JP2009262517A - 記録装置及び記録方法 - Google Patents

記録装置及び記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009262517A
JP2009262517A JP2008132169A JP2008132169A JP2009262517A JP 2009262517 A JP2009262517 A JP 2009262517A JP 2008132169 A JP2008132169 A JP 2008132169A JP 2008132169 A JP2008132169 A JP 2008132169A JP 2009262517 A JP2009262517 A JP 2009262517A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
target
restraining
recording
paper
force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008132169A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5176684B2 (ja
Inventor
Satoru Shiobara
悟 塩原
Hidemasa Kaneda
秀将 金田
Yasushi Yajima
康司 矢島
Satoshi Kaneda
聡 金田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2008132169A priority Critical patent/JP5176684B2/ja
Priority to US12/411,601 priority patent/US20090244234A1/en
Publication of JP2009262517A publication Critical patent/JP2009262517A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5176684B2 publication Critical patent/JP5176684B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J11/00Devices or arrangements  of selective printing mechanisms, e.g. ink-jet printers or thermal printers, for supporting or handling copy material in sheet or web form
    • B41J11/0015Devices or arrangements  of selective printing mechanisms, e.g. ink-jet printers or thermal printers, for supporting or handling copy material in sheet or web form for treating before, during or after printing or for uniform coating or laminating the copy material before or after printing
    • B41J11/002Curing or drying the ink on the copy materials, e.g. by heating or irradiating
    • B41J11/0021Curing or drying the ink on the copy materials, e.g. by heating or irradiating using irradiation
    • B41J11/00216Curing or drying the ink on the copy materials, e.g. by heating or irradiating using irradiation using infrared [IR] radiation or microwaves
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J11/00Devices or arrangements  of selective printing mechanisms, e.g. ink-jet printers or thermal printers, for supporting or handling copy material in sheet or web form
    • B41J11/0085Using suction for maintaining printing material flat
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J11/00Devices or arrangements  of selective printing mechanisms, e.g. ink-jet printers or thermal printers, for supporting or handling copy material in sheet or web form
    • B41J11/02Platens
    • B41J11/06Flat page-size platens or smaller flat platens having a greater size than line-size platens

