JP2009220415A - 出没式シャープペンシル - Google Patents

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Abstract

【課題】軸筒の後端から突出したノブ17を押圧することにより先部材8を突出させる低価格の出没式シャープペンシルを提供する。
【解決手段】内軸7の前部に設けられた先部材8をリターンスプリング18により長手方向後方に付勢する。この先部材8を軸筒の後端から突出したノブ17を押圧することにより突出させるとともに、内軸7を回転カム13により前進位置に係止して筆記状態とする。また、チャック1の後部に連結された芯タンク2を合成樹脂製パイプで構成する。更に、内軸7と回転カム13の間にリターンスプリング18より弱い荷重でコイルスプリング14を張架する。
【選択図】図1

Description

本発明は、軸筒の後端から突出したノブを押圧することにより、先部材を軸筒の先端より突出させる出没式シャープペンシルに関する。
従来、軸筒の後端から突出したノブを押圧することにより、回転カムと押具でノック式シャープペンシル体を前進位置、後退位置に係止する口金内蔵式シャープペンシルが知られている。(特許文献1参照)
実開昭52−37545号公報
しかし、従来知られている軸筒の後端から突出したノブを押圧することにより、回転カムと押具でノック式シャープペンシル体を前進位置、後退位置に係止する口金内蔵式シャープペンシルは、芯タンクの構造が複雑で生産性が悪くコスト高になってしまうものであった。また、スプリングS3を筆圧より強くしなければならないが、筆圧は個人差があり、確実に作動させるためにはスプリングS3を非常に強い取付荷重にしなければならず、強い力でノックしなければならなかった。また、スプリングS3が強くなると回転カムやカム筒、更には、前部軸筒や後部軸筒といった部材が破損してしまう恐れがあった。更に、スプリングS3は自然状態でも一定距離以上伸びないようにしなければならないために、芯ケースやチャック、口金といった部材の寸法がばらつくことによって、キャップを押圧した時および携帯時に、回転カム11と押し具10が当接する前にチャックが口金内に内蔵されたスライダーに当接してしまうと回転カム11が回転できなくなってしまい、回転カム11を前進位置に係止することができなくなってしまうものであった。
本発明は、上記課題を解消する出没式シャープペンシルを提供することを目的とするものである。
本発明は、前部に先部材を設けた内軸と、内軸内に内蔵された芯タンクと、芯タンクの前部に連結されたチャックと、チャックおよび芯タンクを長手方向後方に付勢するチャックスプリングと、軸筒内に内蔵された回転カムと、内軸を長手方向後方に付勢するリターンスプリングと、芯タンクの後部に取り付けられた押部材と、押部材に設けられたノブとからなり、ノブを押圧することにより先部材を軸筒の先端より突出させるとともに、軸筒の係止部に回転カムを係止させる出没式シャープペンシルであって、チャックの後部に連結された芯タンクを合成樹脂製パイプで構成し、軸筒の内面に長手方向に伸びた複数のガイド溝と複数の係止部を形成し、かつ、回転カムに突部と傾斜部を形成し、更に、押部材に突部と傾斜部を形成し、前記軸筒のガイド溝に押部材の突部を長手方向に摺動可能に挿入し、この押部材の傾斜部と回転カムの傾斜部を当接可能に構成するとともに、回転カムの突部を軸筒の係止部に係止可能に構成し、内軸と回転カムの間に前記リターンスプリングの取付荷重より弱い取付荷重でコイルスプリングを張架したことを要旨とする。
本発明の出没式シャープペンシルは、芯タンクを合成樹脂製パイプで構成することにより、構造が簡単で生産性が良くなり、低コストで生産できる効果が得られるものである。
また、チャックが先部材の係止段に当接されて内軸を前進させてしまう状態でも、コイルスプリングにより回転カムは後方に付勢されて回転カムの傾斜部が押部材の前突部に当接されるので、回転カムを確実に回転させて軸筒の係止部に係止させる効果が得られるものである。
