JP4451137B2 - 配合可能な光開始剤 - Google Patents

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Description

本発明は、その特別な置換に基づいて、重合すべき配合物に組み込むことができる、フェニルグリオキシル酸型の光開始剤に関する。
フェニルグリオキシル酸誘導体は、光開始剤として既知であり、例えば、US 4,038,164、US 4,475,999及びUS 4,024,297に報告されている。2個のフェニルグリオキシル酸エステル官能基を1分子中に有する化合物は、例えば、US 6,048,660及びWO 00/56822から公知である。アクリラート基を与えられたフェニルグリオキシル酸誘導体は、US 3,930,868、US 4,308,394及びUS 4,279,718に開示されている。
当分野には、これらが混合される配合物の優れた開始剤の性質と良好な暗所貯蔵安定性に加えて、例えば、熱及び光化学硬化性成分の混合物のような、複合組成の配合物にも使用するための広い適用範囲を提供する、低揮発性の反応性光開始剤に対するニーズが存在する(このような光開始剤、又はその光分解の生成物は、このような配合物中で高速移動で結合することができる)。今や、ある種のフェニルグリオキシル酸エステルが、低揮発性の光開始剤として特に適していることが見出された。これらのエステル類は、重合反応中に塗料中で堅く結合する化合物であり、開始剤の移動は妨げられる。よって本発明は、式(I):
Figure 0004451137
[式中、
Yは、C3−C12アルキレン、ブテニレン、ブチニレン、又は−O−若しくは−NR2−により1回以上非連続的に中断されているC4−C12アルキレンであるか;あるいはYは、フェニレン、シクロヘキシレン、下記式:
Figure 0004451137
で示される基であり;
1は、OH、SH、NR34、−(CO)−OH、−(CO)−NH2、SO3H、−C(R5)=CR67、オキシラニル、−O−(CO)−NH−R8−NCO及び−O−(CO)−R9−(CO)−Xから選択される反応性基であり;
2は、水素、C1−C4アルキル又はC2−C4ヒドロキシアルキルであり;
3及びR4は、それぞれ他と独立に、水素、C1−C4アルキル又はC2−C4ヒドロキシアルキルであり;
5、R6及びR7は、それぞれ他と独立に、水素又はメチルであり;
8は、直鎖又は分岐のC4−C12アルキレン、フェニレン、メチル−フェニレン、シクロヘキサンジイル、イソホロンジイル、下記式:
Figure 0004451137
で示される基であり;
9は、直鎖又は分岐のC1−C16アルキレン、−CH=CH−、−CH=CH−CH2−、C6−シクロアルキレン、フェニレン、ナフチレン、ノルボルネン−5,6−ジイル、下記式:
Figure 0004451137
で示される基であり;そして
X、X1及びX2は、それぞれ他と独立に、OH、Cl、OCH3又はOC25である]で示される配合可能な光開始剤化合物に関する。
式(I)の化合物の特徴は、式中のR1基が、反応性基であることである。「反応性基」は、本明細書では、重合すべき配合物と反応することができる基であり、よって配合物中に係着させる基と理解されたい。よって光開始剤のマイグレーションは低減する。
1−C4アルキルは、直鎖又は分岐であり、そしてメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル又はtert−ブチルである。
2−C4ヒドロキシアルキルは、1つ以上のOH基により置換されているC2−C4アルキルである(アルキルは、対応する数の炭素原子を持つ上記と同義のものである)。例としては、ヒドロキシエチル、ジヒドロキシプロピル、ヒドロキシプロピル及びジヒドロキシエチル、特にヒドロキシエチルがある。
3−C12アルキレンは、直鎖又は分岐のアルキレンであり、例えば、プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、sec−ブチレン、イソブチレン、tert−ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ドデシレン、下記式:
Figure 0004451137
で示される基である。
−O−又は−NR2−により1回以上非連続的に中断されているC4−C12アルキレンは、例えば、−CH2CH2−O−CH2CH2−、−[CH2CH2O]y−(式中、y=2〜9)、−(CH2CH2O)5CH2CH2−、−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH(CH3)−、−CH2CH2−(NR2)−CH2CH2−のような構造単位を作製する。
オキシラニルは、下記式:
Figure 0004451137
で示される。
6−シクロアルキレンは、下記式:
Figure 0004451137
で示される。
好ましいものは、Yが、−CH2−CH(CH3)−、n−プロピレン、−CH2C(CH32CH2−、ヘキシレン、−CH2CH2−O−CH2CH2−、−(CH2CH2−O)2CH2CH2−、下記式:
Figure 0004451137
で示される基である、式(I)の化合物である。
1が、OHである、式(I)の化合物は、特に興味深い。
特に興味深いのは、R1が、OHであり、そしてYが、−CH2CH2−O−CH2CH2−である、化合物である。
また興味深いのは、特に
Yが、−O−により1回以上非連続的に中断されているC4−C12アルキレンであり;
1が、OH、オキシラニル及び−O−(CO)−NH−R8−NCOから選択される反応性基であり;そして
8が、下記式:
Figure 0004451137
で示される基である、式(I)の配合可能な光開始剤である。
I. 本発明の式(I)の化合物は、例えば、ジオール(これにより、R1=OHである、式(I)の化合物が得られる)又は官能基化アルコール:HO−Y−R1(A)をフェニルグリオキシル酸モノエステル(B)(例えば、対応するメチルエステル)と、触媒の存在下で反応させることにより、調製することができる:
Figure 0004451137
[式中、R1は、上記と同義である]。
触媒としては、例えば、エステル交換反応について当業者によく知られている触媒、例えば、ジブチルスズオキシド又はp−トルエンスルホン酸を使用することができる。幾つかの触媒は、反応を実行するには適しているが、生成物の変色を引き起こすか、又は反応混合物から除去するのが困難である。
適切な触媒は、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、酢酸バリウム、酢酸亜鉛、酢酸カドミウム、酢酸銅(II)、酢酸コバルト(II)、酢酸アルミニウム、酸化カルシウム、リチウムメタノラート、ナトリウムメタノラート、チタンテトライソプロパノラート、アルミニウムトリイソプロパノラート;リチウムtert−ブタノラート、4−(ジメチルアミノ)ピリジン及び二酢酸ジブチルスズ(=Fascat4200)を含む[列挙された酢酸塩の触媒作用は、結晶水の含量と無関係である]。
例えば、特に種々のリチウム塩、例えば、リチウムイソプロパノラート、酢酸リチウム、炭酸リチウムが適している。酢酸リチウム及び酸化カルシウムが好ましい。
酢酸リチウムは、特にR1=OHである式(I)の化合物の調製における触媒として、特に適している。
触媒の量は、例えば、グリオキシル酸エステル化合物(B)に基づいて、0.1〜20mol%であるが、反応の経過に悪影響を及ぼすことなく、もっと多くの量を使用することもできる。好ましくは、4mol%の触媒を使用する。
有利には、過剰のアルコール(A)を加え、反応中に生成したメタノールは、減圧(約5〜300torr)を適用することにより蒸留する。本反応は、常圧で、又は真空で、実行することができる(生成する特定のアルコールは、各場合に留去する)。適切な圧力は、0.001mbar〜1000mbar、好ましくは5〜10mbarである。
使用されるジエチレングリコールの量は、例えば、フェニルグリオキシル酸メチルエステル(1当量)に基づき、1当量〜100当量であってよく;好ましくは10当量を使用する。
反応の温度は、20℃〜180℃であってよい。反応は、好ましくは40〜120℃、特に50〜60℃で行う。
グリオキシル酸成分(B)として、例えば、任意の低級エステルを使用することができる(メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル又はsec−ブチルエステルなど)。
反応時間は、一般に2〜80時間、好ましくは10〜20時間である。
エステル交換反応用の溶媒として、例えば、ベンゼン、トルエン、クメン、o−、m−若しくはp−キシレン又はこれらの異性体混合物のような、芳香族溶媒を使用することができるが、また、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのような、エーテル類を使用することもでき、あるいは70℃を超える沸点を有する炭化水素も使用することができる。好ましくは、本反応を、溶媒の添加なしに行う。
後処理は、例えば、反応混合物を水で洗浄することにより行い(触媒及び未反応ジエチレングリコールの除去);乾燥は、例えば、水と共沸混合物を形成する溶媒(例えばトルエン)の添加及び共沸蒸留により行う。反応で生成したジエチレングリコールジエステルはいずれも、適切な有機溶媒を用いる抽出により、一連のベンゼン、トルエン、クメン、o−、m−若しくはp−キシレン又はその異性体混合物、及び/又はジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサンなどから除去する。
後処理はまた更に、例えば、カラムクロマトグラフィー(望まない副産物の除去)により行うことができる。溶出のための好ましい溶離液混合物は、酢酸エチル/ヘキサン又は他の炭化水素(ヘプタン、石油エーテルなど)である。酢酸エチル対炭化水素の比は、90:10〜30:70であってよく、好ましくは50:50である。
II. 本発明の化合物を入手する更に別の可能な方法は、フェニルグリオキシル酸ハロゲン化物(C)、好ましくはフェニルグリオキシル酸塩化物とアルコール(A)との塩基触媒反応を含むことを特徴とする:
Figure 0004451137
このような反応に使用される塩基は、当業者によく知られている。水性の塩基は、使用されない。適切な塩基の例は、炭酸塩、tert−アミン塩基、例えば、トリエチルアミン、及びピリジンを含む。
IIb. 本発明の化合物を入手する更に別の可能な方法は、フェニルグリオキシル酸(S)とアルコール(A)との触媒反応、及びジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)の付加を含むことを特徴とする:
Figure 0004451137
III. 本発明の化合物は更に、例えば、アルコール(A)と対応するフェニル酢酸エステル(D)との触媒の存在下での反応、及びこれに続く酸化により入手することができる:
Figure 0004451137
触媒として、例えば、Iの下に記載されたものを使用することができる。
酸化工程は、例えば、J. Chem. Soc. Chem. Comm. (1993), 323又はSynthesis (1994), 915に記載されているように行うことができる。
IV. 本発明の式(I)の化合物を調製する更に別の方法として、例えば、対応するヒドロキシ置換フェニルアセタート(E)とアルコール(A)との反応、及びこれに続く酸化が考慮される:
Figure 0004451137
酸化は、例えば、J. Chem. Soc. Chem. Comm. (1994), 1807に記載されている方法により行うことができる。
V. 本発明の式(I)の化合物を調製する更に別の可能な方法は、フェニルカルボン酸シアン化物(F)とアルコール(A)との酸触媒反応を含むことを特徴とする:
Figure 0004451137
VI. 本発明の式(I)の化合物はまた、例えば、フェニルと二量体オキソカルボン酸塩化物(H)との塩化アルミニウムの存在下でのフリーデル−クラフツ(Friedel-Crafts)反応により入手することができる:
Figure 0004451137
使用することができる触媒は、フリーデル−クラフツ反応には通例の当業者によく知られているもの、例えば、塩化スズ、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化チタン又は酸性白土である。
反応I、IIb、III及びIVは、一般には、液体(例えばアルコール)である一方の反応物を溶媒として作用させることにより、溶媒を使用することなく行うことができる。しかしまた、反応は不活性溶媒中で行うこともできる。適切な溶媒は、例えば、脂肪族及び芳香族炭化水素、例えば、アルカン類及びアルカン混合物、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン及びキシレンを含む。このような溶媒の沸点は、当然ながら、有利には反応中に生成するアルコールの沸点よりも高いであろう。
上に列挙された他の残りの合成法は、有利には不活性溶媒中で行う;例えば、上に列挙された溶媒が適している。
反応I、III及びIVでは、反応中に生成するアルコールを反応混合物から確実に除去することが有利である。これは、例えば、蒸留により、またIの下に記載されたように、適宜、真空の適用により達成される。
反応を、使用される溶媒及び出発物質に応じて、種々の温度で行う。当の反応に必要な温度及び他の反応条件は、一般に公知であり、当業者によく知られている。
反応生成物は、一般的に通例の方法によって、例えば、結晶化、蒸留、抽出又はクロマトグラフィーによって分離及び精製することができる。
本発明の式(I)の化合物の合成に必要とされる出発物質の調製法は、一般に公知であり、当業者によく知られている。出発物質(B)、(C)、(D)及び(F)の誘導体のいくつかは、例えば、市販されていることさえある。
例えば、フェニルグリオキシル酸エステル(B)は、フェニルと適切なオキソカルボン酸メチルエステル塩化物とからのフリーデル−クラフツ反応により、又はアルコールでのフェニルグリオキシル酸塩化物(C)のエステル化により得られる。
フェニルグリオキシル酸塩化物(C)は、例えば、SOCl2での、例えば、適切な酸の塩素化により入手することができる。
フェニルカルボン酸シアン化物(F)は、例えば、適切な酸塩化物とCuCNとの反応により入手することができる。
例えば、フェニル−CH2−CNとメタノールとの酸触媒反応により、フェニル酢酸メチルエステル(D)を調製することができる。この反応は、例えば、Org. Syn. Coll. Vol. I, 270に記載されている。対応するフェニル−CH2−シアニドは、例えば、対応する塩化物からNaCNを用いて、例えば、Org. Syn. Coll. Vol. I, 107及びOrg. Syn. Coll. Vol. IV, 576に開示されているように入手することができる。
フェニル酢酸エチルエステル(D)の合成は、例えば、J. Chem. Soc. Chem. Comm (1969), 515に記載されているが、このプロセスでは、対応する臭化フェニルをN2CH2COOC25とリチウム/ジエチルエーテル、CuBrの存在下で反応させる。別の方法である、臭化フェニルと酢酸エチル及びNaHとの反応は、例えば、J. Am. Chem. Soc. (1959) 81, 1627に記載されている。J. Org. Chem. (1968) 33, 1675は、臭化フェニルとBrCH2COOC25とのグリニャール反応を記載しているが、これによってフェニル酢酸エチルエステル(D)が生成する。
アルコール(A)の調製法は、当業者によく知られており、そして文献に詳細に報告されている。このような化合物の多くは、市販されている。
1がヒドロキシルである、式(I)の化合物は、特に興味深い。このような化合物はまた、他の何らかの方法でR1が官能基化された式(I)の化合物の調製における出発物質として使用することができる。
よって本発明はまた、R1がOHである、上記と同義の式(I)の化合物の製造方法であって、式(II):
Figure 0004451137
[式中、Rは、C1−C4アルキル、特にメチル又はエチルである]
で示されるフェニルグリオキシル酸モノエステルと、式(III):
HO−Y−OH (III)
[式中、Yは、上記と同義である]
で示されるジオールとの反応
[ここで、触媒として、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、酢酸バリウム、酢酸亜鉛、酢酸カドミウム、酢酸銅(II)、酢酸コバルト(II)、酢酸アルミニウム、酸化カルシウム、リチウムメタノラート、ナトリウムメタノラート、チタンテトライソプロパノラート、アルミニウムトリイソプロパノラート、リチウムtert−ブタノラート、4−(ジメチルアミノ)ピリジン又は二酢酸ジブチルスズが使用される]
による方法に関する。
反応条件に関する更なる詳細は、本明細書のIの下に与えられる。興味深いのは、酢酸リチウムが触媒として使用される方法であり、また、反応が20℃〜180℃の温度で行われる方法である。好ましくは、触媒の量は、式(II)のグリオキシル酸エステル成分に基づいて0.1〜20mol%である。
