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Description
電子デバイスの電気的試験に用いる接触子、接触子組立体及びその製造方法に関する。
半導体ウエーハに形成された未切断の集積回路や、半導体ウエーハから切断された集積回路のような半導体デバイスは、該半導体デバイスが仕様書通りに製造されているか否かの電気的な試験をされる。
この種の電気的試験は、半導体デバイスのパッド電極に個々に押圧される複数のプローブすなわち接触子を配線基板やプローブ基板等の基板に配置したプローブカードを用いて行われる。そのようなプローブカードは、パッド電極と、試験装置すなわちテスターの電気回路とを電気的に接続するようにテスターに取り付けられる。
電気的試験は、プローブカードをテスターに取り付け、接触子とパッド電極とを接触させて電気的に接続した状態で、行われる。
近年、より高い集積度を有しかつより小さい集積回路の需要が高まり、それにより集積回路は、隣り合うパッド電極を非常に接近されて、パッド電極の配置ピッチを狭くされている。そのような集積回路の電気的試験に用いるプローブカードにおいては、試験の効率を向上させる点から、半導体ウエーハ上の未切断の複数の集積回路の同時試験が可能であることが要求されている。
そのため、接触子の配置ピッチがパッド電極の配置ピッチに合致するように、接触子を狭ピッチで基板に配置しなければならないから、隣り合う接触子同士が非常に近接した状態に接触子を基板に接合しなければならない。
上記のような条件下において、プローブカードに組み立てる際や修復の際に接触子を基板に接合する技術の1つとして、レーザー光を熱源として用いる技術が提案されている(特許文献1)。
しかし、上記のように接触子を狭ピッチで基板に接合しなければならないと、接触子を基板に接合する際に、既にその基板に接合されている他の接触子がレーザー光の熱により針先に位置ずれを生じることがある。針先に位置ずれを生じた接触子を備えるプローブカードは、針先の位置がパッド電極の位置に対応しないから、試験に用いることができない。
本発明の目的は、接触子を狭ピッチで基板に接合する際に、レーザーの熱により生じる隣の接触子の位置ずれを防止することにある。
本発明者らは、他の接触子がレーザー光の熱を受けて昇温し、他の接触子を基板に接合している半田のような固化した接合材が軟化又は溶融し、その結果他の接触子の針先に位置ずれが生じることを見出し、本発明を完成した。
本発明に係る、電子デバイスの電気的試験用接触子は、基板に接合される第1の領域と、該第1の領域から伸びる、弾性変形可能の第2の領域と、該第2の領域から下方へ突出する第3の領域であって電子デバイスの電極に接触される針先を有する第3の領域と、光の反射率が前記第1の領域のそれより低い低光反射膜であって前記第1の領域の前記基板への接合箇所の少なくとも一部の表面に形成された低光反射膜とを含む。
前記低光反射膜は、可視光の反射率が前記第1の領域を形成している材料による可視光の反射率よりも低い材料で形成されていてもよい。
前記低光反射膜は、前記基板への当該接触子の接合に用いるレーザー光の被照射箇所の少なくとも一部に形成されていてもよい。
少なくとも前記第1の領域は前後方向を厚さ方向とする板の形状を有しており、前記第2の領域は、前記第1の領域と平行の面内を前記第1の領域の下端部から左右方向における少なくとも一方へ伸びていてもよい。
前記低光反射膜は黒色を呈することができる
前記第2の領域は、前記第1の領域から左右方向における少なくとも一方へ伸びる弾性変形可能のアーム領域を備え、前記第3の領域は、前記アーム領域から下方へ伸びる台座領域と、該台座領域から下方へ突出する接触部であって下端を前記針先とする接触部とを含むことができる。
本発明に係る接触子組立体は、上記のような複数の接触子と、該接触子が前記第1の領域において接合された基板とを含む。
上記のような接触子を用いる通電試験用接触子組立体の製造方法では、前記第1の領域、前記第2の領域及び前記第3の領域を含む本体をベース部材に形成する工程と、光反射率が前記第1の領域のそれより低い低光反射膜を前記第1の領域の少なくとも前記基板への接合箇所の少なくとも一部に堆積により形成して接触子を製造する工程と、製造された接触子を基板に接合する工程であって、溶融性の結合材を前記接触子及び前記基板の少なくとも一方に付着させた状態で、光線を前記低光反射膜に照射する工程とを含む。
