JP2006241461A - 光硬化性組成物および光硬化性化合物 - Google Patents

光硬化性組成物および光硬化性化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】 光開始剤を用いることなく高い硬化性を発現し、それによって酸素阻止の低減を示し、良好な硬度および耐溶剤性をもつ硬化物となる芳香族非含有の光硬化性組成物を提供する。
【解決手段】 アクリロイル基および下記構造式I
【化1】
Figure 2006241461

(式中、RおよびRは独立に、1〜6の炭素数を有するアルキルまたはシクロアルキル基を表し、Xはカルボニル基またはシアノ基を表し、Rは1〜8の炭素数を有するアルキルまたはアルコキシ基を表し、nはXがカルボニルの場合に1を、Xがシアノ基の場合に0を表し、Rは1〜3の炭素数を有するアルキレン基を表し、Xは電子吸引性基を表す。)で表される化学構造要素を有する樹脂(A)を含有する光硬化性組成物に関する。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、光硬化性組成物、および組成物の構成成分として使用できる新規の硬化性化合物、さらに、光開始剤を用いることなくUV光から太陽光で硬化可能な塗料又は成型品用途に適する光硬化性組成物に関する。
UV(紫外)光または太陽光を照射することによって硬化することができる複数のアクリロイル基含有樹脂を含む光硬化性組成物は、コーティング、印刷インキ、または成形品の分野で幅広く使用されている。この光硬化性組成物においては、一般に光開始剤が上記の分野のアクリロイル基含有樹脂と共に用いられている。
しかし、光開始剤を含有する上記光硬化性組成物は、いくつかの実用上の問題を有しており、例えば、未反応の光開始剤およびその開裂生成物は、通常コーティング中に残留し、表面にマイグレーションしてこれに接する物品に付着してしまうという問題を有していた。特に、食品包装産業では、かかるマイグレーションの問題は食品それ自体の汚染を招く為に極めて深刻なものであった。
更に、前記光開始剤として、例えばベンゾフェノンなど光開始剤の残基、またはα−開裂性化合物の均一開裂によりラジカル生成する間中生成されるベンズアルデヒドなどの揮発性開裂生成物は、硬化生成物の品質に悪影響を与える臭気を生じさせるという問題も有していた。また、前記光開始剤が開裂して生成する低分子量のなかには毒性の強いものがあり、しばしば特に食品包装分野において深刻な問題を引き起こした。
更に、光開始剤によって引き起こされてきた別の深刻な問題は、アミン系共開始剤、または開始剤構造内の芳香族基の副反応生成物によって黄変を生じるという問題もあった。
以上の問題点から光硬化性組成物の技術分野においては光開始剤を用いることなく硬化することができる光硬化性アクリロイル基含有樹脂組成物が求められている。
そこで、これらの問題を克服する技術として例えば、光開始剤を用いない自己硬化性のアクリロイル基含有オリゴマー組成物として、例えば、アセトアセテート化合物とアクリレート化合物とのマイケル付加反応により生成されるUV硬化性液状オリゴマー組成物が知られている(下記、特許文献1及び特許文献2参照)。これらのUV硬化性液状オリゴマー組成物は、第三級炭素原子構造を、アクリロイル基含有樹脂に導入したものであり、それによって自己硬化性を発現させるものである。
しかし、これらの文献に開示されているUV硬化性液状オリゴマー組成物は、光反応性が十分でなく、酸素阻止に起因して高硬化速度条件下で硬化させた場合、フィルム状の硬化物表面が粘着性になってしまうものであった。
米国特許第6,025,410号公報 欧州特許出願公開第1342738号公報
本発明が解決しようとする課題は、光開始剤を用いることなく高い硬化性を発現し、それによって酸素阻止の低減を示し、良好な硬度および耐溶剤性をもつ硬化物となる芳香族非含有の光硬化性組成物を提供すること、更には、上記のより高い自己硬化性を組成物に与えることができ、それによって耐溶剤性などの優れた硬度を有する硬化生成物をもたらすことができる新規光硬化性化合物を提供することである。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、予想外に、アクリロイル基を含む樹脂の化学構造に関して、特定の置換基をα−位に有するβ−ジケトン構造を両カルボニル基に導入ことによって、組成物の光反応性を極めて向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
