JP2002016341A - 連結セラミック配線基板の製造方法、および配線基板の製造方法。 - Google Patents
連結セラミック配線基板の製造方法、および配線基板の製造方法。Info
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Abstract
かつ十分な厚みのメッキ層を形成することが可能な連結
セラミック配線基板の製造方法および配線基板の製造方
法を提供すること。 【解決手段】 第1主面24側から各製品部21の外周
境界線に沿って第1溝形成刃40を差し入れ、第2主面
側凹部27と連通する第1ブレーク溝28を形成する工
程と、未焼成セラミック大判31を焼成し、第1ブレー
ク溝28に沿って形成された封止用メタライズ層5を有
する連結セラミック配線基板51とする焼成工程と、を
備え、上記未焼成メタライズ層25をなすメタライズペ
ーストをその焼成収縮率が、上記未焼成セラミック大判
31をなすセラミックグリーンシートの焼成収縮率より
大きいものとしたことを特徴とする連結セラミック配線
基板の製造方法。
Description
線基板の製造方法および配線基板の製造方法に関し、詳
しくは、分割後にSAWフィルタ、水晶振動子、トラン
ジスタ、発光素子、IC等の電子部品を封止するパッケ
ージとして用いられるセラミック製の配線基板(リード
レスチップキャリア)となる連結セラミック配線基板の
製造方法、およびその連結セラミック配線基板を分割し
て得られる配線基板の製造方法に関する。
小型電子部品を収容するための電子部品収納用の配線基
板61は、図6に示すようにアルミナセラミック等の電
気絶縁材料からなり、第1主面(上面)64中央に電子
部品を搭載するための第1主面側凹部(キャビティ)6
2、タングステン、モリブデン等の高融点金属粉末から
なる配線用メタライズ層、第1主面上に第1主面側凹部
62を包囲して設けられ、上面に金属製蓋体が接合され
る平面四角枠状の封止用メタライズ層65とを有し、第
1主面側凹部62内には電子部品の各電極を上記配線用
メタライズ層に電気的に接続しつつ電子部品を搭載し、
しかる後、封止用メタライズ層65に金属製蓋体をハン
ダ等の封止材を介して接合させ、電子部品を気密封止す
ることによって最終製品となる。
基板61は、配線層用や封止用のメタライズ層65をな
すメタライズペースト(インク)の印刷されたアルミナ
などからなるセラミックグリーンシートを積層、圧着
し、これを焼成して製造されるのが普通である。このよ
うな配線基板61は、通常、生産性を上げるため、数十
ないし数百の配線基板部分(製品部)が縦横に繋がった
形のセラミックグリーンシートを積層、圧着し、その状
態において焼成し、多数の基板が縦横に連なった連結セ
ラミック配線基板81とし、最終工程でこれを個々の基
板単位に分割する(折り取る)ことで大量生産している
(図7参照)。
可能とするため、積層されたセラミックグリーンシート
積層体(本明細書におい未焼成セラミック大判という)
の段階で、隣接する基板部分相互の境界に第1ブレーク
溝78(以下単に溝ともいう)を入れておくのが普通で
ある(図7参照)。すなわち、溝入りの未焼成セラミッ
ク大判を焼成して、封止用メタライズ層65および配線
用メタライズ層の露出表面にニッケルおよび金からなる
メッキ層を電解メッキにより順次層着し、第1ブレーク
溝78の形成された連結セラミック配線基板81とし、
第1ブレーク溝78に沿ってブレーク(分断)して基板
単位に個分けするのである。
その側面に半径約0.2mm程度の断面略半円状の切欠
部67が複数形成されており、この切欠部67の内壁面
に設けられた切欠メタライズ層69を介して配線用メタ
ライズ層が外側面および第2主面66側に導出されてい
る。したがって、連結セラミック配線基板81には、分
割後に配線基板を実装基板と電気的に接続するための切
欠部67となる断面略円状の第2主面側凹部77が形成
されている。この第2主面側凹部77はその内周面およ
び底面に凹部メタライズ層79が形成されており、分割
すると断面略半円状の切欠部67および切欠メタライズ
層69が配線基板の外側面に形成される(特開2000
−68414号公報参照)。
表面に電解メッキ方法によりニッケルメッキ層および金
