JP2009218319A - 多数個取り配線基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のグリーンシートg1〜g4を積層してなり、且つ表面3および裏面4を有し、分割後に配線基板となる複数の製品部pを縦横に連続して有する製品エリアaと、裏面4に開口し、隣接する製品部pを区画する切断予定面cと交差して形成され、表面3に露出せず且つ内壁面に未焼成のメタライズ層9を有する裏面側凹部7と、を備えたベースグリーンシートbgに対し、該シートbgの表面3側から各製品部pを区画する切断予定面cに沿って、刃先角θ1が22度以上で且つ30度未満の刃物B1を挿入して、かかる刃先角θ1と同様な角度の断面である第1ブレーク溝v1を形成する工程を、含む、多数個取り配線基板1の製造方法。
【選択図】図8
Description
このため、前記製品領域において、隣接する製品部間を区画する切断予定面に沿って、グリーンシート積層体の表面側から裏面側凹部の天井面よりも裏面側に最深部が達する第1ブレーク溝を形成し、かかる第1ブレーク溝を活用してメッキ液の流動を助長するようにした連続セラミック配線基板の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。尚、上記第1ブレーク溝を形成するための第1ブレーク刃の刃先角は、30度以上とされている。
即ち、本発明による多数個取り配線基板の製造方法(請求項1)は、複数のグリーンシートを積層してなり、且つ表面および裏面を有し、分割後に配線基板となる複数の製品部を縦横に連続して有する製品エリアと、裏面に開口し、隣接する製品部を区画する切断予定面と交差して形成され、表面に露出せず且つ内壁面に未焼成のメタライズ層を有する裏面側凹部と、を備えたベースグリーンシートに対し、該ベースグリーンシートの表面側から各製品部を区画する切断予定面に沿って、刃先角が22度以上で且つ30度未満の刃物を挿入して、かかる刃先角と同様な角度の断面である第1ブレーク溝を形成する工程を、含む、ことを特徴とする。
尚、前記刃物の刃先角が22度未満では、刃物の幅が薄くなり切断予定面に沿って挿入する際に左右に触れ易くなるおそれがあり、一方、30度以上になると、前述したように刃物が挿入しにくくなり、且つセラミックやメタライズ層のバリやクズを生じ易くなる。これらを防ぐため、刃物の刃先角を前記の範囲とした。上記刃物の望ましい刃先角は、22度〜29度である。
また、前記配線基板は、例えば、水晶振動子やSAWフィルタなどをキャビティの底面に実装する箱形形状のパッケージタイプの形態や、配線層を内蔵する平板形状や、配線層を内蔵し且つ表面に開口するキャビティを有する形態を含む。
更に、前記ベースグリーンシートは、前記製品エリアの少なくとも一辺の外側に沿って耳部を併有し、かかる耳部に形成したメッキ用電極と、前記裏面側凹部に形成される後述のメタライズ層、および表面に形成される前記封止用の後述するメタライズ層とが、導通可能とされている。
加えて、前記刃物は、ステンレス鋼や、あるいは硬質セラミックなどからなる。
これによれば、ベースグリーンシートの表面と裏面側凹部の天井面との間における前記グリーンシートの厚みが0.20mm以下で且つ裏面側凹部の前記幅が0.1mm以上であっても、刃物の刃先角が22度以上で且つ30度未満であるため、上記厚みのブリッジ状のグリーンシートを撓ませず、且つ該刃物自体を左右に振らさずに、確実に挿入して、第1ブレーク溝を確実に形成できる。
尚、前記グリーンシートの厚みが0.20mmを越えたり、前記裏面側凹部の幅が0.1mm未満になると、ベースグリーンシートの表面と裏面側凹部の天井面との間に位置するブリッジ状のグリーンシート自体が撓みにくくなるため、かかる範囲を本発明の対象から除いたものである。
これによれば、刃物の刃先角が前記範囲であるため、切断予定面に跨って、ベースグリーンシートの表面に形成された封止用の前記メタライズ層を、前記刃物の刃身相当分の幅で左右に分割して、第1ブレーク溝を容易且つスムーズに形成できる。しかも、上記メタライズ層のバリやクズの発生をなくすか、あるいは極く僅かに抑制することも可能である。
