JP4470083B2 - 導電性プラスチック成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、導電性プラスチック成形品の製造方法に関し、更に詳細には、リサイクル時に該成形品を構成するプラスチック材料だけから形成される部材を容易に分離可能として、材料毎の再生を容易化し得るプラスチック成形品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータやワードプロセッサ、その他マイクロコンピュータを制御用素子として内蔵したシーケンサ等の各種電子機器は、外部から機器内に侵入する電磁波等の外乱を受けて誤作動する可能性のあることが知られている。また、これらの電子機器は、稼働時に機器成形体外部へ電磁波を輻射して有害なノイズ源となることも多い。この種の電磁波による干渉(EMI)や、より周波数の低い電波による干渉(RFI)から前記電子機器を保護したり、該機器から外部へ電磁波が漏出するのを防止したりする目的で、所謂電磁シールド(遮蔽)が機器成形体に一般に施される。
【0003】
前記シールドとしては、軽量で高い意匠性を発揮し得るプラスチック製の電子機器成形体の全面または内面に、乾式メッキや湿式メッキにより金属メッキ層を電析させたり、或いは導電性フィラーを含有する導電性塗料を塗布したりした導電層の形成が一般に実施されている。これらのシールドにより、前述の如く外部からの電磁波を遮蔽して機器内への侵入を防止し、また内部からの電磁波の漏出を有効に防止することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで2001年4月には「家電リサイクル法」が施行される予定であり、各種産業廃棄物の効率的な処理および地球資源の有効活用の観点から、あらゆる工業製品の再生、殊に物質的再生(マテリアルリサイクル)を効率的に行なう方法が模索されている。前記電子機器成形体に代表されるプラスチック部材のマテリアルリサイクルには、これを粉砕を施した後に加熱により溶融させ、これを各種製品に再生する方法が一般的に採用されている。しかし、このマテリアルリサイクルでは、前記プラスチック製の電子機器成形体に密着的に形成されている前記導電層(金属成分)の物理的な分離が困難であるため、溶融時および再利用の成形時に樹脂中に該導電層形成物が夾雑物として介在し、得られた製品の機械強度等の物性を低下させて実効的な再生を妨げるばかりか、該金属の有効な回収も不可能となる重大な欠点が指摘される。
【0005】
そこで他の再生法として、予め導電層を形成している金属を酸等の化学薬剤で溶解除去した後に、前記プラスチック部材を粉砕する方法が考えられるが、この場合導電層の溶解に多大な時間を要し、また該溶解液の排水処理が必要となる等、再生コストが増大して生産性が低下してしまう。また金属の回収に際して、更に化学的または電気化学的な還元処理を施す必要がある。なおガス化溶融炉や高炉による処理の場合、プラスチックは熱源や還元用の化学成分として有効利用でき、かつ金属も回収することは可能であるが、前記導電層は約1〜3μmの微小な厚さしか有しないため、全体として物質の再生率を充分に高く設定できない欠点を有する。
【0006】
【発明の目的】
この発明は、導電性プラスチック成形品の廃棄品から、構成材料を物質的に回収する際に顕在化する前記問題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、再生処理時にプラスチック材料とその他の材料を容易に分離させ、高い効率でプラスチック材料を回収し得る導電性プラスチック成形品の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため本発明の導電性プラスチック成形品の製造方法は、
電気的に不導体なプラスチック原料から所要形状のプラスチック成形体を成形し、
プラスチック原料からなるシート状物を成形することで、前記プラスチック成形体へ被着し得る樹脂体を作製した後、この樹脂体の導電化すべき所要面に導電層を形成して樹脂シールド体を作製し、
前記樹脂シールド体におけるプラスチック成形体への被着予定部位に、該プラスチック成形体と相溶性を有すると共に加熱により膨張し得る加熱膨張物質が含有されて加熱することで剥離性を発現する接着剤を付与し、
前記樹脂シールド体に前記接着剤で形成される接着層の付与面積より前記プラスチック成形体と該接着層との接触面積が小さくなるように、樹脂シールド体をプラスチック成形体に対して押圧して、接着層を介して該プラスチック成形体および樹脂シールド体を接着するようにしたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る導電性プラスチック成形品の製造方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【0010】
