以下、添付図面を参照して、本発明に係る媒体固定装置及び画像形成装置について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る媒体固定装置が適用された画像形成装置としてのインクジェット記録装置の一実施形態を示す概略構成図である。
このインクジェット記録装置100は、描画部116の圧胴(描画ドラム170)に保持された記録媒体124(以下、単に「用紙」ともいう)にインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yから複数色のインクを打滴して所望のカラー画像を形成する圧胴直描方式のインクジェット記録装置であり、インクの打滴前に記録媒体124上に処理液(ここでは凝集処理液)を付与し、処理液とインク液を反応させて記録媒体124上に画像形成を行う2液反応(凝集)方式が適用されたオンデマンドタイプの画像形成装置である。
すなわち、図1に示すように、インクジェット記録装置100は、主として、給紙部112、処理液付与部114、描画部116、乾燥部118、定着部120、及び排紙部122を備えて構成されている。
給紙部112は、記録媒体124を処理液付与部114に供給する機構であり、当該給紙部112には、枚葉紙である記録媒体124が積層されている。給紙部112には、給紙トレイ150が設けられ、この給紙トレイ150から記録媒体124が一枚ずつ処理液付与部114に給紙されるようになっている。
本例のインクジェット記録装置100では、記録媒体124として、紙種や大きさ(用紙サイズ)の異なる複数種類の記録媒体124を使用することができる。給紙部112において各種の記録媒体をそれぞれ区別して集積する複数の用紙トレイ(図示省略)を備え、これら複数の用紙トレイの中から給紙トレイ150に送る用紙を自動で切り換える態様も可能であるし、必要に応じてオペレータが用紙トレイを選択し、若しくは交換する態様も可能である。なお、本例では、記録媒体124として、枚葉紙(カット紙)を用いるが、連続用紙(ロール紙)から必要なサイズに切断して給紙する構成も可能である。
処理液付与部114は、記録媒体124の記録面に処理液を付与する機構である。処理液は、描画部116で付与されるインク中の色材(本例では顔料)を凝集させる色材凝集剤を含んでおり、この処理液とインクとが接触することによって、インクは色材と溶媒との分離が促進される。
図1に示すように、処理液付与部114は、給紙胴152、処理液ドラム154、及び処理液塗布装置156を備えている。処理液ドラム154は、記録媒体124を保持し、回転搬送させるドラムである。処理液ドラム154は、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)155を備え、この保持手段155の爪と処理液ドラム154の周面の間に記録媒体124を挟み込むことによって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。処理液ドラム154は、その外周面に吸引孔を設けるとともに、吸引孔から吸引を行う吸引手段を接続してもよい。これにより記録媒体124を処理液ドラム154の周面に密着保持することができる。
処理液ドラム154の外側には、その周面に対向して処理液塗布装置156が設けられる。処理液塗布装置156は、処理液が貯留された処理液容器と、この処理液容器の処理液に一部が浸漬されたアニックスローラと、アニックスローラと処理液ドラム154上の記録媒体124に圧接されて計量後の処理液を記録媒体124に転移するゴムローラとで構成される。この処理液塗布装置156によれば、処理液を計量しながら記録媒体124に塗布することができる。
本実施形態では、ローラによる塗布方式を適用した構成を例示したが、これに限定されず、例えば、スプレー方式、インクジェット方式などの各種方式を適用することも可能である。
処理液付与部114で処理液が付与された記録媒体124は、処理液ドラム154から中間搬送部126を介して描画部116の描画ドラム170へ受け渡される。
描画部116は、描画ドラム170、用紙抑えローラ174、及びインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yを備えている。なお、図1では図示を省略しているが、用紙抑えローラ174は、2つのローラから構成され、上側(描画ドラム170の回転方向下流側)のローラのみが用紙搬送方向に沿って動き、下側のローラは固定されている。この用紙抑えローラ174を含む媒体固定装置の詳細については後述する。
描画ドラム170は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に記録媒体の先端部を保持固定する爪形状の保持手段(グリッパー)171を備えている。描画ドラム170に固定された記録媒体124は、記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面にインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yからインクが付与される。
インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yは、それぞれ記録媒体124における画像形成領域の最大幅に対応する長さを有するフルライン型のインクジェット方式の記録ヘッド(インクジェットヘッド)であり、そのインク吐出面には、画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルが複数配列されたノズル列が形成されている。各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yは、記録媒体124の搬送方向(描画ドラム170の回転方向)と直交する方向に延在するように設置されている。
描画ドラム170上に密着保持された記録媒体124の記録面に向かって各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yから、対応する色インクの液滴が吐出されることにより、処理液付与部114で予め記録面に付与された処理液にインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料)が凝集され、色材凝集体が形成される。これにより、記録媒体124上での色材流れなどが防止され、記録媒体124の記録面に画像が形成されるようになっている。
なお、本例では、CMYKの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定されない。
以上のように構成された描画部116により、記録媒体124に対してシングルパスで描画を行うことができる。
描画部116で画像が形成された記録媒体124は、描画ドラム170から中間搬送部128を介して乾燥部118の乾燥ドラム176へ受け渡される。
乾燥部118は、色材凝集作用により分離された溶媒に含まれる水分を乾燥させる機構であり、図1に示すように、乾燥ドラム176、及び溶媒乾燥装置178を備えている。
乾燥ドラム176は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)177を備え、この保持手段177によって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。
溶媒乾燥装置178は、乾燥ドラム176の外周面に対向する位置に配置され、複数のハロゲンヒータ180と、各ハロゲンヒータ180の間にそれぞれ配置された温風噴出しノズル182とで構成される。
各温風噴出しノズル182から記録媒体124に向けて吹き付けられる温風の温度と風量、各ハロゲンヒータ180の温度を適宜調節することにより、様々な乾燥条件を実現することができる。
また、乾燥ドラム176の表面温度は50℃以上に設定されている。記録媒体124の裏面から加熱を行うことによって乾燥が促進され、定着時における画像破壊を防止することができる。なお、乾燥ドラム176の表面温度の上限については、特に限定されるものではないが、乾燥ドラム176の表面に付着したインクをクリーニングするなどのメンテナンス作業の安全性(高温による火傷防止)の観点から75℃以下(より好ましくは60℃以下)に設定されることが好ましい。
乾燥ドラム176の外周面に、記録媒体124の記録面が外側を向くように(すなわち、記録媒体124の記録面が凸側となるように湾曲させた状態で)保持し、回転搬送しながら乾燥することで、記録媒体124の皺や浮きの発生を防止でき、これらに起因する乾燥ムラを確実に防止することができる。
乾燥部118で乾燥処理が行われた記録媒体124は、乾燥ドラム176から中間搬送部130を介して定着部120の定着ドラム184に受け渡される。
定着部120は、定着ドラム184、ハロゲンヒータ186、定着ローラ188、及びインラインセンサ190で構成される。定着ドラム184は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)185を備え、この保持手段185によって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。
定着ドラム184の回転により、記録媒体124は記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面に対して、ハロゲンヒータ186による予備加熱と、定着ローラ188による定着処理と、インラインセンサ190による検査が行われる。
ハロゲンヒータ186は、所定の温度(例えば、180℃)に制御される。これにより、記録媒体124の予備加熱が行われる。
定着ローラ188は、乾燥させたインクを加熱加圧することによってインク中の自己分散性ポリマー微粒子を溶着し、インクを被膜化させるためのローラ部材であり、記録媒体124を加熱加圧するように構成される。具体的には、定着ローラ188は、定着ドラム184に対して圧接するように配置されており、定着ドラム184との間でニップローラを構成するようになっている。これにより、記録媒体124は、定着ローラ188と定着ドラム184との間に挟まれ、所定のニップ圧(例えば、0.15MPa)でニップされ、定着処理が行われる。
