JP2004001249A - 導電性シートの製造方法および導電性シート - Google Patents

導電性シートの製造方法および導電性シート Download PDF

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Abstract

【課題】導電性フィラーを多量に使用せずに、導電性を向上させることが可能な導電性シートの製造方法を提供することを課題とする。また、そのような製造方法により、使用する導電性フィラーを極端に増加させることなく、導電性が確保された導電性シートを提供する。
【解決手段】基材シート2上に、導電性フィラーがバインダ樹脂中に分散した導電性塗料組成物を塗布し、塗膜を55℃〜200℃、30分〜5日間の加温条件でアニーリングして導電性層3とし、導電性シート1を製造した。アニーリングを行わない場合にくらべ、表面抵抗率を1/2〜1/100に低下させることができた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性層にアニーリングすることにより、表面抵抗率を低下させることが可能な、好ましくは透明性を有する導電性シートの製造方法に関するものである。また、本発明は、そのような製造方法により得られた表面抵抗率の低い導電性シートに関するものでもある。
【0002】
【従来の技術】
透明プラスチックフィルム上に導電性層を積層した導電性フィルムは、種々のディスプレイ装置の画面の表面に貼り付けて帯電防止を行ったり、導電性層をエッチング等によりパターン化して電極やアンテナとして使用するほか、導電性層上、もしくは透明プラスチックフィルムと導電性層との間に他の種々の機能を持つ機能層を積層した積層シートに、帯電防止等の機能を付与するために多用されている。
【0003】
導電性フィルムは、透明プラスチックフィルムに蒸着法やスパッタ法によって、導電性層を形成する気相法によるものと、導電性塗料組成物をコーティングにより行う液相法とに大別される。後者の液相法は、前者の気相法とくらべると、真空系内への基材シートの出し入れを行う際の煩雑さが回避出来、装置的にも簡便で、製造速度の点でも有利であり、かつ抵抗率の低下が比較的容易であること等から注目されている。
【0004】
後者の液相法においては、用途面の要求から、透明性のある導電性フィラーを用いることが多いが、導電性フィラーを多量に使用すると透明性が低下する恐れがあり、導電性の向上と、透明性の確保とを両立させることが困難であった。また、透明性を要しない場合であっても、導電性フィラーを大量に使用して、導電性層形成用の塗料組成物を作成しようとすると、導電性フィラーが沈殿するか、もしくは塗布に適した粘性を得ることが困難になる問題も生じていた。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明においては、導電性フィラーを多量に使用することに替えて、得られる製品の導電性を向上させることが可能であり、製造の過程における支障のない導電性シートの製造方法を提供することを課題とするものである。また、本発明においては、そのような製造方法により、使用する導電性フィラーを極端に増加させることなく、導電性が確保された導電性シートを提供することも課題とするものである。
【課題を解決する手段】
【0006】
発明者らの検討を行ったところ、導電性フィラーを含有する導電性塗料組成物を用いてコーティングを行った後、比較的、高温で長時間のアニーリングを行うことにより、アニーリングをしない場合にくらべて、得られる表面抵抗率が格段に低下することが確かめられ、これに基づいて本発明に到達することができた。
【0007】
第1の発明は、基材シート上に、導電性フィラーがバインダー樹脂中に分散した導電性塗料組成物を用いて導電性層を積層した後、前記導電性層に、55℃〜200℃の温度、30分〜5日間の時間の条件でアニーリング処理を施すことにより、アニーリング前にくらべ、アニーリング後の表面抵抗率が低下した導電性層を得ることを特徴とする導電性シートの製造方法に関するものである。
第2の発明は、第1の発明において、前記の時間の条件が12時間〜3日間であることを特徴とする導電性シートの製造方法に関するものである。
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記アニーリング前にくらべ、前記アニーリング後の表面抵抗率が1/2〜1/100に低下したことを特徴とする導電性シートの製造方法に関するものである。
第4の発明は、第1〜第3いずれかの発明の製造方法により製造されたことを特徴とする導電性シートに関するものである。
第5の発明は、第4の発明において、前記表面抵抗率が、10〜10Ω/□であることを特徴とする導電性シートに関するものである。
【発明の実施の形態】
【0008】