Abstract

【課題】ターゲットにおける波打ちや皺の定着を抑制することができる記録装置及び記録方法を提供する。
【解決手段】用紙12に対してインクを付着させて記録処理を施す記録ヘッド24と、記録ヘッド24の記録処理によりインクが付着した用紙12に対して、実質的に拘束力を与えない状態でインクの蒸発を促進するヒータ25と、インクの蒸発が促進された用紙12を、用紙12におけるインクが付着した面を一様な面状態に支持可能な第2搬送ベルト23が有する支持面で支持しつつ、用紙12に対して支持面への拘束力を与える第2吸引部32とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、記録装置及び記録方法に関する。
従来から、液体(インク)をターゲットに対して噴射することにより記録を施す記録装置として、インクジェット式プリンタ(以下、「プリンタ」という。)が広く知られている。このプリンタは、記録ヘッド(液体噴射ヘッド)に供給されるインク(液体)を記録ヘッドに形成されたノズルから噴射してターゲットとしての記録用紙の表面に付着させることにより印刷(記録)を施すようになっている。すなわち、各ノズルから噴射されたインクが記録用紙に付着した後において乾燥することにより、そのインクの付着態様と対応した印刷内容が発色するようになっている。
ここで、ターゲットとして水分浸透性(吸液性)のある記録用紙を用いる場合、インクを吸収した記録用紙には波打ちが生じることがある。このような現象は、いわゆるコックリング現象と呼ばれている。すなわち、記録用紙にインクが噴射されると、そのインクは記録用紙内に吸収され、記録用紙の主成分である木材繊維(主成分はセルロース。以下、「繊維」という。)がインクの水分を吸収して膨潤する。さらに、記録用紙は、その繊維間の空隙にインクが浸透すると、繊維同士の水素結合が切断される。
そのため、記録用紙では、繊維が移動可能な状態となるため、膨潤した繊維同士が互いに押し合って移動し、記録用紙の平面性が損なわれる。すなわち、記録用紙には、記録を施すためにインクを付着させた領域(液体付着領域)が繊維同士の押し合いによって膨張変形することにより、所謂、波打ちが発生する。
そして、このような波打ちが発生した状態において記録用紙から水分が蒸発すると、膨潤した繊維は収縮すると共に、各々の移動した位置において繊維同士が再結合する。その結果、乾燥後の記録用紙には、膨脹変形した波打ちがそのまま定着する。したがって、そのような波打ちが定着した記録用紙上に形成された画像には歪みが生じてしまい印刷精度(記録品質)を低下させる虞があった。
こうした現象に対処するため、特許文献1では、膨張変形により波打ちが発生した記録用紙を加熱乾燥させる途中で、その記録用紙に対して膨張度合いを低減させるように圧力を加えていた。すなわち、記録用紙が未だ水分を含んでその繊維が移動可能な生乾き状態において、ローラもしくはベルトで記録用紙の膨張変形した表面を押圧することにより、記録用紙を平面状態に拘束しつつ、加熱によりインクを乾燥させて繊維同士を再結合させていた。
特許第3115657号公報
ところで、記録用紙に発生した波打ちの膨張度合いを低減するためには、記録用紙における繊維同士の水素結合が切断されて繊維同士が未だ移動可能な状態で、その記録用紙を平面状態に拘束する必要がある。そのため、特許文献1のプリンタの場合は、インクが未だ完全には乾燥していない生乾き状態で、ローラを記録用紙の表面に押圧力を伴って接触させていた。
しかしながら、こうした十分な加熱乾燥がされる前の、膨張変形によって大きな波打ちが生じている記録用紙に対してローラが押圧力を付与すると、その大きな波打ちがローラとの相対移動により捩れて皺を発生させてしまう虞があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ターゲットにおける波打ちや皺の定着を抑制することができる記録装置及び記録方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の記録装置は、ターゲットに対して液体を付着させて記録処理を施す記録手段と、該記録手段の記録処理により前記液体が付着した前記ターゲットに対して、実質的に拘束力を与えない状態で乾燥処理を施す乾燥手段と、該乾燥手段により前記乾燥処理が施された前記ターゲットを、該ターゲットにおける前記液体が付着した面を一様な面状態に支持可能な支持部材が有する支持面で支持しつつ、前記ターゲットに対して前記支持面への拘束力を与える拘束処理を施す拘束手段とを備える。
一般に、ターゲットには、フィルム等のように撥液性を有するターゲットと、記録紙等のように吸液性を有するターゲットがある。ここで、吸液性を有するターゲットに対して該ターゲットに吸収された場合に膨脹変形を生じさせ得る液体(例えば水分を有するインク等)を付着させて記録処理を施すと、該ターゲットにおける液体付着領域が液体を吸収することにより膨脹変形してしまい、そのままの状態で乾燥すると、ターゲットには膨脹変形した波打ちが定着してしまう。
この点、上記構成によれば、乾燥手段がターゲットに乾燥処理を施すため、ターゲットに付着した液体の蒸発が促進されてターゲット内部への液体の浸透及び拡散が抑制される。すなわち、ターゲットにおける液体が付着した領域(以下、「液体付着領域」という。)の膨張度合いが抑制される。そして、液体の蒸発が促進されて液体付着領域の内部に浸透している液体量が減少した状態にあるターゲットが拘束手段によって拘束される。すると、乾燥手段の乾燥処理により膨張度合いが抑えられた液体付着領域は、膨脹度合いが大きいままで拘束される場合とは異なり、皺を発生することなく一様な面状態に維持される。そして、その状態を維持したままで液体付着領域から液体が自然乾燥により蒸発すると、ターゲット上には波打ち及び皺がない状態で液体付着領域に対応した記録内容が定着する。したがって、ターゲットにおける波打ちや皺の定着を抑制することができる。
本発明の記録装置において、前記乾燥処理において前記ターゲットが受け得る拘束力は、前記拘束処理において前記ターゲットが受け得る拘束力よりも小さい。
一般に、ターゲットにおいて液体の付着及びその吸収により膨脹変形した液体付着領域は、液体を吸収しているために強い拘束力が加わると変形し易い。そのため、そのように膨脹変形した状態にある液体付着領域を液体の蒸発を促進させる際において、該液体付着領域に対して膨脹度合いを低減させる方向に強い拘束力を及ぼすと、その拘束力を受けて変形したときに皺を発生してしまうことがある。
この点、上記構成によれば、乾燥処理が施されて液体が十分に蒸発する前のターゲットに対して付与する拘束力を小さくすることで、ターゲットの変形を許容して該ターゲットにおける皺の定着を抑制することができる。
本発明の記録装置において、前記乾燥処理において前記ターゲットが受け得る拘束力は、前記液体が付着された前記ターゲットに対し拘束力による強制的な変形を生じさせない程度の拘束力である。
この構成によれば、乾燥処理が施されるターゲットは、その膨張変形が阻害されない状態で、液体の蒸発が促進される。したがって、乾燥処理による液体の蒸発が十分行われる前のターゲットでは、拘束力により膨張部分が縒れることがないため、乾燥処理において発生する皺を抑制することができる。
本発明の記録装置において、前記乾燥処理において前記ターゲットが受け得る拘束力は、A4サイズあたり9.8N未満である。
この構成によれば、液体の吸収により膨脹変形した液体付着領域を、その乾燥処理時にはA4サイズあたり9.8N未満という略拘束力ゼロの状態で乾燥させるため、ターゲットが拘束力によって変形させられることによる皺の発生を招くこともなく、膨脹変形の度合いを低減させるべく液体の蒸発を促進することができる。
本発明の記録装置において、前記拘束処理において前記ターゲットが受け得る拘束力は、前記液体が付着された前記ターゲットに対し拘束力による強制的な変形を生じさせることが可能な程度の拘束力である。
一般に、液体を吸収して膨脹変形した液体付着領域は、乾燥処理により液体の蒸発が促進されると、拘束力を受けても変形し難くなるため、小さな拘束力では一様な面状態にはなり難い。
この点、上記構成によれば、乾燥手段の乾燥処理によって液体の蒸発が促進されたことにより膨張度合が抑えられた液体付着領域には、ターゲットを強制的に変形させ得る拘束力が加わることになるので、かかる拘束力でもって膨張変形した液体付着領域を一様な面状態に維持できる。
本発明の記録装置において、前記拘束処理において前記ターゲットが受け得る拘束力は、A4サイズあたり49N以上である。
この構成によれば、乾燥手段の乾燥処理よって液体の蒸発が促進されたことにより膨脹度合いが抑えられた液体付着領域には、A4サイズあたり49N以上という十分に大きな拘束力が加わることになるので、かかる拘束力でもって膨脹変形した液体付着領域を一様な面状態に維持できる。
本発明の記録装置において、前記拘束手段は、前記乾燥処理により生乾きとされた前記ターゲットに対して前記拘束処理を施す。
この構成によれば、ターゲットに付着した液体が完全に乾燥する前の生乾き状態においてターゲットに拘束処理を施すことにより、膨張変形した形状が定着する前にターゲットを変形させることができる。
本発明の記録装置において、前記拘束手段は、前記乾燥手段が前記ターゲットに対して前記乾燥処理を施した後、3秒以内に当該ターゲットに対して前記拘束処理を施す。
この構成によれば、乾燥手段の乾燥処理によって液体の蒸発が促進された液体付着領域が、乾燥処理の終了後において自然乾燥により膨張変形した形状を定着させてしまう前に、その液体付着領域に対して該液体付着領域を一様な面状態に保持する拘束力を付与することができる。すなわち、乾燥の終了から拘束の開始までの時間を3秒以内とすることで、液体を吸収して膨張変形した状態にあって且つ拘束力を受けると変形しやすいターゲットにおける液体付着領域に対して、的確なタイミングで拘束力を付与することができる。
本発明の記録装置において、前記拘束手段は、前記拘束処理において前記ターゲットに対して1秒〜5秒の間、拘束力を与える。
この構成によれば、乾燥手段の乾燥処理によって液体の蒸発が促進されたことにより膨脹度合いが抑えられた液体付着領域を、その液体付着領域の内部での液体の移動が安定するまでの間、一様な面状態に拘束し続けることができる。すなわち、液体付着領域の形状が一様な面状態となる形状に確定するのに必要十分な時間だけターゲットを拘束し続けることにより、ターゲットに対する拘束力を解放後に液体付着領域が再び膨脹変形することを抑制することができる。したがって、ターゲットを液体付着領域から液体が完全に蒸発するまで長い時間(5秒を超える時間)に亘って拘束する場合に比べ、記録装置におけるスループットを向上させることができる。
本発明の記録装置において、前記拘束手段は、前記ターゲットにおいて最初に拘束力が付与される拘束開始位置を基準として、該拘束開始位置から拘束力を与える範囲が順次拡大するように、前記ターゲットに拘束力を与える。