上記のような接触子を用いる通電試験用接触子組立体の製造方法では、前記第1の領域、前記第2の領域及び前記第3の領域を含む本体をベース部材に形成する工程と、光反射率が前記第1の領域のそれより低い低光反射膜を前記第1の領域の少なくとも前記基板への接合箇所の少なくとも一部に堆積により形成して接触子を製造する工程と、製造された接触子を基板に接合する工程であって、溶融性の結合材を前記接触子及び前記基板の少なくとも一方に付着させた状態で、光線を前記低光反射膜に照射する工程とを含む。
前記堆積は、電気メッキ、スパッタリング及び蒸着のいずれか1つにより行ってもよい。
接触子を基板に接合するためのレーザー光のような光線が低光反射膜に照射されると、低光反射膜は光線の熱エネルギーを他の箇所より多く吸収して昇温する。このため、熱エネルギーの小さい光線を用いて接触子を基板に接合することができる。その結果、既に基板に接合されている隣の接触子及びその接触子を基板に接合している接合材に影響を及ぼす熱エネルギーが小さく、隣の接触子の位置ずれが防止される。
低光反射膜が、基板への当該接触子の接合に用いる加熱用光線の被照射箇所近傍に形成されているか又は第2の領域が第1の領域から伸びる側と反対の側に向く第1の領域の面に形成されていれば、次に基板に接合される接触子に用いる加熱用光線の影響が著しく低減する。
また、低光反射膜は黒色を呈していると、低光反射膜は加熱用光線の熱エネルギーを効率よく吸収して、第1の領域を効果的に昇温させる。
[用語の定義]
本発明においては、基板への接触子の接合側及び針先の側をそれぞれ上方及び下方とする方向(図2における上下方向)を上下方向といい、接触子のアーム部の先端部側及び基端部側をそれぞれ左方及び右方とする方向(図2における左右方向)を左右方向といい、上下方向及び左右方向に直交する方向(図2における紙背方向、すなわち接触子の厚さ方向)を前後方向という。
しかし、それらの方向は、多数の接触子が配置された基板をテスターに取り付けた状態におけるその基板の姿勢に応じて異なる。したがって、例えば、本発明でいう上下方向は、多数の接触子が配置された基板をテスターに取り付けた状態において、上下逆となる状態であってもよいし、斜めの方向となる状態であってもよい。
[電気的接続装置及び接触子の実施例]
図1を参照するに、電気的接続装置10は、半導体ウエーハに形成された集積回路のような半導体デバイス12を平板状の被検査体とし、その半導体デバイス12が仕様書通りに製造されているか否かの電気的試験において、半導体デバイス12のパッド電極のような電極14とテスター(図示せず)とを電気的に接続するために用いられる。
半導体デバイス12は、図示の例では、半導体ウエーハに形成された未切断のものであるが、切断された半導体デバイスであってもよい。電気的接続装置10を用いる電気的試験においては、複数の半導体デバイス12が同時に電気的試験をされる。
電気的接続装置10は、電気的試験用の複数の接触子16を備えるプローブカード18と、半導体デバイス12を上面に受けるチャックトップ20とを含む。チャックトップ20は、チャックトップ20を少なくとも前後方向、左右方向及び上下方向の三方向に三次元的に移動させる検査ステージ(図示せず)に支持されている。
図2から図4に示すように、各接触子16は、上下方向へ伸びる板状の取り付け領域24と、取り付け領域24の下端部から左右方向における少なくとも一方の側へ伸びる、弾性変形可能の板状のアーム領域26と、アーム領域26の先端部から下方へ突出する板状の台座領域28と、台座領域28の下端から下方へ突出する板状又は柱状の接触部30とを含む。
取り付け領域24は、後に説明するようにプローブ基板54に備えられた取り付けランド58に上端部において接合される板状の取り付け部24aと、取り付け部24aの下端部から下方へ伸びる板状の延長部24bとを一体的に有する。
アーム領域26は、上下方向に間隔をおいて左右方向へ伸びる板状の第1及び第2のアーム部32及び34と、第1及び第2のアーム部32及び34をそれらの先端部及び基端部においてそれぞれ連結する板状の第1及び第2の連結部36及び38とを備える。
アーム領域26は、また、アーム領域26が取り付け領域24(実際には、延長部24b)の下端部に一体的に続くと共に、第1及び第2のアーム部32,34が延長部24bの下端部から左右方向における一方側(図2において、左方側)へ伸びるように、基端側(図2において、右端側)に位置する第2の連結部38において取り付け領域24に支持されている。