また、定着ローラ188は、熱伝導性の良いアルミなどの金属パイプ内にハロゲンランプを組み込んだ加熱ローラによって構成され、所定の温度(例えば、60〜80℃)に制御される。この加熱ローラで記録媒体124を加熱することによって、インクに含まれるラテックスのTg温度(ガラス転移点温度)以上の熱エネルギーが付与され、ラテックス粒子が溶融される。これにより、記録媒体124の凹凸に押し込み定着が行われるとともに、画像表面の凹凸がレベリングされ、光沢性が得られる。
なお、図1の実施形態では、定着ローラ188を1つだけ設けた構成となっているが、画像層厚みやラテックス粒子のTg特性に応じて、複数段設けた構成でもよい。
一方、インラインセンサ190は、記録媒体124に定着された画像について、チェックパターンや水分量、表面温度、光沢度などを計測するための計測手段であり、CCDラインセンサなどが適用される。
上記の如く構成された定着部120によれば、乾燥部118で形成された薄層の画像層内のラテックス粒子が定着ローラ188によって加熱加圧されて溶融されるので、記録媒体124に固定定着させることができる。また、定着ドラム184の表面温度は50℃以上に設定されている。定着ドラム184の外周面に保持された記録媒体124を裏面から加熱することによって乾燥が促進され、定着時における画像破壊を防止することができるとともに、画像温度の昇温効果によって画像強度を高めることができる。
なお、熱可塑性樹脂粒子を含んだインクに代えて、UV硬化性樹脂などの活性光線硬化性樹脂を含んだインクを用いる場合には、加熱定着の定着ローラ188に代えて、UVランプや紫外線LD(レーザダイオード)アレイなど、活性光線を照射する手段が設けられる。
定着部120に続いて排紙部122が設けられている。排紙部122には、排紙ユニット192が設置される。定着部120の定着ドラム184から排紙ユニット192までの間に、渡し胴194、搬送チェーン196が設けられている。搬送チェーン196は、張架ローラ198に巻き掛けられている。定着ドラム184を通過した記録媒体124は、渡し胴194を介して、搬送チェーン196に送られ、搬送チェーン196から紙ユニット192へと受け渡される。
また、図1には示されていないが、本例のインクジェット記録装置100は、上記構成の他、各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yにインクを供給するインク貯蔵/装填部、処理液付与部114に対して処理液を供給する手段を備えるとともに、各インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yのクリーニング(ノズル面のワイピング、パージ、ノズル吸引等)を行うヘッドメンテナンス部や、用紙搬送路上における記録媒体124の位置を検出する位置検出センサ、装置各部の温度を検出する温度センサなどを備えている。
次に、図1のインクジェット記録装置100に適用された媒体固定装置について説明する。
図2に、本発明の実施形態に係る描画ドラム170を斜視図で示す。なお、ここでは描画ドラム170について、記録媒体124の保持固定機能を説明するが、これについては他の搬送ドラムも同様の構成である。
図2に示すように、描画ドラム170は、円筒形状を有し、回転軸202が長手方向の両端部において軸受204で支持され、回転軸202を回転させることで、ドラム外周面206に保持されて記録媒体(ここでは図示省略)が所定の方向に搬送されるようになっている。
また前述したように、描画ドラム170の外周面206には記録媒体の先端部を保持固定する爪形状の保持手段171が複数設けられている。図2では、描画ドラム170の回転軸202を挟んで対称となる位置に2つの保持手段171が設けられている。なお、設けられる保持手段171の個数は、このように2つに限定されるものではなく、外周面を3等分する位置に3つの保持手段を備えるようにしてもよい。
なお、詳しい図示は省略するが、保持手段171は、描画ドラム170の外周面206にドラム長手方向に沿って形成された凹部内に記録媒体124の先端部を挟み込んで挟持する複数のグリッパーを有して構成されている。
描画ドラム170の外周面206のう、図にハッチングで示した、記録媒体124を吸着保持する記録媒体保持領域208には、吸着穴が所定の配置パターンで複数設けられている。吸着穴は、描画ドラム170内部の吸着管路と連通し、この吸着管路は描画ドラム170内部の真空管路(ともに図示省略)と連通し、さらにこの真空管路は描画ドラム170の側面部に設けられる図示を省略した連結部等を介して真空ポンプ及びコンプレッサーと接続されている。
記録媒体124を記録媒体保持領域208に保持した状態で真空ポンプを動作させ、描画ドラム170内の真空管路、吸着管路を介して外周面206の記録媒体保持領域208の吸着穴に真空(負圧)を発生させることで、記録媒体保持領域208に記録媒体124を真空吸着することができる。