メッキ層を層着させる場合、第2主面側凹部77の内表
面にある凹部メタライズ層79は一方が塞がれていて凹
部内でのメッキ液の循環が極めて悪いことから、メッキ
を完全に層着させることができず、凹部メタライズ層7
9の表面が露出した状態となってしまう。そのためこの
露出部に大気中に含まれる水分が付着すると該水分がニ
ッケルメッキ層および金メッキ層に接触して電解質とし
て働き、ニッケルメッキ層と金メッキ層との間に両金属
のエネルギー準位の相違から電流が流れる電気作用を生
じてエネルギー準位が低いニッケルメッキ層を徐々に溶
出させ、隣接する凹部メタライズ層79間を短絡させて
しまうという欠点が知られている(特開平6−3329
7号公報参照)。
示すように、第1主面側の第1ブレーク溝88と第2主
面側凹部77とを連通させ、第2主面側凹部77内に第
1ブレーク溝88を介してメッキ液を流通させる方法が
知られている(特開平9−74151号公報参照)。
ク溝と第2主面側凹部とを連通させるためには、図8の
連結セラミック配線基板91に示すように、その分だけ
第1ブレーク溝を深く形成する必要がある。第1ブレー
ク溝を形成するための溝形成刃を深くいれると、溝形成
刃の刃先角が大きければ、図8に示すように、第1ブレ
ーク溝88の第1主面74上での開口幅が大きくなって
しまい、封止用メタライズ層65が十分な幅をもって形
成できないか、配線基板が大型化してしまうという問題
が生じる。
9に示す連結セラミック配線基板のように、第1ブレー
ク溝98の第1主面64上での開口幅は小さく抑制でき
るが、焼成前のスプリングバックや焼成時の溶着等(特
開2000−141344号参照)により第1ブレーク
溝98、特に第1ブレーク溝98と第2主面側凹部77
との連通部が塞がってしまい、第2主面側凹部77内で
のメッキ不良、ブレーク性悪化等の不具合を引き起こす
ことがあった。このようなブレーク性の悪化は、セラミ
ック基板の焼成過程での収縮が20%程度と大きいた
め、焼成前に入れられた第1ブレーク溝98の幅が狭く
なることなどにも起因するものと考えられる。
レーク溝の幅を大きくしたり、溝(溝底)の角度を大き
くしたりして対処していた。ところが、一辺が数mmし
かない小さな配線基板の製造では、このような対策には
自ずと限界がある。しかも小さな配線基板用の大判ほ
ど、一定間隔における溝数が多くなる。一方、プレスに
よって入れられたブレーク溝は、溝形成刃を抜いた後で
セラミックグリーンシートの弾性によって幾分復元する
(閉じる)ように作用することから、配線基板が小さく
なるほど溝幅は狭くなりがちであり、ブレーク溝の融着
が発生しやすい。
うな問題に加えて次のような問題もあった。セラミック
製配線基板のうち、第1主面の周囲にコバール等からな
る封止用リング(金属枠)がロウ付けなどにより接着さ
れる配線基板は次のようにして製造される。すなわち、
焼成後、大判の段階で基板単位の部分の表面の周囲つま
りブレーク溝に沿って形成された封止用メタライズ層に
メッキをかけ、その後において各基板部分の封止用メタ
ライズ層にロウ材(球状又は棒状等の銀ロウなど)をセ
ットしてシールリングを配置し、これを一括してロウ付
けしていた。このリングの配置、ロウ付けにおいては、
隣接する基板部分相互の境界はブレーク溝がなすが、リ
ング同士の間隔(空隙)は、ブレーク溝分の微小な間隙
しか確保されない。
ク溝分の微小な間隙であり、しかもその溝幅が狭いこと
から、ロウ付け時に溶融したロウがブレーク溝に流れ込
んで融着したり、同溝でブリッジを形成したり、溝を埋
めたりすることがあった。このような状態となると、第
1ブレーク溝と第2主面側凹部との連通が確保されなく
なり、第2主面側凹部内の凹部メタライズ層へのメッキ
層着不良が生じることになる。また、前記したブレーク
溝の融着による問題と同様、ブレークに支障がでるた
め、分割後の製品に欠けなどの不良が発生しがちとな
る。そして、こうした問題も小さな配線基板ほど発生し
やすい。なお、このような問題の対策としては、リング
をブレーク溝からなるべく距離をおいて配置することが
考えられる。つまりリング接着面をなす封止用メタライ
ズ層をブレーク溝(基板の外縁)からなるべく離すこと
で溶融ロウの流れ込みを防ぐというものであるが、一辺