本発明の好適な実施例に係る導電性プラスチック成形品10は、図1および図2に示す如く、例えばノートパソコンに好適に利用可能な各種熱可塑性樹脂等から形成され、成形体としての強度を有するプラスチック成形体12と、このプラスチック成形体12に積層される樹脂シールド体16と、これらプラスチック成形体12および樹脂シールド体16の間に介在して、該プラスチック成形体12および樹脂シールド体16を接着する接着層14とから構成される。前記樹脂シールド体16は、その基材をなす樹脂体15と、この樹脂体15の所要面に形成される導電層18とからなる。
【0011】
また本発明の好適な実施例に係る導電性プラスチック成形品の製造方法は、図3に示す如く、成形体作製工程S1、樹脂シールド体作製工程S2、接着層付与工程S3、組立工程S4および最終工程S5に大きく分かれる。
【0012】
前記成形体作製工程S1は、所要形状のプラスチック成形体12を作製する工程であり、一般的に公知の射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、プレス成形またはトランスファー成形その他の成形方法の何れも採用可能であり、適宜好適に選択される。殊に本発明の場合は、量産性が高く、かつ成形体などの高い成形精度を要求される成形に対応可能である射出成形が好適である。
【0013】
前記プラスチック成形体12としては、前述の如く電子機器用成形体としての精密成形性および接着層14との密着性を備えると共に、再利用処理の溶融時に物性低下を余り起こさない各種熱可塑性樹脂が好適に使用可能である。例えばABS樹脂、PC樹脂、PPO樹脂、PP樹脂、PS樹脂、PEI樹脂、PPS樹脂、PET樹脂、PBT樹脂、PES樹脂、PA樹脂等およびPC/ABS樹脂等のポリマーアロイが挙げられる。なお再利用の形態として、例えば廃棄物粉砕後にフィラーとして利用するのであれば、前述の熱可塑性樹脂だけでなく各種熱硬化性樹脂も採用可能である。
【0014】
また前記プラスチック成形体12の機械的強度向上や難燃性付与等を目的として、各種フィラーを混合してもよい。前記フィラーとしては、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維、炭酸カルシウム、酸化珪素、硫酸バリウム、水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウム等が挙げられる。
【0015】
前記樹脂シールド体作製工程S2は、前記成形体作製工程S1とは別にプラスチック成形体12に積層する樹脂シールド体16を作製する工程である。本工程S2は、前記樹脂体成形段階S21と、導電層付与段階S22とからなる。
【0016】
前記樹脂体成形段階S21は、前記導電層18を密着的に形成し得る所定の熱可塑性樹脂の如きプラスチック原料を、前記プラスチック成形体12の内面に積層し得る形状に成形する段階である。この段階で成形される樹脂体15は、電磁シールド効果を発現する導電層18を形成するための基材となるもので、前記プラスチック成形体12と違って機械的強度は要求されないので、該成形体12の20%以下の厚みで成形される。
【0017】
前記樹脂体15の具体的な成形方法としては、前述の通り前記プラスチック成形体12の20%以下の薄い樹脂体15を形成する必要性から、先ず好適なプラスチック原料から所要厚さのシート状物を形成し、次いでこのシート状物を真空成形等の方法を用いて該プラスチック成形体12内部に積層し得る形状とするものである。この他にその形状によっては、量産性が高い押出成形または射出成形や、通常のプレス成形等も採用可能である。
【0018】
前記樹脂体15の作製に好適に使用されるプラスチック原料は、前述のプラスチック成形体12の構成材料とほぼ同じであり、殊にシート状物に成形し易い樹脂が採用される。また後述する導電層付与段階S22において、無電解メッキにて導電層18を形成する場合には、成形容易性の他に表面の化学的粗化、すなわちクロム酸によるエッチング加工等が施し易い、例えばABSまたはABS系アロイ原料が好適である。またそれ以外の原料であっても、各種の前処理によりクロム酸によるエッチングが可能となるポリカーボネート等や、クロム酸以外の塩酸等でエッチングが可能であるナイロン等も使用可能である。
【0019】
前記樹脂体成形段階S21に続いて行なわれる導電層付与段階S22は、前記プラスチック成形体12の所定位置に積層し得る形状に成形された前記樹脂体15に導電層18を形成する工程である。この導電層18の形成方法は、▲1▼無電解メッキの如き湿式メッキ、▲2▼導電性塗料または▲3▼金属の化学的、物理的蒸着に代表される乾式メッキ、等の所定の導電性を付与するものであれば、何れのものであっても採用可能であるので、以下に▲1▼、▲2▼、▲3▼の3つの方法を個別に説明する。
