JP3343522B2 - プラスチック成形品の製造方法 - Google Patents

プラスチック成形品の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、全面若しくは部分
的にメッキを施してある種々の電磁波シールド部品、回
路基板、コネクター等のプラスチック成形品の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック成形品にメッキを施すため
の従来技術としては、例えば、先ずプラスチック成形品
表面を強酸や強アルカリ等の薬品で化学的にエッチング
を行い、続いてパラジウム−錫コロイド溶液に浸漬して
触媒付与し、更に活性化工程を経て成形品表面に金属パ
ラジウムを析出させることでプラスチック成形品表面に
メッキを可能にする方法が良く知られている。また、そ
の他の方法として、特表昭62−500344号公報に示されて
いるように、プラスチック成形品表面に活性金属粒子を
含む液状有機バインダーを塗布・固着させ、さらにこれ
を酸性溶液に浸漬して金属粒子表面を還元することでプ
ラスチック成形品表面にメッキを可能にする方法があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では、使用可能なプラスチック材料が大きく限定さ
れる。即ち、酸やアルカリで化学的にエッチング(浸
蝕)可能なプラスチック材料のみに限られる。ポリアセ
タール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフ
ェニレンサルファイド樹脂等のいわゆる結晶性熱可塑性
樹脂は、その優れた耐薬品性、耐熱性、電気的特性、機
械的特性等から、電気・電子分野や自動車分野を中心と
して、幅広い産業分野で使用されているが、かかる結晶
性熱可塑性樹脂材料は、その優れた耐薬品性故に、成形
品表面が酸やアルカリ等の化学薬品でエッチングされ難
く、一般的にはメッキ加工に対して不適である。そこ
で、前者のような方法で結晶性熱可塑性材料のメッキを
可能にするためには、予め、材料コンパウンド時に炭酸
カルシウム等、硫酸や塩酸等の化学薬品に浸蝕され易い
物質を多量に添加した上、化学処理を行う必要がある。
ところが、このような物質を結晶性熱可塑性樹脂材料に
多量に添加した場合、結晶性熱可塑性樹脂材料が本来有
する優れた機械的特性を大幅に低下させるという問題を
生じる。特に、使用される部位が、強度や靱性等の機械
的特性を要求される機構部品などの場合には問題を生じ
る場合が多く、使用用途が著しく制限されてしまう。一
方、後者の方法は、化学エッチングのような前処理が不
要であるため、硫酸や塩酸等の化学薬品に浸蝕され易い
物質等を多量添加する必要はなく、材料本来の性能を維
持できるという点で優れた方法と言える。また、この方
法は、硫酸や塩酸等、環境負荷の大きい化学物質を多量
に使用しなくて済むと言う点で、昨今の地球環境保全に
対する社会的動向に適合する技術と言える。しかしなが
ら、後者の方法により、プラスチック成形品に対して実
用に耐え得るメッキ被膜を付与するためには、使用樹脂
材料と使用有機バインダーとの間の優れた密着性が前提
になる。前述したように、結晶性熱可塑性樹脂材料は一
般的に優れた耐薬品性を有するため、種々の有機溶剤を
シンナーとして、アクリル樹脂やウレタン樹脂等を主成
分とする液状有機バインダー(塗料)とともに使用して
も、密着性不良の問題を生じる場合が多く、使用材料が
限定されてしまう。そこで本発明では、結晶性熱可塑性
樹脂材料のメッキを可能にするための化学エッチング、
即ち結晶性熱可塑性樹脂材料への過剰な添加剤の配合等
を必須とせず、従って結晶性熱可塑性樹脂材料が本来有
する優れた各種特性を犠牲にすることなく、更に、特定
の材料に限定されることなく幅広く結晶性熱可塑性樹脂
材料へのメッキを可能ならしめ、単なる装飾分野に留ま
らず、電磁波シールド性能や電気回路機能を有する部品
の製品化にも適用でき、しかも密着性に優れ、冷熱サイ
クルテスト等の過酷な環境劣化試験においても高いメッ
