JP2009271436A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 トナー像が転写される転写材の少なくとも幅方向の画像領域全幅に亘って、その表面凹凸のプロファイル情報を読み取る単数又は複数の凹凸プロファイル読み取り手段(レーザ変位計S1)を備え、この凹凸プロファイル読み取り手段で読み取った表面凹凸のプロファイル情報の局部凹凸に応じて、転写材に転写するトナー像のトナー付着量を制御する。
【選択図】 図1
Description
(画像形成装置の構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の概略構成を示す構成説明図である。図中の符号1は、本発明の画像形成装置の一実施の形態として例示する4色(イエロー,マゼンダ,シアン,ブラック)のトナーを備えた4連タンデム型直接転写方式のカラープリンタである。このカラープリンタ1は、それぞれのトナーに対応した単色トナー像を形成する画像形成ユニットとしての4つのプロセスカートリッジ1a,1b,1c,1dを、後述の搬送ベルト30の搬送方向に沿ってイエロー,マゼンダ,シアン,ブラックの順に装置本体10に対して脱着可能に具備している。そして、これらの各プロセスカートリッジ1a,1b,1c,1dには、それぞれ潜像担持体(像担持体)としての4つの感光体ドラムY,M,C,Kを中心に、この感光体ドラムY,M,C,Kの外周表面を一様に帯電させる帯電手段11a,11b,11c,11dと、感光体ドラムY,M,C,Kの外周表面に担持される静電潜像に各トナーを供給して現像する現像手段12a,12b,12c,12dと、転写後も感光体ドラムY,M,C,Kの外周表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段13a,13b,13c,13dと、が設けられている。
次に、このカラープリンタ1の画像形成動作について説明する。
先ず、各プロセスカートリッジ1a,1b,1c,1dでは、感光体ドラムY,M,C,Kが図の矢印方向に回転駆動され、帯電手段11a,11b,11c,11dでその外周表面が一様に帯電される。感光体ドラムY,M,C,Kが少し回転すると、光学ユニット2から画像情報に基づいてレーザ光が照射され、照射された部分の表面電位を変化させることにより露光して、静電潜像が書き込まれる。次に、更に回転した感光体ドラムでは、現像手段12a,12b,12c,12dにより現像バイアスが印加され、トナーを担持する現像ローラから静電潜像に所定の極性に帯電させたトナーが転移することにより現像されて、トナー毎に単一色のトナー像が形成される。一方、転写材は、給紙装置4から1枚ずつ給紙され、レジストローラ対5でタイミングを調整されたうえ、搬送ベルト30上に担持されたまま図の矢印方向に搬送ベルト30と共に回転し、各プロセスカートリッジ1a,1b,1c,1dの転写ニップに運ばれる。そこで、転写ローラ33a,33b,33c,33dにより転写バイアスが印加され、各プロセスカートリッジ1a,1b,1c,1dで形成された各トナー像が転写材上に重畳されて転写されて行く。このように重畳トナー像が転写された転写材は、定着装置6に運ばれて熱と圧力を加えられ、トナー像が転写材に溶着して定着される。画像が定着された転写材は、排紙トレイ7に排紙され、その斜面により排紙の勢いが弱められて積層・整頓される。搬送ベルト30に付着する紙粉やトナー汚れなどは、クリーニングローラ8によりクリーニングされ、感光体ドラムY,M,C,Kに付着する転写残トナーは、クリーニング手段13a,13b,13c,13dでクリーニングされて、次の画像形成動作に備えられる。
次に、本発明の特徴部分である凹凸プロファイル読み取り手段について説明する。図2は、凹凸プロファイル読み取り手段の一例として挙げるレーザ変位計の設置位置を示す説明図、図3は、図2のレーザ変位計の構成を示す説明図、図4は、図2のレーザ変位計の主走査方向を示す説明図である。前述のカラープリンタ1には、凹凸プロファイル読み取り手段として2次元三角測距式の拡散反射タイプの光学センサであるレーザ変位計S1(LJ-G080 キーエンス製)が1つ搭載されている。図2に示すように、このレーザ変位計S1は、駆動ローラ31の外周上を搬送ベルト30に担持された状態で転写材が通過するときに転写材の表面を走査(スキャン)できるように、そのレーザ光線が駆動ローラ31の外周面上の搬送ベルト30に向けて照射可能に設けられている。このようにローラ上で走査するように構成することにより、搬送ベルト30の振動による測定誤差を減少させることができるからである。勿論、駆動ローラではなく、プロセスカートリッジの搬送ベルトの表面移動方向上流側に設けられた従動ローラ上であってもよく、また、測定する転写材の幅、使用する変位計の測定範囲に応じて複数設けてもよい。