【0020】
▲1▼ 湿式メッキにより導電層を形成する場合:(図3の▲1▼参照)
無電解メッキの如き湿式メッキにより導電層18を形成する場合、本導電層付与段階S22は前記樹脂体15の所要面に導電化に際して必要とされる前処理を施す導電化前処理段S2211と、該湿式メッキにより導電層18を析出させる導電化段S2212とからなる。前記導電化前処理段階S2212としては、次の(1)〜(3)に記載した3つの方法が挙げられる。
(1) 樹脂体15の導電化予定面に化学的粗化等を施した後、無電解メッキ反応の触媒となる貴金属微粒子を該導電化処理面に吸着させ、次いで適宜選択される無電解メッキ浴に浸漬して所定厚さの無電解メッキ金属等からなる導電層18を形成する方法。
(2) 樹脂体15の導電化予定面に無電解メッキを析出させる能力を持つ物質を塗料等に含有させて付与した後、適宜必要とされる処理を行ない、次いで(1)と同様に適宜選択される無電解メッキ浴に浸漬して所定厚さの無電解メッキ金属等からなる導電層18を形成する方法。ここで無電解メッキを析出させる能力を持つ物質とは、(A)無電解メッキ反応触媒となる貴金属微粒子またはこの貴金属微粒子を表面に付着させた微粒子、(B)貴金属イオンを吸着する能力に優れた物質または(C)無電解メッキにより付与する金属よりも電気化学的に卑であって、置換反応により付与すべき金属の核を生成する金属粉等が挙げられる。
(3) 樹脂体15の導電化予定面に必要に応じて化学的または物理的粗化等の処理を行なった後、電解メッキにより導電層18を形成する方法。例えば、クロム酸−硫酸混合液等により化学的粗化を行なった後、ズズ−パラジウムコロイドを高濃度に吸着させて薄い金属膜を形成した上に金属塩を含有する電解メッキ液中で電析を行なう(D-POPシステム;荏原エージライト製)等が挙げられる。また、このズズ−パラジウムコロイド系以外の物質として、有機パラジウムコロイドまたは有機パラジウム錯体を用いる方法、導電性高分子溶液またはコロイドを用いる方法或いはカーボンブラックまたはグラファイト粉の分散液を用いる方法も挙げられる。
【0021】
前記導電化前処理段S2211は、後述する導電化段S2213を施すための前処理の一つであり、化学的または物理的粗化や、導電層18を析出させる物質等の付与が行なわれる。前記化学的粗化としては、前記樹脂体15の材質により従来公知の方法が何れも採用可能である。一般的にABS系等の酸化されて溶融し易い高分子成分を分散相として有する原料の場合には、クロム酸および硫酸の混液が、ポリアミド系原料の場合には塩酸等が好適に使用される。また物理的粗化としては、液体ホーニング等による方法が一般的に用いられる。更に表面の吸着能力を制御するために界面活性剤または塗料を付与してもよい。
【0022】
また導電層18形成の助長する物質およびその付与については、前述の(1)〜(3)の方法毎に異なっているので、(1)〜(3)の各方法毎の工程と共に以下に説明する。
【0023】
(1)の場合
導電化前処理段S2211:導電層18の下地となる樹脂体15に対して、前述の化学的粗化を施し、次いで無電解メッキに対して触媒活性を発現する所望の金属微粒子を含む触媒を吸着させる。
導電化段S2212:適宜に選択される無電解メッキ用金属のメッキ浴に浸漬させて、前記触媒上に所定厚さの無電解メッキ用金属からなる導電層18を析出させる。
【0024】
(2)は、前述の無電解メッキを析出させる能力を持つ物質(A)、(B)、(C)に分けて個別に述べる。また導電化段S2212については、前述の(1)と同じであるので、詳細な記載を省略する。
【0025】
(A)導電化前処理段S2211として、無電解メッキに対して触媒活性を発現する所望の金属微粒子またはこの微粒子を表面に付着させた粒子を含有した塗料としての高分子化合物を、スプレー等の手段で前記樹脂体15の導電化予定面に付与する。次いで前記高分子化合物表面に対して、酸またはアルカリ等のエッチング剤による化学的粗化を施し、前記金属微粒子を露出させる。そして導電化段S2212で導電層18を析出させる。具体的な例として、銀金属微粒子を、この微粒子より大きい酸化珪素等の微粒子表面に析出させたものを塗料としての合成樹脂中に分散させたものが挙げられる。
【0026】
(B)導電化前処理段S2211として、(1)および(A)で述べた触媒としての微粒子を、吸着する能力に優れた物質をスプレー等の手段で、前記樹脂体15の導電化予定面に付与する。次いで無電解メッキに対して触媒活性を発現する所望の金属微粒子触媒を含有する触媒槽に浸漬させて、触媒としての微粒子を吸着させる。そして導電化段S2212を施して導電層18を析出させる。具体的な例として、キトサン等の貴金属イオンを吸着可能物質を含有するキレート樹脂が挙げられる。