キ品質が確保でき、製造工程での有害物質の使用が少な
く、地球環境保全の観点からも従来の方法と比較して格
段に優れたプラスチック成形品の製造方法を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる状況
に鑑み、鋭意検討の結果、結晶性熱可塑性樹脂材料から
なるプラスチック成形品表面を予め粗化し、次にパラジ
ウム塩、錯生成剤及び水溶性ポリマーを主成分とする特
定の水溶性高分子樹脂組成物を粗化した成形品表面上に
塗布・乾燥後、パラジウムイオンを還元して金属パラジ
ウムを成形品表面に付着させ、次いでメッキを行うこと
により、結晶性熱可塑性樹脂材料の各種特性を何ら損な
うことなく、密着性に優れ、冷熱サイクルテスト等の過
酷な環境劣化試験においても高いメッキ品質のものが容
易に製品化できることを見出し、本発明に至った。即
ち、本発明は、結晶性熱可塑性樹脂材料を使用し、所定
の製品形状を賦与する成形工程と、次に、上記成形工程
で得られた樹脂成形品の全面若しくは所定の一部表面
を、表面粗さがRz≧10μm (但し、Rzは十点平均
粗さ)となるように粗化する工程と、次に、パラジウム
塩、錯生成剤及び水溶性ポリマーを主成分とする水溶性
高分子樹脂組成物を上記樹脂成形品の粗化表面上に塗布
する工程と、次に、上記水溶性高分子樹脂組成物中のパ
ラジウムイオンを還元して金属パラジウムを上記樹脂成
形品表面に付着させる工程と、最後に、金属パラジウム
が付着した樹脂成形品をメッキする工程、とを具備する
ことを特徴とするプラスチック成形品の製造方法であ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の具体的構成につ
いて詳しく述べる。先ず、本発明で使用する結晶性熱可
塑性樹脂材料について説明する。本発明で使用する結晶
性熱可塑性樹脂材料とは、ポリエチレン樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、
ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンサル
ファイド樹脂、液晶性ポリエステル樹脂、ポリイミド樹
脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂、ポリシクロ
ヘキサンジメチレンテレフタレート樹脂等をあげること
が出来、更に好ましくは、成形加工が容易で、かつ電気
的・機械的特性に優れるポリアセタール樹脂、ポリブチ
レンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンサルファイド
樹脂、ポリアミド樹脂、液晶性ポリエステル樹脂、ポリ
イミド樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂、ポ
リシクロヘキサンジメチレンテレフタレート樹脂からな
る群の中から選ばれた少なくとも1種以上の樹脂を主成
分とする結晶性熱可塑性樹脂材料が好適に用いられる。
このような結晶性熱可塑性樹脂材料とは、結晶性熱可塑
性樹脂に、従来公知の各種無機充填剤等の添加剤を含有
せしめた材料であっても勿論良い。かかる結晶性熱可塑
性樹脂材料は、所定の金型と射出成形機などの樹脂溶融
加工装置を使用して所定の製品形状を容易に賦与するこ
とができる。
【0006】次に、上記成形工程で得られた樹脂成形品
の全面若しくは所定の一部表面を、表面粗さがRz≧1
0μm (但し、Rzは十点平均粗さ)となるように粗化
する。本工程において、樹脂成形品表面を粗化するため
の手法は、それが化学的、機械的または物理的手法のい
ずれの方法であっても構わないが、前述の如く、結晶性
熱可塑性樹脂材料は耐薬品性に優れるため化学的な手法
では必ずしも十分な粗化が行えないことが多い。この様
な場合には機械的または物理的な粗化手法が好ましく、
例えばサンドペーパーなどを用いて樹脂成形品表面を荒
らす方法であっても構わないが、更に好ましくは、粗化
の効率性・工業的量産性・品質の安定性に優れるサンド
ブラスト、ショットブラスト、液体ホーニング、タンブ
