JP5543988B2 - 用紙搬送装置及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、用紙搬送装置及びインクジェット記録装置に係り、特に用紙をドラムで搬送する技術に関する。
枚葉紙に印刷する印刷装置の用紙搬送方式として、ドラム搬送方式が知られている。ドラム搬送方式では、ドラムの周面に用紙(枚葉紙)を巻き付け、ドラムを軸周りに回転させることにより、用紙を搬送する。
ドラム搬送方式を採用する印刷装置において、高品質な画像を印刷するためには、シワや浮きなどを発生させずに、用紙を搬送することが必要とされる。特に、インクジェット方式で印刷する印刷装置では、用紙に浮きやシワが発生すると、印刷品位を低下させるだけでなく、浮いた用紙によってヘッドのノズル面が擦れてしまうという問題がある。
特許文献1には、ドラム搬送方式を採用するインクジェット記録装置において、用紙に浮きやシワが発生するのを防止するために、ドラムに用紙を巻き付ける際、用紙にバックテンション(用紙の搬送方向と逆方向のテンション)を付与しながら巻き付ける方法が記載されている。この方法によれば、用紙が伸ばされながらドラムに巻き付けられるため、シワや浮きの発生を抑制することができる。
また、特許文献2から5には、用紙にバックテンションを付与する場合において、用紙の種類や厚さ等に応じて、付与するバックテンションを変える技術が記載されている。
特開2009-220954号公報 特開2009-279870号公報 特開平04-018381号公報 特開平11-314417号公報 特開2011-025498号公報
ところで、従来の用紙搬送装置では、用紙にバックテンションを付与する場合、用紙の幅方向の全域で均一なテンションが作用するようにバックテンションを付与している。
しかしながら、このようなバックテンションの付与方法では、シワを後方に伸ばすことはできても、分散させることができないため、極端にカックルが多い紙などを対象とした場合に、シワが後方に溜まってしまうという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、シワや浮きを生じさせずに搬送することができる用紙搬送装置及びインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段は、次のとおりである。
用紙搬送装置の第1の態様は、枚葉の用紙を搬送する用紙搬送装置において、外周面上に用紙を巻き付けて回転することにより、用紙を搬送するドラムと、ドラムの外周面上の所定位置で用紙の表面を押圧して、用紙の裏面をドラムの外周面に密着させる押圧ローラと、ドラムに巻き付けられる用紙の表面又は裏面を吸着する吸着面を有し、用紙の幅方向の中央から幅方向の両端に向かって吸着力が低くなるように用紙の表面又は裏面を吸着して、用紙にバックテンションを付与するバックテンション付与手段と、を備える態様である。
本態様によれば、ドラムに巻き付けられる用紙の表面又は裏面を吸着して、ドラムに巻き付けられる用紙にバックテンションを付与するバックテンション付与手段が備えられる。バックテンション付与手段は吸着面を有し、この吸着面で用紙の表面又は裏面を吸着して、用紙にバックテンションを付与する。この際、用紙の幅方向の中央から幅方向の両端に向かって吸着力が低くなるように用紙の表面又は裏面を吸着する。これにより、シワが幅方向に分散され、用紙の後端にシワが溜まるのを防止できる。
用紙搬送装置の第2の態様は、上記第1の態様において、バックテンション付与手段は、吸引室と、吸着面に多数形成され、吸引室に連通される吸着孔と、吸引室を吸引する吸引手段と、を有し、吸着孔による吸着面の開口率が吸着面の幅方向の中央から幅方向の両端に向かって減少するように、吸着孔が吸着面に形成されて、吸着力が用紙の幅方向の中央から幅方向の両端に向かって低くなるように形成される態様である。
本態様によれば、用紙は吸着面に形成された多数の吸着孔から吸引されて、吸着面に吸着される。吸着面は、幅方向の中央から幅方向の両端に向かって開口率(開口している面積の割合)が減少するように、吸着孔が形成される。これにより、用紙の幅方向の中央から幅方向の両端に向かって吸着力が低くなるように形成される。
用紙搬送装置の第3の態様は、上記第2の態様において、吸着面の幅方向の両端の近くに配置される吸着孔ほど開口面積が小さく形成される態様である。
本態様によれば、吸着面の幅方向の両端の近くに配置される吸着孔ほど開口面積が小さくなるようにして、吸着孔が吸着面に形成される。すなわち、吸着面には、幅方向の両端に近づくほど径の小さい吸着孔が形成される。これにより、吸着孔による吸着面の開口率が、幅方向の中央から幅方向の両端に向かって減少するように形成される。
用紙搬送装置の第4の態様は、上記第3の態様において、吸着孔が拡縮可能に形成され、吸着孔の開口面積が調整可能である態様である。
本態様によれば、吸着孔が拡縮可能に形成される。これにより、吸着孔の開口面積をコントロールすることができ、用紙に応じて吸着力をコントロールすることができる。
用紙搬送装置の第5の態様は、上記第2の態様において、吸着面の幅方向の中央から幅方向の両端に向かうほど吸着孔の配置密度が小さくなるように形成される態様である。
本態様によれば、幅方向の中央から幅方向の両端に向かうほど吸着孔の配置密度が小さくなるようにして、吸着孔が吸着面に形成される。すなわち、幅方向の中央から幅方向の両端に向かうほど隣り合う吸着孔の間隔が粗に形成される(幅方向の中央に向かうほど隣り合う吸着孔の間隔が密に形成される。)。
用紙搬送装置の第6の態様は、上記第1の態様において、バックテンション付与手段は、吸着面の幅に対応する幅を有する吸引室と、吸着面の全面に均等に配置され、吸引室に連通される多数の吸着孔と、吸引室の内部を幅方向に沿って複数の部屋に区分けする複数の仕切壁と、各部屋を個別に吸引する吸引手段と、を有し、各部屋を吸引する吸引力を個別に調整して、吸着力が調整される態様である。
本態様によれば、吸着面の全面に均等に吸着孔が配置され、この吸着孔が連通される吸引室を吸引することにより、用紙が吸着面に吸着される。吸引室は、複数の仕切壁によって、内部が複数の部屋に区分けされており、各部屋が吸引手段によって個別に吸引される。したがって、各部屋の吸引力を個別に調整することにより、幅方向の各領域での吸着力を調整することができる。
用紙搬送装置の第7の態様は、上記第6の態様において、吸引手段は、各部屋に個別に連通される個別吸引管と、各個別吸引管に個別に接続される個別吸引ポンプと、各個別吸引管に個別に設けられ、開口量が調整可能な個別バルブと、を備え、各個別バルブの開口量を個別に調整して、吸引力が調整される態様である。
本態様によれば、仕切壁によって区分けされた各部屋に個別に個別吸引管が連通される。そして、各個別吸引管に個別吸引ポンプと個別バルブとが個別に設けられる。個別吸引ポンプは、一定の駆動力で駆動され、個別バルブの開口量を個別に調整することにより、各部屋の吸引力が調整される。
用紙搬送装置の第8の態様は、上記第6の態様において、吸引手段は、各部屋に個別に連通される個別吸引管と、各個別吸引管が接続される共通吸引管と、共通吸引管に接続される共通吸引ポンプと、各個別吸引管に個別に設けられ、開口量が調整可能な個別バルブと、を備え、各個別バルブの開口量を個別に調整して、吸引力が調整される態様である。
本態様によれば、仕切壁によって区分けされた各部屋に個別に個別吸引管が連通される。各個別吸引管は、共通吸引管を介して共通の共通吸引ポンプに接続される。各個別吸引管には、個別に個別バルブが設けられ、この個別バルブの開口量を個別に調整することにより、各部屋の吸引力が調整される。
用紙搬送装置の第9の態様は、上記第6から8のいずれか1の態様において、用紙の情報を取得する用紙情報取得手段と、用紙情報取得手段で取得された用紙の情報に基づいて吸引手段を制御する制御手段と、を更に有する態様である。
本態様によれば、用紙の情報に基づいて吸引手段が制御される。これにより、用紙に応じた吸着力で用紙を吸着することができ、用紙ごとに適切なバックテンションを付与することができる。
用紙搬送装置の第10の態様は、上記第9の態様において、用紙情報取得手段は、用紙の種類、厚さ、透気度、印刷済み用紙か否かの少なくとも1つの情報を取得する態様である。
本態様によれば、用紙の種類、厚さ、透気度、印刷済み用紙か否か(両面印刷する場合における裏面側の印刷か否か)の少なくとも1つの情報に基づいて、吸引手段が制御される。これにより、用紙に応じた吸着力で用紙を吸着することができ、用紙ごとに適切なバックテンションを付与することができる。
用紙搬送装置の第11の態様は、上記第1の態様において、バックテンション付与手段は、吸着面の幅に対応する幅を有する吸引室と、吸着面の全面に均等に配置され、吸引室に連通される多数の吸着孔と、吸引室の内部を幅方向に沿って複数の部屋に区分けする複数の仕切壁と、各仕切壁に形成され、隣り合う部屋を連通する連通口と、各部屋を個別に吸引する吸引手段と、を有し、吸着面の幅方向の両端の近くに配置される仕切壁ほど連通口の開口面積が小さく形成される態様である。
本態様によれば、吸着面の全面に均等に吸着孔が配置され、この吸着孔が連通される吸引室を吸引することにより、用紙が吸着面に吸着される。吸引室は、複数の仕切壁によって、内部が複数の部屋に区分けされており、各仕切壁に形成された連通口を介して隣り合う部屋が連通される。したがって、一つの部屋(たとえば、中央の部屋)を吸引すれば、各部屋が吸引される。各仕切壁に形成される連通口は、吸着面の幅方向の両端の近くに配置される仕切壁の連通口ほど開口面積が小さく形成される。これにより、幅方向の中央から幅方向の両端に近づくほど吸着力が弱くなるように吸着面が形成される。
用紙搬送装置の第12の態様は、上記第11の態様において、連通口が拡縮可能に形成され、連通口の開口面積が調整可能である態様である。
本態様によれば、各仕切壁に形成される連通口が拡縮可能に形成される。したがって、各連通口の開口面積を調整すれば、各部屋の吸引力を調整でき、吸着面の吸着力を調整することができる。これにより、用紙に応じて吸着力を調整することができる。
用紙搬送装置の第13の態様は、上記第1から12のいずれか1の態様において、バックテンション付与手段は、用紙がドラムと押圧ローラとの間に進入する直前の位置で用紙の表面を吸着して、用紙にバックテンションを付与する態様である。
本態様によれば、用紙がドラムと押圧ローラとの間に進入する直前の位置で用紙の表面が吸着されて、用紙にバックテンションが付与される。用紙がドラムと押圧ローラとの間に進入する直前の位置で用紙を吸着することにより、用紙がドラムに巻き掛けられる直前までテンションを与えることができ、より確実にシワや浮きの発生を防止することができる。また、印刷済みの用紙の場合には、表面側を吸引することにより、印刷済みの画像が傷つくのを防止することができる。
インクジェットヘッド記録装置の一態様は、上記第1から13のいずれか1の態様の用紙搬送装置と、ドラムによって搬送される用紙にインク滴を吐出して、用紙の表面に画像を記録するインクジェットヘッドと、を有する態様である。
本態様によれば、ドラムによって搬送される用紙にインク滴が吐出されて、用紙の表面に画像が記録される。用紙は、シワや浮きがない状態で搬送されるので、高品質な画像を記録することができる。また、ヘッドに用紙が接触することがないので、安定して画像の記録処理を行うことができる。
本発明によれば、シワや浮きを生じさせることなく用紙を搬送することができる。これにより、高品質な画像を記録することができる。
