JP2000079662A - 高制電性積層体およびそれを用いた成形品 - Google Patents

高制電性積層体およびそれを用いた成形品

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JP2000079662A JP11174502A JP17450299A JP2000079662A JP 2000079662 A JP2000079662 A JP 2000079662A JP 11174502 A JP11174502 A JP 11174502A JP 17450299 A JP17450299 A JP 17450299A JP 2000079662 A JP2000079662 A JP 2000079662A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低湿度下でも、また水中浸せき後や成形後も
帯電防止性に優れ、あらゆる環境下で静電気発生を確実
に防止し、且つ、すぐれた透明性、耐ブロッキング性を
有し、導電層の欠損率が極めて低い高制電性積層体およ
びそれを用いた成形品を提供する。 【解決手段】 本発明の高制電性積層体は、基材の少な
くとも片面に導電層を積層してなる高制電性積層体であ
って、当該導電層が導電性高分子および界面活性剤を含
みかつ硬化した層であることを特徴とする。また本発明
の高制電性積層体は、基材の少なくとも片面に導電層を
積層してなる高制電性積層体であって、当該導電層の
25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS0 )が10
11Ω/□以下であり、かつ当該高制電性積層体を40
℃純水中に1時間浸漬した後の導電層の25℃、相対湿
度15%での表面抵抗(RS1 )とRS0 との比(RS
1 /RS0 )がl0以下であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性、耐ブロッ
キング性を維持しつつ、低湿度下での帯電防止性及び耐
水性、耐温水性に優れた高制電性積層体およびそれを用
いた成形品に関する。より詳しくは、本発明は、IC、
LSI、シリコンウェーハー、ハードディスク、液晶基
板、電子部品等の電子材料の保管、移送、装着に際し
て、それらの電子材料を静電気等による破壊やゴミの付
着等から保護するために、導電性を付与した、キャリア
テープ、カバーテープ、容器(トレイ等)、クリーンル
ームなどに用いられる部屋の仕切り板等に特に好適な、
またOHP、X線写真フィルム、銀塩コート写真用フィ
ルム、印画紙、合成紙等の基材に適した高制電性積層体
およびそれを用いた成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、小型電子部品、特にIC、トラン
ジスタ、ダイオード、水晶発振器等のチップ型電子部品
の需要が著しい伸びを示している。これらはプラスチッ
ク成形品からなるキャリアテープのポケット(凹部)に
収納し、カバーフィルムで密封して包装体として供給ま
たは移送され、使用時にカバーフィルムを剥離して取り
出して基板等に装着される。
【0003】包装体の供給時や移送時にキャリアテープ
に静電気が発生して帯電したり、またカバーフィルム剥
離工程でキャリアテープに帯電がきわめておこり易い。
キャリアテープの帯電は電子部品の確実な実装を困難に
したり、静電破壊等の問題を引き起こす。
【0004】これらの問題を解消するため、キャリアテ
ープの原材料となるポリスチレン、ポリプロピレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアク
リロニトリル等の熱可塑性樹脂シートには、導電性又は
帯電防止性を付与することが行われており、カーボンブ
ラックや、界面活性剤を練り込んだり、塗布する方法が
採用されてきた。
【0005】しかし、カーボンブラックを絞り込んだ熱
可塑性樹脂シートから十分な導電性を有するキャリアテ
ープを得るには、カーボンブラックを10〜30重量%
程度添加する必要があり、その結果、成形されたキャリ
アテープの引張り、引裂強度、伸び等の物性が低下した
り、透明性が悪くなるためキャリアテープのポケットに
収納された電子部品を確認することが困難となり、光セ
ンサー等を用いた位置決めが困難を招く等の問題があっ
た。
【0006】上記の問題を解決するために、カーボンブ
ラックをバインダー等に分散させた塗料をプラスチック
シート表面に薄く塗工し、導電層の形成と透明性を確保
する試みがある。しかし、光線透過率はやや改良される
ものの未だ不十分であり、キャリアテープのポケットに
収納された電子部品を確認するのが依然として困難であ
る。また、深絞り加工等でポケットを形成する際のシー
トの伸びにカーボンブラックが追随しないので、所望の
導電性が得られないという問題が生じる。
【0007】また、界面活性剤を使用したシートから得
られるキャリアテープは、透明性が良好であるが、導電
性が低く、且つ導電性の湿度依存性が大きいため、安定
した帯電防止性能が得られない問題があった。
【0008】また、最近では、制電処理された電子材料
用容器を繰り返し使用する動きが活発化している。上記
のごとき界面活性剤を用いた制電性容器を繰り返し使用
のため水等で洗浄すると、界面活性剤が溶出するため、
再使用できないのが現状である。
【0009】また、ブロッキング防止のために熱可塑性
樹脂シート、たとえばポリエステルシートの表面にシリ
コンが塗布されているが、シリコンを塗布すると印刷性
や、ヒートシール性が著しく低下する欠点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
欠点を解消するものであり、低湿度下でも、また水中浸
漬後や成形後も帯電防止性に優れ、あらゆる環境下で静
電気発生を確実に防止し、且つ、すぐれた透明性、耐ブ
ロッキング性を有し、導電層の欠損率が極めて低い高制
電性積層体およびそれを用いた成形品を提供するもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は以下の通
りである。 (1) 基材の少なくとも片面に導電層を積層してなる高制
電性積層体であって、当該導電層が導電性高分子および
界面活性剤を含みかつ硬化した層であることを特徴とす
る高制電性積層体。 (2) 導電層が、さらに熱可塑性高分子を含む上記(1) に
記載の高制電性積層体。 (3) 導電層が、架橋剤の架橋反応により硬化した層であ
る上記(1) または(2) に記載の高制電性積層体。 (4) 導電性高分子が、水または有機溶媒に可溶な導電性
高分子である上記(1) に記載の高制電性積層体。 (5) 導電性高分子が、ポリアニリン及び/またはその誘
導体である上記(1) に記載の高制電性積層体。 (6) 導電性高分子が、スルホン酸基含有ポリアニリン及
び/またはその誘導体である上記(1) に記載の高制電性
積層体。 (7) 導電性高分子が、アルコキシ基置換アミノベンゼン
スルホン酸を重合成分として含む重合体である上記(1)
に記載の高制電性積層体。 (8) 導電性高分子が、アミノアニソールスルホン酸を重
合成分として含む重合体である上記(1) に記載の高制電
性積層体。 (9) 熱可塑性高分子が、親水性基を有するポリエステル
である上記(2) に記載の高制電性積層体。 (10)熱可塑性高分子が、全ジカルボン酸成分に対し、親
水性基を有するジカルボン酸を0.5〜15モル%、お
よび/または全ジオール成分に対し、親水性基を有する
ジオールを0.5〜15モル%共重合した共重合ポリエ
ステルである上記(2) に記載の高制電性積層体。 (11)熱可塑性高分子が、ポリエステルに親水性基を有す
るビニル系モノマーをグラフト重合したグラフトポリエ
ステルである上記(2) に記載の高制電性積層体。 (12)架橋剤が、多官能エポキシ化合物、多官能イソシア
ネート化合物、多官能オキサゾリン化合物、多官能ビニ
ル化合物、多官能アクリル化合物、多官能カルボン酸化
合物、多官能アミン化合物、多官能ヒドロキシ化合物お
よび多官能メルカプト化合物からなる群より選ばれる少
なくとも1種である上記(3) に記載の高制電性積層体。 (13)導電層が、導電性高分子および/または熱可塑性高
分子の自己架橋により硬化した層である上記(1) または
(2) に記載の高制電性積層体。 (14)基材が有機樹脂からなるフィルムまたはシートであ
り、かつ積層体のヘイズが5.0以下である上記(1) に
記載の高制電性積層体。 (15)基材が、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオ
レフィン、ポリウレタンからなる群から選ばれたフィル
ムまたはシートである上記(1) に記載の高制電性積層
体。
【0012】(16)基材の少なくとも片面に導電層を積層
してなる高制電性積層体であって、 当該導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗
(RS0 )が1011Ω/□以下であり、かつ当該高制
電性積層体を40℃純水中に1時間浸漬した後の導電層
の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS1 )とR
0 との比(RS1/RS0 )がl0以下であることを
特徴とする高制電性積層体。 (17)高制電性積層体を150%伸張した後の導電層の2
5℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS2 )とRS0
との比(RS2 /RS0 )がl0以下である上記(16)に
記載の高制電性積層体。 (18)導電層の欠損率が30%以下である上記(16)に記載
の高制電性積層体。 (19)導電層が、導電性高分子および界面活性剤を含みか
つ硬化した層である上記(16)に記載の高制電性積層体。 (20)導電層が、さらに熱可塑性高分子を含む上記(19)に
記載の高制電性積層体。 (21)上記(1) または(16)に記載の高制電性積層体を成形
してなることを特徴とする電子部品用容器。 (22)トレイである上記(21)に記載の電子部品用容器。 (23)上記(1) または(16)に記載の高制電性積層体を成形
してなることを特徴とする電子部品用キャリアテープ。
【0013】(24)基材の少なくとも片面に導電層を積層
してなる高制電性積層体を成形してなる電子部品用トレ
イであって、当該トレイは凹部とその外周のフランジ部
とからなり、当該フランジ部の導電層の25℃、相対
湿度15%での表面抵抗(RS 3 )が1011Ω/□以下
で、当該トレイを40℃純水中に1時間浸漬した後の
フランジ部の導電層の25℃、相対湿度15%での表面
抵抗(RS4 )とRS3との比(RS4 /RS3 )がl
0以下であり、フランジ部の厚みを1とした場合の厚
み0.7〜0.5に相当する凹部の導電層の25℃、相
対湿度15%での表面抵抗(RS5 )とRS3 との比
(RS5 /RS3 )が100以下であり、かつ導電層
の欠損率が30%以下であることを特徴とする電子部品
用トレイ。 (25)上記(1) 、(16)〜(18)のいずれかに記載の高制電性
積層体を成形してなる上記(24)に記載の電子部品用トレ
イ。 (26)基材の少なくとも片面に導電層を積層してなる高制
電性積層体を成形してなる電子部品用キャリアテープで
あって、当該キャリアテープは長手方向に沿って複数配
置された、電子部品を収納するための複数の凹部と、そ
の外周のフランジ部とからなり、当該フランジ部の導
電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS6
が1011Ω/□以下であり、当該キャリアテープを4
0℃純水中に1時間浸漬した後のフランジ部の導電層の
25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS7 )とRS
