JP2005302957A - 多数個取り配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属枠体が取着された多数個取り配線基板において、各配線基板領域を個片状に分割する際に、クラックやバリが発生したり、割れ残りが発生するのを防止することが可能な多数個取り配線基板を提供すること。
【解決手段】 多数個取り配線基板は、主面の中央部に複数の配線基板領域2が縦横に配列形成されるとともに外周部に枠状の捨て代領域3が形成された母基板1と、各配線基板領域2の上側主面の外周部に全周にわたって取着された金属枠体5と、各配線基板領域2に形成された配線導体6と、母基板1の主面に配線基板領域2同士の境界および配線基板領域2と捨て代領域3との境界に形成された分割溝4とを具備しており、捨て代領域3は、その上側主面が金属枠体5の上面と同じ高さである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、広面積の母基板の中央部に各々が半導体素子や水晶振動子等の電子部品を搭載するための小型の配線基板となる多数の配線基板領域を縦横の並びに一体的に配列形成して成る多数個取り配線基板に関するものである。
従来、例えば半導体素子や水晶振動子等の電子部品を収納するための電子部品収納用パッケージに用いられる小型の配線基板は、酸化アルミニウム質焼結体等のセラミック材料から成り、表面にタングステン等の金属材料から成る配線導体が形成された四角平板状のセラミック絶縁層を複数層、上下に積層した構成である。この配線基板に電子部品を収納し、電子部品の電極を配線導体の露出部分に半田やボンディングワイヤ等を介して電気的に接続することにより電子装置が形成される。
ところで、このような配線基板は近時の電子装置の小型化の要求に伴い、その大きさが数mm角程度の極めて小さなものとなってきており、多数個の配線基板の取り扱いを容易とするために、また配線基板および電子装置の製作を効率よくするために1枚の広面積の母基板中から多数個の配線基板を同時集約的に得るようになした、いわゆる多数個取り配線基板の形態で製作されている。
このような多数個取り配線基板の一例を図2に示す。多数個取り配線基板は、四角形状等の配線基板領域32が縦横に複数配列形成されるとともに外周部に枠状の捨て代領域33が形成された母基板31と、各配線基板領域32に形成された配線導体36とを具備した構成である。
各配線基板領域32の上側主面には、電子部品を搭載するための搭載部が形成されており、配線導体36は、一部が配線基板領域32の上側主面の搭載部、またはその周辺に露出するとともに、他の一部が配線基板領域32の下側主面や側面等に露出するようにして形成されている。
また、各配線基板領域32の上側主面には、通常、搭載部を取り囲むようにして封止用メタライズ層37が形成されている。この封止用メタライズ層37には、各配線基板領域32の搭載部に収容した電子部品の気密封止性をさらに高いものとするために、鉄−ニッケル−コバルト合金からなる金属枠体35が、銀−銅からなるろう材により接合されている。さらに、電子部品を搭載部に収容して所定の電極にワイヤボンディングやフリップチップ接続等の電気的接続手段により接合した後、この金属枠体35の上面に鉄−ニッケル−コバルト合金からなる板状の金属蓋体(図示せず)をシームウエルド法等の接合手段で接合することにより、搭載部が塞がれ、電子部品が気密封止される。
ここで、金属枠体35や金属蓋体として使用されるこの鉄−ニッケル−コバルト合金は、配線基板領域32の材質である酸化アルミニウム質焼結体等のセラミック材料に近い線膨張係数を有する金属として知られており、金属枠体35の上面に金属蓋体をシームウエルド法等で溶接する際の金属枠体35や蓋体の膨張,収縮にともなって生じる熱応力等の応力を小さくすることができ、応力により封止用メタライズ層37が絶縁基体から剥がれるという不具合を効果的に防止し、気密封止の信頼性を確保することができる。
しかる後、この多数個取りの状態の電子装置を個々の配線基板領域32に分割することにより多数個の製品としての電子装置が形成される。なお、配線基板領域32への電子部品の搭載は、多数個取り配線基板を個々の配線基板領域32に分割した後に行われる場合もある。