台座領域28は、該台座領域28が第2のアーム部34の先端側(図2において、左端側)を左右方向及び下方へ伸びており、また第2のアーム部34の先端側の下縁部と第1の連結部36の下縁部とに一体的に続いている。
接触子本体を共同して形成する、取り付け領域24、アーム領域26及び台座領域28は、前後方向におけるほぼ同じ均一の厚さ寸法を有する一体的な板の形状とされている。したがって、接触子16は、全体的に平坦な板状とされている。
接触部30は、下端を半導体デバイス12の電極に押圧される針先とされており、また、前後方向を厚さ方向とする板の形状を有する。接触部30の下端面すなわち針先は、半導体デバイス12の電極に押圧されるように、水平の平坦面又は水平面に対し傾斜した平坦面とされている。前後方向における接触部30の厚さ寸法は、同方向における他の部位、特に接触子本体の厚さ寸法より小さい。
図示の実施例において、取り付け領域24は第1の領域を形成しており、アーム領域26は第2の領域を形成しており、台座領域28は、接触部30と共に第3の領域を形成していると共に、取り付け領域24及びアーム領域26と共同して、接触子本体を形成している。台座領域28を省略して、接触部30をアーム領域28から下方へ突出させてもよい。
接触子本体を共同して形成する、取り付け領域24、アーム領域26及び台座領域28の素材として、ニッケル(Ni)、ニッケル・リン合金(Ni−P)、ニッケル・タングステン合金(Ni−W)、ロジウム(Rh)、燐青銅、パラジウム・コバルト合金(Pd−Co)、及びパラジウム・ニッケル・コバルト合金(Pd−Ni−Co)等、高い靱性を有する導電性金属材料をあげることができる。
接触部30の素材として、タングステン(W)、ロジウム(Rh)、コバルト(Co)等のように、接触子本体よりも高い硬度を有する材料を挙げることができる。しかし、接触部30の素材は、接触子本体を形成している材料と同じ材料であってもよいし、接触子本体を形成している材料と同程度の硬度を有する材料であってもよい。
各接触子16は、また、光の反射率が、接触子本体、特に取り付け領域24を形成している材料による光反射率よりも低い光反射率を有する低光反射膜40を含む。低光反射膜40は、低光反射膜40による可視光の反射率が取り付け領域24を形成している材料による可視光の反射率よりも低い材料を用いて形成されている。
図示の例では、低光反射膜40は、取り付け領域24の、アーム領域26が取り付け領域24から伸びる側と反対の側に向く面の上半部と、厚さ方向における一方の面(図2において、裏側の面)の上端部とに形成されている。しかし、低光反射膜40は、取り付け領域24の基板への接合箇所の少なくとも一部の表面に形成すればよい。
低光反射膜40は黒色とすることができる。しかし、低光反射膜40は、青色、紺色、茶色等、黒色に近い色であってもよい。低光反射膜40は、熱吸収率が接触子本体、特に取り付け領域24を形成している材料の熱吸収率よりも高い熱吸収率を有する材料で形成されていればよい。
そのような低光反射膜40の素材として、ニッケル−亜鉛(Ni−Zn)合金、ニッケル−錫(Ni−Sn)合金、黒ロジウム、黒ルテニウム等の導電性金属材料をあげることができる。そのような材料は、いずれも、接触子本体よりも黒い色を呈し、また熱吸収率が接触子本体よりも大きい。
上記のような接触子16は、フォトレジストの露光及び現像と、現像により形成され凹所への導電性材料の堆積とを複数回以上行うことにより製造することができる。
再度図1を参照するに、プローブカード18は、上記のような複数の接触子16の外に、ガラス入りエポキシのような電気絶縁材料で製作された配線基板50と、配線基板50の下面に取り付けられたセラミック基板52と、セラミック基板52の下面に取り付けられたプローブ基板54と、配線基板50の上面に取り付けられた補強板56とを含む。
配線基板50とセラミック基板52とは、互いに電気的に接続された複数の内部配線を有しており、また複数のねじ部材により相互に結合されている。配線基板50は、図示しないテスターに電気的に接続されるテスターランドのような複数の接続端子を上面の外周縁部に有している。各接続端子は配線基板50の内部配線に電気的に接続されている。