が数mmといった小型の基板では、そのような寸法上の
余裕はない。したがって、従来こうした小型の基板の製
造歩留まりはきわめて低いものであった。本発明は、こ
うしたセラミック製配線基板の製造上における問題点を
解消することをその目的とする。
め、請求項1に記載の発明は、第1主面及び第2主面を
有し、分割後に多数の配線基板となる製品部と、第1主
面側に開口する電子部品搭載用の第1主面側凹部と、各
製品部の外周境界線の内側に第1主面側凹部を包囲して
設けられた未焼成封止用メタライズ層と、第2主面側の
各製品部の外周境界線上に第2主面側に開口して設けら
れ、内壁面に未焼成凹部メタライズ層を有する第2主面
側凹部と、を備えた未焼成セラミック大判に対し、第1
主面側から各製品部の外周境界線に沿って第1溝形成刃
を差し入れ、第2主面側凹部と連通する第1ブレーク溝
を形成する工程と、上記未焼成セラミック大判を焼成
し、第1ブレーク溝に沿って形成された封止用メタライ
ズ層と、第2主面側凹部内に形成された凹部メタライズ
層と、を有する連結セラミック配線基板とする焼成工程
と、上記封止用メタライズ層上および凹部メタライズ層
上にメッキを施すメッキ工程と、を備え、上記未焼成封
止用メタライズ層をなすメタライズペーストをその焼成
収縮率が、上記未焼成セラミック大判をなすセラミック
グリーンシートの焼成収縮率より大きいものとしたこと
を特徴とする。
焼成収縮率とは、メタライズペーストが焼成されるまで
の収縮率をいい、また、セラミックグリーンシートの焼
成収縮率とは、セラミックグリーンシートが焼成される
までの収縮率をいうものとする。
方法においては、第1主面側から第1ブレーク溝が入れ
られた多数個取りの未焼成セラミック大判(以下単に大
判とも言う)を焼成し、メッキなどの各工程を経て同溝
に沿って分断(いわゆる、チョコレートブレーク)する
際には次のようである。このような配線基板の製造にお
いては、大判の焼成工程で各製品部(基板部分)の周囲
における未焼成封止用メタライズ層の焼成収縮がセラミ
ックのそれより大きいため、第1ブレーク溝の開口にお
いて同溝幅の拡張作用が発揮される。すなわち、焼成過
程において封止用ブレーク溝が融着するのを防止する働
きをするため、第1ブレーク溝と第2主面側凹部との連
通が阻害されたり、ブレーク性が低下したりするのが防
止される。
ラミックとメタライズ層の焼成収縮率の差による基板の
反り等の変形や内部配線の切断等の不具合の発生を防止
するため、配線層や封止面をなすメタライズ層用のメタ
ライズペーストは、その焼成収縮率がセラミックグリー
ンシートの焼成収縮率と努めて同じとなるように調製さ
れたものが使用されていた。したがって、焼成されるこ
とで焼成済み大判はその全体について均一に収縮する。
一方、焼成前に入れられるブレーク溝の幅は0.05〜
0.08mm程度と微小であり、これも焼成収縮率によ
り同様に狭くなることから第1ブレーク溝は融着を起こ
し易いと考えられる。
方の主面(第1主面)の周囲の封止用メタライズ層をそ
の焼成収縮率が、セラミック製配線基板をなすセラミッ
クの焼成収縮率より大きいものとしたため、前記の製法
ではその封止用メタライズ層はセラミックよりも大きく
縮む。つまり前記の製法では、大判を平面的に見ると第
1ブレーク溝の両側の製品部(基板部分)の周囲にある
封止用メタライズ層は、焼成過程でそれぞれ未焼成封止
用メタライズ層の面に沿って表面のセラミックを圧縮す
るため、第1ブレーク溝の幅をその開口側を開かせるよ
うに作用する。したがって、焼成後は、従来のようにセ
ラミックと同じ焼成収縮率の未焼成封止用メタライズ層
を使用した場合に比べると溝の幅が広がるため、融着が
防止される。かくして、その後、第2主面側凹部内の凹
部メタライズ層へのメッキ層着性が改善され、第1ブレ
ーク溝に沿って個分けする際の不具合の発生が防止され
る結果、製造歩留まりの向上が図られる。
及び第2主面を有し、分割後に多数の配線基板となる製
品部と、第1主面側に開口する電子部品搭載用の第1主
面側凹部と、各製品部の外周境界線の内側に第1主面側
凹部を包囲して設けられた未焼成封止用メタライズ層
と、第2主面側の各製品部の外周境界線上に第2主面側
に開口して設けられ、内壁面に未焼成凹部メタライズ層
を有する第2主面側凹部と、を備えた未焼成セラミック
