JPH05107969A - 画像形成装置の用紙搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 感光体ドラムからトナー画像が転写された用
紙を、定着装置に向けて搬送する吸引搬送装置におい
て、吸引装置における吸引作用を有効に発揮させ得るよ
うにする。 【構成】 感光体ドラムと定着装置との間に配置される
吸引搬送装置は、吸引孔を設けた搬送ベルト１１……に
対して、吸引装置２０を組み合わせることにより、用紙
をベルトの表面に押圧し、該ベルトと用紙との摩擦力に
より搬送力を発揮させる。前記吸引装置２０では、幅方
向と長さ方向とに多数の吸引室を分割した状態で配置
し、各吸引室に対してパイプ２３……を接続し、パイプ
を弁コントロール装置２５に接続する。そして、用紙の
幅に対応させて、吸引室に対して吸引作用を発揮させ、
用紙を搬送ベルトに付着させる状態で、搬送作用を有効
に発揮させるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子複写機やレーザプ
リンター等のように、電子写真方式を用いて記録紙を作
成する画像形成装置において、トナー画像を担持する用
紙を搬送するための吸引搬送装置に関し、特に、小サイ
ズの用紙に対して、必要とされる吸引室のみを作動させ
るようにして、該小サイズの用紙に対する搬送作用を良
好に行い得るように構成した用紙搬送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】電子複写機やレーザプリンター等のよう
に、電子写真方式を用いて記録紙を作成する画像形成装
置では、原稿の画像を走査した光や、レーザビーム走査
装置から出力される光を、感光体ドラム等の画像担持体
に照射して、該画像担持体に静電潜像を形成させる。そ
して、その静電潜像に対して現像装置からトナーを供給
して付着させ、トナー画像を形成して、そのトナー画像
を転写・剥離コロトロン等からの放電により、用紙に転
写させるような手段を用いている。そして、前述したよ
うにしてトナー画像が転写された用紙は、定着装置に向
けて搬送され、該定着装置において熱や圧力が加えられ
て定着され、コピーとして排出される。

【０００３】前述したような画像形成装置では、感光体
ドラム等の画像担持体と定着装置との間に吸引搬送装置
を配置し、該吸引搬送装置に設けた吸引装置により用紙
の裏面を吸引しながら、搬送ベルトによりトナー画像が
転写された用紙を、定着装置に向けて搬送する手段を用
いている。前記吸引搬送装置としては、例えば、特開昭
５７−１９８４８０号公報や、特開昭６０−１０７６６
３号公報等に示されるように、搬送ベルトと吸引装置と
を組み合わせた吸引搬送装置を用いている。前記従来例
に示される吸引搬送装置では、未定着トナー画像を担持
する用紙に対して、吸引装置により吸引する作用を付与
することによって搬送ベルトに向けて押圧し、搬送ベル
トによる用紙搬送状態を良好に設定出来るような手段を
用いている。

【０００４】前記従来例に示されるような吸引搬送装置
では、複数本の幅の狭いベルトを、用紙の幅方向に対し
て平行に配置し、それ等のベルト全体に対応させて、吸
引装置を幅の大きなもので構成し、各ベルトに対応させ
た位置に吸引部を配置している。また、前記吸引装置に
対して１つの吸引フアンによる吸引手段を配置し、前記
吸引装置に対して負圧を付与することにより、各搬送ベ
ルトに設けた吸引孔から空気を吸入し、搬送ベルトに対
して用紙を吸引させる作用を発揮させる。そして、前記
搬送ベルトに押圧される用紙が、その搬送ベルト表面と
の摩擦力により搬送ベルトの移動にしたがって搬送さ
れ、トナー画像を担持した状態のままで定着装置に送り
込まれるようになっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記従来例に示される
ような吸引搬送装置では、その画像形成装置で使用する
用紙のサイズに対応させて、用紙搬送装置を構成してお
り、その画像形成装置で使用される最大サイズの用紙に
対応させて、前記吸引装置を構成し、その吸引装置の周
囲に複数本の搬送ベルトを配置している。そして、従来
の画像形成装置に用いられている用紙搬送装置では、例
えば、用紙搬送装置で搬送し得る最大サイズの用紙を、
吸引装置により吸引しながら搬送する際には、該吸引装
置に設けた吸引孔の全部が、用紙を吸引する状態となる
ために、その用紙を搬送ベルトに対して全体に付着させ
ることができる。