一方、真空ポンプとコンプレッサーの接続を切り換えて、記録媒体保持領域208に記録媒体124を置かない状態で、コンプレッサーを動作させて圧縮空気を供給すると、上述した描画ドラム170の真空管路、吸着管路を介して外周面206の吸着穴から圧縮空気(エア)が排出され、吸着管路内及び吸着穴の内部に進入したインクミストや紙粉などをエアとともに排出することができる。
また、図3は、描画ドラム170の吸着保持機能を説明するための分解斜視図である。
図3に示すように、描画ドラム170は、ドラム本体部210、中間シート212、吸着シート214を含んでいる。なお、図3では、保持手段171によって2分された外周面の片側だけについて中間シート212及び吸着シート214を表示したが、もちろん他方の側についても同様である。
吸着シート214には、多数の吸着穴216が形成されている。また、中間シート212には、各吸着穴216と連通する複数の吸着溝218が所定の配列パターンに従って設けられている。さらに、各吸着溝218の軸方向中央部には他の部分よりも幅の狭い絞り部220が設けられており、ドラム本体部210には、この絞り部220と連通するドラム吸着溝222が設けられている。
ドラム吸着溝222は、図3に示すように、ドラム本体部210の半周分に対して2本ドラム吸着溝222A,222Bを備える態様でもよいし、3本以上のドラム吸着溝でドラム本体部210の半周分をカバーしてもよい。なお、必要な吸着圧力や真空ポンプの容量によってはドラム本体部210の半周分を1本のドラム吸着溝222でカバーすることも可能である。しかし、ドラム本体部210の半周分を1本のドラム吸着溝222でカバーすると、ドラム吸着溝222に接続される中間シート212の吸着溝218の数が多くなってしまい、効率が悪くなるので、少なくとも2本のドラム吸着溝222A、222Bによってドラム本体部210の半周分をカバーする構造が好ましい。
また、ドラム吸着溝222Aの一方の端部にはドラム吸着穴224が設けられ、ドラム吸着溝222Aは、ドラム吸着穴224を介してドラム本体部210の内部に設けられた真空流路(図示省略)と連通されている。なお、ドラム吸着溝222Bについても同様である。
描画ドラム170は、ドラム本体部210のドラム吸着溝222と中間シート212の絞り部220の位置合わせがされ、ドラム本体部210の外周面206に中間シート212を巻きつけて密着させて固定するとともに、吸着シート214に設けられる吸着穴216が中間シート212のいずれかの吸着溝218と連通するように、中間シート212の吸着溝218と吸着シート214の吸着穴216の位置合わせがされ、中間シート212の上に吸着シート314を巻きつけて密着させて固定した構造を有している。
吸着シート214に設けられる吸着穴216の配置パターンは、中間シート212の吸着溝218のパターンに対応していることが好ましい。このとき、吸着穴216のうち、吸着溝218と連通しないものがあってもよい。
次に、本実施形態において、最も好ましい吸着シート214の吸着穴216の配置パターンについて説明する。
図4に、本実施形態において最も好ましい吸着穴216の配置パターンを有する吸着シート214のイメージ図を示す。図4に示すものはあくまでイメージであり、実際の吸着シートそのもの(吸着穴の形や個数等)を表すものではない。
吸着シート214には、多数の吸着穴216が所定の配置パターンに従って設けられている。すなわち、図4に示すように、本実施形態においては、吸着シート214の中央部と四隅において吸着穴216が密に配置され、その他の部分は吸着穴216が疎に配置されている。
このように、吸着シート214の吸着穴216の配置を中央部及び四隅を密にし、それ以外の部分を疎にするような配置パターンとしたことにより、記録媒体124に対する吸着力を、媒体中央部と媒体四隅の方がその他の部分よりも強くすることができる。
吸着穴216の配置を、基本的に中央部を密にして外へ行くほど疎になるようにしたのは、皺が紙の端部の方へ逃げやすくするためである。また、四隅も吸着穴216の配置を密にしたのは、記録媒体124の先端部や後端部が浮きやすいので(いわゆる、頭浮き、尻浮き)、先端部や後端部で記録媒体124が浮くのを防止するためである。
図4において、吸着シート214の縦方向は、略描画ドラム170のドラム本体部210の半周分の長さであり、吸着シート214の横方向は、略描画ドラム170のドラム本体部210の軸方向の長さである。また、実際の吸着シート214の描画ドラム170の周方向の両端は、ドラム本体部210に固定するための折り返し構造を有している。
また吸着シート214は実際には、中間シート212の絞り部220(図3参照)に対応する部分を非開口部として吸着穴を設けないことで、絞り部220の圧力損失を制限する(圧力損失を絞る)機能を確保するようにすることが好ましい。
吸着シート214は、吸着圧力によって凹まない厚みが必要であり、かつ、ドラム本体部210に巻きつけてドラム本体部210(中間シート212)に密着させるためには薄いことが好ましい。吸着シートの厚みは、使用する材料の剛性及び柔軟性を考慮して、適宜厚みを決めるとよい。