6 との比(RS7 /RS6 )がl0以下であり、フラ
ンジ部の厚みを1とした場合の厚み0.7〜0.5に相
当する凹部の導電層の25℃、相対湿度15%での表面
抵抗(RS8 )とRS6 との比(RS8 /RS6 )が1
00以下であり、かつ導電層の欠損率が30%以下で
あることを特徴とする電子部品用キャリアテープ。 (27)上記(1) 、(16)〜(18)のいずれかに記載の高制電性
積層体を成形してなる上記(26)に記載の電子部品用キャ
リアテープ。
【0014】(28)容器と、対向する一対の端部が容器内
に固定された、被包装物を挟持するための一対の伸縮性
フィルムとを有する緩衝性包装部材であって、当該伸縮
性フィルムが上記(1) および(16)〜(18)に記載の高制電
性積層体から選ばれることを特徴とする緩衝性包装部
材。 (29)上記(1) 、(16)〜(18)のいずれかに記載の高制電性
積層体をICカード基体として用いたことを特徴とする
ICカード。
【0015】
【発明の実施の態様】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の高制電性積層体は、基材の少なくとも片面に導
電層を積層してなる高制電性積層体である。
【0016】本発明における基材の種類は特に限定しな
いが、無機性基材及び/または有機性基材が使用でき、
無機性基材としては、スチール、アルミ、ステンレス等
の金属材料、シリカ、アルミニウム、チタン等のアルコ
ラートの加水分解で得られる無機高分子材料等からなる
基材が適用可能であり、有機性基材としては、ポリエス
テル、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のナイロン、
ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン等
のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リウレタン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂材料の
単一または2種以上の混合材料からなる単層または2層
以上の基材、熱硬化性樹脂材料等からなる基材が適用可
能である。上記熱可塑性樹脂材料のうち、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリウレタン
が好適に使用できる。また、上記無機材料と有機材料と
のハイブリッド材料からなる基材も適用可能である。
【0017】上記の基材の形態としてはフィルム、シー
ト等の平面性を有するものが好ましい。例えば、ポリエ
ステルフィルムまたはシート、あるいはスチール板、ア
ルミ板、ステンレス板等が挙げられる。
【0018】以下、基材としてポリエステルシートある
いはフィルムを中心に詳細に述べるが、本発明の高制電
性積層体の基材は、ポリエステルシートまたはフィルム
に限定されるものではない。ここでいうポリエステルと
は、主として脂肪族および/または芳香族ジカルボン酸
成分と脂肪族および/または芳香族ジオール成分とから
なる高分子であり、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリエチレンナフタレート(PEN)のホモポリ
マーはもちろんのこと、PETのテレフタル酸成分のす
べてまたは一部を、オルソフタル酸、イソフタル酸、ア
ジピン酸、ジフェニルカルボン酸、ジフェニルエーテル
カルボン酸、セバシン酸、ナフタレンジカルボン酸等の
ごとき他の1種以上のジカルボン酸成分に置換したも
の、PENのナフタレンジカルボン酸成分のすべてまた
は一部を、テレフタル酸、オルソフタル酸、イソフタル
酸、アジピン酸、ジフェニルカルボン酸、ジフェニルエ
ーテルカルボン酸、セバシン酸等のごとき他の1種以上
のジカルボン酸成分に置換したもの、PETおよび/ま
たはPENのエチレングリコール成分のすべてまたは一
部を、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ヘキサメチレングリコール、プロピレングリコー
ル、シクロヘキサングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、ブチレングリコール、トリメチレングリコール等の
ごとき他の1種以上のグリコール成分で置換したもの等
が挙げられる。
【0019】またこのポリエステルシートまたはフィル
ムには、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、アルミナ、
シリカアルミナ、酸化チタン、ゼオライト、ポリスチレ
ン粒子等の無機または有機の滑剤が含まれていてもよ
い。透明性の点から、滑剤の量は少ない方が好ましく、
その添加量は滑剤の粒子径に依存する。一般的に好まし
い滑剤の平均粒径は5ミクロン以下、より好ましくは2
ミクロン以下、また添加量は好ましくは5000ppm
以下、より好ましくは3000ppm以下である。ま
た、ポリマーの本質的な性質を変えない範囲内で添加
剤、紫外線吸収剤、安定剤および顔料を加えることも出
来る。
【0020】上記の基材の少なくとも片面には導電層が
積層されており、当該導電層は導電性高分子および界面
活性剤を含みかつ硬化した層である。導電性高分子を含
有することにより、導電性を付与でき、特に低湿度下で
の帯電防止性が良好となる。
【0021】本発明における導電性高分子は、特に限定
しないが、π電子共役構造を有する導電性高分子、例え
ば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンおよ
びそれらの誘導体が挙げられ、中でも、水または有機溶
媒、特に水に溶解または分散可能な導電性高分子や、ド
ーパントにより水または有機溶媒に可溶化あるいは分散
化される導電性高分子が好ましい。
【0022】このような導電性高分子としては、塩酸、
過塩素酸、硫酸等の無機酸やベンゼンスルホン酸、ナフ
タレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸などスルホ
ン酸基含有化合物等のドーパントで可溶化あるいは分散
化したポリアニリンまたはその共重合体、ポリアニリン
の一部または全てのベンゼン環の1つまたはそれ以上の
水素原子をスルホン酸基で置換したスルホン化ポリアニ
リン、長鎖アルキル基の結合したポリピロール、ポリチ
オフェン及びその誘導体が挙げられ、本発明において
は、スルホン化ポリアニリン、ドーパントである上記酸
性化合物で可溶化されたポリアニリン及びその誘導体が
特に好ましい。
【0023】本発明に用いられるスルホン化ポリアニリ
ンについてはさらに詳述する。該スルホン化ポリアニリ
ンはポリアニリン骨格の一部または全てのベンゼン環の
1つまたはそれ以上の水素原子をスルホン酸基で置換し
たポリマーであり、その構造については特に限定しな
い。ポリアニリンを濃硫酸でスルホン化することにより
得られるスルホン化ポリアニリンや、アミノベンゼンス
ルホン酸類を単独重合またはその他のアニリン類と共重
合することにより得られるスルホン化ポリアニリンがあ
る。本発明においては、後者のスルホン化ポリアニリン
が好適であり、アミノベンゼンスルホン酸類として、ア
ルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸類、特にアミ
ノアニソールスルホン酸類が好適である。
【0024】アミノアニソールスルホン酸類の具体例と
して、2−アミノアニソール−3−スルホン酸、2−ア
ミノアニソール−4−スルホン酸、2−アミノアニソー
ル−5−スルホン酸、2−アミノアニソール−6−スル
ホン酸、3−アミノアニソール−2−スルホン酸、3−
アミノアニソール−4−スルホン酸、3−アミノアニソ
ール−5−スルホン酸、3−アミノアニソール−6−ス
ルホン酸、4−アミノアニソール−2−スルホン酸、4
−アミノアニソール−3−スルホン酸等を挙げることが
できる。上記アミノアニソールスルホン酸類のメトキシ
基が、エトキシ基、イソプロポキシ基等の他のアルコキ
シ基に置換された化合物を用いることも可能である。上
記のアミノアニソールスルホン酸類の中でも、2−アミ
ノアニソール−3−スルホン酸、2−アミノアニソール
−4−スルホン酸、2−アミノアニソール−5−スルホ
ン酸、2−アミノアニソール−6−スルホン酸、3−ア
ミノアニソール−2−スルホン酸、3−アミノアニソー
ル−4−スルホン酸、3−アミノアニソール−6−スル
ホン酸が好ましく用いられる。
【0025】本発明に用いられるスルホン化ポリアニリ
ンは、スルホン酸基含有量は、ベンゼン環に対して好ま
しくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以
上、特に好ましくは100モル%である。また、スルホ
ン酸基を含むベンゼン環と含まないベンゼン環が混在し
たり、交互に並んだりしても、本発明の目的には問題は
ない。スルホン酸基含有率が70モル%未満であると、
スルホン化ポリアニリンの水、アルコールまたはそれら
の混合溶媒系等への溶解性または分散性が不充分にな
り、結果として基材への塗布性及び延展性が悪くなり、
得られる塗布層の導電性が著しく低下する傾向になる。
【0026】本発明に用いられるスルホン化ポリアニリ
ンの数平均分子量は、好ましくは300〜500000
であり、特に10000以上が前述の溶媒への溶解性及
び塗布層の強度の点で好ましい。また、低分子量のスル
ホン化ポリアニリンおよびその誘導体を、ジエポキシ化
合物、ジイソシアネート化合物等の2個以上のアミノ基
と反応し得る基を有する化合物で高分子量化したものを
使用することもできる。
【0027】スルホン化ポリアニリンを基材に塗布する
には、まず所定の溶媒から塗布液を調製するが、その濃
度は溶剤100重量部に対して、スルホン化ポリアニリ
ンは好ましくは0.01−10重量部、より好ましくは
0.1−2重量部である。スルホン化ポリアニリンの使
用量が0.01重量部未満では、溶液の長期保存性が悪
くなり、塗布層にピンホールが発生しやすくなり、塗布
層の導電性が著しく劣る。また、使用量が10重量部を
越えるとスルホン化ポリアニリンの水又は水/有機溶媒
系への溶解性、分散性及び基材への塗布性が悪くなる傾
向があり、好ましくない。
【0028】前記溶媒は、ポリエステルフィルム等の基
材を溶解または膨潤させないならば、いかなる溶媒も使
用可能であるが、水または水/アルコール等の有機溶媒
との混合溶媒を用いる方が、使用環境面で好ましいのみ
ならず、基材への塗布性及び導電性が向上する場合もあ
る。
【0029】有機溶媒はメタノール、エタノール、プロ
パノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ンなどのケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ等のセロソルブ類、メチルプロピレングリコール、エ
チルプロピレングリコールなどのプロピレングリコール
類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど
のアミド類、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリ
ドンなどのピロリドン類などが好ましく用いられる。こ
れらは、水と任意の割合で混合して用いられる。
【0030】この例として、具体的には、水/メタノー
ル、水/エタノール、水/プロパノール、水/イソプロ
パノール、水/メチルプロピレングリコール、水/エチ
ルプロピレングリコールなどを挙げることができる。用
いられる割合は水/有機溶媒=1/10〜10/1が好
ましい。
【0031】基材への密着性、延展性、強度の点から、
導電層は熱可塑性高分子を含有することが好ましい。本
発明で使用される熱可塑性高分子は、ポリエステル、ポ
リアミド(ナイロン、芳香族ポリアミド等)、ポリオレ
フィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリ塩化
ビニル、ポリウレタン、ポリアミドイミド、ポリイミド
等の熱可塑性高分子を含むものであり、その形態は特に
限定されない。水への分散性の点から、親水性基を有す
る熱可塑性高分子が本発明には好適である。親水性基と
は、水に対して親和性を示す基であり、スルホン酸基、
カルボキシル基、リン酸基等の酸性基又はそのアルカリ
金属塩基、アンモニウム塩基やアミノ基、水酸基が挙げ
られる。また、親水性基に変化し得る基を有する熱可塑
性高分子を用い、後の工程で当該高分子を親水性基を有
する熱可塑性高分子としてもよい。親水性基に変化し得
る基としては、エステル基、アミド基、酸無水物基、グ
リシジル基、ニトリル基、クロロ基等が挙げられる。
【0032】上記の熱可塑性高分子の水系分散液を得る
ためには、熱可塑性高分子を適当な水溶性有機化合物に
溶解し、その溶液を水に分散させることが望ましい。例
えば、好ましくは親水性基を有する熱可塑性高分子と水
溶性有機化合物とを50〜200℃で予め混合、溶解
し、この混合物に水を加え攪拌して分散する方法、ある
いは逆にこの混合物を水に加え、攪拌して分散する方
法、あるいは親水性基を有する熱可塑性高分子を水溶性
有機化合物の存在下、水中で40〜120℃で攪拌する
方法がある。
【0033】上記水溶性有機化合物とは、20℃での水
に対する溶解度が20g/l以上の有機化合物であり、
例えば、脂肪族および脂環族のアルコール類、エーテル
類、エステル類、ケトン類等であり、具体的には、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ルなどの1価アルコール類、エチレングリコール、プロ
ピレングリコールなどのグリコール類、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、n−ブチルセロソルブなどのグ
リコール誘導体、ジオキサン、テトラヒドロフランなど
のエーテル類、酢酸エステルなどのエステル類、メチル
エチルケトンなどのケトン類である。これら有機化合物
は単独または2種以上を併用することが出来る。上記水
溶性有機化合物の中でも、水への分散性、基材への塗布
性の点からイソプロパノール、ブチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブが好ましい。
【0034】本発明においては、熱可塑性高分子とし
て、導電性の点から、親水性基含有ポリエステルが好適
に使用できる。当該ポリエステルにおいて、親水性基の
導入方法として、例えば、ポリエステルに濃硫酸を反応
させスルホン酸基を導入する方法や、親水性基を有する
モノマーを共重合成分とする方法があるが、後者が生産
上好ましい。
【0035】本発明に好適な親水性基含有ポリエステル
は、全ジカルボン酸成分に対し、親水性基を有するジカ
ルボン酸を0.5〜15モル%および親水性基を有しな
いジカルボン酸85〜99.5モル%、および/または
全ジオール成分に対し、親水性基を有するジオールを
0.5〜15モル%および親水性基を有しないジオール
85〜99.5モル%を重合させて得られた実質的に水
不溶性の共重合ポリエステルである。親水性基を有する
ジカルボン酸および/又はジオールの含有量が15モル
%を超えると共重合ポリエステルの耐水性が低下するお
それがあり、逆に0.5モル%未満では共重合ポリエス
テルが水に分散しにくくなるおそれがあり、水分散液と
して基材に塗布することが困難になる場合がある。
【0036】本発明においては、親水性基としては、ス
ルホン酸金属塩基が特に好ましく、この場合、スルホン
酸金属塩基含有ジカルボン酸をモノマー原料として使用
するのが好ましい。スルホン酸金属塩基含有ジカルボン
酸としては、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタ
ル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−
2,7−ジカルボン酸、5−(4−スルホフェノキシ)
イソフタル酸等の金属塩などがあげられ、特に好ましい
のは5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ナトリウムス
ルホテレフタル酸である。これらのスルホン酸金属塩基
含有ジカルボン酸成分は全ジカルボン酸成分に対して、
好ましくは0.5〜15モル%、特に好ましくは2.0
〜10モル%である。
【0037】上記ポリエステルの水に対する分散性は、
共重合成分、溶剤としての水溶性有機化合物の種類およ
び配合比などによって異なるが、親水性基の含有量は水
に対する分散性を損なわない限り少量の方が耐水性の面
から好ましい。
【0038】上記ポリエステルの、親水性基を有しない
ジカルボン酸としては、芳香族、脂肪族、脂環族のジカ
ルボン酸が使用できる。芳香族ジカルボン酸としては、
テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸などをあげることが出来る。
これらの芳香族ジカルボン酸は全ジカルボン酸成分の4
0モル%以上であることが好ましく、40モル%未満で
はポリエステルの機械的強度や耐水性が低下する。脂肪
族および脂環族のジカルボン酸としては、コハク酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、1,3−シクロペンタンジカル
ボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸などがあげられる。
【0039】上記ポリエステルのグリコール成分として
は、炭素数2−8個の脂肪族グリコールが主として用い
られ、具体的にはエチレングリコール、トリメチレング
リコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、1,6−へキサンジオ
ール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−
シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、p−キシレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコールなどである。またポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコールなどのポリエーテルも使用
可能である。さらにp−オキシエトキシ安息香酸の様な
オキシカルボン酸成分を共重合させてもかまわない。ま
た、少量のアミド結合、ウレタン結合、エーテル結合、
カーボネート結合などを含有するジカルボン酸および/
またはグリコール成分を共重合させてもかまわない。
【0040】上記親水性基含有ポリエステルは、例え
ば、上記ジカルボン酸成分、上記グリコール成分を用い
て、常法により、エステル交換反応、重縮合反応などを
行うことにより得られる。得られた親水性基含有ポリエ
ステルは、例えば、n−ブチルセロソルブのような溶媒
とともに加熱攪拌され、さらに攪拌しながら徐々に水を
加えることにより、水溶液または水分散液とされて用い
られ得る。
【0041】また、本発明においては、熱可塑性高分子
として、幹ポリマーであるポリエステルの側鎖に枝ポリ
マーの重合成分である親水性基を有するビニル系モノマ
ーをグラフト重合したグラフトポリエステルも使用可能
である。当該ポリマーを使用することにより、透明性、
基材への密着性、耐久性をさらに向上させることができ
る。
【0042】ポリエステルにグラフトさせることができ
る親水性基を有するビニル系モノマーとしては、カルボ
キシル基、スルホン酸基またはそれらのアルカリ金属塩
基あるいはアンモニウム塩基や、水酸基、アミド基など
を有するビニル系モノマー、親水性基に変化させること
ができる基として、エステル基、アミド基、酸無水物
基、グリシジル基、クロル基、ニトリル基などを有する
ビニル系モノマーが挙げられる。そのなかでカルボキシ
ル基またはそのアルカリ金属塩基あるいはアンモニウム
塩基を有するビニル系モノマーが最も好ましい。
【0043】例えば、アクリル酸、メタクリル酸及びそ
れらの塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩等)等のカ
ルボキシル基又はその塩を含有するモノマー;メチルア
クリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリ
レート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリ
レート、t−ブチルアクリレート等のアルキルアクリレ
ート;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレ
ート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリ
レート等のアルキルメタクリレート;2−ヒドロキシエ
チルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト等のヒドロキシル基含有モノマー、アクリルアミド、
メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メ
チルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メトキシメ
チルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルア
ミド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、N−フェ
ニルアクリルアミド等のアミド基含有モノマー、グリシ
ジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポ
キシ基含有モノマー等があげられる。
【0044】そのほかの親水性基を有するモノマーとし
ては、例えば、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ
基含有モノマー、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン
酸及びそれらの塩等のスルホン酸基又はその塩を含有す
るモノマー、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フ
マール酸及びそれらの塩等のカルボキシル基またはその
塩を含有するモノマー、無水マレイン酸、無水イタコン
酸等の酸無水物基を有するモノマーがあげられる。
【0045】これらは他のモノマーと併用することがで
きる。他のモノマーとしては、例えば、ビニルイソシア
ネート、アリルイソシアネート、スチレン、ビニルメチ
ルエーテル、ビニルエチルエーテル、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、酢酸ビニ
ル、塩化ビニル等が挙げられ、これらの中から1種類ま
たは2種類以上を用いて共重合することができる。親水
性基を有するモノマーとそれ以外のモノマーとの比率は
モル比で30/70〜100/0の範囲が好ましい。親
水性基を有するビニル系モノマーの比率が30モル%未
満では塗布層の透明性を高める効果が十分に発揮されな
い。
【0046】上記グラフトポリエステルの幹ポリマーで
あるポリエステルのジカルボン成分としては、芳香族、
脂肪族、脂環族のジカルボン酸が使用できる。芳香族ジ
カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オ
ルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などを
あげることが出来る。これらの芳香族ジカルボン酸は全