【0027】
(C)導電化前処理段S2211として、無電解メッキにより付与する金属よりも電気化学的に卑であって、置換反応により該無電解メッキ金属の核を生成する金属粉を所定量含有させた高分子化合物をスプレー等の手段で、前記樹脂体15の導電化予定面に付与する。次いでイオン化した該無電解メッキ金属を含有する水溶液に浸漬させて該無電解メッキ金属の核を生成させる。そして導電化段S2212で導電層18を析出させる。具体的な例として、スズ−パラジウム触媒等の吸着能力が高い、極性官能基を有する合成樹脂ラテックス、変成シリコーン樹脂またはシアノアクリレート樹脂、或いはニッケル微粒子を含有し、酸性銅塩溶液中で容易に銅を置換析出させて無電解銅メッキ中で銅を析出することができるもの等が挙げられる。
【0028】
(3)の場合
導電化前処理段S2211:前記樹脂体15に対して、液体ホーニング等の所定の物理的粗化または酸またはアルカリ等のエッチング剤を用いた化学的粗化を施す。次いでパラジウム−ズズコロイド、有機パラジウム、導電性高分子または炭素材料コロイド等の導電物質を吸着させる。なお、この段階で必要に応じて前記導電性物質により薄い導電層を形成してもよい。
導電化段S2212:前記導電性物質により導電化された所要面を電極を当接させることで負極とし、正極に可溶性または不溶性電極をして、これらに通電させて電解メッキにより導電層18を形成する。
【0029】
前記(1)並びに(2)の(A)および(B)の各方法において、無電解メッキに対して触媒活性を発現する微粒子とは、前述の銀以外に、例えば金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、オスミウムまたは白金等の貴金属が挙げられる。また貴金属微粒子を非メッキ面に吸着させる方法として、以下の(a)〜(d)に記載される4つの方法が挙げられる。
(a)塩化スズおよび塩化パラジウムの2種類の溶液に順に浸漬して、該スズによりパラジウムを還元して触媒としての金属パラジウムを表面に付与する方法。
(b)スズとパラジウムの錯塩化物コロイド液に浸漬して、錯塩化物を吸着させた後に水洗を施すことで、該スズによりパラジウムを金属に還元し、硫酸等で該スズの酸化物を除去することで、表面に残留した該パラジウムを触媒とする方法。
(c)塩化パラジウム溶液に浸漬した後、還元剤液に浸漬させ、金属に還元されたパラジウムを触媒とする方法。
(d)各種の触媒貴金属塩溶液中に界面活性剤を添加し、撹絆しながら還元剤を添加することで得られる触媒貴金属コロイド液に浸漬する方法。この場合、前記コロイド液は、触媒貴金属の化合物の水溶性の塩を溶解し、界面活性剤を加えて激しく撹拌しながら、還元剤を添加することで得られる。界面活性剤には様々なものがあるが、陰イオン性または陽イオン性界面活性剤が好適であり、例えば石けん、高級アルコール硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム等、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドまたはアルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等が使用される。
【0030】
前記触媒金属の微粒子は、連続膜として形成される必要はなく、前記接着層14上に吸着していればよい。また前記触媒金属の微粒子が、ある程度高濃度に吸着されず濃度が低すぎる場合には導電層18が形成されず、極度に過剰の場合には下地となる前記樹脂体15と導電層18等との密着が弱くなるので留意が必要である。
【0031】
湿式メッキによる導電化段S2212は、導電性に優れる前述のメッキ用金属を無電解メッキにより前記触媒金属に付与することで導電層18を形成し、前記樹脂体15から樹脂シールド体16を得る段である。前記樹脂シールド体16に付与された導電層18の使用環境下での耐食性の程度如何によっては、必要に応じて引続きニッケルまたはスズその他種類の金属を無電解メッキまたは電解メッキを施こす第2導電化段階S2214を行なってもよい。ここでメッキで施される導電層18厚さとしては0.5〜2μm程度が好適であり、これ以上厚くなると製造時間およびコストが増大してしまう。
【0032】
