JP2009244447A - アルカリ現像性感光性樹脂組成物 - Google Patents

アルカリ現像性感光性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】光重合開始剤を使用しない又は少量の使用であるにも関わらず、感度及び密着性等に優れ、微細パターンを精度良く形成できるアルカリ現像性感光性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】2個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する化合物の、(メタ)アクリロイル基に、カルバゾリル基含有β−ジケトン化合物を付加させて得られる反応生成物の水酸基と、多塩基酸無水物とのエステル化反応により得られる構造を有する光重合性不飽和化合物を含有することを特徴とするアルカリ現像性感光性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、エチレン性不飽和結合を付与した特定の化合物を含有するアルカリ現像性感光性樹脂組成物及び該アルカリ現像性感光性樹脂組成物に、さらに光重合開始剤を含有させてなるアルカリ現像性感光性樹脂組成物に関する。
通常、アルカリ現像性感光性樹脂組成物は、エチレン性不飽和結合を有する化合物を含有するアルカリ現像性感光性樹脂組成物及び光重合開始剤を含有するものである。このアルカリ現像性感光性樹脂組成物は、紫外線若しくは電子線を照射することによって重合硬化させることができるので、光硬化性インキ、感光性印刷版、プリント配線版、液晶ディスプレイ用カラーフィルタ等の各種フォトレジスト等に用いられている。最近、電子機器の軽薄短小化や高機能化の進展に伴い、微細パターンを精度良く形成することができるアルカリ現像性感光性樹脂組成物が望まれている。
また、アルカリ現像性感光性樹脂組成物に用いられる光重合開始剤はコスト高であり、光重合開始剤の未反応成分や分解物が塗膜に残存して汚染の原因となるので、光重合開始剤を使用しないか、使用量を減らしたもので、感度及び密着性に優れ、微細パターンを精度良く形成できるアルカリ現像性感光性樹脂組成物が望まれていた。
一方、下記特許文献1〜4には、アクリロイル基を含有する化合物に対してβ−ジケトン化合物を付加させて得られる反応生成物が、光重合開始剤を用いることなく硬化する光硬化性組成物として用いる事ができる事が記載されているが、これをアルカリ現像性感光性樹脂組成物として使用している例は記載されていない。
特許3649331号 特開2005−163041号公報 特開2006−241461号公報 米国特許5459178号
解決しようとする問題点は、上述したように、光重合開始剤を使用しない又は少量の使用であるにも関わらず、感度及び密着性に優れ、適切なパターン形状や微細パターンを得ることのできるアルカリ現像性感光性樹脂組成物がこれまでなかったということである。
従って、本発明の目的は、光重合開始剤を使用しない又は少量の使用であるにも関わらず、感度及び密着性等に優れ、微細パターンを精度良く形成できるアルカリ現像性感光性樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、2個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する化合物(A)の、(メタ)アクリロイル基に、下記一般式(I)で表されるβ−ジケトン化合物(B)を付加させて得られる反応生成物の水酸基と、多塩基酸無水物(C)とのエステル化反応により得られる構造を有する光重合性不飽和化合物(J)を含有することを特徴とするアルカリ現像性感光性樹脂組成物を提供するものである。
Figure 2009244447
(式中、R1は、炭素原子数1〜20のアルキル基であり、R2は、R11、OR11、COR11、SR11、CONR1213又はCNを表し、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環基を表し、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環基の水素原子は、更にOR21、COR21、SR21、NR2223、CONR2223、−NR22−OR23、−NCOR22−OCOR23、−C(=N−OR21)−R22、−C(=N−OCOR21)−R22、CN、ハロゲン原子、−CR21=CR2223、−CO−CR21=CR2223、カルボキシル基、エポキシ基で置換されていてもよく、R21、R22及びR23は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環基を表し、上記R11、R12、R13、R21、R22及びR23で表される置換基のアルキレン部分のメチレン基は、不飽和結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、チオエステル結合、アミド結合又はウレタン結合により1〜5回中断されていてもよく、上記置換基のアルキル部分は分岐側鎖があってもよく、環状アルキルであってもよく、上記置換基のアルキル末端は不飽和結合であってもよく、また、R12とR13及びR22とR23は、それぞれ一緒になって環を形成していてもよく、R2は、隣接するベンゼン環と一緒になって環を形成していてもよい。R3及びR4は、それぞれ独立に、R11、OR11、SR11、COR11、CONR1213、NR12COR11、OCOR11、COOR11、SCOR11、OCSR11、COSR11、CSOR11、CN、ハロゲン原子、ニトロ基又は水酸基を表し、aは0〜3の整数を表し、bは0〜4の整数を表し、a、bが2以上の時はそれぞれの複数の置換基は異なる置換基でもよく、β−ジケトン部分はケト−エノール互変異性体のどちらの構造であってもよい。)
また、本発明は、上記2個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する化合物(A)が、エポキシ化合物(D)に不飽和一塩基酸(E)を付加させた反応生成物である構造を有する前記アルカリ現像性感光性樹脂組成物、特に、該エポキシ化合物(D)が、下記一般式(II)で表される構造であるアルカリ現像性感光性樹脂組成物を提供するものである。
Figure 2009244447
(式中、Cyは炭素原子数3〜10のシクロアルキル基を表し、Xは水素原子、フェニル基又は炭素原子数3〜10のシクロアルキル基を表し、該フェニル基及びシクロアルキル基は炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基又はハロゲン原子により置換されても良く、Y及びZは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基又はハロゲン原子を表し、該アルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、nは0〜10の数を表し、m及びrは、それぞれ独立して、0〜4の数を表す。)
また、本発明は、さらに光重合開始剤(F)を含有させてなる前記アルカリ現像性感光性樹脂組成物、及び上記アルカリ現像性感光性樹脂組成物に、さらに色材(G)を含有させてなる着色アルカリ現像性感光性樹脂組成物を提供するものである。
本発明のアルカリ現像性感光性樹脂組成物は、光重合開始剤を使用しない又は少量の使用で、十分な感度、解像度及び密着性を与える。
以下、本発明のアルカリ現像性感光性樹脂組成物について、好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
本発明のアルカリ現像性感光性樹脂組成物は、2個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する化合物(A)の、(メタ)アクリロイル基に、上記一般式(I)で表されるβ−ジケトン化合物(B)を付加させて得られる反応生成物の水酸基と、多塩基酸無水物(C)とのエステル化反応により得られる構造を有する光重合性不飽和化合物(J)を含有する。
上記一般式(I)中、R1、R11、R12、R13、R21、R22及びR23で表される炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、アミル、イソアミル、t−アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、t−オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、イコシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、ビニル、アリル、ブテニル、エチニル、プロピニル、メトキシエチル、エトキシエチル、プロピロキシエチル、ペンチロキシエチル、オクチロキシエチル、メトキシエトキシエチル、エトキシエトキシエチル、プロポキシエトキシエチル、メトキシプロピル、2−メトキシ−1−メチルエトキシ等が挙げられる。R11、R12、R13、R21、R22及びR23で表される炭素原子数6〜30のアリール基としては、例えば、フェニル、トリル、キシリル、エチルフェニル、クロロフェニル、ナフチル、アンスリル、フェナンスレニル、上記アルキル基で1つ以上置換されたフェニル、ビフェニリル、ナフチル、アンスリル等が挙げられる。R11、R12、R13、R21、R22及びR23で表される炭素原子数7〜30のアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル、クロロベンジル、α−メチルベンジル、α、α−ジメチルベンジル、フェニルエチル、フェニルエテニル等が挙げられる。R11、R12、R13、R21、R22及びR23で表される炭素原子数2〜20の複素環基としては、例えば、ピリジル、ピリミジル、フリル、チエニル、テトラヒドロフリル、ジオキソラニル、ジメチルジオキソラニル、ベンゾオキサゾール−2−イル、テトラヒドロピラニル、ピロリジル、イミダゾリジル、ピラゾリジル、チアゾリジル、イソチアゾリジル、オキサゾリジル、イソオキサゾリジル、ピペリジル、ピペラジル、モルホリニル等の5〜7員複素環が好ましく挙げられ、炭素原子数3〜20の複素環アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基が上記炭素原子数2〜20の複素環基として例示した置換基で置換された基が挙げられる。また、R12とR13が一緒になって形成しうる環、R22とR23が一緒になって形成しうる環、及びR2と隣接するベンゼン環とが一緒になって形成しうる環としては、例えば、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロペンテン環、ベンゼン環、ピペリジン環、モルホリン環、ラクトン環、ラクタム環等の5〜7員環が挙げられる。また、R11、R12、R13、R21、R22及びR23を置換してもよいハロゲン原子並びにR3及びR4で表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