ジカルボン酸成分の40モル%以上であることが好まし
く、40モル%未満ではグラフトポリエステルの機械的
強度や耐水性が低下する。脂肪族および脂環族のジカル
ボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、
1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸などがあげられる。グリコール成分としては、炭
素数2−8個の脂肪族グリコールが主として用いられ、
具体的にはエチレングリコール、トリメチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,6−へキサンジオール、
1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロ
ヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、p−キシレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコールなどである。またポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコールなどのポリエーテルも使用可能で
ある。さらにp−オキシエトキシ安息香酸の様なオキシ
カルボン酸成分を共重合させてもかまわない。また、少
量のアミド結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボ
ネート結合などを含有するジカルボン酸および/または
グリコール成分を共重合させてもかまわない。
【0047】親水性基を有するビニル系モノマーをポリ
エステルにグラフトさせる方法としては公知のグラフト
重合法を用いることが出来る。その代表例として以下の
方法があげられる。
【0048】例えば、光、熱、放射線等によって幹ポリ
マーであるポリエステルにラジカルを発生させてからビ
ニル系モノマーをグラフト重合させるラジカル重合法、
或いはAlCl3 、TiCl4 等の触媒を用いてカチオ
ンを発生させてからビニル系モノマーをグラフト重合さ
せるカチオン重合法、或いは金属Na、金属Li等を用
いてアニオンを発生させてからビニル系モノマーをグラ
フト重合させるアニオン重合法等がある。
【0049】また、あらかじめ幹ポリマーであるポリエ
ステルに重合性不飽和二重結合を導入しこれにビニル系
モノマーを反応させる方法もあげられる。これに用いら
れる重合性不飽和二重結合を有するモノマーとしては、
フマール酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン
酸、シトラコン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸
およびその無水物、テトラヒドロ無水フタル酸等をあげ
ることができる。このうち最も好ましいものはフマール
酸、マレイン酸、及び2,5−ノルボルネンジカルボン
酸である。
【0050】さらに、側鎖に官能基を有する幹ポリマー
のポリエステルと、末端に前記の官能基と反応する基を
有する枝ポリマーを反応させる方法があげられる。例え
ば、側鎖に−OH基、−SH基、−NH2 基、−COO
H基、−CONH2 基等の活性水素を有するポリエステ
ルと、片末端が−N=C=O基、−C=C=O基、エポ
キシ基、グリシジル基、エチレンスルフィド基等の水素
受容基を有するビニル系重合体とを反応させる方法、こ
の逆の組み合わせで反応させる方法があげられる。
【0051】本発明において、幹ポリマーであるポリエ
ステルとグラフトされるビニル系モノマーの重量比は、
好ましくは40/60〜95/5、より好ましくは55
/45〜93/7、特に好ましくは60/40〜90/
10の範囲である。ポリエステルの重量比が40%未満
であると、ビニル系モノマーが完全に反応しないまま残
るため従来のポリエステルの持つ耐熱性、加工性等の特
性が損なわれる場合がある。逆にポリエステルの重量比
が95%を越えるときは、本発明の目的である導電性、
透明性の向上効果が充分に発揮されない場合がある。
【0052】さらに、導電層の表面硬度を向上させるた
めに、上記親水性基含有ポリエステルやグラフトポリエ
ステルの重合成分として、トリメリット酸、トリメシン
酸、ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ピロメ
リット酸などの多カルボキシ基含有モノマーを5モル%
以下の割合で用いることも可能である。5モル%を越え
る場合には、得られるポリマーが熱的に不安定となり、
ゲル化しやすく、本発明の導電層の成分として好ましく
ない。
【0053】後述するように、熱可塑性高分子を自己架
橋させる場合には、当該熱可塑性高分子に架橋性反応基
を導入するが、架橋性反応基としては、例えば、アクリ
ル基、ビニル基、エポキシ基、イソシアネート基、オキ
サゾリン基、シラノール基、酸クロリド基、カルボキシ
ル基、アミノ基、水酸基、メルカプト基等が挙げられ
る。これらの架橋性反応基の導入は、架橋性反応基を有
する重合成分を重合させる方法が採用され得る。例え
ば、熱可塑性高分子が上記の親水性基含有ポリエステル
の場合、ポリエステルのジカルボン酸成分および/また
はジオール成分として架橋性反応基を有するモノマーを
使用し、熱可塑性高分子が上記のグラフトポリエステル
の場合、ポリエステルのジカルボン酸成分および/また
はジオール成分として架橋性反応基を有するモノマーを
使用するか、あるいはビニル系モノマーとして架橋性反
応基を有するモノマーを使用する。
【0054】上記熱可塑性高分子の含有量は、特に限定
しないが、得られる導電層の導電性および機械的特性か
ら、スルホン化ポリアニリン等の導電性高分子100重
量部に対して50〜2000重量部が好ましく、さらに
好ましくは100〜1500重量部、最も好ましくは2
00〜1000重量部である。
【0055】本発明の高制電性積層体は、導電層の耐水
性を向上させて、水に浸漬した後の制電性の低下を抑え
るため、導電層は3次元の架橋により硬化していること
が必要である。架橋方法としては、架橋剤を用いる方
法、導電性高分子および/または熱可塑性高分子に架橋
性反応基を導入して自己架橋させる方法、過度の加熱や
放射線照射により導電性高分子および/または熱可塑性
高分子を架橋させる方法等が挙げられる。
【0056】本発明で使用される架橋剤としては、自身
が分子間で架橋反応して三次元網状構造を形成するか、
または活性水素を有する有機化合物、無機化合物、高分
子化合物(上記の導電性高分子や熱可塑性高分子であっ
てもよい。)と反応して架橋結合を形成することが可能
な反応性基(例えば、アクリル基、ビニル基、エポキシ
基、イソシアネート基、オキサゾリン基、シラノール
基、酸クロリド基、カルボキシル基、アミノ基、水酸
基、メルカプト基等)を分子内に2個以上有する化合
物、または水等の溶媒中において通常の条件下では保護
されて反応しないが、加熱、pH調整などの処理によ
り、イソシアネート基などの上記反応性基に再生する基
を分子内に2個以上有する化合物である。このような化
合物としては、多官能ビニル化合物、多官能アクリル化
合物、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化
合物、多官能オキサゾリン化合物、多官能カルボン酸化
合物、多官能アミン化合物、多官能ヒドロキシ化合物、
多官能メルカプト化合物等が挙げられる。
【0057】多官能エポキシ化合物としては、ビスフェ
ノールAを出発原料としたビスフェノールA系エポキシ
樹脂、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリ
セロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトー
ルポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシ
ジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、
トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシ
アヌレート、トリメチロールプロパンポリグリシジルエ
ーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ネオペンチ
ルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−へキサン
ジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−
ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエー
テル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ
テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、アジ
ピン酸グリシジルエステル、o−フタル酸グリシジルエ
ステル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジル
エーテル、等があげられる。
【0058】上記多官能エポキシ化合物は、共存する導
電性高分子および/または熱可塑性高分子と反応する以
外に、他の活性水素を有する化合物を添加して反応させ
ることも可能である。そのような化合物としては、例え
ば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
テトラエチレンペンタミン、ポリオキシプロピレンポリ
アミン、トリエチレングリコールジアミン、テトラエチ
レングリコールジアミンなどの脂肪族ポリアミン、キシ
リレンジアミン、スピロアセタールジアミン、イソホロ
ンジアミン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキ
シル)メタンなどの環状ポリアミン、ジアミノジフェニ
ルメタン、ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族ポ
リアミン、ポリアミンとジカルボン酸との縮合により合
成される分子内に活性アミノ基を多数有するポリアミノ
アミド、アミンアダクト硬化剤、マンニッヒ型硬化剤等
の変性アミンなどがあげられる。
【0059】多官能イソシアネート化合物としては、例
えば、熱反応型水溶性ウレタン樹脂であるエラストロン
(商品名、第一工業製薬(株))などがあげられる。こ
れは、末端イソシアネート基がブロック剤により保護さ
れて、水中においても安定に取り扱えるように工夫した
反応性ウレタン樹脂である。エラストロンのブロック剤
にはカルバモイルスルホネート基(−NHCOSO
3 −)なる強力な親水性基を有する化合物が使用されて
いる。エラストロンは一定の熱処理されると、ブロック
剤が解離し、活性イソシアネート基が再生される特徴を
有する。具体的には、100℃以下で予備乾燥し、12
0−170℃の数分の熱処理により、エラストロンはそ
れ自身単独で再生したイソシアネート基により、分子間
で自己架橋反応して3次元の網目構造をもったポリウレ
タン被膜を形成する。また他の活性水素含有化合物と混
合して熱処理を行うと、それらの化合物を架橋により改
質することができる。例えばポリビニルアルコールと混
合して熱処理を行うと耐水化させることができる。
【0060】多官能ビニル化合物としては、例えば、ポ
リブタジエン、イソプレン等が挙げられる。
【0061】多官能アクリル化合物としては、例えば、
アロニックス(商品名 東亜合成(株)製)が挙げら
れ、具体的には、ビスフェノールF EO変性(4モ
ル)ジアクリレート(M−208)、ビスフェノールA
EO変性(4モル)ジアクリレート(M−210)、
イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート(M−21
5)、トリプロピレングリコールジアクリレート(M−
220)、ポリプロピレングリコールジアクリレート
(nは約7、PPG#400、M−225)、ペンタエ
リスリトールジアクリレートモノステアレート(M−2
33)、ポリエチレングリコールジアクリレート(nは
約4、PPG#200、M−240)、ポリエチレング
リコールジアクリレート(nは約9、PPG#400、
M−245)、ポリエチレングリコールジアクリレート
(nは約13〜14、PPG#600、M−260)、
ポリプロピレングリコールジアクリレート(nは約1
2、M−270)、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート(M−305)、トリメチロールプロパントリアク
リレート(M−309)、トリメチロールプロパンPO
変性(3モル)トリアクリレート(M−310)、イソ
シアヌル酸EO変性トリアクリレート(M−315)、
トリメチロールプロパンPO変性(6モル)トリアクリ
レート(M−320)、トリメチロールプロパンEO変
性(3モル)トリアクリレート(M−350)、トリメ
チロールプロパンEO変性(6モル)トリアクリレート
(M−360)、ジペンタエリスリトールペンタおよび
ヘキサアクリレート(M−400)、ジトリメチロール
プロパンテトラアクリレート(M−408)、ペンタエ
リスリトールテトラアクリレート(M−450)、ウレ
タンアクリレート(M−1100)、ポリエステルアク
リレート(M−7000シリーズ、M−8000シリー
ズ、M−7100、M−8060)が挙げられる。
【0062】多官能オキサゾリン化合物としては、例え
ば、エポクロス(商品名、日本触媒(株)製)等が挙げ
られる。
【0063】多官能カルボン酸化合物としては、例え
ば、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、トリメ
シン酸等が挙げられる。
【0064】多官能アミン化合物としては、例えば、バ
ーサミン、バーサミド(商品名、ヘンケルジャパン
(株)製)のようなポリアミンまたはポリアミドアミン
化合物、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン等が挙げられる。
【0065】多官能ヒドロキシ化合物としては、例え
ば、ポリビニルアルコール、ポリエーテルポリオール、
ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリカ
ーボネートジオール、トリメチロールエタン、トリメチ
ロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等
が挙げられる。
【0066】多官能メルカプト化合物としては、例え
ば、トリビニルシクロヘキサン変性トリメチレンジオー
ル等が挙げられる。
【0067】上記に述べた架橋剤は、導電層形成時に使
用する溶剤に溶け、安定ならば如何なるものも使用可能
である。中でも多官能エポキシ化合物、多官能イソシア
ネート化合物、特に水に可溶で安定な水系多官能イソシ
アネート化合物が好ましい。
【0068】また、上記の多官能反応性基含有化合物中
に、モノビニル化合物、モノアクリル化合物、モノエポ
キシ化合物、モノイソシアネート化合物、モノオキサゾ
リン化合物、モノカルボン酸化合物、モノアミン化合
物、モノヒドロキシ化合物、モノメルカプト化合物等を
含んでもよい。
【0069】導電性高分子および/または熱可塑性高分
子を自己架橋させる場合、これらの高分子は架橋性反応
基を有することが必要であり、このような架橋性反応基
としては、例えば、アクリル基、ビニル基、エポキシ
基、イソシアネート基、オキサゾリン基、シラノール
基、酸クロリド基、カルボキシル基、アミノ基、水酸
基、メルカプト基等が挙げられる。
【0070】本発明の積層体を電子部品用容器(特にト
レイ)に成形して使用する場合には、水洗を繰り返しな
がらトレイを再使用するが、架橋硬化することにより、
水洗による制電性の低下を防止できるだけでなく、水洗
後トレイに付着する水の振り切り性が良くなるという効
果がある。また、架橋硬化により導電層は水洗直後の吸
水量が少なく膨潤していないため、乾燥時間を短縮でき
る。ゴミの付着が少ない、水洗時の傷つきが少ないとい
った効果もある。
【0071】しかし、架橋硬化が強すぎると、加工等で
高制電性積層体を伸張した場合、導電層が伸びに追従で
きず、伸張部分での制電性の低下が起こるため、150
%伸張した時に表面抵抗値が10倍より大きくならない
ように、架橋硬化させる必要がある。
【0072】なお、導電層中にポリエチレングリコール
が含有されていると、延展性が良好となり好ましい。ポ
リエチレングリコールは単独で導電層組成物中に配合し
てもよいし、あるいは上記親水性基含有ポリエステルや
グラフトポリエステル中のポリエステルの共重合成分と
してもよいし、上記グラフトポリエステルの枝ポリマー
に導入してもよい。また、他の熱可塑性樹脂に組み込ま
れてもよい。
【0073】本発明においては、基材上への導電層の形
成方法は、特に限定されないが、例えば、導電性高分
子、熱可塑性高分子、必要に応じて架橋剤等を含有する
導電層用組成物を溶融体とし、それを適当なダイから押
し出す、溶融押し出し法や、あるいは水または適当な有
機溶媒に上記組成物を分散または溶解して塗布液を調製
し、これを基材に塗布する、コーティング法があるが、
塗布層の厚みを、薄くかつコントロールでき、得られる
積層体の透明性が良好となる点からも、後者が好まし
い。
【0074】上記組成物はさらに界面活性剤を含有す
る。これにより、特にコーティング法による導電層形成
時、塗布時のハジキ、むらなどを防止して塗れ性を向上
でき、導電層の欠損部分を殆ど無くすることができる。
【0075】本発明で使用できる界面活性剤としては、
イオン系、非イオン系を問わず、いかなるものでも使用
可能であり、例えば、フルオロアルキルカルボン酸、パ
ーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキル
ベンゼンスルホン酸、パーフルオロアルキル4級アンモ
ニウム、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタ
ノールなどフッ素系界面活性剤;ポリオキシエチレンオ
クチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ルなどの非イオン性界面活性剤が好適に使用できる。
【0076】導電性高分子が、ドーパントにより水溶化
または水分散化されたポリアニリン(例えばスルホン化
ポリアニリン)のような水溶性または水分散性導電性高
分子の場合には、非イオン系界面活性剤の使用が好まし
い。
【0077】本発明に用いられる界面活性剤の量は、ス
ルホン化ポリアニリン等の導電性高分子100重量部に
対して、0.001重量部以上10重量部以下が好まし
い。界面活性剤量が10重量部を越えると、高制電性積
層体を重ねたりロール状物として導電層が基材裏面と接
触した際に、界面活性剤が基材裏面に移ってしまい、ラ
ミ、蒸着、印刷等の2次加工時で問題を生じやすい。
0.001重量部未満であると、導電層の欠損部分が発
生してしまう恐れがある。
【0078】得られる積層体の滑り性を向上させるため
に、上記の導電層用組成物は、さらに脂肪酸金属塩や不
活性粒子を含有してもよい。
【0079】本発明で使用できる脂肪酸金属塩として
は、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、メ
リシン酸ナトリウム、ヘルタコサン酸ナトリウム、オレ
イン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、パルミチ
ン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸
ナトリウムなどが挙げられ、アルカリ金属塩及びアルカ
リ土類金属塩が好ましいが、中でもナトリウム塩が特に
好ましい。
【0080】本発明で使用できる不活性粒子としては、
酸化チタン(TiO2 )、酸化珪素(SiO2 )、カオ
リン、炭酸カルシウム(CaCO3 )、アルミナ(Al
2 3 )、硫酸バリウム(BaSO4 )、酸化亜鉛(Z
nO)、タルク、マイカ、複合粒子などの無機粒子;ポ
リスチレン、ポリアクリレート、またはそれらの架橋体
で構成される有機粒子などが挙げられる。これらの粒子
の平均一次粒子径は0.2ミクロン以下が塗布層の透明
性の点から好ましい。また添加量は導電層組成物中10
00ppm以下が透明性の点から好ましい。
【0081】また、導電層の導電性のさらなる向上を目
的として、SnO2 (酸化スズ)、ZnO(酸化亜鉛)
の粉末、またはそれらを被覆したTiO2 、BaSO4
などの無機粒子あるいは有機粒子;カーボンブラック、
黒鉛、カーボン繊維などのカーボン系導電性フィラー;
ポリアニリン、スルホン化ポリアニリン、ポリピロー
ル、溶解性ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高
分子を塗布あるいは積層した無機または有機粒子を添加
することも可能である。透明性の点から、それらの粒子
の平均一次粒子径は0.2ミクロン以下が好ましい。上
記添加剤の含有量は、スルホン化ポリアニリン等の導電
性高分子100重量部に対して、4000重量部以下の
割合であることが好ましい。4000重量部を越える場
合には、塗布液の粘度アップにより塗布ムラの原因とな
るおそれがあるのみならず、透明性の点からも好ましく
ない。
【0082】基材への塗布量は乾燥重量で0.01〜
6.0g/m2 が好ましい。塗布量が0.01g/m2
未満では、所望の導電性が得られない恐れがある。また
6.0g/m2 を超えるとブロッキング性が悪くなる恐
れがある。
【0083】基材、特に熱可塑性樹脂シートやフィルム
表面に導電層を形成する方法としては、グラビアロール
コーティング法、リバースロールコーティング法、ナイ
フコータ法、ディップコート法、スピンコート法、噴霧
法などがあるが、導電性組成物に適したコート法は特に
制限はない。シートやフィルムへの塗布を製膜工程内で
同時に行うインラインコート法と、製膜ロール製造後独
立して行うオフラインコート法があるが、用途に応じて
好ましい方法を選ぶことが可能で、特に制限はない。
【0084】本発明で用いる導電性高分子、なかでもス
ルホン化ポリアニリンは250℃以上の高温では不安定
であるが、200℃で約3分間の熱処理でも熱安定性が
良好であるので、共存する熱可塑性高分子及び添加剤の
種類にもよるが、通常短時間の200℃加熱ならば導電
性に悪影響を与えず、透明性及び良好な帯電防止性を維
持しつつ、強い表面強度を与えることができ好ましい。
【0085】導電性組成物を含有する塗布液を基材に塗
布する前に、基材が有機性基材の場合、コロナ処理、窒
素雰囲気下でのコロナ処理、紫外線照射処理を施した
り、アンダーコート層を設けてもよく、これにより、塗
布液の塗布性が良くなり、また基材との密着性が改善さ
れる。
【0086】また導電層形成後、当該導電層にコロナ処
理や紫外線照射処理を施すことにより、導電層表面の塗
れ性や印刷性を向上させることができ、当該導電層上に
さらに層形成したり印刷する際に良好に行うことができ
る。
【0087】さらに、導電性を損なわない程度に、導電
層上に薄い保護層を形成してもよい。
【0088】本発明の高制電性積層体の表面抵抗は非常
に低く、導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗
(RS0 )が1011Ω/□以下、好ましくは1010Ω/
□以下、より好ましくは109 Ω/□以下であり、低湿
度下においても優れた帯電防止性を有する。また帯電減
衰時間が好ましくは2.0秒以下、より好ましくは0.