前記導電化段S2212で採用される無電解メッキ用金属としては、メッキ浴の管理が比較的容易で、工業的に広く利用されている無電解銅または無電解ニッケル−リン合金等が好適である。その他の無電解メッキ用金属としては、無電解銅・ニッケル・リン合金、無電解ニッケル・ホウ素合金、無電解コバルト・リン合金、無電解金、無電解銀または無電解パラジウム等が挙げられる。また電解メッキを採用する場合、電解メッキ金属としては工業的に広く利用されている銅またはニッケルが好適である。その他の電解メッキ用金属としては、マンガン、亜鉛、鉄、スズ、クロム、金、銀、パラジウム、鉛またはニッケル・マンガン合金等の合金が挙げられる。
【0033】
前述の第2導電化段S2213についての一例を挙げれば、第1の導電層には導電性に優れる銅を使用し、第2の導電層には耐蝕性に優れるニッケル・リン合金を使用すれば、導電性および耐蝕性の双方に優れる導電層18を形成し得る。本第2導電化段S2213で好適に使用される無電解用メッキ金属および電解メッキ用金属は、前述の〔0032〕に記載の各金属に準じる。
【0034】
▲2▼ 導電性塗料により導電層を形成する場合:(図3の▲2▼参照)
導電性塗料により導電層18を形成する導電層付与工程S22は、基本的に前記樹脂体15の所要面に導電性フィラーまたは各種金属を含有する塗料としての高分子化合物をスプレー塗布等の手段により付与・乾燥させて、導電層18を形成する導電化段S2221だけからなる。
【0035】
導電性塗料による導電化段S2221は、導電性を付与する導電性フィラーを塗料としての高分子化合物中に分散させた導電性塗料を、前記樹脂体15の所要の表面にスプレー塗布または刷毛塗り等の方法により付与することで実施される。表面に付与された導電性塗料は、乾燥・固着して導電層18を形成し、前記樹脂体15から樹脂シールド体16が得られる。ここで導電性塗料で施される導電層18厚さとしては20〜100μm程度が好適であり、薄すぎると充分な導電性が得られず、厚くなると製造時間およびコストが増大すると共に、使用中に塗膜にクラックが入り、脱落する畏れが増大する。
【0036】
前記導電性フィラーとしては、炭素材料、金属粉、金属繊維、導電性セラミックスまたはチタン酸カリウムウィスカー表面に炭素を蒸着した複合材料等が好適に利用可能である。前記炭素材料としては、グラファイト粉、カーボンブラックまたは炭素繊維が、前記導電性セラミックスとしては、インジウム・スズ酸化物または窒化チタン等が夫々挙げられる。そして前記金属粉または各種金属としては、アルミニウム、銅、ニッケル、銀、金、白金、パラジウムまたは黄銅が挙げられる。また前記導電性フィラー等を含有させる塗料としての高分子化合物としては、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、スチレン樹脂、ポリふっ化ビニリデン樹脂またはアクリル樹脂等の塗料として利用可能な高分子化合物が好適に採用可能である。
【0037】
▲3▼ 乾式メッキにより導電層を形成する場合:(図3の▲3▼参照)
蒸着の如き乾式メッキにより導電層18を形成する場合、導電層付与工程S22は基本的に前記樹脂シールド体16上にアルミニウムの如き金属を蒸着等の手段により付与して、導電層18を形成する導電化段S2231だけからなる。
【0038】
乾式メッキによる前記導電化段S2231としては、Chemical Vapor Doposition(CVD:化学気相蒸着)またはPhysical Vapor Deposition(物理気相蒸着)が挙げられる。前記CVDは気体原料から化学反応を経て導電層18を形成するものであり、またPVDは物理的プロセスを経ること所要の導電層18を得るもので、真空蒸着またはスバッタ蒸着等が挙げられる。一般的な化学気相蒸着法を例として述べれば、触媒等の蒸着補助物質を前記樹脂体15の所要面に塗布して、所定の反応管内に載置する。そして前記反応管内に蒸着させる金属を含有する原料ガス(アルミニウム蒸着の場合、アルキルアルミニウム等)を流入させる。次いで流入せた原料ガスを、加熱、プラズマまたは光等のエネルギー源を用いることで励起させて蒸着反応を進行させる。この際、前記原料ガス中に様々な反応活性物質を含有させてもよい。この際の使用金属としては、銅、ニッケル、コバルト、アルミニウム、チタン、金またはパラジウム等が好適であり、これらを単層または積層として使用する。
【0039】
前記接着層付与工程S3は、前記プラスチック成形体12または/および樹脂シールド体16の夫々の被着予定部位に、スプレー塗布等の手段により接着剤を付与・乾燥させて接着層14を形成する工程である。この接着層の付与については、採用される接着剤の粘度等の物性に最も効率的な、例えばスプレー塗布またはローラ塗布により行なわれる。
【0040】