1がOHである式(I)の化合物は、そのまま配合可能な光開始剤であるが、これらはまた、他の配合可能な光開始剤の調製において使用することができる。R1がOHである式(I)の化合物(本明細書ではこれ以降、式(Ia)の化合物と呼ぶ)から誘導される、本発明の配合可能な光開始剤は、例えば、以下のものである:イソシアナートと式(Ia)の化合物から誘導されるウレタン;塩化カルバモイルと式(Ia)の化合物から誘導されるウレタン;チオイソシアナートと式(Ia)の化合物から誘導されるチオウレタン;酸、酸塩化物、酸エステル、酸無水物又はフタル酸無水物と式(Ia)の化合物から誘導される酸エステル;クロロギ酸と式(Ia)の化合物から誘導されるカーボナート;エピクロロヒドリンと式(Ia)の化合物から誘導されるグリシジルエーテル及びグリセロールジエーテル。
式(Ia)の化合物の多価反応パートナーからは、式(Ia)の化合物を化学量論量より少ない量で使用する場合、配合可能である遊離の未反応官能基を未だ有する生成物が得られる。
これに関連して、R1がOH以外のもので官能基化された式(I)の化合物の調製における出発物質として、C65−(CO)−(CO)−O−CH2−CH2−O−CH2−CH2−OHの使用は、特に興味深い。
以下は、他の配合可能な光開始剤の調製における中間体としての式(Ia)の化合物の使用の例である:
Figure 0004451137
[式中、R8、R9及びYは、上記と同義である]。
よって本発明はまた、R1が、SH、NR34、−(CO)−OH、−(CO)−NH2、SO3H、−C(R5)=CR67、オキシラニル、−O−(CO)−NH−R8−NCO又は−O−(CO)−R9−(CO)−Xであり、そして基:R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9及びXが、上記と同義である、配合可能な光開始剤の調製における出発物質としての、R1がOHである式(I)の化合物の使用に関する。
本発明はまた、R1がOHである、式(I)の化合物を、イソシアナート、塩化カルバモイル、チオイソシアナート、酸塩化物、酸エステル、酸無水物、クロロホルマート又はエピクロロヒドリンと反応させる、式(I)の配合可能な光開始剤の製造方法に関する。
1がOHである式(I)の化合物から出発する配合可能な光開始剤の調製における反応パートナーとしてはまた、特にジイソシアナート類及びオリゴイソシアナート類が適している[これらは、例えば、ジイソシアン酸ヘキサメチレン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、トリレン−2,4−ジイソシアナート、ジイソシアン酸4−メチル−m−フェニレン、2,4−ジイソシアナト−1−メチル−シクロヘキサン、1,3−ビスイソシアナトメチルベンゼン、ジイソシアン酸m−キシリレン、1,3−ビスイソシアナトメチル−シクロヘキサン、ジイソシアン酸イソホロン、5−イソシアナト−1−イソシアナトメチル−1,1,3−トリメチルシクロヘキサン、イソシアン酸3−イソシアナトメチル−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、4,4’−ジイソシアン酸ジフェニルメタン、ジイソシアン酸4,4’−ジフェニルメタン、ビス(4−イソシアナトフェニル)メタン、4,4−オキシビス(イソシアン酸フェニル)、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、ビス(4−イソシアナト−3−メチルフェニル)メタン、4,4’−ジイソシアン酸ジシクロヘキシルメタン、1,3,5−トリス(6−イソシアナトヘキシル)−[1,3,5]トリアジナン−2,4,6−トリオン、1,3,5−トリス(6−イソシアナトヘキシル)ビウレット、N,N’,2−トリス(6−イソシアナトヘキシル)イミドジカルボン酸ジアミン、1,3−ビス(6−イソシアナトヘキシル)−[1,2]ジアゼチジン−2,4−ジオン、2,5−2,6−エキソ/エンド−ビスイソシアナトメチル−ノルボルナン、1,6−ジイソシアナト−2,2,4−トリメチルヘキサンを含むことを特徴とする、技術的混合物である]。対応する市販の製品は、バイエル(Bayer AG)から「デスモジュール(Desmodur)」という名称の下で販売されている。
式(I)のイソシアナート変性化合物が、後述されるように光硬化性組成物において使用される場合、例えば、硬化性成分として対応するイソシアネート樹脂も使用することが有利である。こうして、光開始剤と硬化される配合物との適合性が上昇する。
本発明によれば、式(I)の化合物は、エチレン不飽和化合物又はこのような化合物を含む混合物の光重合において光開始剤として使用することができる。その使用はまた、異なる光開始剤及び/又は他の添加剤と組合せることができる。
よって本発明はまた、
(a)少なくとも1つのエチレン不飽和光重合性化合物と
(b)光開始剤として、少なくとも1つの式(I)の化合物と、
を含むことを特徴とする光重合性組成物に関するものであり、この組成物は、成分(b)に加えて、他の光開始剤(c)及び/又は他の添加剤(d)も含むことができる。
この不飽和化合物は、1つ以上のオレフィン二重結合を含んでいてもよい。これらは、低分子量(モノマー)であっても、又は高分子量(オリゴマー)であってもよい。1つの二重結合を有するモノマーの例は、アクリル酸アルキル、アクリル酸ヒドロキシアルキル及びメタクリル酸アルキル及びメタクリル酸ヒドロキシアルキル、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸イソボルニル並びにメタクリル酸メチル及びメタクリル酸エチルである。また興味深いのは、シリコーン−又はフッ素−変性の樹脂、例えば、シリコーンアクリレートである。更に別の例は、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル(酢酸ビニルなど)、ビニルエーテル(イソブチルビニルエーテルなど)、スチレン、アルキル−及びハロ−スチレン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル及び塩化ビニリデンを含む。
複数の二重結合を有するモノマーの例は、ジアクリル酸エチレングリコール、ジアクリル酸プロピレングリコール、ジアクリル酸ネオペンチルグリコール、ジアクリル酸ヘキサメチレングリコール及びジアクリル酸ビスフェノール−A、4,4’−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルプロパン、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、トリアクリル酸ペンタエリスリトール及びテトラアクリル酸ペンタエリスリトール、アクリル酸ビニル、ジビニルベンゼン、コハク酸ジビニル、フタル酸ジアリル、リン酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル及びイソシアヌル酸トリス(2−アクリロイルエチル)である。
高分子量(オリゴマー)多価不飽和化合物の例は、アクリル化エポキシ樹脂、アクリル化又はビニル−エーテル基−若しくはエポキシ基−含有ポリエステル、ポリウレタン及びポリエーテルである。不飽和オリゴマーの更に別の例は、通常マレイン酸、フタル酸と1種以上のジオールから製造され、約500〜3000の分子量を有する不飽和ポリエステル樹脂である。更にまた、ビニルエーテルモノマー及びオリゴマー、更にまたポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリビニルエーテル及びエポキシド主鎖を有する、マレイン酸末端オリゴマーを使用することも可能である。WO 90/01512に記載されたような、ビニル−エーテル基保持オリゴマーとポリマーの組合せは、特に適しているが、マレイン酸とビニルエーテルで官能基化されたモノマーのコポリマーもまた考慮される。このような不飽和オリゴマーはまた、プレポリマーと呼ぶことができる。
特に適したものは、例えば、エチレン不飽和カルボン酸とポリオール又はポリエポキシドとのエステル、及び主鎖又は側基にエチレン不飽和基を有するポリマー、例えば、不飽和ポリエステル、ポリアミド及びポリウレタン並びにそのコポリマー、アルキド樹脂、ポリブタジエン及びブタジエンコポリマー、ポリイソプレン及びイソプレンコポリマー、(メタ)アクリル酸基を側鎖に有するポリマー及びコポリマー、並びにまた1つ以上のこのようなポリマーの混合物である。
不飽和カルボン酸の例は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、及びリノレン酸又はオレイン酸のような不飽和脂肪酸である。アクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。
適切なポリオールは、芳香族、並びに特に脂肪族及び脂環式ポリオールである。芳香族ポリオールの例は、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、並びにノボラック及びレゾールである。ポリエポキシドの例は、該ポリオール、特に芳香族ポリオールとエピクロロヒドリンに基づくものである。またポリオールとして適切なものは、ポリマー鎖又は側基にヒドロキシル基を含むポリマー及びコポリマー、例えば、ポリビニルアルコール及びそのコポリマー、又はポリメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル若しくはそのコポリマーである。更なる適切なポリオールは、ヒドロキシル末端基を有するオリゴエステルである。
脂肪族及び脂環式ポリオールの例は、好ましくは2〜12個の炭素原子を有するアルキレンジオール(例えば、エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−又は1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオールなど)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、好ましくは200〜1500の分子量を有するポリエチレングリコール類、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−、1,3−又は1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、グリセロール、トリス(β−ヒドロキシエチル)アミン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びソルビトールを含む。
このポリオールは、1種の、又は異なる不飽和カルボン酸により、部分的に又は完全にエステル化されていてもよく、部分エステルの遊離ヒドロキシル基を、修飾(例えば、エーテル化、又は他のカルボン酸によりエステル化)することができる。
エステルの例は、以下である:
トリアクリル酸トリメチロールプロパン、トリアクリル酸トリメチロールエタン、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、トリメタクリル酸トリメチロールエタン、ジメタクリル酸テトラメチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジアクリル酸テトラエチレングリコール、ジアクリル酸ペンタエリスリトール、トリアクリル酸ペンタエリスリトール、テトラアクリル酸ペンタエリスリトール、ジアクリル酸ジペンタエリスリトール、トリアクリル酸ジペンタエリスリトール、テトラアクリル酸ジペンタエリスリトール、ペンタアクリル酸ジペンタエリスリトール、ヘキサアクリル酸ジペンタエリスリトール、オクタアクリル酸トリペンタエリスリトール、ジメタクリル酸ペンタエリスリトール、トリメタクリル酸ペンタエリスリトール、ジメタクリル酸ジペンタエリスリトール、テトラメタクリル酸ジペンタエリスリトール、オクタメタクリル酸トリペンタエリスリトール、ジイタコン酸ペンタエリスリトール、トリスイタコン酸ジペンタエリスリトール、ペンタイタコン酸ジペンタエリスリトール、ヘキサイタコン酸ジペンタエリスリトール、ジアクリル酸エチレングリコール、ジアクリル酸1,3−ブタンジオール、ジメタクリル酸1,3−ブタンジオール、ジイタコン酸1,4−ブタンジオール、トリアクリル酸ソルビトール、テトラアクリル酸ソルビトール、変性トリアクリル酸ペンタエリスリトール、テトラメタクリル酸ソルビトール、ペンタアクリル酸ソルビトール、ヘキサアクリル酸ソルビトール、オリゴエステルアクリレート類及びメタクリレート類、ジ−及びトリ−アクリル酸グリセロール、ジアクリル酸1,4−シクロヘキサン、200〜1500の分子量を有するポリエチレングリコールのビスアクリレート類及びビスメタクリレート類、並びにこれらの混合物。
また成分(a)として適切なものは、同一であるか又は異なる不飽和カルボン酸と、好ましくは2〜6個、特に2〜4個のアミノ基を有する、芳香族、脂環式及び脂肪族ポリアミンとのアミドである。このようなポリアミンの例は、エチレンジアミン、1,2−又は1,3−プロピレンジアミン、1,2−、1,3−又は1,4−ブチレンジアミン、1,5−ペンチレンジアミン、1,6−ヘキシレンジアミン、オクチレンジアミン、ドデシレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、フェニレンジアミン、ビスフェニレンジアミン、ジ−β−アミノエチルエーテル、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン並びにジ(β−アミノエトキシ)−及びジ(β−アミノプロポキシ)−エタンである。更なる適切なポリアミンは、側鎖に追加のアミノ基を持っていてもよいポリマー及びコポリマー、並びにアミノ末端基を有するオリゴアミドである。このような不飽和アミドの例は、メチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、ジエチレントリアミントリスメタクリルアミド、ビス(メタクリルアミドプロポキシ)エタン、メタクリル酸β−メタクリルアミドエチル及びN−[(β−ヒドロキシエトキシ)エチル]−アクリルアミドである。
適切な不飽和ポリエステル及びポリアミドは、例えば、マレイン酸とジオール又はジアミンから誘導される。マレイン酸は、他のジカルボン酸により部分的に置換されていてもよい。これらは、エチレン不飽和コモノマー、例えば、スチレンと一緒に使用することができる。ポリエステル及びポリアミドはまた、ジカルボン酸とエチレン不飽和ジオール又はジアミンから、特に例えば、6〜20個の炭素原子の長鎖を有するものから誘導することができる。ポリウレタンの例は、飽和ジイソシアナートと不飽和ジオール、又は不飽和ジイソシアナートと飽和ジオールとからなるものである。
ポリブタジエン及びポリイソプレン並びにこれらのコポリマーが知られている。適切なコモノマーは、例えば、オレフィン(例えば、エチレン、プロペン、ブテン及びヘキセン)、(メタ)アクリラート、アクリロニトリル、スチレン及び塩化ビニルを含む。(メタ)アクリラート基を側鎖に有するポリマーが同様に知られている。例としては、ノボラックに基づくエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物;ビニルアルコールのホモ−又はコ−ポリマー、あるいは(メタ)アクリル酸でエステル化されている、そのヒドロキシアルキル誘導体;並びに(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルでエステル化されている(メタ)アクリラートのホモ−及びコ−ポリマーがある。
適切な成分(a)はまた、例えば、US 3,844,916、EP 280,222、US 5,482,649又はUS 5,734,002に記載されているような、第1級又は第2級アミンとの反応により変性されているアクリラートを含む。このようなアミン変性アクリラートはまた、アミノ−アクリラートとも呼ばれる。アミノアクリラートは、例えば、UCB化学製のエベクリル(EBECRYL)(登録商標)80、エベクリル(登録商標)81、エベクリル(登録商標)83、エベクリル(登録商標)7100の名称の下で、バスフ(BASF)製のラロマー(Laromer)(登録商標)PO83F、ラロマー(登録商標)PO84F、ラロマー(登録商標)PO94Fの名称の下で、コグニス(Cognis)製のフォトマー(PHOTOMER)(登録商標)4775F、フォトマー(登録商標)4967Fの名称の下で、又はクレイ・バレー(Cray Valley)製のCN(登録商標)501、CN(登録商標)503、CN(登録商標)550の名称の下で入手することができる。
この光重合性化合物は、そのままで、又は任意の所望の混合物として使用することができる。好ましくは(メタ)アクリル酸ポリオールの混合物を使用する。
結合剤もまた本発明の組成物に加えることができるが、光重合性化合物が液体又は粘性物質である場合に、これは特に有利である。結合剤の量は、総固形分に基づいて、例えば、5〜95重量%、好ましくは10〜90重量%、そして特に40〜90重量%であろう。結合剤の選択は、使用の分野及びそれに必要とされる性質(例えば、水性及び有機溶媒系中での展開性、基体への接着性及び酸素に対する感受性)によって行う。