上記一般式(I)で表されるβ−ジケトン化合物の中でも、R1がメチル基であり、aが0であるものが製造面で有利であるため好ましく、更にbが0であるものや、bが1であり、R4がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアシル基であるものが、感度の面で優れているため、より好ましく、特にアシル基がメチル基やハロゲン原子で置換されていてもよいベンゾイル基であるものが、感度及び製造面で優れているため、より好ましい。
上記一般式(I)で表される、カルバゾリル基を有するβ−ジケトン化合物の具体的な例としては、以下の化合物No.1〜No.10が挙げられる。
Figure 2009244447
Figure 2009244447
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Figure 2009244447
Figure 2009244447
Figure 2009244447
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Figure 2009244447
Figure 2009244447
Figure 2009244447
上記一般式(I)で表されるβ−ジケトン化合物は、特に限定されないが、例えば、下記〔化13〕に示されるように、アセチルカルバゾール化合物とカルボン酸エステルとの塩基触媒存在下の縮合反応により製造することができる。
Figure 2009244447
上記カルボン酸エステルは、対応する置換基(=R1)を有するエステルが用いられ、そのエステル部分は特に限定されないが、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、イソアミルエステル、フェニルエステル等が好ましく用いられる。
上記塩基触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水素化ナトリウム等の無機塩基;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムジイソプロポキシド、カリウムt−ブトキシド等の金属アルコキシド;ジエチルアミン、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン等のアミン類;ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド等の金属アミド;水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム等の水酸化アンモニウム塩が挙げられる。
本発明のアルカリ現像性感光性樹脂組成物を得るために使用されるβ−ジケトン化合物は、上記一般式(I)で表されるβ−ジケトン化合物であるが、必要に応じ、その他のβ−ジケトン部位を有する化合物又はβ−ケトエステル基を有する化合物を併用してもよい。該β−ジケトン部位を有する化合物又はβ−ケトエステル基を有する化合物としては、2,4−ペンタンジオン、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、1−メトキシ−2,4−ペンタンジオン、1−フェニル−1,3−ブタンジオン、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸ブチル、アセト酢酸−t−ブチル、アセト酢酸−2−メトキシエチル、アセト酢酸−2−エチルヘキシル、アセト酢酸ラウリル、アセト酢酸アリル、プロピオニル酢酸エチル、プロピオニル酢酸ブチル、ブチリル酢酸メチル、ベンゾイル酢酸メチル、ベンゾイル酢酸エチル、ベンゾイル酢酸ブチル、4,6−ジオキソヘプタン酸メチル、5,7−ジオキソオクタン酸メチル、アクリル酸−2−アセトアセトキシエチル、メタクリル酸−2−アセトアセトキシエチル、アセト酢酸ベンジル、1,4−ブタンジオールジアセトアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセトアセテート、ネオペンチルグリコールジアセトアセテート、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールジアセトアセテート、シクロヘキサンジメタノールジアセトアセテート、エトキシレート化ビスフェノールAジアセトアセテート、トリメチロールプロパントリアセトアセテート、グリセロールトリアセトアセテート、ペンタエリスリトールトリアセトアセテート、ペンタエリスリトールテトラアセトアセテート、ジトリメチロールプロパンテトラアセトアセテート、アセト酢酸エステル基含有オリゴマー、アセト酢酸エチルと水酸基含有オリゴマー又はポリマーとのエステル交換反応物及びメタクリル酸−2−アセトアセトキシエチルの重合によって得られるアセト酢酸エステル基含有オリゴマー又はポリマーが挙げられる。尚、上記β−ジケトン部位を有する化合物又はβ−ケトエステル基を有する化合物を併用する場合、その使用量の合計は、好ましくは上記一般式(I)で表されるβ−ジケトン化合物の使用量の1質量倍以下とする。
本発明において、上記化合物(A)の、(メタ)アクリロイル基1個に対する、上記化合物(B)のβ−ジケトン部位中のジケトンで挟まれているメチレン基の水素原子の比率は、好ましくは0.1〜1.0個、より好ましくは0.3〜1.0個であり、上記反応生成物の水酸基1個に対し、上記多塩基酸無水物(C)の酸無水物構造の比率が、好ましくは0.1〜1.0個、より好ましくは0.3〜0.9個である。
本発明において、上記化合物(A)と化合物(B)の反応によって得られる反応生成物、及び該反応生成物の水酸基と、多塩基酸無水物(C)とのエステル化反応により得られる構造を有する光重合性不飽和化合物(J)には、置換アクリロイル基の付加型によっては違う異性体が存在することがあるが、異性体の混合物であっても問題なく使用することができる。
本発明における、2個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する化合物(A)
としては、水酸基を3個以上t個以下有するポリオール化合物のt−1個以内の水酸基と、不飽和一塩基酸(E)とのエステル化反応生成物である構造であるもの、下記一般式(III)で表されるポリオールにヒドロキシ酸又はアルキレンオキシドを付加させた、水酸基を3個以上t個以下有する誘導体のt−1個以内の水酸基と、不飽和一塩基酸(E)とのエステル化反応生成物である構造であるもの、及びエポキシ化合物(D)に不飽和一塩基酸(E)を付加させた反応生成物である構造であるもの等が挙げられる。
1(OH)s(−O−CO−L−OH)t[−(OL)w−OH]u(III)
(式中、Z1はポリオール残基であり、s、t、uは合計して3以上の数であり、Lはメチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、ブチレン、テトラメチレン等のアルカンジイル基を表し、wは1〜15を表す。)
また、上記エポキシ化合物(D)のエポキシ基1個に対し、上記不飽和一塩基酸(E)のカルボキシル基の比率は、好ましくは0.1〜1.0個、より好ましくは0.5〜1.0個である。
上記化合物(A)の具体的な例としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、トリメチロールエタンジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルアクリレート、及び下記の化合物No.11等が挙げられる。
Figure 2009244447
上記化合物(A)における(メタ)アクリロイル基の数は、2〜10が好ましく、2〜6がより好ましく、また水酸基の数は、1〜8が好ましく、1〜4がより好ましい。(メタ)アクリロイル基及び水酸基の数がこれらの範囲内にあると、現像性及び密着性に優れるアルカリ現像性感光性樹脂組成物が得られる。
上記エポキシ化合物(D)の例としては、下記に挙げられる多官能エポキシ化合物及び上記一般式(II)で表される構造であるもの等が挙げられる。
上記多官能エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ化合物及びグリシジルエーテル類等が挙げられ、ビスフェノール型エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン型エポキシ化合物等のアルキリデンビスフェノールポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂の他、水添ビスフェノール型エポキシ化合物等のビスフェノール型エポキシ化合物が挙げられる。
上記グリシジルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,8−オクタンジオールジグリシジルエーテル、1,10−デカンジオールジグリシジルエーテル、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、1,1,1−トリ(グリシジルオキシメチル)プロパン、1,1,1−トリ(グリシジルオキシメチル)エタン、1,1,1−トリ(グリシジルオキシメチル)メタン、1,1,1,1−テトラ(グリシジルオキシメチル)メタン等が挙げられる。