前記接着剤としては、接着時および使用中には優れた密着性・接着性を発揮すると共に、所定の加熱により粘性を低下させて粘着性・接着性を失い、剥離性を発現するホットメルト型粘接着剤の如き高分子化合物を主成分とするものや、接着剤中に加熱により膨張する加熱膨張性粒子を含有することで、所定加熱下で該粒子の膨張により被接着物間の接触面積を著しく減ずることで剥離性を発現するものが好ましい。
【0041】
前記接着層14の層厚さとしては5〜50μm程度が好適であり、これより薄すぎると接着力が低下して剥離の畏れが生じ、厚すぎると無駄な製造コストが必要となる。前記接着層14は、基本的には本実施例に係る導電性プラスチック成形品の廃棄時に、全体の大部分を占めるプラスチック成形体12と、各種金属材料等からなる導電層18を付与された樹脂シールド体16とを容易に分離させるものであり、何れも適度な粘度を有する高分子粘稠体であることが一般的である。なお前記プラスチック成形体12と、樹脂シールド体16とが分離されて廃棄される際に、接着層14を形成する接着剤が該プラスチック成形体12の残留して、プラスチック材料の回収時に不純物として取り込まれてしまうが、その量は数10g/m2と微々たるものであり、該プラスチック材料の回収・再生に影響を与えることは殆どない。また前記接着剤として、前記プラスチック成形体12に対して相溶性のある物質を選択することでも、前述の問題に対応し得る。
【0042】
前記接着剤中に、加熱下で膨張する加熱膨張性粒子を含有させたものを用いる場合には、前記樹脂シールド体16へ接着剤を付与し乾燥させた後、プラスチック成形体12を該接着剤塗布面を押圧して組み立てる。このため前記接着剤の層と、前記樹脂シールド体16との接触面積は、該樹脂シールド体16への該粘着剤付与面積に略等しいのに対して、前記プラスチック成形体12への接触面積は押圧しただけなので比較的小さいものとなる。この結果、前記プラスチック成形体12および接着剤の間の未接触部分から、前記加熱膨張性粒子の加熱膨張によって剥離が発生し、該プラスチック成形体12側に接着剤を殆ど残すことなく分離が可能となる。
【0043】
ここまでに施された成形体作製工程S1、樹脂シールド体作製工程S2および接着層付与工程S3により、本実施例に係る導電化プラスチック成形体を製造するためのプラスチック成形体12および導電層18が形成された樹脂シールド体16が夫々作製され、これらを接着して積層・一体化する準備が全て整う。次段階である組立工程S4は、前記プラスチック成形体12および樹脂シールド体16を、前記接着層14を介して積層・一体化させる工程である。そして最終的に施される工程S5では、必要に応じて前記導電性プラスチック成形品の水洗および乾燥、加工並びに検査が行なわれ、製品として完成する。
【0044】
【実験例】
以下に実施例に係る導電性プラスチック成形品の製造方法および得られた導電性プラスチック成形品の実験例を示す。
【0045】
・成形体作製工程S1:
プラスチック成形品の原料として、炭素繊維を10wt%含有するPC/ASA材料(商品名 FA420CA;三菱レイヨン製)を使用して射出成形により、寸法210×260×20で厚さが1.2mmの上方に開口した箱形形状のプラスチック成形体を得た。
【0046】
・樹脂シールド体作製工程S2:
成形段階S21では、プラスチック成形品の原料として、ABS樹脂(商品名 サイコラックスEPX;宇部サイコン製)を使用して、先ず0.2mmのシード状物を作製し、次いで真空成形により、前記プラスチック成形体内面に密着的に積層する箱形形状の樹脂体を得た。
導電層付与段階S22(S221):
次の各段を経ることで、前記樹脂体の所要面に導電層が形成された樹脂シールド体が作製された。
導電化前処理段S2211では、硫酸ナトリウム20g/Lおよびリン酸ナトリウム20g/Lを含有する脱脂液に、温度50℃、4分間の条件で浸漬することで脱脂を行ない、水洗後、無水クロム酸400g/Lおよび98%硫酸400g/Lからなるエッチング液に、68℃の温度下で10分浸漬を行ないエッチングを施した。続いて充分な水洗を行なった後に35%塩酸50ml/Lの室温中和液に1分間浸漬させて中和を行なった。続いて、水洗および35%塩酸180ml/Lのプレディップ槽への浸漬を行なった後に、パラジウム・スズ触媒(商品名 キャタリストC;奥野製薬工業製)30ml/Lおよび35%塩酸200ml/Lからなるキャタリスト浴に、温度35℃、2分間の条件で浸漬した。次いで水洗を施し、表面活性化剤(商品名 アクセラレータX;奥野製薬工業製)0.5g/Lおよび98%硫酸100ml/Lからなるアクセラレータ浴に浸漬させて、触媒金属としてのパラジウムを前記樹脂シールド体表面に充分に付与し、最終的に水洗を行なった。
導電化段S2212では、無電解銅メッキ浴(商品名 TSP−810無電解銅標準処方;奥野製薬製)に、温度55℃、30分間の条件で浸漬、約2μmの無電解銅メッキ層を析出させた。