図では吸着穴216は円形として表されているが、記録媒体124をドラム本体部210に固定した状態では、吸着圧力による記録媒体124の変形量は周方向よりも軸方向のほうが大きくなるので、吸着穴216は、周方向を長軸方向、軸方向を短軸方向とした楕円形状又は長穴形状とすることで、記録媒体124の周方向の変形と軸方向の変形が均等になり、好ましい。また、吸着シート214の開口率を高めるために、開口形状(吸着穴の形状)を六角形などの多角形形状にする態様も好ましい。
次に、吸着シート214及び中間シート212の固定方法について説明する。
先ず、中間シート212の上に吸着シート214を重ねてドラム本体部210に巻きつける。吸着シート214及び中間シート212に位置合わせ用のマーク、形状を設けておくことで、容易に、かつ、正確に2枚のシートの位置を合わせることが可能となる。
次に、吸着シート214の一方の折り曲げ構造及び中間シート212の折り曲げ構造をドラム本体部210の挟持構造(図示省略)に挿入し、固定する。吸着シート214の折り曲げ構造と、中間シート212の折り曲げ構造に切り欠きを設けておき、挟持構造に該切り欠きと嵌合する凸部を設けておくことで、吸着シート214の一方の折り曲げ構造及び中間シート212の折り曲げ構造をドラム本体部210の挟持構造に挿入したときの、吸着シート214、中間シート212及びドラム本体部210の位置合わせを容易、かつ、正確に行うことができる。
吸着シート214の他方の折り曲げ構造をドラム本体部210の引張機構(図示省略)に取り付けるとともに、この引張機構によって周方向に沿ってテンションをかける。中間シート212の折り曲げ構造が設けられていない側の端部は、吸着シート214とドラム本体部210の間にはさんで密着させる。
このようにして、ドラム本体部210の外周面206の曲面に沿って、吸着シート214及び中間シート212を密着させた状態で固定することができる。
本例では、2枚のシート(吸着シート214及び中間シート212)を組み合わせて、真空流路の一部を形成する態様を例示したが、吸着シート214及び中間シート212を共通化した1枚のシートに吸着穴216、吸着溝218及び絞り部220を形成してもよい。例えば、1枚のシートの一方の面に吸着穴216の加工を行い、他方の面に吸着溝218及び絞り部220の加工を行うことで、吸着シート214及び中間シート212を1枚のシートで実現することも可能である。
以上のように構成された描画ドラム170により、記録媒体124を描画部116に保持搬送し、インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yから複数色のインクを打滴して記録媒体124上に所望のカラー画像が形成される。
すなわち、記録媒体124を描画ドラム170の外周面206に密着させた後に、上で説明した真空吸着によって、記録媒体124は描画ドラム170の外周面206(記録媒体保持領域208、図2参照)に吸着固定され、描画ドラム170の外周面206から浮き上がりのない状態で、インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yの直下の印字領域に送られる。そして、インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yのそれぞれから吐出されたカラーインクによって記録媒体124上に所望の画像が形成される。
次に、本実施形態における媒体固定装置の皺のばし機構について説明する。
図5に、描画ドラム170の周辺を拡大して示す。
図5に示すように、描画ドラム170の両側には、それぞれ中間搬送部(中間搬送ドラム)126及び128が配置され、描画ドラム170の上部にはインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yが配置されている。描画ドラム170は、記録媒体124(ここでは図示を省略)の先端部を保持する保持手段(グリッパー)171を周上180度対称な位置に備えており、同様に中間搬送部(中間搬送ドラム)126及び128もそれぞれ保持手段127及び129を備えている。
また、描画ドラム170は、用紙抑えローラ174を有しており、用紙抑えローラ174は、第1のローラ174A及び第2のローラ174Bの2つのローラから構成されている。ここで、図で上側に配置された第1のローラ174Aは図に矢印で示したように描画ドラム170の周面に沿って移動可能であり、一方下側に配置された第2のローラ174Bは固定されている。
前述したように、処理液付与部114(図1参照)で処理液が付与された記録媒体124は、処理液ドラム154から中間搬送部126を介して描画部116の描画ドラム170へ受け渡され、描画ドラム170の外周面に真空吸着によって保持固定された記録媒体124は、記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面にインクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yからインクが付与されて、記録媒体124の記録面に画像が形成されるようになっている。
次に、本実施形態の媒体固定装置における皺のばしの動作を図6のフローチャートに沿って説明する。