このような多数個取り配線基板においては、分割を容易とするために、母基板31の主面に、配線基板領域32同士の境界、および配線基板領域32と捨て代領域33との境界に沿って分割溝34が形成されている。
分割溝34が形成されている母基板31の分割は、例えば上面が平坦な支持板と、支持板の上面を水平に移動する硬質ゴム製の無端下ベルト43と、無端下ベルト43の上方に、無端下ベルト43と所定の距離をおいて平行に配置され、無端下ベルト43と同じ方向に同じ速度で移動する硬質ゴム製の無端上ベルト44と、無端下ベルト43の下面側に接し、無端下ベルト43を一定の速度で送る移送用ローラー45と、無端上ベルト44の上面側に、無端上ベルト44を上側から押さえつけるようにして配置された押圧ローラー41とを備えた装置により行われる。
なお、無端下ベルト43と無端上ベルト44との間の間隔は、各配線基板領域32の上側主面の外周部に金属枠体35が取着された多数個取り配線基板の高さよりも若干狭くなるように調整されている。また、移送用ローラー45および押圧ローラー41は、多数個取り配線基板の移動方向において、移送用ローラー45の中心の直上に位置する部位から押圧ローラー41の中心の直下に位置する部位までの距離が各配線基板領域32の外辺の長さと一致するように設定されている。つまり、無端下ベルト43と無端上ベルト44との間に母基板31を挟んで移送させることにより、移送用ローラー45が支点として作用し、押圧ローラー41が作用点として作用して移送用ローラー45の上側で順次母基板31が分割溝34に沿って破断し分割される。
この装置の無端下ベルト43上に母基板31を、その分割溝34と無端下ベルト43の移動方向とが略直角となるようにして載置し、これを無端下ベルト43と無端上ベルト44との間に挟んで移送しながら無端上ベルト44の上面に接触する押圧ローラー41によりセラミックの母基板31の上面に押圧力を加え、この押圧力により母基板31を、機械的強度の低い分割溝34が形成されている部位に沿って破断させることにより分割が行われる。
この場合、母基板31を分割するための分割装置において押圧力を加えるための押圧ローラー41は、母基板31の各配線基板領域32が過剰な押圧によるクラックや欠けの発生を防止するために、一定の押圧をかけられるようにその端部が油圧シリンダーやエアーシリンダー,電磁ソレノイド,スプリング等の手段により構成されている。
なお、隣接する配線基板領域32の境界上には、貫通導体40が形成されており、この貫通導体40は、隣接する配線基板領域32の配線導体36間や上下の配線導体36を電気的に接続するように形成されており、個々の配線基板領域32に分割する際に縦に分割されることにより、配線基板36の側面に位置する側面導体(キャスタレーション導体)となる。
このような多数個取り基板は、例えば、酸化アルミニウム等の原料粉末を有機溶剤,バインダーとともにシート状に成形して複数のセラミックグリーンシートを作製し、このセラミックグリーンシートに、配線導体36や封止用メタライズ層37,外周メタライズ層39等となるタングステン等の金属ペーストを印刷した後、積層し、高温で焼成することにより製作される。
特開2001−352003号公報
しかしながら、このような従来の多数個取り配線基板においては、配線基板領域32の上側主面には金属枠体35が取着されているのに対し、捨て代領域33にはそのような金属枠体35が取着されないため、配線基板領域32に対して捨て代領域33の高さが低くなっている。そのため、配線基板領域32の高さに合わせて分割用の装置の無端下ベルト43と無端上ベルト44との間の間隔を調整すると、捨て代領域33においては母基板31の上面と無端上ベルト44との間に隙間が生じ、押圧ローラー41から母基板31に作用する押圧力が不十分となるため、分割溝34に沿って配線基板領域32を分割するのが困難になるという問題があった。
特に、近時の電子装置に対する多用な形状、特性の要求に応じて、金属枠体35の厚さが厚くされたり、配線基板領域32の1辺の長さが短くされたりする傾向がある。特に、配線基板領域32の厚みに対して金属枠体35の厚みが厚い製品においては、捨て代領域33に隣り合う配線基板領域32と捨て代領域33との間に生じる段差が大きくなる。また、配線基板領域32の一辺の長さが短い場合、分割装置において支点となる移送用ローラー45と作用点となる押圧ローラー41との間隔が小さくなって分割溝34に沿って母基板31を破断させるために作用する押圧力が小さくなることから、この現象が顕著に見られる。