【０００６】ところが、小サイズの用紙を用いてコピー
を作成する場合等では、その小サイズの用紙は、吸引装
置に対して十分に余裕がある状態で搬送され、例えば、
搬送の基準線が用紙搬送路の一方に設定されている装置
では、他方の側に用紙の存在しない部分が形成される。
そして、その用紙のない部分の吸引装置の吸引孔から
は、全く抵抗のない状態で空気が吸引されることになる
ために、用紙を吸引しなければならない部分では、十分
な負圧が得られずに、用紙の搬送能力を良好に発揮出来
ないという問題が発生する。また、吸引搬送装置におい
て、搬送ベルトに対して用紙を均一な力で吸引保持出来
ない場合には、該吸引搬送装置で搬送している途中で、
用紙が斜め送り状態となったりすることがあり、その後
の用紙の処理に問題が生じたりする場合が発生する。

【０００７】前述したように、用紙の搬送力を良好に発
揮出来ないという問題は、用紙のサイズが小さいもので
ある程顕著に発生するもので、吸引搬送装置により定着
装置に向けて用紙を搬送出来ない場合、または、適正な
速度で用紙が搬送されない場合には、その用紙搬送路内
でのジャム検知情報が出力される。また、吸引搬送装置
による用紙搬送力が十分に発揮されない場合には、用紙
搬送装置から定着装置に接続するガイド板に摺動する部
分での抵抗や、定着装置での用紙ニップ部分に用紙を挿
入する際の抵抗等により、用紙が用紙搬送装置の上で停
止したりする場合がある。そして、いずれの場合でも、
装置の制御装置からはジャム信号が出力されるので、そ
の信号が出力される都度、装置の動作が中断されて、オ
ペレータはジャム紙の処理に苦慮することになる。

【０００８】

【発明の目的】本発明は、前述したような従来の吸引搬
送装置の問題を解消するもので、吸引装置を複数の小さ
な吸引室に分割して配置し、各吸引室に対して吸引作用
を制御する手段を設けて、用紙が対応する吸引室に対し
てのみ、吸引作用を発揮させることにより、小サイズの
用紙等に対して搬送ベルトによる搬送性能を良好に発揮
させることが出来るようにする装置を提供することを目
的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段および作用】本発明は、画
像担持体からトナー画像を転写する位置と定着装置との
間で、トナー画像を担持する用紙を搬送するための吸引
搬送装置を配置し、該吸引搬送装置を搬送ベルトと吸引
装置とにより構成し、吸引装置による負圧により用紙を
搬送ベルトに付着させながら搬送する吸引搬送装置に関
する。本発明の画像形成装置においては、前記吸引搬送
装置の搬送ベルトの下部に配置する吸引装置を、複数の
小さな吸引室として分割して構成し、前記各吸引室に対
して吸引力を制御する手段を配置し、用紙のサイズの情
報にしたがって、必要とされる吸引室のみを作動させる
ような制御機構を構成している。また、本発明の吸引搬
送装置では、給紙部から得られる用紙サイズの信号や、
用紙搬送路に配置した用紙の検知信号等を用いて、吸引
装置に対する制御を行うことができ、吸引搬送装置では
多数の吸引室に対して、用紙の移動に合わせて順次吸引
作用を切り替える等の手段を用いることができる。

【００１０】前述したように構成したことにより、本発
明の吸引搬送装置では、特に小サイズの用紙に対して、
必要とされる吸引室のみが作動されるので、その吸引装
置に配置するフアンの性能を、用紙の吸引にのみ発揮さ
せることができ、任意のサイズの用紙に対して、搬送作
用を良好に発揮させることができる。また、本発明の画
像形成装置の用紙搬送装置では、用紙の搬送に必要とさ
れない部分では、空気を吸引しないために、画像形成装
置の内部での気流に乱れが生じることがなく、排気の処
理装置等に対して余分な負荷をかけたりすることが防止
される。

【００１１】

【実施例】図示される例にしたがって、本発明の画像形
成装置の用紙搬送装置を説明する。図１に示される画像
形成装置１においては、従来の装置と同様に、電子写真
方式を用いてトナー画像を形成する感光体ドラム２に対
して、画像転写部に転写・剥離コロトロン３を配置して
いる。また、定着装置５は、一般の装置と同様に、加熱
ローラ６と加圧ローラ７とを対向させて配置して構成し
ているもので、用紙のトナー画像担持面を加熱ローラ６
に対応させ、その加熱ローラの熱によりトナー画像のト
ナーを溶融し、加圧ローラ７により圧力を加えることに
より、トナーを用紙に定着させるようにする。さらに、
前記定着装置のローラ装置に対して、用紙ニップ位置の
直前部にガイド板４を配置し、前記ガイド板４により、
用紙の先端部を案内して、定着装置の用紙ニップ部分に
向けて移動させるようにしている。