大判に対し、第1主面側から各製品部の外周境界線に沿
って第1溝形成刃を差し入れ、第2主面側凹部と連通す
る第1ブレーク溝を形成する工程と、上記未焼成セラミ
ック大判を焼成し、第1ブレーク溝に沿って形成された
封止用メタライズ層と、第2主面側凹部内に形成された
凹部メタライズ層と、を有する連結セラミック配線基板
とする焼成工程と、上記メタライズ層に封止リングを接
着する接着工程と、上記封止用メタライズ層上および凹
部メタライズ層上にメッキを施すメッキ工程と、を備
え、上記未焼成封止用メタライズ層をなすメタライズペ
ーストをその焼成収縮率が、上記未焼成セラミック大判
をなすセラミックグリーンシートの焼成収縮率より大き
いものとしたことを特徴とする。
結セラミック配線基板における各製品部(基板部分)の
周囲の封止用メタライズ層、その他メタライズ層にメッ
キをかけ、その後においてロウ材がセットされ、その
後、リングが配置されてロウ付けされ、さらに、所定の
メッキをかけた後で個々の基板ごとにブレークされる。
したがって、このような基板についても前記製法におい
て、大判の第1ブレーク溝はその開口側が拡張作用を受
ける。つまり、隣接する製品部相互の封止リング同士の
間隔をなす第1ブレーク溝は、従来技術による場合より
も広がるため、その分、封止リングのロウ付け時におい
ても溶融したロウが第1ブレーク溝に流れて融着した
り、第1ブレーク溝と第2主面側凹部との連通部分を塞
いだり、ブリッジを形成したりするなどの不具合が生じ
にくい。
で溝幅の拡張作用があるため、第1ブレーク溝が融着し
難いし、封止用リングをロウ付けする場合には接着剤
(ロウ)がブリッジを形成し難い。したがって、いずれ
の方法においても、製品部単位とするブレーク時におけ
る不具合が回避される。また、第2主面側凹部内へ第1
ブレーク溝を介してメッキ液が流通・循環するため、第
2主面側凹部内のメタライズ層への電解メッキ層形成も
良好に行える。なお、いずれの方法においても、前記セ
ラミックグリーンシートの焼成収縮率を1としたとき、
前記メタライズペーストの焼成収縮率が1.01〜1.
3の範囲にあるようにするのが好ましい。
上での幅は、前記第2主面側凹部の径よりも小さくする
ことが好ましい。配線基板の小型化の要請に応えつつ、
封止用メタライズ層の幅を最大限確保するには、第1主
面上での第1ブレーク溝の開口幅はできるだけ小さくす
るのが好ましく、具体的には第2主面側凹部の径よりも
小さくすることが好ましい。本来、第2主面側凹部を第
1主面側まで貫通させずに有底孔とした理由は、第1主
面上で封止用メタライズ層を設けるのに十分なスペース
を確保するためであるから、特開平9−74151号公
報第5図に示すように、第1主面上での第1ブレーク溝
の開口幅を第2主面側凹部の径と同等以上にすると、第
2主面側凹部を有底孔とした本来の効果が得られなくな
ってしまう。
を有する板状部と、所定の刃先角を有する先端部と、上
記板状部と先端部との間に位置し、上記先端部の刃先角
より小さなテーパ角を有する中間部と、を有するものと
するとよい。先端部の刃先角は、第1ブレーク溝の融着
を防止するためには、比較的大きい(鈍角)とするのが
好ましく、中間部のテーパ角は第1主面上での第1ブレ
ーク溝の開口幅を最小限とするためには、比較的小さく
するのが好ましい。
は、スプリングバックおよび溶着を防止するためには、
30°以上が好ましく、35°以上がより好ましい。ま
た、中間部の角度は、30°以下が好ましく、25°以
下がより好ましい。
溝形成刃を上記中間部まで差し入れて形成するのが好ま
しい。第1溝形成刃を板状部(ストレート部)まで差し
入れると、第1溝形成刃を引き抜くときに、第1ブレー
ク溝の側壁を擦り上げてしまい、第1主面上の第1ブレ
ーク溝開口近傍にバリを生じるなどの不具合が発生して
しまうからである。なお、ブレーク溝の側壁の擦り上げ
を防止するためには、中間部の角度は5°以上、さらに
は10°以上がより好ましい。
ク配線基板の製造方法によって製造した連結セラミック
配線基板を、前記第1ブレーク溝に沿って各製品部ごと
に分割することにより、各配線基板に個分けする配線基
板の製造方法を含む。上記製造方法で得られた連結セラ
ミック配線基板は、第1ブレーク溝での融着が防止され