したがって、本発明は、アクリロイル基および下記構造式I
Figure 2006241461
(式中、RおよびRは独立に、1〜6の炭素原子数を有するアルキルまたはシクロアルキル基を表し、Xはカルボニル基またはシアノ基を表し、Rは1〜8の炭素原子数を有するアルキルまたはアルコキシ基を表し、nはXがカルボニルの場合に1を、Xがシアノ基の場合に0を表し、Rは1〜3の炭素原子数を有するアルキレン基を表し、Xは電子吸引性基を表す。)で表される化学構造部位を有する樹脂(A)を含有する光硬化性組成物に関する。
本発明は、下記構造式III
Figure 2006241461
(式中、RおよびRは独立に、1〜6の炭素原子数を有するアルキルまたはシクロアルキル基を表し、Rは炭素原子数1〜8のアルキルまたはアルコキシ基を表し、Rは炭素原子数2〜8の多価脂肪族炭化水素基を表し、lは1または2の整数を意味し、mは1〜3の整数を表す。)
で表される光硬化性化合物に関する。
本発明によれば、紫外光または太陽光を照射することによって光開始剤を用いることなくより高い硬化性を示し、それによって耐溶剤性など良好な硬度を硬化生成物に与える光硬化性組成物を提供することができる。
さらに、上記の特性を組成物に与える組成物の構成成分として使用できる光硬化性化合物も提供することができる。
したがって、本発明の組成物は、コーティングまたは成形に適している。
本発明の光硬化性組成物に用いる光硬化性の樹脂(A)は、アクリロイル基、および下記構造式Iによって表される化学構造部位を有する。
Figure 2006241461
この場合、構造式Iでは、RおよびRは独立に、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、およびシクロヘキシルなど1〜6の炭素原子数を有するアルキルまたはシクロアルキル基を表す。本発明では、二重結合への反応性に対するラジカルの寄与の点から見て、メチル、およびt−ブチルが好ましい。
上記の通り、Xはカルボニル基またはシアノ基を表し、Rは炭素原子数1〜8のアルキルまたはアルコキシ基を表し、nはXがカルボニルの場合に1を、Xがシアノ基の場合に0を表す。すなわち、式Iにおけるα−炭素原子とRCO−(またはRCO−)との間の光誘導α−開裂に対する感度は、カルボニル基またはシアノ基を、β(ベータ)−ジケトン中のα−炭素原子にメチレン基を介して結合させることによって驚くほど向上させることができる。この場合、炭素原子数1〜8のアルキルまたはアルコキシ基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロ−ヘキシル、ヘプチル、オクチル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、シクロ−ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、およびオクチルオキシが挙げられる。
次に、Rは、メチレン、エチレン、1,3−プロピレン、2,2−プロピレン、1,2−ジメチルエチレン、2,2−ジメチルエチレン、および1,1−ジメチルエチレンなど1〜4の炭素原子数を有するアルキレン基を表す。本発明では、β−ジケトン中のα−炭素原子と電子求引性基(X)の距離が炭素原子数3の範囲内となるようにRを選択することによって、優れた光硬化性を発現させることができる。
さらに、Xは上記に示す電子吸引性基を表す。電子吸引性基の例には、ケトン基、カルボニルオキシ基、エーテル基、カルボキシル、シアノ基、スルホン酸基、スルホニル基、ホスファート基が挙げられる。
上記の式Iに表されるこれらの構造部位のうち、下記構造式IIが、その生産性、および樹脂での光硬化性の点から見て好ましい。
Figure 2006241461
この場合、R、R、およびRは式Iで定義する。
アクリロイル基を上記の式I、好ましくは式IIで表される化学構造部位とともに有するこれらの樹脂は、以下の通り周知の標準的アルキル化、および必要ならさらにマイケル付加反応によって得ることができる。
Figure 2006241461
