JP2004341285A - 記録材料保持ドラム及び画像記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録材料をできるだけ効率的に使用できるようにした記録材料保持ドラム及び画像記録装置を提供する。
【解決手段】この記録材料保持ドラムは、外部空間からその内部空間まで周壁を貫通する複数の貫通孔31cを有するドラムの内部空間を吸引し負圧にすることでその外周面の保持領域に記録紙を保持するように構成されている。ドラムの外周面31aに吸引溝31b,31dを円周方向C成分及び軸方向P成分を有する方向に延びかつ貫通穴と接続するように設け、外周面に対し軸方向成分を有する方向に延びる吸引溝31dを記録紙の最小サイズに対応した保時領域31fからドラムの周方向Tの10乃至100mmの範囲内の保持領域Aに設けた。
【選択図】 図4
【解決手段】この記録材料保持ドラムは、外部空間からその内部空間まで周壁を貫通する複数の貫通孔31cを有するドラムの内部空間を吸引し負圧にすることでその外周面の保持領域に記録紙を保持するように構成されている。ドラムの外周面31aに吸引溝31b,31dを円周方向C成分及び軸方向P成分を有する方向に延びかつ貫通穴と接続するように設け、外周面に対し軸方向成分を有する方向に延びる吸引溝31dを記録紙の最小サイズに対応した保時領域31fからドラムの周方向Tの10乃至100mmの範囲内の保持領域Aに設けた。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外周面にシート状の記録材料を吸引で保持する記録材料保持ドラム及び画像記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ドラムの内部を吸引し負圧にして記録紙をドラムの外周面に保持した状態でドラム上の記録紙を露光することで画像記録を行う画像記録装置が公知である(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
かかる画像記録装置では、従来、複数サイズの記録紙について画像データのサイズに対し画像が欠けることなく露光可能な最小サイズを自動選択し露光を行っていた。しかしながら、ドラムにおいて吸引保持可能な記録材料のサイズが決められていたため、露光後の出力物において余白となる記録材料のロスが生じることがあった。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−215724公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題に鑑み、記録材料をできるだけ効率的に使用できるようにした記録材料保持ドラム及び画像記録装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による記録材料保持ドラムは、外部空間からその内部空間まで周壁を貫通する複数の貫通孔を有するドラムの前記内部空間を吸引し負圧にすることでその外周面の保持領域にシート状の記録材料を保持するように構成された記録材料保持ドラムであって、前記ドラムの外周面に吸引溝を円周方向成分及び軸方向成分を有する方向に延びかつ前記貫通穴と接続するように設け、前記外周面に対し前記軸方向成分を有する方向に延びる前記吸引溝を前記記録材料の最小サイズに対応した保時領域から前記ドラムの周方向の10乃至100mmの範囲内に設けたことを特徴とする。
【0007】
この記録材料保持ドラムによれば、ドラムの外周面に対し軸方向成分を有する方向に延びる吸引溝を記録材料の最小サイズの保時領域から(記録開始先端側から所定長さの後端から)ドラム周方向に10mm以上、100mm以下(好ましくは80mm以下)の範囲に設けることにより、記録材料の長さを画像サイズに合わせて任意に切断でき吸引保持が可能となるので、露光される記録材料のロスを最小限にすることができ、記録材料を効率的に使用できる。
【0008】
上記記録材料保持ドラムにおいて、前記貫通孔を前記ドラムの外周面に円周方向成分を有する方向に延びる吸引溝と軸方向成分を有する方向に延びる吸引溝との交点に配置することで、吸引溝の配置に関係なく、より効率的に吸引溝での吸引が可能となる。このため、記録材料の吸引手段として用いる真空ポンプの容量を大きくし吸引能力を増やす必要がない。なお、吸引溝は連続的に形成してよいが、不連続的に形成してもよい。
【0009】
また、前記外周面における記録材料の保持領域の周縁部付近に保持領域を示す目印を設けることが好ましい。保持領域の基準位置を示す目印を設けることにより、画像記録装置に組み込んだ後で、メンテナンスを行う際にドラムに吸引保持された記録材料の保持領域からのズレ量が視認し易くなる。
【0010】
また、前記ドラムの直径が200mm以上、400mm以下であることが好ましい。これにより、ドラムの径を大きくする程、周長が長くなるため、より多種サイズの記録材料を吸引保持できる。
【0011】
本発明による画像記録装置は、上述の記録材料保持ドラムと、前記ドラムに向けて前記記録材料を給送する給送手段と、前記ドラムの内部空間を吸引し負圧にするための吸引手段と、前記吸引手段で負圧にした前記ドラムの外周面に前記記録材料を保持した状態で画像データに基づいて露光し画像記録を行う露光手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
この画像記録装置によれば、ドラムの外周面に対し軸方向成分を有する方向に延びる吸引溝を記録材料の最小サイズの保時領域から(記録開始先端側から所定長さの後端から)ドラム周方向に10mm以上、100mm以下の範囲に設けることにより、給送される記録材料の長さを画像サイズに合わせて任意に切断でき吸引保持が可能となるので、露光される記録材料のロスを最小限にすることができ、記録材料を効率的に使用できる。
【0013】
上記画像記録装置において前記画像データのサイズに基づいて前記記録材料を切断する切断手段を備えることが好ましい。これにより、記録材料の長さを画像サイズに合わせて任意に切断でき、画像データのサイズに合わせた記録材料をドラムに保持させることができる。
【0014】
また、前記露光のときの主走査のために前記ドラムの外周面に前記記録材料を保持した状態で前記ドラムを回転駆動する駆動手段を備えるように構成できる。これにより、ドラムの回転方向に主走査を行うことができる。
【0015】