5秒以下である。ここで、表面抵抗値とは、導電層表面
の電気の流れに難さを示すものであり、帯電減衰時間と
は、一旦帯電した電荷の逃げやすさを示すものである。
いずれも帯電防止性の目安である。
【0089】また、本発明の高制電性積層体は耐水性に
も優れており、本発明の高制電性積層体を40℃純水中
に1時間浸漬した後の導電層の25℃、相対湿度15%
での表面抵抗(RS1 )とRS0 との比(RS1 /RS
0 )がl0以下、好ましくは8以下、より好ましくは5
以下であり、水に浸漬しても帯電防止性が低下すること
がほとんど無いので、水洗による繰り返し使用、水に濡
れる恐れがある場合での使用が可能となる。
【0090】さらに成形性にも優れており、本発明の高
制電性積層体を150%伸張した後の導電層の25℃、
相対湿度15%での表面抵抗(RS2 )とRS0 との比
(RS2 /RS0 )が好ましくはl0以下、より好まし
くは8以下、特に好ましくは5以下であり、成形時の伸
びによっても帯電防止性の低下がほとんどない。
【0091】導電層のRS0 が1011Ω/□以下、RS
1 /RS0 がl0以下、かつRS2/RS0 がl0以下
である高制電性積層体を製造するには、導電層組成物と
して、導電性高分子、熱可塑性高分子および界面活性剤
を含む上述の組成物を用いて塗布層を形成し、この塗布
層を硬化させる方法等が採用される。
【0092】さらに耐熱性にも優れており、本発明の高
制電性積層体を250℃で1分間加熱した後の導電層の
25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS9 )とRS
0 との比(RS9 /RS0 )が好ましくは5.0以下、
より好ましくは3.0以下であり、成形時の熱によって
も帯電防止性の低下がほとんどない。
【0093】さらにまた、本発明の高制電性積層体は、
ヘイズが好ましくは5.0以下、より好ましくは3.0
以下であり、透明性に優れている。
【0094】本発明の高制電性積層体の可視光線透過率
はJIS7105の測定で75%以上、さらには80%
以上、最適には85%以上であることが好ましい。可視
光線透過率を75%以上にすることにより、高制電性積
層体を包装材料として用いた場合に、内容物の目視によ
る確認、テレビカメラによる自動監視、内容物に貼られ
たバーコードの処理、などが容易に行える。
【0095】本発明の高制電性積層体の導電層の可視光
線透過率は75%以上、さらには80%以上、最適には
85%以上であることが好ましい。このような高い可視
光線透過率の導電層を用いることにより、可視光線透過
率が多少低かったり、半透明な基材でも用いることがで
き、用いる基材の種類が増える。さらに、上記のように
光学的に内容物を監視する場合の誤動作を防ぐため、表
面マット処理等を行う場合があるが、この場合でもマッ
ト化による可視光線透過率の低下をカバーすることがで
きる。
【0096】導電層の可視光線透過率(X)は高制電性
積層体の可視光線透過率(Z)、基材の可視光線透過率
(Y)を測定することで、Z=XYの関係式から概算す
ることができる。基材の可視光線透過率は、高制電性積
層体の導電層を溶剤等で膨潤させ、こすり落とす等して
剥がして測定することができる。また、マット化された
場合には、被測定物とほぼ同等の屈折率を持ちかつ被測
定物を犯さない適当な溶剤を表面に塗布することにより
測定することができる。
【0097】本発明の高制電性積層体は、導電層の欠損
率が好ましくは30%以下、より好ましくは20%以
下、さらに好ましくは10%以下、特に好ましくは5%
以下である。ここで、本発明においては、導電層の欠損
率とは、導電層の欠損部分の面積の、積層体表面(導電
層側)全体の面積に対する割合をいう。導電層の欠損率
が30%を超えると、その部分での導電性がないため、
制電性を発揮できず、静電気の除去が十分に発揮できな
い。このような積層体を成形してトレイやキャリアテー
プ等とすると、内容物(電子部品等)が破壊されること
がある。なお、高制電性積層体の導電層がメッシュ状等
の一定のパターンで印刷されている場合には、パターン
全体に対するパターンの欠損部分をいう。
【0098】導電層の欠損率を30%以下とするために
は、例えば、導電性組成物の塗布液に、導電性高分子、
熱可塑性樹脂、溶媒、基材等に種類に応じて選択される
適正な界面活性剤を添加することにより達成できる。
【0099】通常、導電層をコーティング法により形成
する場合、塗布液の極性が高いと、塗布直後に塗布液が
基材上で凝集するはじきといわれる現象が起こり、その
まま乾燥させると導電層が形成されていない欠損部分が
生じる。この現象はプラスチック基材の場合に特に著し
く起こり、欠損部分が多いと実用に耐えるものではな
い。
【0100】このように、本発明の高制電性積層体は、
低湿度下においても、また水に浸漬後や成形後において
も帯電防止性に優れ、透明性、耐ブロッキング性に優れ
たものであるので、IC、LSI、シリコンウェーハ
ー、ハードディスク、液晶基板、電子部品等の電子材料
の保管、移送、装着に際して、それらの電子材料を静電
気等による破壊やゴミの付着等から保護するために使用
されるキャリアテープ、容器(トレイ)、マガジンや、
包装材料、ICカードの基材等に好適に使用される。
【0101】電子部品用トレイ、キャリアテープの場
合、樹脂を成形した後、導電層をその上に形成してもよ
いが、熱可塑性フィルムを基材とした高制電性積層体を
プレス成形(例えば250℃で1分間加熱)することが
好ましい。本発明の高制電性積層体は、成形時の伸びや
熱による帯電防止性の低下がほとんどなく、導電層の剥
がれがないので、プレス成形しても所望のトレイ、キャ
リアテープが得られる。
【0102】電子部品用トレイに使用する場合には、本
発明の高制電性積層体をプレス加工して、例えば、凹部
(加工部)とその外周のフランジ部を有する形状に成形
する。当該電子部品用トレイにおいては、フランジ部の
導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(R
3 )が1011Ω/□以下、好ましくは1010Ω/□以
下、より好ましくは109 Ω/□以下であり、低湿度下
においても優れた帯電防止性を有する。
【0103】また、当該トレイを40℃純水中に1時間
浸漬した後のフランジ部の導電層の25℃、相対湿度1
5%での表面抵抗(RS4 )とRS3 との比(RS4
RS 3 )がl0以下、好ましくは8以下、より好ましく
は5以下であり、水に浸漬しても帯電防止性が低下する
ことがほとんど無く、水洗による繰り返し使用、水に濡
れる恐れがある場合での使用が可能となる。
【0104】さらに、フランジ部の厚みを1とした場合
の厚み0.7〜0.5に相当する凹部の導電層の25
℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS5 )とRS3
の比(RS5 /RS3 )が100以下、好ましくは80
以下、より好ましくは50以下であり、プレス成形時の
伸びや熱によっても凹部の帯電防止性の低下が少ない。
【0105】さらに、トレイの導電層の欠損率が30%
以下、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以
下、特に好ましくは5%以下である。導電層の欠損部分
の面積が30%を超えると、その部分での導電性がない
ため、制電性を発揮できず、静電気の除去が十分に発揮
できない。このようなトレイではその内容物(電子部品
等)が破壊される。ここで、本発明においては、トレイ
の導電層の欠損率とは、トレイのフランジ部と凹部の全
体の導電層の欠損部分の面積の、トレイのフランジ部と
凹部の表面(導電層側)全体の面積に対する割合をい
う。
【0106】また、本発明の高制電性積層体を電子部品
用キャリアテープ用に使用する場合には、本発明の高制
電性積層体をプレス加工して、例えば、長手方向に沿っ
て複数配置された、電子部品を収納するための複数の凹
部(加工部)と、その外周のフランジ部を有する形状に
成形する。当該電子部品用キャリアテープにおいては、
フランジ部の導電層の25℃、相対湿度15%での表面
抵抗(RS6 )が10 11Ω/□以下、好ましくは1010
Ω/□以下、より好ましくは109 Ω/□以下であり、
低湿度下においても優れた帯電防止性を有する。
【0107】また、当該キャリアテープを40℃純水中
に1時間浸漬した後のフランジ部の導電層の25℃、相
対湿度15%での表面抵抗(RS7 )とRS6 との比
(RS 7 /RS6 )がl0以下、好ましくは8以下、よ
り好ましくは5以下であり、水に浸漬しても帯電防止性
が低下することがほとんど無く、水洗による繰り返し使
用、水に濡れる恐れがある場合での使用が可能となる。
【0108】さらに、フランジ部の厚みを1とした場合
の厚み0.7〜0.5に相当する凹部の導電層の25
℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS8 )とRS6
の比(RS8 /RS6 )が100以下、好ましくは80
以下、より好ましくは50以下であり、プレス成形時の
伸びや熱によっても凹部の帯電防止性の低下が少ない。
【0109】さらに、キャリアテープの導電層の欠損率
が30%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは
10%以下、特に好ましくは5%以下である。導電層の
欠損部分の面積が30%を超えると、その部分での導電
性がないため、制電性を発揮できず、静電気の除去が十
分に発揮できない。このようなキャリアテープではその
内容物(電子部品等)が破壊される。ここで、本発明に
おいては、キャリアテープの導電層の欠損率とは、キャ
リアテープのフランジ部と凹部の全体の導電層の欠損部
分の面積の、キャリアテープのフランジ部と凹部の表面
(導電層側)全体の面積に対する割合をいう。
【0110】さらに、本発明の高制電性積層体を包装材
料、特に緩衝性包装材料に使用する場合には、例えば、
図1に示すように、一対の伸縮性フィルム2が電子材料
等の被包装物3を挟持した状態で、当該伸縮性フィルム
2の対向する一対の端部が容器1内に固定された(図1
では枠5に挟持されて固定されている)ような緩衝性包
装部材に使用でき、伸縮性フィルム2として、本発明の
高制電性積層体を使用することができる。
【0111】このように、本発明の高制電性積層体をキ
ャリアテープ、トレイ、マガジンや、包装材料、ICカ
ードの基材に使用した場合、低湿度下においても、また
水に浸漬後や成形後においても帯電防止性に優れてお
り、水洗による繰り返し使用ができ、成形後の凹部の帯
電防止性の低下がほとんどない。
【0112】
【実施例】本発明を以下の実施例で述べるが、本発明が
本実施例に限定されるものではない。また本発明に用い
る評価法を以下に示す。
【0113】1.へイズ JIS K7105に準じ、日本電色工業製ヘイズメー
ター1001DPを用いて測定した。
【0114】2.表面抵抗値(RS0 、RS3 、R
6 ) 高制電性積層体(またはトレイまたはキャリアテープ、
これらの場合はフランジ部)の導電層について、タケダ
理研社製表面抵抗測定器を用いて印加電圧500V、2
5℃、15%RHの条件下で測定した。また、トレイま
たはキャリアテープにおいては、フランジ部の厚みを1
とした場合の厚み0.7〜0.5に相当する凹部の導電
層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗値(RS5
RS8 )を求め、フランジ部の導電層の表面抵抗値(R
3 、RS6 )との比(RS5 /RS3 、RS8 /RS
6 )を求めた。なお、トレイまたはキャリアテープにお
いては、フランジ部および凹部の厚みをデジタル厚み計
で確認しながら、表面抵抗値を測定し、厚み、表面抵抗
値共に5点の平均を取った。
【0115】3.導電層の耐水性評価(表面抵抗変化
率) 高制電性積層体(またはトレイまたはキャリアテープ)
の40℃の純水中に1時間浸漬した後の導電層の表面抵
抗値(RS1 、RS4 、RS7 )を25℃、15%RH
の条件下で測定し、浸漬前の導電層の表面抵抗値(RS
0 、RS3 、RS6 )との比(RS1 /RS0 、RS4
/RS3 、RS7 /RS6 )によりその耐水性評価を行
った。
【0116】4.伸張後の表面抵抗変化率 東洋精機(株)製2軸延伸装置を用い、窒素雰囲気下、
予熱時間15秒、引張速度5m/mimで高制電性積層
体(92mm×92mm)を1軸方向に150%伸張し
た。この時の温度は、基材がI 、II、III 、IV、V の場
合にそれぞれ110 ℃、130 ℃、110 ℃、100 ℃、150 ℃
とした。伸張した後の導電層の表面抵抗値(RS2 )を
25℃、15%RHの条件下で求め、伸張前の導電層の
表面抵抗値(RS0 )との比(RS2 /RS0 )を求め
た。
【0117】5.耐ブロッキング性 40℃、80%RHの雰囲気下で、高制電性積層体の導
電層ともう1つの高制電性積層体の基材裏面(導電層非
形成面)とを重ね、100g/cm2 の荷重をかけ24
時間放置した後、その2枚のサンプルの剥離時の状況を
以下のように評価した。 剥離時、何ら抵抗のない場合 :○ 剥離時、若干抵抗がある場合 :△ 剥離時、抵抗がかなり大きい場合:×
【0118】6.導電層の欠損率 40cm×60cmの高制電性積層体の表面(導電層
側)を目視で観察し、欠損部分を油性インクで塗った。
この欠損部分の面積を画像解析装置(東洋紡績(株)製
V10)を用いて測定し欠損率を算出した。トレイ、
キャリアテープの場合、表面(導電層側)を目視で観察
し、欠損部分を油性インクで塗った後、平面に切り開
き、これについて上記と同様の方法により測定し算出し
た。
【0119】合成例1:スルホン化ポリアニリンの合成
及びその水/アルコール溶液(Paq)の調製 2−アミノアニソール−4−スルホン酸100mmol
を23℃で4モル/リットルのアンモニア水溶液に攪は
ん溶解し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmo
lの水溶液を滴下した。滴下終了後23℃で10時間さ
らに攪はんした後、反応生成物を濾別洗浄、乾燥し、粉
末状の重合体13gを得た。上記重合体3重量部を0.