一般に、液体を吸収して膨潤変形したターゲットの液体付着領域に対して一挙に拘束力を与えると、変形度合や液体付着領域の大きさに応じてターゲットに加わる拘束力に局所的なひずみが生じ、皺が発生してしまうことがある。
この点、上記構成によれば、ターゲットにおいては拘束力が付与されて支持面に拘束される範囲が順次拡大する。そのため、液体付着領域では、拘束開始位置もしくは該拘束開始位置に近い位置から順次支持面に対して拘束されるため、ターゲットを滑らかに拘束することができる。したがって、ターゲットに付与される拘束力のひずみにより生じる皺の発生を抑制することができる。
本発明の記録方法において、ターゲットに対して液体を付着させて記録処理を施すステップと、前記記録処理された前記ターゲットに対して、実質的に拘束力を与えない状態で乾燥処理を施すステップと、前記乾燥処理が施された前記ターゲットを、該ターゲットにおける前記液体を付着された面を一様な面状態に拘束可能な拘束をもって拘束する拘束処理を施すステップとを備えたことを特徴とする記録方法。
この構成によれば、記録段階で液体が付着されたターゲットにおける液体付着領域は、乾燥処理を施すステップにおける乾燥処理により液体の蒸発が促進されるため、膨脹度合いが抑制される。そして、乾燥処理を施すステップで液体付着領域から液体がある程度蒸発した状態のターゲットに対して、拘束処理を施すステップでは、液体付着領域が一様な面状態となるように拘束力が付与され、ターゲットはそのように拘束された状態で自然乾燥する。したがって、上記の記録装置の場合と同様に、ターゲットにおける波打ちや皺の定着を抑制することができると共に、記録品質の低下を抑制することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の記録装置及び記録方法をインクジェット式プリンタにおいて具体化した第1実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において、「上下方向」、「前後方向」、「左右方向」をいう場合は、図1及び図2に矢印で示した方向を基準として示すものとする。
図1に示すように、記録装置としてのインクジェット式プリンタ(以下、「プリンタ」という。)11はターゲットとしての用紙12を搬送するための搬送手段としての搬送機構13を備えている。搬送機構13は、搬送方向の上流側(左側)に位置した給紙トレー14から給紙された用紙12を下流側(右側)へ搬送する第1搬送部15と、該第1搬送部15によって搬送された用紙12を、さらに下流側へ搬送して排紙トレー16へ排紙する第2搬送部17から構成されている。
各搬送部15,17は、それぞれ図示しないモータの駆動力により回転駆動されると共に互いの軸線が平行となる第1駆動プーリ18及び第2駆動プーリ19と、各駆動プーリ18,19の軸線と平行な軸線を中心に回転自在な第1従動プーリ20及び第2従動プーリ21とをそれぞれ有している。さらに、第1駆動プーリ18と第1従動プーリ20との間には、無端状の第1搬送ベルト22が掛け渡されていると共に、第2駆動プーリ19と第2従動プーリ21との間には、支持部材として機能する無端状の第2搬送ベルト23が掛け渡されている。そして、各搬送ベルト22,23が、それぞれ対応する駆動プーリ18,19の回転駆動に伴い周回運動することにより、給紙トレー14から給紙された用紙12が第1搬送ベルト22上に載置された状態で第1搬送部15から第2搬送部17側へ搬送され、さらに第2搬送ベルト23上に載置された状態で排紙トレー16側へ搬送されるようになっている。
また、図1に示すように、第1搬送部15における第1搬送ベルト22の上側となる位置には、該第1搬送ベルト22上に載置されて搬送される途中の用紙12の表面に向けて液体としてのインクを噴射する記録手段としての記録ヘッド24が配設されている。この記録ヘッド24からは、例えば染料インク等の水分を含有したインクが噴射され、そのインクが用紙12の表面に付着することにより、用紙12の表面上に液体付着領域としての記録処理領域12a(図2参照)を形成するようになっている。
すなわち、記録ヘッド24の下面となるノズル形成面24aには、用紙12の幅方向(前後方向)に沿う複数のノズル列(図示略)が搬送方向(左右方向)に一定間隔をおいて列設されている。そして、記録ヘッド24は、用紙12が記録ヘッド24の下方を通過するのに合わせて幅方向全体に亘るようにインクを噴射することにより、用紙12に対して印刷(記録処理)を施すようになっている。この点で、本実施形態の記録ヘッド24は、用紙12の搬送方向と直交する方向に用紙12の幅全体と対応した全体形状をなす、いわゆるフルラインタイプのラインヘッドであるといえる。
また、第2搬送部17における上流端の位置であって第2搬送ベルト23の上側となる位置には、第1搬送ベルト22上から第2搬送ベルト23上に移送された用紙12を乾燥促進のために加熱可能な乾燥手段としてのヒータ25が配設されている。このヒータ25は、赤外線を用紙12に対して放射する赤外線ヒータであり、記録ヘッド24から噴射されたインクが付着して浸透した用紙12の記録処理領域12aを用紙12におけるインクが付着した面(表面)には非接触で加熱するようになっている。
また、各搬送部15,17において、第1駆動プーリ18と第1従動プーリ20の間、及び第2駆動プーリ19と第2従動プーリ21の間には、上面が平面状に形成された第1支持台26及び第2支持台27が各々配設されている。そして、各搬送ベルト22,23が周回運動した場合には、各搬送ベルト22,23において用紙12を載置して下流側(左側から右側)に搬送するベルト部分の裏面が、各々対応する支持台26,27の上面に対して摺接するようになっている。
また、各搬送部15,17において、各搬送ベルト22,23及び各支持台26,27には、それぞれ複数の孔が形成されている。但し、それらの各孔の形成態様は、各搬送部15,17において同様であるため、以下では図2に基づいて第2搬送部17における第2搬送ベルト23及び第2支持台27に各々形成された各孔の孔形成態様を説明する。
図2に示すように、第2搬送ベルト23は、その表面が用紙12を支持する支持面23aとして機能するように構成されている。そして、この支持面23aとなる表面と第2支持台27に摺接する裏面とを貫通するように、第2搬送ベルト23には多数の通気孔28が形成されている。なお、これらの通気孔28は、前後方向に沿う複数列の通気孔列29を左右方向に所定間隔をおいて形成するように規則的に配列されている。そして、以上のような通気孔28及び通気孔列29が第1搬送部15における第1搬送ベルト22にも形成されている。
また、第2支持台27には、該第2支持台27を上下方向(第2支持台27の厚み方向)に貫通する多数の吸引孔30が形成されている。各吸引孔30は、第2搬送ベルト23の各通気孔28と前後方向においては各々対応した位置であって且つ左右方向においては各通気孔28よりも広い(例えば約3倍程度の)間隔をおいた位置に、第2支持台27の上面27aと下面との間を貫通するように形成されている。なお、各吸引孔30における上面27a側の開口は左右方向に沿う長溝状に形成されている。そして、以上のような各吸引孔30が第1搬送部15における第1支持台26にも形成されている。
図1及び図2に示すように、第1支持台26の下側には、各吸引孔30内を吸引するための箱体状をなす第1吸引部31が第1支持台26の下面側における各吸引孔30の開口を覆うように設けられている。また、第2支持台27の下側には、同様に各吸引孔30内を吸引するための箱体状をなす第2吸引部32が第2支持台27の下面側における各吸引孔30の開口を覆うように設けられている。
このうち、第1吸引部31内には1つのファン33が設けられている。また、第2吸引部32内には3つのファン33が、それぞれ区画された3つの図示しない吸引室に個別に対応するように設けられている。そして、各ファン33の駆動に伴い各吸引孔30内が吸引されて負圧になることで、各吸引孔30の長溝状の開口を介して連通した通気孔28を通じて、搬送ベルト22,23上に載置された状態にある用紙12には下向きの吸引力(拘束力)が付与されるようになっている。
また、図1に示すように、搬送機構13において搬送ベルト22,23による用紙12の搬送経路には、記録ヘッド24と対向する記録ゾーンから下流側に複数のゾーンが順次設定されている。まず、記録ゾーンの下流側には、記録ゾーンでの記録ヘッド24からのインク噴射により記録処理領域12aにインクが付着された用紙12をヒータ25の配設位置まで搬送する第1搬送ゾーンAが記録ゾーンに連続するように設定されている。そして、この第1搬送ゾーンAの下流側には、その用紙12を加熱可能なヒータ25を備えた加熱ゾーンBが第1搬送ゾーンAに連続するように設定されている。
また、加熱ゾーンBの下流側には、加熱ゾーンBでの加熱により記録処理領域12aからのインク蒸発が促進された用紙12を第2支持台27上まで搬送する第2搬送ゾーンCが加熱ゾーンBに連続するように設定されている。そして、第2搬送ゾーンCの下流側には、第2支持台27上に用紙12を平面状態に拘束するための拘束ゾーンDが第2搬送ゾーンCに連続するように設定されている。
次に、各吸引部31,32がファン33の駆動に伴い用紙12に対して付与する吸引力(拘束力)F1の大きさを定義するための吸引力測定方法について説明する。なお、本実施形態では、1kgf≒9.8Nとする。
図3に示すように、吸引力(拘束力)測定装置34は、各搬送部15,17の各支持台26,27と同様の支持台35を備え、その支持台35には、複数の吸引孔36が支持台35の厚さ方向に貫通形成されている。支持台35の下側には、各吸引孔36内を吸引するための箱体状をなす吸引部37が支持台35の下面側における各吸引孔36の開口を覆うように設けられ、その吸引部37内には2つのファン38が設けられている。
また、支持台35の上面には可撓性を有する緩衝材39を介して積層状に一体化された用紙12と矩形状のガラス板40が用紙12を下側となるようにして載置され、そのガラス板40の四隅には4本のワイヤ41の各基端がそれぞれ固定されている。そして、各ワイヤ41の先端はガラス板40の中央部の上方で1本のメインワイヤ42に接続されている。
そのため、メインワイヤ42に対して上方へ引き上げる力である引張り力F2が付与されると、ガラス板40には各ワイヤ41を介して鉛直上向きの引張り力F2が付与され、緩衝材39を介して用紙12にも鉛直上向きの引張り力F2が付与されるようになっている。その一方、吸引部37内の各ファン33が駆動されると、支持台35上の用紙12には吸引孔36を介して負圧が作用するため、用紙12には下向きの吸引力F1が付与されるようになっている。
このような吸引力測定装置34を使用して吸引力を測定する場合には、吸引部37の各ファン38を駆動することにより、用紙12に対して下向きの吸引力F1を与えた状態で、メインワイヤ42に加える引張り力F2を徐々に大きくする。すると、用紙12は引張り力F2が吸引力F1を上回った時点で支持台35の上面から離れることになる。