本発明はかかる問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、母基板の配線基板領域の上側主面に金属枠体が取着された多数個取り配線基板において、各配線基板領域を個片状に分割する際に、クラックやバリが発生したり、割れ残りが発生するのを防止することが可能な多数個取り配線基板を提供することにある。
特に、電子装置に対する多品種の要求のため、これに応じて配線基板領域の厚みに対して金属枠体の厚さが厚くなったり、配線基板領域の1辺の長さが短くなったりしたとしても上記のようなクラックやバリ等を生じることなく、母基板を各配線基板領域に正常に分割することが可能な多数個取り配線基板を提供することを目的とする。
本発明の多数個取り配線基板は、主面の中央部に複数の配線基板領域が縦横に配列形成されるとともに外周部に枠状の捨て代領域が形成された母基板と、前記各配線基板領域の上側主面の外周部に全周にわたって取着された金属枠体と、前記各配線基板領域に形成された配線導体と、前記母基板の主面に前記配線基板領域同士の境界および前記配線基板領域と捨て代領域との境界に形成された分割溝とを具備しており、前記捨て代領域は、その上側主面が前記金属枠体の上面と同じ高さであることを特徴とするものである。
また、本発明の多数個取り配線基板において、好ましくは、前記分割溝は、前記母基板の側面に達していることを特徴とするものである。
また、本発明の多数個取り配線基板において、好ましくは、前記母基板は、前記配線基板領域と前記捨て代領域との間に前記捨て代領域の方が高くなるように全周にわたって段差が形成されており、該段差の底面に前記配線基板領域と前記捨て代領域との境界に形成された分割溝があることを特徴とするものである。
本発明の多数個取り配線基板によれば、捨て代領域は、その上側主面が金属枠体の上面と同じ高さであることから、捨て代領域の上側主面と金属枠体の上面との間に段差が生じることはなく、母基板を個片状に分割する際に、捨て代領域においても押圧ローラーは母基板の上側主面に密着して効果的に押圧力を加えることができ、この押圧力により母基板を分割溝に沿って、各配線基板領域にクラックやバリ等の不具合を発生させたり、捨て代領域に隣り合う配線基板領域に割れ残りを生じたりすることなく、正常に分割することができる。
また、多数個取り配線基板の金属枠体や配線導体にめっきを被着させる際、金属枠体に対するめっき液の循環性と配線導体に対するめっき液の循環性を近づけることができ、金属枠体に被着されるめっきと配線導体に被着されるめっきとの厚みばらつきを低減することができる。すなわち、従来のように金属枠体が母基板の上側主面から突出するように形成されている場合、突出した金属枠体に対するめっき液の循環性が配線導体に対するめっき液の循環性よりも良くなって金属枠体のめっき形成速度がきわめて速くなるのに対し、金属枠体の上面と捨て代領域の上側主面とを同じ高さとすることにより、捨て代領域によって金属枠体へのめっき液の循環を抑制することができ、金属枠体と配線導体とのめっき形成速度を近づけることができる。
また、本発明の多数個取り配線基板によれば、好ましくは、分割溝は、母基板の側面に達していることから、金属枠体が接合された各配線基板領域を個片状に分割する際に、捨て代領域の分割性を効果的に改善することができ、各配線基板領域にクラックやバリが発生したり、捨て代領域に隣り合う配線基板領域と捨て代領域との間で割れ残りが発生するのをより一層確実に防止することが可能となる。
また、本発明の多数個取り配線基板によれば、好ましくは、母基板は、配線基板領域と捨て代領域との間に捨て代領域の方が高くなるように全周にわたって段差が形成されており、段差の底面に配線基板領域と捨て代領域との境界に形成された分割溝があることから、母基板の分割溝の両側に位置する部位の厚さを同じにすることによって分割溝に沿った母基板の割れやすさをより効果的に揃えることができ、各配線基板領域にクラックやバリが発生したり、捨て代領域に隣り合う配線基板領域と捨て代領域との間で割れ残りが発生するのをより確実に防止することが可能となる。