また、図7は、記録媒体124の先端の位置と描画ドラム170の周面に沿って移動する第1のローラ174Aの位置を示す線図である。図7は、第1のローラ174Aが停止している当初の位置(停止位置)から、記録媒体124の搬送方向下流側に記録媒体124の搬送方向の長さlの半分(l/2)の距離までの間において、記録媒体124の先端部と第1のローラが移動する様子を、縦軸に第1のローラ174Aの停止位置からの距離Xをとり、横軸に記録媒体124が第1のローラ174Aの停止位置に到達してからの時刻Tをとって、グラフで示したものである。
また、図8は、図7中の符号(a)〜(e)で示した位置における記録媒体124と第1のローラ174A及び第2のローラ174Bの位置関係を平面状にして表示したものであり、各図の上方向が記録媒体124搬送方向である。
以下、これらの図7及び図8を参照しつつ、図6のフローチャートに沿って説明する。
まず図6のステップS100において、中間搬送部126から描画ドラム170に記録媒体124が搬送されて来ると、描画ドラム170の爪形状の保持手段171(グリッパー)が記録媒体124の先端部を掴んで記録媒体124を保持する。そしてステップS110において、真空吸着により記録媒体124を描画ドラム170の外周面206(記録媒体保持領域208、図2参照)に吸着する。このとき、記録媒体124の中央部を強く、かつ端部に向けて弱く吸着する。なお、記録媒体124の四隅においても強く吸着して頭浮き及び尻浮きを防止することが好ましい。
そして記録媒体124を描画ドラム170の外周面206に保持固定して搬送する。記録媒体124が搬送されて、その先端部が第1のローラ174Aの停止位置にきた状態が図7の(a)の位置である。また、このときの状態を図8(a)に示す。このように第1のローラ174Aは移動前(しごき動作を開始する前)は第2のローラ174Bに隣接した位置に停止しているので、これは第2のローラ174Bの位置と略同一である。
なお、しごき動作を開始する前においては、第1のローラ174A及び第2のローラ174Bはいずれも記録媒体124とは接触しないように描画ドラム170から離れて浮き上がった位置に待機している。そのため、記録媒体124が所定位置まで搬送されてしごき動作が開始されるまでは、記録媒体124は第1のローラ174A及び第2のローラ174Bには接触せずにこれらのローラの下を搬送される。これによって、記録媒体124の先端部が第1のローラ174A及び第2のローラ174Bの下を通過する際、先端部から搬送方向とは逆方向にしごかれて皺が寄ってしまうことが防止される。
そして、ステップS120において、記録媒体124の先端部が、第1のローラ174Aが停止している位置を記録媒体124の長さlの4分の1以上(l/4以上)通過したところで、図7に示す時刻t1において、保持手段171(グリッパー)による記録媒体124の保持を一時解放する。
その後、ステップS130において、記録媒体124の先端部が第1のローラ174Aの停止位置よりも記録媒体124の長さlの半分(l/2)だけ通過する前に、図7に示す時刻t2において、第1のローラ174Aは浮き上がった待機位置から下降し、記録媒体124に接触し、記録媒体124を描画ドラム170に押し付けながら、記録媒体124搬送方向に向けて移動を開始し、記録媒体124を先端部に向けてしごき始める。
このときの状態が図7の(b)の位置であり、図8(b)に示す状態が対応する。図8(b)に示すように、第1のローラ174Aは、搬送される記録媒体124を、その搬送方向に追いかけるように移動して、記録媒体124を中央部から先端部に向けてしごいて行く。このとき、もちろん第1のローラ174Aが移動する速さは記録媒体124の搬送速度よりも速くなければならない。
また、このとき、第1のローラ174Aと同時に第2のローラ174Bも浮き上がった待機位置から下降し、記録媒体124に接触し、記録媒体124を描画ドラム170に押し付けるが、第2のローラ174Bは固定されているので、記録媒体124が搬送されるのに伴い、記録媒体124は第2のローラ174Bによって、中央部から後端部に向けて自動的にしごかれて行く。
このとき、記録媒体124の先端部が第1のローラ174Aの停止位置を記録媒体124の長さlの半分(l/2)だけ通過し、記録媒体124の中央部が第1のローラ174Aの位置にきたときに、第1のローラ174Aがしごきを開始すると、第1のローラ174Aが記録媒体124の中央部から先端部まで丁度l/2だけしごくことができるので理想的である。しかし、実際にはスペースの関係から第1のローラ174Aがヘッドに当たってしまったり、第1のローラ174Aが非常な高速で移動しなければならない等の様々な問題が生じるため困難である。
このように、記録媒体124をできるだけ長い範囲しごこうとすると、第1のローラ174Aがしごきを開始するタイミングはなるべく遅い方がよいが、あまり遅過ぎて記録媒体124の先端部が第1のローラ174Aの停止位置をl/2以上過ぎてからしごきを開始したのでは、第1のローラ174Aの移動速度にもよるが、先端部までしごききれない場合もある。
