JP2004119586A - 多数個取り配線基板 - Google Patents

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Yozo Kamata
鎌田 陽三
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Abstract

【課題】貫通導体の内部のセラミック絶縁層の層間部分に微細な密着不良が発生することがなく、高信頼性の配線基板を得ることが可能な多数個取り配線基板を提供すること。
【解決手段】表面に配線層3が形成された複数のセラミック絶縁層4a・4bを積層して配線基板領域5が縦横に配列して形成されるとともに上下に位置する配線層3間をセラミック絶縁層4a・4bの配線基板領域5の境界に位置させて形成した貫通導体10を介して接続し、上面および/または下面に配線基板領域5を分割するための分割溝8a・8bが貫通導体10を横切るようにして形成された多数個取り配線基板であって、分割溝8a・8bは、その底部をセラミック絶縁層4a・4bの層間9から10μm以上離して形成されている。分割溝8a・8bを形成する際に貫通導体10の層間9部分に微細な密着不良が発生することを防止し、高信頼性の配線基板を得ることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、広面積の母基板中に各々が半導体素子や水晶振動子等の電子部品を搭載するための小型の配線基板となる多数の配線基板領域を縦横の並びに一体的に配列形成して成る多数個取り配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば半導体素子や水晶振動子等の電子部品を収容するための電子部品収納用パッケージに用いられる小型の配線基板は、酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックスから成る略四角平板状の絶縁基体の上面に電子部品を収容するための凹部が形成されているとともに、この凹部の内側から絶縁基体の下面にかけて複数の配線層を配設して成る。そして、絶縁基体の凹部の底面に電子部品を搭載固定するとともに電子部品の電極をボンディングワイヤや半田等の電気的接続手段を介して凹部内の配線層に電気的に接続し、しかる後、絶縁基体の上面に凹部を塞ぐようにして金属やガラス等から成る蓋体やエポキシ樹脂等から成る樹脂製充填材を接合させ、凹部の内部に電子部品を気密に収容することによって製品としての電子装置となる。
【0003】
ところで、このような配線基板は近時の電子装置の小型化の要求に伴い、その大きさが数mm角程度の極めて小さなものとなってきており、多数個の配線基板の取り扱いを容易とするために、また配線基板および電子装置の製作を効率よく行なうために、1枚の広面積の母基板から多数個の配線基板を同時集約的に得るようになした、いわゆる多数個取り配線基板の形態で製作されている。
【0004】
この多数個取り配線基板は、図2(a)に上面図で、および(b)にそのY−Y’線断面図で示すように、複数のセラミック絶縁層34を積層して成る略平板状の母基板31の中央部に、各々がその上面側に電子部品を収容するための凹部32およびこの凹部32内から下面にかけて複数の配線層33を有する略四角形の多数の配線基板領域35を縦横の並びに一体的に配列形成して成るとともに、この母基板31の外周部にこれらの配線基板領域35を取り囲むようにして略四角枠状の捨て代領域36を形成して成る。そして、例えば各配線基板領域35の凹部32内に電子部品を収容した後、母基板を各配線基板領域35毎に分割することによって多数個の電子装置が同時集約的に製作される。
【0005】
なお、隣接する配線基板領域35の間には、境界に跨るようにして貫通導体40が形成されており、この貫通導体40を介して上下に位置する配線層33が導通されている。また、この貫通導体40は、隣接する配線基板領域35の配線層33間を導通する機能も有している。そして、母基板31の下面には、貫通導体40の下端部分と接続するようにして外部接続用メタライズ層42が被着されている。
【0006】
このような多数個取り配線基板は、母基板31の各セラミック絶縁層34となるグリーンシートを複数準備するとともに、配線基板領域35となる領域の境界の所定位置に貫通孔を形成し、次に、金属ペーストをグリーンシートの表面および貫通孔内に印刷塗布・充填し、最後に、このグリーンシートを積層して積層体とするとともに焼成することにより製作される。