図1は、本発明の導電性シートの基本的な積層構造を示す断面図であり、本発明の基本的な導電性シート1は、基材シート2の片面に導電性層3が積層された積層構造を有するものである。図2および図3は、基本的な積層構造を利用した応用例の導電性シートの積層構造を示す断面図であり、本発明の導電性シート1は、基材シート2と導電性層3が積層された積層構造の導電性層3側に、他の種々の機能を持つ機能層4が積層された積層構造を有するもの(図2)であるか、もしくは基材シート2と導電性層3が積層された積層構造の基材シート2と導電性層3との間に、他の種々の機能を持つ機能層4が積層された積層構造を有するもの(図3)である。なお、いずれも、基材シート2の片側にのみ導電性層3を積層し、導電性層3を積層した側にのみ機能性層4を積層したものとしたが、本発明の導電性シート1は、基材シート2の両側に導電性層3が積層されたものであってもよく、その場合、基材シート2の片側もしくは両側に機能性層4を伴なったものであってもよい。
【0009】
基材シート1は、種々の素材で構成することができ、プラスチックフィルム、紙、不織布、布、もしくは金属箔等の単独もしくは、それらのうちの二種以上の積層体であり得るが、導電性シート1が透明性を要求される用途である場合、透明なプラスチックフィルムであることが好ましい。
【0010】
プラスチックフィルムとしては、硝酸セルロース、三酢酸セルロース、もしくは二酢酸セルロース等のセルロースエステル類、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンの単独重合体もしくは共重合体、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリエチレンナフタレート等のポリエステル系単独重合体もしくは共重合体、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、もしくはエチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体もしくは共重合体、あるいは、これら(メタ)アクリル酸エステルと、α−メチルスチレン等との共重合体、または、ポリスチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、もしくはポリカーボネート等の単独重合体もしくは共重合体を素材とするものが挙げられる。
【0011】
本発明においては、後に述べるように、基材シート2上に導電性層3を積層した後に、長時間加温することによりアニーリングを行うので、基材シート2としては、耐熱性のあるものを使用することが好ましい。耐熱性のある基材シート2としては、ポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、もしくはシンジオタクティック・ポリスチレン等、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、フッ素樹脂、もしくはポリエーテルニトリル等、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリシクロヘキセン、もしくはポリノルボルネン系樹脂等、または、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、もしくは熱可塑性ポリイミド等を素材とするものを挙げることができる。
【0012】
基材シート2としてのプラスチックフィルムは、1軸方向もしくは2軸方向に延伸加工されたものであってもよく、未延伸のものにくらべ、機械的強度が向上している。また、基材シート2の厚みは、導電性シート1の用途にもよるが、9〜200μmであることが好ましい。
【0013】
基材シート2の少なくとも導電性層3を積層する側には、接着性向上のための公知の種々の処理、コロナ放電処理、火炎処理、酸化処理、プラズマ処理、もしくはプライマー層の積層等を、必要に応じて組み合わせて行なうことができる。接着性向上のための処理のうち、プライマー層の積層は、導電性層3(場合によっては機能性層4)の接着力を向上させて製品の耐久性を向上させるのに加え、基材シート2の導電性層3もしくは機能性層4を積層する側の表面の平滑性を向上させ、導電性層3もしくは機能性層4を均一に形成するのに効果がある。プライマー層は、具体的には、ポリエチレンイミン、ポリウレタン、ポリエステル、もしくはアクリル等の樹脂を含むごく薄い、0.1〜5μm程度の厚みの層として形成するとよく、通常は、溶剤溶液として、塗付し、乾燥することにより形成できる。
【0014】
導電性層3は、導電性フィラーがバインダ樹脂中に分散した層であり、導電性フィラーとしては、大別して、金属もしくは金属酸化物、または、有機導電性高分子からなるものを使用することができる。
【0015】