適切な結合剤は、例えば、約5,000〜2,000,000、好ましくは10,000〜1,000,000の分子量を有するポリマーである。例としては、アクリラート及びメタクリラートのホモ−及びコ−ポリマー、例えば、メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル/メタクリル酸のコポリマー、ポリ(メタクリル酸アルキルエステル)、ポリ(アクリル酸アルキルエステル);セルロースエステル及びエーテル、例えば、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース;ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、環化天然ゴム、ポリエーテル、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラヒドロフラン;ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、塩素化ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/塩化ビニリデンのコポリマー、塩化ビニリデンと、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル及び酢酸ビニルとのコポリマー、ポリ酢酸ビニル、コポリ(エチレン/酢酸ビニル)、ポリカプロラクタム及びポリ(ヘキサメチレンアジパミド)のようなポリマー、ポリエステル、例えば、ポリ(テレフタル酸エチレングリコール)及びポリ(コハク酸ヘキサメチレングリコール)がある。
この不飽和化合物はまた、非光重合性の塗膜形成性成分との混合物として使用することもできる。これらは、例えば、物理乾燥性のポリマー又は有機溶媒中のその溶液、例えば、ニトロセルロース又はアセト酪酸セルロースであってよいが、これらはまた化学又は熱硬化性樹脂、例えば、ポリイソシアネート類、ポリエポキシド類又はメラミン樹脂であってもよい。熱硬化性樹脂の併用は、いわゆるハイブリッドシステムでの使用には重要であり、これは第1工程で光重合し、そして第2工程で熱後処理により架橋する。
本発明の光開始剤はまた、例えば、"Lehrbuch der Lacke und Beschichtungen", Vol III, 296-328, Verlag W.A. Colomb in der Heenemann GmbH, Berlin-Oberschwandorf (1976)に記述されているような、酸化乾燥する硬化系のための開始剤としても適している。
本発明の化合物、例えば、R1がOHである式(I)の化合物はまた、ハイブリッド結合剤システムにおける光開始剤としても特に適している。このようなシステムは、一般に少なくとも1つの熱硬化性成分と1つの光化学硬化性成分を含むことを特徴とする。熱硬化性成分は普通、好ましくはポリオール/ポリイソシアネート型の2成分型又は多成分型の反応性樹脂である。光化学硬化性成分として、この目的に通例の全てのモノマー、オリゴマー又はポリマー不飽和化合物及びその組合せが考慮され、そしてその重合又は架橋は、高エネルギー放射線の作用により、そして光開始剤の助けにより達成される。このような化合物は、上に詳述される。適切な例はまた、上述の「デスモジュール(Desmodur)シリーズ」のイソシアナートを含む。熱/光化学ハイブリッドシステムは、全ての成分を一緒に混合することにより入手できるが、イソシアナート成分は、熱重合成分の早過ぎる完全硬化を回避するために、ポリウレタン形成性反応性樹脂には通例であるように、有利には使用の直前に加える。このようなハイブリッドシステムにより調製される塗料の完全硬化には、塗料は、先ず最初に放射線硬化システムには通例の方法で照射すると、この間に迅速な表面乾燥と層の初期硬化が達成される。最終硬化状態は、熱の適用によっても加速することができる、熱反応が完了すると達成される。しかしまた、最初に熱的に、次にUVで硬化を実施することも可能である。純粋に熱反応性樹脂に基づく乾燥の遅いシステムと比較した、このようなシステムの利点は、時間とエネルギーの相当な節約である;この塗布物品は、直ぐに積み重ねることができるか、又はより速く更に加工することができる。
ハイブリッド結合剤システムにおいて本発明の光開始剤を使用することの利点は、従来の光開始剤の場合とは異なり、実質的に光開始剤の残渣又はその光分解の産物が、最終の完全に硬化したポリマー物質には検出できないことである。よってポリマー生成物は、より大きな最終硬度を示し;開始剤によって引き起こされる有害な作用(例えば、臭いや黄変など)の発生率は、はるかに低い。OH基のおかげで、ポリマー物質への本発明の光開始剤の共有結合による組み込みは、ハイブリッド結合剤システム中の熱硬化性成分の等量のイソシアナート成分との反応によって達成される。
よって本発明はまた、光化学硬化性成分及び成分(b)、更には適宜、(c)及び(d)を含むことに加えて、熱硬化性成分をも含むことを特徴とする、上記と同義の組成物に関する。
1がOHである式(I)の化合物はまた、純粋に放射線硬化性なシステムとハイブリッドシステムの両方において、カルボン酸基含有成分でのエステル化により、共有結合で固定することができる。このような成分の例は、例えば、テレフタル酸、ピロメリット酸及びその無水物、更にはこのような化合物から誘導され、少なくとも1個のカルボン酸官能基を未だ含む、そのオリゴマー又はポリマーをも含む。
この光重合性混合物はまた、光開始剤の他に種々の添加剤(d)を含んでいてもよい。その例としては、早期重合を防ぐことを意図した熱阻害剤、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノン誘導体、p−メトキシフェノール、β−ナフトール又は立体障害フェノール類、例えば、2,6−ジ(tert−ブチル)−p−クレゾールがある。暗所貯蔵安定性を増大させるために、例えば、銅化合物(ナフテン酸、ステアリン酸又はオクタン酸銅など)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル又は亜リン酸トリベンジル)、第4級アンモニウム化合物(例えば、塩化テトラメチルアンモニウム又は塩化トリメチルベンジルアンモニウム)、又はヒドロキシルアミン誘導体(例えば、N−ジエチルヒドロキシルアミン)を使用することができる。重合中に空中酸素を排除する目的で、パラフィン又は類似のロウ様物質を添加することができるが、これらはポリマーに不溶性であるため、重合の開始時に表面に移動して、透明表面層を形成することにより、空気が入るのを防ぐ。同様に酸素に対して不浸透性の層の適用も可能である。光安定剤として、UV吸収剤(例えば、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾフェノン、シュウ酸アミド又はヒドロキシフェニル−s−トリアジン型のもの)を添加することができる。このような化合物は、立体障害アミン(HALS)の使用を伴うか又は伴わなずに、そのままで又は混合物の形で使用することができる。
以下は、このようなUV吸収剤及び光安定剤の例である:
1. 2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール;2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール及び2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)−フェニル)−ベンゾトリアゾールの混合物;2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イル−フェノール];2−[3’−tert−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;[R−CH2CH2−COO(CH232−(ここで、R=3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル−フェニル)。
2. 2−ヒドロキシベンゾフェノン、例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシ又は2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
3. 非置換又は置換安息香酸のエステル、例えば、サリチル酸4−tert−ブチル−フェニル、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチルフェニル、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルエステル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシルエステル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸オクタデシルエステル及び3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチル−フェニルエステル。
4. アクリラート、例えば、α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリル酸エチルエステル又はイソオクチルエステル、α−メトキシ−カルボニルケイ皮酸メチルエステル、α−シアノ−β−メチル−p−メトキシケイ皮酸メチルエステル又はブチルエステル、α−メトキシカルボニル−p−メトキシケイ皮酸メチルエステル及びN−(β−メトキシ−カルボニル−β−シアノビニル)−2−メチル−インドリン。
5. 立体障害アミン、例えば、セバシン酸ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)、コハク酸ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)、セバシン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)、n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)エステル、1−ヒドロキシエチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合生成物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレン−ジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−s−トリアジンとの縮合生成物、ニトリロ三酢酸トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)、1,2,3,4−ブタン四酸テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、セバシン酸ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)、コハク酸ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)−エタンとの縮合生成物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−ピロリジン−2,5−ジオン、2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリダ−4−イル)−N−ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリダ−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンとの縮合生成物。
6. シュウ酸ジアミド、例えば、4,4’−ジオクチルオキシ−オキサニリド、2,2’−ジエトキシ−オキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブチルオキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブチルオキサニリド、2−エトキシ−2’−エチル−オキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサルアミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エチルオキサニリド及びこれの2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−tert−ブチルオキサニリドとの混合物、並びにo−とp−メトキシ−二置換オキサニリドとの、及びo−とp−エトキシ−二置換オキサニリドとの混合物。
7. 2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシ−フェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシ−プロピルオキシ)−フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシ−プロピルオキシ)−フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン及び2−[4−ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−(2−ヒドロキシプロピル)オキシ−2−ヒドロキシ−フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン。
8. 亜リン酸及び亜ホスホン酸エステル、例えば、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸ジフェニルアルキル、亜リン酸フェニルジアルキル、亜リン酸トリス(ノニルフェニル)、亜リン酸トリラウリル、亜リン酸トリオクタデシル、二亜リン酸ジステアリル−ペンタエリスリトール、亜リン酸トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、二亜リン酸ジイソデシルペンタエリスリトール、二亜リン酸ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール、二亜リン酸ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール、二亜リン酸ビス−イソデシルオキシ−ペンタエリスリトール、二亜リン酸ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリトール、二亜リン酸ビス(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール、三亜リン酸トリステアリルソルビトール、二亜ホスホン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12H−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、亜リン酸ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチル及び亜リン酸ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチル。
成分(d)として適切なUV吸収剤及び光安定剤の更に別の例は、例えば、EP 180,548に記載されている「クリプト−UVA(Krypto-UVA)」である。また、例えばHidaら, RadTech Asia 97, 1997, page 212に記載されているような、潜在性UV吸収剤を使用することもできる。
更に、当該分野において通例の添加剤、例えば、静電気防止剤、流動性向上剤及び接着性増強剤を使用することができる。
光重合を促進するために、更に別の添加剤(d)として、多数のアミン、例えば、トリエタノールアミン、N−メチル−ジエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル又はミヒラーケトン(Michler's ketone)を使用することができる。アミンの作用は、例えば、ベンゾフェノン型の芳香族ケトンの添加により増強することができる。酸素捕捉剤として使用するのに適切なアミンは、例えば、EP 339,841に記載されているような、置換N,N−ジアルキルアニリンである。更に別の促進剤、共開始剤及び自動酸化剤は、EP 438,123及びGB 2,180,358に記載されているような、チオール、チオエーテル、ジスルフィド及びホスフィンである。
また、当該分野において通常の連鎖移動試薬も、本発明の組成物に加えることができる。例としては、メルカプタン、アミン及びベンゾチアゾールを含む。