ているので、精度良く分割される。しかも、第2主面側
凹部内の凹部メタライズ層にも均一にメッキ層が形成さ
れているので、第2主面側凹部を分割して得られた断面
略円状の切欠部に耐蝕性に優れた側面電極を形成するこ
とができる。
参照しつつ説明する。本実施例で製造されるセラミック
製の配線基板1を図1に示す。このセラミック製の配線
基板1は、3.8×3.8×1.1mmの略長方形状を
なし、第1主面(上面)4および第2主面(下面)6を
有している。配線基板1は、3層の積層構造で矩形板状
に形成され、中央には平面視方形で下方に向かって階段
状で幅狭となるキャビティー(凹部)2を備えている。
そして、配線基板1の第1主面4の周囲には、タングス
テン、モリブデンなどの高融点金属を主成分とする、封
止用メタライズ層5が所定の幅で平面視四角枠状に形成
されている。このメタライズ層5には図示はしないがニ
ッケルメッキ層が形成され、さらに最表面には金メッキ
層が形成されている。
欠部7(直径0.3mm、高さ0.8mm)が設けられ
ている。その内壁面には切欠メタライズ層9と、さらに
その表面に被着されたニッケルメッキ層および金メッキ
層が形成され、側面電極を成しており、内部の配線用メ
タライズ層(図示しない)と導通している。これらの切
欠部7は、第2主面6側に偏って形成されている。つま
り、第1主面4の外周縁には第2主面6の外周縁と異な
り、半円筒状の切欠部7による凹みが存在しない。この
ため、封止用メタライズ層5は、切欠部7の有無にかか
わらず、第1主面4の外周縁近傍まで形成することがで
きる。
して製造されるが、封止用メタライズ層5はその焼成収
縮率が25%のものが使用されており、基板1をなすセ
ラミック及びその他の図示しない内部配線などをなすメ
タライズ層は、焼成収縮率がともに20%のものが使用
されている。なお、このような配線基板1は、後工程で
キャビティ2に電子部品が搭載され、その後、図示しな
い蓋が被せられてメタライズ層5にハンダ付けされ、気
密封止される。
ついて、図2ないし図5を参照して詳細に説明する。ま
ず、基板1の各セラミック層をなし所定数の基板部分が
とれるように形成されたアルミナ(Al2O3)を主成
分とするセラミックグリーンシート(厚さ0.25〜
0.3mm)をそれぞれ製造する。そして、各セラミッ
ク層11、12、13に対応する形状に切断、打ち抜き
し、封止用メタライズ層や配線層さらには電解メッキ用
の共通導体層などのメタライズペーストを印刷する。
ミックグリーンシートの表面に印刷される封止用メタラ
イズ層5をなすもの以外は、セラミックグリーンシート
の焼成収縮率(本形態では20%)と同じとなるよう
に、例えばW(タングステン):Mо(モリブデン):
Al2O3(アルミナ)= 95:5:3の重量比とな
るように調製したものを使用した。一方、封止用メタラ
イズ層5をなすように印刷されるメタライズペーストの
み、焼成収縮率が25%となるように、W:Mо:Al
2O3を90:10:1の重量比となるように調製した
ものを使用し、厚さ0.02〜0.04mmで印刷し
た。なお、この封止用メタライズ層5をなすメタライズ
ペーストに含有されるW及びMоは1.0〜2.0μm
の粒径のものを使用した。
ートを積層、圧着して、図2に示す3層のセラミック層
11、12、13からなる未焼成セラミック大判31を
製造した。同図中、25は焼成後、封止用メタライズ層
をなすように第1主面24上に印刷されたメタライズペ
ースト(未焼成封止メタライズ層)である。このような
未焼成セラミック大判31においては、最外側の耳部
(枠状部)のみが捨て代となるように、縦横に連続して
製品部21が連なって配置されているのが普通である。
また本形態では、耳部(枠状部)のうち最外側の製品部
21との境界寄り部位にも、未焼成封止用メタライズ層
25が同様に印刷・形成されている。また、第2主面2
6側には、未焼成セラミック大判を焼成し、分割した後
で切欠部7となるように第2主面26側に開口して形成
された第2主面側凹部27が、各製品部21の外周境界
線上に形成されている。また、各第2主面側凹部27の
内壁面には、焼成後に凹部メタライズ層19、分割後に
切欠メタライズ層9となる未焼成凹部メタライズ層29
が設けられている。