なお、レーザ変位計S1が転写材の表面凹凸を測定する位置(以下、測定位置という。)は、転写材の測定位置が搬送ベルト30で運ばれて転写ニップに到達するまでの時間が、感光体ドラムYに光学ユニット2からレーザ光線が照射されて静電潜像が書き込まれ、その潜像が現像されてトナー像となり、そのトナー像が転写ニップに到達するまでの時間より十分長く、後述の演算・制御の時間が確保できるように、レーザ変位計S1の測定位置から最上流に配置されたプロセスカートリッジ1aの転写ニップまでの距離を十分取り、搬送ベルト30の搬送速度(感光体ドラムの周速度)を考慮して設定するとよい。
なお、レーザ変位計S1は、転写材の先端位置を検知する先端位置検知手段の機能を兼ねるようにすると更に好ましい。そうすることで、転写材の位置を正確に把握でき凹所がある転写材でもずれることなく転写することができ、また、別個に先端位置検知手段を設ける必要がなく、コストダウンを図ることができるからである。
次に、表面凹凸のプロファイル情報について、A4版のさざなみ紙(リコー社製)を前記レーザ変位計S1で読み取った場合で説明する。図5の(a)は、さざなみ紙をレーザ変位計S1で読み取る状況を示した模式図であり、(b)は、表面凹凸プロファイル情報の一例として示すレーザ変位計S1で読み取った断面曲線(粗さ曲線)のグラフである。(a)の符号T1は、表面凹凸が大きい(表面が粗い)転写材の一例として挙げる和紙タイプのA4版のさざなみ紙(リコー社製)であり、S1がレーザ変位計である。T1の薄墨部分は、さざなみ紙の皺のうち表面から凹んだ凹所(溝)であり、幅0.1mm〜3mm程度、深さは10μm〜100μm程度のものまである。一点鎖線で囲った領域は、画像を転写可能な画像領域を示している。(a)に示すように、レーザ変位計S1により一度に実線部Aの画像領域の端から端までの表面凹凸プロファイルを測定し、断面曲線(粗さ曲線)を得た。(b)は、この実線部Aの表面凹凸プロファイルの断面曲線を楕円で囲んだ領域Bの部分だけ拡大して示している。ただし、本件のプロファイルとはこの主走査方向と、副走査方向全面にわたって取得したデータである。(b)のグラフの縦軸において、深さ0は、測定の基準点とレーザ変位計からの離間距離が同じであることを示し、プロファイルデータがプラス(+)側となっている箇所は、基準点よりさざなみ紙の表面が凸となっている箇所(基準点よりレーザ変位計S1に近い箇所)を示し、プロファイルデータがマイナス(−)側となっている箇所は、基準点より表面が凹となっている箇所(基準点よりレーザ変位計S1から遠い箇所)を示している。また、グラフの横軸は、基準点からの主走査方向の距離、即ち、プロファイルデータを所得した箇所の転写材幅方向における位置を示している。なお、縦軸、横軸とも単位は、[μm]である。
次に、凹所の位置判定プロセスについて説明する。
(1)主走査方向の表面凹凸の測定
先ず、レーザ変位計S1で、転写材の画像領域の幅方向全幅の表面凹凸プロファイル情報を一度(瞬時)に読み取って断面曲線(粗さ曲線)を得、これらを記憶手段に記憶する。
(2)主走査方向の平均値算出
次に、演算手段により表面凹凸プロファイル情報から深さ方向の平均値を算出し、この深さ方向の平均値を転写材の基準面(平均線)とする。
(3)凹所の位置判定
前記基準面から所定値(例えば、40μm)以上深い箇所(レーザ変位計から遠い箇所)を凹所と判定する。
(4)副走査方向に移動
副走査方向に所定間隔移動した箇所において前記(1)〜(3)を行う。即ち、駆動ローラ31を駆動させて転写材を担持した状態で搬送ベルト30を回転させたまま、所定時間経過毎に前記(1)〜(3)を繰り返す。所定間隔の移動は、1ドットの径が40μm〜90μmとすると副走査方向への移動量は1ドットの径よりも小さい方がよく、また、トナー粒径よりも小さい間隔で取得するとデータ量が多量になり演算時間を費やすなど生産性を落とす原因となるので、トナー粒径≦移動量≦1ドット径が好ましい。