また、前記ドラムの回転速度が100rpm以上、2000rpm以下であることが好ましい。これにより、ドラム回転中の遠心力による記録材料の剥離が生じることなく、記録材料の吸引保持をより安定して行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による実施の形態について図面を用いて説明する。図1は本実施の形態による画像記録装置全体の外観を示す斜視図である。図2は図1の画像記録装置の内部を正面側から見た図である。図3は図2の画像記録装置のドラム及び光学ユニットを上部から見た要部平面図である。
【0017】
図1、図2に示すように、本実施の形態による画像記録装置1は、印刷出力対象の絵柄、色調、文章、文字等の確認を行うためのカラープルーフ(校正用サンプル)を作成するものであって、記録材料である銀塩カラー感光材料(以下、単に「記録材料」ともいう。)に露光し画像を形成する露光部11と、露光された記録材料を現像する現像部21と、を備える。
【0018】
露光部11は、前面からメンテナンスできるように開閉可能な前面パネル5と、各種情報の表示とタッチパネルからなり装置全体の操作のために入力可能な表示部2と、内部にロール状の記録材料である記録紙を収容したカートリッジ13を給紙カバー3,4の開放後に装填可能な装填部12,12’と、を備える。図1では装填部12,12’にカートリッジ13を装填する前、装填した後の状態を示している。
【0019】
現像部21は、メンテナンスのために開閉可能な上面パネル6と、前面には、現像処理液等の補充等のために開閉可能に設けられた補給パネル7と、を備える。
【0020】
図2に示すように、画像記録装置1の露光部11は、内部にロール状に巻かれたシート状記録材料である記録紙を収納した専用のカートリッジ13を装填し収容する装填部12,12’と、装填部12,12’に装填されたカートリッジ13から記録紙を給送する搬送ローラ対40,41,42等からなる給送部14と、給送部14から給送された記録紙Sを外周面に真空吸引し保持しながら主走査のために回転方向Rに回転するドラム10と、ドラム10上の記録紙に対しLED光やレーザ光等の光ビームを露光する光学ユニット16と、光学ユニット16を副走査のために副走査方向(図1の紙面垂直方向)に搬送する副走査部17と、画像記録後のドラム10上の記録紙を剥離する剥離部材15と、を備える。露光後の記録紙は出口19及び接続部19aを通して現像部21へと搬送される。
【0021】
図2の画像記録装置1は、更に、搬送ローラ対42の下流側に配置されドラム10に向けて送られる記録紙の搬送に従い従動回転する従動ローラ31と、記録紙をドラム10との間で搬送する従動ローラ31と、ドラム10上から剥離部材15で剥離された記録紙をドラム10と従動ローラ31とで搬送するときに記録紙をガイドするアキュームガイド部材18と、アキュームガイド部材18で送られてきた記録紙を出口19へと更に搬送する搬送ローラ対32と、搬送ローラ対32に達した記録紙をアキュームするためにアキュームガイド部材18の一部が開放されることで形成されるアキュームレート部30と、搬送ローラ対32の下流側近傍に配置された記録紙の先端を検出する検出センサ33と、を備える。また、下流側の搬送ローラ対32は、ワンウェイクラッチ構造を有し、記録紙の下流側への送り出し方向への回転が自在となっている。
【0022】
図2の現像部21は、露光部11から送られた露光後の記録紙について湿式現像を行うもので、記録紙の現像処理を行う現像部23と、定着処理を行う定着部24と、安定処理を行う安定部25と、乾燥処理を行う乾燥部26と、乾燥された記録紙を搬送ローラ対27a等で外部に排出する排出部27と、を備える。
【0023】
図3のように、画像記録装置1のドラム10は、回転軸部14’の回転軸14a及び回転軸部18の回転軸15aが軸受33a、33bを介して支持台34a、34bに回転可能に軸支されている。ドラム10の一方の回転軸15aには、駆動プーリ35aが設けられ、この駆動プーリ35aはドラム駆動用パルスモータM6の出力プーリ35bとベルト36により連結され、ドラム駆動用パルスモータM6の駆動によりドラム10が回転する。また、ドラム10の回転軸15aには、ロータリーエンコーダ37が設けられ、回転のためのパルス信号を出力してドラムの回転に同期した画素クロック制御に用いる。
【0024】
ドラム10の他方の回転軸14aは吸引ブロアP1に連結されている。ドラム10の外周面31aには吸着貫通孔31cが回転軸方向に直線状に延びて多数形成されており、吸引ブロアP1の駆動によりドラム10の内部が減圧されて記録紙がドラム10の表面に吸着される。
【0025】
光学ユニット16は、副走査部17によりドラム軸と平行に移動可能に構成され、ドラム10に吸着された記録紙に光ビームで露光して画像の書き込みを行う。図3に示すように、光学ユニット16には、異なる3波長の光源としてLEDユニット320、LEDユニット321、LEDユニット322が配置されている。各LEDユニット(LED光源)320,321,322からの光ビームは、ミラー325、326、327を介して、集光レンズ331からドラム10上の記録紙に画像を露光する。露光シャッタ332は露光ソレノイド333により開閉することで、露光開始/終了時に光路の開閉を行なう。
【0026】
複数のLED光源320,321,322からの各光ビームはドラム10に吸着された記録紙の記録面で略同位置に露光される。また、複数のLED光源320,321,322は、例えば、それぞれ波長450nm程度のB(ブルー)、波長540nm程度のG(グリーン)、波長650nm程度のR(レッド)の各色を発光するように構成でき、各LED光源により銀塩カラー感光材料を露光したとき、BによりY(イエロー)、GによりC(シアン)、RによりM(マゼンダ)がそれぞれ発色するようになる。
【0027】
光学ユニット16は、移動ベルト340に固定され、一対のガイドレール341、342に案内されてドラム軸と平行方向に移動可能に設けられている。移動ベルト340は一対のプーリ343、344に掛け渡され、一方のプーリ344は副走査モータM7の出力軸345に連結され、副走査モータM7の駆動により光学ユニット16がドラム軸と平行に移動する。
【0028】
図3に示すように、吸引ブロアP1は空気吸引ポンプにより吸引連結管51を通してドラム10内を吸引し、露光部11による露光開始前にドラム10内を負圧にし吸着貫通孔31cを通して記録紙を外周面に吸着する。
【0029】
次に、上述のドラム10の外周面の吸着貫通孔及び吸引溝の構成について図4,図5を参照して説明する。図4は、図2,図3のドラムの外周面を平面状に展開した平面図である。図5は図4のV−V線上に切断してみた吸着貫通孔の断面図である。
【0030】