プローブ基板54は、セラミック基板52の内部配線に電気的に接続された複数の内部配線を多層に有する多層基板とされており、またプローブ基板54の内部配線に電気的に接続された複数の平坦な取り付け部、すなわち取り付けランド58(図3及び図4参照)を下面に有する。
各接触子16は、取り付けランド58に取り付けられている。プローブ基板54は、セラミック基板52に一体的に接合されて、接触子16と共にプローブ組立体を形成している。
補強板56は、ステンレスのような金属材料で製作されており、またセラミック基板52と共同して配線基板50の撓みを防止している。
チャックトップ20は、半導体デバイス12を真空的に吸着して移動不能に維持する。チャックトップ20を移動させる図示しない検査ステージは、チャックトップ20を、前後方向、左右方向及び上下方向の3方向に移動させる三次元移動機構の機能を備えていると共に、チャックトップ20を上下方向へ伸びる軸線の周りに角度的に回転させるθ移動機構の機能を備えている。
[接触子の接合方法の実施例]
図3及び図4を参照してプローブ基板54への各接触子16の取り付け方法について以下に説明する。
先ず、各接触子16は、半田や導電性接着剤のように導電性及び熱溶融性を有する接合材42が取り付け領域24の上端部に付着される。
次いで、少なくともプローブ基板54がその上下を逆にされた状態において、各接触子16が取り付け領域24の上端をプローブ基板54の取り付けランド58に直立状態に維持される。
次いで、上記状態で加熱源としてのレーザー光44が取り付け領域24から伸びるアーム領域26の側と反対の側から、低光反射膜40、取り付け領域24及び接合材42に照射される。レーザー光44は、図4に示すように、隣の接触子16に照射されないようなスポット径を有する光線とされている。
上記レーザー光44の照射により、低光反射膜40、取り付け領域24の上端部及び接合材42はレーザー光44の熱エネルギーを吸収し、接合材42は溶融する。
次いで、レーザー光44の照射が中止される。これにより、低光反射膜40、取り付け領域24の上端部及び接合材42の温度が低下して、接合材42が固化する。これにより、各接触子16は、取り付け領域24の上端部において取り付けランド58に片持ち梁状に接合される。
レーザー光44による接合は、接触子16がパッド電極14に一対一の形に対応されて、その接触子16の針先の座標位置が対応するパッド電極14の座標位置と一致するように、接触子16毎に行われる。
上記のような接合過程において、低光反射膜40は、レーザー光44の熱エネルギーを接触子16の他の箇所よりも効率よく吸収して、取り付け領域24の上端部を効率的に昇温させる。このため、熱エネルギーの小さいレーザー光44を用いて接触子16をプローブ基板54の取り付けランド58に接合することができる。
上記のように少熱エネルギーのレーザー光を用いることにより、プローブ基板54に既に接合されている隣の接触子16と、隣の接触子16をプローブ基板54に接合している接合材42とに影響を及ぼす熱エネルギーが著しく低減し、隣の接触子16をプローブ基板54に接合している接合材42が軟化又は溶融されず、隣の接触子16の位置ずれが防止される。
これに対し、図9及び図10に示すように、低光反射膜を備えていない従来の接触子46は、接触子16と同じ条件で接触子46をプローブ基板54の取り付けランド58に接合しようとすると、レーザー光44の熱エネルギーが不足し、接合材42が溶融しない。
このため、従来の接触子46では、高熱エネルギーのレーザー光44を用いなければならない。しかし、そのような高熱エネルギーのレーザー光44を用いると、隣の接触子16をプローブ基板54に接合している接合材42が吸収する熱エネルギーが多くなるから、その結合材42が軟化又は溶融し、隣の接触子46が図10に点線で示す正常の状態から実線で示す傾斜した状態に変位して針先の位置ずれをする。
上記のように針先に位置ずれを生じた接触子46を備えるプローブカード18は、針先の座標位置が対応するパッド電極14の座標位置に一致しないから、対応するパッド電極14に押圧されない。その結果、針先に位置ずれを生じた接触子46を備えるプローブカード18は、位置ずれを生じた接触子46を接合し直さないかぎり、半導体デバイス12の電気的試験に用いることができない。
