JP2009269843A5 - イソマルトオリゴ糖及びこれを用いた飲食物 - Google Patents

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以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のイソマルオリゴ糖の製造方法には特に限定はないが、例えば以下の方法で製造することができる。
次に、プロテアーゼを固形分1gあたり5〜5000U添加し、8〜96時間反応させる。プロテアーゼにはそれぞれ酸性、中性、アルカリ性に至pHをもつものがあるが、いずれを用いても良い。また、パパインなど植物由来のもの、パンクレアチンなど動物由来のもの、Aspergillus属など微生物由来のものがあるが、いずれを用いてもよい。しかし、糖化反応の後pH調整を行うことは煩雑であるため、糖化反応のpHに至pHをもつプロテアーゼをもつほうがより好ましい。反応温度は、短時間で失活しない程度に低く、雑菌汚染の恐れがない程度に高い温度であれば特に問題はなく、通常は50〜70℃にするが、プロテアーゼの至適温度にするのがより好ましい。
なお、ここではβ−アミラーゼ及びトランスグルコシーゼにより十分反応させた後、プロテアーゼを添加してさらに反応させたが、β−アミラーゼとトランスグルコシーゼとプロテアーゼを同時に添加し、同時に反応を行ってもよい。
本発明のイソマルオリゴ糖を食品に使用することで、抗酸化作用を有する食品を得ることができる。使用量は食品により異なるが、例えば、食酢は原料として10〜100質量%、酒類は1〜10質量%、醤油漬けは10〜30質量%、肉加工品10〜20質量%、つゆ類1〜10質量%などを始め、飲食物に広範囲に使用できる。
[合成例1]
小麦粉(1等粉)1380gを純水2620gに分散させた。これに水酸化カルシウムを加えてpHを6.0に調整した。さらに液化酵素(大和化成製:クライスターゼL1)1.2gを加えた後、50℃で攪拌(60rpm)しながら30分間反応した。次に、30分間かけて90℃まで昇温し、さらに90℃で30分間反応した。これを直ちにオートクレーブに移して、121℃で15分間加熱処理した後、55℃まで冷却して、乳酸にてpHを5.5に調整した。さらに蒸発した水分量を純水で補い、重量4000gの小麦液化液(DE25.8)とした。小麦液化液に、転移酵素(天野エンザイム製:トランスグルコシダーゼL「アマノ」)1.8g、β−アミラーゼ(天野エンザイム製:ビオザイムL)0.24g、プロテアーゼ(ノボザイムス製:フレーバーザイム)1.2gを加え、55℃で24時間糖化反応を行った。反応液を遠心分離(9000G、15分)し、その上清を90℃、2時間加熱した。これをろ紙(東洋濾紙製:No5C)に通液した後、さらにメンブランフィルター(東洋濾紙製:0.8μ)に通液した。これをエバポレーターにて、水分25%まで濃縮し、メラノイジン含有のイソマルトオリゴ糖液Aを得た。
得られたイソマルオリゴ糖液Aの糖組成、水分、アミノ酸量、pH、ハイドロオキシメチルフルフラール含有量、着色度、抗酸化能を測定し表1または表2に記載した。
その後、イソマルトオリゴ糖液Aを品温90℃、1時間加熱し、これについてもハイドロオキシメチルフルフラール含有量、着色度、抗酸化能を測定し、表2に記載した。
[比較合成例1]
コーンスターチ1380gを純水2620gに分散させた。これに水酸化カルシウムを加えてpHを6.0に調整した。さらに液化酵素(大和化成製:クライスターゼL1)1.2gを加えた後、50℃で攪拌(60rpm)しながら30分間反応した。次に、30分間かけて90℃まで昇温し、さらに90℃で30分間反応した。これを直ちにオートクレーブに移して、121℃で15分間加熱処理した後、55℃まで冷却して、乳酸にてpHを5.5に調整した。さらに蒸発した水分量を純水で補い、重量4000gのでん粉液化液(DE24.5)とした。でん粉液化液に、転移酵素(天野エンザイム製:トランスグルコシダーゼL「アマノ」)1.8g、β−アミラーゼ(天野エンザイム製:ビオザイムL)0.24gを加え、55℃で24時間糖化反応を行った。反応液を遠心分離(9000G、15分)し、これに活性炭(二村化学製:醸造用活性炭)50gを加え、60℃で1時間保持した後、ろ紙(東洋濾紙製:No5C)でろ過して脱色した。脱色液を温度40℃にして、脱塩用のイオン交換樹脂塔(三菱化学製:ダイヤイオン)に通液して電気伝導度が1ms/cm以下まで精製した。精製液を活性炭(二村化学製:醸造用活性炭)で仕上脱色した後、メンブランフィルター(東洋濾紙製:0.8μ)に通液した。これをエバポレーターにて、水分25%まで濃縮し、イソマルトオリゴ糖液Bを得た。
得られたイソマルオリゴ糖液Bの糖組成、水分、アミノ酸量、pH、ハイドロオキシメチルフルフラール含有量、着色度、抗酸化能を測定し表1または表2に記載した。
その後、イソマルトオリゴ糖液Bを品温90℃、1時間加熱し、これについてもハイドロオキシメチルフルフラール含有量、着色度、抗酸化能を測定し、表2に記載した。
[比較例1]
(食酢)
実施例1において、イソマルオリゴ糖液Aの代わりに、比較合成例1で得たイソマルトオリゴ糖液Bを使用し、実施例3と同じ工程条件でアルコール発酵と酢酸発酵を行ない、酸度4.5%の食酢を得た。得られた食酢のハイドロオキシメチルフルフラール含有量及び抗酸化能の測定結果を表3に示す。
[比較例2]
(梅酒リキュール)
実施例2において、イソマルオリゴ糖液Aの代わりに、比較合成例1で得たイソマルトオリゴ糖液Bを使用し、実施例2と同じ工程条件で梅酒リキュールを得た。得られた梅酒リキュールのハイドロオキシメチルフルフラール含有量及び抗酸化能の測定結果を表3に示す。
[比較例3]
(いくらの醤油漬)
実施例3において、イソマルオリゴ糖液Aの代わりに、比較合成例1で得たイソマルトオリゴ糖液Bを使用し、実施例3と同じ工程条件でいくら醤油漬を得た。得られたいくら醤油漬のハイドロオキシメチルフルフラール含有量及び抗酸化能の測定結果を表3に示す。
[比較例4]
(ビーフジャーキー)
実施例4において、イソマルオリゴ糖液Aの代わりに、比較合成例1で得たイソマルトオリゴ糖液Bを使用し、実施例4と同じ工程でビーフジャーキーを得た。得られたビーフジャーキーのハイドロオキシメチルフルフラール含有量及び抗酸化能の測定結果を表3に示す。
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