この動作を、転写材の搬送方向の画像領域の端まで行うことにより、転写材表面の画像領域全域の凹凸プロファイル情報が得られると共に、凹所の位置判定を行うことができる。
次に、局部凹凸に応じたトナー付着量の制御について説明する。
一般的に、トナー付着量を制御する方法には、現像手段や帯電手段の電圧や電流を変化させて制御する方法や、光学ユニットのレーザ光源のパワーを変化させたり、レーザ光線の照射時間(duty)を変化させたり、レーザ光線の波長を変化させたりして、露光量を変化させて制御する方法がある。本実施の形態のカラープリンタ1では、光学ユニット2のレーザ光源のパワーを変化させてトナー付着量を制御する方法を採用している。転写材表面の局部凹凸に応じたトナー付着量の制御が容易だからである。
つまり、本実施の形態に係る画像形成装置では、前記要領で凹所と判定した箇所には、通常値のパワー(例えば、150μW)から通常値より大きな凹所用のパワー(例えば、250μW)に変更することにより、トナー付着量が増加するように制御する。ここで、「トナー付着量が増加するように」とは、プロセス制御おいて、パッチパターンなどを作成して濃度調整を行うときの目標値的なトナー付着量に対して、凹所とそうでない部分のトナー量が同様もしくは近しい値の場合は、凹所部のレーザパワーをそうでない所より増加させることであり、当然、形成する画像により当該凹所に画像の文字、線等を形成する必要がない場合には当該凹所にトナーを付着させないし、当該凹所に細線などの薄い画像を形成する場合は、他所より少なくなる場合も有り得る。要するに、凹所とそうでない箇所とに同様な画像を形成する場合には、相対的に凹所のトナー付着量を増加させるという意味合いで使用している。
次に、トナー付着量の増加による異常画像抑制のメカニズムについて説明する。
図6は、実施の形態1に係る画像形成装置において、感光体ドラムから転写材にベタ画像のパッチを転写する場合の凹所付近を模式的に表した模式図である。(a)は、転写直前、(b)は、転写直後を表している。背景技術で説明した図10と比較すると、図6の(a)では、凹所において明らかにトナーと転写材とが接近していることが分かる。そのため、転写バイアスによる静電引力が働いてトナーを凹所にも引き付けられることが想定される。よって、本実施の形態に係る画像形成装置のように、凹所にトナー付着量が増加するように露光量を調整することで、(b)に示すように、深い凹所が存在する表面凹凸の激しい転写材を使用しても、ボソツキなどの異常画像を抑制することができるのである。
次に、表面凹凸プロファイル情報をフィードバックして転写バイアスを調整する制御について説明する。
(1)主走査方向の表面凹凸の測定
凹所の位置判定プロセスと同様に、先ず、レーザ変位計S1で、転写材の画像領域の幅方向全幅の表面凹凸のプロファイル情報を一度に読み取って、記憶手段に記憶する。
(2)主走査方向の平均値算出
次に、演算手段により表面凹凸プロファイル情報から深さ方向の平均値を算出し、この平均値を転写材の基準面(平均線)とする。
(3)表面粗さを表すパラメータの算出
演算手段により十点平均粗さ(Rz)や算術平均粗さ(Ra)などの表面粗さを表すパラメータを算出する。ここで、「十点平均粗さ(Rz)」とは、断面曲線からその平均線の方向に基準長さだけを抜き取り、この抜取り部分の平均線から縦倍率の方向に測定した、最も高い山頂から5番目までの山頂の標高(Yp)の絶対値の平均値と、最も低い谷底から5番目までの谷底の標高(Yv)の絶対値の平均値との和を求め、この値をマイクロメートル(μm)で表したものをいい、「算術平均粗さ(Ra)」とは、断面曲線からその平均線の方向に基準長さだけを抜き取り、この抜取り部分の平均線の方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(χ)で表したときに、次の式(数1)によって求められる値をマイクロメートル(μm)で表したものをいう(JIS B 0601(1994)参照)。なお、表面粗さを表すパラメータは、これら十点平均粗さ(Rz)や算術平均粗さ(Ra)に限られず、例えば、表面凹凸のプロファイル情報の基準面からの深さ方向の標準偏差を算出するなど、表面凹凸の程度を表す指標であればよい。