また、本発明には、前記第1ブレーク溝の最深部は、前記裏面側凹部の天井面よりも裏面側に達している、多数個取り配線基板の製造方法(請求項4)も含まれる。
これによれば、裏面側凹部の天井面に形成される未焼成のメタライズ層に第1ブレーク溝の最深部が達しても、前記刃物における前記範囲の刃先角の刃先付近のみが裏面側凹部の天井面の付近に挿入されるため、上記メタライズ層をスムースに分割して切断でき、且つ該メタライズ層のバリやクズの発生を防止できる。しかも、第1ブレーク溝の最深部が裏面側凹部に達しているので、かかる裏面側凹部に形成されるメタライズ層の表面に対し、追って施される電解メッキ工程で使用されるメッキ液の流動性を向上させることも可能となる。
これによれば、前記第1ブレーク溝、切断予定面、および上記第2ブレーク溝が、製品エリアの各製品部を区画するため、焼成後に第1・第2第2ブレーク溝に沿って製品エリアを、複数の配線基板に切断・分割した際に、個々の配線基板の側面を形状・寸法共に安定したものにできる。しかも、前記裏面側凹部の天井面や内壁面に形成されたメタライズ層を、焼成後において個々の配線基板の側面に開口する凹部端子として、精度良く形成することも可能となる。
これにれば、上記焼成工程およびメッキ工程後に第1・第2第2ブレーク溝に沿って製品エリアを、複数の配線基板に切断・分割することで、所要寸法および形状を有し、且つ側面に開口しNiメッキおよびAuメッキが被覆された凹部端子を有する配線基板を、同時且つ確実に複数個製造することが可能となる。
図1は、本発明によって製造される一形態の多数個取り配線基板1の平面図、図2は、その底面図、図3は、図1,図2中のX−X線の矢視に沿った部分垂直断面図、図4は、図1,図2中のY−Y線の矢視に沿った部分垂直断面図である。
多数個取り配線基板1は、図1乃至図4に示すように、複数のセラミック層s1〜s4を積層してなり、平面視が長方形(矩形)を呈する表面3および裏面4を有する基板本体2と、該基板本体2の四辺の内側に沿って配設され、平面視が矩形枠を呈する耳部mと、該耳部mの内側に配設され、分割後にパッケージ(配線基板)となる複数の製品部pを縦横に連続して有する製品エリアaと、を備えている。前記セラミック層s1〜s4は、アルミナなどの高温焼成セラミックからなる。尚、表面3と裏面4とは、基板本体2、個々の製品部p、耳部m、および後述するベースグリーンシート(bg)について、以下にて共通して用いる。
図1,図3,図4に示すように、製品エリアaにおいて隣接する製品部p,p間や、製品エリアaと耳部mとの間を区画する第1ブレーク溝v1の両側には、封止用のメタライズ層6が形成されている。かかるメタライズ層6は、個々の製品部pの表面3における四辺に沿って平面視が四角枠形を呈し、且つ耳部mにおける製品エリアaの四辺に沿って平面視が四角枠形を呈している。尚、メタライズ層6は、WまたはMoからなる基体の表面に、図示しないNiメッキ層およびAuメッキ層が被覆されている。
更に、図2,図3,図4に示すように、基板本体2の裏面4には、縦横に交差する第2ブレーク溝v2および切断予定面cに沿って、平面視が長円形の裏面側凹部7が複数個形成され、かかる裏面側凹部7の天井面8および内壁面には、全体がほぼ長円筒形を呈するメタライズ層9が形成されている。尚、該メタライズ層9や前記表面電極fも、WまたはMoからなる基体の表面に、図示しないNiメッキ層およびAuメッキ層が被覆されている。
更に、図2,図3に示すように、第1ブレーク溝v1の最深部は、裏面側凹部7の天井面8よりも裏面4側に達しており、裏面4側からも視認可能である。
加えて、前記裏面側凹部7の天井面8および内壁面に形成されたメタライズ層9と、前記表面3に形成されたメタライズ層6との間は、前記同様のビア導体vを介して、導通可能とされている。尚、前記耳部mの内周部に沿って位置するメタライズ層9は、図示しない接続配線を介してメッキ用電極と導通されている。