また、母基板の製造工程中に生じる収縮等によって母基板の上側主面の段差の近傍で歪みが生じやすくなるのに対し、配線基板領域と捨て代領域との境界部をこの段差から離間させることができるので、配線基板領域と捨て代領域との境界部が歪むのを有効に防止することができ、配線基板領域と捨て代領域との分割をきわめて良好に行なうことができる。
その結果、配線基板領域と捨て代領域との間での分割性が改善され、母基板を分割溝に沿って容易かつ正確に分割することが可能な多数個取り配線基板を提供することができる。
次に、本発明の多数個取り配線基板を添付の図面を基に説明する。図1(a)は本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す平面図であり、図1(b)は、そのX−X’線における断面図である。なお、図1(b)は、この多数個取り配線基板(各配線基板領域には金属枠体5が接合されている)を配線基板領域ごとに個片状に分割するための工程も概略的に示す。
これらの図において1は母基板、2は配線基板領域、3は捨て代領域、4は分割溝、5は金属枠体、6は配線導体、9は外周メタライズ層、8はめっき導通用パターンである。
そして、主として母基板1、配線基板領域2、捨て代領域3、配線導体6、金属枠体5で本発明の多数個取り配線基板が構成されている。
ここで、母基板1は、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,ガラスセラミックス等のセラミック材料から成るセラミック層を積層して成る。また、各配線基板領域2は、例えば一辺の長さが2〜20mm程度で厚みが0.5〜3mm程度の四角形状である。そして、各配線基板領域2の上側主面中央部に電子部品を収納し搭載するための搭載部(図示せず)が設けられている。
搭載される電子部品(図示せず)は、IC,LSI等の半導体集積回路素子、LD(半導体レーザ),LED(発光ダイオード),PD(フォトダイオード),CCD,ラインセンサ,イメージセンサ等の光半導体素子、圧電振動子,水晶振動子等の振動子、その他の種々の電子部品である。
また、母基板1の外周部に形成されている捨て代領域3は、多数個取り配線基板の取り扱いを容易としたり、後述するように、配線導体6の露出表面にめっき層を被着させる際に、配線導体6にめっき用電流を供給するための配線の引き回しを容易としたりする機能をなす。
母基板1は、配線基板領域2同士の境界、および配線基板領域2と捨て代領域3との境界に分割溝4が形成されており、分割溝4に沿って母基板1を分割することにより、母基板1は配線基板領域2ごとに個片状に分割される。
このような母基板1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム等の原料粉末をシート状に成形したセラミックグリーンシートを複数枚準備するとともに縦横に区画して配線基板領域2を設け、次に、このセラミックグリーンシートの一部のものについて適当な打ち抜き加工を施した後、積層するとともに、この積層体の上側および下側主面の少なくとも一方に、配線基板領域2同士の境界、および配線基板領域2と捨て代領域3との境界に沿って分割溝4を形成し、焼成することによって作製される。分割溝4は、セラミックグリーンシートの主面に、カッター刃を押圧して所定の深さで溝状に切り込ませること等により形成される。
なお、分割溝4に沿った母基板1の分割とは、分割溝4を挟んで母基板1にたわませるようにして応力を加え、分割溝4の底部から対向する母基板1の主面にかけて母基板1を破断させることである。
この分割は、例えば、図1(b)に示すように、上面が平坦な支持板(図示せず)と、支持板の上面を水平に移動する硬質ゴム製の無端下ベルト13と、無端下ベルト13の上方に、無端下ベルト13と所定の距離をおいて平行に配置され、無端下ベルト13と同じ方向に同じ速度で移動する硬質ゴム製の無端上ベルト14と、無端下ベルト13の下面側に接し、無端下ベルト13を一定の速度で送る移送用ローラー15と、無端上ベルト14の上面側に、無端上ベルト14を上側から押さえつけるようにして配置された押圧ローラー11とを備えた装置により行われる。無端下ベルト13と無端上ベルト14との間の間隔は、各配線基板領域2の上側主面の外周部に金属枠体5が取着された多数個取り配線基板の高さよりも若干狭くなるように調整しておく。また、移送用ローラー15および押圧ローラー11は、多数個取り配線基板の移動方向において、移送用ローラー15の中心の直上に位置する部位から押圧ローラー11の中心の直下に位置する部位までの距離が各配線基板領域2の外辺の長さと一致するように設定されている。つまり、無端下ベルト13と無端上ベルト14との間に母基板1を挟んで移送させることにより、移送用ローラー15が支点として作用し、押圧ローラー11が作用点として作用して移送用ローラー15の上側で順次母基板1が分割溝4に沿って破断し分割される。