演算手段で算出した前記パラメータの大きさに応じて転写材の種類を区分けする。
(5)転写バイアスの決定
予め、試験などにより転写材の種類により区分けした最適転写バイアスの基準値を記憶手段に記憶させてデータベース化しておき、判定した転写材の種類に応じてデータベースを参照し、最適転写バイアスの基準値を設定する。
次に、トナーが劣化するなどして現像剤の帯電量が所望の範囲に達しない場合のトナー付着量の制御、及び転写バイアスの制御について説明する。
一般的に、トナーの劣化などにより現像剤の帯電量が落ちてくると、ボソツキ易く、即ち、異常画像が発生し易くなる。特に、和紙タイプなどの表面が粗い転写紙を使用した場合、ボソツキ画像が顕著になる。そこで、本実施の形態では、表面粗さを表すパラメータが予め実験等から定められた基準値(例えば、パラメータが十点平均粗さ(Rz)の場合10μm)を超えるような表面凹凸が大きい転写材であると判定(前記転写材の種類の判定)した場合には、プロセス制御の濃度調整においてトナー付着量が通常設定値より少なくなるように制御し、且つ、転写バイアスをデータベースに記憶させた前記基準値より小さくなるように制御する。ここで、「転写バイアスを前記基準値より小さくなるように」とは、転写バイアスは、プラス、マイナスいずれでもよいので、転写電流又は転写電圧の絶対値が前記基準値の絶対値より小さくなるように制御することを指す。
また、トナーが劣化しているか否かの判定は、例えば、現像ローラや感光体ドラムの回転数や、走行距離、トナー消費量、転写材の通紙枚数やトナーカートリッジを交換した日からの日数などが基準値より大きい場合劣化していると判定するとよい。なお、この基準値は、実験等で現像剤の帯電量が所望の範囲に達しなくなる閾値、例えば、トナーの外添被覆率、円形度、粒径などの閾値を求めて設定する。
次に、トナーカートリッジを交換した直後などトナーが新しく、現像剤の帯電量が所望の範囲を超えるような場合のトナー付着量の制御、及び転写バイアスの制御について説明する。
トナー劣化時とは反対に、トナーが新しい場合には、現像剤の帯電量は、通常より高くなり、そのため、低濃度領域でボソツキ易くなる。この場合も、和紙タイプなどの表面が粗い転写紙を使用した場合、ボソツキ画像が顕著になる。そこで、本実施の形態では、表面粗さを表すパラメータが予め実験等から定められた基準値(例えば、パラメータが、十点平均粗さ(Rz)の場合10μm)を超えるような表面凹凸が大きい転写材であると判定(前記転写材の種類の判定)した場合には、プロセス制御の濃度調整においてトナー付着量が通常設定値より多くなるように制御し、且つ、転写バイアスを前記基準値より高くなるように制御する。
また、トナーが新しいか否かの判定は、例えば、現像ローラや感光体ドラムの回転数や、走行距離、トナー消費量、トナーカートリッジを交換した日からの日数などが基準値より小さい場合に新しいと判定するとよい。なお、この基準値は、実験等で現像剤の帯電量が所望の範囲より高くなっている状態から所望の範囲になる閾値、例えば、トナーの外添被覆率、円形度、粒径などの閾値を求めて設定する。
また、露光量の調整をレーザパワーの変更だけで行えるので、トナー付着量の制御が容易である。更に、凹凸プロファイル読み取り手段で転写材の紙種を判断し、転写バイアスを制御するので、ユーザにパネル等で選択させて調整する場合と比べて、確実で、間違いなくよりきめ細かな制御が可能である。そのため、転写画像の画像品質が向上する。そして、トナー劣化時や、新品時にも対応して転写バイアスやトナー付着量の制御を行うので、更に、転写画像の画像品質が向上させることができる。
次に、実施の形態1の変形例である実施の形態2に係る画像形成装置ついて説明する。
実施の形態1との相違点は、凹凸プロファイル読み取り手段であるレーザ変位計S1が正反射タイプの光学センサS2(図示せず)となっている点だけであるので、その他の説明は省略する。