【0007】
ところで一般的に、このような多数個取り配線基板においては、複数の配線層33を有する略四角形の多数の配線基板領域35を各個片状態に分割するために、グリーンシート積層体のそれぞれの配線基板領域35の境界線37の上下に、カッター刃等を押しつけることにより分割溝38を形成している。このため、貫通導体40には、分割溝38が横切るようにして形成される。
【0008】
従来の多数個取り配線基板においては、セラミック絶縁層34はほぼ同じ厚みのものが上下に積層されており、分割溝38は、母基板31の上面側および下面側から、それぞれほぼ同じ深さで形成されていた。これは、主として、分割溝38を形成するための装置の設定が容易となるためである。また、このグリーンシート積層体の上下面に分割溝38をカッター刃等により形成する際に、グリーンシートの変形を抑えることができるとともに、安定した分割性を得ることができるためである。
【0009】
そして、積層する絶縁層34が例えば図2(b)に示すように2枚である場合は、上面の分割溝38bは下側の絶縁層34aと上側の絶縁層34bとの層間39を越えないように、上側の分割溝38bであれば上側の絶縁層34bの厚みの範囲内となるように、また下側の分割溝38aであれば下側の絶縁層34aの厚みの範囲内となるようにして分割溝38が形成されるのが一般的である。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−308525号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、電子部品収納用パッケージ等に用いられる小型の配線基板は、電子部品を搭載するための搭載部の体積をできるだけ大きく取り、かつ電子装置の厚みを薄くすることが要求されるようになってきている。
【0012】
このような配線基板を製作する場合には、多数個取り配線基板は、図3に図2(b)と同様の断面図で示すように、上側のセラミック絶縁層34bに対して、下側のセラミック絶縁層34aを薄くした構造とされる。このような多数個取り配線基板においては、下側のセラミック絶縁層34aの厚みが上側のセラミック絶縁層34bに対して薄いため、下側の分割溝38aの深さが下側のセラミック絶縁層34aと上側のセラミック絶縁層34bとの層間39を越えて形成される。
【0013】
このような多数個取り配線基板を製作する場合は、グリーンシート積層体に分割溝38を形成するためのカッター刃が、上下のグリーンシートの層間39で、上側のセラミック絶縁層34bとなるグリーンシートの境界面側に遮られるようになるため滑らかに連続してグリーンシート積層体に切り込みを入れることができずにグリーンシート積層体の層間39部分を押してしまうようになり、この押しに伴う歪みにより、分割溝38が横切って形成される貫通導体40にも歪みが生じることから、貫通導体40内部の層間39部分に微細な密着不良が発生してしまうという問題点があった。
【0014】
そして、この微細な密着不良は、凹部32の底面に電子部品を搭載固定し、凹部32を取り囲むようにして予め設けておいた封止用メタライズ層41に金属蓋体(図示せず)をシーム溶接で接合して凹部32を塞ぎ電子部品を気密封止する際に、金属蓋体と絶縁基体31との線熱膨張係数の違いから発生する熱応力により貫通導体40に発生するクラックの要因となり、その結果、凹部32の内部に電子部品を気密に収容することができなくなるという問題点があった。
【0015】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、配線基板領域の境界に分割溝が横切るようにして形成された貫通導体の内部に微細な密着不良が発生することが効果的に防止され、絶縁基体に金属蓋体をシーム溶接で接合するときに金属蓋体と絶縁基体との線熱膨張係数の違いから発生する熱応力等により貫通導体等にクラックが発生することを効果的に防止することが可能で、気密信頼性に優れた電子部品収納用パッケージが作製可能な多数個取り配線基板を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の多数個取り配線基板は、表面に配線層が形成された複数のセラミック絶縁層を積層して配線基板領域が縦横に配列して形成されるとともに上下に位置する前記配線層間を前記セラミック絶縁層の前記配線基板領域の境界に位置させて形成した貫通導体を介して接続し、上面および/または下面に前記配線基板領域を分割するための分割溝が前記境界に前記貫通導体を横切るようにして形成された多数個取り配線基板であって、前記分割溝は、その底部を前記セラミック絶縁層の層間から10μm以上離して形成されていることを特徴とするものである。
