン製)を使用して射出成形により、寸法
210×260×20で厚さが1.2mmの上方に開口
した箱形形状のプラスチック成形品を得た。 ・導電化工程S2:導電化段階として、前記プラスチッ
ク成形品の内側面だけに溶剤剥離型のエッチングレジス
ト(商品名 M−85K;太陽インキ製造製)固形分100
重量部に対して、電解銅粉(商品名 FCC−115A;
福田金属箔粉製)を10重量部配合した可溶性の導電性
塗料とし、これを50μmの乾燥厚さになるように塗布
して、温度60℃、30分間の条件で強制乾燥させて可
溶性の導電層を形成した。第2導電化段階は施さなかっ
た。
【0060】・結果(物性) 密着性:JIS K 5400に規定される「碁盤目テ
ープ法」により評価した。この結果、下記の表10の如
く、粘着テープによるクロスカット面への剥離試験を行
っても剥がれは殆ど起こらず、良好な密着性が確認され
た。 EMIシールド性:下記の表11に示す如く、磁界波
の低周波側を除き、100MHz〜1GHzで電子機器
として充分に使用できるシールド効果が確認された(表
1参照)。
【0061】・結果(リサイクル性) 廃棄後の再生率:先ず得られた導電性プラスチック成
形品を汎用の粉砕機により約5mm角状物の粉砕し、室
温下、30分間の条件でトリクレン中に浸漬させた状態
で急速攪拌を行なったところ、粉砕物から略全量の導電
層除去が確認された。導電層と比重差を利用して分離し
たプラスチック成形品粉砕物は、洗浄・乾燥後の射出成
形が可能であることが確認された。この際のリサイクル
率は約90重量%であり、更に沈殿した導電層および第
2プライマ層からなる残滓は、熱分解を施し有機分を除
去することで金属分の回収も可能であった。
【0062】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明に係る導電
性プラスチック成形品によれば、水または有機溶媒等の
各種溶媒に容易に溶解し得る可溶性プライマ層を介して
導電層を形成するようにしたので、該成形品を廃棄後の
マテリアルリサイクルに供した際に、該可溶性プライマ
層を水等で溶解させるだけで高い再生率で導電性プラス
チック成形品を構成する金属材料およびプラスチック材
料を回収し得る利点がある。また本発明の製造方法は、
前述した導電性プラスチック成形品を好適に効率良く製
造し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る導電性プラスチック成形品の一部
切り欠き斜視図である。
【図2】図1におけるII−IIの拡大断面図である。
【図3】本発明の好適な実施例に係る導電性プラスチッ
ク成形品の製造方法を示す工程図である。
【図4】本願の別の実施例に係る導電性フィラーを可溶
性プライマ層に含有させてなる導電性プラスチック成形
品の一部切り断面図である。
【図5】本願の別の実施例に係る導電性塗料で導電層を
形成した導電性プラスチック成形品の一部切り断面図で
ある。
【符号の説明】
12 プラスチック成形品 14 可溶性プライマ層 16 第2プライマ層 18 導電層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C25D 5/56 C25D 5/56 Z // C08L 101:00 C08L 101:00 Fターム(参考) 4F006 AA12 AA15 AA22 AA31 AA35 AA36 AA38 AA39 AA40 AB20 AB73 BA07 4F100 AA20 AB16 AB17 AB24 AK01A AK01C AK21B AK45 AK51 BA03 BA07 BA10A BA10B CA23B EH46 EH711 EJ86 GB48 JB09B JG01 JG01B JG01C JG04A JL16 4K022 AA13 AA14 AA19 AA21 AA26 BA03 BA04 BA06 BA08 BA14 BA16 BA18 BA31 BA32 CA02 CA06 CA09 CA18 CA20 CA21 CA22 CA24 DA01 4K024 AA02 AA03 AA04 AA05 AA07 AA08 AA09 AA10 AA11 AA12 BA12 DA06 DA10 GA16

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気的に不導体なプラスチック原料から
    所要形状に成形したプラスチック成形品(12)であって、 このプラスチック成形品(12)の所要面に、水または各種
    溶媒に溶解し得る可溶性物質および所定の導電性を付与
    する導電性フィラーの混合物からなる導電層(18)を形成
    したことを特徴とする導電性プラスチック成形品。
  2. 【請求項2】 前記可溶性物質は、有機溶媒に溶解し得
    る溶剤剥離型エッチングレジストの如き高分子化合物で
    ある請求項1記載の導電性プラスチック成形品。
  3. 【請求項3】 前記可溶性物質は、所定範囲のpH値の
    水に溶解し得るアルカリ可溶性エッチングレジストの如
    き高分子化合物である請求項1記載の導電性プラスチッ
    ク成形品。
  4. 【請求項4】 前記可溶性物質は、所定温度以上の水に
    溶解し得るポリビニルアルコールの如き高分子化合物で
    ある請求項1記載の導電性プラスチック成形品。
  5. 【請求項5】 電気的に不導体なプラスチック原料から
    所要形状に成形したプラスチック成形品(12)と、 前記プラスチック成形品(12)の所要面に形成され、水ま
    たは各種溶媒に溶解し得る可溶性物質からなる可溶性プ