予め、アルミナ粉末、有機バインダ、および溶剤などを適量ずつ配合して、同じ材料組成のセラミックスラリーを作り、ドクターブレード法によって、図5の部分断面図に示すように、大版サイズの4枚のグリーンシートg1〜g4を製作した。
次に、追って前記セラミック層s1,s2となるグリーンシートg1,g2には、図5に示すように、平面視が矩形の貫通孔h1を、平面視で格子状の配列となるように、縦・横方向に沿って、打ち抜き加工によって形成した。
このうち、最上層のセラミック層s1となるグリーンシートg1には、更に、隣接する貫通孔h1,h1間に、複数のビアホールh3を形成した。また、第2層のセラミック層s2となるグリーンシートg2には、更に、隣接する貫通孔h1,h1間に、平面視が長円形の貫通孔h2を縦・横方向に沿って形成した。
次いで、図6に示すように、グリーンシートg1,g3の各ビアホールh3内に、W粉末を含む導電性ペーストを充填して、未焼成のビア導体vを形成した。
また、グリーンシートg2〜g4の各貫通孔h2ごとの内壁面に、上記同様の導電性ペーストを吸引・塗布して、未焼成でほぼ長円筒形のメタライズ層9aを形成した。更に、グリーンシートg1,g3,g4の表面および裏面の少なくとも一方に対し、前記同様の導電性ペーストをスクリーン印刷して、図6に示すように、未焼成のメタライズ層6、メタライズ層9b、表面電極f、および配線層10を形成した。
次に、図6中の矢印で示すように、前記グリーンシートg1〜g4を厚み方向に沿って、前記貫通孔h1、貫通孔h2、およびメタライズ層9aがそれぞれ個別に連続するように、積層し且つ圧着した。
同時に、図7に示すように、上下3個の前記貫通孔h2が連続したことで、ベースグリーンシートbgの裏面4に開口する裏面側凹部7が形成されると共に、かかる裏面側凹部7の内壁面および天井面8には、3個の前記メタライズ層9aとメタライズ層9bとによって、全体がほぼ長円筒形を呈する未焼成のメタライズ層9が形成された。該メタライズ層9は、その側面から各製品部pのグリーンシートg3,g4間に延びた配線層10、およびビア導体vを介して、前記表面電極fと導通可能となった。
尚、ベースグリーンシートbgにおける製品エリアaの外側には、未焼成の前記耳部m(図示せず)が形成された。
図8中で下向きの実線の矢印で示すように、ベースグリーンシートbgの製品エリアaにおいて、隣接する製品部p,p間を区画する切断予定面cに沿って、上方から第1刃物(刃物)B1を、封止用のメタライズ層6における幅方向の中間位置、およびキャビティ5,5に挟まれたグリーンシートg1,g2の幅方向の中間に位置に対し、垂直に挿入して断面ほぼV字形の第1ブレーク溝v1を形成した。上記第1刃物B1は、例えば、ステンレス鋼からなり、その刃先角θ1は、22度以上で且つ30度未満の鋭角である。そのため、第1ブレーク溝v1内の角度は、約21度〜30度程度の狭い角度となった。
尚、図8中の破線の矢印は、前記第1・第2刃物B1,B2をそれぞれ抜き出した際の方向を示す。
以上のような第1・第2ブレーク溝v1,v2は、ベースグリーンシートbgの製品エリアaにおいて、隣接する製品部p,p間を区画する切断予定面c、および製品部pと耳部mとの間を区画する切断予定面cに沿って、縦横に複数ずつ順次形成され、平面視で全体が格子形状となった。
そして、基板本体2の耳部mに形成された複数のメッキ用電極ごとに、図示しない電極棒を接触させた状態で、かかる基板本体2を所定のメッキ液槽に順次浸漬して、電解Niメッキおよび電解Auメッキを施した。この際、第1ブレーク溝v1の最深部が、前記裏面側凹部7の天井面8よりも裏面4側に達していたので、上記メッキ液が裏面側凹部7内において、比較的均一に流動化された。その結果、裏面側凹部7内に位置するメタライズ層9の表面全体に対し、電解Niメッキおよび電解Auメッキを、比較的均一に施すことができた。