上記多官能エポキシ化合物としては、その他、フェノールノボラック型エポキシ化合物、(o−、m−、p−)フェニルフェノールノボラック型エポキシ化合物、(o−、m−、p−)クレゾールノボラック型エポキシ化合物、(o−、m−、p−)ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールFノボラック型エポキシ化合物、ナフトールノボラック型エポキシ化合物等のノボラック型エポキシ化合物;前記エポキシ化合物の共縮合若しくは前記エポキシ化合物と芳香族炭化水素との縮合重合により形成されるノボラック型エポキシ化合物;前記エポキシ化合物とジシクロペンタジエンとの付加反応型エポキシ化合物;3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン等の脂環式エポキシ化合物;フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のグリシジルエステル類;テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N−ジグリシジルアニリン等のグリシジルアミン類;1,3−ジグリシジル−5,5−ジメチルヒダントイン、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環式エポキシ化合物;ジシクロペンタジエンジオキシド等のジオキシド化合物;ナフタレン型エポキシ化合物、トリフェニルメタン型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物;(o−、m−、p−)ヒドロキシスチレンの付加重合体又は(o−、m−、p−)ヒドロキシスチレンとエチレン及び/又はプロピレンとの共重合体の水酸基をグリシジルエーテル化させて得られるエポキシ化合物等が挙げられる。
これらのエポキシ化合物(D)の中でも、上記一般式(II)で表される構造であるものが、エポキシ樹脂としての特性が良いので好ましい。
上記一般式(II)中、Cyで示される炭素原子数3〜10のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル等が挙げられる。
上記一般式(II)中、Xで示される炭素原子数3〜10のシクロアルキル基としては、例えば、Cyで示される炭素原子数3〜10のシクロアルキル基として例示したものが挙げられる。Xで示されるフェニル基又は炭素原子数3〜10のシクロアルキル基は、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていても良く、該置換基としては、それぞれ、Y及びZで示されるものとして後に例示するものが挙げられる。
Y及びZで示される炭素原子数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、アミル、イソアミル、t−アミル、ヘキシル、へプチル、オクチル、イソオクチル、t−オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル等が挙げられる。Y及びZで示される炭素原子数1〜10のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、メトキシエチル、エトキシエチル、プロピロキシエチル、メトキシエトキシエチル、エトキシエトキシエチル、プロピロキシエトキシエチル、メトキシプロピル等が挙げられる。Y及びZで示される炭素原子数2〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、ブテニル、プロペニル等が挙げられる、Y及びZで示されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
また、Xで示されるフェニル基及び炭素原子数3〜10のシクロアルキル基が置換されていてもよい上記のアルキル基及びアルコキシ基、並びにY及びZで示される上記のアルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、該ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。例えば、フッ素原子で置換された炭素原子数1〜10のアルキル基としては、例えば、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、パーフルオロエチル等が挙げられる。
本発明における、上記一般式(II)で表される好ましいエポキシ化合物(D)としては、例えば、下記の化合物No.12〜No.20等が挙げられる。
Figure 2009244447
Figure 2009244447
(上記化合物No.13において、H3C−は位置を特定していない事を表す。)
Figure 2009244447
Figure 2009244447
Figure 2009244447
Figure 2009244447
Figure 2009244447
Figure 2009244447
Figure 2009244447
上記エポキシ化合物(D)において、上記一般式(II)で表される構造である化合物の中でも、Cyがシクロヘキシル基であり、Xがフェニル基であり、m及びrが0である事が好ましい理由は、原料が入手容易であり生産性が良いからである。
本発明において、上記一般式(II)で表されるエポキシ化合物(D)の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、下記〔化24〕に示すように、置換フェニルシクロアルキルケトン(1)とフェノール誘導体とを酸触媒存在下に反応させることによってビスフェノール化合物(2)を得て、これとエピクロルヒドリンとをアルカリ又はルイス酸または相間移動触媒の存在下に反応させることによって容易に製造することができる。
Figure 2009244447
上記ビスフェノール化合物(2)は、従来公知の条件によって製造することができ、例えば、酸性触媒の存在下、20〜200℃の温度で1〜40時間反応させることにより得られる。
上記酸性触媒としては、例えば、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、m−キシレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ヒドロキシメチルスルホン酸、2−ヒドロキシエチルスルホン酸、ヒドロキシプロピルスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、スルホサリチル酸、スルホフタル酸等のスルホン酸類;硫酸、無水硫酸、発煙硫酸、クロロ硫酸、フルオロ硫酸、塩酸、塩化水素ガス、シュウ酸、ギ酸、リン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ケイタングステン酸、リンタングステン酸等のヘテロポリ酸、強酸性のイオン交換樹脂、活性白土、三フッ化ホウ素、無水塩化アルミニウム、塩化亜鉛等が挙げられる。該酸性触媒は、上記置換フェニルシクロアルキルケトン(1)100質量部に対して、好ましくは0.1〜70質量部、より好ましくは40〜80質量部用いられる。
さらに、反応を促進するためにメルカプタン触媒を使用することができ、該メルカプタン触媒としては、例えば、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタン、ブチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、1,6−ヘキサンジチオール等のアルキルメルカプタン類;チオフェノール、チオクレゾール等の芳香族メルカプタン類;メルカプト酢酸(チオグリコール酸)、3−メルカプトプロピオン酸、メルカプトウンデカン酸、チオ安息香酸等のメルカプト有機酸類;2−メルカプトベンゾチアゾール等の複素環族メルカプタン類等が挙げられる。
また、上記反応には、従来公知の溶媒を使用することができ、反応溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族炭化水素系溶媒;テレピン油、D−リモネン、ピネン等のテルペン系炭化水素油;ミネラルスピリット、スワゾール#310(コスモ松山石油(株))、ソルベッソ#100(エクソン化学(株))等のパラフィン系溶剤;メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒;酢酸エチル等のエステル溶媒;ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル系溶媒;エーテル類、セロソルブ系溶媒、ケトン系溶媒、アニリン、トリエチルアミン、ピリジン、ジオキサン、酢酸、アセトニトリル、二硫化炭素等が挙げられる。
上記一般式(II)で表されるエポキシ化合物(D)は、上記ビスフェノール化合物(2
)とエピクロルヒドリンとから従来公知の条件によって製造することができる。
例えば、アルカリ又はルイス酸又は相間移動触媒の存在下、20〜100℃、特に30〜80℃の範囲で反応を行なう。20℃未満であると反応が遅くなり長時間の反応が必要となり、100℃を越えると副反応が多く起こり好ましくない。
上記反応で使用されるアルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等が挙げられ、ルイス酸としては、例えば、上記で例示した如き酸性触媒、四塩化スズ、三フッ化ホウ素、四塩化チタン、活性白土、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、過マンガン酸カリウム、クロム酸カリウム等が挙げられ、相間移動触媒としては、例えば、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド、メチルトリデシルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、N,N−ジメチルピロリジニウムクロリド、N−エチル−N−メチルピロリジニウムヨージド、N−ブチル−N−メチルピロリジニウムブロミド、N−ベンジル−N−メチルピロリジニウムクロリド、N−エチル−N−メチルピロリジニウムブロミド、N−ブチル−N−メチルモルホリニウムブロミド、N−ブチル−N−メチルモルホリニウムヨージド、N−アリル−N−メチルモルホリニウムブロミド、N−メチル−N−ベンジルピペリジニウムクロリド、N−メチル−N−ベンジルピペリジニウムブロミド、N,N−ジメチルピペリジニウムヨージド、N−メチル−N−エチルピペリジニウムアセテート、N−メチル−N−エチルピペリジニウムヨージド等が挙げられる。