また、各配線基板領域2には、配線導体6が形成されている。配線導体6は、搭載部に搭載される電子部品の電極とボンディングワイヤや半田等を介して電気的に接続し、これを配線基板領域2の下側主面や側面に導出する導電路として機能する。
配線導体6は、タングステンやモリブデン,銅,銀等の金属材料から成り、例えば、タングステンから成る場合であれば、タングステンの金属ペーストを母基板1となるセラミックグリーンシートに所定の配線導体6のパターンで印刷しておくことにより形成される。
配線導体6の表面には、酸化腐食を防止するとともに、半田やボンディングワイヤを接続する際の半田の濡れ性、ボンディングワイヤのボンディング性等の特性を向上させるために、ニッケルや金等のめっき層(図示せず)を被着させておくことが好ましい。
このめっき層は、例えば、めっき液中で被めっき部(配線導体6の表面)にめっき被着用の電流を供給し、電解めっきを施すことにより形成される。
この場合、捨て代領域3の主面や内層に外周メタライズ層9を、配線基板領域2の全体を取り囲むようにして形成しておくと、上記めっきのときに、各配線基板領域2の配線導体6へのめっき用電流の供給を容易かつ確実とすることができるので好ましい。
例えば、母基板1の外側面からそれに隣接する上側主面の外周端部にかけてめっき導通用パターン8を形成し、このめっき導通用パターン8を外周メタライズ層9と電気的に接続させるとともに、外周メタライズ層9から各配線基板領域2の並びの最外周の配線基板領域2にかけて導通用のパターン等を形成することにより、めっき導通用パターン8に供給されためっき用の電流は、外周メタライズ層9を伝わりながら、順次各配線導体6に供給されて行く。
なお、外周メタライズ層9は、配線導体6を形成するのと同様の金属ペーストを、セラミックグリーンシートの外周の捨て代領域3の主面に枠状に印刷塗布しておくことにより形成される。外周メタライズ層9は、生産性等を考慮すると、配線導体6と同じ材料で形成することが好ましい。
また、各配線基板領域2は、上側主面の外周部に全周にわたって金属枠体5が取着されている。金属枠体5は、搭載部を取り囲み、その上面に後述するように蓋体を取着すること等により、搭載部に搭載されている電子部品が気密封止される。
なお、各配線基板領域2の上側主面に対する金属枠体5の取着は、例えば、各配線基板領域2の上側主面に搭載部を取り囲むようにして封止用メタライズ層7を形成しておき、この封止用メタライズ層7に、鉄−ニッケル−コバルト合金や鉄−ニッケル合金等の金属材料からなる金属枠体5を銀−銅ろう等のろう材を介してろう付けすること等の手段で接合することにより行われる。
金属枠体5は、例えば、鉄−ニッケル−コバルト合金の金属板に打抜き加工やエッチング加工等の加工を施すことにより形成される。
本発明の多数個取り配線基板において、捨て代領域3は、その上側主面が金属枠体5の上面と同じ高さである。この構成により、捨て代領域3の上側主面と、金属枠体5の上面との間に段差が生じることはなく、母基板1を個片状に分割する際に、捨て代領域3においても、押圧ローラー11は母基板1の上側主面に密着して効果的に押圧力を加えることができ、この押圧力により母基板1を分割溝4に沿って、各配線基板領域2にクラックやバリ等の不具合を発生させたり、捨て代領域3に隣り合う配線基板領域2に割れ残りを生じたりすることなく、正常に分割することができる。
具体的に説明すると、配線基板領域2に金属枠体5が取着されているのに対し、捨て代領域3においてそのような金属枠体5が取着されていなくても、配線基板領域2に対して捨て代領域3の高さを同じにして段差を無くすことができる。
よって、配線基板領域2の高さに合わせて、分割用の装置の無端下ベルト13と無端上ベルト14との間の間隔を、金属枠体5が接合された配線基板領域2の厚みより若干狭く調整することにより、捨て代領域3においても、母基板1の上側主面と無端上ベルト14との間に隙間が生じることなく押圧ローラー11から母基板1に作用する押圧力を十分確保することができ、母基板1を薄くすることによって金属枠体5の厚みが母基板1の厚みに対して比較的厚くなったとしても、安定した分割性を得ることができる。