上記の反応方法は、具体的には、ハロゲン化アルキルによるβ−ジケトンのアルキル化は、例えば「ヨシムラ、サイトウ、タムラ、タニカガ、カジ、日本化学会誌第52巻、1716頁(1979年)」、または「ハウス、現代合成反応、第2版、492〜570頁、586〜595頁」、または「フェドリンスキ、ボイチエコフスキ、マタクス、マコウザ、ジャーナル・オブ・オーガニックケミストリー43巻、4682頁(1978年)」に記載された脂肪族の求核置換に従い行うことができる。
アクリレートによるβ−ジケトンのマイケル付加反応の場合は、例えば「ベルマン、ジンブルク、パッポ、オーガニック・リアクション、 10巻、179〜560頁(1959年)」に従って実施することができる。
ここで、マイケル付加反応の触媒の例は、好ましくはトリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどのアミン、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムtert−ブチラートなどのアルコラート、およびトリオクチルホスフィンなどのホスフィンが挙げられる。
さらに、スルホキシド構造部位については、その合成は、ビニルスルホンのβ−ジケトンへのマイケル付加を経由して進行することができる。具体的には、「トルース,ダブリュー.イー.ヴェリッシュ, ジャーナル・オブ・アメリカン・ソサイエティ 74巻、2881頁(1952年)」に記載の方法によって合成することができる。
上記に説明するように、アルキル化の出発材料として下記構造式で表される化合物を使用することができる。
Figure 2006241461
ここで、Halは塩素原子や臭素原子などのハロゲン原子を表す。
上記構造式で表される化合物は、例えば、クロロ酢酸メチル、ブロモ酢酸メチル、ブロモ酢酸エチル、ブロモ酢酸t−ブチル、クロロ酢酸エチル、クロロ酢酸プロピル、クロロ酢酸n−ブチル、クロロ酢酸t−ブチル、クロロ酢酸ペンチル、クロロ酢酸シクロヘキシル、クロロ酢酸ヘプチル、クロロ酢酸オクチル、クロロアセトン、エチル−クロロメチルケトン、プロピル−クロロメチルケトン、n−ブチル−クロロメチルケトン、t−ブチル−クロロメチルケトン、ペンチル−クロロメチルケトン、シクロヘキシル−クロロメチルケトン、ヘプチル−クロロメチルケトン、オクチル−クロロメチルケトン、およびクロロアセトニトリルが挙げられる。
β−ジケトンの例は下記構造式で表される。
Figure 2006241461
式中、RおよびRは構造式1で定義され、例えばペンタン−2,4−ジオン、ヘキサン−2,4−ジオン、ヘプタン−2,4−ジオン、ヘプタン−3,5−ジオン、オクタン−2,4−ジオン、オクタン−3,5−ジオン、ノナン−2,4−ジオン、ノナン−3,5−ジオン、ノナン−4,6−ジオン、デカン−2,4−ジオン、デカン−3,5−ジオン、デカン−4,6−ジオン、ウンデカン−2,4−ジオン、ウンデカン−3,5−ジオン、ウンデカン−4,6−ジオン、ウンデカン−5,7−ジオン、2,2−ジメチル−ヘキサン−3,5−ジオン、2,2,6,6−テトラメチル−ヘプタン−3,5−ジオン、および下記構造式で表されるβ−ジケトン化合物が挙げられる。
Figure 2006241461
マイケル付加反応を経由して樹脂(A)を生成する場合、好ましくは多官能性アクリル酸エステルを用いることができる。この場合、多官能性アクリル酸エステルには、例えばジアクリル酸1,2−エタンジオール、ジアクリル酸1,3−プロパンジオール、ジアクリル酸1,4−ブタンジオール、ジアクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジアクリル酸ジプロピレングリコール、ジアクリル酸ネオペンチルグリコール、ジアクリル酸エトキシ化ネオペンチルグリコール、ジアクリル酸プロポキシ化ネオペンチルグリコール、ジアクリル酸トリプロピレングリコール、ジアクリル酸ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ジアクリル酸エトキシ化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ジアクリル酸ポリエチレングリコール、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、トリアクリル酸エトキシ化トリメチロールプロパン、トリアクリル酸プロポキシ化トリメチロールプロパン、トリアクリル酸プロポキシ化グリセロール、イソシアヌル酸トリス(