以上のような多数個取り配線基板1の製造方法によれば、第1刃物B1の刃先角θ1が前記範囲内にあるため、第1刃物B1の刃身が左右に振れにくく、ベースグリーンシートbgの表面3側からスムースに挿入でき、且つ裏面側凹部7の天井面8を形成するグリーンシートg1が裏面4側に撓まなった。更に、切断予定面cに跨って、ベースグリーンシートbgの表面3に形成された封止用の前記メタライズ層6を、第1刃物B1で左右に分離して、スムースに第1ブレーク溝v1を形成でき、且つ該メタライズ層6のバリやクズの発生を皆無にすることができた。しかも、第2刃物B2による第2ブレーク溝v2の形成工程でも、裏面側凹部7内のメタライズ層9からのバリやクズの発生を皆無にすることができた。
例えば、前記グリーンシートは、ムライトや窒化アルミニウムなどの高温焼成セラミック、あるいはガラス−セラミックなどの低温焼成セラミックを含むものとしても良い。高温焼成セラミックを含む場合、前記メタライズ層などの導体を形成する導電性ペーストは、Mo粉末を含むものとしても良い。一方、低温焼成セラミックを含む場合、上記導電性ペーストは、CuまたはAg粉末を含むものが用いられる。
また、積層すべきグリーンシートは、2,3層や5層以上であっても良い。
更に、前記裏面側凹部は、断面が円形で且つ全体がほぼ円柱形の形態としても良く、その内側に形成されるメタライズ層は、ほぼ相似形の円筒形となる。
また、前記製品部は、平面視がほぼ正方形を呈する形態としても良い。
加えて、前記製品部は、表面に開口するキャビティを有するほぼ板形状、あるいはキャビティおよび封止用のメタライズ層を有しない平板形状の配線基板の形態としても良い。
3……………表面
4……………裏面
6……………封止用のメタライズ層
7……………裏面側凹部
8……………裏面側凹部の天井面
9……………裏面側凹部内のメタライズ層
g1〜g4…グリーンシート
bg…………ベースグリーンシート
a……………製品エリア
p……………製品部
c……………切断予定面
v1,v2…第1・第2ブレーク溝
B1…………第1刃物(刃物)
θ1…………第1刃物の刃先角
t……………グリーンシートの厚み
d……………裏面側凹部の幅
Claims (6)
- 複数のグリーンシートを積層してなり、且つ表面および裏面を有し、分割後に配線基板となる複数の製品部を縦横に連続して有する製品エリアと、裏面に開口し、隣接する製品部を区画する切断予定面と交差して形成され、表面に露出せず且つ内壁面に未焼成のメタライズ層を有する裏面側凹部と、を備えたベースグリーンシートに対し、
上記ベースグリーンシートの表面側から各製品部を区画する切断予定面に沿って、刃先角が22度以上で且つ30度未満の刃物を挿入して、かかる刃先角と同様な角度の断面である第1ブレーク溝を形成する工程を、含む、
ことを特徴とする多数個取り配線基板の製造方法。 - 前記ベースグリーンシートの表面と前記裏面側凹部の天井面との間における前記グリーンシートの厚みは、0.20mm以下であると共に、上記裏面側凹部の切断予定面と直交する方向の幅は、0.1mm以上である、
請求項1に記載の多数個取り配線基板の製造方法。 - 前記ベースグリーンシートにおいて、互いに隣接する製品部ごとの表面には前記切断予定面を含んで、未焼成の封止用メタライズ層が形成されている、
請求項1または2に記載の多数個取り配線基板の製造方法。 - 前記第1ブレーク溝の最深部は、前記裏面側凹部の天井面よりも裏面側に達している、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の多数個取り配線基板の製造方法。 - 前記ベースグリーンシートの裏面側から各製品部を区画し、且つ前記裏面側凹部と交差する前記切断予定面に沿って、最深部が裏面側凹部の天井面に達しない深さの第2ブレーク溝を形成する工程を更に有する、
請求項1乃至4の何れか一項に記載の多数個取り配線基板の製造方法。 - 前記第1および第2ブレーク溝を形成する工程の後に、前記裏面側凹部のメタライズ層の表面にメッキ層を形成する工程と、これらが形成された前記ベースグリーンシートを焼成する工程と、を行う、
請求項1乃至5の何れか一項に記載の多数個取り配線基板の製造方法。
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