本反応におけるエピクロルヒドリンの使用量は、ビスフェノール化合物(2)の水酸基1個に対し、1モル以上、特に2〜10モルの範囲で使用され、アルカリは水酸基1個に対し、0.1〜2.0モル、特に0.3〜1.5モル使用され、ルイス酸又は相間移動触媒は、ビスフェノール化合物(2)の水酸基1個に対し、0.01〜10モル%、特に0.2〜5モル%使用される。
本反応はビスフェノール化合物(2)の製造の欄で例示した如き溶媒を使用することができる。また、過剰のエピクロルヒドリンを溶媒として使用することもできる。
本発明のアルカリ現像性感光性樹脂組成物の調製に使用される不飽和一塩基酸(E)は、該アルカリ現像性感光性樹脂組成物の感度を向上させるために用いられ、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、ヒドロキシエチルメタクリレート・マレート、ヒドロキシエチルアクリレート・マレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート・マレート、ヒドロキシプロピルアクリレート・マレート、ジシクロペンタジエン・マレート或いは1個のカルボキシル基と2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有する多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記1個のカルボキシル基と2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有する多官能(メタ)アクリレートは、例えば1分子中に1個のヒドロキシル基と2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有する多官能(メタ)アクリレートと二塩基酸無水物又はカルボン酸とを反応させることによって得ることができる。
上記1個のカルボキシル基と2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有する多官能(メタ)アクリレートとしては、下記化合物No.21〜No.23を挙げることができる。
Figure 2009244447
Figure 2009244447
Figure 2009244447
本発明のアルカリ現像性感光性樹脂組成物を得るために使用される多塩基酸無水物(C)としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水フタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、無水トリアルキルテトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水ドデセニルコハク酸、無水メチルハイミック酸等の一無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸、無水3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、無水2,2’−3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラスルホン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水トリアルキルテトラヒドロフタル酸−無水マレイン酸付加物、meso−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸無水物等の二無水物、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)等の三無水物が挙げられ、二無水物と一無水物組み合わせても良いが、これらの中でも特に一無水物が好ましい。
本発明における、2個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する化合物(A)に対し、上記一般式(I)で表されるβ−ジケトン化合物(B)を付加させて得られた反応生成物の製造に際し、2個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する化合物(A)を必須とするが、(メタ)アクリロイル基を有し水酸基を有しない化合物(A’)を、本発明の効果を損なわない範囲(化合物(A)100質量部に対して、500質量部以下)で、混合して製造することもできる。このようにして得られた反応生成物に対し、多塩基酸無水物(C)をエステル化させて得られる構造を有する光重合性不飽和化合物(J)の含有量は、本発明のアルカリ現像性感光性樹脂組成物において好ましくは1〜70質量%、より好ましくは20〜60質量%であり、固形分の酸価が好ましくは20〜100mg・KOH/g、より好ましくは50〜100mg・KOH/gの範囲である。
尚、上記(メタ)アクリロイル基を有し水酸基を有しない化合物(A’)としては、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、ビスフェノールAEO変性ジアクリレート、ビスフェノールFEO変性ジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート等が挙げられる。
本発明のアルカリ現像性感光性樹脂組成物には、上記光重合性不飽和化合物(J)の他に、溶媒を含有させてもよく、例えば、上記光重合性不飽和化合物(J)の含有量を上記の好ましい範囲とする場合、光重合性不飽和化合物(J)以外の残部には溶媒を用いることができる。該溶媒の具体例としては、後述の溶媒として例示するものが挙げられる。また、(A)〜(E)成分から上記光重合性不飽和化合物(J)を合成する際に用いた溶媒を除去せず、そのまま本発明のアルカリ現像性感光性樹脂組成物に含有させてもよい。また、(A)〜(E)各成分は1種類で、又は2種類以上混合して使用することができる。
本発明のアルカリ現像性感光性樹脂組成物は、光重合開始剤(F)を加えることなく、アルカリ現像性感光性樹脂組成物として用いることができるが、より高感度の樹脂組成物を得るために、光重合開始剤(F)及び溶媒と混合して、アルカリ現像性感光性樹脂組成物としてもよい。
本発明のアルカリ現像性感光性樹脂組成物において、光重合開始剤(F)を用いた場合の前記光重合性不飽和化合物(J)の含有量は、アルカリ現像性感光性樹脂組成物から溶媒を除く全固形分の合計質量に占める割合で好ましくは30〜90質量%、より好ましくは40〜80質量%である。
上記光重合開始剤(F)としては、従来既知の化合物を用いることが可能であり、例えば、ベンゾフェノン、フェニルビフェニルケトン、1−ヒドロキシ−1−ベンゾイルシクロヘキサン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、1−ベンジル−1−ジメチルアミノ−1−(4'−モルホリノベンゾイル)プロパン、2−モルホリル−2−(4'−メチルメルカプト)ベンゾイルプロパン、チオキサントン、1−クロル−4−プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、エチルアントラキノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルスルフィド、ベンゾインブチルエーテル、2−ヒドロキシ−2−ベンゾイルプロパン、2−ヒドロキシ−2−(4'−イソプロピル)ベンゾイルプロパン、4−ブチルベンゾイルトリクロロメタン、4−フェノキシベンゾイルジクロロメタン、ベンゾイル蟻酸メチル、1,7−ビス(9'−アクリジニル)ヘプタン、9−n−ブチル−3,6−ビス(2'−モルホリノイソブチロイル)カルバゾール、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ナフチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,2−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1−2’−ビイミダゾール、4、4−アゾビスイソブチロニトリル、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、N−1414、N−1717、N−1919、PZ−408((株)ADEKA社製)、IRGACURE369、IRGACURE907、IRGACURE OXE 01、IRGACURE OXE 02(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)、過酸化ベンゾイル、下記一般式(IV)〜(VI)で表される化合物等が挙げられ、これらの光重合開始剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの他の光重合開始剤を使用する場合、その使用量は、好ましくは本発明のβ−ジケトン化合物の使用量の1質量倍以下とする。
Figure 2009244447
(式中、R51、R52及びR53は、それぞれ独立に、上記一般式(I)におけるR2と同じであり、Y2は、ハロゲン原子又はアルキル基を表し、gは0〜5の整数である。)
Figure 2009244447
(式中、R51、R52、R53及びY2は上記一般式(IV)と同じであり、R’51、R’52及びR’53は、R51と同じであり、Y’2はY2と同じであり、R54はジオール残基又はジチオール残基を表し、Z2は酸素原子又は硫黄原子を表し、e及びfは、それぞれ独立に、0〜4の整数である。)
Figure 2009244447
(式中、R51、R52、R53及びY2は上記一般式(IV)と同じであり、Z3は酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表し、Aは複素環基を表し、gは0〜4の整数であり、pは0〜5の整数であり、qは0又は1である。)
本発明のアルカリ現像性感光性樹脂組成物において、上記光重合開始剤(F)の含有量は、アルカリ現像性感光性樹脂組成物から溶媒を除く全固形分の合計質量に占める割合で好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.05〜20質量%である。また、上記光重合開始剤(F)は1種類で、又は2種類以上混合して使用することができる。