芯タンク、チャックあるいは先部材の寸法がばらついても回転カムを確実に回転させて前進位置に係止できる出没式シャープペンシルを実現した。
以下、図1、図2、図3および図4に基づいて本発明における実施例1の出没式シャープペンシルを説明する。また、図1の左側を前方とし、右側を後方とする。先ず、黄銅等からなる金属製のチャック1の前部を3分割して構成し、このチャック1の後部に合成樹脂製パイプで形成された芯タンク2を圧入固着する。また、チャック1の頭部1Aには締リング3が外嵌され、締リング3を受け止める連結具4と芯タンク2の前端との間に400g程度の荷重でチャックスプリング5が張架される。したがって、通常チャックスプリング5により後方に付勢されるチャック1の頭部1Aは、締リング3に押圧され閉じられることによって芯6を保持する。以上のように構成された機構部を内軸7の前方より挿入し、連結具4を内軸7の前端に当接する。更に、内軸7の前部に先部材8を着脱可能に螺合し、先部材8の内段8Aと内軸7の前端により連結具4を挾持する。また、先部材8内には芯6を軽く保持する芯ホルダー9が内蔵される。
前軸10の把持部にはゴム等の軟質材で構成されたグリップ11が被せられる。また、後軸12の内面には、長手方向に伸びたカム溝12Aが円周方向等間隔に3個形成され、このカム溝12Aの縁前端は中間部に垂直面12Bを設けるとともに垂直面12Bの両側に同じ方向の傾斜面12Cを形成する。
また、回転カム13は、筒部13Aより外方向および後方に突出した突部13Bが円周方向等間隔に3個形成されるとともに、その後端面に前記後軸12の傾斜面12Cと同方向に傾斜された傾斜部13Cを構成する。この回転カム13は、前記芯タンク2に回動可能および長手方向に摺動可能に外嵌される。また、内軸7の内段7Aと回転カム13の間はコイルスプリング14が取り付けられる。
更に、芯タンク2の後部には押部材15が圧入固着される。この押部材15には、突部15Aが円周方向等間隔に3個形成されるとともに、前端には、2つの傾斜部で構成され前方に突出した前突部15Bが円周方向等間隔に6個形成される。また、押部材15の後部には消しゴム16が設けられるとともに、消しゴム16を覆うノブ17が嵌合され、ノック式シャープペンシル体が構成される。
前記のように組み立てられたノック式シャープペンシル体が前軸10の後方より挿入されるとともに、前軸10の後端と内軸7の外鍔7Bとの間にリターンスプリング18が900g程度の荷重で張架される。また、押部材15の突部15Aを後軸12のカム溝12Aに挿入し、後軸12を前軸10に螺合する。この前軸10と後軸12により軸筒を構成する。尚、図1および図2の筆記状態では、回転カム13の突部13Bが後軸12の傾斜面12Cと垂直面12Bからなる係止部に係止され、回転カム13の前端に内軸7の後端が当接される。この時、コイルスプリング14は圧縮され50g程度の荷重で張架されている。
この筆記状態において筆記を行い芯6が摩耗した場合には、後軸12の後端より突出したノブ17を押圧する。すると、チャックスプリング5およびコイルスプリング14の荷重よりリターンスプリング18の荷重の方が大きいために、チャック1が前進し芯6が繰り出される。
次に、筆記を終了し先部材8を前軸10内に没入させる為には、ノブ17を押圧してチャック1を拡開するとともに押部材15の前突部15Bが回転カム13の突部13Bに形成された傾斜部13Cに当接する。この時、先部材8や芯タンク2等の部材の寸法がばらつくことにより、回転カム13と押部材15が当接する前にチャック1が先部材8の係止段8Bに当接してしまうと、リターンスプリング18を圧縮して押部材15とともに内軸7が前進し、回転カム13の傾斜部13Cと押部材15の前突部15Bの間が離間されてしまうが、コイルスプリング14により回転カム13が後方に付勢されている為、押部材15が前進すると回転カム13の傾斜部13Cと押部材15の前突部15Bが当接する。そして、押部材15とともに回転カム13も前進し、回転カム13の突部13Bが後軸12の垂直面12Bより外れ回転カム13が回転する。