光重合はまた、更に別の添加剤(d)として、分光感度をシフトするか又はブロードにする光増感剤の添加により促進することができる。これらは特に、芳香族カルボニル化合物、例えば、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体(特にイソプロピルチオキサントンも含む)、アントラキノン誘導体及び3−アシルクマリン誘導体、テルフェニル、スチリルケトン、及び3−(アロイルメチレン)−チアゾリン、カンファーキノン、更にまたエオシン、ローダミン及びエリトロシン染料を含む。
光増感剤として、例えば、上述のアミンも考えることができる。
このような光増感剤の更に別の例は、以下である:
1. チオキサントン
チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、3−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ドデシルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、1−メトキシカルボニルチオキサントン、2−エトキシカルボニルチオキサントン、3−(2−メトキシエトキシカルボニル)−チオキサントン、4−ブトキシカルボニルチオキサントン、3−ブトキシカルボニル−7−メチルチオキサントン、1−シアノ−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−エトキシチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−アミノチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−フェニルスルフリルチオキサントン、3,4−ジ[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシカルボニル]チオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−(1−メチル−1−モルホリノエチル)−チオキサントン、2−メチル−6−ジメトキシメチル−チオキサントン、2−メチル−6−(1,1−ジメトキシベンジル)−チオキサントン、2−モルホリノメチルチオキサントン、2−メチル−6−モルホリノメチルチオキサントン、N−アリルチオキサントン−3,4−ジカルボキシミド、N−オクチルチオキサントン−3,4−ジカルボキシミド、N−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−チオキサントン−3,4−ジカルボキシミド、1−フェノキシチオキサントン、6−エトキシカルボニル−2−メトキシチオキサントン、6−エトキシカルボニル−2−メチルチオキサントン、チオキサントン−2−ポリエチレングリコールエステル、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサントン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロリド;
2. ベンゾフェノン
ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジメチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジメチルアミノ−ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、3−メチル−4’−フェニルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチル−4’−フェニルベンゾフェノン、4−(4−メチルチオフェニル)−ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、2−ベンゾイル安息香酸メチル、4−(2−ヒドロキシエチルチオ)−ベンゾフェノン、4−(4−トリルチオ)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N,N−トリメチルベンゼンメタンアミニウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロリド一水和物、4−(13−アクリロイル−1,4,7,10,13−ペンタオキサトリデシル)−ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]エチル−ベンゼンメタンアミニウムクロリド;
3. 3−アシルクマリン
3−ベンゾイルクマリン、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジ(プロポキシ)クマリン、3−ベンゾイル−6,8−ジクロロクマリン、3−ベンゾイル−6−クロロクマリン、3,3’−カルボニル−ビス[5,7−ジ(プロポキシ)クマリン]、3,3’−カルボニル−ビス(7−メトキシクマリン)、3,3’−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノ−クマリン)、3−イソブチロイルクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジメトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジエトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジブトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジ(メトキシエトキシ)−クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジ(アリルオキシ)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−イソブチロイル−7−ジメチルアミノクマリン、5,7−ジメトキシ−3−(1−ナフトイル)−クマリン、5,7−ジメトキシ−3−(1−ナフトイル)−クマリン、3−ベンゾイルベンゾ[f]クマリン、7−ジエチルアミノ−3−チエノイルクマリン、3−(4−シアノベンゾイル)−5,7−ジメトキシクマリン;
4. 3−(アロイルメチレン)−チアゾリン
3−メチル−2−ベンゾイルメチレン−β−ナフトチアゾリン、3−メチル−2−ベンゾイルメチレン−ベンゾチアゾリン、3−エチル−2−プロピオニルメチレン−β−ナフトチアゾリン;
5. 他のカルボニル化合物
アセトフェノン、3−メトキシアセトフェノン、4−フェニルアセトフェノン、ベンジル、2−アセチルナフタレン、2−ナフトアルデヒド、9,10−アントラキノン、9−フルオレノン、ジベンゾスベロン、キサントン、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンジリデン)シクロペンタノン;2−(4−ジメチルアミノベンジリデン)−インダン−1−オン又は3−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−1−インダン−5−イル−プロペノンのようなα−(パラ−ジメチルアミノベンジリデン)−ケトン;3−フェニルチオフタルイミド、N−メチル−3,5−ジ(エチルチオ)フタルイミド。
硬化プロセスは、特に着色組成物(例えば、二酸化チタンで着色された組成物)の場合には、追加の添加剤(d)として、温熱条件下でラジカルを形成する成分、例えば、アゾ化合物(2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)など)、トリアゼン、ジアゾスルフィド、ペンタアザジエン又はペルオキシ化合物(例えば、ヒドロペルオキシド又はペルオキシカーボネート、例えばEP 245,639に記載されているような、例えばtert−ブチルヒドロペルオキシド)の添加によっても促進することができる。
本発明の組成物はまた、更に別の添加剤(d)として、光還元性染料、例えば、キサンテン、ベンゾキサンテン、ベンゾチオキサンテン、チアジン、ピロニン、ポルフィリン若しくはアクリジン染料、及び/又は放射線開裂性トリハロメチル化合物を含んでいてもよい。類似の物質は、例えば、EP 445,624に報告されている。
更なる通常の添加剤(d)は、使用目的に応じて、蛍光増白剤、充填剤、顔料、白色及び着色顔料の両方、着色料、静電気防止剤、湿潤剤又は流動性向上剤である。
粘性の着色塗料を硬化させるには、例えば、US 5,013,768に記載されるように、ガラスマイクロビーズ又は微粉化ガラス繊維を加えることが適している。
本配合物はまた、着色料及び/又は白色若しくは着色顔料を含んでいてもよい。使用目的に応じて、無機及び有機顔料の両方を使用することができる。このような添加剤は、当業者には公知であろう;幾つかの例としては、二酸化チタン顔料(例えば、ルチル型又はアナターゼ型)、カーボンブラック、酸化亜鉛(亜鉛華など)、酸化鉄(酸化鉄イエロー、酸化鉄レッドなど)、クロムイエロー、クロムグリーン、ニッケルチタンイエロー、ウルトラマリンブルー、コバルトブルー、バナジン酸ビスマス、カドミウムイエロー及びカドミウムレッドがある。有機顔料の例としては、モノ−若しくはビス−アゾ顔料、更にその金属錯体、フタロシアニン顔料、多環式顔料(例えば、ペリレン、アントラキノン、チオインジゴ、キナクリドン又はトリフェニルメタン顔料)、更にまたジケト−ピロロ−ピロール、イソインドリノン、例えば、テトラクロロイソインドリノン、イソインドリン、ジオキサジン、ベンゾイミダゾロン及びキノフタロン顔料がある。顔料は、そのままで、又は混合物として配合物において使用することができる。
使用目的に応じて、顔料を、当該分野において通常の量で、例えば、全質量に基づいて0.1〜60重量%、0.1〜30重量%又は10〜30重量%の量で配合物に添加する。
本配合物はまた、例えば、極めて広範な分類の有機着色料を含んでいてもよい。例としては、アゾ染料、メチン染料、アントラキノン染料及び金属錯体染料がある。通常の濃度は、例えば、全質量に基づいて0.1〜20%、特に1〜5%である。
また、使用される配合物に応じて、酸を中和する化合物、特にアミン類を安定剤として使用することができる。適切な系は、例えば、JP-A 11-199610に報告されている。例としては、ピリジン及びその誘導体、N−アルキル−又はN,N−ジアルキル−アニリン類、ピラジン誘導体、ピロール誘導体などがある。
添加剤の選択は、該当の使用の分野及びその分野に望まれる性質により規定される。上述の添加剤(d)は、当該分野において通例であり、よって当該分野において通例の量で使用される。
本発明の配合物における追加の添加剤の比率は、例えば、0.01〜10重量%、例えば0.05〜5重量%、特に0.1〜5重量%である。
本発明はまた、成分(a)として、水に溶解又は乳化又は分散された、少なくとも1つのエチレン不飽和光重合性化合物を含むことを特徴とする組成物に関する。
放射線硬化性水性プレポリマー分散液は、種々の形で市販されており、そして連続相としての水と、そこに分散した少なくとも1つのプレポリマーからなる分散液として理解すべきである。放射線硬化性プレポリマー又はプレポリマー混合物は、20〜95重量%、特に30〜70重量%の濃度で水に分散される。このような組成物において、水とプレポリマー又はプレポリマー混合物について言及された百分率の和は、いずれの場合にも100になるが、使用目的により種々の量で存在する助剤及び添加剤(例えば、乳化剤)がここに加えられる。
放射線硬化性水性プレポリマー分散液は、少なくとも400、特に500〜100,000の平均分子量Mn(g/mol)を有する、単官能基又は多官能基のエチレン不飽和プレポリマーからなる既知のポリマー系である。しかし使用目的に応じて、より高分子量を有するプレポリマーも適切であろう。
例えば、最大10の酸価を有する重合性C−C二重結合含有ポリエステル類、重合性C−C二重結合含有ポリエーテル類、1分子当たり少なくとも2個のエポキシ基を含むポリエポキシドと少なくとも1個のα,β−エチレン不飽和カルボン酸とのヒドロキシル基含有反応生成物、ポリウレタン(メタ)アクリレート、及びEP 12,339に記載されるようなα,β−エチレン不飽和アクリル酸基を含むアクリル酸コポリマーが使用される。これらのプレポリマーの混合物もまた使用することができる。
また適切なものは、EP 33,896に記載される重合性プレポリマーであり、これらは、少なくとも600の平均分子量Mn(g/mol)を有するチオエーテル付加物であり、そして同様に重合性C−C二重結合を含む。
特定の(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合生成物に基づく、更に別の適切な水性ポリマー分散液は、EP 41,125に報告されている。
更に別の添加剤として、放射線硬化性水性プレポリマー分散液はまた、上述の追加の添加剤(d)、例えば、分散助剤、乳化剤、酸化防止剤、光安定剤、着色料、顔料、充填剤、例えば、滑石、石膏、ケイ酸、ルチル、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化鉄類、反応促進剤、流動剤、流動促進剤、湿潤剤、増粘剤、艶消剤、消泡剤及び表面被覆技術において通常の他の補助剤を含んでいてもよい。適切な分散助剤は、極性基を有する水溶性高分子量有機化合物、例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン及びセルロースエーテル類を含む。使用できる乳化剤としては、非イオン性乳化剤、及び適宜、イオン性乳化剤もある。
本発明の式(I)の光開始剤はまた、そのまま水溶液に分散させて、その分散された形で硬化すべき混合物に加えることができる。適切な非イオン性乳化剤と、又は適宜、イオン性乳化剤と混合するとき、本発明の式(I)の化合物は、混合、及び例えば粉砕することにより水に組み込むことができる。特に上述のような水性光硬化性混合物のための光開始剤としてそのまま使用することができる安定なエマルションが得られる。
特定の場合には、本発明の光開始剤の2種以上の混合物を使用するのが有利であろう。当然ながら、公知の光開始剤との混合物を使用することもでき、例としては、カンファーキノン、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、アセトフェノン、アセトフェノン誘導体、例えば、α−ヒドロキシシクロアルキルフェニルケトン又は2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパノン、ジアルコキシアセトフェノン、α−ヒドロキシ−又はα−アミノ−アセトフェノン、例えば、(4−メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタン、(4−モルホリノベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン、4−アロイル−1,3−ジオキソラン、ベンゾインアルキルエーテル及びベンジルケタール、例えば、ベンジルジメチルケタール、更にはグリオキサル酸フェニル及びその誘導体、二量体グリオキサル酸フェニル、ペルエステル、例えば、ベンゾフェノンテトラカルボン酸ペルエステル(例えば、EP 126,541に記載されるような)、モノアシルホスフィンオキシド、例えば、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド、例えば、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)(2,4,4−トリメチルペンタ−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド又はビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)(2,4−ジペンチルオキシフェニル)−ホスフィンオキシド、トリスアシルホスフィンオキシド、ハロメチルトリアジン、例えば、2−[2−(4−メトキシフェニル)−ビニル]−4,6−ビストリクロロメチル[1,3,5]トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビストリクロロメチル−[1,3,5]トリアジン、2−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,6−ビストリクロロメチル[1,3,5]トリアジン、2−メチル−4,6−ビストリクロロメチル[1,3,5]トリアジン、ヘキサアリールビスイミダゾール/共開始剤系、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾールと組合せたオルト−クロロヘキサフェニルビスイミダゾール;フェロセニウム化合物又はチタノセン(titanocenes)、例えば、ジシクロペンタジエニルビス(2,6−ジフルオロ−3−ピロロフェニル)チタン;又は例えば、GB 2,339,571に記載されるようなO−アシルオキシムエステル化合物との混合物がある。更に共開始剤として、ホウ酸化合物を使用することができる。