光学センサS2は、レーザ光源として発光素子である発光ダイオードLEDと、受光素子としてフォトダイオード(もしくは電荷転送素子CCD(Charge Coupled Device)でも可であるがフォトダイオードの方が好ましい)とを有し、発光ダイオードLEDでレーザ光線を発光し、転写材の表面で正反射した光をフォトダイオード(や電荷転送素子CCD)で受光し、その受光量を測定・記憶する構成となっている。また、この光学センサS2の設置位置は、実施の形態1と同様に駆動ローラ31の外周上を搬送ベルト30に担持された状態で転写材が通過するときに転写材の表面を走査(スキャン)できるように、そのレーザ光線が駆動ローラ31の外周面上の搬送ベルト30に向けて照射可能に設けられている。この光学センサS2では、実施の形態1のレーザ変位計S1と相違して断面曲線は取得できないが、実施の形態1で述べた凹所の位置判定プロセスに代わり、演算手段によりフォトダイオードや電荷転送素子CCDで受光した受光量の平均(以下、平均受光量という。)を算出し、測定箇所での受光量が平均受光量より所定量(例えば、10%減)低い場合、その箇所を凹所と判定し、実施の形態1で述べた局部凹凸に応じたトナー付着量の制御と同様に光学ユニットのレーザパワーを150μWから250μWに変更することで凹所と判断した箇所のトナー付着量が増加するように制御している。そのため、転写材の局部的な表面凹凸に起因するボソツキなどの異常画像を抑制できて、転写画像全体の色味再現性も良好で、トナー消費量を極力抑えることができるだけでなく、転写材の材質に関係なく高精度に凹所を判定することができる。特にフォトダイオードの場合は小さく、安価である。
次に、実施の形態1の変形例である実施の形態3に係る画像形成装置ついて説明する。
実施の形態1との相違点は、レーザ変位計S1を搭載せずに、その代わりに、原稿読取り装置として備えているスキャナを、凹凸プロファイル読み取り手段として利用する点だけであるので、その他の説明は省略する。
図7は、本発明の実施の形態3に係る画像形成装置の概略を示す説明図である。符号1’は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置として例示する原稿読み取り装置としてスキャナが接続された所謂複合機MFP(Multifunction Peripheral:多機能周辺機器)である。この複合機1’は、実施の形態1に係るカラープリンタ1の上方に原稿読み取り装置としてスキャナS3が設置されている。
図8に示すように、スキャナS3は、カバーCとコンタクトガラスGからなる原稿読み取り部S30と、光源として蛍光管S31と、受光素子として電荷転送素子S32とを備え、この原稿読み取り部S30に転写材の表面を下向きにして設置し、蛍光管S31から発光して、転写材の表面で反射させ、その正反射光を鏡面等で反射させつつ最終的に電荷転送素子S32に受光させて、その受光量を測定・記憶するように構成されている。図9は、この受光量を縦軸に測定位置を横軸にとった画像補正等(通常原稿読み取り装置として使用する場合に行う。)を行っていない表面凹凸のプロファイル情報である。図9に示すように、実施の形態2と同様に、演算手段により電荷転送素子S32で受光した平均受光量を算出(図の破線)し、測定箇所での受光量が平均受光量より所定量(例えば、10%減)低い場合、その箇所を凹所と判定し、実施の形態1で述べた局部凹凸に応じたトナー付着量の制御と同様に光学ユニットのレーザパワーを150μWから250μWに変更することで凹所と判断した箇所のトナー付着量が増加するように制御している。原稿読み取り部S30で表面凹凸のプロファイル情報を読み込んだ転写材は、転写材カセットもしくは手差しカセット等に、表面凹凸のプロファイル情報を読み取った表面に転写が行われるように転写材をセットすれば、スキャナS3を凹凸プロファイル読み取り手段として用いることができ別個に凹凸プロファイル読み取り手段を設けることなく、転写材の局部的な表面凹凸に起因するボソツキなどの異常画像を抑制できて、転写画像全体の色味再現性も良好で、トナー消費量を極力抑えることができる。そのため、コストダウンを図ることができる。
なお、光源として、蛍光管を用いる場合で説明したが、これは、発光ダイオードLEDでも構わない。そうすることにより、消費電力を少なくすることができる。
また、凹凸プロファイル読み取り手段として、光学センサを例に挙げて説明したが、転写材の少なくとも画像領域の幅方向全幅に亘って表面凹凸の形状等が何らかの方法で計測でき、演算手段でその計測データから凹所の判定ができるものであれば、渦電流式、超音波式、レーザフォーカス式、接触式のセンサであっても構わない。