【0017】
本発明の多数個取り配線基板によれば、分割溝は、その底部が、セラミック絶縁層の層間から10μm以上離れるようにして形成されていることから、分割溝を形成するためのカッター刃が、各配線基板領域の境界線に形成されている貫通導体の部分において、上側のセラミック絶縁層と下側のセラミック絶縁層との層間を越えて形成されることがないので、上下のセラミック絶縁層(グリーンシート)の層間の境界面を切断できずに押してしまうことがなく、従って、グリーンシートが押されることによる歪みも生じない。
【0018】
よって、貫通導体の内部の層間部分に微細な密着不良が発生することがなく、上下のグリーンシートを良好に密着させた状態でグリーンシート積層体の上下に分割溝を形成することが可能となり、焼成後の多数個取り配線基板で貫通導体内に微細な密着不良が発生することを効果的に防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の多数個取り配線基板を添付の図面を基に詳細に説明する。図1(a)および(b)は本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す上面図および断面図であり、これらの図において1は母基板、2は電子部品(図示せず)を搭載し収容するための凹部、3は配線層、5は配線基板領域である。
【0020】
母基板1は、図1(b)に断面図で示すように、例えば酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・ガラスセラミックス等のセラミック材料から成る上側のセラミック絶縁層4bおよび下側のセラミック絶縁層4aが積層されて成り、上面の凹部2内に電子部品が搭載されて収容される。
【0021】
母基板1は、例えば、各セラミック絶縁層4a・4bが酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化カルシウム等の原料粉末を有機溶剤・バインダ等とともにシート状に成形して複数のグリーンシートを得て、このグリーンシートの所定位置に凹部となるような打ち抜き加工を施した後、上下に積層し、焼成することにより形成される。
【0022】
なお、グリーンシートを焼成して得られる、母基板1を構成するセラミック絶縁層4(4a・4b)の厚みは、通常は100〜500μm程度とされる。
【0023】
各々の配線基板領域5の上面には凹部2の内側から外側にかけて導出する配線層3が被着されており、この配線層3には電子部品の電極がボンディングワイヤや導電性接着剤を介して電気的に接続される。
【0024】
また、母基板1のセラミック絶縁層4には、この配線層3の外側に導出された端部と接続するようにして、配線基板領域5の境界線7を跨がるように位置させて貫通導体10が形成されている。この貫通導体10は、上下に位置する配線層3を接続する機能を有し、また、隣接する配線基板領域5の配線層3間を接続する機能も有している。
【0025】
また、母基板1の下面には、貫通導体10の下端部分と接続するようにして外部接続用メタライズ層12が被着されている。この外部接続用メタライズ層12を外部電気回路基板(図示せず)の配線導体に導電性接着剤等を介して接続することにより、内部に収容する電子部品が配線層3・貫通導体10および外部接続用メタライズ層12を介して外部電気回路に電気的に接続される。
【0026】
これらの配線層3・貫通導体10および外部接続用メタライズ層12は、タングステンやモリブデン・銅・銀等の金属材料から成り、例えば、あらかじめグリーンシートの各配線基板領域5の境界線7に跨るようにして複数の貫通孔を形成しておき、タングステン等の金属ペーストをグリーンシートの表面および貫通孔内にスクリーン印刷法等で印刷塗布あるいは充填することにより形成される。
【0027】