そこで、現実的には、図7に示すように、記録媒体124の先端部が、第1のローラ174Aの停止位置から記録媒体124の長さのl/4乃至l/3程度の距離だけ進んだときに、第1のローラ174Aが動き始め、記録媒体124の先端部に向けてしごき、記録媒体124の先端部がインクジェットヘッドの手前に来るまでに、先端部までしごき終わるような速度で第1のローラ174Aが移動することが好ましい。これにより、第1のローラ174Aによるしごきの距離をできるだけ長くすることができる。
なお、第1のローラ174Aが移動しながら記録媒体124をしごく際、第1のローラ174Aは回転しながら移動してもよいが、特に回転することなく単に移動するだけで記録媒体124を充分にしごくことができる。そこで、ローラの代わりにブレードを用いてもよい。このとき移動するローラ及び固定されるローラ両方ともブレードにしてもよいし、ローラとブレードを片方ずつ組み合わせて用いるようにしてもよい。
このようにして、図7に示す時刻t3(同時に符号(c)の位置)において第1のローラ174Aは記録媒体124の先端部に追いつき記録媒体124の前半部のしごきを完了する。このときの状態を図8(c)に示す。その後さらに記録媒体124を搬送すると、第2のローラ174Bによって、記録媒体124の中央部から後端部に向けて、記録媒体124の後半分がしごかれる。
そして、記録媒体124の中央部から先端部まで第1のローラ174Aによるしごきが終了したら、ステップS140において、図7に示す時刻t3において再び保持手段171(グリッパー)により記録媒体124の先端部を掴み、記録媒体124を描画ドラム170の記録媒体保持領域208(図2参照)に保持固定する。
その後、描画ドラム170は、記録媒体124を保持固定してインクジェットヘッドの下まで搬送し、インクジェットヘッド172M、172K、172C、172Yからインクが付与されて、記録媒体124の記録面に画像が形成されるが、図7の記録媒体124先端部の位置を示すグラフは、該先端部が第1のローラ174Aの停止位置からl/2だけ進んだところから先は表示を省略している。
第1のローラ174Aは、その後、最初の停止位置まで戻り、次に搬送されてくる記録媒体124’を上と同様にしてしごきを行う。
この次の記録媒体124’をしごくために、第1のローラ174Aが最初の位置(停止位置)に戻る動作を、図7及び図8により説明する。
図7に(c)の位置で示すように、第1のローラ174Aが記録媒体124の先端部までしごいたら、(d)の位置で示すように、第1のローラ174Aはもとの位置に引き返す。すなわち図8(d)に示すように、記録媒体124は続けていままでの搬送方向に搬送されて行くが、第1のローラ174Aは記録媒体124の搬送方向とは逆方向に移動して、固定された第2のローラ174Bに隣接する元の位置(停止位置)に戻って行く。また、次の記録媒体124’が搬送されてきている。
このとき、第1のローラ174Aは、描画ドラム170に接触したまま戻り、記録媒体124の後端部へ向けて(後端部側は一度第2のローラ174Bによってしごかれているのであるが)再度しごいてもよいし、描画ドラム170には接触しないように浮き上がって戻るようにしてもよい。また、図8(d)に示すように、記録媒体124が第2のローラ174Bの下を通過した後は、第2のローラ174Bは浮き上がった待機位置に移動して次の記録媒体124’を待つ。
次の記録媒体124’も前の記録媒体124と同様に描画ドラム170の爪形状の保持手段171(グリッパー)によってその先端部を保持されて、真空吸着により描画ドラム170の外周面206(記録媒体保持領域208、図2参照)に吸着されて搬送される。
そして、図7の時刻t4において、次の記録媒体124’が第2のローラ174Bの位置まで搬送され、時刻t5において、記録媒体124’の先端部が第2のローラ174Bの位置からl/4の距離まで搬送されると、前と同様に保持手段171(グリッパー)による記録媒体124’の保持が一時解放される。
そして前と同様に、記録媒体124’の先端部が第2のローラ174Bの位置からl/4以上l/2未満の距離だけ進んだ図7に示す所定の時刻t6において、第1のローラ174A及び第2のローラ174Bは浮き上がった位置から下降して次の記録媒体124’に接触し、7の(e)の位置で示すように、第1のローラ174Aによるしごきが開始される。なおこのとき、同時に第2のローラ174Bも記録媒体124’を略中央部から後端側へ向けてしごき始めている。
このように時刻t6において次の記録媒体124’のしごき動作が開始されるので、この時刻t6までに第1のローラ174Aはもとの位置にもどらなければならない。第1のローラ174Aが図7に(c)で示す位置からもとの位置にもどる際、もどり始めは描画ドラム170と接触していてもよいが、第1のローラ174Aが次に搬送されて来る記録媒体124’の先端部と接触する位置以降においては描画ドラム170とは接触せずに浮き上がっていなければならない。少なくとも図7に示す時刻t4以降において浮き上がらせるようにすればよいが、戻る場合には完全に浮き上がって戻るように構成してもよい。