本発明の光開始剤をハイブリッドシステム(この点に関しては、ラジカル及びカチオンで硬化できるシステムの混合を意味する)において使用する場合、本発明のラジカル硬化剤に加えて、カチオン性光開始剤、例えば、過酸化ベンゾイル(他の適切なペルオキシド類は、US 4,950,581、19段落、17-25行目に記載されている)、芳香族スルホニウム、ホスホニウム又はヨードニウム塩(例えば、US 4,950,581、18段落、60行目〜19段落、10行目に記載されている)、又はシクロペンタジエニルアレーン−鉄(II)錯塩、例えば、(η6−イソプロピルベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(II)ヘキサフルオロリン酸塩又はオキシムに基づく光潜在性酸(photolatent acids)(例えば、GB 2,348,644、US 4,450,598、US 4,136,055、WO 00/10972、WO 00/26219に記載されている)も使用される。
本発明はまた、追加の光開始剤(c)が、式(VIII)、(IX)、(X)、(XI)又は/及び(XII):
Figure 0004451137
[式中、
25は、水素、C1−C18アルキル、C1−C18アルコキシ、−OCH2CH2−OR29、モルホリノ、SCH3又は下記式:
Figure 0004451137
で示される基であり;
nは、2〜10であり;
1及びG2は、それぞれ他と独立にポリマー単位の末端基、特に水素又はCH3であり;
26は、ヒドロキシ、C1−C16アルコキシ、モルホリノ、ジメチルアミノ又は−O(CH2CH2O)m−C1−C16アルキルであり;
27及びR28は、それぞれ他と独立に、水素、C1−C6アルキル、フェニル、ベンジル、アリル、C1−C16アルコキシ又は−O(CH2CH2O)m−C1−C16アルキルであるか、あるいはR27及びR28は、これらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロヘキシル環を形成し;
mは、1〜20の数であり;ここで
26、R27及びR28は、全てが同時にC1−C16アルコキシ又は−O(CH2CH2O)m−C1−C16アルキルであることはなく;そして
29は、水素、下記式:
Figure 0004451137
で示される基であり;
30及びR32は、それぞれ他と独立に、水素又はメチルであり;
31は、水素、メチル、2−ヒドロキシエチルチオ又はフェニルチオ(フェニルチオ基のフェニル環は、非置換であるか、又はC1−C4アルキルにより4−、2−、2,4−若しくは2,4,6−位で置換されている)であり;
33及びR34は、それぞれ他と独立に、C1−C20アルキル、シクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル又はビフェニルである(これらの基は、非置換であるか、又はハロゲン、C1−C12アルキル若しくは/及びC1−C12アルコキシにより置換されている)か、あるいはR33は、S−若しくはN−含有の5員若しくは6員複素環又は下記式:
Figure 0004451137
で示される基であり;
35は、シクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル又はビフェニルである(これらの基は、非置換であるか、又は1つ以上のハロゲン、C1−C4アルキル若しくは/及びC1−C4アルコキシ置換基により置換されている)か、あるいはR35は、S−又はN−含有の5員又は6員複素環であり;
36及びR37は、それぞれ他と独立に、非置換であるか、又はC1−C18アルキル、C1−C18アルコキシ、シクロペンチル、シクロヘキシル若しくはハロゲンによりモノ−、ジ−、若しくはトリ−置換されている、シクロペンタジエニルであり;そして
38及びR39は、それぞれ他と独立に、チタン−炭素結合に対してオルトの2つの位置のうちの少なくとも1つでフッ素原子又はCF3により置換されており、かつ芳香環の更に別の置換基として、ピロリニル又はポリオキサアルキル(これらはそれぞれ、非置換であるか、又は1つ若しくは2つのC1−C12アルキル、ジ(C1−C12アルキル)アミノメチル、モルホリノメチル、C2−C4アルケニル、メトキシメチル、エトキシメチル、トリメチルシリル、ホルミル、メトキシ若しくはフェニル基により置換されている)を含んでいてもよい、フェニルであるか、あるいはR38及びR39は、下記式:
Figure 0004451137
で示される基であり;
40、R41及びR42は、それぞれ他と独立に、水素、ハロゲン、C2−C12アルケニル、C1−C12アルコキシ、1〜4個の酸素原子により中断されているC2−C12アルコキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロペンチルオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、非置換であるか、又はC1−C4アルコキシ−、ハロ−、フェニルチオ−若しくはC1−C4アルキルチオ−置換の、フェニル又はビフェニルであり;ここで、
40及びR42は、両方が同時に水素であることはなく、かつ下記式:
Figure 0004451137
で示される基において、R40又はR42の少なくとも1つの基は、C1−C12アルコキシ、1〜4個の酸素原子により中断されているC2−C12アルコキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロペンチルオキシ、フェノキシ又はベンジルオキシであり;
1は、O、S又はNR43であり;
43は、C1−C8アルキル、フェニル又はシクロヘキシルであり;そして
1は、C3−C12アルキレン、ブテニレン、ブチニレン、又は−O−若しくは−NR44−により1回以上非連続的に中断されているC4−C12アルキレンであるか、あるいはY1は、フェニレン、シクロヘキシレン、下記式:
Figure 0004451137
で示される基であり;そして
44は、水素、C1−C4アルキル又はC2−C4ヒドロキシアルキルである]で示される化合物である組成物に関する。
好ましいのは、式(VIII)、(IX)、(X)、(XI)及び(XII)の化合物において、
25が、水素、−OCH2CH2−OR29、モルホリノ、SCH3又は下記式:
Figure 0004451137
で示される基であり;
26が、ヒドロキシ、C1−C16アルコキシ、モルホリノ又はジメチルアミノであり;
27及びR28が、それぞれ他と独立に、C1−C4アルキル、アリル、フェニル、ベンジル又はC1−C16アルコキシであるか、あるいはR27及びR28が、これらが結合している炭素原子と一緒に、シクロヘキシル環を形成し;
29が、水素又は下記式:
Figure 0004451137
で示される基であり;
30、R31及びR32が、水素であり;
33が、C1−C12アルキル、非置換フェニル、又はC1−C12アルキル若しくは/及びC1−C12アルコキシにより置換されているフェニルであり;
34が、下記式:
Figure 0004451137
で示される基であり;そして
35が、1つ以上のC1−C4アルキル又は/及びC1−C4アルコキシ置換基により置換されているフェニルである組成物である。
式(VIII)、(IX)、(X)、(XI)及び(XII)の好ましい化合物は、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパノン、フェニレングリオキシル酸メチルエステル、フェニル−(CO)(CO)−OCH2CH2OCH2CH2O−(CO)(CO)−フェニル、(4−メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタン、(4−モルホリノベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン、(3,4−ジメトキシベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン、(4−モルホリノベンゾイル)−1−(4−メチルベンジル)−1−ジメチルアミノプロパン、ベンジルジメチルケタール、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンタ−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド又はビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−(2,4−ジペンチルオキシフェニル)ホスフィンオキシド及びジシクロペンタジエニル−ビス(2,6−ジフルオロ−3−ピロロ)チタンである。
好ましいのは更に、式(VIII)において、R27及びR28が、それぞれ他と独立にC1−C6アルキルであるか、又はこれらが結合している炭素原子と一緒に、シクロヘキシル環を形成し、そしてR26が、ヒドロキシである組成物である。
式(VIII)、(IX)、(X)、(XI)及び/又は(XII)の化合物(=光開始剤成分(c))との混合物中の式(I)の化合物(=光開始剤成分(b))の比率は、5〜99%、例えば、20〜80%、好ましくは25〜75%である。
特に興味深いのは、式(I)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)及び/又は(XII)の光開始剤混合物を含むことを特徴とし、かつ室温で液体である、上述の組成物である。
式(VIII)、(IX)、(X)、(XI)及び(XII)の化合物の製造法は、当業者には一般に知られており、これらの化合物の幾つかは市販されている。式(VIII)のオリゴマー化合物の製造法は、例えば、EP 161,463に記載されている。式(IX)の化合物の製造法の説明は、例えば、EP 209,831に見い出すことができる。式(X)の化合物の製造法は、例えば、EP 7,508、EP 184,095及びGB 2,259,704に開示されている。式(XI)の化合物の製造法は、例えば、EP 318,894、EP 318,893及びEP 565,488に記載されている。式(XII)の化合物の製造法は、例えば、US 6,048,660に記載されている。
この光重合性組成物は、有利には組成物に基づいて、0.05〜20重量%、例えば、0.05〜15重量%、好ましくは0.1〜5重量%の量で光開始剤を含む。示される光開始剤の量は、その混合物が使用されるときに添加される全ての光開始剤の総量、即ち、光開始剤(b)及び光開始剤(b)+(c)の両方に関係する。
この光重合性組成物は、種々の目的に、例えば、印刷インキ(スクリーン印刷インキ、フレキソ印刷インキ又はオフセット印刷インキ)として、クリアコートとして、着色コートとして、ホワイトコートとして(例えば、木又は金属用)、粉体塗料として、ペンキとして(とりわけ紙、木、金属又はプラスチック用)、構造物及び道路に印付けするための昼光硬化性ペンキとして、写真焼き増しプロセス用、ホログラフィック記録材料用、画像記録プロセス用、又は有機溶媒を使用して、若しくは水性アルカリ媒体を使用して現像できる印刷版の製造において、スクリーン印刷のマスクの製造において、歯科充填コンパウンドとして、接着剤として、感圧接着剤として、積層用樹脂として、フォトレジスト(例えば、ガルバノレジスト、エッチレジスト又は永久レジスト(液体及び乾燥塗膜の形の両方))として、光構造性(photostructurable)誘電体として、及び電子回路用ソルダーマスクとして、任意の型のディスプレイスクリーン用のカラーフィルターの製造におけるか、又はプラズマディスプレイ及びエレクトロルミネセントディスプレイの製造中の構造物の形成におけるレジストとして、光学スイッチ、光学格子(干渉格子)の製造において、バルク硬化(透明鋳型でのUV硬化)による又は立体リソグラフィー法(例えば、US 4,575,330に記載されている)による三次元物品の製造において、複合材料(例えば、ガラス繊維及び/又は他の繊維と他の補助剤を含んでいてもよいスチレンポリエステル類)及び他の層の厚い構成物の製造において、電子部品の被覆又は封止において、あるいは光ファイバーの被覆剤として使用することができる。本組成物は更に、光学レンズ、例えば、コンタクトレンズ又はフレネル(Fresnel)レンズの製造に、また医療用装置、補助具又はインプラントの製造にも適している。
本組成物は更に、温度屈性を有するゲルの調製に適している。このようなゲルは、例えば、DE 197,00,064及びEP 678,534に記載されている。
本組成物はまた、例えば、Paint & Coatings Industry, April 1997, 72又はPlastics World, Volume 54, No. 7, page 48(5)に記載されているように、乾燥塗膜ペンキにも使用することができる。
本発明の化合物はまた、乳化重合、粒状重合又は懸濁重合における開始剤として、あるいは液晶モノマー及びオリゴマーの配向状態を固定するための重合の開始剤として、あるいは有機材料に染料を固定するための開始剤としても使用することができる。
表面被覆では、プレポリマーと、更に一価不飽和モノマーを含む多価不飽和モノマーとの混合物がしばしば使用される。この場合に特にプレポリマーが表面被覆塗膜の性質を決定するため、当業者であれば、その変化によって硬化塗膜の性質に影響を及すことができる。多価不飽和モノマーは、架橋剤として機能することにより、表面被覆塗膜を不溶性にする。一価不飽和モノマーは、反応性希釈剤として機能し、これによって溶媒を使用する必要なく粘度が低下する。
不飽和ポリエステル樹脂は、一般に一価不飽和モノマー(好ましくはスチレン)と一緒に2成分系において使用される。フォトレジストには、特定の1成分系、例えば、DE 2,308,830に記載されるように、ポリマレイミド、ポリカルコン又はポリイミドがしばしば使用される。
本発明の化合物及びその混合物は更に、放射線硬化性粉体塗料のためのラジカル光開始剤又は光開始系として使用することができる。粉体塗料は、固体樹脂及び反応性二重結合を含むモノマー(例えば、マレアート、ビニルエーテル、アクリラート、アクリルアミド及びその混合物)に基づくことができる。ラジカルUV硬化性粉体塗料は、例えば、M. WittigとTh. Gohmannによる発表「粉体塗料の放射線硬化」、Conference Proceedings, Radtech Europe 1993に報告されているように、不飽和ポリエステル樹脂を、固体アクリルアミド(例えば、メチルアクリルアミドグリコール酸メチルエステル)及び本発明の基光開始剤と混合することにより配合物することができる。同様に、ラジカルUV硬化性粉体塗料は、不飽和ポリエステル樹脂を、固体アクリラート、メタクリラート類又はビニルエーテル類及び本発明の光開始剤(又は光開始剤混合物)と混合することにより配合物することができる。粉体塗料はまた、例えば、DE 4,228,514及びEP 636,669に記載されているような、結合剤を含んでいてもよい。UV硬化性粉体塗料はまた、白色又は着色顔料を含んでいてもよい。例えば、特にルチル/二酸化チタンは、良好な隠蔽力を有する硬化粉体塗料が得られるように、約50重量%までの濃度で使用することができる。このプロセスは通常、粉体を静電的に、又は静摩擦的に基体(例えば、金属又は木)上に吹き付けること、加熱により粉体を融解すること、そして滑らかな塗膜が形成された後に、例えば、中圧水銀灯、ハロゲン化金属ランプ又はキセノンランプを用いて、紫外線及び/又は可視光で塗料を放射線硬化させることを含む。対応する熱硬化性塗料にまさる放射線硬化性粉体塗料の特に有利な点は、粉体粒子が融解した後の流動時間を、滑らかな高光沢塗料の形成を確保するために、適宜延長できることである。熱硬化性系とは異なり、放射線硬化性粉体塗料は、これらの有効寿命が短くなるという望まれない作用なしに比較的低温で融解するように配合物することができる。このため、これらはまた、木又はプラスチックのような感熱性基体用の塗料としても適している。
本発明の光開始剤を含むことに加えて、この粉体塗料配合物はまた、UV吸収剤を含んでいてもよい。適切な例は、項目1〜8の下にリストとして本明細書に上記されている。
本発明の光硬化性組成物は、例えば、全ての種類の基体(例えば、木、テキスタイル、紙、セラミックス、ガラス、プラスチック(ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン及び酢酸セルロース))のための被覆材料として、特に塗膜の形状で適しており、そしてまた金属(Al、Cu、Ni、Fe、Zn、Mg又はCoなど)並びにGaAs、Si又はSiO2にも適しており、ここに保護層が適用されることになるか、又は例えば、イメージワイズな露光により画像が適用されることになる。
基体は、液体組成物、溶液又は懸濁液を基体に適用することにより被覆することができる。溶媒の選択及びその濃度は、主として組成物の性質及び被覆方法によって左右される。溶媒は不活性であるべき、即ち、成分とのいかなる化学反応にも関与してはならず、かつ被覆操作後には乾燥によって再び除去できなければならない。適切な溶媒は、例えば、ケトン、エーテル及びエステル(メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、N−メチルピロリドン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メトキシ−エタノール、2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−ジメトキシエタン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル及び3−エトキシプロピオン酸エチルなど)を含む。