捨て代領域3における母基板1の高さを、その上側主面が金属枠体5の上面と同じ高さとなるように高くするには、例えば、セラミックグリーンシートを積層して母基板1を作製する際に、捨て代領域3におけるセラミックグリーンシートの積層の層数を、配線基板領域2における層数よりも多くすること等の手段を用いることができる。捨て代領域3の層数を多くするには、例えば、枠状のセラミックグリーンシートを作製しておいて、これを母基板1となるセラミックグリーンシートの積層体の上側主面の外周部に積層する。
さらに、この多数個取り配線基板は、配線基板領域2に取着されている金属枠体5の上面と、母基板1の外周部に形成された枠状の捨て代領域3の上側主面とが同じ高さであり、従来のように金属枠体5が母基板1の上側主面から突出するように形成されないことから、突出した金属枠体5に対するめっき液の循環が他の部位(配線導体6等)に比べて良くなってめっき速度が速くなる、というようなことはなく、配線基板領域2の搭載部等に形成された配線導体6との間でめっき厚みのばらつきを軽減させることができる。通常、めっき液の循環が良く突出した部分には縁端効果によりめっき厚みが厚くなる現象が知られており、多数個取り配線基板においても、この傾向が見られる。つまり、本発明の多数個取り配線基板によれば、このような縁端効果も効果的に減少させることができ、めっき厚みのばらつきを従来よりも小さくすることができる。
また、本発明の多数個取り配線基板において、分割溝4は、母基板1の側面に達していることが好ましい。これにより、金属枠体5が接合された各配線基板領域2を個片状に分割する際に、捨て代領域3の分割性を効果的に改善することができ、各配線基板領域2にクラックやバリが発生したり、捨て代領域3に隣り合う配線基板領域2と捨て代領域3との間で割れ残りが発生するのをより一層確実に防止することが可能となる。
なお、母基板1に形成する分割溝4は、母基板1の上側主面および下側主面の少なくとも一方に形成されていればよく、好ましくは、母基板1の上側主面および下側主面にそれぞれほぼ同じ深さで形成されているのがよい。これにより、主として、分割溝4を形成するための装置の設定が容易となる。また、このセラミックグリーンシート積層体の上下主面に分割溝4をカッター刃等により形成する際に、セラミックグリーンシートの変形を抑えることができるとともに、安定した分割性を得ることが容易となる。さらに、母基板1の外周部の枠状の捨て代領域3の内部に外周メタライズ層9を形成することにより、この外周メタライズ層9を切断しない範囲で母基板1の上下主面にバランスよく分割溝4を形成することができる。
また、本発明の多数個取り配線基板において、母基板1は、配線基板領域2と捨て代領域3との間に捨て代領域3の方が高くなるように全周にわたって段差3’が形成されており、段差3’の底面に配線基板領域2と捨て代領域3との境界に形成された分割溝4があることが好ましい。
これにより、母基板1の分割溝4の両側に位置する部位の厚さを同じにすることによって分割溝4に沿った母基板1の割れやすさをより効果的に揃えることができ、各配線基板領域2にクラックやバリが発生したり、捨て代領域3に隣り合う配線基板領域2と捨て代領域3との間で割れ残りが発生するのをより確実に防止することが可能となる。
また、母基板1の製造工程中に生じる収縮等によって母基板1の上側主面の段差3’の近傍で歪みが生じやすくなるのに対し、配線基板領域2と捨て代領域3との境界部をこの段差3’から離間させることができるので、配線基板領域2と捨て代領域3との境界部が歪むのを有効に防止することができ、配線基板領域2と捨て代領域3との分割をきわめて良好に行なうことができる。
また、配線基板領域2の最外周部に接合された金属枠体5の外周側面と、捨て代領域3の内周側面との間隔は、金属枠体5を母基板1に接合させるための位置合わせ治具の妨げにならないように、2〜5mm程度離間させて形成することが望ましい。この場合、2mm未満であると、金属枠体5を母基板1に接合させるための位置合わせ治具の妨げになり、金属枠体5を正確に各配線基板領域2の中央に位置決めするのが困難になる。また、5mmを超えると無端上ベルト14の上面に接触する押圧ローラー11によりセラミックの母基板1の上側主面に押圧力を加え、母基板1を分割溝4に沿って分割する際に、押圧ローラー11の曲面部がこの隙間に入り込み、押圧ローラー11の上下振動により絶縁基板領域2にクラックやバリが発生する可能性が高くなる。
