JP6703764B2 - シート材吸着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
図1は、本実施形態におけるインクジェット記録装置の概略構成を示す模式図である。
本実施形態のインクジェット記録装置1は、主に、給紙部100、画像形成部200、乾燥部300、排紙部400から構成されている。インクジェット記録装置1においては、給紙部100から給紙されるシート材としての記録材である用紙Pに対し、画像形成部200で画像形成用の液体であるインクにより画像を形成する。そして、用紙上に付着したインクを乾燥部300において乾燥させた後、用紙を排紙部400から排紙する。
給紙部100は、主に、複数の用紙Pが積載される給紙トレイ110と、給紙トレイ110から用紙を1枚ずつ分離して送り出す給送装置120と、用紙を画像形成部200へ送り込むレジストローラ対130とから構成されている。給送装置120には、ローラやコロを用いた装置や、エア吸引を利用した装置など、あらゆる給送装置を用いることが可能である。給送装置120により給紙トレイ110から送り出された用紙は、その先端がレジストローラ対130に到達した後、レジストローラ対130が所定のタイミングで駆動することにより、画像形成部200へ給紙される。なお、本実施形態において、給紙部100は、画像形成部200へ用紙Pを送り出すものであれば、その構成に制限はない。
画像形成部200は、主に、給紙された用紙Pを受け取る受け取り胴201と、受け取り胴201によって搬送された用紙Pを外周面に担持して搬送する用紙担持ドラム210と、用紙担持ドラム210に担持された用紙Pに向けてインクを吐出するインク吐出部220と、用紙担持ドラム210によって搬送された用紙Pを乾燥部300へ受け渡す受け渡し胴202とから構成されている。
乾燥部300は、主に、画像形成部200で用紙P上に付着したインクを乾燥させるための乾燥機構301と、画像形成部200から搬送されてくる用紙Pを搬送する搬送機構302とから構成されている。画像形成部200から搬送されてきた用紙Pは、搬送機構302に受け取られた後、乾燥機構301を通過するように搬送され、排紙部400へ受け渡される。乾燥機構301を通過する際、用紙P上のインクには乾燥処理が施され、これによりインク中の水分等の液分が蒸発し、用紙P上にインクが固着するとともに、用紙Pのカールが抑制される。
排紙部400は、主に、複数の用紙Pが積載される排紙トレイ410から構成されている。乾燥部300から搬送されてくる用紙Pは、排紙トレイ410上に順次積み重ねられて保持される。なお、本実施形態において、排紙部400は、用紙Pを排紙するものであれば、その構成に制限はない。
本実施形態のインクジェット記録装置1は、給紙部100、画像形成部200、乾燥部300、排紙部400から構成されているが、他の機能部を適宜追加してもよい。例えば、給紙部100と画像形成部200との間に画像形成の前処理を行う前処理部を追加したり、乾燥部300と排紙部400との間に画像形成の後処理を行う後処理部を追加したりすることができる。
また、シート材の被乾燥面に向けて液体を吐出する液体吐出ヘッドを備えた画像形成装置で用いる「液体」は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液等の用途で用いることができる。また、画像形成装置には、液体吐出ヘッドとシート材とが相対的に移動するシリアル型装置でも、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置でもよい。また、「液体吐出ヘッド」とは、吐出孔(ノズル)から液体を吐出・噴射する機能部品である。液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどの吐出エネルギー発生手段を使用することができるが、使用する吐出エネルギー発生手段が限定されるものではない。
次に、本実施形態における画像形成部200の詳細について説明する。
図2は、本実施形態の画像形成部200におけるシート吸着部材としての用紙担持ドラム210を分解した各部品の展開図である。