図4に示すように、ドラム10の外周面31aは、ドラム10の周方向Cに平行に直線状に形成された複数の吸引溝31bと、ドラム10の軸方向Pに平行に直線状に形成された複数の吸引溝31dと、周方向Cの吸引溝31bと軸方向Pの吸引溝31dとの各交点に形成された吸着貫通孔31cと、を有する。また、周方向Cには比較的短い吸引溝31gが形成され、軸方向Pの吸引溝31dとの各交点に吸着貫通孔31cが形成されている。なお、軸方向Pの吸引溝31dも比較的短く断続的に形成してもよい。
【0031】
図5に示すように、各吸着貫通孔31cは周方向Cの吸引溝31bと軸方向Pの吸引溝31dとの各交点にドラム10の周壁を貫通して形成されており、ドラム10の内部が吸引され負圧になることで各吸引溝31b、31dを通して外周面31a上に記録紙が吸引されて保持される。
【0032】
また、周方向Cの吸引溝31bと軸方向Pの吸引溝31dとの交点に各吸着貫通孔31cを配置することで、吸引溝の配置に関係なく、より効率的に吸引溝31b、31dでの吸引が可能となるため、記録紙の吸引手段として用いる吸引ブロアP1の空気吸引ポンプの容量を大きくし吸引能力を増やす必要がない。
【0033】
上述のように、ドラム10の外周面31aの最外周の吸引溝31b、31d内には記録紙を吸引し保持する保持領域が形成される。そして、図4のように、ドラム10の外周面31aには記録紙の最小サイズを吸引し保持する図のハッチングで示すような保持領域31fが形成され、保持領域31fの記録紙の後端側に対応する吸引溝31d’の周方向C側に延びた保持領域A内には、軸方向Pに延びる吸引溝31dが複数形成されている。この保持領域Aの周方向Cの長さは10乃至100の範囲内にすることが好ましく、10乃至80mmの範囲内が更に好ましい。
【0034】
また、図4のように、ドラム10の外周面31aにおける記録紙の保持領域の外周部分の周縁部付近に保持領域を明確にするために周方向C及び軸方向Pの基準位置を示す目印31eを複数箇所に設けている。この目印31eは、溝加工や塗装によるマーキング等により形成することができる。例えば保持領域31fを示す目印31eを設けることにより、画像記録装置のメンテナンスを行う際にドラム10に吸引保持された記録紙の保持領域31fからのズレ量を視認し易くなり、便利である。
【0035】
また、ドラム10の直径は200mm以上、400mm以下が好ましく、ドラム10の径を大きくする程、周長が長くなるため、より多種サイズの記録紙を吸引保持できる。
【0036】
次に、図2の画像記録装置の搬送ローラ対やカッタ部等を含む給送部について更に図6乃至図8を参照して説明する。図6は図2の画像記録装置の搬送ローラ対やカッタ部等を含む給送部の要部平面図である。図7は図6のカッタ部の正面図であり、図8は図7のカッタ部の要部上面図である。
【0037】
図2,図6に示すように、給送部14は、更に、第1の搬送ローラ対40と第2の搬送ローラ対42との間に配置され搬送中の記録紙をガイドする第1のガイド部材45と、もう1つの第1の搬送ローラ対41と第2の搬送ローラ対42との間に配置され搬送中の記録紙をガイドする第2のガイド部材46と、第1の搬送ローラ対40と第1のガイド部材45の入口側との間に配置されたカッタ部43と、第1の搬送ローラ対41と第2のガイド部材46との間に配置されたカッタ部44と、を備える。
【0038】
図6のように、装填部12及び12’の各カートリッジ13からの記録紙の出口近傍に出口センサ51、出口センサ52をそれぞれ配置し、出口センサ51、52は反射型や透過型の光センサから構成でき、記録紙の有無を検出する。
【0039】
また、第2の搬送ローラ対42の下流側近傍には比較的幅狭の従動ローラ47が配置され記録紙の移動とともに従動回転する。また、従動ローラ53がドラム10の回転に従動回転するように配置され、第2の搬送ローラ対42、従動ローラ47から搬送されてきた記録紙が従動ローラ53とドラム10との間に挟まれてドラム10の外周に巻き付く。
【0040】
また、図6の破線で示すようにロータリエンコーダ54が従動ローラ47と同軸に連結されており、記録紙の移動により回転する従動ローラ47の回転量を検出し、この検出した回転量に基づいて第2の搬送ローラ対42を通過し従動ローラ47を通過した記録紙の長さを測定できる。
【0041】
図6のカッタ部43,44は、第1の搬送ローラ対40,41の下流側近傍でありかつ第1のガイド部材45、第2のガイド部材46の各入口側近傍にそれぞれ位置し、上記記録紙の長さ測定に基づいて、記録紙を所定のタイミングで所定長さに切断するようになっている。
【0042】
図7,図8に示すように、カッタ部43は、図8の記録紙Sの幅方向Tまたはその反対方向T’に移動しながら回転して記録紙を幅方向に直線状に切断するロータリカッタ部43aと、ロータリカッタ部43aを回転駆動するモータ43cと、ロータリカッタ部43aとの間で破線で示す記録紙Sを挟むことができるように記録紙Sの幅方向に延び固定して配置された直線状の固定部43bと、を備える。
【0043】
図6〜図8のように、記録紙Sは、上流の搬送ローラ対40からカッタ部43の入口43dに入り、出口43eから出て、第1のガイド部材45の入口45aへと搬送される。そして、第1のガイド部材45を通過して更に第2の搬送ローラ42によりドラム10と従動ローラ53との間へと搬送されるが、搬送ローラ対42を通過した記録紙Sの長さをロータリエンコーダ54で測定し、記録紙Sが所定長さとなったときに搬送ローラ対40,42による搬送を停止し、ロータリカッタ部43aがモータ43cとともに固定部43bの一端側から方向TまたはT’に一方向に移動しながら記録紙Sを幅方向に直線状に切断する。
【0044】
なお、もう一方のカッタ部44はカッタ部43と同様に構成され、モータ43cと同様のモータによりロータリカッタ部を回転駆動して、第2の装填部12’からの記録紙を切断する。
【0045】
図9に図1〜図3の画像記録装置1の露光部11における画像データの流れ及び画像記録装置1の制御系のブロック図を示す。
【0046】
図9に示すように、図1〜図3の画像記録装置1は、カラープルーフを作成するために外部の画像処理装置であるRIP(Raster Image Processor)49でラスターデータから網点画像データを作成し、この網点画像データがRIP49から露光部11に転送されるようになっている。
【0047】