なお、捨て代領域3は、全域において同じ高さとしておくことが好ましい。これにより、母基板1の全周において均一に捨て代領域3に加わる押圧力を確保することができる。
また、過剰な押圧によるクラックや欠けの発生を防止するために、一定の押圧をかけられるように押圧ローラー11の端部が油圧シリンダーやエアーシリンダー,電磁ソレノイド,スプリング等の構成となっており、ある程度の段差はこの構成により緩和されることになる。
よって、本発明における捨て代領域3の上側主面が金属枠体5の上面と同じ高さであるというのは、捨て代領域3の上側主面と金属枠体5の上面との高さの差が−0.2〜0.2mmであることをいう。
以上の結果、本発明によれば、捨て代領域3は、その上側主面が金属枠体5の上面と同じ高さであることから、配線基板領域2に金属枠体5が取着されているのに対し、捨て代領域3においてそのような金属枠体5が取着されていなくても、配線基板領域2に対して捨て代領域3の高さを同じにして段差を無くすことができる。
よって、各配線基板領域2に金属枠体5が接合された多数個取り配線基板を無端下ベルト13と同一方向に同一速度で移動する硬質ゴム製の無端上ベルト14との間に挟んで移送しながら無端上ベルト14の上面に接触する押圧ローラー11によりセラミックの母基板1の上側主面に押圧力を加え、この押圧力により母基板1を分割溝4に沿って分割する際に、各配線基板領域2にクラックやバリが発生したり、捨て代領域3に隣り合う配線基板領域2と捨て代領域3との間で割れ残りが発生するのを防止することが可能となる。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えても何ら差し支えない。例えば、この例では配線基板領域2の搭載部に形成している配線導体6を2箇所としたが、搭載部の四隅に4箇所形成することで構成してもよいのは言うまでもない。
また、各配線基板領域2同士の間や、配線基板領域2と捨て代領域3との間に、母基板1を上下に導通するような貫通導体10を形成し、配線基板領域2間の配線導体6の電気的接続や、配線導体6と外周メタライズ層9との間の電気的接続をより確実かつ容易なものとするようにしてもよい。
(a)は本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す平面図、(b)は(a)の多数個取り配線基板のX−X’線における断面図である。 (a)は従来の多数個取り配線基板の平面図、(b)は(a)の多数個取り配線基板のY−Y’線における断面図である
符号の説明
1・・・母基板
2・・・配線基板領域
3・・・捨て代領域
3’・・・段差
4・・・分割溝
5・・・金属枠体
6・・・配線導体

Claims (3)

  1. 主面の中央部に複数の配線基板領域が縦横に配列形成されるとともに外周部に枠状の捨て代領域が形成された母基板と、前記各配線基板領域の上側主面の外周部に全周にわたって取着された金属枠体と、前記各配線基板領域に形成された配線導体と、前記母基板の主面に前記配線基板領域同士の境界および前記配線基板領域と捨て代領域との境界に形成された分割溝とを具備しており、前記捨て代領域は、その上側主面が前記金属枠体の上面と同じ高さであることを特徴とする多数個取り配線基板。
  2. 前記分割溝は、前記母基板の側面に達していることを特徴とする請求項1記載の多数個取り配線基板。
  3. 前記母基板は、前記配線基板領域と前記捨て代領域との間に前記捨て代領域の方が高くなるように全周にわたって段差が形成されており、該段差の底面に前記配線基板領域と前記捨て代領域との境界に形成された分割溝があることを特徴とする請求項1または請求項2記載の多数個取り配線基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008135727A (ja) * 2006-10-24 2008-06-12 Kyocera Corp 電子部品収納用パッケージ
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