本発明のアルカリ現像性感光性樹脂組成物に含まれる溶媒としては、通常、前記の各成分を溶解または分散しえる溶媒であれば特に制限はないが、例えば、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、アセトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル等のエステル系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のセルソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、イソ−又はn−プロパノール、イソ−又はn−ブタノール、アミルアルコール等のアルコール系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等のBTX系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;テレピン油、D−リモネン、ピネン等のテルペン系炭化水素油;ミネラルスピリット、スワゾール#310(コスモ松山石油(株))、ソルベッソ#100(エクソン化学(株))等のパラフィン系溶媒;四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、塩化メチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒;カルビトール系溶媒、アニリン、トリエチルアミン、ピリジン、酢酸、アセトニトリル、二硫化炭素、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられ、中でも、ケトン類或いはセロソルブ系溶媒が好ましい。これらの溶媒は1種類で、又は2種類以上混合して使用することができる。
本発明のアルカリ現像性感光性樹脂組成物において、上記溶媒の含有量は、アルカリ現像性感光性樹脂組成物に占める全固形分濃度が好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%となるように調整するとよい。
本発明の着色アルカリ現像性感光性樹脂組成物は、上記アルカリ現像性感光性樹脂組成物に、色材(G)を含有させたものである。
本発明の着色アルカリ現像性感光性樹脂組成物に色材として使用される顔料としては、従来のカラーフィルタの製造に使用されている公知の顔料をいずれも用いることができる。以下に、有機顔料の具体例をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで示す。尚、下記一覧中、「x」で表されるのはC.I.ナンバーから任意で選択できる整数である。
・PigmentBlue:
<C.I>1,1:2,1:x,9:x,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:5,15:6,16,24,24:x,56,60,61,62
・PigmentGreen:
<C.I>1,1:x,2,2:x,4,7,10,36
・PigmentOrange
<C.I>2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,59,60,61,62,64
・PigmentRed
<C.I>1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:3,81:x,83,88,90,112,119,122,123,144,146,149,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,224、226
・PigmentViolet:
<C.I>1,1:x,3,3:3,3:x,5:1,19,23,27,32,42
・PigmentYellow
<C.I>1,3,12,13,14,16,17,24,55,60,65,73,74,81,83,93,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,116,117,119,120,126,127,128,129,138,139,150,151,152,153,154,156,175
また、黒色顔料としては、三菱化学社製のカーボンブラック#2400、#2350、#2300、#2200、#1000、#980、#970、#960、#950、#900、#850、MCF88、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA220、IL30B、IL31B、IL7B、IL11B、IL52B、#4000、#4010、#55、#52、#50、#47、#45、#44、#40、#33、#32、#30、#20、#10、#5、CF9、#3050、#3150、#3250、#3750、#3950、ダイヤブラックA、ダイヤブラックN220M、ダイヤブラックN234、ダイヤブラックI、ダイヤブラックLI、ダイヤブラックLH、ダイヤブラックN339、ダイヤブラックSH、ダイヤブラックSHA、ダイヤブラックLH、ダイヤブラックH、ダイヤブラックHA、ダイヤブラックSF,ダイヤブラックN550M、ダイヤブラックE、ダイヤブラックG、ダイヤブラックR、ダイヤブラックN760M、ダイヤブラックLR、キャンカーブ社製のカーボンブラックサーマックスN990、N991、N907、N908、N990、N991、N908、旭カーボン社製のカーボンブラック旭#80、旭#70、旭#70L、旭F−200、旭#66、旭#66U、旭#50、旭#35、旭#15、アサヒサーマル、デグザ社製のカーボンブラックColorBlackFw200、ColorBlackFw2、ColorBlackFw2V、ColorBlackFw1、ColorBlackFw18、ColorBlackS170、ColorBlackS160、SpecialBlack6、SpecialBlack5、SpecialBlack4、SpecialBlack4A、SpecialBlack250、SpecialBlack350、PrintexU、PrintexV、Printex140U、Printex140V(いずれも商品名)等が挙げられる。
その他顔料としては、ミロリブルー、酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、アルミナ、コバルト系、マンガン系、タルク、クロム酸塩、フェロシアン化物、各種金属硫酸塩、硫化物、セレン化物、リン酸塩群青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、ピリジアン、エメラルドグリーン、コバルトグリーン等の無機顔料も使用することができる。これらの顔料は1種類で、又は2種類以上混合して使用することができる。
上記色材(G)として用いることのできる染料としては、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、アリザリン染料、アクリジン染料スチルベン染料、チアゾール染料、ナフトール染料、キノリン染料、ニトロ染料、インダミン染料、オキサジン染料、フタロシアニン染料、シアニン染料等の染料等が挙げられ、これらは1種類で、又は2種類以上混合して使用することができる。
本発明の着色アルカリ現像性感光性樹脂組成物において、上記色材(G)の含有量は、着色アルカリ現像性感光性樹脂組成物から溶媒を除く全固形分の合計質量に占める割合で好ましくは0.5〜70%、より好ましくは5〜60質量%である。
本発明のアルカリ現像性感光性樹脂組成物及び着色アルカリ現像性感光性樹脂組成物には、さらに不飽和結合を有するモノマー、連鎖移動剤、界面活性剤等を併用することができる。
上記不飽和結合を有するモノマーとしては、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸亜鉛、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート等が挙げられる。
本発明のアルカリ現像性感光性樹脂組成物において、上記不飽和結合を有するモノマーの含有量は、アルカリ現像性感光性樹脂組成物から溶媒を除く全固形分の合計質量に占める割合で好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは10〜40質量%である。これらは1種類で、又は2種類以上混合して使用することができる。
上記連鎖移動剤としては、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト酪酸、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン、2−メルカプトニコチン酸、3−〔N−(2−メルカプトエチル)カルバモイル〕プロピオン酸、3−〔N−(2−メルカプトエチル)アミノ〕プロピオン酸、N−(3−メルカプトプロピオニル)アラニン、2−メルカプトエタンスルホン酸、3−メルカプトプロパンスルホン酸、4−メルカプトブタンスルホン酸、ドデシル(4−メチルチオ)フェニルエーテル、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、1−メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプト−2−ブタノール、メルカプトフェノール、2−メルカプトエチルアミン、2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプト−3−ピリジノール、2−メルカプトベンゾチアゾール、メルカプト酢酸、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)等のメルカプト化合物、該メルカプト化合物を酸化して得られるジスルフィド化合物、ヨード酢酸、ヨードプロピオン酸、2−ヨードエタノール、2−ヨードエタンスルホン酸、3−ヨードプロパンスルホン酸等のヨード化アルキル化合物が挙げられる。これらは1種類で、又は2種類以上混合して使用することができる。
上記界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等のフッ素界面活性剤、高級脂肪酸アルカリ塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤、高級アミンハロゲン酸塩、第四級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド等の非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の界面活性剤を用いることができ、これらは1種類で、又は2種類以上混合して使用することができる。