2−アクリロイロキシエチル)、トリアクリル酸ペンタエリトリトール、トリアクリル酸エトキシ化ペンタエリトリトール、テトラアクリル酸トリアクリル酸ペンタエリトリトール、テトラアクリル酸エトキシ化ペンタエリトリトール、テトラアクリル酸ジトリメチロールプロパン、ペンタアクリル酸ジペンタエリトリトール、ヘキサアクリル酸ジペンタエリトリトール;ポリエポキシドをアクリル酸(エポキシアクリラート)と反応させることによって得られる、またはポリエステルポリオールをアクリル酸および/またはモノマーアルキルアクリラート(ポリエステルアクリラート)と反応させることによって得られるアクリラート基を含むオリゴマーおよびポリマーが挙げられる。
なかでも特に、その硬化生成物の硬度の点から、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、またはテトラアクリル酸ペンタエリトリトールが好ましい。
合成プロセスの後に、精製を様々な方式で実施することができる。例えば、生成物は、塩基性触媒を除去する酸性イオン交換装置に通すことができ、あるいは、触媒は、酸の添加によって中和し、次いで沈殿させ、ろ別することができる。アニオン交換装置とカチオン交換装置を組み合わせたものが、塩型触媒を除去するのに適している。
従って、上記のプロセスによって得られた生成物は、25℃で200mPa・s〜25℃で10Pa・sの粘度を有する液状生成物となる。かかる粘度範囲は、特に25℃で500〜2000mPa・sであることが好ましい。
本発明では、上記の樹脂(A)の分子量(Mn)は、粘度の点から見て、300〜20,000の範囲内であることが好ましい。
さらに、前記した構造式I又は構造式II中に存在する下記構造式で表されるアシル基A1およびA2
Figure 2006241461
[式中、RおよびRは1〜6の炭素原子数を有するアルキル基を表す]の全量の好ましい濃度は、硬化速度の点から見て、組成物の全量に対して1・10−5モル/グラム〜1・10−2モル/グラム、特に1・10−4モル/グラム〜1・10−3モル/グラムである。
本発明では、上記の出発材料が得ることができる化合物はすべて、樹脂(A)として用いることができる。しかし乍ら、なかでも硬化物の硬度に優れる点から、1分子あたり1〜3個のアクリロイ基を有する化合物であることが好ましい。
単官能性アクリロイル基を含む化合物の例には、以下の構造式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006241461
Figure 2006241461
Figure 2006241461
Figure 2006241461



二官能性アクリロイル基を含む化合物の例には、以下の構造式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006241461
Figure 2006241461
Figure 2006241461
三官能性アクリロイル基を含む化合物の例には、以下の構造式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006241461
Figure 2006241461
特に、前記樹脂(A)は、これらの構造式で表される化合物のうち、優れた硬化性を有することから以下の構造式IIIで表される本発明の光硬化性化合物が好ましい。
Figure 2006241461
この場合、RおよびRは独立に、炭素原子数1〜6のアルキルまたはシクロアルキル基を表し、Rは炭素原子数1〜8のアルキルまたはアルコキシ基を表し、Rは炭素原子数2〜8の多価脂肪族炭化水素基を表し、lは1または2の整数を意味し、mは1〜3の整数を表す。
光硬化性化合物の例には、上記の構造式m−1〜m−5、m−8〜m−18、d−1〜d−3、d−5〜d−7、d−9、d−10、t−1〜t−3、t−5、およびt−6が挙げられる。
構造式IIIで表される化合物のなかでも特に硬度の点から見て、m=2または3、さらに好ましくはm=2の化合物が好ましい。
特に、優れた自己光硬化性の点から、構造式IIIで表される化合物のうち、RまたはRとして炭素原子数3〜6の第二級アルキル、炭素原子数4〜6の第三級アルキル、または炭素原子数5若しくは6のシクロアルキルを有する化合物が好ましい。