リング、レーザー照射からなる群の中から選ばれた粗化
手法が好適に用いられる。
【0007】粗化の度合いは、表面粗さがRz≧15μ
m となることが特に好ましく、また上限は特に限定され
ないが、70μm 程度である。これ以上粗化しても効果
は飽和し、さらには外観不良を生じる場合がある。
【0008】次に、前記の表面粗化した樹脂成形品上
に、パラジウム塩、錯生成剤及び水溶性ポリマーを主成
分とする特定の水溶性高分子樹脂組成物が塗布される。
本工程において使用する水溶性高分子樹脂組成物は、加
熱或いは紫外線・レーザー等の高エネルギー線の照射に
よりパラジウムイオンが還元され、金属パラジウムとし
て析出する。このような水溶性高分子樹脂組成物として
は、例えば、ベルギー特許9400003 号明細書に公表され
ているものがあげられる。
【0009】次に、成形品表面に塗布された水溶性高分
子樹脂組成物中のパラジウムイオンを還元して金属パラ
ジウムとして析出させるため、前述のように、加熱や紫
外線・レーザー等の高エネルギー線を照射する。この工
程で、加熱した場合には水溶性高分子樹脂組成物を塗布
した全域で金属パラジウムが析出し、一方、紫外線・レ
ーザー等の高エネルギー線を照射した場合には高エネル
ギー線が照射された領域のみで金属パラジウムが析出
し、その後、水洗することで未反応物は簡単に除去され
るが、還元析出した金属パラジウムは成形品表面に沈着
し流出しない。
【0010】次に、前記工程で得られた、金属パラジウ
ムが表面に沈着した成形品を用いてメッキ工程が実施さ
れる。このメッキ工程では化学銅メッキ、化学ニッケル
などが使用されるが、樹脂成形品が実質上、電気回路と
しての機能を求められる場合には化学銅メッキが望まし
い。
【0011】前記メッキ工程を実施すると、金属パラジ
ウムが沈着している部分にのみメッキは付着する。金属
パラジウムが沈着していない部分にはメッキは付着しな
いため、所望の部分にメッキが施された樹脂成形品を得
ることができる。
【0012】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明するが、
本発明の主旨を逸脱しない限り、本発明はこれら実施例
に限定されるものではない。実施例において、粗化処理
後の樹脂成形品の表面粗さは、以下のようにして求め
た。 〔表面粗さ〕市販の表面粗さ計を使用し、JIS B0
601に記載された方法に従い、粗化処理した樹脂成形
品の表面粗さを測定した。測定結果は十点平均粗さ(R
z:単位μm )で表示した。また、実施例において、メ
ッキ被膜密着性の評価に用いた方法は以下の通りであ
る。 (1) 初期密着性(セロハンテープ剥離テスト) 試験片のメッキ部分に市販のセロハンテープを貼り付
け、その上から指で良くこすって試験片表面に密着させ
た後、セロハンテープの一端を指でつまんで一挙にテー
プを剥がして、メッキ部分の剥離状況を観察する。結果
の判定は、○(剥離せず)、△(一部に剥離)、×(著し
い剥離)の評価基準を用いて行った。 (2) 耐熱性試験 試験片を 100℃に設定された熱風循環槽の中に20日間放
置後取り出し、試験片が室温に戻った状態で(1) 記載の
セロハンテープ剥離テストを同様に行い、メッキ皮膜の
密着性を評価した。 (3) 耐湿潤性試験 試験片を50℃、相対湿度95%に設定された恒温恒湿槽の
中に20日間放置後取り出し、室温に1日間放置した後に
(1) 記載のセロハンテープ剥離テストを同様に行い、メ
ッキ皮膜の密着性を評価した。 (4) 耐冷熱サイクル性試験 試験片を下記条件に設定された冷熱サイクル試験槽の中
に放置、 100サイクルが終了した時点で取り出し、(1)
記載のセロハンテープ剥離テストを同様に行い、メッキ
皮膜の密着性を評価した。 1サイクル:( 100℃、1時間)→(23℃、相対湿度50
%、1時間)→(−40℃、1時間)→(23℃、相対湿度
50%、1時間) 実施例1 非強化のポリアセタール樹脂を使用し、射出成形機を用
いて縦10cm×横10cm×厚み3mmの平板状の樹脂成形品を
作成した。次に、液体ホーニング装置を用い、市販の褐