本発明のアルカリ現像性感光性樹脂組成物及び着色アルカリ現像性感光性樹脂組成物には、さらに熱可塑性有機重合体を用いることによって、硬化物の特性を改善することもできる。該熱可塑性有機重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−エチルアクリレート共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸−メチルメタクリレート共重合体、ポリビニルブチラール、セルロースエステル、ポリアクリルアミド、飽和ポリエステル等が挙げられる。これらは1種類で、又は2種類以上混合して使用することができる。
また、アルカリ現像性感光性樹脂組成物及び着色アルカリ現像性感光性樹脂組成物には、必要に応じて、アニソール、ハイドロキノン、ピロカテコール、t−ブチルカテコール、フェノチアジン等の熱重合抑制剤;可塑剤;接着促進剤;充填剤;消泡剤;分散剤;レベリング剤;シラン且つプリング剤;難燃剤等の慣用の添加物を加えることができる。これらは1種類で、又は2種類以上混合して使用することができる。
本発明のアルカリ現像性感光性樹脂組成物及び着色アルカリ現像性感光性樹脂組成物は、スピンコーター、バーコーター、ロールコーター、カーテンコーター、各種のスクリーン印刷、インクジェット印刷、浸漬等の公知の手段で、金属、紙、プラスチック、ガラス等の支持基体上に適用される。また、一旦フィルム等の支持基体上に施した後、他の支持基体上に転写することもでき、その適用方法に制限はない。
本発明の(着色)アルカリ現像性感光性樹脂組成物は、主として、前記溶媒、前記光重合開始剤及び色材と混合され、(着色)アルカリ現像性感光性樹脂組成物として用いられるもので、該(着色)アルカリ現像性感光性樹脂組成物は、その用途に特に制限はなく、光硬化性塗料、光硬化性接着剤、印刷版、印刷配線板用フォトレジスト、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスパネル、ビデオカメラ、液晶ディスプレイに使用されるカラーフィルタの画素部或いは液晶分割配向制御用突起の形成等の各種の用途に使用することができる。
また、本発明のアルカリ現像性感光性樹脂組成物及び着色アルカリ現像性感光性樹脂組成物を硬化させる際に用いられる活性光の光源としては、波長300〜450nmの光を発光するものを用いることができ、例えば、超高圧水銀、水銀蒸気アーク、カーボンアーク、キセノンアーク等を用いることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。尚、下記実施例等において、「%」は、質量%を意味する。
実施例1−1〜1−4では、光重合性不飽和化合物(J)を含有するアルカリ現像性感光性樹脂組成物を製造した。また、実施例2−1〜2−4では、実施例1−1〜1−4で製造したアルカリ現像性感光性樹脂組成物に、不飽和結合を有するモノマー及び溶媒を混合して、本発明のアルカリ現像性感光性樹脂組成物を調製した。また、実施例3−1〜3−4では、実施例1−1〜1−4で製造したアルカリ現像性感光性樹脂組成物に、色材(G)、不飽和結合を有するモノマー及び溶媒を混合して、本発明の着色アルカリ現像性感光性樹脂組成物を調製した。また、実施例4−1〜4−4では、実施例1−1〜1−4で製造したアルカリ現像性感光性樹脂組成物に、光重合開始剤(F)、色材(G)、不飽和結合を有するモノマー及び溶媒を混合して、本発明の着色アルカリ現像性感光性樹脂組成物を調製した。
[実施例1−1]アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.1の製造
<ステップ1>ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−ビフェニリル(シクロヘキシル)メタンの製造
ビフェニリルシクロヘキシルケトン70.5g、フェノール200.7g及びチオ酢酸10.15gを仕込み、トリフルオロメタンスルホン酸40.0gを18℃で20分かけて滴下した。17〜19℃で18時間反応後、水500gを加えて反応を停止させ、トルエン500gを加え、有機相をpH3〜4になるまで水洗して有機相を分離した。トルエン、水及び過剰のフェノールを留去した。残渣にトルエンを加えて析出した固体をろ別し、トルエンで分散洗浄して淡黄色結晶59.2g(収率51%)を得た。該淡黄色結晶の融点は239.5℃であり、該淡黄色結晶は目的物であることを確認した。
<ステップ2>ビス〔4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル〕−4−ビフェニリル(シクロヘキシル)メタンの製造
ステップ1で得られたビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−ビフェニリル(シクロヘキシル)メタン57.5g及びエピクロルヒドリン195.8gを仕込み、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド0.602gを加えて64℃で18時間攪拌した。続いて54℃まで降温し、24重量%水酸化ナトリウム水溶液43.0gを滴下し、30分攪拌した。エピクロルヒドリン及び水を留去し、メチルイソブチルケトン216gを加えて水洗後、24重量%水酸化ナトリウム2.2gを滴下した。80℃で2時間攪拌後、室温まで冷却し、3重量%モノリン酸ナトリウム水溶液で中和し、水洗を行った。溶媒を留去して、淡黄色固体57g(収率79%)を得た。(融点64.2℃、エポキシ当量282、n=0.04)。該淡黄色固体は目的物であることを確認した。
<ステップ3>エポキシアクリレート溶液A−BCの製造
ステップ2で得られたビス〔4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル〕−4−ビフェニリル(シクロヘキシル)メタン(以下、化合物d−1ともいう)842.7g、アクリル酸(以下、化合物e−1ともいう)220.5g、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール4.29g、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド5.42g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート708.8gを仕込み、120℃で14時間攪拌した。これを室温まで冷却したものを、エポキシアクリレート溶液A−BCとした。
<ステップ4>アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.1の製造
ステップ3で得られたエポキシアクリレート溶液A−BC19.00g、1−〔9−エチル−6−(4−フルオロ−2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−ブタン−1,3−ジオン(以下、化合物b−1ともいう)3.32g、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン0.24g、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート0.64gを仕込み、120℃で12時間撹拌した。これにプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート6.73gを加え室温まで冷却した。冷却後、無水コハク酸(以下、化合物c−1ともいう)2.9g、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート6.9gを加えて100℃で5時間撹拌した。室温まで冷却し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液として目的物であるアルカリ現像性感光性樹脂組成物No.1を得た(Mw=4430、Mn=2110、酸価96.5mgKOH/g)。
尚、アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.1が含有する光重合性不飽和化合物(J)は、(D)成分である化合物d−1のエポキシ基1個に対し、(E)成分である化合物e−1のカルボキシル基を1.0個の比率で付加させた構造を有する、(A)成分であるエポキシ付加物のアクリレート基1個に対し、(B)成分である化合物b−1のβ−ジケトン部位中のジケトンで挟まれているメチレン基の水素原子が0.5個の比率でマイケル付加重合し、さらに水酸基1個に対し、(C)成分である化合物c−1の酸無水物構造が0.9個の比率で付加させて得られたものである。
[実施例1−2]アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.2の製造
<ステップ1>エポキシアクリレート溶液の製造
2,2−ビス〔4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル〕プロパン(以下、化合物d−2ともいう)185g、アクリル酸(化合物e−1)73.5g、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.7g、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド1.7g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート174.0gを仕込み、120℃で16時間攪拌、これを室温まで冷却しエポキシアクリレート溶液を得た。
<ステップ2>アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.2の製造