このとき、例えばA4サイズ(210×297mm)もしくはA4サイズと同一面積を有する用紙12(例えば、110×567mm,231×270mm)に対して吸引力F1を付与した状態で、徐々に大きくする引張り力F2が29.4N(3kgf)となったときに用紙12と支持台35が離間した場合、このときのファン38の駆動態様によって用紙12が受ける力を、29.4N/A4(3kgf/A4)の拘束力とする。
すなわち、拘束力は、単位面積あたりの用紙12を支持台35の上面に対して面接触状態に拘束する力の強さを示している。そのため、例えばA3サイズ(297×420mm)の用紙12に対して引張り力F2を98N(10kgf)としたときに用紙12が支持台35から離間した場合の吸引力F1が98N(10kgf)であれば、そのときの拘束力はA4サイズに換算すると49N/A4(5kgf/A4)となる。
次に、上記のように構成された本実施形態のプリンタ11の作用について、記録ゾーンで記録ヘッド24により印刷が施された後、第1搬送ゾーンA、加熱ゾーンB、第2搬送ゾーンC、拘束ゾーンDを順次通過するように用紙12が搬送される際の作用を中心に説明する。
さて、プリンタ11において用紙12に印刷を施す場合は、まず、給紙トレー14から第1搬送ベルト22上に用紙12が給紙されると共に、その用紙12を下流側に搬送するために搬送ベルト22,23が周回運動を開始する。また、各吸引部31,32のファン33が駆動されることにより各支持台26,27の吸引孔30内が吸引される。すると、第1搬送ベルト22において用紙12が載置された領域内に位置する通気孔28及びこの通気孔28と長溝状の開口を通じて連通する支持台26の吸引孔30には負圧が生じる。そのため、第1搬送ベルト22上に載置された用紙12は、その負圧を受けて第1搬送ベルト22上に平面状に支持された拘束状態で下流側に搬送され、記録ゾーンにおいて記録ヘッド24からのインク噴射により記録処理領域12aにインクを付着される(記録段階)。
続いて、第1搬送ゾーンAでは、用紙12が非加熱状態及び非拘束状態で下流側に搬送される。したがって、用紙12の記録処理領域12aに付着したインクは、その搬送中に用紙12の内部に徐々に浸透及び拡散し、記録処理領域12aを膨脹変形させることになる。なお、本実施形態における用紙12の記録処理領域12aはインクがベタ状に付着した矩形状の領域とされ、その領域の周囲はインクが付着していない非記録処理領域(非液体付着領域)12bにより包囲されている。なお、非記録処理領域12bとは、その表面にインクの付着がなく内部にはインクが浸透していないために用紙12の繊維(構成物)同士の結合が維持された領域のことをいう。
ここで、本実施形態の用紙12は、木材を原料とするパルプ繊維(主成分はセルロースであり、以下、「繊維」という。)が網目構造をなすように積み重なった吸液性を有する多孔性材料である。そのため、用紙12にインクが付着すると、親水性を有する繊維はインクのインク溶媒(水分もしくはアルコールなどの有機溶媒)を吸収して膨潤し、記録処理領域12aの体積を増加させる。また、繊維に吸収されないインクは用紙12における繊維間の空隙に浸透して繊維同士の水素結合を切断するため、記録処理領域12aの繊維は相対移動可能な状態となる。そのため、記録処理領域12aは膨潤した繊維同士が押し合うことで膨脹変形するため、記録処理領域12aが形成された用紙12には、インクの浸透及び拡散に伴って第1搬送ベルト22の表面から離間するように変形し、搬送ベルト22に沿って波打つような形状となる(所謂コックリング現象)。
そして次に、そのような波打ちが発生した用紙12は、第1搬送ベルト22上から第2搬送ベルト23上に受け渡しされることにより、第1搬送ゾーンAから加熱ゾーンBへと搬送される。すると、この加熱ゾーンBにおいて、用紙12はその記録処理領域12aがヒータ25により加熱されることにより記録処理領域12aからのインクの蒸発が促進される(乾燥処理を施すステップ)。そのため、用紙12の記録処理領域12aは、インクの蒸発により、生乾き状態になると共に、それまでのインクの浸透及び拡散による体積の増加が止まるので、その膨脹度合いが抑制される。
なお、このとき、ヒータ25は、第2搬送ベルト23の支持面23aに載置された用紙12の表面(すなわち、液体としてのインクが付着した面)に対して非接触で用紙12を加熱する。また、用紙12の搬送経路において加熱ゾーンBには支持台26,27が位置していないので、この加熱ゾーンB内で用紙12は第2搬送ベルト23の支持面23a上に負圧を受けることもなく単に載置されただけの非拘束状態で搬送されつつ加熱される。したがって、膨脹変形した記録処理領域12aに対して膨脹度合いを低減させる方向への拘束力も付与されないので、用紙12に皺が発生することもない。
続いて、用紙12は第2搬送ベルト23の支持面23a上に載置された状態で第2搬送ゾーンCに搬送され、この第2搬送ゾーンCを非加熱状態及び非拘束状態で下流側に搬送される。なお、本実施形態の場合、用紙12は、第2搬送ゾーンCを1秒間で通過する。そして、第2搬送ゾーンCを通過した用紙12は、次には拘束ゾーンDへと搬送される。
この拘束ゾーンDでは、第2搬送ベルト23の裏面が支持台27の上面27aに摺接するため、第2搬送ベルト23において用紙12が載置された領域内に位置する通気孔28及びこの通気孔28と長溝状の開口を通じて連通する支持台27の吸引孔30には負圧が発生する。なお、本実施形態の場合、用紙12は、拘束ゾーンDにおいて78.4N/A4(8kgf/A4)の拘束力(吸引力)に相当する負圧を3秒間だけ受ける。
そのため、第2搬送ベルト23上に載置された用紙12は、その裏面に作用する負圧により第2搬送ベルト23の支持面23a上に吸着され、その滑面とされた支持面23aに対して面接触状態となるように拘束される(拘束処理を施すステップ)。すなわち、用紙12は、生乾き状態で膨脹変形している記録処理領域12aが周囲の非記録処理領域12bと一様な面状態を維持するように平面状に拘束されつつ、第2搬送ベルト23の周回運動に従い下流側へと搬送される。
そして、用紙12は、その搬送途中で記録処理領域12aからインクが自然に蒸発し、記録処理領域12aと非記録処理領域12bとが一様な面状態を維持したままで自然乾燥するため、記録処理領域12aが膨脹変形することにより生じていたコックリング現象が消失する。したがって、本実施形態では、ファン33を駆動させることにより第2搬送ベルトの通気孔28及び支持台27の吸引孔30を介して用紙12の裏面に負圧を作用させる第2吸引部32により拘束手段が構成されている。
なお、用紙12が搬送経路に沿って記録ゾーンから第1搬送ゾーンA、加熱ゾーンB、第2搬送ゾーンC、及び拘束ゾーンDを順次に通過して下流側へと搬送される途中において、各ゾーンでの用紙12に付与される拘束力及び拘束時間並びに用紙12の通過時間の多寡によって、コックリング現象の消失具合が異なるということが実験結果により判っている。
そこで、以下において、特にコックリング現象の消失具合に影響のある加熱ゾーンBでの用紙12に対する拘束力、第2搬送ゾーンCでの用紙12の通過時間、拘束ゾーンDでの用紙12に対する拘束力及び拘束時間の関係を図4,図5に基づいて説明する。
図4及び図5は、パルプが露出した表面を有する密度104g/m(厚み一定)の上質紙からなる用紙12に対して、4mg/inch(約0.62g/cm)のインクを25.4×100mmの範囲に噴射したときの拘束力及び拘束時間等に関する実験結果を示したものである。そして、図4は、図5における実施例1,4〜7及び比較例2の拘束ゾーンDでの拘束力と拘束時間に対する用紙12の状態を示す表である。なお、コックリング現象の消失程度を示すコックリング判定の記号「◎」は波打ちが全く見えない状態、「○」は波打ちがほとんど見えない状態、「△」は波打ちが若干見える状態、「×」は明瞭に波打ちが見える状態を表している。
図4に示すように、拘束ゾーンDでの拘束力を49N/A4(5kgf/A4),78.4N/A4(8kgf/A4)(49N/A4(5kgf/A4)以上)とした場合には、拘束時間が長くなるにつれて記録処理領域12aからのコックリング現象の消失程度が良好なものになる。しかし、拘束力を39.2N/A4(4kgf/A4)(49N/A4(5kgf/A4)未満)とした場合(図5の比較例2)には、拘束時間の長短に係わらず波打ちが維持される。これは、この用紙12の生乾き状態で膨脹変形した形状にある記録処理領域12aにおいて、その厚み方向にかかる49N/A4(5kgf/A4)未満の負圧(拘束力としての吸引力)に対して、その時点での形状を維持しようと保形力の方が勝っているものと考えられる。
次に、加熱ゾーンBにおける用紙12に対する拘束力及び第2搬送ゾーンCの用紙12の通過時間とコックリング判定との関係を図5に基づいて説明する。なお、本実施形態は図5における実施例5が相当する。
比較例1に示すように、加熱ゾーンBにおいて用紙12に拘束力(9.8N/A4(1kgf/A4))を与えた場合には、波打ちが明瞭に残り、コックリング現象の消失程度は良くない。これはヒータ25により十分な加熱がされる前の、膨脹変形によって生じた波打ちが変形しやすい状態にある用紙12に対して、その波打ちに縒りを生じさせるような吸引力(拘束力)を与えてしまうためと考えられる。すなわち、加熱ゾーンBでの用紙12に付与する拘束力の大きさが9.8N/A4(1kgf/A4)以上の場合には、コックリング現象の消失程度が良くないということになる。そのため、こうしたコックリング現象の消失程度を良好なものとするべく加熱ゾーンBにおいて用紙12を非拘束状態にするという場合には、その時点の用紙12に生じている波打ちに縒りを生じさせない程度の吸引力(本実施形態の用紙12及び印刷条件において、拘束力9.8N/A4(1kgf/A4)未満)が付与された状態も含まれる。
一方、第2搬送ゾーンCの通過時間については、同ゾーンを通過するのに要する時間が長くなるにつれて、インクは自然乾燥して記録処理領域12a内に残存するインク量が減少する。すなわち、用紙12の構造物である繊維が再び再結合することにより、膨脹変形した状態にある記録処理領域12aは、膨脹変形した形状のまま乾燥してしまう。したがって、実施例1〜7に示すように、第2搬送ゾーンCの通過時間が3秒以内ならば、用紙12は、次の拘束ゾーンDで付与される拘束力により記録処理領域12aを平面状に変形させるのに十分なインクを含有した生乾き状態を維持する。すなわち、3秒を超える通過時間を要すると、コックリング現象の消失程度が良好なものとはならない。