露光部11は、図9のように、外部のRIP49からの網点画像データが入力する画像データI/F部62と、画像データI/F部62からの網点画像データをいったん記憶し随時出力するハードディスク記憶装置等からなるデータバッファ63と、データバッファ63からの網点画像データに基づいて記録紙に対する露光のための露光データを作成するルックアップテーブル64と、ルックアップテーブル64からの露光データのデジタル信号をアナログ信号に変換するB、G、Rの各LED光源320〜322に対応した複数のD/A変換部55a,55b,55cと、D/A変換部55a〜55cからの各アナログ信号により各LED光源320〜322を直接にアナログ変調しドライブする複数のドライバ56a,56b,56cと、を備える。
【0048】
図4の制御部50は、中央演算処理装置(CPU)等から構成され、画像データI/F部52、データバッファ53、ルックアップテーブル54、カッタ部モータ43c、吸引ブロアP1及び他の装置部分を制御する。
【0049】
制御部50は、外部のRIP49からの網点画像データのサイズ情報及びロータリエンコーダ54で測定した記録紙の長さ測定情報に基づいて記録紙を所定長さにカッタ部モータ43cを作動させて切断させる。これにより、記録紙の長さを画像サイズに合わせて任意に切断でき、画像データのサイズに合わせた記録紙をドラム10に保持させて露光を行うことができる。
【0050】
次に、図1乃至図9の画像記録装置1における動作について図10のフローチャートを参照して説明する。
【0051】
まず、外部のRIP49から転送された網点画像データが入力すると(S01)、制御部50は網点画像データからサイズ情報を得るとともに(S02)、記録紙を装填部12または12’からドラム10に向けて搬送する(S03)。 次に、搬送ローラ対42の下流側の従動ローラ47を通過した記録紙の長さをロータリエンコーダ54で測定し、記録紙が上記サイズ情報に適合した所定長さとなったら(S04)、カッタ部43または44で記録紙を切断する(S05)。
【0052】
次に、記録紙Sは従動ローラ53とドラム10との間で更に搬送され、ドラム10の外周面に巻き付き、図3の吸引ブロアP1を作動させることで、ドラム10の外周面に吸引され保持される(S06)。このとき、記録紙がドラム10の周方向Cに図4の最小サイズの保持領域31fより長いため保持領域A内に延びた場合でも、保持領域A内には軸方向Pに延びた複数の吸引溝31dがあるので、記録紙を確実に保持できる。
【0053】
次に、外部のRIP49から入力した網点画像データからルックアップテーブル64で作成された露光データに基づいて各LED光源320〜322を発光させることで記録紙を露光する(S07)。
【0054】
次に、露光により感光した記録紙をドラム10から剥離部材15で剥離し、搬送ローラ対32等で出口19へと搬送し(S08)、現像部21に接続部19aから送り、記録紙の現像処理を行ってから(S09)、排出部28へと排出する(S10)。
【0055】
以上のように、本実施の形態による画像記録装置1によれば、ドラム10の外周面31aに対し軸方向Pに延びる吸引溝31dを記録紙の最小サイズの保時領域31fからドラム10の周方向Tに10mm以上、100mm以下の範囲内の保持領域Aに設けることにより、記録紙の長さを画像サイズに合わせて任意に切断でき、記録紙の確実な吸引・保持が可能となるので、露光される記録紙のロスを最小限にすることができ、記録紙を効率的に使用できる。
【0056】
また、露光時におけるドラム10の回転速度は100rpm以上、2000rpm以下であることが好ましく、ドラム10の回転中の遠心力による記録紙のドラム10からの剥離が生じることなく、記録紙の吸引保持をより安定して行うことができる。
【0057】
以上のように本発明を実施の形態により説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、例えば、本発明による画像記録装置はカラープルーフの作成以外の画像記録にも適用できることは勿論である。
【0058】
また、図4では複数の吸引溝31bは、周方向Cに平行に直線状に形成されているが、周方向Cの直線に対し45度以下に傾斜していてもよく、円周方向成分を有する方向に延びる吸引溝となる。同様に、複数の吸引溝31dは、ドラム10の軸方向Pに対し45度以下に傾斜していてもよく、軸方向成分を有する方向に延びる吸引溝となる。この場合も、軸方向P成分を有する方向に延びる吸引溝31dが複数形成される保持領域Aの長さは周方向Cに対する長さで定義できる。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、記録材料をできるだけ効率的に使用できるようにした記録材料保持ドラム及び画像記録装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態による画像記録装置全体の外観を示す斜視図である。
【図2】図1の画像記録装置の内部を正面側から見た図である。
【図3】図2の画像記録装置のドラム及び光学ユニットを上部から見た要部平面図である。
【図4】図2,図3のドラムの外周面を平面状に展開した平面図である。
【図5】図4のV−V線上に切断してみた吸着貫通孔の断面図である。
【図6】図2の画像記録装置の搬送ローラ対やカッタ部等を含む給送部の要部平面図である。
【図7】図6のカッタ部の正面図である。
【図8】図8は図7のカッタ部の要部上面図である。
【図9】図1乃至図8の画像記録装置1の露光部11における画像データの流れ及び画像記録装置1の制御系のブロック図を示す。
【図10】図1乃至図9の画像記録装置1における動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1・・・画像記録装置
10・・・ドラム
16・・・光学ユニット
31a・・・ドラムの外周面
31b・・・ドラムの周方向に延びた吸引溝
31c・・・吸着貫通孔
31d・・・ドラムの軸方向に延びた吸引溝
31e・・・目印
31f・・・記録紙の最小サイズに対応した保時領域
A・・・保時領域31fからドラム周方向に延びた保持領域
C・・・ドラムの周方向
P・・・ドラムの軸方向
S・・・記録紙(シート状の記録材料、銀塩カラー感光材料)
【発明の属する技術分野】
本発明は、外周面にシート状の記録材料を吸引で保持する記録材料保持ドラム及び画像記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ドラムの内部を吸引し負圧にして記録紙をドラムの外周面に保持した状態でドラム上の記録紙を露光することで画像記録を行う画像記録装置が公知である(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