ステップ1で得られたエポキシアクリレート溶液13.93g、1−〔9−エチル−6−(4−フルオロ−2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−ブタン−1,3−ジオン(化合物b−1)3.32g、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン0.24g、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート0.64gを仕込み、120℃で8時間撹拌した。これにプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート5.73gを加え室温まで冷却したものを冷却後、無水コハク酸(化合物c−1)2.9g、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート5.8gを加えて100℃で5時間撹拌した。室温まで冷却し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液として目的物であるアルカリ現像性感光性樹脂組成物No.2を得た(Mw=4300、Mn=2140、酸価114.5mgKOH/g)。
尚、アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.2が含有する光重合性不飽和化合物(J)は、(D)成分である化合物d−2のエポキシ基1個に対し、(E)成分である化合物e−1のカルボキシル基を1.0個の比率で付加させた構造を有する、(A)成分であるエポキシ付加物のアクリレート基1個に対し、(B)成分である化合物b−1のβ−ジケトン部位中のジケトンで挟まれているメチレン基の水素原子が0.5個の比率でマイケル付加重合し、さらに水酸基1個に対し、(C)成分である化合物c−1の酸無水物構造が0.9個の比率で付加させて得られたものである。
[実施例1−3]アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.3の製造
エポキシアクリレート溶液A−BC53.5g、1−(9−プロピル−9H−カルバゾール−3−イル)−ブタン−1,3−ジオン(以下、化合物b−2ともいう)8.8g、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン0.8g、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート20.3gを仕込み、120℃で13時間撹拌した。これを室温まで冷却し、テトラヒドロ無水フタル酸(以下、化合物c−2ともいう)6.8g、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート17.62gを加えて100℃で5時間撹拌した。室温まで冷却し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液として目的物であるアルカリ現像性感光性樹脂組成物No.3を得た(Mw=4440、Mn=2290、酸価55.8mgKOH/g)。
尚、アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.3が含有する光重合性不飽和化合物(J)は、(D)成分である化合物d−1のエポキシ基1個に対し、(E)成分である化合物e−1のカルボキシル基を1.0個の比率で付加させた構造を有する、(A)成分であるエポキシ付加物のアクリレート基1個に対し、(B)成分である化合物b−2のβ−ジケトン部位中のジケトンで挟まれているメチレン基の水素原子が0.67個の比率でマイケル付加重合し、さらに水酸基1個に対し、(C)成分である化合物c−2の酸無水物構造が0.5個の比率で付加させて得られたものである。
[実施例1−4]アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.4の製造
エポキシアクリレート溶液A−BC35.6g、1−〔9−エチル−6−(4−フルオロ−2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−ブタン−1,3−ジオン(化合物b−1)8.31g、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン0.5g、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート16.0gを仕込み、120℃で10時間撹拌した。これを室温まで冷却したものに、テトラヒドロ無水フタル酸(化合物c−2)6.4g、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート14.5gを加えて100℃で5時間撹拌した。室温まで冷却し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液として目的物であるアルカリ現像性感光性樹脂組成物No.4を得た(Mw=4810、Mn=2190、酸価65.9mgKOH/g)。
尚、アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.4が含有する光重合性不飽和化合物(J)は、(D)成分である化合物d−1のエポキシ基1個に対し、(E)成分である化合物e−1のカルボキシル基を1.0個の比率で付加させた構造を有する、(A)成分であるエポキシ付加物のアクリレート基1個に対し、(B)成分である化合物b−1のβ−ジケトン部位中のジケトンで挟まれているメチレン基の水素原子が0.67個の比率でマイケル付加重合し、さらに水酸基1個に対し、(C)成分である化合物c−2の酸無水物構造が0.7個の比率で付加させて得られたものである。
[比較例1−1]比較用樹脂組成物No.1の製造
エポキシアクリレート溶液A−BC53.5g、(B)成分とは異なる構造のβ−ジケトン化合物として1−(2−ナフチル)ブタン−1,3−ジオン(以下、化合物b’−1ともいう)6.4g、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン0.8g、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート17.9gを仕込み、120℃で4時間撹拌した。これを室温まで冷却したものに、テトラヒドロ無水フタル酸(化合物c−2)6.8g、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート6.8gを加えて100℃で5時間撹拌した。室温まで冷却し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液として目的物である比較用樹脂組成物No.1を得た(Mw=5200、Mn=2320、酸価57.0mgKOH/g)。
尚、比較用樹脂組成物No.1が含有する光重合性不飽和化合物(J)は、(D)成分である化合物d−1のエポキシ基1個に対し、(E)成分である化合物e−1のカルボキシル基を1.0個の比率で付加させた構造を有する、(A)成分であるエポキシ付加物のアクリレート基1個に対し、化合物b’−1のβ−ジケトン部位中のジケトンで挟まれているメチレン基の水素原子が0.67個の比率でマイケル付加重合し、さらに水酸基1個に対し、(C)成分である化合物c−2の酸無水物構造が0.5個の比率で付加させて得られたものである。
[比較例1−2]比較用樹脂組成物No.2の製造
2,2−ビス〔4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル〕プロパン154g、アクリル酸59.0g、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.26g、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド0.11g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート23.0gを仕込み、120℃で16時間攪拌した。室温まで冷却し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート36.0g、ビフタル酸無水物67.0及び、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド0.24gを仕込み、120℃で4時間、100℃で3時間、80℃で4時間、60℃で6時間、40℃で11時間撹拌した。室温まで冷却し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート90.0gを加えて目的物のプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液として比較用樹脂組成物No.2を得た(Mw=7500、Mn=2100、酸価(固形分)91mgKOH/g)。
[実施例2−1〜2−4及び比較例2−1、2−2]アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.5〜No.8及び比較用樹脂組成物No.3、No.4の調製
実施例1−1〜1−4で得られたアルカリ現像性感光性樹脂組成物No.1〜No.4及び比較例1−1、1−2で得られた比較用樹脂組成物No.1〜No.2の17gに対し、不飽和結合を有するモノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート(化合物a’−1)7.0g、及び溶媒としてプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート78gを加えてよく撹拌し、アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.5〜No.8及び比較用樹脂組成物No.3、No.4を得た。
上記実施例2−1〜2−4及び比較例2−1、2−2で調整したアルカリ現像性感光性樹脂組成物No.5〜No.8及び比較用樹脂組成物No.3、No.4の評価を以下のようにして行った。
即ち、ガラス基板上にアルカリ現像性感光性樹脂組成物をスピンコート(700r.p.m、5秒間)し、15分間風乾後、90℃のホットプレート上で90秒間プリベークを行った。マスク開口30μmのマスクを用い、高圧水銀ランプで100mJ/cm2露光した。その後、2.5質量%炭酸ナトリウム溶液に25℃で60秒間浸漬して現像し、良く水洗した。この時、パターンが形成されたものを○、パターンが形成されな且つたものを×とした。結果を表1に示す。
Figure 2009244447