なお、拘束ゾーンDでの拘束力については、図4において既に説明したように、比較例2のごとく拘束力を39.2N/A4(4kgf/A4)とした場合には、波打ちが維持されるため、コックリング現象の消失程度が良好なものとはならない。また、拘束ゾーンDでの拘束時間については、図4において既に説明したように、拘束時間が長くなるにつれて記録処理領域12aからのコックリング現象の消失程度が良好なものになる。しかし、このような拘束時間が長くなるということは、装置全体のスループットを向上させる点からはマイナス要因となる。その一方、生乾き状態で膨脹変形している記録処理領域12aを平面状に保持する拘束時間は5秒もあれば、その拘束時間が経過した後において拘束力を解放しても、記録処理領域12aは平面状の形状を維持するようになる。したがって、装置全体のスループットを考慮すると、拘束ゾーンDでの拘束時間は5秒以下が望ましい。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)加熱ゾーンBでは、ヒータ25が用紙12を加熱するため、付着したインクの蒸発が促進され、用紙12は記録処理領域12aの膨張度合いが抑制される。そして、拘束ゾーンDでは、インク蒸発が促進された記録処理領域12aが、第2搬送ベルト23の支持面23a上に平面状となるように吸着する。そのため、用紙12は、その記録処理領域12aが、皺を発生することなく平面状に保持された状態を維持しつつ、インクが自然乾燥して蒸発することにより、波打ち及び皺がない状態で記録処理領域12aに施された記録内容が定着する。したがって、用紙12における波打ちや皺の定着を抑制することができる。
(2)拘束ゾーンDで与える吸引力(拘束力)に対して、加熱ゾーンBで与える吸引力を小さくしたため、加熱ゾーンBにおいて十分にインクの蒸発していない状態の記録処理領域12aは変形が許容される。したがって、用紙12における皺の定着を抑制することができる。
(3)加熱ゾーンBにおいて、用紙12はその膨張変形が阻害されない状態でインクの蒸発が促進される。したがって、十分なインクが蒸発される前の用紙12は、吸引力(拘束力)により膨張部分が縒れることがないため、皺を抑制することができる。
(4)加熱ゾーンBでは、インクの付着及び吸収により膨脹変形した記録処理領域12aを、その加熱時にはA4サイズあたり9.8N未満という略拘束力ゼロの状態で加熱するため、無用な拘束力が要因となる皺を発生させることもなく、インクの蒸発促進を通じて膨脹変形の度合いを低減させることができる。
(5)拘束ゾーンDにおいて、インクを吸収して膨脹変形した後に加熱ゾーンBでの加熱によりインクの蒸発が促進された状態となっている用紙12の記録処理領域12aに対して、用紙12を強制的に変形させ得る吸引力(拘束力)が加わることになるので、かかる吸引力をもって膨張変形した記録処理領域12aを一様な面状態に維持できる。
(6)拘束ゾーンDでは、用紙12の記録処理領域12aに対して、A4サイズあたり49N(5kgf)以上という十分に大きな吸引力(拘束力)が加わることになるので、かかる十分に大きな拘束力でもって、膨脹変形した記録処理領域12aを一様な平面状態に維持できる。
(7)用紙12に付着した液体が完全に乾燥する前の生乾き状態において用紙12に吸引力(拘束力)を付与することにより、膨張変形した形状が定着する前にターゲットを変形させることができる。
(8)加熱ゾーンBでの加熱によってインクの蒸発が促進されたことにより膨脹度合いが抑えられた記録処理領域12aを拘束ゾーンDでは3秒間拘束するので、記録処理領域12aの内部でのインクの移動が安定するまでの間、一様な平面状態に拘束し続けることができる。そのため、用紙12に対する拘束力を解放後において記録処理領域12aが再び膨脹変形することを抑制することができる。したがって、用紙12を記録処理領域12aからインクが完全に蒸発するまで長い時間(5秒を超える時間)に亘って拘束する場合に比べ、プリンタ11におけるスループットを向上させることができる。
(9)第2搬送ゾーンCでは、ヒータ25の加熱によって記録処理領域12aのインクの蒸発を促進された用紙12が1秒間という短い通過時間で次の拘束ゾーンDに搬送される。そのため、加熱ゾーンBでの加熱の終了後において、用紙12における記録処理領域12aが自然乾燥することにより膨張変形した形状を定着させてしまう前に、用紙12を拘束ゾーンDに搬送でき、その拘束ゾーンDにおいて生乾き状態の記録処理領域12aに対して的確なタイミングで平面状に拘束するための拘束力を付与することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図6に従って説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態とは第2搬送部17の第2支持台27の態様を変更した点でのみ構成が相違しており、その他の構成は共通しているため、同様の構成部分については同一符号を付すことにして、その詳細な重複説明を省略する。なお、図中の矢印はファン33(図1参照)で吸引した場合の気体の流路を示している。また、白抜き矢印は、用紙12の搬送方向を示している。
図6に示すように、本実施形態の第2支持台67は、第2搬送ベルト23上に載置された用紙12を第2搬送ベルト23越しに支持可能なベルト受け板68と、本体69と、密閉板65とを備えている。そして、ベルト受け板68、本体69、及び密閉板65は、この順に上方の第2搬送ベルト23側から下方の第2吸引部32側に向けて積層されている。
ベルト受け板68の上面には、第1実施形態の吸引孔30の長溝状に形成された開口と同様に、複数の溝681が用紙12の搬送方向の通気孔28の列に応じて形成されている。溝681は、用紙12の搬送方向に細長く形成されている。溝681の用紙12の搬送方向の長さは、第2搬送ベルト23の移動とともに、通気孔28が移動しても、通気孔28のいずれかが溝681にかかるように、用紙12の搬送方向の列に並んだ2つの通気孔28の間隔程度に形成されている。
そして、このベルト受け板68における溝681の底には、略円筒状の第1静圧セル682が凹設されると共に、その第1静圧セル682の底には、ベルト受け板68の下面に貫通する貫通孔683が形成されている。なお、この貫通孔683における第1静圧セル682側となる上側の開口縁部分は面取りされることにより上側が拡径した円錐面状の当接面684を有する弁座685に形成されている。
また、ベルト受け板68の下面において貫通孔683の近傍位置からは、貫通孔683の軸線と平行に上方に向けて延びた後に水平方向に屈曲して第1静圧セル682の内側面に開口する連通部としての連通孔686が形成されている。なお、この連通孔686は、上側開口縁部分に弁座685が形成された貫通孔683よりも小径に(すなわち、流路断面積が小さくなるように)形成されている。そして、本実施形態では、大径の貫通孔683により連通流路600の第1流路部が構成されると共に、小径の連通孔686により連通流路600の第2流路部が構成されている。
また、本体69の上面には、用紙12の搬送方向において2つの第1静圧セル682にかかるように略円筒状の第2静圧セル691が凹設されている。そして、その2つの第1静圧セル682は、各第1静圧セル682内に一端が開口した貫通孔683及び連通孔686を介して第2静圧セル691内と連通している。なお、第2静圧セル691は、第1静圧セル682よりも容積が大きくなるように形成されており、その底には、本体69の下面に貫通する貫通孔692が形成されている。本体69には、こうした第2静圧セル691が複数形成されており、各第2静圧セル691は、各々の貫通孔692に連通する流路693を介して互いに連通している。
また、密閉板65は、第2吸引部32の吸い込み口51に応じて孔650が形成されている。そして、この孔650を通じて吸い込み口51が本体69の流路693と連通することにより、ファン33(図1参照)は各第2静圧セル691と連通している。
さらに、本体69における第2静圧セル691内には、上側の各第1静圧セル682の貫通孔683と対向するように、支持孔694を有した支持板695が本体69と一体に形成されている。この支持孔694には、バルブ76を構成する円柱状のロッド部材761の下端側が摺動可能に挿通されている。このロッド部材761は、その上端が第1静圧セル682内に位置しており、そのロッド部材761の上端には、弁座685の当接面684と面接触可能な略円錐台形状の弁体762が一体形成されている。そして、この弁体762における円錐面状をなす当接面763が弁座685の当接面684に当接して連通流路600の第1流路部を閉塞するようになっている。
また、支持板695と弁体762との間には、付勢部材としてのばね764が介装されており、このばね764の付勢力により、バルブ76は、連通流路600の流路断面積を大きくする方向に弁体762が付勢されている。すなわち、バルブ76は、常には弁体762が弁座685から離間した開弁状態(第1弁状態)となっている。ここで、ばね764の付勢力は、用紙12に覆われずに大気圧状態となった第1静圧セル682とファン33により吸引された第2静圧セル691との差圧よりも小さな力であり、且つ第1静圧セル682と第2静圧セル691との圧力が同じときには弁体762を弁座685から離間させ得る大きさとなっている。そして、本実施形態では、第1静圧セル682、第2静圧セル691、バルブ76、及び弁座685により、連通流路600の第1状態と第2状態とを切り替える流路切替手段70を構成している。
以下に、流路切替手段70におけるバルブ76の動きとともに、連通流路600の第1状態と第2状態とを詳しく説明する。
さて、図6に示す左右2つのバルブ76は、通常、ばね764の付勢力により弁体762が弁座685から離間する方向へ付勢され、第1流路部としての貫通孔683が開放された開弁状態(第1弁状態)となっている。そして、この状態でファン33が駆動されると、第2静圧セル691内の圧力はファン33の吸引力によって負圧になり、ほぼ大気圧である第1静圧セル682内の圧力との差圧がばね764の付勢力を超えるようになる。すると、バルブ76は、その弁体762がばね764の付勢力に抗して弁座685に着座する方向へ移動し、第1流路部としての貫通孔683を閉鎖した閉弁状態(第2弁状態)となり(図6における左側のバルブ76参照)、連通流路600を第2状態とする。
次に、この状態において、用紙12を載置して搬送する第2搬送ベルト23における通気孔28のうち用紙12によって覆われた通気孔28が第2搬送ベルト23の移動に伴い第1静圧セル682と対応した位置状態になると、その通気孔28を介して第1静圧セル682内に外部から気体が流入することが抑制される。そして、第1静圧セル682内からは第2流路部としての連通孔686を介して気体が第2静圧セル691内に少しずつ流入し、第1静圧セル682と第2静圧セル691との差圧が次第に小さくなり、ついにはばね764の付勢力よりも小さくなる。すると、バルブ76は、その弁体762がばね764の付勢力によって弁座685から離間する方向へ移動し、第1流路部としての貫通孔683を開放した開弁状態(第1弁状態)となり(図6における右側のバルブ76参照)、連通流路600を第2状態から第1状態に移行させる。
すなわち、用紙12が第2支持台67上を通過するように搬送されると、第1静圧セル682と連通した通気孔28から順に吸引が開始される。そのため、用紙12においては、搬送方向の前側となる用紙12の先端が最初に吸引される位置となり、この場合は、用紙12の先端が拘束開始位置となる。そして、用紙12の搬送に伴って順次後方に向かって支持面23aに吸着される範囲は拡大する。