第2導電化段S2213では、無電解ニッケルメッキ浴(商品名 TSP−48ニッケル標準処方;奥野製薬製)に、温度50℃、10分間の条件で浸漬させて、約0.3μm無電解ニッケルメッキ層を析出させた。
【0047】
接着層付与工程S3:
高分子化合物としてのアクリル酸ブチル60重量部、アクリル酸エチル40重量部およびアクリル酸5重量部からなるアクリル系共重合体100重量部をトルエンに溶解させ、ここにリウレタン系架橋剤5重量%および加熱膨張物質として熱膨張性微小球(商品名 マツモトフイクロスフェア F−50D;松本油脂製)50重量%を加えたものを接着剤とした。そして前記樹脂シールド体を所要形状の木型の治具で覆い、外側の被着予定部位だけに前記接着剤を乾燥厚さが40μmとなるようにスプレー塗布して接着層を形成した。
【0048】
組立工程S4:
前記接着層付与工程S3で接着層が形成された樹脂シールド体と、前記プラスチック成形体とを積層状態に保持し、手で約100Nの加重が掛かるように均等に押さえつける作業を場所を変えながら10回行ない、該樹脂シールド体および前記プラスチック成形体を積層・一体化させた。
【0049】
・評価項目、評価方法および結果(物性)
(1)プラスチック成形体と樹脂シールド体との接着力:
評価方法:前記プラスチック成形体および樹脂シールド体接着・積層した導電性プラスチック成形品から、長さ210mm幅20mmの試験片を作製した。そしてこの試験片の樹脂シールド体層の端部より50mm程度をプラスチック成形体から引き剥がした後、該成形体を瞬間接着剤で厚さ0.5mmのアルミニウム板に固定し、該樹脂シールド体の引き剥がし済端面を引っ張り試験機チャックでつかんで90度引き剥がし強度を測定した。この際、JIS Z 0237「粘着テープ・粘着シート試験方法」を参考として、90度引き剥がし治具および粘着力の測定は同一とした(接着層(粘着体)、該接着層の幅および組立(圧着)方法仕方は相違する)。下記の表1に示す如く、充分な接着力が確認された。
表1
┌─────────────────────────────────┐
│ 処 理 引き剥がし強度(N/20mm) │
├─────────────────────────────────┤
│ 直後 4.9 │
│ 80℃ 500時間後 5.8 │
│ 60℃95%RH 500時間後 3.9 │
│ 冷熱サイクル 5.5 │
│ (-30℃/100℃300回)後 │
└─────────────────────────────────┘
(2)密着性:JIS H 8504に規定される「めっきの密着性試験」における「テープ試験方法」にしたがって評価した。すなわち、導電層表面を貫通する刻み目により区切られた一辺2mmの正方形25個に対して、所定の処理を施した後に剥離していない箇所を数えた。この結果、下記の表2の如く、粘着テープによるクロスカット面への剥離試験を行っても剥がれは全く起こらず、良好な密着性が確認された。
表2
┌─────────────────────────────────┐
│ 処 理 密着性(未剥離の碁盤目正方形数/25) │
├─────────────────────────────────┤
│ 直後 25/25 │
│ 80℃ 500時間後 25/25 │
│ 60℃95%RH 500時間後 25/25 │
│ 冷熱サイクル 25/25 │
│ (-30℃/100℃300回)後 │
└─────────────────────────────────┘
(3)EMIシールド性:KEC法準拠のシールド効果測定治具に、作製した導電性プラスチック成形品から150×150mm角の試験片を切り出して取り付け、トラッキングジェネレータを備えるスペクトラムアナライザ(商品名 8560A;ヒューレット・パッカード製)により1MHz〜1GHzの周波数帯域で入射波の強度に対する透過波の強度の減衰比をシールド効果として、電界波および磁界波のシールド特性を夫々測定した。参考として、シールド効果とその品質の対照表を下記の表3に載せる。
表3
┌─────────────────────────────────┐
│シールド効果(dB) 品質 使用例 │
├─────────────────────────────────┤
│ 0〜10 シールド効果なし │
│ 10〜30 最小限度のシールド効果 │
│ 30〜60 平均的シールド効果 一般電子機器 │
│ 60〜90 平均以上のシールド効果 高度な電子機器 │
│ 90〜120 最高技術によるシールド シールド室 │
└─────────────────────────────────┘
評価の結果、下記の表4に示す如く、1MHz〜1GHzで電子機器として充分に使用できるシールド効果が確認された。
表4