この配合物は、既知の被覆方法、例えば、回転コーティング、浸漬、ナイフコーティング、カーテン流し塗り、刷毛塗り、吹付(特に静電吹付)、及びリバースロールコーティング、更にはまた電気泳動塗装により基体に一様に適用される。また、一時的な柔軟な支持体に感光層を適用し、次に積層を介し層を移すことにより最終の基体(例えば、銅張り回路基板)を被覆することも可能である。
適用される量(層厚)及び基体(層支持体)の性質は、所望の適用の分野に依存する。当業者であれば、当該適用の分野、例えば、フォトレジスト分野、印刷インキ分野又はペンキの分野に適した層厚をよく知るものであろう。層厚の範囲は一般に、適用の分野に応じて約0.1μmから10mmを超える値を含む。
本発明の放射線感受性組成物はまた、例えば、非常に高度の感光性を有するネガレジストとして使用され、そして膨潤することなく水性アルカリ媒体中で現像することができる。これらは、ガルバノレジスト、エッチレジスト(液体及び乾燥塗膜中の両方で)のような電子機器用フォトレジストとして、ソルダーレジストとして;任意の型のディスプレイスクリーン用のカラーフィルターの製造における、又はプラズマディスプレイ及びエレクトロルミネセントディスプレイの製造での構造体の形成におけるレジストとして;印刷版(例えばオフセット印刷版)の製造において;凸版印刷、平版印刷、凹版印刷、フレキソ印刷用の版木又はスクリーン印刷版木の製造において;例えば、点字のテキストの製造におけるレリーフ複写物の製造において;成形品のエッチングに使用するため、又は集積回路の製造におけるマイクロレジストとして使用するための金型の製造において適している。本組成物はまた、光構造性誘電体として、材料のカプセル化のため、又はコンピュータチップ、プリント基板及び他の電気若しくは電子部品の製造における絶縁被覆として使用することができる。可能な層支持体、及び被覆基体の加工条件は、相応じて変化に富む。
本発明の化合物はまた、画像記録又は画像複製(コピー、電子複写)用の単層又は多層材料の製造においても使用されるが、これらは単色であっても多色であってもよい。このような材料は更に、変色試験系においても使用することができる。この技術では、マイクロカプセルを含む配合物を使用することもでき、画像を作成するために露光工程に続いて熱工程を加えることができる。このような系と技術及びその適用は、例えば、US 5,376,459に記載されている。
写真情報記録のために、例えば、ポリエステル、酢酸セルロースの箔又はプラスチック被覆紙が使用される;オフセット印刷版木には、例えば、特別に処理したアルミニウムが、プリント回路の製造には、例えば、銅張り積層板が、そしてシリコンウエハー上の集積回路の製造のためにも使用される。写真材料及びオフセット印刷版木用の通常の層厚は、一般に約0.5μm〜10μm、そしてプリント回路には1.0μm〜約100μmである。
基体を塗布後、溶媒を一般的には乾燥により除去することによって、支持体上にフォトレジストの膜を得る。
「イメージワイズ」な露光という用語は、所定のパターンを有するフォトマスク(例えば、透明)を用いる露光、レーザービームを用いる露光(被覆基体の表面上を、例えばコンピュータ制御下で作動し、こうして画像を作り出す)、及びコンピュータ制御電子ビームでの照射を含む。また、例えば、A. Bertsch, J.Y. Jezequel, J.C. AndreによりJournal of Photochemistry and Photobiology A: Chemistry 1997, 107, p.275-281に、及びK.-P. NicolayによりOffset Printing 1997, 6, p.34-37に記載されているように、ピクセル毎に制御させて、ディジタル画像を作り出すことができる、液晶のマスクを使用することもできる。
共役ポリマー、例えば、ポリアニリン類は、プロトンをドープすることにより半導体状態から導電性状態に変換することができる。また本発明の光開始剤を、このようなポリマーを含む重合可能な組成物のイメージワイズな露光に使用することにより、絶縁材料(非露光ゾーン)に埋め込まれた導電性構造(照射ゾーンにある)を形成することができる。このような材料は、例えば、電気又は電子部品の製造における配線部品又は接続部品として使用することができる。
材料のイメージワイズな露光後で現像の前に、比較的短時間、熱処理を行うことが有利であろう。熱処理中に、露光領域だけが熱硬化する。使用される温度は一般に、50〜150℃、好ましくは80〜130℃である;熱処理の期間は一般に、0.25〜10分間である。
この光硬化性組成物はまた、例えば、DE 4,013,358に記載されているように、版木又はフォトレジストの製造方法においても使用することができる。このような方法では、イメージワイズな照射の前、照射と同時又は照射の後に、組成物をマスクなしに少なくとも400nmの波長の可視光で短時間に露光する。露光及び任意の熱処理後、感光性被覆の非露光領域をそれ自体既知の方法で現像剤を用いて除去する。
既に言及されたように、本発明の組成物は、水性アルカリ媒体中で現像することができる。適切な水性アルカリ現像溶液は、特に水酸化テトラアルキルアンモニウムの、又はアルカリ金属ケイ酸塩、リン酸塩、水酸化物若しくは炭酸塩の水溶液である。所望であれば、更に比較的少量の湿潤剤及び/又は有機溶媒をこの溶液に加えることができる。現像液に少量加えることができる典型的な有機溶媒は、例えば、シクロヘキサノン、2−エトキシエタノール、トルエン、アセトン及びこのような溶媒の混合物である。
結合剤の乾燥時間が、画像系製品の製造の速度の決定因子であり、1秒の何分の1かの桁数である必要があるため、光硬化は印刷インキには非常に重要である。UV硬化性インキは、特にスクリーン印刷、フレキソ印刷及びオフセット印刷に重要である。
既に上述されているように、本発明の混合物はまた、印刷版の製造にも非常に適している。この応用には、例えば、可溶性直鎖ポリアミド類又はスチレン/ブタジエン若しくはスチレン/イソプレンゴム、カルボキシル基を有するポリアクリレート又はポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアルコール又はウレタンアクリラートと、光重合性モノマー、例えばアクリル酸若しくはメタクリル酸アミド、又はアクリル酸若しくはメタクリル酸エステルとの混合物、及び光開始剤が使用される。これらの系から製造された膜及び版(ウェット又はドライ)は、オリジナルのネガ(又はポジ)を通して露光され、次に非硬化部分を適切な溶媒で溶出する。
光硬化のための別の使用の分野は、例えば、シート及び管、缶又は瓶の内部への仕上剤の適用における金属被覆であり、更には、例えば、PVC性床材又は壁装材のプラスチック被覆上での光硬化である。コーティング紙の光硬化の例は、ラベル、レコードジャケット又はブックカバーへの無色の仕上剤の適用を含む。
また興味深いのは、複合材料から作られた成形品の硬化における本発明の化合物の使用である。複合材料は、自立性マトリックス材料、例えば、ガラス繊維織物、あるいは例えば、植物繊維[K.-P. Mieck, T. Reussmann, Kunststoffe 85 (1995), 366-370を参照のこと]よりなるが、この材料を、光硬化性配合物で含浸する。本発明の化合物を用いて製造された複合材料からできた成形品は、高度の機械安定性と抵抗性を有する。本発明の化合物はまた、例えば、EP 7086に記載されるように、材料の成形、含浸及び被覆の際の光硬化剤としても使用することができる。このような材料は、例えば、薄層樹脂(硬化活性及び黄変に対する抵抗性に関して高い要求がなされる)、及び繊維強化成形材料(平面の又は縦方向若しくは横方向が波形のライトパネルなど)である。このような成形材料の製造方法(例えば、手積みプロセス、繊維吹付、回転又は巻き取りプロセス)は、例えば、P.H. Seldenにより"Glasfaserverstaerkte Kunststoffe", page 610, Springer Verlag Berlin-Heidelberg-New York 1967に記載されている。例えばこのプロセスにより製造することができる物品は、ボート;両側がガラス繊維強化プラスチックで被覆されたチップボード又は合板パネル;パイプ;運動器具;屋根材;容器などである。材料の成形、含浸及び被覆の更に別の例は、ガラス繊維含有成形材料(GRP)用のUP樹脂薄層、例えば、波形パネル及びラミネート紙である。ラミネート紙は、尿素又はメラミン樹脂にベースとすることができる。この薄層は、支持体(例えば、箔)上に製造され、次に積層体が製造される。本発明の光硬化性組成物はまた、注型樹脂用に、又は物品(例えば、電子部品など)の注封用に使用することができる。更に、これらはまた、孔やパイプの内張にも使用することができる。硬化には、UV硬化において通常の中圧水銀灯が使用されるが、例えば、TL40W/03又はTL40W/05型のもっと弱いランプも特に興味深い。これらのランプの強度は、大ざっぱに言って日光の強度に相当する。直射日光もまた硬化に使用することができる。更に別の利点は、複合材料を、部分的に硬化したプラスチック状態で光源から離して、成形に付し、その後完全硬化を実施できることである。
本発明の光開始剤はまた、光ファイバの被覆剤として組成物において使用するのに適している。一般に、光ファイバは、その製造直後に保護コートで被覆される。ガラスのファイバを引き抜き加工し、次に1種以上の被覆剤がガラス糸に適用される。通常、1種、2種又は3種のコートが適用され、例えば、上塗り層が着色される(「インキ層又はインキ被覆」)。更には、こうして被覆した数本の光ファイバをまとめて一束にし、全て一緒に被覆することができる(即ち、ファイバのより合わせ)。本発明の組成物は一般に、これらの被覆のいずれにも適しているが、これらは、広い温度範囲にわたる良好な柔軟性、良好な引張り強さ及び靭性並びに迅速UV硬化性を示す必要がある。
各コート:内側第1層(通常柔軟な被覆)、外側第1又は第2層(通常内側被覆よりも硬い被覆)、第3層、即ち、より合わせコートは、少なくとも1つの放射線硬化性オリゴマー、少なくとも1つの放射線硬化性モノマー希釈剤、少なくとも1つの光開始剤、及び添加剤を含んでいてよい。
一般に、全ての放射線硬化性オリゴマーが適している。好ましいのは、少なくとも500、例えば、500〜10,000、700−10,000、1000−8000又は1000〜7000の分子量を持つオリゴマー、特に少なくとも1個の不飽和基を含むウレタンオリゴマーである。好ましくは放射線硬化性オリゴマーは、2個の末端官能基を有する。このコートは、1つの特定のオリゴマーだけでなく、異なるオリゴマーの混合物も含んでいてよい。適切なオリゴマーの製造法は、当業者には知られており、例えば、US 6,136,880(参照により本明細書に組み込まれる)に発表されている。オリゴマーは、例えば、オリゴマージオール(好ましくは2〜10個のポリオキサアルキレン基を有するジオール)を、ジイソシアナート又はポリイソシアネート及びヒドロキシ官能基のエチレン不飽和モノマー(例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル)と反応させることにより製造される。上に示される成分のそれぞれの具体例、並びにこれらの成分の適切な比は、US 6,136,880(参照により本明細書に組み込まれる)に与えられる。
放射線硬化性モノマーは、コーティング剤配合物の粘度を制御するように使用することができる。したがって、少なくとも1個の光開始重合が可能な官能基を持つ低粘度モノマーが使用される。量は、例えば、粘度を1000〜10,000mPaの範囲に調整するように選択される(即ち、通常は例えば、10〜90、又は10〜80重量%が使用される)。モノマー希釈剤の官能基は、好ましくはオリゴマー成分のものと同種のもの、例えば、アクリラート又はビニルエーテル官能基と、高級アルキル又はポリエーテル残基である。光ファイバーの被覆組成物に適したモノマー希釈剤の例は、US 6,136,880、12段落、11行目〜(参照により本明細書に組み込まれる)に発表されている。
第1層被覆には、好ましくは、アクリラート又はビニルエーテル官能基と4〜20個のC原子のポリエーテル残基を有するモノマーが使用される。具体例は、参照により組み込まれ、上に引用されたUS特許中に与えられる。
この組成物はまた、光ファイバーガラス基体への配合物の接着性を改善するために、US 5,595,820に記載されているように、ポリ(シロキサン)を含んでいてもよい。
この被覆組成物は通常、特に加工中のコートの着色を防ぐため、そして硬化したコートの安定性を改善するために、例えば、上に列挙されたような、更に別の添加剤、例えば、酸化防止剤、光安定剤、UV吸収剤、特に、(登録商標)IRGANOX 1035、1010、1076、1222、(登録商標)TINUVIN P、234、320、326、327、328、329、213、292、144、622LD(全てチバ特殊化学品(Ciba Specialty Chemicals)提供)、(登録商標)ANTIGENE P、3C、FR、GA−80、(登録商標)SUMISORB TM−061(住友化学工業(Sumitomo Chemical Industries Co.)提供)、(登録商標)SEESORB 102、103、501、202、712、704(サイプロ化学(Sypro Chemical Co., Ltd.)提供)、(登録商標)SANOL LS770(三共(Sankyo Co. Ltd.)提供)も含んでいてもよい。特に興味深いのは、立体障害ピペリジン誘導体(HALS)と立体障害フェノール化合物との組合せ安定剤、例えば、IRGANOX 1035とTINUVIN 292の組合せ(例えば、1:1の比で)である。更に、添加剤は、例えば、湿潤剤及び被覆の流動学的性質に影響を及ぼす他の添加剤である。また、アミン(例えば、ジエチルアミン)も加えることができる。
光ファイバーの被覆用組成物の添加剤の他の例は、シランカップリング剤、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリメトキシシラン、SH 6062、SH 6030(東レ・ダウコーニング・シリコーン(Toray-Dow Corning Silicone Co., Ltd.)提供)、KBE 903、KBE 603、KBE 403(信越化学(Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.)提供)である。被覆剤の着色を防ぐために、組成物はまた、例えば、チバ特殊化学品提供の(登録商標)UVITEX OBのような、蛍光添加剤又は蛍光増白剤を含んでいてもよい。
光ファイバーの被覆組成物中の本出願の光開始剤は、1つ以上の他の既知の光開始剤と混合することができる。これらは、特にモノ−又はビスアシルホスフィンオキシド、例えば、ジフェニル−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド((登録商標)IRGACURE 819)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドなど;α−ヒドロキシケトン、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン((登録商標)IRGACURE 184)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン((登録商標)DAROCUR 1173)、2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチル−1−プロパノン((登録商標)IRGACURE 2959)など;α−アミノケトン、例えば、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノン((登録商標)IRGACURE 907)、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン((登録商標)IRGACURE 369)、2−(4−メチルベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[3,4−ジメトキシフェニル]−1−ブタノンなど;ベンゾフェノン、例えば、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、2−メトキシカルボニルベンゾフェノン、4,4’−ビス(クロロメチル)ベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ベンゾイル安息香酸メチル、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4−(4−メチルフェニルチオ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチル−4’−フェニル−ベンゾフェノン、3−メチル−4’−フェニル−ベンゾフェノンなど;及び更にケタール化合物、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニル−エタノン((登録商標)IRGACURE 651);モノマー又はダイマーのフェニルグリオキシル酸エステル、例えば、メチルフェニルグリオキシル酸エステル、5,5’−オキソ−ジ(エチレンオキシジカルボニルフェニル)又は1,2−(ベンゾイルカルボキシ)エタンなどと混合される。特に適切なものは、モノ−又はビス−アシルホスフィンオキシド及び/又はα−ヒドロキシケトンとの混合物である。