なお、図面に記載した発明特定事項の形状等も、好ましい一例を示したものに過ぎない。
1’ 複合機
1a,1b,1c,1d プロセスカートリッジ(画像形成ユニット)
Y,M,C,K 感光体ドラム(潜像担持体)
11a、11b,11c,11d 帯電手段
12a、12b,12c,12d 現像手段
13a、13b,13c,13d クリーニング手段
2 光学ユニット(露光手段)
S1 レーザ変位計(凹凸プロファイル読み取り手段、反射式光学センサ)
S2 光学センサ(凹凸プロファイル読み取り手段、反射式光学センサ)
S3 スキャナ(凹凸プロファイル読み取り手段、原稿読み取り手段)
LD 半導体レーザ
LED 発光ダイオード
Claims (10)
- トナー像が転写される転写材の少なくとも幅方向の画像領域全幅に亘って、その表面凹凸のプロファイル情報を読み取る単数又は複数の凹凸プロファイル読み取り手段を備え、該凹凸プロファイル読み取り手段で読み取った前記表面凹凸のプロファイル情報の局部凹凸に応じて、前記転写材に転写するトナー像のトナー付着量を制御することを特徴とする画像形成装置。
- 静電潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体の表面を露光して静電潜像を形成する露光手段とを備え、該露光手段による露光量を変更することで前記表面凹凸のプロファイル情報の局部凹凸に応じてトナー付着量を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記表面凹凸のプロファイル情報を記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された表面凹凸のプロファイル情報から所定の演算を行う演算手段とを備え、該演算手段の演算結果に基づいて転写材の種類を区分けし、区分けされた転写材の種類に応じて前記記憶手段に転写材の種類毎に予め記憶されたデータを参照して、転写電流又は転写電圧の基準値を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記演算手段で前記表面凹凸のプロファイル情報から表面粗さを表すパラメータを算出し、該パラメータが所定値以上であり、且つ、トナーが劣化している場合には、
プロセス制御の濃度調整においてトナー付着量が通常設定値より少なくなるように制御し、且つ、転写電流又は転写電圧の絶対値が前記基準値の絶対値より小さくなるように制御することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記演算手段で前記表面凹凸のプロファイル情報から表面粗さを表すパラメータを算出し、該パラメータが所定値以上であり、且つ、トナーが新しい場合には、
プロセス制御の濃度調整においてトナー付着量が通常設定値より多くなるように制御し、且つ、転写電流又は転写電圧の絶対値が前記基準値の絶対値より高くなるように制御することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記凹凸プロファイル読み取り手段は、反射式光学センサを備えていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記反射式光学センサは、転写材の先端位置を検知する先端位置検知手段の機能を兼ねていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記反射式光学センサのレーザ光源は、半導体レーザであることを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
- 前記反射式光学センサのレーザ光源は、発光ダイオードであることを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
- 原稿を読み取る原稿読取り装置を備え、該原稿読取り装置は、前記凹凸プロファイル読み取り手段を兼ねていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
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