色アルミナ質研削材(粒度=#100、日本工業規格R
6111準拠)を使用して、噴射圧力=5気圧、噴射時
間=10秒間、の条件でこの成形品の片面を粗化処理し
た。この段階で成形品の粗化表面の表面粗さを測定し
た。結果を表1に示す。次に、パラジウム塩として塩化
パラジウム 0.3重量%、錯生成剤として酒石酸0.05重量
%、水溶性ポリマーとしてカルボキシメチルセルロース
2重量%及び残りの部分は脱イオン水からなる水溶性樹
脂組成物を成形品の粗化表面に均一にスプレー塗装し
た。次に、この成形品を 140℃に設定された熱風循環槽
内に30分間安置し、金属パラジウムの析出を行った。取
り出し後、成形品表面を脱イオン水で洗浄した後、無電
解銅メッキを約2μm行い、メッキ被膜性能評価サンプ
ルを得て、上記評価を行った。結果を表1に示す。
【0013】実施例2 ガラス繊維30重量%を含有するポリブチレンテレフタレ
ート樹脂を使用した他は、実施例1と同様にして評価サ
ンプルを得て、上記評価を行った。結果を表1に示す。 実施例3 ガラス繊維40重量%を含有するポリフェニレンサルファ
イド樹脂を使用した他は、実施例1と同様にして評価サ
ンプルを得て、上記評価を行った。結果を表1に示す。 実施例4 ガラス繊維30重量%を含有する全芳香族系液晶ポリエス
テル樹脂を使用した他は、実施例1と同様にして評価サ
ンプルを得て、上記評価を行った。結果を表1に示す。 実施例5 粗化処理として、40%水酸化カルシウム水溶液を用いて
70℃×30分間浸漬処理することにより化学エッチングを
行った他は、実施例4と同様にして評価サンプルを得
て、同様の評価を行った。結果を表1に示す。 実施例6 粒度#220の褐色アルミナ質研削材を使用して、噴射
圧力=4気圧、噴射時間=10秒間、の条件で成形品の片
面を粗化処理した他は、実施例1と同様にして評価サン
プルを得て、同様の評価を行った。結果を表1に示す。 実施例7 ガラス繊維30重量%を含有するポリブチレンテレフタレ
ート樹脂を使用し、粒度#150の褐色アルミナ質研削
材を使用して、噴射圧力=3気圧、噴射時間=10秒間、
の条件で成形品の片面を粗化処理した他は、実施例1と
同様にして評価サンプルを得て、同様の評価を行った。
結果を表1に示す。 実施例8 ガラス繊維40重量%を含有するポリフェニレンサルファ
イド樹脂を使用し、粒度#220の褐色アルミナ質研削
材を使用して、噴射圧力=3気圧、噴射時間=10秒間、
の条件で成形品の片面を粗化処理した他は、実施例1と
同様にして評価サンプルを得て、同様の評価を行った。
結果を表1に示す。
【0014】比較例1〜4 成形品表面を予め粗化処理しなかった他は、実施例1〜
4と同様にしてそれぞれ評価サンプルを得て、同様の評
価を行った。結果を表2に示す。 比較例5 ガラス繊維30重量%を含有するポリブチレンテレフタレ
ート樹脂を使用し実施例2と同様にして成形・粗面化処
理した後、市販の活性金属粒子を含有する一液型アクリ
ル樹脂系塗料を塗装し、熱風循環装置を使用して80℃で
30分間乾燥した。その後、無電解銅メッキを約2μm行
い評価サンプルを得て、実施例2と同様の評価を行っ
た。結果を表2に示す。
【0015】比較例6〜8 研削材として市販のガラスビーズ(粒度=#150、日
本工業規格R6111準拠)を使用して、噴射圧力=4
気圧、噴射時間=10秒間、の条件で成形品の片面を処理
した他は、実施例1〜3と同様にしてそれぞれの評価サ
ンプルを得て、同様の評価を行った。結果を表2に示
す。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】実施例9 ガラス繊維30重量%を含有するポリブチレンテレフタレ
ート樹脂を使用し、射出成形機を用いて外形寸法が縦15
0mm ×横150mm ×高さ35mmで肉厚2mmの箱状の樹脂成形
品を作製した。この樹脂成形品の外側を、実施例1と同
様に表面粗化、水溶性樹脂組成物を塗装、加熱処理を行
った。次に無電解銅メッキを約1.5 μm行い評価サンプ
ルを得た。このサンプルを使用し、トランスミッション
法に従って電磁波シールド性能の測定を実施したとこ