そして、図8(e)に示すように、もとの位置に戻った第1のローラ174Aは再び記録媒体124’の搬送方向に向かって描画ドラム170に接触しつつ移動を開始し、記録媒体124’の略中央部からその先端部に向かって記録媒体124’をしごいて行く。そして、記録媒体124’の先端部のしごき始めからの距離が略l/2となる時刻t7において第1のローラ174Aは先端部まで到達してしごきを終了する。しごき終了後、時刻t7において前と同様に保持手段171(グリッパー)が記録媒体124’の先端部を再度掴んで保持し、記録媒体124’はインクジェットヘッドの下へと搬送されて行く。
このように図7に水平方向の矢印で示したように、保持手段171(グリッパー)が記録媒体124(記録媒体124’)を一時解放〜再度保持する時刻の範囲t1〜t3(t5〜t7)の任意の時点において第1のローラ174Aによるしごきを開始するようにすればよい。
なお、第1のローラ174Aを、浮き上がらせることなく、描画ドラム170に接触させたまま戻す場合には、図9に示すように、次の記録媒体124’が第2のローラ174Bの位置に搬送される時刻t4までに第1のローラ174Aをもとの位置(停止位置)まで戻すようにすればよい。ただし、この場合でも、次の記録媒体124’の先端部が各ローラの下をしごきが開始される所定位置まで通過するまでは、これらの第1のローラ174A及び第2のローラ174Bは浮き上がった位置に待機していなければならない。
次に、吸着シートの吸着穴の配置パターン、保持手段(グリッパー)による保持/解放、しごきの方向を様々に変えて実験を行った結果を次の表1に示す。
表1に示すように、まず保持手段(グリッパー)が記録媒体の先端部を掴んだままで搬送しながらしごく場合は、しごき方によらず皺が発生してしまい、判定は×である。
また、保持手段(グリッパー)が記録媒体の先端部を一度放してしごいた後再度掴むようにした場合には、しごき方が一方向(前→端)の場合には皺が発生し、判定は×である。
そして、保持手段(グリッパー)が記録媒体の先端部を一度放してしごいた後再度掴むようにした場合にしごき方が双方向(中央→端)とした場合であっても、吸着シートが全面略均一に吸着穴が配置された通常の配置パターンの場合には、先頭部に皺が発生してしまい、判定としては△である。
そして最も良いのは、保持手段(グリッパー)が記録媒体の先端部を一度放してしごいた後再度掴むようにした場合にしごき方が双方向(中央→端)とした場合であって、さらに吸着シートを本実施形態のように、吸着力を中央部を強く、周辺部ほど弱くした場合であり、この場合には皺の発生はみられず、判定は唯一○であった。
結果として、表1の8番の保持手段(グリッパー)が記録媒体の先端部を一度放してしごいた後再度掴むようにし、しごき方を双方向(中央→端)とし、さらに吸着シートを吸着力を中央部を強く周辺部ほど弱くした場合が良好で判定○であり、4番の保持手段(グリッパー)が記録媒体の先端部を一度放してしごいた後再度掴むようにし、しごき方を双方向(中央→端)とし、吸着シートを通常の配置パターンとした場合は、皺は発生するが許容範囲内で判定△であり、その他の場合はすべて皺が発生してしまい判定は×であった。
以上説明したように、本実施形態においては、記録媒体を中央部から先端部、後端部それぞれに向かって双方向にしごくことで、皺を一方向に寄せないようにして、皺に対応したものである。そのため、例えば記録媒体の縦方向(搬送方向)の中央部を白抜きとし両端にベタ画像を記録したような画像の場合に、従来のように一方向に皺を寄せてしまうと記録媒体の後端部の中央に大きな浮きや皺が生じてしまっていたのに対して、同様の画像に対して本実施形態図6のフローチャートに示したような皺のばし方法を適用すると、皺が分散できることが確認された。
このように本実施形態は、上記特許文献1〜3に記載された発明が備えていない下記3つの特徴を有している。
(1)記録媒体中央部を強く、周辺部ほど弱く吸着する。そのため例えば吸着シートの吸着穴の配置パターンを中央部が密に、周辺部が疎となるようにする。ただし、四隅は記録媒体の浮き防止のため密とする。
(2)記録媒体を吸着した後、一度記録媒体を掴んだ保持手段(グリッパー)を解放し、記録媒体をしごいた後、再度記録媒体を掴むようにする。
(3)記録媒体の先頭から尻に向けたしごきだけでなく、記録媒体の中央部からそれぞれ両端部に向けた双方向のしごきを行う。
これにより、例えば、両面印刷における裏面印刷時などのように、表面印刷で3次元変形した紙の裏面に印刷する場合に、記録媒体後端部中央に皺が寄るのを防ぎ、記録媒体外側に皺が逃げやすくすることができるとともに、記録媒体先端側においても浮きや皺を逃げやすくすることができる。
上で説明した例では、記録媒体を搬送ドラムに吸着するのに真空吸着方式を用いたが、吸着方法はこれに限定されるものではなく、例えば静電吸着方式でもよい。静電吸着の場合にも、記録媒体を吸着する際の吸着力が、記録媒体の中央部及び四隅の方がその他の部分よりも強くなるように構成されていることが好ましい。
以上、本発明の媒体固定装置及び画像形成装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。