上記の樹脂(A)は、硬化物の優れた硬度と共に太陽光で良好な硬化性を示すものである。すなわち、本発明の組成物は、紫外線だけでなく、主として400nmを超える波長を包含する太陽光にも極めて感度が高い。したがって、樹脂(A)は、光開始剤を使用しなくとも太陽光によって容易に硬化させることができる。このような顕著な特性のため、本発明の組成物は、塗料として使用した場合に厚塗りが可能となる。すなわち、UV照射は、樹脂それ自体が、完全な硬化反応するのに十分な量のUV光の吸収を阻止してしまうため、膜厚の大きい塗膜の硬化には適していない。一方、太陽光は、厚く塗布させた層を透過するのに有効であり、膜厚の大きい塗膜の硬化に適する。よって、本発明の組成物は厚塗用の塗料として特に適するものであり、塗料として用いた際の塗膜の厚さは、例えば500〜5000μmの範囲内であることが好ましい。しかし、太陽光での硬化反応は、酸素雰囲気は適していないため、硬化速度を加速するためには太陽光照射の場合、酸素を使用せずに硬化反応させることが好ましい。
次に、本発明の光硬化性組成物は、上記の樹脂(A)を単独で使用してもよいし、あるいはさらに他の光硬化性モノマーまたは樹脂を組み合わせて含むことができる。
光硬化性モノマーの例には、ジアクリル酸ジプロピレングリコール、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、およびテトラアクリル酸ペンタエリトリトールが挙げられる。
他の光硬化性樹脂の例には、アクリル化エポキシ樹脂、アクリル化ポリウレタン、およびアクリル化ポリエステルが挙げられる。
本発明の光硬化性組成物は、不粘着性で硬質の硬化生成物を得ることができるので、コーティングおよび成形品として使用することができる。さらに、組成物を印刷インキとしても使用することができる。
さらに、コーティングは、適切な量の、カーボンブラック、チタン白、フタロシアニン、アゾ染料またはキナクリドンから選択される染料または顔料などの着色剤、あるいはSi細粒子、マイカ、炭酸カルシウムなどの無機充填剤を含むことができる。
本発明の光硬化性組成物は、上記に記載する良好な自己硬化性を示すが、その光硬化性を加速するために、周知の開始剤または周知の光重合増感剤をさらに添加することができる。
本発明による光硬化性組成物を塗料として用いる方法は、例えば、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、アルミニウム、鋼材、木材などの適切な基材に塗布し、空気中、UV照射下または太陽光の下で、ロールコータまたはナイフコータを使用する通常のコーティング方法、あるいはオフセット印刷方法、グラビア印刷方法、シルクスクリーン印刷方法など通常の印刷方法が挙げられ、当該塗料は硬化させることにより、0.1〜5000μmの厚さを有するフィルムまたはコーティングを形成することができる。
また、硬化反応には市販の水銀高圧照射器、または電極なしのマイクロ波励起照射器が使用できる。マイクロ波励起照射器のいわゆるHバルブが特に適切である。これらの照射器は、本発明の組成物で吸収可能な225〜325nmの範囲で照射可能である。
一方、上記に記載する通り、β−ジケトン基が樹脂に組み込まれている場合、本発明の光硬化性組成物を太陽光で照射することによって硬化することができ、したがって500〜5000μmの厚さを有する厚い硬化層を得ることができる。太陽光を使用する場合は、酸素を排除するために、窒素、二酸化炭素などの不活性ガス中で層を硬化することができ、あるいは硬化性層をポリエチレンフィルムなど薄い透明プラスチックラップで被覆することができる。太陽光硬化性接着剤として塗布する場合、ガラス物品の接着に適している。
単に本発明を例示するためのものである以下の非限定的な実施例を考慮することによって、本発明をさらに説明する。
実施例1
[下記構造で表される化合物(A)の合成]
Figure 2006241461
マグネット棒、還流冷却器、温度計およびガス注入口を装備した100mLの3つ口丸底フラスコ中で、3−アセチル−4−オキソ−ペンタン酸エチル10.0g、トリアクリル酸トリメチロールプロパン15.91gおよび1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7−エンの3滴を混合した。空気を混合物にバブリングした。発熱が観察された。2時間後、混合物を再び室温に冷却し、ヒドロキノンモノメチルエーテル0.1gを添加し、混合物を60℃で2時間撹拌した。