金属もしくは金属酸化物からなる導電性フィラーとしては、銀、ニッケル、もしくは亜鉛等の金属、または、酸化スズ、酸化亜鉛、もしくは酸化インジウム等の金属酸化物からなるものを挙げることができる。後者の金属酸化物は、半導体域の導電性を持つものが多いので、他の元素をドープして格子欠陥を作り、導電性を向上させたものであることが好ましく、そのようなものとして、アンチモンドーピング酸化スズ、アルミニウムドーピング酸化亜鉛、もしくはスズドーピング酸化インジウムを挙げることができる。
【0016】
金属もしくは金属酸化物からなる導電性フィラーは、比抵抗が10Ω・cm以下のものを用いることが好ましく、10−5Ω・cm〜10Ω・cmの範囲のものであることがより好ましい。また、金属もしくは金属酸化物からなる導電性フィラーは、細かいものを用いる方が、導電性層3の透明性を向上させる意味で好ましく、この意味では0.5μm以下であり、0.001μm〜0.3μmのものを使用することがより好ましい。また、金属もしくは金属酸化物からなる導電性フィラーは、球状のものに限ることなく、針状のものも透明性と導電性を共に向上させる意味で好ましく、長径が0.5μm〜6μm、短径が0.5μm以下のものであることが好ましく、より好ましくは、長径が1μm〜5μm、短径が0.05μm〜0.3μmのものである。
【0017】
有機導電性高分子からなる導電性フィラーは、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、もしくはポリフェニレン等からなるものを上げることができ、粒子の大きさとしては、0.5μm以下のものであることが好ましく、より好ましくは、0.001μm〜0.3μmである。
【0018】
バインダ樹脂としては、上記した金属もしくは金属酸化物、または、有機導電性高分子からなる導電性フィラーとの親和性があり、それらを安定的に分散させ得るものであれば、種々のものを使用することができ、具体的には、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル、メラミン、もしくはエポキシ等、またはそれらの変性物を使用することができる。これらのバインダ樹脂には、必要に応じて、イミド系、エポキシ系、もしくはイソシアネート系等の化合物、もしくはシランカップリング剤を、硬化剤として配合することができる。
【0019】
上記した金属もしくは金属酸化物、または、有機導電性高分子からなる導電性フィラー、およびバインダ樹脂は、溶剤もしくは希釈剤(いずれも、有機溶剤もしくは水、または有機溶剤と水の混合物であり得る。)、必要に応じ、硬化剤、シリカ、またはポリエチレンもしくはアクリル系等の樹脂パウダーを、沈降防止剤として配合して塗料組成物を調製し、得られた塗料組成物を用いて、基材シート2上に直接、もしくはプライマー層を介する、または他の機能性層4を介して塗布し、乾燥もしくは硬化させて導電性層3を形成することができる。金属もしくは金属酸化物からなる導電性フィラー、およびバインダ樹脂は、導電性フィラー/バインダ樹脂が質量比で、0.5/1〜20/1となるよう、また、有機導電性高分子からなる導電性フィラー、およびバインダ樹脂は、導電性フィラー/バインダ樹脂が質量比で、0.5/1〜15/1となるよう配合することが好ましい。
【0020】
上記により調製された塗料組成物の基材シート2への塗布は、例えば、グラビアコーティング、もしくはロールコーティング等の公知のコーティング方法によって行う。塗布量は、得られる導電性層の厚みで、0.1μm〜5μm程度であることが好ましいが、用途によっては、この範囲を超えてもよい。
【0021】
本発明においては、塗付後、好ましくは乾燥後の塗膜を、比較的高温で長時間加温し、アニーリングを行い、具体的には、常温から200℃、より好ましくは55℃〜200℃、特に好ましくは55℃〜150℃の温度条件で、30分間〜5日間、より好ましくは12時間〜3日間の時間の条件で、導電性層3を基材シート2ごと加温する。加温の際の温度は、比較的高い方が効果的であるが、バインダ樹脂や基材シートの耐熱性との兼ね合いで、温度を下げて、長時間加熱することもある。一般的には55℃以上の温度が効果的である。基材シート2やバインダ樹脂の耐熱性が高いものであるときは、200℃以下の温度での加温が可能であるが、基材シート2やバインダ樹脂の耐熱性が高くないときは、150℃以下の温度が好ましい。また、加温の際の時間は、温度を上げて、短時間でのアニーリングを行う際には最短で30分、200℃であれば、通常、数時間以下である。一般的には、12時間以上の時間をかけた方が、加温の際の温度を極端に高温にしなくてもアニーリングを効果的に行える。アニーリングの時間は長い方がよいが、5日間を超えると、アニーリングの効果が向上せず、また、実用的には、3日間を超えると、アニーリングの効果の向上が鈍る。
【0022】