インクジェット記録装置の一実施形態を示す全体構成図 インクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図 画像記録部の用紙搬送機構(用紙搬送装置)の概略構成を示す側面図 用紙搬送機構の概略構成を示す斜視図 用紙搬送機構の下面図 バックテンション付与装置の概略構成図 用紙に作用させる吸着力の分布を示すグラフ バックテンションの作用の概念図 吸着面の他の形態(変形例)を示す図 吸着面の他の形態(変形例)を示す図 吸着面の他の形態(変形例)を示す図 吸着面の他の形態(変形例)を示す図 吸着面の他の形態(変形例)を示す図 吸着面の他の形態(変形例)を示す図 吸着面の他の形態(変形例)を示す図 用紙ガイドの他の形態(変形例)を示す図 画像記録部の用紙搬送機構の第2の実施の形態の下面図 第2の実施の形態の用紙搬送機構に組み込まれるバックテンション付与装置の概略構成図 バックテンション付与装置の他の形態(変形例)を示す図 用紙の種類等に応じて用紙に作用させる吸着力をコントロールするためのシステムの構成図 第2の実施の形態の用紙搬送機構に組み込まれるバックテンション付与装置の概略構成図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
《インクジェット記録装置の全体構成》
図1は本発明に係るインクジェット記録装置の一実施形態を示す全体構成図である。
このインクジェット記録装置10は、枚葉の用紙Pに水性インク(水及び水に可溶な溶媒に染料、顔料などの色材を溶解又は分散させたインク)を用いてインクジェット方式で印刷する装置であり、用紙Pを給紙する給紙部20と、用紙Pの表面(印刷面)に所定の処理液を塗布する処理液塗布部30と、用紙Pの印刷面にシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、クロ(K)の各色のインク滴をインクジェットヘッドで打滴して、カラー画像を描画する画像記録部40と、用紙Pに打滴されたインク滴を乾燥させるインク乾燥部50と、用紙Pに記録された画像を定着させる定着部60と、用紙Pを回収する回収部70とを備えて構成される。
処理液塗布部30、画像記録部40、インク乾燥部50、定着部60の各部には、それぞれ用紙Pの搬送手段として、搬送ドラム31、41、51、61が備えられる。用紙Pは、この搬送ドラム31、41、51、61によって、処理液塗布部30、画像記録部40、インク乾燥部50、定着部60の各部を搬送される。
各搬送ドラム31、41、51、61は、円筒状に形成され、印刷する用紙Pの用紙幅に対応して形成される。したがって、異なるサイズの用紙Pに印刷する場合は、最大サイズの用紙Pの用紙幅に対応して形成される。
各搬送ドラム31、41、51、61は、図示しないモータに駆動されて回転する(図1において、反時計回りに回転する。)。用紙Pは、各搬送ドラム31、41、51、61の外周面に巻き付けられて搬送される。
各搬送ドラム31、41、51、61の周面には、グリッパが備えられる。用紙Pは、このグリッパに先端部を把持されて搬送される。本例では、各搬送ドラム31、41、51、61の周面の2箇所にグリッパGが設置される。グリッパGは、180°間隔で設置される。これにより、1回の回転で2枚の用紙を搬送することができる。
また、各搬送ドラム31、41、51、61には、外周面上に巻き付けられた用紙Pを吸着保持する吸着保持機構が備えられる。本例では、空気圧(負圧)を用いて、用紙Pを外周面上に吸着保持する。このため、各搬送ドラム31、41、51、61の外周面には、多数の吸着孔が形成される。用紙Pは、この吸着孔から裏面を吸引されて、各搬送ドラム31、41、51、61の外周面上に吸着保持される。吸着保持機構は、静電気を利用した方式(いわゆる静電吸着方式)を採用することもできる。
処理液塗布部30と画像記録部40の間、画像記録部40とインク乾燥部50の間、インク乾燥部50と定着部60の間には、それぞれ渡し胴(回転搬送手段)80、90、100が配置される。用紙Pは、この渡し胴80、90、100によって、各部の間を搬送される。
各渡し胴80、90、100は、円筒状の枠体で構成され、用紙幅に対応して形成される。各渡し胴80、90、100は、図示しないモータに駆動されて回転する(図1において、時計回りに回転する。)。
各渡し胴80、90、100の周面には、グリッパGが備えられる。用紙Pは、このグリッパGに先端部を把持されて搬送される。本例では、各渡し胴80、90、100の外周部2箇所にグリッパGが設置される。グリッパGは、180°間隔で設置される。これにより、1回の回転で2枚の用紙を搬送することができる。
各渡し胴80、90、100の下部には、用紙Pの搬送経路に沿って円弧状のガイド板82、92、102が配設される。渡し胴80、90、100によって搬送される用紙Pは、このガイド板82、92、102に裏面(印刷面の反対側の面)をガイドされながら搬送される。
また、各渡し胴80、90、100の内部には、渡し胴80によって搬送される用紙Pに向けて熱風を吹き出すドライヤ84、94、104が設置される(本例では、用紙Pの搬送経路に沿って3台設置している。)。各渡し胴80、90、100によって搬送される用紙Pは、その搬送過程でドライヤ84、94、104から吹き出された熱風が印刷面に吹き当てられる。これにより、各渡し胴80、90、100による搬送過程で用紙Pを乾燥処理することができる。
なお、ドライヤ84、94、104は、熱風を吹き出して加熱する構成に代えて、赤外線ヒータ等から熱を放射して加熱する構成とすることもできる(いわゆる輻射による加熱)。
給紙部20から給紙された用紙Pは、搬送ドラム31→渡し胴80→搬送ドラム41→渡し胴90→搬送ドラム51→渡し胴100→搬送ドラム61の順で搬送され、最後に回収部70で回収される。この給紙部20から回収部70で回収されるまでの間に用紙Pは所要の処理が施されて、印刷面に画像が記録される。
以下、本実施の形態のインクジェット記録装置10の各部の構成について詳説する。
〈給紙部〉
給紙部20は、枚葉の用紙Pを1枚ずつ周期的に給紙する。この給紙部20は、主として、給紙装置21と、給紙トレイ22と、渡し胴23とで構成される。
給紙装置21は、図示しないマガジンにスタックされた用紙Pを上側から順に1枚ずつ給紙トレイ22に給紙する。
給紙トレイ22は、給紙装置21から給紙された用紙Pを渡し胴23に向けて送り出す。
渡し胴23は、給紙トレイ22から送り出された用紙Pを受け取り、回転して、処理液塗布部30の搬送ドラム31に受け渡す。
用紙Pは、特に限定されないが、一般のオフセット印刷などで使用される汎用の印刷用紙(いわゆる上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする用紙)を用いることができる。本例では塗工紙が用いられる。塗工紙は、一般に表面処理されていない上質紙や中性紙等の表面にコート材を塗布してコート層を設けたものである。具体的には、アート紙、コート紙、軽量コート紙、微塗工紙などが好適に用いられる。
汎用の印刷用紙は、インクジェット方式で印刷すると、滲み等が発生し、画像の品位が損なわれる。そこで、このような不具合を防止するために、本実施の形態のインクジェット記録装置10では、次の処理液塗布部30において、用紙Pの印刷面に所定の処理液を塗布する。
〈処理液塗布部〉
処理液塗布部30は、用紙Pの印刷面に所定の処理液を塗布する。この処理液塗布部30は、主として、用紙Pを搬送する搬送ドラム(以下、「処理液塗布ドラム」という。)31と、その処理液塗布ドラム31によって搬送される用紙Pの印刷面に所定の処理液を塗布する塗布装置32とで構成される。
処理液塗布ドラム31は、給紙部20の渡し胴23から用紙Pを受け取り(グリッパGで用紙Pの先端を把持して受け取る。)、回転して用紙Pを所定の搬送経路に沿って搬送する。
塗布装置32は、処理液塗布ドラム31によって搬送される用紙Pの印刷面に所定の処理液をローラ塗布する。すなわち、周面に処理液が付与された塗布ローラを処理液塗布ドラム31によって搬送される用紙Pの印刷面に押圧当接させて、用紙Pの印刷面に処理液を塗布する。処理液は、一定の厚さで塗布される。
塗布装置32で塗布する処理液は、インク組成物中の成分を凝集させる凝集剤を含む液体で構成される。
凝集剤としては、インク組成物のpHを変化させることができる化合物であっても、多価金属塩であっても、ポリアリルアミン類であってもよい。
pHを低下させ得る化合物としては、水溶性の高い酸性物質(リン酸、シュウ酸、マロン酸、クエン酸、若しくは、これらの化合物の誘導体、又は、これらの塩等)が好適に挙げられる。酸性物質は、1種単独で用いてもよく、また、2種以上を併用してもよい。これにより、凝集性を高め、インク全体を固定化することができる。
また、インク組成物のpH(25℃)は、8.0以上であって、処理液のpH(25℃)は、0.5〜4の範囲が好ましい。これにより、画像濃度、解像度及びインクジェット記録の高速化を図ることができる。
また、処理液には、添加剤を含有することができる。たとえば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤を含有することができる。
このような処理液を用紙Pの印刷面に事前に塗布して印刷することにより、フェザリングやブリーディング等の発生を防止でき、一般の印刷用紙を使用しても、高品位な印刷を行うことが可能になる。
以上の構成の処理液塗布部30において、用紙Pは、処理液塗布ドラム31に保持されて、所定の搬送経路を搬送される。そして、その搬送過程で塗布装置32によって印刷面に処理液が塗布される。
印刷面に処理液が塗布された用紙Pは、その後、所定位置で処理液塗布ドラム31から渡し胴80に受け渡される。そして、渡し胴80によって所定の搬送経路を搬送されて、画像記録部40の搬送ドラム41に受け渡される。
ここで、上記のように、渡し胴80には、その内部にドライヤ84が設置されており、ガイド板82に向けて熱風が吹き出されている。用紙Pは、この渡し胴80によって処理液塗布部30から画像記録部40に搬送される過程で印刷面に熱風が吹き当てられて、印刷面に塗布された処理液が乾燥される(処理液中の溶媒成分が蒸発除去される。)。
〈画像記録部〉
画像記録部40は、用紙Pの印刷面にC、M、Y、Kの各色のインク滴を打滴して、用紙Pの印刷面にカラー画像を描画する。この画像記録部40は、主として、用紙Pを搬送する搬送ドラム(以下、「画像記録ドラム」という。)41と、用紙Pの印刷面を押圧して、用紙Pの裏面を画像記録ドラム41の周面に密着させる押圧ローラ42と、用紙Pの浮きを検出する用紙浮き検出センサ43と、用紙PにC、M、Y、Kの各色のインク滴を吐出して、画像を描画するインクジェットヘッド44C、44M、44Y、44Kと、画像記録ドラム41に巻き掛けられる用紙Pにバックテンションを付与するバックテンション付与装置(バックテンション付与手段)300とを備えて構成される。
画像記録ドラム41は、渡し胴80から用紙Pを受け取り(グリッパGで用紙Pの先端を把持して受け取る。)、回転して用紙Pを所定の搬送経路に沿って搬送する。
押圧ローラ42は、画像記録ドラム41の幅とほぼ同じ幅を有するゴムローラ(少なくとも外周部がゴム(弾性体)で構成されるローラ)で構成され、画像記録ドラム41の用紙受取位置(渡し胴80から用紙Pを受け取る位置)の近傍に配置される。渡し胴80から画像記録ドラム41に受け渡された用紙Pは、この押圧ローラ42によって表面を押圧されることにより、裏面が画像記録ドラム41の外周面に密着させて巻き付けられる。
用紙浮き検出センサ43は、押圧ローラ42を通過した用紙Pの浮きを検出する(画像記録ドラム41の外周面からの一定以上の浮きを検出する。)。この用紙浮き検出センサ43は、レーザ光を投光するレーザ投光器43Aと、そのレーザ光を受光するレーザ受光器43Bとで構成される。
レーザ投光器43Aは、画像記録ドラム41の一端から他端に向けて画像記録ドラム41の軸と平行なレーザ光を画像記録ドラム41の外周面から所定高さの位置(浮きの許容範囲の上限の高さの位置)に投光する。
レーザ受光器43Bは、画像記録ドラム41による用紙Pの走行経路を挟んでレーザ投光器43Aと対向して配置され、レーザ投光器43Aから投光されたレーザ光を受光する。