の例えば第1主面側の製品部21の境界に、縦横に格子
状をなすように第1ブレーク溝28を第1溝形成刃40
(図4参照)を所定深さ(例えば、第1主面側から全厚
の40〜50%)差し入れて形成する(図3参照)。な
お、本実施形態では説明を省略するが、第2主面26側
にも、第1ブレーク溝28に対応する位置に第2溝形成
刃を所定深さ、例えば、第2主面側から全厚の10〜2
0%差し入れることによって第2ブレーク溝を形成する
とよい。ただし、第1ブレーク溝28は、製品部21相
互の境界をなすものであり、第1主面24では封止用メ
タライズペースト(層)25をその幅方向の略中央にお
いて切断している。
第1溝形成刃40を第2主面側凹部27の底面を貫通す
る深さまで差し入れる。この工程によって、内壁面に未
焼成凹部メタライズ層29を有する第2主面側凹部27
は、第2主面26側に開口するだけでなく、第1主面2
4側にも通じた状態になる。具体的には、第2主面側凹
部27の略円形状の底面の略中央に、第1ブレーク溝2
8によって、幅0.05mm〜0.08mmの開口(連
通部)が形成され、第2主面側凹部27と第1ブレーク
溝28とが連通している。
溝形成刃40を用いて第1ブレーク溝28を形成する。
すなわち、第1溝形成刃40は、略平行な板状部41
と、刃先角40°の先端部42と、18°のテーパ角を
有する中間部43と、からなる。このような第1溝形成
刃40を第1主面24側から中間部43の途中まで未焼
成セラミック大判31に差し入れて(図3参照)、引き
抜くことにより、各配線基板領域21の外周境界線に沿
って第1ブレーク溝28を形成する(図5参照)。な
お、第1主面24上での第1ブレーク溝28の幅は約
0.2mmであり、第2主面側凹部27の径よりも小さ
くされており、その分未焼成封止用メタライズ層25を
幅広に形成できる。
は40°)の刃先角をなすので、焼成前のスプリングバ
ックおよび焼成時の溶着を有効に防止できる。また、中
間部43は刃先角より小さなテーパ角(5°以上30°
以下、本実施形態では18°)となっているので、第1
溝形成刃40を深くまで差し入れても第1主面24上で
の開口幅があまり広くならないので、封止用メタライズ
層5をなす未焼成封止用メタライズ層25を十分な幅で
形成することができる。さらに、5°以上(本実施形態
では18°)のテーパ角を有する中間部43の途中まで
第1溝形成刃40を差し入れるので、擦り上げずに抜き
取ることができ、第1ブレーク溝28の第1主面24側
の開口近傍にバリが発生するのを防止できる。なお、本
実施形態では、第1ブレーク溝28(および第2ブレー
ク溝)を未焼成封止用メタライズ層の印刷・形成後に入
れたが、セラミックグリーンシートの成形後、焼成前で
あれば、未焼成封止用メタライズ層の印刷・形成前にい
れてもよい。
成し、連結セラミック配線基板(焼成済み大判)とす
る。このようにして得られた焼成済み大判の各基板部分
の境界をなす第1ブレーク溝28は、開口側が拡張する
ように変形している。すなわち、焼成後はセラミックの
焼成収縮により大判全体としてみると、未焼成セラミッ
ク大判31より略20%小さく薄くなっている。
用メタライズ層25のみ、収縮率が25%と大きいた
め、その差の5%分、第1主面側のセラミック層11の
最表面のうち封止用メタライズ層5の存在する各領域で
は、セラミック層11の最表面をその面に沿って収縮さ
せるように作用する。未焼成封止用メタライズ層25の
存在する各領域では、これに接するセラミック層11が
未焼成封止用メタライズ層25の焼成収縮によって表面
に沿って縮められる力を受けるため、同表面に沿って圧
縮されるように変形する。その変形はセラミック層11
の最表面で最大となる。
焼成封止用メタライズ層25が両側に存在する第1ブレ
ーク溝28には、その溝幅を広げる作用が働くため、そ
の分、従来の溝の開口状態よりも広くなるため、焼成し
て得られる連結セラミック配線基板51はその第1ブレ
ーク溝28が融着又は閉じることが積極的に防止された
ものとなる。また、この焼成工程により、未焼成封止用
メタライズ層25、未焼成凹部メタライズ層29は、封
止用メタライズ層5、凹部メタライズ層59となる。な
お、その他の部位については、簡略化のため、焼成前と
焼成後について同一符号をもって記載するものとする。