【００１２】本発明においては、従来の電子複写機等の
場合と同様に、前記感光体ドラム２と定着装置５との間
に吸引搬送装置１０を配置し、トナー画像を担持する用
紙を、画像転写部と定着装置との間で搬送するようにし
ている。前記吸引搬送装置１０は、図２に示されるよう
に、複数本の搬送ベルト１１、１１ａ、１１ｂ……を平
行に配置し、搬送方向の両側の端部に配置したローラ部
材１３、１４により搬送ベルトを駆動するようにしてい
る。また、前記搬送ベルト１１には、吸引孔１２を多数
設けておき、搬送ベルトによる用紙搬送面の下部に吸引
装置２０を配置している。そして、吸引装置２０に設け
た吸引機構を介して空気を吸引することによって、搬送
ベルトの吸引孔１２から空気を吸引し、その吸引された
空気による負圧によって、用紙を搬送ベルトの表面に付
着させ、搬送ベルトとの摩擦によって用紙を搬送する作
用を行わせる。

【００１３】前述したように構成される吸引装置２０に
おいては、図３に示されるように、多数の吸引室（吸引
チャンバ）２１ａ、２１ｂ……、２１ｉを碁盤の目のよ
うに、縦横方向に並べた状態で配置しており、各吸引室
には、その上部に吸引部２２ａ、２２ｂ、……２２ｉ
を、それぞれ形成している。前記吸引室２１ａ……は、
搬送ベルト１１、１１ａ、１１ｂに対応させて直線状に
配置し、各吸引室に設けた吸引部２２ａ……が、搬送ベ
ルトに形成された吸引孔に対応させる。また、前記吸引
装置２０に配置する吸引室に対しては、それぞれパイプ
２３ａ……を弁コントロール装置２５との間に接続し、
該弁コントロール装置２５では、各吸引室に対応させて
コントロールバルブ等を設けている。そして、前記弁コ
ントロール装置２５に対して吸引フアン２６を配置し、
バルブを開閉することにより、吸引室に対して吸引力を
発生させることができるようにされる。

【００１４】前述したように構成される本発明の吸引装
置２０は、図２に示されるようにして、吸引搬送装置１
０に組み込まれ、各吸引室の吸引部が、複数の搬送ベル
ト１１、１１ａ……に対応する位置に並べられる。そし
て、前記吸引室に対して空気の吸引作用を付与すること
によって、搬送ベルトに設けた吸引孔を介して空気の吸
引作用を行い、搬送ベルトの上に支持される用紙を、そ
の負圧により搬送ベルトの表面に押圧しながら搬送する
作用を行う。なお、前記吸引装置２０においては、小さ
い吸引室をそれぞれ単独に配置することが出来るが、そ
の他に、大きく構成した吸引装置本体を隔壁等によって
多数の小さな室に分割して構成し、それ等の各吸引室に
対して、吸引作用を発揮させ得るようにすることも出来
る。

【００１５】また、前記吸引搬送装置での用紙の搬送作
用は、後述するように、用紙のサイズ等の情報と、用紙
の移動状態を検知する情報等を用いて、弁コントロール
装置２５におけるバルブの開閉を制御し、吸引フアン２
６による吸引力を無駄無く使用出来るようにする。前記
図３に示されるような吸引装置２０において、各吸引室
に対して吸引作用を発揮させる際には、例えば、給紙部
から出力される用紙のサイズの情報により、用紙搬送装
置の幅方向の吸引室に対するコントロールを行うことが
できる。なお、前記用紙の幅に対応する吸引作用の制御
情報としては、画像形成装置の制御装置から出力される
用紙の選択の情報を用いることができ、それ等の用紙の
幅の情報により、弁コントロール装置２５におけるコン
トロールバルブを開閉する制御の動作を行うことも出来
る。

【００１６】そして、例えば、画像形成装置において使
用可能な最大サイズの用紙に対しては、図４に示される
ように、その用紙Ｐが吸引搬送装置の吸引装置の幅全体
を覆う状態で搬送されるために、吸引装置の全部の吸引
室が吸引作用を発揮出来るようにする。また、小サイズ
の用紙に対しては、図５に示されるように、その用紙Ｐ
に対応する吸引室のみに空気吸引作用を与える状態のコ
ントロールを行い、用紙に対応しない吸引室に対して
は、無駄な吸引作用を付与させないようにする。したが
って、前記図４および図５に示されるように、用紙のサ
イズに対応させて、吸引室に対する吸引作用を付与する
ことにより、用紙に対する搬送作用を良好な状態で行わ
せ得るようにすることができる。