各配線基板領域5の境界線7上には、貫通導体10を横切るようにして分割溝8が形成されており、この分割溝8に沿って母基板1を分割することにより、各配線基板領域5が個片に分割されてそれぞれが配線基板となる。
【0028】
この分割溝8は、通常、母基板1の上下面に、それぞれ平面視で同じ位置となるように形成されている。これは、母基板1の各配線基板領域5をバリ等の不具合を生じることなく確実に分割するためである。
【0029】
このような分割溝8は、母基板1のセラミック絶縁層4(4a・4b)となるグリーンシート積層体の上下面に、カッター刃を押し当てて切り込みを入れる等の方法で形成される。また、分割溝8の深さは、分割時のクラックやバリ、欠けを防止するために、母基板1のセラミック絶縁層4(4a・4b)の厚みに対して、その深さが20〜70%程度に設定される。
【0030】
本発明の多数個取り配線基板においては、この分割溝8を、その底部がセラミック絶縁層4a・4bの層間9から10μm以上離れるようにして形成することが重要である。
【0031】
例えば、母基板1の上面側に分割溝8bを形成する場合であれば、その分割溝8bの底部が上側のセラミック絶縁層4bと下側のセラミック絶縁層4aとの層間9を越えないように、かつこの層間9から分割溝8bの底部までの距離d1が10μm以上となるようにして形成する。
【0032】
また、母基板1の下面側に分割溝8aを形成する場合であれば、その分割溝8aの底部が上側のセラミック絶縁層4bと下側のセラミック絶縁層4aとの層間9を越えないように、かつ、この層間9から分割溝8aの底部までの距離d2が10μm以上となるようにして形成する。
【0033】
分割溝8(8a・8b)の底部を、セラミック絶縁層4(4a・4b)の層間9から10μm以上離しておくと、この分割溝8(8a・8b)をグリーンシート積層体に形成する際に、分割溝8(8a・8b)を形成するためのカッター刃がグリーンシートの層間9部分で遮られて、この層間9部分を押してしまうようなことがなく、分割溝8(8a・8b)が横切って形成される貫通導体10(導電ペーストが充填された貫通孔)に歪みが生じてセラミック絶縁層4(4a・4b)の層間9部分で微細な密着不良が発生することを効果的に防止することができる。
【0034】
この場合、母基板1の上下に形成される分割溝8の全てにおいて、分割溝8の底部からセラミック絶縁層4の層間9までの距離を10μm以上とする必要がある。これは、分割溝8の底部からセラミック絶縁層4の層間9までの距離が10μm未満であると、分割溝8を形成するカッター刃が層間9に届いていないとしても、カッター刃の進入に伴うグリーンシート内の変形がグリーンシートの層間9に伝達されて貫通導体10に歪みを生じてしまい、層間9部分で微細な密着不良を発生させてしまうためである。
【0035】
なお、分割溝8を深さの精度良く母基板1となるグリーンシート積層体の上下面に形成する方法としては、カッター刃をグリーンシート積層体に押さえつけた場合であっても、このカッター刃が慣性により必要以上深く入らないような構造の金型による形成方法が有効である。このような金型としては、例えば縦方向および横方向の分割溝8を別々に形成するように、数十本の並列に並んだカッター刃を金型の凹部に収納するように形成し、加圧することでこれらカッター刃が金型の凹部より突出するような構造とすればよい。
【0036】
また、分割溝8の底部から層間9までの距離は、分割溝8を繰り返し形成することによるカッター刃の磨耗や、カッター刃の金型への取り付け時の突出高さのバラツキ等を考慮すると、10μm以上40μm以下として形成することが望ましい。
【0037】
この配線基板領域5の各凹部2内に電子部品を収容するとともに、電子部品の電極を導電性接続材を介して配線層3に接続した後、あらかじめ凹部2を取り囲むようにして母基板1の上面に形成しておいた封止用メタライズ層11に金属蓋体(図示せず)をシーム溶接等によって接合することにより、電子部品が気密封止され電子装置となる。
【0038】
封止用メタライズ層11は、上記の配線層3と同様に、タングステン等の金属ペーストをグリーンシートの表面に印刷し焼成することにより形成される。
【0039】
なお、配線層3や封止用メタライズ層11・外部接続用メタライズ層12等の露出表面は、ニッケルや金等のめっき層で被覆しておくことが好ましく、これにより、耐食性が向上するとともに、導電性接続材の接続や金属蓋体のシーム溶接等を容易かつ確実に行なうことができる。