(焼成基板)51は、その後、封止用メタライズ層5な
どに、電解メッキにより、ニッケル(Ni)メッキ及び
金(Au)メッキをかけることで連結セラミック配線基
板(焼成済み大判)として完成する。このメッキ工程に
おいても、第1ブレーク溝28に融着がなく第2主面側
凹部27との連通が十分に確保されているため、第2主
面側凹部27内においてもメッキ液が十分に流通・循環
し、第2主面側凹部27内壁面のメタライズ層上にニッ
ケルメッキ層、金メッキ層を均一かつ十分な厚さで形成
することができる。
線基板51をブレーク溝に沿ってブレークする(折り取
る)ことで短冊状とし、さらに、基板1ごととなるよう
にブレークすることで、図1に示したセラミック製の配
線基板1が一度に多数得られる。このブレークにおいて
は連結セラミック配線基板51のブレーク溝は、その作
業が円滑に行われる。また本形態では耳部(枠状部)の
うち、最外側の製品部21との境界寄り部位にも未焼成
封止用メタライズ層25と同様にメタライズペーストが
印刷されていたので、最外側の第1ブレーク溝28にお
いても融着が効果的に阻止される。すなわち、本形態の
配線基板及びその製法によれば、ブレークにおけるカケ
等の不具合の発生が防止されるため、製造歩留まりを高
めることができる。
層(ペースト)の組成は、基板をなすセラミックの焼成
収縮率を考慮し、溝幅の適切な拡張作用が得られる範囲
で、焼成収縮率がセラミックの焼成収縮率より大きくな
るように適宜に設定すれば良い。焼成収縮率を大きくす
るには、モリブデンの含有率を上げることと、含有する
モリブデン及びタングステンの粒径を小さくすることが
有効である。タングステンよりもモリブデンの方が焼結
性がよい(収縮が大きい)こと、粒径の小さい方が焼結
性がよいためである。
配線基板には、以下の工程により、表面には金メッキ層
は設けず、ニッケルメッキ層のみ形成した状態で封止用
メタライズ層5上に封止リングをロウ付けしてもよい。
各製品部21の封止用メタライズ層5に対応した平面視
四角枠状のロウ材(銀ろう)のプリフォームを各封止用
メタライズ層5上に載置し、加熱・溶融させて、ロウ材
を封止用メタライズ層5上に形成する。その後、予めロ
ウ材を被着させた封止用メタライズ層5の上に平面視四
角枠状のコバールからなる封止リングを載置し、このよ
うな状態で、再度、ロウ材を加熱溶融させ、封止リング
のろう付けを完了する。
シールリングの表面および各配線層の表面にNiメッキ
やAuメッキ等のメッキを施した後、各第1ブレーク溝
14に沿って分割され、多数の配線基板(チップキャリ
ア)となる。配線基板は、キャビティ2にSAWフィル
タ等の電子部品が搭載された後、シールリングに蓋を接
合する等して用いられる。
一つのみの溝形成刃を例示したが、テーパ角の異なる複
数の中間部を有する溝形成刃を用いることもできる。た
とえば、先端部が40°、第1中間部が25°、第2中
間部が18°というように複数の中間部を有する溝形成
刃も用いることができる。
形成刃を用いるのがより好ましいが、必ずしもこれに限
定されず、従来と同じく中間部のない溝形成刃を用いる
こともできる。その場合には、第1主面上での開口幅が
大きくなりすぎないように、刃先角を10°〜35°程
度にするとよい。この場合でも、基板における一方の主
面(第1主面)の周囲の封止用メタライズ層をその焼成
収縮率が、セラミック製配線基板をなすセラミックの焼
成収縮率より大きいものとしたため、その封止用メタラ
イズ層はセラミックよりも大きく縮み、第1ブレーク溝
が塞がるのを防止できる。
その形状ないし構造に関係なく具体化できるなど、本発
明の要旨を逸脱しない限りにおいて適宜設計変更して具
体化できる。また、本発明のセラミック製配線基板に
は、低温焼成のガラスセラミック製のもの、窒化アルミ
ニウムや窒化珪素などのアルミナ以外のセラミック製の
ものも含むことができる。
よれば、配線基板の製造における未焼成セラミック大判
の焼成過程で、第1ブレーク溝の溝幅を拡張させること
ができる。したがって、従来のように第1ブレーク溝の
融着などに起因する連結セラミック配線基板のメッキ不
良やブレーク不良を防止できるため、この種の製法にお
ける製造歩留まりの向上が図られる。本発明によれば、
水晶振動子などに用いられるリードレスチップキャリア