3モル/リットルの硫酸水溶液100重量部に室温で攪
はん溶解しスルホン化ポリアニリンを得た。この時のス
ルホン化ポリアニリンのスルホン酸基の含有量は100
%であった。上記スルホン化ポリアニリン2重量部を、
水50重量部及びイソプロパノール50重量部に溶解
し、水/アルコール溶液(Paq)を調製した。
【0120】合成例2:スルホン酸塩基含有共重合ポリ
エステル(A)の合成及びその水/アルコール分散液
(Aaq)の調製 スルホン酸基含有共重合ポリエステルを次の方法により
合成、さらにその分散液を以下のごとく調製した。ジカ
ルボン酸成分としてジメチルテレフタレート48モル
%、ジメチルイソフタレート48モル%及び5−スルホ
イソフタル酸ナトリウム4モル%を使用し、グリコール
成分としてエチレングリコール80モル%及びジエチレ
ングリコール20モル%を用いて、常法によりエステル
交換反応及び重縮合反応を行った。得られたスルホン酸
塩基含有共重合ポリエステルのガラス転移温度は61℃
であった。このスルホン酸塩基含有共重合ポリエステル
300部とn−ブチルセロソルブ150部とを加熱攪拌
して、粘ちょうな溶液とし、さらに攪拌しつつ水550
部を徐々に加えて、固形分30重量%の均一な淡白色の
水分散液を得た。この分散液をさらに水とイソプロパノ
ールの等量混合液中に加え、固形分が8重量%のスルホ
ン酸塩基含有共重合ポリエステル水分散液を(Aaq)
を調製した。
【0121】合成例3:グラフトポリエステル(B)の
合成及びその水分散液(Baq)の調製 攪拌機、温度計及び部分還流式冷却器を備えたステンレ
ススチール製オートクレーブに、ジメチルテレフタレー
ト5モル、ジメチルイソフタレート4.5モル、エチレ
ングリコール6.5モル、1,3−プロピレングリコー
ル3.5モル、及びテトラ−n−ブチルチタネート0.
002モルを仕込み、160〜220℃まで4時間かけ
てエステル交換反応を行った。ついでフマル酸0.5モ
ルを加え、200〜220℃まで1時間かけて昇温し、
反応系を徐々に減圧したのち、0.2mmHgの減圧化
で1時間30分反応させ、ポリエステル(Bo)を得
た。
【0122】次いで 攪拌機、温度計、還流装置と定量
滴下装置を備えた反応器に上記のポリエステル(Bo)
300部、メチルエチルケトン360部、イソプロピル
アルコール120部を入れ、加熱、攪拌し還流状態で樹
脂を溶解した。樹脂が完全に溶解した後、マレイン酸2
5部とアクリル酸エチル65部、オクチルメルカプタン
1.5部の混合物、アゾビスイソブチロニトリル6部
を、メチルエチルケトン90部、イソプロピルアルコー
ル30部の混合液に溶解した溶液とを1.5時間かけて
ポリエステル溶液中にそれぞれ滴下し、さらに3時間反
応させ、グラフト重合体(B)溶液を得た。このグラフ
ト重合体溶液を室温まで冷却した後、トリエチルアミン
59部を添加し中和した後にイオン交換水800部を添
加し30分攪拌した。その後、加熱により溶媒中に残存
する溶媒を留去し水分散体とし、この分散液をさらに水
とイソプロパノールの等量混合液中に加え、固形分が8
重量%のアルコール/水分散体(Baq)を調製した。
【0123】合成例4:ポリビニルアルコール/水系ポ
リイソシアネート架橋剤混合水分散液(Caq)の調製 ポリビニルアルコール(ケン化率98%)の10%水溶
液を調製し、そのポリビニルアルコール固形分100重
量部に対して、第一工業製薬〔株〕品エラストロンBN
69を10重量部混合し、ポリビニルアルコール/架橋
剤混合水分散液(Caq)とし、以下の塗布液の調合に
用いた。
【0124】合成例5:基材シートの作製 本実施例中に用いた基材シートは以下のごとくで、その
製法を示した。 [基材シートI]PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)を290℃で溶融押し出しし、30℃の冷却ロール
で冷却して、厚さ500μmの未延伸シートを得、これ
を基材シートIとした。可視光線透過率95% [基材シートII]PEN〔ポリエチレンナフタレー
ト〕を300℃で溶融押し出しし、30℃の冷却ロール
で冷却して、厚さ500μmの未延伸シートを得、これ
を基材シートIIとした。可視光線透過率94% [基材シートIII]ポリエチレンテレフタレートのエ
チレングリコール成分の30モル%をシクロヘキサンジ
メタノールに置換した共重合体を290℃で溶融押し出
しし、30℃の冷却ロールで冷却して、厚さ500μm
の未延伸シートを得、これを基材シートIIIとした。
可視光線透過率95% [基材シートIV]ポリエチレンテレフタレートのエチ
レングリコール成分の30モル%をネオペンチルグリコ
ールに置換した共重合体を290℃で溶融押し出しし、
30℃の冷却ロールで冷却して、厚さ500μmの未延
伸シートを得、これを基材シートIVとした。可視光線
透過率95% [基材シートV]ポリカーボネートを290℃で溶融押
し出しし、30℃の冷却ロールで冷却して、厚さ500
μmの未延伸シートを得、これを基材シートVとした。
可視光線透過率95%
【0125】実施例1−1〜5 合成例1で得たスルホン化ポリアニリンの水/アルコー
ル溶液(Paq)と合成例2で得たスルホン酸塩基含有
共重合ポリエステルの水/アルコール分散液(Aaq)
とを固形分比(重量比)が20/80となるように、ま
た、ノニオン系界面活性剤エマルゲン810(花王製)
を合成例1で得た溶液(Paq)中のスルホン化ポリア
ニリンとの重量比が8/100となるように、さらに、
合成例4のポリビニルアルコール/水系ポリイソシアネ
ート架橋剤混合水分散液(Caq)を合成例2で得た分
散液(Aaq)との固形分比(重量比)が20/100
となるように、それぞれ混合し、本実施例の塗布液を調
製した。基材シートI、II、III、IVおよびV上
に上記塗布液を固形分濃度が0.5g/m2 になるよう
に塗布し、70℃の熱風で乾燥した。これらのシートの
評価結果を表1に示す。
【0126】実施例2−1〜5 実施例1において、合成例2で得た分散液(Aaq)の
代わりに、合成例3で得たグラフトポリエステルの水分
散液(Baq)を用いたこと以外は、実施例1と同様に
して塗布液を調製した。基材シートI、II、III、
IVおよびV上に上記塗布液を固形分濃度が0.5g/
2 になるように塗布し、70℃の熱風で乾燥した。こ
れらのシートの評価結果を表1に示す。
【0127】実施例3−1〜5 実施例1において、合成例4で得た水分散液(Caq)
の代わりに、グリセロールポリグリシジルエーテルを用
い、グリセロールポリグリシジルエーテルを合成例2で
得た分散液(Aaq)との固形分比(重量比)が2/1
00になるように添加したこと以外は、実施例1と同様
にして塗布液を調製した。基材シートI、II、II
I、IVおよびV上に上記塗布液を固形分濃度が0.5
g/m2 になるように塗布し、70℃の熱風で乾燥し
た。これらのシートの評価結果を表1に示す。
【0128】実施例4−1〜5 合成例1で得たスルホン化ポリアニリン溶液(Pa
q)、合成例2で得たスルホン酸塩基含有共重合ポリエ
ステル分散液(Aaq)およびスミマールM−30W
(メチル化メラミン樹脂、住友化学工業製)を固形分比
(重量比)で10/85/5となるように配合し、これ
を混合溶媒(水/イソプロパノール=50/50(重量
比))で固形分濃度2〜5%の溶液とした。この溶液に
対して、メガファックF−142D(フッ系界面活性
剤、大日本インキ製)を0.08重量%添加し、塗布液
を調製した。基材シートI、II、III、IVおよび
V上に上記塗布液を固形分濃度が0.3g/m2 になる
ように塗布し、70℃の熱風で乾燥した。これらのシー
トの評価結果を表1に示す。
【0129】比較例1、2 実施例1、2において、合成例4で得た水分散液(Ca
q)を添加しなかったこと以外は、それぞれ実施例1、
2と同様にして塗布液を調製し、実施例1、2と同様の
方法によりシートを得た。
【0130】比較例3 実施例3において、グリセロールポリグリシジルエーテ
ルを添加しなかったこと以外は、実施例3と同様にして
塗布液を調製し、実施例1、2と同様の方法によりシー
トを得た。
【0131】比較例4 界面活性剤を配合しない以外は実施例1と同様の塗布液
を使用し、基材シートIにコロナ放電処理を行った後に
この塗布液を塗布したこと以外は、実施例1と同様の方
法によりシートを得た。塗布直後に塗布液のはじきが観
察された。実施例および比較例の評価結果を表1、2に
示す。
【0132】
【表1】
【0133】
【表2】
【0134】実施例5:トレイ 三和興業(株)真空成型機(PLAVAC)を用い、1
10℃、13秒の予備加熱、55℃、15秒の成形条件
で、9cm×6cm、深さ4cmの凹部を3列×4行有
し、フランジ部の幅が3cmのトレイを成形した。なお
実施例1−1、1−3、2−1、3−1、4−1、4−
3および4−5で得られたシートを使用した。評価結果
を表3に示す。
【0135】
【表3】
【0136】実施例6:キャリアテープ トレイと同じ成形条件で、8mm×8mm、深さ5mm
の凹部を1列有する、50×50cmのシートを作成
し、凹部の1列を幅20mmにカットし、これをつなぎ
あわせてキャリアテープのモデルとした。なお実施例1
−1、1−3、2−1、3−1、4−1、4−3および
4−5で得られたシートを使用した。評価結果を表4に
示す。
【0137】
【表4】
【0138】実施例7:包装材 ポリエチレンとポリウレタンを多層押出し、さらにイン
フレーション製膜機で、ポリエチレン・ポリウレタン
(各膜厚100ミクロン、80ミクロン)の2層フィル
ムを得、これを基材シートVIとした。実施例2の塗布液
を基材シートVIのポリウレタン表面に塗布した。十分乾
燥させた後、ポリエチレン層を剥離し、導電性ポリウレ
タンフィルムを得た。このフィルムの導電層の25℃、
15%RHの条件下で表面抵抗値は2×109 Ω/□で
あった。また、このフィルムを150%伸張した後の2
5℃、15%RHの条件下で表面抵抗値は1010Ω/□
以下であった。図1に示すように、このフィルム2をダ
ンボール製枠5(25cm×30cm、開口部15cm
×20cm)に両面テープで張りつけ、この2枚のフィ