┌─────────────────────┐
│ シールド効果(dB) │
│周波数(Hz) 電界波 磁界波 │
├─────────────────────┤
│ 10M 50 10 │
│ 100M 66 30 │
│ 200M 67 34 │
│ 500M 55 45 │
│ 1G 40 53 │
└─────────────────────┘
【0050】
・評価項目、評価方法および結果(リサイクル性)
(4)廃棄後の再生(リサイクル)率:得られた導電性プラスチック成形品を、150℃の熱風循環型高温乾燥機内に得られた導電性プラスチック成形品を10分間放置した。この結果、前記導電性プラスチック成形品を構成するプラスチック成形体および樹脂シールド体は手で容易に分離可能であった。前記プラスチック成形体は、粉砕して再成形可能であり、この粉砕物から所定のJIS試験片を成形し、引っ張り強度、破断伸びおよびアイゾット衝撃強度等の各物性値を測定したところ、該物性値の変動は同プラスチック原料のバージン材から成形されるJIS試験片のそれと比較して±10%以内であり、良好な物性を有する再生品であることが確認された。また処理前重量(導電性プラスチック成形品重量)と、処理後(再生成形品)重量とから計算される再生率は約83重量%と良好であった。更に前記樹脂シールド体中に含有される各種樹脂材料および金属材料の重量は、夫々12重量%および2重量%であり、これらについてもガス化溶融炉等による処理でリサイクル可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上に説明した如く、本発明に係る製造方法で得られる導電性プラスチック成形品によれば、加熱により剥離する接着剤から形成される接着層により、導電性を有するシールド体と、プラスチック材料の大部分を占めるプラスチック成形体を容易に分離可能としたので、該成形品を廃棄後のマテリアルリサイクルに供した際に、高い再生率で導電性プラスチック成形品を構成するプラスチック材料を回収し得る利点がある。また本発明の製造方法は、前述した導電性プラスチック成形品を好適に効率良く製造し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る導電性プラスチック成形品の一部切り欠き斜視図である。
【図2】図1におけるII−IIの拡大断面図である。
【図3】本発明の好適な実施例に係る導電性プラスチック成形品の製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
12 プラスチック成形体
14 接着層
15 樹脂体
16 樹脂シールド体
18 導電層

Claims (5)

  1. 電気的に不導体なプラスチック原料から所要形状のプラスチック成形体(12)を成形し、
    プラスチック原料からなるシート状物を成形することで、前記プラスチック成形体(12)へ被着し得る樹脂体(15)を作製した後、この樹脂体(15)の導電化すべき所要面に導電層(18)を形成して樹脂シールド体(16)を作製し、
    前記樹脂シールド体(16)におけるプラスチック成形体(12)への被着予定部位に、該プラスチック成形体(12)と相溶性を有すると共に加熱により膨張し得る加熱膨張物質が含有されて加熱することで剥離性を発現する接着剤を付与し、
    前記樹脂シールド体(16)に前記接着剤で形成される接着層(14)の付与面積より前記プラスチック成形体(12)と該接着層(14)との接触面積が小さくなるように、樹脂シールド体(16)をプラスチック成形体(12)に対して押圧して、接着層(14)を介して該プラスチック成形体(12)および樹脂シールド体(16)を接着するようにした
    ことを特徴とする導電性プラスチック成形品の製造方法。
  2. 前記導電層(18)は、無電解メッキである湿式メッキ反応に対し触媒効果を発現する触媒金属を前記樹脂体(15)に付与する導電化前処理を行い、次いでこれに湿式メッキを施すことで形成される請求項1記載の導電性プラスチック成形品の製造方法。
  3. 前記導電層(18)は、導電性フィラーまたは金属から選択される導電性物質を含有した高分子化合物からなる導電性塗料の付与により形成される請求項1記載の導電性プラスチック成形品の製造方法。
  4. 前記導電層(18)は、化学気相蒸着または物理気相蒸着から選択される乾式メッキより形成される請求項1記載の導電性プラスチック成形品の製造方法。
  5. 前記導電化前処理として、貴金属イオンを吸着可能な物質を含有するキレート樹脂を前記樹脂体(15)に付与する請求項2記載の導電性プラスチック成形品の製造方法。
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