    ライマ層(14)と、 前記可溶性プライマ層(14)の層上に形成され、所定の導
    電性を付与する導電層(18)とからなることを特徴とする
    導電性プラスチック成形品。
  6. 【請求項6】 前記可溶性物質は、有機溶媒に溶解し得
    る溶剤剥離型エッチングレジストの如き高分子化合物で
    ある請求項5記載の導電性プラスチック成形品。
  7. 【請求項7】 前記可溶性物質は、所定範囲のpH値の
    水に溶解し得るアルカリ可溶性エッチングレジストの如
    き高分子化合物である請求項5記載の導電性プラスチッ
    ク成形品。
  8. 【請求項8】 前記可溶性物質は、所定温度以上の水に
    溶解し得るポリビニルアルコールの如き高分子化合物で
    ある請求項5記載の導電性プラスチック成形品。
  9. 【請求項9】 前記可溶性プライマ層(14)と導電層(18)
    との間に、該可溶性プライマ層(14)に対する導電層(18)
    の析出性および密着性を向上させる高分子化合物からな
    る第2プライマ層(16)を介在させた請求項5〜8の何れ
    かに記載の導電性プラスチック成形品。
  10. 【請求項10】 前記導電層(18)は、所定の導電性を付
    与する導電性フィラーと高分子化合物とを混合させた導
    電性塗料からなる請求項5〜9の何れかに記載の導電性
    プラスチック成形品。
  11. 【請求項11】 前記導電層(18)は、湿式メッキまたは
    乾式メッキにより形成される金属層からなる請求項5〜
    9の何れかに記載の導電性プラスチック成形品。
  12. 【請求項12】 電気的に不導体なプラスチック原料か
    ら所要形状のプラスチック成形品(12)を成形し、 このプラスチック成形品(12)の導電化すべき所要面に、
    水または各種有機溶媒に溶解し得る可溶性物質および所
    定の導電性を付与する導電性フィラーの混合物を付与
    し、これを乾燥させることで導電層(18)を形成するよう
    にしたことを特徴とする導電性プラスチック成形品の製
    造方法。
  13. 【請求項13】 前記可溶性プライマ層(14)は、有機溶
    媒に溶解し得る溶剤剥離型エッチングレジストの如き高
    分子化合物から形成される請求項12記載の導電性プラ
    スチック成形品の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記可溶性プライマ層(14)は、所定範
    囲のpH値の水に溶解し得るアルカリ可溶性エッチング
    レジストの如き高分子化合物から形成される請求項12
    記載の導電性プラスチック成形品の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記可溶性プライマ層(14)は、所定温
    度以上の水に溶解し得るポリビニルアルコールの如き高
    分子化合物から形成される請求項12記載の導電性プラ
    スチック成形品の製造方法。
  16. 【請求項16】 電気的に不導体なプラスチック原料か
    ら所要形状のプラスチック成形品(12)を成形し、 このプラスチック成形品(12)の導電化すべき所要面に、
    水または各種有機溶媒に溶解し得る可溶性プライマ層(1
    4)を形成し、 次いで前記可溶性プライマ層(14)に所定の導電性を付与
    する導電層(18)を形成するようにしたことを特徴とする
    導電性プラスチック成形品の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記可溶性プライマ層(14)は、有機溶
    媒に溶解し得る溶剤剥離型エッチングレジストの如き高
    分子化合物から形成される請求項16記載の導電性プラ
    スチック成形品の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記可溶性プライマ層(14)は、所定範
    囲のpH値の水に溶解し得るアルカリ可溶性エッチング
    レジストの如き高分子化合物から形成される請求項16
    記載の導電性プラスチック成形品の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記可溶性プライマ層(14)は、所定温
    度以上の水に溶解し得るポリビニルアルコールの如き高
    分子化合物から形成される請求項16記載の導電性プラ
    スチック成形品の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記導電層(18)の形成に先立ち、前記
    可溶性プライマ層(14)上に第2プライマ層(16)を付与す
    ることで、該導電層(18)の可溶性プライマ層(14)への析
    出性および密着性を向上させるようにした請求項16〜
    19の何れかに記載の導電性プラスチック成形品の製造
    方法。
  21. 【請求項21】 前記導電層(18)は、所定の導電性を付
    与する導電性フィラーと高分子化合物とを混合させた導
    電性塗料を付与することで形成される請求項16〜20
    の何れかに記載の導電性プラスチック成形品の製造方
    法。
  22. 【請求項22】 前記導電層(18)は、湿式メッキ法また
    は乾式メッキ法により形成される請求項16〜20の何
    れかに記載の導電性プラスチック成形品の製造方法。
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