ルム2付き枠5間に回路基板3を挟み、これを段ボール
製の箱1に、回路基板3がフィルム2により箱1内の空
中に保持されるように入れた。
【0139】
【発明の効果】本発明の高制電性積層体においては、導
電層は、導電性高分子、熱可塑性高分子および界面活性
剤を含有し、かつ硬化した層であるため、帯電防止性は
もちろんのこと、透明性、耐水性、耐ブロッキング性に
優れ、導電層の欠損率が極めて低い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の緩衝性包装材料の一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 容器 2 高制電性積層体(伸縮性フィルム) 3 被包装物 4 ふた 5 枠
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 光弘 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 北川 広信 大阪府大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋紡績株式会社内

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の少なくとも片面に導電層を積層し
    てなる高制電性積層体であって、当該導電層が導電性高
    分子および界面活性剤を含みかつ硬化した層であること
    を特徴とする高制電性積層体。
  2. 【請求項2】 導電層が、さらに熱可塑性高分子を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の高制電性積層体。
  3. 【請求項3】 導電層が、架橋剤の架橋反応により硬化
    した層であることを特徴とする請求項1または2に記載
    の高制電性積層体。
  4. 【請求項4】 導電性高分子が、水または有機溶媒に可
    溶な導電性高分子であることを特徴とする請求項1に記
    載の高制電性積層体。
  5. 【請求項5】 導電性高分子が、ポリアニリン及び/ま
    たはその誘導体であることを特徴とする請求項1に記載
    の高制電性積層体。
  6. 【請求項6】 導電性高分子が、スルホン酸基含有ポリ
    アニリン及び/またはその誘導体であることを特徴とす
    る請求項1に記載の高制電性積層体。
  7. 【請求項7】 導電性高分子が、アルコキシ基置換アミ
    ノベンゼンスルホン酸を重合成分として含む重合体であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の高制電性積層体。
  8. 【請求項8】 導電性高分子が、アミノアニソールスル
    ホン酸を重合成分として含む重合体であることを特徴と
    する請求項1に記載の高制電性積層体。
  9. 【請求項9】 熱可塑性高分子が、親水性基を有するポ
    リエステルであることを特徴とする請求項2に記載の高
    制電性積層体。
  10. 【請求項10】 熱可塑性高分子が、全ジカルボン酸成
    分に対し、親水性基を有するジカルボン酸を0.5〜1
    5モル%、および/または全ジオール成分に対し、親水
    性基を有するジオールを0.5〜15モル%共重合した
    共重合ポリエステルであることを特徴とする請求項2に
    記載の高制電性積層体。
  11. 【請求項11】 熱可塑性高分子が、ポリエステルに親
    水性基を有するビニル系モノマーをグラフト重合したグ
    ラフトポリエステルであることを特徴とする請求項2に
    記載の高制電性積層体。
  12. 【請求項12】 架橋剤が、多官能エポキシ化合物、多
    官能イソシアネート化合物、多官能オキサゾリン化合
    物、多官能ビニル化合物、多官能アクリル化合物、多官
    能カルボン酸化合物、多官能アミン化合物、多官能ヒド
    ロキシ化合物および多官能メルカプト化合物からなる群
    より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請
    求項3に記載の高制電性積層体。
  13. 【請求項13】 導電層が、導電性高分子および/また
    は熱可塑性高分子の自己架橋により硬化した層であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の高制電性積層
    体。
  14. 【請求項14】 基材が有機樹脂からなるフィルムまた
    はシートであり、かつ積層体のヘイズが5.0以下であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の高制電性積層体。
  15. 【請求項15】 基材が、ポリエステル、ポリカーボネ
    ート、ポリオレフィン、ポリウレタンからなる群から選
    ばれたフィルムまたはシートであることを特徴とする請
    求項1に記載の高制電性積層体。
  16. 【請求項16】 基材の少なくとも片面に導電層を積層
    してなる高制電性積層体であって、 当該導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗
    (RS0 )が1011Ω/□以下であり、かつ当該高制
    電性積層体を40℃純水中に1時間浸漬した後の導電層
    の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS1 )とR
    0 との比(RS1/RS0 )がl0以下であることを
    特徴とする高制電性積層体。
  17. 【請求項17】 高制電性積層体を150%伸張した後
    の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS
    2 )とRS0 との比(RS2 /RS0 )がl0以下であ
    ることを特徴とする請求項16に記載の高制電性積層
    体。
  18. 【請求項18】 導電層の欠損率が30%以下であるこ
    とを特徴とする請求項16に記載の高制電性積層体。
  19. 【請求項19】 導電層が、導電性高分子および界面活
    性剤を含みかつ硬化した層であることを特徴とする請求
    項16に記載の高制電性積層体。
  20. 【請求項20】 導電層が、さらに熱可塑性高分子を含
    むことを特徴とする請求項19に記載の高制電性積層
    体。
  21. 【請求項21】 請求項1または16に記載の高制電性
    積層体を成形してなることを特徴とする電子部品用容
    器。
  22. 【請求項22】 トレイである請求項21に記載の電子
    部品用容器。
  23. 【請求項23】 請求項1または16に記載の高制電性
    積層体を成形してなることを特徴とする電子部品用キャ
    リアテープ。
  24. 【請求項24】 基材の少なくとも片面に導電層を積層
    してなる高制電性積層体を成形してなる電子部品用トレ
    イであって、当該トレイは凹部とその外周のフランジ部
    とからなり、当該フランジ部の導電層の25℃、相対
    湿度15%での表面抵抗(RS3 )が1011Ω/□以下
    で、当該トレイを40℃純水中に1時間浸漬した後の
    フランジ部の導電層の25℃、相対湿度15%での表面
    抵抗(RS4 )とRS3 との比(RS4 /RS3 )がl
    0以下であり、フランジ部の厚みを1とした場合の厚
    み0.7〜0.5に相当する凹部の導電層の25℃、相
    対湿度15%での表面抵抗(RS5 )とRS3 との比
    (RS5 /RS3 )が100以下であり、かつ導電層
    の欠損率が30%以下であることを特徴とする電子部品
    用トレイ。
  25. 【請求項25】 請求項1、16〜18のいずれかに記
    載の高制電性積層体を成形してなることを特徴とする請
    求項24に記載の電子部品用トレイ。
  26. 【請求項26】 基材の少なくとも片面に導電層を積層
    してなる高制電性積層体を成形してなる電子部品用キャ
    リアテープであって、当該キャリアテープは長手方向に
    沿って複数配置された、電子部品を収納するための複数
    の凹部と、その外周のフランジ部とからなり、当該フ
    ランジ部の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵
    抗(RS6 )が1011Ω/□以下であり、当該キャリ
    アテープを40℃純水中に1時間浸漬した後のフランジ
    部の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(R
    7 )とRS6 との比(RS7 /RS6 )がl0以下で
    あり、フランジ部の厚みを1とした場合の厚み0.7
    〜0.5に相当する凹部の導電層の25℃、相対湿度1
    5%での表面抵抗(RS8 )とRS6 との比(RS8
    RS6 )が100以下であり、かつ導電層の欠損率が
    30%以下であることを特徴とする電子部品用キャリア
    テープ。
  27. 【請求項27】 請求項1、16〜18のいずれかに記
    載の高制電性積層体を成形してなることを特徴とする請
    求項26に記載の電子部品用キャリアテープ。
  28. 【請求項28】 容器と、対向する一対の端部が容器内
    に固定された、被包装物を挟持するための一対の伸縮性
    フィルムとを有する緩衝性包装部材であって、当該伸縮
    性フィルムが請求項1および16〜18に記載の高制電
    性積層体から選ばれることを特徴とする緩衝性包装部
    材。
  29. 【請求項29】 請求項1、16〜18のいずれかに記
    載の高制電性積層体をICカード基体として用いたこと
    を特徴とするICカード。
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