アニーリングに先立って、塗布により形成された導電性層3を、好ましくは加温して、塗膜中の溶剤もしくは希釈剤を十分乾燥させておくことが好ましく、このため、風乾を行うか、加温する場合でも、50℃程度までの温度で数秒〜数十秒間程度の加温を行っておく。
【0023】
上記のアニーリングを行うことにより、アニーリング前にくらべ、導電性層3の表面抵抗値が格段に低下し、導電性層3の組成や厚みにもよっても異なるが、通常の条件であれば、1/2〜1/100程度となった導電性シート1を得ることができる。表面抵抗値が低下する理由は明らかではないが、加温により樹脂および導電性フィラーの運動の自由度が増加して、現象的には、導電性フィラーが導電性層の露出面側に熱拡散により移動して、導電性層の露出面側において、導電性フィラーの密度が増加したためか、もしくは基材シートの収縮に伴なって、導電性層3も収縮し、導電性フィラーどうしの距離が縮まり、また、導電性フィラーどうしの接触が増えるためと考えられる。
【0024】
また、上記のアニーリングを行った後の導電性シート1の導電性層3の表面抵抗率は、用いる導電性フィラーやバインダ樹脂との相対的な配合比や導電性層3の厚みにもよるが、10〜10Ω/□程度である。
【0025】
本発明の導電性シートは、基材シート2と導電性層3の間、もしくは導電性層3の露出面側に、機能性層4を積層して、種々の機能を兼ね備えた導電性シートとすることができる。機能性層4としては、例えば、耐擦傷性層(いわゆるハードコートである。)、反射防止性層、もしくは防眩性層等がある。これらの層は、基材シート2と導電性層3の間、もしくは導電性層3の露出面側のいずれに積層することもできるが、ハードコート層は、どちらかと言うと、基材シート2と導電性層3の間に積層することが好ましい。また、反射防止層は、どちらかと言うと、導電性3の露出面に積層することが好ましい。
【0026】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。以下の実施例において、導電性は、JIS K 7194に定める方法に準拠した表面抵抗率として測定し、全光線透過率、およびヘイズはカラーメーター(スガ試験機(株)製、SMカラーコンピュータ、品名;「SM−C」)を用いて測定した。
【0027】
(実施例1)
導電性フィラーとして、平均粒径;0.1μmのアンチモンドーピング酸化スズを用い、バインダ樹脂としては、アクリル樹脂を用い、導電性フィラー/バインダ樹脂/溶剤=10/1/90(質量比)の割合で混合して攪拌し、塗料組成物を作成した。溶剤としては、メチルエチルケトンを用いた。
【0028】
基材シートとしては、厚み;12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、その片面に、上記の塗料組成物をグラビアコーティング法により塗布し、風乾して、厚み;2μmの塗膜が積層された塗装フィルムを得た後、塗装フィルムを、温度;90℃のオーブン中で72時間加熱することによりアニーリングを施し、導電性シートを得た。アニーリング前の塗装フィルムの状態では、導電性、全光線透過率、およびヘイズは、それぞれ、1.6×10Ω/□、89%、および1%であったのが、アニーリング後の導電性シートにおいては、導電性、全光線透過率、およびヘイズは、それぞれ、4.4×10Ω/□、89%、および0.7%であった。
【0029】
(実施例2)
導電性フィラーとして、平均粒径;0.1μmのスズドーピング酸化インジウムを用い、塗膜の厚みを1μmとした以外は、実施例1におけるのと同様な手順で行ない、アニーリングを行って導電性シートを得た。アニーリング前の塗装フィルムの状態では、導電性、全光線透過率、およびヘイズは、それぞれ、1.2×10Ω/□、91%、および0.5%であったのが、アニーリング後の導電性シートにおいては、導電性、全光線透過率、およびヘイズは、それぞれ、2.4×10Ω/□、91%、および0.5%であった。
【0030】
(実施例3)
導電性フィラーとして、平均粒径;0.01μmのポリチオフェンを用い、バインダ樹脂としては、ウレタン系樹脂を用い、塗膜の厚みを1μmとした以外は、実施例1におけるのと同様な手順で行ない、アニーリングを行って導電性シートを得た。アニーリング前の塗装フィルムの状態では、導電性、全光線透過率、およびヘイズは、それぞれ、3.8×10Ω/□、75%、および2%であったのが、アニーリング後の導電性シートにおいては、導電性、全光線透過率、およびヘイズは、それぞれ、8.6×10Ω/□、75%、および1.8%であった。
【0031】
(実施例4)
塗装フィルムを得るまでは、実施例1におけるのと同様に行った後、塗装フィルムを、温度;55℃のオーブン中で5日間加熱することによりアニーリングを施し、導電性シートを得た。アニーリング前の塗装フィルムの状態では、導電性、全光線透過率、およびヘイズは、それぞれ、1.4×10Ω/□、89%、および1%であったのが、アニーリング後の導電性シートにおいては、導電性、全光線透過率、およびヘイズは、それぞれ、6.9×10Ω/□、89%、および1%であった。