以下の表1に得られた化合物の分析データを示す。
Figure 2006241461

[硬化試験]
得られた樹脂をアルミニウムシートの上にフィルム厚さ50μmとなるように塗布し、Fusion F300で、Hバルブを使用して70m/分で1回通過させて照射した。これは、照射エネルギー0.07J/cmに対応する。エチルメチルケトンに対する抵抗性は、コーティングの表面を、エチルメチルケトンを吸い込ませたコットンシートで表面に到着するまで擦ることによって試験した。
結果を下記の表1に示す。
実施例2〜5
実施例1によって得られた化合物(A)を、表2に示す重量比に従って混合し、次いで硬化試験を、実施例1と同じ方式で行った。
結果を下記の表2に示す。
実施例6
[太陽光による硬化]
実施例1によって得られた樹脂を10cm×10cm×0.5cmのポリエチレン袋に入れ、過剰の空気を真空吸引で除去し、袋を封止する。袋を、緯度52度において9月の晴れ渡った日の午後3時に太陽光の中に配置する。7分後、袋は温かくなり、15分後、袋の内部温度は約45℃に到達し、液体材料はすべて固体になった。20分後、袋を開封し、固体架橋樹脂シートを取り出し、架橋度をゲル分率でチェックする。測定ゲル分率は94〜95重量%であり、これは樹脂が完全硬化していることを示している。
比較例1
マグネット棒、還流冷却器、温度計およびガス注入口を装備した250mLの3つ口丸底フラスコ中で、トリアクリル酸トリメチロールプロパン97.7g、アセチルアセトン5g、およびアセト酢酸エチル6.5を混合し、トリオクチルホスフィン0.77gを添加した。次いで、混合物を加熱し、90℃で2時間撹拌した。混合物の粘度がこれ以上増大しなくなると、加熱を中止し、生成物を室温に冷却する。
得られた樹脂について、実施例1と同じ方式で、さらに照射エネルギー0.6J/cmを表すベルト速度16m/分で3回通過という硬化条件以外は同じ塗布方法を使用することによって、硬化試験を実施した。
結果を下記の表2に示す。
Figure 2006241461
以上の結果から、耐溶剤性などのフィルム硬度によって認識できるように本発明の組成物の硬化物は高い硬化性を示している。

Claims (6)

  1. アクリロイル基、および下記構造式I
    Figure 2006241461

    [式中、RおよびRは独立に、1〜6の炭素数を有するアルキルまたはシクロアルキル基を表し、Xはカルボニル基またはシアノ基を表し、Rは1〜8の炭素数を有するアルキルまたはアルコキシ基を表し、nはXがカルボニルの場合に1を、Xがシアノ基の場合に0を表し、Rは炭素原子数1〜3のアルキレン基を表し、Xは電子吸引性基を表す]で表される化学構造部位を有する樹脂(A)を含有することを特徴とする光硬化性組成物。
  2. 前記樹脂(A)が、アクリロイル基、および下記構造式II
    Figure 2006241461

    [式中、RおよびRは独立に、1〜6の炭素原子数1〜6のアルキルまたはシクロアルキル基を表し、Rは炭素原子数1〜8を有するアルキルまたはアルコキシ基を表す]で表される化学構造部位を有するものである請求項1に記載の光硬化性組成物。
  3. 前記樹脂(A)が300〜20,000の分子量(Mn)を有するものである請求項1〜4に記載の光硬化性組成物。
  4. 前記樹脂(A)が前記構造式I又は前記構造式II中に存在する下記A1およびA2
    Figure 2006241461

    [式中、RおよびRは炭素原子数1〜6を有するアルキル基を表す。]
    で表されるアシル基を組成物の全量に対して1・10−5モル/グラム〜1・10−2モル/グラムとなる割合で有するものである請求項1〜4の何れか一つに記載の光硬化性組成物。
  5. 組成物が更に他のアクリルモノマーを含有する請求項1記載の光硬化性組成物。
  6. 下記構造式III
    Figure 2006241461

    [式中、RおよびRは独立に、炭素原子数1〜6を有するアルキルまたはシクロアルキル基を表し、Rは炭素原子数1〜8を有するアルキルまたはアルコキシ基を表し、Rは2〜8の炭素数を有する多価脂肪族炭化水素基を表し、lは1または2の整数を意味し、mは1〜3の整数を意味する]
    で表される光硬化性化合物。
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