かかる画像記録装置では、従来、複数サイズの記録紙について画像データのサイズに対し画像が欠けることなく露光可能な最小サイズを自動選択し露光を行っていた。しかしながら、ドラムにおいて吸引保持可能な記録材料のサイズが決められていたため、露光後の出力物において余白となる記録材料のロスが生じることがあった。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−215724公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題に鑑み、記録材料をできるだけ効率的に使用できるようにした記録材料保持ドラム及び画像記録装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による記録材料保持ドラムは、外部空間からその内部空間まで周壁を貫通する複数の貫通孔を有するドラムの前記内部空間を吸引し負圧にすることでその外周面の保持領域にシート状の記録材料を保持するように構成された記録材料保持ドラムであって、前記ドラムの外周面に吸引溝を円周方向成分及び軸方向成分を有する方向に延びかつ前記貫通穴と接続するように設け、前記外周面に対し前記軸方向成分を有する方向に延びる前記吸引溝を前記記録材料の最小サイズに対応した保時領域から前記ドラムの周方向の10乃至100mmの範囲内に設けたことを特徴とする。
【0007】
この記録材料保持ドラムによれば、ドラムの外周面に対し軸方向成分を有する方向に延びる吸引溝を記録材料の最小サイズの保時領域から(記録開始先端側から所定長さの後端から)ドラム周方向に10mm以上、100mm以下(好ましくは80mm以下)の範囲に設けることにより、記録材料の長さを画像サイズに合わせて任意に切断でき吸引保持が可能となるので、露光される記録材料のロスを最小限にすることができ、記録材料を効率的に使用できる。
【0008】
上記記録材料保持ドラムにおいて、前記貫通孔を前記ドラムの外周面に円周方向成分を有する方向に延びる吸引溝と軸方向成分を有する方向に延びる吸引溝との交点に配置することで、吸引溝の配置に関係なく、より効率的に吸引溝での吸引が可能となる。このため、記録材料の吸引手段として用いる真空ポンプの容量を大きくし吸引能力を増やす必要がない。なお、吸引溝は連続的に形成してよいが、不連続的に形成してもよい。
【0009】
また、前記外周面における記録材料の保持領域の周縁部付近に保持領域を示す目印を設けることが好ましい。保持領域の基準位置を示す目印を設けることにより、画像記録装置に組み込んだ後で、メンテナンスを行う際にドラムに吸引保持された記録材料の保持領域からのズレ量が視認し易くなる。
【0010】
また、前記ドラムの直径が200mm以上、400mm以下であることが好ましい。これにより、ドラムの径を大きくする程、周長が長くなるため、より多種サイズの記録材料を吸引保持できる。
【0011】
本発明による画像記録装置は、上述の記録材料保持ドラムと、前記ドラムに向けて前記記録材料を給送する給送手段と、前記ドラムの内部空間を吸引し負圧にするための吸引手段と、前記吸引手段で負圧にした前記ドラムの外周面に前記記録材料を保持した状態で画像データに基づいて露光し画像記録を行う露光手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
この画像記録装置によれば、ドラムの外周面に対し軸方向成分を有する方向に延びる吸引溝を記録材料の最小サイズの保時領域から(記録開始先端側から所定長さの後端から)ドラム周方向に10mm以上、100mm以下の範囲に設けることにより、給送される記録材料の長さを画像サイズに合わせて任意に切断でき吸引保持が可能となるので、露光される記録材料のロスを最小限にすることができ、記録材料を効率的に使用できる。
【0013】
上記画像記録装置において前記画像データのサイズに基づいて前記記録材料を切断する切断手段を備えることが好ましい。これにより、記録材料の長さを画像サイズに合わせて任意に切断でき、画像データのサイズに合わせた記録材料をドラムに保持させることができる。
【0014】
また、前記露光のときの主走査のために前記ドラムの外周面に前記記録材料を保持した状態で前記ドラムを回転駆動する駆動手段を備えるように構成できる。これにより、ドラムの回転方向に主走査を行うことができる。
【0015】
また、前記ドラムの回転速度が100rpm以上、2000rpm以下であることが好ましい。これにより、ドラム回転中の遠心力による記録材料の剥離が生じることなく、記録材料の吸引保持をより安定して行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による実施の形態について図面を用いて説明する。図1は本実施の形態による画像記録装置全体の外観を示す斜視図である。図2は図1の画像記録装置の内部を正面側から見た図である。図3は図2の画像記録装置のドラム及び光学ユニットを上部から見た要部平面図である。
【0017】
図1、図2に示すように、本実施の形態による画像記録装置1は、印刷出力対象の絵柄、色調、文章、文字等の確認を行うためのカラープルーフ(校正用サンプル)を作成するものであって、記録材料である銀塩カラー感光材料(以下、単に「記録材料」ともいう。)に露光し画像を形成する露光部11と、露光された記録材料を現像する現像部21と、を備える。
【0018】
露光部11は、前面からメンテナンスできるように開閉可能な前面パネル5と、各種情報の表示とタッチパネルからなり装置全体の操作のために入力可能な表示部2と、内部にロール状の記録材料である記録紙を収容したカートリッジ13を給紙カバー3,4の開放後に装填可能な装填部12,12’と、を備える。図1では装填部12,12’にカートリッジ13を装填する前、装填した後の状態を示している。
【0019】
現像部21は、メンテナンスのために開閉可能な上面パネル6と、前面には、現像処理液等の補充等のために開閉可能に設けられた補給パネル7と、を備える。
【0020】
図2に示すように、画像記録装置1の露光部11は、内部にロール状に巻かれたシート状記録材料である記録紙を収納した専用のカートリッジ13を装填し収容する装填部12,12’と、装填部12,12’に装填されたカートリッジ13から記録紙を給送する搬送ローラ対40,41,42等からなる給送部14と、給送部14から給送された記録紙Sを外周面に真空吸引し保持しながら主走査のために回転方向Rに回転するドラム10と、ドラム10上の記録紙に対しLED光やレーザ光等の光ビームを露光する光学ユニット16と、光学ユニット16を副走査のために副走査方向(図1の紙面垂直方向)に搬送する副走査部17と、画像記録後のドラム10上の記録紙を剥離する剥離部材15と、を備える。露光後の記録紙は出口19及び接続部19aを通して現像部21へと搬送される。