【００１７】前述したような制御機構に加えて、本発明
の複数の吸引室により構成される吸引装置２０では、吸
引搬送装置での用紙の移動に追従させて、吸引室に対す
る吸引作用を付与させることも可能である。そのため
に、例えば、従来より、吸引搬送装置に対して配置され
る用紙検知センサにより、用紙の通過を検知する信号を
用いることができる。図４および図５に示されるよう
に、一般の吸引搬送装置では、吸引搬送装置１０の用紙
搬送方向の前後、または、吸引搬送装置１０の入り口
と、定着装置の入り口とにセンサＳ１、Ｓ２をそれぞれ
配置している。そこで、本発明においては、前記センサ
Ｓ１により用紙の先端部を検知すると、あらかじめ制御
装置からの情報により指定されている吸引室に対して、
上流側のものから順次バルブを開いて吸引作用を付与さ
せるようにする。

【００１８】前記吸引室に対する吸引作用の付与に際し
ては、用紙の移動速度の情報を用いて、センサＳ１によ
り検知された後で、その用紙の移動速度に合わせて、下
流側の吸引室に対する吸引作用を付与させるような制御
を行うと、フアンによる吸引作用を有効に使用すること
ができる。また、下流部に配置するセンサＳ２の情報
は、用紙の後端部を検知するために使用することがで
き、該センサＳ２により用紙の後端部の通過を検知する
と、全部の吸引室に対する吸引作用を停止する。そし
て、前述したようなコントロールを行うことにより、用
紙の後端部に対して、吸引装置による吸引作用を良好な
状態で発揮させ、用紙の後端部が跳ね上がったりすると
いう問題が生じないようにする。

【００１９】なお、前述したように、用紙の幅等に対応
させて吸引室に対する吸引作用を発揮させるために、前
述したように、弁コントロール装置２５にコントロール
バルブを配置することの他に、該開閉手段をパイプに対
して配置することや、吸引室に対して配置すること等も
可能である。また、前記コントロールバルブとしては、
電磁弁等の他に、任意の構成の開閉弁等のように、従来
より一般に用いられている開閉手段を用いることが可能
である。

【００２０】

【発明の効果】本発明の吸引搬送装置においては、前述
したように吸引装置を構成しているので、特に小サイズ
の用紙に対して、必要とされる吸引室のみが作動される
ので、その吸引装置に配置するフアンの性能を、用紙の
吸引にのみ発揮させることができ、任意のサイズの用紙
に対して、搬送作用を良好に発揮させることができる。
また、本発明の吸引搬送装置では、用紙の移動に対応さ
せて、吸引室に対して吸引力を発揮させることができ、
吸引作用を有効に発揮させることができる。そして、本
発明の画像形成装置の用紙搬送装置では、用紙の搬送に
必要とされない部分では、空気を吸引しないために、画
像形成装置の内部での気流に乱れが生じることがなく、
排気の処理装置等に対して余分な負荷をかけたりするこ
とが防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の画像形成装置の構成を示す側面図で
ある。

【図２】 用紙搬送装置の斜視図である。

【図３】 吸引装置の構成を示す説明図である。

【図４】 大サイズの用紙に対する作用を示す説明図で
ある。

【図５】 小サイズの用紙に対する作用を示す説明図で
ある。

【符号の説明】

１ 画像形成装置、 ２ 感光体ドラム、 ４
ガイド板、５ 定着装置、１０ 吸引搬送装置、
１１ 搬送ベルト、１２ 吸引孔、２０ 吸引装
置、 ２１ 吸引室、 ２２ 吸引部、２３ パ
イプ、２５ 弁コントロール装置、２６ 吸引フア
ン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像担持体からトナー画像を転写する位
   置と定着装置との間で、トナー画像を担持する用紙を搬
   送するための吸引搬送装置を配置し、該吸引搬送装置を
   搬送ベルトと吸引装置とにより構成し、吸引装置による
   負圧により用紙を搬送ベルトに付着させながら搬送する
   吸引搬送装置において、 前記吸引搬送装置の搬送ベルトの下部に配置する吸引装
   置を、複数の小さな吸引室として分割して構成し、前記
   各吸引室に対して吸引力を制御する手段を配置し、 用紙のサイズの情報にしたがって、必要とされる吸引室
   のみを作動させるような制御機構を構成することを特徴
   とする画像形成装置の用紙搬送装置。