そして、この状態から用紙12を載置して搬送する第2搬送ベルト23における通気孔28のうち用紙12によって覆われていない通気孔28が第2搬送ベルト23の移動に伴い第1静圧セル682と対応した位置状態になると、その通気孔28を介して第1静圧セル682内に外部から気体が流入する。すると、第1静圧セル682内の圧力は大気圧に近い圧力となり、負圧になっている第2静圧セル691内の圧力との差圧がばね764の付勢力を超えるようになる。すると、バルブ76は、その弁体762がばね764の付勢力に抗して弁座685に着座する方向へ移動し、第1流路部としての貫通孔683を閉鎖した閉弁状態(第2弁状態)となり(図6における左側のバルブ76参照)、連通流路600を第1状態から第2状態に移行させる。
上記第2の実施形態によれば、第1の実施形態における(1)〜(9)の効果に加えて、さらに以下のような効果を得ることができる。
(10)ファン33の吸引力は、用紙12の搬送に伴って先ず用紙12の先端に付与され、その後、用紙12の後端側にも付与される。そのため、用紙12の搬送方向において用紙12の先端を拘束開始位置として、吸着される範囲は搬送方向の後方に向かって徐々に拡大する。したがって、インクを吸収して膨張変形した用紙12を搬送する場合、用紙12の前端から滑らかに支持面23aに対して拘束することができるため、用紙12のよじれによる皺の発生を抑制することができる。
(11)第1静圧セル682と第2静圧セル691の各容積は、ファン33の駆動に伴い先に負圧となる第1負圧室としての第2静圧セル691の容積の方が後に負圧となる第2負圧室としての第1静圧セル682の容積よりも大きくなるようにした。これにより、連通流路600が第2状態から第1状態に移行した際に、用紙12に大きな吸引力を付与することができる。そのため、搬送方向において用紙12の先端を好適に吸着することができる。
(12)閉弁状態のバルブ76は、用紙12が搬送されると開弁し、さらに、用紙12が通過すると閉弁する。そのため、用紙12に対応する弁のみが開弁状態となっているため、ファン33の吸引力を用紙12に集中して付与することができ、吸引孔率を向上させることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記第2実施形態において、弁体762を変位させる機構(例えば、カム機構やソレノイド)をさらに備えることで、拘束開始位置を用紙12の搬送方向の先端に限らず、用紙12の四隅や端部もしくは中央部としてもよい。すなわち、例えば、搬送方向の後端とした場合には、搬送方向よりも早い速度で搬送方向の前側に向かってバルブ76を開弁することで、拘束する範囲を拡大することができる。そして、拘束開始位置を基準として徐々に拘束する範囲が拡大するように用紙12を吸着していくことで、用紙12に加わる拘束力のひずみを低減することができる。
・上記各実施形態において、拘束ゾーンDで用紙12を拘束する拘束時間は、3秒以外であってもよい。例えば、1秒〜5秒の間で3秒以外の拘束時間であれば、スループットの向上に貢献できる。また、この場合、拘束時間は5秒以上としてもよい。この場合には、拘束ゾーンDでの用紙12の搬送速度を遅くすることでプリンタ11の大型化を抑制することができる。また、この場合、拘束時間は1秒未満としてもよい。この場合には、拘束ゾーンDでの用紙12に対する拘束力を大きくすることで、拘束時間を1秒未満としても平面性を向上させることができる。
・上記各実施形態において、用紙12を搬送経路に沿って搬送するのではなく、用紙12を固定配置した状態において、記録ヘッド24及びヒータ25を移動させて用紙12への印刷及び乾燥を行うようにしてもよい。
・上記各実施形態において、用紙12は、加熱ゾーンBにおいて、その時点の用紙12に生じている波打ちに縒りを生じさせない程度の吸引力(本実施形態の用紙12及び印刷条件において、拘束力9.8N/A4(1kgf/A4)未満)ならば、その吸引力(拘束力)が付与された状態で加熱される構成であってもよい。
・上記各実施形態において、用紙12は、第2搬送ゾーンCを3秒以内ならば1秒以外の通過時間で搬送される構成であってもよい。または、第2搬送ゾーンCを省略して、加熱ゾーンBから直接に拘束ゾーンDに搬送される構成であってもよい。
・上記各実施形態において、拘束ゾーンDでは、用紙12に対して49kgf/A4(5kgf/A4)以上の拘束力ならば、78.4kgf/A4(8kgf/A4)に限定されない。
・上記各実施形態において、加熱ゾーンBを第1搬送ベルト22と第2搬送ベルト23の間に設定し、この両搬送ベルト22,23の間となる位置に、両搬送ベルト22,23の用紙載置面(支持面)と面一な上面を有した固定部材を備えてもよい。または、吸引手段を有しない搬送ローラを設けてもよい。
・上記各実施形態において、巻き軸にロール状に巻かれた長尺状の連続紙をターゲットとして用いてもよい。このとき、搬送手段は巻き軸を回転駆動させることによりターゲットとしての連続紙を上流側から下流側に連続搬送し、そのようにして搬送される連続紙は、この場合に支持部材として機能する支持台27,67の上面(支持面)に摺接状態で支持されることにより平面状態に拘束される。
・上記各実施形態において、記録ヘッド24からのインクの噴射によらずに孔版印刷等の他の印刷処理により、表面にインクを付着させるようにしてもよい。
・上記各実施形態において、拘束ゾーンDに搬送される用紙12は加熱ゾーンBにおいてインクの蒸発が促進されているため、記録処理領域12aを直接押圧するローラや板を用いて、支持面に対して押圧するようにしてもよい。ローラを用いることにより、加熱ゾーンBにおいて変形度合が抑制された用紙12において、支持面に拘束する範囲を徐々に移行させることができるので、用紙12をなだらかに拘束して皺の発生を抑制することができる。また、搬送ベルト22,23により搬送される用紙12の下面側から加熱するように乾燥手段を備えた支持台を別途に設けてもよい。
・上記各実施形態において、乾燥手段は、送風機を備えて用紙12の上側から風(温風)を当てる構成であってもよい。これにより、輻射熱の吸収効率の低いインクの乾燥を促進させることができる。なお、より好ましくは、ヒータ25によって加熱された後、風を当てる構成とすることが望ましい。これにより、輻射式のヒータ25を用いて複数種類のインク(例えば、カラーインク)を用いて印刷(カラー印刷)を行う際に、インクの色や水分含有量等が影響して輻射熱の吸収効率に違いが生じた場合でも、加熱斑を抑制することができる。さらに、先に輻射式のヒータ25によって乾燥を促進させることで、風によるインクの流動を低減することができる。
・上記各実施形態において、拘束ゾーンDで用紙12を拘束する支持台27,67は、その上面27aが円筒面状をなす構成であってもよい。この場合でも、用紙12における記録処理領域12aを非記録処理領域12bと一様な面状態となるように拘束することは可能である。
・上記各実施形態において、ターゲットを構成する構成物として、親水性を有して水を吸収することで膨潤作用を有するセルロース系試料を用いることができる。例えば、綿、麻、ポリノジック、リヨセル。そして、このようなターゲットに極性を有する溶媒(例えばエタノール)からなる液体を付着させることで、ターゲットを変形させることができる。
次に、上記実施形態及び変形例から把握できる技術的思想について追記する。
(イ)拘束手段は、ターゲットにおける液体が付着した面とは反対側の面に負圧を作用させることにより、前記ターゲットを、該ターゲットを支持可能な支持部材が有する支持面に対して、前記液体が付着した面とは反対側の面が面接触状態となるように拘束することを特徴とする記録装置。
この構成によれば、例えばターゲットにおける液体付着領域の周囲が液体が付着していない非液体付着領域で囲まれている場合でも、膨脹変形している島状の液体付着領域に対して周囲の非液体付着領域と一様な面状態にするための拘束力を、負圧の作用により液体付着領域には非接触な状態でターゲットを拘束するため、記録品質の低下を招くことなく良好に付与することができる。
(ロ)さらに、拘束手段は、支持部材に形成されたターゲットに負圧を伝える複数の連通流路の第1状態と第2状態とを切替える流路切替手段を備え、前記第2状態は、前記第1状態よりも流路断面積が小さく、かつ前記連通流路を閉塞しない状態であることを特徴とする記録装置。
この構成によれば、流路切替手段が連通流路の第1状態と第2状態を切替えるため、複数の連通流路に選択的に負圧を生じさせることができる。そのため、ターゲットへの拘束力を簡単に変更することができるため、例えば上質紙や和紙といったターゲットの種類に合わせて拘束方法を容易に変更することができる。
(ハ)さらに、ターゲットを搬送する搬送手段を備え、流路切替手段は、前記搬送手段によるターゲットの搬送途中において、該ターゲットの先端が通過するタイミングに合わせて連通流路を第1状態に切替え、該ターゲットの後端が通過するタイミングで連通流路を第2状態に切替えることを特徴とする記録装置。
この構成によれば、ターゲットが搬送されるタイミングに合わせて連通流路の状態を切替えることで、ターゲットが載置されていない連通流路からの吸引を抑制することができる。したがって、拘束力をターゲットに対して集中させることができるため、ターゲットの拘束効率を向上させることができる。また、ターゲットの先端及び後端も、該ターゲットの中央部と同様に支持面側へ吸引することができるので、ターゲットの遊動を抑制した状態でターゲットを安定的に搬送することができる。さらに、ターゲットの搬送にあわせて拘束していくことにより、付着した液体を吸収して膨潤したターゲットを波打ちを平面化するために必要な拘束時間を得るための拘束手段を小型化することができるため、記録装置の小型化に貢献することができる。
(ニ)前記ターゲットを搬送する搬送手段を備えると共に、該搬送手段による前記ターゲットの搬送経路に沿って、前記記録手段が前記ターゲットに対して記録処理を施す記録ゾーンと、該記録ゾーンよりも下流側で前記乾燥手段が前記ターゲットに乾燥処理を施す乾燥ゾーンと、該乾燥ゾーンよりも下流側で前記拘束手段が前記ターゲットを拘束する拘束ゾーンとを配設したことを特徴とする記録装置。
この構成によれば、ターゲットが搬送経路に沿って、ターゲットに記録処理を施す記録ゾーン、ターゲットに乾燥処理を施す乾燥ゾーン、及びターゲットを拘束する拘束ゾーンを順次に通過することにより、一連の流れ作業の中で記録処理を効率よく行うことができる。
第1実施形態のプリンタの模式図。 用紙と搬送ベルトと支持台との重なり関係を示す平面図。 拘束力測定装置の模式図。 拘束ゾーンでの拘束力と拘束時間の関係を説明する説明図。 コックリング判定の実験概要を説明する説明図。 第2実施形態の支持台の断面模式図。
符号の説明
11…プリンタ(記録装置)、12…用紙(ターゲット)、12a…記録処理領域(液体付着領域)、12b…非記録処理領域(非液体付着領域)、13…搬送機構(搬送手段)、23…第2搬送ベルト(支持部材)、23a…支持面、24…記録ヘッド(記録手段)、25…ヒータ(乾燥手段)、32…第2吸引部(拘束手段)、B…加熱ゾーン、D…拘束ゾーン。