光開始剤の性質を強化するために、この配合物が増感剤化合物、例えば、アミンを含んでもよいことは明らかである。
この被覆剤は、「ウェットオンドライ」又は「ウェットオンウェット」のいずれかで適用される。第1の場合には、第1層コートの適用後にUV光での照射による硬化工程は、第2層コートの適用に先立って行われる。第2の場合には、両方の被覆剤が適用され、UV光での照射により一緒に硬化する。
この適用においてUV照射での硬化は通常、窒素雰囲気中に行われる。一般に、光硬化技術において通常使用される全ての放射線源は、光ファイバー被覆剤の硬化に使用することができる。これらは、例えば、以下に列挙される放射線源である。一般に、中圧水銀灯又は/及びフュージョンD灯(Fusion D lamps)が使用される。また閃光灯も適している。ランプの発光が、使用される光開始剤又は光開始剤混合物の吸収と釣り合うことは明らかである。光ファイバー被覆組成物はまた、電子ビーム(特に、例えば、WO 98/41484に開示されているような、低出力の電子ビーム)での照射により硬化させてもよい。
アセンブリ中の異なるファイバーを区別するために、ファイバーは、第3の着色被覆剤(「インキ被覆」)で覆ってもよい。この被覆に使用される組成物は、重合性成分と光開始剤の他に、顔料又は染料を含む。光ファイバー被覆に適している顔料の例は、無機顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、カーボンブラック、黒色酸化鉄、亜クロム酸銅ブラック、酸化鉄、酸化クロムグリーン、紺青、クロムグリーン、バイオレット(例えば、マンガンバイオレット、リン酸コバルト、CoLiPO4)、クロム酸鉛、モリブデン酸鉛、チタン酸カドミウム並びに真珠光沢及びメタリック顔料など)、更には有機顔料(モノアゾ顔料、ジアゾ顔料、ジアゾ縮合顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジンバイオレット、バット顔料、ペリレン顔料、チオインジゴ顔料、フタロシアニン顔料及びテトラクロロイソインドリノン類など)である。適切な顔料の例は、黒色被覆にはカーボンブラック、白色被覆には二酸化チタン、黄色被覆にはジアリーライド(diarylide)イエロー又はジアゾ含有顔料、青色被覆にはフタロシアニンブルー、及び他のフタロシアニン類、赤色被覆にはアントラキノンレッド、ナフトールレッド、モノアゾ含有顔料、キナクリドン顔料、アントラキノン及びペリレン、緑色被覆にはフタロシアニングリーン及びニトロソ含有顔料、橙色被覆にはモノアゾ及びジアゾ含有顔料、キナクリドン顔料、アントラキノン類及びペリレン、そしてバイオレット色被覆にはキナクリドンバイオレット、塩基性色素の顔料及びカルバゾールジオキサジン含有顔料がある。当業者であれば、水色、褐色、灰色、ピンクなどのような更に多色の被覆剤が必要とされるならば、更に別の適した顔料を配合物し、かつ合せることを充分に理解するであろう。顔料の平均粒度は通常、約1μm又はこれ未満である。市販の顔料の粒度は、必要であれば、粉砕により低下させることができる。顔料は、例えば、配合物の他の成分との混合を簡単にするために、分散液の形で配合物に加えることができる。顔料は、例えば、低粘度液体、例えば、反応性希釈剤に分散させる。好ましいのは、有機顔料の使用である。インキ被覆中の顔料の適切な量は、例えば、1〜20、1〜15、好ましくは1〜10重量%である。
インキ被覆はまた一般に、マトリックスからのシングル被覆光ファイバーのブレークアウト性の向上を提供するための滑沢剤をも含む。このような滑沢剤の例は、シリコーン、フルオロカーボン油又は樹脂などであり、好ましくはシリコーン油又は官能基化シリコーン化合物、例えば、ジアクリル酸シリコーンが使用される。
本発明の組成物は更に、被覆光ファイバーのアセンブリ用のマトリックス材料として適している。即ち、第1層、第2層(及びある場合には第3層)被覆ファイバーの幾つかが、例えば、異なる色により区別されている第3コート内で、マトリックス中に組立られる。
アセンブリの被覆はまた、好ましくは上述の添加剤の他に、光ファイバーケーブルの架設中に個々のファイバーに容易にアクセスできるように剥離剤をも含む。
このような剥離剤の例は、テフロン、シリコーン、アクリル酸ケイ素、フルオロカーボン油又は樹脂などである。剥離剤は、適切には0.5〜20重量%の量で加えられる。インキ被覆及び被覆光ファイバー用のマトリックス材料の例は、US特許6,197,422、6,130,980及びEP 614,099(参照により本明細書に組み込まれる)に与えられる。
本発明の組成物及び化合物はまた、露光及び非露光領域の間の屈折率の差の生成を利用して、光導波管及び光学スイッチの製造において使用することができる。
また重要なのは、画像生成プロセスのため、及び情報媒体の光学的製造のための光硬化性組成物の使用である。この適用には、既に上述のように、支持体に適用される層(ウェット又はドライ)が、フォトマスクを用いてUV又は可視光で照射され、層の非露光領域が溶媒(=現像剤)での処理により除去される。この光硬化性層はまた、電着プロセスにおいて金属に適用することができる。露光領域は、架橋ポリマーであり、よって不溶性であるため支持体上に残る。適切に着色されると、可視画像が形成される。支持体が金属被覆層であるとき、露光及び現像後、この金属は、非露光領域ではエッチングで除去されるか、又は直流通電により強化することができる。こうしてプリント電子回路及びフォトレジストを製造することができる。
本発明の組成物の感光性は通常、約200nm〜約600nm(UV領域)にわたる。適切な放射線は、例えば、日光又は人工光源からの光中に存在する。したがって多数の最も変化に富む種類の光源を使用することができる。点光源と扁平放射体(ランプカーペット)の両方が適している。例としては、カーボンアーク灯、キセノンアーク灯、中圧、高圧及び低圧水銀アーク放射体(適宜、ハロゲン化金属でドープされている)(金属ハロゲン灯)、マイクロ波誘導金属蒸気灯、エキシマー灯、超アクチニド蛍光管、蛍光灯、アルゴン白熱灯、フラッシュランプ、写真用投光照明灯、発光ダイオード(LED)、電子ビーム及びX線がある。ランプと本発明の露光すべき基体との間の距離は、使用目的及びランプの型と出力に応じて変化し、そして例えば、2cm〜150cmであろう。特に適しているのは、レーザー光源、例えば、248nmでの露光用のクリプトンF(Krypton-F)レーザーのようなエキシマーレーザーである。可視範囲のレーザーもまた利用することができる。この方法を用いて、電子産業におけるプリント回路、リソグラフィーのオフセット印刷版又はレリーフ印刷版、及び更に写真画像記録材料を製造することができる。
よって本発明はまた、少なくとも1個のエチレン不飽和二重結合を含む不揮発性のモノマー、オリゴマー又はポリマー化合物の光重合プロセスに関するものであり、そしてこのプロセスは、上述の組成物を200〜600nmの範囲の光で照射することを特徴とする。本発明はまた、200〜600nmの範囲の光での照射による、少なくとも1個のエチレン不飽和二重結合を含む不揮発性のモノマー、オリゴマー又はポリマー化合物の光重合における光開始剤としての式(I)の化合物の使用に関する。
本発明はまた、上述の組成物の使用;並びに着色及び非着色表面塗料、印刷インキ、例えば、スクリーン印刷インキ、オフセット印刷インキ、フレキソ印刷インキ、粉体塗料、印刷版、接着剤、歯科用コンパウンド、光導波管、光学スイッチ、変色試験系、複合材料、グラスファイバケーブル被覆、スクリーン印刷ステンシル、レジスト材料、カラーフィルターの製造方法;電気及び電子部品の封入における、磁気記録材料の製造における、立体リソグラフィーによる三次元物品の製造における、写真複製物のためのその使用;並びに画像記録材料(特にホログラフィー記録用)として、材料を脱色するため、画像記録材料用の材料を脱色するため、マイクロカプセルを用いる画像記録材料のためのその使用に関する。
本発明はまた、少なくとも1つの表面が上述の組成物で被覆されている被覆基体、及び被覆基体をイメージワイズに露光し、次に非露光部分を溶媒を用いて除去する、レリーフ画像の写真製造方法に関する。イメージワイズな露光は、マスクを用いるか、又はレーザービームを用いて実施することができる。レーザービームを用いる露光が特に興味深い。
本発明の化合物は、光開始作用を有するだけでなく、その特定の置換基によって、重合すべき配合物に組み込みかつ固定することができる(即ち、本発明の化合物は、これらの配合物の任意の所望の成分と、その成分が次に光重合反応に加わるかどうかに関わりなく反応することができ、そして結果として、これらは生じるポリマー構造に堅く結合する)。
1がOHである、本発明の式(I)の化合物は、上述の性質を有することに加えて、更に官能基化された式(I)の化合物の製造における重要な中間体であるという点において、更に別の重要な性質を示す。
以下の実施例により本発明を更に説明する。説明の残り部分及び特許請求の範囲と同様に、部及び百分率は、他に記載がなければ重量による。その異性体の形態の指示が何もない、3個を超える炭素原子を含むアルキル又はアルコキシ基に関する言及は、それぞれの場合におけるそれぞれのn−異性体に関するものと理解されたい。
実施例1:
下記式:
Figure 0004451137
で示される化合物の調製
フェニルグリオキシル酸メチルエステル137.9g、ジエチレングリコール891.7g及び酢酸リチウム二水和物2.2gを初回充填として室温で、蒸留装置を取り付けた1.5リットル多口フラスコに入れた。撹拌しながら、8〜10mbarまで反応容器からゆっくり排気した。次に反応混合物を50〜60℃に加熱した。約72時間後、生成した全てのメタノールを蒸留により除去して、反応を終了させた。反応混合物を、水500mlと一緒に分液ロートに注ぎ入れ、トルエン100mlで3回抽出し、次にジエチルエーテル500mlで5回抽出した。エーテル相を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。溶媒を留去(ロータリーエバポレーターを用いる)後に生成物を得た。構造及び組成は、NMR分光法及びHPLC(高圧液体クロマトグラフィー)により確認した。
実施例2:下記式:
Figure 0004451137
で示される、フェニルグリオキシル酸2−[2−(5−イソシアナト−1,3,3−トリメチルシクロヘキシルメチルカルバモイルオキシ)−エトキシ]−エチルエステルの調製
アルゴンガス下、トルエン15g中の、実施例1からのフェニルグリオキシル酸(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステル4.28g及び5−イソシアナト−1−イソシアナトメチル−1,1,3−トリメチルシクロヘキサン(ジイソシアン酸イソホロン、フルカ(Fluka))3.99gを初回充填として、50ml多口フラスコに入れて、110℃で還流した。18時間後、この溶液を冷却して、ロータリーエバポレーターを用いてトルエンを濃縮した。残渣を高真空下で2時間乾燥した。粘性の帯黄色の油状物8.2gを得た。生成物の変換率及び組成は、1H−NMRスペクトル及びIRスペクトル(NCOバンド)により検証した。
元素分析:C243227 %C %H %N
[計算値/実測値] 62.59/63.55 7.00/7.07 6.08/6.07
実施例3:下記式:
Figure 0004451137
で示される、フェニルグリオキシル酸2−{2−[4−(4−イソシアナトベンジル)−フェニルカルバモイルオキシ]−エトキシ}−エチルエステルの調製
アルゴンガス下、トルエン15g中の、実施例1からのフェニルグリオキシル酸(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステル2.14g及びジイソシアン酸4,4’−ジフェニルメタン(デスモジュール(Desmodur)VL、バイエル(Bayer))2.24gを初回充填として、50ml多口フラスコに入れて、110℃で還流した。19時間後、この溶液を冷却して、ロータリーエバポレーターを用いてトルエンを濃縮した。残渣を高真空下で2時間乾燥した。粘性のわずかに帯褐色の油状物4.6gを得た。生成混合物の変換率及び組成は、1H−NMRスペクトル及びIRスペクトル(NCOバンド)により検証した。
元素分析:C272427 %C %H %N
[計算値/実測値] 66.39/67.54 4.95/5.19 5.73/5.52
実施例4:下記式:
Figure 0004451137
で示される、フェニルグリオキシル酸2−(2−{6−[3−(6−イソシアナトヘキシル)−2,4,6−トリオキソ−5−(6−{2−[2−(2−オキソ−2−フェニルアセトキシ)−エトキシ]−エトキシカルボニルアミノ}−ヘキシル)−[1,3,5]トリアジナン−1−イル]−ヘキシルカルバモイルオキシ}−エトキシ)エチルエステル及びフェニルグリオキシル酸2−(2−{6−[3,5−ビス(6−イソシアナトヘキシル)−2,4,6−トリオキソ−[1,3,5]トリアジナン−1−イル]−ヘキシルカルバモイルオキシ}−エトキシ)エチルエステルの調製
アルゴンガス下、トルエン15g中の、実施例1からのフェニルグリオキシル酸(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステル2.14g及び1,3,5−トリス(6−イソシアナトヘキシル)−[1,3,5]トリアジナン−2,4,6−トリオン(デスモジュールN3300、バイエル)3.02gを初回充填として、50ml多口フラスコに入れて、110℃で還流した。16時間後、この溶液を冷却して、ロータリーエバポレーターを用いてトルエンを濃縮した。残渣を高真空下で3時間乾燥した。粘性の無色の油状物5.3gを得た。生成混合物の変換率及び組成は、1H−NMRスペクトル及びIRスペクトル(NCOバンド)により検証した。光開始剤に関しては、モノ生成物とビス生成物は、等比率で存在する。
元素分析:C4864616及びC3650611
%C %H %N
[計算値/実測値] 58.53/58.42 6.67/6.71 9.75/9.18
実施例5:下記式:
Figure 0004451137
で示される、1,3−ビス(6−{2−[2−(2−オキソ−2−フェニルアセトキシ)−エトキシ]−エトキシカルボニルアミノ}−ヘキシル)−5−(6−イソシアナトヘキシル)ビウレット及び1−(6−{2−[2−(2−オキソ−2−フェニルアセトキシ)−エトキシ]−エトキシカルボニルアミノ}−ヘキシル)−3,5−ビス(6−イソシアナトヘキシル)ビウレットの調製
アルゴンガス下、トルエン15g中の、実施例1からのフェニルグリオキシル酸(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステル2.14g及び1,3,5−トリス(6−イソシアナトヘキシル)ビウレット(デスモジュールN3200、バイエル)2.86gを初回充填として、50ml多口フラスコに入れて、110℃で還流した。19時間後、この溶液を冷却して、ロータリーエバポレーターを用いてトルエンを濃縮した。残渣を高真空下で乾燥した。粘性の無色の油状物4.8gを得た。生成混合物の変換率及び組成は、1H−NMRスペクトル及びIRスペクトル(NCOバンド)により検証した。光開始剤に関しては、モノ生成物とビス生成物は、等比率で存在する。
元素分析:C4766615及びC3552610
%C %H %N
[計算値/実測値] 58.91/59.22 7.11/7.14 10.05/9.67
実施例6:下記式:
Figure 0004451137
で示される、フェニルグリオキシル酸2−(2−{6−[3−(6−イソシアナトヘキシル)−2,4−ジオキソ−[1,3]ジアゼチジン−1−イル]−ヘキシルカルバモイルオキシ}−エトキシ)エチルエステルの調製
アルゴンガス下、トルエン15g中の、実施例1からのフェニルグリオキシル酸(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステル2.14g及び1,3−ビス(6−イソシアナトヘキシル)−[1,3]ジアゼチジン−2,4−ジオン(デスモジュールN3400、バイエル)3.02gを初回充填として、50ml多口フラスコに入れて、110℃で還流した。19時間後、この溶液を冷却して、ロータリーエバポレーターを用いてトルエンを濃縮した。残渣を高真空下で乾燥した。非常に粘性の無色の油状物5.2gを得た。生成混合物の変換率及び組成は、1H−NMRスペクトル及びIRスペクトル(NCOバンド)により検証した。
元素分析:C283849
%C %H %N
[計算値/実測値] 58.53/58.57 6.67/6.95 9.75/9.63
実施例7:下記式:
Figure 0004451137
で示される、フェニルグリオキシル酸(2−オキシラニルメトキシ−エトキシ)の調製