ろ、1000MHz で65デシベル(db)という優れたシール
ド効果を有していることが確認された。
【0019】
【発明の効果】以上の説明及び実施例により明らかなよ
うに、結晶性熱可塑性樹脂材料からなるプラスチック成
形品を予め粗面化処理し、次に、パラジウム塩、錯生成
剤及び水溶性ポリマーを主成分とする特定の水溶性高分
子樹脂組成物を塗布し、次いでパラジウムイオンを金属
パラジウムに還元・析出させた後、メッキを行うことに
より、結晶性熱可塑性樹脂材料の各種特性を何等損なう
ことなく、樹脂成形品上に所望のメッキができるととも
に、過酷な環境に曝されても優れたメッキ品質を有する
ので、長期に渡って信頼性の高い製品が提供可能にな
る。従って、本発明の製造方法により作製される樹脂成
形品は、電気・電子用コネクター、光通信用光リンク、
電子制御ユニット(ECU)、放電灯昇電圧装置、携帯
用通信端末等の電磁波シールド部品、種々の回路基板、
装飾メッキ部品などに好適に使用し得るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C23C 18/16 C23C 18/16 A 18/28 18/28 H05K 9/00 H05K 9/00 M

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性熱可塑性樹脂材料を使用し、所定の
    製品形状を賦与する成形工程と、 次に、上記成形工程で得られた樹脂成形品の全面若しく
    は所定の一部表面を、表面粗さがRz≧10μm (但
    し、Rzは十点平均粗さ)となるように粗化する工程
    と、 次に、パラジウム塩、錯生成剤及び水溶性ポリマーを主
    成分とする水溶性高分子樹脂組成物を上記樹脂成形品の
    粗化表面上に塗布する工程と、 次に、上記水溶性高分子樹脂組成物中のパラジウムイオ
    ンを還元して金属パラジウムを上記樹脂成形品表面に付
    着させる工程と、 最後に、金属パラジウムが付着した樹脂成形品をメッキ
    する工程、とを具備することを特徴とするプラスチック
    成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】樹脂成形品表面を粗化する方法が、サンド
    ブラスト、ショットブラスト、液体ホーニング、タンブ
    リング、レーザー照射からなる群の中から選ばれたもの
    である請求項1記載のプラスチック成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】結晶性熱可塑性樹脂が、ポリアセタール樹
    脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレン
    サルファイド樹脂、ポリアミド樹脂、液晶性ポリエステ
    ル樹脂、ポリイミド樹脂、シンジオタクチックポリスチ
    レン樹脂、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレー
    ト樹脂からなる群の中から選ばれた少なくとも1種以上
    の樹脂を主成分とする、請求項1又は2記載のプラスチ
    ック成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3の何れか1項記載の製造方法
    により作成された、実質上、電気回路としての機能を有
    するプラスチック成形品。
  5. 【請求項5】請求項1〜3の何れか1項記載の製造方法
    により作成された、実質上、電磁波シールド性能を有す
    るプラスチック成形品。
  6. 【請求項6】プラスチック成形品が、電気・電子用コネ
    クター、光通信用光リンク、電子制御ユニット(EC
    U)、放電灯昇電圧装置、携帯用通信端末装置の何れか
    一つの構成部品である、請求項5記載の、実質上、電磁
    波シールド性能を有するプラスチック成形品。
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