Claims (11)

  1. ターゲットに対して液体を付着させて記録処理を施す記録手段と、
    該記録手段の記録処理により前記液体が付着した前記ターゲットに対して、実質的に拘束力を与えない状態で乾燥処理を施す乾燥手段と、
    該乾燥手段により前記乾燥処理が施された前記ターゲットを、該ターゲットにおける前記液体が付着した面を一様な面状態に支持可能な支持部材が有する支持面で支持しつつ、前記ターゲットに対して前記支持面への拘束力を与える拘束処理を施す拘束手段と
    を備えることを特徴とする記録装置。
  2. 前記乾燥処理において前記ターゲットが受け得る拘束力は、前記拘束処理において前記ターゲットが受け得る拘束力よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記乾燥処理において前記ターゲットが受け得る拘束力は、前記液体が付着された前記ターゲットに対し拘束力による強制的な変形を生じさせない程度の拘束力であることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 前記乾燥処理において前記ターゲットが受け得る拘束力は、A4サイズあたり9.8N未満であることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の記録装置。
  5. 前記拘束処理において前記ターゲットが受け得る拘束力は、前記液体が付着された前記ターゲットに対し拘束力による強制的な変形を生じさせることが可能な程度の拘束力であることを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の記録装置。
  6. 前記拘束処理において前記ターゲットが受け得る拘束力は、A4サイズあたり49N以上であることを特徴とする請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の記録装置。
  7. 前記拘束手段は、前記乾燥処理により生乾きとされた前記ターゲットに対して前記拘束処理を施すことを特徴とする請求項1〜請求項6のうち何れか一項に記載の記録装置。
  8. 前記拘束手段は、前記乾燥手段が前記ターゲットに対して前記乾燥処理を施した後、3秒以内に当該ターゲットに対して前記拘束処理を施すことを特徴とする請求項1〜請求項7のうち何れか一項に記載の記録装置。
  9. 前記拘束手段は、前記拘束処理において前記ターゲットに対して1秒〜5秒の間、拘束力を与えることを特徴とする請求項1〜請求項8のうち何れか一項に記載の記録装置。
  10. 前記拘束手段は、前記ターゲットにおいて最初に拘束力が付与される拘束開始位置を基準として、該拘束開始位置から拘束力を与える範囲が順次拡大するように、前記ターゲットに拘束力を与えることを特徴とする請求項1〜請求項9のうち何れか一項に記載の記録装置。
  11. ターゲットに対して液体を付着させて記録処理を施すステップと、
    前記記録処理された前記ターゲットに対して、実質的に拘束力を与えない状態で乾燥処理を施すステップと、
    前記乾燥処理が施された前記ターゲットを、該ターゲットにおける前記液体を付着された面を一様な面状態に拘束可能な拘束をもって拘束する拘束処理を施すステップと
    を備えたことを特徴とする記録方法。
JP2008132169A 2008-04-01 2008-05-20 記録装置及び記録方法 Expired - Fee Related JP5176684B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008132169A JP5176684B2 (ja) 2008-04-01 2008-05-20 記録装置及び記録方法
US12/411,601 US20090244234A1 (en) 2008-04-01 2009-03-26 Recording apparatus and recording method