【0021】
図2の画像記録装置1は、更に、搬送ローラ対42の下流側に配置されドラム10に向けて送られる記録紙の搬送に従い従動回転する従動ローラ31と、記録紙をドラム10との間で搬送する従動ローラ31と、ドラム10上から剥離部材15で剥離された記録紙をドラム10と従動ローラ31とで搬送するときに記録紙をガイドするアキュームガイド部材18と、アキュームガイド部材18で送られてきた記録紙を出口19へと更に搬送する搬送ローラ対32と、搬送ローラ対32に達した記録紙をアキュームするためにアキュームガイド部材18の一部が開放されることで形成されるアキュームレート部30と、搬送ローラ対32の下流側近傍に配置された記録紙の先端を検出する検出センサ33と、を備える。また、下流側の搬送ローラ対32は、ワンウェイクラッチ構造を有し、記録紙の下流側への送り出し方向への回転が自在となっている。
【0022】
図2の現像部21は、露光部11から送られた露光後の記録紙について湿式現像を行うもので、記録紙の現像処理を行う現像部23と、定着処理を行う定着部24と、安定処理を行う安定部25と、乾燥処理を行う乾燥部26と、乾燥された記録紙を搬送ローラ対27a等で外部に排出する排出部27と、を備える。
【0023】
図3のように、画像記録装置1のドラム10は、回転軸部14’の回転軸14a及び回転軸部18の回転軸15aが軸受33a、33bを介して支持台34a、34bに回転可能に軸支されている。ドラム10の一方の回転軸15aには、駆動プーリ35aが設けられ、この駆動プーリ35aはドラム駆動用パルスモータM6の出力プーリ35bとベルト36により連結され、ドラム駆動用パルスモータM6の駆動によりドラム10が回転する。また、ドラム10の回転軸15aには、ロータリーエンコーダ37が設けられ、回転のためのパルス信号を出力してドラムの回転に同期した画素クロック制御に用いる。
【0024】
ドラム10の他方の回転軸14aは吸引ブロアP1に連結されている。ドラム10の外周面31aには吸着貫通孔31cが回転軸方向に直線状に延びて多数形成されており、吸引ブロアP1の駆動によりドラム10の内部が減圧されて記録紙がドラム10の表面に吸着される。
【0025】
光学ユニット16は、副走査部17によりドラム軸と平行に移動可能に構成され、ドラム10に吸着された記録紙に光ビームで露光して画像の書き込みを行う。図3に示すように、光学ユニット16には、異なる3波長の光源としてLEDユニット320、LEDユニット321、LEDユニット322が配置されている。各LEDユニット(LED光源)320,321,322からの光ビームは、ミラー325、326、327を介して、集光レンズ331からドラム10上の記録紙に画像を露光する。露光シャッタ332は露光ソレノイド333により開閉することで、露光開始/終了時に光路の開閉を行なう。
【0026】
複数のLED光源320,321,322からの各光ビームはドラム10に吸着された記録紙の記録面で略同位置に露光される。また、複数のLED光源320,321,322は、例えば、それぞれ波長450nm程度のB(ブルー)、波長540nm程度のG(グリーン)、波長650nm程度のR(レッド)の各色を発光するように構成でき、各LED光源により銀塩カラー感光材料を露光したとき、BによりY(イエロー)、GによりC(シアン)、RによりM(マゼンダ)がそれぞれ発色するようになる。
【0027】
光学ユニット16は、移動ベルト340に固定され、一対のガイドレール341、342に案内されてドラム軸と平行方向に移動可能に設けられている。移動ベルト340は一対のプーリ343、344に掛け渡され、一方のプーリ344は副走査モータM7の出力軸345に連結され、副走査モータM7の駆動により光学ユニット16がドラム軸と平行に移動する。
【0028】
図3に示すように、吸引ブロアP1は空気吸引ポンプにより吸引連結管51を通してドラム10内を吸引し、露光部11による露光開始前にドラム10内を負圧にし吸着貫通孔31cを通して記録紙を外周面に吸着する。
【0029】
次に、上述のドラム10の外周面の吸着貫通孔及び吸引溝の構成について図4,図5を参照して説明する。図4は、図2,図3のドラムの外周面を平面状に展開した平面図である。図5は図4のV−V線上に切断してみた吸着貫通孔の断面図である。
【0030】
図4に示すように、ドラム10の外周面31aは、ドラム10の周方向Cに平行に直線状に形成された複数の吸引溝31bと、ドラム10の軸方向Pに平行に直線状に形成された複数の吸引溝31dと、周方向Cの吸引溝31bと軸方向Pの吸引溝31dとの各交点に形成された吸着貫通孔31cと、を有する。また、周方向Cには比較的短い吸引溝31gが形成され、軸方向Pの吸引溝31dとの各交点に吸着貫通孔31cが形成されている。なお、軸方向Pの吸引溝31dも比較的短く断続的に形成してもよい。
【0031】
図5に示すように、各吸着貫通孔31cは周方向Cの吸引溝31bと軸方向Pの吸引溝31dとの各交点にドラム10の周壁を貫通して形成されており、ドラム10の内部が吸引され負圧になることで各吸引溝31b、31dを通して外周面31a上に記録紙が吸引されて保持される。
【0032】
また、周方向Cの吸引溝31bと軸方向Pの吸引溝31dとの交点に各吸着貫通孔31cを配置することで、吸引溝の配置に関係なく、より効率的に吸引溝31b、31dでの吸引が可能となるため、記録紙の吸引手段として用いる吸引ブロアP1の空気吸引ポンプの容量を大きくし吸引能力を増やす必要がない。
【0033】
上述のように、ドラム10の外周面31aの最外周の吸引溝31b、31d内には記録紙を吸引し保持する保持領域が形成される。そして、図4のように、ドラム10の外周面31aには記録紙の最小サイズを吸引し保持する図のハッチングで示すような保持領域31fが形成され、保持領域31fの記録紙の後端側に対応する吸引溝31d’の周方向C側に延びた保持領域A内には、軸方向Pに延びる吸引溝31dが複数形成されている。この保持領域Aの周方向Cの長さは10乃至100の範囲内にすることが好ましく、10乃至80mmの範囲内が更に好ましい。
【0034】
また、図4のように、ドラム10の外周面31aにおける記録紙の保持領域の外周部分の周縁部付近に保持領域を明確にするために周方向C及び軸方向Pの基準位置を示す目印31eを複数箇所に設けている。この目印31eは、溝加工や塗装によるマーキング等により形成することができる。例えば保持領域31fを示す目印31eを設けることにより、画像記録装置のメンテナンスを行う際にドラム10に吸引保持された記録紙の保持領域31fからのズレ量を視認し易くなり、便利である。
【0035】