7.1: 下記式:
Figure 0004451137
で示される、ジエチレングリコールモノグリシジルエーテルの調製
窒素雰囲気下、ジエチレングリコール26.53g、過塩素酸ランタン六水和物0.25g及びトルエン50mlを初回充填として、集中冷却器とプロペラスターラーを取り付けた350mlスルホン化フラスコに入れて105℃に加熱した。105℃の内部温度に達した後、温度を一定に保持しながらエピクロロヒドリン21.3gを、70分間のうちに滴下により加えた。続いて105℃で14時間の撹拌後、トルエン30mlを反応混合物に加えることによって、次に未だ存在するあらゆる水を共沸蒸留により除去した。常圧で共沸混合物約30mlを留去した。48〜50℃に冷却後、ジアゾビシクロウンデセン約19gを、30分間のうちに滴下により加え、そして次にこの混合物を2時間撹拌した。室温まで冷却後、二相反応混合物の下相を、酢酸を用いてpH5〜8に調整し、塩化メチレンで希釈して食塩水各回約100mlで3回抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、こうして得られた粗生成物を濃縮乾固して、わずかに帯黄色の粘性油状物27.1g(理論値の73%)を得た。粗生成物12gを、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル60F 800g;酢酸エチル95:メタノール5)を用いて精製した。目的生成物は、純度約85%(GCにより測定)のわずかに帯黄色の油状物の形で得た。1H−NMRスペクトルによると、副産物(15%、GCにより測定)は、下記式:
Figure 0004451137
で示される、化合物であった。
下記式:
Figure 0004451137
で示される、ジエチレングリコールモノグリシジルエーテルの1H−NMRスペクトル(CDCl3中、標準としてのトリメチルシラン[TMS]に対するppm):2.61-2.63及び2.79-2.83 (2 m, Ha); 3.16-3.18 (m, Hb); 3.38-3.44及び3.81-3.86 (2 dxd, Hc); 3.60-3.75 (m, Hd, He, Hf, Hg)
ジエチレングリコールモノグリシジルエーテルの13C−NMRスペクトル(CDCl3中、標準としてのTMSに対するppm):44.2; 50.8; 61.6; 70.4; 70.7; 72.0; 72.6
7.2: フェニルグリオキシル酸(2−オキシラニルメトキシ−エトキシ)の調製
フェニルグリオキシル酸メチルエステル217mg、実施例7.1により得られたジエチレングリコールモノグリシジルエーテル195mg及び酢酸リチウム10mgを初回充填として、ナスフラスコに入れた。このフラスコを、ロータリーエバポレーター中で60℃の浴温及び150mbarの減圧下で回転させた。2時間後、浴温を70℃に上昇させ、圧力を100mbarまで下げた。更に2時間後、反応溶液を、ヘキサン:酢酸エチル、1:1を用いてシリカゲル60Fのクロマトグラフィーに付した。わずかに帯黄色の油状物の形で標題化合物を得た。
下記式:
Figure 0004451137
で示される、フェニルグリオキシル酸(2−オキシラニルメトキシ−エトキシ)の1H−NMRスペクトル(CDCl3中、TMS標準の相対ppm):2.58-2.60及び2.76-2.79 (2 m, Ha); 3.14-3.16 (m, Hb); 3.38-3.44及び3.78-3.79 (2 dxd, Hc); 3.69-3.71及び3.82-3.86 (2 m, Hd, He, Hf); 4.55-4.58 (m, Hg); 7.49-7.55及び7.64-7.69及び8.02-8.05 (5 芳香族 H)。
ジエチレングリコールモノグリシジルエーテルの13C−NMRスペクトル(CDCl3中、TMS標準の相対ppm):44.2, 50.8, 64.9, 68.7, 70.6, 70.7, 72.0, 128.9, 130.1, 132.5, 135.0, 163.8, 186.2。
実施例8
以下の成分を混合することにより、光硬化性配合物を調製した:
89.0部 エポキシアクリレート(ジアクリル酸ヘキサンジオール中80%;エベクリル(Ebecryl)(登録商標)604)
10.0部 ポリエチレングリコール400ジアクリレート(サルトマー(Sartomer)(登録商標)SR344)
1.0部 流動性向上剤(エベクリル(登録商標)350)
実施例1からの2%の化合物を、生じた配合物に加えた。この配合物を、6μmナイフでアルミニウムシートに塗布して、2つの中圧水銀灯(80W/cm)を用いて照射した。硬化層を得た。
実施例9〜14
実施例9〜14のために以下の配合物を調製した:
− 成分A
11.38部 ヒドロキシル基含有ポリアクリレート、酢酸ブチル中70%(デスモフェン(Desmophen)A870、バイエル(Bayer AG))
21.23部 ポリエステルポリオール、酢酸ブチル中75%(デスモフェンVP LS2089;バイエル)
0.55部 流動性向上剤(バイク(Byk)306;バイク化学(Byk Chemie))
32.03部 メタノール
− 成分B(使用した量は表1に与えられる)
イソシアナート基含有ウレタンアクリレート(ロスキダル(Roskydal)UA VP LS2337、バイエル)
試験される開始剤は、撹拌しながら、表1に示される濃度で成分Aに組み込んだ。次に成分Bを加え、均質に分布させた。このように調製した試料を、250μmスロット付ナイフでガラス板に塗布した。次に溶媒を室温で急速留去した。急速留去後、UVスペクトルを記録した(UV/VIS分光計パーキンエルマー(Perkin Elmer)ラムダ(Lambda)900)。次にこの板を、120℃の温度のホットプレートに載せることによって、熱架橋プロセスを開始させた。次に試料の更に別のUVスペクトルを記録した。次に試料は、5m/分のベルト速度で2×120W/cm中圧水銀灯を用いてUV硬化させた。急速留去後の試料の吸光度は、100%に相当する。急速留去後と熱架橋後の2つのスペクトルの間の差は、揮発性の結果としての、又は組み込みの欠如による、光開始剤の百分率損失に相当する。結果を、表1で見ることができる。
Figure 0004451137
全ての試料は、光開始剤の損失が全くないか、又は非常にわずかな損失を示したが、このことは、硬化すべき配合物に光開始剤が最適に組み込まれていること、及び光開始剤が熱プロセス中に配合物から逃がれないことを示している。

Claims (13)

  1. 式(I):
    Figure 0004451137
    [式中、
    Yは、C3−C12アルキレン、ブテニレン、ブチニレン、又は−O−若しくは−NR2−により1回以上非連続的に中断されているC4−C12アルキレンであるか;あるいはYは、フェニレン、シクロヘキシレン、下記式:
    Figure 0004451137
    で示される基であり;
    1は、OH、SH、NR34、−(CO)−OH、−(CO)−NH2、SO3H、−C(R5)=CR67、オキシラニル、−O−(CO)−NH−R8−NCO及び−O−(CO)−R9−(CO)−Xから選択される反応性基であり;
    2は、水素、C1−C4アルキル又はC2−C4ヒドロキシアルキルであり;
    3及びR4は、それぞれ他と独立に、水素、C1−C4アルキル又はC2−C4ヒドロキシアルキルであり;
    5、R6及びR7は、それぞれ他と独立に、水素又はメチルであり;
    8は、直鎖又は分岐のC4−C12アルキレン、フェニレン、メチル−フェニレン、シクロヘキサンジイル、イソホロンジイル、下記式:
    Figure 0004451137
    で示される基であり;
    9は、直鎖又は分岐のC1−C16アルキレン、−CH=CH−、−CH=CH−CH2−、C6−シクロアルキレン、フェニレン、ナフチレン、ノルボルネン−5,6−ジイル、下記式:
    Figure 0004451137
    で示される基であり;そして
    X、X1及びX2は、それぞれ他と独立に、OH、Cl、OCH3又はOC25である]で示される配合可能な光開始剤化合物。
  2. Yが、−O−により1回以上非連続的に中断されているC4−C12アルキレンであり;
    1が、OH、オキシラニル及び−O−(CO)−NH−R8−NCOから選択される反応性基であり;そして
    8が、下記式:
    Figure 0004451137
    で示される基である、請求項1記載の式(I)の配合可能な光開始剤化合物。
  3. 1がOHである、請求項1記載の式(I)の化合物の製造方法であって、式(II):
    Figure 0004451137
    [式中、Rは、C1−C4アルキル、特にメチル又はエチルである]で示されるフェニルグリオキシル酸モノエステルを、式(III):
    Figure 0004451137
    [式中、Yは、請求項1と同義である]で示されるジオールと反応させる[ここで、触媒として、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、酢酸バリウム、酢酸亜鉛、酢酸カドミウム、酢酸銅(II)、酢酸コバルト(II)、酢酸アルミニウム、酸化カルシウム、リチウムメタノラート、ナトリウムメタノラート、チタンテトライソプロパノラート、アルミニウムトリイソプロパノラート、リチウムtert−ブタノラート、4−(ジメチルアミノ)ピリジン又は二酢酸ジブチルスズが使用される]ことを特徴とする方法。
  4. 1が、SH、NR34、−(CO)−OH、−(CO)−NH2、SO3H、−C(R5)=CR67、オキシラニル、−O−(CO)−NH−R8−NCO又は−O−(CO)−R9−(CO)−Xであり、そしてR3、R4、R5、R6、R7、R8、R9及びX基が、請求項1と同義である、配合可能な光開始剤の製造における出発物質としての、R1がOHである請求項1記載の式(I)の化合物の使用。
  5. 1がOHである請求項1記載の式(I)の化合物を、イソシアナート、塩化カルバモイル、チオイソシアナート、酸塩化物、酸エステル、酸無水物、クロロホルマート又はエピクロロヒドリンと反応させる、請求項1記載の式(I)の配合可能な光開始剤の製造方法。
  6. (a)少なくとも1つのエチレン不飽和光重合性化合物と、
    (b)光開始剤として、少なくとも1つの請求項1記載の式(I)の化合物と、
    を含むことを特徴とする、光重合性組成物。
  7. 成分(b)に加えて、更に別の開始剤(c)及び/又は添加剤(d)も含むことを特徴とする、請求項6記載の組成物。
  8. 追加の光開始剤(c)が、式(VIII)、(IX)、(X)、(XI)又は/及び(XII):
    Figure 0004451137
    [式中、
    25は、水素、C1−C18アルキル、C1−C18アルコキシ、−OCH2CH2−OR29、モルホリノ、SCH3、又は下記式:
    Figure 0004451137
    で示される基であり;
    nは、2〜10であり;
    1及びG2は、それぞれ他と独立に、ポリマー単位の末端基、特に水素又はCH3であり;
    26は、ヒドロキシ、C1−C16アルコキシ、モルホリノ、ジメチルアミノ又は−O(CH2CH2O)m−C1−C16アルキルであり;
    27及びR28は、それぞれ他と独立に、水素、C1−C6アルキル、フェニル、ベンジル、アリル、C1−C16アルコキシ又は−O(CH2CH2O)m−C1−C16アルキルであるか、あるいはR27及びR28は、これらが結合している炭素原子と一緒に、シクロヘキシル環を形成し;
    mは、1〜20の数であり;ここで
    26、R27及びR28は、全てが同時にC1−C16アルコキシ又は−O(CH2CH2m−C1−C16アルキルではなく、そして
    29は、水素、下記式:
    Figure 0004451137
    で示される基であり;
    30及びR32は、それぞれ他と独立に、水素又はメチルであり;
    31は、水素、メチル、2−ヒドロキシエチルチオ又はフェニルチオ(フェニルチオ基のフェニル環は、非置換であるか、又はC1−C4アルキルにより4−、2−、2,4−若しくは2,4,6−位で置換されている)であり;
    33及びR34は、それぞれ他と独立に、C1−C20アルキル、シクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル又はビフェニルであり、これらの基は、非置換であるか、又はハロゲン、C1−C12アルキル若しくは/及びC1−C12アルコキシにより置換されているか、あるいはR33は、S−若しくはN−含有の5員若しくは6員複素環又は下記式:
    Figure 0004451137
    で示される基であり;
    35は、シクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル又はビフェニルであり、これらの基は、非置換であるか、又は1つ以上のハロゲン、C1−C4アルキル若しくは/及びC1−C4アルコキシ置換基により置換されているか、あるいはR35は、S−又はN−含有の5員又は6員複素環であり;
    36及びR37は、それぞれ他と独立に、非置換であるか、又はC1−C18アルキル、C1−C18アルコキシ、シクロペンチル、シクロヘキシル若しくはハロゲンにより、モノ−、ジ−若しくはトリ−置換されている、シクロペンタジエニルであり;そして
    38及びR39は、それぞれ他と独立に、チタン炭素結合に対してオルトな2つの位置の少なくとも1つでフッ素原子又はCF3により置換されており、かつ芳香環上の更なる置換基として、ピロリニル又はポリオキサアルキル(これらはそれぞれ、非置換であるか、又は1つ若しくは2つのC1−C12アルキル、ジ(C1−C12アルキル)アミノメチル、モルホリノメチル、C2−C4アルケニル、メトキシメチル、エトキシメチル、トリメチルシリル、ホルミル、メトキシ若しくはフェニル基により置換されている)を含んでいてもよい、フェニルであるか、あるいはR38及びR39は、下記式:
    Figure 0004451137
    で示される基であり;
    40、R41及びR42は、それぞれ他と独立に、水素、ハロゲン、C2−C12アルケニル、C1−C12アルコキシ、1〜4個の酸素原子により中断されているC2−C12アルコキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロペンチルオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、非置換又はC1−C4アルコキシ−、ハロ−、フェニルチオ−若しくはC1−C4アルキルチオ−置換の、フェニル又はビフェニルであり;ここで
    40及びR42は、両方同時に水素ではなく、かつ下記式:
    Figure 0004451137
    で示される基において、少なくとも1つの基R40又はR42は、C1−C12アルコキシ、1〜4個の酸素原子により中断されているC2−C12アルコキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロペンチルオキシ、フェノキシ又はベンジルオキシであり;
    1は、O、S又はNR43であり;
    43は、C1−C8アルキル、フェニル又はシクロヘキシルであり;そして
    1は、C3−C12アルキレン、ブテニレン、ブチニレン、又は−O−若しくは−NR44−により1回以上非連続的に中断されているC4−C12アルキレンであるか、あるいはY1は、フェニレン、シクロヘキシレン、下記式:
    Figure 0004451137
    で示される基であり;そして
    44は、水素、C1−C4アルキル又はC2−C4ヒドロキシアルキルである]で示される化合物である、請求項7記載の組成物。
  9. 0.05〜20重量%の光開始剤成分(b)、又は0.05〜20重量%の光開始剤成分(b)+(c)を含む、請求項6〜8のいずれか1項記載の組成物。
  10. 光化学硬化性成分を含むことに加えて、熱硬化性成分も含む、請求項6記載の組成物。
  11. 200〜600nmの波長範囲の光での照射による、少なくとも1つのエチレン不飽和二重結合を有する不揮発性モノマー、オリゴマー又はポリマー化合物の光重合における光開始剤としての、請求項1記載の式(I)の化合物。
  12. 着色及び非着色表面コーティング組成物、印刷インキ、スクリーン印刷インキ、オフセット印刷インキ、フレキソ印刷インキ、粉体塗料、印刷版、接着剤、歯科用組成物、光導波管、光学スイッチ、変色試験系、複合材料、グラスファイバケーブル被覆、スクリーン印刷ステンシル、レジスト材料、カラーフィルター、ゲルコートの製造における;電気及び電子部品の封入における;磁気記録材料の製造における;立体リソグラフィーによる三次元物品、写真複製物、画像記録材料の製造における;脱色材料の製造における;又はマイクロカプセルを用いる画像記録材料の製造における、請求項6記載の組成物。
  13. 少なくとも1つの表面が、請求項6記載の組成物で被覆されている被覆基体。
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