図2に示すように、本実施形態の用紙担持ドラム210は、ドラム本体212と、ドラム本体212の周面に接合される溝プレート213と、溝プレート213の表面側に接合される吸引孔プレート214とから構成される。ドラム本体212と溝プレート213との接合方法、溝プレート213と吸引孔プレート214との接合方法には、公知の接合方法を用いることができるが、原子の拡散を利用して接合する拡散接合が好適である。
本実施形態において、サイズ(ドラム周方向長さ)の異なる4つの用紙P1,P2,P3,P4を用紙担持ドラム210上に吸着させる場合、いずれの用紙も、その用紙先端を用紙担持ドラム210の周面に設けられるグリッパで把持する。したがって、いずれの用紙を吸着させる場合でも、その用紙先端位置(ドラム周方向位置)は同じ位置X0である。一方、これらの用紙P1,P2,P3,P4はドラム周方向長さが異なるため、その用紙後端位置X1,X2,X3,X4は、それぞれ異なっている。
次に、本実施形態におけるドラム本体212に形成されるドラム溝の一変形例について説明する。
図4は、本変形例において、用紙担持ドラム210におけるドラム本体212上のドラム溝231A,231B,231C,231Dと、溝プレート213のプレート溝232A,232B,232C,232Dと、サイズの異なる4つの用紙P1,P2,P3,P4の吸着位置との位置関係を示す説明図である。
また、本実施形態では、シート材吸着装置を画像形成装置に適用した例であったが、シート材吸着装置を含む装置であれば、画像形成装置以外の装置であってもよい。
(態様A)
吸引装置211等の吸引手段による用紙担持ドラム210等のシート材吸着部材のドラム吸引孔230等の吸引箇所から該シート材吸着部材のシート材吸着面に沿って延びるドラム溝231A,231B,231C,231D及びプレート溝232A,232B,232C,232D等の吸引通路に負圧を生じさせて、該吸引通路に連通していて該シート材吸着面に開口している複数の吸引孔233に生じる吸引力で、該シート材吸着面上の所定位置に用紙P等のシート材を吸着させる用紙搬送装置等のシート材吸着装置において、前記吸引通路は、前記シート材吸着面に吸着したときのシート端部位置(用紙後端位置X1,X2,X3,X4)が互いに異なる複数種類のシート材(用紙P1,P2,P3,P4)のうちの第一シート材(用紙P1,P2,P3)によって塞がれる第一吸引孔に連通する第一ドラム溝231A、第二ドラム溝231B、第三ドラム溝231C等の第一通路部と、該第一シート材よりも当該シート端部位置が前記吸引箇所から遠い第二シート材(用紙P2,P3,P4)によって塞がれ、かつ、該第一シート材によっては塞がれない第二吸引孔に連通する第二ドラム溝231B、第三ドラム溝231C、第四ドラム溝231D等の第二通路部とを有し、前記第二通路部は、前記第一通路部における前記第一吸引孔に連通する第一連通孔234A、第二連通孔234B、第三連通孔234C等の箇所よりも前記吸引箇所に近い分岐点Y1,Y2,Y3等の箇所で該第一通路部から分岐していることを特徴とする。
上述した特許文献1に開示された従来のシート材吸着装置において、第一シート材(小サイズのシート材)を吸着する場合、その第一シート材によっては塞がれない第二吸引孔から空気が流入し、その第二吸引孔に連通した吸着溝(第二通路部)で空気漏れが発生する。従来のシート材吸着装置では、空気漏れが発生する第二通路部が、第一シート材で塞がれている第一吸引孔に連通した第一通路部の箇所よりも、吸引箇所(ドラム吸着穴)から遠い位置で、第一通路部から分岐している。そのため、空気漏れが発生する第二通路部からの空気は、吸引箇所(ドラム吸着穴)よりも、第一吸引孔に連通した第一通路部の箇所に流入しやすい構造となっている。
本態様においては、第一シート材を吸着するとき、空気漏れが発生する第二通路部が、第一シート材によって塞がれている第一吸引孔に連通した第一通路部の箇所よりも、吸引箇所に近い位置で、第一通路部から分岐する。そのため、空気漏れが発生する第二通路部からの空気は、その分岐点から、吸引箇所に向かって流れやすく、第一吸引孔に連通した第一通路部の箇所には流入しにくい。そのため、空気漏れが発生する第二通路部が第一通路部の箇所よりも吸引箇所に遠い位置で分岐している従来のシート材吸着装置よりも、第一吸引孔に連通した第一通路部の箇所の負圧の大きさが小さくなりにくく、第一シート材を吸着するときの吸着力低下が抑制され、第一シート材の安定吸着が実現できる。
前記態様Aにおいて、前記シート材吸着部材は、前記シート材吸着面となる表面を移動させる用紙担持ドラム210等の表面移動部材で構成されていることを特徴とする。
これによれば、シート材吸着面に吸着したときの所定方向におけるシート端部位置が互いに異なる複数種類のシート材のうち、シート端部位置が吸引箇所対向位置に近い第一シート材を、シート材吸着部材のシート材吸着面に吸着させて安定した搬送を実現することができる。
前記態様A又はBにおいて、前記第一通路部及び前記第二通路部は、それぞれ対応する種類のシート材における前記所定方向のシート端部側の一部分(用紙後端部分等)によって塞がれる吸引孔のみに連通していることを特徴とする。
これによれば、シート材における他の部分を使って第二通路部の通路長を長く確保することができるので、第二通路部の流路抵抗を大きくしやすい。よって、空気漏れが発生する第二通路部からの空気が、分岐点から第一通路部へ流入しにくい構成を実現しやすくなり、第一吸引孔に連通した第一通路部の箇所の負圧の大きさが小さくなりにくい構成を実現しやすい。
前記態様A〜Cのいずれかの態様において、前記シート材吸着部材は、表面に前記複数の吸引孔233が開口し、かつ、裏面に前記第一通路部の一部(第一プレート溝232A、第二プレート溝232B、第三プレート溝232C等)及び前記第二通路部の一部(第二プレート溝232B、第三プレート溝232C、第四プレート溝232D等)を有する溝プレート213及び吸引孔プレート214等の表層部が、前記第一通路部の残部(第一ドラム溝231A、第二ドラム溝231B、第三ドラム溝231C等)及び前記第二通路部の残部(第二ドラム溝231B、第三ドラム溝231C、第四ドラム溝231D等)を有するドラム本体212等の本体部の表面に接合されたものであることを特徴とする。
これによれば、上述した構造の吸引通路を容易に形成することができる。
前記態様A〜Dのいずれかの態様において、前記第二通路部が前記第一通路部から分岐する分岐地点Y1,Y2,Y3と該第一通路部における前記第一吸引孔に連通する箇所との通路長よりも、該分岐地点と該第二通路部における前記第二吸引孔に連通する箇所との通路長の方が長いことを特徴とする。
これによれば、空気が流入する第二吸引孔から第二通路部を通って分岐地点に至るまでの流体抵抗を高くして、空気漏れが発生する第二通路部からの空気が分岐点から第一通路部へ流入しにくい構成を実現できる。その結果、第一シート材に塞がれる第一吸引孔に連通した第一通路部の箇所の負圧の大きさが小さくなりにくく、第一シート材を吸着するときの吸着力低下が抑制され、第一シート材の安定吸着が実現できる。
前記態様A〜Eのいずれかの態様において、前記第二通路部には、屈曲箇所または湾曲箇所が存在することを特徴とする。
これによれば、空気が流入する第二吸引孔から第二通路部を通って分岐地点に至るまでの流体抵抗を高くして、空気漏れが発生する第二通路部からの空気が分岐点から第一通路部へ流入しにくい構成を実現できる。その結果、第一シート材に塞がれる第一吸引孔に連通した第一通路部の箇所の負圧の大きさが小さくなりにくく、第一シート材を吸着するときの吸着力低下が抑制され、第一シート材の安定吸着が実現できる。
前記態様A〜Fのいずれかの態様において、前記第二通路部には、前記第二吸引孔に連通する箇所よりも通路断面積が狭い絞り箇所が存在することを特徴とする。
これによれば、空気が流入する第二吸引孔から第二通路部を通る空気が流体抵抗の高い絞り箇所よりも先に流入しにくくなり、空気漏れが発生する第二通路部からの空気が分岐点から第一通路部へ流入しにくい構成を実現できる。その結果、第一シート材に塞がれる第一吸引孔に連通した第一通路部の箇所の負圧の大きさが小さくなりにくく、第一シート材を吸着するときの吸着力低下が抑制され、第一シート材の安定吸着が実現できる。
シート材吸着装置のシート材吸着面上に吸着されたシート材に対して画像を形成するインクジェット記録装置等の画像形成装置において、前記シート材吸着装置として、前記態様A〜Gのいずれかの態様に係るシート材吸着装置を用いたことを特徴とする。
これによれば、シート材上に高精度な画像を形成することができる。
100 給紙部
200 画像形成部
210 用紙担持ドラム
211 吸引装置
212 ドラム本体
213 溝プレート
214 吸引孔プレート
220 インク吐出部
230 ドラム吸引孔
231A,231B,231C,231D ドラム溝
232A,232B,232C,232D プレート溝
233 吸引孔
232A,232B,232C,232D 連通孔
235B,235C,235D 絞り箇所
300 乾燥部
400 排紙部
P,P1,P2,P3,P4 用紙
X1,X2,X3,X4 用紙後端位置
Y1,Y2,Y3 分岐点
Claims (8)
- 吸引手段によるシート材吸着部材の吸引箇所から該シート材吸着部材のシート材吸着面に沿って延びる吸引通路に負圧を生じさせて、該吸引通路に連通していて該シート材吸着面に開口している複数の吸引孔に生じる吸引力で、該シート材吸着面上の所定位置にシート材を吸着させるシート材吸着装置において、
前記吸引通路は、前記シート材吸着面に吸着したときのシート端部位置が互いに異なる複数種類のシート材のうちの第一シート材によって塞がれる第一吸引孔に連通する第一通路部と、該第一シート材よりも当該シート端部位置が前記吸引箇所から遠い第二シート材によって塞がれ、かつ、該第一シート材によっては塞がれない第二吸引孔に連通する第二通路部とを有し、
前記第二通路部は、前記第一通路部における前記第一吸引孔に連通する箇所よりも前記吸引箇所に近い箇所で該第一通路部から分岐していることを特徴とするシート材吸着装置。 - 請求項1に記載のシート材吸着装置において、
前記シート材吸着部材は、前記シート材吸着面となる表面を移動させる表面移動部材で構成されていることを特徴とするシート材吸着装置。 - 請求項1又は2に記載のシート材吸着装置において、
前記第一通路部及び前記第二通路部は、それぞれ対応する種類のシート材における前記シート端部位置側の一部分によって塞がれる吸引孔のみに連通していることを特徴とするシート材吸着装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート材吸着装置において、
前記シート材吸着部材は、表面に前記複数の吸引孔が開口し、かつ、裏面に前記第一通路部の一部及び前記第二通路部の一部を有する表層部が、前記第一通路部の残部及び前記第二通路部の残部を有する本体部の表面に接合されたものであることを特徴とするシート材吸着装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート材吸着装置において、
前記第二通路部が前記第一通路部から分岐する分岐地点と該第一通路部における前記第一吸引孔に連通する箇所との通路長よりも、該分岐地点と該第二通路部における前記第二吸引孔に連通する箇所との通路長の方が長いことを特徴とするシート材吸着装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート材吸着装置において、
前記第二通路部には、屈曲箇所または湾曲箇所が存在することを特徴とするシート材吸着装置。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシート材吸着装置において、
前記第二通路部には、前記第二吸引孔に連通する箇所よりも通路断面積が狭い絞り箇所が存在することを特徴とするシート材吸着装置。 - シート材吸着装置のシート材吸着面上に吸着されたシート材に対して画像を形成する画像形成装置において、
前記シート材吸着装置として、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシート材吸着装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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