画像記録ドラム41によって搬送される用紙Pに許容値以上の浮きが生じていると、レーザ投光器43Aから投光されたレーザ光が用紙Pに遮光される。この結果、レーザ受光器43Bで受光されるレーザ光の受光量が低下する。用紙浮き検出センサ43は、このレーザ受光器43Bで受光されるレーザ光の受光量を検出して、用紙Pの浮きを検出する。すなわち、レーザ受光器43Bで受光されたレーザ光の受光量と閾値とを比較して、閾値以下の場合に浮き(許容値以上の浮き)が発生したと判定する。
許容値以上の浮きが検出されると、画像記録ドラム41の回転が停止され、用紙Pの搬送が停止される。
なお、用紙浮き検出センサ43は、レーザ投光器43Aから投光するレーザ光の高さ(画像記録ドラム41の外周面からの高さ)を調整することができるように構成される。これにより、浮きの許容範囲を任意に設定することができる。
4台のインクジェットヘッド44C、44M、44Y、44Kは、用紙浮き検出センサ43の後段に配され、用紙Pの搬送方向に沿って一定の間隔で配置される。このインクジェットヘッド44C、44M、44Y、44Kは、用紙幅に対応したラインヘッドで構成され、その下面(画像記録ドラム41の外周面と対向する面)にノズル面が形成される。ノズル面には、用紙Pの搬送方向と直交する方向に一定のピッチでノズルが配置される(ノズル列)。各インクジェットヘッド44C、44M、44Y、44Kは、このノズルから画像記録ドラム41に向けてインク滴を吐出する。
本実施の形態のインクジェット記録装置10で使用するインクは、水性紫外線硬化型インクであり、顔料、ポリマー粒子及び活性エネルギー線により重合する水溶性の重合性化合物を含有する。水性紫外線硬化型インクは、紫外線を照射することで硬化可能であり、耐察性に優れ膜強度が高いという性質を有する。
顔料は、その表面の少なくとも一部がポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料が用いられる。
ポリマー分散剤は、酸価が25〜1000(KOHmg/g)のポリマー分散剤が用いられる。自己分散性の安定性が良好、かつ、処理液が接触したときの凝集性が良好になる。
ポリマー粒子は、酸価が20〜50(KOHmg/g)の自己分散性ポリマー粒子が用いられる。自己分散性の安定性が良好、かつ、処理液が接触したときの凝集性が良好になる。
重合性化合物としては、凝集剤と顔料、ポリマー粒子との反応を妨げない点でノニオン性又はカチオン性の重合性化合物が好ましく、水に対する溶解度が10質量%以上(更には15質量%以上)の重合性化合物を用いることが好ましい。
また、インクは、活性エネルギー線により重合性化合物の重合を開始する開始剤を含有する。開始剤は、活性エネルギー線により重合反応を開始し得る化合物を適宜選択して含有することができ、たとえば、放射線若しくは光又は電子線により活性種(ラジカル、酸、塩基など)を発生する開始剤(たとえば、光重合開始剤等)を用いることができる。なお、開始剤は処理液に含有させることもでき、インクと処理液の少なくとも一方に含有させればよい。
また、インクは水を50〜70質量%含有する。また、インクには添加剤を含有することができる。たとえば、水溶性有機溶媒や乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤を含有することができる。
バックテンション付与装置300は、用紙Pが押圧ローラ42によって押圧される直前の位置(用紙Pが画像記録ドラム41と押圧ローラ42との間に進入する直前の位置)で用紙Pの表面を吸着して、画像記録ドラム41に巻き掛けられる用紙Pにバックテンションを付与する。このバックテンション付与装置300は、用紙Pの表面を幅方向にわたって吸着するための用紙ガイド310を備える。用紙ガイド310は、用紙Pの表面が吸着される吸着面を備え、この吸着面に形成された多数の吸着孔から吸引して、用紙Pを吸着する。用紙Pは、表面を吸着面に吸着されることにより、表面を吸着面に摺られながら搬送される。これにより、バックテンションが付与される。そして、このようにバックテンションを付与することにより、用紙Pが画像記録ドラム41に巻き掛けられる際、用紙Pが伸ばされながら画像記録ドラム41に巻き付けられる。これにより、シワや浮きを生じさせることなく、用紙Pを画像記録ドラム41の周面に巻き付けることができる。また、用紙Pがピンと張られながら画像記録ドラム41に巻き付けられるので、シワや浮きを生じさせることなく、用紙Pを画像記録ドラム41の周面に巻き付けることができる。
なお、本実施の形態のバックテンション付与装置300では、用紙Pを吸着面で吸着する際、用紙Pの幅方向に均一な吸着力で吸着するのではなく、幅方向の中央から幅方向の両端に向かって吸着力が低くなるようにして、用紙Pを吸着する。これにより、用紙Pに生じている変形を単に後方に伸ばすのではなく、幅方向に分散させながら伸ばすことができ、より効果的にシワや浮きの発生を防止することができる。なお、この点については、バックテンション付与装置300の具体的な構成とともに、のちに詳述する。
以上の構成の画像記録部40において、用紙Pは、画像記録ドラム41によって所定の搬送経路を搬送される。渡し胴80から画像記録ドラム41に受け渡された用紙Pは、バックテンション付与装置300によってバックテンションが付与されながら押圧ローラ42でニップされて、画像記録ドラム41の外周面に密着される。次いで、用紙浮き検出センサ43によって、浮きの有無が検出され、その後、各インクジェットヘッド44C、44M、44Y、44KからC、M、Y、Kの各色のインク滴が印刷面に打滴されて、印刷面にカラー画像が描画される。
なお、用紙Pの浮きが検出された場合は、搬送が停止される。これにより、浮いた用紙Pが、インクジェットヘッド44C、44M、44Y、44Kのノズル面に接触するのを防止できる。
上記のように、本例のインクジェット記録装置10では、各色ともに水性インクが使用される。このような水性インクを用いた場合であっても、上記のように、用紙Pには処理液が塗布されているので、一般の印刷用紙を用いた場合であっても、高品位な印刷を行うことができる。
画像が描画された用紙Pは、渡し胴90に受け渡される。そして、渡し胴90によって所定の搬送経路を搬送されて、インク乾燥部50の搬送ドラム51に受け渡される。
ここで、上記のように、渡し胴90には、その内部にドライヤ94が設置されており、ガイド板92に向けて熱風が吹き出されている。インクの乾燥処理は、後段のインク乾燥部50で行われるが、用紙Pは、この渡し胴90による搬送時にも乾燥処理が施される。
なお、図示されていないが、この画像記録部40には、インクジェットヘッド44C、44M、44Y、44Kのメンテナンスを行うメンテナンス部が備えられており、インクジェットヘッド44C、44M、44Y、44Kは、必要に応じてメンテナンス部に移動して、所要のメンテナンスができるように構成されている。
〈インク乾燥部〉
インク乾燥部50は、画像記録後の用紙Pに残存する液体成分を乾燥させる。このインク乾燥部50は、主として、用紙Pを搬送する搬送ドラム(以下、「インク乾燥ドラム」という。)51と、インク乾燥ドラム51によって搬送される用紙Pに対して乾燥処理を施すインク乾燥装置52とで構成される。
インク乾燥ドラム51は、渡し胴90から用紙Pを受け取り(グリッパGで用紙Pの先端を把持して受け取る。)、回転して用紙Pを所定の搬送経路に沿って搬送する。
インク乾燥装置52は、たとえば、ドライヤで構成され(本例では用紙Pの搬送経路に沿って配設された3台のドライヤで構成)、インク乾燥ドラム51によって搬送される用紙Pに向けて熱風(たとえば、80℃)を吹き付ける。
以上の構成のインク乾燥部50において、用紙Pは、インク乾燥ドラム51によって所定の搬送経路を搬送される。そして、その搬送過程で印刷面にインク乾燥装置52から熱風が吹き付けられて、印刷面に付与されたインクが乾燥される(溶媒成分が蒸発除去される。)。
インク乾燥装置52を通過した用紙Pは、その後、所定位置でインク乾燥ドラム51から渡し胴100に受け渡される。そして、渡し胴100によって所定の搬送経路を搬送されて、定着部60の搬送ドラム61に受け渡される。
なお、上記のように、渡し胴100には、その内部にドライヤ104が設置されており、ガイド板102に向けて熱風が吹き出されている。したがって、用紙Pは、この渡し胴100での搬送時にも乾燥処理が施される。
〈定着部〉
定着部60は、用紙Pを加熱加圧して、印刷面に画像記録された画像を定着させる。この定着部60は、主として、用紙Pを搬送する搬送ドラム(以下、「定着ドラム」という。)61と、用紙Pの印刷面に紫外線を当てる紫外線照射光源62と、印刷後の用紙Pの温度、湿度等を検出するとともに、印刷された画像を撮像するインラインセンサ64とで構成される。
定着ドラム61は、渡し胴100から用紙Pを受け取り(グリッパGで用紙Pの先端を把持して受け取る。)、回転して用紙Pを所定の搬送経路に沿って搬送する。
紫外線照射光源62は、定着ドラム61によって搬送される用紙Pの印刷面に紫外線を照射して、処理液とインクとの凝集体を固化させる。
インラインセンサ64は、温度計、湿度計、CCDラインセンサ等を備え、定着ドラム61によって搬送される用紙Pの温度、湿度等を検出するとともに、用紙Pに印刷された画像を読み取る。このインラインセンサ64の検出結果に基づいて、装置の異常やヘッドの吐出不良等がチェックされる。
以上の構成の定着部60において、用紙Pは、定着ドラム61によって所定の搬送経路を搬送される。そして、その搬送過程で紫外線照射光源62から印刷面に紫外線が照射され、処理液とインクとの凝集体が固化される。
定着処理が施された用紙Pは、この後、所定位置で定着ドラム61から回収部70へと受け渡される。
〈回収部〉
回収部70は、一連の印刷処理が行われた用紙Pをスタッカ71に積み重ねて回収する。この回収部70は、主として、用紙Pを回収するスタッカ71と、定着部60で定着処理された用紙Pを定着ドラム61から受け取り、所定の搬送経路を搬送して、スタッカ71に排紙する排紙コンベア72とで構成される。
定着部60で定着処理された用紙Pは、定着ドラム61から排紙コンベア72に受け渡され、その排紙コンベア72によってスタッカ71まで搬送されて、スタッカ71内に回収される。
《制御系》
図2は、本実施の形態のインクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。
同図に示すように、インクジェット記録装置10は、システムコントローラ200、通信部201、画像メモリ202、搬送制御部203、給紙制御部204、処理液塗布制御部205、画像記録制御部206、インク乾燥制御部207、定着制御部208、回収制御部209、操作部210、表示部211等を備えている。
システムコントローラ200は、インクジェット記録装置10の各部を統括制御する制御手段として機能するとともに、各種演算処理を行う演算手段として機能する。このシステムコントローラ200は、CPU、ROM、RAM等を備えており、所定の制御プログラムに従って動作する。ROMには、このシステムコントローラ200が、実行する制御プログラムや制御に必要な各種データが格納されている。
通信部201は、所要の通信インターフェースを備え、その通信インターフェースと接続されたホストコンピュータとの間でデータの送受信を行う。
画像メモリ202は、画像データを含む各種データの一時記憶手段として機能し、システムコントローラ200を通じてデータの読み書きが行われる。通信部201を介してホストコンピュータから取り込まれた画像データは、この画像メモリ202に格納される。
搬送制御部203は、処理液塗布部30、画像記録部40、インク乾燥部50、定着部60の各部における用紙Pの搬送手段である搬送ドラム31、41、51、61と、渡し胴80、90、100の駆動を制御する。