また、ドラム10の直径は200mm以上、400mm以下が好ましく、ドラム10の径を大きくする程、周長が長くなるため、より多種サイズの記録紙を吸引保持できる。
【0036】
次に、図2の画像記録装置の搬送ローラ対やカッタ部等を含む給送部について更に図6乃至図8を参照して説明する。図6は図2の画像記録装置の搬送ローラ対やカッタ部等を含む給送部の要部平面図である。図7は図6のカッタ部の正面図であり、図8は図7のカッタ部の要部上面図である。
【0037】
図2,図6に示すように、給送部14は、更に、第1の搬送ローラ対40と第2の搬送ローラ対42との間に配置され搬送中の記録紙をガイドする第1のガイド部材45と、もう1つの第1の搬送ローラ対41と第2の搬送ローラ対42との間に配置され搬送中の記録紙をガイドする第2のガイド部材46と、第1の搬送ローラ対40と第1のガイド部材45の入口側との間に配置されたカッタ部43と、第1の搬送ローラ対41と第2のガイド部材46との間に配置されたカッタ部44と、を備える。
【0038】
図6のように、装填部12及び12’の各カートリッジ13からの記録紙の出口近傍に出口センサ51、出口センサ52をそれぞれ配置し、出口センサ51、52は反射型や透過型の光センサから構成でき、記録紙の有無を検出する。
【0039】
また、第2の搬送ローラ対42の下流側近傍には比較的幅狭の従動ローラ47が配置され記録紙の移動とともに従動回転する。また、従動ローラ53がドラム10の回転に従動回転するように配置され、第2の搬送ローラ対42、従動ローラ47から搬送されてきた記録紙が従動ローラ53とドラム10との間に挟まれてドラム10の外周に巻き付く。
【0040】
また、図6の破線で示すようにロータリエンコーダ54が従動ローラ47と同軸に連結されており、記録紙の移動により回転する従動ローラ47の回転量を検出し、この検出した回転量に基づいて第2の搬送ローラ対42を通過し従動ローラ47を通過した記録紙の長さを測定できる。
【0041】
図6のカッタ部43,44は、第1の搬送ローラ対40,41の下流側近傍でありかつ第1のガイド部材45、第2のガイド部材46の各入口側近傍にそれぞれ位置し、上記記録紙の長さ測定に基づいて、記録紙を所定のタイミングで所定長さに切断するようになっている。
【0042】
図7,図8に示すように、カッタ部43は、図8の記録紙Sの幅方向Tまたはその反対方向T’に移動しながら回転して記録紙を幅方向に直線状に切断するロータリカッタ部43aと、ロータリカッタ部43aを回転駆動するモータ43cと、ロータリカッタ部43aとの間で破線で示す記録紙Sを挟むことができるように記録紙Sの幅方向に延び固定して配置された直線状の固定部43bと、を備える。
【0043】
図6〜図8のように、記録紙Sは、上流の搬送ローラ対40からカッタ部43の入口43dに入り、出口43eから出て、第1のガイド部材45の入口45aへと搬送される。そして、第1のガイド部材45を通過して更に第2の搬送ローラ42によりドラム10と従動ローラ53との間へと搬送されるが、搬送ローラ対42を通過した記録紙Sの長さをロータリエンコーダ54で測定し、記録紙Sが所定長さとなったときに搬送ローラ対40,42による搬送を停止し、ロータリカッタ部43aがモータ43cとともに固定部43bの一端側から方向TまたはT’に一方向に移動しながら記録紙Sを幅方向に直線状に切断する。
【0044】
なお、もう一方のカッタ部44はカッタ部43と同様に構成され、モータ43cと同様のモータによりロータリカッタ部を回転駆動して、第2の装填部12’からの記録紙を切断する。
【0045】
図9に図1〜図3の画像記録装置1の露光部11における画像データの流れ及び画像記録装置1の制御系のブロック図を示す。
【0046】
図9に示すように、図1〜図3の画像記録装置1は、カラープルーフを作成するために外部の画像処理装置であるRIP(Raster Image Processor)49でラスターデータから網点画像データを作成し、この網点画像データがRIP49から露光部11に転送されるようになっている。
【0047】
露光部11は、図9のように、外部のRIP49からの網点画像データが入力する画像データI/F部62と、画像データI/F部62からの網点画像データをいったん記憶し随時出力するハードディスク記憶装置等からなるデータバッファ63と、データバッファ63からの網点画像データに基づいて記録紙に対する露光のための露光データを作成するルックアップテーブル64と、ルックアップテーブル64からの露光データのデジタル信号をアナログ信号に変換するB、G、Rの各LED光源320〜322に対応した複数のD/A変換部55a,55b,55cと、D/A変換部55a〜55cからの各アナログ信号により各LED光源320〜322を直接にアナログ変調しドライブする複数のドライバ56a,56b,56cと、を備える。
【0048】
図4の制御部50は、中央演算処理装置(CPU)等から構成され、画像データI/F部52、データバッファ53、ルックアップテーブル54、カッタ部モータ43c、吸引ブロアP1及び他の装置部分を制御する。
【0049】
制御部50は、外部のRIP49からの網点画像データのサイズ情報及びロータリエンコーダ54で測定した記録紙の長さ測定情報に基づいて記録紙を所定長さにカッタ部モータ43cを作動させて切断させる。これにより、記録紙の長さを画像サイズに合わせて任意に切断でき、画像データのサイズに合わせた記録紙をドラム10に保持させて露光を行うことができる。
【0050】
次に、図1乃至図9の画像記録装置1における動作について図10のフローチャートを参照して説明する。
【0051】
まず、外部のRIP49から転送された網点画像データが入力すると(S01)、制御部50は網点画像データからサイズ情報を得るとともに(S02)、記録紙を装填部12または12’からドラム10に向けて搬送する(S03)。 次に、搬送ローラ対42の下流側の従動ローラ47を通過した記録紙の長さをロータリエンコーダ54で測定し、記録紙が上記サイズ情報に適合した所定長さとなったら(S04)、カッタ部43または44で記録紙を切断する(S05)。
【0052】
次に、記録紙Sは従動ローラ53とドラム10との間で更に搬送され、ドラム10の外周面に巻き付き、図3の吸引ブロアP1を作動させることで、ドラム10の外周面に吸引され保持される(S06)。このとき、記録紙がドラム10の周方向Cに図4の最小サイズの保持領域31fより長いため保持領域A内に延びた場合でも、保持領域A内には軸方向Pに延びた複数の吸引溝31dがあるので、記録紙を確実に保持できる。
【0053】