【0032】
(実施例5)
塗装フィルムを得るまでは、実施例1におけるのと同様に行った後、塗装フィルムを、温度;140℃のオーブン中で2時間加熱することによりアニーリングを施し、導電性シートを得た。アニーリング前の塗装フィルムの状態では、導電性、全光線透過率、およびヘイズは、それぞれ、1.7×10Ω/□、89%、および1%であったのが、アニーリング後の導電性シートにおいては、導電性、全光線透過率、およびヘイズは、それぞれ、1.5×10Ω/□、89%、および0.8%であった。
【0033】
(実施例6)
塗料組成物として、各成分の配合比を、導電性フィラー/バインダ樹脂/溶剤=3/1/90(質量比)としたものを用い、その他は、実施例1におけるのと同様に行って塗装フィルムを得た後、塗装フィルムを、温度;100℃のオーブン中で72時間加熱することによりアニーリングを施し、導電性シートを得た。アニーリング前の塗装フィルムの状態では、導電性、全光線透過率、およびヘイズは、それぞれ、2.2×10Ω/□、90%、および1%であったのが、アニーリング後の導電性シートにおいては、導電性、全光線透過率、およびヘイズは、それぞれ、2.4×10Ω/□、90%、および0.8%であった。
【0034】
(実施例7)
塗料組成物として、各成分の配合比を、導電性フィラー/バインダ樹脂/溶剤=0.7/1/90(質量比)としたものを用い、その他は、実施例1におけるのと同様に行って塗装フィルムを得た後、塗装フィルムを、温度;90℃のオーブン中で72時間加熱することによりアニーリングを施し、導電性シートを得た。アニーリング前の塗装フィルムの状態では、導電性、全光線透過率、およびヘイズは、それぞれ、3.8×10Ω/□、90%、および1%であったのが、アニーリング後の導電性シートにおいては、導電性、全光線透過率、およびヘイズは、それぞれ、8.2×10Ω/□、90%、および1%であった。
【0035】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、導電性フィラーがバインダー樹脂中に分散した導電性層を塗料組成物を用いたコーティング後に、加熱してアニーリングすることにより、アニーリングしないものにくらべ、導電性が向上した導電性シートを得ることが可能な、導電性シートの製造方法を提供することができる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、アニーリング効果を効率的に得ることが可能な、導電性シートの製造方法を提供することができる。請求項3の発明によれば、請求項1または請求項2の発明の効果に加え、表面抵抗率を1/2〜1/100に低下させた導電性シートの製造方法を提供することができる。
請求項4の発明によれば、請求項1〜請求項3のいずれかの製造方法により得られ、導電性の高い導電性シートを提供することができる。
請求項5の発明によれば、請求項4の発明の効果に加え、特に、表面抵抗率が10〜10Ω/□である、導電性の高い導電性シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性シートの基本的な構造を示す断面図である。
【図2】本発明の応用例の導電性シートの基本的な構造を示す断面図である。
【図3】本発明の他の応用例の導電性シートの基本的な構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1  導電性シート
2  基材シート
3  導電性層
4  機能性層

Claims (5)

  1. 基材シート上に、導電性フィラーがバインダー樹脂中に分散した導電性塗料組成物を用いて導電性層を積層した後、前記導電性層に、55℃〜200℃の温度、30分〜5日間の時間の条件でアニーリング処理を施すことにより、アニーリング前にくらべ、アニーリング後の表面抵抗率が低下した導電性層を得ることを特徴とする導電性シートの製造方法。
  2. 前記の時間の条件が12時間〜3日間であることを特徴とする請求項1記載の導電性シートの製造方法。
  3. 前記アニーリング前にくらべ、前記アニーリング後の表面抵抗率が1/2〜1/100に低下したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の導電性シートの製造方法。
  4. 請求項1〜請求項3いずれか記載の製造方法により製造されたことを特徴とする導電性シート。
  5. 前記表面抵抗率が、10〜10Ω/□であることを特徴とする請求項4記載の導電性シート。
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