すなわち、各搬送ドラム31、41、51、61を駆動するモータの駆動を制御するとともに、各搬送ドラム31、41、51、61に備えられた、グリッパGの開閉を制御する。
同様に各渡し胴80、90、100を駆動するモータの駆動を制御するとともに、各渡し胴80、90、100に備えられた、グリッパGの開閉を制御する。
また、各搬送ドラム31、41、51、61には、用紙Pを周面に吸着保持する機構が備えられているので、その吸着保持機構の駆動を制御する(本実施の形態では、用紙Pを真空吸着するので、負圧発生手段としての真空ポンプの駆動を制御する。)。
また、各渡し胴80、90、100には、ドライヤ84、94、104が備えられているので、その駆動(加熱量と送風量)を制御する。
この搬送ドラム31、41、51、61と、渡し胴80、90、100の駆動は、システムコントローラ200からの指令に応じて制御される。
給紙制御部204は、システムコントローラ200からの指令に応じて給紙部20を構成する各部(給紙装置21、渡し胴23等)の駆動を制御する。
処理液塗布制御部205は、システムコントローラ200からの指令に応じて処理液塗布部30を構成する各部(塗布装置32等)の駆動を制御する。
画像記録制御部206は、システムコントローラ200からの指令に応じて画像記録部40を構成する各部(押圧ローラ42、用紙浮き検出センサ43、インクジェットヘッド44C、44M、44Y、44K、バックテンション付与装置300等)の駆動を制御する。
インク乾燥制御部207は、システムコントローラ200からの指令に応じてインク乾燥部50を構成する各部(インク乾燥装置52等)の駆動を制御する。
定着制御部208は、システムコントローラ200からの指令に応じて定着部60を構成する各部(紫外線照射光源62、インラインセンサ64等)の駆動を制御する。
回収制御部209は、システムコントローラ200からの指令に応じて回収部70を構成する各部(排紙コンベア72等)の駆動を制御する。
操作部210は、所要の操作手段(たとえば、操作ボタンやキーボード、タッチパネル等)を備えており、その操作手段から入力された操作情報をシステムコントローラ200に出力する。システムコントローラ200は、この操作部210から入力された操作情報に応じて各種処理を実行する。
表示部211は、所要の表示装置(たとえば、LCDパネル等)を備えており、システムコントローラ200からの指令に応じて所要の情報を表示装置に表示させる。
上記のように、用紙に記録する画像データは、ホストコンピュータから通信部201を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、画像メモリ202に格納される。システムコントローラ200は、この画像メモリ202に格納された画像データに所要の信号処理を施してドットデータを生成し、生成したドットデータに従って画像記録部40の各インクジェットヘッドの駆動を制御することにより、その画像データが表す画像を用紙に記録する。
ドットデータは、一般に画像データに対して色変換処理、ハーフトーン処理を行って生成される。色変換処理は、sRGBなどで表現された画像データ(たとえば、RGB8ビットの画像データ)をインクジェット記録装置10で使用するインクの各色のインク量データに変換する処理である(本例では、C、M、Y、Kの各色のインク量データに変換する。)。ハーフトーン処理は、色変換処理により生成された各色のインク量データに対して誤差拡散等の処理で各色のドットデータに変換する処理である。
システムコントローラ200は、画像データに対して色変換処理、ハーフトーン処理を行って各色のドットデータを生成する。そして、生成した各色のドットデータに従って、対応するインクジェットヘッドの駆動を制御することにより、画像データが表す画像を用紙に記録する。
《印刷動作》
次に、上記のインクジェット記録装置10による印刷動作について概説する。
システムコントローラ200から給紙装置21に給紙指令が出力されると、給紙装置21から給紙トレイ22に用紙Pが給紙される。給紙トレイ22に給紙された用紙Pは、渡し胴23を介して処理液塗布部30の処理液塗布ドラム31に受け渡される。
処理液塗布ドラム31に受け渡された用紙Pは、処理液塗布ドラム31によって所定の搬送経路を搬送され、その搬送過程で塗布装置32によって印刷面に処理液が塗布される。
処理液が塗布された用紙Pは、処理液塗布ドラム31から渡し胴80に受け渡される。そして、その渡し胴80によって所定の搬送経路を搬送されて、画像記録部40の画像記録ドラム41に受け渡される。用紙Pは、その渡し胴80による搬送過程で渡し胴80の内部に設置されたドライヤ84から印刷面に熱気が吹き付けられ、印刷面に塗布された処理液が乾燥される。
渡し胴80から画像記録ドラム41に受け渡された用紙Pは、まず、押圧ローラ42にニップされて、裏面が画像記録ドラム41の外周面に密着される。
押圧ローラ42を通過した用紙Pは、その後、用紙浮き検出センサ43によって浮きの有無が検出される。ここで、用紙Pの浮きが検出されると、搬送が停止される。一方、浮きが検出されない場合は、そのままインクジェットヘッド44C、44M、44Y、44Kに向けて搬送される。そして、各インクジェットヘッド44C、44M、44Y、44Kの下を通過する際、各インクジェットヘッド44C、44M、44Y、44KからC、M、Y、Kの各色のインク滴が吐出されて、印刷面にカラー画像が描画される。
画像が描画された用紙Pは、画像記録ドラム41から渡し胴90に受け渡される。そして、その渡し胴90によって所定の搬送経路を搬送されて、インク乾燥部50のインク乾燥ドラム51に受け渡される。用紙Pは、その渡し胴90による搬送過程で渡し胴90の内部に設置されたドライヤ94から印刷面に熱気が吹き付けられて、印刷面に付与されたインクが乾燥される。
インク乾燥ドラム51に受け渡された用紙Pは、インク乾燥ドラム51によって所定の搬送経路を搬送される。そして、その搬送過程でインク乾燥装置52から熱風が印刷面に吹き付けられて、印刷面に残存する液体成分が乾燥される。
乾燥処理された用紙Pは、インク乾燥ドラム51から渡し胴100に受け渡される。そして、その渡し胴100によって所定の搬送経路を搬送されて、定着部60の定着ドラム61に受け渡される。用紙Pは、その渡し胴100による搬送過程で渡し胴100の内部に設置されたドライヤ104から印刷面に熱気が吹き付けられ、印刷面に付与されたインクが、さらに乾燥される。
定着ドラム61に受け渡された用紙Pは、定着ドラム61によって所定の搬送経路を搬送される。そして、その搬送過程で印刷面に紫外線が照射され、描画された画像が用紙Pに定着される。用紙Pは、この後、定着ドラム61から回収部70の排紙コンベア72に受け渡され、排紙コンベア72によってスタッカ71まで搬送されて、スタッカ71内に排紙される。
以上のように、本例のインクジェット記録装置10では、用紙Pをドラム搬送し、その搬送過程で用紙Pに対し、処理液の塗布、乾燥、インク滴の打滴、乾燥、定着の各処理を施して、用紙Pに所定の画像を記録する。
《画像記録部における用紙搬送機構の詳細》
[第1の実施の形態]
〈構成〉
図3は、画像記録部の用紙搬送機構(用紙搬送装置)の概略構成を示す側面図である。また、図4は、用紙搬送機構の概略構成を示す斜視図である。また、図5は、用紙搬送機構の下面図である。
上記のように、画像記録部40は、用紙Pを搬送する画像記録ドラム41と、その画像記録ドラム41に搬送される用紙Pをニップして、画像記録ドラム41の周面に密着させる押圧ローラ42と、画像記録ドラム41によって搬送される用紙Pの浮きを検出する用紙浮き検出センサ43と、画像記録ドラム41によって搬送される用紙Pにインク滴を吐出するインクジェットヘッド44C、44M、44Y、44Kと、押圧ローラ42の直前の位置で用紙Pの表面(印刷面)を吸引して、用紙Pにバックテンションを付与するバックテンション付与装置300とを備えて構成される。
画像記録ドラム41は、渡し胴80によって搬送される用紙Pを所定の受取位置Aで受け取り、軸回りに回転して、用紙Pを円弧状の搬送経路に沿って搬送する。この際、用紙Pを外周面上に吸着保持して搬送する。すなわち、画像記録ドラム41の周面には、多数の吸着孔が一定のパターンで形成されており、この吸着孔を介して内部から空気を吸引することにより、外周面上に巻き掛けられた用紙Pを吸着保持する。
なお、本実施の形態の画像記録ドラム41では、吸着の作動範囲が限定されており、所定の吸着開始位置Bから吸着終了位置Cの範囲でのみ吸着が作動する。ここで、吸着開始位置Bは、受取位置Aから一定距離離れた位置(一定角度回転した位置)に設定され、吸着終了位置Cは渡し胴90に用紙Pを受け渡す位置に設定される。したがって、用紙Pは、受取位置Aから一定距離搬送された後、吸着が開始される。
押圧ローラ42は、図4に示すように、用紙Pの搬送方向に対してインクジェットヘッドの上流位置に配置される。本例では吸着開始位置Bに配置される。
この押圧ローラ42は、画像記録ドラム41の幅とほぼ同じ幅を有するゴムローラ(ここでは、金属製の芯材(軸部)の周囲をゴムで被覆したローラ)で構成される。押圧ローラ42は、画像記録ドラム41と平行に配置(用紙Pの搬送方向と直交して配置)され、その軸部の両端を図示しない軸受に軸支されて回転自在に支持される。軸受は、図示しない付勢機構(たとえば、バネ)によって、画像記録ドラム41に向けて所定の付勢力で付勢される。これにより、押圧ローラ42が画像記録ドラム41の外周面に所定の押圧力で押圧当接される。また、これにより、画像記録ドラム41が回転すると、その画像記録ドラム41の回転に連動して回転する(いわゆる連れ回り)。
受取位置で画像記録ドラム41に受け渡された用紙Pは、吸着開始位置Bまで搬送されると、押圧ローラ42にニップされて、画像記録ドラム41の外周面に密着される。また、これと同時に吸引が開始される。
用紙浮き検出センサ43は、押圧ローラ42を通過した用紙Pの浮きを検出する。したがって、用紙浮き検出センサ43は、押圧ローラ42の後段(画像記録ドラム41による用紙Pの搬送方向の下流側)に設置される。
図4に示すように、この用紙浮き検出センサ43は、レーザ光を投光するレーザ投光器43Aと、そのレーザ光を受光するレーザ受光器43Bとで構成される。
レーザ投光器43Aは、画像記録ドラム41の幅方向の一端から他端に向けて画像記録ドラム41の軸と平行なレーザ光を画像記録ドラム41の外周面から所定高さの位置(浮きの許容範囲の上限の高さの位置)に投光する。
レーザ受光器43Bは、画像記録ドラム41による用紙Pの走行経路を挟んでレーザ投光器43Aと対向して配置され、レーザ投光器43Aから投光されたレーザ光を受光する。レーザ受光器43Bは、受光したレーザ光の受光量を検出し、その検出結果をシステムコントローラ200に出力する。
システムコントローラ200は、得られた受光量の情報に基づいて、用紙Pの浮きを検出する。すなわち、用紙Pに許容値以上の浮きが生じると、レーザ投光器43Aから投光されるレーザ光が用紙Pに遮られる。この結果、レーザ受光器43Bで受光されるレーザ光の受光量が低下する。システムコントローラ200は、このレーザ受光器43Bで受光されるレーザ光の受光量と閾値とを比較し、受光量が閾値以下になった場合に浮き(許容値以上の浮き)が発生したと判定して、これを検出する。これにより、用紙Pの浮きを検出することができる。
システムコントローラ200は、許容値以上の浮きを検出すると、画像記録ドラム41の回転を停止し、用紙Pの搬送を停止する。これにより、浮いた用紙Pが、インクジェットヘッドのノズル面に接触するのを防止することができる。
なお、用紙浮き検出センサ43は、レーザ投光器43Aとレーザ受光器43Bで投光・受光するレーザ光の高さ(画像記録ドラム41の外周面からの高さ)を調整可能に構成される。これにより、用紙Pの厚さ等に応じて、浮きの許容範囲を任意に設定することができる。