実施例2−1〜2−4のアルカリ現像性感光性樹脂組成物は、開始剤なしでも露光により硬化し、アルカリ現像によりパターンを形成した。一方、比較例2−1及び2−2の比較用樹脂組成物は、開始剤なしでは露光しても硬化せず、アルカリ現像によりパターン形成できなかった。
[実施例3−1〜3−4及び比較例3−1、3−2]着色アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.1〜No.4及び比較用着色樹脂組成物No.1、No.2の調製
実施例1−1〜1−4で得られたアルカリ現像性感光性樹脂組成物No.1〜No.4及び比較例1−1、1−2で得られた比較用樹脂組成物No.1〜No.2の70gに対し、不飽和結合を有するモノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート(化合物a’−1)9.0g、色材(G)としてカーボンブラック(三菱化学社製「MA100」)30g及び溶媒としてプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート75gを加えてよく撹拌し、着色アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.1〜No.4及び比較用着色樹脂組成物No.1、No.2を得た。
実施例3−1〜3−4及び比較例3−1、3−2で調整した着色アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.1〜No.4及び比較用着色樹脂組成物No.1、No.2の評価を以下のようにして行った。
即ち、ガラス基板上にアルカリ現像性感光性樹脂組成物をスピンコート(700r.p.m、5秒間)し、15分間風乾後、90℃のホットプレート上で90秒間プリベークを行った。マスク開口30μmのマスクを用い、高圧水銀ランプで200mJ/cm2露光した。その後、2.5質量%炭酸ナトリウム溶液に25℃で40秒間浸漬して現像し、良く水洗した。
この時、パターンが形成されたものを○、パターンが形成されな且つたものを×とした。結果を表2に示す。
Figure 2009244447
実施例3−1〜3−4の着色アルカリ現像性感光性樹脂組成物は、開始剤なしでも露光により硬化し、アルカリ現像によりパターンを形成した。一方、比較例3−1及び3−2の比較用着色樹脂組成物は、開始剤なしでは露光しても硬化せず、アルカリ現像によりパターン形成できなかった。
[実施例4−1〜4−4及び比較例4−1、4−2]着色アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.5〜No.8及び比較用着色樹脂組成物No.3、No.4の調製
実施例1−1〜1−4で得られたアルカリ現像性感光性樹脂組成物No.1〜No.4及び比較例1−1、1−2で得られた比較用樹脂組成物No.1〜No.2の70gに対し、不飽和結合を有するモノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート(化合物a’−1)9.0g、光重合開始剤(F)としてIRGACURE OXE 02(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)3g及び色材(G)としてカーボンブラック(三菱化学社製「MA100」)30g及び溶媒としてプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート75gを加えてよく撹拌し、着色アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.5〜No.8及び比較用着色樹脂組成物No.3、No.4を得た。
実施例4−1〜4−4及び比較例4−1、4−2で調整した着色アルカリ現像性感光性樹脂組成物No.5〜No.8及び比較用着色樹脂組成物No.3、No.4の評価を以下のようにして行った。
即ち、ガラス基板上にアルカリ現像性感光性樹脂組成物をスピンコート(700r.p.m、5秒間)し、15分間風乾後、90℃のホットプレート上で90秒間プリベークを行った。所定のマスクを用いて、光源として高圧水銀ランプで露光後、2.5質量%炭酸ナトリウム溶液に25℃で40秒間浸漬して現像し、良く水洗した。水洗乾燥後、230℃で1時間ベークしてパターンを定着させた。
得られたパターンについて、以下の評価を行った。結果を表3に示す。
<感度>
露光時に、露光量が50mJ/cm2で十分だったものをa、50mJ/cm2では不十分で、100mJ/cm2で露光した物をb、100mJ/cm2では不十分で、200mJ/cm2で露光したものをcとした。
<解像度>
露光現像時に、線幅10μm以下でも良好にパターン形成できたものをA、線幅20μmであれば良好にパターン形成できたものをB、線幅30μm以上のものでないと良好なパターン形成ができな且つたものをCと評価した。
<密着性>
現像して得られたパターンのはがれにつき観察し、パターンはがれが観察されないものを○、一部にはがれが観察されるものを×とした。
Figure 2009244447
実施例4−1〜4−4の着色アルカリ現像性感光性樹脂組成物は、高感度で解像度に優れるものであった。また、基板との密着性に優れ、パターンはがれが少ないものであった。それに対して、比較例4−1及び4−2の比較用着色樹脂組成物は、低感度であり、解像度及び基板との密着性も低いものであった。

Claims (8)

  1. 2個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する化合物の、(メタ)アクリロイル基に、下記一般式(I)で表されるβ−ジケトン化合物を付加させて得られる反応生成物の水酸基と、多塩基酸無水物とのエステル化反応により得られる構造を有する光重合性不飽和化合物を含有することを特徴とするアルカリ現像性感光性樹脂組成物。
    Figure 2009244447
    (式中、R1は、炭素原子数1〜20のアルキル基であり、R2は、R11、OR11、COR11、SR11、CONR1213又はCNを表し、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環基を表し、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環基の水素原子は、更にOR21、COR21、SR21、NR2223、CONR2223、−NR22−OR23、−NCOR22−OCOR23、−C(=N−OR21)−R22、−C(=N−OCOR21)−R22、CN、ハロゲン原子、−CR21=CR2223、−CO−CR21=CR2223、カルボキシル基、エポキシ基で置換されていてもよく、R21、R22及びR23は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環基を表し、上記R11、R12、R13、R21、R22及びR23で表される置換基のアルキレン部分のメチレン基は、不飽和結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、チオエステル結合、アミド結合又はウレタン結合により1〜5回中断されていてもよく、上記置換基のアルキル部分は分岐側鎖があってもよく、環状アルキルであってもよく、上記置換基のアルキル末端は不飽和結合であってもよく、また、R12とR13及びR22とR23は、それぞれ一緒になって環を形成していてもよく、R2は、隣接するベンゼン環と一緒になって環を形成していてもよい。R3及びR4は、それぞれ独立に、R11、OR11、SR11、COR11、CONR1213、NR12COR11、OCOR11、COOR11、SCOR11、OCSR11、COSR11、CSOR11、CN、ハロゲン原子、ニトロ基又は水酸基を表し、aは0〜3の整数を表し、bは0〜4の整数を表し、a、bが2以上の時はそれぞれの複数の置換基は異なる置換基でもよく、β−ジケトン部分はケト−エノール互変異性体のどちらの構造であってもよい。)
  2. 上記β−ジケトン化合物が、上記一般式(I)中、R1がメチル基であり、aが0である化合物である請求項1に記載のアルカリ現像性感光性樹脂組成物。
  3. 上記β−ジケトン化合物が、上記一般式(I)中、R1がメチル基であり、R4がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアシル基であり、aが0であり、bが0又は1である化合物である請求項1に記載のアルカリ現像性感光性樹脂組成物。
  4. 上記2個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する化合物が、エポキシ化合物に不飽和一塩基酸を付加させた反応生成物である構造を有する請求項1〜3の何れかに記載のアルカリ現像性感光性樹脂組成物。
  5. 上記エポキシ化合物が、下記一般式(II)で表される構造である請求項4に記載のアルカリ現像性感光性樹脂組成物。
    Figure 2009244447
    (式中、Cyは炭素原子数3〜10のシクロアルキル基を表し、Xは水素原子、フェニル基又は炭素原子数3〜10のシクロアルキル基を表し、該フェニル基及びシクロアルキル基は炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基又はハロゲン原子により置換されても良く、Y及びZは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基又はハロゲン原子を表し、該アルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、nは0〜10の数を表し、m及びrは、それぞれ独立して、0〜4の数を表す。)
  6. 上記一般式(II)中、Cyがシクロヘキシル基であり、Xがフェニル基であり、m及びrが0である請求項5に記載のアルカリ現像性感光性樹脂組成物。
  7. さらに光重合開始剤を含有させてなる請求項1〜6の何れかに記載のアルカリ現像性感光性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載のアルカリ現像性感光性樹脂組成物に、さらに色材を含有させてなる着色アルカリ現像性感光性樹脂組成物。
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