のように小型のセラミック製配線基板の製造において、
その効果に著しいものがある。
例を封止面側から見た斜視図。
図。
を形成する工程を示す説明図。
先端近傍の断面図。
大断面図。
図。
断面図。
断面図。
スト) 27 第2主面側凹部 28 第1ブレーク溝 29 未焼成凹部メタライズ層 31 未焼成セラミック大判 40 第1溝形成刃 41 板状部 42 先端部 43 中間部 51 連結セラミック配線基板 59 凹部メタライズ層
Claims (6)
- 【請求項1】 第1主面及び第2主面を有し、分割後に
多数の配線基板となる製品部と、第1主面側に開口する
電子部品搭載用の第1主面側凹部と、各製品部の外周境
界線の内側に第1主面側凹部を包囲して設けられた未焼
成封止用メタライズ層と、第2主面側の各製品部の外周
境界線上に第2主面側に開口して設けられ、内壁面に未
焼成凹部メタライズ層を有する第2主面側凹部と、を備
えた未焼成セラミック大判に対し、第1主面側から各製
品部の外周境界線に沿って第1溝形成刃を差し入れ、第
2主面側凹部と連通する第1ブレーク溝を形成する工程
と、 上記未焼成セラミック大判を焼成し、第1ブレーク溝に
沿って形成された封止用メタライズ層と、第2主面側凹
部内に形成された凹部メタライズ層と、を有する連結セ
ラミック配線基板とする焼成工程と、 上記封止用メタライズ層上および凹部メタライズ層上に
メッキを施すメッキ工程と、を備え、 上記未焼成封止用メタライズ層をなすメタライズペース
トをその焼成収縮率が、上記未焼成セラミック大判をな
すセラミックグリーンシートの焼成収縮率より大きいも
のとしたことを特徴とする連結セラミック配線基板の製
造方法。 - 【請求項2】 第1主面及び第2主面を有し、分割後に
多数の配線基板となる製品部と、第1主面側に開口する
電子部品搭載用の第1主面側凹部と、各製品部の外周境
界線の内側に第1主面側凹部を包囲して設けられた未焼
成封止用メタライズ層と、第2主面側の各製品部の外周
境界線上に第2主面側に開口して設けられ、内壁面に未
焼成凹部メタライズ層を有する第2主面側凹部と、を備
えた未焼成セラミック大判に対し、第1主面側から各製
品部の外周境界線に沿って第1溝形成刃を差し入れ、第
2主面側凹部と連通する第1ブレーク溝を形成する工程
と、 上記未焼成セラミック大判を焼成し、第1ブレーク溝に
沿って形成された封止用メタライズ層と、第2主面側凹
部内に形成された凹部メタライズ層と、を有する連結セ
ラミック配線基板とする焼成工程と、 上記メタライズ層に封止リングを接着する接着工程と、 上記封止用メタライズ層上および凹部メタライズ層上に
メッキを施すメッキ工程と、を備え、 上記未焼成封止用メタライズ層をなすメタライズペース
トをその焼成収縮率が、上記未焼成セラミック大判をな
すセラミックグリーンシートの焼成収縮率より大きいも
のとしたことを特徴とする連結セラミック配線基板の製
造方法。 - 【請求項3】 前記セラミックグリーンシートの焼成収
縮率を1としたとき、前記メタライズペーストの焼成収
縮率が1.01〜1.3の範囲にあることを特徴とする
請求項1または2に記載の連結セラミック配線基板の製
造方法。 - 【請求項4】 前記第1ブレーク溝の前記第1主面上で
の幅は、前記第2主面側凹部の径よりも小さいことを特
徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の連結セラミ
ック配線基板の製造方法。 - 【請求項5】 前記第1溝形成刃は、所定の厚さを有す
る板状部と、所定の刃先角を有する先端部と、上記板状
部と先端部との間に位置し、上記先端部の刃先角より小
さなテーパ角を有する中間部と、を有し、 前記第1ブレーク溝は、上記第1溝形成刃を上記中間部
まで差し入れて形成することを特徴とする請求項1乃至
4のいずれかに記載の連結セラミック配線基板の製造方
法。 - 【請求項6】 請求項1〜5に記載の連結セラミック配
線基板の製造方法によって製造した連結セラミック配線
基板を、前記第1ブレーク溝に沿って各製品部ごとに分
割することにより、各配線基板に個分けする配線基板の
製造方法。
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