投光・受光するレーザ光の高さの調整は、たとえば、レーザ投光器43Aとレーザ受光器43Bの設置高さを変えることにより行われる。この他、レーザ投光器43Aとレーザ受光器43Bの前に角度調整可能な透明平行平板(たとえば、硝子平行平板)を設置し、屈折を利用して、投光・受光するレーザ光の高さの調整を調整することもできる(透明平行平板をレーザ光に対して直交して配置すれば、レーザ光は直進するが、傾けて設置することにより、入射時と出射時に屈折して、高さの調整を行うことができる。)。
また、レーザ投光器43Aとレーザ受光器43Bの前段にアパーチャを設置することにより、不要な光を排除でき、より高精度な検出を行うことができる。
バックテンション付与装置300は、図3に示すように、画像記録ドラム41によって搬送される用紙Pが、押圧ローラ42によって押圧される直前の位置(画像記録ドラム41と押圧ローラ42との間に進入する直前の位置)で用紙Pの表面を吸引して、用紙Pにバックテンションを付与する。
バックテンション付与装置300は、主として、用紙ガイド310と、吸引ユニット(吸引手段)330とで構成される。
図6は、バックテンション付与装置の概略構成図である。
用紙ガイド310は、用紙Pの搬送方向と平行な方向の断面が台形状をした中空のボックス形状(末広がりのボックス状)に形成される。用紙ガイド310は、用紙幅に対応して形成される。したがって、その幅(用紙Pの搬送方向と直交する方向の幅)は、画像記録ドラム41の幅とほぼ同じ幅で形成される。
用紙ガイド310は、画像記録ドラム41と対向する面に用紙Pを吸着するための吸着面316が形成される。吸着面316は平坦に形成される。用紙Pは、この吸着面上を吸引されながら摺動する。
用紙ガイド310は、押圧ローラ42に近接して設置される。更に、本実施の形態では、吸着面316が、押圧ローラ42の設置点(押圧ローラ42と画像記録ドラム41の外周面とが接する点(本例では吸着開始位置B))における画像記録ドラム41の接線Tに沿うようにして配置される(吸着面316の延長線上に押圧ローラ42の設置点が位置するように配置される。)。これにより、画像記録ドラム41と押圧ローラ42との間にスムーズに用紙Pを導くことができる。なお、用紙Pの表面が押圧ローラ42に巻き係るように配置することもできる。
図5に示すように、吸着面316には、多数の吸着孔318が形成される。吸着孔318は、用紙Pの搬送方向に一定ピッチ(dv=一定)で配置されるとともに、用紙Pの搬送方向と直交する方向(吸着面316の幅方向)に一定のピッチ(dh=一定)で配置される。また、吸着孔318は、吸着面316の幅方向の両端に近づくほど開口面積が小さくなるように形成される。本実施の形態では、各吸着孔318が円形状に形成され、吸着面316の幅方向の中央から幅方向の両端に向かうほど直径が小さくなるように形成されている。すなわち、たとえば、幅方向の中央に配置される吸着孔(中央にない場合は、中央に最も近い位置に配置される吸着孔)の直径をL0とし、中央から幅方向の両端に離れるにしたがって、その径をL1、L2、…Lnとすると、L0>L1>L2>…>Lnの関係となるように、各吸着孔318が形成される。
このように、吸着面316の幅方向の中央から幅方向の両端に向かって開口面積が小さくなるように吸着孔318を形成することにより、用紙Pに作用させる吸着力に分布が形成される。すなわち、図7に示すように、幅方向の中央から幅方向の両端に向かって吸着力が弱くなるように形成される。これにより、用紙Pにバックテンションを作用させて用紙Pを伸ばす際、用紙Pのシワを幅方向に分散させながら伸ばすことができる。
なお、用紙Pの搬送方向に沿う方向については、各吸着孔318が同じ開口面積で形成される。本例では、同じ形状で形成されている。
上記のように、用紙ガイド310は中空状に形成される。この中空状に形成される用紙ガイド310の内部空間は吸引室320とされ、吸着面316の幅とほぼ同じ幅で形成される。各吸着孔318は、この吸引室320に連通して形成される。
用紙ガイド310の上面(吸着面316と反対側の面)には、中央部に吸引口322が形成される。吸引口322は、吸引室320と連通される。この吸引口322から空気を吸引することにより、吸引室320が吸引され、吸着面316に形成された各吸着孔318から空気が吸引される。
吸引ユニット330は、用紙ガイド310の吸引室320を吸引する。吸引ユニット330は、吸引ポンプ332と、吸引管334と、吸引バルブ336とを備えて構成される。
吸引ポンプ332は、真空ポンプで構成される。吸引ポンプ332の駆動は、画像記録制御部206を介してシステムコントローラ200に制御される。
吸引管334は、吸引ポンプ332と用紙ガイド310とを接続する。吸引管334は、一端が吸引ポンプ332の吸込口に接続され、他端が用紙ガイド310の吸引口322に接続される。
吸引バルブ336は、吸引管334の管路の途中に設置される。吸引バルブ336は、開口量が調整可能に形成される。吸引バルブ336の開口量は、画像記録制御部206を介してシステムコントローラ200に制御される。
吸引ポンプ332を駆動すると、吸引管334を介して吸引室320の内部が真空吸引される(吸引室内が負圧にされる。)。これにより、吸着面316に形成された各吸着孔318からエアが吸引される。
ここで、上記のように、吸着面316には、幅方向の中央から幅方向の両端に向かって開口面積が小さくなるように吸着孔318が形成されている。このため、図7に示すように、吸着力に分布が形成され、幅方向の両端に向かうほど吸着力が弱くなるように形成される。これにより、用紙Pにバックテンションを作用させて用紙Pを伸ばす際、用紙Pのシワを幅方向に分散させながら伸ばすことができる。
なお、全体の吸引力の調整は、吸引バルブ336により行われる。すなわち、吸引バルブ336の開口量を調整することにより、全体の吸引力が調整される。
バックテンション付与装置300は、以上のように構成される。
〈作用〉
上記のように、用紙Pは、渡し胴80から画像記録ドラム41に受け渡される。画像記録ドラム41は、所定の受取位置Aで渡し胴80から用紙Pを受け取る。
用紙Pの受け取りは、グリッパGで用紙Pの先端を把持することにより行われる。この用紙Pの受け取りは、回転しながら行われる。
先端がグリッパGで把持された用紙Pは、画像記録ドラム41の回転によって搬送される。そして、押圧ローラ42の設置位置で押圧ローラ42によって表面(印刷面)が押圧され、画像記録ドラム41の外周面に密着される。
ここで、本例のインクジェット記録装置10には、押圧ローラ42の手前(用紙Pの搬送方向の上流側)に用紙ガイド310が設置されている。
用紙ガイド310の吸着面316は、画像記録ドラム41の外周から離間して設置されているが、吸着面316に形成された吸着孔318からは、インクジェット記録装置10の稼動と同時に空気が吸引される(吸引ポンプ332が駆動される。)。この結果、画像記録ドラム41によって搬送される用紙Pは、押圧ローラ42に押圧される直前の位置で表面(印刷面)が吸着面316に吸着され、吸着面316を摺られながら搬送される。これにより、用紙Pにバックテンションが付与される。そして、このバックテンションが付与されることにより、用紙Pが搬送方向に伸ばされて、用紙Pに生じている変形(歪み)が取り除かれる。
ところで、上記のようにバックテンションは、吸着面316で用紙Pの表面を吸引することにより付与されるが、この吸着面316の吸着力は均一ではなく、幅方向に分布が持たされている。すなわち、図7に示すように、幅方向の中央から幅方向の両端に向かうほど吸着力が弱くなるようにされている。このように、吸着力を設定することにより、図8に示すように、用紙Pに生じている変形を幅方向に分散させながら伸ばすことができる。これにより、用紙Pの後端にシワが溜まるのを防止することができる。
用紙Pは、バックテンション付与装置300によってバックテンションが付与された状態で押圧ローラ42と画像記録ドラム41との間に進入する。そして、押圧ローラ42によって表面が押圧されて、画像記録ドラム41の外周面に巻き付けられる。バックテンションが付与されることにより、用紙Pはピンと張られた状態で押圧ローラ42に押圧されるため、シワや浮きを発生させることなく、画像記録ドラム41の周面に密着させることができる。
画像記録ドラム41は、押圧ローラ42の設置点から吸引が作動する。したがって、用紙Pは、押圧ローラ42による押圧と同時に裏面が画像記録ドラム41の外周面に吸着される。
この後、用紙Pは、用紙浮き検出センサ43を通過して、浮きの有無が検出される。浮きが検出されない場合は、そのまま搬送されて画像の記録が行われる。すなわち、各インクジェットヘッド44C、44M、44Y、44Kを通過する際、各インクジェットヘッド44C、44M、44Y、44Kから表面に向けてインク滴が吐出されて、表面に画像が記録される。
以上説明したように、本実施の形態の用紙搬送機構によれば、用紙Pの表面を吸引してバックテンションを付与する際、吸着力に分布を持たせて吸引することにより、シワを幅方向に分散させながら用紙Pを伸ばすことができる。これにより、シワや浮きを発生させることになく、用紙Pを画像記録ドラム41の周面に巻き付けることができる。これにより、高品質な画像を安定して記録することができる。また、ヘッドに接触させることなく、用紙Pを安定して搬送することができる。
また、本実施の形態の用紙搬送機構では、用紙Pの表面を吸引する構成であるため、たとえば、印刷処理対象の用紙Pの裏面に既に画像が記録されている場合であっても、その画像を傷付けることなく搬送することができる。
なお、上記実施の形態では、吸着面316に形成される吸着孔318の開口面積を両端に向けて漸次減少させる態様としているが、段階的に減少させるようにしてもよい。たとえば、図9(A)に示すように、吸着面316を幅方向に複数のゾーンZL3、ZL2、ZL1、Z0、ZR1、ZR2、ZR3に分割し、ゾーンごとに段階的に開口面積を減少させるようにしてもよい。同図に示す例では、中央のゾーンZ0に配置される吸着孔318の開口面積が最も大きく、中央から離れるに従って段階的に開口面積が小さくなるように形成されている(ZL1>ZL2>ZL1、ZR1>ZR2>ZR3、ZL1=ZR1、ZL2=ZR2、ZL3=ZR3)。
また、上記実施の形態では、吸着孔318が等間隔に配置されているが(前後に配置される吸着孔の中心間の距離が等間隔)、図9(B)に示すように、千鳥状に配置する構成としてもよい。
また、上記実施の形態では、吸着孔318を円形状とし、所定のパターンで配列する構成としているが、吸着孔318の形状は、これに限定されるものではない。たとえば、図10に示すように、スリット状の吸着孔318を形成するようにしてもよい。この場合、同図(A)に示すように、用紙Pの搬送方向に沿って同じ長さのスリット状の吸着孔318を幅方向に一定ピッチで形成し、幅方向の中央から幅方向の両端に向かって、幅が漸次減少するように形成するようにしてもよい。また、同図(B)に示すように、用紙Pの搬送方向に沿ってスリット状の吸着孔318を一定ピッチで形成し、幅方向の中央から幅方向の両端に向かって、幅と長さとが漸次減少するように形成するようにしてもよい。
また、図11(A)に示すように、スリット状の吸着孔318を幅方向に一定ピッチで形成し、幅方向の中央から幅方向の両端に向かって、幅が漸次減少するように形成するとともに、幅方向の中央から幅方向の両端に向かって、用紙Pの搬送方向の先端側を幅方向の中央に向けて漸次傾けて形成するようにしてもよい。これにより、幅方向の中央から吸着が開始されるようになり、効率よくシワを拡散することができる。