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008095277 2008-04-01
JP2008095277 2008-04-01
JP2008132169A JP5176684B2 (ja) 2008-04-01 2008-05-20 記録装置及び記録方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009262517A true JP2009262517A (ja) 2009-11-12
JP5176684B2 JP5176684B2 (ja) 2013-04-03

Family

ID=41116509

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008132169A Expired - Fee Related JP5176684B2 (ja) 2008-04-01 2008-05-20 記録装置及び記録方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20090244234A1 (ja)
JP (1) JP5176684B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013060302A (ja) * 2011-08-19 2013-04-04 Fujifilm Corp 画像形成装置、画像形成方法
US11890859B2 (en) 2020-08-27 2024-02-06 Ricoh Company, Ltd. Sheet heater, liquid discharge apparatus, and printer

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5503952B2 (ja) * 2009-12-09 2014-05-28 富士フイルム株式会社 印刷装置及び印刷制御方法
JP5659593B2 (ja) * 2010-07-16 2015-01-28 セイコーエプソン株式会社 記録装置及び記録装置の制御方法
CN102785473A (zh) * 2011-05-16 2012-11-21 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 打印装置
JP6135857B2 (ja) * 2013-07-29 2017-05-31 セイコーエプソン株式会社 乾燥方法
DE102014225953A1 (de) * 2014-12-16 2016-06-16 Robert Bosch Gmbh Ventilbaugruppe für einen Druckänderungsdämpfer für eine bremskraftgeregelte, hydraulische Fahrzeugbremsanlage, Hydraulikblock für eine solche Fahrzeugbremsanlage und Fahrzeugbremsanlage mit einem solchen Hydraulikblock

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07304167A (ja) * 1994-05-13 1995-11-21 Hitachi Koki Co Ltd インクジェットプリンタ
JP2000203000A (ja) * 1999-01-08 2000-07-25 Minolta Co Ltd インク記録装置
JP2000318870A (ja) * 1999-05-12 2000-11-21 Fuji Xerox Co Ltd シート搬送装置
JP2001212955A (ja) * 2000-02-03 2001-08-07 Seiko Epson Corp インクジェットプリンタ
JP2002120386A (ja) * 2000-10-13 2002-04-23 Olympus Optical Co Ltd プリンタ
JP2002187264A (ja) * 2000-12-20 2002-07-02 Seiko Epson Corp インクジェット記録方法及び装置
JP2003237164A (ja) * 2002-02-15 2003-08-27 Noritsu Koki Co Ltd 記録媒体処理装置
JP2003326778A (ja) * 2002-05-14 2003-11-19 Noritsu Koki Co Ltd 熱定着装置及び画像形成装置
JP2004195996A (ja) * 2001-06-21 2004-07-15 Ricoh Co Ltd インクジェット記録装置及び複写機
JP2005112577A (ja) * 2003-10-09 2005-04-28 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像記録装置
JP2005306025A (ja) * 2004-03-25 2005-11-04 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェット記録装置及び液塗布方法

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4566014A (en) * 1984-05-31 1986-01-21 The Mead Corporation Drop counter printer control system
EP0387619A3 (en) * 1985-05-31 1991-10-09 Hitachi Maxell Ltd. Method of and apparatus for making magnetic recording medium
JP2691007B2 (ja) * 1989-03-20 1997-12-17 株式会社日立製作所 真空連続処理装置
US5896154A (en) * 1993-04-16 1999-04-20 Hitachi Koki Co., Ltd. Ink jet printer
JPH0796603A (ja) * 1993-07-31 1995-04-11 Sony Corp インクジェット記録装置
US6094560A (en) * 1999-08-04 2000-07-25 Xerox Corporation Electrophotographic printing machine including a post-fusing substrate moisturizing and decurling device
JP3434252B2 (ja) * 1999-11-08 2003-08-04 シャープ株式会社 記録媒体搬送装置
US6397488B1 (en) * 2000-06-15 2002-06-04 Hewlett-Packard Company Apparatus and method for drying printing composition on a print medium
DE60110976T2 (de) * 2000-07-10 2006-04-27 Océ-Technologies B.V. Pulverbildübertragungssystem mit Wärmetauscher
US6663239B2 (en) * 2001-10-31 2003-12-16 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Microwave applicator for inkjet printer
US7052124B2 (en) * 2002-02-28 2006-05-30 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Ink assist air knife
US7315320B2 (en) * 2003-02-10 2008-01-01 Ricoh Company, Ltd. Optical writing system and method, and image forming apparatus receiving an external parameter
JP2006248173A (ja) * 2005-03-14 2006-09-21 Fuji Photo Film Co Ltd 画像記録装置
JP4714949B2 (ja) * 2005-04-26 2011-07-06 富士フイルム株式会社 画像形成方法及びインクジェット記録装置
JP2008120072A (ja) * 2006-10-20 2008-05-29 Seiko Epson Corp インクジェットプリンタ

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07304167A (ja) * 1994-05-13 1995-11-21 Hitachi Koki Co Ltd インクジェットプリンタ
JP2000203000A (ja) * 1999-01-08 2000-07-25 Minolta Co Ltd インク記録装置
JP2000318870A (ja) * 1999-05-12 2000-11-21 Fuji Xerox Co Ltd シート搬送装置
JP2001212955A (ja) * 2000-02-03 2001-08-07 Seiko Epson Corp インクジェットプリンタ
JP2002120386A (ja) * 2000-10-13 2002-04-23 Olympus Optical Co Ltd プリンタ
JP2002187264A (ja) * 2000-12-20 2002-07-02 Seiko Epson Corp インクジェット記録方法及び装置
JP2004195996A (ja) * 2001-06-21 2004-07-15 Ricoh Co Ltd インクジェット記録装置及び複写機
JP2003237164A (ja) * 2002-02-15 2003-08-27 Noritsu Koki Co Ltd 記録媒体処理装置
JP2003326778A (ja) * 2002-05-14 2003-11-19 Noritsu Koki Co Ltd 熱定着装置及び画像形成装置
JP2005112577A (ja) * 2003-10-09 2005-04-28 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像記録装置
JP2005306025A (ja) * 2004-03-25 2005-11-04 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェット記録装置及び液塗布方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013060302A (ja) * 2011-08-19 2013-04-04 Fujifilm Corp 画像形成装置、画像形成方法
US11890859B2 (en) 2020-08-27 2024-02-06 Ricoh Company, Ltd. Sheet heater, liquid discharge apparatus, and printer

Also Published As

Publication number Publication date
US20090244234A1 (en) 2009-10-01
JP5176684B2 (ja) 2013-04-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5176684B2 (ja) 記録装置及び記録方法
JP2009280320A (ja) 搬送装置及び搬送装置を備えた記録装置、記録媒体の搬送方法
US10569570B2 (en) Conveying device and printing apparatus
JP2009292646A (ja) 拘束装置及び記録装置
US8127709B2 (en) Image forming apparatus and foam application device
US8540337B2 (en) Image forming apparatus and foam application device
US20060170724A1 (en) Ink jet recording apparatus
WO2012153694A1 (ja) インクジェット記録装置
JP2006137027A (ja) 記録装置
JP5817438B2 (ja) インクジェットプリンタ用処理剤液塗布装置および画像形成システム
JP4726225B2 (ja) 印刷装置、搬送装置、及び印刷方法
JP2017030157A (ja) 印刷装置
JP2012066497A (ja) 画像形成装置および画像形成方法
JP2003251800A (ja) インクジェット記録装置
JP5312306B2 (ja) 媒体固定装置及び画像形成装置
JP6909422B2 (ja) 搬送装置及び印刷装置
JP6846009B2 (ja) 搬送装置及び印刷装置
US20140132690A1 (en) Liquid ejecting apparatus
JP2023085123A (ja) 画像形成装置
JPS59220385A (ja) インクジエツトプリンタ
JP6852282B2 (ja) 液体吐出装置
JP6846010B2 (ja) 搬送装置及び印刷装置
JP2009172870A (ja) ターゲット支持装置、ターゲット搬送機構及び液体噴射装置
JP2003001814A (ja) 画像形成装置
JP2020199654A (ja) 印刷装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110330

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120828

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121211

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121224

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5176684

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees