JP6688484B2 - シート材吸着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
図1は、本実施形態におけるインクジェット記録装置の概略構成を示す模式図である。
本実施形態のインクジェット記録装置1は、主に、給紙部100、画像形成部200、乾燥部300、排紙部400から構成されている。インクジェット記録装置1においては、給紙部100から給紙されるシート材としての記録材である用紙Pに対し、画像形成部200で画像形成用の液体であるインクにより画像を形成する。そして、用紙上に付着したインクを乾燥部300において乾燥させた後、用紙を排紙部400から排紙する。
給紙部100は、主に、複数の用紙Pが積載される給紙トレイ110と、給紙トレイ110から用紙を1枚ずつ分離して送り出す給送装置120と、用紙を画像形成部200へ送り込むレジストローラ対130とから構成されている。給送装置120には、ローラやコロを用いた装置や、エア吸引を利用した装置など、あらゆる給送装置を用いることが可能である。給送装置120により給紙トレイ110から送り出された用紙は、その先端がレジストローラ対130に到達した後、レジストローラ対130が所定のタイミングで駆動することにより、画像形成部200へ給紙される。なお、本実施形態において、給紙部100は、画像形成部200へ用紙Pを送り出すものであれば、その構成に制限はない。
画像形成部200は、主に、給紙された用紙Pを受け取る受け取り胴201と、受け取り胴201によって搬送された用紙Pを外周面に担持して搬送する用紙担持ドラム210と、用紙担持ドラム210に担持された用紙Pに向けてインクを吐出するインク吐出部220と、用紙担持ドラム210によって搬送された用紙Pを乾燥部300へ受け渡す受け渡し胴202とから構成されている。
乾燥部300は、主に、画像形成部200で用紙P上に付着したインクを乾燥させるための乾燥機構301と、画像形成部200から搬送されてくる用紙Pを搬送する搬送機構302とから構成されている。画像形成部200から搬送されてきた用紙Pは、搬送機構302に受け取られた後、乾燥機構301を通過するように搬送され、排紙部400へ受け渡される。乾燥機構301を通過する際、用紙P上のインクには乾燥処理が施され、これによりインク中の水分等の液分が蒸発し、用紙P上にインクが固着するとともに、用紙Pのカールが抑制される。
排紙部400は、主に、複数の用紙Pが積載される排紙トレイ410から構成されている。乾燥部300から搬送されてくる用紙Pは、排紙トレイ410上に順次積み重ねられて保持される。なお、本実施形態において、排紙部400は、用紙Pを排紙するものであれば、その構成に制限はない。
本実施形態のインクジェット記録装置1は、給紙部100、画像形成部200、乾燥部300、排紙部400から構成されているが、他の機能部を適宜追加してもよい。例えば、給紙部100と画像形成部200との間に画像形成の前処理を行う前処理部を追加したり、乾燥部300と排紙部400との間に画像形成の後処理を行う後処理部を追加したりすることができる。
また、シート材の被乾燥面に向けて液体を吐出する液体吐出ヘッドを備えた画像形成装置で用いる「液体」は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液等の用途で用いることができる。また、画像形成装置には、液体吐出ヘッドとシート材とが相対的に移動するシリアル型装置でも、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置でもよい。また、「液体吐出ヘッド」とは、吐出孔(ノズル)から液体を吐出・噴射する機能部品である。液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどの吐出エネルギー発生手段を使用することができるが、使用する吐出エネルギー発生手段が限定されるものではない。
次に、本実施形態における画像形成部200の詳細について説明する。
図2は、本実施形態の画像形成部200におけるシート吸着部材としての用紙担持ドラム210を分解した各部品の展開図である。
図2に示すように、本実施形態の用紙担持ドラム210は、ドラム本体212と、ドラム本体212の周面に接合される溝プレート213と、溝プレート213の表面側に接合される吸引孔プレート214とから構成される。ドラム本体212と溝プレート213との接合方法、溝プレート213と吸引孔プレート214との接合方法には、公知の接合方法を用いることができるが、原子の拡散を利用して接合する拡散接合が好適である。
溝プレート213の第一プレート溝232Aには、溝プレート213を貫通する連通孔232aが形成されている。これにより、溝プレート213がドラム本体212の周面に接合された状態において、ドラム本体212のドラム溝231が溝プレート213の第一プレート溝232Aと連通孔232aを介して連通する。
本実施形態において、ドラム溝231に連通する第一プレート溝232Aから分岐して延びる第二プレート溝232B及び第三プレート溝232Cは、ドラム溝231からの距離が互いに異なる地点X1,X2まで延びたものとなっている。距離の長い第三プレート溝232Cに連通した一部の吸引孔233を塞がないような小サイズの用紙P1を吸着したとき、距離の長い第三プレート溝232Cでは、空気漏れが発生して、これに連通する吸引孔233では十分な吸引力を発生させることができない。しかしながら、距離の短い第二プレート溝232Bでは、これに連通する吸引孔233のすべてが用紙P1に塞がれ、空気漏れが発生しない。したがって、小サイズの用紙P1については、距離の短い第二プレート溝232Bに連通する吸引孔233での吸引力によって用紙担持ドラム210の周面に吸着させることができ、小サイズの用紙P1の安定吸着が実現され、小サイズの用紙P1の安定搬送が実現される。
次に、本実施形態における溝プレート213に形成されるプレート溝のパターンの一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
図5は、本変形例1におけるプレート溝のパターンを示す説明図である。
本変形例1では、本実施形態における溝プレート213に形成される第一プレート溝232Aから、第二プレート溝232B及び第三プレート溝232Cに加え、更に、第四プレート溝232Dも分岐させたものである。この第四プレート溝232Dは、第二プレート溝232Bよりも更に距離の短い地点X3まで延びるように形成されている。これにより、第二プレート溝232Bに連通した一部の吸引孔233を塞がないような極小サイズの用紙P3を吸着したとき、第二プレート溝232B及び第三プレート溝232Cでは、空気漏れが発生して、これに連通する吸引孔233では十分な吸引力を発生させることができないが、第四プレート溝232Dでは、これに連通する吸引孔233のすべてが用紙P3に塞がれ、空気漏れが発生しない。
次に、本実施形態における溝プレート213に形成されるプレート溝のパターンの他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
図6は、本変形例2におけるプレート溝のパターンを示す説明図である。
本変形例2では、本実施形態における溝プレート213に形成される第一プレート溝232Aから、第二プレート溝232B及び第三プレート溝232Cに加え、更に、第二プレート溝232Bと同じ距離まで延びる追加第二プレート溝232B’も分岐させたものである。この追加第二プレート溝232B’は、上述した実施形態において各枝吸引通路部の間のプレート溝が形成されていない領域S2に配置されている。そのため、上述した実施形態よりも、より均一な吸着力で用紙全体を吸着させることができ、より安定した吸着を実現でき、より安定した用紙搬送が実現できる。
また、本実施形態では、シート材吸着装置を画像形成装置に適用した例であったが、シート材吸着装置を含む装置であれば、画像形成装置以外の装置であってもよい。
(態様A)
吸引装置211等の吸引手段の吸引力により、用紙担持ドラム210等のシート材吸着部材の周面等のシート材吸着面に沿ってドラム軸方向等の所定方向へ延びるドラム溝231等の幹吸引通路部を介して、該幹吸引通路部から該所定方向に対して交差するドラム周方向等の交差方向へ延びるプレート溝等の複数の枝吸引通路部に負圧を生じさせて、該複数の枝吸引通路部に連通していて該シート材吸着面に開口している複数の吸引孔233に生じる吸引力で、該シート材吸着面上に用紙P等のシート材を吸着させる用紙搬送装置等のシート材吸着装置において、前記複数の枝吸引通路部のうちの少なくとも1つの枝吸引通路部は、前記幹吸引通路部に連通した第一プレート溝232A等の第一吸引通路部と、該第一吸引通路部から分岐して前記交差方向における前記幹吸引通路部からの距離が互いに異なる地点X1,X2まで延びる第二プレート溝232B、第三プレート溝232C、第四プレート溝232D、追加第二プレート溝232B’等の複数の第二吸引通路部とから構成されていることを特徴とする。
上述した特許文献1に開示のシート材吸着装置のように、幹吸引通路部に接続される複数の枝吸引通路部を、それぞれ、幹吸引通路部からの距離が互いに異なる地点まで延びる単一通路で構成した場合を考える。この場合、距離の長い地点まで延びる枝吸引通路部に連通した一部の吸引孔を塞がないような小サイズのシート材を吸着したときには、当該枝吸引通路部で空気漏れが発生するが、距離の短い地点まで延びる枝吸引通路部では吸引孔のすべてがシート材に塞がれ、空気漏れが発生しない。したがって、距離の短い地点まで延びる枝吸引通路部の吸引孔での吸着力によって、小サイズのシート材の吸着力を確保することができる。この構成において、すべての枝吸引通路部の吸引孔を塞ぐような大サイズのシート材を吸着したとき、すべての枝吸引通路部の吸引孔が大サイズのシート材によって塞がれ、空気漏れが無い状態でシート材を吸着できる。しかしながら、この構成では、距離の短い地点まで延びる枝吸引通路部の延長線上付近の領域には枝吸引通路部を設けることができないので、その延長線上付近の領域ではシート材の吸着力を発生させることができない。そのため、より大きな吸着力が求められる大サイズのシート材に対しての吸着力が弱く、大サイズのシート材を安定して吸着させることが困難である。
また、例えば、複数の枝吸引通路部のすべてを、幹吸引通路部からの距離が同じである地点まで延びる単一通路で構成した場合を考える。この場合、すべての枝吸引通路部の吸引孔を塞ぐような大サイズのシート材を吸着したときには、そのシート材全面を枝吸引通路部の吸引孔で吸着できるので、大サイズのシート材に対して十分なシート材吸着力を発揮でき、大サイズのシート材を安定吸着できる。しかしながら、この構成においては、小サイズのシート材を吸着したときに、すべての枝吸引通路部において吸引孔が塞がれず、小サイズに対しての吸着力が弱く、小サイズのシート材に対する安定した吸着を実現できない。
いずれにしても、幹吸引通路部に接続される複数の枝吸引通路部が、分岐のない単一通路で構成されていた従来のシート材吸着装置では、サイズの異なるシート材を安定して吸着させることが困難である。
本態様によれば、少なくとも1つの枝吸引通路部において、幹吸引通路部に連通する第一吸引通路部から複数の第二吸引通路部を分岐させ、これらの第二吸引通路部を、幹吸引通路部が延びる方向に対して交差する交差方向における幹吸引通路部からの距離が互いに異なる地点まで延びるように形成している。このような枝吸引通路部の構成により、幹吸引通路部からの距離が短い地点まで延びる第二吸引通路部の延長線上付近の領域に、第一吸引通路部から分岐させ、あるいは、第二吸引通路部から更に分岐させた、距離が長い地点まで延びる第二吸引通路部を配置することが可能となる。これにより、すべての第二吸引通路部の吸引孔を塞ぐような大サイズのシート材を吸着したとき、距離の短い地点まで延びる第二吸引通路部の延長線上付近の領域でも、その領域まで延びる第二吸引通路部の吸引孔に前記シート材の吸着力を発生させることができる。その結果、より大きなシート材吸着力が求められる大サイズのシート材に対して、強いシート材吸着力を発揮させることができ、大サイズのシート材の安定搬送が実現できる。
また、本態様において、距離の長い地点まで延びる第二吸引通路部に連通した一部の吸引孔を塞がないような小サイズのシート材を吸着したときには、距離の短い地点まで延びる枝吸引通路部の吸引孔がすべて、小サイズのシート材によって塞がれて空気漏れが発生しない。このとき、距離の長い地点まで延びる第二吸引通路部では空気漏れが発生するが、距離の長い地点まで延びる第二吸引通路部は、距離の短い地点まで延びる枝吸引通路部に比べて流体抵抗が大きい。そのため、距離の長い地点まで延びる第二吸引通路部に流入した空気が当該第二吸引通路部の分岐点から幹吸引通路部あるいは他の第二吸引通路部へ流入しにくい。よって、距離の長い地点まで延びる第二吸引通路部での空気漏れにより、距離の短い地点まで延びる枝吸引通路部の吸引孔での吸引力が低下する影響は軽微である。また、距離の長い地点まで延びる第二吸引通路部中に、その分岐点近くに絞り部などの流体抵抗を高める手段を設けるなどすれば、当該第二吸引通路部での空気漏れにより、距離の短い地点まで延びる枝吸引通路部の吸引孔での吸引力が低下する影響を更に軽減できる。したがって、本態様によれば、小サイズのシート材についても、距離の短い枝吸引通路部の吸引孔での吸着力によってシート材の吸着力を確保することができる。
以上より、本態様によれば、サイズの異なるシート材を、シート材吸着部材のシート材吸着面に安定して吸着させることができる。
前記態様Aにおいて、前記シート材吸着部材は、前記シート材吸着面となる表面を移動させる用紙担持ドラム210等の表面移動部材で構成されていることを特徴とする。
これによれば、サイズの異なるシート材を、シート材吸着部材のシート材吸着面に吸着させて安定した搬送を実現することができる。
前記態様A又はBにおいて、前記シート材吸着部材は、表面に前記複数の吸引孔233が開口し、かつ、裏面に前記複数の枝吸引通路部を構成するプレート溝等の枝吸引通路部用溝が形成された溝プレート213及び吸引孔プレート214等の表層部が、前記幹吸引通路部を有するドラム本体212等の本体部の表面に接合されたものであり、前記複数の枝吸引通路部は、前記表層部の枝吸引通路部用溝と前記本体部の表面とによって形成されていることを特徴とする。
これによれば、上述した構造の枝吸引通路部を容易に形成することができる。
シート材吸着装置のシート材吸着面上に吸着されたシート材に対して画像を形成するインクジェット記録装置等の画像形成装置において、前記シート材吸着装置として、前記態様A〜Cのいずれかの態様に係るシート材吸着装置を用いたことを特徴とする。
これによれば、シート材上に高精度な画像を形成することができる。
100 給紙部
200 画像形成部
210 用紙担持ドラム
211 吸引装置
212 ドラム本体
213 溝プレート
214 吸引孔プレート
220 インク吐出部
231 ドラム溝
232A 第一プレート溝
232B 第二プレート溝
232C 第三プレート溝
232D 第四プレート溝
232B’ 追加第二プレート溝
232a 連通孔
233 吸引孔
300 乾燥部
400 排紙部
P,P1,P2,P3 用紙
Claims (6)
- 吸引手段の吸引力により、シート材吸着部材のシート材吸着面に沿って所定方向へ延びる幹吸引通路部を介して、該幹吸引通路部から該所定方向に対して交差する交差方向へ延びる複数の枝吸引通路部に負圧を生じさせて、該複数の枝吸引通路部に連通していて該シート材吸着面に開口している複数の吸引孔に生じる吸引力で、該シート材吸着面上にシート材を吸着させるシート材吸着装置において、
前記複数の枝吸引通路部のうちの少なくとも1つの枝吸引通路部は、前記幹吸引通路部に連通した第一吸引通路部と、該第一吸引通路部から分岐して前記交差方向における前記幹吸引通路部からの距離が互いに異なる地点まで延びる複数の第二吸引通路部とから構成され、
前記複数の第二吸引通路部は、前記第一吸引通路部に連通した前記幹吸引通路部のみを介した前記吸引手段の吸引力によって負圧が生じるように構成されていることを特徴とするシート材吸着装置。 - 請求項1に記載のシート材吸着装置において、
前記複数の第二吸引通路部は、前記距離の短い地点まで延びる第二吸引通路部の延長上の領域に、前記距離の長い地点まで延びる第二吸引通路部が配置されることを特徴とするシート材吸着装置。 - 請求項1又は2に記載のシート材吸着装置において、
前記互いに異なる地点は、それぞれ、互いにサイズの異なる各シートの端部位置よりもシート内側近傍になるように設定されていることを特徴とするシート材吸着装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート材吸着装置において、
前記シート材吸着部材は、前記シート材吸着面となる表面を移動させる表面移動部材で構成されていることを特徴とするシート材吸着装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート材吸着装置において、
前記シート材吸着部材は、表面に前記複数の吸引孔が開口し、かつ、裏面に前記複数の枝吸引通路部を構成する枝吸引通路部用溝が形成された表層部が、前記幹吸引通路部を有する本体部の表面に接合されたものであり、
前記複数の枝吸引通路部は、前記表層部の枝吸引通路部用溝と前記本体部の表面とによって形成されていることを特徴とするシート材吸着装置。 - シート材吸着装置のシート材吸着面上に吸着されたシート材に対して画像を形成する画像形成装置において、
前記シート材吸着装置として、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート材吸着装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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