次に、外部のRIP49から入力した網点画像データからルックアップテーブル64で作成された露光データに基づいて各LED光源320〜322を発光させることで記録紙を露光する(S07)。
【0054】
次に、露光により感光した記録紙をドラム10から剥離部材15で剥離し、搬送ローラ対32等で出口19へと搬送し(S08)、現像部21に接続部19aから送り、記録紙の現像処理を行ってから(S09)、排出部28へと排出する(S10)。
【0055】
以上のように、本実施の形態による画像記録装置1によれば、ドラム10の外周面31aに対し軸方向Pに延びる吸引溝31dを記録紙の最小サイズの保時領域31fからドラム10の周方向Tに10mm以上、100mm以下の範囲内の保持領域Aに設けることにより、記録紙の長さを画像サイズに合わせて任意に切断でき、記録紙の確実な吸引・保持が可能となるので、露光される記録紙のロスを最小限にすることができ、記録紙を効率的に使用できる。
【0056】
また、露光時におけるドラム10の回転速度は100rpm以上、2000rpm以下であることが好ましく、ドラム10の回転中の遠心力による記録紙のドラム10からの剥離が生じることなく、記録紙の吸引保持をより安定して行うことができる。
【0057】
以上のように本発明を実施の形態により説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、例えば、本発明による画像記録装置はカラープルーフの作成以外の画像記録にも適用できることは勿論である。
【0058】
また、図4では複数の吸引溝31bは、周方向Cに平行に直線状に形成されているが、周方向Cの直線に対し45度以下に傾斜していてもよく、円周方向成分を有する方向に延びる吸引溝となる。同様に、複数の吸引溝31dは、ドラム10の軸方向Pに対し45度以下に傾斜していてもよく、軸方向成分を有する方向に延びる吸引溝となる。この場合も、軸方向P成分を有する方向に延びる吸引溝31dが複数形成される保持領域Aの長さは周方向Cに対する長さで定義できる。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、記録材料をできるだけ効率的に使用できるようにした記録材料保持ドラム及び画像記録装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態による画像記録装置全体の外観を示す斜視図である。
【図2】図1の画像記録装置の内部を正面側から見た図である。
【図3】図2の画像記録装置のドラム及び光学ユニットを上部から見た要部平面図である。
【図4】図2,図3のドラムの外周面を平面状に展開した平面図である。
【図5】図4のV−V線上に切断してみた吸着貫通孔の断面図である。
【図6】図2の画像記録装置の搬送ローラ対やカッタ部等を含む給送部の要部平面図である。
【図7】図6のカッタ部の正面図である。
【図8】図8は図7のカッタ部の要部上面図である。
【図9】図1乃至図8の画像記録装置1の露光部11における画像データの流れ及び画像記録装置1の制御系のブロック図を示す。
【図10】図1乃至図9の画像記録装置1における動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1・・・画像記録装置
10・・・ドラム
16・・・光学ユニット
31a・・・ドラムの外周面
31b・・・ドラムの周方向に延びた吸引溝
31c・・・吸着貫通孔
31d・・・ドラムの軸方向に延びた吸引溝
31e・・・目印
31f・・・記録紙の最小サイズに対応した保時領域
A・・・保時領域31fからドラム周方向に延びた保持領域
C・・・ドラムの周方向
P・・・ドラムの軸方向
S・・・記録紙(シート状の記録材料、銀塩カラー感光材料)
Claims (8)
- 外部空間からその内部空間まで周壁を貫通する複数の貫通孔を有するドラムの前記内部空間を吸引し負圧にすることでその外周面の保持領域にシート状の記録材料を保持するように構成された記録材料保持ドラムであって、
前記ドラムの外周面に吸引溝を円周方向成分及び軸方向成分を有する方向に延びかつ前記貫通穴と接続するように設け、
前記外周面に対し前記軸方向成分を有する方向に延びる前記吸引溝を前記記録材料の最小サイズに対応した保時領域から前記ドラムの周方向の10乃至100mmの範囲内に設けたことを特徴とする記録材料保持ドラム。 - 前記貫通孔を前記ドラムの外周面に円周方向成分を有する方向に延びる吸引溝と軸方向成分を有する方向に延びる吸引溝との交点に配置したことを特徴とする請求項1に記載の記録材料保持ドラム。
- 前記外周面における記録材料の保持領域の周縁部付近に保持領域を示す目印を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の記録材料保持ドラム。
- 前記ドラムの直径が200mm以上、400mm以下であることを特徴とする請求項1,2または3に記載の記録材料保持ドラム。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の記録材料保持ドラムと、
前記ドラムに向けて前記記録材料を給送する給送手段と、
前記ドラムの内部空間を吸引し負圧にするための吸引手段と、
前記吸引手段で負圧にした前記ドラムの外周面に前記記録材料を保持した状態で画像データに基づいて露光し画像記録を行う露光手段と、を備えることを特徴とする画像記録装置。 - 前記画像データのサイズに基づいて前記記録材料を切断する切断手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の画像記録装置。
- 前記露光のときの主走査のために前記ドラムの外周面に前記記録材料を保持した状態で前記ドラムを回転駆動する駆動手段を備えることを特徴とする請求項5または6に記載の画像記録装置。
- 前記ドラムの回転速度が100rpm以上、2000rpm以下であることを特徴とする請求項5,6または7に記載の画像記録装置。
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JP2017226522A (ja) * | 2016-06-23 | 2017-12-28 | 株式会社リコー | シート材吸着装置及び画像形成装置 |
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2003
- 2003-05-16 JP JP2003138369A patent/JP2004341285A/ja active Pending
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