【0040】
このように配線層3や封止用メタライズ層11・外部接続用メタライズ層12等の露出表面にニッケルや金等のめっき層を被着させる場合は、図1(a)に示すように、母基板1の外周部に配線基板領域5の配列を取り囲むように捨て代領域6を形成するとともに、この捨て代領域6に枠状のめっき導通用導体14を形成しておくことが好ましい。これにより、各配線基板領域5の配線層3や封止用メタライズ層11・外部接続用メタライズ層12等を共通に接続しておき、その外周部をめっき導通用導体14と電気的に接続することによって、各配線基板領域5の配線層3や封止用メタライズ層11・外部接続用メタライズ層12等の露出表面に均一にめっき層を被着させることが可能となる。
【0041】
【実施例】
以下、本発明の多数個取り配線基板について、実施例を挙げて説明する。
【0042】
まず、酸化アルミニウム・酸化ケイ素・酸化マグネシウム・酸化カルシウムから成る原料粉末を有機溶剤・バインダと混練してスラリーを得た。このスラリーをドクターブレード法で成形するとともに切断して、外寸が10cm×10cmで厚さが100μm程度のグリーンシートを複数作製した。
【0043】
このグリーンシートを0.5cm×0.5cmの縦横に配列された多数の配線基板領域に区画するとともに、各配線基板領域の境界線に沿って、パンチング穴あけ加工により製品に合せて一定の間隔で直径0.1〜0.3mm程度の多数の貫通孔を配列形成した。また、一部のグリーンシートには各配線基板領域の中央部分に金型による打ち抜き加工を施して、四角形状の開口部を設けておいた。
【0044】
次に、タングステン粉末に有機溶剤・バインダを添加し混練してタングステンの金属ペーストを作製し、この金属ペーストを各グリーンシートの表面および貫通孔内にスクリーン印刷法で印刷塗布・充填した。
【0045】
その後、各グリーンシートを、四角形状の開口部を形成したものが上層になり、形成していないものが下層になるようにして、また、貫通孔が上下に連なるようにして積層し、各配線基板領域の境界線に沿ってグリーンシート積層体の上面側からカッター刃を押し込み、分割溝を形成した。このとき、分割溝は、その底部の位置が表1に示すような深さとなるようにして形成した。なお、表1において、分割溝の底部とグリーンシート(絶縁層)の層間との間の距離がマイナス(−)表示のものは、分割溝の底部が層間を越えるようにして形成したものであり、数値はその越えた距離を示す。
【0046】
そして、このグリーンシートの積層体を約1500〜1600℃で焼成して、多数の配線基板領域が縦横に配列して形成された多数個取り配線基板の試料を得た。
【0047】
得られた多数個取り配線基板の試料について、分割溝に沿って分割して各配線基板領域毎に分割した後、鉄−ニッケル−コバルト合金から成る金属蓋体を、凹部を塞ぐようにしてシーム溶接で接合して、凹部を封止した。
【0048】
この気密封止の良否を、分割溝の底部の深さが異なる各多数個取り配線基板の試料について、シーム溶接後の試料のクラック数を調査して評価した。なお、このクラック数については、双眼顕微鏡を用いて40倍で表裏面および側面に発生したクラック発生数を調査した。また、試料数(気密封止した試料の個数)は、それぞれ50個とした。そして、気密封止不良の発生個数を調べ、その結果を表1に示した。
【0049】
【表1】
Figure 2004119586
【0050】
表1に示す結果より、試料番号6〜15のように、分割溝の底部が上下のグリーンシート(絶縁層)の層間から10μm以上離れている場合は、気密封止の不良の発生率は0%(50個中0個)であり、確実に気密封止されており、シーム溶接によるクラックの発生がないことが分かる。
【0051】
これに対して、試料番号1〜5のように、分割溝の底部が上下のグリーンシート(絶縁層)の層間から10μm未満になると、気密封止不良となるクラックが発生するようになる。この発生率は分割溝の底部が層間に近づくほど増加する傾向が見られた。これにより、本発明の効果を確認することができた。
【0052】
なお、試料番号13〜15のように、分割溝の底部と上下のグリーンシート(絶縁層)の層間との間の距離が40μmを超える場合は、クラックの発生はなく気密封止については良好であるものの、分割溝が浅いものとなるため、多数個取り配線基板を分割するときに部分的に分割しにくくなったり、分割された各領域にバリやカケ等の不具合を発生させやすくなったりする傾向が見られた。このため、分割溝は、その底部が、上下のグリーンシート(絶縁層)の層間から10μm以上40μm以下となるようにして形成することが好ましいことが分かる。
【0053】
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更を加えることは何ら差し支えない。例えば、以上の実施の形態の例では複数のセラミック絶縁層を形成するのに2枚のグリーンシートを使用しているが、3枚以上のグリーンシートを積層して、分割溝の底部と各セラミック絶縁層の層間との間の距離を10μm以上40μm以下としてもよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明の多数個取り配線基板によれば、表面に配線層が形成された複数のセラミック絶縁層を積層して配線基板領域が縦横に配列して形成されるとともに上下に位置する前記配線層間を前記セラミック絶縁層の前記配線基板領域の境界に位置させて形成した貫通導体を介して接続し、上面および/または下面に前記配線基板領域を分割するための分割溝が前記貫通導体を横切るようにして形成された多数個取り配線基板であって、前記分割溝は、その底部を前記セラミック絶縁層の層間から10μm以上離して形成されていることから、分割溝を形成するためのカッター刃が、各配線基板領域の境界線に形成されている貫通導体の部分において、上側のセラミック絶縁層と下側のセラミック絶縁層との層間を越えて形成されることがないので、上下のセラミック絶縁層(グリーンシート)の層間の境界面を切断できずに押してしまうことがなく、従って、グリーンシートが押されることによる歪みも生じない。
【0055】
よって、貫通導体の内部の層間部分に微細な密着不良が発生することがなく、上下のグリーンシートを良好に密着させた状態でグリーンシート積層体の上下に分割溝を形成することが可能となり、焼成後の多数個取り配線基板で貫通導体内に微細な密着不良が発生することを効果的に防止することができる。
【0056】
その結果、グリーンシート積層体の上下面に対して配線基板領域の境界に分割溝を形成する際にこの分割溝が横切るようにして形成された貫通導体の内部に微細な密着不良が発生することを効果的に防止することができ、配線基板の凹部の底面に電子部品を搭載し固定した後、配線基板の絶縁基体の上面に金属蓋体をシーム溶接等によって接合するときに金属蓋体と絶縁基体との線熱膨張係数の違いから発生する熱応力等により貫通導体等にクラックが発生することを効果的に防止することが可能で、気密信頼性に優れた電子部品収納用パッケージが作製可能な多数個取り配線基板を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は、それぞれ本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す上面図および断面図である。
【図2】(a)および(b)は、それぞれ従来の多数個取り配線基板の例を示す上面図および断面図である。
【図3】従来の多数個取り配線基板の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・母基板
3・・・配線層
4・・・セラミック絶縁層
4a・・・下側のセラミック絶縁層
4b・・・上側のセラミック絶縁層
5・・・配線基板領域
7・・・境界線
8・・・分割溝
8a・・・下側の分割溝
8b・・・上側の分割溝
9・・・層間
10・・・貫通導体

Claims (1)

  1. 表面に配線層が形成された複数のセラミック絶縁層を積層して配線基板領域が縦横に配列して形成されるとともに上下に位置する前記配線層間を前記セラミック絶縁層の前記配線基板領域の境界に位置させて形成した貫通導体を介して接続し、上面および/または下面に前記配線基板領域を分割するための分割溝が前記境界に前記貫通導体を横切るようにして形成された多数個取り配線基板であって、前記分割溝は、その底部を前記セラミック絶縁層の層間から10μm以上離して形成されていることを特徴とする多数個取り配線基板。
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