また、同図(B)に示すように、幅方向の中央から両端後方に延びる直線上にスリット状の吸着孔318を一定ピッチで配置し、幅方向の中央から幅方向の両端に向かって、幅が漸次減少するように形成するようにしてもよい。この構成によっても、幅方向の中央から吸着が開始されるようになり、効率よくシワを拡散することができる。なお、同図(C)に示すように、スリット状の吸着孔318に代えて、円形状の吸着孔318でも同様の効果を得ることができる。すなわち、幅方向の中央から両端後方に延びる直線上に円形状の吸着孔318を一定ピッチで配置し、幅方向の中央から幅方向の両端に向かって、直径が漸次減少するように形成するようにしてもよい。この場合、同図に示すように、用紙Pの搬送方向に沿って複数の吸着孔318を配置するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、各吸着孔318をそれぞれ1つの孔で形成しているが、図12に示すように、各吸着孔318を複数の小径の孔318Aの集合によって形成するようにしてもよい。同図に示す例では、複数の小径の孔318Aで円形状の吸着孔318を形作るようにしている。このように、複数の小径の孔318Aの集合によって各吸着孔318を形成することにより、用紙Pが吸着孔に沿って変形し、吸着孔の痕が残るのを防止することができる。
〈吸着孔の他の形成態様〉
上記実施の形態では、幅方向に配列される個々の吸着孔の開口面積を変えることにより、所望の吸着力の分布が得られるように構成している。吸着力に分布を持たせる構成は、これに限定されるものではない。すなわち、単一の吸着室から吸引する場合は、幅方向の中央から幅方向の両端に向かって開口率(開口している面積の割合)が減少するように、吸着孔318が形成されていれば、吸着力に分布を持たせることができる。したがって、同一の開口面積を有する吸着孔を形成する場合であっても、その設置間隔を変えれば、同じ吸着面上で吸着力に分布を持たせることができる。
図13は、吸着孔の設置間隔を調整して、吸着力に分布を持たせる場合の吸着面の平面図である。
同図に示すように、各吸着孔318は、同じサイズで形成されるが、幅方向の中央は密に配置され、幅方向の両端に向かうほど粗に配置されている。すなわち、幅方向の中央から幅方向の両端に向かうに従って、隣り合う吸着孔同士の間隔dhnが広くなるように配置されている(dhn−1<dhn)。このように、幅方向に隣り合う吸着孔の間隔を調整(=幅方向の吸着孔の配置密度を調整)することによっても、吸着力に分布を持たせることができる(幅方向の中央から幅方向の両端に向かって吸着力が弱くなるように形成することができる。)。
図14は、スリット状の吸着孔を形成した場合の吸着面の平面図である。同図(A)に示すように、スリット状の吸着孔(用紙の搬送方向に延びる方向に形成)を幅方向に沿って配列するとともに、隣り合う吸着孔同士の間隔が幅方向の中央から幅方向の両端に向かって漸次広くなるように配置している。この場合も幅方向の中央から幅方向の両端に向かって吸着力が弱くなるように形成することができる。同図(B)は、スリット状の吸着孔を幅方向に沿って配列するとともに、隣り合う吸着孔同士の間隔が幅方向の中央から幅方向の両端に向かって漸次広くなるように配置し、かつ、用紙Pの幅方向の中央から幅方向の両端に向かって、用紙Pの搬送方向の先端側を幅方向の中央に向けて漸次傾けて形成したものである。これにより、幅方向の中央から吸着が開始されるようになり、効率よくシワを拡散することができる。
この他、ゾーンごとに隣り合う吸着孔の間隔を調整することによっても(=ゾーンごとに吸着孔の配置密度を調整することによっても)、吸着力に分布を持たせることができる。
また、図15に示すように、幅方向の中央から両端後方に延びる直線上に吸着孔318を配置し、幅方向の中央から幅方向の両端に向かって、隣り合う吸着孔同士の間隔が漸次増大するように形成するようにしてもよい。この構成によっても、幅方向の中央から吸着が開始されるようになり、効率よくシワを拡散することができる。
なお、このように隣り合う吸着孔同士の間隔(=吸着孔の幅方向の配置密度)を調整して、吸着力を調整する場合も、上記同様に、各吸着孔を複数の小径の孔の集合によって形成することができる(図12参照)。これにより、用紙Pが吸着孔に沿って変形し、吸着孔の痕が残るのを防止することができる。
〈その他の態様〉
上記実施の形態では、用紙ガイド310に吸着面316が一体的に形成される例で説明したが、吸着面316を交換可能に形成し(吸着面316を構成する部分を着脱可能かつ交換可能に構成)、用紙に応じて作用させる吸着力の分布を変えられるようにしてもよい。
たとえば、図16に示すように、吸着孔の大きさ、配列等が異なる複数の吸着面を用意し、用紙Pの種類、厚さ、透気度、印刷済み用紙か否か等に応じて、使用する吸着面を交換できるようにしてもよい。これにより、用紙Pに応じて適切に吸着力を作用させることができ、より効果的にシワや浮きの発生を防止することができる。
この他、個々の吸着孔を拡縮可能に形成し(たとえば、アイリス機構等の開口面積の調整機構を設ける)、用紙に応じて開口面積を調整できるようにしても、同様の効果を得ることができる。
また、上記実施の形態では、吸着孔の開口面積又は吸着孔の形成間隔を調整して、吸着力の分布を調整する構成としているが、吸着孔の開口面積と吸着孔の形成間隔の双方を調整して、吸着力の分布を調整してもよい。
[第2の実施の形態]
上記第1の実施の形態では、吸着孔による吸着面の開口率を調整して、吸着力が幅方向の中央から幅方向の両端に向かって小さくなるようにしている。
本実施の形態では、吸着室を複数の部屋に分割し、各部屋の吸引力を調整することにより、吸着力の分布を調整する。
図17は、画像記録部の用紙搬送機構の第2の実施の形態の下面図である。また、図18は、第2の実施の形態の用紙搬送機構に組み込まれるバックテンション付与装置の概略構成図である。
なお、バックテンション付与装置以外の構成は、上述した第1の実施の形態の用紙搬送機構と同じなので、ここではバックテンション付与装置についてのみ説明する。
本実施の形態のバックテンション付与装置400も、主として、用紙ガイド410と、吸引ユニット430とで構成される。
用紙ガイド410は、用紙Pの搬送方向と平行な方向の断面が台形状をした中空のボックス形状(末広がりのボックス状)に形成される。用紙ガイド410は、用紙幅に対応して形成される。したがって、その幅(用紙Pの搬送方向と直交する方向の幅)は、画像記録ドラム41の幅とほぼ同じ幅で形成される。
用紙ガイド410は、画像記録ドラム41と対向する面に用紙Pを吸着するための吸着面416が形成される。吸着面416は平坦に形成される。用紙Pは、この吸着面上を吸引されながら摺動する。
上記第1の実施の形態と同様に、用紙ガイド410は、押圧ローラ42に近接して設置される。また、吸着面416が、押圧ローラ42の設置点における画像記録ドラム41の接線に沿うようにして配置される(図4参照)。
図17に示すように、吸着面416には、多数の吸着孔418が形成される。各吸着孔418は、同一形状で形成される(同じ開口面積で形成される。)。また、各吸着孔418は、用紙Pの搬送方向に一定ピッチ(dv=一定)で配置されるとともに、用紙Pの搬送方向と直交する方向(吸着面416の幅方向)に一定のピッチ(dh=一定)で配置される。すなわち、同じサイズの吸着孔418が吸着面416の全面に均等に配置される。
用紙ガイド410の内部空間は吸引室420とされ、吸着面416の幅とほぼ同じ幅で形成される。各吸着孔418は、この吸引室420に連通して形成される。
吸引室420は、複数の仕切壁422A〜422Fによって、複数の部屋420A〜420Gに分割される。仕切壁422A〜422Fは、用紙Pの搬送方向に沿って配置(吸着面の幅方向と直交する方向に配置)され、吸引室420を幅方向に沿って複数の部屋420A〜420Gに分割する。本例では、6つの仕切壁422A〜422Fによって、7つの部屋420A〜420Gに分割され、左右対称に配置されている。
各部屋420A〜420Gは、同じサイズで形成され、各々独立して形成される。吸着面416に形成される吸着孔418は、いずれかの部屋420A〜420Gに連通される。すなわち、各部屋420A〜420Gの形成領域に配置される吸着孔418が、各部屋420A〜420Gに個別に連通される。したがって、たとえば、部屋420Aの形成領域に配置される吸着孔418は、部屋420Aにのみ連通される。
用紙ガイド410の上面(吸着面416と反対側の面)には、各部屋420A〜420Gに対応して、個別吸引口424A〜424Gが形成される。各個別吸引口424A〜424Gは、対応する部屋420A〜420Gに個別に連通される。この個別吸引口424A〜424Gから空気を吸引することにより、各部屋420A〜420Gが個別に吸引され、各部屋420A〜420Gに対応する吸着孔418から空気が吸引される。
吸引ユニット430は、用紙ガイド410の各部屋420A〜420Bを個別に吸引する。吸引ユニット430は、部屋ごとに設けられる個別吸引ポンプ432A〜432Gと、部屋ごとに設けられる個別吸引管434A〜434Gと、個別吸引管434A〜434Gごとに設けられる個別吸引バルブ436A〜436Gとを備えて構成される。
個別吸引ポンプ432A〜432Gは、真空ポンプで構成される。各個別吸引ポンプ432A〜432Gの駆動は、画像記録制御部206を介してシステムコントローラ200に制御される。
個別吸引管434A〜434Gは、個別吸引ポンプ432A〜432Gと用紙ガイド410の各部屋420A〜420Gとを接続する。各個別吸引管434A〜434Gは、一端が個別吸引ポンプ432A〜432Gの吸込口に接続され、他端が各部屋420A〜420Gに対応して設けられた個別吸引口424A〜424Gに接続される。
個別吸引バルブ436A〜436Gは、各個別吸引管434A〜434Gの管路の途中に設置される。各個別吸引バルブ436A〜436Gは、開口量が調整可能に形成される。各個別吸引バルブ436A〜436Gの開口量は、画像記録制御部206を介してシステムコントローラ200に制御される。
各個別吸引ポンプ432A〜432Gを駆動すると、各個別吸引管434A〜434Gを介して各部屋420A〜420Gが真空吸引される(各部屋420A〜420Gが負圧にされる。)。これにより、吸着面416に形成された各吸着孔418からエアが吸引される。
ここで、各個別吸引ポンプ432A〜432Gと各部屋420A〜420Gとを繋ぐ個別吸引管434A〜434Gには、それぞれ個別に個別吸引バルブ436A〜436Gが設けられており、この個別吸引バルブ436A〜436Gの開口量を個別に制御することにより、各部屋420A〜420Gの吸引力を個別に制御することができる。そして、この各部屋420A〜420Gの吸引力を個別に制御することにより、各部屋420A〜420Gに連通される吸着孔418からの吸引力を制御することができる。したがって、各部屋420A〜420Gの吸引力を調整することにより、用紙Pに作用させる吸着力を幅方向で異なる値に制御することができる。
上記のように、吸着面416で用紙Pに作用させる吸着力は、幅方向の中央から幅方向の両端に向かって小さくなるように設定することにより、シワを幅方向に分散させることができる。
したがって、吸引時は、幅方向の両端側に配置される部屋ほど吸引力が低くなるように、個別吸引バルブ436A〜436Gの開口量を個別に制御する。本例では、吸引室420が7つの部屋420A〜420Gに分割され、部屋420Dが中央に配置されているので、中央の部屋420Dの吸引力が最も高くなり、以下、部屋420C、420E→部屋420B、420F→部屋420A、420Gの順で吸引力が低くなるように、個別吸引バルブ436A〜436Gの開口量を調整する。
これにより、上記第1の実施の形態と同様に、シワを幅方向に分散させながら用紙Pを伸ばすことができ、シワや浮き等を生じさせることなく、用紙Pを画像記録ドラム41に巻き付けることができる。
なお、上記実施の形態では、個別吸引バルブ436A〜436Gの開口量を個別に制御して、各部屋420A〜420Gの吸引力を制御する構成としているが、各個別吸引ポンプ432A〜432Gの吸引力を個別に制御して、各部屋420A〜420Gの吸引力を制御する構成とすることもできる。