レーザー光44が上記と逆の方向、すなわちアーム領域26の先端から照射される場合には、低光反射膜40を少なくとも取り付け領域24の、上記と逆の側に向く面、すなわちアーム領域26の先端側に向く面に設けてもよい。
また、低光反射膜40を、取り付け領域24、特に取り付け部24aの全表面に設けてもよいし、上端面以外の取り付け領域24、特に取り付け部24aの全表面に設けてもよい。
しかし、低光反射膜40は、熱エネルギーの吸収効率を向上させる点から、少なくともレーザー光44を照射する側に向く面に設けることが好ましい。
上記のように多数の接触子16を多数プローブ基板54に配置したプローブカード18は、チャックトップ20を含むテスターに取り付けられる。各接触子16は、プローブカード18がテスターに取り付けられた状態において、接触子16の針先をパッド電極14に押圧され、それによりオーバードライブが接触子16に作用する。
これにより、接触子16は、アーム領域26において弾性変形して、パッド電極14の表面の酸化膜を針先で削り取る。電極表面の酸化膜を針先で削り取る作用は、試験すべき半導体デバイス12毎に繰り返される。
上記のような接触子16は、露光技術を用いるフォトリソグラフィー技術と、電気メッキ技術、スパッタリング技術、蒸着技術等を用いる導電性金属材料の堆積技術とを利用して、製作することができる。
[接触子の製造方法の実施例]
以下、図5及び図6を用いて、接触子16の製造方法の実施例について説明する。図5及び図6は、図2における5-5線に沿って得た断面図である。
先ず、図5(A)に示すように、シリコン製又はステンレス製の板状をしたベース部材60が準備され、接触部30がタングステン、ロジウム、コバルト等の高硬度の導電性金属材料を用いてベース部材60の上面に形成された後に、ベース部材60の上面にフォトレジスト62が塗布により層状に形成される。
次いで、図5(B)に示すように、フォトレジスト62が、マスクをかけられた状態で露光され、その後現像処理をされる。これにより、接触子本体を模る凹所64がフォトレジスト62に形成される。
次いで、図5(C)に示すように、接触子本体を模る本体部66が、電気メッキ、スパッタリング、蒸着等の堆積技術により凹所64に形成される。
本体部66は、ニッケル・リン合金、ニッケル・タングステン合金(Ni−W)、ロジウム、燐青銅、ニッケル、パラジウム・コバルト合金、パラジウム・ニッケル・コバルト合金等、接触部30より靭性に優れた導電性金属材料を用いて形成される。
次いで、図5(D)に示すように、フォトレジスト62が除去された後、ベース部材60及び本体部66の上にフォトレジスト68が塗布により層状に形成される。
次いで、図5(E)に示すように、フォトレジスト68が、マスクをかけられた状態で露光され、その後現像処理をされる。これにより、低光反射膜40を模る空間すなわち凹所70がフォトレジスト68に形成される。
次いで、図6(A)に示すように、ニッケル−亜鉛合金、ニッケル−錫合金、黒ロジウム、黒ルテニウム等の導電性金属材料からなる膜72が、電気メッキ、スパッタリング、蒸着等の堆積技術により凹所70に形成される。膜72は、既に述べた低光反射膜40として作用する。
次いで、図6(B)に示すように、フォトレジスト68が除去される。これにより、図2から図4に示すように、低光反射膜40を取り付け領域24の、アーム領域26が取り付け領域24から伸びる側と反対の側に向く面の上半部と、厚さ方向における一方の面の上端部とに有する完成した接触子16が露出される。
次いで、図6(C)に示すように、完成した接触子16がベース部材60から剥ぎ取られる。これにより、低光反射膜40を所定の箇所に有する接触子16が製造される。
低光反射膜40を接触子16の他の箇所に形成する実施例を図7及び図8に示す。
図7は、低光反射膜40を接触子本体の厚さ方向における一方の面の全面に形成する例である。この実施例においては、図5(C)に示す工程の後、膜72(40)が既に述べた堆積技術により凹所70に形成される。
図8は、低光反射膜40を接触子本体の厚さ方向における一方の面の一部に形成する例である。この実施例においては、図5(D)に示す工程の後、膜72(40)を模る凹所74がフォトレジスト68に形成され、膜72(40)が凹所74に既に述べた堆積技術により凹所74に形成される。
アーム領域26は、2つのアーム部32及び34を備える必要はなく、単一のアーム部を備えていてもよい。この場合、連結部36,38を省略し、台座領域28を単一のアーム部の先端側に該先端側と一体的に形成し、延長部24bを単一のアーム部の後端側に一体的に形成してもよい。