この状態でノブ17の押圧を解除すると、リターンスプリング18により付勢されて、ノック式シャープペンシル体が後退するとともに、コイルスプリング14により後方に付勢された回転カム13は突部13Bが後軸12のカム溝12Aを後方に摺動する。そして、押部材15の突部15A後端が後軸12のカム溝12A後端縁12Dに当接し図3および図4に示した携帯状態となる。この時、チャック1が先部材8の係止段8Bに係止されているので、回転カム13の前端と内軸7の後端は離間される。
筆記状態に戻す場合には、ノブ17を押圧することによりノック式シャープペンシル体、回転カム13および押部材15を前進させる。そして、回転カム13の突部13Bが後軸12のカム溝12Aより外れると、互いに当接されている回転カム13の傾斜部13Cと押部材15の前突部15Bが傾斜面となっているために回転カム13が回転し、回転カム13の突部13Bが後軸12の傾斜面12Cと垂直面12Bからなる係止部に係止され図2に示した状態となる。この状態でノブ17の押圧を解除すると、チャックスプリング5によりチャック1が後退し、チャック1が締リング3に押圧されて閉じられ図1の筆記状態に復帰する。
尚、本発明は上記実施例1に限定されるものではなく、前軸、後軸、内軸あるいは押部材といった部材は、複数の部材を固着あるいは嵌合して一体化することも可能である。また、上記実施例1では、チャックの前端が先部材の係止段に当接した場合で説明したが、チャックスプリングが全圧縮されて内軸を前進させてしまう等、内軸を前進させてしまう原因は種々考えられる。
先部材、チャックあるいは芯タンクといった部材が多少ばらついても回転カムが確実に作動して軸筒の係止部に係止し、低価格で生産可能な出没式シャープペンシルに適用できる。
本発明の実施例1の出没式シャープペンシルの筆記状態を示す断面図である。(実施例1) 図1における回転カムの突部が後軸の係止部に係止された状態を示す展開図である。(実施例1) 本発明の実施例1の出没式シャープペンシルの携帯状態を示す断面図である。(実施例1) 図3における回転カムの突部が後軸のカム溝に挿入された状態を示す展開図である。(実施例1)
符号の説明
1 チャック
2 芯タンク
5 チャックスプリング
7 内軸
8 先部材
13 回転カム
13B 回転カム13の突部
13C 回転カム13の傾斜部
14 コイルスプリング
15 押部材
15A 押部材15の突部
17 ノブ
18 リターンスプリング

Claims (1)

  1. 前部に先部材を設けた内軸と、内軸内に内蔵された芯タンクと、芯タンクの前部に連結されたチャックと、チャックおよび芯タンクを長手方向後方に付勢するチャックスプリングと、軸筒内に内蔵された回転カムと、内軸を長手方向後方に付勢するリターンスプリングと、芯タンクの後部に取り付けられた押部材と、押部材に設けられたノブとからなり、ノブを押圧することにより先部材を軸筒の先端より突出させるとともに、軸筒の係止部に回転カムを係止させる出没式シャープペンシルであって、チャックの後部に連結された芯タンクを合成樹脂製パイプで構成し、軸筒の内面に長手方向に伸びた複数のガイド溝と複数の係止部を形成し、かつ、回転カムに突部と傾斜部を形成し、更に、押部材に突部と傾斜部を形成し、前記軸筒のガイド溝に押部材の突部を長手方向に摺動可能に挿入し、この押部材の傾斜部と回転カムの傾斜部を当接可能に構成するとともに、回転カムの突部を軸筒の係止部に係止可能に構成し、内軸と回転カムの間に前記リターンスプリングの取付荷重より弱い取付荷重でコイルスプリングを張架したことを特徴とする出没式シャープペンシル。
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