〈その他の形態〉
上記実施の形態では、部屋420A〜420Gごとに個別吸引ポンプ432A〜432Gを設ける構成としているが、図19に示すように、1つのポンプで各部屋420A〜420Gを吸引する構成とすることもできる。
この場合、同図に示すように、各部屋420A〜420Gに接続された個別吸引管434A〜434Gを分岐管(マニホールド)440で結束して共通吸引管442に接続し、この共通吸引管442を共通吸引ポンプ438に接続する。各部屋420A〜420Gの吸引力の調整は、各部屋420A〜420Gの個別吸引管434A〜434Gに設けられた個別吸引バルブ436A〜436Gの開口量を個別に制御することにより行われる。
この構成によれば、部屋ごとに吸引ポンプを設置する必要がないので、装置構成を簡略化することができる。
〈用紙に応じた吸着力の制御〉
上記のように、本実施の形態のバックテンション付与装置400では、各部屋420A〜420Gに対応して設けられる個別吸引バルブ436A〜436Gの開口量を調整することにより、用紙Pに作用させる吸着力をコントロールすることができる。用紙Pに作用させる吸着力を用紙の種類等に応じて変えることにより、より効果的にシワ等の発生を防止することができる。
図20は、用紙の種類等に応じて用紙に作用させる吸着力をコントロールするためのシステムの構成図である。
上記のように、用紙Pは、その種類等に応じて、作用させる吸着力を変えることにより、より効果的にシワ等の発生を防止することができる。
たとえば、用紙Pの種類や厚さ、透気度、印刷済み用紙か否か(両面印刷する場合の裏面側の印刷か否か)等に応じて、作用させる吸着力の強さ、分布等を設定することができる。これらの情報は、たとえば、事前にユーザが操作部210から入力して設定する。すなわち、用紙Pの種類や厚さ、透気度、印刷済み用紙か否か等の情報を事前にユーザが操作部210から入力し、入力された情報に基づいて吸着力の強さ、分布等を設定する。設定すべき吸着力の強さや分布等は事前に定めておき、メモリに格納しておく。たとえば、設定可能な用紙の厚さごとに設定すべき吸着力の強さや分布を定めておき、メモリに格納しておく。複数の情報を組み合わせて設定する場合には、組み合わせごとに設定すべき吸着力の強さや分布を定めておき、メモリに格納しておく。システムコントローラ200は、このメモリに格納された情報を参照して、入力された情報から吸着力を設定する。
また、用紙Pの種類や厚さ、透気度、印刷済み用紙か否か等を自動的に検出する手段をインクジェット記録装置に備えれば、これらの検出手段から取得した情報に基づいて、吸着力を設定することができる。
たとえば、用紙Pの厚さを検出する用紙厚検出手段220を設けた場合には、この用紙厚検出手段220から得られる情報(用紙Pの厚さ情報)に基づいて、吸着力を設定することができる。用紙厚検出手段220には、公知のものを使用することができ、たとえば、給紙部20に設置することができる。
また、たとえば、用紙Pの透気度を検出する透気度検出手段230を設けた場合には、この透気度検出手段230から得られる情報(用紙Pの透気度の情報)に基づいて、吸着力を設定することができる。透気度の検出は、たとえば、用紙Pの表面からエアを吹き当て、裏面への透過量を検出することにより行うことができる。
また、たとえば、用紙Pの裏面(印刷される面と反対側の面)を撮影する手段(たとえば、カメラやスキャナなど)を設けた場合には、この撮影手段から得られる情報に基づいて、印刷済み用紙か否かを検出することができ、この情報に基づいて、吸着力を設定することができる。
このように、用紙の情報を検出するための各種検出手段を設けることにより、その検出手段から得られる情報を用いて、最適な吸着力(強さ、分布等)を自動的に設定することができる。なお、このように自動的に設定する場合も、用紙の幅方向の中央から両端に向かって吸着力が弱くなるように設定する。これにより、シワを幅方向に分散させながら用紙を伸ばすことができる。
なお、上記実施の形態では、吸引室420を7分割しているが、吸引室420を分割する数は、これに限定されるものではない。更に多くの数の部屋に分割することもできし、また、より少ない部屋の数に分割することもできる。この際、奇数に分割し、かつ、左右対称になるように分割することが好ましい。これにより、容易に所望の吸着力の分布(中央部を最も高い吸着力とし、両端に向かって吸着力が低くなるような分布)を形成することができる。
また、上記実施の形態では、各部屋420A〜420Gごとに設けられる個別吸引バルブ436A〜436Gの開口量を調整して、各部屋420A〜420Gの吸引力を個別に調整する構成としているが、各部屋420A〜420Gごとに設けられる個別吸引ポンプ432A〜432Gの駆動を制御して、各部屋420A〜420Gの吸引力を個別に調整する構成とすることもできる。
また、本実施の形態では、吸着孔418の形状を円形状としているが、吸着孔の形状は、これに限定されるものではない。たとえば、楕円形状、多角形状、スリット状等に形成することもできる。また、本例の場合も、各吸着孔を複数の小径の孔の集合によって形成することができる(図12参照)。これにより、用紙Pが吸着孔に沿って変形し、吸着孔の痕が残るのを防止することができる。
[第3の実施の形態]
上記第2の実施の形態では、吸着室を複数の部屋に分割し、各部屋420A〜420Gごとに設けられる個別吸引バルブ436A〜436Gの開口量を調整して、各部屋420A〜420Gの吸引力を個別に調整する構成としている。
本実施の形態では、吸着室を仕切壁によって複数の部屋に分割するとともに、隣り合う各部屋同士を仕切壁に設けられた連通口で連通し、その連通口の開口面積を変えることにより、各部屋の吸引力を調整する。
なお、バックテンション付与装置以外の構成は、上述した第2の実施の形態の用紙搬送機構と同じなので、ここではバックテンション付与装置についてのみ説明する。
図21は、第3の実施の形態の用紙搬送機構に組み込まれるバックテンション付与装置の概略構成図。
本実施の形態のバックテンション付与装置500も、主として、用紙ガイド510と、吸引ユニット530とで構成される。
用紙ガイド510は、用紙Pの搬送方向と平行な方向の断面が台形状をした中空のボックス形状(末広がりのボックス状)に形成される。用紙ガイド510は、用紙幅に対応して形成される。したがって、その幅(用紙Pの搬送方向と直交する方向の幅)は、画像記録ドラム41の幅とほぼ同じ幅で形成される。
用紙ガイド510は、画像記録ドラム41と対向する面に用紙Pを吸着するための吸着面516が形成される。吸着面516は平坦に形成される。用紙Pは、この吸着面上を吸引されながら摺動する。
上記第2の実施の形態と同様に、用紙ガイド510は、押圧ローラ42に近接して設置される。また、吸着面516が、押圧ローラ42の設置点における画像記録ドラム41の接線に沿うようにして配置される(図4参照)。
上記第2の実施の形態の用紙ガイド410の吸着面416と同様に、吸着面516には、多数の吸着孔518が形成される(図17参照)。各吸着孔518は、同一形状で形成される(同じ開口面積で形成される。)。また、各吸着孔518は、用紙Pの搬送方向に一定ピッチで配置されるとともに、用紙Pの搬送方向と直交する方向(吸着面516の幅方向)に一定のピッチで配置される。すなわち、同じサイズの吸着孔518が吸着面516の全面に均等に配置される。
用紙ガイド510の内部空間は吸引室520とされ、吸着面516の幅とほぼ同じ幅で形成される。各吸着孔518は、この吸引室520に連通して形成される。
吸引室520は、複数の仕切壁522A〜522Fによって、複数の部屋520A〜520Gに分割される。仕切壁522A〜522Fは、用紙Pの搬送方向に沿って配置(吸着面の幅方向と直交する方向に配置)され、吸引室520を幅方向に沿って複数の部屋520A〜520Gに分割する。本例では、6つの仕切壁522A〜522Fによって、7つの部屋520A〜520Gに分割され、左右対称に配置されている。この仕切壁522A〜522Fには、それぞれ連通口526A〜526Fが形成され、隣り合う部屋同士を連通する。すなわち、たとえば、部屋520Aと部屋520Bとは、仕切壁522Aに形成される連通口526Aによって連通され、部屋520Bと部屋520Cとは、仕切壁522Bに形成される連通口526Bによって連通される。このように、隣り合う部屋同士が、部屋と部屋とを仕切る仕切壁に形成された連通口526A〜526Fによって連通される。
各部屋520A〜520Gは、同じサイズで形成され、各々独立して形成される。吸着面516に形成される吸着孔518は、いずれかの部屋520A〜520Gに連通される。すなわち、各部屋520A〜520Gの形成領域に配置される吸着孔518が、各部屋520A〜520Gに個別に連通される。したがって、たとえば、部屋520Aの形成領域に配置される吸着孔518は、部屋520Aにのみ連通される。
用紙ガイド510の上面(吸着面416と反対側の面)には、幅方向の中央に吸引口524が形成される。この吸引口524は、中央の部屋520Dに連通される。したがって、この吸引口524から空気を吸引すると、中央の部屋520Dが吸引される(負圧にされる。)。
上記のように、隣り合う部屋同士は仕切壁522A〜522Fに形成された連通口526A〜526Fによって連通されているので、中央の部屋520Dが吸引されると、連通口526A〜526Fを介して、すべての部屋が吸引される。
ここで、各仕切壁522A〜522Fに形成される連通口526A〜526Fは、異なる開口面積で形成され、中央から両端に向かって開口面積が漸次小さくなるように形成される。すなわち、最も中央に位置する仕切壁522C、522Dの開口面積が大きくなり、両端に位置する仕切壁522A、522Fの開口面積が最も小さくなるように形成される(各仕切壁522A〜522Fに形成される連通口526A〜526Fの開口面積をそれぞれ、Sa〜Sfとすると、Sc、Sd>Sb、Se>Sa、Sf)。
このように、各仕切壁522A〜522Fに形成される連通口526A〜526Fの開口面積を幅方向の中央から両端に向かって漸次小さくなるように形成することにより、各部屋520A〜520Gの吸引力が、幅方向の中央から両端に向かって漸次減少する。これにより、用紙の吸着力が、幅方向の中央から幅方向の両端に向かって減少する。
吸引ユニット530は、用紙ガイド510の吸引室内を吸引する。吸引ユニット530は、吸引ポンプ532と、吸引管534と、吸引バルブ536とを備えて構成される。
吸引ポンプ532は、真空ポンプで構成される。吸引ポンプ532の駆動は、画像記録制御部206を介してシステムコントローラ200に制御される。
吸引管534は、吸引ポンプ532と用紙ガイド510とを接続する。吸引管534は、一端が吸引ポンプ532の吸込口に接続され、他端が用紙ガイド510の吸引口524に接続される。
吸引バルブ536は、吸引管534の管路の途中に設置される。吸引バルブ536は、開口量が調整可能に形成される。吸引バルブ536の開口量は、画像記録制御部206を介してシステムコントローラ200に制御される。
吸引ポンプ532を駆動すると、吸引管534を介して中央の部屋520Dが真空吸引される。上記のように、隣り合う部屋同士は仕切壁522A〜522Fに形成された連通口526A〜526Fによって連通されているので、中央の部屋520Dが吸引されると、連通口526A〜526Fを介して、すべての部屋が吸引される。
また、各仕切壁522A〜522Fに形成される連通口526A〜526Fは、中央から両端に向かって開口面積が漸次小さくなるように形成されているので、各部屋520A〜520Gの吸引力は、幅方向の中央から両端に向かって漸次減少する。これにより、吸着面516で用紙Pに作用する吸着力が、幅方向の中央から幅方向の両端に向かって減少する。