本発明は、また、図2に示すようなクランク状の構造・形状を有する接触子のみならず、導電性金属細線から形成された既存の構造・形状を有する接触子、特許文献1に記載されているようにS字状に曲げられた接触子等、第2の領域が弾性変形可能の他の構造・形状を有する接触子にも適用することができる。
いずれの構造・形状を有する接触子であっても、基板に接合される箇所の面積、特に面積を大きくして接合強度を高くするためには、少なくとも取り付け領域24、特に取り付け部24aを板状とすることが望ましい。
本発明は、上記実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない限り、種々変更することができる。
10 電気的接続装置
12 半導体デバイス
14 パッド電極
16 接触子
18 プローブカード
20 チャックトップ
24 第1の領域
24a 取り付け部
24b 延長部
26 第2の領域
28 台座領域
30 接触部
32,34 第1及び第2のアーム部
36,38 第1及び第2の連結部
40 低光反光射膜
42 接合材
44 レーザー光
12 半導体デバイス
14 パッド電極
16 接触子
18 プローブカード
20 チャックトップ
24 第1の領域
24a 取り付け部
24b 延長部
26 第2の領域
28 台座領域
30 接触部
32,34 第1及び第2のアーム部
36,38 第1及び第2の連結部
40 低光反光射膜
42 接合材
44 レーザー光
Claims (9)
- 基板に接合される第1の領域と、該第1の領域から伸びる、弾性変形可能の第2の領域と、該第2の領域から下方へ突出する第3の領域であって電子デバイスの電極に接触される針先を有する第3の領域と、光の反射率が前記第1の領域のそれより低い低光反射膜であって前記第1の領域の前記基板への接合箇所の少なくとも一部の表面に形成された低光反射膜とを含む、電子デバイスの電気的試験用接触子。
- 前記低光反射膜は、可視光の反射率が前記第1の領域を形成している材料による可視光の反射率よりも低い材料で形成されている、請求項1に記載の接触子。
- 前記低光反射膜は、前記基板への当該接触子の接合に用いるレーザー光の被照射箇所の少なくとも一部に形成されている、請求項1及び2のいずれか1項に記載の接触子。
- 少なくとも前記第1の領域は前後方向を厚さ方向とする板の形状を有しており、前記第2の領域は、前記第1の領域と平行の面内を前記第1の領域の下端部から左右方向における少なくとも一方へ伸びている、請求項1から3のいずれか1項に記載の接触子。
- 前記低光反射膜は黒色を呈する、請求項1から5のいずれか1項に記載の接触子。
- 前記第2の領域は、前記第1の領域から左右方向における少なくとも一方へ伸びる弾性変形可能のアーム領域を備え、前記第3の領域は、前記アーム領域から下方へ伸びる台座領域と、該台座領域から下方へ突出する接触部であって下端を前記針先とする接触部とを含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の接触子。
- 請求項1から6のいずれか1項に記載の複数の接触子と、該接触子が前記第1の領域において接合された基板とを含む、接触子組立体。
- 基板に接合される第1の領域と、該第1の領域から左右方向へ伸びる第2の領域と、該第2の領域から下方へ突出する第3の領域であって電子デバイスの電極に接触される針先を有する第3の領域とを含む通電試験用接触子組立体の製造方法であって、
前記第1の領域、前記第2の領域及び前記第3の領域を含む本体をベース部材に形成する工程と、
光反射率が前記第1の領域のそれより低い低光反射膜を前記第1の領域の少なくとも前記基板への接合箇所の少なくとも一部に堆積により形成して接触子を製造する工程と、
製造された接触子を基板に接合する工程であって、溶融性の結合材を前記接触子及び前記基板の少なくとも一方に付着させた状態で、光線を前記低光反射膜に照射する工程とを含む、電子デバイスの通電試験用接触子組立体の製造方法。 - 前記堆積は、電気メッキ、スパッタリング及び蒸着のいずれか1つにより行われる、請求項8に記載の方法。
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