このように、本実施の形態のバックテンション付与装置500においても、用紙Pに作用させる吸着力に所望の分布(幅方向の中央から幅方向の両端に向かって漸次小さくなるような分布)を持たせることができる。これにより、上記第1、第2の実施の形態と同様に、シワを幅方向に分散させながら用紙Pを伸ばすことができ、シワや浮き等を生じさせることなく、用紙Pを画像記録ドラム41に巻き付けることができる。
なお、上記実施の形態では、吸引室520を7分割しているが、吸引室520を分割する数は、これに限定されるものではない。更に多くの数の部屋に分割することもできし、また、より少ない部屋の数に分割することもできる。この際、奇数に分割し、かつ、左右対称になるように分割することが好ましい。これにより、容易に所望の吸着力の分布(中央部を最も高い吸着力とし、両端に向かって吸着力が低くなるような分布)を形成することができる。
また、上記実施の形態では、各連通口526A〜526Fを1つの孔で形成しているが、複数の孔で形成してもよい。複数の孔で形成する場合は、開口面積の合計が、中央から両端に向かって漸次減少するように形成する。
また、本実施の形態では、吸着孔518の形状を円形状としているが、吸着孔の形状は、これに限定されるものではない。たとえば、楕円形状、多角形状、スリット状に形成することもできる。また、本例の場合も、各吸着孔を複数の小径の孔の集合によって形成することができる(図12参照)。これにより、用紙Pが吸着孔に沿って変形し、吸着孔の痕が残るのを防止することができる。
また、上記実施の形態では、仕切壁522A〜522Fが用紙ガイド310に一体的に形成される例で説明したが、仕切壁を交換できるようにしてもよい(仕切壁の部分を着脱可能かつ交換可能に構成する。)。これにより、用紙に応じて連通口のサイズを変えることができ、用紙ごとに適切な吸着力を付与することができる。
たとえば、連通口の開口面積が異なる仕切壁を複数用意し、用紙Pの種類、厚さ、透気度、印刷済み用紙か否か等に応じて、使用する仕切壁を交換するようにしてもよい。
この他、各仕切壁522A〜522Fに形成される連通口を拡縮可能に形成し(たとえば、アイリス機構等の開口面積の調整機構を設ける)、連通口の開口面積を調整できるようにしても、同様の効果を得ることができる。
[その他の実施の形態]
上記実施の形態では、用紙Pが押圧ローラ42によって押圧される直前の位置で用紙Pの表面を吸着して、用紙Pにバックテンションを付与する構成としているが、用紙Pの裏面を吸着して、用紙Pにバックテンションを付与する構成とすることもできる。たとえば、渡し胴80の下部には配設されるガイド板82のガイド面に複数の吸着孔を形成し、この吸着孔から用紙Pの裏面を吸着して、用紙Pにバックテンションを付与する構成とすることもできる。この場合も用紙Pの幅方向の中央から幅方向の両端に向かって吸引力が小さくなるように形成する。これにより、シワを幅方向に分散させながら用紙Pを伸ばすことができ、シワや浮きを生じさせることなく、用紙Pを画像記録ドラム41に巻き付けることができる。
なお、本実施の形態のように、用紙Pの表面を吸着することにより、たとえば、印刷済みの用紙の場合であっても、印刷済みの画像を傷つけずにバックテンションを付与することができる。また、用紙Pが画像記録ドラム41に巻き付けられる直前の位置(押圧ローラ42によるニップ位置)まで用紙Pを保持できるので、より効果的にシワ、浮きの発生を防止できる。
また、上記実施の形態では、押圧ローラ42が、いわゆるストレート形状(外径が一定の形状)に形成されているが、いわゆるクラウン形状(外径が中央から両端に向かって小さくなる形状)に形成されたものを使用することもできる。このような形状の押圧ローラ42で用紙Pの表面を押圧することにより、用紙Pを幅方向に伸ばしながら、用紙Pを押圧することができる。
また、上記実施の形態では、用紙ガイドの吸着面の形状を平坦としているが、吸着面の形状は、これに限定されるものではない。たとえば、円弧状に形成するようにしてもよい。この場合、前後方向(用紙Pの搬送方向と平行な方向)の断面の形状が、画像記録ドラム側に凸となる円弧状に形成してもよいし、前後方向の断面の形状が、画像記録ドラムと反対側に凹となる円弧状に形成してもよい。また、幅方向(用紙Pの搬送方向と直交する方向)の断面の形状が、画像記録ドラム側に凸となる円弧状に形成してもよいし、幅方向の断面形状が、画像記録ドラムと反対側に凹となる円弧状に形成してもよい。また、前後方向と幅方向のそれぞれに円弧状に形成するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、画像記録ドラム41の用紙搬送機構に本発明を適用した場合を例に説明したが、他の用紙搬送機構にも本発明を適用することができる。たとえば、処理液塗布部30の用紙搬送機構にも適用することができる。この場合、塗布装置32(塗布ローラ)の直前位置にバックテンション付与装置を設置する。これにより、塗布ローラによって押圧される用紙Pにシワが発生するのを防止することができる。
10…インクジェット記録装置、20…給紙部、21…給紙装置、22…給紙トレイ、23…渡し胴、30…処理液塗布部、31…搬送ドラム(処理液塗布ドラム)32…塗布装置、40…画像記録部、41…搬送ドラム(画像記録ドラム)、42…押圧ローラ、43…用紙浮き検出センサ、43A…レーザ投光器、43B…レーザ受光器、44C、44M、44Y、44K…インクジェットヘッド、50…インク乾燥部、51…搬送ドラム(インク乾燥ドラム)、52…インク乾燥装置、60…定着部、61…搬送ドラム(定着ドラム)、62…紫外線照射光源、64…インラインセンサ、70…回収部、71…スタッカ、72…排紙コンベア、80…渡し胴、82…ガイド板、84…ドライヤ、90…渡し胴、92…ガイド板、94…ドライヤ、100…渡し胴、102…ガイド板、104…ドライヤ、200…システムコントローラ、201…通信部、202…画像メモリ、203…搬送制御部、204…給紙制御部、205…処理液塗布制御部、206…画像記録制御部、207…インク乾燥制御部、208…定着制御部、209…回収制御部、210…操作部、211…表示部、220…用紙厚検出手段、230…透気度検出手段、300…バックテンション付与装置、310…用紙ガイド、316…吸着面、318…吸着孔、318A…吸着孔を構成する小径の孔、320…吸引室、322…吸引口、330…吸引ユニット、332…吸引ポンプ、334…吸引管、336…吸引バルブ、400…バックテンション付与装置、410…用紙ガイド、416…吸着面、418…吸着孔、420…吸引室、420A〜420G…部屋、422A〜422F…仕切壁、424A〜424G…個別吸引口、430…吸引ユニット、432A〜432G…個別吸引ポンプ、434A〜434G…個別吸引管、436A〜436G…個別吸引バルブ、438…共通吸引ポンプ、440…分岐管、442…共通吸引管、500…バックテンション付与装置、510…用紙ガイド、516…吸着面、518…吸着孔、520…吸引室、520A〜520G…部屋、522A〜522F…仕切壁、524…吸引口、526A〜526F…連通口、530…吸引ユニット、532…吸引ポンプ、534…吸引管、536…吸引バルブ、G…グリッパ、P…用紙、A…受取位置、B…吸着開始位置、C…吸着終了位置

Claims (14)

  1. 枚葉の用紙を搬送する用紙搬送装置において、
    外周面上に前記用紙を巻き付けて回転することにより、前記用紙を搬送するドラムと、
    前記ドラムの外周面上の所定位置で前記用紙の表面を押圧して、前記用紙の裏面を前記ドラムの外周面に密着させる押圧ローラと、
    前記ドラムに巻き付けられる前記用紙の表面又は裏面が吸着されながら摺動する吸着面を有し、前記用紙の幅方向の中央から幅方向の両端に向かって吸着力が低くなるように前記用紙の表面又は裏面を吸着して、前記吸着面上を摺動する前記用紙にバックテンションを付与するバックテンション付与手段と、
    を備える用紙搬送装置。
  2. 前記バックテンション付与手段は、
    吸引室と、
    前記吸着面に多数形成され、前記吸引室に連通される吸着孔と、
    前記吸引室を吸引する吸引手段と、
    を有し、前記吸着孔による前記吸着面の開口率が前記吸着面の幅方向の中央から幅方向の両端に向かって減少するように、前記吸着孔が前記吸着面に形成されて、前記吸着力が前記用紙の幅方向の中央から幅方向の両端に向かって低くなるように形成される請求項1に記載の用紙搬送装置。
  3. 前記吸着面の幅方向の両端の近くに配置される前記吸着孔ほど開口面積が小さく形成される請求項2に記載の用紙搬送装置。
  4. 前記吸着孔が拡縮可能に形成され、前記吸着孔の開口面積が調整可能である請求項3に記載の用紙搬送装置。
  5. 前記吸着面の幅方向の中央から幅方向の両端に向かうほど前記吸着孔の配置密度が小さくなるように形成される請求項2に記載の用紙搬送装置。
  6. 前記バックテンション付与手段は、
    前記吸着面の幅に対応する幅を有する吸引室と、
    前記吸着面の全面に均等に配置され、前記吸引室に連通される多数の吸着孔と、
    前記吸引室の内部を幅方向に沿って複数の部屋に区分けする複数の仕切壁と、
    前記各部屋を個別に吸引する吸引手段と、
    を有し、前記各部屋を吸引する吸引力を個別に調整して、前記吸着力が調整される請求項1に記載の用紙搬送装置。
  7. 前記吸引手段は、
    前記各部屋に個別に連通される個別吸引管と、
    前記各個別吸引管に個別に接続される個別吸引ポンプと、
    前記各個別吸引管に個別に設けられ、開口量が調整可能な個別バルブと、
    を備え、前記各個別バルブの前記開口量を個別に調整して、前記吸引力が調整される請求項6に記載の用紙搬送装置。
  8. 前記吸引手段は、
    前記各部屋に個別に連通される個別吸引管と、
    前記各個別吸引管が接続される共通吸引管と、
    前記共通吸引管に接続される共通吸引ポンプと、
    前記各個別吸引管に個別に設けられ、開口量が調整可能な個別バルブと、
    を備え、前記各個別バルブの前記開口量を個別に調整して、前記吸引力が調整される請求項6に記載の用紙搬送装置。
  9. 前記用紙の情報を取得する用紙情報取得手段と、
    前記用紙情報取得手段で取得された前記用紙の情報に基づいて前記吸引手段を制御する制御手段と、
    を更に有する請求項6から8のいずれか1項に記載の用紙搬送装置。
  10. 前記用紙情報取得手段は、前記用紙の種類、厚さ、透気度、印刷済み用紙か否かの少なくとも1つの情報を取得する請求項9に記載の用紙搬送装置。
  11. 前記バックテンション付与手段は、
    前記吸着面の幅に対応する幅を有する吸引室と、
    前記吸着面の全面に均等に配置され、前記吸引室に連通される多数の吸着孔と、
    前記吸引室の内部を幅方向に沿って複数の部屋に区分けする複数の仕切壁と、
    前記各仕切壁に形成され、隣り合う前記部屋を連通する連通口と、
    前記各部屋を個別に吸引する吸引手段と、
    を有し、前記吸着面の幅方向の両端の近くに配置される前記仕切壁ほど前記連通口の開口面積が小さく形成される請求項1に記載の用紙搬送装置。
  12. 前記連通口が拡縮可能に形成され、前記連通口の開口面積が調整可能である請求項11に記載の用紙搬送装置。
  13. 前記バックテンション付与手段は、前記用紙が前記ドラムと前記押圧ローラとの間に進入する直前の位置で前記用紙の表面を吸着して、前記用紙にバックテンションを付与する請求項1から12のいずれか1項に記載の用紙搬送装置。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の用紙搬送装置と、
    前記ドラムによって搬送される前記用紙にインク滴を吐出して、前記用紙の表面に画像を記録するインクジェットヘッドと、
    を有するインクジェット記録装置。
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